段ボール製容器の深さを変えるための金型システム
本発明は、互いに向かい合わせで配置されている、可動金型部分10と固定金型部分20とを備える、段ボール製容器を製造するための金型システム1に関するものであり、金型システム1によって、段ボール・ブランク及び底部に連設された壁59から押圧される底部57、及び壁を取り囲み、プラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、壁の上縁に連設されたリム50を有する容器500を製造することができ、これにより、固定金型部分20に関して移動可能な前記金型部分10は、コア41と、コア41に関して移動可能であり、シール表面5aを有し、コア41の周りを囲む、板状シール・リング5と、コア41とシール・リング5との間に合うように挟装することができ、容器上にリム50を形成するために使用される、シール・リング5とコア41の両方に関して移動することができる、カラー・リング6とを備える少なくとも1つのコア・プレート4を備え、固定金型部分40は、金型キャビティ71及びシール表面7aを備える少なくとも1つの金型プレート7を有する。本発明による金型システム1において、挿入部720は、金型キャビティ71の基部71bで支持され、取り外し可能なように基部71bに取り付けられ、これにより金型キャビティの深さHをその高さhだけ小さくし、したがって、挿入部720の連続表面71bは、金型キャビティの新しい底部71bとして働き、また段ボール・ブランクの圧縮段階で金型キャビティの内側を貫通するコア41の部分の長さHは、それぞれ、コア・プレート内のコア41を短いコアで置き換えるか、又はその長さを変えないコア41の基礎部分41gに、その長さを変えられる取付具部分41fを取り外し可能なように取り付けることによって、挿入部の高さhだけ短縮することができ、これにより、コア又はコアの前記取付具及び互いに対応する金型キャビティの基部の挿入部720は、容器壁59の上縁からの、段ボール・ブランクから押圧される、製造される段ボール・ブランクの深さ、つまり、容器底部57の距離を変えるために使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール製容器の深さを変更するための請求項1の前提部分による、可動金型部分と固定金型部分を備え、可動金型部分と固定金型部分とが互いに向かい合わせで配置されている金型システムに関するものであり、この金型システムは、段ボール・ブランクから押圧される底部、底部に連設する壁、及びプラスチックから少なくとも部分的に成形され、壁の上縁に連設され、壁を取り囲む(プラスチック)リムを備える容器を製造するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
食品業界では、特にいわゆるトレイ・パッケージが保存用パッケージとして使用されて、これは、底部、底部を取り囲み、上方に延在する壁、壁の上縁を取り囲み、外側に延在するリムを有する蓋付きの容器からなる。容器は、リムに連設された蓋で閉じられている。このような容器では、容器の底部及び壁の材料は、多くの場合、段ボールを含み、その上に、用途に応じて段ボールの蒸気及び/又は酸素透過特性を変えるプラスチック及び/又は金属の層を加えることができる。
【0003】
一般に、そのようないわゆるトレイ・パッケージは、食料品を保存するために使用され、パッケージは蓋によって密閉される。蓋をパッケージに取り付けることができるようにするために、トレイ・パッケージとして使用される容器の縁に、側壁の上端から突き出て、パッケージを取り囲む水平のリムを備えなければならない。リムの上面には通常好適なコーティングがなされており、これにより、蓋をパッケージにぴったり取り付けることができる。例えば、蓋部をパッケージに固定するためにヒートシール可能なプラスチック材料を使用するのがごく一般的である。食品パッケージ、及びその食品パッケージで使用されるパッケージング材料の実例については、とりわけ、国際公開第03/033258号、欧州特許第1289856号、国際公開第00/21854号、及び米国特許第5425972号において説明されている。
【0004】
段ボール・ブランクから押圧される底部、底部に連設された壁、及び壁を取り囲み、プラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、壁の上縁に連設されたリムを有する、トレイの形状をとるこのような容器は、さまざまな方法で形成されうる。国際出願番号FI20070973では、トレイ・パッケージの製造方法を説明しており、そこでは、容器は、金型システムにおいて押圧整形することによってまっすぐな段ボール・ブランクから形成され、この金型システムは、可動金型部分と固定金型部分とを備え、可動金型部分と固定金型部分は互いに向かい合わせで配置され、これにより、固定金型部分に関して移動可能な金型部分は、コアと、コアに関して移動可能であり、シール表面を有し、コアの周りを囲む、板状シール・リングと、コア及びシール・リングに関して移動することができ、それらの間に挟装され、容器上にリムを形成するために使用されうるカラー・リングとを備える少なくとも1つのコア・プレートを備え、固定金型部分は、金型キャビティとシール表面とを備える少なくとも1つの金型プレートを備える。
【0005】
このような金型システムによって押圧整形された段ボール・ブランクは、固定金型部分の金型キャビティの上に移動され、可動金型部分のコアは、金型キャビティ内に落ち着き、コアと金型キャビティとの間に残っている段ボール・ブランクは、トレイの形状を持つ容器に成形される。圧縮成形の最終段階で、横方向に延在するプラスチック材料のリムは、パッケージの側壁の上側部分に合わせて成形されるが、そのときに、金型システムの内側の対向表面をそれに向かい合う表面から逆方向に移動することによってリムに対応する金型キャビティが形成され、その後鋳造材料が金型キャビティ内に導入されるように金型は閉じられたままにされる。キャビティ内で、材料は固化して固定リムが形成され、その後、金型が開かれ、仕上がった容器形状パッケージが金型から取り出される。
【0006】
上記の従来技術を基盤として、出願人の目的は、トレイ・パッケージのより多目的に使える製造方法を提供することであったが、その際に、その金型システムは、トレイ・パッケージとして使用され1つ又は複数の仕切りを備えるさまざまな容器を製造するために使用することが可能であるか、又は容器の段ボール製本体部にさまざまな型押し又は象眼の形状を備えることが可能であった。
【0007】
驚いたことに、金型キャビティ内に留置されているさまざまな挿入部及び/又はコア・プレートに取り外し可能なように取り付けられ、その長さを変えることができる、1つ又は複数の成形コア内に取り外し可能なように留置されている取付具により金型キャビティ、及び/又は上述の金型システムの(形成)コアを修正することによって、製造される容器の深さを望み通りに修正することができることが現在判明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第03/033258号
【特許文献2】欧州特許第1289856号
【特許文献3】国際公開第00/21854号
【特許文献4】米国特許第5425972号
【特許文献5】国際出願番号FI20070973
【特許文献6】米国特許出願第2007/0267374号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
より正確に述べると、本発明は、段ボール製容器の深さを変更するための請求項1に記載の金型システムに関するものである。このような金型システムは、可動金型部分と固定金型部分を備え、その可動金型部分と固定金型部分は互いに向かい合わせで配置され、金型システムは、段ボール・ブランクから押圧される底部、底部に連設された壁、及び壁を取り囲み、プラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、壁の上側部分に連設されたリムを有する容器を製造するために使用することができ、これにより、固定金型に関して移動可能な金型は、コアと、コアに関して移動可能であり、シール表面を有し、コアの周りを囲む、板状シール・リングと、コアとシール・リングとの間に挟装することができ、容器上にリムを形成するために使用されうる、シール・リングとコアの両方に関して移動することができる、カラー・リングとを備える少なくとも1つのコア・プレートを備え、固定金型部分は、金型キャビティとシール表面とを備える少なくとも1つの金型プレートを備える。金型システムにおいて、挿入部は、金型キャビティの基部で支持され、取り外し可能なように基部に取り付けられ、これにより金型キャビティの深さをその高さhだけ小さくすることができ、したがって、挿入部の連続表面は、金型キャビティの新しい底部として働き、また段ボール・ブランクの押圧段階で金型キャビティの内側を貫通するコア部の長さHは、それぞれ、コア・プレート内のコアを短いコアで置き換えるか、又は長さが変わらないコアの基礎部に長さを変えられる取付具を取り外し可能なように取り付けることによって、挿入部の高さhだけ短縮することができ、これにより、コア又はコアの取付具及び金型キャビティの基部の挿入部は、互いに対応しており、壁の上縁からの、段ボール・ブランクから押圧される、製造される段ボール・ブランクの深さ、つまり、容器底部の距離を変えるために使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例では、金型キャビティの基部に取り付けられている挿入部は、容器の段ボール製本体部上に片面若しくは両面の象眼又は型押しを形成するために使用されうる。
【0011】
基部とは、本明細書では、容器を形成することができる、その深さが、つまりリムから底部までの距離が最大である、金型キャビティの平面を指す。
【0012】
本明細書の文脈では、金型キャビティの挿入部の縦方向及びコアの縦方向は、こうして形成される容器の深さ方向でもある、形成された容器の底部に垂直な寸法を指す。
【0013】
本体部の片面象眼又は型押しの模様又は形状は、本体部のみの一方の表面上に形成される陥凹又は出っ張りを指す。本体部の両面象眼又は型押しの模様又は形状は、段ボールから押圧される本体部を通る陥凹又は出っ張りを指し、これにより、本体部の片側の陥凹部は、常に、本体部の反対側の類似のサイズ及び形状の出っ張りに対応する。
【0014】
本発明による方法において、段ボール・ブランクは、(形成)コアと金型キャビティの底部との間に挟圧されて、容器底部及び底部を取り囲む壁を作り、これ以降、少なくとも部分的にプラスチックからなり、壁を取り囲むフランジ状リムが、鋳造によって壁の上縁上に形成される。金型キャビティの底部に取り付けられた挿入部及び、コア・プレートに取り付けられ、その長さが変わるコア、又はその長さを変えないコアの基礎部分に連設される、その長さが変わる取付具は、容器壁の上縁からの、段ボール・ブランクから押圧される、容器底部の距離を変えるために使用される。
