説明

気相からの凝集物の製造

【課題】気相からの凝集物、例えば単層または多層カーボンナノチューブから繊維を製造して機械的または電子的特性を向上する。
【解決手段】1つまたは複数のガス状反応物質の流れを反応器12に通す工程と、反応器12の反応領域内で1つまたは複数のガス状反応物質を反応させて、エーロゲルを形成する工程と、該エーロゲルを凝集物4へと凝集させる工程と、該凝集物4に力を加えて、それを反応領域外に連続的に移動させながら繊維24にする工程とを含む製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝集物、例えば単層または多層カーボンナノチューブの繊維またはフィルムの製造方法、ならびにそのように製造される凝集物に関する。
【背景技術】
【0002】
60バックミンスターフラーレン分子(H.W. Kroto, J.R. Heath, S.C. O'Brien, R.F. Curl and R.E. Smally, Nature 318, 162 (1985))およびカーボンナノチューブ(S. Ijima, Nature 354, 56 (1991))の発見のため、カーボンナノ粒子は、多くの注目を受けてきた。カーボンナノ粒子は、典型的には少なくとも一寸法が1〜100nmであるが、カーボンナノチューブは数ミリメートルまでの長さを有する。1990年代初頭におけるC60研究の爆発的急増は、高圧アーク放電法を用いたKrastchmer他(W. Kratschmer, L.D. Lamb, K. Fostiropoulos and D.R. Huffman, Nature 347, 354 (1990))による多量(数ミリグラム)の物質の生成により推進された。
【0003】
カーボンナノチューブにより示される顕著な機械的および電子的特性は、大量生産技術を開発するための努力を助成してきた。その結果、カーボンナノチューブは漸増的に利用可能になってきており、学界および産業界の両方からのより多くの注目が大量でのカーボンナノチューブの適用に集まっている。これらの格好の状況は、ポリマーマトリックスの絶縁における導電性充填剤としての、ならびに構造物質中の補強剤としてのカーボンナノチューブの使用を含む。その他の潜在的用途は、ナノサイズの、それゆえ超高表面積対容積比の触媒に成長するための鋳型として、あるいはカーボンナノチューブを組合せてナノ電子素子を生成する目的で、カーボンナノチューブのサイズを利用する。
【0004】
カーボンナノチューブは高価で且つ低生産量であるため、目下、ほとんどの大規模構造的体および電気的用途における充填剤としてのそれらの使用が支障をきたしている。今のところ、いくつかの産業的および行政的プロジェクトが、費用効果的方式で、数キログラムの単層および多層カーボンナノチューブを大量生産するために進行中である。
【0005】
カーボンナノチューブは、従来、種々のアプローチ、例えば炭素/触媒混合物標的のレーザーまたはアーク放電アブレーションを用いて生成されてきた。大規模合成に関しては、ほとんどの有望な方法が、化学的蒸着(CVD)を基礎にしてきた。CVDは典型的には安価な供給原料を用い、相対的に低いエネルギー要件を有し、したがって大量合成の目的のための興味を引いてきた。CVD法では、炭素含有ガスは、微粉砕触媒(通常は鉄、ニッケル、コバルトまたはその他の遷移金属または合金)の影響下で、炉の反応領域において高温で分解される。
【0006】
触媒粒子は、有機金属化合物の分解によりin situで製造され得るし、あるいは固定基体上のCVD炉中に導入され得る(W.E. Alvarez et al., Carbon 39 (2001) 547-558;WO00/17102;WO00/73205)。特に小型ナノチューブおよび単層ナノチューブの成長のためには、非常に小さい金属クラスター(1nm程度)が必要とされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このCVD法は、成長中の繊維が反応領域の下流の低温域で凝縮して、高架橋網状構造を形成するという欠点を有する。これらの網状構造は、典型的には方法の開始から1〜2分以内に、ガス状炭素源の流れを遮断する。ガス流の遮断は、反応領域での圧力および化学組成の有意な変化をもたらし、生成物の構造が変更され、全体的収量が低減されるという結果を伴う。これは、良好な結果を達成するために生成物が定期的に除去されなければならず、そのため連続製法が不可能であるということを意味する。
【0008】
さらに、この方法で生成されるカーボンナノチューブ生成物の品質は制御されない。大型炭素粒子、非晶質炭素および直径の太い繊維が典型的には生成される。
【0009】
取扱いの容易性のために繊維またはその他の凝集物の形態でカーボンナノチューブを生成し、あるいは所望の形状または直接塗布のための構成成分上の被覆で目的物を製造するのが望ましい。
【0010】
