説明

毛髪化粧料

【課題】頭頂部付近にボリューム感をもたせつつ、まとまりがよいヘアスタイルが得られる毛髪化粧料の提供。
【解決手段】(A)特定の第4級アンモニウム又はその塩、0.01〜20質量%、(B)特定のエーテル型第3級アミン又はその塩、0.01〜20質量%、(C)特定の分岐脂肪酸又はその塩、0.005〜6質量%、(D)芳香族スルホン酸塩、0.05〜10質量%、及び水を含有し、成分(C)と成分(D)の質量比(C)/(D)が、0.05〜1である毛髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関する。さらに詳しくは、乾燥後の仕上がりが良好なコンディショナーに関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪化粧料の中でも特にコンディショナーには、従来から、毛髪表面の性質を直接的に改質させることで、毛髪に滑らかさやしっとり感を付与する技術が用いられてきた。例えば、特許文献1には、カチオン性界面活性剤とともに2−ナフタレンスルホン酸などの特定の化合物を用いることで、ヘアスタイルのまとまり性に優れた毛髪化粧料を得ることが開示されている。
【0003】
一方、毛髪のまとまり性と対照的な効果として毛髪のボリューム感の向上が知られている。特許文献2、3では、毛髪用の組成物中に粒子を混合して毛髪の表面に粒子を付着させることによって、ボリューム感のあるヘアスタイルを持続させようとしている。また、特許文献4には、ラテックス粒子をケラチン繊維に吸着させて、ボリューム感を得ようとする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−228358号公報
【特許文献2】特表2005−511583号公報
【特許文献3】特表2005−506312号公報
【特許文献4】特開2004−137274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近では、頭頂部付近にボリューム感をもたせつつ、まとまりがよいヘアスタイルが得られることが求められている。しかしながら、いずれの先行技術文献に記載の技術でもかかる課題を解決することはできなかった。また、コンディショナーに粒子等を混合させた場合、乾燥後の毛髪がきしみ、良好な仕上がり感触が得られない傾向があった。さらに、粒子が頭皮部分にそって張りついてしまい、頭頂部の毛根の立ち上がりが不十分になるという問題が生じた。
【0006】
本発明者らは、頭頂部付近にボリューム感をもたせつつ、まとまりがよいヘアスタイルが得られる毛髪化粧料について、鋭意研究を重ねた結果、第4級アンモニウム又はその塩、エーテル型第3級アミン又はその塩、分岐脂肪酸又はその塩、及び芳香族スルホン酸塩の成分を組み合わせることによって初めて、頭頂部付近の毛髪根元の立ち上がりに優れつつ、ヘアスタイルの良好なまとまり性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、下記式(1)で表される第4級アンモニウム又はその塩 0.01〜20質量%
(1)
〔式(1)中、R、R、R又はRのうち少なくとも一つは、エーテル結合を有していてもよい炭素数16〜25、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を示し、残りのうち少なくとも二つ以上は、同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基、又は−(AO)mHを示す(Aは同一又は異なる、炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜6の整数を示し、その配列は任意である)、Xはハロゲン化物イオン又は炭素数1〜2のアルキル硫酸イオンを示す。〕
(B)下記式(2)で表されるエーテル型第3級アミン又はその塩 0.01〜20質量%
−(O−R24−NR1011 (2)
〔式(2)中、Rは炭素数6〜24、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を示し、R10及びR11は同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基、又は−(AO)mHを示し(Aは同一又は異なる、炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜6の整数を示し、その配列は任意である)、R24はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜3の直鎖アルキル基(eは1〜5の整数を示す)。〕
(C)下記式(3)で表される分岐脂肪酸又はその塩 0.005〜6質量%
CH−CHR18−(CHCOOH (3)
〔式(3)中、R18はメチル基又はエチル基を示し、nは14〜20の整数を示す。〕
(D)芳香族スルホン酸塩 0.05〜10質量%
及び水を含有し、
成分(C)と成分(D)の質量比(C)/(D)が、0.05〜1である毛髪化粧料
