説明

毛髪化粧料組成物

【課題】毛髪、特にダメージ毛髪に対する艶感の付与、並びに洗浄およびすすぎの際の滑り感に優れ、かつ乾燥後の櫛通り性、まとまり性に優れた毛髪毛髪化粧料組成物を提供する。
【解決手段】本発明の毛髪化粧料組成物は、平均単位式:(RSiO3/2(RSiO3/2(式中、Rはフェニル基またはフェニチル基を示し、Rは炭素数1〜6の1価のアルキル基を示す。また、mおよびnは正数であり、m/nは1/10〜10/1である。)を有し屈折率が1.45以上であるポリオルガノシルセスキオキサンから成り、平均粒子径が1〜20μmである球状シリコーン微粒子を、アミノ基を含有する有機ケイ素化合物および/またはその加水分解・縮合物により表面処理してなる(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子を、0.05〜10重量%の割合で含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料組成物に係り、特に、ダメージ毛髪に対して良好な艶を付与することができ、かつ洗浄およびすすぎの際の滑り感に優れた毛髪化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、毛髪化粧料にシリコーン油とシリコーン(ポリオルガノシロキサン)硬化物の粉体を配合することにより、コンディショニングシャンプーとしての機能を持たせたり、あるいは洗浄後に使用するヘアリンス剤のような毛髪処理剤の使用感触の向上を図ることが行われている。例えば、ポリメチルシルセスキオキサンとポリオルガノシロキサンを配合した毛髪処理組成物などが提案されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)
【0003】
しかしながら、これら特許文献1〜3に記載された組成物は、いずれも乾燥時の櫛通り性改善などに効果が認められるものの、カラーリングなどに起因するダメージを受けた毛髪に対する効果は十分とはいえなかった。
【0004】
このような問題に対処するために、ポリメチルシルセスキオキサン微粒子を配合することで、ダメージを受けた毛髪に対して滑らかでしっとり感のある手触りを付与した毛髪化粧料が提案されている。(例えば、特許文献4参照)
【0005】
しかしながら、特許文献4に記載された毛髪化粧料は、触感の改善に効果が認められるものの、艶感のある仕上がりの点では要求を十分に満足させることができなかった。
【特許文献1】特開平5−310533号公報
【特許文献2】特開平6−080559号公報
【特許文献3】特開平9−291215号公報
【特許文献4】特開2006−169164公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、特にダメージ毛髪に対する艶感の付与、並びに洗浄およびすすぎの際の滑り感に優れ、かつ乾燥後の櫛通り性、まとまり性に優れた毛髪毛髪化粧料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の毛髪化粧料組成物は、平均単位式:(RSiO3/2(RSiO3/2(式中、Rはフェニル基またはフェニチル基を示し、Rは炭素数1〜6の1価のアルキル基を示す。また、mおよびnは1以上の整数であり、m/nは1/10〜10/1である。)を有し屈折率が1.45以上であるポリオルガノシルセスキオキサンから成り、平均粒子径が1〜20μmである球状シリコーン微粒子を、アミノ基を含有する有機ケイ素化合物および/またはその加水分解・縮合物により表面処理してなる(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子を、0.05〜10重量%の割合で含有することを特徴とする。
【0008】
本発明においては、前記(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子0.05〜10重量%と、(B)25℃における粘度が1〜100,000Pa・sのポリオルガノシロキサン0.1〜30重量%と、(C)融点が25℃以上の高融点脂肪族化合物0.1〜15重量%と、(D1)カチオンコンディショニング剤0.1〜10重量%、および(E)水をそれぞれ含有することができる。
【0009】
また、前記(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子0.05〜10重量%と、(B)25℃における粘度が1〜100,000Pa・sのポリオルガノシロキサン0.1〜30重量%と、(F)洗浄性界面活性剤5〜50重量%と、(D2)コンディショニング剤0.1〜20重量%、および(E)水をそれぞれ含有することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の毛髪化粧料組成物によれば、毛髪に対して特に良好な乾燥後の艶感を与えることができるとともに、良好な櫛通り性、まとまり性、しっとり感を付与することができる。さらに、洗浄およびすすぎの際の滑り感に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
本発明の第1の実施形態は、平均単位式:(RSiO3/2(RSiO3/2を有し屈折率が1.45以上であるポリオルガノシルセスキオキサンから成り、平均粒子径が1〜20μmである球状シリコーン微粒子を、アミノ基を含有する有機ケイ素化合物および/またはその加水分解・縮合物により表面処理してなる(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子0.05〜10重量%と、(B)25℃における粘度が1〜100,000Pa・sのポリオルガノシロキサン0.1〜30重量%と、(C)融点が25℃以上の高融点脂肪族化合物0.1〜15重量%と、(D1)カチオンコンディショニング剤0.1〜10重量%、および(E)水をそれぞれ含有する毛髪化粧料組成物である。
【0013】
また、本発明の第2の実施形態は、平均単位式:(RSiO3/2(RSiO3/2を有し屈折率が1.45以上であるポリオルガノシルセスキオキサンから成り、平均粒子径が1〜20μmである球状シリコーン微粒子を、アミノ基を含有する有機ケイ素化合物および/またはその加水分解・縮合物により表面処理してなる(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子0.05〜10重量%と、(B)25℃における粘度が1〜100,000Pa・sのポリオルガノシロキサン0.1〜30重量%と、(F)洗浄性界面活性剤5〜50重量%と、(D2)コンディショニング剤0.1〜20重量%、および(E)水をそれぞれ含有する毛髪化粧料組成物である。
【0014】
これらの実施形態において、(A)成分であるアミノ基含有球状シリコーン微粒子は本発明の特徴をなす成分であり、毛髪に対して優れた艶を与え、かつ洗浄時および乾燥後の良好な滑り感、しっとり感などを付与することができる。
【0015】
本発明の第1および第2の実施形態において、球状シリコーン微粒子はポリオルガノシルセスキオキサンから成る微粒子である。ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子は、シロキサン結合により三次元的な網目構造を有する高密度に架橋したシリコーン樹脂微粒子であり、有機溶剤に膨潤も溶解もしない耐溶剤性に優れた微粒子である。
【0016】
微粒子を構成するポリオルガノシルセスキオキサンは、平均単位式:(RSiO3/2(RSiO3/2………(1)
で示される。式中、Rはフェニル基またはフェニチル基を示し、Rは炭素数1〜6の1価のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基など。)を示す。製造のし易さや入手のし易さなどから、Rはメチル基であることが好ましい。本発明の効果を損なわない範囲であれば、各種の変性ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子を用いることもできる。また、m、nはいずれも1以上の整数であり、m/n=1/10〜10/1、好ましくは1/1〜10/1である。
【0017】
さらに、このようなポリオルガノシルセスキオキサンの屈折率は1.45以上とし、1.45〜1.70であることがさらに好ましい。
【0018】
第1および第2の実施形態に使用されるポリオルガノシルセスキオキサン微粒子としては、平均粒径が1〜20μmのものが好ましく、さらに2〜15μmのものが好ましい。平均粒径が1μm未満の場合には、洗浄時および乾燥後にきしみ感が出てしまい、平均粒径が20μm以上では泡立ち性が低下し、かつ最終製剤、例えばシャンプーやコンディショナー、ヘアクリームなどにしたときに粒子が沈降し易くなる。また、ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の形状は、実用面から個々独立した球状であることが好ましく、真球状であることがより好ましい。
【0019】
このようなポリオルガノシルセスキオキサン微粒子は、例えば、特開2003−183395公報、特開2003−183396公報、特開2003−335860公報などに記載された方法により製造することができる。
【0020】
例えば、特開2003−335860公報に記載された方法では、メチルトリアルコキシシランとフェニルトリアルコキシシランのようなオルガノトリアルコキシシラン混合物を、2〜600μS/cmの電気伝導度に調整した酸性水中で加水分解して、オルガノシラントリオールやその部分縮合物の水/アルコール溶液とし、この溶液にアルカリ性水溶液を添加、混合して静置状態で重縮合反応させることにより、球状ポリメチルフェニルシルセスキオキサン微粒子を得ることができる。
【0021】
本発明の第1および第2の実施形態において、このようなポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の表面を処理するアミノ基含有の有機ケイ素化合物としては、一般式:R3−nSiX(ORで表されるシランが挙げられる。
【0022】
式中、Rは水素原子またはアルキル基であり、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基などが例示される。Rは、前記式(1)におけるRと同様に炭素数1〜6の1価のアルキル基、あるいは互いに同一または異なる置換もしくは非置換のアルキル基である。メチル基、エチル基、プロピル基などが例示される。また、Xはアミノ基を含有する有機基であり、式:−Q−(NHCHCHNHRで表される。式中、Qは2価の炭化水素基であり、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などのアルキレン基;式:−C−で示されるアリーレン基;式:−(CH−で示されるようなアルキレンアリーレン基が例示される。これらの中でもプロピレン基が最も好ましい。さらに、Rは水素原子または1価の炭化水素基であり、1価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、シクロヘキシル基などが例示される。aは0〜5の整数であり、0または1が好ましい。kは1〜3の整数であり、通常2もしくは3である。