有機溶液中に網状構造を分散し、溶液を乾燥することにより、架橋カーボンナノチューブ網状構造をカーボンナノチューブ繊維に加工する試みがなされてきた。このように生成された繊維性生成物は、カーボンナノチューブおよびポリマーの複合体である(Brigitte Vigolo, Alain Penicaud, Claude Coulon, Cedric Sauder, Rene Pailler, Catherine Journet, Patrick Bernier and Philippe Poulin, "Macroscopic Fibres and Ribbons of Oriented Carbon Nanofibres", Science 290, 1331 (2000))。カーボンナノチューブからの繊維の凝集紡績(coagulation spinning)も、米国特許第2002/0113335A号(Lobovsky他)で報告されている。
【0011】
カーボンナノチューブの長さ30cmの繊維が、ケイ素基体上の網状構造から延伸され得るということが示されている(Kaili Jiang, Qunqing Li, Shoushan Fan, "Spinning continuous carbon nanotube yarns" Nature 419, 801 (2002))。
【0012】
近年、単層カーボンナノチューブの20cm長繊維が、CVD製法の生成物中に観察された(H. W. Zhu, C.L. Xu, D.H. Wu, B.Q. Wei, R.Vajtai and P.M. Ayajan, "Direct Synthesis of Long Single-Walled Carbon Nanotube Strands", Science, 296 (2002) 884-886)。しかしながらこの文書は、高収率でこのような繊維の製造方法をいかに制御するかを開示していない。このように生成された生成物が高比率のスート(soot)を含有し、繊維は、非常に狭い合成条件ウインドウで生成物の小分画中でのみ得られるということを本発明者等は見出した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明の第一の態様では、凝集物を製造する方法であって、
1つまたは複数のガス状反応物質の流れを反応器に通す工程と、
反応器の反応領域内で1つまたは複数のガス状反応物質を反応させて、生成物粒子を形成する工程と、
生成物粒子を凝集物へと凝集させる工程と、
凝集物に力を加えて、それを反応領域外に連続的に移動させる工程と
を含む凝集物の製造方法を提供する。
【0014】
好ましくは、凝集物は繊維またはマットである。「繊維」という用語は、一寸法が他の2つの寸法より大きい構造を指すために一般に用いられる。繊維は一般に横断面が円形であり得る(糸様繊維)し、あるいは一般に横断面が長方形であり(リボン様繊維)、あるいは他の形状を有し得る。繊維は中空であってもよい。「マット」という用語は一般に、1つの寸法が他の2つの寸法より小さい構造を指すために用いられる。マットは平坦なまたは湾曲した形状であり得る。
【0015】
任意に、生成物粒子に加えられる力は、機械的力である。
【0016】
凝集物が繊維である場合、生成物粒子に加えられる機械的力は、繊維が巻きつけられる回転スピンドルにより加えられ得る。このようにして、繊維はスピンドル上に回収されるか、あるいは1つまたは複数回、スピンドルの周囲を回転後、スピンドルは連続的に巻戻されて、他の箇所に蓄積され得る。適切には、スピンドル軸は1つまたは複数のガス状試薬の流動方向に対して垂直または平行であるが、スピンドル軸の他の配向も用いられ得る。例えばガス流の方向に対して25°の角度のスピンドルが首尾よく用いられてきた。
【0017】
スピンドルは2つの軸の周囲を、例えば2つの垂直軸の周囲を回転し得る。特にスピンドルは、ガス状試薬の流れの方向とそれぞれ垂直および平行な軸の周囲を回転し得る。このようなスピンドルは、撚り数/メートルが制御され得るよう、繊維を引いたり撚り合わせたりする。
【0018】
スピンドルは、金属、セラミックまたはポリマーから作られ、異なる形状を有する。スピンドルは、スピンコーティング製法により、物体(例えば炭素物体)を製造するための鋳型として用いられ得る。好ましいスピンドルは、棒形状または箱形状である。コーティング厚および炭素生成物の配向は、反応時間および反応条件により、あるいは電場またはその他の場を印加することと結びつけられ得る示差的動き、例えばガス流誘導力により制御され得る。コーティングは、例えば固体マトリックス、例えばポリウレタン、ポリエステルまたはエポキシ樹脂を構成する物質を用いた含浸により強化され得る。含浸は、スピンコーティングの最中または後に行われ得る。
【0019】
