説明

毛髪用化粧料の製造方法

【課題】ポリグリセロール変性シリコーンを容易に毛髪用化粧料に配合することができる方法を提供する。
【解決手段】下記工程1及び2を有する毛髪用化粧料の製造方法。工程1:次の成分(A)と(B)とを、(A)/(B)=1/10〜10/1の重量比で混合し、シリコーン組成物を得る工程。(A)一般式(I):R1O−(PO)n/(EO)m−R2(I)(式中、R1はアルキル基等を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、nは1.5〜5.0の数を示し、mは0〜1.0の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)で表される化合物。(B)ポリグリセロール変性シリコーン。工程2:工程1で得られたシリコーン組成物と成分(A)以外の界面活性剤及び/又は水とを混合して毛髪用化粧料を得る工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪用化粧料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分岐ポリグリセロール変性シリコーンは、配合安定性が良く、洗浄、乾燥後の毛髪に高いコンディショニング効果を与え、毛髪用化粧料用成分として有用であることが知られている(特許文献1)。
一方、(A)一般式(1)
1O−(AO)n−R2 (1)
(式中、R1は炭素数8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル又はアルケニル基を示し、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示し、nはアルキレンオキシ基の数であり平均0.5〜3.5の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)
で表される化合物 0.2〜20重量%、
(B)(A)成分以外の界面活性剤 5〜60重量%、並びに
(C)シリコーン類及び炭素数15〜28の1価アルコールからなる群より選ばれる1種以上0.1〜10重量%を含有する皮膚又は毛髪用洗浄剤組成物が、優れた起泡性と洗浄時から乾燥後までの良好な使用感を有することが開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−097150号公報
【特許文献2】特開2008−063294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2の毛髪用洗浄剤組成物に、ポリグリセロール変性シリコーンを配合する場合、粘度が高く、毛髪用化粧料中の前記シリコーンの分散が困難であった。
従って、本発明の課題は、前記化合物に代表される毛髪に良好な使用感を付与する成分にシリコーンを安定に配合し、ポリグリセロール変性シリコーンを毛髪用化粧料中に容易に分散することができる毛髪用化粧料の製造方法、該製造方法により得られる毛髪用化粧料、及び取り扱い易く、毛髪用化粧料中で優れた効果を奏する毛髪用化粧料用シリコーン組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意研究を行った結果、下記特定成分(A)を成分(B)と特定の割合で混合した後、成分(A)以外の界面活性剤及び/又は水とを混合すれば、毛髪用化粧料中に成分(B)を容易に配合でき、得られた毛髪用化粧料は高いコンディショニング効果を有することを見出し本発明を完成した。この理由として、本製造方法を用いれば、毛髪用化粧料中、特定成分(A)が成分(B)を微分散させることができるためと推定される。
【0006】
すなわち、本発明は、下記工程1及び2を有する毛髪用化粧料の製造方法を提供するものである。
工程1:次の成分(A)と(B)とを、(A)/(B)=1/10〜10/1の重量比で混合し、シリコーン組成物を得る工程
(A)一般式(I)
1O−(PO)n/(EO)m−R2 (I)
(式中、R1は炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、平均付加モル数nは1.5〜5.0の数を示し、平均付加モル数mは0〜1.0の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)で表される化合物
(B)ポリグリセロール変性シリコーン
工程2:工程1で得られたシリコーン組成物と成分(A)以外の界面活性剤及び/又は水とを混合して毛髪用化粧料を得る工程
【0007】
また、本発明は、上記製造方法により得られる毛髪用化粧料を提供するものである。
【0008】
さらに、本発明は、上記成分(A)と(B)とを、(A)/(B)=1/10〜10/1の重量比で含有し、成分(A)と(B)との合計含有量が90〜100重量%である毛髪用化粧料用シリコーン組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高粘度のポリグリセロール変性シリコーンを容易に毛髪用化粧料に安定に配合することができ、得られた毛髪用化粧料は高いコンディショニング効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例15のヘアコンディショニング剤の光学顕微鏡写真(450倍)である。
【図2】比較例13のヘアコンディショニング剤の光学顕微鏡写真(450倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
成分(A)
成分(A)の一般式(I)において、R1は、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点及び毛髪のまとまり、保湿感、つや、毛髪のすべり感を向上させる観点から、炭素数は3以上の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であり、炭素数6以上が好ましく、炭素数8以上がさらに好ましい。また、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点、保湿感を向上させる観点、べたつき感を抑制する観点から、炭素数10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。これらの観点を総合すると、R1は、炭素数3〜10、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10、さらに好ましくは炭素数8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基である。また、低臭化の観点から、直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましい。低臭化の観点、毛髪用化粧料としての感触(べたつき感、保湿感、つや、毛髪のまとまり、毛髪のすべり感)の観点からR1は炭素数8のものが好ましく、混合アルキルの場合、炭素数8のものが50モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、98モル%以上であることがさらに好ましい。
【0012】
成分(A)の一般式(I)において、POとEOはブロックでもランダムでもよいが、ブロックが好ましく、低臭化の観点から、(PO)n/(EO)mはR1Oに対して(PO)n、(EO)mの順にブロック状に(付加)配列しているのがより好ましい。
【0013】
成分(A)の一般式(I)の化合物において、平均付加モル数n及びmは、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点と臭いを低減する観点、毛髪用化粧料としての感触(べたつき感、保湿感、つや、毛髪のまとまり、毛髪のすべり感)の観点の兼ね合いから制限される。すなわち、平均付加モル数n及びmが少ないと原料アルコール含有量が多くなり、臭いが増加すると共に、成分(B)の毛髪用化粧料中での分散性が低下し、保湿感、毛髪のまとまり、つや、毛髪のすべり感が低下する。一方、平均付加モル数n及びmが多いと、塗布時の伸び、毛髪のまとまりはよいが、成分(B)の毛髪用化粧料中での分散性が低下し、べたつき感が増すため、好ましくない。
平均付加モル数nは、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点、臭いを低減する観点、毛髪のまとまりやつや、保湿感、毛髪のすべり感を向上する観点から、1.5以上であり、2.0以上が好ましく、2.3以上がさらに好ましく、2.5以上がよりさらに好ましい。また、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点、べたつき感を低減する観点、保湿感を向上する観点から、5.0以下であり、3.0以下が好ましく、2.9以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、平均付加モル数nは、1.5〜5.0であり、1.5〜3.0が好ましく、2.0〜3.0がより好ましく、2.3〜2.9がさらに好ましく、2.5〜2.9がよりさらに好ましい。
平均付加モル数mは、臭いを低減する観点から、0以上であり、毛髪のまとまりやつや、保湿感、毛髪のすべり感を向上させる観点から、1.0以下であり、0.5以下が好ましく、0.2以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、平均付加モル数mは、0〜1.0であり、0〜0.5が好ましく、0〜0.2がさらに好ましい。
また、n+mは、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点、臭いを低減する観点、毛髪のまとまりやつや、保湿感、毛髪のすべり感を向上させる観点から、1.5以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.3以上がさらに好ましい。また、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点、べたつき感を低減する観点、保湿感を向上する観点から、5.0以下が好ましく、4.0以下がより好ましく、3.0以下がさらに好ましく、2.9以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、n+mは、1.5〜5.0が好ましく、1.5〜4.0がより好ましく、1.5〜3.0がさらに好ましく、2.0〜3.0がさらに好ましく、2.3〜2.9がよりさらに好ましい。
【0014】
一般式(I)中の平均付加モル数n及びmは、平均であるから、個々の分子の付加モル数は分布がある。それらの付加モル数のうちPOの付加モル数の分布については、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点、及び毛髪用化粧料としての感触(べたつき感、保湿感、つや、毛髪のまとまり、毛髪のすべり感)の観点から、成分(A)に含有されるPOの付加モル数が1〜5の化合物に占める、POの付加モル数が2及び3の化合物の合計割合が、58〜80モル%が好ましく、60〜70モル%がさらに好ましい。
さらに、成分(B)を毛髪用化粧料中で分散させる観点、及び毛髪用化粧料としての感触(べたつき感、保湿感、毛髪のまとまり、つや、毛髪のすべり感)の観点、成分(A)の製造の観点から、成分(A)に含有されるPOの付加モル数1〜5の化合物に占める、POの付加モル数1の化合物の割合は、9〜25モル%が好ましく、POの付加モル数2の化合物の割合は30〜40モル%が好ましく、POの付加モル数3の化合物の割合は20〜30モル%が好ましく、POの付加モル数4の化合物の割合は9〜18モル%が好ましく、POの付加モル数5の化合物の割合は3〜9モル%が好ましい。
平均付加モル数n及びmの値は、1H−NMRにより求めることができる。POの付加モル数の分布は、後述するガスクロマトグラフィーにより求めることができ、EOが付加していても、POのみ付加している化合物に注目して、上記の値を求める。
【0015】
一般式(I)中のR2は、成分(A)の生産性を向上させる観点、及びべたつき感を低減し、毛髪のまとまり、毛髪のすべり感を向上させる観点から、水素原子又はメチル基を示すが、水素原子が好ましい。
【0016】
また、一般式(I)中、n=m=0であり、R2が水素原子であり、R1が炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるR1OHで表される化合物、好ましくはR1が炭素数6〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるR1OHで表される化合物、より好ましくはR1が炭素数8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるR1OHで表される化合物は、低臭化の観点、保湿感、毛髪のまとまりの観点から成分(A)中に3000ppm以下が好ましいが、2000ppm以下、さらに1500ppm以下、よりさらに1000ppm以下、よりさらに500ppm以下が好ましい。R1OHの量は後述するように蒸留などにより低減することができる。
【0017】
本発明で用いられる成分(A)は、塩基性触媒を用い、R1OH(式中、R1は炭素数3〜10、好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される原料アルコールにプロピレンオキシド、又はプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを反応させた後、該原料アルコールを蒸留留去することにより得ることができ、反応時の付加させるプロピレンオキシドやエチレンオキシドの平均付加モル数は、前述のn、m、及びn+mの値が好ましい。
従って、成分(A)に含まれるR1OHは、原料アルコール由来のものであり、成分(A)の一般式(I)において、R1が炭素数3〜10(好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10)である場合は、成分(A)に含まれるR1OHのR1の炭素数も3〜10(好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10)となる。
成分(A)の製造に用いる塩基性触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、ナトリウムアルコキシド等が用いられ、R1OHで表わされる原料アルコールの0.1〜5モル%が好ましく、0.1〜2モル%がより好ましい。反応温度は好ましくは80〜200℃、より好ましくは110〜160℃であり、反応圧力は好ましくは0.1〜0.8MPa、より好ましくは0.1〜0.6MPaである。
【0018】
反応物はそのまま蒸留に付すこともできるが、塩基性触媒を中和剤もしくは吸着剤等で除去してから蒸留留去に付すこともできる。原料アルコールの蒸留留去とは、原料アルコールを蒸留もしくは水蒸気処理により留去するか、又は蒸留と水蒸気処理を組み合わせて留去することを意味する。水蒸気処理とは、反応組成物に水蒸気を吹き込み、水蒸気と共に原料アルコールを系外へ留去することを意味する。好ましい留去条件は次の通りである。
温度:80〜200℃、好ましくは80〜150℃。
圧力:27kPa(200torr)以下、好ましくは6kPa(45torr)以下。
水蒸気量:反応組成物100重量部に対して0〜50重量部。
【0019】
成分(B)
成分(B)のポリグリセロール変性シリコーンは、シリコーン主鎖にポリグリセロール鎖が結合しているものである。
成分(B)としては、下記構造式(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が同一又は異なって平均4個以上結合し、且つ構造式(1)又は(5)で表される基を少なくとも1つ以上含む分岐ポリグリセロール鎖が、シリコーンのケイ素原子に連結基を介して少なくとも1つ結合した、分岐ポリグリセロール変性シリコーン(以下成分(b)という)が挙げられる。
【0020】
【化1】

