毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物
【課題】刺激臭を低減することができると共に、毛髪に良好な明度を付与することができる毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物を提供する。
【解決手段】少なくともアンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される毛髪脱色剤組成物には、（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種が含有されている。また、染毛剤組成物には、更に染料が含有されている。
【解決手段】少なくともアンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される毛髪脱色剤組成物には、（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種が含有されている。また、染毛剤組成物には、更に染料が含有されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与することができる毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の毛髪脱色剤組成物は、酸化剤の作用を促進するためのアルカリ剤を含有している。アルカリ剤の具体例としては、アンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類等が挙げられるが、一般にはアンモニアが使用されている。このため、アンモニアに基づく毛髪脱色剤組成物の刺激臭を低減するために、アンモニアの代わりとしてモノエタノールアミンが含有されることがある。そして、アンモニアの含有量を低減することによって毛髪脱色剤組成物の刺激臭を低減すると共に、毛髪脱色剤組成物に明度を付与するようになっている。
【０００３】
一方、染毛剤組成物は、染料としての酸化染料中間体及びアルカリ剤を含有する第１剤と酸化剤を含有する第２剤とからなる二剤型の酸化染毛剤として知られている。アルカリ剤は、毛髪を膨潤させて染料及び酸化剤を毛髪に浸透しやすくすると共に、酸化剤の作用を促進するために配合されている。アルカリ剤の具体例としては前記毛髪脱色剤組成物に記載したものが挙げられるが、毛髪脱色剤組成物と同様に、一般的にはアンモニアが使用されている。このため、アンモニア臭に基づく染毛剤組成物の刺激臭を低減するために、毛髪脱色剤組成物と同様に、アンモニアの代わりとしてモノエタノールアミンが含有されることがある。そして、アンモニアの含有量を低減することによって染毛剤組成物の刺激臭を低減すると共に、毛髪に明度を付与するようになっている。
【０００４】
また、アンモニアの刺激臭低減のためにモノエタノールアミンを用いた染毛剤組成物において、感触向上のためにカチオン性高分子化合物が含有されることもある。（例えば、特許文献１参照。）
【特許文献１】特開平１０−０４５５４７号公報
【０００５】
ところが、この従来の毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物においては、刺激臭の低減と毛髪の明度の両方について、十分満足できるものではないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本件出願人の出願に係る特願２００３−１１７８２０号（未公開）の毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物の発明においては、アルカリ剤として少なくともアンモニア及びアルカノールアミンと、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマーとを含有させることにより、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与している。
【０００７】
ところが、更にその後の研究により、上記のような毛髪脱色剤及び染毛剤組成物において、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマーに加えて、塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有させることにより、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にすることができることが分かった。
【０００８】
そこで本発明はこの新たな知見に基づき、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にすることができる毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記の目的を達成するために、請求項１に記載の発明の毛髪脱色剤組成物は、少なくともアンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される毛髪脱色剤組成物であって、（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
【００１０】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の毛髪脱色剤組成物において、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることを特徴とするものである。
請求項３に記載の発明は、請求項１又は請求項２に記載の毛髪脱色剤組成物において、更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することを特徴とするものである。
【００１１】
請求項４に記載の発明は、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の毛髪脱色剤組成物において、更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
請求項５に記載の発明は、少なくとも染料、アンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される染毛剤組成物であって、（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
【００１２】
請求項６に記載の発明は、請求項５に記載の染毛剤組成物において、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることを特徴とするものである。
請求項７に記載の発明は、請求項５又は請求項６に記載の染毛剤組成物において、更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することを特徴とするものである。
【００１３】
請求項８に記載の発明は、請求項５から請求項７のいずれか一項に記載の染毛剤組成物において、更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項１に記載の毛髪脱色剤組成物によれば、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にすることができる。
【００１５】
請求項２に記載の毛髪脱色剤組成物によれば、請求項１に記載の発明の効果に加え、毛髪の感触をより良好にすることができる。
請求項３に記載の毛髪脱色剤組成物によれば、請求項１又は請求項２に記載の発明の効果に加え、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止することができると共に、毛髪により良好な明度を付与することができる。
【００１６】
請求項４に記載の毛髪脱色剤組成物によれば、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、刺激臭をより低減することができる。
請求項５に記載の染毛剤組成物によれば、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にし、良好な染色性が得られる。
【００１７】
請求項６に記載の染毛剤組成物によれば、請求項５に記載の発明の効果に加え、毛髪の感触をより良好にすることができる。
請求項７に記載の染毛剤組成物によれば、請求項５又は請求項６に記載の発明の効果に加え、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止することができると共に、毛髪により良好な明度を付与し、染色性を向上させることができる。
【００１８】
請求項８に記載の染毛剤組成物によれば、請求項５から請求項７のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、刺激臭をより低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
（第１の実施形態）
以下、本発明の第１実施形態について詳細に説明する。
第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物は、少なくともアンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製されるものである。
【００２０】
更に、毛髪脱色剤組成物には、（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種が含有される。
【００２１】
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色するために配合されている。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、臭素酸ナトリウム等が挙げられ、その中でも過酸化水素が好ましい。これらの酸化剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００２２】
酸化剤の配合量は、使用時の濃度で、好ましくは０．１〜５．０質量％、更に好ましくは１．０〜４．０質量％である。０．１質量％未満ではメラニンを十分に脱色することができない。一方、５．０質量％を超えて配合すると、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
【００２３】
アンモニアは、酸化剤の作用を促進するために配合されている。２８質量％のアンモニア水に換算されたときのアンモニアの配合量は、使用時の濃度で１．０〜３．５質量％が好ましく、より好ましくは１．２５〜３．２質量％、更に好ましくは１．５〜２．８質量％である。１．０質量％未満では酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがある。一方、３．５質量％を超えて配合すると毛髪脱色剤組成物の刺激臭を低減することができないおそれがある。
【００２４】
アルカノールアミンは、アンモニアの代わりとして配合されることによって毛髪脱色剤組成物の刺激臭を低減すると共に、酸化剤の作用を促進することにより、毛髪に明度を付与するために配合されている。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール等が挙げられる。これらの中でも、毛髪に十分な明度を付与するという点で、モノエタノールアミンが好ましい。アルカノールアミンの配合量は、使用時の濃度で１．０〜６．０質量％が好ましく、より好ましくは２．０〜５．０質量％、更に好ましくは３．０〜４．０質量％である。１．０質量％未満では酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがある。一方、６．０質量％を超えて配合すると、脱色後に脱色液を流すときに、毛髪にゴワつきやきしみが生じるおそれがある。更に、毛髪を乾燥した（以下、ドライと言う）後には、毛髪の感触にゴワつきが生じたり櫛通りが悪くなるおそれがある。また、継続的に毛髪の脱色を繰り返すと、毛髪のゴワつきや櫛通りの悪さが増加するおそれがある。
【００２５】
成分（Ａ）としての塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマーは、アンモニアの刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与するために配合される。成分（Ａ）は、ポリクオタニム−３７（Polyquaternium-37）の名称でＣＴＦＡ辞典（International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook）に記載されており、市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のサルケア（Salcare）ＳＣ９５，ＳＣ９６等が挙げられる。
【００２６】
成分（Ａ）の配合量は、使用時の濃度で０．０１〜１．５質量％であることが好ましい。配合量の上限は、より好ましくは１．２質量％、最も好ましくは１．０質量％である。０．０１質量％未満であると十分な効果が得られないおそれがあり、１．５質量％を超えてもその効果は変わらず経済的ではない。本発明において、成分（Ａ）は第１剤又は第２剤に配合されるか、あるいは第１剤と第２剤の両方に配合されてもよい。
【００２７】
成分（Ｂ）としての塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーは、成分（Ａ）との相乗効果により毛髪の感触を良好にするために配合される。塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマーは、ポリクオタニウム−６（Polyquaternium-6）の名称でＣＴＦＡ辞典に記載されており、市販品としては、オンデオ・ナルコ社のマーコート１００等が挙げられる。塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーは、ポリクオタニウム−７（Polyquaternium-7）の名称でＣＴＦＡ辞典に記載されており、市販品としては、オンデオ・ナルコ社のマーコート５５０等が挙げられる。
【００２８】
成分（Ｂ）は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。成分（Ｂ）の配合量は、使用時の濃度で０．１〜３．５質量％であることが好ましい。配合量の上限は、より好ましくは３．０質量％、最も好ましくは２．５質量％である。０．１質量％未満であると十分な効果が得られないおそれがあり、３．５質量％を超えてもその効果は変わらず経済的ではない。本発明において、成分（Ｂ）は第１剤又は第２剤に配合されるか、あるいは第１剤と第２剤の両方に配合されてもよい。
【００２９】
また、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比は、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることが好ましい。この範囲の配合比にすることにより、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の相乗効果による、毛髪への良好な感触の付与効果を向上させることができる。
【００３０】