【0023】
このようなアミノ基含有の有機ケイ素化合物としては、
NCHCHCHSi(OCHCH
NCHCHCHSi(OCH
NCHCHNHCHCHCHSi(OCH
NCHCHNHCHCHCHSiCH(OCH
NCHCHNHCHCHNHCSi(OCH
NCHCHNHCHCH(CH)CHSi(OCH
NCHCHNHCHCH(CH)CHSi(OCHCH)
NCHCHNHCHCH(CH)CHSiCH(OCH)
NCSi(OCH
およびCNHCHCHCHSi(OCH
などのアルコキシシランを挙げることができる。また、これらのアミノ基含有有機ケイ素化合物を加水分解・縮合したものを用いることもできる。
【0024】
本発明の第1および第2の実施形態において、このようなアミノ基を含有する有機ケイ素化合物および/またはその加水分解・縮合物(以下、アミノ基含有有機ケイ素化合物と示す。)により前記したポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の表面を処理する方法としては、この微粒子の表面をアミノ基含有有機ケイ素化合物により被覆した状態にすることができる方法であれば、いかなる方法であってもよい。例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子を適当な容器に入れ、次いで表面処理剤であるアミノ基含有有機ケイ素化合物を投入した後、撹拌しながら常温〜120℃の温度で1〜8時間混合し、接触させる方法を採ることができる。このとき、表面処理剤とともに、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールやトルエン、キシレンなどの有機溶剤を分散媒として使用することにより、より均一な表面処理を行うことができる。また、粒子を均一に処理するために、超音波分散機または高速撹拌機など適宜な撹拌機で均一な分散状態にしてから表面処理を行うこともできる。
【0025】
このように接触させることにより、ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の表面に、アミノ基含有有機ケイ素化合物を吸着させることができる。こうして吸着させるアミノ基含有有機ケイ素化合物の量は、化合物の種類や処理時間およびポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の粒径などを適宜選択することにより、調整することができる。好ましくは、ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子100重量部に対して、アミノ基含有有機ケイ素化合物の量を0.05〜100重量部、さらに好ましくは0.1〜50重量部、最も好ましくは0.2〜30重量部とする。
【0026】
アミノ基含有有機ケイ素化合物の使用量が0.05重量部未満であると、毛髪に対するしっとり感の付与が十分でなく、反対に使用量が100重量部を超えると、ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子同士の凝集あるいは凝結が生じやすくなる。なお、アミノ基含有有機ケイ素化合物による被覆をより効果的に行うためには、製造後未乾燥状態のポリオルガノシスセスキオキサン微粒子を用いることが好ましい。
【0027】
第1および第2の実施形態において、(B)成分として使用されるポリオルガノシロキサンは、25℃における粘度が1〜100,000Pa.sより好ましくは10〜50,000Pa.sのものである。このようなポリオルガノシロキサンは、直鎖状であることが好ましいが、部分的に分岐構造や網構造があってもよい。また、末端の官能基は特に限定されないが、メチル基、水酸基、またはメトキシ基であることが好ましい。
【0028】
(B)成分であるポリジオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合した有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基のようなアルキル基;ビニル基、プロペニル基のようなアルケニル基;フェニル基のようなアリール基;フェニチル基のようなアラルキル基;およびこれら炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示される。これらのうちで、特に、ジメチコン(ポリジメチルシロキサン)、ジメチコノール(両末端水酸基のポリジメチルシロキサン)、およびアモジメチコン(アミノ変性シリコーンオイル)の使用が好ましい。
【0029】
本発明の第1および第2の実施形態において、(A)アミノ基含有有機ケイ素化合物により表面処理された球状シリコーン微粒子(アミノ基含有球状シリコーン微粒子)、および(B)ポリオルガノシロキサンを毛髪処理組成物中に配合する際には、各成分をそのまま配合してもよいし、ディスパージョンあるいは乳化物のいずれの状態で配合してもよいが、(A)成分であるアミノ基含有球状シリコーン微粒子の分散性、沈降性の観点からは、乳化物の状態で配合することが好ましい。さらに、特開平9−291215号公報に開示されているように、(A)成分および(B)成分を含む水中油型シリコーンエマルジョン(O/W型エマルジョン)組成物を調製し、それを組成物に配合することが特に好ましい。
【0030】
本発明の第1の実施形態において、(C)成分である高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有するものであり、脂肪族アルコール、脂肪酸、これらの誘導体、およびこれらの混合物から成る群から選択される。
【0031】
(C)高融点脂肪族化合物の例は、国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第5版、1993年、およびCTFA(化粧品、洗面用品、および芳香剤協会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, Inc.)の化粧品成分ハンドブック(Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、1992年に記載されているが、これらに限定されない。
【0032】
有用な脂肪族アルコールは、14〜30個好ましくは16〜22個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪族アルコールは飽和型であり、直鎖状または分枝状アルコールであることが好ましい。脂肪族アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびこれらの混合物が例示されるが、これらに限定されない。
【0033】
脂肪酸としては、10〜30個好ましくは12〜22個さらに好ましくは16〜22個の炭素原子を有するものが挙げられる。これらの脂肪酸は飽和型でありかつ直鎖状または分枝状の炭素骨格を有する酸であることができる。二塩基酸、三塩基酸およびそれ以上の多塩基酸が含まれ、これらの脂肪酸の塩も含まれる。ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セバシン酸およびこれらの混合物が例示されるが、これらに限定されない。
【0034】
脂肪族アルコール誘導体および脂肪酸誘導体としては、前記脂肪族アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコールのアルキルエーテル、脂肪族アルコールのエステル、エステル化可能なヒドロキシ基を有する化合物の脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
脂肪族アルコール誘導体および脂肪酸誘導体の具体例としては、メチルステアリルエーテルなど;セテス−1からセテス−45のようなセテスシリーズで、数字表示がエチレングリコール部分の数を表すセチルアルコールのエチレングリコールエーテル;ステアレス−1から10のようなステアレスシリーズで、数字表示がエチレングリコール部分の数を表すステアレスアルコールのエチレングリコールエーテル;セテアレス1から10で、セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテル、すなわちセチルアルコールおよびステアリルアルコールを主として含有する脂肪族アルコールの混合物で、数字表示がエチレングリコール部分の数を表すもの;前記セテス、ステアレス、およびセテアレス化合物の炭素数1〜30のアルキルエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;エチルステアレート、セチルステアレート、セチルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチルミリステート、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレートおよびそれらの混合物などが挙げられる。
【0036】
高純度の単一化合物である高融点脂肪族化合物が好ましく、純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコールおよびベヘニルアルコールから成る群から選択される純粋な脂肪族アルコールの単一化合物が特に好ましい。
【0037】
なお、本明細書において、「純粋」なる語は、化合物が少なくとも90%好ましくは少なくとも95%の純度を有することを意味する。高い純度の単一化合物は、すすぎ落しの際に良好なすすぎ落し効果を発揮する。
【0038】
このような高融点脂肪族化合物の市販品としては、新日本理化社製のコノール(KONOL)シリーズ、日本油脂社製のNAAシリーズのセチルアルコール、ステアリルアルコール、およびベヘニルアルコール、和光化学社製の1−ドコサノール(1-DOCOSANOL)の純ベヘニルアルコール、米国アクゾ(Akzo)社製のネオ−ファット(NEO-FAT)、米国ウィトコ(Witco Corp.)社製のヒストレン(HYSTRENE)、およびイタリアベビー(Vevy)社製のダーマ(DERMA)などが挙げられる。
【0039】
前記した(C)25℃以上の融点を有する高融点脂肪族化合物は、毛髪化粧料組成物中に0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは0.75〜5重量%の割合で含有される。そして、後述するカチオンコンディショニング剤とともにゲル状および網状構造を提供し、湿った毛髪におけるつるつるした滑らかな感触と、乾燥した毛髪における柔軟性、潤い感、毛髪のはねの抑えなどの種々のコンディショニング効果を発揮する。
【0040】
第1の実施形態において(D)成分であるカチオンコンディショニング剤は、カチオン性界面活性剤、カチオンポリマー、およびこれらの混合物からなる群から選択される。これらの(D)カチオンコンディショニング剤は、毛髪化粧料組成物中に0.1〜10重量%、好ましくは0.25〜8重量%、より好ましくは0.5〜3重量%の割合で含有される。
【0041】
カチオン性界面活性剤としては、以下の一般式で表されるものが好適に用いられる。
【化1】

