説明

歯を白化する組成物

本発明は、担体が、保湿剤、生体接着剤、および本質的に水不溶性皮膜形成剤と皮膜形成剤用の溶媒とからなる皮膜形成剤を含んでなる、過酸化物含有化合物および経口上許容される担体を含む無水、液状の歯を白化する組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯のエナメル質を漂白するための歯を白化する組成物に関する。特に、本発明は、過酸化物を含む無水の歯を白化する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
白い歯は、長い間、美容上、望ましいと考えられている。不幸にも、歯は、治療なしでは、ほとんどと言っていいほど退色する。一般に着色外観を与える原因となる歯の組織は、エナメル層である。いくつかの要因がエナメル変色を導くが、3つの主な要因: (i)歯の表面にプラークおよび歯石マトリックスを形成して、染み・汚れ(stain)を引き付けること; (ii) 妊娠時の歯の形成中に、特定の薬物を摂取すること;および(iii) 口腔を傷つけ、血液の分解産物がエナメル形成中に歯の石灰化領域内にしみ込むことにより変色すること、であると信じられている。本発明は主として、歯の変色の第一番目の要因、即ち、歯に蓄積する自然の染み・汚れに関連する。
【0003】
歯を白化する市販の製剤が、表面に取り込まれた物質によって変色した歯のエナメル質の光沢を元に戻したいという多くの人々の美容の意向に取り組むべく開発されてきた。歯みがきおよび口内洗浄剤は全て、幾種の洗浄剤および研磨材を含んでいるが、通常の使用条件下で、これらの薬剤では完全に除去することが難しいエナメル付着物もある。例えば、タールその他の吐き出されたたばこの煙中の微粒子が歯に付着するので、喫煙者のエナメルは、変色することが多い。さらに、お茶などの食料品の多く、またはいくつかの薬剤は、歯のエナメル質を着色または変色し得る。
【0004】
現在、通常の使用状況下で、エナメルを白化するアプローチが種々ある。1のアプローチは、汚れを除去するために汚れを物理的に研磨することである。典型的な非白化練り歯磨き粉に用いられているものよりも強力な研磨剤(艶出し剤ともいわれる)がこのアプローチに用いられる。これら製品の全てではないがほとんどが、練り歯磨き粉、ゲルまたは粉末歯みがきである。この機械的方法に、汚れを除去するための酸化または酵素による工程を含み得る化学的方法を追加してもよいし、場合によっては置き換えてもよい。
【0005】
化学的方法では一般に、着色した歯の表面に一定の期間塗っておいた後に除去される歯を白化または漂白化する配合物が用いられる。酸化剤は、歯を白化または漂白化する市販製品に最も幅広く分配・利用されている活性化剤のうちの1つである。過酸化カルバミド、過酸化水素および過酸化カルシウムなどの過酸化物含有剤は、最も一般的に用いられている酸化剤であり、典型的に、液体、溶液、ゲルまたは練り粉の中に配合されている。しかしながら、かかる薬剤を含有する製品が、時間とともに白化の効能を失うことがあるということは公知である。また、水性過酸化物配合物は、口腔内の歯に塗布された場合、唾液中に高濃度で存在している酵素のカタラーゼに曝されたときに過酸化物が迅速に分解するため、ごく短時間の効能しかない可能性がある。さらに過酸化物水溶液が低粘性であるために、常に起こる唾液分泌のフラッシング効果によって、実質的な白化を達成するのに必要な時間の間、過酸化物白化剤と歯との接触が維持できない。WO 03/099246 (Colgate-Palmolive)は、ポリ(エチレンオキシド)とカルボマーとの皮膜形成性の組み合わせが分散した、水および一価アルコールを含む経口上許容可能なビヒクルを含有する水性の歯白化液状組成物の提供により、これらの問題に取り組むことを目的としている。しかしながら、公知の配合物で遭遇する不利益を被らない代替の必要性が依然としてある。さらに、大がかりな安定化を必要とせず、製造が容易であり、さらに、一日一回の塗布を可能にするのに十分に持続的であり、且つ、強固で簡便な配合物を提供することが望ましいであろう。さらに、漂白化工程が起こっている間に、歯に対する即時の白化効果を生み出すことが可能な組成物を提供することが非常に望まれるであろう。
【特許文献1】WO 03/099246
