説明

気化冷却機能を有する外装材

【課題】中空の多孔体および連結材により管状の水路が構成された外装材で、強度及び冷却効果、意匠性に優れた気化冷却機能を有する外装材を提供する。
【解決手段】上下方向に所定間隔を隔てて複数並べて連設され保水性または透水性を有する中空の多孔体11と、上下の多孔体の間で水を移動させる連結材23と、支持部材14を介して多孔体及び連結材を支持する支柱3〜5とを備え、連結材は外装材の設置状態で上下の多孔体の間に介在され、多孔体と芯材と連結材とで水路が形成され、多孔体は管状をなし、多孔体の中空部には連接材と両端が連結されると共に多孔体を支持する芯材が挿通され、水路に水を通し、水の一部を多孔体の少なくとも下方に供給し、多孔体の表面から気化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の外装材としての日除に保水性または透水性をもたせ、外装材表面から水を気化させることで、外装材部分で外気の冷却を図りヒートアイランド現象を抑制するようにした気化冷却機能を有する外装材に関する。
【背景技術】
【0002】
都市においては建築物がコンクリートで形成されているビルディングが多数建設されており、これらのビルディングは太陽光により加熱されやすい。このため、夏季に冷房を使用することにより多量のエネルギが消費され、これに伴い多量の排熱が発生することとなる。この結果、都市域の地上気温が周辺部より高くなる所謂ヒートアイランド現象が発生する。そこで、このヒートアイランド現象を緩和するために種々の対策がなされている。
【0003】
例えば、建築物の外壁面等に設置する外装材を構成する部材に水を供給して部材内に蓄積(保水)し、太陽光が当たると蓄積された水が蒸発し、このとき気化熱が奪われることにより周囲の温度を下げるようにして冷却効果を得るようにした冷却装置が知られている。
【0004】
このような冷却装置として、多孔質のセラミックスからなる羽根部材を所定間隔で複数連設し、各羽根部材の上面に水を一時的に貯留する貯留部を凹んで形成して当該羽根部材の内部に水を浸透させて保水し、太陽光によって加熱されたときに保水された水が気化するときの気化熱(蒸発潜熱)を利用して周囲を冷却するようにしたルーバ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
或いは、互いに所定間隔を隔てて垂設した2本のパイプ状の支柱間に開口容器状に形成された羽根板を上下方向に間隔を隔てて複数段取り付ける。そして、各羽根板の内部にコケ等の植物を植え付け、パイプ状の支柱を介して各羽根板の内部に給排水を行い、太陽光によって加熱されたときに植物に含まれた水が気化するときの気化熱により建築物の外壁を冷却すると共に外壁の緑化を図るようにした植栽ルーバ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
或いは、多孔質材よりなり、前面から後面に貫通する通風孔を有した冷却体用ブロックの仕切り壁に上面から下面に貫通する通水用の貫通孔を設け、上下および左右の各面に溝を設け、貫通孔が上下のブロックにおいて互い違いとなるように積み重ね、最上段に溝状水路および縦穴を有するコンクリート枠を配置してブロック全体を水で湿潤する。そして、ブロックが太陽光によって加熱されたときに湿潤している水が気化するときの気化熱を利用して周囲の冷却効果を得るようにした冷却壁体が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−28927号公報(図1、5−6頁)
【特許文献2】特開2002−34347号公報(図2、3頁)
【特許文献3】特開2000−144963号公報(図1、3頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されているルーバ装置は、各段の羽根部材の上面に凹んで形成した貯留部にホースやじょうろで散水して水を貯留するために散水に手間を要する。また、散水が不要な季節(春、秋、冬等の冷却が不要な季節)には羽根部材の上面に凹んで形成された貯留部に塵埃や枯葉などが堆積し易く、これに伴い細孔が目詰りし易くなる。そして、冷却が必要な夏季において散水する際にはこれらの堆積物を除去する必要があり、メンテナンスに手間を要する。また、細孔が目詰りしている場合には冷却効果が低くなる。更に、上面に形成した貯留部に貯留した水が強風で飛散する等、安定した冷却性能が得られない。
【0009】
また、このルーバ装置は構造上高層建築への対応が考慮されていないので、ビルディング等の高層建築物に起因するヒートアイランド現象を抑制することが困難である。
【0010】
また、同特許文献1の段落(0029)には、「・・・羽板1を支持枠3に取り付けたまま水19を供給する場合には、最上段の羽板1の凹部2に対して多量に注水することにより、溢れた水19が図3(b)に示すように順次下段の羽板1の凹部2に流れ込むために、上下方向に配置される全ての羽板1の凹部2への注水の手間を簡略化することができる。この場合、図3(c)に示すように予め羽板1を水平姿勢にしておけば、表面張力を利用して水19をより多量に羽板1上に保持させることができる。」と記載されている。しかしながら、上段の羽板から溢れた水が下段の羽板に落下する構造では、上段の羽板と下段の羽板とで供給水量が不均一となり、全ての羽板の内部に十分に水を浸透させて保水することが困難である。
