説明

殺菌剤、静菌剤及び抗炎症に関する方法と組成

本発明は特に細菌感染による疾患治療用の殺菌剤又は静菌剤を提供する方法に関する。治療的に有効量のデキストロメトルファン又はナロキソンの化合物、又はその薬学的容認の塩又は類似物を、その治療が必要な患者に投与することを含む方法。この化合物を患者の皮膚表面又は粘膜表面に塗布する。この発明は又マクロファージからのTNF−α、IL−β又はMCP−1分泌の抑制で生ずる炎症の治療法に関し、治療的に有効量のNADPHオキシダーゼ阻害剤をその治療が必要な患者に投与することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は殺菌剤又は静菌剤を提供する方法に関する。又この発明はマクロファージで腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)及びインターロイキン−6(IL−6)又は単球走化性タンパク質−1(MCP−1)が起こす炎症の治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
ざ瘡は十代の若者では90%の発生率で起こり、又二十代は三十代でもまれな間隔で見られる。ざ瘡(又尋常性ざ瘡)は皮脂腺と毛包に発生する慢性炎症疾患又は障害であり、その病因病理学としては、皮脂の過剰分泌、毛包表皮の異常角化、嫌気性皮膚生着菌であるアクネ菌(P.acnes)の過成長、及び他の原因が挙げられる。ざ瘡は、通常皮膚のもっとも目立つ部分である顔、胸、背中、首及び上腕に見られ、面疱、膿疱、ループス、小ノブ又は瘢痕として特徴づけられる。
【0003】
世界中で何百万の人がざ瘡に悩む。現在利用できる治療法は、患者に悪影響があるもの(疱疹、光過敏性、アレルギー反応)から患者に有効性が欠けるか又は最小な(例えば治療薬に対する微生物抵抗性により)範囲で種々の不都合がある。従ってざ瘡、特に尋常性ざ瘡治療又は制御用の代替え治療法の必要性が続いている。
【0004】
これらの角質嵌入での細菌増殖の結果、毛包が破裂して膿疱、丘疹、嚢胞及び小結節の形状となる疾患の炎症段階が始まる。この苦痛の治療に多くの異なるやり方が用いられてきたが、いずれも普遍的に有効ではなく大部分は好ましくない副作用を有する。
【0005】
広く使用されるOTC鎮咳薬であるデキストロメトルファン(DM、(+)−3−メトキシ−17−メチル−9α、13α、14α−モルフィナン)は、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体の非競合的拮抗薬であり、Hcy(ホモシステイン)とその代謝物の有害作用から守る。オピエートアゴニストのレボルファノールのD−異性体であるDMは、このオピエートに関連する鎮痛効果又は鎮静効果のいずれも持たない。DMはNMDA受容体の拮抗薬として作用し、NMDA受容体が仲介する神経インパルスと神経シグナルの伝達を抑制する。更にDMは、又神経特異的カルシウムチャネルの活動を抑制すると報告されている。
【0006】
DMは、流感や風邪のような上気道疾患に関連する咳症状の治療と軽減に用いる鎮咳薬である。これはその臭化水素酸塩、DM−HBr(デキストロメトルファン臭化水素酸塩)の形で市販されている。この塩は消化液に容易に溶け、DMが血流に送られる。この薬物の生物学的修飾及び/又は身体からの除去が直ちに始まる。身体で即時放出する薬物の常用量は、約15乃至約30mgの範囲で4乃至6時間毎に投与する。
【0007】
DMは合成オピオイドである。通常DMの臭化水素酸塩が薬理学的に用いられるが、他の塩も排除されない。(+)−3−メトキシ−17−メチル−9α、13α、14α−モルフィナンの生成は、米国特許2,676,177(シュナイダー等(Schnider et al.))と、ハフリガー等(Hafliger et al.)、ヘルベティカキミカアクタ(Helv. Chil. Acta)、39巻、1956年、2053頁に開示された。
【0008】
鎮咳薬としてではないDMの経皮投与が、例えば凍結ゲル絆創膏に関する米国特許5,260,066で知られている。
【0009】
デキストロメトルファン(DM)は咳止めシロップとして広く使用され、人に十分安全で、OTC薬として広く使用できることが示された。経口投薬形態で、それ単独か又はキニジンと共に一日当たり最大120ミリグラム(mg)まで十分許容され、大幅により少ない用量(例えば30mg/日)を受ける場合にも薬効が観察された(米国特許5,206,248)。
【0010】
DMは弱い非競合的NMDA受容体拮抗薬であり、受容体複合体のフェンシクリジン部位と中乃至高親和性で結合する。しかしDMは更なる特異的薬理学的特性を有する。DMは高親和性のシグマ1部位のリガンドであることが結合の研究により示され、最初は拮抗薬として作用すると提案されたが、より最近にはアゴニストとして作用することが提案された(モーリス等(Maurice et al.)、ブレインリサーチブレインリサーチレビュー(Brain Res. Brain Res. Rev.)、2001年、37巻、116−32頁)。シグマリンガンドは又NMDA応答を調節する。