【0015】
対応する方法を使用することで、片面又は両面の象眼又は型押し模様を容器の段ボール製本体部上に形成することができる。
【0016】
本発明は、コア・プレート上の形成コアの長さが変えられるか、又はその長さが変わる取付具が、その長さが変わらない形成コアの基礎部分上に加えられ、それと同時に、その長さを変えることができる取り外し可能な挿入部が金型キャビティの基部上に加えられるという事実に基づく。したがって、挿入部又はコアの取付具は、容器の深さ、つまり、リムから底部までの距離を加減するために使用できる。作られる容器の深さを少なくすべきである場合、金型キャビティの深さを少なくする挿入部は、金型キャビティの基部に取り付けられ、それと同時に、形成コアは、金型キャビティの深さの減少に対応する範囲で、コア基礎部分の末端に連設される取付具の長さを縮小することによって短縮される。この方法で、トレイ底部の表面積は、トレイの深さの変化に関係なくこれまで通りに保たれる。
【0017】
米国特許出願第2007/0267374号の図161〜163では、金型キャビティ内に留置され、金型キャビティの壁に連設されるバッフル・プレートを開示しているが、これらのバッフル・プレートは、金型キャビティ内に作り込まれる容器の位置決めをするために専ら使用され、容器の深さを調節するためには使用されていないが、なぜかというと、その構造とその機能の両方に関して本発明による金型システムの金型キャビティ内に留置される挿入部と異なるからである。
【0018】
さらに、上記の特許明細書で説明されている製造方法は、本発明に反して中にある鋳造キャビティがブランクの成形時にすでに形成されているので、段ボール製容器に幅広のプラスチック製リムを設けることができず、これにより、均等なひだを保証する段ボールの縁の保持の早すぎた停止が生じる。本発明では、段ボール・ブランクは、シール・リングのシール表面とカラー・リングのシール表面とそれらに対向する金型プレートのシール表面との間に、少なくとも、段ボール・ブランクが金型キャビティ内に摺動して入ってしまうまで挟持され、鋳造キャビティは、カラー・リングを逆方向に引っ張り、つまり、それを前部固定金型から離れるように移動して少なくとも部分的にプラスチックからなり、容器の壁を取り囲むフランジ状リムを形成することによって、この後まで、金型システム内に作られない。
【0019】
本発明の一実施例では、表面の出っ張りと象眼を備え、金型キャビティ又は形成コアに連設された挿入部は、それに対応して、形成コアが本体部の成形段階において金型キャビティの底部に押圧されたときに段ボール・ブランクを成形する。
【0020】
取り外し可能な挿入部及び取付具を使用すると、コア・プレート又は金型プレート全体を新しいコア・プレート又は金型プレートと交換するのと比べて、製造される容器本体部の形状及び寸法をかなり迅速に変えることができる。この方法では、金型システムはモジュール式組み立て品となり、金型システム全体の動作を変えることなく容易に、また単純に変更を行える。
【0021】
本発明の好ましい実施例は、付属の図面によって図示されており、その説明では本発明によって提供される他の利点も開示している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】金型システムの断面を示す分解側断面図である。
【図2A】従来技術による金型システムを示す斜視図である。
【図2B】従来技術による金型システムを示す斜視図である。
【図2C】知られている金型システムによって形成される容器の斜視図である。
【図3A】容器のさまざまな部分の製造段階における金型システムの動作を示す縦方向セクションの図である。
【図3B】容器のさまざまな部分の製造段階における金型システムの動作を示す縦方向セクションの図である。
【図3C】容器のさまざまな部分の製造段階における金型システムの動作を示す縦方向セクションの図である。
【図3D】容器のさまざまな部分の製造段階における金型システムの動作を示す縦方向セクションの図である。
【図4】形成コアと金型キャビティのそれぞれが容器本体部を形成する挿入部を備える、形成コアと金型キャビティの縦方向セクションの側面図である。
【図5】形成コアと金型キャビティのうちの一方のみが容器本体部を形成する挿入部を備える、形成コアと金型キャビティの縦方向セクションの側面図である。
【図6】容器の深さを変えるために挿入部が磁気システムによって金型キャビティに取り付けられている、金型プレートの断面を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、金型システム1が本質的に最初に説明され、次に図1〜3により金型システムの動作が説明される。カラー・リング及びシール・リングに関しては、図2A及び2Bに示されている金型システムは、本発明で使用されているものと同じでないが、これらは、本発明による金型システムの基本構造を示しうる。
【0024】
図1は、側面から見た本発明による金型システムの主要部分の分解断面図である。金型システム1は、可動金型部分10又は「後部金型」と固定金型部分20又は「前部金型」を備える。可動金型部分10の主要部分は、射出バー31を有する射出部30及び、本体部の部分3a、3bの間に、可動金型部分10と固定金型部分20との間で挟圧するための空気圧式アクチュエータ33を有する射出部のツーピース本体部3を備える。可動金型部分10は、板状シール・リング5、板状カラー・リング6、及び(形成)コア41が取り付けられるコア・プレート4をさらに備える。固定金型部分20は、金型プレート7を備え、金型プレート7は金型キャビティ71を有し、金型プレートに対し平面状の段ボール・ブランクが当たって整形され、金型プレートはパッケージの一般形状を決定する(底部、底部から延在する側壁の形状、壁の傾き、丸みなど)。本明細書の段ボール・ブランクは、段ボールが場合によってはその遮断性を変えるためにプラスチック又は金属の層で被覆されている、段ボール・ブランク又は段ボール製ブランクを指す。さらに、固定金型部分20は、型枠8を備え、この型枠8を通して鋳造導管が図2A及び2Bにうまく示されている方法でリムの鋳造スポットに運ばれる。
【0025】
シール・リング5は、形成コア41の周りに円環状に配置される。シール・リング5及び形成コア41に関して深さ方向に移動可能なカラー・リング6は、シール・リング5と形成コア41との間に配置されうる。本明細書の深さ方向は、コア・プレート4の表面4aに垂直な方向を指す。シール・リング5は、押圧段階の終わりにコア41の金型部分の面41aと同一平面になるシール表面5aを備える。成形部分の面は、形成された容器のリムの平面に達する、つまり、金型プレート7のシール表面7aのほぼ平面に達し、それと同時に、金型キャビティ71の上縁の平面に達する、コア41の部分を指す。図1に示されている形成コア41の成形部分は、金型キャビティ71内に嵌入されうるコア41の部分である。図1に示されている形成コア4の成形部分及び対応する金型キャビティ71は、丸みを帯びた四角形の形状の断面プロファイルを有し、これによって、それに対応して、例えば、図5Aに示されている、丸みを帯びた四角形の断面を有する容器を形成することができる。金型キャビティ、形成コア、及び容器の断面プロファイルは、金型システム1の深さ方向、つまり、金型プレート7及びコア・プレート4の表面平面に垂直な方向で調べたときの断面を指す。形成コアの成形部分及び金型キャビティの断面プロファイルが、例えば、円形に変えられる場合、円形断面を有する容器が、例えば、図2Cに示されているように、それぞれ得られる。
【0026】
シール・リング5のシール表面5aは、前部金型20の金型キャビティ71の周りを囲む金型プレート7の対応するシール表面7aに対向する。コア41は、シール・リング5のシール表面5aに関して短距離の往復運動を実行することができるカラー・リング6によってさらに囲まれ、固定金型部分20の方を向くカラー・リング6のカラー61のシール表面61aは、シール・リング5のシール表面5aの平面へ、またそれから逆方向に非常に短い距離だけ移動できる。
【0027】
図2Aは、知られている金型システム1Bで使用される固定金型部分20を示しており、図2Bは、対応する可動金型部分を示している。その機能及びその金型構造に関して、この金型システム1Bは、本発明によるものと同じタイプであり、その構造は専らコア41及びカラー・リング6の構造を囲むシール・リング5に関して本発明による金型システムから逸脱している。固定金型部分20では、その前部に、トレイの形状を持つ陥凹部、つまり、金型キャビティ71を有する金型プレート7がある。固定金型部分20の金型プレート7は、型枠8に取り付けられ、この型枠8を通じて、後述の鋳造キャビティ内にプラスチックを導入するために鋳造導管又はホット・チャネル及びノズルが運ばれる。次いで、可動金型部分10は、前部に形成コア41を備え、形成コア41はその下のところでコア・プレート4に取り付けられる。コア・プレート4は、可動金型部分10の射出部30に取り付けられる。コア41は、コア成形部分の面41aの平面及びコアの面と同一平面上にあるシール表面61aに延在するプレート状カラー・リング6によって、またシール表面5aを有し、カラー・リングの外側にあり、カラー・リングに制限されるプレート状シール・リング5によって周りを囲まれる。
【0028】
図3A〜3Bは、本発明による金型システム1の側断面図であり、その2つの金型部は図1、2A、及び2Bを用いて上で説明されている金型部と同じである。金型システム1はトレイ・パッケージを形成するために使用され、パッケージを押圧することから始まって、リムを鋳造することで終わる。金型システム1は、その目的が第1段階で容器形状のトレイ・パッケージを本質的にまっすぐで一様な段ボール・ブランクKから成形することである2つの金型部10、20から形成された圧縮成形及び鋳造用の金型を備える。鋳造機能も、金型システム1に組み込まれ、これにより、圧縮によって整形されるパッケージ500の壁の縁にリム50を鋳造する。
【0029】
カラー・リング6のカラー61のシール表面61a、つまり、固定金型部分20の方を向く面61aが、シール・リング5のシール表面5aと同一平面上にある場合、共通シール表面が、シール・リングのシール表面5a及びカラー61の面又はシール表面61によって形成される。図3B〜3Dに従って金型が閉じられた(金型部10及び20が一緒に合わされた)場合、固定金型部分20の金型プレート7のシール表面7a及び可動金型部分10の共通シール表面5a、61aは、互いに当たり、したがって、整形される段ボール・ブランクKがそれらの間に留まる。射出部30の本体部3の部分3a、3bの間の空気圧式アクチュエータ33は、カラー・リング6に連設されて、カラー・リング6を通じて、シール・リング5及び、したがって、可動金型部分10の共通シール表面5a、61aを加圧し、それにより、2つの金型部10及び20の間に、つまり、共通シール表面5a、61aと固定金型部分のシール表面7aとの間に保持力を加える。シール表面7a上に、及びそれに加えて、シール表面同士の間の段ボール・ブランクK上にかけられる圧縮力又は保持力の主要部分は、シール・リング5のシール表面5aによって発生するが、カラー・リングのカラー61のシール表面61aも、段ボール・ブランクK上に保持力をかける。保持力は、圧媒体に対し働く圧縮空気ボンベなどのアクチュエータ33を使って調節することができる。カラー・リング6は、シール・リング5とコア41との間の射出部3の内側に配置される。
