説明

歯車の歯部

【解決手段】本発明は複数の歯を有する歯車の歯部に関する。歯車は有効領域と特定の歯面形状の基部領域とを有する。垂直断面で見ると、歯元領域は基礎円から有効円まで延在する。垂直断面で隣接する歯の歯面は互いに対称であり、対称軸は基点において基礎円と交差している。本発明によれば、歯面は関連直径から接線関数として歯元領域に形成される。接線関数は、関連直径において、一定の接線で有効領域の歯面形状に繋(つな)がる。接線関数は、歯元領域において、一定の接線で軌道に繋がり、この軌道は、基点において基礎円に接している。したがって、歯元強度を大幅に高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段において、より詳細に定義されたタイプの複数の歯を有する歯車の歯部に関する。
【背景技術】
【0002】
インボリュート転造歯部を有する歯車は特許文献1から知られている。この文献の中心は、特にいわゆる歯元領域、すなわち、インボリュート転造歯部を有する歯車の個々の歯を互いに連結する領域に関するものである。この文献では、両回転方向において均一に回転することができる歯部を提供することを目的として、残りのホブ加工された丸みに対して楕(だ)円状に丸みが付けられた歯元領域が提案されている。そのような歯車は、歯元領域の楕円状の丸みのために、放射状の丸みを有する歯車よりも伝達能力が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】DE10 2006 015 521 B3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこの以前から知られている従来技術を改良したものであり、本発明の目的は、歯元領域の強度を更に高め、より小さい全体寸法で同じ強度を有するか、又は、同等の全体寸法で強度を大幅に増加させた歯車を提供することができる、転造歯部を有する歯車のための歯部を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は請求項1の特徴部分に記載された特徴により本発明によって達成される。
【0006】
本発明者は、驚くべきことに、歯元領域を次のように設計することで歯元強度を大幅に高めることができることを発見した。すなわち、歯元領域は、歯元領域の上方にある有効領域の歯面形状から一定の接線で延在する接線関数を有し、この接線関数は一定の接線で軌道に繋(つな)がり、この軌道は歯車の基礎円と接している。
【0007】
本発明者が行った実験の結果、軌道と有効領域の歯面形状との間に接線関数を挿入することによって、典型的な転造歯部を有する歯車に対して、歯元の計算強度を最大で30〔%〕増加させることができることが示された。
【0008】
互いに隣接する2個の歯の歯面は対称であるため、歯面形状のうちの1個を確定し、それを対称軸での鏡映によって反対側の領域に転写すれば十分である。基点において軌道は基礎円に接しており、対称軸はこの基点を通って延在しているため、基点までの接線関数と円軌道の単純な組み合わせを使用し、その後これらの2個の関数の鏡映を使用することによって、全歯元領域をその強度を増すように設計することができる。
【0009】
これらの関数の各々は、記載した方法で、垂直断面上で容易にかつ効率的に決定することができる。なぜなら、関数相互間の遷移は数学的に表すことができ、一角度と軌道の半径だけを設計条件で選択すればよい。このようにして生じた歯車の歯元領域及び/又は歯ギャップの形状は、歯車内の種々の歯の垂直断面に転写することができる。したがって、例えば、線形の、傾斜した又は湾曲した平歯車が、本発明による歯元領域の設計に適していて、それに関連する強度を増加させることができるが、例えば、べベルギヤや他のタイプの歯車の歯部にも適している。
【0010】
基本的には、本発明による歯元の設計は、もちろん、ラック、べべルギヤ、ベベロイドギヤ、冠歯車、ヘリカルギヤ又はウォームホイールについても考え得る。歯元形状は、特定の垂直断面において決定され、例えば、シングルピッチ及びマルチピッチウォームホイールでは、もちろん、全体的に展開された歯の全長に亘(わた)って変化させる。なぜなら、歯高さや歯幅などの歯の幾何学形状自体が典型的には変化するからである。
【0011】
したがって、本発明による歯部は、基本的には、種々の歯車及び歯を備えた要素において実施される。有効領域内の任意の歯面形状との組み合わせも考え得る。
【0012】
しかし、有効領域において回転曲線(インボリュート又はオクトイド)で作られた歯面形状、特にインボリュート歯面形状に対して使用するのが好ましい。機械工学では一般に典型的であるこの一般的なタイプの歯部は、本発明による歯元領域の実施に特に適している。歯元領域の新規な設計によって最も強度が増加したのは、このタイプのインボリュート歯付き歯車であった。