【0011】
チエン−チュウアンウオン等(Chien-Chuan Wang et al.)はラットでリポ多糖体(LPS)誘発内毒血症モデルを用いた。この研究で彼らは敗血症でのサイトカイン又は一酸化窒素産生の減少が、内毒血症の動物でのDMの薬効を伴うか否かを調べた。彼らの結果は、DMが腫瘍壊死因子(TNF−α)(従ってIL−10の産生を間接的に抑制する)、一酸化窒素及びスーパーオキシドアニオンを阻害し、げっ歯類のLPS誘発内毒血症に有害な影響(循環障害と死亡を含む)の発生を緩和することを示した。これらの結果により、DMが敗血症患者の治療として開発の可能性がある薬効を有することが示された(ウオン等(Wang et al.)、ジャーナルオブバイオメディカルサイエンス(J. Biomed. Sci.)、2004年、11巻、739−747頁)。
【0012】
ナロキソン(商品名ナルカン(Narcan))は、ヘロインやモルヒネのようなオピエートの過量投与の影響に対向するのに用いる医薬品である。ナロキソンはヘロイン中毒者に対する応急キットの一部として流通し、死亡率を低下することが示された。この医薬品は又体が自然に産生する痛み低下エンドルフィンの作用を遮断する。これのありそうな理由は、これらのエンドルフィンが同一オピエート受容体に作動することである。
【0013】
米国特許5,366,980には、皮膚炎、特に非処方薬には十分応答しない重度の皮膚炎に悩む人患者の治療法が開示されている。こうような患者は、通常咳止めシロップで用いる鎮咳薬のDMを用いて治療する。この患者が所謂“高代謝群”の場合には、酸化防止薬(キニジンのような)を同時投与して、DMをその代謝物であるデキストルファンに迅速に変換する酵素のデブリソキンヒドロキシラーゼのDM分解活性を阻害できる。この治療が重度の皮膚炎の治療に非常に有効であることが示され、大部分の患者でこの医薬品の組み合わせが有意な有害な副作用を起こさない。
【0014】
ノックアウトマウスの使用により、粥状動脈硬化症のマクロファージ補充の誘引での化学誘引物質サイトカイン(ケモカイン)の単球走化性タンパク質(MCP−1)が関係づけられた。アテローム硬化性危険因子と関連するマクロファージ活性化刺激物としては、酸化低密度リポタンパク質(oxLDL、“悪玉コレステロール”)、糖尿病の終末糖化産物(AGE)、アンジオテンシンII及びエンドセリンが挙げられる。大量の研究により、OxLDSがマクロファージスカベンジャー受容体(MRS)、特にMSRAとCD36を通してマクロファージを活性化することが明らかになった。活性化マクロファージは、細胞を死滅し細胞外基質を分解するエフェクター分子を発現する。これらとしてはFas−Lと一酸化窒素(NO)が挙げられる。マクロファージNOは、高拍出誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)経路で誘導され、血管平滑筋(VSMC)細胞表面Fasを上方制御してそれらのアポトーシスを刺激する。活性化マクロファージは、細胞傷害性Tリンパ球とナチュラルキラー細胞と同様に表面Fas−Lを発現する。VSMCは血小板の安定性を促進するので、VSMCのアポトーシスは血小板の破裂を促進できる。マクロファージは、細胞外基質を分解する多種メタロプロテイナーゼ(例えばストロメライシン)とセリンプロテアーゼ(例えばウロキナーゼ)を発現し、その血小板を弱め破裂し易くする。
【0015】
マクロファージは、反応性酸素種、エイコサノイド、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、インターロイキン−1(IL−1)及びインターロイキン−6(IL−6)を含む他の多くのエフェクターを分泌する。マクロファージ由来のトランスフォーミング増殖因子ベータは線維症を促進する。アンジオテンシンII受容体拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素阻害剤、アスピリン、コレステロール低下薬、特にスタチンを含む既存の心血管疾患治療はマクロファージを阻害できる。一酸化窒素ドナーとマクロファージとアポトーシスとの相互作用は複雑で二機能性である。グルココルチコイドやシクロホスファミドのような伝統的な抗炎症薬は、非常に重い副作用があり、恐らく不適切である。
【発明の開示】
【0016】
本発明は細菌感染による疾患の治療法を提供し、治療有効量の殺菌性化合物をその治療が必要な患者に投与することを含む。
【0017】
本発明は更にマクロファージからのTNF−α、IL−6又はMCP−1の分泌抑制で生ずる炎症疾患の治療法を提供し、治療有効量のNADPHオキシダーゼ阻害剤をその治療が必要な患者に投与することを含む。
【0018】
本発明は又NADPHオキシダーゼ阻害剤と殺菌性化合物を含む組成を提供する。
【0019】