【0030】
射出部30とコア41を有するコア・プレート4とからなるツーピース本体部3は、固定金型部分20に関して深さ方向に射出バー31によって移動することができるが、ただし、深さ方向は、上で述べたのと同じ方向を意味する。そのため、可動金型部分10は、前部位置(図3Aに示されている)と後部位置(図3B〜3Dに示されている)との間を移動する。
【0031】
圧縮段階において、金型システム内の可動金型部分10は、段ボール・ブランクKを固定金型部分20の金型プレート7の金型キャビティ71内に圧入する。このために、可動金型部分は、コア・プレート4上に配置される形成コア41を備え、その形成部は上述の金型キャビティ71内にコアの面41aまで嵌入し、これにより、段ボール・ブランクは、コア41とキャビティ71との間に挟圧され、そのトレイ形状を形成する。可動金型部分10は、固定金型に関して移動するように配置され、本明細書では詳細に説明しない装置によって金型の開閉を行う。
【0032】
図3Aは、金型を閉じる前の金型システム1を示している。段ボール・ブランクKは、固定金型部分20の金型プレート7上の小型ホルダー(図示されていない)にロボットによって移動される。この後に、金型は閉じられる、つまり、コア41が金型キャビティ71内に落ち着き、その間に残っている段ボール・ブランクKは、トレイ形状の容器内に圧入される。
【0033】
コア41がキャビティ71内に落ち着いた後にブランクを整形し始める段階が、図3Bに示されている。シール表面、つまり、シール・リングのシール表面5aとカラー・リングのシール表面61aは、アクチュエータ33の力によって段ボール・ブランクKにもたれかかり、ブランクKを前記シール表面5a及び61aと固定金型部分の金型プレート7のシール表面7aとの間の圧縮段階におけるその縁に保持する。
【0034】
図3Cは、金型が完全に閉じられ、金型部10及び20が互いに押圧し合い、それらの間の段ボール・ブランクKがトレイ内に圧入され、それにより、トレイの側壁の上縁がカラー・リング6のシール表面61aと同一平面にあるか、又はそれより少し前にある状況を示している。ブランクの縁にかかる最後の保持力は、カラー・リング6のカラー61の面61aによってもたらされ、これに当たる形で固定金型部分のキャビティ71の周りを囲む金型プレートのシール表面7aがある。
【0035】
図3Dは、金型がまだ閉じられているが、カラー・リング6は、固定金型部分20のシール表面71aから逆方向に、つまり、可動金型部分10の射出部3の方向に短い距離だけ移動している状況を示している。この移動は、正確な移動を実行するアクチュエータによって、例えば、射出用モーターにより射出バー31を引っ張ることによって行われる。次いで、小さな鋳造キャビティ43が、キャビティ71の周りを囲むシール表面7a、シール・リング5のシール表面5a、カラー・リング6のカラー61の面61a、及びコア41の面41aの間に残り、鋳造キャビティはトレイの外縁と接触し、トレイを円環状に取り囲む。溶融プラスチック材料がこの鋳造キャビティ43内に注ぎ込まれると、これは、トレイの側壁から外向きに延在するフランジ状リムを形成する。その形状のため、カラー・リング6は、形成コア41に対してきつく締められ、鋳造キャビティ43の機密性が確実に保持される。鋳造材料の射出路は、固定金型部分20の型枠8を通るように配置され、鋳造されるプラスチックはそこを通って鋳造キャビティ43に移動する。射出路は、整形される容器の構造に応じて、他の方法で射出キャビティ内に到達するように配置することもできる。
【0036】
溶融プラスチック材料が、鋳造キャビティ43内で固化した後、再び金型を開いてその開放位置にすることができる。次いで、射出部3は、まだ後部位置にある。射出部3が、射出ロッド31によって押されて前部位置に来ると、これは、仕上がった容器を可動金型部分10から取り外し、それと同時に、カラー・リング6を前部位置に再び移動することができる、つまり、図3Aに示されている位置を再びとる。次いで、前部金型20の金型プレート7のシール表面7aは、射出表面として働き、これを射出バー31が押し、そのときに、仕上がった容器が金型から取り外される。この後、ロボットが、仕上がった容器を取り出して、それを新しいブランクKと交換し、その後、この作業段階が上述のように繰り返される。
【0037】
金型キャビティとして、丸形底部を持つ容器に適したキャビティを使用することによって、また注目している金型キャビティの形状に合うように形成コアの成形部分の形状を適合させることによって、上述の金型システムは、例えば、段ボール・ブランクから圧縮成形され、丸形底部57及び底部57に連設される上方に延在する壁59を備える本体部58を有する、図2Cに示されている容器500を形成するために使用できる。外向きに延在するフランジ状プラスチック・リム50は、壁59の上縁に鋳造される。
【0038】
図2Cに示されている容器が、段ボール・ブランクから押圧される、その本体部58、つまり底部57又は壁59に合わせて両面装飾又は機能性型押し若しくは象眼細工形状を形成することによって整形される場合、これは、図4に従って、本発明による金型システムで使用される形成コア及び対応する金型キャビティ71を変えることによって実行されうる。図4は、コア・プレート4に取り付けられ、2つの部分、すなわちその長さが変えられず、また形成コアのコア・プレート4に取り付けられている基礎部分41fとその長さを変えることができ、前記基礎部分に取り付けられる取付具部分41gからなる、形成コア41の概略を示している。突出部410は、同時に取付具部分41gのコアの外縁41bとして働く、取付具部分41gの外縁411bに連設され、突出部は挿入部として使用され、コアの外縁の平面から下方に、つまり、金型プレート7のシール表面7aの平面の方向に垂直な方向に、向き付けられる。図4は、コア・プレート4の下に配置され、形成コア41の周りを囲む、カラー・リング6も示している。コア41の取付具部分41gは、所望のスポットのところでコアの基礎部分41fに連設されるが、一般的に、段ボール・ブランクKが図3A〜3Cに示されている方法で押圧整形されるときに、取付具部分41fがコアの形成部、つまり、金型キャビティ71内に嵌入される部分を構成するようにコア41を形成することが最も好ましい。次いで、取付具の面411aは、コアの面41aとして機能し、これは、コア41が金型キャビティ71内に圧入されるときに、可動金型部分10の方向に金型プレート7のシール表面7aと同一平面にあるか、又はそれより少し高い。コア41の取付具部分41gは、ネジ締め具などの適切な締め具によってコアの基礎部分41fに連設される。基礎部分41fとコアの取付具部分41gとの間の継手は、作られる容器のプラスチック・リムにコピーされないので、コアの取付具部分41gとコアの基礎部分41fとの相互締め付けも、当業者によって知られている他の締め付け方法によって実装されうる。次に、図4による形成コアと金型キャビティの対において、コアの取付具部分41gの突出部410に対応する陥凹部710が、金型プレート7の金型キャビティ71の基部71b上に形成される。この場合、金型キャビティ71の挿入部は、実際には、金型キャビティの平坦な基部71bから取り外され、底部71bに再連設されうる挿入部であり、そのときに、図5による金型システムは形成されることになっており、そこでは、金型キャビティ71の底部71bは、平坦であり、その方法で、片面形状が、段ボール・ブランクから形成される容器部分の本体部58に形成される。図4による形成コアと金型キャビティの対が、図1〜3によって前の方で示されている方法で容器500の製造において使用されるときに、コア取付具部分41gの突出部410は、圧縮段階で、つまり、上で図3B及び3Cで示されている作業段階において金型キャビティ71の底部71bに押圧される。その場合、突出部410は、形成コア41と金型キャビティ71との間に置かれている段ボール・ブランクを、金型キャビティ71の底部71b上にあり、前記突出部より少し広い底部面積及び突出部と同じ形状を有する陥凹部710の方へ押す。したがって、容器の内側陥凹部が、作られる容器500の底部57の内面にコピーされ、底部外面の残り部分から下方に延在する対応する出っ張りが、底部の外面にコピーされる。
【0039】
図5に示されている形成コア41及びそれに対向する金型キャビティ71は、図4による形成コア及びそれと対向する金型キャビティと、金型キャビティ71bの底部が今では平らであるという点でのみ異なる。基部は、基部を深くする挿入部710を備えていないか、又は金型キャビティの基部の取り外し可能な挿入部710は、基部に再び取り付けられる。図5による形成コアと金型キャビティの対が、容器500の製造において使用されるときに、コア取付具部分41gの突出部410は、圧縮段階で金型キャビティ71の底部71bに押圧され、突出部410は、形成コア41と金型キャビティ71との間にある段ボール・ブランクKを、図3A〜3Bに示されている方法で、金型キャビティ71の平らな底部71bの方へ押す。陥凹部は、作られる容器500の底部57の内面にのみコピーされ、底部71bの外面は平坦なままである。
【0040】
図6は、金型キャビティ71の基部71b上に金型キャビティ71の深さを少なくする取り外し可能な挿入部720を配置することによって段ボール・ブランクから押圧される容器500の深さ、つまり、その壁の上縁から容器底部までの距離を変える本発明の一実施例を示している。
【0041】
図6は、取り外し可能な挿入部720が金型キャビティ71の基部の上に取り付けられている、金型プレート7を示している。金型キャビティの上縁、つまり、金型プレート7の上面(シール表面)は、金型キャビティの最大深さでもある、基部71bによって画定される平面からの高さHのところにある。挿入部720の底部は、基部71b上に支持される。新しい挿入部(スペーサー)が金型キャビティの基部71b上に加えられた場合、その高さをhとすると、挿入部720の上面71bは金型キャビティの新しい底部71bとして働き、したがって、金型キャビティの深さは深さHから新しい深さH−hに減らされる。図6の挿入部の形状により、挿入部を金型キャビティの基部上にぴったり嵌合することができ、金型キャビティ71の下側部分の基部71b及び壁71aによって画定される空間を基部によって画定される平面からの金型キャビティの高さhまで完全に充填する。挿入部の上面71bは、連続的な平面であり、このため、これは金型キャビティの新しい底部として使用できる。挿入部の連続的上面は、下方へ凹である形状、又は上方に凸である形状を、もしこれが意図された容器の底部57の形状に関して適したものであれば有することも可能である。