【0011】
また、特許文献2に記載されている植栽ルーバ装置は、開口容器状に形成された羽根板がセラミックス等の多孔質部材ではないために羽根板自体に保水性がなく、羽根板の内部に植え付けてあるコケ等の植物によって外気を冷却するために冷却効果が低い。また、外気の冷却が不要な季節でも羽根板内部の植物に水を供給する必要があり、植物の管理に手間がかかる。更に、植物が枯れたりした場合、見栄えが悪くなりメンテナンスに手間を要するばかりでなく衛生上問題が生じる。
【0012】
更に、支柱を介して複数の羽根板に水を供給するために上段と下段とで供給水量が不均一になり、各羽根板内部の植物に均一に水を供給することが困難である。また、この植栽ルーバ装置は構造上高層建築に適用することは困難であり、ビルディング等の高層建築物に起因するヒートアイランド現象を抑制することが困難である。
【0013】
また、特許文献3に記載されている冷却壁体は、ブロックを積み上げて壁面を構成するために高層建築物に適用することが困難である。更に、同特許文献3の段落(0027)には「更に、この実施の形態にあっては、貫通孔32が1枚の仕切壁14を上下に貫くようにして設けられており、上面16から貫通孔32に入り込んだ水が仕切壁14を伝わって流れ、貫通孔32から流出するようになる。これにより、滴下音が防止されると共に、水が通風孔12を通ってブロック外に流出することも防止される。」と記載されている。
【0014】
しかしながら、ブロック内の仕切壁14を伝わって水が落下する構造、即ち通水路を構成する貫通孔32がパイプのような閉水路ではなく、一部が外気に曝されているので、強風により落下する水が外部に漏れたり飛び散ったりするおそれがある。このため、外部に漏れたり飛び散ったりした水が付近を濡らし、或いは道路に面している場合には通行人に迷惑がかかるおそれもある。また、ブロックを積み上げて壁面を構成するために意匠面での制約が大きい。
【0015】
このような従来技術の構造に起因する不具合を防止するために水路を一連の閉水路とすることが考えられるが、単なる閉水路とした場合には水が上段のブロックの水路から下段のブロックの水路へと流れてしまうだけとなり、特にブロックの透水速度が遅い場合にはブロックに十分な水量の水を浸透させて保水させることが困難となる。この結果、ブロックに十分な冷却効果を得ることが困難となる。また、各ブロックに十分な水量の水を供給するためには多量の水を連続的に流すことが必要となり、水を無駄に使用することとなる。
【0016】
一方、ブロック同士を連結して水路を形成したのでは、ブロック自体が保水性または透水性を有する材質とする必要上、強度的に不十分となる虞がある。このようなブロックを比較的高い階層の建物の外壁に沿って設置すると、この強度的に不十分な点が特に問題となる。
【0017】
本発明の目的は、中空の多孔体および連結材により管状の閉水路が一連に構成された外装材において、閉水路自体が十分な強度を有し、かつ各多孔体内に水を滞留させることにより、十分な水量の水を浸透させて保持させるようにして、冷却効果に優れ更には高層建築物にも好適に適用可能な気化冷却機能を有する外装材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決するために、本発明に係る気化冷却機能を有する外装材は、
設置状態で上下方向に所定間隔を隔てて複数並べて連設された、保水性または透水性を有する中空の多孔体と、前記上下の多孔体の間で水を移動させるための連結材と、支持部材を介して前記多孔体及び連結材を支持する支柱とを備えてなる外装材であって、
前記連結材は外装材の設置状態で上下の多孔体の間に介在され、もって、前記多孔体と前記連結材とで水路が形成され、
前記多孔体は管状をなし、当該多孔体の中空部には前記連接材と両端が連結されると共に前記多孔体を支持する芯材が挿通され、
前記水路に水を通し、水の一部を前記多孔体の少なくとも下方に供給し、当該多孔体の表面から気化させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、保水性または透水性に優れた材質でできた多孔体の強度を芯材で補いながら、多孔体に適切な水量を供給することができ、効率良く冷却効果を得る外装材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る気化冷却効果を有する外装材の正面図である。
【図2】図1に示した外装材の多孔体の断面図である。
【図3】図1に示した外装材の多孔体と支持部材を支柱に接合する場合の説明図である。
【図4】図3に示した外装材の右側面図である。
【図5】図4に示した外装材の矢線V―Vに沿う断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る気化冷却効果を有する外装材の作用を説明する断画図である。
【図7】本発明の一実施形態の第1変形例を説明する、図6に対応する断面図である。