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、これらの必要性に応える組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、担体が、保湿剤、生体接着剤、および本質的に水不溶性皮膜形成剤と当該皮膜形成剤用の溶媒とからなる皮膜形成剤を含んでなる、過酸化物含有化合物および経口上許容される担体を含有する無水、液状の歯を白化する本発明の組成物の提供によって満たされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の組成物は本質的に無水である。水、即ち水性媒体は、組成物中において担体またはビヒクルとして用いられない。自由水は、組成物に添加されないが、少量の水、即ち、5%w/w未満、好ましくは3%w/w未満が、他の物質と共に導入される結果として、例えば“ストック”の過酸化水素水溶液(例えば30%w/wの過酸化水素溶液など)を用いることにより存在してもよいことを理解されたい。
【0009】
本発明の組成物は適宜、歯に都合よく塗布し得るワニスの形態である。塗布後、組成物はその位置で乾燥し、歯にしっかりとくっ付く粘着性膜を形成する。膜は、しばらくの間、例えば 数時間まで、またはさらに長い、例えば12時間以上まで、歯に保持されるように十分に強くて、粘着力がある。組成物を夜塗布して、寝ている間に過酸化物の働きを起こさせるのが適切である。使用の間、過酸化物は、汚れを除去するのに必要とされる量および速度で膜からゆっくり放出される。膜は、あらゆる簡便な手段、例えばブラッシング、および/または、口内洗浄剤による濯ぎにより使用者の歯から除去され得る。
【0010】
上記の用語“歯に塗布される”は、白化用組成物を歯に塗布するあらゆる手法を包含することを意図し、こする、塗る(coat)、塗る(daub)、吹き付ける、拭くおよび擦り込むことを含む。好ましくは、組成物を、柔らかいアプリケータブラシを用いて歯に塗布する。組成物は、ボトルなどの容器に収容し、当該組成物を、柔らかいアプリケータブラシで塗布するのが適切である。ボトルおよびブラシは、例えば、従来のマニキュア液キットと共に用いられ得るようなキット形態にて提供されてもよい。或いは、組成物は、取り付けアプリケータブラシを備えたペンなどの分配装置(例えば 一般に、Brite Smile To Go(商標)ホワイトニングペンと一緒に用いられるタイプの)に収容することができる。
【0011】
本発明にて白化剤として用いられる過酸化物含有化合物は、以下の化合物およびその混合物を含む: 例えば30%w/w水溶液としての過酸化水素、過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過炭酸塩および過酸化水素ポリマー錯体、例えば固体で線状または架橋されたポリ(-ビニル-ピロリドン)(PVP)ホモポリマーおよびそのコポリマーとの過酸化水素錯体(例えば、Peroxydone(商標)K30、Peroxydone(商標)K90、Peroxydone(商標)XL10);ならびにビニル-ピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーとの過酸化水素錯体(例えばPlasdone(登録商標)S-630)。これらの種々のPeroxydone(商標)およびPlasdone(登録商標)ポリマーは、International Specialty Products (ISP),1361 Alps Road,Wayne,New Jersey 07470,USから入手可能である。一定の時間過酸化水素を保持する不溶性の架橋ポリマーマトリックスもまた使用可能である。この例としては、メタクリル酸アリルクロスポリマーであるPoly-Pore(登録商標)337HPであり、AMCOL Health & Beauty Solutions,Inc.,301 Laser Lane,Lafayette,LA 70507,USから入手可能である。
【0012】