第１剤と第２剤を混合する際には、第１剤と第２剤を質量比で１：３〜２：１の割合で混合するのが好ましく、１：２〜１：１の割合で混合するのがより好ましい。
【００３１】
毛髪脱色剤組成物には、更に（Ｃ）直鎖状高級アルコールを配合することができる。成分（Ｃ）を配合することにより、毛髪へ塗布した後の垂れ落ちを防止することができると共に、より良好な明度を付与することができる。
【００３２】
直鎖状高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、垂れ落ちを防止する効果が高いことから、炭素数１６以上の直鎖状高級アルコールが好ましい。炭素数１６以上の直鎖状高級アルコールの具体例としては、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール等が挙げられる。成分（Ｃ）は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００３３】
成分（Ｃ）の配合量は、使用時の濃度で、好ましくは０．１〜１０質量％、より好ましくは０．５〜９．０質量％、最も好ましくは１．０〜８．０質量％である。０．１質量％未満であると毛髪へ塗布した後に、粘度低下により垂れ落ちるおそれがあり、１０質量％を超えてもそれ以上の効果は得られず経済的ではない。本発明において、成分（Ｂ）は第１剤又は第２剤に配合されるか、あるいは第１剤と第２剤の両方に配合されてもよい。
【００３４】
また、毛髪脱色剤組成物には、更に（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を配合することができる。成分（Ｄ）を配合することにより、刺激臭をより低減することができる。
【００３５】
（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素としては、例えば軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、α−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。
（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコールとしては、例えば２−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、２−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルとしては、分岐鎖を有する脂肪酸とアルコールとのエステルが挙げられ、例えばイソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸２−ヘキシルデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸２−エチルヘキシル、イソパルミチン酸オクチル、２−エチルヘキサン酸イソステアリル、２−エチルヘキサン酸ステアリル、２−エチルヘキサン酸セチル、２−エチルヘキサン酸セトステアリル、２−エチルヘキサン酸２−ヘキシルデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸２−オクチルドデシル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、１２−ステアロイルステアリン酸イソステアリル、１２−ステアロイルステアリン酸イソセチル、１２−ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、ジ−２−エチルヘキサン酸エチレングリコール、モノイソステアリン酸Ｎ−アルキルグリコール等が挙げられる。
【００３６】
成分（Ｄ）は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。成分（Ｄ）の配合量は、使用時の濃度で０．１〜２５質量％であることが好ましい。配合量の上限は、より好ましくは２３質量％、最も好ましくは２０質量％である。０．１質量％未満であると十分な効果が得られず、２５質量％を超えてもそれ以上の効果は得られず経済的ではない。本発明において、成分（Ｄ）は第１剤又は第２剤に配合されるか、あるいは第１剤と第２剤の両方に配合されてもよい。
【００３７】
第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物には、更に界面活性剤、成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の油性成分、成分（Ａ）及び成分（Ｂ）以外の高分子化合物、溶剤等から選ばれる少なくとも一種を配合することができる。界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【００３８】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン（以下、ＰＯＥという）ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ＰＯＥラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【００３９】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【００４０】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ＰＯＥアルキルエーテル類、ＰＯＥアルケニルエーテル類、ＰＯＥアルキルフェニルエーテル類、ＰＯＥ・ポリオキシプロピレン（以下、ＰＯＰという）アルキルエーテル類、ＰＯＥ脂肪酸類、ＰＯＥソルビタン脂肪酸エステル類、ＰＯＥヒマシ油、ＰＯＥ硬化ヒマシ油、ＰＯＥソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、Ｎ−アルキルジメチルアミンオキシド、ＰＯＥプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも酸やアルカリ剤に強いことからＰＯＥアルキルエーテル類、ＰＯＥアルケニルエーテル類、ＰＯＥアルキルフェニルエーテル類、ＰＯＥ・ＰＯＰアルキルエーテル類等が好ましく、ＰＯＥアルキルエーテル類、ＰＯＥアルケニルエーテル類がより好ましい。ＰＯＥアルキルエーテル類の具体例としては、ＰＯＥラウリルエーテル、ＰＯＥセチルエーテル、ＰＯＥイソセチルエーテル、ＰＯＥステアリルエーテル、ＰＯＥイソステアリルエーテル、ＰＯＥベヘニルエーテル等が挙げられ、ＰＯＥアルケニルエーテル類の具体例としては、ＰＯＥオレイルエーテル等が挙げられる。
【００４１】
両性界面活性剤の具体例としては、２−ウンデシル−Ｎ−ヒドロキシエチル−Ｎ−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、２−ココイル−２−イミダゾリニウムヒドロキサイド−１−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、２−ヘプタデシル−Ｎ−カルボキシメチル−Ｎ−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン等が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００４２】
成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の油性成分の具体例としては、直鎖状炭化水素、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、成分（Ｄ）のエステル以外のエステル類、シリコーン類等が挙げられる。
【００４３】
直鎖状炭化水素としては、流動パラフィン、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、ワセリン等が挙げられる。
【００４４】
油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
【００４５】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
【００４６】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【００４７】
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール（モノステアリルグリセリルエーテル）、キミルアルコール（モノセチルグリセリルエーテル）、セラキルアルコール（モノオレイルグリセリルエーテル）、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【００４８】
成分（Ｄ）のエステル以外のエステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ−２−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、カプリル酸セチル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸２−エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、１２−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【００４９】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【００５０】
これらの油性成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００５１】
成分（Ａ）及び成分（Ｂ）以外の高分子化合物としては、成分（Ａ）及び成分（Ｂ）以外のカチオン性高分子化合物、両性高分子化合物、アニオン性高分子化合物、非イオン性高分子化合物が挙げられる。
【００５２】
成分（Ａ）及び成分（Ｂ）以外のカチオン性高分子化合物としては、ポリマー鎖に結合してアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又は少なくともジメチルジアリルアンモニウムハライドを構成単位として含む水溶液のものであり、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体及び４級化ポリビニルピロリドン誘導体などが挙げられる。カチオン化セルロース誘導体としては、塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロースが挙げられ、市販品としてはライオン（株）のレオガードＧ，ＧＰ、ユニオンカーバイド社のポリマーＪＲ−１２５，ＪＲ−４００，ＪＲ−３０Ｍ，ＬＲ−４００，ＬＲ−３０Ｍ等が挙げられる。その他のカチオン化セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが挙げられ、市販品としてはナショナルスターチアンドケミカル社のセルコートＨ−１００，Ｌ−２００等が挙げられる。カチオン化グアーガム誘導体としては、例えば、特公昭５８−３５６４０号、特公昭６０−４６１５８号及び、特開昭５８−５３９９６号公報に記載され、RHONE-POULENC社のジャガーＣ−１３Ｓ，同−１４Ｓ，同−１７，同−２１０，同−１６２，ＨＩ−ＣＡＲＥ１０００として市販されている。４級化ポリビニルピロリドン誘導体としては、分子量１万〜２００万のものが好ましく、市販品としては、アイエスピー・ジャパン（株）のガフコート７３４，７５５，７５５Ｎ等が挙げられる。
【００５３】
両性高分子化合物としては、例えば、Ｎ−メタクリロイルエチルＮ，Ｎ−ジメチルアンモニウムα−Ｎ−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体（市販名；ユカフォーマーＡＭ−７５；三菱化学社製）、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体（市販名；アンフォマー２８−４９１０；ナショナルスターチ社製）、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体（市販名；マーコート２８０，２９５；オンデオ・ナルコ社製）、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸のターポリマー（市販名；マーコートプラス３３３０，３３３１；オンデオ・ナルコ社製）、アクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体（市販名；マーコート２００１；オンデオ・ナルコ社製）等が挙げられる。
【００５４】
アニオン性高分子化合物としては、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体カリウム塩液、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチルアミノエチル、アクリル酸オクチルアミドの共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・プロピオン酸ビニル共重合体、メチルビニルエーテル・マレイン酸モノブチルエステル共重合体等が挙げられる。
【００５５】
非イオン性高分子化合物としては、天然系、半合成系および合成系のものが挙げられる。天然系非イオン性高分子化合物としては、セルロース、グアーガム、寒天、デンプン、加水分解デンプン及びデキストリン等が挙げられる。また、半合成系非イオン性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルデキストランおよびカルボキシメチルキチン等が挙げられる。更に、合成系非イオン性高分子化合物としては、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ＰＯＥ・ＰＯＰ共重合体、ＰＯＥ・ＰＯＰブチルエーテル、ＰＯＥ・ＰＯＰヘキシレングリコールエーテル、ＰＯＰブチルエーテル、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【００５６】
これらの高分子化合物は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００５７】
溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール、イソプレングリコール、へキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの溶剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００５８】
