説明

気中遮断器用投入作動可能表示装置及びこれを有する気中遮断器

【課題】使用者が気中遮断器から遠距離にいるか、または気中遮断器が配電盤内に内蔵されている場合に、気中遮断器の投入動作が可能な状態であるか否かを通知する気中遮断器用投入作動可能表示装置を提供する。
【解決手段】気中遮断器用投入作動可能表示装置は、気中遮断器1の開閉機構10に設置され、開閉機構10内に延びるレバー71を有し、気中遮断器1の投入操作が可能な状態であることを示す電気的信号を発し、電気的信号を遠隔地に伝送するための信号伝送端子75a、75bを有するマイクロスイッチ72と、気中遮断器1において、接点開閉駆動のための投入スプリング11が弾性エネルギーを蓄積した状態で、かつ気中遮断器1が遮断位置であるときにのみマイクロスイッチ72が電気的信号を発するように、マイクロスイッチ72のレバー71を加圧する位置に配置されるオンカップリング60とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気中遮断器に関し、特に、遠距離にいる使用者に又は配電盤のドアに気中遮断器の投入動作が可能な状態であることを通知するための気中遮断器用投入作動可能表示装置及びこれを有する気中遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
気中遮断器には、開閉機構により回路を通電(投入)させる接点接続(接触)状態として、気中遮断器をオン状態に駆動する4つの状態が存在する。すなわち、気中遮断器の開閉機構には、第1に、接点が分離(開放)されたオフ状態で、投入スプリングが蓄勢された状態、第2に、接点が分離(開放)されたオフ状態で、投入スプリングが放勢された状態、第3に、接点が接触(接続)されたオン状態で、投入スプリングが蓄勢された状態、第4に、接点が接触(接続)されたオン状態で、投入スプリングが放勢された状態の4つの状態が存在する。気中遮断器の開閉機構は、これら4つの状態のうち、接点が分離(開放)されたオフ状態で、投入スプリングが蓄勢された第1の状態でのみ投入動作が行える。
【0003】
以下、このような気中遮断器における開閉機構の4つの状態を図面を参照して説明する。
【0004】
図6は、一般の気中遮断器が遮断状態で、投入スプリングが放勢状態であることを示す動作状態図である。
【0005】
図6に示す気中遮断器の開閉装置の構成は、開閉機構10と、開閉機構10により投入位置又は遮断位置に駆動される可動接触子33と、可動接触子33に対向して所定距離離隔した位置に固定設置され、固定接触子に該当する上部ターミナル34aとから構成される。下部ターミナル34bは、その接続部分を図示していないが、可動接触子33と機械的及び電気的に常に接続しているターミナルである。
【0006】
図6において、符号11は、投入スプリングであり、ドライブレバー16にスプリングシートの一方の側が接触するように設置され、ドライブレバー16により圧縮されて弾性エネルギーを蓄積する。
【0007】
符号12は、カムであり、カム軸(CAM SHAFT)(符号なし)を介して電動又は手動で回転できる。カム12は、ドライブレバー16に取り付けられたドライブレバーローラ19に接触してカム12の変化する外周面による圧力をドライブレバー16に提供することにより、ドライブレバー16が投入スプリング11を蓄勢させるように駆動する。
【0008】
符号13は、投入ラッチ(closing latch)であり、投入スプリング11の蓄勢状態を維持する手段である。すなわち、投入ラッチ13は、オンレバー14により拘束されることにより投入スプリング11の蓄勢状態を維持する。
【0009】
符号17は、オンカップリング(ON coupling)であり、投入ボタン(図示せず)により又は自動投入操作のための投入ソレノイドにより加圧されてオンレバー14を投入ラッチ13の解除位置に回動させる手段である。
【0010】
符号15は、リンク機構であり、投入スプリング11が蓄積した弾性エネルギーを放出するとき、ドライブレバー16に接触してドライブレバー16により加圧されて図6における反時計方向に回転し、可動部レバー31に接続されて可動部レバー31を投入方向に駆動する。
【0011】
符号18は、可動部レバー31の回転経路上の所定位置に設置されて可動部レバー31及び主軸30の回転を制限する主軸ストッパである。
【0012】
符号21は、開閉機構10の手動遮断又は自動遮断、すなわち、トリップ動作時、開閉軸である主軸30に遮断方向の回動エネルギーを提供する遮断スプリングである。
