説明

段ボール箱、及び段ボール箱の製造方法

【課題】緩衝シートで収容物をくるんだり、緩衝材を入れたりすることなく、収容物が運搬時に破損しないようにすることができる段ボール箱を提供する。
【解決手段】折線17a〜17cを介してつながる4個の側面11〜14と、折線17dを介して側面14につながるつぎしろ15と、折線18aを介して側面11〜14にそれぞれつながる上フラップ21〜24と、折線18bを介して側面11〜14にそれぞれつながる底フラップ31〜34とを備え、組み立て時の内面の略全面、あるいは、組み立て時の外面の略全面に緩衝シートが貼り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面に緩衝シートの貼り付けられた段ボール箱等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、段ボール箱に関する種々の開発が行われている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−252326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
段ボール箱は、段ボールによって構成されているため、ある程度の弾性を有する。しかしながら、その程度の弾性では、段ボールに収容された物を運搬時の破損から守るのに十分ではない。そのため、段ボール箱に物を入れて運搬する場合に、その物の破損を防止するため、従来、その物を個別にクッション性のある緩衝シートでくるんだり、その物と段ボール箱の間に緩衝材を入れたりすることが行われていた。その処理が、段ボール箱に物を入れる際の作業性の低下につながっていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、物を段ボール箱に入れる際に、その物を緩衝シートでくるんだり、その物と段ボール箱との間に緩衝材を入れたりしなくてもよい段ボール箱や、その段ボール箱の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による段ボール箱は、段ボールで構成される段ボール箱であって、段ボールの表面に緩衝シートが貼り付けられたものである。
このような構成により、その段ボールの表面に貼り付けられた緩衝シートによって、段ボール箱に入れられた物が運搬中に破損することを防止することができうる。また、段ボール箱に物を入れる際に、緩衝シートでくるんだり、緩衝材を入れたりしなくても、運搬中の破損を防止できるため、段ボール箱に物を入れる際の作業性が向上することになる。
【0007】
また、本発明による段ボール箱では、緩衝シートは、気泡シートであってもよく、発泡緩衝シートであってもよく、ウレタンシートであってもよく、ゴムシートであってもよい。
【0008】
また、本発明による段ボール箱では、表面は、段ボール箱の組み立て時の内面であってもよい。
このような構成により、段ボール箱の内面と収容物との間で衝撃を和らげることができ、段ボール箱の運搬時に収容物が破損することを防止することができうる。
【0009】
また、本発明による段ボール箱では、折線を介してつながる4個の側面と、各側面にそれぞれ折線を介してつながる上フラップと、各側面にそれぞれ折線を介してつながる底フラップと、を備えており、上フラップと底フラップとにおいて、組み立て時に外側となるフラップである外フラップの内面にも緩衝シートが貼り付けられており、上フラップ及び底フラップのフラップ間の切り込みの幅は、段ボールの厚さと、緩衝シートの厚さとを足した長さに略等しくてもよい。
このような構成により、内フラップと外フラップとの間に緩衝シートが存在しても、外フラップを適切に閉めることができるようになる。
【0010】
また、本発明による段ボール箱では、折線を介してつながる4個の側面と、各側面にそれぞれ折線を介してつながる上フラップと、各側面にそれぞれ折線を介してつながる底フラップと、を備えており、上フラップと底フラップとにおいて、組み立て時に外側となるフラップである外フラップの内面には、緩衝シートが貼り付けられていなくてもよい。
このような構成により、内フラップと外フラップとの間に緩衝シートが存在しないため、従来の段ボール箱に緩衝シートを貼り付けた場合であっても、外フラップを適切に閉めることができるようになる。
【0011】
また、本発明による段ボール箱では、表面は、段ボールの組み立て時の外面であってもよい。
このような構成により、段ボール箱が、運搬時に他の物と衝突したときの衝撃を和らげることができ、段ボール箱の運搬時に収容物が破損することを防止することができうる。
【0012】