本発明の他の目的と特性は、付随図面との関連で考察する以下の詳細説明で明らかになる。しかしこの図面は説明目的を策定するにしか過ぎず、この発明の限界の規定を策定するものではなく、付随の特許の請求項を参照する必要があることを理解する必要がある。更にこの図面は必ずしも縮尺で描いてはなく、異なるように指示していない場合には、図面はここに記載の構造と手順を概念的に示す意図にしか過ぎないことを更に理解する必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
細菌感染で生ずる疾患又は障害の大部分は、病原体の大量増殖と炎症のような好ましくない副作用が関与する。病原体増殖を死滅又は阻害する多くの抗生物質と、炎症治療用の幾つかの医薬品が存在するが、ざ瘡のようなやや面倒な疾患には良好な治療性能が得られなかった。
【0021】
本発明により置換モルフィナン(デキストロメトルファンのような)が、細菌(アクネ菌のような)に対し殺菌活性と静菌活性を有することが示された。
【0022】
従って本発明は細菌感染による疾患の治療法を提供し、治療有効量の式I又は式IIの化合物、又は薬学的容認のその塩又は類似物をその治療が必要な患者に投与することを含み、

ここでRはC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロ、アルキルC1-6アルキル又はC2-6アルキレンで、Rは水素原子、水酸基、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル又はC2-6アルキレンである。
【0023】
式Iの好ましい塩は、デキストロメトルファン臭化水素塩、又はデキストロメトルファンリン酸塩である。式IIの好ましい化合物は、17−アリール−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナロキソン)、又は17−(シクロプロピルメチル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナロキソン)(ナルトレキソン)である。式Iの好ましい化合物は、(+)−3−メトキシ−17−メチル−9α、13α、14α−モルフィナン(デキストロメトルファン)である。モルヒネ、コデインやヘロインのような中毒性鎮痛オピエートの大部分は、左旋性立体異性体(偏光を所謂左手方向に回転する)である。これらは立体配置で“モルフィナン”構造として知られる4つの分子環を有する。モルヒネの多くの右旋性類似物は、左旋性化合物に比べ遙かに低中毒性である。デキストロメトルファン及びデキストロファンを含むこれらの右旋性類似物の幾つかは、モルフィナン構造の鏡像異性体である。これらの鏡像異性体では、9位と13位炭素原子から広がる環は、上記構造に示したものと反対方向に配向する。
【0024】
本発明は又TNF−α、IL−6又はMCP−1のマクロファージからの分泌抑制で生ずる炎症疾患の治療法に関連し、治療有効量のNADPHオキシダーゼ阻害剤をその治療が必要な患者に投与することを含む。
【0025】
本発明の方法に従うと、感染性細菌はグラム陽性又はグラム陰性である。プロピオニバクテリウムは、ゆっくり増殖し、非胞子形成のグラム陽性嫌気性細菌である。これらは棒状又は分岐しており、ただ一つだけ、対として、又は群として発生できる。これは通常グルコースから乳酸、プロピオン酸及び酢酸を産生する。アクネ菌は成人の人皮膚に住むグラム陽性細菌である。これはざ瘡形成に関与するが、通常無害な共生生物として皮脂腺小胞内に住む。これは又中でも心内膜炎、角膜潰瘍のような他の疾患とも関連する。しかしグラム陰性桿菌のバクテロイデスフラジリスは、人の正常結腸細菌ミクロフローラの1%乃至2%を構成する。これは動物と人の下痢と同様に、膿瘍、軟部組織感染症のような腸外感染としばしば関連する。それ故感染性細菌のより良い実施形態は、アクネ菌又はバクテロイデスフラジリスである。感染性細菌の最適実施形態は、ざ瘡を起こすアクネ菌である。
【0026】
医薬組成の用量は、少なくとも治療有効量の活性化合物(即ち式Iの化合物又はその薬学的容認の塩)を含み、好ましくは一つ以上の投与量単位で構成される。治療有効量の式Iの化合物、又は薬学的容認のその塩又は類似物の選択用量を、その治療を必要とする哺乳動物、例えば人患者に、局所的に、例えば軟膏又はクリームとして、経口的に、直腸性に、例えば座薬として、注入による非経口で、又は膣内注入、鼻腔内注入、気管支内注入、耳内注入又は眼内注入による継続的注入を含む任意の周知又は適切な用量投与法により投与できる。この化合物のより良い実施形態では、細菌感染に苦しむ哺乳動物の皮膚表面又は粘膜表面に塗布する。この哺乳動物の最適実施形態は人患者である。
【0027】
“治療有効量”とは、発明性化合物を必要な哺乳動物に投与した場合、細菌活性の阻害により疾患状態の治療の緩和に影響するに十分な発明性化合物の量を意味すること意図する。治療に有効なこの発明の所定化合物の量は、特定化合物、疾患状態とその重症度、これが必要な哺乳動物のアイデンティティーのような因子により変わり、その量は熟練者により日常的に決定できる。
【0028】
この治療が必要な患者に適応するこの化合物の有効量は、10000ppm乃至1ppm、好ましくは5000ppm乃至1ppm、より好ましくは1000ppm乃至1ppm、最も好ましくは1ppmである。
