説明

歯科用修復物の製造方法

各々がシェードガイドの異なるシェードに対応するシェードを有する、ベースインゴットと称される一連のセラミックインゴットを準備する。シェードの異なるベースインゴットの数は、シェードガイドに関連するシェードの総数未満である。ベースインゴットは、少なくとも患者の歯牙に関連するシェードと同程度に高い明度のシェードを有する一連のセラミックインゴットから選定される。ベースインゴットのシェードが患者の歯牙に整合している場合、選定したベースインゴットで作製される修復物自体に表面滑沢剤をかけることができる。別法としては、歯科用修復物を、歯牙に整合するように選定したベースインゴットよりも低い明度を有する着色剤で着色する。このため、在庫に必要とされるインゴットシェードの総数は減り、毎回の着色を必要としない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用修復物、より詳細には所望のシェード(shade)を有する歯科用修復物を製造するキット及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科用修復物は多数の技法によって作製される。特に一般的な一技法は、セラミックインゴットを、ロストワックスプロセスを用いて加熱及び加圧成形し、患者の口腔内に永久的に装着することができる歯科用修復物を作製する加圧成形技法である。
【0003】
天然の歯牙及び義歯は様々な色を呈する。歯科用修復物が、患者本来の歯牙の色相に厳密に整合していなければ、患者が修復物を付けていることが直ちに明らかとなる。これは、多くの歯科患者が求める見た目の美しさをもたらさず、望ましくない。
【0004】
好適な修復物を作製することができるように、患者の歯牙に整合し得る有限数のシェードを確定するシェードガイドが開発された。特に一般的で依然広く使用されているシェードガイドは、1956年にVita Zahnfabrik AG(Germany)によって発表されたVita(登録商標) Classicシェードガイドである。Vita Classicシェードガイドは、色調によって、A〜Dで特定される4つのファミリーに分類される16個の別個のシェードから成る。次に、各ファミリーを1〜4の番号をふった4つの区分にさらに分類する。各区分には、明度(value)(明るさ又は暗さ)が下がると共に彩度(色度、色純度)が上がる順に番号が振られている。
【0005】
現行の加圧成形歯科用修復物システムは一般的に、シェードガイドで示される様々なシェードの各々について、異なるシェードのインゴットを用いることを必要としている。これにより満足のいく修復用完成品が与えられるものの、この修復物を作製することは歯科技工所にとって効率的であると言えない。例えば、歯科技工所は、Vita Classicシェードガイドによって示される16個のシェード各々についてインゴットの使用可能な在庫を手元に保有していなければならず、そのうちの多くは他のものに比べあまり一般的なものではない。その後、通常は表面滑沢剤(glaze)を塗布及び焼成して、ガラス質のような外観を呈する修復物とする。
【0006】
他の既存の加圧成形修復物システムは限定数の無彩色のインゴットしか提供せず、表面滑沢剤をかける代わりに、これに2層又は3層以上の低彩度シェード着色剤を塗布し、焼成する必要がある。これにより、技工所が必要とするインゴットタイプの在庫を減らすことが可能であるが、このプロセスは依然として、無彩色のインゴットがシェードガイドの全てのシェードに対応するものでないため有効性に欠けている。それゆえ、所望の最終結果物を得るために修復物を着色しなければならない。さらに、着色は、既に適切なシェードの修復物上に表面滑沢剤をかけた修復物よりもわずかに美観に劣る修復物をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
手元にある在庫のインゴットの様々なシェードのフルセットに対する技工所の需要を減らすと共に、仕上げ加工プロセスの一環として表面滑沢剤をかけることができる修復物を高い割合で提供する、患者の歯牙のシェードに対応する歯科用修復物を製造するより効率的な方法が求められている。
【0008】
