説明

毛髪化粧料

【課題】 健康な毛髪だけでなく、ヘアカラーやパーマ、紫外線などによりダメージを受けた毛髪に対しても、毛髪に塗布するときの伸び、なじみに優れ、すすぎ時に髪がきしむことがなく、なめらかな使用感触が得られ、かつ乾燥後の仕上がり感に関し、柔軟性やなめらかさのなどの付与に優れた毛髪化粧料を提供することにある。
【解決手段】 直鎖高級アルコールと、第三級アルキルアミドアミン化合物と、有機酸と、予め調製されたシリコーンエマルジョンと、水を含有する毛髪化粧料。その製造方法としては、直鎖高級アルコールと、第三級アルキルアミドアミン化合物と、有機酸を混合・加熱溶解したA相に、予め調製されたシリコーンエマルジョンと、水を含有するB相を添加し、乳化・分散させる温度を、得られる毛髪化粧料の相転移温度以下、かつ成分(a)の融点以上の温度に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関し、詳しくは、使用感や、乾燥後の仕上がり感などに優れた毛髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
毛髪に柔軟性、湿潤性を付与し、毛髪を保護すると共に感触を向上させる目的で、リンス、コンディショナー、トリートメントなど洗い流して使用するタイプの毛髪化粧料が広く使用されている。昨今、ヘアカラーやパーマ人口の増加により消費者の毛髪ダメージ意識は高まっており、これらのリンス・トリートメント類に対しては、乾燥後の良好な仕上がり感が得られることはもとより、塗布時にのび、なじみがよいこと、及び、洗い流し時に髪が絡まったりきしむことがなく、なめらかな使用感が得られることが求められるようになってきている。リンス・トリートメント類は、第4級アンモニウム塩や第三級アルキルアミドアミン塩などのカチオン性界面活性剤と高級アルコールと水によってゲル状構造体を形成させることによって、塗布してからすすぐまでの間のなめらかさ、いわゆるリンス感を付与するものが多い。これらのゲル構造体にはさらに毛髪への滑らかさや柔軟性の付与の目的でシリコーンオイルや天然タンパク質の添加がよく知られている。従来、これらのリンス・トリートメント類を製造するにあたっては、ゲル状組成物の相転移温度以上で乳化することが一般的であった(例えば、特許文献1、又は2参照。)。しかしながらこれらの方法を用いた場合に得られるリンス感、特に塗布時の伸び、なじみ感の付与、及び、乾燥後の柔軟性の付与等には限界があり、特にヘアカラーやパーマ、紫外線などによりダメージを受けた毛髪に対しては十分満足の得られるものではなかった。
【0003】
【特許文献1】特表2000−501430号公報
【特許文献2】特開平5−271035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等は、上記背景技術に鑑みて鋭意研究した結果、直鎖高級アルコールと、特定の第三級アルキルアミドアミンと、有機酸と、予め調製されたシリコーンエマルジョンと、水を含有する毛髪化粧料により、飛躍的に使用感及び、乾燥後の仕上がり感を向上させることができ、上記欠点が改善されることを見出し、さらに、特定の有機酸と、予め調製された特定のシリコーンエマルジョンと、特定のタンパク質がより効果的であることも見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明の目的とするところは、健康な毛髪だけでなく、ヘアカラーやパーマ、紫外線などによりダメージを受けた毛髪に対しても、毛髪に塗布するときの伸び、なじみに優れ、すすぎ時に髪がきしむことがなく、なめらかな使用感触が得られ、かつ乾燥後の仕上がり感に関し、柔軟性やなめらかさのなどの付与に優れた毛髪化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による毛髪化粧料は、下記成分(a)〜(e)を含有することを特徴としている。
(a)直鎖高級アルコール
(b)下記一般式(1)で表わされる第三級アルキルアミドアミン化合物
[化1]
1CONH(CH2pN(R22 (1)
[但し、R1は、炭素数11〜23の脂肪酸残基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、pは1〜4の整数を表す。]
(c)有機酸
(d)予め調製されたシリコーンエマルジョン
(e)水
【0007】
そして、上記(c)有機酸は、ヒドロキシ酸が好ましく、また、上記(d)予め調製されたシリコーンエマルジョンが、アミノ変性シリコーンエマルジョンを含有するものが好ましい。
【0008】
本発明の毛髪化粧料には、さらに、タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上を含有することが好ましく、それを構成するアミノ酸の中で、ヒドロキシル基を有するアミノ酸が最も多い構成アミノ酸であることが更に好ましい。