好ましくは、スピンドルは0.01〜10,000rpmの速度で回転する。より好ましくは、スピンドルは0.1〜100rpmの速度で回転する。スピニング速度は、物質が生成されるのと同様の速度で回収されるように調整され得る。回転速度は、繊維の厚みを制御するために用いてもよい。好ましい一実施形態では、スピンドルが回転すると、それが軸方向に加工処理する。これは、繊維が1つの位置のみというよりむしろ、スピンドルに沿って等しく巻きつけられるということを意味する。
【0020】
繊維技術に用いられるその他の配置を用いてもよい。
【0021】
凝集物は、例えば反応器中に置かれた基体により、例えば反応器の壁上に回収され得る。基体は、固定されるか、あるいは凝集物が回収される場合に、凝集物に強力な且つ等しい力を加えるために用いられる回転ガイドであり得る。繊維技術に用いられる適切な配置は、互いに直交する位置の2つのガイドからなる。
【0022】
任意に、生成物粒子に加えられる機械的力は、加速ガス流により加えられる。適切には加速ガス流は、生成物粒子を、狭い直径を有する反応器に通すか、または反応領域の下流の毛細管に通すことにより発生される。真空が生成物粒子に適用してもよい。
【0023】
代替的には生成物粒子に加えられる力は、帯電プレートにより適切に印加される静電力であってもよい。この場合、生成物粒子が荷電されることが当然に必要である。帯電プレートの使用は、帯電プレートをコーティングするマットの形態での凝集物の生成をもたらし得る。
【0024】
さらなる代替物として、生成物粒子に印加される力は磁力であってもよく、あるいは光源により加えられる光子圧であってもよい。
【0025】
ガス状試薬は、液体の形態で注入され得る。試薬は、単一注入口により、または多注入口により、例えばシャワーヘッド配置で注入され得る。
【0026】
任意に、該方法は、凝集物の製造を開始するための始動工程を含む。適切な技法としては、凝集を開始させるための吸引銃または圧搾空気の使用、あるいは所望の生成物経路に沿った反応器からの移動基体の延長が挙げられる。適切には、移動基体は接着剤で被覆されたワイヤである。ワイヤは凝集を開始させ、そしてワイヤに力を加えることにより反応器から凝集粒子が取り出され得るように凝集粒子がワイヤに接着する。
【0027】
任意に、初期凝集物生成を促進するために、シーディング粒子を生成物粒子と接触させる。
【0028】
任意に、凝集物生成を促すために反応器はキャッチャを備える。キャッチャは、生成物粒子が通過する環の形態であり得るし、あるいは注入器から吊り下げられ得る棒の形態であり得る。
【0029】
好ましくは、生成物粒子は異方性である。好ましい一実施形態では、生成物粒子はフィブリル状(fibrillar)である。フィブリル状生成物粒子は、凝集物中で配向されてもよいし、配向されなくてもよい。適切には、フィブリル状生成物粒子はナノ寸法である。
【0030】
好ましくは、1つまたは複数のガス状試薬は500〜1,600℃の温度で反応される。より好ましくは、1つまたは複数のガス状試薬は1,000〜1,500または1,600℃の温度で反応される。適切には温度勾配は反応器内で保持され、反応領域は反応器の生成物領域より高い温度である。
【0031】
ガス状反応物質は、希釈剤として作用する1つまたは複数のガスと混合され得る。ガス状反応物質は、反応において直接的役割を担わないが一助となる役割を担うガスと混合してもよい。例えば、生成物がカーボンナノチューブである場合、非晶質炭素(副産物として)が生成された時にそのガスは非晶質炭素と反応することにより触媒上の反応部位を清浄に維持し、ナノチューブ生成を利用可能にする。
【0032】
希釈剤として用いられ得るガスとしては、アルゴンまたはその他の不活性ガス、水素、窒素、アンモニア、二酸化炭素またはヘリウムが挙げられる。水素は特に好ましい。適切には、希釈剤流量は2,000ml/分までである。好ましくは、希釈剤流量は400〜800ml/分である。
【0033】
ガス状反応物質および任意の希釈剤に関する好ましいガス圧は、0.1〜50bar A、好ましくは0.5〜5bar A、さらに好ましくは1〜2bar Aである。炉からのガス流出は、清掃に伴ってまたは伴わずにリサイクルされ得る。
【0034】
凝集生成物をモニタリングし、得られた情報に従って反応条件を変更することにより生成物は制御され得る。例えば生成物は、オンラインラマン分光法によりモニタリングされ得る。カーボンナノチューブに関しては、これは、ナノチューブの単層または多層性、ナノチューブの直径、ならびにナノチューブの結晶度を示す。生成物は、オンライン導電率測定、ガス分析、反応領域の不透明度のモニタリングおよび/または巻取り力のモニタリングによってもモニタリングされ得る。反応条件は、オペレーターにより、または自動的に変更され得る。
【0035】
凝集物が反応器から除去される時、空気の反応器への進入が防止されるのが好ましい。希釈ガスが水素を含む場合、これは特に重要である。そうでなければ水素および空気の爆発性混合物が反応器中に形成されるかもしれないからである。
【0036】