更に、その他の添加成分として、アルカリ剤；コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した加水分解物、及びこれらを４級化したカチオン変性蛋白質等のポリペプタイド；ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸等の保湿剤；ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ベンジルオキシエタノール、Ｎ−メチルピロリドン、Ｎ−エチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の染色助剤；パラベン等の防腐剤；ＥＤＴＡ−Ｎａ等のキレート剤；フェナセチン、ＥＤＴＡ、８−オキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸尿酸、タンニン酸、フェノキシエタノール等の安定化剤；リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のｐＨ調整剤；チオグリコール酸、亜硫酸塩等の酸化防止剤；液化石油ガス、ジメチルエーテル、窒素、炭酸ガス等の噴射剤；その他、アミノ酸、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等、また「医薬部外品原料規格」（１９９１年６月発行、薬事日報社）に収載されているものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。その他の添加成分の配合量は、毛髪脱色剤組成物の常法に従って決定される。
【００５９】
アルカリ剤は、アルカノールアミンと同様に、酸化剤の作用を促進することにより、毛髪に明度を付与するために配合されている。アルカリ剤の具体例としては、有機アミン類（２−アミノ−２−メチル−１，３−プロパンジオール、グアニジン等）、無機アルカリ（水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等）、塩基性アミノ酸（アルギニン、リジン等）及びそれらの塩等が挙げられる。これらのアルカリ剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。また、二種以上のアルカリ剤を適当に組み合わせて配合することによって緩衝作用をもたせてもよい。アルカリ剤の配合量は、毛髪脱色剤組成物のｐＨが８〜１２となる量であることが好ましい。毛髪脱色剤組成物のｐＨは、８未満では酸化剤の作用を十分に促進することができない。一方、１２を超えると毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
【００６０】
第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物の剤型としては液状、乳液状、クリーム状、ゲル状あるいは泡沫状等、通常知られている形態をとることができる。
【００６１】
以上詳述した第１の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物においては、少なくともアンモニアとアルカノールアミンを含有し、更に（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有している。このため、アンモニアの刺激臭を低減すると共に、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にすることができる。
・更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することにより、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止できると共に、毛髪により良好な明度を付与することができる。
・更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することにより、刺激臭をより低減することができる。
【００６２】
（第２の実施形態）
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。なお、第２の実施形態については、第１の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【００６３】
第２の実施形態の染毛剤組成物は、染料、アンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製されるものであって、前記（Ａ）成分及び（Ｂ）成分を含有する。
【００６４】
染料としては、酸化染料中間体等が挙げられ、酸化染料中間体としては、例えば、フェニレンジアミン類、アミノフェノール類、トルエンジアミン類、アミノニトロフェノール類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、Ｎ−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類及びそれらの塩類（塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等）等が挙げられる。その中でもｐ−フェニレンジアミン、トルエン−２，５−ジアミン、Ｎ，Ｎ−ビス（２−ヒドロキシエチル）−ｐ−フェニレンジアミン、Ｎ−フェニル−ｐ−フェニレンジアミン、４，４'−ジアミノジフェニルアミン、２−クロロ−ｐ−フェニレンジアミン、Ｎ，Ｎ−ジメチル−ｐ−フェニレンジアミン、ｐ−アミノフェノール、２，６−ジクロロ−ｐ−フェニレンジアミン、ｐ−アミノフェニルスルファミン酸及びそれらの塩類が染毛力の点から好ましい。これらの酸化染料中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００６５】
酸化染料中間体の配合量は、使用時の濃度で０．０１〜１５質量％が好ましく、０．１〜１０質量％がより好ましい。この配合量が０．０１質量％よりも少ないと十分な染毛効果が得られない。また１５質量％を超えても染毛効果が特に大きくは向上しないので、１５質量％を超えて配合することは不経済である。０．１〜１０質量％の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【００６６】
第１剤には、酸化染料中間体以外の染料としてカプラーを配合してもよい。カプラーを配合した場合には、染毛効果を更に高めることができる。このカプラーとしては、例えば、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、ｍ−アミノフェノール、ｍ−フェニレンジアミン、ｏ−アミノフェノール、２，４−ジアミノフェノール、１，２，４−ベンゼントリオール、トルエン−３，４−ジアミン、トルエン−２，４−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、２，６−ジアミノピリジン、１，５−ジヒドロキシナフタレン、５−アミノ−ｏ−クレゾール、ジフェニルアミン、ｐ−メチルアミノフェノール、２，４−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、５−（２−ヒドロキシエチルアミノ）−２−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。その他、「医薬部外品原料規格」（１９９１年６月発行，薬事日報社）に収載されたものも適宜、用いることができる。これらの染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００６７】
上記の染料を第１剤に配合する場合、その配合量は使用時の濃度で０．０１〜１０質量％が好ましく、０．１〜５質量％がより好ましい。この配合量が０．０１質量％よりも少ないと十分な染毛効果が得られない。また１０質量％を超えても染毛効果が特に大きくは向上しないので、１０質量％を超えて配合することは不経済である。０．１〜５質量％の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【００６８】
更に、第１剤には、酸化染料中間体及びカプラー以外の染料として直接染料を配合してもよい。直接染料を配合した場合には、染毛効果を更に高めることができる。この直接染料としては、例えば、４−ニトロ−ｍ−フェニレンジアミン、４−ニトロ−ｏ−フェニレンジアミン、２−ニトロ−ｐ−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、１−アミノ−４−メチルアントラキノン、１，４−ジアミノアントラキノン、２−アミノ−４−ニトロフェノール、２−アミノ−５−ニトロフェノール及びそれらの塩、並びに、「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」（昭和４１年告示、厚生省）により定められた酸性染料や油溶性染料等が挙げられる。尚、前記酸性染料には、赤色２号、赤色３号、赤色１０２号、赤色１０４号の（１）、赤色１０５号の（１）、赤色１０６号、赤色２０１号、赤色２２７号、赤色２３０号の（１）、赤色２３０号の（２）、赤色２３１号、赤色２３２号、赤色４０１号、赤色５０２号、赤色５０３号、赤色５０４号、赤色５０６号、黄色４号、黄色５号、黄色２０２号の（１）、黄色２０２号の（２）、黄色２０３号、黄色４０２号、黄色４０３号の（１）、黄色４０６号、黄色４０７号、だいだい色２０５号、だいだい色２０７号、だいだい色４０２号、緑色３号、緑色２０４号、緑色２０５号、緑色４０１号、緑色４０２号、紫色４０１号、青色１号、青色２号、青色２０２号、青色２０３号、青色２０５号、かっ色２０１号、黒色４０１号等があり、前記油溶性染料には、赤色２１５号、赤色２１８号、赤色２２５号、だいだい色２０１号、だいだい色２０６号、黄色２０１号、黄色２０４号、緑色２０２号、紫色２０１号、赤色５０１号、赤色５０５号、だいだい色４０３号、黄色４０４号、黄色４０５号、青色４０３号等がある。更には、Basic Blue 3, Basic Blue 6, Basic Blue 7, Basic Blue 9, Basic Blue 26, Basic Blue 41, Basic Blue 47, Basic Blue 99, Basic Brown 4, Basic Brown 16, Basic Brown17, Basic Green 1, Basic Green 4, Basic Orange 1, Basic Orange 2, Basic Orange 31, Basic Red 1, Basic Red 2, Basic Red 22, Basic Red 46, Basic Red 51, Basic Red 76, Basic Red 118, Basic Violet 1, Basic Violet 3, Basic Violet 4, Basic Violet 10, Basic Violet 11:1, Basic Violet 14, Basic Violet 16, Basic Yellow 11, Basic Yellow 28, Basic Yellow 57, Basic Yellow 87, HC Blue No.2, HC Blue No.4, HC Blue No.5, HC Blue No.6, HC Blue No.7, HC Blue No.8, HC Blue No.9, HC Blue No.10, HC Blue No.11, HC Blue No.12, HC Blue No.13, HC Blue No.14, HC Brown No.1, HC Brown No.2, HC Green No.1, HC Orange No.1, HC Orange No.2, HC Orange No.3, HC Orange No.5, HC Red No.1, HC Red No.3, HC Red No.7, HC Red No.8, HC Red No.9, HC Red No.10, HC Red No.11, HC Red No.13, HC Red No.14, HC Violet No.1, HC Violet No.2, HC Yellow No.2, HC Yellow No.4, HC Yellow No.5, HC Yellow No.6, HC Yellow No.7, HC Yellow No.8, HC Yellow No.9, HC Yellow No.10, HC Yellow No.11, HC Yellow No.12, HC Yellow No.13, HC Yellow No.14, HC Yellow No.15, Disperse Black 9, Disperse Blue 1, Disperse Blue 3, Disperse Brown 4, Disperse Orange 3, Disperse Red 11, Disperse Red 15, Disperse Red 17, Disperse Violet 1, Disperse Violet 4, Disperse Violet 15等が挙げられる。これらの直接染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００６９】
直接染料を第１剤に配合する場合、その配合量は使用時の濃度で０．００１〜１０質量％が好ましく、０．０１〜５質量％がより好ましい。この配合量が０．００１質量％よりも少ないと十分な染毛効果が得られない。また１０質量％を超えても染毛効果が特に大きくは向上しないので、１０質量％を超えて配合することは不経済である。０．０１〜５質量％の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【００７０】
アンモニアは、毛髪を膨潤させて染料及び酸化剤を毛髪に浸透しやすくすると共に、酸化剤の作用を促進するために配合されている。アンモニアの配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。なお、２８質量％のアンモニア水に換算されたときのアンモニアの配合量は、使用時の濃度で１．０質量％未満では毛髪を十分に膨潤することができないと共に、酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがある。一方、３．５質量％を超えて配合すると染毛剤組成物の刺激臭を低減することができないおそれがある。
【００７１】
アルカノールアミンは、アンモニアの代わりとして配合されることによって染毛剤組成物の刺激臭を低減すると共に、毛髪を膨潤させて染料及び酸化剤を毛髪に浸透しやすくし、更に、酸化剤の作用を促進することにより、毛髪に明度を付与するために配合されている。アルカノールアミンの具体例及び配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。なお、アルカノールアミンの配合量は、使用時の濃度で１．０質量％未満では毛髪を膨潤することができないと共に、酸化剤の作用を促進することができないおそれがある。一方、６．０質量％を超えて配合すると、染毛後に染毛液を流すときに、毛髪にゴワつきやきしみが生じるおそれがある。更に、ドライ後には、毛髪の感触にゴワつきが生じたり櫛通りが悪くなるおそれがある。また、継続的に染毛を繰り返すと、毛髪のゴワつきや櫛通りの悪さが増加するおそれがある。
【００７２】
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色すると共に、酸化染料中間体等の染料を酸化するために配合される。酸化剤の具体例及び配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。この配合量が、使用時の濃度で０．１質量％未満であるとメラニンを十分に脱色することができないと共に、染料を十分に酸化することができない。一方、５．０質量％を超えると、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
【００７３】