【図8】本発明の一実施形態の第2変形例を説明する、図6に対応する断面図である。
【図9】本発明の一実施形態の第3変形例を説明する、図6に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための形態を説明するに先立って、本発明の作用および効果について説明する。
【0022】
本発明に係る気化冷却機能を有する外装材は、設置状態で上下方向に所定間隔を隔てて複数並べて連設された、保水性または透水性を有する中空の多孔体と、上下の多孔体の間で水を移動させるための連結材と、支持部材を介して多孔体及び連結材を支持する支柱とを備えてなる外装材であって、連結材は外装材の設置状態で上下の多孔体の間に介在され、もって、多孔体と連結材とで水路が形成され、多孔体は管状をなし、多孔体の中空部には連接材と両端が連結されると共に多孔体を支持する芯材が挿通され、水路に水を通し、水の一部を多孔体の少なくとも下方に供給し、多孔体の表面から気化させる。これにより、保水性または透水性に優れた材質でできた多孔体の強度を芯材で補いながら、多孔体に適切な水量を供給することができ、冷却効果を効率良く得ることができる。
【0023】
本発明の好ましい一態様によれば、芯材は、多孔体の内周の上面に当接して多孔体を支持する。これにより、多孔体の強度を補いながら、より効率良く多孔体に水を供給することができる。
【0024】
本発明のより好ましい一態様によれば、芯材は、多孔体の内周面に対応した外形形状を有する筒状体であって、多孔体に水を供給する開口部が該芯材の少なくとも下方に形成され、水路に水を通し、水の一部を芯材の開口部を介して多孔体に供給し、多孔体の表面から気化させるようになっている。これにより、多孔体の強度を芯材でより一層向上させながら、多孔体に適切な水量を供給することができ、冷却効果を効率良く得ることができる。
【0025】
また、芯材の少なくとも下方に形成された開口部を介して各多孔体に水路を流れる水の一部をそれぞれ供給することで、多孔体の内部に水を通して多孔体全体に浸透させることができる。その結果、多孔体の全表面に効率的に保水させることができ、建築物外壁や周囲の外気を効果的に冷却することができる。
【0026】
また、外装材の使用時(冷却時)には一連の水路に水を流すだけで全ての多孔体に均一に水を浸透させて保水させることができ、不使用時には水路に供給する水を遮断するだけでよく、取り扱いが容易である。更に、不使用状態にあった外装材を使用する際には最初に一連の水路に多量の水を供給することにより、短時間で全ての多孔体に十分に水を供給して保水させることが可能となり、短時間で冷却効果を上げることができる。そして、その後は多孔体に保水されている水の気化に応じた少量の水を連続的または断続的に補給すれば良く、節水が可能であると共に水の管理も容易になる。そして、多孔体の中空部には水を充填する必要が無いので、水の重量による外装材または外壁への負荷を低減できる。
【0027】
また、多孔体を管状に形成することにより、日除(ルーバ)としても機能するため、室内の気温上昇をより有効に抑えることが可能となる。また、多孔体を管状とすることで強度の向上が図られる。
【0028】
また、本発明に係る気化冷却機能を有する外装材において、好ましくは多孔体を支持する芯材および連結材がそれぞれ支持部材を介して支柱に接合されていることが良い。
【0029】
また、多孔体を支持する芯材および連結材がそれぞれ支持部材を介して支柱に接合される構造とされていることにより、建築物の外壁に取り付ける際の施工性が良い。また、多孔体が目詰りしたり破損したりした場合には当該多孔体のみを交換すれば良く、しかも、交換作業が容易であるためメンテナンス性に優れている。このため、高層建築物の外壁に外装材を多数設ける場合に適している。また、多孔体内部および連結材により一連の水路が形成されているため強風により水が飛散することがなく、外部への悪影響が防止される。
【0030】
また、多孔体を支持する芯材と連結材がそれぞれ支持部材を介して支柱に接合されているので、多孔体の自重および内部を流れる水の重量によって多孔体を支持する芯材と連結材の接続部に無理な応力が加わることがない。そのため、パッキンの局所的な変形を少なくでき、接続部から外部への水の漏出を防止できる。
【0031】
また、本発明に係る気化冷却機能を有する外装材において、好ましくは、前記多孔体はセラミックスで形成されているのが良い。
【0032】
多孔体をセラミックスで形成することにより、表面の着色の自由度が増し、建築物の外観に合わせて種々の色に着色することが可能となる。また、多孔体の表面に種々の風合い、例えば砂壁のような凹凸を有する風合いや、大理石のような風合い等を自由に出すことができ、建築物の美観を変えることも可能となる。このように多孔体をセラミックスで形成することで、建築物に合わせて種々の意匠を付与することができるので、美観に優れている。また、セラミックスは保水性、透水性に優れており、冷却効果を高めることができる。
【0033】
また、本発明に係る気化冷却機能を有する外装材において、好ましくは、支柱は中空体であり、前記水路と接続して一部が給水路または排水路を形成するのが良い。
【0034】
