説明

歯科用撮像装置、歯科用撮像システム及び歯科治療用インスツルメント装置

【課題】治療工具の交換等に応じて、治療工具の作用部を撮像できるようにすること。
【解決手段】歯科治療具10に取付けられる歯科用撮像装置30であって、撮像素子と光学部材とを有する撮像モジュール132と、歯科治療具10に取付可能な取付部52を有し撮像モジュール132を位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する支持部50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歯科治療中に当該治療箇所を撮像するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯科治療用のインスツルメントに撮像装置を内蔵する技術として、特許文献1及び2に開示のものがある。
【0003】
特許文献1では、インスツルメントに光ファイバ撮像束及びCCDカメラが内蔵されている。光ファイバ撮像束の一端部には対物レンズ系が設けられており、当該対物レンズ系が治療ツール及びワークエリア近傍に位置している。そして、撮像箇所からの光が対物レンズ及び光ファイバ撮像束を介してCCDカメラに導かれ、当該撮像箇所を撮像できるようになっている。
【0004】
特許文献2では、撮影手段をハンドピースの前部の先端に配置した技術が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開平10−66677号公報
【特許文献2】特開2004−81845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、治療対象の部位等に応じて、治療工具は適宜交換される。しかしながら、特許文献1又は2に開示の技術では、対物レンズ又は撮像素子が一定位置及び一定姿勢で固定されているため、撮像範囲は一定範囲となっている。このため、治療工具が交換等された場合に、当該治療工具が歯に作用する部分を適切に撮像できない事態が生じ得る。
【0007】
そこで、本発明は、治療工具の交換等に応じて、治療工具の作用部を撮像できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1の態様は、歯科治療具に取付けられる歯科用撮像装置であって、少なくとも撮像素子と光学部材とを有する撮像モジュールと、歯科治療具に取付可能な取付部を有し、前記撮像モジュールを、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する支持部と、を備えるものである。なお、本願において「位置」とは空間的な配置を意味し、「姿勢」とは角度や撮像モジュールの撮像軸の方向を意味することを付言する。
【0009】
第2の態様は、第1の態様に係る歯科用撮像装置であって、前記取付部は、歯科治療具に着脱自在に取付可能に構成されているものである。
【0010】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る歯科用撮像装置であって、前記取付部は、歯科治療具に対して位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に取付可能に構成されているものである。
【0011】
第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に係る歯科用撮像装置であって、前記支持部は、前記取付部に対して前記撮像モジュールを、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する連結部を有するものである。
【0012】
第5の態様は、第4の態様に係る歯科用撮像装置であって、前記連結部は、手指の操作にて屈曲可能な長尺部材に形成されているものである。
【0013】
第6の態様は、第1の態様に係る歯科用撮像装置であって、前記取付部は、歯科治療用の作用力を生じさせる駆動部を有する本体部と、前記本体部に着脱自在に取付けられ前記駆動部からの歯科治療用の作用力を受けて治療対象部位に作用させる治療工具とを有する歯科治療具に取付けられる際、前記歯科治療具の前記本体部に取付け可能に構成され、前記支持部は、前記歯科治療具に対して前記撮像モジュールを、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する連結部を有するものである。
【0014】
第7の態様は、第1の態様に係る歯科用撮像装置であって、前記取付部は、歯科治療用の作用力を生じさせる駆動部を有する本体部と、前記本体部に着脱自在に取付けられ前記駆動部からの歯科治療用の作用力を受けて治療対象部位に作用させる治療工具とを有する歯科治療具に取付けられる際、前記歯科治療具の前記本体部に位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に取付可能に構成されているものである。
【0015】
第8の態様は、第1の態様に係る歯科用撮像装置であって、前記取付部は、治療対象部位に作用する治療工具を有する歯科治療具に取付けられる際、前記歯科治療具の前記治療工具に着脱自在に取付可能に構成されているものである。
【0016】
第9の態様は、第1〜第8のいずれかの態様に係る歯科用撮像装置であって、前記取付部は、前記歯科治療具に対して弾性的に外嵌め可能に構成されているものである。
【0017】
第10の態様は、第1〜第9のいずれかの態様に係る歯科用撮像装置であって、前記撮像モジュールに照明用発光部が一体化されているものである。
【0018】
第11の態様は、第10の態様に係る歯科用撮像装置であって、前記照明用発光部は、通常撮影用の照明部と異変部を抽出する蛍光画像用の励起光照明部とを有するものである。
【0019】
第12の態様は、第1〜第11のいずれかの態様に係る歯科用撮像装置であって、前記撮像素子のうちの少なくとも一部又は前記撮像モジュールのうち少なくとも一部が、耐熱性樹脂で形成された保護部材によって覆われているものである。
【0020】
第13の態様は、第1〜第12のいずれかの態様に係る歯科用撮像装置であって、前記撮像素子で撮像された画像信号を無線送信する無線送信回路部をさらに備えたものである。
【0021】
第14の態様は、第1〜第13のいずれかの態様に係る歯科用撮像装置であって、前記撮像モジュールを複数備えたものである。
【0022】
第15の態様は、第14の態様に係る歯科用撮像装置であって、前記複数の撮像モジュールのそれぞれの撮像素子から選択的に画像信号を出力する画像選択出力部をさらに備えたものである。
【0023】
第16の態様は、第1〜第15のいずれかの態様に係る歯科用撮像装置を複数備えたものである。
【0024】
第17の態様は、第16の態様に係る歯科用撮像システムであって、前記複数の歯科用撮像装置のそれぞれの撮像素子から選択的に画像信号を出力する画像選択出力部をさらに備えたものである。
【0025】
第18の態様は、歯科治療具と、撮像モジュールを有する歯科用撮像装置と、を備えた歯科治療用インスツルメント装置であって、前記歯科治療具は、歯科治療用の作用力を生じさせる駆動部を有する本体部と、前記本体部に着脱自在に取付けられ前記駆動部からの歯科治療用の作用力を受けて治療対象部位に作用させる治療工具とを有する歯科治療具と、を有し、前記撮像モジュールは、少なくとも撮像素子と光学部材とを有し、前記歯科治療用撮像装置は、前記本体部に位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に取付けられた取付部を備えて前記撮像モジュールを位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する支持部を有する。
【発明の効果】
【0026】
第1の態様に係る歯科用撮像装置によると、撮像モジュールは、支持部によって位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持される。このため、治療具の交換等に応じて、治療具の作用部を撮像できるように、撮像モジュールの位置又は姿勢を変更することができる。
【0027】
ここで、治療具の作用部とは、歯或は歯肉等の治療対象部位に対して、歯垢或は歯石等の異物の除去作用、又は、歯或は歯肉等に対する切削或は切除作用、又は、洗浄作用等、各種治療のための作用を及ぼす部位をいう。
【0028】
第2の態様によると、支持部は、歯科治療具に着脱自在に取付けられるため、歯科用撮像装置を複数の歯科治療具に対して択一的に取付けて使用しつつ、各歯科用治療具に応じてその作用部を撮像できるように、撮像モジュールの位置又は姿勢を変更することができる。従って、歯科治療具毎に専用の撮像装置を設ける必要がなく、最低一つの歯科用撮像装置で複数の歯科用治療具に対応できるため、歯科用撮像装置にかかるコストが削減できる。
【0029】
第3の態様によると、歯科治療具に対する取付部の位置又は姿勢を変更することで、撮像モジュールの位置、姿勢を変更して、撮像範囲を調整することができる。
【0030】
第4の態様によると、連結部によって、撮像モジュールの位置、姿勢を柔軟に変更することができる。
【0031】
第5の態様によると、連結部を手指にて変形させることによって、撮像モジュールの位置又は姿勢を、施術の最中であっても容易に変更することができる。
【0032】
第6の態様によると、撮像モジュールが支持部を介して本体部に取付けられるため、歯科治療用の作用力が撮像モジュールに伝わり難くなる。また、連結部によって、撮像モジュールの位置、姿勢を柔軟に変更することができる。
【0033】
第7の態様によると、撮像モジュールが支持部を介して本体部に取付けられるため、歯科治療用の作用力が撮像モジュールに伝わり難くなる。
【0034】
第8の態様によると、前記取付部は、治療対象部位に作用する治療工具に着脱自在に取付可能に構成されているため、歯科用撮像装置を複数の治療工具に対して択一的に取付けて使用しつつ、撮像モジュールを治療工具の先端部近くに配設することができる。さらに、治療工具の把持部近傍に撮像モジュールが配設されることもあり、その場合は、撮像モジュール自体を手指で支持している状態に近似し、治療と撮像の操作を並行して行い易い。
【0035】
第9の態様によると、弾性力を利用して歯科用撮像装置を着脱可能に取付けることができる。また、着脱作業も簡便である。