成分（Ａ）は、アンモニアの刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にし、良好な染色性を得るために配合される。成分（Ａ）の配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。この配合量が使用時の濃度で０．０１質量％未満であると十分な効果が得られないおそれがあり、１．５質量％を超えてもその効果は変わらず経済的ではない。
【００７４】
成分（Ｂ）は、毛髪の感触を良好にするために配合される。成分（Ｂ）の配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。
【００７５】
本実施形態の染毛剤組成物には、更に成分（Ｃ）を配合することができる。成分（Ｃ）を配合することにより、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止することができると共に、より良好な明度を付与し、染色性を向上させることができる。成分（Ｃ）の具体例及び配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。この配合量が使用時の濃度で０．１質量％未満であると毛髪へ塗布した後に、粘度低下により垂れ落ちるおそれがあり、１０質量％を超えてもそれ以上の効果は得られず経済的ではない。
【００７６】
本実施形態の染毛剤組成物には、更に成分（Ｄ）を配合することができる。成分（Ｄ）を配合することにより、刺激臭をより低減することができる。成分（Ｄ）の具体例及び配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。この配合量が使用時の濃度で０．１質量％未満であると十分な効果が得られず、２５質量％を超えてもそれ以上の効果は得られず経済的ではない。
【００７７】
第２の実施形態の染毛剤組成物には、その他の添加成分として、第１の実施形態に挙げた成分を配合してもよい。その他の添加成分の配合量は、染毛剤組成物の常法に従って決定される。
【００７８】
以上詳述した第２の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・第２の実施形態の染毛剤組成物においては、成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有するため、アンモニアの刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にし、良好な染色性が得られる。
・更に、成分（Ｃ）を含有することにより、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止できると共に、毛髪により良好な明度を付与し、染色性を向上させることができる。
・更に、成分（Ｄ）を含有することにより、刺激臭をより低減することができる。
【実施例】
【００７９】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
（実施例１〜２６及び比較例１〜１２）
二剤式の毛髪脱色剤組成物としての実施例１〜２６及び比較例１〜１２は、表１〜３に示すように第１剤及び第２剤を調製した。また、表１〜３の数値は質量％で示す。
【００８０】
【表１】
【００８１】
【表２】
【００８２】
【表３】
【００８３】
表１〜３の各列の毛髪脱色剤組成物について、第１剤と第２剤とを質量比１：１で混合した後に毛束に塗布した。この毛束を３７℃の恒温槽で３０分間放置した後、シャンプーでよく洗浄し、タオルで水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥した。この脱色処理に際して、１０名のパネラーにより、毛髪脱色剤組成物を混合して毛束に塗布する時の刺激臭、塗布した後の垂れ落ち、処理後の明度及び毛髪の感触について、以下に示すように評価した。その評価結果を表４に示す。
【００８４】
＜刺激臭＞
刺激臭がない（４点）、刺激臭がほとんどない（３点）、刺激臭が少しある（２点）、刺激臭がある（１点）の４段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を「刺激臭がない：４」、２．６点以上３．５点以下を「刺激臭がほとんどない：３」、１．６点以上２．５点以下を「刺激臭が少しある：２」、１点以上１．５点以下を「刺激臭がある：１」とし、評価結果とした。
＜垂れ落ち＞
垂れ落ちが全くない（４点）、垂れ落ちがほとんどない（３点）、やや垂れ落ちがある（２点）、垂れ落ちがある（１点）の４段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を［垂れ落ちが全くない：４」、２．６点以上３．５点以下を「垂れ落ちがほとんどない：３」、１．６点以上２．５点以下を「やや垂れ落ちがある：２」、１点以上１．５点以下を「垂れ落ちがある：１」とし、評価結果とした。
＜明度＞
優れた明度（４点）、良好な明度（３点）、明度がやや不十分（２点）、明度が不十分（１点）の４段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を「優れる：４」、２．６点以上３．５点以下を「良好：３」、１．６点以上２．５点以下を「やや悪い：２」、１点以上１．５点以下を「悪い：１」とし、評価結果とした。
＜毛髪の感触＞
非常に良い（４点）、良い（３点）、やや悪い（２点）、悪い（１点）の４段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を「優れる：４」、２．６点以上３．５点以下を「良好：３」、１．６点以上２．５点以下を「やや悪い：２」、１点以上１．５点以下を「悪い：１」とし、評価結果とした。
【００８５】
【表４】
【００８６】
実施例１〜２６においては、表４に示すように、刺激臭については、ない又はほとんどないと評価された。垂れ落ちについては、全くない、ほとんどない又はややあると評価された。また、明度については、優れた明度又は良好な明度と評価された。更に、垂れ落ちについては、垂れ落ちがない、垂れ落ちはないが粘度がやや低下した又は少し垂れ落ちがあると評価された。
【００８７】
表４の結果から明らかなように、実施例１〜２６では、刺激臭、明度及び毛髪の感触について、十分な結果が得られている。実施例１１、１３、２５及び２６では、（Ｃ）成分が含有されていないため、やや垂れ落ちがあるという結果となっている。実施例１４〜２４では、（Ｃ）成分として炭素数１６未満の直鎖状高級アルコールが含有されているため、実施例１４〜２４よりも実施例１の方が垂れ落ちについて優れる結果となっている。また、実施例２５及び２６では、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が０．１〜１の範囲外であるため、実施例２５及び２６よりも実施例１の方が毛髪の感触について優れる結果となっている。
【００８８】
一方、表４に示すように、比較例１は成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例３は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例４は成分（Ａ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例５及び６は成分（Ａ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例７は成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例８は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例９及び１１は成分（Ａ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１０は成分（Ａ）及び成分（Ｃ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１２は成分（Ａ）、成分（Ｂ）、成分（Ｃ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。
【００８９】
（実施例２７〜５２及び比較例１３〜２４）
二剤式の染毛剤組成物としての実施例２７〜５２及び比較例１３〜２４は、表５〜７に示すように第１剤及び第２剤を調製した。また、表５〜７の数値は質量％で示す。
【００９０】
【表５】
【００９１】
【表６】
【００９２】
【表７】
【００９３】
表５〜７の各列の染毛剤組成物について、第１剤と第２剤とを質量比１：１で混合した後に毛束に塗布した。この毛束を３７℃の恒温槽で３０分間放置した後、シャンプーでよく洗浄し、タオルで水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥した。この染毛処理に際して、１０名のパネラーにより、染毛剤組成物を混合して毛束に塗布する時の刺激臭、塗布した後の垂れ落ち、処理後の明度及び毛髪の感触について、前記と同様に評価した。また、染色性について、以下に示すように評価した。その評価結果を表８に示す。
【００９４】
＜染色性＞
優れた染色性（４点）、良好な染色性（３点）、染色性がやや悪い（２点）、染色性が悪い（１点）の４段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を「優れる：４」、２．６点以上３．５点以下を「良好：３」、１．６点以上２．５点以下を「やや悪い：２」、１点以上１．５点以下を「悪い：１」とし、評価結果とした。
【００９５】
【表８】
【００９６】
表８の結果から明らかなように、実施例２７〜５２では、刺激臭、明度、染色性及び毛髪の感触について、十分な結果が得られている。実施例３７、３９、５１及び５２では、（Ｃ）成分が含有されていないため、やや垂れ落ちがあるという結果となっている。実施例４０〜５０では、（Ｃ）成分として炭素数１６未満の直鎖状高級アルコールが含有されているため、実施例４０〜５０よりも実施例２７の方が垂れ落ちについて優れる結果となっている。また、実施例５１及び５２では、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が０．１〜１の範囲外であるため、実施例５１及び５２よりも実施例２７の方が毛髪の感触について優れる結果となっている。
【００９７】
一方、表８に示すように、比較例１３は成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１４は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１５は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度、染色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１６は成分（Ａ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１７及び１８は成分（Ａ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１９は成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２０は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２１及び２３は成分（Ａ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２２は成分（Ａ）及び成分（Ｃ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度、染色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２４は成分（Ａ）、成分（Ｂ）、成分（Ｃ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度、染色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。
【００９８】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物の第１剤及び第２剤に、更にアルカリ剤、過硫酸塩、油性成分、界面活性剤等を含有する粉末状又はクリーム状の第３剤を加えて、三剤式の毛髪脱色剤組成物に適用してもよい。
【００９９】
・前記第１の実施形態における二剤式の毛髪脱色剤組成物及び上記の三剤式の毛髪脱色剤組成物を、染毛剤等で染められた髪を元の色に戻すための毛髪脱染剤として使用してもよい。
・上記の三剤式の毛髪脱色剤毛髪脱染剤において、成分（Ａ）は第３剤に配合されてもよい。
【０１００】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
（１）前記（Ｃ）直鎖状高級アルコールが、炭素数１６以上の直鎖状高級アルコールである請求項３又は請求項４に記載の毛髪脱色剤組成物。この構成によると、垂れ落ちの防止効果に優れ、明度を向上させることができる。
（２）前記（Ｃ）直鎖状高級アルコールが、炭素数１６以上の直鎖状高級アルコールである請求項７又は請求項８に記載の染毛剤組成物。この構成によると、垂れ落ちの防止効果に優れ、明度及び染色性を向上させることができる。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与することができる毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種の毛髪脱色剤組成物は、酸化剤の作用を促進するためのアルカリ剤を含有している。アルカリ剤の具体例としては、アンモニア、アルカノールアミン、有機アミン類等が挙げられるが、一般にはアンモニアが使用されている。このため、アンモニアに基づく毛髪脱色剤組成物の刺激臭を低減するために、アンモニアの代わりとしてモノエタノールアミンが含有されることがある。そして、アンモニアの含有量を低減することによって毛髪脱色剤組成物の刺激臭を低減すると共に、毛髪脱色剤組成物に明度を付与するようになっている。
【０００３】
一方、染毛剤組成物は、染料としての酸化染料中間体及びアルカリ剤を含有する第１剤と酸化剤を含有する第２剤とからなる二剤型の酸化染毛剤として知られている。アルカリ剤は、毛髪を膨潤させて染料及び酸化剤を毛髪に浸透しやすくすると共に、酸化剤の作用を促進するために配合されている。アルカリ剤の具体例としては前記毛髪脱色剤組成物に記載したものが挙げられるが、毛髪脱色剤組成物と同様に、一般的にはアンモニアが使用されている。このため、アンモニア臭に基づく染毛剤組成物の刺激臭を低減するために、毛髪脱色剤組成物と同様に、アンモニアの代わりとしてモノエタノールアミンが含有されることがある。そして、アンモニアの含有量を低減することによって染毛剤組成物の刺激臭を低減すると共に、毛髪に明度を付与するようになっている。
【０００４】
また、アンモニアの刺激臭低減のためにモノエタノールアミンを用いた染毛剤組成物において、感触向上のためにカチオン性高分子化合物が含有されることもある。（例えば、特許文献１参照。）
【特許文献１】特開平１０−０４５５４７号公報
【０００５】