中空体の支柱に水路を接続して一部を給水路または排水路とすることで、複数の多孔体の給水路または排水路が一体となって一連の水路を形成することが可能となり、より一層施工性およびメンテナンス性に優れたものとなる。
【0035】
また、本発明に係る気化冷却機能を有する外装材において、好ましくは多孔体同士をつなぐ連結材および支持部材がカバー部材で覆われているのが良い。
【0036】
多孔体同士をつなぐ連結材および支持部材をカバー部材で覆うことにより、多孔体と連結材および支持部材との一体感が増して外装材の美観が向上する。従って、本発明の外装材を古い建築物に適用することで当該建築物の外観が良くなる。
【0037】
以下、本発明の一実施形態に係る気化冷却機能を有する外装材について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る気化冷却機能を有する外装材(以下単に「外装材」という)1の正面図である。図2は、図1に示した外装材1の多孔体11の断面図である。図3は、図1に示した外装材1の多孔体11と支持部材14を支柱3に接合する場合の説明図である。図4は、図3に示した外装材1の右側面図である。図5は、図4に示した外装材の矢線V−Vに沿う断面図である。
【0038】
本発明の一実施例に係る外装材1は、図1に示すように図示しない複数階の高層建築物の例えば3階部分の外壁に設けた状態を示している。外装材1は、図1に示すように建築物の間口の広さ(左右の幅)、外壁の高さに応じた大きさに形成されている。従って、図示のように建築物の間口が広く両側の支柱3と4との間隔が広い場合、これらの支柱3と4の中間位置に支柱5を設けて多孔体11の長さを制限し、自重および内部の水の重量による撓みを小さくして強度の低下を防止している。
【0039】
多孔体11は、支柱3と5、および支柱4と5の間に配置され、図中右側の各多孔体11の一側(右側)端面が右側の支柱3に、他側(左側)端面が中央の支柱5の一側(右側)に接合され、図中左側の各多孔体11の一側(左側)端面が左側の支柱4に、他側(右側)端面が中央の支柱5の他側(左側)に接合されている。また、中央の支柱5と両側の支柱3,4との中間位置に更に支柱6,7が配置されており、長尺の多孔体11の撓みを更に抑えて補強している。これらの支柱3〜7は、図5に示すように断面が矩形状の中空体とされており、耐蝕性、強度に優れた例えばステンレス部材により形成されている。
【0040】
そして、外装材1は、支柱3から支柱5までの右側の領域を冷却する右側冷却部2Rと、支柱5から支柱4までの左側の領域を冷却する左側冷却部2Lの2つの冷却部により構成されている。右側冷却部2Rと左側冷却部2Lは、中央の支柱5に対して対称に形成されているので、以下右側冷却部2Rについて説明する。
【0041】
両側の支柱3,4は、当該建築物の両隣の部屋を画成する外壁の最上階から1階まで通して固定されている。また、中央の支柱5は、各階毎に所定の長さに設定されて外壁に固定されている。尚、支柱3〜7、特に支柱3,4,5は、建築物の骨組みを構成する鉄骨等の支柱に外壁を通して固定することが可能であれば強度を増す上で好ましい。
【0042】
多孔体11は、図1に示すように所定間隔を隔てて上下方向に複数並べて配置されており、目の高さに相当する上部の複数段、例えば最上段から4段目までの間隔を広く設定して室内から窓越しに或る程度の広さの視界を確保して煩わしさを避けつつ日除(ルーバ)の機能を持たせている。また、目の高さよりも低い5段目から最下段までの多孔体11の間隔を狭く設定して十分な日除の機能を得るようにしている。
【0043】
多孔体11は、図2に示すように厚肉の中空体をなしており、断面形状が建築物の前後方向(図中左右方向)に長い長円形をなしている。このように多孔体11の形状を前後方向に長い長円形とすることにより、単なる円筒形状に比べてより一層日除(ルーバ)の機能を持たせることができる。そして、中空部11aが水の通路(以下「水路」という)となる。尚、中空部11aも外形と同様に断面形状が前後方向に長い長円形をなしている。この多孔体11は、保水性、透水性に優れたセラミックスで形成されている。
【0044】
多孔体11の中空部11a内には芯材12が収容されている。芯材12は、多孔体11よりも僅かに短く設定されており、断面が中空部11aの内周面に対応した形状、即ち中空部11aと同様の長円形をなし、下面に全長に亘り開口する開口部12aが形成された断面略C形の筒状体からなる。
【0045】
即ち、芯材12は、支持部材の内周面に対応した外形形状を有する筒状体であって、芯材12の下部の開口部12aが全長に亘り開口している。即ち、多孔体11に水を供給する開口部12aが外装材の設置状態で該芯材の少なくとも下方に形成されていることになる。これによって、水路に水を通し、水の一部を芯材12の開口部12aを介して多孔体11の内周面の少なくとも下方に供給し、多孔体の表面から気化させるようになっている。
【0046】