また、着色することを必要とし、多層の着色剤を塗布し焼成する必要がない歯科用修復物を製造するより効率的な方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、歯科用修復物を製造する方法に関する。本方法は、一連のセラミックインゴットを準備する工程であって、ベースインゴットと称される一連のインゴットが各々、シェードガイドの異なるシェードに対応するシェードを有する準備工程を含む。準備した一連のシェードの異なるベースインゴットの数は、シェードガイドに関連するシェードの総数未満である。本方法はまた、一連のベースインゴットから、少なくとも患者の歯牙に関連するシェードと同程度に高い明度のシェードを有するベースインゴットを選定する工程、及びインゴットを使用して歯科用修復物を作製する工程含む。歯科用修復物を作製するのに使用されるベースインゴットが、患者の歯牙に関連するシェードに対応している場合、歯牙修復物に表面滑沢剤をかける。歯科用修復物を作製するのに用いられるベースインゴットが、患者の歯牙に関連するシェードに対応していない場合、歯科用修復物を、選定したインゴットよりも低い明度を有する着色剤で着色する。本発明の一実施形態によれば、着色が必要である場合、1回の塗布及び焼成によって最終的に望ましいシェードが得られる。
【0010】
本発明はまたキットに関する。本キットは一連のセラミックベースインゴットを含む。一連のインゴットは各々、シェードガイドの異なるシェードに対応するシェードを有しており、準備した一連のシェードの異なるインゴットの数は、シェードガイドに関連するシェードの総数未満である。キットはまた、不透明体と着色剤との独自の組合せを有する一連のベースインゴットを使用して、シェードガイドのあらゆるシェードに対応するシェードを有する歯科用修復物完成品を作製するための指示書を含む。
【0011】
本発明の例示的な実施形態の一利点としては、シェードガイドに対応するフルセットのシェードを作製するのに使用され得る様々なシェードの限定数のインゴットを準備すること、それにより、歯科技工所が必要とするシェードの異なるインゴットの手元の在庫の種類を限定できることが挙げられる。
【0012】
本発明の例示的な実施形態の別の利点は、過半数の歯科用修復物が、修復物完成品と同様のシェードに対応するインゴットで作製されるように、一連のベースインゴットを選定することができ、その後、最終的な色整合を実現するように着色する代わりに表面滑沢剤をかけ得ることである。
【0013】
本発明の例示的な実施形態のさらに別の利点としては、歯科用修復物が仕上げ加工プロセスの一環として着色を必要とする状況で、この着色が1回の塗布及び焼成で達成され、複数の別個の塗布工程及び焼成工程を必要としないことが挙げられる。
【0014】
本発明のさらに別の利点は、1回の加圧成形サイクルから修復物の複数のシェードを実現する性能である。
【0015】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の原理を一例として示す例示的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
プレスタイプのメタルセラミックス(press-to-metal)歯科用修復物システムに関して、本発明の例示的な実施形態を以下に記述する。しかし、当然のことながら、本発明はこれに限定されるものでなく、この原理は、プレスタイプのジルコニアセラミック(press-to-zirconia)システム、オールセラミック加圧成形システムを用いた歯科用修復物を製造する方法を含む、最終的な修復物が患者の歯牙と色整合する歯科用修復物を製造するあらゆる方法に適用可能であり、また、積層可能な陶材技法についてさらに適用してもよい。さらに当然のことながら、本発明の実施形態は、任意のタイプの歯科用修復物を作製するのに使用することができ、ほんの一例としてクラウン、ブリッジ及びベニア等のプロテーゼに特に有用である。
【0017】
同様に、本発明の例示的な実施形態は、Vita(登録商標) Classicシェードガイドに関して記述しているが、本発明の原理は、他のシェードガイド、例えば漂白した歯牙についてVita Classicシェードガイドと併せて又はこれを補うように使用し得るDentsply International Inc.からのIllumine(商標)シェードガイドとの使用にも同様に適用可能である。他の例示的なシェードガイドとしては、Vita Zahnfabrik AGからのVita(登録商標) Lumin及びVita(登録商標) 3D Master、並びに共にDentsply International Inc.から入手可能なPortrait(登録商標)及びBioform(登録商標)が挙げられる。
【0018】
患者の歯科用修復物を注文する一環として、歯科医は通常、修復すべき歯牙及び周りの歯牙をシェードガイドと比較する。歯科医は、シェードガイドから、患者の歯牙の色相に最もよく似ているシェードを選定して、可能な限り厳密に整合するか、又は代替的に望ましい化粧効果を実現することが確認され得るシェードで修復物を作製することができる。それゆえ、歯科医が歯科技工所に送る処方箋は一般に、患者の歯牙の印象に合う修復物が作製されるシェード、及び修復物を作製するのに技工所が必要とし得るあらゆる他の情報を含む。