【0042】
金型キャビティ71の深さが、挿入部720によって少なくされ、これにより金型キャビティ71の新しい深さが、H−hとなった場合、コアの基礎部分41、41fの端部に連設され、その長さを変えないコア取付具部分41gの長さは、金型キャビティ71の底部に留置されている挿入部720の高さhだけ縮小される。次いで、図3Bによる段ボールの圧縮段階において金型キャビティの内側を貫通する、コアの形成部分の長さは、H−hとなる。
【0043】
次いで、コアは、基礎部分41、41fと基礎部分の上に連設されうる取付具部分41gとからなる。このようにして、コアの形成部分の長さは、それに対応して、その長さを変えないコア基礎部分41fの長さとその長さを変え、コアの基礎部分の上に連設されるコア取付具部分41gの長さとを、互いに関して変えることによって変えることができる。このようにして、とりわけ、トレイ底部の表面積は、トレイの深さの変化に関係なくこれまで通りに保たれる。
【0044】
金型キャビティ71の底部71bに取り付けられている、図6に示されている挿入部720は、永久磁石Mを含む磁石システムSを使って金型キャビティの底部57に取り外し可能なように連設される。ネジ締め付けなどの他の取り外し可能な締め付け方法も使用できる。磁石システムSにおいて、永久磁石Mと磁化可能挿入部720の周りを囲む絶縁材Eが、金型キャビティ71内に形成される。その代わりに、磁石システムSは、それの周りを囲む磁化不可能な絶縁材片によって絶縁することができ、これによって、次いで、挿入部720は、磁石システムSを向く表面と異なる表面上において磁化不可能なコーティングで被覆することができる。この解決策は、磁石の方を向く面と異なる側の面上において磁化不可能なコーティングで被覆するときに、磁化可能挿入部の磁界が金型の動作を妨げないという利点を持つ。
【0045】
磁石システムSは、非磁性金属M2の両面に置かれる磁化可能金属、ここでは2枚の鉄板Me1及び、アルミニウムなどの磁化不可能な金属板Me1の開口部内に嵌入される、丸形の断面プロファイルを持つ永久磁石の棒Mからなる。磁石Mが開口部内で回されると、これによって発生する磁界が変化する。磁石が回転され、磁界が鉄板Me1の方向に移動すると、これにより、磁石の作用が妨げられ、磁界は挿入部720の中を通らない。次いで、磁石は、オフ位置に置かれる。永久磁石の棒Mが、反対方向に回されると、磁界は鉄板Me1に向かって移動し、非磁性金属Me2を通り、それによって、鉄板Me1は磁界を強め、磁石はオン位置に来る。磁界がオフ位置に置かれるように非磁性金属Me2にある開口部内の永久磁石の棒を回すことによって、挿入部720を他の挿入部と素早く交換することができる。磁石を回してオン位置に戻すことによって、挿入部720は、金型キャビティ71の底部71bに取り付けることができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施例のみが、上で説明されており、当業者には、本発明が請求項で開示されている本発明の範囲内にある他のさまざまな方法で実装されうることは明白である。
【0047】
したがって、永久磁石は、金型キャビティの基部に留置されている挿入部、したがって永久磁石も比較的小さい場合に、金型キャビティの絶縁なしで使用することもできる。
【0048】
したがって、図4及び5による本発明の実施例では、コア・プレート4上にあるコア41を丸ごと交換することができる。その場合、図4及び5において挿入部として使用されるコア41の突出部410は、実際の形成コア41の外縁41bに取り付けられる。同様に、図4及び5に示されている本発明の実施例において、コア41の取付具部分41gが突出部410を備え、金型キャビティ71の底部71bが前記突出部410に対応する陥凹部710を備えているとしても、金型キャビティ71の底部71bに上方に延在する突出部を、金型コア41の取付具部分41gの外縁411bに対応する陥凹部を備えることによって同じ最終的結果に達する。図6のコア・プレート内で置き換えられるコア41の長さは、段ボール・ブランクの圧縮段階において金型キャビティの内側を貫通するコア部分の長さが挿入部を備える金型キャビティの深さH−hと同じになるように金型キャビティの深さの変化に合わされる。
【0049】
容器500の壁59も、さまざまな機能的な又は装飾的な片面若しくは両面型押し又は象眼形状を備えることができる。その場合、出っ張り及び陥凹部は、コアの外側端部及び成形キャビティの底部71bの代わりに、コア41又はその取付具部分41gの壁、及び/又は金型キャビティの壁71aに付けられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボール製容器の深さを変更するための請求項1の前提部分による、可動金型部分と固定金型部分を備え、可動金型部分と固定金型部分とが互いに向かい合わせで配置されている金型システムに関するものであり、この金型システムは、段ボール・ブランクから押圧される底部、底部に連設する壁、及びプラスチックから少なくとも部分的に成形され、壁の上縁に連設され、壁を取り囲む(プラスチック)リムを備える容器を製造するために使用することができる。
【背景技術】
【0002】
食品業界では、特にいわゆるトレイ・パッケージが保存用パッケージとして使用されて、これは、底部、底部を取り囲み、上方に延在する壁、壁の上縁を取り囲み、外側に延在するリムを有する蓋付きの容器からなる。容器は、リムに連設された蓋で閉じられている。このような容器では、容器の底部及び壁の材料は、多くの場合、段ボールを含み、その上に、用途に応じて段ボールの蒸気及び/又は酸素透過特性を変えるプラスチック及び/又は金属の層を加えることができる。
【0003】
一般に、そのようないわゆるトレイ・パッケージは、食料品を保存するために使用され、パッケージは蓋によって密閉される。蓋をパッケージに取り付けることができるようにするために、トレイ・パッケージとして使用される容器の縁に、側壁の上端から突き出て、パッケージを取り囲む水平のリムを備えなければならない。リムの上面には通常好適なコーティングがなされており、これにより、蓋をパッケージにぴったり取り付けることができる。例えば、蓋部をパッケージに固定するためにヒートシール可能なプラスチック材料を使用するのがごく一般的である。食品パッケージ、及びその食品パッケージで使用されるパッケージング材料の実例については、とりわけ、国際公開第03/033258号、欧州特許第1289856号、国際公開第00/21854号、及び米国特許第5425972号において説明されている。
【0004】
段ボール・ブランクから押圧される底部、底部に連設された壁、及び壁を取り囲み、プラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、壁の上縁に連設されたリムを有する、トレイの形状をとるこのような容器は、さまざまな方法で形成されうる。国際出願番号FI20070973では、トレイ・パッケージの製造方法を説明しており、そこでは、容器は、金型システムにおいて押圧整形することによってまっすぐな段ボール・ブランクから形成され、この金型システムは、可動金型部分と固定金型部分とを備え、可動金型部分と固定金型部分は互いに向かい合わせで配置され、これにより、固定金型部分に関して移動可能な金型部分は、コアと、コアに関して移動可能であり、シール表面を有し、コアの周りを囲む、板状シール・リングと、コア及びシール・リングに関して移動することができ、それらの間に挟装され、容器上にリムを形成するために使用されうるカラー・リングとを備える少なくとも1つのコア・プレートを備え、固定金型部分は、金型キャビティとシール表面とを備える少なくとも1つの金型プレートを備える。
【0005】
このような金型システムによって押圧整形された段ボール・ブランクは、固定金型部分の金型キャビティの上に移動され、可動金型部分のコアは、金型キャビティ内に落ち着き、コアと金型キャビティとの間に残っている段ボール・ブランクは、トレイの形状を持つ容器に成形される。圧縮成形の最終段階で、横方向に延在するプラスチック材料のリムは、パッケージの側壁の上側部分に合わせて成形されるが、そのときに、金型システムの内側の対向表面をそれに向かい合う表面から逆方向に移動することによってリムに対応する金型キャビティが形成され、その後鋳造材料が金型キャビティ内に導入されるように金型は閉じられたままにされる。キャビティ内で、材料は固化して固定リムが形成され、その後、金型が開かれ、仕上がった容器形状パッケージが金型から取り出される。
【0006】
上記の従来技術を基盤として、出願人の目的は、トレイ・パッケージのより多目的に使える製造方法を提供することであったが、その際に、その金型システムは、トレイ・パッケージとして使用され1つ又は複数の仕切りを備えるさまざまな容器を製造するために使用することが可能であるか、又は容器の段ボール製本体部にさまざまな型押し又は象眼の形状を備えることが可能であった。
【0007】
驚いたことに、金型キャビティ内に留置されているさまざまな挿入部及び/又はコア・プレートに取り外し可能なように取り付けられ、その長さを変えることができる、1つ又は複数の成形コア内に取り外し可能なように留置されている取付具により金型キャビティ、及び/又は上述の金型システムの(形成)コアを修正することによって、製造される容器の深さを望み通りに修正することができることが現在判明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第03/033258号
【特許文献2】欧州特許第1289856号
【特許文献3】国際公開第00/21854号
【特許文献4】米国特許第5425972号
【特許文献5】国際出願番号FI20070973
【特許文献6】米国特許出願第2007/0267374号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