【0013】
符号22は、遮断スプリング21の弾性エネルギーの蓄積状態を維持するように拘束するための遮断ラッチ(open latch)である。ここで、遮断ラッチ22の拘束動作は、遮断ラッチ22を拘束又は解除可能に接触している遮断レバー23により可能である。
【0014】
符号32は、可動部レバー31と可動接触子33との間に接続され、可動部レバー31からの開閉駆動力を可動接触子33に伝達する連結リンクである。
【0015】
図6は、一般の気中遮断器が遮断状態で、投入スプリングが放勢状態であることを示す動作状態図であり、図8のように投入された状態の気中遮断器は、例えばオフボタン(図示せず)を押すことにより遮断レバー23が連動して回転するので、手動操作で図6のような遮断状態に動作することができる。また、気中遮断器は、回路の異常電流の通電状態を監視してトリップ制御信号を発する過電流トリップ継電器(Over Current Trip Relay:OCR)と、前記トリップ制御信号に応答して遮断レバー23を加圧する機械的トリガ信号を提供するアクチュエータとにより自動で図6のような遮断状態に動作することもできる。
【0016】
このような遮断動作について説明すると、図8のような投入状態で、前述したように手動又は自動で遮断レバー23を回転させると、遮断レバー23により拘束されていた遮断ラッチ22が解除されて可動部レバー31の拘束が解除される。従って、遮断スプリング21が弾性エネルギーを放出して引っ張られた状態から元の状態に縮むと、遮断スプリング21に接続された可動部レバー31が主軸30とともに反時計方向に回転する。その後、連結リンク32により可動部レバー31に接続された可動接触子33が後退(図6の右側に移動)して固定接触子に該当する上部ターミナル34aから分離されると、回路が遮断されて図6のような状態となる。
【0017】
図7は、一般的な気中遮断器が遮断状態で、投入スプリングが蓄勢状態であることを示す動作状態図である。このような動作状態は、図6のように気中遮断器が遮断状態に動作した後、投入スプリングを蓄勢した状態である。
【0018】
気中遮断器が投入状態から遮断状態になる動作は図6を参照して説明したので、以下、投入スプリングの蓄勢動作についてのみ説明する。
【0019】
使用者が気中遮断器の前面部に備えられたチャージングハンドル(図示せず)を利用して(手動)、又は、別途の電動機(図示せず)を利用して前記カム12のカム軸を回転させると、前記カムの外周面に接触する前記ドライブレバーローラ19によりドライブレバー16が図の時計方向に回転する。従って、ドライブレバー16の一端にスプリングシートにより接続された投入スプリング11が前記スプリングシートにより圧縮されて弾性エネルギーを蓄積する。従って、図7に示すように、気中遮断器が遮断状態で、投入スプリングが蓄勢された状態となる。
【0020】
図8は、一般的な気中遮断器が投入状態で、投入スプリングが放勢状態であることを示す動作状態図である。このような状態は、図7に示すように気中遮断器が遮断状態で、投入スプリングが蓄勢された状態から投入スプリングを放勢するときに可能な状態である。従って、図7のような状態で、オンボタン(図示せず)により手動で、又は、投入ソレノイド(図示せず)により自動でオンカップリング17を図7の右側に押すと、オンカップリング17の加圧によりオンレバー14が時計方向に回転する。これにより、オンレバー14により拘束されていた投入ラッチ13が解除されて投入ラッチ13により蓄勢状態を維持していた投入スプリング11が蓄積された弾性エネルギーを放出する。そうすると、放出された弾性エネルギーにより、ドライブレバー16が反時計方向に回転し、これにより、ドライブレバー16に接続されたリンク機構15が可動部レバー31を主軸30とともに時計方向に回転させる。従って、連結リンク32により図の左方向、すなわち、固定接触子方向に加圧される可動接触子33が図7の左側に移動して、図8のように固定接触子に該当する上部ターミナル34aに接触した状態となり、ここで、電気的には閉回路となって回路上に電流が通電できる。
【0021】
図9は、一般的な気中遮断器が投入状態で、投入スプリングが蓄勢状態であることを示す動作状態図である。このような状態は、図8に示す状態のように投入動作が行われた後、投入スプリングを再び蓄勢した状態である。投入動作及び投入スプリングの蓄勢動作は、前述したとおりであるので、詳しい説明は省略する。
【0022】
