説明

気液接触装置

【解決課題】 大型の吸収液溜め槽において曝気する際、効率的な気液混合攪拌を行うことができる気液接触装置を提供する。
【解決手段】 曝気槽10と、該曝気槽10の側壁にノズル先端が貫通している気液混合手段32と攪拌機31とを備えた気液接触装置1であって、前記気液混合手段32が、内部に流路狭小部を形成し前記流路狭小部の下流側に配管接続のための開口を設けた液体供給配管と、前記液体供給配管の開口に挿入した気体供給配管とを備え、前記液体供給配管に液体を流入することにより、前記流路狭小部下流の開口領域に負圧が発生し、前記開口から気体を吸引し液体中に分散することができるようになっており、前記攪拌機31が、前記気液混合手段32より高い位置に、前記気液混合手段から供給される噴流の流線に対して攪拌面36が垂直になるように配置された気液接触装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液接触装置およびそれを用いた排煙脱硫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石炭火力発電所排ガス等の脱硫装置として湿式脱硫装置が一般的に用いられている。湿式脱硫装置においては、排ガス中に含まれるSO2等の硫黄酸化物を石灰石等のアルカリを含む溶液に接触吸収させ、生じた亜硫酸イオンを含む溶液を液溜め部で受けたのち、酸素含有ガス(一般的には空気)と接触酸化させることにより硫酸塩(石膏)に変換する処理が行われている。
【0003】
かかる湿式排煙脱硫装置においては、アルカリを含む溶液を液溜め部に設けられた吸い込み口より汲み上げて再度硫黄酸化物の吸収液として利用することが行われているが、亜硫酸イオンが残留した吸収液を使用すると脱硫性能が低下するので、ポンプサクションから吸い込む前に液溜め部全体に酸素含有ガスを行き渡らせ、亜硫酸イオンの充分な酸化を行っておく必要がある。
【0004】
このような気液混合攪拌手段としては、ブロワを用いて曝気槽へ気体を直接供給する配管と、供給された気体を剪断しかつ微細化して前方に押し出す攪拌機とを組み合わせた構成がこれまで知られている(特許文献1の図13(c)や特許文献2を参照)が、最近では、ブロワレスな気液混合供給が実現可能で、可動部がなくメンテナンス性に優れ、低コストである点で、ジェットエアスパージャー[JAS]が好適に用いられている。
【0005】
JASとは、図9に示すように、内部に流路狭小部91を形成した液体供給配管92と該液体供給配管内部の流路狭小部下流域に開口部93を設けて連結した気体供給配管94とを備えた気液混合攪拌手段である。液体供給配管に供給された液体の流れは、流路狭小部の下流域に負圧領域95を発生し、エジェクタ効果によって分岐配管から供給される気体96を吸引しつつノズルから排出する。これにより気泡を含む噴流の供給がブロワを用いることなく実現できる。
【0006】
しかしながらJASから供給される気液混合された噴流の流線は直線的であり、流線に垂直な方向への気液混合流の供給が不充分になりやすい傾向がある。
そこでこれまで排煙脱硫装置においては、図10に示すように曝気槽100全体への充分な気泡供給効果を担保するため、吸い込み口102を設けた側壁と対向する側壁にJAS101を複数本、間隔L2を狭めて並列に配置する構成が採用されている。
【特許文献1】国際公開00/009243号パンフレット
【特許文献2】特開2004−181327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
JAS自体は安価であるので、複数本設けることは可能である。しかしながら、JASの各々から所定の圧力で噴流を出すためには循環ポンプの出力を上げる必要があり必然的に循環ポンプの消費電力が増大するという問題がある。
またSOx含有量が少なく、本来であればJASの本数を減らしても液溜め部に酸化に充分な酸素量を供給できる排ガスの処理に際してJASを過剰数配置しなければならないという問題もある。
【0008】