が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、頭頂部付近にボリューム感をもたせつつ、まとまりがよいヘアスタイルが得られる毛髪化粧料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】モデル毛束10の断面を模式的に示す断面図である。
【図2】立ち上がり量の測定方法を説明するための模式図である。
【図3】立ち上がり量の測定方法を説明するための模式図である。
【図4】立ち上がり量の測定方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。
【0011】
[成分(A)第4級アンモニウム又はその塩]
本発明の成分(A)のカチオン界面活性剤は、下記式(1)で表される。
〔式(1)中、R、R、R又はRのうち少なくとも一つは、エーテル結合を有していてもよい炭素数16〜25、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を示し、残りのうち少なくとも二つ以上は、同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基、又は−(AO)mHを示す(Aは同一又は異なる、炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜6の整数を示し、その配列は任意である)、Xはハロゲン化物イオン又は炭素数1〜2のアルキル硫酸イオンを示す。〕
【0012】
式(1)で表される第4級アンモニウム塩としては、第4級アンモニウムを有機酸及び/又は無機酸によって塩としたものを用いてもよいし、本発明の毛髪化粧料に酸を配合して、pH調整と共に組成物中で塩を形成させたものでもよい。
【0013】
有機酸としては、例えば、アルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の短鎖アルキル基を有する酸;L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;ピログルタミン酸;安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族酸;グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸等が挙げられ、無機酸としては、リン酸、塩酸、酢酸、コハク酸等が挙げられる。これらの中でも毛髪に対する保湿及び柔軟化効果をもたらす点から、有機酸が好ましく、特に、酸性アミノ酸、ピログルタミン酸、ヒドロキシ酸が好ましく、さらに好ましくはヒドロキシ酸である。
【0014】
成分(A)の具体的な例としては、以下の(A−i)〜(A−iii)が挙げられる。
【0015】
(A−i)アルキルトリメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
−N(CH (4)
〔式中、Rは炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Xはハロゲン(塩素又は臭素)化物イオン又は炭素数1〜2のアルキル硫酸イオンを示す。〕
【0016】
(A−ii)アルコキシトリメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
−O−R−N(CH (5)
〔式中、Rは炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、Xはハロゲン(塩素又は臭素)化物イオン又は炭素数1〜2のアルキル硫酸イオンを示す。〕
【0017】
(A−iii)ジアルキルジメチルアンモニウム塩
例えば下記一般式で表される化合物が挙げられる。
−N(CH (6)
〔式中、Rは炭素数16〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示し、Xは上記と同じである。〕
【0018】
上記(A−i)〜(A−iii)以外のカチオン界面活性剤としては、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム(アルカノイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムのエチル硫酸塩、アルカノイル基はラノリン由来)、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリエチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルトリエチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノエチルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(C14〜C20)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソアルカン酸(C18〜C22)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソステアリン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸イソノナン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