図10は、従来の気中遮断器のオンカップリングの全体的外形を示す斜視図である。図10に示すように、従来の気中遮断器のオンカップリング17は、前面(図の左側部)にオンレバー14を加圧して回動させるための作用部であるオンレバー接触部60bを備え、長手方向の中央上部にバイアススプリング係止部60aを備える。ここで、バイアススプリング係止部60aは、オンカップリング17を気中遮断器の前面側に移動させる弾性力を提供するバイアススプリングの一端部を係止する(掛けて支持する)部分である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
前述したように構成されて動作する気中遮断器の動作状態について、従来は、投入動作が可能である状態を通知する手段が存在しなかった。従って、一般的に気中遮断器は、接点が接触した投入状態で、投入スプリングも蓄勢された図9のような状態では、機構的な連動構成により投入動作が不可能であるが、このような気中遮断器の特性を知らない使用者は、投入ボタンを押して投入動作を指示する可能性がある。このような場合、投入動作が行われないので、気中遮断器が故障していると誤認する。
【0024】
従って、使用者に投入動作が可能な状態であることを通知する必要があり、使用者が気中遮断器から遠距離にいるか、または気中遮断器が配電盤内に内蔵されている場合に、配電盤の外部ドアに気中遮断器が投入動作可能状態であるか否かを通知する投入作動可能表示装置の設置が要求される。
【0025】
本発明の目的は、使用者が気中遮断器から遠距離にいるか、または気中遮断器が配電盤内に内蔵されている場合に、気中遮断器の投入動作が可能な状態であるか否かを通知する気中遮断器用投入作動可能表示装置及びこれを有する気中遮断器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
このような目的を達成するために、本発明は、接点を開閉する駆動力を提供する気中遮断器の開閉機構に設置され、スイッチ作動力を受けるために前記開閉機構内に延びるレバーを有し、前記気中遮断器の投入操作が可能な状態であることを示す電気的信号を発し、前記電気的信号を遠隔地に伝送するための信号伝送端子を有するマイクロスイッチと、前記気中遮断器において、前記接点開閉駆動のための弾性エネルギーを提供する投入スプリングが弾性エネルギーを蓄積した状態で、かつ前記気中遮断器が遮断位置であるときにのみ前記マイクロスイッチが前記電気的信号を発するように、前記マイクロスイッチのレバーを加圧する位置に配置されるオンカップリングとを含む気中遮断器用投入作動可能表示装置を提供する。
【0027】
また、このような目的を達成するために、本発明は、回路に接続される固定接触子と、前記固定接触子に接触して回路を通電させる投入位置及び前記固定接触子から分離されて回路の通電を遮断する遮断位置に移動する可動接触子と、蓄積された弾性エネルギーを放出することにより前記可動接触子に前記投入位置への移動のための駆動力を提供する投入スプリングと、前記投入スプリングの放出エネルギーを前記可動接触子に伝達する開閉機構と、前記投入スプリングの蓄勢状態を維持するために前記開閉機構を拘束する拘束位置及び蓄積された前記投入スプリングの弾性エネルギーが放出されるように前記開閉機構を解除する解除位置に移動する投入ラッチと、前記投入ラッチに接触して前記投入ラッチを解除位置に移動させるように回転駆動するオンレバーと、手動で投入動作を指示するための投入ボタンと、前記投入ボタンに接触して前記オンレバーを回転させるように駆動するオンカップリングとを備える気中遮断器において、前記オンレバーに接触する位置に移動する前記オンカップリングの移動経路上に設置され、前記投入スプリングが弾性エネルギーを蓄積した状態で、かつ前記可動接触子が遮断位置にあるときに、前記オンレバーに接触する位置に移動する前記オンカップリングに接触するレバーを用いて前記気中遮断器の投入操作が可能な状態であることを示す電気的信号を発するマイクロスイッチと、前記投入スプリングが弾性エネルギーを蓄積した状態で、かつ前記可動接触子が遮断位置にあるときに、前記マイクロスイッチが前記電気的信号を発するように前記マイクロスイッチのレバーを加圧するために前記オンカップリングに取り付けられるスイッチ作動部とを含む投入作動可能表示装置を有する気中遮断器を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、使用者が気中遮断器から遠距離にいるか、または気中遮断器が配電盤内に内蔵されている場合に、気中遮断器の投入動作が可能な状態であるか否かを通知できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の目的とこれを達成する本発明の構成及びそれによる作用効果を添付図面を参照して説明することにより、本発明がより明確に理解できるであろう。