本発明は上記現状に鑑み、大型の吸収液溜め槽において曝気する際、効率的な気液混合攪拌を行うことができる気液接触装置、ならびに、該気液接触装置を組み込んだ排煙脱硫装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明に係る気液接触装置は、前記目的を達成するために、曝気槽と、該曝気槽の側壁にノズル先端が貫通している気液混合手段と攪拌機とを備えた気液接触装置であって、前記気液混合手段が、内部に流路狭小部を形成し前記流路狭小部の下流側に配管接続のための開口を設けた液体供給配管と、前記液体供給配管の開口に挿入した気体供給配管とを備え、前記液体供給配管に液体を流入することにより、前記流路狭小部下流の開口近傍に負圧が発生し、前記開口から気体を吸引し液体中に分散することができるようになっており、前記攪拌機が、前記気液混合手段より高い位置において、前記気液混合手段から供給される噴流の流線に対して攪拌面が垂直になるように配置されているものである。
本発明に係る排煙脱硫装置は、燃焼排ガス中の硫黄酸化物をアルカリを含む吸収液により洗浄して脱硫するための排煙脱硫装置であって、前記気液接触装置と、前記気液接触装置の曝気槽に設けられた吸収液の吸い込み口から吸収液を吸い込み、前記気液接触装置の液体供給配管に循環させる循環ポンプと、
前記吸収液を噴出し排煙と接触させる散布手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の気液接触装置を用いることにより、気液混合手段によって生じる循環流が届かない領域にも気液混合流を行き渡らせることができ、曝気槽の有効体積を大きくすることができる。
本発明の気液接触装置を用いることにより、隣り合う気液混合手段の間隔を考慮する必要がなくなり、気液混合手段の配置を自由に設定することができる。また、気液混合手段の本数を減らしても曝気槽全体に気泡を行き渡らせることができるので、気液混合手段への液体供給に要する消費電力を低減することができる。
本発明の排煙脱硫装置においては、本発明の気液接触装置を採用していることにより、硫黄酸化物を吸収して生成する亜硫酸イオンの酸化を曝気槽全体にわたって充分行うことができる結果、散布手段にて散布される吸収液中の亜硫酸イオンを低減し、脱硫性能の低下を抑制することができる。
本発明の排煙脱硫装置は、また硫黄酸化物の含有量が少なく、本来であればJASの本数が少なくても液溜め部に酸化に充分な酸素量を供給できる燃焼排ガスの処理に際して、JASを過剰数設置する必要がなくなり、設置すべきJASの本数が減ることにより、吸収液を所定の圧力でJASへ循環供給するための循環ポンプの消費電力コストを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。同じ部材には同じ符号を付して表した。なお、本発明は以下に説明する形態に制限されるものではない。
本発明の気液接触装置は、曝気槽の側壁より底面に向けて気液混合手段を配設している。気液混合手段としては、内部に流路狭小部を形成し、前記流路狭小部直後に配管接続のための開口を設けた液体供給配管と、前記液体供給配管の開口に挿入した気体供給配管とを備え、前記液体供給配管に液体を流入することにより、前記流路狭小部直後の領域に負圧が発生し、前記開口から気体が引き込まれ液体とともに噴流が前記曝気槽へ流出するジェットエアスパージャー[JAS]を採用することができる。
【0012】
曝気槽におけるJASは、気泡が曝気槽の深層部において液体と充分接触するようにそのノズル先端を曝気槽底面に向けて配置する。
図1に示すように曝気槽10側面に設置されたJASノズル11から吹き出す噴流12の流線は、JASノズルの吹き出し口13付近においてはJASノズル11の向く方向とほぼ同一であるが、噴流が所定の噴流到達距離L1まで達したのちには水平方向の運動量を失い、気泡の浮力に従って鉛直方向上方に向く。水面近くに達した噴流は、図2(b)の曝気槽側面図に示すように、噴流の吹き出し方向に沿った流れ21a、21bを生じさせる。流れ21aは深さ方向の循環流を形成し、流れ21bの一部は、曝気槽10の側壁22付近に達し、図2(a)の曝気槽平面図に示すように、横方向にある程度の広がりをもった流れ21cを生じさせる。
しかしながらJASノズル11のみを用いた構成では、噴流の横方向への広がりが乏しく、気泡が充分に行き届かない領域23が生じる。またノズル吹き出し口の真上または真下の領域にも、気泡が充分に行き届かない領域24が生じる。
【0013】