芯材12の一側端面12bの所定位置、例えば前後の円弧をなす部分の上下位置に蟹の鋏のような形状の係合爪12cが切り起し成形により形成されており、一側端面12bに対して内側に直角に折曲されている。これらの係合爪12cは、ばね性を有しており、後述する接続用のボルト31と係合(螺合)するためのナットの機能を有している。芯材12の他側端面にも同様に係合爪が形成されている。尚、係合爪12cは、図示の蟹の鋏のような形状に限るものではなく、例えば四角形状に切り起こしてねじ穴を設けるようにしても良い。
【0047】
芯材12は、耐蝕性、強度に優れた例えばステンレス部材により形成されており、外周面全体が多孔体11の中空部11aの内周面に当接する大きさとされることが好ましい。このように多孔体11の中空部11a内に芯材12を収容することにより、セラミックスでできた多孔体11を補強することができ、特に自重および水を流したときの撓みに対して多孔体11の強度を増すことができる。また、何らかの原因により多孔体11が折損した場合でもこれが落下するのを防止し、被害を最小限に抑えることが可能となる。
【0048】
尚、図2においては多孔体11の中空部11aの内周面と芯材12の外周面との間に僅かに隙間が形成されているが、多孔体11をセラミックスで形成した場合、中空部11aの大きさの誤差等を考慮して芯材12との間に余裕を持たせたことによるものである。このように中空部11aの内周面と芯材12の外周面との間に僅かな隙間がある場合でも、後述するように支柱に接合した状態においては、芯材12の上面が中空部11aの内周面の上面に当接して支持することとなり、強度的に特に問題となることはない。
【0049】
また、芯材12は、ステンレス部材に限るものではなく他の部材、例えばプラスチック等の合成樹脂部材を使用しても良い。プラスチック等の合成樹脂部材を使用する場合、コストの低減を図ることが可能である。
【0050】
次に、多孔体11と支柱3との接合について図3乃至図5により説明する。尚、図3乃至図5は、図1に示す外装材1の右側冷却部2Rの最上段の多孔体11から三段目の多孔体11までの一側端面(右側端面)11bを支柱3に接合する場合について描いてある。
【0051】
多孔体11の一側端面(右側端面)11bは、図3および図4に示すように止水パッキン13、支持部材14、ブラケット15を介して支柱3に接合される。止水パッキン13は、多孔体11の外形の断面形状よりも僅かに小さい長円形をなし、中空部11aと同じ断面形状の通水孔が設けられている。支持部材14は、図5に示すように上方から見て略L形をなしており、一側の支持部14aに多孔体11の中空部11aおよび止水パッキン13の前記通水孔と対応する位置に図示しない通水孔が設けられており、通水孔に後述するパイプ状の連結材22又は23を接続するための接続金具(継手)21が固定されている。更に、支持部14aには芯材12の各係合爪12cと対応する位置にボルト挿通孔が設けられている。また、他側の支持部14bにもボルト挿通孔が設けられている。
【0052】
ブラケット15は、図3および図5に示すように矩形状の板で、一側略半分が支柱3の前面3aに溶着され、他側略半分が支柱5方向に水平に張り出している。ブラケット15の他側には支持部材14の支持部14bのボルト挿通孔と対応してボルト挿通孔が設けられている。これらの支持部材14、ブラケット15も支柱3と同様にステンレス部材により形成されている。
【0053】
多孔体11の一側端面11bを、止水パッキン13を介して支持部材14の支持部14aに当接し、接続用のボルト31を支持部14aのボルト挿通孔を通して芯材12の係合爪12cに係合(螺合)する。前述したように芯材12は多孔体11よりも僅かに短く形成されていることにより、ボルト31を締め付けることで止水パッキン13を多孔体11の一側端面11bと支持部14aに密着させることができ、これらを液密に接続することができる。支持部材14の支持部14bは、ボルト32によりボルト挿通孔を介してブラケット15の他側に接合される。このようにして、最上段から最下段までの各段の多孔体11の一側端面11bが支柱3の前側に接合される。
【0054】
最上段から最下段までの多孔体11の他側端面(左側端面)も同様に止水パッキン、支持部材、ブラケットを介して図1に示すように支柱5の前面右側の前側に接合される。このようにして、各段の多孔体11が支柱3と支柱5に水平に接合される。
【0055】
最上段の多孔体11の一側端面11bが接合された支持部材14の接続金具21には、略L形をなし支柱3に沿って上方に延出する連結材22の下端部22aが接続されている。この連結材22はパイプにより形成されており、外装材1の給水路とされる。
【0056】
二段目の多孔体11の支持部材14の接続金具21と三段目の多孔体11の接続金具21は、図3および図4に示すように連結材23により接続されている。連結材23もパイプにより形成されており、上下の多孔体11の中空部11a間で水を移動させるための機能を有し、外装材1の水路とされる。連結材23は、両側の端部23aが一側に直角に折曲されて二段目の接続金具21と三段目の接続金具21に液密に接続されている。同様に四段目と五段目、六段目と七段目、・・・というように多孔体11の一側端面11bが連結材23により接続されている。そして、最下段の多孔体11(図1参照)の一側端面に接合された支持部材の接続金具には、略逆L形をなし支柱3に沿って下方に延出する図示しない連結材の上端部が接続されている。この最下段の多孔体11の連結材は、外装材1の排水路とされる。