上記のように、異なる過酸化物源の混合物を用いて、可変の過酸化物放出を提供することができる。例えば、速放性と徐放性の両性の過酸化物は、水性過酸化水素と、過酸化カルバミドおよび/または固体のビニル-ピロリドン(VP)ポリマーを伴う過酸化水素錯体との組み合わせを用いることにより成し遂げることができる。過酸化カルバミド、および過酸化カルバミドと過酸化水素 (30%水溶液)と、適宜、ビニル-ピロリドンとの過酸化水素錯体、例えば Peroxydone(商標)過酸化水素ポリマー錯体、例えば Peroxydone(商標)K90との混合物が好ましい。
【0013】
本発明に係る液状の白化用組成物中に存在する過酸化物の全量は、1〜30% w/w、好ましくは 2〜20%w/w、より好ましくは3〜10%w/wの範囲にあるのが適切である。
【0014】
保湿剤は、本発明の組成物の重要な成分である。保湿剤が存在しないと、十分に歯に広がることができないもろくて壊れやすい膜が形成するということが判明している。適切な保湿剤には、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、グルコースまたはスクロースなどの糖類、および低分子量のポリエチレングリコール (PEG)(即ち200-600の範囲にある、例えば PEG 200、300、400、および600が含まれ、Dow Chemicals USA,PO Box 1206,Midland MI48642から入手可能である)およびその混合物がある。好ましい保湿剤には、グリセリンおよびPEGが含まれる。保湿剤は、0.5〜30%w/w、好ましくは1〜15%w/wの範囲にある量で存在するのが適切である。
【0015】
生体接着剤も本発明の組成物に含まれる。生体接着剤は、組成物の歯への持続性を高める。本発明の生体接着剤は、粘膜接着性を示す。即ち、歯などの生体表面に対して親和力を有するのが適切である。適切な生体接着剤の例には、カルボマー、メチルビニールエーテルと無水マレイン酸とのコポリマー、天然ゴム、ビニル-ピロリドンポリマーおよびコポリマーならびにその混合物が含まれる。
【0016】
カルボマーは、アリルスクロースまたはペンタエリトリトールのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸の合成高分子量ポリマーである。商標名“Carbopol(登録商標)”の下で販売されており、Noveon Inc,9911 Brecksville Road,Cleveland,Ohio 44141-3247から入手可能なカルボマーが好ましく、Carbopol(登録商標)934または974、940、941、980およびUltrez 10(商標)を含む。その他の適切なカルボマーには、3V Sigma,PO Box 219,Via Torquato Tasso,58,24100,Bergamo,Italyから入手可能な部分的に中和されたカルボマー、例えば PNC400、およびカルボマーコポリマー、例えば、アクリル酸とアルキルアクリレートとの架橋コポリマー(ここでアルキル鎖は、C10-30である)、例えば 上記のNoveon Incから入手可能であるPemulen TR1およびPemulen TR2が含まれる。
【0017】
メチルビニールエーテルと無水マレイン酸とのコポリマーは、商標名 “Gantrez(登録商標)”(ISP)、特にGantrez(登録商標)ANの下で、種々の分子量にて市販されている。使用することができるその他のGantrez(登録商標)コポリマーには、Gantrez(登録商標)Sとして入手可能であるGantrez(登録商標)ANの遊離酸の形態、Gantrez(登録商標)MSとして入手可能なGantrez(登録商標)Sのナトリウムとカルシウム混合塩、およびGantrez(登録商標)ESとして入手可能なGantrez(登録商標)Sの半エステル誘導体が含まれる。
【0018】
カラヤゴム、キサンタンガム、グアーガム、アラビアトラガカントゴム(arabic gum tragacanth)などの天然ゴムもまた、適切な生体接着剤である。キサンタンガムが特に好ましく、驚くべき良好な持続性を本発明の組成物に与えることが判明している。
【0019】
適切なビニル-ピロリドンポリマーには、ポリ(-ビニル-ピロリドン) (PVP)および架橋PVPが含まれる。上記のような適切なコポリマーには、Plasdone(登録商標)S-630が含まれる。PVPが好ましいポリマーであり、特に高分子量のPVP、例えば 1,300,000の範囲にある、例えばPlasdone(登録商標)K-90である。