【0030】
以下、図1〜図5を参照して、本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置について説明する。
【0031】
本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置は、図1〜図5に示すように、マイクロスイッチ72及びオンカップリング60から構成される。マイクロスイッチ72は、接点を開閉する駆動力を提供する気中遮断器1の開閉機構10上に設置される。スイッチ作動力を受けるために、マイクロスイッチ72は、開閉機構10内に延びるレバー71を有する。さらに、マイクロスイッチ72は、気中遮断器1の投入操作が可能な状態であることを示す電気的信号を発し、前記電気的信号を遠隔地に伝送するために、信号伝送端子75a、75bを有する。
【0032】
オンカップリング60は、気中遮断器1において、前記接点開閉駆動のための弾性エネルギーを提供する投入スプリング11が弾性エネルギーを蓄積した状態で、気中遮断器1が遮断位置にあるときにのみマイクロスイッチ72が前記電気的信号を発するように、マイクロスイッチ72のレバー71を加圧する位置に配置される。また、オンカップリング60には、マイクロスイッチ72のレバー71を加圧するために、マイクロスイッチ72のレバー71に対向してスイッチ作動部61が備えられる。
【0033】
図2及び図3に示すように、本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置は、電気的絶縁材で形成され、マイクロスイッチ72を内蔵するスイッチケースをさらに含む。
【0034】
前記スイッチケースは、一面が開放されてマイクロスイッチ72を内蔵し、開閉機構10に固定されるケース本体73と、ケース本体73の前記開放された一面を開閉するドア76とを含む。
【0035】
また、前記スイッチケースは、ドア76とそのドア76に対応するケース本体73に、ドア76が閉じた状態を維持するためのロック機構73b1〜73b3、76a1〜76a3、76c、73dを備える。
【0036】
ロック機構73b1〜73b3、76a1〜76a3、76c、73dは、ドア76又はケース本体73に互いに対応して備えられるロック突部73b1〜73b3、76cと、ロック突部73b1〜73b3、76cが挿入されるロック溝部73d又はロック開口部76a1〜76a3とから構成される。
【0037】
一の実施形態においては、ロック突部73b1〜73b3、76cは、ロック開口部76a1〜76a3に対応して形成されるロック突部73b1〜73b3と、ドア76の下端部に備えられる下部ロック突部76cとを含む。ここで、ロック開口部76a1〜76a3は、ドア76のヒンジの反対側の端辺に隣接して、上、中、下の3箇所に形成される。
【0038】
マイクロスイッチ72は、対角線方向の上下の2箇所に2つのネジ挿入口を有し、前記2つのネジ挿入口にそれぞれ固定ネジが挿入されてマイクロスイッチ72をスイッチケース73に固定する。ここで、符号72a1及び72a2は、上部及び下部の固定ネジ頭を示す。
【0039】
ドア76には、ドア76が閉じた状態でも前記固定ネジを挿入できるように、前上部固定ネジ挿入口部76b1及び下部固定ネジ挿入口部76b2が備えられる。
【0040】
図3に示すように、ドア76とケース本体73は、ドア76の回動開閉のためのヒンジ部として、スイッチケースの他の部分より薄いチャンファー(chamfer)部77により接続される。
【0041】
また、ケース本体73は、図2に示すように、スイッチケースを開閉機構(図4及び図5の符号10を参照)上に固定して設置するために、ケース本体73の底面部から下方に延びる挿入固定突部74と、ケース本体73の底面部から水平に延びるネジ固定突部73aとを含む。ネジ固定突部73aの中央には、ネジ孔73a1が備えられる。
【0042】
また、ケース本体73は、ドア76の閉じた状態でもマイクロスイッチ72のレバー71が外部に突出できるようにするレバー用開口壁部73eと、マイクロスイッチ72の信号伝送端子75a、75bに接続される信号線(図示せず)の引き込みを可能にする信号線引込用開口壁部73cとを備える。
【0043】