【0029】
ここで用いた“薬学的容認の塩”という用語は、薬学的に容認でき所望の薬理特性を有する任意の塩を意味する。この塩は、決して有毒でもなく、好ましくないこともない無機酸又は有機酸、無機塩基又はアミノ酸を含む有機塩基から誘導塩を含む。適切な無機塩としては、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムと形成した物が挙げられる。適切な有機塩としては、アミン塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルコサミンなどのような有機塩基と形成した物が挙げられる。又この塩としては、無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸)と有機酸(例えば酢酸、クエン酸、マレイン酸及びメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸のようなアルカンスルホン酸とアレーンスルホン酸、スルホン酸及びリン酸)とで形成する酸付加塩が挙げられる。二つの酸性基が存在する場合、薬学的容認の塩は一酸単塩、又は複塩であり得る。同様に二つより多い酸性基が存在する場合には、この基の幾らか又は全てが加塩できる。
【0030】
マクロファージからのTNF−α、IL−6又はMCP−1の分泌抑制によって生じる炎症疾患でのNADPHオキシダーゼ阻害剤の使用が見いだされた。
【0031】
ここでも用いた“NADPHオキシダーゼ阻害剤”という用語は、化合物の薬学的容認塩、その誘導体、その二量体及びそのプロドラッグを含む化合物の全で、代謝的にNADPHオキシダーゼ阻害剤又は酸化バースト阻害剤に変換できる化合物全てを包含すると規定する。安全且つ有効である限り、任意のNADPHオキシダーゼ阻害剤が本発明の方法で使用できる。この化合物の適切な例としては、WO97/19679又は米国特許6090851に示した物が挙げられる。好ましいNADPHオキシダーゼ阻害剤は、式I又は式IIの化合物、又は薬学的容認のその塩又は類似物で、


ここでRはC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロ、アルキルC1-6アルキル又はC2-6アルキレンで、Rは水素原子、水酸基、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル又はC2-6アルキレンである。
【0032】
より好ましいNADPHオキシダーゼ阻害剤は、(+)−3−メトキシ−17−メチル−9α、13α、14α−モルフィナン(デキストロメトルファン)、17−アリール−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナロキソン)又は17−(シクロプロピルメチル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナルトレキソン)である。もっとも好ましいNADPHオキシダーゼ阻害剤は、デキストロメトルファン臭化水素塩、又はデキストロメトルファンリン酸塩である。
【0033】
マクロファージの主な役割は病原体と壊死組織片の除去である。後者の機能が慢性炎症ではより重要である。マクロファージは、又その細胞膜上のMHCクラスII分子を摂取した病原体断片(抗原と呼ばれる)を与える。ヘルパーT細胞がこれを認識し、B細胞にリンホカインの知らせを発する。次いでB細胞は特定抗原、従って病原体に特異な抗体を創成放出する。マクロファージは付着抗体を有する細胞に特別に誘引されるので再度関与する。
【0034】
マクロファージの活性化は、マクロファージの形態と機能活動の変化プロセスであるため、どん欲な食作用になる。マクロファージ活性化因子(maf)のようなリンホカイン、マクロファージ遊走阻止因子(mmif)、免疫複合体、c3b、種々のペプチド、多糖体類及び免疫アジュバントにより活性化が始まる。マクロファージコロニー刺激因子は糖タンパク成長因子であり、関与する株化細胞の増殖とマクロファージへの成熟を起こす。
【0035】
マクロファージは、食作用の役割により免疫系の多くの疾患で関与する。例えばマクロファージは、多数の疾患で起こりうる炎症性病変である肉芽腫形成に参与する。
【0036】
大部分は希な効果のない食作用とマクロファージ機能の幾つかの障害が記載されている。マクロファージ機能の異常活性化は、慢性炎症プロセスと急性炎症プロセスの両者と同様に自己免疫疾患に関連する。
【0037】
多形核好中球(PMN)は炎症疾患で主な役割を果たす。これは感染性微生物の侵入に対する防御の最前線の働きをする。この目的のために、PMNはタンパク質分解酵素と他の細胞毒性酵素で充満された顆粒を含む。PMNは又酵素を放出する以外に貧食でき、酸素を高反応性酸素種(ROS)に変換できる。食作用後、摂取微生物は酵素活性とROS産生の複合作用により食胞内で死滅できる。刺激PMNによるROSの形成は、宿主に有利な生理反応であるが、多くの炎症状態で又有害でこれらラジカルは過剰な組織損傷を生ずる。それ故PMNの他の死滅能力に影響すること無しに、この有害なROS産生を防止できる抗炎症化合物に関する継続的探索が行われている。