【0042】
式中、R、R、RおよびRのうちで少なくとも1つは、8〜30個の炭素原子を有する脂肪族基あるいは22個以下の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基から選択され、残りのものは独立して、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族基あるいは22個以下の炭素原子を有する芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基から選択される。Xはハロゲン(例えば塩化物、臭化物)、アセテート、クエン酸、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、アルキル硫酸塩およびアルキルスルホン酸ラジカルなどから選択される塩形成アニオンである。
【0043】
脂肪族基は、炭素および水素原子に加えてエーテル結合およびアミノ基のような他の基を含有することができる。さらに、長鎖の脂肪族基、例えば炭素数12以上のものは、飽和でも不飽和でもよい。R、R、RおよびRは、独立して炭素数1〜22個のアルキル基から選択されることが好ましい。
【0044】
有用なカチオン性界面活性剤の具体例としては、以下のCTFA名称:クオタニウム−8、クオタニウム−14、クオタニウム−18、クオタニウム−18メソスルフェート、クオタニウム−24およびこれらの混合物を有する物質が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
前記式[化1]で表されるカチオン性界面活性剤の中では、少なくとも16個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルキル鎖を分子内に含有しているものが好ましい。このようなカチオン性界面活性剤の例としては:例えば、クローダ(Croda)社製の商品名インクロクァット(INCROQUAT)TMC−80や、三洋化成社からエコノール(ECONOL)TM22として入手可能なベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド;ニッコー・ケミカルズ(Nikko Chemicals)社から商品名CA−2350として入手可能なセチルトリメチルアンモニウムクロリド;水素添加タローアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、二水素添加タローアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジ(ベヘニル/アラキジル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルプロピレングリコールホスフェートジメチルアンモニウムクロリド、ステアロイルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアロイルアミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウムクロリド、およびN−(ステアロイルコラミノホルミルメチル)ピリジニウムクロリドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
好ましいカチオン性界面活性剤は、置換基の少なくとも1つが、ラジカル鎖に置換基または結合として存在する1つ以上の芳香族基、エーテル基、エステル基、アミド基、またはアミノ部分を含有し、R〜R基の少なくとも1つがアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基)、ポリオキシアルキレン基(好ましくは炭素数1〜3のポリオキシアルキレン基)、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アルキルエステル基、およびこれらの組み合わせから選択される1つ以上の親水性部分を含有する親水的に置換されたカチオン性界面活性剤である。親水的に置換されたカチオン性界面活性剤は、前記範囲内に位置する2〜10個の非イオン親水性部分を含有していることが好ましい。親水的に置換された好ましいカチオン性界面活性剤には、以下の式[化2]から[化7]で表されるものが含まれる
【0047】
【化2】