図3は、本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置の主要構成要素として、ドア76が開いた状態のスイッチケースを上から見た平面図である。
【0044】
図3から、前記ロック機構とネジ固定突部73aの水平方向の突出程度及び相対位置を確認できる。
【0045】
以下、図4及び図5を参照して、本発明による投入作動可能表示装置を有する気中遮断器1の構成及び作用について説明する。
【0046】
本発明による気中遮断器1は、回路に接続される固定接触子と、前記固定接触子に接触して回路を通電させる投入位置及び前記固定接触子から分離されて回路の通電を遮断する遮断位置に移動可能な可動接触子とを含む。
【0047】
前記固定接触子及び前記可動接触子は、気中遮断器において周知であるので、図示及び説明は省略する。図4及び図5において、前記固定接触子は、隣接する相別絶縁隔壁1a〜1d間の後方共通絶縁壁2上に固定して設置され、前記可動接触子は、隣接する相別絶縁隔壁1a〜1d間に可動するように設置される。
【0048】
本発明による気中遮断器1は、蓄積された弾性エネルギーを放出するときに前記可動接触子に前記投入位置への移動のための駆動力を提供する投入スプリング11と、投入スプリング11の放出エネルギーを前記可動接触子に伝達する開閉機構10と、投入ラッチ13と、オンレバー(図9の符号14を参照)と、投入ボタン(図示せず)と、オンカップリング60とを含む。
【0049】
投入スプリング11の蓄勢状態を維持するために、投入ラッチ13は、開閉機構10を拘束する拘束位置と投入スプリング11の弾性エネルギーを放出するように開閉機構10を解除する解除位置とに移動する。
【0050】
オンレバー(図9の符号14を参照)は、投入ラッチ13に接触して投入ラッチ13が解除位置に移動するように回転する。
【0051】
投入ボタン(図示せず)は、手動で投入動作を行うために備えられる手段である。
【0052】
オンカップリング60は、前記投入ボタンに接触して前記オンレバーが回転するように駆動される。
【0053】
本発明による気中遮断器は、特徴的な構成要素として、マイクロスイッチ72とオンカップリング60に取り付けられるスイッチ作動部61とを含む。マイクロスイッチ72は、オンレバー(図9の符号14を参照)に接触する位置に移動するオンカップリング60の移動経路上に設置される。また、マイクロスイッチ72は、投入スプリング11が弾性エネルギーを蓄積した状態で、前記可動接触子が遮断位置にあるとき、前記オンレバーに接触する位置に移動するオンカップリング60に接触するレバー71を有する。さらに、マイクロスイッチ72は、前記気中遮断器が投入操作可能な状態であることを示す電気的信号を発する。
【0054】
オンカップリング60は、投入スプリング11が弾性エネルギーを蓄積した状態で、かつ前記可動接触子が遮断位置にあるときに、マイクロスイッチ72が前記電気的信号を発するようにマイクロスイッチ72のレバー71を加圧するスイッチ作動部61を有する。
【0055】
図4に示すように、スイッチ作動部61は、マイクロスイッチ72のレバー71に対向する位置に設置され、マイクロスイッチ72の駆動に十分なマイクロスイッチ72のレバー71の加圧距離だけ突出する突出部である。すなわち、スイッチ作動部61は、マイクロスイッチ72の内部電気的接点が開路又は閉路されて、前記気中遮断器が投入可能な状態であることを遠隔地に又は配電盤のドア部に伝達する電気的信号を発生できるようにマイクロスイッチ72のレバー71を駆動できる程度に、予め決定された長さだけオンカップリング60からマイクロスイッチ72のレバー71に向かって突出する。
【0056】
本発明による気中遮断器は、開閉機構10の上部板80に設置され、電気的絶縁材で形成され、マイクロスイッチ72を内蔵し、開閉可能なドア76を有するスイッチケースをさらに含む。
【0057】
図4及び図5に示すスイッチケースの詳細な構成は、図2及び図3を参照して前述したので省略する。
【0058】
図5において、符号81は、開閉機構10の上部板80に備えられるマイクロスイッチ72のレバー71を挿入できるレバー挿入口部を示す。符号82は、前記スイッチケースのケース本体73の底面に備えられた下部ロック突部74が挿入されて前記スイッチケースを開閉機構10の上部板80上に固定する下部ロック突部挿入口部を示す。符号83は、図2に示すケース本体73の底面から水平に延びて形成されたネジ固定突部73aに備えられたネジ挿入口73a1に連通し、固定ネジを挿入して前記スイッチケースを固定するネジ挿入口部を示す。
【0059】