また、本発明による段ボール箱では、緩衝シートは、緩衝シートの強度よりも弱い接着強度の接着剤によって段ボールに貼り付けられていてもよい。
このような構成により、段ボールから緩衝シートを剥がす際に、段ボールに緩衝シートが残らないようにすることができる。その結果、緩衝シートを剥がした段ボール箱をリサイクルする際に、不純物が混ざることを防止することができる。
【0013】
また、本発明による段ボール箱の製造方法は、段ボールシートの表面に緩衝シートを貼り付けるステップと、緩衝シートの貼り付けられた段ボールシートを、段ボール箱の展開形状に形成するステップと、を備えたものである。
このような構成により、緩衝シートの貼り付けられた段ボール箱を製造することができる。
【0014】
また、本発明による段ボール箱の製造方法は、折線を介してつながる4個の側面と、各側面にそれぞれ折線を介してつながる上フラップと、各側面にそれぞれ折線を介してつながる底フラップと、を備えた段ボール箱の製造方法であって、段ボールシートの表面に緩衝シートを貼り付けるステップと、緩衝シートの貼り付けられた段ボールシートに、フラップ間の切り込みを生成し、4個の側面に対応する連続した面の一端につぎしろを生成するステップと、段ボールシートにおいてつぎしろと対向する領域と、つぎしろとを連結させるステップと、を備えたものであってもよい。
このような構成により、緩衝シートの貼り付けられた、いわゆるA式の段ボール箱を製造することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による段ボール箱等によれば、段ボール箱に入れられた物が運搬中に破損することを防止することができうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1による段ボール箱の展開形状を示す図
【図2】同実施の形態による段ボール箱の展開状態の断面図
【図3】同実施の形態による段ボール箱の組み立て状態の斜視図
【図4】同実施の形態による段ボール箱の製造方法を示すフローチャート
【図5】同実施の形態による段ボール箱の製造過程を説明するための図
【図6】同実施の形態による段ボール箱の製造過程における接着剤の塗布領域の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による段ボール箱について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による段ボール箱について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による段ボール箱は、表面に緩衝シートの貼り付けられたものである。
【0019】
図1、図2、図3は、本実施の形態による段ボール箱1を示す図である。本実施の形態による段ボール箱1は、表紙及び裏紙の間に波状の中芯を有する段ボール10で構成されるものであり、その段ボールの表面に緩衝シート20が貼り付けられたものである。
【0020】
図1は、段ボール箱1の展開形状を示す図である。図1において、段ボール箱1は、展開時に、折線(罫線)17a、17b、17cを介してつながる4個の側面11,12,13,14と、その各側面11〜14にそれぞれ折線18aを介してつながる上フラップ21,22,23,24と、その各側面11〜14にそれぞれ折線18bを介してつながる底フラップ31,32,33,34とを備える。また、側面11には、折線17dを介してつぎしろ15がつながっている。上フラップ21〜24は、側面11〜14からそれぞれ同一の突出長さで設けられたフラップである。また、底フラップ31〜34も、側面11〜14からそれぞれ同一の突出長さで設けられたフラップである。上フラップ21〜24のうち、上フラップ21,23は外フラップであり、上フラップ22,24は内フラップである。また、底フラップ31〜34のうち、底フラップ31,33は外フラップであり、底フラップ32,34は内フラップである。外フラップは、段ボール箱1の組み立て時に、外側となるスラップであり、突き合わせとなる。内フラップは、通常、突き合わせとならないが、内フラップの幅(図1での左右方向の長さ)と、外フラップの長さ(図1での左右方向の長さ)が略等しい場合、すなわち、4個の側面11〜14がすべて略同じ大きさである場合には、内フラップも突き合わせとなる(厳密には、内フラップも突き合わせとなる場合であっても、内フラップは内側で突き合わせとなるため、外フラップの長さのほうが、内フラップの幅よりもほんの少しだけ短いことになる)。
【0021】