式中、nは8〜28、x+yは2〜40の数を表し、Z1は短鎖アルキル基、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基、あるいは(CHCHO)Hである。x+y+zは60以下、Xは前記塩形成アニオンである。
【0048】
【化3】

式中、mは1〜5の数、R、R10およびR11のうち1つ以上は、それぞれ独立して炭素数1〜30のアルキル基であり、その他はCHCHOHであり、R12、R13およびR14のうち1つまたは2つはそれぞれ炭素数1〜30のアルキル基であり、その他はCHCHOHである。Xは前記塩形成アニオンである。
【0049】
【化4】

これらの式のそれぞれにおいて、Zはアルキル基、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基より好ましくはメチル基であり、Zは短鎖ヒドロキシアルキル基好ましくはヒドロキシメチル基またはヒドロキシエチル基であり、pおよびqはそれぞれ2〜4の整数で、好ましくは2〜3、より好ましくは2である。R15およびR16は、それぞれ置換または非置換炭化水素、好ましくは炭素数12〜20のアルキル基またはアルケニル基、Xは前記の塩形成アニオンである。
【0050】
【化5】

式中、R16はヒドロカルビル基、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基より好ましくはメチル基であり、ZおよびZはそれぞれ短鎖ヒドロカルビル基、好ましくは炭素数2〜4のアルキル基またはアルケニル基より好ましくはエチル基であり、rは2〜40好ましくは7〜30の数、Xは前記の塩形成アニオンである。
【0051】
【化6】

式中、R18およびR19は、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基より好ましくはメチル基、Zは炭素数12〜22のヒドロカルビル基、アルキルカルボキシ基またはアルキルアミド基である。Aはたんぱく質、好ましくはコラーゲン、ケラチン、乳たんぱく質、シルク、大豆たんぱく質、小麦たんぱく質、またはそれらの加水分解型であり、Xは前記塩形成アニオンである。
【0052】
【化7】

式中、sは2または3、R20およびR21は、それぞれ炭素数1〜3のヒドロカルビル基好ましくはメチル基であり、Xは前記塩形成アニオンである。
【0053】
有用な親水的に置換されているカチオン性界面活性剤の例としては、次のCTFA名称:クオタニウム−16、クオタニウム−26、クオタニウム−27、クオタニウム−30、クオタニウム−33、クオタニウム−43、クオタニウム−52、クオタニウム−53、クオタニウム−56、クオタニウム−60、クオタニウム−61、クオタニウム−62、クオタニウム−70、クオタニウム−71、クオタニウム−72、クオタニウム−75、クオタニウム−76加水分解コラーゲン、クオタニウム−77、クオタニウム−78、クオタニウム−79加水分解コラーゲン、クオタニウム−79加水分解ケラチン、クオタニウム−79加水分解乳タンパク質、クオタニウム−79加水分解シルク、クオタニウム−79加水分解大豆タンパク質およびクオタニウム−79加水分解小麦タンパク質、クオタニウム−80、クオタニウム−81、クオタニウム−82、クオタニウム−83、クオタニウム−84を有する物質ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
とりわけ好ましい親水的に置換されているカチオン性界面活性剤としては、ジアルキルアミドエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキルアミドエチルジモニウム塩、ジアルキロイルエチルヒドロキシエチルモニウム塩、ジアルキロイルエチルジモニウム塩、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
これらは、次のような商品名で市販されている。すなわち、ウィットコ化学(Witco Chemical)社のバリソフト(VARISOFT)110、バリクァット(VARIQUAT)K1215および638、マクインタイア(McIntyre)社のマックプロ(MACKPRO)KLP、マックプロWLW、マックプロMLP、マックプロNSP、マックプロNLW、マックプロWWP、マックプロNLP、マックプロSLP、アクゾ(Akzo)社のエトクァッド(ETHOQUAD)18/25、エトクァッド0/12PG、エトクァッドC/25、エトクァッドS/25、およびエトデュオクァッド、ヘンケル(Henkel)社のデェイクァッド(DEHYQUA)SP、およびICIアメリカ社のアトラス(ATLAS)G265などである。
【0056】
次に、実施形態において有用なカチオンポリマーについて記載する。なお、「ポリマー」なる用語は、1種類のモノマーの重合によって製造される物質、および2種以上のモノマーによって製造される物質を包含するものとする。
【0057】
カチオンポリマーは、水溶性カチオンポリマーであることが好ましい。「水溶性」カチオンポリマーとは、水に十分に可溶性であり、25℃の水(蒸留水または同等の水)に0.1%の濃度で肉眼で見て実質的に透明な溶液を形成するポリマーを意味する。好ましいカチオンポリマーは、十分に可溶性であり、0.5%の濃度でさらに好ましくは1.0%の濃度で実質的に透明な溶液を形成する。
【0058】
また、実施形態のカチオンポリマーは、少なくとも5,000、典型的には少なくとも10,000でありかつ10,000.000未満の平均分子量を有する。好ましい平均分子量は、100,000〜2,000,000である。そして、第四級アンモニウム部分および/またはカチオンアミノ部分のようなカチオン窒素含有部分を有する。
【0059】
カチオン電荷密度は、好ましくは0.1meq/g以上、より好ましくは0.5meq/g以上、さらに好ましくは1.1meq/g、よりいっそう好ましくは1.2meq/g以上である。カチオンポリマーのカチオン電荷密度は、ケルダール法により測定することができる。アミノ含有ポリマーの電荷密度はpHおよびアミノ基の等電点により変化するので、電荷密度は所望の用途のpHで前記範囲内に設定される。
【0060】
水溶解度の基準が満たされる限り、カチオンポリマーに対していかなるアニオン対イオンも利用することができる。好適な対イオンとしては、ハライド(例えばCl、Br、IまたはF化物、好ましくはCl、BrまたはI化物)、サルフェートおよびメチルサルフェートが挙げられるが、他のものを使用することもできる。
【0061】
カチオン窒素含有部分は、カチオンポリマーの全モノマー単位に置換基として存在する。したがって、このカチオンポリマーは、第四級アンモニウムまたはカチオンアミン置換モノマー単位、およびスペーサモノマー単位と呼称される他の非カチオン単位のコポリマーまたポリマーなどを含んでいる。このようなポリマーは当該技術分野で既に公知であり、国際化粧品成分辞典、第3版、1982年などに記載されている。好適なカチオンポリマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキルアクリルアミドおよびジアルキルアクリルアミド、アルキルメタクリルアミドおよびジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、ならびにビニルピロリドンのような水溶性スペーサモノマー、カチオンアミンまたは四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0062】
アルキル置換モノマーおよびジアルキル置換モノマーは、好ましくは炭素数1〜7のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基を有する。他の好適なスペーサモノマーとしては、ビニルエステル、ポリ酢酸ビニルの加水分解により得られるビニルアルコール、無水マレイン酸、プロピレングリコールおよびエチレングリコールなどがある。前記カチオンアミンは、第一級、第二級または第三級アミンであることができる。第二級および第三級アミンが好ましく、特に第三級アミンが好ましい。アミン置換ビニルモノマーをアミン形態で重合させることができ、その後任意に四級化反応によりアンモニウムに変換することができる。ポリマーが形成された後に、アミンを同様にして四級化することもできる。例えば、第三級アミン官能基を、式RXの塩と反応させることによって四級化することができる。ここで、Rは短鎖アルキル基、好ましくは炭素数1〜7のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、Xは四級化アンモニウムと水溶性の塩を形成するアニオンである。
【0063】
好適なカチオンアミノモノマーおよび第四級アンモニウムモノマーとしては、例えばジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、およびピリジニウム、イミダゾリウムといった環状カチオン窒素含有環を有するビニル第四級アンモニウムモノマーおよび四級化ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩が挙げられる。
【0064】
これらのモノマーのアルキル部分は、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくは炭素数1または2のアルキル基のような低級アルキル基である。好適なアミン置換ビニルモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、およびジアルキルアミノアルキルメタクリルアミドが挙げられる。ここでアルキル基は、好ましくは炭素数1〜7のヒドロカルビル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。このカチオンポリマーは、アミンおよび/または第四級アンモニウム置換モノマーおよび/または相溶性スペーサモノマーから誘導されるモノマー単位の混合物を含むことができる。
【0065】
好適なカチオンポリマーとしては、例えば、1−ビニル−2−ピロリドンおよび1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば塩化物)のコポリマー(「CTFA」ではポリクアテリウム−16と呼ばれる)、BASFワイアンドット(BASF Wyandotte Corp.、米国ニュージャージー州、パルシパニー)社より市販されている商品名ルビクアット(LUVIQUAT)(例えば、ルビクアット FC 370);1−ビニル−2−ピロリドンおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのコポリマー(「CTFA」ではポリクアテリウム−11と呼ばれる)、ガフコーポレーション(Gaf Corporation、米国、ニュージャージー州、ウェイン)社より市販されている商品名ガフクアット(GAFQUAT)(例えばガフクアット755N);ジメチルジアリルアンモニウム塩化物ホモポリマーおよびアクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウム塩化物コポリマーを含むカチオンジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、(「CTFA」業界ではポリクオタニウム6およびポリクオタニウム7と呼ばれる);米国特許第4,009,256号に記載の3〜5個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのアミノアルキルエステルの鉱酸塩が挙げられる。
【0066】
使用可能な他のカチオンポリマーとしては、多糖ポリマー、例えばカチオンセルロース誘導体およびカチオンデンプン誘導体が挙げられる。好適なカチオン多糖ポリマーとしては、次の式[化8]を有するものが挙げられる。
【0067】
【化8】