本発明者らは、鋭意研究した結果、攪拌機をJASの主噴流の流線に対して攪拌面が垂直になるように設置することが、曝気槽全体に気泡を行き届かせるために最も効率的であることを見いだした。
「流線」とは、通常JASより噴出された噴流は気泡を伴って上昇流に転じ水面に達することから、JASノズル先端より噴出された流体の噴流動圧あるいは流速が最も高い地点をJASノズル先端から水面まで結んだ線となる。流体の流速の計測方法として、動圧や超音波干渉により計測するなどさまざまあるが、大きなタンク内の流動計測には3次元電磁流量センサー等が好適に用いられる。「攪拌面」とは、攪拌機の回転軸に対して垂直な面のうち、攪拌翼が通過する面をいう。
【0014】
本発明の一つの態様として、図3では、攪拌機31はJASノズル32の吹き出し口付近に設置している。本態様では、図3(b)から明らかなようにJASノズル32の真上に、JASノズル32の向く方向と攪拌機31の攪拌面36とが垂直になるように設置している。このように攪拌機を設置することにより、JASの主噴流33を乱すことなく、むしろJASの主噴流が行き届かない領域を補完するように新たに攪拌機の回転中心から放射方向の流れ34と回転軸方向の流れ35が生じ、ノズル吹き出し口の真上または真下の気泡が少ない領域22に充分な気泡を供給するための新しい循環流を作り出す。
攪拌機31は、通常JASノズル32より高い位置に設ける。JASノズル32より低い位置に設けた場合、水深が深くなることにより水圧が高くなり、必然的に攪拌機31の駆動に要する電力が増大するからである。
攪拌機の回転数は、通常、10rpm〜100rpmの間とする。10rpm未満であると、気泡が少ない領域への気体の供給が不充分となる場合があり、100rpmを超えるとJASの主噴流を乱す場合がある。
攪拌機の設置位置は、JASノズルより高い位置であれば、JASノズルの鉛直方向真上に限定されるわけではなく、例えば、曝気槽側壁に並列配置されたJASノズルの間の位置に設置してもよい。
また、攪拌機の設置個数は、JASノズルの本数と同じであっても、異なっていてもよい。
【0015】
本発明の気液接触装置の他の態様を図4に示す。噴流33は上述のように所定の到達距離L1まで達した後運動量を失い、気泡の上昇に伴って鉛直方向上方に向く。攪拌機は、攪拌面41が水面42に対して平行になるように気液接触装置の天井43から回転軸44を鉛直方向に下ろして設置することもできる。
図4のように攪拌機を設置した場合、JASの主噴流を乱すことなく、むしろJASの主噴流が行き届かない領域を補完するように新たに攪拌機の回転中心から放射方向の流れ45が生じ、ノズル吹き出し口からの噴流が行き届かない領域23に充分な気泡を供給するための循環流となる。
【0016】
本発明の気液接触装置は、以上のように、攪拌面がJASの主噴流の流線に対して垂直になるように攪拌機を配置していることにより、JASの主噴流を乱さず、新たに種々の循環流等を生じさせることができ、曝気槽において気泡が行き届かない領域を著しく少なくすることができる。
【0017】
本発明の気液接触装置において採用しうる攪拌機の種類としては、特に限定されないが、例えば、タービン型、傾斜パドル、プロペラ型、パドル型、アンカーパドル型、門型パドル型、リボン型等の種々のインペラ形状を有する攪拌機を用いることができる。なかでも放射方向への攪拌力のみならず、前方への押し出しを強めたタイプの攪拌機が特に効果的であり、傾斜パドルが好適に用いられる。
【0018】
本発明の気液接触装置は、ごみ処理、石炭燃焼等の際に発生する排煙の脱硫装置;スラリーの曝気を行う回分反応器等の化学合成プラント用装置等曝気を要する装置に適用しうるが、なかでも燃焼排ガス中の硫黄酸化物をアルカリを含む吸収液により洗浄して脱硫するための排煙脱硫装置に好適に採用することができる。
【0019】
本発明に係る排煙脱硫装置の一態様を図5に示す。
図5にかかる排煙脱硫装置50では、上述した本発明に係る気液接触装置100と、前記気液接触装置の曝気槽51側壁に設けられた吸収液の吸い込み口52から吸収液53を吸い込み、前記気液接触装置の液体供給配管54に循環させる循環ポンプ55と、前記吸収液を噴出し排煙と接触させるスプレーノズル等の散布手段56とを備えている。