空気は、種々の方法で反応器に進入するのを防止され得る。適切には、液体、例えばシリコーン油または処理液を含入するU字管を介して、凝集物が反応器から除去される。液体は、反応器に空気が進入するのを防止するための封止材として作用する。反応器からのガスは、U字管から排気管を介して流出する。
【0037】
あるいは凝集物は、反応器に空気が進入するのを防止する弁を介して反応器から除去され得る。
【0038】
任意に、該方法は、例えば処理液の浴に凝集物を通すことにより、あるいは処理ガスを凝集物に噴霧することにより、凝集物を処理流体と接触させる工程をさらに含む。有用な処理液としては、接着剤および滑剤、例えばポリマー、オルガノシランまたはポリウレアシラザン、あるいは酸が挙げられる。
【0039】
任意に、該方法は、加熱により凝集物を1つまたは複数の繊維とアニーリングする工程をさらに含む。
【0040】
任意に、凝集物が繊維である場合、該方法は、繊維を1つまたは複数の他の繊維と紡ぐ(spinning)工程をさらに含む。
【0041】
任意に、該方法は、凝集物から繊維を再び紡ぐ(respinning)か、あるいは凝集物から繊維を延伸する(drawing)工程をさらに含む。これを用いて、生成物粒子の配向を改善し、機械的特性を改善し得る。この工程の後に洗浄するか、またはこの工程の前に洗浄し得る。
【0042】
任意に2またはそれ以上の繊維処理工程(例えば再延伸(redrawing)、浸透および加熱)が組合され得る。
【0043】
好ましい実施形態では、生成物粒子は、炭素、窒化ホウ素、またはポリマー、例えばポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、エチレン−プロピレンコポリマーまたはナイロン(登録商標)を含み得る。
【0044】
付加ポリマーは、例えばチーグラー・ナッタ(Ziegler-Natta)触媒の存在下で、気相中のモノマー供給原料から形成され得る。ポリプロピレンの連続生成は、好適な例である。ここでは、プロピレンが、その分解温度より低い温度で、大気圧に近い(しかしそれに限定されない)圧力で、気相中に注入され得る。触媒は、ジルコニウムジシクロペンタジエン(または類似体、例えばチタニウムジシクロペンタジエン(DCP))と、アルミニウムアルキル、例えばジエチルアルミニウムクロライド(これに限定されない)の添加物(add-mixture)との適切な混合物である。2つの種の比は、所望の分子量を得るために必要とされる正確な温度、圧力および滞留時間により決定され得る。70℃でほぼ大気圧でプロピレンへの触媒混合物の付加は、プロピレンの有意の分画のポリマーへの転化を生じ、未反応プロピレンはリサイクルのために利用可能である。ポリプロピレンが形成されると、それは捕獲され、連続繊維として反応領域から引き出される。
【0045】
好ましい実施形態では、生成物粒子はカーボンナノチューブまたはカーボンナノ繊維を含む。特に生成物粒子は、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブまたは単層および多層カーボンナノチューブの混合物を含み得る。
【0046】
適切には、カーボンナノチューブ生成物粒子は、化学的蒸着により生成され、この場合、ガス状反応物質は炭素源であり、炭素源は触媒の存在下で反応される。
【0047】
炭素源として用いるための適切な炭素含有化合物としては、一酸化炭素、二酸化炭素、ならびに芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、エチルベンゼン、ナフタレンまたはメシチレン、非芳香族炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、エチレン、プロピレンまたはアセチレン、ならびに酸素含有炭化水素、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、ポリエチレングリコール、1−プロパノール、蟻酸エチル、あるいはそれらの2またはそれ以上の混合物を含む炭化水素が挙げられる。好ましい実施形態では、炭素含有化合物は一酸化炭素(CO)、メタン、エチレンまたはアセチレンである。
【0048】
好ましくは、炭素源は酸素を含有する。エタノールは、特に好ましい炭素源である。酸素は、他の方法で、例えば希釈ガスまたは水を含有する炭素源を用いることにより、反応器中に導入され得る。
【0049】
適切には、炭素源は0.01〜10ml/分の速度で注入される。好ましくは、炭素源は0.08〜0.25ml/分の速度で注入される。
【0050】