式中、Aはデンプン無水グルコース残基またはセルロース無水グルコース残基などの無水グルコース残基であり、Rは、アルキレンオキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、またはヒドロキシアルキレン基またはこれらの組み合わせである。R22、R23およびR24は、それぞれ独立してアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基、またはアルコキシアリール基から選択され、それぞれの基は18個以下の炭素を含有し、各カチオン部分の炭素総数(すなわちR22、R23およびR24の炭素数の合計)は好ましくは20以下である。Xは前述のようなアニオン対イオンである。
【0068】
カチオンセルロースは、アメルコール社(Amerchol Corp.、米国、ニュージャージー州、エディソン)から商品名ポリマーJRおよびLRシリーズで、ヒドロキシエチルセルロースとトリメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させた塩として市販されており、「CTFA」業界ではポリクオタニウム10と呼ばれている。他の型のカチオンセルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロースとラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させたポリマー第四級アンモニウム塩、「CTFA」業界ではポリクオタニウム24と呼ばれるものが挙げられる。これらの物質は、前記アメルコール社から商品名ポリマーLM−200として市販されている。他のカチオンポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム(ケラネ−ゼ社(Celanese Corp.)から市販されている商品名ジャガーR(JaguarR)シリーズ)のようなカチオングアーゴム誘導体が挙げられる。また、第四級窒素含有セルロースエーテル(例えば米国特許3,962,418に記載されているもの)、およびエーテル化セルロースおよびデンプン(例えば米国特許3,958,581に記載されているもの)が挙げられる。
【0069】
本発明の第1の実施形態において、(E)成分である水は、(A)アミノ基含有有機ケイ素化合物により表面処理された球状シリコーン微粒子、(B)25℃における粘度が1〜100,000Pa・sのポリオルガノシロキサンと、(C)高融点脂肪族化合物および(D1)カチオンコンディショニング剤の分散媒として用いられる。(E)水の配合により均一な毛髪化粧料組成物、例えばコンディショナー組成物を得ることができる。
【0070】
本発明の第2の実施形態において(F)成分である洗浄性界面活性剤は、組成物に洗浄性能を与えることを目的とし、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤およびそれらの混合物から選ばれる界面活性剤を含有する。なお、「洗浄性界面活性剤」という用語は、これらと、主として界面活性剤を乳化する界面活性剤、すなわち乳化の利益を与えかつ低い洗浄性能を有する界面活性剤とを区別することを意図している。しかし、多くの界面活性剤は、洗浄性と乳化性の両方を有するので、乳化性界面活性剤を本発明の洗浄性界面活性剤から除外するものではない。
【0071】
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、アルキル硫酸、およびそれらの塩が例示される。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸として、ポリオキシエチレン(2)オクチルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(8)デシルエーテル硫酸、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸などが、アルキル硫酸として、ラウリル硫酸、ミリスチル硫酸、セチル硫酸などが挙げられ、さらにはそれらの塩、すなわち塩型のアニオン性界面活性剤も含まれる。塩の種類としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩およびトリエタノールアミンなどのアミン塩が好ましく、すすぎ時の感触の点から、それらの中でも、トリエタノールアミンおよびアンモニウム塩の使用が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルタウリン酸塩なども使用することができる。
【0072】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、直鎖状または分岐状の脂肪族(C8〜C18)第一または第二アルコールまたはフェノールと、アルキレンオキシド(通常はエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド)との縮合物であり、一般的に3〜50個のエチレンオキシド基を有しているものが挙げられる。例えば、ノイゲンET−102(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:5)、第一工業製薬(株)製)、ノイゲンYX−400(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:40)、第一工業製薬(株)製)などが市販品として挙げられる。
【0073】
両性界面活性剤および/または半極性界面活性剤としては、化粧品基剤などに通常用いられるものがすべて適用されるが、特に、下記一般式:[化9]〜[化13]で表される化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上が好ましく用いられる。
【0074】
すなわち、
【化9】