【0038】
PMNが微生物制御に用いる機構の一つは呼吸性バーストである。分子酸素が、この機構でNDAPHオキシダーゼと呼ばれる多数成分酵素によりスーパーオキシドアニオンに変換する。食作用中にNADPHオキシダーゼが食胞膜上に蓄積され、スーパーオキシドアニオンと他のROSが、摂取微生物と非常に近接した食胞内に蓄積される。
【0039】
幾つかのNADPHオキシダーゼ阻害剤(デキストロメトルファンのような)が、抗炎症性を示すだけでなく殺菌活性又は静菌活性を与えることには驚く。この効果はざ瘡又は他の皮膚表面又は粘膜表面の治療に特に重要且つ有用である。
【0040】
従って本発明は、NADPHオキシダーゼ阻害剤と、式I又は式IIの化合物、又は薬学的容認のその塩又は類似物と、薬学的容認の担体を含む組成を提供し、


ここでRはC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロ、アルキルC1-6アルキル又はC2-6アルキレンで、Rは水素原子、水酸基、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル又はC2-6アルキレンである。
【0041】
好ましい実施形態では、NADPHオキシダーゼ阻害剤と式Iの化合物の両者は、(+)−3−メトキシ−17−メチル−9α、13α、14α−モルフィナン(デキストロメトルファン)、17−アリール−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナロキソン)又は17−(シクロプロピルメチル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナルトレキソン)に向けられる。
【0042】
本発明の組成は、クリーム、軟膏、ローション、鉱油、化粧品、シャンプー、かゆみ止めクリーム、皮膚パッチ又は表皮投与又は経皮投与で薄く塗る他の物の形状にできる。
【0043】
本発明の方法は、切開、裂創、擦過傷、穿刺傷、水疱、皮膚裂傷、ドナー部位又はグラフト部位、切創、熱傷創又は放射線外傷からなる一群から選ぶ創傷治癒に使用できる。
【0044】
以下の実施例は限定されず、本発明の種々様態と特性の代表にしか過ぎない。
【実施例1】
【0045】
アクネ菌(嫌気性グラム陽性菌)に対するDMの抗菌効果
500000ppm(50%)のDM原液調整。
DM0.25gをジメチルスルホキシド(DMSO)250μlに加え、良く混合されるまで攪拌した。次いで500000ppmに逐次希釈した。
アクネ菌のRCM(強化クロストリジウム培地)培養液5mlを遠心分離した。菌体培養液を20倍希釈により約OD595=0.1x10CFU/mlの濃度に調節した。菌体培養液200μlのアリコットを96穴プレートのそれぞれに分散した。菌体とDM2μlを含む培養液を混合し、各濃度で三組の試験を行った。細菌を嫌気下に37℃、96時間培養し、OD595での値を測定した。最小発育阻止濃度(MIC)は、細菌増殖抑制(例えば増殖阻害)に十分な抗菌剤の最低濃度を意味する。
【0046】
OD595が約0.1x10CFU/mlの菌体を含む培養液0.1mlをRCM寒天プレートに薄く塗った。0.8cmの濾紙をはり、DM20μlをそれに滴下した。細菌を嫌気下に37℃、96時間培養し、抗菌円の大きさを測定した。
結果
表1 アクネ菌のMIC試験(最小阻止濃度試験、試験したDM単位はppmとパーセント%で表す。)
(+:増殖阻害;−−:増殖阻止無し)

表2 嫌気性細菌増殖阻害におけるDMディスク拡散の結果:嫌気性条件下、37℃、96時間の菌叢株アクネ菌

ディスク番号 DMの濃度 透明ゾーンの直径
5 5%DM 34mm
6 2.5%DM 12mm
7 1.25%DM −−
8 0.1%トリクロサン 30mm
【実施例2】
【0047】
バクテロイデスフラジリス(嫌気性グラム陰性菌)に対するDMの抗菌効果
嫌気性チオグリコール酸ブロス中で18乃至24時間増殖したバクテロイデスフラジリスを用いて、マックファランド0.5の菌体懸濁液を処方した。嫌気性チオグリコール酸ブロスでDMSO原液0.5g/mlを希釈した。嫌気性チオグリコール酸ブロス1000μlをDM希釈液1000μlに1:1の比で加えた後、嫌気性恒温器に入れ24時間インキュベートした。
表3 バクテロイデスフラジリスのMIC試験(最小阻止濃度試験、試験したDM単位はppmとパーセント%で表す。)
(+:増殖阻害;−−:増殖阻止無し)

“負の対照”は、DM無しのチオグリコール酸ブロスプラス細菌を意味する。
【実施例3】
【0048】
好気性グラム陰性菌の大腸菌に対するDMの抗菌効果
抗菌ディスク拡散に基づく。
感受性試験はベクトンディッキンソン社(Becton, Dickinson and Company)、フランスか得たミューラーヒントンII(Mueller Hinton II)寒天からなる。
【0049】