【0013】
以下、例示的な実施の形態において、図面に基づき、新規な歯元形状の外観と機能を、垂直断面での歯及び/又は歯ギャップにおいて、インボリュート歯付き歯車の例に基づいて説明する。しかしながら、既に詳細に記載したように、歯元領域の実施の形態は、種々のタイプの歯車や歯部にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】平歯を有するインボリュート歯付き歯車の垂直断面図を示す。
【図2】本発明と同様の図1の歯車での歯元領域の実施を示す。
【図3】本発明における歯元領域を実施するために必要な関数を画定する数学的変数の詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
歯ギャップ1が図1の垂直断面に示されている。座標x及びyが基準変数として示されており、y軸は、同時に歯ギャップ1の対称軸にもなっている。2個の歯2の図に示される断面は、それらの歯先領域3において歯先円(図示せず)によって制限されている。本実施の形態で例として選択された歯面形状4はインボリュート歯面形状であり、これは、この歯車と噛(か)み合う相手方歯車又は歯付き要素の歯(図示せず)の歯面のいわゆる有効円の直径dN まで使用される。歯2の歯先3の領域内の歯先円と有効円dN との間の部分を以下有効領域と呼ぶ。さらに、最も低い直径も示されており、この歯車と噛み合う相手方歯車又は歯付き要素の歯が歯ギャップ内にこの最も低い直径まで入り込む。この直径は、一般に自由円直径dFRと呼ばれる。
【0016】
いわゆる、基礎円df を通る歯ギャップ1の最も低い点と有効円dN との間の歯車中心方向の隣接領域を、以下歯ギャップ1の基部領域と呼ぶ。対称軸yの基礎円df との交点は歯ギャップ1の基点FPである。
【0017】
この時点までに述べた変数は、すべての歯車での一般的で典型的な変数であり、本発明における方法で既に示した本発明による歯元領域の実施についての以下のより詳細な記載はそれによって支持される。
【0018】
さらに、ここで示すインボリュート歯面形状4の例では、更なる変数が重要である。したがって、図1では、インボリュート歯部の歯面形状4の設計に関連する、いわゆる主円db が示されている。さらに、一般に歯部において有用なモジュールmについて簡単に記載する。モジュールmは、ピッチ円直径(図示せず)を歯数で割る及び/又はピッチpをπで割ることによって得られる。
【0019】
さらに、本発明に関連し、関連直径dr と呼ぶ直径又は半径を図1において見ることができる。本明細書に示す例示的な実施の形態では、この関連直径dr は、有効領域の歯面形状4の基部領域における本発明による歯面形状への遷移点を示す。この遷移点は、典型的な歯部では、形状円としても知られている。理論的には、関連直径は、有効円dN の直径と等しくすることができる。しかし、一般には、歯車の製造誤差及び取付誤差に関して妥当な信頼性を確保するために、有効円dN の直径より幾分小さくなるように選択される。本明細書で示す例示的な実施の形態では、関連直径dr は、有効円直径dN 及び自由円直径dFRの算術平均となるように選択されており、関連直径dr と有効円直径dN との間には所定の安全間隔が生じる。これにより、本歯車と噛み合う相手方歯付き要素の歯(図示せず)は、常に歯面4の計算された形状、すなわち、ここではインボリュート上を移動し、歯元領域の歯面の本発明において実施された形状に当接係合することはない。
【0020】
本発明の実施の形態における歯元の形状を図2においてより詳細に説明する。図1において既に示した要素も図2に同じ参照符号を付けて示されている。図1で説明した直径のうち、関連直径dr だけが図2に示されている。既に述べたように、本例示的な実施の形態では、安全及び誤差の理由から、有効領域の歯面形状4は、関連直径dr の領域において、歯元領域における本発明による歯元形状に一定の接線で繋がる。直径dr が歯面4と交差する点Pにおいて、インボリュート歯面形状4から接線関数への遷移が5で示す歯面形状の領域で生じる。図2において、歯面形状の領域5において延在する接線は、歯車の中心点、すなわち、座標の原点の方向に延長されている。接線関数5’の部分は、基点FPよりも下側の領域においてy軸と交差する。このy軸との交点、すなわち、数学的条件x=0が満たされる点において、接線は、対称軸yとの交差部において対応するピッチ角を有する。図2において、x軸に対してのピッチ角は角度γとして示されている。対称軸yそれ自体に対しての角度は90度−γとなる。この角度γは、以下により詳細に説明する設計及び/又は具体的な接線関数の選択のために重要となる。
【0021】