【0009】
また、本発明による毛髪化粧料の製造方法は、少なくとも上記成分(a)〜(c)を混合・加熱溶解したA相に、少なくとも上記成分(d)及び(e)を含有するB相を添加し、乳化・分散させる工程を含むものであって、前記乳化・分散温度を、得られる毛髪化粧料の相転移温度以下、かつ成分(a)の融点以上の温度に設定することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によって、健康な毛髪だけでなく、ヘアカラーやパーマ、紫外線などによりダメージを受けた毛髪に対しても、毛髪に塗布するときの伸び、なじみに優れ、かつ、すすぎ時に髪がきしむことがなく、なめらかな使用感触が得られ、かつ乾燥後の仕上がり感に関して柔軟性やなめらかさの付与に優れた毛髪化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0012】
本発明で用いられる(a)直鎖高級アルコールは、好適には炭素数12〜22のものであり、例えば、セトステアリルアルコール(融点約49〜50℃)、ステアリルアルコール(融点約58〜59℃)、アラキルアルコール(融点約65〜66℃)、ベヘニルアルコール(融点約70〜72℃)、カルナービルアルコール(融点約74〜75℃)などが具体的に挙げられ、好ましくはセトステアリルアルコール及びステアリルアルコールが用いられる。これらの直鎖高級アルコールは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
上記直鎖高級アルコールの配合量は、毛髪化粧料の総量を基準として、0.1〜20質量%(以下、%と略す)であることが好ましく、更に好ましくは2〜15%である。十分な毛髪コンディショニング効果を得るには、配合量が0.1%以上が好ましく、またヘアリンス組成物の粘度を適度なものにするには、20%以下の配合量が好ましい。
【0014】
本発明で用いられる(b)第三級アルキルアミドアミン化合物は、下記一般式(1)で表されるものである。
[化2]
1CONH(CH2pN(R22 (1)
[但し、R1は、炭素数11〜23の脂肪酸残基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、pは1〜4の整数を表す。]
この第三級アルキルアミドアミン化合物は、1種単独又は、2種以上を組み合わせて使用
することができる。
【0015】
前記一般式(1)で示される(b)第三級アミドアミン化合物としては、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロプルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。これらの中でも、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドが好適に用いられ、特にベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドがもっとも好ましい。
【0016】
これらの成分(b)の本発明の毛髪化粧料中への配合量としては、0.2〜10%が好ましく、特に好ましくは、0.5〜5%の範囲である。第三級アルキルアミドアミンの毛髪化粧料中での含有量が0.2%〜10%であると、毛髪に吸着する量が適度となり、好適な感触が得られる上に、組成物の安定性を保つことが容易となり、十分な効果を発揮することができる。
【0017】
本発明で用いられる(c)有機酸は、具体例として、ヒドロキシ酸、アミノ酸、カルボン酸等が挙げられる。ヒドロキシ酸としては、例えばグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。アミノ酸としては、例えばL−グルタミン酸やL−アスパラギン酸等が挙げられる。カルボン酸としては、例えばマロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これら有機酸の中から1種又は2種以上を任意に用いることができる。特にその中でもヒドロキシ酸が好ましく、最も好ましいのは乳酸である。
【0018】
これら成分(c)の本発明の毛髪化粧料中への配合量としては、安定な毛髪化粧料を得るために、0.01〜10%が好ましく、より好ましくは0.01〜5%である。
【0019】
本発明で用いられる(d)予め調製されたシリコーンエマルジョンは、例えばジメチコン及びジメチコノール、アミノ変性シリコーン、さらにその1種又は2種以上の組合せのものが挙げられ、機械乳化、又は、乳化重合によりそのエマルジョンは得られる。その中でもアミノ変性シリコーンを含むものが好適であり、最も好ましいのは25℃にて外観上透明感を有するマイクロエマルジョンであることを特徴とするアミノ変性シリコーンマイクロエマルジョンである。
【0020】