適切には、触媒は、遷移金属群、特にVIB族クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、またはVIIIB遷移金属群、例えば鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)およびプラチナ(Pt)またはマンガン(Mn)、あるいはそれらの混合物である。ランタニドおよびアクチニド列からの金属(例えばイットリウム(Y))も用いられ得る。好ましいのは、Fe、Ni、Co、Moおよびそれらの混合物、例えばNiおよびCoの50/50混合物(重量で)、またはFeおよびNiの混合物、またはFeおよびMoの混合物である。これらの遷移金属のいずれも、単独で、または列挙された他の遷移金属のいずれかと組合せてクラスター中に用いられ、カーボンナノチューブ成長のための触媒としての機能を果たし得る。特に好ましい触媒は、2またはそれ以上の列挙された金属の混合物である。
【0051】
触媒は、好ましくは前駆体の分解により形成される。前駆体は、好ましくは、上記の1つまたは複数の金属の熱または光またはプラズマ分解性化合物、例えばカルボニルまたはシクロペンタジエニル有機金属化合物である。好ましい前駆体としては、フェロセン、鉄ペンタカルボニル、ニッケロセンおよびコバルトセンが挙げられる。適切には少なくとも0.01重量%の前駆体が炭素源中に含まれる。好ましくは0.2〜2.5重量%の前駆体が含まれ、例えば0.23〜2.3重量%の前駆体が含まれる。
【0052】
触媒担体が存在してもよい。適切な触媒担体としては、シリカおよび酸化マグネシウムが挙げられる。
【0053】
好ましくは、炭素源は促進剤の存在下で反応される。適切には、促進剤は、イオウ、リン、モリブデンおよびこれらの元素の有機化合物のうちの1つまたは複数である。チオフェンは、好ましい促進剤である。適切には、10重量%までの促進剤が炭素源中に含まれる。好ましくは0.2〜6重量%の促進剤が含まれる。高濃度または低濃度のチオフェンが用いられる場合、多層カーボンナノチューブが形成され、一方、中間濃度のチオフェンが用いられる場合には、単層カーボンナノチューブが形成されるということが判明した。例えば0%または1.5〜4.0重量%のチオフェンおよび2.3重量%のフェロセンを含有するエタノール、7.5ml/時の注入速度、400〜800ml/分の水素流量、および1,100〜1,180℃の合成温度を用いて、多層カーボンナノチューブが形成された。0.5〜1.5重量%のチオフェンおよび2.3重量%のフェロセンを含有するエタノール、7.5ml/時の注入速度、1,200ml/分の水素流量、および1,200℃の合成温度を用いて、単層カーボンナノチューブが形成された。
【0054】
第二の態様では、本発明は、配向カーボンナノチューブ中に被覆された物体を提供する。その物体は、本発明の方法を用いて、スピンコーティングにより形成され得る。物体は、例えばPVCまたはエポキシ樹脂に含浸され得る。
【0055】
第三の態様では、本発明は、上記の方法により生成される炭素繊維を提供する。好ましくは、本発明に従って生成される繊維は、少なくとも0.05N/Tex、さらに好ましくは、少なくとも0.5N/Texの強度を有する(0.10および1.0GPaと等価、密度2.0g/ccと仮定)。好ましくは、破損歪度は100%を超える。
【0056】
第四の態様では、本発明は、少なくとも50cm、例えば少なくとも100cmの長さを有するカーボンナノチューブ繊維に関する。さらに好ましくは、炭素繊維は少なくとも1m、例えば少なくとも10mの長さを有する。
【0057】
好ましくは、本発明の炭素繊維の機械的特性は、延伸するかまたは再び紡ぐことにより改善され得る。適切には延伸または再紡績は、繊維を少なくとも25%、さらに好ましくは少なくとも50%延長する。
【0058】
本発明の炭素繊維の使用は、以下のものを含む。
1.ポリマー充填剤
この使用は、繊維の機械的、電気的および熱的特性を利用する。繊維はプレプレグに織られ得る。スピンコーティングを用いて、複雑な形状を有する物体を形成し得る。
2.高級衣類に用いられる伝導性生地
3.電極
4.フィルターに関するガス吸収
5.ガス貯蔵
【0059】
第五の態様では、本発明は、カーボンナノチューブ凝集物を製造する方法であって、
反応器の反応領域内で炭素源を反応させてカーボンナノチューブを生成する工程と、
カーボンナノチューブに力を加えることによりカーボンナノチューブを凝集物へと凝集させる工程と
を含むカーボンナノチューブ凝集物の製造方法を提供する。
【0060】
適切には、カーボンナノチューブは、化学的蒸着、レーザーアブレーションまたは放電により生成される。
【0061】
第六の態様では、本発明は、繊維性凝集体を製造する方法であって、反応領域中の前駆体物質の反応によりガス中に懸濁されたフィブリル(fibril)を生成すること、フィブリルを凝縮させて上記凝集体を形成すること、および反応領域の近くから上記凝集体を連続的に引き抜くことを含む方法に関する。
【0062】
任意に、フィブリルは凝集体内に配向される。フィブリルは凝集体内で絡み合わされ得る。
【0063】
好ましくは、凝集体は繊維である。
【0064】