以下、図4を参照して、このように構成される本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置及びこれを有する気中遮断器の動作について説明する。
【0060】
図7及び図4に示すように、気中遮断器が遮断状態で、かつ投入スプリングが弾性エネルギーを蓄積した状態である場合に、オンカップリング(図7における符号17及び図4における符号60を参照)が図7に示すようにオンレバー14に接触する位置に移動する。この位置に移動してオンカップリング60のスイッチ作動部61がマイクロスイッチ72のレバー71を加圧してマイクロスイッチ72を動作させることにより、マイクロスイッチ72は、内部の接点(図示せず)が開路又は閉路される。従って、マイクロスイッチ72は、気中遮断器の投入動作が可能であることを示す投入可能信号を発生する。このような投入可能信号は、信号伝送端子75a、75bから遠隔地に又は配電盤のドア(前面操作及び表示部)に伝送され、例えば、ランプ、ブザーなどを駆動することにより、気中遮断器の投入動作が可能であることを使用者に通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置の主要構成要素として、オンカップリングの全体的外形を示す斜視図である。
【図2】本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置の主要構成要素として、マイクロスイッチとこれを内蔵するスイッチケースの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置の主要構成要素として、ドアが開放された状態のスイッチケースを上から見た平面図である。
【図4】本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置とこれを有する気中遮断器の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明による気中遮断器用投入作動可能表示装置を気中遮断器の開閉機構の上部板に固定して設置するための構成を示す斜視図である。
【図6】一般的な気中遮断器が遮断状態で、投入スプリングが放勢状態であることを示す動作状態図である。
【図7】一般的な気中遮断器が遮断状態で、投入スプリングが蓄勢状態であることを示す動作状態図である。
【図8】一般的な気中遮断器が投入状態で、投入スプリングが放勢状態であることを示す動作状態図である。
【図9】一般的な気中遮断器が投入状態で、投入スプリングが蓄勢状態であることを示す動作状態図である。
【図10】従来の気中遮断器のオンカップリングの全体的外形を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0062】
1 気中遮断器
10 開閉機構
11 投入スプリング
13 投入ラッチ
14 オンレバー
34 可動接触子
34a 上部ターミナル
17,60 オンカップリング
61 スイッチ作動部
71 スイッチレバー
72 マイクロスイッチ
73 ケース本体
73b1〜73b3,76c ロック突部
73d ロック溝部
73a ネジ固定突部
73e レバー用開口壁部
73c 信号線引込用開口壁部
74 挿入固定突部
76a1〜76a3 ロック開口部
75a,75b 信号伝送端子
76 ドア
77 チャンファー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接点を開閉する駆動力を提供する気中遮断器の開閉機構に設置され、スイッチ作動力を受けるために前記開閉機構内に延びるレバーを有し、前記気中遮断器の投入操作が可能な状態であることを示す電気的信号を発し、前記電気的信号を遠隔地に伝送するための信号伝送端子を有するマイクロスイッチと、
前記気中遮断器において、前記接点開閉駆動のための弾性エネルギーを提供する投入スプリングが弾性エネルギーを蓄積した状態で、かつ前記気中遮断器が遮断位置であるときにのみ前記マイクロスイッチが前記電気的信号を発するように、前記マイクロスイッチのレバーを加圧する位置に配置されるオンカップリングと
を含むことを特徴とする気中遮断器用投入作動可能表示装置。
【請求項2】
前記オンカップリングは、前記マイクロスイッチのレバーを加圧できるように前記マイクロスイッチのレバーに対向して設置されるスイッチ作動部を有することを特徴とする請求項1に記載の気中遮断器用投入作動可能表示装置。
【請求項3】
電気的絶縁材で形成され、前記マイクロスイッチを内蔵するスイッチケースをさらに含み、