ミューラーヒントンII(Mueller Hinton II)寒天の粉末38gを、再蒸留水1Lに懸濁して調整した。この寒天を121℃で15分間加圧殺菌した。この寒天を各寒天プレートに注ぎ、固化するまで待った。大腸菌1x10CFUの培養液100μlをこの寒天プレートに薄く塗り、96時間増殖した。
表4 好気性グラム陰性菌の増殖阻害におけるDMディスク拡散の結果:菌叢株大腸菌の37℃、96時間増殖

DMの濃度 透明ゾーンの直径
10%DM 18mm
5%DM 13mm
2.5%DM 9.5mm
1,2%DM −−
【実施例4】
【0050】
グラム陽性菌の黄色ブドウ球菌に対するDMの抗菌効果
抗菌ディスク拡散に基づく。
感受性試験はベクトンディッキンソン社(Becton, Dickinson and Company)、フランスか得たミューラーヒントンII(Mueller Hinton II)寒天からなる。
【0051】
ミューラーヒントンII(Mueller Hinton II)寒天の粉末38gを、再蒸留水1Lに懸濁して調整した。この寒天を121℃で15分間加圧殺菌した。この寒天を各寒天プレートに注ぎ、固化するまで待った。黄色ブドウ球菌10CFUの培養液100μlをこの寒天プレートに薄く塗り、96時間増殖した。
表5 好気性菌の増殖阻害におけるDMディスク拡散の結果:菌叢株黄色ブドウ球菌の37℃、96時間増殖

DMの濃度 透明ゾーンの直径
10%DM 14mm
5%DM 10mm
2.5%DM −−
1,2%DM −−
【実施例5】
【0052】
方法と結果
単球細胞THP−1を培養し、マクロファージに分化した。このマクロファージを種々濃度のデキストロメトルファン又はナロキソンで1時間前処理し、次いでリポ多糖体(LPS)で24時間インキュベートした。デキストロメトルファン又はナロキソンの前処理により、LPS刺激後THP−1細胞培養液中の腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)及び単球走化性タンパク質−1(MCP−1)の濃度を有意に減少した。
【0053】
材料調整
RPMI培養液、ホルボール12−ミリステートー13−アセテート(PMA)、LPS(大腸菌0111:B4)及びナロキソンをシグマ社(Sigma)から購入した。ヒト単球系THP−1株細胞を、食品工業研究開発研究所(Food Industry Research and Development Institute)、新竹(Hsin Chu)、台湾から購入した。培養液中の腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、インターロイキン−6(IL−6)及び単球走化性タンパク質−1(MCP−1)のレベルを、アールアンドディーシステム社(R&D Systems)(ミネアポリス(Minneapolis)、ミネソタ州(MN)、米国)から購入の酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)キットに基づく単クローン抗体で決定し、動物実験の全ては施設内動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)で承認された。
【0054】
細胞培養
10%ウシ胎仔血清含有のRPMI−1640培養液で、THP−1細胞を5%炭酸ガス下37℃で増殖した。培養液に100nMPMAで24時間処理後、この細胞をマクロファージに分化した。この細胞懸濁液(5x10)0.5mLを組織培養プレートの各穴に加えた。LPSを減菌水に溶解し、一定分量を−70℃で保存した。投与群では、このTHP−1細胞培養液を種々濃度のデキストロメトルファン又はナロキソンで1時間前処理後、LPS10μg/mLで最大24時間処理した。対照群では、この細胞培養液をLPS10μg/mLで24時間処理するだけであった。上澄み液を収集した。上澄み液中のTNF−α、IL−6及びMCP−1のレベルをELISA法キットを用いて決定した。
【0055】
LPS誘発マクロファージ活性化に対するDMの効果
炎症反応が0.01μMより少ないデキストロメトルファンで阻害できる。デキストロメトルファン存在下で1単位/mlのLPSで24時間処理したTHP−1細胞と、培養液培地に放出されたTNF−αとIL−6をELISA法で測定した(図1)。図1に、TNF−α(A)とIL−6(B)のLPS誘発マクロファージ放出に対するデキストロメトルファン処理の効果を示す。THP−1細胞培養液を、LPS100ng/mlによる刺激前に指示濃度のデキストロメトルファンで1時間前処理した。上澄み液をTNF−αとIL−6の測定のために24時間後に収集した。結果は三つの実験の平均値±標準誤差で表す。**p<0.01と***p<0.001は、LPS処理培養液と比較する。
【0056】
LPS誘発マクロファージ活性化に対するナロキソンの効果
TNF−α(A)、IL−6(B)及びMCP−1(C)のLPS誘発マクロファージ放出に対するナロキソン処理の効果
LPS100ng/mlによる刺激前に、THP−1細胞培養液を指示濃度のナロキソンで1時間前処理した。上澄み液をTNF−α、IL−6及びMCP−1の測定のために24時間後に収集した。結果は三つの実験の平均値±標準誤差で表す。*p<0.05、**p<0.01と***p<0.001は、LPS処理培養液と比較する(図2)。