第七の態様では、本発明は、ナノチューブの凝集体を製造する方法であって、反応領域中でナノチューブを生成すること、ナノチューブを凝縮させて上記凝集体を形成すること、および反応領域の近くから上記凝集体を連続的に引き抜くことを含む方法に関する。
【0065】
第八の態様では、本発明は、ナノチューブの凝集体を製造する方法であって、反応領域中でナノチューブを生成すること、反応領域からナノチューブを連続的に静電気的に引き寄せること、および上記凝集体としてナノチューブを回収することを含む方法に関する。
【0066】
第九の態様では、本発明は、繊維性凝集体を製造する方法であって、反応領域中での前駆体物質の反応によりガス中に懸濁されたフィブリル雲状物を生成すること、および雲状物へ伸縮力を加えることより雲状物を引き伸ばして、繊維を凝縮させて上記凝集体を形成することを含む方法に関する。
【0067】
本発明の任意の態様と関連して記載される特徴は、本発明の任意のその他の態様とも関連して用いられ得る。
【0068】
図に例示されたような実施例を参照にしながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、実施例1に用いられる装置を示す。
【図2】図2は、実施例1で生成される繊維を示す。
【図3】図3は、実施例1で生成される繊維のマットを示す。
【図4】図4は、実施例1で生成される繊維を示す。
【図5】図5は、走査電子顕微鏡により観察した場合の実施例1で生成される繊維のマットを示す。
【図6】図6は、実施例2のスピンドルおよび生成物の端面図を示す。
【図7】図7は、PVCによる浸潤後の実施例2の生成物を示す。
【図8】図8は、実施例4の装置を示す。
【図9】図9は、実施例4の反応を示す。
【図10】図10A〜10Cは、実施例4で生成される繊維を示す。
【図11】図11は、アジマスサークル周囲で測定される実施例4の繊維のSEM画像の変換の干渉ピークの強度を示す。
【実施例】
【0070】
〔実施例1〕
本発明の好ましい一実施形態では、該方法は、図1に示した装置で実行する。該装置は、垂直配列円筒形石英反応器12を取り囲む垂直配列円筒形炉10より成る。代替的反応器は、円錐形であり得る。反応器12は、その上端に注入口14を、その下端に放出口16を有する。注入口14近くの反応器12内に配置されるのは、金属ワイヤの環の形態のナノチューブキャッチャ18である。代替的実施形態では、ナノチューブキャッチャ18は、ガラスワイヤまたは磁性材料の環であり得る。放出口16近くの反応器12内に配置されるのは、水平に延びるねじ20、適切には長さ300mmのステンレススチールねじである。代替的実施形態では、ねじは垂直に、または他の方向に延び得る。ねじ20はモーター22に連結され、内部ねじ込み棒21を保有する。
【0071】
使用に際しては、炉10を高温に加熱する。炭化水素溶媒中の触媒前駆体の溶液を、適切には15ml/時の速度で、注入口14を介して反応器12中に注入する。ねじ20を、適切には15rpmの速度でモーター22により回転させ、それが回転されると水平に棒21を前進させる。
【0072】
カーボンナノチューブを、炭化水素溶媒のCVD反応により反応器12内で中空ソックスの形態で、エーロゲル(即ち、粒子間の間隙を占めるガスを伴う固体粒子の連結網状構造)として形成する。ソックスは炉壁に付着せず、工程中はずっと清浄なままである。
【0073】
カーボンナノチューブをナノチューブキャッチャ18により回収して、シーディング繊維を形成する。さらなるナノチューブがシーディング繊維と凝集して、ナノチューブ繊維24を形成する。繊維24をねじ20上に巻きつける。ガス状反応物質の速度に近い巻上げ速度が達成され得る。ねじ20の棒21上の繊維24の巻きつけにより加えられる張力は、カーボンナノチューブと繊維24とのさらなる凝集を促進して繊維24を延長する。
【0074】
この工程を、30分またはそれ以上、連続的に実行し得る。繊維24をねじ20から回収する。
【0075】
炉からエーロゲルを抜き取ろうとしない場合、エーロゲルはガス流に伴って反応器を下降する。エーロゲルが炉の冷却末端に達すると(約500℃)、それは反応器壁に張り付いて、管全体に極薄い膜を形成し、これは時間とともに厚くなる。
【0076】
巻上げ速度が速すぎる場合、エーロゲルは別個の糸に分離し、これがねじ上に同時に巻きつけられる。
【0077】
エーロゲルの一部は対流により炉内の上方に運ばれて、冷却壁または注入口に張り付いて繊維を形成し、これが反応器の軸に平行に垂れ下がって、成長し続ける。
【0078】
生成された繊維を図2〜5に示す。
【0079】
代替的実施形態では、ねじ20は、それが回転した場合に進行しない棒に取り替えられ得る。棒は、例えば楕円面の形状であり得る。
【0080】