【0020】
好ましくは、生体接着剤は、キサンタンガム、カルボマーおよびPVPならびにその混合物から選択される。より一層好ましくは、生体接着剤は、Carbopolなどのカルボマーと高分子量のPVP、例えば Plasdone(登録商標)K-90との混合物である。
【0021】
生体接着剤は、0.5〜30% w/w、好ましくは1〜20%w/wの範囲にある量で存在しているのが適切である。
【0022】
歯に塗布すると、組成物の皮膜形成成分は、マトリックス型環境での組成物のその他の成分、即ち、賦形剤および過酸化物含有化合物を保持する保護膜またはバリアを形成する。保持されない唯一の成分は、塗布部位から蒸発する皮膜形成剤用の溶媒である。組成物の皮膜形成成分は本質的に、水不溶性微結晶性セルロース、例えば エチルセルロース、ポリ(ウレタン)またはポリ(アクリルアミド)などの水不溶性皮膜形成剤からなるのが適切である。エチルセルロースは、好ましい皮膜形成剤である。皮膜形成成分は、5〜30%、好ましくは 10〜25%w/wの範囲にある量で存在するのが適切である。
【0023】
溶媒は、皮膜形成剤用に必要である。溶媒は、皮膜形成剤のための担体である。使用中、溶媒が迅速に蒸発して、歯に非常に強固な膜が残存する。析出した膜は、過酸化物、保湿剤、生体接着剤および水不溶性皮膜形成剤からなる。適切な溶媒の例には、エタノールまたはイソプロピルアルコールなどの一価アルコールが含まれる。溶媒は、30〜80%、好ましくは 40〜70%w/wの範囲にある量で存在するのが適している。
【0024】
さらに、本発明の組成物には、適宜、経口ケア製品の分野において慣習的な許容可能な添加剤または賦形剤が含まれ、例えば キレート剤(例えばエチレンジアミン四酢酸および/またはクエン酸)、着色剤、香料、フッ化物源(例えばフッ化ナトリウムまたはモノフルオロリン酸ナトリウム)、抗感剤(antisensitivity agent)(例えばストロンチウムクロリドなどのストロンチウムまたはカリウム塩)、および甘味剤が挙げられる。あらゆる所与の組成物において用いられる添加剤または賦形剤は、互いに、且つ、組成物の必須成分と、活性成分の性能を損なう相互作用がないように相溶する。勿論、添加剤または賦形剤の全ては、無毒であり、ヒトでの使用に対して適切となるように十分な純度でなければならない。
【0025】
本発明の液状の白化用組成物は、ミキサーを備えたステンレス鋼タンクなどの適切な容器内に組成物の成分を添加および混合することにより調製する。組成物の製剤において、成分は、以下の順序でミキサーに添加するのが適切である: 過酸化物、キレート剤 (用いる場合には)、保湿剤、溶液を形成するための皮膜形成剤用の溶媒。次いで、皮膜形成剤を加えて、生体接着剤を添加する。次いで、調製した白化用組成物を、適宜、必要に応じて、包装し、保存する。
【0026】
有利には、本発明の組成物は、適宜、“単一成分”系の形態で調製される。即ち、白化用組成物の全成分(賦形剤および過酸化物含有化合物)が、所望の予混合された割合で自蔵されている。したがって、幾つかの過酸化物含有配合物で起こり得るようなあらゆる好ましくない相互作用を避けるために使用前に互いに物理的に分離されるべきであるという組成物成分に対する要求がない。本発明の第2の態様においては、上記のような無水、液状の歯を白化する組成物と、当該組成物を収容するための容器と、白化すべき歯に組成物を塗布するためのアプリケータとを含むパーツセットが提供される。
【0027】
本発明に係る組成物は、適宜ローション、ゲル、ムース、スプレーまたはエアゾールの形態で歯に局所適用することができる。
【0028】
他の態様においては、以下を含む歯を白化する方法を提供する:
a.上記のような歯を白化する組成物を調製すること;
b.適切には夜、白化させる歯に当該組成物を塗布すること;
c.1日に数時間、例えば1日に最大12時間、当該組成物の歯との接触を維持すること;
d.複数日、例えば 最大14日、工程bおよびcを繰り返して、歯を白化すること。
【実施例】
【0029】
本発明を、以下の実施例にて例証するが、これらに制限されるわけではない。
【0030】
実施例 1
以下の成分を有する白化用組成物を調製した:
【表1】