【0036】
第10の態様によると、撮像領域を容易に照明することができる。また、撮像領域と照明領域との相対的な位置関係が保たれる。さらに、照明用発光部を撮像モジュールに一体化する際の設計次第で、撮像領域と照明領域との相対的な位置関係の調整も容易となる。
【0037】
第11の態様によると、撮影の必要性に応じた光を照射することができる。特に、蛍光画像により、治療対象部位を明確に観察しながら、治療を行うことができる。
【0038】
第12の態様によると、防水性及び耐オートクレープ性の向上を図ることができる。
【0039】
第13の態様によると、歯科治療具から画像信号出力用の伝送路を無線化することができるため、歯科治療具の取扱性向上を図ることができる。
【0040】
第14の態様によると、複数の撮像モジュールによって複数方向から撮像できる。例えば、ある撮像モジュールの撮像領域には撮像障害物が存在したとしても、他の撮像モジュールの撮像領域に撮像障害物が存在しない場合、いずれかの方向から撮像した画像を観察しながら支障なく治療を行うことができる。
【0041】
第15の態様によると、複数の撮像素子で撮像可能な画像のうち所望の画像を出力することができる。
【0042】
第16の態様によると、複数の歯科用撮像装置によって複数方向から撮像できる。さらに、必要に応じて、治療具に装着する撮像装置の数を増減することができる。
【0043】
第17の態様によると、複数の撮像素子で撮像可能な画像のうち所望の画像を出力することができる。
【0044】
第18の態様によると、撮像モジュールは、支持部によって位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持される。このため、治療工具の交換等に応じて、治療工具の作用部を撮像できるように、撮像モジュールの位置又は姿勢を変更することができる。また、撮像モジュールが支持部を介して本体部に取付けられるため、歯科治療用の作用力が撮像モジュールに伝わり難くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
{適用対象例である歯及び前提に関する説明}
実施形態を説明するにあたって、まず、本発明に基づく装置の適用対象例である歯の構成について説明する。図1は人間の歯の構造を示す断面図である。人間の歯500は、口腔内に露出する歯冠部502と歯冠部502から延出する歯根部510とを有している。歯根部510の表面は、図示省略の歯根膜で覆われている。歯冠部502は、エナメル質503及び象牙質504等で構成されている。またこの歯冠部502内には、髄室507が形成されている。歯根部510は、象牙質504及びセメント質506等で構成されており、歯槽骨520及び歯肉522で支えられている。歯根部510内には、その延在方向に沿って延びる根管512が形成されている。上記歯冠部502及び歯根部510内の歯髄508及び514は、歯槽骨520下の血管や神経に繋がっている。歯根部510のうち歯槽骨520側の最先端部が根尖511(APEX)と呼ばれ、根尖511の歯槽骨520側の開口が根尖孔と呼ばれる。
【0046】
このような歯500に対する治療作業としては、例えば、歯500と歯肉522との間の歯周ポケット530等にある歯垢或は歯石除去、歯500のう蝕部等を除去するための歯の部分的な切削、根管拡大等の種々の作業が挙げられる。このような作業は、診療対象となる歯500の状態及び当該歯500と治療用の器具との相互関係を観察しつつ行われる。このような治療を行う場合に、治療を行う術者において直視困難な部位が存在する。直視できない部位は、歯500自体の形状或は歯500と治療用の器具と術者の目との相対的な位置関係等によって生じる。術者は、このような直視できない部位をも治療する必要がある。
【0047】
特に、歯500の裏側或は歯500の髄室507内や根管512内等を対象とした治療を行う場合には、歯500自体或は治療用の工具自体が邪魔となって死角が生じ易く、治療対象部位の直接観察は著しく困難となる。
【0048】
本実施形態では、上記のような治療中でも、その治療対象箇所をより確実に撮像して観察できるようにする技術について説明する。
【0049】
{第1実施形態}
第1実施形態では、基本概念に係る歯科用撮像装置30について説明する。図2は歯科治療具10に取付けられた歯科用撮像装置30を示す説明図である。
【0050】
この歯科用撮像装置30は、歯科治療具10に取付可能に構成されるものであり、撮像モジュール32と、支持部50とを有している。
【0051】
撮像モジュール32は、撮像素子とレンズ等の光学部材とを一体化してモジュール化された構成とされている。そして、当該撮像モジュール32が指向する所定の撮像範囲において、治療対象箇所等を撮像して画像信号を出力可能に構成されている。撮像モジュール32は、撮像素子に対する駆動ライン及び画像信号出力ラインを含むケーブル61を介して撮像制御ユニット60に接続されている。本撮像制御ユニット60は、撮像素子の駆動を制御すると共に、当該撮像素子から入力される画像信号に対して所定の画像処理を施して表示部70に出力するように構成されている。撮像制御ユニット60を小型化し、撮像モジュール32に組込むことも可能である。表示部70は、液晶表示装置や有機EL表示装置あるいはパソコン等で構成されており、撮像制御ユニット60から出力される画像信号に基づいて画像を表示する。表示部70を小型化し、術者の手首や指、あるいは歯科治療具10に装着してもよい。その他、表示部70として、ヘッドマウントディスプレイ装置或は網膜に映像を投影する網膜走査型ディスプレイを用いてもよい。
【0052】
支持部50は、歯科治療具10に取付可能な取付部52を有しており、歯科治療具10に対して撮像モジュール32を取付支持可能に構成されている。取付部52としては、ゴム或は弾性樹脂等の弾性部材を利用して弾性的に外嵌め固定する構成、ネジ等を利用した取付構成、樹脂等を利用した嵌め込み固定構造等、各種取付構造を利用することができる。取付部52は、歯科治療具10に対して着脱自在に取付可能とされていることが好ましい。
【0053】
また、この支持部50は、上記撮像モジュール32を、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持可能に構成されている。ここでは、取付部52と撮像モジュール32との間に、連結部56が設けられており、この連結部56を変形させることで、撮像モジュール32を、位置及び姿勢変更自在に支持している。
【0054】
より具体的には、連結部56は、一例として、アーム部56aを有し、アーム部56aの端部に屈曲自在でかつ屈曲後に一定の屈曲形態を維持可能な屈曲部56b,56cを、少なくとも1箇所(ここでは2箇所)に有している。そして、連結部56を屈曲部56bあるいは56cで屈曲させることで、撮像モジュール32を、取付部52に対して位置変更及び姿勢変更できる構成となっている。なお、そのような位置変更及び姿勢変更を容易に行えるようにするために、上記屈曲部56b,56cは手指の操作力にて屈曲可能な程度の形態維持力を有していることが好ましい。また、このような屈曲部を、取付部52と連結部56との間に設けてもよい。
【0055】
そして、撮像モジュール32による撮像範囲Eが歯科治療具10のうち治療対象部位に作用する部分(通常は工具12Aの先端部分12Aa)、例えば、歯垢或は歯石を除去する部分、歯を切削等する部分を含むように、撮像モジュール32の位置及び姿勢が適宜調整されている。
【0056】
以下、本歯科用撮像装置30が取付けられる歯科治療具10の例についても、概括的に説明する。
【0057】
通常、歯科の治療中においては、治療内容に応じて、治療工具を交換する必要がある。ここで、治療工具は、治療対象に直接作用する部分(以下、作用部という)を含む要素、例えば、歯石等除去用工具の尖った部分、切削用工具の刃部分、根管拡大用のドリル状の刃部分等、治療箇所に何らかの作用を及ぼす要素をいう。上記治療工具を交換する態様としては、治療工具全体を交換する場合と、柄等の本体部分に着脱自在に取付けられた治療工具部分だけを交換する場合とが考えられる。
【0058】
一つ目の全体交換タイプの具体例は、手指で把持された状態で使用される根管治療用のファイル或はリーマ、又は、治療工具が把持部(柄)等と一体として構成されたハンドピース型の歯科治療具(例えば、ハンドスケーラ(グレーシーキュレット含む))であって、交換する際に全体が持ち替えられる構成の歯科治療具である。
【0059】
二つ目の部分交換タイプの具体例は、切削用バー、ファイル、切削用チップ等の諸治療工具を、把持可能な柄状の本体部に着脱自在に装着したもの、より具体的には、超音波スケーラ、エアスケーラ、エンドホルダ等を用いた場合である。
【0060】
上記のいずれの場合においても、様々な形状を持つ治療工具に交換されるため、撮像すべき位置は異なってしまう。これに対応するため、本発明においては、撮像モジュール32の位置及び姿勢のうち少なくとも一方が調整可能とされている。
【0061】
つまり、図3に示す歯科治療具10において、一つ目の全体交換タイプのように、持ち替えて使用する場合、使用済の歯科治療具10から歯科用撮像装置30を取外し、この歯科用撮像装置30を次に使用予定の歯科治療具10に取付けて、撮像モジュール32による撮像範囲Eが当該工具12Bの先端部分12Baを含むように、撮像モジュール32の位置及び姿勢を適宜調整する(図3の撮像モジュール32と連結部56との角度を調整していることを示す弧状矢印参照)。これにより、一つの歯科用撮像装置30を、複数の歯科治療具10に適用して治療中の撮像を行えることになる。つまり、歯科用撮像装置30を歯科治療具10に対して着脱可能に構成した上で、撮像モジュール32の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更可能に構成することで、一つの歯科用撮像装置30を、複数の歯科治療具10に対応させることができることになる。
【0062】