【0022】
歯車の中心にある座標中心点と、特定の歯ギャップ1に対して対称に延在する特定の対称軸yとに対する接線の数学的関数は、次の式に基づいて記載される。
y(x)= a ・ tan(b ・ x)+c (式1)
【0023】
この関数を一意的に決定するためには、次の3種の境界条件が必要となる。
【0024】
(1)インボリュートから接線関数への遷移は一定の接線である。
【0025】
(2)対称軸yとの交点(すなわち、x=0の点)における接線関数のピッチ角は角度γによって決まる。この角度は、以下でより詳細に説明する所定の設計境界内において、後で自由に選択することができる。
【0026】
(3)インボリュートから接線関数への遷移点は関連直径dr 上に位置し、この関連直径dr は、基本的には任意に選択することができるが、既に述べたように、いかなる場合でも、有効円直径dN よりも小さくなければならない。
【0027】
この接線に隣接する軌道6は、次の式による一般的な形となる。
r2=(x-e)2+(y-f)2 (式2)
【0028】
半径rは任意に選択することができる。中心点は、対称軸yすなわち座標系の縦軸上に位置する。したがって、値eは零(e=0)となる。さらに、円の式について次の境界条件が必要となる。
【0029】

【0030】
基部領域における歯面形状を以下に数学的に一般的に説明する。以前の図に記載されていない関連する変数は図3に示されている。最初に、インボリュートの接続点Pの座標を決定する。
【0031】
この点は、直径dr 上にある。歯ギャップ幅SL (弦)を決定するためには、ラジアン測定値での歯厚sr が必要となるが、これは次のようにして決定することができる(sはピッチ円上の歯厚、dはピッチ円直径)。
【数1】

αr は直径dr 上における係合角度である。該係合角度αr も、インボリュートの選択によって暗黙的にあらかじめ定義される。本発明による強度の増加は、4度〜5度の係合角度αr で生じることが示されている。いずれの場合も、係合角度αr は4度より大きい角度、好ましくは7度以上の角度となるように選択される。これに対し、αは、ピッチ円上の係合角度を示し、ほとんどの歯車では、典型的には15〜25度、好ましくは20度である。
【0032】
したがって、ラジアン測定値での歯ギャップ幅SL は次のようになる。
【数2】

【0033】
歯ギャップ幅(弦)の距離は次の式から計算することができる。
【数3】

【0034】
したがって、点Pのx座標は次のようになる。
【数4】

【0035】
ピタゴラスの定理からy座標が得られる。
【数5】

【0036】
点Pにおいて接線が一定であることを確実にするために、点Pにおけるインボリュートの傾斜角φを知る必要がある。この角度は、係合角度αr と歯ギャップの開口角の半分とから構成されている。
【数6】

【0037】
係数a及びbと被加数cとは境界条件を使用して決定することができる。境界条件(1)より次の式が得られる。
【数7】

【0038】
境界条件(2)より次の式が得られる。
【数8】

【0039】
境界条件(3)より次の式が得られる。
【数9】

【0040】
したがって、a、b及びcは以下のようになる。
【数10】

【0041】
角度γはそれに従って選択することができる。典型的な歯部に対して改善を達成するためには、いかなる場合も、角度γを65度未満となるように選択しなければならない。しかしながら、第1の近似では、最適値は45度以下である。次の式15の関係に従って角度を選択することが特に好ましいことが証明された。このγ値の±20〔%〕の公差範囲において良好な結果が得られる。
【数11】