【0021】
尚、上記構造式(1)の2つの酸素原子には、同一又は異なって上記構造式(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が結合し、構造式(2)の酸素原子には、上記構造式(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が結合し、構造式(3)の酸素原子には、上記構造式(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が結合し、構造式(5)の2つの酸素原子には、同一又は異なって上記構造式(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が結合する。
【0022】
この分岐ポリグリセロール鎖は、a個の構造式(1)で表される分岐グリセロール基(以下、基(1)という)、b個の構造式(2)で表されるグリシドール基(以下、基(2)という)、c個の構造式(3)で表されるグリセロール基(以下、基(3)という)、d個の構造式(4)で表されるグリセロール基(以下、基(4)という)、e個の構造式(5)で表される分岐グリセロール基(以下、基(5)という)が結合してなるものである。分岐ポリグリセロール鎖中において、基(1)、(2)、(3)及び(5)は、任意の配列で相互に結合していてもよい。基(1)及び/又は基(5)の数が多いほど分岐構造が発達しており、各分岐鎖の末端に基(4)が存在する。
【0023】
分岐ポリグリセロール鎖中の、基(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)の平均結合総数(a+b+c+d+e)は、NMR解析ないし前駆体シリコーンとの分子量比較により求められ、その数は好ましくは4以上であり、4〜201がより好ましく、4〜101であることがさらに好ましく、4〜51であることがさらに好ましく、4〜21であることがよりさらに好ましい。分岐ポリグリセロール鎖中の分岐の割合[(a+e)/(a+b+c+d+e)]は、1/20以上が好ましく、1/10以上がより好ましく、1/6以上がさらに好ましく、1/2未満が好ましい。
分岐ポリグリセロール鎖中において、基(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)は任意に結合していてもよい。
【0024】
基(1)の数(すなわち、a)は、分岐ポリグリセロール鎖中、0〜100個存在することが好ましく、1〜100個存在することがより好ましく、2〜100個存在することがさらに好ましく、2〜50個存在することがさらに好ましく、2〜25個存在することがさらに好ましく、2〜10個存在することがよりさらに好ましい。
【0025】
基(4)の数(すなわち、d)は、1〜101個存在することが好ましく、2〜101個存在することがより好ましく、3〜101個存在することがさらに好ましく、3〜51個存在することがさらに好ましく、3〜26個存在することがさらに好ましく、3〜11個存在することがよりさらに好ましい。
【0026】
基(2)の数(すなわち、b)、基(3)の数(すなわち、c)は、同一又は異なって、0〜199個存在することが好ましく、0〜198個存在することがより好ましく、0〜196個存在することがさらに好ましく、0〜96個存在することがさらに好ましく、0〜46個存在することがさらに好ましく、0〜16個存在することがよりさらに好ましい。
【0027】
基(5)の数(すなわち、e)は、aが0のときは1個であり、aが1以上のときは、0又は1個が好ましい。aが1以上で、eが0である、シリコーンのケイ素原子に、連結基を介して、下記記構造式(1)で表される分岐グリセロール基を1個以上含有する分岐ポリグリセロール鎖が少なくとも1つ結合した、分岐ポリグリセロール変性シリコーンがさらに好ましい。
【0028】
【化2】

【0029】
(式中、2つの酸素原子には、同一又は異なって、上記構造式(1)、下記構造式(2)、(3)又は(4)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が結合する。
【0030】
【化3】