図2は、段ボール箱1の展開時の断面を示す図である。図2で示されるように、段ボール10には、緩衝シート20が貼り付けられている。その緩衝シート20は、例えば、接着剤によって、段ボール10に貼り付けられる。その接着剤は、緩衝シート20の強度よりも弱い接着強度のものであることが好適である。接着剤が緩衝シート20の強度よりも弱い接着強度のものであるとは、その接着剤を用いて、緩衝シート20を段ボール10に貼り付け、その接着剤が固まった後に緩衝シート20を段ボール10から剥がす際に、緩衝シート20が破れるよりも先に、接着が外れることを意味する。すなわち、段ボール10から緩衝シート20を剥がした際に、段ボール10に緩衝シート20の一部が残らないことになる。したがって、段ボール10から緩衝シート20をきれいに剥がすことができる。その結果、段ボール10をリサイクルする際に、その段ボール10に緩衝シート20の一部などの不純物が混ざることを防止することができる。なお、その接着剤としては、例えば、段ボール10の接着で用いられる日栄化工株式会社のライフボンドP−3800Nを用いてもよい。
【0022】
段ボール箱1の表面に貼り付けられる緩衝シート20は、例えば、気泡シートであってもよく、発泡緩衝シートであってもよく、ウレタンのシートであってもよく、ゴムのシートであってもよく、クッション性を有するシートであれば、その他のシートであってもよい。気泡シートは、例えば、いわゆるプチプチ(登録商標)や、エアーキャップ(登録商標)として知られている緩衝シートである。発泡緩衝シートは、例えば、いわゆるミラマット(登録商標)として知られている緩衝シートである。なお、気泡シートには、通常、平らな面と、気泡の凸部を有する面との両面が存在するが、そのいずれが段ボール10の側となってもよい。
【0023】
なお、緩衝シート20が貼り付けられる段ボール10の表面は、例えば、段ボール箱1の組み立て時の内面であってもよく、あるいは、段ボール箱1の組み立て時の外面であってもよい。通常、緩衝シート20は、段ボール箱1が組み立てられた際に、その内面の略全体、あるいは、外面の略全体に貼り付けられていることが好適である。ただし、つぎしろ15が側面14と接着剤で接着される場合には、その接着面には緩衝シート20が存在しないものとする。一方、つぎしろ15が側面14とワイヤ止め(平線止め、ステッチ止め)によって連結される場合には、つぎしろ15や、そのつぎしろ15が連結される側面14の部分に緩衝シート20が存在してもよい。
【0024】
また、緩衝シート20が段ボール箱1の組み立て時の内面に貼り付けられる場合には、上フラップ21〜24と、底フラップ31〜34とにおいて、組み立て時に外側となる外フラップ21,23,31,33の内面にも、緩衝シート20が貼り付けられていてもよく、あるいは、貼り付けられていなくてもよい。前者の場合には、各フラップ21〜24,31〜34の間の切り込み16の幅は、段ボール10の厚さと、緩衝シート20の厚さとを足した長さに略等しいことが好適である。通常、切り込み16の幅は、段ボール10の幅に設定されるが、その場合に外フラップ21,23,31,33の内面にも緩衝シート20を貼り付けると、外フラップ21,23,31,33を閉めにくくなるからである。なお、「緩衝シート20の厚さ」は、緩衝シート20を押圧した際の厚さであることが好適である。外フラップ21,23,31,33を閉じた際に、外フラップ21,23,31,33と、内フラップ22,24,32,34との間に隙間が生じないようにするためである。また、「略等しい」とは、ある程度の誤差が生じてもよい、という意味である。その誤差は通常、切り込み16の幅の1,2割程度である。なお、切り込み16の幅は、段ボール10の厚さと、緩衝シート20の厚さとを足した長さに等しくてもよい。また、外フラップ21,23,31,33の内面に緩衝シート20が貼り付けられていない場合には、切り込み16の幅は、通常通り、段ボール10の幅と略等しいものでよい。
【0025】
また、緩衝シート20が段ボール箱1の組み立て時の外面に貼り付けられる場合には、上フラップ21〜24と、底フラップ31〜34とにおいて、組み立て時に内側となる内フラップ22,24,32,34の外面にも、緩衝シート20が貼り付けられていてもよく、あるいは、貼り付けられていなくてもよい。前者の場合には、各フラップ21〜24,31〜34の間の切り込み16の幅は、段ボール10の厚さと、緩衝シート20の厚さとを足した長さに略等しいことが好適である。内フラップ22,24,32,34の外面にも緩衝シート20を貼り付けると、外フラップ21,23,31,33を閉めにくくなるからである。なお、「緩衝シート20の厚さ」や、「略等しい」については、前述の通りである。また、内フラップ22,24,32,34の外面に緩衝シート20が貼り付けられていない場合には、切り込み16の幅は、通常通り、段ボール10の幅と略等しいものでよい。
【0026】