【0042】
一般的な円の式は最初にg(x)の形にしなければならない。
【数12】

【0043】
円の中心点はy軸上にあるため、eは零(e=0)に設定することができる。下側の円弧が必要であるため、平方根の符号は負でなければならない。したがって、次のようになる。
【数13】

【0044】
【数14】

【0045】
【数15】

【0046】
【数16】

【0047】
最終的に、次の式によってfが得られる。
【数17】

【0048】
したがって、歯ギャップの歯元領域における幾何学形状は、一般的に次のように表される。
【表1】


【0049】
負の偏角についての関数は、この場合、縦軸での鏡映によって簡単に得られる。なぜなら、この縦軸は、同時に歯ギャップ1の対称軸yであるからである。
【0050】
上で詳細に説明した数学的関係から得られる結果のため、この種の歯元形状の設計者は、角度γ及び軌道6の半径rだけを選択すればよい。角度γの理想的な選択については、対応する推薦値が式15によって既に提供されている。
【0051】
軌道6の半径rについては、モジュールmの0.1〜0.6倍の範囲に入る値が適していることが示された。好ましくは、これらの値は、モジュールmの0.3〜0.4倍の範囲に入っている。歯ギャップ幅SL の距離が弦として関連付けられると更に改善される。半径rについては、歯ギャップ幅SL の0.1〜0.6倍の範囲に入る値が適している。好ましくは、これらの値は、歯ギャップ幅SL の0.3〜0.4倍の範囲に入っている。以下の例では、r=0.3×SL の半径に基づいて計算を行った。この値は、特に好ましい値であるため、可能であれば選択すべきである。
【0052】
これらの値に基づきFEM計算を行ったところ、典型的な歯元形状に対して歯元強度が最大で30〔%〕増加した。
【0053】
記載した値の範囲から例示の目的で選んだ値に基づく例を以下に説明する。選択された名称及びシンボルは歯車において一般に典型的であり認識されているものである。
【0054】
歯車Iは次のような特徴変数を有している。
モジュール m=4〔mm〕
歯数 z1 =53
プロフィールシフト x1 =0
ピッチ円での係合角度 α=20度
【0055】
歯車Iの有効円直径dN 及び自由円直径dFRを決定するためには、歯車Iと噛み合う第2の歯車IIの特徴変数並びに歯車I及びII間の軸間隔が必要となる。
歯数 z2 =19
プロフィールシフト x2 =0.6
軸間隔 a=146.4〔mm〕
【0056】
比較例として、ホブ加工による歯車の変種を使用した。以下の特性値を有するホブ盤を使用して基部形状を作成した。
歯先高さ率 haP0 * =1.3889
歯先丸め率 ρaP0 * =0.25
(典型的な値で、*で示されているように、それぞれモジュールmに関連している)
突出角度 αprn0=10度
突出量 prn0 =0.26〔mm〕
【0057】
研削の前の加工取り代は、q=0.16〔mm〕となるように選択され、それに対応して残留突出量は0.1〔mm〕となる。
【0058】
基部曲線の計算のために次の入力変数が本歯部について与えられる。
有効円直径 dN1=207.764〔mm〕
自由円直径 dFR=204.000〔mm〕
インボリュート−接線関数遷移点の直径(dN1及びdFRの算術平均)
r =205.8〔mm〕
r での歯ギャップ幅(弦) SL =4.204〔mm〕
関連直径dr での係合角度αr αr =14.6度
インボリュート−接線関数遷移点でのインボリュートの傾斜角 φ=74.2度
【0059】
基部曲線を一意的に決定するために、位置x=0における接線関数の傾斜角(γ)及び半径rについての仕様が更に必要となる。式15に従って次の関係を角度γについて仮定することができる。
【数18】