また、図3に示す歯科治療具10において、上記2種類の歯科治療具のうちの二つ目の部分交換タイプのように、本体部11部分はそのままで、工具12Aが他の工具12Bに交換される場合には、歯科用撮像装置30を取付けたままの状態で、撮像モジュール32による撮像範囲Eが当該工具12Bの先端部分12Baを含むように、撮像モジュール32の位置及び姿勢を適宜調整する(図3参照)。これにより、交換された他の工具12Bについても、治療中の撮像を行えることになる。つまり、撮像モジュール32の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更可能に構成することで、複数の工具12A,12Bに対応できることになる。この場合には、歯科用撮像装置30が歯科治療具10に対して着脱可能とされることは必ずしも必要ではない。
【0063】
本実施形態では、支持部50は、連結部56の形状を変形させることで、撮像モジュール32を、位置及び姿勢変更自在に支持しているが、必ずしもそのような構成である必要はない。例えば、取付部52自体を弾性体で構成することで、取付部52自体を変形させ、工具に対する位置や姿勢を変えることが可能となり、そのように取付部52自体の取付位置又は取付姿勢を変更することで、撮像モジュール32の位置又は姿勢が変更される構成であってもよい。また、取付部52と連結部56との間に屈曲部を設けてもよい。要するに、支持部50全体として、撮像モジュール32を、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持できる構成であればよい。そのための各種例については、後の実施形態で種々説明する。
【0064】
このように、支持部50と撮像モジュール32とを有する本歯科用撮像装置30の基本的な着眼は、撮像モジュール32を、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更可能に支持することで、歯科治療具10の全体的な交換或は部分的な交換に対応して、治療工具のうち治療対象部に作用する作用部をより確実に撮像できるようにすることである。
【0065】
以下各実施形態に基づきより具体的に説明する。
【0066】
{第2実施形態}
図4は第2実施形態に係る歯科用撮像装置130を示す側面図である。本実施形態では、歯科治療具として、治療内容に応じて治療工具全体が交換されるタイプである、根管治療用手用工具(より具体的には、手用ファイル或は手用リーマ)を想定した例で説明する。
【0067】
根管治療用手用工具110は、刃部112とシャンク部114と把持部116とを有している。刃部112は、根管内に挿入されるよう、針状に形成されており、外周囲に根管内を切削すべく螺旋状の刃が形成されている。この刃部112は、当該歯に対して切削作用を及す作用部として用いられる。把持部116は、手指にて把持可能な太径棒状部分に形成されている。シャンク部114は、刃部112の基端部に一体形成され、把持部116と刃部112とを接続する棒状部分である。
【0068】
歯科用撮像装置130は、撮像モジュール132と、支持部150とを有している。
【0069】
図5は撮像モジュール132を示す断面図である。撮像モジュール132は、CCD等の撮像素子133と光学部材としてのレンズ部135とを含んで構成されており、上記根管治療用手用工具110等に取付けた状態でも、当該根管治療用手用工具110等による治療を妨げない程度に十分に小型に構成されている。
【0070】
より具体的には、撮像モジュール132は、略筒状(ここでは略円筒状)の鏡筒部134と当該鏡筒部134内に装着されたレンズ部135及び絞り136と、基板137と撮像素子133とを備えている。もちろん、撮像モジュールの構成、材料は図5の例に限定されるわけでなく、たとえば絞り136が不要な場合もある。
【0071】
鏡筒部134は、耐熱性樹脂によって形成され、両端が開口する略筒状に形成されている。鏡筒部134は、その他、金属によって形成してもよい。特に、オートクレーブ滅菌処理に耐えられるように耐スチーム性の高い材料を用いることが好ましい。
【0072】
絞り136は鏡筒部134の一端部内に取付けられており、レンズ部135は鏡筒部134内で絞り136と撮像素子133との間に位置して取付けられている。そして、外部からの光を絞り136で絞りつつレンズ部135で撮像素子133の撮像面133aに結像させるようになっている。なお、レンズ部135は撮像中心軸Xに沿って配置された複数のレンズによって構成されていてもよい。また、レンズ部135と絞り136の位置は、それぞれの光学特性に応じて適宜変更可能である。また、後述する励起光照明部を用いる場合、被写体で反射された励起光を遮断し、蛍光を抽出撮像するための光学フィルタを装備してもよいし、レンズ部135に光学フィルタ特性を備えた薄膜をコーティングしても良い。
【0073】
撮像素子133は、CCD又はCMOS等で構成されており、撮像面133aを有するイメージセンサ部とセンサ部に対する駆動回路等とが一体化された構成とされている。この一体化形態は、樹脂等で封止されていることが好ましい。撮像素子133は、基板137の一主面に、その撮像面133aを当該一主面の面する方向に向けた姿勢で実装固定されている。そして、撮像面133aを鏡筒部134の一端開口に向けた姿勢で、撮像素子133が鏡筒部134の他端開口部に位置するように、基板137が鏡筒部134の他端開口に取付けられている。
【0074】
この撮像モジュール132では、撮像素子133、特に、撮像素子133のうち撮像面133a側の部分が、耐熱性樹脂によって形成された保護部材である鏡筒部134で覆われた形態となっている。これにより、防水性及び耐オートクレープ性の向上が図られている。
【0075】
この撮像モジュール132では、撮像素子133の撮像面133aの略中心を通りかつ当該撮像面133aに対して略垂直な軸Xを撮像中心軸Xとして、撮像範囲が設定される。
【0076】
この撮像モジュール132の撮像素子133からの駆動ライン及び画像信号出力ラインを含むケーブル161は外部に引出され、図2と同様に、撮像制御ユニット160に接続されている。
【0077】
支持部150は、取付部152と連結部156とを有している。
【0078】
取付部152は、ゴム或は弾性樹脂等の弾性部材によって形成されており、上記根管治療用手用工具110のシャンク部114を圧入可能な圧入孔が形成されている。そして、根管治療用手用工具110を、刃部112先端部から圧入孔に圧入し、シャンク部114部分が圧入孔部分に達するまで押込むと、取付部152の弾性復元力によって取付部152が根管治療用手用工具110のシャンク部114に取付けられる。換言すれば、取付部152は、シャンク部114に対して弾性的に外嵌めされる構成といえる。
【0079】
また、この状態で、取付部152をシャンク部114周りに回転させることで、撮像モジュール132の位置をシャンク部114周りで変更することができる。さらに、上記状態で、取付部152からシャンク部114及び刃部112を引抜くことで、取付部152を根管治療用手用工具110から取外すことができる。このようにして、取付部152は、根管治療用手用工具110に対して、着脱可能で、かつ、撮像モジュール132の位置変更を可能に、取付けられるようになっている。
【0080】
取付部152としては、上記以外に、板ばね等を利用した挟込み構造、ネジ取付構造等で取付けられる構成であってもよい。
【0081】
連結部156は、取付部152に対して撮像モジュール132を姿勢変更自在に支持するように構成されている。ここでは、撮像モジュール132と取付部152とを、ピン或は雄ネジ等の軸部156aで回転自在に連結することで、取付部152に対して撮像モジュール132を姿勢変更自在に支持している。
【0082】
連結部156としては、上記以外に、ボールジョイント構造、金属の塑性変形等を利用して姿勢変更可能に支持する構成等であってもよい。
【0083】
上記のようにして、取付部152をシャンク部114周りに回転させることで、撮像モジュール132をシャンク部114周りに位置変更することができ、また、連結部156の支持姿勢を変更することで撮像モジュール132の姿勢を変更することができるようになっており、撮像中心軸Xが刃部112の先端部(作用部)を向くように、撮像モジュール132の位置及び姿勢が適宜調整される。
【0084】
図6は撮像モジュール132と撮像制御ユニット160と表示部170部分のブロック図である。なお、図6では、電源などの汎用機能は記載を省略している。なお、本実施形態において説明する各ブロック図は、後述する実施形態においても同様に適用可能であり、後述する実施形態では特に必要がない限りその説明を省略する。
【0085】
同図に示すように、撮像制御ユニット160は、画像制御部162と、制御指令部166と、入力部169とを備えている。撮像制御ユニット160は、図示省略の電源及び電源スイッチを備えており、電源スイッチのオンオフに応じて当該電源からの電力供給を受けて動作する。
【0086】
入力部169は、術者等による指示を受付可能に構成され、ここでは、撮像開始及び停止に関する指示を受付可能に構成されている。入力部169としては、機械的なスイッチの他、所定の入力画面を通じて指示を受付ける構成等、術者等による指示を受付け可能な全ての構成を採用することができる。この入力部169により受付けられた指示に応じた信号は、制御指令部166に与えられる。
【0087】
制御指令部166は、CPU、ROM及びRAM等を有するマイコン等によって構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムに従って演算処理を実行することで、入力部169から与えられた信号に応じて上記画像制御部162を制御する。ここでは、制御指令部166は、撮像素子駆動指令部166a及び画像処理指令部166bとしての機能を有している。そして、上記入力部169を通じて撮像開始指令を受付けると、制御指令部166は、撮像素子駆動指令部166aから撮像素子駆動部162aに駆動指令を与え、さらに、画像処理指令部166bから画像処理回路部162bに画像処理指令を与える。
【0088】
画像制御部162は、撮像素子駆動部162aと、画像処理回路部162bとを備えている。
【0089】
撮像素子駆動部162aは撮像素子133の駆動をオンオフするための駆動回路等で構成されており、上記撮像素子駆動指令部166aからの駆動指令に応じて駆動信号を出力する。
【0090】
画像処理回路部162bは、画像処理を行う集積回路等で構成されており、上記画像処理指令部166bからの画像処理指令に応じて、撮像素子133からの画像信号に対して、A/D変換処理や画像補正処理等を施して、表示部170にて表示可能な画像信号として出力可能に構成されている。