図3は、組み立て時の段ボール箱1の斜視図である。段ボール箱1の内面に緩衝シート20が貼り付けられている場合には、例えば、フラップ21〜24の内面や、側面11〜14の内面などに緩衝シート20が存在することになる。したがって、段ボール箱1に収容物を入れてフラップ21〜24を閉じると、その収容物は緩衝シート20で囲われることになり、段ボール箱1の運搬時に衝撃が加わったとしても、収容物が壊れにくいことになる。また、段ボール箱1の外面に緩衝シート20が貼り付けられている場合には、例えば、フラップ21〜24の外面や、側面11〜14の外面などに緩衝シート20が存在することになる。したがって、段ボール箱1に収容物を入れてフラップ21〜24を閉じると、段ボール箱1が、緩衝シート20で囲われることになり、段ボール箱1の運搬時に衝撃が加わったとしても、収容物が壊れにくいことになる。
【0027】
次に、その段ボール箱1の製造方法について説明する。図4は、本実施の形態による段ボール箱1の製造方法を示すフローチャートである。その製造方法について、図5を参照しながら説明する。
(ステップS101)まず、折線18a、18bを有する段ボールシート50に、緩衝シート20を貼り付ける。具体的には、図5(a)で示される段ボールシート50の全面に接着剤を塗布する。そして、図5(b)で示されるように、その全面に緩衝シート20を貼り付ける。なお、図5(b)において、緩衝シート20は斜線の領域で示されている。
【0028】
(ステップS102)次に、図5(c)で示されるように、その段ボールシート50に、側面11〜14の間の折線17a〜17cと、側面11とつぎしろ15との間の折線17dとを入れる。
【0029】
(ステップS103)その後、切り込み16と、つぎしろ15とを生成する。その結果、図5(d)で示されるようになる。これらは、通常、段ボールシート50を切ることによって生成されるが、抜き型を用いて生成してもよい。
【0030】
(ステップS104)最後に、つぎしろ15を、段ボールシート50において、そのつぎしろ15に対応する領域(側面14の端部)と連結することによって、段ボール箱1が完成する。なお、その連結の際には、上フラップ21と上フラップ24との間、及び、底フラップ31と底フラップ34との間の幅が、切り込み16と同じ幅となるように連結されることが好適である。そのようにして完成した段ボール箱1は、例えば、畳まれた状態で複数個が積み重ねられ、紐などによって縛られて出荷される。
【0031】
なお、ここでは、段ボールシート50の全面に接着剤を塗布して緩衝シート20を貼着する場合について説明したが、それは一例であり、図6で示される網掛けの部分のように、長さ方向の端部と、折線18a、18bの部分とにのみ接着剤を塗布するようにしてもよい。さらに、一部のフラップに緩衝シート20を貼り付けない場合には、そのフラップには接着剤を塗布しないようにしてもよい。また、そのステップS101の工程の後に、緩衝シート20を貼り付けないフラップから、緩衝シート20を切り取る工程が含まれてもよく、あるいは、緩衝シート20を貼り付けないフラップの部分だけ、はじめから切り取られている緩衝シート20を段ボールシート50に貼り付けるようにしてもよい。また、通常は接着剤を段ボールシート50に塗布するが、接着剤を緩衝シート20に塗布してもよい。
【0032】
また、ステップS104において、接着剤を用いてつぎしろ15を連結する場合には、前述のように、その接着面には緩衝シート20が存在しないことが重要である。したがって、接着剤を用いてつぎしろ15を連結する場合には、ステップS101において、つぎしろ15を連結する際の接着面に、緩衝シート20が存在しないように貼り付けることが好適である。後から、その接着面の緩衝シート20を除去する作業をしなくてもよいようにするためである。例えば、緩衝シート20が段ボール箱1の内面に貼付される場合には、つぎしろ15が接着される側面14の端部の領域に緩衝シート20が存在しないことが好適である。また、例えば、緩衝シート20が段ボール箱1の外面に貼付される場合には、つぎしろ15の領域に緩衝シート20が存在しないことが好適である。
【0033】
また、折線を入れるタイミングは、上記説明に限定されるものではない。例えば、側面11〜14やつぎしろ15の間の折線17a〜17dを入れた後に、緩衝シート20が貼り付けられてもよい。また、段ボールシート50に印刷を行う場合には、ステップS101の前に印刷を行ってもよく、ステップS101とステップS102との間で印刷を行ってもよく、ステップS102とステップS103との間で印刷を行ってもよい。
【0034】