ところが、この従来の毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物においては、刺激臭の低減と毛髪の明度の両方について、十分満足できるものではないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本件出願人の出願に係る特願２００３−１１７８２０号（未公開）の毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物の発明においては、アルカリ剤として少なくともアンモニア及びアルカノールアミンと、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマーとを含有させることにより、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与している。
【０００７】
ところが、更にその後の研究により、上記のような毛髪脱色剤及び染毛剤組成物において、塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマーに加えて、塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有させることにより、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にすることができることが分かった。
【０００８】
そこで本発明はこの新たな知見に基づき、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にすることができる毛髪脱色剤組成物及び染毛剤組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記の目的を達成するために、請求項１に記載の発明の毛髪脱色剤組成物は、少なくともアンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される毛髪脱色剤組成物であって、（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
【００１０】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の毛髪脱色剤組成物において、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることを特徴とするものである。
請求項３に記載の発明は、請求項１又は請求項２に記載の毛髪脱色剤組成物において、更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することを特徴とするものである。
【００１１】
請求項４に記載の発明は、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の毛髪脱色剤組成物において、更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
請求項５に記載の発明は、少なくとも染料、アンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される染毛剤組成物であって、（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
【００１２】
請求項６に記載の発明は、請求項５に記載の染毛剤組成物において、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることを特徴とするものである。
請求項７に記載の発明は、請求項５又は請求項６に記載の染毛剤組成物において、更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することを特徴とするものである。
【００１３】
請求項８に記載の発明は、請求項５から請求項７のいずれか一項に記載の染毛剤組成物において、更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１４】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項１に記載の毛髪脱色剤組成物によれば、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にすることができる。
【００１５】
請求項２に記載の毛髪脱色剤組成物によれば、請求項１に記載の発明の効果に加え、毛髪の感触をより良好にすることができる。
請求項３に記載の毛髪脱色剤組成物によれば、請求項１又は請求項２に記載の発明の効果に加え、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止することができると共に、毛髪により良好な明度を付与することができる。
【００１６】
請求項４に記載の毛髪脱色剤組成物によれば、請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、刺激臭をより低減することができる。
請求項５に記載の染毛剤組成物によれば、刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にし、良好な染色性が得られる。
【００１７】
請求項６に記載の染毛剤組成物によれば、請求項５に記載の発明の効果に加え、毛髪の感触をより良好にすることができる。
請求項７に記載の染毛剤組成物によれば、請求項５又は請求項６に記載の発明の効果に加え、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止することができると共に、毛髪により良好な明度を付与し、染色性を向上させることができる。
【００１８】
請求項８に記載の染毛剤組成物によれば、請求項５から請求項７のいずれか一項に記載の発明の効果に加え、刺激臭をより低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１９】
（第１の実施形態）
以下、本発明の第１実施形態について詳細に説明する。
第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物は、少なくともアンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製されるものである。
【００２０】
更に、毛髪脱色剤組成物には、（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種が含有される。
【００２１】
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色するために配合されている。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化メラミン、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過ホウ酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化マグネシウム、過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化ストロンチウム、硫酸塩の過酸化水素付加物、リン酸塩の過酸化水素付加物、ピロリン酸塩の過酸化水素付加物、臭素酸ナトリウム等が挙げられ、その中でも過酸化水素が好ましい。これらの酸化剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００２２】
酸化剤の配合量は、使用時の濃度で、好ましくは０．１〜５．０質量％、更に好ましくは１．０〜４．０質量％である。０．１質量％未満ではメラニンを十分に脱色することができない。一方、５．０質量％を超えて配合すると、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
【００２３】
アンモニアは、酸化剤の作用を促進するために配合されている。２８質量％のアンモニア水に換算されたときのアンモニアの配合量は、使用時の濃度で１．０〜３．５質量％が好ましく、より好ましくは１．２５〜３．２質量％、更に好ましくは１．５〜２．８質量％である。１．０質量％未満では酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがある。一方、３．５質量％を超えて配合すると毛髪脱色剤組成物の刺激臭を低減することができないおそれがある。
【００２４】
アルカノールアミンは、アンモニアの代わりとして配合されることによって毛髪脱色剤組成物の刺激臭を低減すると共に、酸化剤の作用を促進することにより、毛髪に明度を付与するために配合されている。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、２−アミノ−２−メチル−１−プロパノール等が挙げられる。これらの中でも、毛髪に十分な明度を付与するという点で、モノエタノールアミンが好ましい。アルカノールアミンの配合量は、使用時の濃度で１．０〜６．０質量％が好ましく、より好ましくは２．０〜５．０質量％、更に好ましくは３．０〜４．０質量％である。１．０質量％未満では酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがある。一方、６．０質量％を超えて配合すると、脱色後に脱色液を流すときに、毛髪にゴワつきやきしみが生じるおそれがある。更に、毛髪を乾燥した（以下、ドライと言う）後には、毛髪の感触にゴワつきが生じたり櫛通りが悪くなるおそれがある。また、継続的に毛髪の脱色を繰り返すと、毛髪のゴワつきや櫛通りの悪さが増加するおそれがある。
【００２５】
成分（Ａ）としての塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマーは、アンモニアの刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与するために配合される。成分（Ａ）は、ポリクオタニム−３７（Polyquaternium-37）の名称でＣＴＦＡ辞典（International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook）に記載されており、市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のサルケア（Salcare）ＳＣ９５，ＳＣ９６等が挙げられる。
【００２６】
成分（Ａ）の配合量は、使用時の濃度で０．０１〜１．５質量％であることが好ましい。配合量の上限は、より好ましくは１．２質量％、最も好ましくは１．０質量％である。０．０１質量％未満であると十分な効果が得られないおそれがあり、１．５質量％を超えてもその効果は変わらず経済的ではない。本発明において、成分（Ａ）は第１剤又は第２剤に配合されるか、あるいは第１剤と第２剤の両方に配合されてもよい。
【００２７】
成分（Ｂ）としての塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーは、成分（Ａ）との相乗効果により毛髪の感触を良好にするために配合される。塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマーは、ポリクオタニウム−６（Polyquaternium-6）の名称でＣＴＦＡ辞典に記載されており、市販品としては、オンデオ・ナルコ社のマーコート１００等が挙げられる。塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーは、ポリクオタニウム−７（Polyquaternium-7）の名称でＣＴＦＡ辞典に記載されており、市販品としては、オンデオ・ナルコ社のマーコート５５０等が挙げられる。
【００２８】
成分（Ｂ）は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。成分（Ｂ）の配合量は、使用時の濃度で０．１〜３．５質量％であることが好ましい。配合量の上限は、より好ましくは３．０質量％、最も好ましくは２．５質量％である。０．１質量％未満であると十分な効果が得られないおそれがあり、３．５質量％を超えてもその効果は変わらず経済的ではない。本発明において、成分（Ｂ）は第１剤又は第２剤に配合されるか、あるいは第１剤と第２剤の両方に配合されてもよい。
【００２９】
また、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比は、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることが好ましい。この範囲の配合比にすることにより、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の相乗効果による、毛髪への良好な感触の付与効果を向上させることができる。
【００３０】
第１剤と第２剤を混合する際には、第１剤と第２剤を質量比で１：３〜２：１の割合で混合するのが好ましく、１：２〜１：１の割合で混合するのがより好ましい。
【００３１】
毛髪脱色剤組成物には、更に（Ｃ）直鎖状高級アルコールを配合することができる。成分（Ｃ）を配合することにより、毛髪へ塗布した後の垂れ落ちを防止することができると共に、より良好な明度を付与することができる。
【００３２】
直鎖状高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、垂れ落ちを防止する効果が高いことから、炭素数１６以上の直鎖状高級アルコールが好ましい。炭素数１６以上の直鎖状高級アルコールの具体例としては、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール等が挙げられる。成分（Ｃ）は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００３３】
成分（Ｃ）の配合量は、使用時の濃度で、好ましくは０．１〜１０質量％、より好ましくは０．５〜９．０質量％、最も好ましくは１．０〜８．０質量％である。０．１質量％未満であると毛髪へ塗布した後に、粘度低下により垂れ落ちるおそれがあり、１０質量％を超えてもそれ以上の効果は得られず経済的ではない。本発明において、成分（Ｂ）は第１剤又は第２剤に配合されるか、あるいは第１剤と第２剤の両方に配合されてもよい。
【００３４】
また、毛髪脱色剤組成物には、更に（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を配合することができる。成分（Ｄ）を配合することにより、刺激臭をより低減することができる。
【００３５】
（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素としては、例えば軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、α−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。