【0031】
実施例 2
以下の成分を有する白化用組成物を調製した:
【表2】

【0032】
実施例 3
以下の成分を有する白化用組成物を調製した:
【表3】

【0033】
実施例 4
以下の成分を有する白化用組成物を調製した:
【表4】

【0034】
実施例 5
以下の成分を有する本発明の白化用組成物を調製した:
【表5】

【0035】
実施例 6
以下の成分を有する白化エアゾールスプレー組成物を調製した:
【表6】

【0036】
実施例 7
以下の成分を有する白化エアゾールスプレー組成物を調製した:
【表7】

【0037】
ウシのエナメルの夜間における白化方式を用いた漂白効果の測定

上記の実施例 1-3に開示された組成物の漂白効果を測定し、市販製剤(“Crest Night Effects”として入手可能な白化製品)にて観察された漂白効果との比較を行った。
【0038】
方法
ウシの歯を用いて、L* (CIE 1976 L*a*b* 色空間スケール(colour space scale)からの)を、分光比色計を用いて実験の始めに測定した。配合物を歯に塗布して、これらを容器の中に入れ、液体の持続性試験を処置歯に試みた。処置時間の終わりに、歯を濯ぎ、乾燥して、分光比色計を用いてL*を再度測定した。製品のin-vivo夜間使用をまねたこの方法を、複数日、繰り返した。実験の終わりに、L*の全変化、即ちΔLを計算した。
【0039】
結果
【表8】

【0040】
結論
結果は、12 時間の処置後の‘L’の変化が、市販されている夜間製品にて観察される変化と同等であったことを示す。結果を、図1にグラフで示す。
【0041】
さらに無作為化された、単一センター(single centre)、比較(parallel)および検査員-盲検試験を行った。
【0042】

4個の上顎切歯のうちの2個でA2以上のVita Shade Guide値を有する健常者を登録した。上顎前歯を、夜にブラッシング後1日30秒間、当該処置をすることにより、14日、自宅で処置した。処置剤群は:
(1) 実施例 4の配合物
(2) 10%の過酸化水素を含有する市販の塗布製品
(3) 1日に2回だけブラッシング
であった。
【0043】
方法
全被検者は、ゲルを塗布して30分間、飲食、および喫煙を控えるように要求された。全被検者は、同じ歯磨剤で、1日に2回、同一型の歯ブラシにて、タイマーを用いて1分間、ブラッシングした。固有の歯色の変化をたどるために、処置開始前、処置の7および14 日後に、色合い評価を行った。処置群、年齢層および喫煙状態をはじめとする共変量としての基準平均値被検者に関する(baseline mean subject-wise)Vita Shade スコアを用いる共分散分析 (ANCOVA)モデルを用いた。
【0044】
結果
【表9】

【0045】
結論
結果は、実施例 4の配合物を用いた14 日の処置後において、色合いの著しい変化が観察されたことを示す。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、実施例 1-3の組成物と市販製剤との漂白効果の比較結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酸化物含有化合物および経口上許容される担体を含む、無水、液状の歯を白化する組成物であって、当該担体が、保湿剤、生体接着剤、および本質的に水不溶性皮膜形成剤と皮膜形成剤用の溶媒からなる皮膜形成成分を含んでなる、組成物。
【請求項2】
過酸化物が、過酸化カルバミド、および過酸化カルバミドと、過酸化水素および/またはビニルピロリドンを伴う過酸化水素錯体との混合物から選択される、請求項1に記載の無水、液状の歯を白化する組成物。
【請求項3】
保湿剤がグリセリンである、請求項1または2に記載の無水、液状の歯を白化する組成物 。
【請求項4】
生体接着剤が、キサンタンガム、カルボマーおよびPVPならびにそのコポリマーおよびその混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無水、液状の歯を白化する組成物。
【請求項5】
皮膜形成剤が、エチルセルロースである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無水、液状の歯を白化する組成物。
【請求項6】
溶媒がエタノールである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の無水、液状の歯を白化する組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の無水、液状の歯を白化する組成物と、当該組成物を収容するための容器と、白化させる歯に当該組成物を塗布するためのアプリケータとを含んでなるパーツセット。
【請求項8】
a.請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯を白化する組成物を調製すること;
b.白化させる歯に当該組成物を塗布すること;
c.1日に複数時間、当該組成物の歯との接触を維持すること;および
d.複数日、工程 bおよびcを繰り返して歯を白化すること
を含んでなる、歯を白化する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−518733(P2007−518733A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548406(P2006−548406)
【出願日】平成17年1月17日(2005.1.17)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000135
【国際公開番号】WO2005/070378
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】