【0057】
本発明が、目的を実施し記述の目的と利益と同様に、そこに備わる物を得るのに良く適用されることは当業者には容易に分かる。株化細胞、動物及びそれらを産生するプロセスと方法は好ましい実施形態を代表するものであり、典型的なものであり、この発明の範囲を限定しようとするものではない。ここでの当業者による修正や他の使用は生ずる。これらの修正はこの発明の精神内に包含され、特許の請求項により規定される。
【0058】
ここに開示の発明の様々な置換や修正が、この発明の範囲と精神から逸脱しないでできることは当業者には直ちに明白である。
【0059】
この明細書に記載の特許と公表物の全ては、この発明に関係する当業者の水準を示す。特許と公表物の全ては、あたかも個々の公表物が文献として取り入れるように具体的に個々に示すごとき程度に、ここに文献として取り入れる。
【0060】
ここに図解的に記載の発明は、ここには具体的に開示しない任意の要素又は複数の要素、限界又は複数の限界なしに適切に実施できる。使用した用語と表現は説明用語として使用し、制限ではなくこれら用語と表現の使用で表示又は記述した特性の同等物のいずれか又はその一部を排除する意図はなく、種々の修正が請求のこの特許の範囲内で可能なことが分かる。従って本発明は好ましい実施形態と付加機能により具体的に開示したが、ここに開示の概念の修正と変形は当業者の助けを求めても良く、そのような修正と変形が付随の特許の請求項により規定した本発明の範囲内にあると考えることを理解する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1はTNF−α(A)とIL−6(B)のリポ多糖体誘発マクロファージ放出に対するデキストロメトルファンの処理効果を示す。THP−1細胞培養液をリポ多糖体100ng/mLで刺激する前に指示濃度のデキストロメトルファンで一時間前処理した。上澄み液をTNF−αとIL−6の測定のために24時間後に収集した。結果は3回の実験の平均値±標準誤差(SD)で表す。**p<0.01と***<0.001をリポ多糖体処理の培養液と比較する。
【0062】
【図2】図2はTNF−α(A)、IL−6(B)とMCP−1(C)のリポ多糖体誘発マクロファージ放出に対するナロキソンの処理効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細菌感染による疾患の治療法で、治療有効量の式I又は式IIの化合物、又はそれらの薬学的容認の塩または類似物をこの治療が必要な患者に投与することを含む治療法で、


ここでRはC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロ、アルキルC1-6アルキル又はC2-6アルキレンで、
は水素原子、水酸基、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル又はC2-6アルキレンである治療法。
【請求項2】
式Iの化合物が(+)−3−メトキシ−17−メチル−9α、13α、14α−モルフィナン(デキストロメトルファン)である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
この塩がデキストロメトルファン臭化水素酸塩、又はデキストロメトルファンリン酸塩である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
式IIの化合物が17−アリール−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナロキソン)、又は17−(シクロプロピルメチル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナルトレキソン)である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
細菌がアクネ菌又はバクテロイデスフラジリスである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
アクネ菌がざ瘡を生ずる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
この化合物を患者の皮膚表面又は粘膜表面に塗布する請求項1に記載の方法。
【請求項8】
患者がヒトである請求項1に記載の方法。
【請求項9】
この化合物の有効量が10000ppm乃至1ppmの範囲である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
この化合物の有効量が5000ppm乃至1ppmの範囲である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
創傷治癒に使用できる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