【0091】
上記画像処理回路部162bから出力された画像信号は、表示部170に与えられ、当該表示部170で撮像対象画像の表示が行われる。或は、上記画像処理回路部162bから出力された画像信号は、図示しないメモリで画像データとして保存されてもよい。
【0092】
図7は根管拡大作業中等における撮像画像例を示す図である。図4に示す本歯科用撮像装置130によると、撮像中心軸Xが刃部112の先端部を向くように、撮像モジュール132の位置及び姿勢が調整されるため、本歯科用撮像装置130によって取得される撮像画像は、根管512内に刃部112の先端部が挿入された様子が表示された画像となる。かかる画像は、歯500内部で直視困難な範囲(特に根管512内を直上から覗き込んだ範囲)を含んでおり、従って、術者に対して、本来直視困難な画像、特に、髄室507内や根管512内の画像を提供することができることになる。これにより、術者は、通常直視困難な根管512内部や髄室507内、歯根破切、穿孔等を拡大観察しながら、根管拡大、根管長測定、根管洗浄等の各種治療を実施でき、より適切な治療を実施し易くなる。
【0093】
また、治療の状況に応じて、根管治療用手用工具110の全体を他のものに交換する場合には、使用済の根管治療用手用工具110から歯科用撮像装置130を取外して、次に使用予定の根管治療用手用工具110に取付けて、当該根管治療用手用工具110の形状大きさ等に応じて、撮像中心軸Xが刃部112の先端部を向くように、撮像モジュール132の位置及び姿勢を調整すれば、上記と同様にして、根管512内に刃部112の先端部が挿入された様子が表示された画像を得ることができる。
【0094】
このため、根管治療用手用工具110の交換等に応じて、その治療中の作用部を効果的に撮像できることになる。
【0095】
また、歯科用撮像装置130の取付部152は、根管治療用手用工具110に対して着脱可能であって、一つの歯科用撮像装置130を複数の根管治療用手用工具110に対して択一的に取付けて使用しつつ、各根管治療用手用工具110の形状等に応じてその作用部を撮像できるように、弾性部材よりなる取付部や、撮像モジュールを回転自在に連結する軸部によって、撮像モジュール132の位置及び姿勢を変更することができる。従って、複数の根管治療用手用工具110毎に、歯科用撮像装置130を設ける必要が無い。つまり、最低一つの歯科用撮像装置130があれば、複数の根管治療用手用工具110に交換的に取付けて撮像対応できるため、歯科用撮像装置130に要するコストを低減できる。
【0096】
また、取付部152は、治療対象部位に作用する治療工具である刃部112の基端部のシャンク部114に取付可能に構成されているため、撮像モジュール132を刃部112の先端部近くに配設することができ、治療対象部位をより拡大して撮像することができる。
【0097】
また、取付部152は、シャンク部114に対して弾性的に外嵌めされる構成であるため、弾性力を利用して歯科用撮像装置130を根管治療用手用工具110に簡便に着脱することができる。この弾性力を利用して、例えば、一時的に変形させて撮像装置の姿勢を変更する、といった使用方法も可能である。
【0098】
上記実施形態を前提にして各種変形例について説明する。なお、以下の説明において、既に説明したものと同様の構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0099】
図8は一つの取付部152に撮像モジュール132を複数取付けた例を示す図である。
【0100】
すなわち、本変形例に係る歯科用撮像装置130Bでは、取付部152に、シャンク部114周りに位置して複数(ここでは2つ)の撮像モジュール132が取付けられている。各撮像モジュール132は、上記したものと同様の構成であり、それぞれ上記と同様の連結部156を介して取付部152に取付支持されている。
【0101】
そして、刃部112及びシャンク部114を挟んで両側から刃部112の先端部を撮像できるようになっている。従って、例えば、一方の撮像モジュール132の前方に撮像障害物が存在したとしても、他方の撮像モジュール132の撮像領域に撮像障害物が存在しなければ、当該他方の撮像モジュール132で撮像された画像を観察することによって、支障なく治療等を施すことができる。
【0102】
なお、上記撮像モジュール132は、シャンク部114周りに環状に、多数、つまり、3つ以上設けられていてもよい。
【0103】
図9は本変形例に適用される撮像制御ユニット160Bのブロック図を示している。なお、本図において、図6のブロック図と同様機能部分については同一符号を付してある。
【0104】
同図に示すように、本歯科用撮像装置130Bは、撮像素子133を複数(ここでは2つ)備えている。
【0105】
撮像制御ユニット160Bが、主として上記撮像制御ユニット160と異なる点は、画像制御部162Bが撮像素子選択部162Bc及び出力画像選択部162Bdとしての機能をさらに備える点、制御指令部166Bが撮像素子選択指令部166Bc及び出力画像選択指令部166Bdとしての機能をさらに備える点、及び、入力部169が複数の撮像素子133のうち一つを選択する指示を受付可能に構成されている点である。
【0106】
上記画像制御部162Bの撮像素子選択部162Bcは、1入力複数(ここでは2つ)出力のセレクタ回路等で構成されており、撮像素子選択部162Bcからの選択指令に応じて一つの撮像素子133を選択し、撮像素子駆動部162aからの駆動信号を当該選択された一つの撮像素子133に出力する。
【0107】
また、画像制御部162Bの出力画像選択部162Bdは、複数(ここでは2つ)入力1出力のセレクタ回路等で構成されており、出力画像選択指令部166Bdからの選択指令に応じて一つの撮像素子133を選択し、当該選択された一つの撮像素子133からの入力信号を選択してその画像信号を画像処理回路部162bに与える。これらの出力画像選択部162Bd及び画像処理回路部162bによって、複数の撮像素子133から選択的に画像信号を出力する画像選択出力部が構成されている。
【0108】
また、制御指令部166Bの撮像素子選択指令部166Bc及び出力画像選択指令部166Bdの機能は、例えば、制御指令部166のマイコンの処理によって実現されている。
【0109】
そして、入力部169を通じて複数の撮像素子133のうち一つを選択する指示が入力されると、制御指令部166Bは、当該指示に応じて、撮像素子選択指令部166Bcから撮像素子選択部162Bcにその選択された撮像素子133を特定して選択指令を与えると共に撮像素子駆動指令部166aから撮像素子駆動部162aに駆動指令を与え、さらに、出力画像選択指令部166Bdから出力画像選択部162Bdに選択された撮像素子133を特定して選択指令を与えると共に、画像処理指令部166bから画像処理回路部162bに画像処理指令を与えるようになっている。
【0110】
これにより、選択された撮像素子133による撮像が行われると共に、選択された撮像素子133からの画像信号に対して適宜画像処理が施されて表示部170に出力され、当該表示部170で選択された撮像素子133で撮像された画像が表示されるようになっている。従って、複数の撮像素子133で撮像可能な画像のうち所望の画像を出力して、表示部170に表示させることができる。
【0111】
なお、複数の撮像素子133のそれぞれに対して画像処理回路部を設け、複数の撮像素子133で撮像された画像を同時表示可能にしてもよい。この同時表示は2モニター形式のヘッドマウントディスプレイ装置をモニターとして採用する場合有効である。また、両画像を一つの画像に結合して表示するようにしてもよい。この場合、術者は入力部を用いて、複数の撮像素子133のいずれをも使用するよう指示を与え、制御指令部は当該指示に基づいて複数の撮像素子133のいずれをも駆動するよう制御する。こうして複数の撮像素子133より得られた画像信号それぞれを、複数設けられた画像処理回路部へ送信する、あるいは、図示しないメモリへ送信し保存する。以上の構成によれば、複数の撮像素子133各々から得られた複数の画像を、同時に、選択的に、あるいは両画像を一つの画像に結合して、表示部170で表示させることができる。
【0112】
図10は、上記実施形態で説明した歯科用撮像装置130を複数備えた歯科用撮像システムに係る変形例である。
【0113】
すなわち、この変形例では、根管治療用手用工具110のシャンク部114に、複数(ここでは2つ)の歯科用撮像装置130が取付けられている。複数の歯科用撮像装置130は、シャンク部114に対してその長手方向にずらした2箇所に取付けられており、また、撮像モジュール132はシャンク部114周りで異なる位置、ここでは、シャンク部114周りであって当該シャンク部114を挟んで対向する位置に位置づけられている。そして、それぞれの歯科用撮像装置130の撮像素子133によって異なる方向から刃部112の作用部である先端部を撮像可能とされている。
【0114】
上記複数の歯科用撮像装置130に対しては、それぞれ別々の駆動回路及び別々の画像処理回路部が設けられており、複数の歯科用撮像装置130による撮像画像が同時表示される態様であってもよい。あるいは、図9に示すように、複数の歯科用撮像装置130に対して選択的な駆動及び画像処理を施して、複数の歯科用撮像装置130による撮像画像を選択的に表示する態様であってもよい。或は、これらの両者の態様が選択可能な態様、さらには、複数画像を一つの画像に結合して表示する態様であってもよい。
【0115】
この変形例によれば、複数の歯科用撮像装置130によって刃部112の作用部である先端部を複数方向から撮像できる。また、必要に応じて、根管治療用手用工具110に装着する歯科用撮像装置130の数を容易に増減できるというメリットもある。
【0116】
本発明においては、撮像のための光を提供する照明部を設けることで、より使い勝手のよい歯科用撮像装置を得ることができる。照明部は、撮像装置の構成部分のうち、取付部、連結部、屈曲部等の適宜の部分に設けることが可能であるが、以下ではその一例として、照明部を撮像モジュールに一体化した例を説明する。図11及び図12は照明部140Cを一体化した撮像モジュール132Cに係る変形例を示す図であり、図11は同撮像モジュール132Cの正面図、図12は同撮像モジュール132Cの断面図である。