【0019】
比較的わずかな有限数のシェードのシェードガイドは、連絡を画一化し歯科医と技工所との間の連絡を簡潔にするように開発されている。最も一般的に使用されているシェードガイドは、16個の異なるシェードA1〜D4から成る上記のVita(登録商標) Classicシェードガイドである。
【0020】
Dentsply International Inc.(York, PA)から入手可能なCeramco(登録商標)Pressシステムを用いて作製されるもの等のプレスタイプのメタルセラミックス歯科用修復物を作製する際、初めに当業者に既知の一般的な方法で歯科用修復物の合金構造体を形成する。好ましくは、合金は、高貴合金、貴合金、又は主に標準合金であり、1000℃以上の溶融範囲を有する。
【0021】
典型的に粉末形態又はペースト形態のオペーク(opaque)陶材を金属の基礎構造体に塗布する。次に、既知の技法に従って不透明体を乾燥及び焼成する。本発明の例示的な実施形態では、オペーク陶材のシェードは典型的に、修復物の最終的なシェードに対応するように選定される。このため、例えば、処方箋によって、Vita ClassicシェードガイドのB4に最終的な修復物を対応させるよう指示が出されたら、B4のオペーク陶材を使用する必要がある。好適な一オペーク陶材としては、ほんの一例として、またDentsplyから入手可能なCeramco(登録商標) Pressオペーク陶材が挙げられる。一般的に、金属の基礎構造体を完全に覆い隠すためにはオペーク陶材の2回の塗布が必要であり、これは、見た目に美しい最終製品を達成するのに望ましい。金属の基礎構造体を使用しない実施形態では、不透明化工程を省いてもよく、又は代わりに別の成層技法を使用してもよい。
【0022】
不透明化した構造体を焼成したら、典型的にフルカントゥア(full contour)技法又はカットバック技法のいずれかを用いて構造体上に修復物のワックスアップを作製する。既知のロストワックス技法に従い、蝋を固めた基礎構造体にスプルーをつけて埋没させた(invested)後、蝋を焼失させる。これらの工程によって、金属の基礎構造体及び埋没材料によって形が定められる、形成すべき修復物形状の型が得られる。その後、加熱したセラミックインゴットをこの型内に加圧成形して、修復物を作製する。
【0023】
本発明の例示的な実施形態によれば、従来の加圧成形システムに見られるように、シェードガイドの各々異なるシェードに直接対応するインゴットを提供する必要がない。シェードガイドのシェードを明度に応じて構成することによって、一連の限定数のインゴットでこの要求を満たすことができることを見出した。このようにすると、フルセットの様々なシェードのいずれかを作り出すのに必要とされるインゴットのシェードの数が実質的に減少する。これによってより効率的なプロセスが得られ、また直ちに注文を履行するために技工所が手元に有していなくてはならない様々な種類のインゴットの数が減少する。
【0024】
したがって、本発明の例示的な実施形態によれば、準備されるシェードの数がシェードガイドの様々なシェードの総数未満である、一連の限定数のシェードの異なるインゴットが提供される。即ち、様々なシェードを作り出すのに現在提供され且つ個々に使用されているインゴットの一般的な総数と異なり、明度によって分類される一連のインゴットを準備することによって、より暗い明度を得ることが要求される場合にはその後の着色と併せて使用すれば、フルセットのシェード全体にわたる修復物を作製するのに、本明細書中で「明度系列」と呼ばれる数少ない選定された標準インゴットしか必要ない。
【0025】
例えば、本発明の一実施形態によれば、ベースインゴットの一連のわずか5個の異なるシェードを使用して、16個のVita Classicシェード全てに整合する修復物を作製する。本発明の別の実施形態によれば、インゴットブリーチシェードを有する1つのベースインゴットを使用して、16個のVitaシェードに整合するベースインゴットと共に又は別個に提供され得る、漂白した歯牙を有する患者用の4個のIllumineシェード(I1〜I4)を作製する。
【0026】
16個のclassic Vitaシェード及び(任意選択的に4個のIllumineシェード)を明度によって5つの(任意選択的に6つの)グループに分ける。即ち、グループの各シェードは、同様の明度(又は明るさ)を有するため、以下の表に示されるような最も高い明度を有する1つのインゴットから作り出すことができる。
【0027】
【表1】

【0028】