【0031】
この場合、構造式(1)の2つの酸素原子には、同一又は異なって上記構造式(1)、(2)、(3)又は(4)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が結合し、構造式(2)の酸素原子には、上記構造式(1)、(2)、(3)又は(4)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が結合し、構造式(3)の酸素原子には、上記構造式(1)、(2)、(3)又は(4)で表されるグリセロール基又はグリシドール基が結合する。)
分岐ポリグリセロール変性シリコーンにおける、シリコーンのケイ素原子と、前述の分岐ポリグリセロール鎖を結合する連結基は、エーテル基又はエステル基を有する2価の基であることが好ましく、さらには毛髪洗浄剤組成物中における化学的安定性等の点から、エーテル基を有する2価の基であることが好ましい。
【0032】
エーテル基を有する2価の基としては、一般式(7)で表される基(以下、連結基(7)という)が好ましい。なお、連結基(7)は、(R9p側がシリコーン鎖のケイ素原子に結合し、(AO)q側が分岐ポリグリセロール鎖に結合する。
【0033】
−(R9p−O−(AO)q− (7)
(式中、R9は、置換基を有していてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基、アルケニレン基又は炭素数6〜28のアリーレン基、好ましくは炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基、AOは炭素数1〜4のアルキレンオキシ基(オキシアルキレン基ともいう)又は炭素数6〜10のアリーレンオキシ基(オキシアリーレン基ともいう)、好ましくは炭素数1〜4のアルキレンオキシ基、pは0又は1の数、qは0〜30の数を示し、q個のAOは同一でも異なっていてもよい。)
エステル基を有する2価の基としては、一般式(8)で表される基(以下、連結基(8)という)が好ましい。なお、連結基(8)は、R10側がシリコーン鎖のケイ素原子に結合し、(AO)r側が分岐ポリグリセロール鎖に結合する。
【0034】
−R10−COO−(AO)r− (8)
(式中、R10は、置換基を有していてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基、アルケニレン基又は炭素数6〜28のアリーレン基、好ましくは炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基、rは0〜30の数、AOは前記の意味を示し、r個のAOは同一でも異なっていてもよい。)
連結基(7)及び(8)において、AOのアルキレンオキシ基又はアリーレンオキシ基の酸素側で分岐ポリグリセロール基に結合し、アルキレンオキシ基又はアリーレンオキシ基のアルキレン又はアリーレン側で、連結基が含有するエーテル基又はエステル基に結合する。
【0035】
9及びR10中の置換基として、ヒドロキシ基、アミノ基(炭素数1〜22)、イミノ基(炭素数1〜22)、カルボキシ基、アルコキシ基(炭素数1〜22)、アシル基(炭素数1〜22)等が挙げられる。
【0036】
最も好ましい連結基は、下記一般式(9)で表される連結基(以下、連結基(9)という)である。なお、連結基(9)では、トリメチレン側がシリコーン鎖のケイ素原子に結合し、酸素原子側が分岐ポリグリセロール鎖に結合する。
【0037】
−CH2CH2CH2−O−CH2CH2O− (9)
また、好ましい他の連結基は、オキシフェニレン基を含有する連結基である。そのような連結基の中では、下記一般式(10)で表される基(以下、連結基(10)という)又は一般式(11)で表される基(以下、連結基(11)という)が好ましい。なお、連結基(10)では、(R11u側がシリコーン鎖のケイ素原子に結合し、(AO)v側が分岐ポリグリセロール鎖に結合する。また、連結基(11)では、(R12z側がシリコーン鎖のケイ素原子に結合し、(AO)x及び(AO)y側が分岐ポリグリセロール鎖に結合する。
【0038】
【化4】

【0039】
(式中、R11は、置換基を有していてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基、uは0又は1の数、vは0〜30の数、AOは前記の意味を示し、v個のAOは同一でも異なっていてもよい。)
【0040】
【化5】

【0041】
(式中、R12は、置換基を有していてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基又はアルケニレン基、zは0又は1の数、xは0〜30の数、yは0〜30の数、AOは前記の意味を示し、x個及びy個のAOは同一でも異なっていてもよい。)
連結基(10)及び連結基(11)において、(R11u及び(R12zは、シリコーン鎖のケイ素原子と、連結基が含有するオキシフェニレン基のフェニレン基とを結ぶ基であるが、R11及びR12は、好ましくは、炭素数1〜16、さらに好ましくは1〜12のアルキレン基又はアルケニレン基であり、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン、トリデカメチレン、テトラデカメチレン、ペンタデカメチレン、ヘキサデカメチレン基等が挙げられる。これらの中では、エチレン、プロピレン又はトリメチレン基がより好ましく、エチレン又はトリメチレン基がさらに好ましい。
【0042】
11及びR12中に存在していてもよい置換基として、ヒドロキシ基、アミノ基(炭素数1〜22)、イミノ基(炭素数1〜22)、カルボキシ基、アルコキシ基(炭素数1〜22)、アシル基(炭素数1〜22)等が挙げられる。
u及びzは、0又は1であるが、1がより好ましい。
【0043】
連結基(10)及び連結基(11)において、AOは、分岐ポリグリセロール鎖と、連結基が含有するオキシフェニレン基の酸素原子とを結ぶオキシアルキレン基又はオキシアリーレン基であり、オキシアルキレン基又はオキシアリーレン基の酸素側で分岐ポリグリセロール鎖に結合し、オキシアルキレン基又はオキシアリーレン基のアルキレン又はアリーレン側でオキシフェニレン基の酸素原子に結合する。AOとして、オキシエチレン基、オキシプロピレン基又はオキシフェニレン基が好ましく、これらの中ではオキシエチレン基がさらに好ましい。
【0044】
v、x及びyはそれぞれ、0〜30の数であるが、0〜15が好ましく、0〜5がさらに好ましく、0が最も好ましい。v、xならびにyが0以外の数である場合、v個のAO、x個のAO、y個のAOは、同一又は異なっていてもよく、異なる場合、それらAOの相互の結合様式は、交互型、ブロック型あるいはこれら以外の周期配列であってもよいし、又はランダム型であってもよい。
【0045】
連結基(10)において、オキシフェニレン基のフェニレン基に結合した、酸素原子と(R11u基(uが0の場合はシリコーン鎖上のケイ素原子)の結合様式は、互いにオルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよく、またこれらの混合であってもよい。また連結基(11)において、オキシフェニレン基のフェニレン基に結合した、2個の酸素原子と(R12z基(zが0の場合はシリコーン鎖上のケイ素原子)のうちいずれの2個についても、その結合様式は、互いにオルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよく、またこれらの混合であってもよい。
【0046】
オキシフェニレン基含有連結基の中で、最も好ましいものは、下記一般式(12)で表される連結基(以下、連結基(12)という)である。なお、連結基(12)では、トリメチレン側がシリコーン鎖のケイ素原子に結合し、酸素原子側が分岐ポリグリセロール鎖に結合する。
【0047】
【化6】

【0048】
連結基(12)において、オキシフェニレン基のフェニレン基に結合した、酸素原子とトリメチレン基の結合様式は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよく、またこれらの混合であってもよいが、オルト位、パラ位又はこれらの混合物であることがより好ましい。
【0049】
成分(b)を形成するシリコーンは、ケイ素原子を2つ以上有するポリシロキサンから誘導されるものであり、ポリシロキサンの形状は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。また、ポリシロキサンの数平均分子量は、好ましくは300〜70万、より好ましくは300〜20万、さらに好ましくは1000〜2万である。数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(以下、GPC)法等により求めることができる。
【0050】
成分(b)としては、一般式(6)で表される直鎖状シリコーン(以下、シリコーン(6)という)が好ましい。
【0051】
【化7】