その中でも、使用時に良好な柔軟性及び滑り性、ならびに仕上がりの髪の自然な質感を付与する効果の観点から、(A−i)アルキルトリメチルアンモニウム(またはその塩)が好ましく、中でも、炭素数16〜22のアルキル基を有するトリメチルアンモニウム(またはその塩)が好ましく、特に炭素数16〜18のアルキル基を有するトリメチルアンモニウム(またはその塩)が好ましい、さらにセチルトリメチルアンモニウム塩が好ましい。
【0019】
成分(A)は、1種又は2種以上のカチオン界面活性剤を併用してもよい。
【0020】
成分(A)の含有量は、使用時に良好な柔軟性及び滑り性、ならびに仕上がりの髪の自然な質感を付与する効果の観点から、全組成物に対し、0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、使用時に良好な柔軟性及び滑り性、ならびに仕上がりの髪の自然な質感を付与する効果の観点から、全組成物に対し、20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
【0021】
成分(A)は、さらに、セチルトリメチルアンモニウムクロライドを少なくとも0.3質量%以上含むのが好ましい。特にセチルトリメチルアンモニウムクロライドと他の第4級アンモニウム塩を2種混合して使用することが好ましい。具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロライドとステアリルトリメチルアンモニウムクロライドの組み合わせが好ましい。
【0022】
[成分(B)エーテル型第3級アミン又はその塩]
本発明の成分(B)は、下記式(2)で表される。
−(O−R24−NR1011 (2)
〔式(2)中、Rは炭素数6〜24、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を示し、R10及びR11は同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基、又は−(AO)mHを示し(Aは同一又は異なる、炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜6の整数を示し、その配列は任意である)、R24はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜3の直鎖アルキル基(eは1〜5の整数を示す)。〕
【0023】
は、さらに、炭素数12〜24、特に炭素数14〜22の、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基が好ましく、特にアルキル基が好ましい。さらに、R10及びR11の少なくとも一方が、炭素数1〜6のアルキル基、中でもメチル基又はエチル基が好ましく、特に双方が同じであることが好ましい。
【0024】
一般式(2)で表されるエーテルアミン塩としては、エーテルアミン塩を有機酸及び/又は無機塩によって塩としたものを用いてもよいし、本発明の毛髪化粧料に酸を配合して、pH調整と共に組成物中で塩を形成させてもよい。
【0025】
有機酸としては、例えば、アルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の短鎖アルキル基を有する酸;L−グルタミン酸、L−アスパラギン酸等の酸性アミノ酸;ピログルタミン酸;安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族酸;グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシ酸等が挙げられ、無機酸としては、リン酸、塩酸、酢酸、コハク酸等が挙げられる。中でも毛髪に対する保湿及び柔軟化効果をもたらす点から、有機酸が好ましく、特に、酸性アミノ酸、ピログルタミン酸、ヒドロキシ酸が好ましく、さらに好ましくはヒドロキシ酸である。
【0026】
成分(B)のカチオン界面活性剤のより具体的な例としては、例えば、以下の(B−i)〜(B−ii)の第3級アミン化合物(またはその塩)等の少なくともいずれか1つが挙げられる。
【0027】
(B−i)ヒドロキシエーテルアルキルアミン(またはその塩)
例えば下記一般式(7)で表される化合物及びその塩が挙げられる。
【0028】
【化1】

【0029】
〔式中、R12は炭素数6〜24の、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を示し、R13及びR14は同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基、又は−(AO)fH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基、fは同一又は異なる、1〜6の数を示し、その配列は任意である)、eは1〜5の数を示す。〕