創傷治癒が、切開、裂創、擦過傷、穿刺傷、水疱、皮膚裂傷、ドナー部位又はグラフト部位、切創、熱傷創又は放射線外傷からなる一群から選ぶ創傷に向けられる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
マクロファージからの腫瘍壊死因子α(TNF−α)及びインターロイキン−6(IL−6)又は単球走化性タンパク質−1(MCP−1)の分泌抑制で生ずる炎症疾患の治療法で、治療有効量のNADPHオキシダーゼ阻害剤をその治療が必要な患者に投与することを含む治療法。
【請求項14】
NADPHオキシダーゼ阻害剤が、式I又は式IIの化合物、又はそれらの薬学的容認の塩または類似物で


ここでRはC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロ、アルキルC1-6アルキル又はC2-6アルキレンで、Rは水素原子、水酸基、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル又はC2-6アルキレンである請求項13に記載の方法。
【請求項15】
式Iの化合物が(+)−3−メトキシ−17−メチル−9α、13α、14α−モルフィナン(デキストロメトルファン)である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
この塩がデキストロメトルファン臭化水素酸塩、又はデキストロメトルファンリン酸塩である請求項14に記載の方法。
【請求項17】
式IIの化合物が17−アリール−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナロキソン)、又は17−(シクロプロピルメチル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナルトレキソン)である請求項14に記載の方法。
【請求項18】
疾患がざ瘡菌である請求項13に記載の方法。
【請求項19】
阻害剤を患者の皮膚表面又は粘膜表面に塗布する請求項13に記載の方法。
【請求項20】
患者がヒトである請求項13に記載の方法。
【請求項21】
この化合物の有効量が10000ppm乃至1ppmの範囲である請求項13に記載の方法。
【請求項22】
この化合物の有効量が5000ppm乃至1ppmの範囲である請求項21に記載の方法。
【請求項23】
創傷治癒に使用できる請求項13に記載の方法。
【請求項24】
創傷治癒が、切開、裂創、擦過傷、穿刺傷、水疱、皮膚裂傷、ドナー部位又はグラフト部位、切創、熱傷創又は放射線外傷からなる一群から選ぶ創傷に向けられる請求項23に記載の方法。
【請求項25】
組成がNADPHオキシダーゼ阻害剤と、式I又は式IIの化合物、又はそれらの薬学的容認の塩または類似物と、薬学的容認の担体を含み、


ここでRはC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C3-6シクロ、アルキルC1-6アルキル又はC2-6アルキレンで、
は水素原子、水酸基、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C2-6アルケニル又はC2-6アルキレンである組成。
【請求項26】
式Iの化合物が(+)−3−メトキシ−17−メチル−9α、13α、14α−モルフィナン(デキストロメトルファン)である請求項25に記載の組成。
【請求項27】
この塩がデキストロメトルファン臭化水素酸塩、又はデキストロメトルファンリン酸塩である請求項25に記載の組成。
【請求項28】
式IIの化合物が17−アリール−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナロキソン)、又は17−(シクロプロピルメチル)−4,5α−エポキシ−3,14−ジヒドロキシモルフィナン−6−オン(ナルトレキソン)である請求項25に記載の組成。
【請求項29】
NADPHオキシダーゼ阻害剤が、デキストロメトルファン、ナロキソン又はナルトレキソンである請求項25に記載の組成。
【請求項30】
組成が、クリーム、軟膏、ローション、鉱油、化粧品、シャンプー、かゆみ止めクリーム、皮膚パッチ、又は表皮投与又は経皮投与で薄く塗布する他の物の形状である請求項25に記載の組成。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−527553(P2009−527553A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−556294(P2008−556294)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/015661
【国際公開番号】WO2007/097765
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508114340)
【出願人】(508114339)
【出願人】(508277472)
【出願人】(508277483)
【Fターム(参考)】