【0052】
(式中、R1、R2、R3、t個のR4、t個のR5、R6、R7、R8は、同一又は異なって、分岐ポリグリセロール鎖が結合した連結基、置換基を有していてもよく、フッ素原子で置換されていてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルコシキ基、あるいは炭素数6〜22のアリール基を示し、R1、R2、R3、t個のR4、t個のR5、R6、R7、R8のうち少なくとも1つは分岐ポリグリセロール鎖が結合した連結基である。tは0〜10,000の数を示す。)
シリコーン(6)において、R1、R2、R3、t個のR4、t個のR5、R6、R7、R8のうち分岐ポリグリセロール鎖が結合した連結基以外の基は、同一又は異なって、置換基を有していてもよく、フッ素原子で置換されていてもよい、炭素数1〜22の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルコキシ基、あるいは炭素数6〜22のアリール基であり、炭素数1〜22のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、トリフルオロプロピル等が挙げられ、炭素数1〜22のアルケニル基としては、ビニル基やアリル基が挙げられ、炭素数1〜22のアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、フェノキシ基等が挙げられる。これらの中では、炭素数1〜12の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、ビニル基、アリル基、又は炭素数6〜12のアリール基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基がより好ましく、メチル基、プロピル基又はフェニル基がさらに好ましく、メチル基、フェニル基がよりさらに好ましい。
【0053】
シリコーン(6)において、R1〜R8が有していてもよい置換基として、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(炭素数0〜14)、イミノ基、(アミノエチル)アミノ基、(ジメチルアミノエチル)アミノ基、ポリオキシアルキレン基、メルカプト基、及びエポキシ基等が挙げられる。これらの置換基を有する場合、R1〜R8としてプロピル基がさらに好ましい。
【0054】
シリコーン(6)において、R1、R2、R3、t個のR4、t個のR5、R6、R7、R8のうち少なくとも1つ、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜2個は、分岐ポリグリセロール鎖が結合した連結基である。この連結基は、シリコーン(6)の側鎖、片末端及び/又は両末端のいずれに位置していてもよいし、またその混合物でもよい。
【0055】
シリコーン(6)のうち、R1〜R3からなる群から選ばれる1個と、R6〜R8からなる群から選ばれる1個が、分岐ポリグリセロール鎖が結合した連結基を示し、残余のR1〜R3及びR6〜R8、t個のR4,t個のR5は、メチル基であるものが好ましい。
【0056】
また、分岐ポリグリセロール鎖が結合した連結基が、t個のR4,及びt個のR5から選ばれる3個以上に存在する場合も、側鎖多置換型の分岐ポリグリセロール変性シリコーンとなり好ましい。
【0057】
シリコーン(6)中のtは、0〜10,000の数を示し、好ましくは1〜3,000の数を、より好ましくは5〜500の数を、さらに好ましくは10〜150の数を示す。
【0058】
成分(b)の数平均分子量は、好ましくは500〜50万、より好ましくは750〜20万、さらに好ましくは1000〜10万である。この数平均分子量の測定は、GPC法(標準ポリスチレン又はポリエチレングリコール換算)による。
【0059】
成分(b)は、シリコーン中のケイ素原子数(Si)と分岐ポリグリセロール鎖中の基(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)の合計数(以下、グリセロール基数という)(G)の比(G/Si)が、0.001〜50が好ましく、0.05〜10がより好ましく、0.1〜3がさらに好ましく、0.15〜1がよりさらに好ましい。
【0060】
成分(b)において、本発明の効果を著しく阻害しない限りにおいて、分岐ポリグリセロール鎖中に、少量のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が存在していてもよい。エチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が分岐ポリグリセロール鎖中にランダムに存在していてもよいし、複数のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基が連鎖をなして分岐ポリグリセロール鎖中にブロック的に存在していてもよい。この際、複数のエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基からなるブロックは、分岐ポリグリセロール鎖の連結基の近傍に存在してもよいし、末端に存在してもよいし、あるいは中程に存在していてもよい。エチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基は0.001〜0.5モル当量存在することが好ましく、0.02〜0.2モル当量存在することがさらに好ましい。
【0061】
成分(b)は、反応性不飽和基を有する分岐ポリグリセロールと、シリコーン鎖中のケイ素原子の一部に水素原子が結合した、いわゆるオルガノハイドロジェンシリコーンを、白金系触媒存在下でヒドロシリル化反応させる方法により得ることができる。反応性不飽和基を有する分岐ポリグリセロールは、反応性不飽和基と官能基(好ましくはヒドロキシ基又はカルボキシ基)を有する化合物に、酸性触媒又は塩基性触媒存在下、グリシドール(2,3−エポキシ−1−プロパノール)を、添加速度をコントロールしながら、添加して反応させることにより得ることができる。添加速度を、遅くすることで、分岐度の高い反応性不飽和基を有する分岐ポリグリセロールを製造することが出来る。
【0062】
また、反応性基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基及びエポキシ基からなる群から選ばれる1つ以上の官能基を有するシリコーンに、酸性又はカリウム等の塩基性触媒の存在下、グリシドールを添加し、グラフト重合させる方法等によっても成分(b)を製造することができる。
また、ポリグリセロール変性シリコーンは、特開2005−97150号、特開2004−339244号公報記載の方法により、製造することもできる。
【0063】
(毛髪用化粧料の製造方法)
本発明の毛髪用化粧料は、下記工程1及び2を有する。
工程1:上記成分(A)と(B)とを、1/10〜10/1の重量比((A)/(B))で混合し、シリコーン組成物を得る工程
工程2:工程1で得られたシリコーン組成物と成分(A)以外の界面活性剤及び/又は水とを混合して毛髪用化粧料を得る工程
【0064】
工程1では、成分(A)と(B)とを混合して、シリコーン組成物を得る。ここでは成分(A)に成分(B)を添加してもよく、その逆であってもよい。生産性を向上させる観点から、成分(B)を製造した後、続けて成分(B)の入っている反応槽に成分(A)を添加して混合することが好ましい。
成分(A)と(B)を均一に混合する観点から、混合温度は、10℃以上が好ましく、15℃以上が好ましい。また、シリコーン組成物の着色を抑制する観点から、100℃以下が好ましく、80℃以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、混合温度は、10〜100℃が好ましく、10〜80℃がより好ましく、15〜80℃がさらに好ましい。混合することにより、成分(A)と(B)とが、ほぼ均一な溶液となり、成分(B)が減粘するため取り扱いが容易となる。
成分(A)と(B)との混合重量比[(A)/(B)]は、毛髪用化粧料中で成分(B)を均一に分散させる観点、工程2の生産性(ハンドリング性)を向上させる観点、及び毛髪用化粧料としての感触(べたつき感、保湿感、つや、毛髪のまとまり、毛髪のすべり感)を向上させる観点から、1/10以上であり、1/5以上が好ましく、1/4以上がさらに好ましい。また、毛髪用化粧料としての感触(べたつき感、毛髪のまとまり、つや、保湿感、毛髪のすべり感)を向上させる観点から、10/1以下であり、5/1以下が好ましく、1/1以下がさらに好ましく、2/3以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、成分(A)と(B)との混合重量比[(A)/(B)]は、1/10〜10/1であり、1/10〜5/1が好ましく、1/5〜5/1がより好ましく、1/5〜1/1がさらに好ましく、1/4〜1/1がよりさらに好ましく、1/4〜2/3がよりさらに好ましい。
シリコーン組成物中、成分(A)と(B)との合計含有量は、毛髪用化粧料としての感触と配合自由度を向上させる観点から、好ましくは90〜100重量%、より好ましくは95〜100重量%、さらに好ましくは99〜100重量%である。
【0065】
シリコーン組成物中、成分(A)と(B)以外の成分としては、水やエタノール、イソプロパノール等のアルコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール等の有機溶媒、低重合度(低粘度)のジメチコーン、防腐剤、酸化防止剤等が挙げられる。
【0066】
得られたシリコーン組成物の30℃における粘度は、工程2の生産性を向上させる観点から、20000mPa・s以下が好ましく、5000mPa・s以下がより好ましく、2000mPa・s以下がさらに好ましい。また、工程2の生産性(計量性)や毛髪用化粧料の保存安定性を向上させる観点から、10mPa・s以上が好ましく、50mPa・s以上がより好ましく、100mPa・s以上がさらに好ましく、500mPa・s以上がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、シリコーン組成物の30℃における粘度は、10〜20000mPa・sが好ましく、50〜5000mPa・sがより好ましく、100〜2000mPa・sがさらに好ましく、500〜2000mPa・sがよりさらに好ましい。シリコーン組成物の30℃における粘度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
シリコーン組成物の粘度の調整は、成分(A)と成分(B)との混合重量比や、成分(A)のR1やn数(PO鎖長)の選択、成分(B)の分子量、成分(B)におけるグリシドールの付加モル数等を調製することにより行うことができる。
【0067】
得られたシリコーン組成物は、粘度が低く、界面活性剤及び/又は水と、容易に混合することができ、成分(B)を界面活性剤及び/又は水中で均一に分散させることができる。成分(B)と共に成分(A)も、毛髪のコンディショニング効果が高いため、成分(B)と共に成分(A)も毛髪用化粧料にすることができる。
【0068】
工程2では、工程1で得られたシリコーン組成物と成分(A)以外の界面活性剤及び/又は水とを混合して、毛髪用化粧料を得る。(A)成分と(B)成分とを含むシリコーン組成物は、水及び/又は成分(A)以外の界面活性剤と容易に混合することができるため、化粧料の種類により、常法により製造することができる。
例えば、ヘアーシャンプー等の場合、成分(A)以外の界面活性剤、及び他の油剤、防腐剤等の成分と水を70〜80℃に加熱混合、攪拌し、その後30〜40℃まで冷却し、シリコーン組成物を添加し、シャンプーを得ることができる。
また、例えば、ヘアコンディショニング剤、ヘアパーマ剤、ヘアカラー剤等の場合、成分(A)以外の界面活性剤、防腐剤等と水を70〜80℃に加温混合した水相に、高級アルコール、油剤等の混合物である油相を添加し、乳化させた後、冷却し40〜50℃でシリコーン組成物を添加し、室温まで冷却し、ヘアコンディショニング剤を得ることができる。
【0069】
シリコーン組成物と成分(A)以外の界面活性剤及び/又は水との混合重量比、すなわち、シリコーン組成物/〔成分(A)以外の界面活性剤+水〕は、得られる製品により異なるが、毛髪のまとまりやつや、保湿感、毛髪のすべり感を向上させる観点から、1/10000以上が好ましく、5/10000以上がより好ましく、1/1000以上がさらに好ましく、2/1000以上がよりさらに好ましい。また、べたつき感を抑制し、保湿感を向上させる観点から、2/10以下が好ましく、1/10以下がより好ましく、5/100以下がさらに好ましく、3/100以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、シリコーン組成物/〔成分(A)以外の界面活性剤+水〕は、1/10000〜2/10が好ましく、5/10000〜1/10がより好ましく、1/1000〜5/100がさらに好ましく、2/1000〜3/100がよりさらに好ましい。
【0070】
成分(A)以外の界面活性剤は、公知のものを用いることができる。
例えば、アニオン性界面活性剤としては、硫酸系、スルホン酸系、カルボン酸系、リン酸系及びアミノ酸系のものが好ましく、例えばアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシルイセチオネート、アシルメチルタウレート、高級脂肪酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体等が挙げられる。
【0071】
両性界面活性剤としては、ベタイン系界面活性剤及びアミンオキサイド型界面活性剤等が挙げられる。このうち、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤及びアルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型界面活性剤がより好ましく、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン及び脂肪酸アミドプロピルスルホベタイン等のスルホベタイン並びにアルキルジメチルアミンオキサイドがさらに好ましい。
【0072】
カチオン性界面活性剤の内、モノ長鎖アルキル(炭素数12〜28)四級アンモニウム塩としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アラキルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ステアリル−N,N,N−トリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド(合計3モル付加)等が挙げられる。ジ長鎖アルキル又はアルケニル(炭素数12〜28)四級アンモニウム塩としては、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、ジイソステアリルジメチルアンモニウムメトサルフェート、ジ[(2−ドデカノイルアミノ)エチル]ジメチルアンモニウムクロライド、ジ[(2−ステアロイルアミノ)プロピル]ジメチルアンモニウムエトサルフェート等が挙げられる。アルキルアミド(炭素数12〜28)アルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、ステアラミドプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。N−炭化水素(炭素数12〜28)カルバモイルアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、N−ステアリルカルバモイルプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。アシル(炭素数12〜28)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、ステアロイルプロピル四級アンモニウム塩が挙げられる。炭化水素(炭素数12〜28)オキシアルキル(炭素数1〜5)四級アンモニウム塩としては、オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
【0073】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、成分(A)以外のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリンアルキルエーテル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、アルキルグリコシド類等が挙げられる。このうち、アルキルグリコシド類、ポリオキシエチレン(C8〜C20)アルキルエ−テル(好ましくはEOの平均付加モル数3〜50)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸アルカノールアミドが好ましい。
本発明に好適に用いられる毛髪用化粧料として、ヘアシャンプー、ヘアコンディショニング剤、ヘアパーマ剤、ヘアカラー剤などが挙げられる。
【0074】