で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤。
【化10】

で表されるアミドスルホベタイン型両性界面活性剤。
【化11】

で表されるベタイン型両性界面活性剤。
【化12】

で表されるスルホベタイン型両性界面活性剤。
【化13】

で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤。
【0075】
なお、上記一般式:[化9]〜[化13]中、R26は炭素原子数9〜21のアルキル基またはアルケニル基を表し、上記炭素原子数は、より好ましくは1〜17であり、最も好ましくは11〜13である。炭素原子数が9未満では、親水性が強すぎるため複合体を形成しにくく、一方炭素原子数が21を超えると、水への溶解性が悪くなり、複合体を形成しにくい。R27、R28は、それぞれ独立に炭素原子数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を表し、tは2〜4の整数を、uは0〜3の整数を表し、vは1または2の整数を表す。
【0076】
ここで、一般式:[化9]で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤としては、例えばヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられ、「レボン2000」(三洋化成(株)製)、「アノンBDF」(日本油脂(株)製)などが市販品として例示される。一般式:[化10]で表されるアミドスルホベタイン型両性界面活性剤としては、「ロンザイン−CS」(ロンザ(株)製)、「ミラタインCBS」(ミラノール(株)製)などが市販品として例示される。一般式:[化11]で表されるベタイン型両性界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられ、「アノンBL」(日本油脂(株)製)、「デハイントンAB−30」(ヘンケル(株)製)などが市販品として例示される。一般式:[化12]で表されるスルホベタイン型両性界面活性剤としては、「ロンザイン−12CS」(ロンザ(株)製)などが市販品として例示される。さらに、一般式:[化13]で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤としては、例えば2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウムなどが挙げられ、「オバゾリン662−N」(東邦化学(株)製)、「アノンGLM」(日本油脂(株)製)などが市販品として例示される。これらの中でも、特にヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインが望ましい。
【0077】
半極性界面活性剤としては、化粧品基剤などに通常用いられるものがすべて適用されるが、下記一般式:[化14]で表される第三級アミンオキシド型半極性界面活性剤が最も好適に用いられる。
【化14】