【0117】
この変形例では、上記鏡筒部134に対応する鏡筒部134Cが略角筒状に形成されており、その鏡筒部134Cの周囲4方に計4つの照明部140Cが配設されている。照明部140Cは、発光ダイオード、エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子によって構成されており、外部に向けて光を照射可能な位置及び姿勢で取付けられている。ここでは、照明部140Cとしては、可視光を発する通常照明用の光源を想定している。照明部140Cによる照射方向の中心軸は、撮像中心軸Xと略並行であることが好ましく、また、照明部140Cは可及的に撮像中心軸Xと近い位置に配設されることが好ましい。照明部140Cを鏡筒部134Cに組込む態様としては、鏡筒部134Cに形成された凹部に照明部140Cを組込む態様であってもよいし、照明部140Cを鏡筒部134C内にインサート成型する態様であってもよい。なお、照明部140Cは、鏡筒部134C内の配線を経由して基板137に電気的に接続され、当該基板及び配線を介して照明用の電力供給がなされる。
【0118】
図13は照明部140Cを一体化した撮像モジュール132Cを適用した場合における歯科用撮像装置130Cと撮像制御ユニット160Cとのブロック図である。
【0119】
本ブロック図が図6に示すブロック図と異なる点は、撮像制御ユニット160Cが照明駆動部143Cを有する照明制御部142Cをさらに備える点と、制御指令部166Cが照明駆動指令部166Ceとしての機能を有する点である。
【0120】
上記照明駆動指令部166Ceとしての機能は、例えば、制御指令部166Cによる処理機能として実現される。また、照明駆動部143Cは、照明部140Cの駆動回路等で構成されており、上記照明部140Cにケーブル等を介して接続されている。
【0121】
そして、撮像素子133にて撮像を行うタイミングで、照明駆動指令部166Ceから143Cに駆動指令が与えられる。この駆動指令を受けて照明駆動部143Cは照明部140Cを駆動する駆動信号を出力し、照明部140Cが発光する構成となっている。もちろん照明部140Cが常時、発光する構成でもよい。
【0122】
なお、複数の照明部140Cの全てを発光させてもよいし、或は、所望数の照明部140Cだけを発光させてもよい。
【0123】
この変形例によると、照明部140Cによって光の届きにくい根管512内等の治療箇所等を照明しつつ、撮像素子133による撮像を行え、より治療に適した画像を得ることができる。また、根管治療用手用工具110を動かして撮像領域を変えれば、これに合わせて照明領域も変る、つまり、撮像領域と照明領域との相対的な位置関係が保たれる。さらに、撮像モジュール132Cに照明部140Cを組み込む設計の自由度もあり、撮像領域と照明領域との相対的な位置関係の調整も容易である。
【0124】
なお、上記照明部140Cによる照明は、撮像素子133により撮像を行わない場合でも、直接視認の際の照明として用いることも可能である。
【0125】
また、上記照明部140Cとして、通常撮影用の照明部と異変部を抽出する蛍光画像用の励起光照明部とを設けてもよい。図14は本変形例に係るブロック図を示している。
【0126】
図14のブロック図が、図13に示すブロック図と異なる主要点は、歯科用撮像装置130Dが通常撮影用の照明部140D1と異変部を抽出する蛍光画像用の励起光照明部140D2とを有している点と、撮像制御ユニット160Dの照明制御部142Dが照明部140D1に対する第1照明駆動部143D1と、励起光照明部140D2に対する第2照明駆動部143D2とを有している点である。
【0127】
上記照明部140D1は、可視光領域の光を発するものであり、白色ダイオード等で構成される。励起光照明部140D2は、例えば、波長405nmの光を発するものであり、発光ダイオード等で構成される。かかる波長の光を照射すると、歯石や歯垢、軟化象牙質等の異変部が赤色または橙色の蛍光を放出するので、この蛍光を受光することによって、異変部の発する蛍光が視覚的に抽出される。これにより、異変部が抽出された画像を撮像素子133で撮像することができる。なお、励起光照明部140D2で抽出された異変部を撮像する場合には、撮像素子133の前方に励起光をカットするフィルタ、例えば、430nm以下の波長成分をカットするフィルタを設けることが好ましい。励起光をカットしないと、全ての波長領域が撮像素子133に入射し、励起された異変部の蛍光色が励起光成分に埋れてしまい、異変部を認識し難いからである。フィルタは、レンズ部135の表面に形成されたコーティング層として設けられるものであってもよいし、或は、撮像素子133の前方にフィルタ板として設けられるものであってもよい。
【0128】
そして、制御指令部166Cは、入力部169を通じて照明部140D1及び励起光照明部140D2によるいずれか一方の照明指示又は双方による照明指示を受付けると、当該指示に応じて、第1照明駆動部143D1及び第2照明駆動部143D2のいずれか一方又は双方に照明駆動指令を与える。これにより、第1照明駆動部143D1及び第2照明駆動部143D2のいずれか一方又は双方が、対応する照明部140D1及び励起光照明部140D2に駆動信号を出力する。すると、照明部140D1及び励起光照明部140D2が選択的に又は同時に発光する。
【0129】
これにより、撮影の必要性に応じた照射光を照射して撮影することができる。特に、励起光照明部140D2による蛍光画像によって、治療対象部位を明確に観察しながら治療を行うことができる。以上は照明部を撮像モジュールに一体化させた例であるが、本発明において、照明部を撮像モジュールに一体化させる構成は必須ではなく、例えば、取付部、連結部、あるいは屈曲部に設け、上記の回路構成や励起光発光機能を利用することもできる。
【0130】
{第3実施形態}
第3実施形態に係る歯科用撮像装置230について説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、既に説明したものと同様の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0131】
図15は第3実施形態に係る歯科用撮像装置230を示す側面図である。本実施形態では、歯科治療具として、治療内容に応じて治療工具全体が交換されるタイプである、ハンドスケーラを想定した例で説明する。
【0132】
ハンドスケーラ210は、棒状の把柄部211の両端部に頸部212(シャンクとも呼ばれる)を介して刃部214,216が接続された構成とされている。刃部214,216は、歯表面の付着物の除去等に用いられる部分である。頸部212は、刃部214,216の治療対象部位である歯表面の各部に適合させるため或はその操作性を容易にするため所定形状に屈曲されている。上記刃部214,216及び頸部212は、治療内容、治療対象部位等に応じて、屈曲角度、長さ等を異ならせた種々形状のものが準備されている。つまり、ハンドスケーラ210としては、刃部214,216及び頸部212のうち少なくとも一方を異ならせたものが複数種類準備され、治療内容等に応じて交換して用いられる歯科治療具である。なお、把柄部211の一方だけに刃部214(又は216)が設けられているものもある。
【0133】
歯科用撮像装置230は、上記ハンドスケーラ210に着脱可能に取付されるものであり、撮像モジュール132と支持部250とを有している。
【0134】
撮像モジュール132としては、上記第2実施形態で説明したものと同様の構成のものを用いることができる。また、撮像モジュール132で撮像された画像は第2実施形態と同様の処理を経て、表示部に表示される。
【0135】
支持部250は、取付部252と連結部256とを有している。
【0136】
取付部252は、ハンドスケーラ210の把柄部211に着脱可能に取付可能に構成されており、ハンドスケーラ210に対して撮像モジュール132を取付支持可能に構成されている。取付部252としては、ゴム或は弾性樹脂等の弾性部材を利用して把柄部211に弾性的に外嵌め固定する構成、ネジ等を利用した取付構成、樹脂等を利用した嵌め込み固定構造等、各種取付構造を利用することができる。特に、取付部252をゴム或は弾性樹脂等の弾性部材を利用して把柄部211に弾性的に外嵌め固定する構成とすることで、当該弾性力を利用して歯科用撮像装置230をハンドスケーラ210に対して簡便に着脱することができる。
【0137】
この取付部252は、把柄部211に対する取付位置を把柄部211の長手方向に沿って変更できるように構成されていることが好ましい。これにより、刃部214,216に対する撮像モジュール132の位置を変更調整することができる。また、取付部252は、把柄部211周りに回転可能で姿勢変更可能であることが好ましい。これにより、刃部214,216周りで撮像モジュール132の位置を変更調整することができる。通常、取付部252を、弾性部材を利用して把柄部211に弾性的に外嵌め固定する構成とすれば、上記構成を実現できる。
【0138】
連結部256は、取付部252と撮像モジュール132との間に介在しており、取付部252に対して撮像モジュール132を位置及び姿勢変更可能に支持している。
【0139】
すなわち、連結部256は、手指の操作にて屈曲可能な長尺部材に形成されており、その基端部が上記取付部252に固定されると共に、その他端部が撮像モジュール132を支持している。
【0140】
より具体的には、連結部256は、複数(ここでは2つ)のアーム256aを有しており、各アーム間256aに屈曲部256bが設けられると共に、先端側のアーム256aと撮像モジュール132との間に屈曲部256cが設けられている。各屈曲部256b,256cは、ピン或は雄ネジ等の軸部を介した連結構造、或は、ボールジョイント構造等によって屈曲可能に構成されており、各アーム256a間及びアーム256aと撮像モジュール132との間で屈曲可能とされている。屈曲可能な部分は、アーム256aと取付部252との間に存在してもよい。また、連結部256全体が金属の塑性変形等を利用して屈曲可能に構成されていてもよい。もっとも、撮像モジュール132の位置づけの自由度を確保するためには、連結部256全体として少なくとも2箇所で屈曲可能であることが好ましい。また、安定した画像を得るために、屈曲部256b,256cは、屈曲自在でかつ屈曲後に一定の屈曲形態を維持可能な構成であることが好ましい。