本構成では、循環ポンプ55が、液体供給配管54に吸収液を循環させるとともに、一部を排煙脱硫装置上部に設けた散布手段56へ送液しているが、液体供給配管に吸収液を循環するポンプと、散布手段へ送液するポンプとは別個独立のものであってよい。
本発明に係る排煙脱硫装置の他の態様として、図6に示すように、特に並流ガス塔61と向流ガス塔62とを備えた二塔式(並向流式)の排煙脱硫装置60において天井63から攪拌機64の回転軸65を下ろす方式を採用することもまた可能である。
【0020】
排煙脱硫装置の曝気槽に設けられる気液混合手段および攪拌機は、吸収液の吸い込み口から離れた位置に配置する。従って、曝気槽が角型の場合、図7(a)(b)に示すように、通常、吸収液の吸い込み口71を設けた曝気槽側面72と対向する面73に液体供給配管74および攪拌機75を並列に設置する。また曝気槽が円筒状の場合、図8に示すように、JASノズル74および攪拌機75が円筒底面の中心付近に向くように円筒側壁に配置することができる。これにより噴流中の微細な気泡が循環ポンプに吸い込まれ、ポンプ性能を低下させるのを防ぐことができる。
【0021】
曝気槽は、吸収液の吸い込み口付近にパンチングプレート76等の気泡遮断手段を備えることが好ましい。これにより微細な気泡の循環ポンプへの吸入をより確実に防ぐことができる。
【0022】
本発明の排煙脱硫装置においては、本発明の気液接触装置を採用していることにより、硫黄酸化物を吸収して生成する亜硫酸イオンの酸化を曝気槽全体にわたって充分行うことができる結果、散布手段にて散布される吸収液中の亜硫酸イオンを低減し、脱硫性能の低下を抑制することができる。
【0023】
本発明の排煙脱硫装置は、また硫黄酸化物の含有量が少なく、本来であればJASの本数が少なくても液溜め部に酸化に充分な酸素量を供給できる燃焼排ガスの処理に際して、JASを過剰数設置する必要がなくなり、設置すべきJASの本数が減ることにより、吸収液を所定の圧力でJASへ供給するための循環ポンプの消費動力等の増加を抑制することができる。
【実施例】
【0024】
実施例1
図7に示すように一室式吸収塔を備えた湿式排煙脱硫装置の幅21m奥行き9.9mのタンクに高さ5mまで濃度50mmol/lの石灰石(炭酸カルシウム)を含む濃度30質量%の石膏スラリーを貯留した。つぎに幅21mのタンク壁面に、噴流口がタンク底面に向くようにJAS(ノズル口径150A、流路狭小部口径110mm)を7本等間隔に設け、JASノズル中心から3m上方に、翼直径1.6mのタービン型攪拌機を、攪拌面がJASのノズル口から垂直になるように6m間隔で3基配置した。またJASを設置した壁面と対向する壁面の下部に吸入口を設けた。
ポンプサクションによって吸入口からタンク中の水溶液を汲み上げ、汲み上げた溶液の一部をタンクの上部配管に設けたスプレーノズルから吹き上げることにより、500ppmのSOx濃度の排ガスと接触させSOxを吸収した。一方排ガスの吸収に用いなかった一部の水溶液はJASの液体供給配管へ循環させ、空気の気泡を含む水溶液を噴流の到達距離6mでタンク中に噴出した。JAS1本あたりの液流量は470m3/h、JAS1本あたりの空気流量は230m3/hになるようにポンプ動力を設定した。
【0025】
実施例2
図6に示すように二室式吸収塔を備えた湿式排煙脱硫装置の幅21m奥行き20mのタンクに濃度50mmol/lの石灰石(炭酸カルシウム)を含む濃度30質量%の石膏スラリーを貯留した。流路狭小部口径110mm)を7本等間隔に設けた。またJASを設置した壁面と対向する壁面の下部にポンプサクションを設け、攪拌機は、タンク天井から翼直径1.6mのタービン型攪拌機を攪拌面が水面に平行になるように8mの間隔を置いて2基配置した。2基の攪拌機はJASノズル先端から10m離間した位置に設けた。
ポンプサクションによって吸入口からタンク中の水溶液を汲み上げ、汲み上げた溶液の一部をタンクの上部配管に設けたスプレーノズルから吹き上げることにより、500ppmのSOx濃度の排ガスと接触させSOxを吸収した。一方排ガスの吸収に用いなかった一部の水溶液は、JASの液体供給配管へ循環させ、
空気の気泡を含む水溶液を噴流の到達距離6mでタンク中に噴出した。
【0026】