式中、R28は炭素原子数10〜18のアルキル基またはアルケニル基を表す。
【0078】
上記一般式:[化14]で表される第三級アミンオキシド型半極性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドなどが挙げられ、「ユニセーフA−LM」(日本油脂(株)製)、「マックアミンLAO」(Mclntyre(株)製)などが市販品として例示される。中でも、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシドが望ましい。
【0079】
これらの(F)洗浄性界面活性剤は、毛髪化粧料組成物の5〜50重量%、好ましくは8〜30重量%、より好ましくは10〜25重量%の割合で含有される。
【0080】
本発明の第2の実施形態において、(C2)コンディショニング剤としては公知のコンディショニング剤を使用することができる。好適する(C2)コンディショニング剤としては、前記したカチオン性界面活性剤、水溶性のカチオン性重合体、脂肪化合物、非揮発性分散シリコーン、炭化水素、プロテインおよびそれらの混合物がある。これらのコンディショニング剤は、毛髪化粧料組成物の0.1〜20重量%の割合で含有される。
【0081】
本発明の第2の実施形態において、(E)成分である水は、(A)アミノ基含有有機ケイ素化合物により表面処理された球状シリコーン微粒子、(B)25℃における粘度が1〜100,000Pa・sのポリオルガノシロキサン、(F)洗浄性界面活性剤および(D2)コンディショニング剤の分散媒として用いられる。(E)水の配合により、均一な毛髪化粧料組成物、例えばシャンプー組成物を得ることができる。
【0082】
本発明の第1および実施形態の毛髪化粧料組成物によれば、毛髪に対して優れたコンディショニング効果を発揮し、良好な乾燥後の艶感を与えることができるうえに、濡れた髪および乾いた髪に対して優れた滑り感、しっとり感を付与することができる。
【実施例】
【0083】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ表す。
【0084】
[球状シリコーン微粒子の合成]
(合成例1)
温度計、還流器および撹拌器を備えた反応容器に、電気伝導度計(東亜電波工業(株)製;CM−11P)を用いて測定した電気伝導度が1.0μS/cmの水1560部を仕込み、これに塩酸を添加し、伝導度が98μS/cmになるように調整した。この溶液に25℃で撹拌しながら、メチルトリメトキシシラン156部とフェニルトリメトキシシラン104部との混合物を1時間かけて添加し、さらに撹拌を5時間継続して加水分解を行い、シラノール溶液を得た。
【0085】
得られたシラノール溶液の温度を15℃に調整し、0.37%のアンモニア水溶液を35部添加し、1分間撹拌した後撹拌を停止して6時間静置した。次いで、静置後の反応溶液を、200メッシュの金網を通過させてから吸引ろ過を行い、湿ケーキ状の白色粉末を得た。
【0086】
こうして得られた粉末の粒径を、粒度分布測定装置(COULTER(株)製;MULTISIZER3)を用いて測定したところ、平均粒子径が2.4μmであった。また、この粉末の一部を130℃で乾燥し、電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状は真球状であった。さらに、数種類の屈折率が既知である液体に、乾燥させた粒子を浸し、目視により粒子が確認できるか否かで屈折率を判別したところ、粒子を構成する材料の屈折率(以下、粒子の屈折率と示す。)は1.495であった。なお、屈折率が既知である液体は、トルエンとヘキサンを混合することで屈折率の値を調整したものであり、この測定用液体の屈折率と粒子の屈折率が同じである場合には、目視で粒子が観察されない。
【0087】
次いで、得られた湿ケーキ状の白色粉末(平均粒径2.4μmの球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子)160部とイソプロピルアルコール380部を反応容器に仕込み、超音波分散装置を使用して均一な分散液を調製した。次に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン11部を反応容器に仕込み、75℃で3時間加熱しながら撹拌した。その後、反応溶液を325メッシュの金網を通過させてから吸引ろ過を行って粒子を分離し、イソプロピルアルコールで洗浄して、前記アミノシランで表面処理された粒子を得た。さらに、この粒子を130℃で20時間乾燥し、ジェットミルを用いて粉砕を行った。
【0088】
こうして得られた微粒子を、電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状は真球状を保持しており、粒子同士の凝結も見られなかった。この粒子の粒径を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径が2.6μmであった。
【0089】
(合成例2)
温度計、還流器および撹拌器を備えた反応容器に、前記電気伝導度計を用いて測定した電気伝導度が1.0μS/cmの水1560部を仕込み、これに塩酸を添加し、伝導度が56μS/cmになるように調整した。この溶液を25℃で撹拌しながら、その中にメチルトリメトキシシラン208部とフェニルトリメトキシシラン52部との混合物を1時間かけて添加し、さらに撹拌を5時間継続して加水分解を行い、シラノール溶液を得た。
【0090】
次いで、得られたシラノール溶液の温度を15℃に調整し、0.37%のアンモニア水溶液13部を添加し、1分間撹拌した後撹拌を停止して6時間静置した。静置後の反応溶液を、200メッシュの金網を通過させてから吸引ろ過を行い、湿ケーキ状の白色粉末を得た。
【0091】
こうして得られた粉末の粒径を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径が3.5μmであった。また、この粉末の一部を130℃で乾燥し、電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状は真球状であった。さらに、合成例1と同様にして屈折率を測定したところ、粒子の屈折率は1.466であった。
【0092】
次いで、得られた湿ケーキ状の白色粉末(平均粒径3.5μmの球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子)160部とイソプロピルアルコール380部を反応容器に仕込み、超音波分散装置を使用して均一な分散液を調製した。次に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン7部を反応容器に仕込み、75℃で3時間加熱しながら撹拌した。その後、反応溶液を325メッシュの金網を通過させてから吸引ろ過を行って粒子を分離し、イソプロピルアルコールで洗浄して、前記アミノシランで表面処理された粒子を得た。さらに、この粒子を130℃で20時間乾燥し、ジェットミルを用いて粉砕を行った。
【0093】
こうして得られた微粒子を、電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状は真球状を保持しており、粒子同士の凝結も見られなかった。この粒子の粒径を前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径が3.8μmであった。
【0094】
(合成例3)
温度計、還流器および撹拌器を備えた反応容器に、前記電気伝導度計を用いて測定した電気伝導度が0.96μS/cmの水1800部を仕込み、これに塩酸を添加し、伝導度が4.80μS/cmになるように調整した。この溶液を25℃で撹拌しながら、その中にメチルトリメトキシシラン300部を1時間かけて添加し、さらに撹拌を2時間継続して加水分解を行い、シラノール溶液を得た。
【0095】
次いで、得られたシラノール溶液の温度を15℃に調整し、0.37%のアンモニア水溶液13.2部を添加し、1分間撹拌した後撹拌を停止して5時間静置した。静置後の反応溶液を、200メッシュの金網を通過させてから吸引ろ過を行い、湿ケーキ状の白色粉末を得た。
【0096】
こうして得られた粉末の粒径を、前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径が5.6μmであった。また、この粉末の一部を200℃で乾燥し、電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状は真球状であった。さらに、合成例1と同様にして屈折率を測定したところ、粒子の屈折率は1.430であった。
【0097】
次いで、得られた湿ケーキ状の白色粉末(平均粒径5.6μmの球状ポリメチルシルセスキオキサン粒子)30部とエタノール80部を反応容器に仕込み、超音波分散装置を使用して均一な分散液を調製した。次に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2部を反応容器に仕込み、70℃で4時間加熱しながら撹拌した。その後、粒子を分離しアセトンで洗浄して、前記アミノシランで表面処理された粒子を得た。さらに、この粒子を130℃で20時間乾燥し、ジェットミルを用いて粉砕を行った。
【0098】
こうして得られた微粒子を、電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状は真球状を保持しており、粒子同士の凝結も見られなかった。この粒子の粒径を前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径が6.0μmであった。
【0099】
(合成例4)
温度計、還流器および撹拌器を備えた反応容器に、前記電気伝導度計を用いて測定した電気伝導度が0.96μS/cmの水1800部を仕込み、これに塩酸を添加し、伝導度が4.80μS/cmになるように調整した。この溶液を25℃で撹拌しながら、その中にメチルトリメトキシシラン300部を1時間かけて添加し、さらに撹拌を2時間継続して加水分解を行い、シラノール溶液を得た。
【0100】
得られたシラノール溶液の温度を15℃に調整し、0.37%のアンモニア水溶液を13.2部添加し、1分間撹拌した後撹拌を停止して5時間静置した。静置後の反応溶液を、200メッシュの金網を通過させてから吸引ろ過を行い、湿ケーキ状の白色粉末を得た。
【0101】
こうして得られた粉末を、150℃で一晩乾燥した後ジェットミルを用いて粉砕を行い、白色粉末(球状ポリメチルシルセスキオキサン微粒子)を得た。この粉末の粒径を前記粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径が5.6μmであった。また、この粉末を電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状は真球状であった。さらに、合成例1と同様にして屈折率を測定したところ、粒子の屈折率は1.432であった。
【0102】
[エマルジョンの調製]
(調製例1)
25℃における粘度が1,000Pa.sの両末端シラノール基含有ポリジメチルシロキサン(ジメチコノール)10部と、イソパラフィン(商品名アイソゾール400S、日石化学(株)社製)20部、および合成例1で得られた表面処理された球状シリコーン微粒子30部を、70℃で均一に混合した後、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル3.0部とポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル2.5部を加えてさらに70℃で1時間撹拌を続け、系を均一にした。
【0103】
次いで、これに水4.0部を加え、3時間撹拌して転相させ、透明なグリース状とした。その後、水29部とサリチル酸1.5部を加えて1時間撹拌し、均一なO/W型エマルジョン(E−1)を得た。
【0104】
このエマルジョン(E−1)の粒子径を粒度分布測定装置(COULTER(株)製;LS100Q)を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、平均粒子径が3.0μmであった。このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、目視による底部へのシリコーン微粒子の沈降およびエマルジョンの分離は見られなかった。
【0105】
(調製例2)
合成例1で得られた球状シリコーン微粒子の代わりに、合成例2で得られた球状シリコーン微粒子物を使用した以外は調製例1と同様な方法で、均一なO/W型エマルジョン(E−2)を得た。
【0106】
このエマルジョン(E−2)の粒子径を粒度分布測定装置(COULTER(株)製;LS100Q)を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、平均粒子径が4.0μmであった。このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、目視による底部へのシリコーン微粒子の沈降およびエマルジョンの分離は見られなかった。
【0107】
(調製例3)
合成例1で得られた球状シリコーン微粒子の代わりに、合成例3で得られた球状シリコーン微粒子物を使用した以外は調製例1と同様な方法で、均一なO/W型エマルジョン(E−3)を得た。
【0108】
このエマルジョン(E−3)の粒子径を粒度分布測定装置(COULTER(株)製;LS100Q)を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、平均粒子径が6.2μmであった。このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、目視による底部へのシリコーン微粒子の沈降およびエマルジョンの分離は見られなかった。
【0109】
(調製例4)
合成例1で得られた球状シリコーン微粒子の代わりに、合成例4で得られた球状シリコーン微粒子物を使用した以外は調製例1と同様な方法で、均一なO/W型エマルジョン(E−4)を得た。
【0110】
このエマルジョン(E−4)の粒子径を粒度分布測定装置(COULTER(株)製;LS100Q)を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、平均粒子径が5.8μmであった。このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、目視による底部へのシリコーン微粒子の沈降およびエマルジョンの分離は見られなかった。
【0111】
(調製例5)
25℃における粘度が1,000Pa.sのジメチコノール30部とイソパラフィン(商品名アイソゾール400S)30部を70℃で均一に混合した後、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル3.0部とポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテル2.5部を加え、さらに70℃で1時間撹拌を続け、系を均一にした。次いで、これに水4.0部を加え、3時間撹拌して転相させ、透明なグリース状とした。その後、水30部とサリチル酸0.5部を加えて1時間撹拌し、均一なO/W型エマルジョン(E−5)を得た。
【0112】
このエマルジョン(E−5)の粒子径を粒度分布測定装置(COULTER(株)製;LS100Q)を用い屈折率を1.45に設定して測定したところ、平均粒子径が4.2μmであった。このエマルジョンを50℃で1ヶ月間静置したところ、エマルジョンの分離は見られなかった。
【0113】
実施例1〜2,比較例1〜3[ヘアコンディショナー組成物]
前記調製例1〜5で得られたシリコーンエマルジョン(E−1)〜(E−5)を用いて、表1に示す組成でヘアコンディショナー組成物を調製した。そして、調製されたコンディショナー組成物について、以下に示す方法および基準にしたがって特性評価を行った。
【0114】
[評価方法]
12人のパネリストがそれぞれ、長さ25cmの毛髪10gを40℃の水に浸し、コンディショナー組成物2gを濡れた髪に塗り広げ、1分後30秒間40℃の水ですすいだ。次いで、ドライヤーで乾燥して毛髪サンプルを作成した。この毛髪サンプルの作成段階で、「すすぎ時のきしみ感の無さ」、「乾燥後の指通り感」、「乾燥後のしっとり感」および「乾燥後の艶感」を、各パネリストに下記の基準で5段階の点数付けを行ってもらい、その平均値を算出した。
【0115】
[評価基準]
5…極めて優れる
4…優れる
3…良い
2…やや劣る
1…劣る
これらの評価結果を表1に示す。
【0116】
【表1】