【0030】
具体的には、ヘキサデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩、オクタデシルオキシ(2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンおよびその塩が挙げられる。
【0031】
(B−ii)エーテルアミン(またはその塩)
例えば下記一般式(8)で表される化合物またはその塩が挙げられる。
【0032】
【化2】

【0033】
〔式中、R15は、炭素数6〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R16及びR17は、同一又は相異なって炭素数1〜6のアルキル基又は−(AO)gH(Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、gは1〜6の数を示し、g個のAは同一でも異なってもよく、その配列は任意である)を示す。〕
【0034】
具体的には、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミンおよびその塩、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンおよびその塩が挙げられる。その中でも特に、(B−ii)エーテルアミン(またはその塩)が好ましく、特に、エーテルアミンの好ましい具体例としては、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミンが好ましい。
【0035】
成分(B)のエーテルアミン又はその塩は、2種以上を併用してもよい。
【0036】
成分(B)の含有量は、使用時に良好な柔軟性及び滑り性、ならびに仕上がりの髪の自然な質感を付与する効果の観点から、全組成物に対し、0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上である。また、使用時に良好な柔軟性及び滑り性、ならびに仕上がりの髪の自然な質感を付与する効果の観点から、全組成物に対し、20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
【0037】
[成分(C)分岐脂肪酸又はその塩]
本発明の成分(C)は、下記式(3)で表される。
CH−CHR18−(CHCOOH (3)
〔式(3)中、R18はメチル基又はエチル基を示し、nは14〜20の整数を示す。〕
【0038】
本発明の成分(C)は、例えば、LIPIDS,vol.23,No.9,878〜881(1988)の記載に従い、毛髪等から分離、抽出することもできるが、特許文献WO98/30532に従って合成することもできる。
【0039】
分岐脂肪酸は一般式(3)で表されるものであり、R18は、メチル基又はエチル基を示し、nは14〜20、さらに16〜20が好ましい。特に18−メチルエイコサン酸、14−メチルペンタデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、15−メチルへプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸が好ましい。
【0040】
また、この分岐脂肪酸の塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。
【0041】
抽出品としては、ラノリンからの抽出物、すなわちラノリン脂肪酸が挙げられる。ラノリン脂肪酸は、イソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸と呼ばれるメチル分岐長鎖脂肪酸を50重量%程度含有する。具体的には、クロダシッド18−MEA〔クローダジャパン株式会社〕、スクライロ〔クローダジャパン株式会社〕、FA−NH〔日本精化株式会社〕が挙げられる。
【0042】
成分(C)は、1種又は2種以上を併用してもよい。また、合成品と抽出品を混合して使用してもよい。
【0043】
成分(C)の含有量は、柔軟性のある感触を維持する点、頭髪全体のボリューム感ならびに頭頂部付近の毛髪根元の立ち上がりに優れる点、毛髪の損傷を回復又は抑制させる効果の観点から、全組成物に対し、0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.02質量%以上である。また、柔軟性のある感触を維持する点、頭髪全体のボリューム感ならびに頭頂部付近の毛髪根元の立ち上がりに優れる点、毛髪の損傷を回復又は抑制させる効果の観点から、全組成物に対し、6質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
【0044】
[成分(D)芳香族スルホン酸塩]
本発明の成分(D)の、芳香族スルホン酸としては、芳香環を1つ含む2−ナフタレンスルホン酸、オキシベンゾンスルホン酸、サリチル酸又はグアイアズレンスルホン酸等が挙げられる。対イオンとしては、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。中でもスルホン酸塩が好ましく、特に2−ナフタレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0045】