【0141】
そして、取付部252の位置及び姿勢を調整しつつ、本連結部256を手指の操作等によって適宜形状に屈曲させることで、撮像モジュール132による撮像方向が刃部214のうち治療対象部位に作用する部分(通常は刃部214の先端部分)を向くように、撮像モジュール132の位置及び姿勢を適宜調整できるようになっている。
【0142】
本実施形態によると、撮像モジュール132は、取付部252を介してハンドスケーラ210に対して着脱可能とされている。このため、各種のハンドスケーラ210毎に歯科用撮像装置230を設ける必要はなく、歯科用撮像装置230を複数のハンドスケーラ210に対して択一的に取付けて使用することができ、歯科用撮像装置230に要するコストを低減することができる。
【0143】
また、取付部252及び連結部256のそれぞれによって、撮像モジュール132の位置及び姿勢の調整変更が可能とされているため、取付けられたハンドスケーラ210の刃部214,216及び頸部212の形状等に応じて、撮像モジュール132の位置及び姿勢を変更することで、撮像モジュール132による撮像方向が刃部214(又は216)のうち治療対象部位に作用する部分(通常は刃部214,216の先端部分)を向くようにすることができ、治療に適切な画像、特に、撮像モジュール132を刃部214(又は216)の近傍に位置づけることで、歯表面或は歯周ポケット内の歯石や歯垢等を含む治療箇所を適切に撮像できる。これにより、術者は、当該画像を見て刃部214と歯表面の歯石や歯垢等との位置関係を確認しながら、歯石や歯垢の除去作業等の治療を行うことができ、適切な治療に資する。
【0144】
また、連結部256を手指にて変形させることによって、施術の最中等であっても、場合によっては表示部に表示される画像を確認しながら、撮像モジュール132の位置、姿勢を容易に変更することができる。
【0145】
図16は本実施形態に係る変形例を示す側面図である。本変形例では、歯科治療具として、上記と同様のハンドスケーラ210を想定している。また、歯科用撮像装置230Bとしては、上記第2実施形態で説明した歯科用撮像装置130と同様の構成のものを用いている。但し、取付部252Bには、ハンドスケーラ210の頸部212を圧入可能な圧入孔が形成されている。
【0146】
この歯科用撮像装置230は、頸部212に外嵌めされた状態で、ハンドスケーラ210に取付けられている。撮像モジュール132の撮像方向が、刃部214の先端部を向くように、当該撮像モジュール132の位置及び姿勢が調整されている。
【0147】
歯科用撮像装置230Bの取付位置としては、頸部212の所望の位置であってよい。図17〜図19は歯科用撮像装置230Bを頸部212の各種位置に取付けた状態を示している。ここで、頸部212を屈曲部分で区切り、刃部214から把柄部211に向けて順次第1頸部212a、第2頸部212b、第3頸部213bとする。図17は、歯科用撮像装置230Bを第1頸部212aに取付けた場合を示している。この場合、歯科用撮像装置230Bと刃部214の先端部とは近接しており、歯科用撮像装置230Bの撮像モジュール132は刃部214の先端部を直接的に撮像できる。このため、刃部214の先端部を用いた繊細な治療に適する。図18は、歯科用撮像装置230Bを第2頸部212bに取付けた場合、図19は、歯科用撮像装置230Bを第3頸部212cに取付けた場合を示している。図18及び図19に示す場合では、歯科用撮像装置230Bの撮像モジュール132は、刃部214の先端部から若干離れた位置から、刃部214の先端部を撮像する。このため、刃部214の先端部周囲の比較的広い範囲が撮像され、歯頸部などの比較的広い範囲でのスケーリング等に適する。図17乃至図19においては、歯科用撮像装置230Bの取付位置が変更されるともに、主軸に対する取付部252Bの角度が変更されている。この変更を、本願発明の特徴の一つである「取付部の歯科治療具に対する姿勢変更」とみなすことができる。
【0148】
{第4実施形態}
第4実施形態に係る歯科用撮像装置330について説明する。なお、本実施の形態の説明において、第1実施形態、第2実施形態或は第3実施形態で説明したものと同様の構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0149】
図20は第4実施形態に係る歯科用撮像装置330を示す側面図である。本実施形態では、歯科治療具として、本体部312と本体部に対して着脱自在に取付けられる治療工具316とを有する歯科治療具、より具体的には、超音波スケーラのような外部駆動力を得て工具を振動させる歯科治療具を想定した例で説明する。
【0150】
超音波スケーラ310は、本体部312と治療工具316とを有している。
【0151】
本体部312は、手指によって把持可能な太さの棒状に形成されており、治療中に手指にて把持される柄として用いられる部分である。本体部312には外部の振動コントローラから電源を供給するための電源ラインが接続されており、本体部312にはその電源供給を受けて所望の周波数の振動を生じさせる振動駆動部313が組込まれている。また、本体部312の先端部には、治療工具316を着脱可能に取付けるための工具ホルダ314が取付けられている。
【0152】
治療工具316は、治療対象である歯に直接的に作用して、歯垢或は歯石等の除去作業に供せられる部分であり、図20に示す治療工具316はスケーラチップとも称される治療工具である。この治療工具316としては複数形状のものが準備されており、治療内容等に応じて、種々形状のものに交換して用いられる。
【0153】
この治療工具316は、上記工具ホルダ314を介して本体部312に着脱可能に取付けられる。そして、振動駆動部313による振動は、歯科治療用の作用力(ここでは、歯垢或は歯石を容易に除去するための作用力)として、工具ホルダ314を介して治療工具316に伝達される。当該振動を受けた治療工具316は治療対象部位である歯表面、歯周ポケット等に振動を作用させるようになっている。
【0154】
ここでは、超音波スケーラ310の例で説明するが、ホースからのエア供給を受けて振動を生じさせるエアスケーラであっても同様に適用できる。
【0155】
歯科用撮像装置330は、第3実施形態で説明した歯科用撮像装置230と概略同様の構成である。但し、支持部350の取付部352は本体部312に対して取付可能に構成されている。つまり、取付部352は、本体部312の外周形状に応じた環状形状を有しており、ゴム或は弾性樹脂等の弾性部材を利用して本体部312に外嵌めされる構成となっている。取付部352は、本体部312に対して着脱可能に取付けられていることが好ましいが、本例においては、着脱可能であることは必要ではない。つまり、取付部352は、本体部312に着脱可能に取付けられる必要はなく、接着剤或は嵌め込み構造等で、容易には取外せない構成にて、本体部312に取付けられていてもよい。
【0156】
この歯科用撮像装置330は、本体部312の所望の位置に取付けられていればよく、先端側及び中間部、後端部のいずれの位置に取付けられていてもよい。
【0157】
歯科用撮像装置330のその他の構成は、第3実施形態で説明した歯科用撮像装置230と同様の構成である。
【0158】
そして、歯科用撮像装置330の連結部256を手指の操作等によって適宜形状に屈曲させることで、撮像モジュール132による撮像方向が治療工具316のうち治療対象部位に作用する部分(通常は治療工具316の先端部分)を向くように、撮像モジュール132の位置及び姿勢を適宜調整できるようになっている。
【0159】
また、治療工具316を他に交換した場合には、その治療工具316の形状や取付けられた向き等に応じて、当該治療工具316の先端部の位置が変動する。そこで、再度歯科用撮像装置330の連結部256を手指の操作等によって適宜形状に屈曲調整することで、撮像モジュール132による撮像方向が交換された治療工具316の先端部を向くように、撮像モジュール132の位置及び姿勢を再調整できるようになっている。
【0160】
本実施形態によると、歯科用撮像装置330が本体部312に取付けられているため、歯科治療用の作用力である振動が撮像モジュール132に伝わり難くなる。従って、良好な撮像画像を期待できる上、撮像モジュール132の振動による劣化等を抑制できる。
【0161】
また、治療工具316を交換した場合には、歯科用撮像装置330を本体部312に取付けたままの状態で、撮像モジュール132の位置及び姿勢を柔軟に変更して、治療工具316の先端部を撮像できるようにすることができる。
【0162】
また、手指の操作にて、連結部256を容易に変形させることができ、撮像モジュール132の位置又は姿勢を、施術の最中であっても容易に変更することができる。
【0163】
図21は本実施形態に係る変形例を示すブロック図である。この変形例に係るブロック図が図6に示すブロック図と異なる点は、撮像制御ユニット360Bが送信回路部363Bを有する点、及び、表示部370Bの前段に受信回路部370Baが設けられている点である。
【0164】
送信回路部363Bは、変調回路、増幅回路等によって構成されており、画像処理回路部162bから出力された画像信号を変調及び増幅して無線信号として送信可能に構成されている。
【0165】
なお、撮像制御ユニット360Bは、小型化され、本体部312に組込まれていることが好ましい。
【0166】
また、受信回路部370Baは、復調回路、増幅回路等によって構成されており、送信回路部363Bから送信された無線信号を復調及び増幅して画像信号として表示部370Bに出力するように構成されている。
【0167】
送信回路部363Bと受信回路部370Baとの間の無線方式は、Bluetooth等の各種無線方式を採用することができる。
【0168】
この変形例によると、超音波スケーラ310からの画像信号出力用の伝送路を無線化することができるため、超音波スケーラ310から引出される配線を少なくすることができ、超音波スケーラ310の取扱性向上を図ることができる。
【0169】
上記実施形態では、歯科用撮像装置330を、各種治療工具316に共用される本体部312に取付けた例で説明したが、必ずしも本体部312に取付ける必要はない。