【0057】
また、図示はしていないが最上段の多孔体11の他側端面が接続された支持部材の接続金具と二段目の多孔体11の他側端面が接続された支持部材の接続金具が、連結材23と同様の連結材により接続されている。同様に三段目と四段目、五段目と六段目、・・・というように最下段の多孔体11まで各多孔体11の他側端面が連結材で接続されている。このようにして、最上段の多孔体11から最下段の多孔体11まで両端面が互い違いに接続されている。これにより、最上段の多孔体11の中空部11aから最下段の多孔体11の中空部11aまで連続して接続されてパイプ状の一連の水路が形成される。
【0058】
連結材23の途中例えば中央よりも僅かに上方位置と支柱3との間に図4および図5に示すように分岐管25が略水平に接続されている。分岐管25は、一端が連結材23に開口して液密に接合され、他端がパッキン26を介して支柱3の前面3aに設けた孔3bに液密に挿入されて当該支柱3内に開口している。即ち、分岐管25は、パイプ状の連結材23と中空の支柱3とを連通している。分岐管25は、多孔体11の中空部11a、連結材23等からなる水路のエア抜きおよびオーバーフロー管とされている。そして、中空の支柱3は、エア抜き通路および排水通路として機能する。尚、分岐管25は、全ての連結材23と支柱3,5との間に設けても良く、或いは複数の連結材23を選定してこれらの連結材23に設けるようにしても良い。
【0059】
一方、各多孔体11の両端と支柱3,4との間には、図1に示すようにカバー部材27が装着されており、止水パッキン13、支持部材14、接続金具21、連結材23が覆われている。これにより、外装材1の外観が良くなり、見栄えが向上する。尚、カバー部材27は、多孔体11と同じ材質の部材で形成することにより、一体感が増して意匠上好ましい。このようにして、図1に示す右側冷却部2Rが形成されている。左側冷却部2Lは、右側冷却部2Rと対称に形成されている。
【0060】
前述したように外装材1は、建築物の一階分の外壁の大きさに形成されており、各階毎に外装材1を取付けるようになっている。そして、図1、図3、図4に示すように3階の外壁に取付けた外装材1の最上段の多孔体11の一側端面11bに接続した連結材22の上端部が、4階(上の階)の外壁に取付けた図示しない外装材の最下段の多孔体の一側端面の支持部材の接続金具に接続され、当該外装材1の最下段の多孔体11の一側端面に接続した図示しない連結材の下端部が、2階(下の階)の外壁に取付けた図示しない外装部材の最上段の多孔体の対応する一側端面の支持部材の接続金具に接続される。このようにして、最上階の外装材から1階の外装材まで連続したパイプ状の一連の水路を形成する。左側冷却部2Lについても右側冷却部2Rと同様である。そして、右側冷却部2Rと左側冷却部2Lは、冷却系統が別々に構成されている。
【0061】
外装材1の最上段の多孔体11の一側端面11bに接続された連結材22から供給された水は、図1に破線で示すように、当該最上段の多孔体11の中空部11aから連結材23を通して順次下段の多孔体11の中空部11a内を流れて最下段の多孔体11に接続された連結材から排出される。従って、各多孔体11の中空部11aは、給水路と排水路をなしている。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態に係る気化冷却効果を有する外装材の作用を説明する断画図である。各多孔体11の中空部11aに流入した水は、芯材12の下部の開口部12aが全長に亘り開口していることで、図6の矢印に示すように中空部11aの水と接触している下面および両側面から毛細管現象により多孔体11全体に浸透して全表面に保水される。
【0063】
また、多孔体11の中空部11a内の水量、中空部11a内の水量に応じて連結材23の下部に残る水量や、中空部11a内の空気および連結材23内の空気等に起因する連結材23内の空気の圧力の関係等により、連結材23の途中に水の栓(水が滞留する部分)ができて閉塞され、水が流れなくなる現象が時々発生することがある。このような現象を防止するために、分岐管25を通して連結材23内の空気を中空の支柱3内に逃がして当該連結材23が水の栓で閉塞されることを防止する。
【0064】
また、外装材1の水路に長期間水を流すときや、一時に多量の水を供給したときに溢水(オーバーフロー)により連結材23が水で詰まることがある。このような場合、分岐管25を通して連結材23内の水の一部(溢水した分)を中空の支柱3内に排出し、外装材1の外部に排出するようにしている。これにより、外装材1の水路に必要量の水を安定して流すことが可能となると共に、支柱3の下端から排出される水を検知することにより水路が閉塞するような不具合を発見することにも役立つ。
【0065】
尚、外装材1は、給水路としての最上段の多孔体11の連結材22、排水路としての最下段の多孔体の一側端面に接続されて下方に延出する連結材を備えているが、中空の支柱3を給水路や排水路として使用することも可能である。
【0066】