成分(D)は、1種又は2種以上を併用してもよい。
【0046】
成分(D)の含有量は、柔軟性のある感触を維持する点、頭髪全体のボリューム感ならびに頭頂部付近の毛髪根元の立ち上がりに優れる効果の観点から、全組成物に対し、0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上である。また、柔軟性のある感触を維持する点、頭髪全体のボリューム感ならびに頭頂部付近の毛髪根元の立ち上がりに優れる効果の観点から、全組成物に対し、10質量%以下、より好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
【0047】
成分(C)と成分(D)の質量比(含有量比)(C)/(D)は、毛髪に対する良好な柔軟性のある感触を維持しつつ、頭髪全体のボリューム感ならびに頭頂部付近の毛髪根元の立ち上がりに優れ、乾燥後の仕上がり感触、後のスタイリングの容易性、熱による癖づけが容易の観点から、0.05〜1の範囲とすることが好ましく、さらには0.1〜0.5の範囲とすることが好ましい。予め(A)と(B)とを混合、中和し、酸付加塩として用いてもよい。なお、本発明の毛髪化粧料において、成分(A)、(B)、(C)、(D)は毛髪表面に吸着しやすい、疎水性の複合体を形成すると推定される。
【0048】
本発明の効果について説明する。従来の毛髪化粧料を用いた後の毛髪は、毛髪同士が付着するため、その重みによって頭頂部の毛髪が根元付近からたわみ、頭頂部のボリューム感が失われやすかった。これに対し、本発明の毛髪化粧料は、上記成分(A)〜(D)を組み合わせることによって、頭頂部付近にボリューム感をもたせつつ、まとまりがよいヘアスタイルが得られるという効果を奏する。その詳細なメカニズムは明らかではないが、次のことが推測される。
【0049】
まず、本発明の成分(A)と成分(D)との組み合せにより、毛髪の乾燥時に毛髪間にコンプレックスが形成され、さらさら感やまとまり感が得られると考えられる。一方、本発明の成分(C)と成分(D)との組み合せによって、毛髪表面に疎水性の複合体が形成され、これにより仕上がり時の自然な質感、しなやかさが得られ、毛髪表面の損傷を抑制し補修をすると考えられる。そこで、成分(A)〜(D)を組み合わせると、毛髪表面の疎水性の複合体と毛髪間のコンプレックスとの相互作用が生じ、これにより毛髪1本1本の間に空間が形成されるようになり、毛髪根元が自然に立ち上がることができるようになると推測される。これにより、頭頂部付近にボリューム感をもたせつつ、まとまり性の良好な毛髪が得られる。特に側頭部でのまとまり性が良好となる。また、頭頂部付近の毛髪根元が立ち上がることで、毛髪全体のボリューム感も得られるようになる。さらに、本発明の毛髪化粧料を用いた後の毛髪は、乾燥後、熱による癖付けが容易になるといった効果を奏する。
【0050】
本発明の成分(A)と成分(D)の組み合わせとしては、例えば、セチルトリメチルアンモニウム塩と2−ナフタレンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
【0051】
[その他の成分]
本発明の毛髪化粧料は塗布のしやすさ、滑らかな使用感、柔軟性のある感触の観点から脂肪族アルコールを併用することが望ましく、炭素数12〜22のアルキル、アルケニル基を有するものが好ましい。例えば、ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコールなどが挙げられる。中でもステアリルアルコール、セチルアルコールが好ましい。これら脂肪族アルコールは単独で用いても、数種類組み合わせて用いてもよい。
【0052】
脂肪族アルコールは、1種又は2種以上を併用してもよい。その含有量は、滑らかな使用感、柔軟性のある感触の観点から、本発明の毛髪化粧料中に0.05〜20質量%が好ましく、さらには1〜10質量%が好ましい。特に2〜5質量%が好ましい。
【0053】
本発明の毛髪化粧料中に含まれる水の量は、30〜95質量%、さらに50〜95重量%、特に60〜90質量%が好ましい。
【0054】
本発明の毛髪化粧料には、毛髪に与える感触をさらに向上させるため、シリコーン類、油性成分、上記(B)以外の脂肪族アミンとその塩等を添加することができる。
【0055】
シリコーン類としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
(i)高重合ジメチルポリシロキサン
例えば、BY11−026、BY22−19〔東レ・ダウコーニング株式会社〕、FZ−3125〔日本ユニカー株式会社〕等が挙げられる。
【0056】
高重合ジメチルポリシロキサンは、液状油(例えば、下記(ii)ジメチルポリシロキサンオイル、(iii)環状シリコーン等の液状シリコーン油、またイソパラフィン等の液状炭化水素油)に溶解又は分散したものも使用することができる。
【0057】
(ii)下記一般式(9)で表されるジメチルポリシロキサンオイル