これら成分(d)の本発明の毛髪化粧料中への配合量としては、0.1〜25%が好ましく、より好ましくは0.5〜15%であり、特に好ましくは0.5%〜10%である。成分(d)の毛髪化粧料中での含有量が0.1%〜25%であると、毛髪に吸着する量が適度となり、好適な感触が得られる上に、組成物の安定性を保つことが容易となり、十分な効果を発揮することができる。
【0021】
本発明の毛髪化粧料には、タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体から1種又は2種以上選択して配合でき、その毛髪浸透効果と被膜形成効果により、特にダメージを受けた毛髪の改善に有用である。これらの配合量は、0.0001%以上が好ましく、より好ましくは0.001%〜10%であり、特に好ましくは0.001〜5%である。
【0022】
上記タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体は、好ましくはヒドロキシル基を有するアミノ酸を最も多くその構成アミノ酸とするものである。すなわち、タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体を構成するアミノ酸として、ヒドロキシル基を有するものが少なくとも一種以上含まれており、そのなかで最も多いアミノ酸のモル分率が、ヒドロキシル基を有さないものを含めた他のアミノ酸それぞれのモル分率より多ければよい。例えば、ヒドロキシル基を有するアミノ酸二種およびヒドロキシル基を有さないアミノ酸二種から構成されるタンパク質の場合、ヒドロキシル基を有するアミノ酸のうち多い方が、ヒドロキシル基を有さないアミノ酸のいずれよりも多ければよく、またヒドロキシル基を有さないアミノ酸の合計よりも少なくても構わない。なお、ここでいうタンパク質は、広義のタンパク質であり、天然・合成を問わず、いわゆるペプチドも含む。
【0023】
上記ヒドロキシル基を有するアミノ酸のタンパク質中の総モル分率は、25mol%以上が好ましい。なお、セリシンなどの天然タンパク質では、ヒドロキシル基を有するアミノ酸の総モル分率が25〜60mol%の範囲のものが多く、本発明において、天然タンパク質を用いる場合、この範囲のものが好ましい。一方、現在の技術において合成タンパク質でも、ヒドロキシル基を有するアミノ酸の総モル分率が100mol%となるものは実現されていないが、いずれ実現できた際には、これを使用することにより、より効果的な毛髪ダメージの改善を得ることができるであろう。
【0024】
ヒドロキシル基を含有するアミノ酸としては、好ましくは、セリン、スレオニン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリンなどが挙げられ、その1種又は2種以上を含んでタンパク質は構成される。最も好ましいアミノ酸はセリンである。更に、それらタンパク質は、抽出等により分離されたままでもよいが、酸、アルカリ又は酵素によって加水分解されたものでも良い。その分子量は300〜100,000のものが好ましく、より好ましくは1,000〜50,000、更に好ましくは5,000〜30,000である。分子量が300〜100,000のものでは、毛髪内部に浸透する効果と、毛髪表面に被膜を形成する効果を十分に発揮することができ、ダメージを受けた毛髪の改善に効果的である。特に好ましいタンパク質としては、蚕繭又は生糸に含まれるセリシンがある。
【0025】
本発明の毛髪化粧料は、例えば、少なくとも成分(a)〜(c)を混合・加熱溶解したA相と、少なくとも成分(d)及び(e)を含有するB相を混合し、乳化・分散させて製造する。混合する際は、A相にB相を添加すると本発明の所望の効果を得られやすく望ましい。また、乳化・分散は後述するように所定の温度に設定することが望ましいが、その他の条件は、通常の設備を用いて常法に従って行えばよい。
【0026】
本発明の上記製造方法におけるA相には成分(a)〜(c)以外の任意の油性成分や、多価アルコール、界面活性剤、B相には成分(d)及び(e)以外の任意の水性成分や多価アルコール、界面活性剤、増粘性ポリマー、タンパク質、アミノ酸、植物エキスなどを混合、分散することができる。上記タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体も、好ましくはB相である。
【0027】
本発明の上記製造方法における乳化・分散温度は、得られる毛髪化粧料の相転移温度以下かつ成分(a)の融点以上の温度に設定することが好ましい。この設定にすると、毛髪に塗布するときの伸び、なじみに優れ、かつ、すすぎ時に髪がきしむことがなく、なめらかな使用感触が得られ、かつ乾燥後の仕上がり感に関して柔軟性やなめらかさの付与に優れた毛髪化粧料を得ることができる。
【0028】