さらなる代替的実施形態では、繊維24に張力を加えることなく、カーボンナノチューブに力を加え得る。例えばこのような力は、その下端に向かって狭くなり、任意に真空装置を放出口16に接続する反応器12を用いることにより、加えられ得る。これは、加速ガス流により、必要な力を提供する。加速ガス流は、狭い毛管を通してカーボンナノチューブを引き出すことにより、または反応領域の末端を冷却してガス収縮を引き起こすことによっても提供され得る。
【0081】
あるいは、ナノチューブを荷電し、反応器12の下方端に逆荷電プレートを置くことにより、静電力を印加し得る。磁力も印加し得る。
【0082】
高水素流速は、非晶質炭素の望ましくない生成を抑制することが見出されている。水素のアルゴンへの置換は、場合によっては、粒状炭素の望ましくない沈降をもたらすことが見出されている。しかしながら、これは炭素源の性質によっている。水素のアルゴンへの置換は、メタノールを供給原料として用いる場合には可能であることを立証した。
【0083】
〔実施例2〕
上記と同様の方法を、図1の装置の変形型を用いて実行した。
【0084】
管の末端部分に横材を有する変法反応器を用いて、反応器の冷却端で紡績を実行した。紡績は、ガス流と直角を成した。巻取りのための大面積を提供するために、立方体(20×20×50mm)の形状で金属製ワイヤからスピンドルを作製した。
【0085】
約100℃の温度の炉の直ぐ外側にスピンドルを置いた。
【0086】
エタノール中の2.3重量%のフェロセンおよび3.0重量%のチオフェンの溶液を、供給原料および触媒前駆体の両方として用いた。この溶液を、反応器(内径65mm、長さ1,400mm)の上部に針を介して注入し、1,180℃に加熱した。細い金属棒の形態のキャッチャを、インジェクターランスの下方部分から吊り下げて、長くて細い繊維の生成を助長した。キャッチャを用いずに、エーロゲルは熱領域より下の管を横断する織布に発達したが、これは、捕獲して巻上げを開始するのがより困難であった。
【0087】
水素(600ml/分)をキャリアガスとして用いた。溶液の注入速度は7.5ml/時であった。エタノールベースの系は非晶質炭素を生成しない傾向があるため、反応器は、反応中に黒色付着物を伴わず、清浄且つ透明なままであった。反応中、初期白熱光が、反応器の上端の反応領域内で観察された(炉の底部の鏡を介して観察)。
【0088】
紡績を、典型的には30分間実行し、その工程を継続的に観察した。ナノチューブの連続繊維からなる糸をスピンドル上に回収した。
【0089】
高速回転(60rpm)での紡績はナノチューブ繊維を生成したが、一方、低速回転(30rpm)ではナノチューブのリボンを得た。
【0090】
スピンドルは配向ナノチューブフィルムで覆われるようになった(図6)。フィルムに樹脂(例えばPVC)を含浸して、複合シェルを生成し、それからスピンドルを取り外した(図7)。
【0091】
〔実施例3〕
実施例1の反応条件ならびに図1の装置の変形型を用いて、多層カーボンナノチューブを生成した。
【0092】
ガス流と平行の紡績方向で炉温度に配置した、あるいはガス流と垂直の紡績方向で炉の外側に配置した機械駆動スピンドルを用いて、ナノチューブを紡績した。高温紡績立体配置(configuration)では、ステンレススチール間柱(内径6mm、長さ200mm)をスピンドルとして用いた。間柱を反応器の基部のモーターにより駆動して、85rpmで、垂直線から5°の角度で回転させた。間柱は、ノット・ゾーン(1,180℃)中に15mm突出し、ナノチューブを、主にスピンドルのこの部分に巻きつけた。反応器内側の紡績工程を、反応器の基部に固定した鏡を介して観察し、反応器の外側からビデオカメラで記録した。
【0093】
走査電子顕微鏡は、繊維中のナノチューブの良好な配向を示し、熱重力分析はナノチューブの純度を97重量%と示した。
【0094】
チオフェン濃度を低減し(0.5重量%)、温度(1,200℃)および水素流量(1,000ml/分)を増大することにより、ラマン分光分析および透過型電子顕微鏡により同定されるような、単層カーボンナノチューブを得た。
【0095】
ナノチューブ(単層ナノチューブおよび多層ナノチューブ)の長さ/直径比は、1,000のオーダーを有した。繊維の直径は20〜50μmであったが、一方、繊維の長さは巻取り能力によってのみ限定された。
【0096】
単層ナノチューブは、多層ナノチューブより多い不純物を含有し、TEM観察から概算された単層ナノチューブの割合は50容量%より多かった。
【0097】
単層ナノチューブは1.6〜3.5nmの直径を有し、30nmの横方向寸法を有する束にまとめられた。ラマンスペクトルは、514.5nm励起レーザーを用いて、180、243および262cm−1にピークを有する典型的半径方向通気方式を明示した。
【0098】
〔実施例4〕
図1の装置のさらなる変形型を用いて、実施例2を繰り返した。この変形を図8に示す。ねじ20および棒21を、反応軸に対して約25°の角度のスピンドル20’に取り換えて、60rpmでその軸の周囲を回転させた。その他の数字で示した部分は、図1/実施例1と同じである。このスピンドルは反応器の熱領域(管の横断面積の約12%を覆う)に貫入して、エーロゲルを捕獲した後、それは冷却領域に到達し、そこでそれは壁に突き刺さり得る。