（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコールとしては、例えば２−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、２−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルとしては、分岐鎖を有する脂肪酸とアルコールとのエステルが挙げられ、例えばイソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸２−ヘキシルデシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸２−エチルヘキシル、イソパルミチン酸オクチル、２−エチルヘキサン酸イソステアリル、２−エチルヘキサン酸ステアリル、２−エチルヘキサン酸セチル、２−エチルヘキサン酸セトステアリル、２−エチルヘキサン酸２−ヘキシルデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸２−オクチルドデシル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、１２−ステアロイルステアリン酸イソステアリル、１２−ステアロイルステアリン酸イソセチル、１２−ステアロイルステアリン酸オクチルドデシル、ジ−２−エチルヘキサン酸エチレングリコール、モノイソステアリン酸Ｎ−アルキルグリコール等が挙げられる。
【００３６】
成分（Ｄ）は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。成分（Ｄ）の配合量は、使用時の濃度で０．１〜２５質量％であることが好ましい。配合量の上限は、より好ましくは２３質量％、最も好ましくは２０質量％である。０．１質量％未満であると十分な効果が得られず、２５質量％を超えてもそれ以上の効果は得られず経済的ではない。本発明において、成分（Ｄ）は第１剤又は第２剤に配合されるか、あるいは第１剤と第２剤の両方に配合されてもよい。
【００３７】
第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物には、更に界面活性剤、成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の油性成分、成分（Ａ）及び成分（Ｂ）以外の高分子化合物、溶剤等から選ばれる少なくとも一種を配合することができる。界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【００３８】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン（以下、ＰＯＥという）ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ＰＯＥラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【００３９】
カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げられる。
【００４０】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、ＰＯＥアルキルエーテル類、ＰＯＥアルケニルエーテル類、ＰＯＥアルキルフェニルエーテル類、ＰＯＥ・ポリオキシプロピレン（以下、ＰＯＰという）アルキルエーテル類、ＰＯＥ脂肪酸類、ＰＯＥソルビタン脂肪酸エステル類、ＰＯＥヒマシ油、ＰＯＥ硬化ヒマシ油、ＰＯＥソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、Ｎ−アルキルジメチルアミンオキシド、ＰＯＥプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも酸やアルカリ剤に強いことからＰＯＥアルキルエーテル類、ＰＯＥアルケニルエーテル類、ＰＯＥアルキルフェニルエーテル類、ＰＯＥ・ＰＯＰアルキルエーテル類等が好ましく、ＰＯＥアルキルエーテル類、ＰＯＥアルケニルエーテル類がより好ましい。ＰＯＥアルキルエーテル類の具体例としては、ＰＯＥラウリルエーテル、ＰＯＥセチルエーテル、ＰＯＥイソセチルエーテル、ＰＯＥステアリルエーテル、ＰＯＥイソステアリルエーテル、ＰＯＥベヘニルエーテル等が挙げられ、ＰＯＥアルケニルエーテル類の具体例としては、ＰＯＥオレイルエーテル等が挙げられる。
【００４１】
両性界面活性剤の具体例としては、２−ウンデシル−Ｎ−ヒドロキシエチル−Ｎ−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、２−ココイル−２−イミダゾリニウムヒドロキサイド−１−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、２−ヘプタデシル−Ｎ−カルボキシメチル−Ｎ−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン等が挙げられる。
これらの界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００４２】
成分（Ｃ）及び（Ｄ）以外の油性成分の具体例としては、直鎖状炭化水素、油脂、ロウ類、高級脂肪酸、アルキルグリセリルエーテル、成分（Ｄ）のエステル以外のエステル類、シリコーン類等が挙げられる。
【００４３】
直鎖状炭化水素としては、流動パラフィン、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、ワセリン等が挙げられる。
【００４４】
油脂としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。
【００４５】
ロウ類としては、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等が挙げられる。
【００４６】
高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、リノール酸、リシノール酸、ラノリン脂肪酸等が挙げられる。
【００４７】
アルキルグリセリルエーテルとしては、バチルアルコール（モノステアリルグリセリルエーテル）、キミルアルコール（モノセチルグリセリルエーテル）、セラキルアルコール（モノオレイルグリセリルエーテル）、イソステアリルグリセリルエーテル等が挙げられる。
【００４８】
成分（Ｄ）のエステル以外のエステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ−２−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、カプリル酸セチル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸トリイソデシル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸２−エチルへキシル、乳酸ラウリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸オクチルドデシル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリン酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、１２−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ラノリン誘導体等が挙げられる。
【００４９】
シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【００５０】
これらの油性成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００５１】
成分（Ａ）及び成分（Ｂ）以外の高分子化合物としては、成分（Ａ）及び成分（Ｂ）以外のカチオン性高分子化合物、両性高分子化合物、アニオン性高分子化合物、非イオン性高分子化合物が挙げられる。
【００５２】
成分（Ａ）及び成分（Ｂ）以外のカチオン性高分子化合物としては、ポリマー鎖に結合してアミノ基又はアンモニウム基を含むか、又は少なくともジメチルジアリルアンモニウムハライドを構成単位として含む水溶液のものであり、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体及び４級化ポリビニルピロリドン誘導体などが挙げられる。カチオン化セルロース誘導体としては、塩化Ｏ−［２−ヒドロキシ−３−（トリメチルアンモニオ）プロピル］ヒドロキシエチルセルロースが挙げられ、市販品としてはライオン（株）のレオガードＧ，ＧＰ、ユニオンカーバイド社のポリマーＪＲ−１２５，ＪＲ−４００，ＪＲ−３０Ｍ，ＬＲ−４００，ＬＲ−３０Ｍ等が挙げられる。その他のカチオン化セルロース誘導体としてはヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドが挙げられ、市販品としてはナショナルスターチアンドケミカル社のセルコートＨ−１００，Ｌ−２００等が挙げられる。カチオン化グアーガム誘導体としては、例えば、特公昭５８−３５６４０号、特公昭６０−４６１５８号及び、特開昭５８−５３９９６号公報に記載され、RHONE-POULENC社のジャガーＣ−１３Ｓ，同−１４Ｓ，同−１７，同−２１０，同−１６２，ＨＩ−ＣＡＲＥ１０００として市販されている。４級化ポリビニルピロリドン誘導体としては、分子量１万〜２００万のものが好ましく、市販品としては、アイエスピー・ジャパン（株）のガフコート７３４，７５５，７５５Ｎ等が挙げられる。
【００５３】
両性高分子化合物としては、例えば、Ｎ−メタクリロイルエチルＮ，Ｎ−ジメチルアンモニウムα−Ｎ−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体（市販名；ユカフォーマーＡＭ−７５；三菱化学社製）、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体（市販名；アンフォマー２８−４９１０；ナショナルスターチ社製）、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体（市販名；マーコート２８０，２９５；オンデオ・ナルコ社製）、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸のターポリマー（市販名；マーコートプラス３３３０，３３３１；オンデオ・ナルコ社製）、アクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体（市販名；マーコート２００１；オンデオ・ナルコ社製）等が挙げられる。
【００５４】
アニオン性高分子化合物としては、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体カリウム塩液、アクリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエステル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合体液、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチルアミノエチル、アクリル酸オクチルアミドの共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸・プロピオン酸ビニル共重合体、メチルビニルエーテル・マレイン酸モノブチルエステル共重合体等が挙げられる。
【００５５】
非イオン性高分子化合物としては、天然系、半合成系および合成系のものが挙げられる。天然系非イオン性高分子化合物としては、セルロース、グアーガム、寒天、デンプン、加水分解デンプン及びデキストリン等が挙げられる。また、半合成系非イオン性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルデキストランおよびカルボキシメチルキチン等が挙げられる。更に、合成系非イオン性高分子化合物としては、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ＰＯＥ・ＰＯＰ共重合体、ＰＯＥ・ＰＯＰブチルエーテル、ＰＯＥ・ＰＯＰヘキシレングリコールエーテル、ＰＯＰブチルエーテル、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【００５６】
これらの高分子化合物は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００５７】
溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール、イソプレングリコール、へキシレングリコール、エチルカルビトール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらの溶剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００５８】
更に、その他の添加成分として、アルカリ剤；コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した加水分解物、及びこれらを４級化したカチオン変性蛋白質等のポリペプタイド；ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸等の保湿剤；ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ベンジルオキシエタノール、Ｎ−メチルピロリドン、Ｎ−エチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の染色助剤；パラベン等の防腐剤；ＥＤＴＡ−Ｎａ等のキレート剤；フェナセチン、ＥＤＴＡ、８−オキシキノリン、アセトアニリド、ピロリン酸ナトリウム、バルビツール酸尿酸、タンニン酸、フェノキシエタノール等の安定化剤；リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸等のｐＨ調整剤；チオグリコール酸、亜硫酸塩等の酸化防止剤；液化石油ガス、ジメチルエーテル、窒素、炭酸ガス等の噴射剤；その他、アミノ酸、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料、紫外線吸収剤等、また「医薬部外品原料規格」（１９９１年６月発行、薬事日報社）に収載されているものから選ばれる少なくとも一種を配合してもよい。その他の添加成分の配合量は、毛髪脱色剤組成物の常法に従って決定される。
【００５９】
アルカリ剤は、アルカノールアミンと同様に、酸化剤の作用を促進することにより、毛髪に明度を付与するために配合されている。アルカリ剤の具体例としては、有機アミン類（２−アミノ−２−メチル−１，３−プロパンジオール、グアニジン等）、無機アルカリ（水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等）、塩基性アミノ酸（アルギニン、リジン等）及びそれらの塩等が挙げられる。これらのアルカリ剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。また、二種以上のアルカリ剤を適当に組み合わせて配合することによって緩衝作用をもたせてもよい。アルカリ剤の配合量は、毛髪脱色剤組成物のｐＨが８〜１２となる量であることが好ましい。毛髪脱色剤組成物のｐＨは、８未満では酸化剤の作用を十分に促進することができない。一方、１２を超えると毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
【００６０】
第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物の剤型としては液状、乳液状、クリーム状、ゲル状あるいは泡沫状等、通常知られている形態をとることができる。
【００６１】