以上のように、本実施の形態による段ボール箱1によれば、段ボール箱1の表面に緩衝シート20が貼り付けられているため、その段ボール箱1に入れられた物が、運搬中に破損することを防止することができうる。また、段ボール箱1に物を入れる際に、緩衝シートでくるんだり、緩衝材を入れたりしなくても、運搬時の破損を防止することができ、梱包時の作業性を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、A式の段ボール箱1について説明したが、段ボール箱1は、例えば、B式やC式、N式、たとう式、巻き込み式等のその他の形式のものであってもよい。その場合であっても、段ボール箱1の組み立て時に、内面の略全体、あるいは、外面の略全体に緩衝シート20が貼り付けられていることが好適である。そのため、内面の略全体、あるいは、外面の略全体に緩衝シート20が存在することになるように、段ボール箱1の展開時の必要な領域に緩衝シート20を貼り付けることになる。この場合には、段ボール箱の製造方法は、例えば、段ボールシート50の表面に緩衝シート20を貼り付けるステップ(ステップS101に相当する)と、緩衝シート20の貼り付けられた段ボールシート50を、段ボール箱の展開形状に形成するステップ(ステップS103に相当するものであり、例えば、抜き型を用いた型抜きを行ってもよい)と、を備えたものであってもよい。また、つぎしろの連結が必要な場合には、つぎしろを、そのつぎしろに対応する領域と連結させるステップをさらに備えてもよい。
【0036】
また、本実施の形態では、段ボール箱1の内面または外面に緩衝シート20が貼り付けられる場合について説明したが、段ボール箱1の内面及び外面の両方に緩衝シート20が貼り付けられてもよい。
【0037】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上より、本発明による段ボール箱等によれば、段ボール箱に入れられた物が運搬中に破損することを防止することができうるという効果が得られ、物の運搬等で用いられる段ボール箱等として有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 段ボール箱
10 段ボール
11〜14 側面
17a〜17d、18a、18b 折線
20 緩衝シート
21〜24 上フラップ
31〜34 底フラップ
50 段ボールシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
段ボールで構成される段ボール箱であって、
前記段ボールの表面に緩衝シートが貼り付けられた段ボール箱。
【請求項2】
前記緩衝シートは、気泡シートである、請求項1記載の段ボール箱。
【請求項3】
前記表面は、前記段ボール箱の組み立て時の内面である、請求項1または請求項2記載の段ボール箱。
【請求項4】
折線を介してつながる4個の側面と、
前記各側面にそれぞれ折線を介してつながる上フラップと、
前記各側面にそれぞれ折線を介してつながる底フラップと、を備えており、
前記上フラップと前記底フラップとにおいて、組み立て時に外側となるフラップである外フラップの内面にも前記緩衝シートが貼り付けられており、
前記上フラップ及び前記底フラップのフラップ間の切り込みの幅は、段ボールの厚さと、前記緩衝シートの厚さとを足した長さに略等しい、請求項3記載の段ボール箱。
【請求項5】
折線を介してつながる4個の側面と、
前記各側面にそれぞれ折線を介してつながる上フラップと、
前記各側面にそれぞれ折線を介してつながる底フラップと、を備えており、
前記上フラップと前記底フラップとにおいて、組み立て時に外側となるフラップである外フラップの内面には、前記緩衝シートが貼り付けられていない、請求項3記載の段ボール箱。
【請求項6】
前記表面は、前記段ボールの組み立て時の外面である、請求項1または請求項2記載の段ボール箱。
【請求項7】
前記緩衝シートは、当該緩衝シートの強度よりも弱い接着強度の接着剤によって段ボールに貼り付けられている、請求項1から請求項6のいずれか記載の段ボール箱。
【請求項8】
段ボールシートの表面に緩衝シートを貼り付けるステップと、
前記緩衝シートの貼り付けられた段ボールシートを、段ボール箱の展開形状に形成するステップと、を備えた段ボール箱の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−152940(P2011−152940A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15824(P2010−15824)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(510025441)神崎カートン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】