本発明の製造方法で得られる毛髪用化粧料中のシリコーン組成物の含有量は、髪のまとまりやつや、保湿感、毛髪のすべり感を向上させる観点から、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.2重量%以上がさらに好ましい。一方、毛髪用化粧料の保存安定性を向上させ、べたつきを抑制する観点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、シリコーン組成物の含有量は、毛髪用化粧料中、0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、0.2〜3重量%がさらに好ましい。
【0075】
また、本発明の製造方法で得られる毛髪用化粧料中、成分(A)の含有量は、成分(B)を均一に分散させ、保湿感、毛髪のまとまり、つや、毛髪のすべり感を向上させる観点から、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、べたつき感を抑制し、保湿感を向上させる観点から、10重量%以下が好ましく、7重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、成分(A)の毛髪用化粧料中の含有量は、0.05〜10重量%、さらに0.1〜7重量%、よりさらに0.1〜3重量%が好ましい。
【0076】
本発明の製造方法で得られる毛髪用化粧料は、前記一般式(1)中、n=m=0であり、R2が水素原子であり、R1が炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるR1OHで表される化合物、好ましくはR1が炭素数6〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるR1OHで表される化合物、より好ましくはR1が炭素数8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であるR1OHで表される化合物は、低臭化、保湿感、毛髪のまとまりの観点から毛髪用化粧料中、300ppm以下が好ましく、150ppm以下がより好ましく、80ppm以下がさらに好ましく、50ppm以下がよりさらに好ましく、30ppm以下がよりさらに好ましい。下限は特にないが、製造の容易性の観点から1ppm以上が好ましい。
毛髪用化粧料中に含まれるR1OHは、成分(A)に含まれるR1OH由来のものであり、成分(A)の一般式(1)において、R1が炭素数3〜10(好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10)である場合は、毛髪用化粧料中に含まれるR1OHのR1の炭素数も3〜10(好ましくは炭素数6〜10、より好ましくは炭素数8〜10)となる。従って、本発明で得られる毛髪用化粧料中、R1OHの含有量を300ppm以下とするには、成分(A)中の該原料アルコールを蒸留で留去し、前述のように該原料アルコールの含有量を減少させることが好ましい。
1OHの含有量を上記の範囲とするために、前述のようにR1OHの含有量の低い(A)成分を用いてもよく、(A)成分を配合後にR1OHの原料アルコールを除去することもできるが、前者の方が効率よく低減することができる。
【0077】
本発明の製造方法で得られる毛髪用化粧料中、成分(B)の含有量は、毛髪のしっとり感、つや、毛髪のまとまり、毛髪のすべり感を向上させる観点から、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.3重量%以上がさらに好ましく、べたつき感を抑制する観点から、10重量%以下が好ましく、7重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、成分(B)の毛髪用化粧料中の含有量は、0.05〜10重量%、さらに0.1〜7重量%、よりさらに0.3〜3重量%が好ましい。毛髪用化粧料中、成分(A)と(B)との重量比は前述の混合量比と同じである。
【0078】
本発明の製造方法で得られる毛髪用化粧料、特にヘアコンディショニング剤、ヘアパーマ剤、ヘアカラー剤中における成分(B)の分散粒径は、毛髪に均一に付着する観点から、50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましい。また、毛髪への吸着量を向上させる観点から、0.1μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、毛髪用化粧料中における成分(B)の分散粒径は、0.1〜50μmが好ましく、0.5〜30μmがより好ましく、1〜10μmがさらに好ましい。毛髪用化粧料中における成分(B)の分散粒径は、後述の実施例に記載の方法により測定される。成分(B)の分散粒径を上記範囲に調整するには、成分(A)と成分(B)との混合重量比や、成分(A)のR1やn数(PO鎖長)の選択、成分(B)の分子量、成分(B)におけるグリシドールの付加モル数、毛髪用化粧料の製造条件(撹拌力、混合温度、混合時間)等を調製することが好ましい。
【0079】
ヘアシャンプーの場合、成分(A)以外の界面活性剤はアニオン性界面活性剤が好ましく、成分(A)以外の界面活性剤の毛髪用化粧料中の含有量は、泡立ちを向上させる観点から、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、配合安定性を向上させる観点から、15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、成分(A)以外の界面活性剤の毛髪用化粧料中の含有量は、1〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましい。水の含有量は、50〜90重量%が好ましく、60〜85重量%がより好ましい。
成分(A)と成分(A)以外の界面活性剤との重量比[成分(A)/成分(A)以外の界面活性剤]は、毛髪のまとまり、つや、保湿感、毛髪のすべり感を向上させる観点から、5/1000以上が好ましく、1/100以上がより好ましく、2/100以上がさらに好ましい。また、速泡性を向上させる観点から、1/5以下が好ましく、1/10以下がより好ましく、1/20以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、[成分(A)/成分(A)以外の界面活性剤]は、5/1000〜1/5が好ましく、1/100〜1/10がより好ましく、2/100〜1/20がさらに好ましい。
【0080】
ヘアコンディショニング剤、ヘアパーマ剤、ヘアカラー剤の場合、界面活性剤はカチオン性界面活性剤又はノニオン性界面活性剤が好ましく、成分(A)以外の界面活性剤の毛髪用化粧料中の含有量は、毛髪のすべり感を向上させる観点から、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.3重量%以上がさらに好ましい。また、配合安定性を向上させる観点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、2.5重量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、成分(A)以外の界面活性剤の毛髪用化粧料中の含有量は、0.05〜10重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましく、0.3〜5重量%がさらに好ましく、0.3〜2.5重量%がよりさらに好ましい。水の含有量は、50〜98重量%が好ましく、60〜97重量%がより好ましい。
成分(A)と成分(A)以外の界面活性剤との重量比[成分(A)/成分(A)以外の界面活性剤]は、べたつき感、毛髪のまとまり、つや、保湿感、毛髪のすべり感を向上させる観点から、1/100以上が好ましく、5/100以上がより好ましく、1/10がさらに好ましい。また、べたつき感を抑制する観点、毛髪のすべり感を向上させる観点から、5/1以下が好ましく、3/1以下がより好ましく、1/1以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、[成分(A)/成分(A)以外の界面活性剤]は、1/100〜5/1が好ましく、5/100〜3/1が好ましく、1/10〜1/1がさらに好ましい。
【0081】
本発明の製造方法で得られる毛髪用化粧料は、さらに本発明を損なわない限り、油性成分を含有していてもよい。
油性成分としては、成分(B)以外のシリコーン、エステル油、炭化水素類、グリセリド類、植物油、動物油、ラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類等が挙げられ、シリコーンが好ましい。
【0082】
成分(B)以外のシリコーンとしては、特開平6−48916号公報に記載されている(a)ジメチルポリシロキサン、(b)メチルフェニルポリシロキサン、(c)アミノ変性シリコーン〔水性乳濁液としては、SM8704C(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)、DC939(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)等が挙げられる〕、(d)脂肪酸変性ポリシロキサン、(e)アルコール変性シリコーン、(f)脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、(g)ポリエーテル変性シリコーン、(h)エポキシ変性シリコーン、(i)フッ素変性シリコーン、(j)環状シリコーン、(k)アルキル変性シリコーン、(l)アミノ変性シロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0083】
エステル油としては、モノエステル油、又は分子内に2以上のエステル結合を有するエステル油の1種又は2種以上の混合物が好ましい。
モノエステル油としては、総炭素数8〜40のモノエステル油、好ましくは炭素数2〜22、より好ましくは炭素数8〜20の1価脂肪酸と炭素数1〜20の1価又は多価アルコールとのモノエステル等が挙げられ、これらは直鎖でも分岐鎖でもよく、また飽和でも不飽和でもよい。具体的には、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリイソデシル、ステアリン酸ステアリル、モノイソステアリン酸ジグリセリルが好ましい。
分子内に2以上のエステル結合を有する多価エステル油としては、総炭素数8〜120の多価エステル油、好ましくは炭素数2〜22の1価又は多価の脂肪酸の1種又は2種以上の混合物と炭素数2〜20の1価又は多価アルコールの1種又は2種以上の混合物との多価エステルが挙げられ、これらは直鎖でも分岐鎖でもよく、また飽和でも不飽和でもよく、さらに芳香環を含んでもよい。具体的には、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリスリトールとヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、ロジン等の混合脂肪酸とのエステルが好ましい。
【0084】
また、本発明の製造方法で得られる毛髪用化粧料には、高分子系増粘剤を配合することができる。高分子系増粘剤として、ヒドロキシエチルセルロース、グアガム、キサンタンガム、ポリアクリル酸系高分子が挙げられる。高分子系増粘剤の含有量は、毛髪用化粧料中0.01〜20重量%が好ましく、0.05〜15重量%がさらに好ましい。
また、本発明の製造方法で得られる毛髪用化粧料には、公知の成分である、水溶性コラーゲン、コラーゲン誘導体に代表されるタンパク加水分解物を配合することもできる。また、キレート剤、着色剤、防腐剤、pH調整剤、粘度調整剤、香料、パール光沢剤、湿潤剤、スタイリング用ポリマー等を配合してもよい。
【0085】
本発明の製造方法により得られる毛髪用化粧料としては、毛髪のべたつき感、つや、保湿感、毛髪のまとまり、毛髪の柔らかさの向上の観点から、次の成分(A’)〜(C)を含有するものが好ましい。
(A’)一般式(1’)
1O−(PO)n/(EO)m−R2 (1’)
(式中、R1は炭素数8〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、平均付加モル数nは1.5〜5.0の数を示し、平均付加モル数mは0〜1.0の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)で表される化合物
(B)ポリグリセロール変性シリコーン
(C)(A’)以外の界面活性剤及び/又は水
【0086】
本発明で製造される毛髪用化粧料は、毛髪のまとまりの観点から、ヘアシャンプーの場合、pH(20℃)が2〜7が好ましく、5〜7がより好ましい。また、ヘアコンディショニング剤の場合、pH(20℃)は2〜7が好ましく、2.5〜5.5がより好ましい。ヘアパーマ剤、ヘアカラー剤の場合、塩基性化合物を含有する第一剤のpH(20℃)は8〜11が好ましく、9〜10.5がより好ましく、第二剤のpH(20℃)は2〜7が好ましく、2.5〜6がより好ましい。
【実施例】
【0087】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0088】
製造例1
1−オクタノール(カルコール0898、花王(株)製)1615.0g(12.35mol)と水酸化カリウム6.9g(0.12mol)をオートクレーブに仕込み、110℃、13.3kPaで脱水後、120℃でプロピレンオキシド1434g(24.69mol)を0.3MPaで圧入しながら付加反応を行った。
反応終了後、同一反応温度で6時間熟成を行った後、80℃まで冷却した。
後処理として、得られた反応組成物に合成吸着剤(キョーワード600S、協和化学工業(株))55gを加えて、4.0kPaにて1時間処理した後、ろ過により触媒を除去した。得られたろ液の1−オクタノール含量は、ガスクロマトグラフィーで定量した結果9000ppmであった。
次いで得られたろ液1000gについて、130℃、1.3kPaの条件で1−オクタノールを蒸留により留去した。さらに145℃、6.0kPa、5時間の条件で水蒸気100gを吹き込む水蒸気処理を行った。
得られた成分(A)(表1に示すアルキレングリコールエーテル1)中の1−オクタノール含量は、ガスクロマトグラフィーで定量した。
【0089】
ガスクロマトグラフィーの条件
ガスクロマトグラフ : Agilent社 HP6890N
カラム : Frontier LAB Ultara-Alloy-1
温度条件 : 初期温度 100℃(0min)
昇温速度 10℃/min(350℃まで)
最終温度 350℃(20min)
サンプル量 : 1μL
注入口条件 : 注入モード スプリット法
注入口温度 300℃
キャリアガス : ヘリウム 流量60mL/min
検出器 : FID
【0090】
ガスクロマトグラフィーによる、蒸留前と蒸留、水蒸気処理後の成分(A)のPOの付加モル数の分布を求めた。
【0091】
蒸留前のアルキレングリコールエーテル1のPO1〜5の分布(モル比)
PO付加モル数1: 35.6
PO付加モル数2: 34.9
PO付加モル数3: 18.7
PO付加モル数4: 7.8
PO付加モル数5: 3.0
【0092】
蒸留、水蒸気処理後の成分(A)のアルキレングリコールエーテル1のPO1〜5の分布(モル比)
PO付加モル数1: 24.6
PO付加モル数2: 39.8
PO付加モル数3: 22.4
PO付加モル数4: 9.5
PO付加モル数5: 3.7
【0093】
得られたアルキレングリコール1のPOの平均付加モル数n、EOの平均付加モル数mの値は、1H−NMRにより求めた。結果を表1に示す。
【0094】
製造例2:ヘキシルアルコールを用い、ポリプロピレンオキサイドの平均付加モル数を3.0モルにした以外は、製造例1と同様にして、アルキレングリコールエーテル2を得た。
【0095】
製造例3:n−プロピルアルコールを用い、ポリプロピレンオキサイドの平均付加モル数を3.1モルにした以外は、製造例1と同様にして、アルキレングリコールエーテル3を得た。
【0096】
製造例4:ポリプロピレンオキサイドの平均付加モル数を2.9モルにした以外は、製造例1と同様にして、アルキレングリコールエーテル4を得た。
【0097】
製造例5:2−エチルヘキシルアルコールを用いた以外は、製造例2と同様にして、アルキレングリコールエーテル5を得た。
【0098】
製造例6:1−デカノールを用いた以外は、製造例2と同様にして、アルキレングリコールエーテル6を得た。
【0099】
製造例7:ポリプロピレンオキサイドの平均付加モル数を2.0モルにした以外は、製造例5と同様にして、アルキレングリコールエーテル7を得た。
【0100】
製造例8:ポリプロピレンオキサイドの平均付加モル数を4.0モルにした以外は、製造例5と同様にして、アルキレングリコールエーテル8を得た。
【0101】
製造例9:ポリプロピレンオキサイドの平均付加モル数を2.0モルにした以外は、製造例1と同様にして、アルキレングリコールエーテル9を得た。
【0102】
製造例10:ラウリルアルコールを用いた以外は、製造例2と同様にして、アルキレングリコールエーテル10を得た。
【0103】
製造例11:ポリプロピレンオキサイドの平均付加モル数を6.9モルにした以外は、製造例3と同様にして、アルキレングリコールエーテル11を得た。
【0104】
製造例12:ポリプロピレンオキサイドの平均付加モルを数7.2モルにした以外は、製造例1と同様にして、アルキレングリコールエーテル12を得た。
【0105】
製造例13:ポリプロピレンオキサイドの平均付加モル数を6.7モルにした以外は、製造例6と同様にして、アルキレングリコールエーテル13を得た。
製造例2〜13で得られたアルキレングリコールエーテルを表1に示す。
【0106】
【表1】