以上詳述した第１の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物においては、少なくともアンモニアとアルカノールアミンを含有し、更に（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有している。このため、アンモニアの刺激臭を低減すると共に、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にすることができる。
・更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することにより、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止できると共に、毛髪により良好な明度を付与することができる。
・更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することにより、刺激臭をより低減することができる。
【００６２】
（第２の実施形態）
次に、本発明の第２の実施形態について説明する。なお、第２の実施形態については、第１の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【００６３】
第２の実施形態の染毛剤組成物は、染料、アンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製されるものであって、前記（Ａ）成分及び（Ｂ）成分を含有する。
【００６４】
染料としては、酸化染料中間体等が挙げられ、酸化染料中間体としては、例えば、フェニレンジアミン類、アミノフェノール類、トルエンジアミン類、アミノニトロフェノール類、ジフェニルアミン類、ジアミノフェニルアミン類、Ｎ−フェニルフェニレンジアミン類、ジアミノピリジン類及びそれらの塩類（塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等）等が挙げられる。その中でもｐ−フェニレンジアミン、トルエン−２，５−ジアミン、Ｎ，Ｎ−ビス（２−ヒドロキシエチル）−ｐ−フェニレンジアミン、Ｎ−フェニル−ｐ−フェニレンジアミン、４，４'−ジアミノジフェニルアミン、２−クロロ−ｐ−フェニレンジアミン、Ｎ，Ｎ−ジメチル−ｐ−フェニレンジアミン、ｐ−アミノフェノール、２，６−ジクロロ−ｐ−フェニレンジアミン、ｐ−アミノフェニルスルファミン酸及びそれらの塩類が染毛力の点から好ましい。これらの酸化染料中間体は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００６５】
酸化染料中間体の配合量は、使用時の濃度で０．０１〜１５質量％が好ましく、０．１〜１０質量％がより好ましい。この配合量が０．０１質量％よりも少ないと十分な染毛効果が得られない。また１５質量％を超えても染毛効果が特に大きくは向上しないので、１５質量％を超えて配合することは不経済である。０．１〜１０質量％の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【００６６】
第１剤には、酸化染料中間体以外の染料としてカプラーを配合してもよい。カプラーを配合した場合には、染毛効果を更に高めることができる。このカプラーとしては、例えば、レゾルシン、ピロガロール、カテコール、ｍ−アミノフェノール、ｍ−フェニレンジアミン、ｏ−アミノフェノール、２，４−ジアミノフェノール、１，２，４−ベンゼントリオール、トルエン−３，４−ジアミン、トルエン−２，４−ジアミン、ハイドロキノン、α−ナフトール、２，６−ジアミノピリジン、１，５−ジヒドロキシナフタレン、５−アミノ−ｏ−クレゾール、ジフェニルアミン、ｐ−メチルアミノフェノール、２，４−ジアミノフェノキシエタノール、没食子酸、タンニン酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、五倍子、５−（２−ヒドロキシエチルアミノ）−２−メチルフェノール及びそれらの塩等が挙げられる。その他、「医薬部外品原料規格」（１９９１年６月発行，薬事日報社）に収載されたものも適宜、用いることができる。これらの染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００６７】
上記の染料を第１剤に配合する場合、その配合量は使用時の濃度で０．０１〜１０質量％が好ましく、０．１〜５質量％がより好ましい。この配合量が０．０１質量％よりも少ないと十分な染毛効果が得られない。また１０質量％を超えても染毛効果が特に大きくは向上しないので、１０質量％を超えて配合することは不経済である。０．１〜５質量％の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【００６８】
更に、第１剤には、酸化染料中間体及びカプラー以外の染料として直接染料を配合してもよい。直接染料を配合した場合には、染毛効果を更に高めることができる。この直接染料としては、例えば、４−ニトロ−ｍ−フェニレンジアミン、４−ニトロ−ｏ−フェニレンジアミン、２−ニトロ−ｐ−フェニレンジアミン、ピクラミン酸、１−アミノ−４−メチルアントラキノン、１，４−ジアミノアントラキノン、２−アミノ−４−ニトロフェノール、２−アミノ−５−ニトロフェノール及びそれらの塩、並びに、「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」（昭和４１年告示、厚生省）により定められた酸性染料や油溶性染料等が挙げられる。尚、前記酸性染料には、赤色２号、赤色３号、赤色１０２号、赤色１０４号の（１）、赤色１０５号の（１）、赤色１０６号、赤色２０１号、赤色２２７号、赤色２３０号の（１）、赤色２３０号の（２）、赤色２３１号、赤色２３２号、赤色４０１号、赤色５０２号、赤色５０３号、赤色５０４号、赤色５０６号、黄色４号、黄色５号、黄色２０２号の（１）、黄色２０２号の（２）、黄色２０３号、黄色４０２号、黄色４０３号の（１）、黄色４０６号、黄色４０７号、だいだい色２０５号、だいだい色２０７号、だいだい色４０２号、緑色３号、緑色２０４号、緑色２０５号、緑色４０１号、緑色４０２号、紫色４０１号、青色１号、青色２号、青色２０２号、青色２０３号、青色２０５号、かっ色２０１号、黒色４０１号等があり、前記油溶性染料には、赤色２１５号、赤色２１８号、赤色２２５号、だいだい色２０１号、だいだい色２０６号、黄色２０１号、黄色２０４号、緑色２０２号、紫色２０１号、赤色５０１号、赤色５０５号、だいだい色４０３号、黄色４０４号、黄色４０５号、青色４０３号等がある。更には、Basic Blue 3, Basic Blue 6, Basic Blue 7, Basic Blue 9, Basic Blue 26, Basic Blue 41, Basic Blue 47, Basic Blue 99, Basic Brown 4, Basic Brown 16, Basic Brown17, Basic Green 1, Basic Green 4, Basic Orange 1, Basic Orange 2, Basic Orange 31, Basic Red 1, Basic Red 2, Basic Red 22, Basic Red 46, Basic Red 51, Basic Red 76, Basic Red 118, Basic Violet 1, Basic Violet 3, Basic Violet 4, Basic Violet 10, Basic Violet 11:1, Basic Violet 14, Basic Violet 16, Basic Yellow 11, Basic Yellow 28, Basic Yellow 57, Basic Yellow 87, HC Blue No.2, HC Blue No.4, HC Blue No.5, HC Blue No.6, HC Blue No.7, HC Blue No.8, HC Blue No.9, HC Blue No.10, HC Blue No.11, HC Blue No.12, HC Blue No.13, HC Blue No.14, HC Brown No.1, HC Brown No.2, HC Green No.1, HC Orange No.1, HC Orange No.2, HC Orange No.3, HC Orange No.5, HC Red No.1, HC Red No.3, HC Red No.7, HC Red No.8, HC Red No.9, HC Red No.10, HC Red No.11, HC Red No.13, HC Red No.14, HC Violet No.1, HC Violet No.2, HC Yellow No.2, HC Yellow No.4, HC Yellow No.5, HC Yellow No.6, HC Yellow No.7, HC Yellow No.8, HC Yellow No.9, HC Yellow No.10, HC Yellow No.11, HC Yellow No.12, HC Yellow No.13, HC Yellow No.14, HC Yellow No.15, Disperse Black 9, Disperse Blue 1, Disperse Blue 3, Disperse Brown 4, Disperse Orange 3, Disperse Red 11, Disperse Red 15, Disperse Red 17, Disperse Violet 1, Disperse Violet 4, Disperse Violet 15等が挙げられる。これらの直接染料は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【００６９】
直接染料を第１剤に配合する場合、その配合量は使用時の濃度で０．００１〜１０質量％が好ましく、０．０１〜５質量％がより好ましい。この配合量が０．００１質量％よりも少ないと十分な染毛効果が得られない。また１０質量％を超えても染毛効果が特に大きくは向上しないので、１０質量％を超えて配合することは不経済である。０．０１〜５質量％の範囲に設定した場合には、染毛効果と経済的な効果の両方をバランスよく発揮することができる。
【００７０】
アンモニアは、毛髪を膨潤させて染料及び酸化剤を毛髪に浸透しやすくすると共に、酸化剤の作用を促進するために配合されている。アンモニアの配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。なお、２８質量％のアンモニア水に換算されたときのアンモニアの配合量は、使用時の濃度で１．０質量％未満では毛髪を十分に膨潤することができないと共に、酸化剤の作用を十分に促進することができないおそれがある。一方、３．５質量％を超えて配合すると染毛剤組成物の刺激臭を低減することができないおそれがある。
【００７１】
アルカノールアミンは、アンモニアの代わりとして配合されることによって染毛剤組成物の刺激臭を低減すると共に、毛髪を膨潤させて染料及び酸化剤を毛髪に浸透しやすくし、更に、酸化剤の作用を促進することにより、毛髪に明度を付与するために配合されている。アルカノールアミンの具体例及び配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。なお、アルカノールアミンの配合量は、使用時の濃度で１．０質量％未満では毛髪を膨潤することができないと共に、酸化剤の作用を促進することができないおそれがある。一方、６．０質量％を超えて配合すると、染毛後に染毛液を流すときに、毛髪にゴワつきやきしみが生じるおそれがある。更に、ドライ後には、毛髪の感触にゴワつきが生じたり櫛通りが悪くなるおそれがある。また、継続的に染毛を繰り返すと、毛髪のゴワつきや櫛通りの悪さが増加するおそれがある。
【００７２】
酸化剤は、毛髪に含まれるメラニンを脱色すると共に、酸化染料中間体等の染料を酸化するために配合される。酸化剤の具体例及び配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。この配合量が、使用時の濃度で０．１質量％未満であるとメラニンを十分に脱色することができないと共に、染料を十分に酸化することができない。一方、５．０質量％を超えると、毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。
【００７３】
成分（Ａ）は、アンモニアの刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にし、良好な染色性を得るために配合される。成分（Ａ）の配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。この配合量が使用時の濃度で０．０１質量％未満であると十分な効果が得られないおそれがあり、１．５質量％を超えてもその効果は変わらず経済的ではない。
【００７４】
成分（Ｂ）は、毛髪の感触を良好にするために配合される。成分（Ｂ）の配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。
【００７５】
本実施形態の染毛剤組成物には、更に成分（Ｃ）を配合することができる。成分（Ｃ）を配合することにより、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止することができると共に、より良好な明度を付与し、染色性を向上させることができる。成分（Ｃ）の具体例及び配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。この配合量が使用時の濃度で０．１質量％未満であると毛髪へ塗布した後に、粘度低下により垂れ落ちるおそれがあり、１０質量％を超えてもそれ以上の効果は得られず経済的ではない。
【００７６】
本実施形態の染毛剤組成物には、更に成分（Ｄ）を配合することができる。成分（Ｄ）を配合することにより、刺激臭をより低減することができる。成分（Ｄ）の具体例及び配合量は第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物と同じである。この配合量が使用時の濃度で０．１質量％未満であると十分な効果が得られず、２５質量％を超えてもそれ以上の効果は得られず経済的ではない。
【００７７】
第２の実施形態の染毛剤組成物には、その他の添加成分として、第１の実施形態に挙げた成分を配合してもよい。その他の添加成分の配合量は、染毛剤組成物の常法に従って決定される。
【００７８】
以上詳述した第２の実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・第２の実施形態の染毛剤組成物においては、成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有するため、アンモニアの刺激臭を低減し、毛髪に良好な明度を付与すると共に、毛髪の感触を良好にし、良好な染色性が得られる。
・更に、成分（Ｃ）を含有することにより、毛髪に塗布した後の垂れ落ちを防止できると共に、毛髪により良好な明度を付与し、染色性を向上させることができる。
・更に、成分（Ｄ）を含有することにより、刺激臭をより低減することができる。
【実施例】
【００７９】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態を更に具体的に説明する。
（実施例１〜２６及び比較例１〜１２）
二剤式の毛髪脱色剤組成物としての実施例１〜２６及び比較例１〜１２は、表１〜３に示すように第１剤及び第２剤を調製した。また、表１〜３の数値は質量％で示す。