本発明の毛髪化粧料は、上記必須成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で通常の毛髪化粧料に配合される他の成分、例えば、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等
の炭化水素、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート等のエステル油、ツバキ油、オリーブ油、アボガド油、ホホバ油、ヒマシ油、ヒマワリ油等の植物油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル等のノニオン性界面活性剤、ココイルアミドプロピルベタイン等の両性界面活性剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、力ルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロビレングリコール、グリコシルトレハロース・水添デンプン分解物混合物等の保湿剤、殺菌剤、キレート剤、紫外線吸収剤、動植物由来の天然エキス、色素及び香料等を添加することができる。
【0029】
本発明の毛髪化粧料は、ヘアーリンス、ヘアーコンディショナー、ヘアートリートメントの他、シャンプー、染毛剤、パーマ剤など頭髪に使用するものを広く指し、特に塗布後に洗い流して使用するものに応用でき、固形、液体、クリーム状、ジェル状、エアゾールフォーム、ポンプフォーム、スクイズフォーム、ミスト等様々な形態のものとして用いることができる。
【実施例】
【0030】
次に、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、配合量は全て質量%(以下、%と記す)で示す。
【0031】
表1に示す処方に基づいて実施例1〜9及び比較例1〜4のヘアリンスを調製し、塗布時の伸び、なじみ、すすぎ時のきしみのなさ、なめらかさ、乾燥後の髪の仕上がり感に関し、柔軟性、及び、なめらかさの付与を、下記に示す通り実用連用試験による評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
【0032】
評価方法
実用連用試験法専門パネラー(20人)が、下記に示す組成のシャンプーを使用後、実施例及び比較例のヘアリンスを使用する。試験開始から6日間連用した後、7日目にシャンプー、ヘアリンス使用後、塗布時の伸び、なじみ、すすぎ時のきしみのなさ、なめらかさ、乾燥後の髪の仕上がり感に関し、柔軟性、及び、なめらかさの付与について評価した。
【0033】
評価基準
◎・・・良いと答えた人が18人以上の場合
○・・・良いと答えた人が12〜17人の場合
△・・・良いと答えた人が6〜11人の場合
×・・・良いと答えた人が5人以下の場合
【0034】
実用連用試験用シャンプー処方
(%)
ポリオキシエチレン(3EO)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.0
塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチル
アンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース 0.3
精製水 残 余
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計100.0
【0035】
表1の実施例1〜9及び比較例1〜4の試料は、(A相)に(B相)を投入し、ホモミ
キサー(T.Kロボミックス[特殊機化工業社製])にて表1に示す乳化・分散温度の設定で混合した後、35℃まで冷却し、調製した。尚、比較例4は、乳化・分散することができず、分離したため官能評価を省略した。
【0036】
【表1】

【0037】
表1より明らかなように、本発明の成分を用いた実施例1〜9のヘアーリンスはいずれも優れた性能を示していた。
【0038】
一方、比較例1〜4では、いずれかの特性が劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0039】
実施例10 ヘアーリンス
(%)1.ステアリルアルコール 6.52.ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド 2.03.乳酸 0.34.パラフィンワックス 1.05.ジメチコンエマルジョン 5.0
(商品名:BY22−029[東レ・ダウコーニング社製])
6.アミノ変性シリコンマイクロエマルジョン 4.0
(商品名:BY22−079[東レ・ダウコーニング社製])
7.セリシン(商品名:シルクゲンGソルブルS[一丸ファルコス社製]) 1.08.加水分解コムギ(商品名:プロモイスWG[成和化成社製]) 0.59.加水分解コラーゲン液(商品名:プロモイスWU−32R[成和化成社製])0.510.グリコシルトレハロース・水添デンプン分解物混合物 6.011.プロピレングリコール 2.012.グリセリン 2.013.ヒドロキシエチルセルロース 0.114.パラベン 0.215.香料 適 量16.純水 残 余