【0170】
図22に示す変形例では、歯科用撮像装置330Cを、工具ホルダ314に外嵌めするようにして取付けた例を示している。なお、歯科用撮像装置330Cは、取付部352Cが工具ホルダ314に外嵌め可能に構成されている点を除いて、上記歯科用撮像装置330と同様の構成とされている。
【0171】
この変形例によると、工具ホルダ314を本体部312に取付けたまま治療工具316のみを交換した場合に、歯科用撮像装置330Cを工具ホルダ314に取付けたままの状態で、撮像モジュール132の位置及び姿勢を柔軟に変更して、治療工具316の先端部を撮像できるようにすることができる。
【0172】
また、図23及び図24に示す例では、治療工具316Dとして歯石除去用のスケーラ用チップを想定した場合を示している。
【0173】
歯科用撮像装置330Dは、取付部352Dが、超音波スケーラ310Dに取付られた治療工具316D又は工具ホルダ314Dに外嵌め可能に構成されている点を除いて、上記歯科用撮像装置330と同様の構成とされている。
【0174】
図23では、歯科用撮像装置330Dを工具ホルダ314Dに取付けた例を示している。この場合、撮像モジュール132は治療工具316の先端部から比較的離れるので、治療工具316D先端部周囲の比較的広い範囲を撮像でき、歯頸部などの比較的広い範囲でのスケーリングに適する。
【0175】
また、図24では、歯科用撮像装置330Dを治療工具316Dの先端部手前に取付けた例を示している。この場合、治療工具316Dの交換に応じて、歯科用撮像装置330Dを付け替える必要がある。本変形例によると、撮像モジュール132を治療工具316Dの先端部近くに位置づけることができるので、治療工具316Dの先端部をより拡大して撮像することができる。
【0176】
{第5実施形態}
上記第4実施形態のうち、特に、歯科用撮像装置330,330Cを、本体部312または工具ホルダ314に取付け、治療工具316を着脱自在に取付けたものは、全体として一つの歯科治療用インスツルメント装置を構成すると把握することもできるが、より一つの装置として把握しやすい例として、以下、第5実施形態に係る歯科用撮像装置430及び歯科治療用インスツルメント装置420について説明する。
【0177】
図25は第5実施形態に係る歯科治療用インスツルメント装置420を示す要部分解斜視図であり、図26は同歯科治療用インスツルメント装置420を示す要部斜視図である。
【0178】
歯科治療用インスツルメント装置420は、歯科治療具410と、歯科用撮像装置430とを有している。
【0179】
歯科治療具410は、本体部412と治療工具416とを有している。
【0180】
本体部412は、手指によって把持可能な太さの棒状に形成されており、治療中に手指にて把持される柄として用いられる部分である。本体部412には、上記第4実施形態と同様に、外部からの電源供給を受けて又は外部からのエア圧を受けて所望の周波数の振動を生じさせる振動駆動部413が組込まれている。また、本体部412の先端部には、治療工具416を着脱可能に取付けるための装着部414が設けられている。装着部414は、ここでは、治療工具416の基端部をねじ込み可能なネジ孔に形成されている。
【0181】
また、本体部412の先端面であって装着部414周りには、略等間隔をあけて複数(ここでは8つ)の位置決め穴412hが形成されている。
【0182】
治療工具416は、第4実施形態における治療工具316と同様に、治療対象である歯に直接的に作用して、歯垢或は歯石等の除去作業に供せられる部分である。この治療工具416の基端部には、上記装着部414にねじ込み取付可能なネジ溝が形成されており、治療工具416の基端部を装着部414にねじ込むことで、本治療工具416が本体部412に着脱可能に取付けられる。勿論、この治療工具416も、複数形状のものが準備されており、治療内容等に応じて、種々形状のものに交換して用いられる。
【0183】
この治療工具416が本体部412に取付けられた状態で、振動駆動部413による振動は、歯科治療用の作用力として治療工具416に伝達される。当該振動を受けた治療工具416は治療対象部位に振動を作用させるようになっている。
【0184】
歯科用撮像装置430は、撮像モジュール132と、支持部450とを有している。
【0185】
撮像モジュール132としては、上記第2実施形態で説明したものと同様の構成のものを用いることができる。
【0186】
支持部450は、本体部412の一端部に取付可能な短円柱状に形成されている。支持部450のうち本体部412と対向すべき一方側の面には、上記位置決め穴412hに嵌め込み可能な位置決めピン453が少なくとも一つ(ここでは2つ)突出形成されている。そして、位置決めピン453を所望の位置決め穴412hに圧入することで、支持部450が本体部412の一端部に取付けられるように構成されている。また、位置決めピン453を圧入する位置決め穴412hを変更することで、本体部412に対する支持部450の回転位置を変更できるようになっている。つまり、本体部412のうち位置決めピン453が突設された側の部分は、本体部412に対して回転位置を変更可能に取付けられる取付部452として用いられる。
【0187】
また、支持部450の他方側の面には、上記撮像モジュール132が埋設状に取付けられている。従って、本体部412に対する支持部450の回転位置を変更することで、撮像モジュール132が治療工具416周りに位置変更可能に支持される構成となっている。
【0188】
また、支持部450には、その中心に沿って治療工具416の基端部を挿通可能な挿通孔450hが形成されており、治療工具416の基端部は挿通孔450hを通って装着部414にねじ込み取付けされている。
【0189】
本実施形態によると、治療工具416を交換取付すること等により、治療工具416の先端部位置が本体部412の中心軸周りに変動すると、その位置に合わせて撮像モジュール132の撮像方向が当該治療工具416の先端部を向くように、歯科用撮像装置430を適宜回転させて位置決めピン453を位置決め穴412hに圧入することで、当該治療工具416の先端部を撮像するように調整することができる。従って、治療工具416の交換等に応じて、治療工具416の作用部である先端部を撮像できるように、撮像モジュール132の位置又は姿勢を変更することができる。
【0190】
また、撮像モジュール132が支持部450を介して本体部412に取付けられるため、歯科治療用の作用力である振動が撮像モジュール132に伝わり難くなる。さらに、導電性部材よりなる位置決めピンを複数設けることで、撮像モジュール132や、撮像モジュールに内蔵された照明部への電力供給経路とすることもできる。
【0191】
なお、上記実施形態では、位置決めピン453を所望の位置決め穴412hに圧入することによって、支持部450を本体部412に対して治療工具416周りに回転位置を変更して取付けできる構成であるが、支持部450を本体部412に取付ける構成は上記例に限られない。その他の嵌め込み構造、ネジ止構造等によって、支持部が本体部に取付けられる構成であってもよい。この場合に、本体部に複数の取付構造が設けられ、所望の取付構造部分に取付部を取付けることで、当該取付部の位置或は姿勢が変更される構成であってもよい。
【0192】
要するに、本体部に対する支持部の取付位置、取付状態に応じて、撮像モジュール132の位置及び姿勢のうちの少なくとも一方を変更できる構成であればよい。
【0193】
{変形例}
以上、実施形態について説明したが、上記はあくまでも例示であって、本発明は上記実施形態で説明した構成に限定されるものではない。
【0194】
例えば、歯科治療工具は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、治療内容に応じて全体が交換される態様のものとしては、上記した根管治療用のファイル或はリーマ、又は、ハンドスケーラ(グレーシーキュレット含む))の他、う触部除去用のエキスカベータ、柄と一体になった歯科用メス等が想定される。また、例えば、治療内容に応じて、本体部に対して治療工具が付け替えて用いられるものとしては、上記した超音波スケーラ、エアスケーラの他、駆動部を持たない柄状の本体部の端部にファイル等の治療工具が着脱自在に取付けられるもの(いわゆるエンドホルダと呼ばれるもの)、水噴射、エア噴射或は噴霧を行う歯科用シリンジ(スリーウエイシリンジ又は冷温の切換機能を含むシックスウエイシリンジ等の呼ばれるもの)においてノズルが交換される場合等に適用されてもよい。
【0195】
また、歯科用撮像装置を着脱自在に歯科治療工具に取付ける場合、歯科用撮像装置は、同種類の歯科治療工具において付け替えて用いられるものであっても、異種の歯科治療工具において付け替えて用いられるものであってもよい。例えば、ハンドスケーラとエキスカベータ、歯科用メス、エンドホルダ等は、柄部分の太さがある程度同じであるので、歯科用撮像装置をこれらの歯科治療工具間において付け替えて使用してもよい。
【0196】
また、超音波スケーラ及びエアスケーラと、水噴射、エア噴射或は噴霧を行う歯科用シリンジ(スリーウエイシリンジ又は冷温の切換機能を含むシックスウエイシリンジ等と呼ばれるもの)のそれぞれの柄の先端部分は、ある程度太さが同じであるので、同様に、歯科用撮像装置をこれらの歯科治療工具間において付け替えて使用してもよい。
【0197】
また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0198】
例えば、第2実施形態で説明したように、照明部140C又は通常撮影用の照明部140D1及び蛍光画像用の励起光照明部140D2を撮像モジュール132に組込んだ構成は、その他の実施形態においても適用可能である。
【0199】
また、第2実施形態で説明したように、一つの支持部に撮像モジュールを複数取付ける構成、或は、一つの歯科治療工具に複数の歯科用撮像装置を取付けて歯科用撮像システムとする構成は、その他の実施形態においても適用可能である。例えば、第3実施形態における支持部250に連結部256を複数方向に延出するように設け、それぞれの先端部に撮像モジュール132を取付けてもよい。
【0200】