【0107】
製造例14:分岐ポリグリセロール変性シリコーン(連結基;−CH2CH2CH2−C64−O−)の合成
フェノール変性シリコーン(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名;BY16−752、水酸基当量;1500)150gをフラスコに取り、カリウムメトキシド(30%メタノール溶液)5.61gを加え、撹拌しながら減圧下に60℃まで加温し、メタノールを全て留去し、黄色油状物としてカリウム化フェノール変性シリコーンを得た。95℃まで昇温し、激しく撹拌しながらアルゴン気流下にグリシドール39.9g(5.4当量)を、定量送液ポンプを用いて3.5時間かけて添加した。20分間さらに加熱撹拌後、室温まで冷却すると、淡黄白色固体状生成物が得られた。得られた分岐ポリグリセロール変性シリコーンにエタノール500mLを加え、カチオン交換樹脂によりカリウムを除去、濃縮し、微黄色油状物として分岐ポリグリセロール変性シリコーンAを得た。(収率98%)。
得られた分岐ポリグリセロール変性シリコーンは、13C−NMRスペクトルの解析により、基(1)のメチン炭素由来のシグナル(78.0〜81.0ppm)の存在から、基(1)を有する分岐ポリグリセロール変性シリコーンであることを確認した。また1H−NMRスペクトルの解析により、平均グリセロール基数(G)=10.9(片側5.5)、平均ケイ素原子数(Si)=31.9、G/Si比は0.34であり、GPC解析(カラム:KF−804L(×2)、脂肪族アミン/クロロホルム溶液、40℃、ポリスチレン換算)に依れば、数平均分子量(Mn)は、4100であった。
【0108】
実施例1〜13、比較例1〜11
本発明の製造工程に従い、工程1にて表2のシリコーン組成物を得た。結果を表2に示す。
【0109】
シリコーン組成物の製造(工程1)及び評価
混合状態:表2に示す所定量の成分(A)及び成分(B)、もしくはその他成分を60℃で3時間混合し、室温にて24時間静置後の状態を観察した。
○:均一な状態が維持されている。
×:分離が認められる。
粘度:上記評価にて、均一状態が維持されているものにつき、BM型粘度計にて30℃での粘度を測定した。(測定時間1分、ローター2又は3)
【0110】
【表2】