【００８０】
【表１】
【００８１】
【表２】
【００８２】
【表３】
【００８３】
表１〜３の各列の毛髪脱色剤組成物について、第１剤と第２剤とを質量比１：１で混合した後に毛束に塗布した。この毛束を３７℃の恒温槽で３０分間放置した後、シャンプーでよく洗浄し、タオルで水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥した。この脱色処理に際して、１０名のパネラーにより、毛髪脱色剤組成物を混合して毛束に塗布する時の刺激臭、塗布した後の垂れ落ち、処理後の明度及び毛髪の感触について、以下に示すように評価した。その評価結果を表４に示す。
【００８４】
＜刺激臭＞
刺激臭がない（４点）、刺激臭がほとんどない（３点）、刺激臭が少しある（２点）、刺激臭がある（１点）の４段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を「刺激臭がない：４」、２．６点以上３．５点以下を「刺激臭がほとんどない：３」、１．６点以上２．５点以下を「刺激臭が少しある：２」、１点以上１．５点以下を「刺激臭がある：１」とし、評価結果とした。
＜垂れ落ち＞
垂れ落ちが全くない（４点）、垂れ落ちがほとんどない（３点）、やや垂れ落ちがある（２点）、垂れ落ちがある（１点）の４段階で採点した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を［垂れ落ちが全くない：４」、２．６点以上３．５点以下を「垂れ落ちがほとんどない：３」、１．６点以上２．５点以下を「やや垂れ落ちがある：２」、１点以上１．５点以下を「垂れ落ちがある：１」とし、評価結果とした。
＜明度＞
優れた明度（４点）、良好な明度（３点）、明度がやや不十分（２点）、明度が不十分（１点）の４段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を「優れる：４」、２．６点以上３．５点以下を「良好：３」、１．６点以上２．５点以下を「やや悪い：２」、１点以上１．５点以下を「悪い：１」とし、評価結果とした。
＜毛髪の感触＞
非常に良い（４点）、良い（３点）、やや悪い（２点）、悪い（１点）の４段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を「優れる：４」、２．６点以上３．５点以下を「良好：３」、１．６点以上２．５点以下を「やや悪い：２」、１点以上１．５点以下を「悪い：１」とし、評価結果とした。
【００８５】
【表４】
【００８６】
実施例１〜２６においては、表４に示すように、刺激臭については、ない又はほとんどないと評価された。垂れ落ちについては、全くない、ほとんどない又はややあると評価された。また、明度については、優れた明度又は良好な明度と評価された。更に、垂れ落ちについては、垂れ落ちがない、垂れ落ちはないが粘度がやや低下した又は少し垂れ落ちがあると評価された。
【００８７】
表４の結果から明らかなように、実施例１〜２６では、刺激臭、明度及び毛髪の感触について、十分な結果が得られている。実施例１１、１３、２５及び２６では、（Ｃ）成分が含有されていないため、やや垂れ落ちがあるという結果となっている。実施例１４〜２４では、（Ｃ）成分として炭素数１６未満の直鎖状高級アルコールが含有されているため、実施例１４〜２４よりも実施例１の方が垂れ落ちについて優れる結果となっている。また、実施例２５及び２６では、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が０．１〜１の範囲外であるため、実施例２５及び２６よりも実施例１の方が毛髪の感触について優れる結果となっている。
【００８８】
一方、表４に示すように、比較例１は成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例３は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例４は成分（Ａ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例５及び６は成分（Ａ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例７は成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例８は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例９及び１１は成分（Ａ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１０は成分（Ａ）及び成分（Ｃ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１２は成分（Ａ）、成分（Ｂ）、成分（Ｃ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。
【００８９】
（実施例２７〜５２及び比較例１３〜２４）
二剤式の染毛剤組成物としての実施例２７〜５２及び比較例１３〜２４は、表５〜７に示すように第１剤及び第２剤を調製した。また、表５〜７の数値は質量％で示す。
【００９０】
【表５】
【００９１】
【表６】
【００９２】
【表７】
【００９３】
表５〜７の各列の染毛剤組成物について、第１剤と第２剤とを質量比１：１で混合した後に毛束に塗布した。この毛束を３７℃の恒温槽で３０分間放置した後、シャンプーでよく洗浄し、タオルで水分を拭き取った後、ドライヤーで乾燥した。この染毛処理に際して、１０名のパネラーにより、染毛剤組成物を混合して毛束に塗布する時の刺激臭、塗布した後の垂れ落ち、処理後の明度及び毛髪の感触について、前記と同様に評価した。また、染色性について、以下に示すように評価した。その評価結果を表８に示す。
【００９４】
＜染色性＞
優れた染色性（４点）、良好な染色性（３点）、染色性がやや悪い（２点）、染色性が悪い（１点）の４段階で評価した。各パネラーの採点結果について平均点を算出し、平均値が３．６点以上を「優れる：４」、２．６点以上３．５点以下を「良好：３」、１．６点以上２．５点以下を「やや悪い：２」、１点以上１．５点以下を「悪い：１」とし、評価結果とした。
【００９５】
【表８】
【００９６】
表８の結果から明らかなように、実施例２７〜５２では、刺激臭、明度、染色性及び毛髪の感触について、十分な結果が得られている。実施例３７、３９、５１及び５２では、（Ｃ）成分が含有されていないため、やや垂れ落ちがあるという結果となっている。実施例４０〜５０では、（Ｃ）成分として炭素数１６未満の直鎖状高級アルコールが含有されているため、実施例４０〜５０よりも実施例２７の方が垂れ落ちについて優れる結果となっている。また、実施例５１及び５２では、成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が０．１〜１の範囲外であるため、実施例５１及び５２よりも実施例２７の方が毛髪の感触について優れる結果となっている。
【００９７】
一方、表８に示すように、比較例１３は成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１４は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１５は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度、染色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１６は成分（Ａ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１７及び１８は成分（Ａ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例１９は成分（Ａ）及び成分（Ｂ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２０は成分（Ａ）、成分（Ｂ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２１及び２３は成分（Ａ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２２は成分（Ａ）及び成分（Ｃ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度、染色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。比較例２４は成分（Ａ）、成分（Ｂ）、成分（Ｃ）及び成分（Ｄ）を含有しないため、刺激臭、垂れ落ち、明度、染色性及び毛髪の感触について十分な結果が得られていない。
【００９８】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・前記第１の実施形態の毛髪脱色剤組成物の第１剤及び第２剤に、更にアルカリ剤、過硫酸塩、油性成分、界面活性剤等を含有する粉末状又はクリーム状の第３剤を加えて、三剤式の毛髪脱色剤組成物に適用してもよい。
【００９９】
・前記第１の実施形態における二剤式の毛髪脱色剤組成物及び上記の三剤式の毛髪脱色剤組成物を、染毛剤等で染められた髪を元の色に戻すための毛髪脱染剤として使用してもよい。
・上記の三剤式の毛髪脱色剤毛髪脱染剤において、成分（Ａ）は第３剤に配合されてもよい。
【０１００】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
（１）前記（Ｃ）直鎖状高級アルコールが、炭素数１６以上の直鎖状高級アルコールである請求項３又は請求項４に記載の毛髪脱色剤組成物。この構成によると、垂れ落ちの防止効果に優れ、明度を向上させることができる。
（２）前記（Ｃ）直鎖状高級アルコールが、炭素数１６以上の直鎖状高級アルコールである請求項７又は請求項８に記載の染毛剤組成物。この構成によると、垂れ落ちの防止効果に優れ、明度及び染色性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
少なくともアンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される毛髪脱色剤組成物であって、
（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び
（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種
を含有することを特徴とする毛髪脱色剤組成物。
【請求項２】
成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることを特徴とする請求項１に記載の毛髪脱色剤組成物。
【請求項３】
更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の毛髪脱色剤組成物。
【請求項４】
更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の毛髪脱色剤組成物。
【請求項５】
少なくとも染料、アンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される染毛剤組成物であって、
（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び
（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種
を含有することを特徴とする染毛剤組成物。
【請求項６】
成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることを特徴とする請求項５に記載の染毛剤組成物。
【請求項７】
更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することを特徴とする請求項５又は請求項６に記載の染毛剤組成物。
【請求項８】
更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項５から請求項７のいずれか一項に記載の染毛剤組成物。
【請求項１】
少なくともアンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される毛髪脱色剤組成物であって、
（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び
（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種
を含有することを特徴とする毛髪脱色剤組成物。
【請求項２】
成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることを特徴とする請求項１に記載の毛髪脱色剤組成物。
【請求項３】
更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の毛髪脱色剤組成物。
【請求項４】
更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項１から請求項３のいずれか一項に記載の毛髪脱色剤組成物。
【請求項５】
少なくとも染料、アンモニア及びアルカノールアミンを含有する第１剤と、少なくとも酸化剤を含有する第２剤を用時に混合して調製される染毛剤組成物であって、
（Ａ）塩化メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムのホモポリマー、及び
（Ｂ）塩化ジメチルジアリルアンモニウムのホモポリマー、及び塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドのコポリマーから選ばれる少なくとも一種
を含有することを特徴とする染毛剤組成物。
【請求項６】
成分（Ａ）と成分（Ｂ）の配合比が、質量比（（Ａ）／（Ｂ））で０．１〜１であることを特徴とする請求項５に記載の染毛剤組成物。
【請求項７】
更に、（Ｃ）直鎖状高級アルコールを含有することを特徴とする請求項５又は請求項６に記載の染毛剤組成物。
【請求項８】
更に、（Ｄ）（Ｄ−１）分岐鎖を有する炭化水素、（Ｄ−２）分岐鎖を有する高級アルコール及び（Ｄ−３）分岐鎖を有する脂肪酸のエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項５から請求項７のいずれか一項に記載の染毛剤組成物。
【公開番号】特開２００６−２８１０７（Ｐ２００６−２８１０７Ａ）
【公開日】平成１８年２月２日（２００６．２．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２１０８１４（Ｐ２００４−２１０８１４）
【出願日】平成１６年７月１６日（２００４．７．１６）
【出願人】（０００１１３２７４）ホーユー株式会社 (278)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年２月２日（２００６．２．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年７月１６日（２００４．７．１６）
【出願人】（０００１１３２７４）ホーユー株式会社 (278)
【Ｆターム（参考）】
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