【0058】
【化3】

【0059】
〔式中、cは0〜650の整数を示す。〕
【0060】
具体的には、SH200Cシリーズ、粘度1cs、50cs、200cs、1000cs、5000cs〔東レ・ダウコーニング株式会社〕等の市販品が含まれる。
【0061】
(iii)下記一般式(10)で表される環状シリコーン
【0062】
【化4】

【0063】
〔式中、dは3〜7の整数を示す。〕
【0064】
具体的には、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。また、市販品としては、SH244やSH245(東レ・ダウコーニング株式会社)が挙げられる。
【0065】
(iv)下記一般式(11)で表されるアミノ変性シリコーン
【0066】
【化5】

【0067】
〔式中、R19はR20と同一の基、あるいはメチル基又は水酸基を示し、R20は−R21−Q(ここでR21は炭素数3〜6の2価炭化水素基、Qは1〜3級アミノ基含有基又はアンモニウム基含有基を示す。)で表される反応性官能基を示す。e及びfはそれぞれ正の整数で、e+fは分子量に依存する。好ましい平均分子量は3000〜100000である。〕
【0068】
例えば、SS−3551、SF8452C、DC929、DC8500(以上、東レ・ダウコーニング株式会社)、KT1989(GE東芝株式会社)等が挙げられる。アミノ変性シリコーンを水性乳濁液として用いる場合、該水性乳濁液中に含まれるアミノ変性シリコーンの量は20〜60重量%が好ましく、30〜50重量%がさらに好ましい。好ましいアミノ変性シリコーン水性乳濁液としては、SM8704C(東レ・ダウコーニング株式会社)が挙げられる。
【0069】
(v)その他のシリコーン類
上記以外に、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0070】
油性成分としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸等の成分(C)以外の高級脂肪酸、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワレン、スクワラン等の炭化水素油等が挙げられる。また、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アボカド油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、メドウフォーム油等の天然油;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミルスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリスリトールとヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸等の混合脂肪酸とのエステル等のエステル油が挙げられる。
【0071】
本発明の毛髪化粧料中に含まれるシリコーン類、油性成分は、0.1〜15質量%が好ましく、特に0.5〜10質量%が好ましい。
【0072】
脂肪族アミンとその塩としては、例えば以下に示すものが挙げられる。
(i)アルキルアミドアミン(及びその塩)
例えば下記一般式(12)で表される化合物及びその塩が挙げられる。
【0073】
【化6】

【0074】
〔式中、R22は炭素数11〜23の脂肪族炭化水素基を示し、R23は同一又は異なる、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、hは2〜4の数を示す。〕
【0075】
本発明の毛髪化粧料中に含まれる脂肪族アミン及びその塩は、1種又は2種以上を併用してもよく、また使用時に良好な柔軟性及び滑り性を付与する点から、その含有量は、0.01〜20質量%が好ましく、さらには0.1〜15質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。
【0076】
本発明の毛髪化粧料にはさらに、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じて配合することができる。例えば、カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の高分子化合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド類等の非イオン界面活性剤;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;酸化チタン等のパール粉体;香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ〔ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS)〕に記載されている成分等が挙げられる
【0077】