【0111】
表2から、実施例1〜13のシリコーン組成物は、均一に混ざり、成分(A)を含有しない成分(B)(比較例1)に比べ、粘度が低くなることがわかる。また、比較例2〜9に示すように、(B)成分は、(A)成分以外の一般に毛髪用化粧料に用いられる化合物と混合した場合、分離したり、分離しなくとも減粘効果が低いことがわかる。さらに、比較例10、11に示すように、(A)成分は、(B)成分以外のシリコーンと混合しても、分離することがわかる。
【0112】
次に、均一なシリコーン組成物を得られた実施例1〜6、比較例1〜3のシリコーン組成物を用いて、工程2にて、ヘアシャンプーを製造した。評価結果を表3に示す。
【0113】
化粧料(ヘアシャンプー)の製造(工程2)及び評価
下記組成のシャンプー(pH6)を調製し、下記の方法で評価を行った。
エマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na:有効分27重量%[花王社製])56.7部と水40.8部を混合後、70℃に加温し、アミノーン C−11S(ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド([花王社製])1.0部、カルコール6098(セチルアルコール[花王社製])0.7部、安息香酸ナトリウム0.3部を添加し混合した後、40℃まで冷却し、シリコーン組成物又はポリグリセロール変性シリコーン0.5部を混合し、pHが6になるようにクエン酸を添加し、全量が100部となるように水を添加し、シャンプーを得た。
【0114】
シャンプー組成 (重量%)
シリコーン組成物(実施例1〜6、比較例2〜3)又は
ポリグリセロール変性シリコーン(比較例1) 0.5
エマールE−27C[花王社製]
(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na:有効分27重量%)56.7
アミノーン C−11S[花王社製]
(ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド) 1.0
カルコール6098[花王社製](セチルアルコール) 0.7
安息香酸ナトリウム 0.3
クエン酸 適量
精製水 残余
計 100
【0115】
分散性の評価
上記のシャンプー製造において、前記のシリコーン組成物又はポリグリセロール変性シリコーンを混合し、クエン酸や水を添加する前の混合物におけるポリグリセロール変性シリコーンの分散性を下記の判断で評価した。
1:混合・攪拌により、容易に分散する。(10分以内で均一に分散する。)
2:分散にかなりの攪拌時間がかかる。(均一に分散させるのに30分以上かかる。)
【0116】
シャンプーの性能評価
実施例1〜6と比較例1のシャンプーについて、下記の評価に基づいて、シャンプー性能を評価した。結果を 表4に記載する。
シャンプーの性能評価(毛髪のまとまり、つや、べたつきの測定)は、日本人毛髪を用いた試験用トレス(20g、長さ20cm)を用い、パネラー4名による官能評価を行った。即ち、化学処理歴のない女子成人毛髪で長さ約40cmの黒色の直毛を検体とし、これを40〜50℃のラウリル硫酸ナトリウム溶液中に10分間浸漬して洗浄し、流水で洗浄した後風乾する。この毛髪検体約4gを重ならないように3cm幅に引き揃え、毛髪の長さが35cmになるようにしてその片端を3cm幅のプラスチック板に接着剤で固定したものを試験用のトレスとする。このようにして作成した試験用トレスを用いた。
【0117】
操作:
トレスを十分に35〜40℃の温水で湿らせた後、プレーンシャンプーで洗浄する。十分に温水ですすいだ後、毛束を軽く絞って余分な水分を落とし、1gの上記シャンプーにて洗浄、すすぎを行い、ドライヤーの温風で乾燥させ、仕上げに櫛で毛束を整え、仕上がり時の各項目の評価を行う。
【0118】
プレーンシャンプー (重量%)
エマールE−27C[花王社製]
(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸Na(有効分27重量%))42
アミノーン C−11S[花王社製]
(ヤシ油脂肪酸N−メチルエタノールアミド) 3
クエン酸 0.2
メチルパラベン 0.3
精製水 残余
計 100
【0119】
評価基準を以下に示す。
毛髪のまとまり(目視で評価する。)
評価基準:
5;跳ね毛が無くまとまっている。
4;跳ね毛がほとんど無くまとまっている。
3;やや跳ね毛があり、ややまとまりに欠ける。
2;跳ね毛があり、まとまっていない。
1;跳ね毛が多くまとまりが全くない。
【0120】
髪のつや
評価基準:
5;非常に明瞭なつやがある。
4;明瞭なつやがある。
3;やや明瞭なつやがある。
2;つやがあるがあまり明瞭ではない。
1;つやは全く認められない。
【0121】
髪のべたつき感(手で毛髪を触れて評価する。)
評価基準:
5;べたべたした感触は全くない。
4;べたべたした感触はほとんどない。
3;ややべたべたする。
2;べたべたする。
1;明らかにべたべたする。
【0122】
いずれも、評点の平均が、4以上を◎、4未満3以上を○、3未満2以上を△、2未満を×とした。
【0123】