より正確に述べると、本発明は、段ボール製容器の深さを変更するための請求項1に記載の金型システムに関するものである。このような金型システムは、可動金型部分と固定金型部分を備え、その可動金型部分と固定金型部分は互いに向かい合わせで配置され、金型システムは、段ボール・ブランクから押圧される底部、底部に連設された壁、及び壁を取り囲み、プラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、壁の上側部分に連設されたリムを有する容器を製造するために使用することができ、これにより、固定金型に関して移動可能な金型は、コアと、コアに関して移動可能であり、シール表面を有し、コアの周りを囲む、板状シール・リングと、コアとシール・リングとの間に挟装することができ、容器上にリムを形成するために使用されうる、シール・リングとコアの両方に関して移動することができる、カラー・リングとを備える少なくとも1つのコア・プレートを備え、固定金型部分は、金型キャビティとシール表面とを備える少なくとも1つの金型プレートを備える。金型システムにおいて、挿入部は、金型キャビティの基部で支持され、取り外し可能なように基部に取り付けられ、これにより金型キャビティの深さをその高さhだけ小さくすることができ、したがって、挿入部の連続表面は、金型キャビティの新しい底部として働き、また段ボール・ブランクの押圧段階で金型キャビティの内側を貫通するコア部の長さHは、それぞれ、コア・プレート内のコアを短いコアで置き換えるか、又は長さが変わらないコアの基礎部に長さを変えられる取付具を取り外し可能なように取り付けることによって、挿入部の高さhだけ短縮することができ、これにより、コア又はコアの取付具及び金型キャビティの基部の挿入部は、互いに対応しており、壁の上縁からの、段ボール・ブランクから押圧される、製造される段ボール・ブランクの深さ、つまり、容器底部の距離を変えるために使用できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例では、金型キャビティの基部に取り付けられている挿入部は、容器の段ボール製本体部上に片面若しくは両面の象眼又は型押しを形成するために使用されうる。
【0011】
基部とは、本明細書では、容器を形成することができる、その深さが、つまりリムから底部までの距離が最大である、金型キャビティの平面を指す。
【0012】
本明細書の文脈では、金型キャビティの挿入部の縦方向及びコアの縦方向は、こうして形成される容器の深さ方向でもある、形成された容器の底部に垂直な寸法を指す。
【0013】
本体部の片面象眼又は型押しの模様又は形状は、本体部のみの一方の表面上に形成される陥凹又は出っ張りを指す。本体部の両面象眼又は型押しの模様又は形状は、段ボールから押圧される本体部を通る陥凹又は出っ張りを指し、これにより、本体部の片側の陥凹部は、常に、本体部の反対側の類似のサイズ及び形状の出っ張りに対応する。
【0014】
本発明による方法において、段ボール・ブランクは、(形成)コアと金型キャビティの底部との間に挟圧されて、容器底部及び底部を取り囲む壁を作り、これ以降、少なくとも部分的にプラスチックからなり、壁を取り囲むフランジ状リムが、鋳造によって壁の上縁上に形成される。金型キャビティの底部に取り付けられた挿入部及び、コア・プレートに取り付けられ、その長さが変わるコア、又はその長さを変えないコアの基礎部分に連設される、その長さが変わる取付具は、容器壁の上縁からの、段ボール・ブランクから押圧される、容器底部の距離を変えるために使用される。
【0015】
対応する方法を使用することで、片面又は両面の象眼又は型押し模様を容器の段ボール製本体部上に形成することができる。
【0016】
本発明は、コア・プレート上の形成コアの長さが変えられるか、又はその長さが変わる取付具が、その長さが変わらない形成コアの基礎部分上に加えられ、それと同時に、その長さを変えることができる取り外し可能な挿入部が金型キャビティの基部上に加えられるという事実に基づく。したがって、挿入部又はコアの取付具は、容器の深さ、つまり、リムから底部までの距離を加減するために使用できる。作られる容器の深さを少なくすべきである場合、金型キャビティの深さを少なくする挿入部は、金型キャビティの基部に取り付けられ、それと同時に、形成コアは、金型キャビティの深さの減少に対応する範囲で、コア基礎部分の末端に連設される取付具の長さを縮小することによって短縮される。この方法で、トレイ底部の表面積は、トレイの深さの変化に関係なくこれまで通りに保たれる。
【0017】
米国特許出願第2007/0267374号の図161〜163では、金型キャビティ内に留置され、金型キャビティの壁に連設されるバッフル・プレートを開示しているが、これらのバッフル・プレートは、金型キャビティ内に作り込まれる容器の位置決めをするために専ら使用され、容器の深さを調節するためには使用されていないが、なぜかというと、その構造とその機能の両方に関して本発明による金型システムの金型キャビティ内に留置される挿入部と異なるからである。
【0018】
さらに、上記の特許明細書で説明されている製造方法は、本発明に反して中にある鋳造キャビティがブランクの成形時にすでに形成されているので、段ボール製容器に幅広のプラスチック製リムを設けることができず、これにより、均等なひだを保証する段ボールの縁の保持の早すぎた停止が生じる。本発明では、段ボール・ブランクは、シール・リングのシール表面とカラー・リングのシール表面とそれらに対向する金型プレートのシール表面との間に、少なくとも、段ボール・ブランクが金型キャビティ内に摺動して入ってしまうまで挟持され、鋳造キャビティは、カラー・リングを逆方向に引っ張り、つまり、それを前部固定金型から離れるように移動して少なくとも部分的にプラスチックからなり、容器の壁を取り囲むフランジ状リムを形成することによって、この後まで、金型システム内に作られない。
【0019】
本発明の一実施例では、表面の出っ張りと象眼を備え、金型キャビティ又は形成コアに連設された挿入部は、それに対応して、形成コアが本体部の成形段階において金型キャビティの底部に押圧されたときに段ボール・ブランクを成形する。
【0020】
取り外し可能な挿入部及び取付具を使用すると、コア・プレート又は金型プレート全体を新しいコア・プレート又は金型プレートと交換するのと比べて、製造される容器本体部の形状及び寸法をかなり迅速に変えることができる。この方法では、金型システムはモジュール式組み立て品となり、金型システム全体の動作を変えることなく容易に、また単純に変更を行える。
【0021】
本発明の好ましい実施例は、付属の図面によって図示されており、その説明では本発明によって提供される他の利点も開示している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】金型システムの断面を示す分解側断面図である。
【図2A】従来技術による金型システムを示す斜視図である。
【図2B】従来技術による金型システムを示す斜視図である。
【図2C】知られている金型システムによって形成される容器の斜視図である。
【図3A】容器のさまざまな部分の製造段階における金型システムの動作を示す縦方向セクションの図である。
【図3B】容器のさまざまな部分の製造段階における金型システムの動作を示す縦方向セクションの図である。
【図3C】容器のさまざまな部分の製造段階における金型システムの動作を示す縦方向セクションの図である。
【図3D】容器のさまざまな部分の製造段階における金型システムの動作を示す縦方向セクションの図である。
【図4】形成コアと金型キャビティのそれぞれが容器本体部を形成する挿入部を備える、形成コアと金型キャビティの縦方向セクションの側面図である。
【図5】形成コアと金型キャビティのうちの一方のみが容器本体部を形成する挿入部を備える、形成コアと金型キャビティの縦方向セクションの側面図である。
【図6】容器の深さを変えるために挿入部が磁気システムによって金型キャビティに取り付けられている、金型プレートの断面を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、金型システム1が本質的に最初に説明され、次に図1〜3により金型システムの動作が説明される。カラー・リング及びシール・リングに関しては、図2A及び2Bに示されている金型システムは、本発明で使用されているものと同じでないが、これらは、本発明による金型システムの基本構造を示しうる。
【0024】
図1は、側面から見た本発明による金型システムの主要部分の分解断面図である。金型システム1は、可動金型部分10又は「後部金型」と固定金型部分20又は「前部金型」を備える。可動金型部分10の主要部分は、射出バー31を有する射出部30及び、本体部の部分3a、3bの間に、可動金型部分10と固定金型部分20との間で挟圧するための空気圧式アクチュエータ33を有する射出部のツーピース本体部3を備える。可動金型部分10は、板状シール・リング5、板状カラー・リング6、及び(形成)コア41が取り付けられるコア・プレート4をさらに備える。固定金型部分20は、金型プレート7を備え、金型プレート7は金型キャビティ71を有し、金型プレートに対し平面状の段ボール・ブランクが当たって整形され、金型プレートはパッケージの一般形状を決定する(底部、底部から延在する側壁の形状、壁の傾き、丸みなど)。本明細書の段ボール・ブランクは、段ボールが場合によってはその遮断性を変えるためにプラスチック又は金属の層で被覆されている、段ボール・ブランク又は段ボール製ブランクを指す。さらに、固定金型部分20は、型枠8を備え、この型枠8を通して鋳造導管が図2A及び2Bにうまく示されている方法でリムの鋳造スポットに運ばれる。
【0025】
シール・リング5は、形成コア41の周りに円環状に配置される。シール・リング5及び形成コア41に関して深さ方向に移動可能なカラー・リング6は、シール・リング5と形成コア41との間に配置されうる。本明細書の深さ方向は、コア・プレート4の表面4aに垂直な方向を指す。シール・リング5は、押圧段階の終わりにコア41の金型部分の面41aと同一平面になるシール表面5aを備える。成形部分の面は、形成された容器のリムの平面に達する、つまり、金型プレート7のシール表面7aのほぼ平面に達し、それと同時に、金型キャビティ71の上縁の平面に達する、コア41の部分を指す。図1に示されている形成コア41の成形部分は、金型キャビティ71内に嵌入されうるコア41の部分である。図1に示されている形成コア4の成形部分及び対応する金型キャビティ71は、丸みを帯びた四角形の形状の断面プロファイルを有し、これによって、それに対応して、例えば、図5Aに示されている、丸みを帯びた四角形の断面を有する容器を形成することができる。金型キャビティ、形成コア、及び容器の断面プロファイルは、金型システム1の深さ方向、つまり、金型プレート7及びコア・プレート4の表面平面に垂直な方向で調べたときの断面を指す。形成コアの成形部分及び金型キャビティの断面プロファイルが、例えば、円形に変えられる場合、円形断面を有する容器が、例えば、図2Cに示されているように、それぞれ得られる。
【0026】
シール・リング5のシール表面5aは、前部金型20の金型キャビティ71の周りを囲む金型プレート7の対応するシール表面7aに対向する。コア41は、シール・リング5のシール表面5aに関して短距離の往復運動を実行することができるカラー・リング6によってさらに囲まれ、固定金型部分20の方を向くカラー・リング6のカラー61のシール表面61aは、シール・リング5のシール表面5aの平面へ、またそれから逆方向に非常に短い距離だけ移動できる。
【0027】