【0117】
実施例3〜4,比較例4〜6[シャンプー組成物]
前記調製例1〜5で得られたシリコーンエマルジョン(E−1)〜(E−5)を用いて、表2に示す組成でシャンプー組成物を調製した。そして、調製されたシャンプー組成物について、以下に示す方法および基準にしたがって特性評価を行った。
【0118】
[評価方法]
12人のパネリストがそれぞれ、長さ25cmの毛髪10gを40℃の水に浸しシャンプー組成物2gで1分間洗浄した後、30秒間40℃の水ですすぎ、ドライヤーで乾燥して毛髪サンプルを作成した。この毛髪サンプルの作成段階で、各パネリストに、「洗浄およびすすぎ時のきしみ感の無さ」、「乾燥後の指通り性」、「乾燥後のしっとり感」および「乾燥後の艶感」を、下記の基準で5段階の点数付けを行ってもらい、その平均値を算出した。
【0119】
[評価基準]
5…極めて優れる
4…優れる
3…良い
2…やや劣る
1…劣る
これらの評価結果を表2に示す。
【0120】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明の毛髪化粧料組成物は、毛髪に対して滑らかでしっとりした感触を付与することができ、特に洗浄およびすすぎの際のダメージ毛髪に対する滑り感に優れ、乾いた髪に対して優れた艶感を与えるとともに、指通り性およびしっとり感をも付与することができるので、ヘアコンディショニング用の組成物として好適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均単位式:(RSiO3/2(RSiO3/2(式中、Rはフェニル基またはフェニチル基を示し、Rは炭素数1〜6の1価のアルキル基を示す。また、mおよびnは1以上の整数であり、m/nは1/10〜10/1である。)を有し屈折率が1.45以上であるポリオルガノシルセスキオキサンから成り、平均粒子径が1〜20μmである球状シリコーン微粒子を、
アミノ基を含有する有機ケイ素化合物および/またはその加水分解・縮合物により表面処理してなる(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子を、0.05〜10重量%の割合で含有することを特徴とする毛髪化粧料組成物。
【請求項2】
前記(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子0.05〜10重量%と、(B)25℃における粘度が1〜100,000Pa・sのポリオルガノシロキサン0.1〜30重量%と、(C)融点が25℃以上の高融点脂肪族化合物0.1〜15重量%と、(D1)カチオンコンディショニング剤0.1〜10重量%、および(E)水をそれぞれ含有することを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項3】
前記(A)アミノ基含有球状シリコーン微粒子0.05〜10重量%と、(B)25℃における粘度が1〜100,000Pa・sのポリオルガノシロキサン0.1〜30重量%と、(F)洗浄性界面活性剤5〜50重量%と、(D2)コンディショニング剤0.1〜20重量%、および(E)水をそれぞれ含有することを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料組成物。
【請求項4】
前記(A)成分であるアミノ基含有球状シリコーン微粒子と前記(B)成分であるポリオルガノシロキサンを含む水中油型シリコーンエマルジョンを含有することを特徴とする請求項2または3記載の毛髪化粧料組成物。

【公開番号】特開2008−156254(P2008−156254A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−344981(P2006−344981)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000221111)モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社 (257)
【Fターム(参考)】