前記スイッチケースは、
一面が開放されて前記マイクロスイッチを内蔵し、前記開閉機構に固定されるケース本体と、
前記ケース本体の開放された面を開閉するドアとを備えることを特徴とする請求項1に記載の気中遮断器用投入作動可能表示装置。
【請求項4】
前記スイッチケースは、
前記ドアと前記ドアに対応する前記ケース本体に、前記ドアが閉じた状態を維持するためのロック機構を備えることを特徴とする請求項3に記載の気中遮断器用投入作動可能表示装置。
【請求項5】
前記ロック機構は、
前記ドア又は前記ケース本体に互いに対応して備えられるロック突部と、前記ロック突部が挿入されるロック溝部又はロック開口部とから構成されることを特徴とする請求項4に記載の気中遮断器用投入作動可能表示装置。
【請求項6】
前記ドアと前記ケース本体は、
前記ドアの回動開閉のためのヒンジ部としてスイッチケースの他の部分より薄いチャンファー部により接続されることを特徴とする請求項3に記載の気中遮断器用投入作動可能表示装置。
【請求項7】
前記ケース本体は、
前記スイッチケースを前記開閉機構上に固定して設置するために、前記ケース本体の底面部から下部に延びて備えられる挿入固定突部と、
前記ケース本体の底面部から水平に延びるネジ固定突部とを含むことを特徴とする請求項3に記載の気中遮断器用投入作動可能表示装置。
【請求項8】
前記ケース本体は、
前記ドアが閉じた状態で前記マイクロスイッチのレバーが外部に突出することを可能にするレバー用開口壁部と、
前記マイクロスイッチの信号伝送端子に接続される信号線の引き込みを可能にする信号線引込用開口壁部とを備えることを特徴とする請求項3に記載の気中遮断器用投入作動可能表示装置。
【請求項9】
回路に接続される固定接触子と、前記固定接触子に接触して回路を通電させる投入位置及び前記固定接触子から分離されて回路の通電を遮断する遮断位置に移動する可動接触子と、蓄積された弾性エネルギーを放出することにより前記可動接触子に前記投入位置への移動のための駆動力を提供する投入スプリングと、前記投入スプリングの放出エネルギーを前記可動接触子に伝達する開閉機構と、前記投入スプリングの蓄勢状態を維持するために前記開閉機構を拘束する拘束位置及び蓄積された前記投入スプリングの弾性エネルギーが放出されるように前記開閉機構を解除する解除位置に移動する投入ラッチと、前記投入ラッチに接触して前記投入ラッチを解除位置に移動させるように回転駆動するオンレバーと、手動で投入動作を指示するための投入ボタンと、前記投入ボタンに接触して前記オンレバーを回転させるように駆動するオンカップリングとを備える気中遮断器において、
前記オンレバーに接触する位置に移動する前記オンカップリングの移動経路上に設置され、前記投入スプリングが弾性エネルギーを蓄積した状態で、かつ前記可動接触子が遮断位置にあるときに、前記オンレバーに接触する位置に移動する前記オンカップリングに接触するレバーを用いて前記気中遮断器の投入操作が可能な状態であることを示す電気的信号を発するマイクロスイッチと、
前記投入スプリングが弾性エネルギーを蓄積した状態で、かつ前記可動接触子が遮断位置にあるときに、前記マイクロスイッチが前記電気的信号を発するように前記マイクロスイッチのレバーを加圧するために前記オンカップリングに取り付けられるスイッチ作動部と
を含むことを特徴とする投入作動可能表示装置を有する気中遮断器。
【請求項10】
前記スイッチ作動部は、前記マイクロスイッチのレバーに対向する位置に設置され、前記マイクロスイッチの駆動に十分な前記マイクロスイッチのレバーの加圧距離だけ前記オンカップリングから突出する突出部であることを特徴とする請求項9に記載の投入作動可能表示装置を有する気中遮断器。
【請求項11】
前記開閉機構の上部板に設置され、電気的絶縁材で形成され、前記マイクロスイッチを内蔵し、開閉可能なドアを有するスイッチケースをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の投入作動可能表示装置を有する気中遮断器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−21246(P2009−21246A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180091(P2008−180091)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(593121379)エルエス産電株式会社 (221)
【Fターム(参考)】