また、第4実施形態に係る変形例で説明したように、撮像素子で撮像された画像信号を無線送信する送信回路部を備え、無線信号により送信された画像信号に基づく画像を表示部側で受信して表示する構成も、その他の実施形態においても適用可能である。
【0201】
また、上記撮像モジュール132は、治療中の切削粉や血液等で前面の光学系(レンズ等)が汚れる恐れがある。そこで、エア或は水による洗浄機構を撮像モジュール132に組込んでおくことが好ましい。なお、本発明の歯科用撮像装置を治療工具に直接取付ける場合、治療工具の振動の振幅によっては、良好な画像が得られにくいことも考えられる。但し、そのような場合であっても、撮像モジュールまたは撮像モジュールに内蔵された照明部を限りなく治療対象部位へ近接させられるという利点はある。従って、例えば、治療工具を駆動する直前までは画像を確認しながら治療対象部位で治療工具の作用部を位置づけ、位置づけが完了し駆動を始めてからは撮像画像ではなく目視による視認や手指等の感覚を頼りに治療を実行する、という使用方法も採用しうる。
【図面の簡単な説明】
【0202】
【図1】人間の歯の構造を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の基本概念に係る歯科用撮像装置を示す説明図である。
【図3】第1実施形態の使用例を説明する図である。
【図4】第2実施形態に係る歯科用撮像装置を示す側面図である。
【図5】撮像モジュールを示す断面図である。
【図6】撮像モジュールと撮像制御ユニットと表示部のブロック図である。
【図7】根管拡大作業中等における撮像画像例を示す図である。
【図8】複数の撮像モジュールを有する歯科用撮像装置の変形例を示す図である。
【図9】複数の撮像モジュールを有する場合の変形例に係るブロック図である。
【図10】歯科用撮像装置を複数備えた歯科用撮像システムに係る変形例を示す図である。
【図11】照明用発光部を一体化した撮像モジュールに係る変形例を示す正面図である。
【図12】照明用発光部を一体化した撮像モジュールに係る変形例を示す断面図である。
【図13】照明用発光部を設けた場合の変形例に係るブロック図である。
【図14】通常撮影用の照明部と蛍光画像用の励起光照明部とを設けた場合の変形例に係るブロック図である。
【図15】第3実施形態に係る歯科用撮像装置を示す側面図である。
【図16】第3実施形態に係る変形例を示す側面図である。
【図17】同上の変形例において歯科用撮像装置の取付位置例を示す図である。
【図18】同上の変形例において歯科用撮像装置の取付位置例を示す図である。
【図19】同上の変形例において歯科用撮像装置の取付位置例を示す図である。
【図20】第4実施形態に係る歯科用撮像装置を示す側面図である。
【図21】無線化した場合の変形例に係るブロック図である。
【図22】第4実施形態の変形例を示す側面図である。
【図23】第4実施形態の他の変形例を示す側面図である。
【図24】同上の変形例において歯科用撮像装置の取付位置例を示す図である。
【図25】第5実施形態に係る歯科治療用インスツルメント装置を示す要部分解斜視図である。
【図26】同上の歯科治療用インスツルメント装置を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0203】
10 歯科治療具
11 本体部
12A,12B 工具
30,130,130B,130C,130D,230,230B,330,330C,330D,430 歯科用撮像装置
32,132,132C 撮像モジュール
50,150,250,350,450 支持部
52,152,252,252B,352,352C,452 取付部
56,156,256 連結部
60,160,160B,160C,160D,360B 撮像制御ユニット
70,170,370B 表示部
110 根管治療用手用工具
112 刃部
133 撮像素子
134,134C 鏡筒部
140C 照明部
140D1 照明部
140D2 励起光照明部
162 画像制御部
162b 画像処理回路部
162Bd 出力画像選択部
210 ハンドスケーラ
211 把柄部
214,216 刃部
310 超音波スケーラ
312 本体部
313 振動駆動部
314,314D 工具ホルダ
316,316D 治療工具
363B 送信回路部
370Ba 受信回路部
410 歯科治療具
412 本体部
412h 位置決め穴
413 振動駆動部
414 装着部
416 治療工具
420 歯科治療用インスツルメント装置
453 位置決めピン
500 歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科治療具に取付けられる歯科用撮像装置であって、
少なくとも撮像素子と光学部材とを有する撮像モジュールと、
歯科治療具に取付可能な取付部を有し、前記撮像モジュールを、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する支持部と、
を備える歯科用撮像装置。
【請求項2】
請求項1記載の歯科用撮像装置であって、
前記取付部は、歯科治療具に着脱自在に取付可能に構成されている、歯科用撮像装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の歯科用撮像装置であって、
前記取付部は、歯科治療具に対して位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に取付可能に構成されている、歯科用撮像装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の歯科用撮像装置であって、
前記支持部は、前記取付部に対して前記撮像モジュールを、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する連結部を有する、歯科用撮像装置。
【請求項5】
請求項4記載の歯科用撮像装置であって、
前記連結部は、手指の操作にて屈曲可能な長尺部材に形成されている、歯科用撮像装置。
【請求項6】
請求項1記載の歯科用撮像装置であって、
前記取付部は、歯科治療用の作用力を生じさせる駆動部を有する本体部と、前記本体部に着脱自在に取付けられ前記駆動部からの歯科治療用の作用力を受けて治療対象部位に作用させる治療工具とを有する歯科治療具に取付けられる際、前記歯科治療具の前記本体部に取付け可能に構成され、
前記支持部は、前記歯科治療具に対して前記撮像モジュールを、位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する連結部を有する、歯科用撮像装置。
【請求項7】
請求項1記載の歯科用撮像装置であって、
前記取付部は、歯科治療用の作用力を生じさせる駆動部を有する本体部と、前記本体部に着脱自在に取付けられ前記駆動部からの歯科治療用の作用力を受けて治療対象部位に作用させる治療工具とを有する歯科治療具に取付けられる際、前記歯科治療具の前記本体部に位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に取付可能に構成されている、歯科用撮像装置。
【請求項8】
請求項1記載の歯科用撮像装置であって、
前記取付部は、治療対象部位に作用する治療工具を有する歯科治療具に取付けられる際、前記歯科治療具の前記治療工具に着脱自在に取付可能に構成されている、歯科用撮像装置。
【請求項9】
請求項1〜請求項8記載のいずれかに記載の歯科用撮像装置であって、
前記取付部は、前記歯科治療具に対して弾性的に外嵌め可能に構成されている、歯科用撮像装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれかに記載の歯科用撮像装置であって、
前記撮像モジュールに照明用発光部が一体化されている、歯科用撮像装置。
【請求項11】
請求項10記載の歯科用撮像装置であって、
前記照明用発光部は、通常撮影用の照明部と異変部を抽出する蛍光画像用の励起光照明部とを有する、歯科用撮像装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれかに記載の歯科用撮像装置であって、
前記撮像素子のうちの少なくとも一部又は前記撮像モジュールのうち少なくとも一部が、耐熱性樹脂で形成された保護部材によって覆われている、歯科用撮像装置。
【請求項13】
請求項1〜請求項12のいずれかに記載の歯科用撮像装置であって、
前記撮像素子で撮像された画像信号を無線送信する無線送信回路部をさらに備えた歯科用撮像装置。
【請求項14】
請求項1〜請求項13のいずれかに記載の歯科用撮像装置であって、
前記撮像モジュールを複数備えた歯科用撮像装置。
【請求項15】
請求項14記載の歯科用撮像装置であって、
前記複数の撮像モジュールのそれぞれの撮像素子から選択的に画像信号を出力する画像選択出力部、
をさらに備えた歯科用撮像装置。
【請求項16】
請求項1〜請求項15のいずれかに記載の歯科用撮像装置を複数備えた歯科用撮像システム。
【請求項17】
請求項16記載の歯科用撮像システムであって、
前記複数の歯科用撮像装置のそれぞれの撮像素子から選択的に画像信号を出力する画像選択出力部、
をさらに備えた歯科用撮像システム。
【請求項18】
歯科治療具と、
撮像モジュールを有する歯科用撮像装置と、
を備えた歯科治療用インスツルメント装置であって、
前記歯科治療具は、歯科治療用の作用力を生じさせる駆動部を有する本体部と、前記本体部に着脱自在に取付けられ前記駆動部からの歯科治療用の作用力を受けて治療対象部位に作用させる治療工具とを有する歯科治療具と、を有し、
前記撮像モジュールは、少なくとも撮像素子と光学部材とを有し、
前記歯科治療用撮像装置は、前記本体部に位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に取付けられた取付部を備えて前記撮像モジュールを位置及び姿勢のうち少なくとも一方を変更自在に支持する支持部を有する、歯科治療用インスツルメント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−104652(P2010−104652A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281097(P2008−281097)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)
【Fターム(参考)】