【0040】
成分1〜4を混合溶解し80℃に調整、A相とした。成分5〜13及び15を混合したB相を55℃に調整後、B相をA相に徐々に添加、65℃にて乳化・分散を行った。分散にはTKロボミクスを使用し、均一に混合した後、14を混合し、35℃まで冷却した。このようにして調製した上記組成のヘアーリンスの使用感、仕上がり感を官能評価したところ、いずれの特性も優れており、良好な結果を得た。
【0041】
実施例11 ヘアーリンス
(%)1.セトステアリルアルコール 3.02.ステアリルアルコール 2.03.ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1.54.乳酸 0.55.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)
(商品名:エルデュウPS−203[味の素社製]) 3.06.POE(6)セチルエーテル 0.57.ジメチコン(n=250) 3.08.QUATERNIUM−80 0.5
(商品名:ABIL QUAT3474[デグサ社製])
9.ジメチコンエマルジョン(商品名:KM−910[信越化学工業社製]) 2.010.アミノ変性シリコーンエマルジョン 1.0
(商品名:FZ−4671[東レ・ダウコーニング社製])
11.セリシン(商品名:シルクゲンGソルブルS[一丸ファルコス社製]) 1.5
12.ヒドロキシエチルセルロース 0.213.海藻エキス(商品名:海藻抽出液[香栄興業社製]) 0.514.加水分解コンキオリン液(商品名:真珠たん白抽出液[丸善製薬社製]) 0.515.ジプロピレングリコール 3.016.グリコシルトレハロース・水添デンプン分解物混合物 3.017.パラベン 0.218.香料 適 量19.純水 残 余
【0042】
成分1〜8を混合溶解し80℃に調整、A相とした。成分9〜17及び19を混合したB相を50℃に調整後、B相をA相に徐々に添加、60℃にて乳化・分散を行った。分散にはTKロボミクスを使用し、均一に混合した後、18を混合し、35℃まで冷却した。このようにして調製した上記組成のヘアーリンスの使用感、仕上がり感を官能評価したところ、いずれの特性も優れており、良好な結果を得た。
【0043】
実施例12 ヘアートリートメント
(%)1.セトステアリルアルコール 12.02.ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド 4.03.乳酸 2.04.白色ワセリン 3.05.POE(60)硬化ヒマシ油 0.56.高重合メチルポリシロキサン/メチルポリシロキサン
/アミノ変性シリコン 混合物60%エマルジョン 3.07.アモジメチコーンエマルジョン 1.0
(商品名:SM8904[東レ・ダウコーニング社製])
8.セリシン(商品名:DKセリシン[第一製薬工業社製]) 0.59.モモ葉エキス(商品名:桃葉エキスBG−100[香栄興業社製]) 0.510.アロエエキス(商品名:アロエベラ抽出液M[香栄興業社製]) 0.511.アルギニン誘導体(商品名:アミセーフLMA−60[味の素社製]) 2.012.グリコシルトレハロース・水添デンプン分解物混合物 2.013.ジグリセリン 2.014.パラベン 0.215.香料 適 量16.純水 残 余
【0044】
成分1〜5を混合溶解し80℃に調整、A相とした。成分6〜14及び16を混合したB相を50℃に調整後、B相をA相に徐々に添加、60℃にて乳化・分散を行った。分散にはTKロボミクスを使用し、均一に混合した後、15を混合し、35℃まで冷却した。このようにして調製した上記組成のヘアートリートメントの使用感、仕上がり感を官能評価したところ、いずれの特性も優れており、良好な結果を得た。
【0045】
実施例13 ヘアートリートメント
(%)1.セトステアリルアルコール 6.02.ステアリルアルコール 3.03.ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1.54.乳酸 1.05.塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 1.56.アジピン酸ジグリセリル混合脂肪酸エステル 1.0
(商品名:SOFTIZAN649[SASOL社製])
7.アミノ変性シリコンマイクロエマルジョン 2.08.ジメチコンエマルジョン 5.0
(商品名:BY22−034[東レ・ダウコーニング社製])
9.セリシン(商品名:シルクゲンGソルブルS[一丸ファルコス社製]) 1.010.ポリクオタニウム64 1.0
(商品名:LIPIDURE−C[日本油脂社製])