【表3】

【0124】
本発明のシリコーン組成物を用いたシャンプーは、乾燥後の毛髪の性能に優れていた。
比較例2,3のシリコーン組成物の粘度はやや低いが、シャンプー中には容易に分散することができなかった。一方、本発明のシリコーン組成物を用いればポリグリセロール変性シリコーンを容易に配合することができた。
【0125】
化粧料(ヘアコンディショニング剤)の製造及び評価
実施例14、比較例12のヘアコンディショニング剤を調製し、下記の方法で評価を行った。
【0126】
実施例14
コータミン60W(塩化セチルトリメチルアンモニウム:有効分30%[花王社製])1.39部と水94.20部とメチルパラベン0.30部を室温で混合し、この水溶液を80℃に加温した。予め、カルコール6098(セチルアルコール[花王社製])1.62部とカルコール8098(ステアリルアルコール[花王社製])1.72部を室温で混合した混合物を80℃に加熱した水溶液に添加し、乳化させた後、50℃に冷却した。50℃で、実施例2のシリコーン組成物0.267部とBY11−040(高重合メチルポリシロキサン[東レ・ダウコーニング社製])0.25部、SH200C(ジメチルポリシロキサン[東レ・ダウコーニング社製])0.25部とを添加し、全量が100部となるように水をさらに添加し、室温まで冷却し、pH4.3のヘアコンディショニング剤を製造した。
【0127】
比較例12
実施例2のシリコーン組成物の代わりに、アルキレングリコールエーテル1 0.067部とポリグリセロール変性シリコーン0.20部に変えた以外は、実施例14と同様におこない、比較例12のヘアコンディショニング剤(pH4.3)を製造した。
【0128】
ヘアコンディショニング剤の性能評価(毛髪のまとまり、つや、べたつきの測定)
ヘアコンディショニング剤の性能評価(毛髪のまとまり、つや、べたつきの測定)は、日本人毛髪を用いた試験用トレス(20g、長さ20cm)を用い、パネラー4名による官能評価を行った。
操作:
トレスを十分に35〜40℃の温水で湿らせた後、プレーンシャンプーで洗浄する。十分に温水ですすいだ後、毛束を軽く絞って余分な水分を落とし、1gの毛髪コンディショニング組成物を塗布する。塗布時の各項目の評価を行った後、温水ですすぎ、タオルで水分を取り、櫛で毛束を整える。その後、ドライヤーの温風で乾燥させ、仕上げに櫛で毛束を整え、仕上がり時の各項目の評価を行う。
用いたトレス、プレーンシャンプーは、シャンプーの性能評価で用いたものと同じである。
評価基準を以下に示す。
毛髪のまとまり(目視で評価する。)
評価基準:
5;跳ね毛が全く無くよくまとまっている。
4;跳ね毛が無くまとまっている。
3;跳ね毛がほとんど無くまとまっている。
2;やや跳ね毛があるもののまとまっている。
1;やや跳ね毛があり、ややまとまりに欠ける。
【0129】
髪のつや
評価基準:
5;非常に明瞭なつやがあり、つやの輪郭がはっきりしている。
4;明瞭なつやがあり、つやの輪郭がはっきりしている。
3;明瞭なつやがあり、つやの輪郭がややはっきりしている。
2;やや明瞭なつやがあり、つやの輪郭がややはっきりしている。
1;やや明瞭なつやがある。
【0130】
髪のべたつき感(手で毛髪を触れて評価する。)
評価基準:
5;べたべたした感触は全くなく、さらさらする。
4;べたべたした感触は全くなく、ややさらさらする。
3;べたべたした感触はほとんどないが、ある程度さらさら感がある。
2;ややべたべたし、さらさら感が弱い。
1;ややべたべたする。
【0131】
いずれも、評点の平均が、4以上を◎、4未満3以上を○、3未満2以上を△、2未満を×とした。
【0132】
【表4】

【0133】
本発明の製造方法により得られたコンディショニング剤(実施例14)は、従来の製造方法により得られたコンディショニング剤(比較例12)に比べ、毛髪のまとまり性、つやに優れ、べたつき感が抑制されることがわかる。
【0134】
化粧料(ヘアコンディショニング剤)の中の成分(B)の分散状態
実施例15
実施例14及び比較例12のヘアコンディショニング剤中の成分(B)の分散状態を調べた。ヘアコンディショニング剤中の成分(B)の分散状態を見やすくするために、BY11−040、SH200Cを用いないヘアコンディショニング剤を調整した。すなわち、BY11−040、SH200Cを用いなかった以外は実施例14、比較例12と同様に行い、実施例15、比較例13のヘアコンディショニング剤を調製した。
【0135】
分散状態の測定
実施例15、比較例13のヘアコンディショニング剤を、高倍率ズームレンズ「VH−Z450」を備えたデジタルマイクロスコープ「VHX−100」(キーエンス社製)を用いて、450〜1000倍にて観察し、写真撮影を行った。粒径は、写真画像に挿入されたスケールを用いて、写真画像内にあるいちばん大きな粒子といちばん小さな粒子を測定した。
得られた光学顕微鏡写真を図1(実施例15)、図2(比較例13)に示す。
図1,2から明らかなように、本発明の製造方法で得られた実施例15のヘアコンディショニング剤では、成分(B)は粒径1〜30μmで分散していた。一方、従来の製造方法で得られた比較例13のヘアコンディショニング剤では、成分(B)は均一に分散できていなかった。
【0136】
実施例16
表5に示す組成のヘアコンディショニング剤を以下の方法により製造した。
すなわち、コータミンE−80K(塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム:有効分45重量%[花王社製])3.50部と水86.1部とメチルパラベン0.30部を室温で混合し、この水溶液を80℃に加温した。予め、カルコール6098(セチルアルコール[花王社製])3.00部とカルコール8098(ステアリルアルコール[花王社製])3.00部、シンクロワックスERL−C(エチレングリコール脂肪酸ジエステル([クローダ社製])1.00部を室温で混合した混合物を80℃に加熱した水溶液に添加し、乳化させた後、50℃に冷却した。50℃で、実施例2のシリコーン組成物0.8部とX−52−2127(高重合メチルポリシロキサン[信越化学社製])2.0部とを添加し、全量が100部となるように水をさらに添加し、室温まで冷却し、pH4.3のヘアコンディショニング剤を製造した。
【0137】
【表5】

【0138】
本発明のシリコーン組成物を用いれば、ポリグリセロール変性シリコーンを容易に毛髪用化粧料に配合することができ、得られた上記ヘアコンディショニング剤は、仕上がり時にべたつき感が無く、つやがあり、毛髪の柔らかさに優れ、良好な毛髪のまとまりと保湿感を付与することがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程1及び2を有する毛髪用化粧料の製造方法。
工程1:次の成分(A)と(B)とを、(A)/(B)=1/10〜10/1の重量比で混合し、シリコーン組成物を得る工程
(A)一般式(I)
1O−(PO)n/(EO)m−R2 (I)
(式中、R1は炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、平均付加モル数nは1.5〜5.0の数を示し、平均付加モル数mは0〜1.0の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)で表される化合物
(B)ポリグリセロール変性シリコーン
工程2:工程1で得られたシリコーン組成物と成分(A)以外の界面活性剤及び/又は水とを混合して毛髪用化粧料を得る工程
【請求項2】
成分(A)が、R1OH(式中、R1は炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。)で表される原料アルコールに、プロピレンオキシド、又はプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを反応させた後、該原料アルコールを蒸留留去することにより得られる化合物である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
シリコーン組成物中の成分(A)と(B)との合計含有量が、90〜100重量%である、請求項1又は2記載の製造方法。
【請求項4】
毛髪用化粧料がシャンプー又はヘアコンディショニング剤である、請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法により得られる毛髪用化粧料。
【請求項6】
次の成分(A)と(B)とを、(A)/(B)=1/10〜10/1の重量比で含有し、成分(A)と(B)との合計含有量が90〜100重量%である毛髪用化粧料用シリコーン組成物。
(A)一般式(I)
1O−(PO)n/(EO)m−R2 (I)
(式中、R1は炭素数3〜10の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、平均付加モル数nは1.5〜5.0の数を示し、平均付加モル数mは0〜1.0の数を示し、R2は水素原子又はメチル基を示す。)で表される化合物
(B)ポリグリセロール変性シリコーン

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−93884(P2011−93884A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−205770(P2010−205770)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】