図2Aは、知られている金型システム1Bで使用される固定金型部分20を示しており、図2Bは、対応する可動金型部分を示している。その機能及びその金型構造に関して、この金型システム1Bは、本発明によるものと同じタイプであり、その構造は専らコア41及びカラー・リング6の構造を囲むシール・リング5に関して本発明による金型システムから逸脱している。固定金型部分20では、その前部に、トレイの形状を持つ陥凹部、つまり、金型キャビティ71を有する金型プレート7がある。固定金型部分20の金型プレート7は、型枠8に取り付けられ、この型枠8を通じて、後述の鋳造キャビティ内にプラスチックを導入するために鋳造導管又はホット・チャネル及びノズルが運ばれる。次いで、可動金型部分10は、前部に形成コア41を備え、形成コア41はその下のところでコア・プレート4に取り付けられる。コア・プレート4は、可動金型部分10の射出部30に取り付けられる。コア41は、コア成形部分の面41aの平面及びコアの面と同一平面上にあるシール表面61aに延在するプレート状カラー・リング6によって、またシール表面5aを有し、カラー・リングの外側にあり、カラー・リングに制限されるプレート状シール・リング5によって周りを囲まれる。
【0028】
図3A〜3Bは、本発明による金型システム1の側断面図であり、その2つの金型部は図1、2A、及び2Bを用いて上で説明されている金型部と同じである。金型システム1はトレイ・パッケージを形成するために使用され、パッケージを押圧することから始まって、リムを鋳造することで終わる。金型システム1は、その目的が第1段階で容器形状のトレイ・パッケージを本質的にまっすぐで一様な段ボール・ブランクKから成形することである2つの金型部10、20から形成された圧縮成形及び鋳造用の金型を備える。鋳造機能も、金型システム1に組み込まれ、これにより、圧縮によって整形されるパッケージ500の壁の縁にリム50を鋳造する。
【0029】
カラー・リング6のカラー61のシール表面61a、つまり、固定金型部分20の方を向く面61aが、シール・リング5のシール表面5aと同一平面上にある場合、共通シール表面が、シール・リングのシール表面5a及びカラー61の面又はシール表面61によって形成される。図3B〜3Dに従って金型が閉じられた(金型部10及び20が一緒に合わされた)場合、固定金型部分20の金型プレート7のシール表面7a及び可動金型部分10の共通シール表面5a、61aは、互いに当たり、したがって、整形される段ボール・ブランクKがそれらの間に留まる。射出部30の本体部3の部分3a、3bの間の空気圧式アクチュエータ33は、カラー・リング6に連設されて、カラー・リング6を通じて、シール・リング5及び、したがって、可動金型部分10の共通シール表面5a、61aを加圧し、それにより、2つの金型部10及び20の間に、つまり、共通シール表面5a、61aと固定金型部分のシール表面7aとの間に保持力を加える。シール表面7a上に、及びそれに加えて、シール表面同士の間の段ボール・ブランクK上にかけられる圧縮力又は保持力の主要部分は、シール・リング5のシール表面5aによって発生するが、カラー・リングのカラー61のシール表面61aも、段ボール・ブランクK上に保持力をかける。保持力は、圧媒体に対し働く圧縮空気ボンベなどのアクチュエータ33を使って調節することができる。カラー・リング6は、シール・リング5とコア41との間の射出部3の内側に配置される。
【0030】
射出部30とコア41を有するコア・プレート4とからなるツーピース本体部3は、固定金型部分20に関して深さ方向に射出バー31によって移動することができるが、ただし、深さ方向は、上で述べたのと同じ方向を意味する。そのため、可動金型部分10は、前部位置(図3Aに示されている)と後部位置(図3B〜3Dに示されている)との間を移動する。
【0031】
圧縮段階において、金型システム内の可動金型部分10は、段ボール・ブランクKを固定金型部分20の金型プレート7の金型キャビティ71内に圧入する。このために、可動金型部分は、コア・プレート4上に配置される形成コア41を備え、その形成部は上述の金型キャビティ71内にコアの面41aまで嵌入し、これにより、段ボール・ブランクは、コア41とキャビティ71との間に挟圧され、そのトレイ形状を形成する。可動金型部分10は、固定金型に関して移動するように配置され、本明細書では詳細に説明しない装置によって金型の開閉を行う。
【0032】
図3Aは、金型を閉じる前の金型システム1を示している。段ボール・ブランクKは、固定金型部分20の金型プレート7上の小型ホルダー(図示されていない)にロボットによって移動される。この後に、金型は閉じられる、つまり、コア41が金型キャビティ71内に落ち着き、その間に残っている段ボール・ブランクKは、トレイ形状の容器内に圧入される。
【0033】
コア41がキャビティ71内に落ち着いた後にブランクを整形し始める段階が、図3Bに示されている。シール表面、つまり、シール・リングのシール表面5aとカラー・リングのシール表面61aは、アクチュエータ33の力によって段ボール・ブランクKにもたれかかり、ブランクKを前記シール表面5a及び61aと固定金型部分の金型プレート7のシール表面7aとの間の圧縮段階におけるその縁に保持する。
【0034】
図3Cは、金型が完全に閉じられ、金型部10及び20が互いに押圧し合い、それらの間の段ボール・ブランクKがトレイ内に圧入され、それにより、トレイの側壁の上縁がカラー・リング6のシール表面61aと同一平面にあるか、又はそれより少し前にある状況を示している。ブランクの縁にかかる最後の保持力は、カラー・リング6のカラー61の面61aによってもたらされ、これに当たる形で固定金型部分のキャビティ71の周りを囲む金型プレートのシール表面7aがある。
【0035】
図3Dは、金型がまだ閉じられているが、カラー・リング6は、固定金型部分20のシール表面71aから逆方向に、つまり、可動金型部分10の射出部3の方向に短い距離だけ移動している状況を示している。この移動は、正確な移動を実行するアクチュエータによって、例えば、射出用モーターにより射出バー31を引っ張ることによって行われる。次いで、小さな鋳造キャビティ43が、キャビティ71の周りを囲むシール表面7a、シール・リング5のシール表面5a、カラー・リング6のカラー61の面61a、及びコア41の面41aの間に残り、鋳造キャビティはトレイの外縁と接触し、トレイを円環状に取り囲む。溶融プラスチック材料がこの鋳造キャビティ43内に注ぎ込まれると、これは、トレイの側壁から外向きに延在するフランジ状リムを形成する。その形状のため、カラー・リング6は、形成コア41に対してきつく締められ、鋳造キャビティ43の機密性が確実に保持される。鋳造材料の射出路は、固定金型部分20の型枠8を通るように配置され、鋳造されるプラスチックはそこを通って鋳造キャビティ43に移動する。射出路は、整形される容器の構造に応じて、他の方法で射出キャビティ内に到達するように配置することもできる。
【0036】
溶融プラスチック材料が、鋳造キャビティ43内で固化した後、再び金型を開いてその開放位置にすることができる。次いで、射出部3は、まだ後部位置にある。射出部3が、射出ロッド31によって押されて前部位置に来ると、これは、仕上がった容器を可動金型部分10から取り外し、それと同時に、カラー・リング6を前部位置に再び移動することができる、つまり、図3Aに示されている位置を再びとる。次いで、前部金型20の金型プレート7のシール表面7aは、射出表面として働き、これを射出バー31が押し、そのときに、仕上がった容器が金型から取り外される。この後、ロボットが、仕上がった容器を取り出して、それを新しいブランクKと交換し、その後、この作業段階が上述のように繰り返される。
【0037】
金型キャビティとして、丸形底部を持つ容器に適したキャビティを使用することによって、また注目している金型キャビティの形状に合うように形成コアの成形部分の形状を適合させることによって、上述の金型システムは、例えば、段ボール・ブランクから圧縮成形され、丸形底部57及び底部57に連設される上方に延在する壁59を備える本体部58を有する、図2Cに示されている容器500を形成するために使用できる。外向きに延在するフランジ状プラスチック・リム50は、壁59の上縁に鋳造される。
【0038】
図2Cに示されている容器が、段ボール・ブランクから押圧される、その本体部58、つまり底部57又は壁59に合わせて両面装飾又は機能性型押し若しくは象眼細工形状を形成することによって整形される場合、これは、図4に従って、本発明による金型システムで使用される形成コア及び対応する金型キャビティ71を変えることによって実行されうる。図4は、コア・プレート4に取り付けられ、2つの部分、すなわちその長さが変えられず、また形成コアのコア・プレート4に取り付けられている基礎部分41fとその長さを変えることができ、前記基礎部分に取り付けられる取付具部分41gからなる、形成コア41の概略を示している。突出部410は、同時に取付具部分41gのコアの外縁41bとして働く、取付具部分41gの外縁411bに連設され、突出部は挿入部として使用され、コアの外縁の平面から下方に、つまり、金型プレート7のシール表面7aの平面の方向に垂直な方向に、向き付けられる。図4は、コア・プレート4の下に配置され、形成コア41の周りを囲む、カラー・リング6も示している。コア41の取付具部分41gは、所望のスポットのところでコアの基礎部分41fに連設されるが、一般的に、段ボール・ブランクKが図3A〜3Cに示されている方法で押圧整形されるときに、取付具部分41fがコアの形成部、つまり、金型キャビティ71内に嵌入される部分を構成するようにコア41を形成することが最も好ましい。次いで、取付具の面411aは、コアの面41aとして機能し、これは、コア41が金型キャビティ71内に圧入されるときに、可動金型部分10の方向に金型プレート7のシール表面7aと同一平面にあるか、又はそれより少し高い。コア41の取付具部分41gは、ネジ締め具などの適切な締め具によってコアの基礎部分41fに連設される。基礎部分41fとコアの取付具部分41gとの間の継手は、作られる容器のプラスチック・リムにコピーされないので、コアの取付具部分41gとコアの基礎部分41fとの相互締め付けも、当業者によって知られている他の締め付け方法によって実装されうる。次に、図4による形成コアと金型キャビティの対において、コアの取付具部分41gの突出部410に対応する陥凹部710が、金型プレート7の金型キャビティ71の基部71b上に形成される。この場合、金型キャビティ71の挿入部は、実際には、金型キャビティの平坦な基部71bから取り外され、底部71bに再連設されうる挿入部であり、そのときに、図5による金型システムは形成されることになっており、そこでは、金型キャビティ71の底部71bは、平坦であり、その方法で、片面形状が、段ボール・ブランクから形成される容器部分の本体部58に形成される。図4による形成コアと金型キャビティの対が、図1〜3によって前の方で示されている方法で容器500の製造において使用されるときに、コア取付具部分41gの突出部410は、圧縮段階で、つまり、上で図3B及び3Cで示されている作業段階において金型キャビティ71の底部71bに押圧される。その場合、突出部410は、形成コア41と金型キャビティ71との間に置かれている段ボール・ブランクを、金型キャビティ71の底部71b上にあり、前記突出部より少し広い底部面積及び突出部と同じ形状を有する陥凹部710の方へ押す。したがって、容器の内側陥凹部が、作られる容器500の底部57の内面にコピーされ、底部外面の残り部分から下方に延在する対応する出っ張りが、底部の外面にコピーされる。