11.グリコシルトレハロース・水添デンプン分解物混合物 3.012.ソルビトール液(50%水溶液) 5.013.パラベン 0.214.香料 適 量15.純水 残 余
【0046】
成分1〜6を混合溶解し80℃に調整、A相とした。成分7〜13及び15を混合したB相を55℃に調整後、B相をA相に徐々に添加、65℃にて乳化・分散を行った。分散にはTKロボミクスを使用し、均一に混合した後、14を混合し、35℃まで冷却した。このようにして調製した上記組成のヘアートリートメントの使用感、仕上がり感を官能評価したところ、いずれの特性も優れており、良好な結果を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)直鎖高級アルコールと、
(b)下記一般式(1)で表わされる第三級アルキルアミドアミン化合物と、
[化1]
1CONH(CH2pN(R22 (1)
[但し、R1は、炭素数11〜23の脂肪酸残基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、pは1〜4の整数を表す。]
(c)有機酸と、
(d)予め調製されたシリコーンエマルジョンと、
(e)水
を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
【請求項2】
(d)予め調製されたシリコーンエマルジョンが、アミノ変性シリコーンエマルジョンを含有するものである請求項1に記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
アミノ変性シリコーンエマルジョンが、25℃にて外観上透明感を有するマイクロエマルジョンである請求項2に記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
(c)有機酸が、ヒドロキシ酸である請求項1から3のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項5】
さらに、タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体からなる群より選択される1種又は2種以上を含有する請求項1から4のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項6】
タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体が、それを構成するアミノ酸の中で、ヒドロキシル基を有するアミノ酸が最も多い構成アミノ酸である請求項5に記載の毛髪化粧料。
【請求項7】
ヒドロキシル基を有するアミノ酸の総モル分率が、タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体中の25mol%以上である請求項6に記載の毛髪化粧料。
【請求項8】
ヒドロキシル基を有するアミノ酸が、セリン、スレオニン、チロシン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリンのうち1種又は2種以上である請求項6又は7に記載の毛髪化粧料。
【請求項9】
タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体の分子量が、300〜100,000である請求項5から8のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項10】
タンパク質、タンパク質加水分解物及びそれらの誘導体が、セリシン由来である請求項5から9のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項11】
少なくとも下記成分(a)〜(c)を混合・加熱溶解したA相に、少なくとも下記成分(d)及び(e)を含有するB相を添加し、乳化・分散させる工程を含む毛髪化粧料の製造方法であって、前記乳化・分散温度を、得られる毛髪化粧料の相転移温度以下、かつ成分(a)の融点以上の温度に設定することを特徴とする毛髪化粧料の製造方法。
(a)直鎖高級アルコール
(b)下記一般式(1)で表わされる第三級アルキルアミドアミン化合物
[化2]
1CONH(CH2pN(R22 (1)
[但し、R1は、炭素数11〜23の脂肪酸残基、R2は炭素数1〜4のアルキル基、pは1〜4の整数を表す。]
(c)有機酸
(d)予め調製されたシリコーンエマルジョン
(e)水

【公開番号】特開2007−22979(P2007−22979A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209520(P2005−209520)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(306018365)カネボウホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】