多孔体11の全表面に保水された水は、太陽熱により加熱されると気化し、このときの気化熱により周囲の温度が下がり冷却される。また、多孔体11が前後方向に長い長円形をなしていることで日除の機能を有しており、直射日光を有効に遮る。これにより、建築物の外壁の温度を下げることができ、ヒートアイランド現象を抑制することができると共に室内温度を下げることができる。
【0067】
また、外装材1の使用時(冷却時)には一連の水路に水を流すだけで、芯材の開口部を介して全ての多孔体11に水を浸透させて保水させることができ、不使用時には水路に供給する水を遮断するだけでよく、取り扱いが容易となる。更に、不使用状態にあった外装材1を使用する場合最初に多量の水を供給することにより、短時間で全ての多孔体11に十分に水を供給して保水させることが可能となり、短時間で冷却効果を上げることができる。そして、その後は多孔体11に保水されている水の気化に応じた少量の水を連続的又は断続的に補給すれば良く、節水が可能であると共に水の管理も容易である。
【0068】
また、外装材1に供給する水量を天候状態に応じて調節することができる。例えば水を断続的に流したり、少量流したり、或いは一時的に水を溜めておいて浸み込ませることにより、水を有効に使用することが可能である。従って、外装材1は、エコ対策、クールビズ対策、省エネ対策にも有効である。また、多孔体11の内部および連結材23により一連の水路が形成されているために強風により水が飛散することがなく、外部への悪影響が防止される。
【0069】
以上説明したように、本発明による気化冷却機能を有する外装材によると、芯材は、多孔体の内周面に対応した外形形状を有する筒状体であって、多孔体に水を供給する開口部が該芯材の少なくとも下方に形成され、水路に水を通し、水の一部を芯材の開口部を介して多孔体に供給し、多孔体の表面から気化させるようになっている。これにより、保水性または透水性に優れた材質でできた多孔体の強度を芯材で補いながら、多孔体に適切な水量を供給することができ、冷却効果を効率良く得ることができる。
【0070】
また、芯材の少なくとも下方に形成された開口部を介して各多孔体に水路を流れる水の一部をそれぞれ供給することで、多孔体の内部に水を通して多孔体全体に浸透させることができる。その結果、多孔体の全表面に効率的に保水させることができ、建築物外壁や周囲の外気を効果的に冷却することができる。
【0071】
また、外装材の使用時(冷却時)には一連の水路に水を流すだけで全ての多孔体に均一に水を浸透させて保水させることができ、不使用時には水路に供給する水を遮断するだけでよく、取り扱いが容易である。更に、不使用状態にあった外装材を使用する際には最初に一連の水路に多量の水を供給することにより、短時間で全ての多孔体に十分に水を供給して保水させることが可能となり、短時間で冷却効果を上げることができる。そして、その後は多孔体に保水されている水の気化に応じた少量の水を連続的または断続的に補給すれば良く、節水が可能であると共に水の管理も容易になる。そして、多孔体の中空部には水を充填する必要が無いので、水の重量による外装材または外壁への負荷を低減できる。
【0072】
また、多孔体を管状に形成することにより、日除(ルーバ)としても機能するため、室内の気温上昇をより有効に抑えることが可能となる。また、多孔体を管状とすることで強度の向上が図られる。
【0073】
また、多孔体を管状に形成することにより、日除(ルーバ)としても機能するため、室内の気温上昇をより有効に抑えることが可能となる。また、多孔体を管状とすることで強度の向上が図られる。
【0074】
また、多孔体をセラミックスで形成することにより、表面の着色の自由度がまし、建築物の外観に合わせて種々の色に着色することが可能である。更に、多孔体の表面に種々の風合い、例えば砂壁のような凹凸を有する風合い、大理石のような風合い等自由に出すことができ、建築物の外観を変えることも可能である。このように多孔体をセラミックスで形成することで、建築物に合わせて種々の意匠を付与することができるので、意匠性に優れている。また、セラミックスは保水性、透水性に優れており冷却効果を高めることができる。
【0075】
また、複数の多孔体の給排水路が一体となって一連の水路を形成することにより、より一層施工性およびメンテナンス性に優れたものとなる。
【0076】
また、多孔体同士をつなぐ連結材22,23および支持部材14がカバー部材27で覆われていることにより、多孔体11と連結材22,23、支持部自部材14との一体感が増して外装材1の美観が向上する。従って、外装材1を古い建築物に適用することで当該建築物の外観が良くなる。また、外装材1が眼隠しや日除となる。
【0077】
続いて、上述した実施形態の各種変形例について説明する。ここで、図7は、本発明の一実施形態の第1変形例を説明する、図6に対応する断面図である。また、図8は、本発明の一実施形態の第2変形例を説明する、図6に対応する断面図である。また、図9は、本発明の一実施形態の第3変形例を説明する、図6に対応する断面図である。なお、これらの図において示される矢印は、水が各芯材の開口部を介して多孔体に浸透する状態を示す矢印である。
【0078】