【0039】
図5に示されている形成コア41及びそれに対向する金型キャビティ71は、図4による形成コア及びそれと対向する金型キャビティと、金型キャビティ71bの底部が今では平らであるという点でのみ異なる。基部は、基部を深くする挿入部710を備えていないか、又は金型キャビティの基部の取り外し可能な挿入部710は、基部に再び取り付けられる。図5による形成コアと金型キャビティの対が、容器500の製造において使用されるときに、コア取付具部分41gの突出部410は、圧縮段階で金型キャビティ71の底部71bに押圧され、突出部410は、形成コア41と金型キャビティ71との間にある段ボール・ブランクKを、図3A〜3Bに示されている方法で、金型キャビティ71の平らな底部71bの方へ押す。陥凹部は、作られる容器500の底部57の内面にのみコピーされ、底部71bの外面は平坦なままである。
【0040】
図6は、金型キャビティ71の基部71b上に金型キャビティ71の深さを少なくする取り外し可能な挿入部720を配置することによって段ボール・ブランクから押圧される容器500の深さ、つまり、その壁の上縁から容器底部までの距離を変える本発明の一実施例を示している。
【0041】
図6は、取り外し可能な挿入部720が金型キャビティ71の基部の上に取り付けられている、金型プレート7を示している。金型キャビティの上縁、つまり、金型プレート7の上面(シール表面)は、金型キャビティの最大深さでもある、基部71bによって画定される平面からの高さHのところにある。挿入部720の底部は、基部71b上に支持される。新しい挿入部(スペーサー)が金型キャビティの基部71b上に加えられた場合、その高さをhとすると、挿入部720の上面71bは金型キャビティの新しい底部71bとして働き、したがって、金型キャビティの深さは深さHから新しい深さH−hに減らされる。図6の挿入部の形状により、挿入部を金型キャビティの基部上にぴったり嵌合することができ、金型キャビティ71の下側部分の基部71b及び壁71aによって画定される空間を基部によって画定される平面からの金型キャビティの高さhまで完全に充填する。挿入部の上面71bは、連続的な平面であり、このため、これは金型キャビティの新しい底部として使用できる。挿入部の連続的上面は、下方へ凹である形状、又は上方に凸である形状を、もしこれが意図された容器の底部57の形状に関して適したものであれば有することも可能である。
【0042】
金型キャビティ71の深さが、挿入部720によって少なくされ、これにより金型キャビティ71の新しい深さが、H−hとなった場合、コアの基礎部分41、41fの端部に連設され、その長さを変えないコア取付具部分41gの長さは、金型キャビティ71の底部に留置されている挿入部720の高さhだけ縮小される。次いで、図3Bによる段ボールの圧縮段階において金型キャビティの内側を貫通する、コアの形成部分の長さは、H−hとなる。
【0043】
次いで、コアは、基礎部分41、41fと基礎部分の上に連設されうる取付具部分41gとからなる。このようにして、コアの形成部分の長さは、それに対応して、その長さを変えないコア基礎部分41fの長さとその長さを変え、コアの基礎部分の上に連設されるコア取付具部分41gの長さとを、互いに関して変えることによって変えることができる。このようにして、とりわけ、トレイ底部の表面積は、トレイの深さの変化に関係なくこれまで通りに保たれる。
【0044】
金型キャビティ71の底部71bに取り付けられている、図6に示されている挿入部720は、永久磁石Mを含む磁石システムSを使って金型キャビティの底部57に取り外し可能なように連設される。ネジ締め付けなどの他の取り外し可能な締め付け方法も使用できる。磁石システムSにおいて、永久磁石Mと磁化可能挿入部720の周りを囲む絶縁材Eが、金型キャビティ71内に形成される。その代わりに、磁石システムSは、それの周りを囲む磁化不可能な絶縁材片によって絶縁することができ、これによって、次いで、挿入部720は、磁石システムSを向く表面と異なる表面上において磁化不可能なコーティングで被覆することができる。この解決策は、磁石の方を向く面と異なる側の面上において磁化不可能なコーティングで被覆するときに、磁化可能挿入部の磁界が金型の動作を妨げないという利点を持つ。
【0045】
磁石システムSは、非磁性金属M2の両面に置かれる磁化可能金属、ここでは2枚の鉄板Me1及び、アルミニウムなどの磁化不可能な金属板Me1の開口部内に嵌入される、丸形の断面プロファイルを持つ永久磁石の棒Mからなる。磁石Mが開口部内で回されると、これによって発生する磁界が変化する。磁石が回転され、磁界が鉄板Me1の方向に移動すると、これにより、磁石の作用が妨げられ、磁界は挿入部720の中を通らない。次いで、磁石は、オフ位置に置かれる。永久磁石の棒Mが、反対方向に回されると、磁界は鉄板Me1に向かって移動し、非磁性金属Me2を通り、それによって、鉄板Me1は磁界を強め、磁石はオン位置に来る。磁界がオフ位置に置かれるように非磁性金属Me2にある開口部内の永久磁石の棒を回すことによって、挿入部720を他の挿入部と素早く交換することができる。磁石を回してオン位置に戻すことによって、挿入部720は、金型キャビティ71の底部71bに取り付けることができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施例のみが、上で説明されており、当業者には、本発明が請求項で開示されている本発明の範囲内にある他のさまざまな方法で実装されうることは明白である。
【0047】
したがって、永久磁石は、金型キャビティの基部に留置されている挿入部、したがって永久磁石も比較的小さい場合に、金型キャビティの絶縁なしで使用することもできる。
【0048】
したがって、図4及び5による本発明の実施例では、コア・プレート4上にあるコア41を丸ごと交換することができる。その場合、図4及び5において挿入部として使用されるコア41の突出部410は、実際の形成コア41の外縁41bに取り付けられる。同様に、図4及び5に示されている本発明の実施例において、コア41の取付具部分41gが突出部410を備え、金型キャビティ71の底部71bが前記突出部410に対応する陥凹部710を備えているとしても、金型キャビティ71の底部71bに上方に延在する突出部を、金型コア41の取付具部分41gの外縁411bに対応する陥凹部を備えることによって同じ最終的結果に達する。図6のコア・プレート内で置き換えられるコア41の長さは、段ボール・ブランクの圧縮段階において金型キャビティの内側を貫通するコア部分の長さが挿入部を備える金型キャビティの深さH−hと同じになるように金型キャビティの深さの変化に合わされる。
【0049】
容器500の壁59も、さまざまな機能的な又は装飾的な片面若しくは両面型押し又は象眼形状を備えることができる。その場合、出っ張り及び陥凹部は、コアの外側端部及び成形キャビティの底部71bの代わりに、コア41又はその取付具部分41gの壁、及び/又は金型キャビティの壁71aに付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに向かい合わせで配置されている、可動金型部分(10)と固定金型部分(20)とを備える、段ボール製容器を製造するための金型システム(1)であって、前記金型システムによって、段ボール・ブランクから押圧される底部(57)、及び前記底部に連設された壁(59)、及び前記壁を取り囲み、プラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、前記壁の上縁に連設されたリム(50)を有する容器(500)を製造することができ、これにより、固定金型部分(20)に関して移動可能な前記金型部分(10)は、コア(41)と、前記コア(41)に関して移動可能であり、遮断表面(5a)を有し、前記コア(41)の周りを囲む、板状シール・リング(5)と、前記コア(41)と前記シール・リング(5)との間に合うように挟装することができ、容器上にリム(50)を形成するために使用される、前記シール・リング(5)と前記コア(41)の両方に関して移動することができる、カラー・リング(6)とを備える少なくとも1つのコア・プレート(4)を備え、固定金型部分(40)は、金型キャビティ(71)及びシール表面(7a)を備える少なくとも1つの金型プレート(7)を有し、前記金型システム(1)において、挿入部(720)は、前記金型キャビティ(71)の基部(71b)で支持され、取り外し可能なように前記基部(71b)に取り付けられ、前記挿入部は前記金型キャビティの深さHをその高さhだけ小さくし、したがって、前記挿入部(720)の連続表面(71b’)は、前記金型キャビティの新しい底部(71b’)として働き、また前記段ボール・ブランクの圧縮段階で前記金型キャビティの内側を貫通する前記コア(41)の部分の長さHは、それぞれ、前記コア・プレート内の前記コア(41)を短いコアで置き換えるか、又はその長さを変えない前記コア(41)の前記基礎部分(41g)に、その長さを変えられる取付具部分(41f)を取り外し可能なように取り付けることによって、前記挿入部の高さhだけ短縮することができ、これにより、前記コア又は前記コアの前記取付具及び互いに対応する前記金型キャビティの前記基部の前記挿入部(720)は、前記容器壁(59)の前記上縁からの、前記段ボール・ブランクから押圧される、製造される前記段ボール・ブランクの深さ、つまり、前記容器底部(57)の距離を変えるために使用できることを特徴とする金型システム。
【請求項2】
挿入部(720)は、前記金型キャビティ(71)の前記基部(71b)に取り外し可能なように取り付けることができ、前記挿入部の高さはhであり、前記金型キャビティの前記基部(71b)及び前記金型キャビティの前記基部に連設される壁(71a)によって制限される、前記成形キャビティの下側部分にぴったり適合されうる形状を有し、前記挿入部(720)は、前記容器(500)の前記リム(50)と前記底部(57)との間の距離を短くすることができ、前記容器は段ボール・ブランク及び前記底部に連設された壁(59)から押圧される底部(57)を備え、前記リム(50)はプラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、前記壁の前記上縁に連設され、前記壁を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の金型システム(1)。
【請求項3】
前記挿入部(720)は、前記金型キャビティ(71)の前記底部に磁気的に取り付けることができることを特徴とする請求項1又は2に記載の金型システム(1)。
【請求項4】
前記挿入部(720)は、永久磁石(M)によって前記金型キャビティ(71)の前記基部(71b)に取り付けることができ、前記永久磁石の磁界はオン、オフ切り替え可能であることを特徴とする請求項3に記載の金型システム(1)。
【請求項5】