実施例1および実施例2において、攪拌機を運転した場合(回転数30rpm)と、運転しなかった場合とでポンプサクション液中の亜硫酸イオンの濃度を比較した。なお、亜硫酸イオンの濃度は、スラリーをサンプリングしてヨードメトリーで測定した。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】

表1から、実施例1および2のいずれの設置形態であっても、亜硫酸イオン濃度が低下しており、噴流に対して所定の方向へ攪拌基を設置することにより、攪拌による気液接触性能が向上していることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、JASノズルの噴流の流線を示す模式図である。
【図2】図2は、JASノズルのみを用いた場合の気泡の少ない領域を示した図である。
【図3】図3は、本発明の気液接触装置における攪拌機の設置位置の一態様を示す模式的平面図(a)および模式的側面図(b)である。
【図4】図4は、本発明の気液接触装置における攪拌機の設置位置の一態様を示す模式的平面図(a)および模式的側面図(b)である。
【図5】図5は、本発明の排煙脱硫装置の全体的概要を示す模式図である。
【図6】図6は、本発明の排煙脱硫装置の一態様として二塔式排煙脱硫装置を示す模式図である。
【図7】図7は、本発明の排煙脱硫装置における気液混合手段の設置態様の一例を示す模式的平面図(a)および模式的側面図(b)である。
【図8】図8は、本発明の排煙脱硫装置における気液混合手段の設置態様の一例を示す模式的平面図である。
【図9】図9は、気液混合手段の内部構造および構成を示す模式的断面図である。
【図10】図10は、従来の排煙脱硫装置におけるJASノズルの配置態様を示す模式的平面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 気液接触装置
10、51、100 曝気槽
11、32 気液混合手段(JASノズル)
12、33 噴流
21a,b,c 流れ
22 曝気槽側壁
23、24 気泡が少ない領域
31、64、75 攪拌機
34、45 放射方向流れ
35 回転軸方向流れ
36、41 攪拌面
42 水面
43 天井
44、65 回転軸
50、60、70 排煙脱硫装置
52、71 吸い込み口
53 アルカリ吸収液
54、74 液体供給配管
55 循環ポンプ
56 散布手段
61 並流ガス塔
62 向流ガス塔
63 天井
72 曝気槽側面
73 対向面
76 パンチングプレート
91 流路狭小部
92 液体供給配管
93 開口部
94 気体供給配管
95 負圧領域
96 気体
101 JAS

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曝気槽と、該曝気槽の側壁にノズル先端が貫通している気液混合手段とを備えた気液接触装置であって、
前記気液混合手段が、内部に流路狭小部を形成し前記流路狭小部の下流側に配管接続のための開口を設けた液体供給配管と、前記液体供給配管の開口に挿入した気体供給配管とを備え、前記液体供給配管に液体を流入することにより、前記流路狭小部下流の開口近傍に負圧が発生し、前記開口から気体を吸引し液体中に分散することができるようになっており、
前記気液混合手段のノズル先端より高い位置において、前記気液混合手段から供給される噴流の流線に対して攪拌面が垂直になるように攪拌機を備えた気液接触装置。
【請求項2】
前記攪拌機が、傾斜パドルである請求項1に記載の気液接触装置。
【請求項3】
燃焼排ガス中の硫黄酸化物をアルカリを含む吸収液により洗浄して脱硫するための排煙脱硫装置であって、
請求項1または2に記載の気液接触装置と、
前記気液接触装置の曝気槽に設けられた吸収液の吸い込み口から吸収液を吸い込み、前記気液接触装置の液体供給配管に循環させる循環ポンプと、
前記吸収液を噴出し排煙と接触させる散布手段とを備えた排煙脱硫装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−6245(P2009−6245A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169189(P2007−169189)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】