上述の実施形態の芯材は、長手方向と直交する方向の断面異型C字状をなし、芯材の下部の開口部が全長に亘り開口した筒状体形状を有していたが、このような幅広のスリット状の連続的な開口部を形成する代わりに、図7の第1変形例に示すように多数の矩形状の開口部112aを芯材の下部に所定間隔隔てて形成した芯材112を用いても良い。この場合、芯材の強度をより高めることができる。
【0079】
また、図8の第2変形例に示すように長手方向と直交する方向の断面が長円状をなし径の大きい多数のバーリング穴が芯材周りの全体に多数形成された所謂パンチングメタルの管体でできた芯材212を用いても良い。この場合、各バーリング穴の切り起こし部により芯材の強度をより高めつつ、バーリング穴からなる多数の開口部212aの何れからも水路内の水を多孔体11に供給でき、水路に水を流した後の外装材の冷却までの応答性をより高める。
【0080】
更には、図9の第3変形例に示すように、十分な強度を有する太めの鋼材等からなる線材をメッシュ状に撚って溶着してできた管体からなる芯材312を用いても良い。この場合、線材同士の隙間が開口部312aとなり、この開口部312aから多孔体11の中空部の内周壁に水路の水を均一に供給することができ、水路に水を流した後の外装材の冷却までの応答性をより一層高める。
【0081】
なお、上述した実施形態の芯材の構成に加えて、芯材の一部又は支持部材の一部であって水路に相当する部分、もしくは多孔体と支持部材とを挟むパッキン等における外装材設置状態での高さを部分的にある程度高くし、この部分に堰の役目を果たさせ、水路に水を流した後に芯材の開口部の上方に水がある程度溜まるようにしても良い。これによって、芯材の開口部から多孔体に効率良く水を供給することができるようになり、外装材の冷却効果を更に高めることができる。
【0082】
なお、芯材は上述の実施形態及び各変形例のように筒状体である必要はなく、断面がL字型のような鋼材であっても構わない。
【符号の説明】
【0083】
1 外装材
2R 右側冷却部
2L 左側冷却部
3,4,5,6,7 支柱
3a 前面
3b 孔
11 多孔体
11a 中空部
11b 一側端面
12 芯材
12a 開口部
12b 一側端面
12c 係合爪
13 止水パッキン
14 支持部材
14a,14b 支持部
15 ブラケット
21 接続金具(継手)
22 連結材(パイプ)
22a 下端部
23 連結材(パイプ)
23a 端部
25 分岐管
26 パッキン
27 カバー部材
31,32 ボルト
112 芯材
112a 開口部
212 芯材
212a 開口部
312 芯材
312a 開口部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置状態で上下方向に所定間隔を隔てて複数並べて連設された、保水性または透水性を有する中空の多孔体と、前記上下の多孔体の間で水を移動させるための連結材と、支持部材を介して前記多孔体及び連結材を支持する支柱とを備えてなる外装材であって、
前記連結材は外装材の設置状態で上下の多孔体の間に介在され、もって、前記多孔体と前記連結材とで水路が形成され、
前記多孔体は管状をなし、当該多孔体の中空部には前記連接材と両端が連結されると共に前記多孔体を支持する芯材が挿通され、
前記水路に水を通し、水の一部を前記多孔体の少なくとも下方に供給し、当該多孔体の表面から気化させることを特徴とする気化冷却機能を有する外装材。
【請求項2】
前記芯材は、前記多孔体の内周面に対応した外形形状を有する筒状体であって、前記多孔体に水を供給する開口部が、該芯材の少なくとも下方に形成され、前記芯材の開口部より前記多孔体に水の一部を供給することを特徴とする請求項1に記載の気化冷却機能を有する外装材。
【請求項3】
前記多孔体を支持する芯材および前記連結材がそれぞれ支持部材を介して支柱に接合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気化冷却機能を有する外装材。
【請求項4】
前記多孔体はセラミックスであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の気化冷却機能を有する外装材。
【請求項5】
前記支柱は中空体であり、前記水路と接続して給水路または排水路を成すことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の気化冷却機能を有する外装材。
【請求項6】
前記多孔体同士をつなぐ連結材および支持部材がカバー部材で覆われていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の気化冷却機能を有する外装材。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−157735(P2011−157735A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−20662(P2010−20662)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【出願人】(593178649)株式会社アベルコ (7)
【Fターム(参考)】