表に示すように、シェードガイドの実際のシェードに対応する明度系列に関して選定されるベースインゴットは、必ずというわけではないが一般的に、各グループ内で最も明るい明度である。例えば、VS1ベースインゴットはB1シェードを有し、VS2=A2であり、VS3=C1であり、VS4=A3であり、且つVS5=A3.5である。好ましい実施形態における唯一の例外は、ブリーチシェードを有するベースインゴット(VS0)(VS0=I3(I4よりも明度が低い))に関するものであり、I4の最終的なシェードは、I3シェードを有するインゴットと組み合わせてI4よりも明度の高い不透明体を用いることによって達成される。
【0029】
したがって、修復物に使用されるベースインゴットは一般的に、修復物完成品の最終的なシェード以上の明度を有するが、二番目に低い明度のベースインゴット以上であるベースインゴットを選択することによって選定される。ベースインゴットとしてグループ内の最も明るいシェードのベースインゴットを選定することによって、表面着色剤を修復物に塗布することにより、より低い明度の(即ちより暗い)シェードを作り出すことができる。VS1グループに関して、例えば、B1シェードを有するインゴットを使用して、好適な着色剤と組み合わせて使用した場合、B1シェード、A1シェード又はB2シェードを有する修復物完成品のいずれかを作製することができる。さらなる例によれば、A1は、B1よりも低い明度を有するが、VS1(即ちB1)ベースインゴットから作り出される。修復物の最終的なA1シェードは、以下により詳細に説明するような、A1象牙質シェードの着色剤による修復物の続く着色に由来する。それゆえ、A1の処方箋を有する患者のA1修復物を作製するために、修復物は、金属の基礎構造体上にA1不透明体を有し、これには、B1インゴットを加圧成形した後、A1象牙質シェードの着色剤が塗布される。
【0030】
さらに、可能であれば、ベースインゴットを、最も一般的なシェードに対応するように選定してもよい。結果として、多くの場合、着色を必要としない通常の方法で、明度系列からのベースインゴットに表面滑沢剤をかけることができる。それゆえ、技工所が手元に、多くの場合着色を必要としない最も一般的なインゴットを有することから、効率が上がる。言い換えれば、明度系列のベースインゴットを必ずではないが、グループ内の最も一般的なシェードに対応するように選定するのがよい。
【0031】
例えば、A2修復物は、二通りの方法のいずれかで作製することが可能である。VS1ベースインゴットを着色して、より低い明度のA2シェードを実現することができる。しかしながら、A2は偶然にも特に一般的なシェードであるため、明度系列のベースインゴットであると認識した。結果として、A2修復物はまた、VS2インゴットから直接加圧成形することができる。本発明の好ましい実施形態によれば、上記の表に示すように明度系列を構成することによって、ベースインゴットのシェードは、50%を超えるシェードの需要に直接対応して、修復物完成品の所望のシェードを実現するのに着色剤の塗布を必要とする事例を減らす。このため、歯科技工所は、ほとんど使用されないシェードについてインゴットの在庫を減らすことができる一方で、依然として、表面滑沢剤をかけて着色せずにより望ましい美観結果であると一般的に考えられるものを提供することができる修復物の数を極限にまで増やしている。
【0032】
インゴットを加圧成形したら、修復物を剥ぎ取り仕上げ加工を行う。明度系列のベースインゴットが修復物の最終的に整合するシェードに直接対応する場合、仕上げ加工の手順の一環として、歯科用修復物上に表面滑沢剤を塗布して焼成してもよく、その後、修復物は、患者の口腔内に嵌め合わせてセメント接合する準備が整う。上記のように、本発明の好ましい実施形態によれば、一般的に、作製される50%を越える修復物に表面滑沢剤がかけられる。
【0033】
ベースインゴットのシェードが最終的なシェードに直接対応しない場合、最終的なシェードに対応するより低い明度の着色剤を修復物に塗布する。即ち、上記の例を再び参照して、ベースインゴットがVS1である(即ち、B1シェードに対応する)が、最終的なシェードをA1とする場合、A1象牙質着色剤を修復物上に塗布して焼成する。着色剤を焼成することによって一般的に、表面滑沢剤を設けた修復物と実質的に同様の滑らかなガラス質がもたらされるため、着色剤を焼成した後にさらに表面滑沢剤を塗布することは一般的にない。
【0034】