前記挿入部(720)は、永久磁石(M)及び永久磁石(M)の周りを囲む絶縁材(E)を含む磁石システム(S)を使って前記金型キャビティ(71)の前記基部(71b)に取り付けることができ、前記磁化可能挿入部(720)は、磁石システム(S)内の前記金型キャビティ(71)内に形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の金型システム(1)。
【請求項6】
前記磁石システム(S)は、非磁性金属(Me2)の両面に付いている、磁化可能金属(Me1)と磁化不可能な金属板(Me1)の開口部内に嵌入する永久磁石の棒(M)とからなることを特徴とする請求項5に記載の金型システム(1)。
【請求項7】
前記コア(41)は、その長さが変わらない基礎部分(41、41f)と前記基礎部分(41、41f)の上に連設されうる、前記コアの取付具(41、41g)とからなり、前記コア(41)の形成部分の長さは、前記コアの前記基礎部分(41f)の上に加えられる前記コア取付具(41g)の長さを変えることによって変えることができることを特徴とする請求項2から4までのいずれか一項に記載の金型システム(1)。
【請求項8】
挿入部(720)は、前記金型キャビティ(71)の前記底部に取り付けることができ、前記挿入部は、前記容器壁(59)の前記上縁からの、前記段ボール・ブランクから押圧される、前記段ボール・ブランクの深さ、つまり、前記容器底部(57)の距離を減らすか、又は増やすために使用できる、したがって前記容器底部面積は変わらないままであることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載の金型システム。
【請求項9】
段ボール・ブランク(K)は、形成コア(41)と金型キャビティ(71)との間に挟圧され、これにより、容器底部(57)及び前記底部を取り囲む壁(59)を形成し、その後、前記壁を取り囲み、少なくとも部分的にプラスチックからなるフランジ状リム(50)は、前記壁の上縁上の鋳造によって形成され、さらに、前記金型キャビティ(71)の前記底部に取り付けられている前記挿入部(720)及び/又は前記コア(41)及び前記コアの前記基礎部分(41f)に連設されている取付具(41g)は、前記容器壁(59)の前記上縁からの、前記段ボール・ブランクから押圧される前記容器底部(57)の距離を変えるために使用されることを特徴とする請求項1に記載の金型システムによって段ボール製本体部(58)を有する容器(500)を製造する方法。
【請求項10】
前記段ボール・ブランク(K)は、前記シール・リングの前記シール表面(5a)と前記カラー・リングのシール表面(61a)とそれらに対向する前記金型プレートの前記シール表面(7a)との間に、少なくとも、前記段ボール・ブランク(K)が前記金型キャビティ(71)内に摺動して入ってしまうまで挟持され、鋳造キャビティは、前記容器壁を取り囲み、少なくとも部分的にプラスチックからなる前記フランジ状リム(50)を形成するために、この後まで、金型システム内に形成されないことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項1】
互いに向かい合わせで配置されている、可動金型部分(10)と固定金型部分(20)とを備える、段ボール製容器を製造するための金型システム(1)であって、前記金型システムによって、段ボール・ブランクから押圧される底部(57)、及び前記底部に連設された壁(59)、及び前記壁を取り囲み、プラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、前記壁の上縁に連設されたリム(50)を有する容器(500)を製造することができ、これにより、固定金型部分(20)に関して移動可能な前記金型部分(10)は、コア(41)と、前記コア(41)に関して移動可能であり、遮断表面(5a)を有し、前記コア(41)の周りを囲む、板状シール・リング(5)と、前記コア(41)と前記シール・リング(5)との間に合うように挟装することができ、容器上にリム(50)を形成するために使用される、前記シール・リング(5)と前記コア(41)の両方に関して移動することができる、カラー・リング(6)とを備える少なくとも1つのコア・プレート(4)を備え、固定金型部分(40)は、金型キャビティ(71)及びシール表面(7a)を備える少なくとも1つの金型プレート(7)を有し、前記金型システム(1)において、挿入部(720)は、前記金型キャビティ(71)の基部(71b)で支持され、取り外し可能なように前記基部(71b)に取り付けられ、前記挿入部は前記金型キャビティの深さHをその高さhだけ小さくし、したがって、前記挿入部(720)の連続表面(71b’)は、前記金型キャビティの新しい底部(71b’)として働き、また前記段ボール・ブランクの圧縮段階で前記金型キャビティの内側を貫通する前記コア(41)の部分の長さHは、それぞれ、前記コア・プレート内の前記コア(41)を短いコアで置き換えるか、又はその長さを変えない前記コア(41)の前記基礎部分(41g)に、その長さを変えられる取付具部分(41f)を取り外し可能なように取り付けることによって、前記挿入部の高さhだけ短縮することができ、これにより、前記コア又は前記コアの前記取付具及び互いに対応する前記金型キャビティの前記基部の前記挿入部(720)は、前記容器壁(59)の前記上縁からの、前記段ボール・ブランクから押圧される、製造される前記段ボール・ブランクの深さ、つまり、前記容器底部(57)の距離を変えるために使用できることを特徴とする金型システム。
【請求項2】
挿入部(720)は、前記金型キャビティ(71)の前記基部(71b)に取り外し可能なように取り付けることができ、前記挿入部の高さはhであり、前記金型キャビティの前記基部(71b)及び前記金型キャビティの前記基部に連設される壁(71a)によって制限される、前記成形キャビティの下側部分にぴったり適合されうる形状を有し、前記挿入部(720)は、前記容器(500)の前記リム(50)と前記底部(57)との間の距離を短くすることができ、前記容器は段ボール・ブランク及び前記底部に連設された壁(59)から押圧される底部(57)を備え、前記リム(50)はプラスチックで少なくとも部分的に鋳造され、前記壁の前記上縁に連設され、前記壁を取り囲むことを特徴とする請求項1に記載の金型システム(1)。
【請求項3】
前記挿入部(720)は、前記金型キャビティ(71)の前記底部に磁気的に取り付けることができることを特徴とする請求項1又は2に記載の金型システム(1)。
【請求項4】
前記挿入部(720)は、永久磁石(M)によって前記金型キャビティ(71)の前記基部(71b)に取り付けることができ、前記永久磁石の磁界はオン、オフ切り替え可能であることを特徴とする請求項3に記載の金型システム(1)。
【請求項5】
前記挿入部(720)は、永久磁石(M)及び永久磁石(M)の周りを囲む絶縁材(E)を含む磁石システム(S)を使って前記金型キャビティ(71)の前記基部(71b)に取り付けることができ、前記磁化可能挿入部(720)は、磁石システム(S)内の前記金型キャビティ(71)内に形成されることを特徴とする請求項3又は4に記載の金型システム(1)。
【請求項6】
前記磁石システム(S)は、非磁性金属(Me2)の両面に付いている、磁化可能金属(Me1)と磁化不可能な金属板(Me1)の開口部内に嵌入する永久磁石の棒(M)とからなることを特徴とする請求項5に記載の金型システム(1)。
【請求項7】
前記コア(41)は、その長さが変わらない基礎部分(41、41f)と前記基礎部分(41、41f)の上に連設されうる、前記コアの取付具(41、41g)とからなり、前記コア(41)の形成部分の長さは、前記コアの前記基礎部分(41f)の上に加えられる前記コア取付具(41g)の長さを変えることによって変えることができることを特徴とする請求項2から4までのいずれか一項に記載の金型システム(1)。
【請求項8】
挿入部(720)は、前記金型キャビティ(71)の前記底部に取り付けることができ、前記挿入部は、前記容器壁(59)の前記上縁からの、前記段ボール・ブランクから押圧される、前記段ボール・ブランクの深さ、つまり、前記容器底部(57)の距離を減らすか、又は増やすために使用できる、したがって前記容器底部面積は変わらないままであることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一項に記載の金型システム。
【請求項9】
段ボール・ブランク(K)は、形成コア(41)と金型キャビティ(71)との間に挟圧され、これにより、容器底部(57)及び前記底部を取り囲む壁(59)を形成し、その後、前記壁を取り囲み、少なくとも部分的にプラスチックからなるフランジ状リム(50)は、前記壁の上縁上の鋳造によって形成され、さらに、前記金型キャビティ(71)の前記底部に取り付けられている前記挿入部(720)及び/又は前記コア(41)及び前記コアの前記基礎部分(41f)に連設されている取付具(41g)は、前記容器壁(59)の前記上縁からの、前記段ボール・ブランクから押圧される前記容器底部(57)の距離を変えるために使用されることを特徴とする請求項1に記載の金型システムによって段ボール製本体部(58)を有する容器(500)を製造する方法。
【請求項10】
前記段ボール・ブランク(K)は、前記シール・リングの前記シール表面(5a)と前記カラー・リングのシール表面(61a)とそれらに対向する前記金型プレートの前記シール表面(7a)との間に、少なくとも、前記段ボール・ブランク(K)が前記金型キャビティ(71)内に摺動して入ってしまうまで挟持され、鋳造キャビティは、前記容器壁を取り囲み、少なくとも部分的にプラスチックからなる前記フランジ状リム(50)を形成するために、この後まで、金型システム内に形成されないことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2011−530431(P2011−530431A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522528(P2011−522528)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【国際出願番号】PCT/FI2009/050657
【国際公開番号】WO2010/018306
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(508096585)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【国際出願番号】PCT/FI2009/050657
【国際公開番号】WO2010/018306
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(508096585)
【Fターム(参考)】
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