本発明の毛髪化粧料は、20重量倍に水で希釈した際のpH(25℃)が1〜5であることが好ましい。この範囲であると、柔軟性のある感触を維持する点、頭髪全体のボリューム感ならびに頭頂部付近の毛髪根元の立ち上がりに優れる。pH値は、特に2〜5、さらには3〜4.5となるように調整するのが、自然な髪のもつ滑らかな質感を有する仕上がり効果を得る観点から好ましい。pHの調整には、無機酸、有機酸等の酸性物質、さらに塩基性物質として水酸化ナトリウム等も併用できる。無機酸及び有機酸は、前述した成分アミドアミンの中和に用いられるものが含まれる。
【0078】
なお、本実施形態の化粧料組成物は、柔軟性のある感触を維持する観点からアニオン性界面活性剤を多く含まないことが好ましい。アニオン性界面活性剤の含有量は、1.0%以下、より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.05%以下である。特に好ましくは、アニオン性界面活性剤を実質的に含まないことが好ましい。
【0079】
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)〜(D)及びその他の任意成分を、水と必要に応じエタノール、2−プロパノール、グリセリン、プロピレングリコール等を加えた溶剤に溶解させることにより製造される。その製品形態としては、シャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアクリーム、ヘアパック等が挙げられる。
【0080】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【実施例】
【0081】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】
表1,2に示す組成の毛髪化粧料を、各成分を混合、加熱溶解したものを、加熱した水中に投入し攪拌することで製造した。
【0083】
(感触評価)
コールドパーマ、ブリーチ等の美容処理を行った日本人女性の毛髪20g(約15−20cm)を束ね、シャンプーで洗浄した。この毛髪に毛髪化粧料2gを均一に塗布し、次いで30秒間流水ですすぎ流した後、タオルドライを行い、さらにドライヤー乾燥を行って毛髪の「洗髪後の滑らかさ」、「乾燥後毛髪全体のボリューム感」、「乾燥後の浮き毛・はね毛のなさ」、「乾燥後の指通り」、「乾燥後のまとまり」、を官能評価した。評価は、下記の評価基準に基づき、5人で4段階評価で行った。その評価の合計値を表1,2に示した。
【0084】
(評価基準)
「洗髪後の滑らかさ」
4:非常になめらか
3:ややなめらか
2:あまりなめらかでない
1:なめらかでない
【0085】
「乾燥後毛髪全体のボリューム感」
4:非常に髪全体のボリューム感がある
3:やや髪全体にボリューム感がある
2:あまり髪全体にボリューム感がない
1:髪全体にボリューム感がない
【0086】
「乾燥後の浮き毛・はね毛のなさ」
4:まったく浮き毛・はね毛がみられない
3:ほとんど浮き毛・はね毛がみられない
2:浮き毛・はね毛がやや目立つ
1:浮き毛・はね毛が目立つ
【0087】
「乾燥後の指通り」
4:非常に指通りがよい
3:やや指通りがよい
2:あまり指通りがよくない
1:指通りがよくない
【0088】
「乾燥後のまとまり」
4:非常によくまとまる
3:ややまとまる
2:あまりまとまらない
1:まとまらない
【0089】
(熱による癖づけの容易さ)
市販カーリングアイロン(巻き付け直径3cm)を用いて、官能評価後の毛髪束を130〜150℃の温度で5秒間巻き付ける操作を連続で2回繰り返した。ついたくせのつきやすさを、下記の評価基準に基づき、5人で4段階評価で行った。その評価の合計値を表1,2に示した。
【0090】
(評価基準)
「熱による癖づけの容易さ」
4:非常にくせがつきやすい
3:ややくせがつきやすい
2:くせがあまりつかない
1:くせがつかない
【0091】
(毛髪の立ち上がり評価)
以下のようにして、毛髪の立ち上がり評価を行った。
<モデル毛束の作成>
(材料)
・サンプル毛髪:Europian Blond毛21本(長さ22〜23cm、平均径78.2μm(n=15;レーザー外径測定装置にて測定)DEMEO BROTHERS inc.より購入)
・シリコンマイクロチューブ:内径×外径(mm)0.4×0.5 長さ1.5cm×7本(品番1−8194−04 アズワン株式会社)
・鋼線(又はステンレス線):直径1.5mm長さ2.0cm×7本
・布粘着テープ:1cm×3cm(NICHIBAN No.102N)
・ビニールテープ:0.6cm×1.0cm(ヤマト株式会社NO200−19−5)
・ナイロンテグス:直径0.18mm 適量 (ハリスライカ本舗)
【0092】
図1は、モデル毛束10の断面を模式的に示す図である。上記(材料)を用いて、図1に示すようなモデル毛束10を作成した。
まず、1.5cmの長さに切断した直径0.5mm(内径0.4mm)のシリコンチューブに根元方向を揃えたサンプル毛髪3本を根元部分から通し端をシリコンチューブごとこま結びで止め、シリコンチューブ1を作成した。同様にして、シリコンチューブ1を7組作成し、そのうち1組のシリコンチューブ1についてビニールテープ2を巻き付けて太くし、芯部とした。次に、長さ2cm直径1.5mmの鋼線3(またはステンレス線)を用意し、残り6組のシリコンチューブ1を6本の鋼線3の間に配置し、芯部と残り1本の鋼線3を中心にして束ね、布粘着テープ4を用いて全体を巻き付けた。さらに、布粘着テープ4の上からテグス5を巻き締めてモデル毛束10を作成した。