【0060】
上記のように、軌道6の曲率半径rが理想的である場合、次の関係を適用することができる。
r=0.35×SL
【0061】
本例の場合、下記の値となる。
γ=27度
r=1.5〔mm〕
【0062】
得られる接線及び円の関数の係数及び被加数は以下の通りである。
係数 a=0.30626
係数 b=0.63469976
被加数 c=101.64979
被加数 f=103.32733
【0063】
この歯車でのγについての限界値は以下の通りである。
γmin =11度
γmax =65度
【0064】
この範囲を外れると、新規な歯元形状は、歪(ゆが)みを最小にすることができず、前述のホブ盤を使って作成した変種に対して、歯元強度を増加することができない。
【0065】
本例では、半径についての下限値rmin は0.5〔mm〕であり、上限値rmax は2.1〔mm〕である。これは、歪みに関しての限界ではなく、幾何学的な限界である。この半径は略完全な丸み付けであり、ホブ加工による比較対象の変種よりも歪みが少ないが、γ及びrが最適値である場合よりは多い。
【0066】
ここで例示の目的で計算した歯車Iについては、典型的なホブ加工による歯車に対して歯元強度を最大で30〔%〕増加させることが可能である。
【0067】
そのような歯車の製造は、例えば、複数軸で自由で移動することができ、自由にプログラムすることができるフライスユニット、又は、本発明による歯元形状から得た適切なホブ盤によって行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の歯を有し、歯の歯面は有効領域と歯元領域とを有し、
歯元領域は垂直断面で見ると基礎円から有効円まで延在し、
垂直断面で隣接する歯の歯面は互いに対称であり、
対称軸(y)は基点において基礎円と交差している歯車の歯部であって、各々垂直断面で見ると、
歯元領域内の歯面は関連直径(dr )から接線関数として形成され、
接線関数は、関連直径(dr )において、一定の接線で有効領域の歯面形状に繋がり、
接線関数は、歯元領域において、一定の接線で軌道に繋がり、この軌道は、基点(FP)において基礎円(df )に接することを特徴とする歯部。
【請求項2】
軌道を越えて延長された接線関数は、90度−γのピッチ角で対称軸(y)と交差し、
γは65度未満であることを特徴とする請求項1に記載の歯部。
【請求項3】
軌道を越えて延長された接線関数は、90度−γのピッチ角で対称軸(y)と交差し、
γは50度未満であることを特徴とする請求項1に記載の歯部。
【請求項4】
軌道を越えて延長された接線関数は、90度−γのピッチ角で対称軸(y)と交差し、
γは45度未満であることを特徴とする請求項1に記載の歯部。
【請求項5】
γは、歯数(z)と関連直径(dr )での歯面形状の係合角度(αr )との関数として、45度−180度/z−αr の関係によって選択されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の歯部。
【請求項6】
関連直径(dr )での歯面形状の係合角度(αr )は、4度以上、特に7度より大きい角度となるように選択されることを特徴とする請求項5に記載の歯部。
【請求項7】
軌道の半径は、モジュールの0.1〜0.6倍となるように選択されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯部。
【請求項8】
軌道の半径は、モジュールの0.3〜0.4倍となるように選択されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯部。
【請求項9】
軌道の半径は、関連直径(dr )における歯ギャップ幅(SL )の0.1〜0.6倍となるように選択されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯部。
【請求項10】
軌道の半径は、関連直径(dr )における歯ギャップ幅(SL )の0.3〜0.4倍となるように選択されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の歯部。
【請求項11】
関連直径(dr )は、有効円の直径以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯部。
【請求項12】
関連直径(dr )は、有効円の直径と自由円の直径との間の算術平均値となるように選択されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の歯部。
【請求項13】
歯面形状は、有効領域においてインボリュートとして形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の歯部。
【請求項14】
関連直径(dr )は、主円の直径以上となるように選択されることを特徴とする請求項13に記載の歯部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−501411(P2012−501411A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524212(P2011−524212)
【出願日】平成21年7月21日(2009.7.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005270
【国際公開番号】WO2010/025791
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(506294244)ボイス パテント ゲーエムベーハー (57)
【氏名又は名称原語表記】Voith Patent GmbH
【Fターム(参考)】