上記のようなシェードの着色剤はこれまで加圧成形システムにおいて広く使用されてこなかった。大抵の現行システムは一般的に、最終的なシェードに直接対応するように予め選定したインゴットを加圧成形した後、表面滑沢剤をかけることを含む。当業者によって理解されるように、着色剤は一般的に、実現すべき所望のシェードに基づき、白色、黄褐色、黄色、褐色及び/又は灰色の顔料の組合せを技工士が添加する、ホワイトベース又はクリアベースを含む。このため、着色剤を塗布して焼成した後に、歯科用修復物の最終的なシェードが、処方箋のシェードに対応する。しかしながら、現行のシェード着色技法は低彩度の着色剤を使用しており、結果として、所望の最終的な色整合を有する修復物完成品を作製するのに、着色剤の少なくとも2回及び典型的に3回以上の別個の塗布及び焼成を通常必要とする。
【0035】
本発明者らは、着色剤中の顔料の割合を上げることによって、1回の塗布及び焼成工程において、修復物完成品の所望の色整合を達成する高彩度の着色剤を作製及び塗布して、修復物の製造プロセスの効率をさらに高め得ることをさらに見出した。1回の焼成において色整合をもたらすこのような高彩度の着色剤は一般的に、約8重量%〜約14重量%、より典型的には約10重量%〜約12重量%の量で顔料を基剤に添加することによって作製される。それに反して、歯科用修復物に使用される低彩度の着色剤は、着色剤基剤に対して約1重量%〜約3重量%の顔料しか有していない。
【0036】
上記の例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲を逸脱しない限り種々の変更が為され得ること、及び等価物をその構成要素の代わりに使用し得ることは、当業者によって理解されるであろう。さらに、本質的な範囲を逸脱しない限り、特定の状況又は材料を本発明の教示に適合するように多くの変更を為すことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために検討された最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されないことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連のセラミックベースインゴットを準備する工程であって、該一連のベースインゴットが各々、関連する複数のシェードを有するシェードガイドの異なるシェードに対応するシェードを有しており、該一連のベースインゴットのシェードの数が、該シェードガイドに関連するシェードの総数未満である工程;
少なくとも患者の歯牙に関連するシェードと同程度に高い明度を有するシェードのベースインゴットを選定する工程;
該ベースインゴットを使用して歯科用修復物を形成する工程;
選定した該ベースインゴットによって形成される該歯科用修復物のシェードが、該患者の歯牙に関連する該シェードに対応するか否かを判断する工程;及び
形成された該歯科用修復物が該患者の歯牙に関連する該シェードに対応していないとする判断に応じて、形成された該歯科用修復物を、選定した該インゴットよりも低い明度を有する着色剤で着色する工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記着色工程が、1層の着色剤を前記歯科用修復物に付与し、焼成することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インゴット選定工程が、少なくとも患者の歯牙に関連するシェードと同程度に高い明度、及び前記一連のインゴットの二番目に高い明度のインゴットよりも低い明度を有するシェードのインゴットを選定することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
キットであって、
一連のセラミックベースインゴットであって、該一連のベースインゴットが各々、関連する複数のシェードを有するシェードガイドの異なるシェードに対応するシェードを有している一連のセラミックベースインゴット;及び
前記シェードガイドに対応するシェードを有する歯科用修復物完成品を製作するための指示書
を含んでおり、前記一連のベースインゴットの異なるシェードの数が、前記シェードガイドに関連する各シェードの総数未満であることを特徴とするキット。

【公表番号】特表2010−502286(P2010−502286A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526699(P2009−526699)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/019005
【国際公開番号】WO2008/045162
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(590004464)デンツプライ インターナショナル インコーポレーテッド (85)
【Fターム(参考)】