【0093】
<評価方法>
図2〜4を用いて、立ち上がり量の測定方法について説明する。
毛髪化粧料をイオン交換水を用いて20倍希釈した水溶液をサンプル水溶液とした。
図2に示すようにして、固定具6を用いて、モデル毛束10を、サンプル毛髪が上向きになるように固定し、サンプル水溶液5mlをサンプル毛髪の毛束の屈曲部頂点付近に滴下し、その後イオン交換水5mlにて同様の滴下法で十分すすぎ、室温(25℃)、50(±10)RH%条件下10分間静置により十分自然乾燥させた。乾燥前後の毛束の屈曲部をデジカメにて撮影し、変化を記録した。
図3に示すように、すすぎ直後の毛束の屈曲部の高さの最大値を(h1)とし、図4に示すように、乾燥後の毛束の屈曲部の高さの最大値を高さ(h2)として、立ち上がり量(Δh=h2−h1)とした。
【0094】
【表1】

【0095】
【表2】

【符号の説明】
【0096】
1 シリコンチューブ
2 ビニールテープ
3 鋼線
4 布粘着テープ
5 テグス
6 固定具
10 モデル毛束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記式(1)で表される第4級アンモニウム又はその塩 0.01〜20質量%
(1)
〔式(1)中、R、R、R又はRのうち少なくとも一つは、エーテル結合を有していてもよい炭素数16〜25、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を示し、残りのうち少なくとも二つ以上は、同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基、又は−(AO)mHを示す(Aは同一又は異なる、炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜6の整数を示し、その配列は任意である)、Xはハロゲン化物イオン又は炭素数1〜2のアルキル硫酸イオンを示す。〕
(B)下記式(2)で表されるエーテル型第3級アミン又はその塩 0.01〜20質量%
−(O−R24−NR1011 (2)
〔式(2)中、Rは炭素数6〜24、直鎖又は分岐鎖の、アルキル基又はアルケニル基を示し、R10及びR11は同一又は異なる、炭素数1〜6のアルキル基、又は−(AO)mHを示し(Aは同一又は異なる、炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜6の整数を示し、その配列は任意である)、R24はヒドロキシ基が置換していてもよい炭素数1〜3の直鎖アルキル基(eは1〜5の整数を示す)。〕
(C)下記式(3)で表される分岐脂肪酸又はその塩 0.005〜6質量%
CH−CHR18−(CHCOOH (3)
〔式(3)中、R18はメチル基又はエチル基を示し、nは14〜20の整数を示す。〕
(D)芳香族スルホン酸塩 0.05〜10質量%
及び水を含有し、
成分(C)と成分(D)の質量比(C)/(D)が、0.05〜1である毛髪化粧料。
【請求項2】
成分(A)が、セチルトリメチルアンモニウム又はその塩を少なくとも含む請求項1に記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
成分(B)が、N,N−ジメチル−3−ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N−ジメチル−3−オクタデシルオキシプロピルアミン、又はこれらの塩から選ばれる1種または2種以上を含む請求項1または2に記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
成分(C)が、18−メチルエイコサン酸、14−メチルペンタデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、16−メチルオクタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸、17−メチルノナデカン酸、ラノリン脂肪酸から選ばれる1種または2種以上を含む請求項1または2記載の毛髪化粧料。
【請求項5】
成分(D)が、2−ナフタレンスルホン酸又はその塩を少なくとも含む請求項1乃至4いずれか一項に記載の毛髪化粧料。
【請求項6】
水で20質量倍に希釈した際のpH(25℃)が、1〜5である請求項1乃至5いずれか一項に記載の毛髪化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−31128(P2012−31128A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174307(P2010−174307)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】