【0099】
図9は、反応器の軸に沿った図であり、エーロゲルから繊維を延伸する回転スピンドルを示す。
【0100】
この配置は配向ナノチューブを有する(図10Aおよび10B)、捩り度を有する(図10C)連続繊維を生成し、これを、スピンドルの上部またはその長さに沿って回収した。
【0101】
電子顕微鏡、ラマン分光分析および熱重力分析(TGA)により、繊維アラインメント、純度および構造を特性化した。
【0102】
ナノチューブ直径は30nmで、約1,000のアスペクト比を有した。ナノチューブは5〜19重量%の鉄を含有したが、異質炭素粒子を含有しなかった。SEM画像を用いて、ナノチューブのアラインメントの質を測定した。アジマスサークル周囲で測定されたFWHM(半高での全幅)のナノチューブ間干渉ピークは、約11°であった(図11)。しかしながら、より大きい張力が加工中に繊維に加えられる場合、配向度は改良されるということが示された。
【0103】
繊維は柔軟性で且つ強力であった。繊維は導電性で、8.3×10ohm−1・m−1という最良の導電率を有し、これは炭素繊維に関する典型的値よりわずかに高かった。
【0104】
実施例4に用いた紡績工程は、高純度炭素生成物を生じて、糸を作り上げる(TGAにより決定。85〜95重量%)が、一方、紡績を伴わずに集積されたナノチューブのマットは、70〜85重量%の炭素含量を有した。
【0105】
後者の場合、ナノチューブを生成しなかった鉄粒子が、炉の冷却端を横断して生じるナノチューブに捕らえられるということが起こり得る。紡績工程後に反応器の基部に砂様粉末が見出されたが、これは特性化されなかった。しかし恐らくは触媒またはその分解産物で構成されていたと思われる。したがって紡績工程は、回収物質中の純度(炭素含量およびナノチューブのパーセンテージ)を改良する。
【0106】
実施例4に従って製造された繊維は、無限の長さ、例えば5cmより長い長さ、さらに好ましくは50cmより長い長さ、例えば1mを超える長さを有し得る。
【0107】
〔比較例1〕
スピンドルを用いずに、実施例2を反復した。エーロゲルはガス流に伴って炉を下降し、これは、温度低下のために炉の下方部分で減速した(熱領域では6.5mm/秒、500℃点では3.5mm/秒)。エーロゲルが炉の冷却端に到達すると、それは炉壁に張り付いて、炉全体に極薄い膜を形成し、これは時間とともに厚くなった。
【0108】
本出願人はこの理論に縛られたくはないが、対流が炉の上部で起こり、比較上冷却供給原料を炉の軸に注入下降させることにより、さらに強化されると考えられる。ガスは炉壁で上方に動き、中心炉軸に沿って下行する。この結果、ナノチューブエーロゲルの一部は上方に運ばれるように見え、したがってそれらは冷却壁またはインジェクターに張り付いて、繊維を形成し、これが炉軸に沿って下方に垂れ下がる。さらなるナノチューブが繊維に付着し、したがってそれは成長し続ける。これらの繊維は、Zhu他により報告されたものと同様であり得るが、本発明の好ましい実施形態の連続製法の一部ではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のガス状反応物質の流れを反応器に通す工程と、
反応器の反応領域内で1つまたは複数のガス状反応物質を反応させて、エーロゲルを形成する工程と、
該エーロゲルを凝集物へと凝集させる工程と、
該凝集物に力を加えて、それを反応領域外に連続的に移動させながら繊維にする工程と
を含む繊維の製造方法。
【請求項2】
前記凝集物に加えられる力が機械的力である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記凝集物が繊維にされ、かつ該凝集物に加えられる機械的力は、該繊維が巻きつけられる回転スピンドルにより加えられる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記凝集物に加えられる力が静電気力である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記凝集物に加えられる力が磁気力である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エーロゲルがナノ寸法である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたは複数のガス状反応物質が500〜1,600℃の温度で反応される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数のガス状反応物質が希釈ガスと反応される請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記繊維を処理流体と接触させる工程をさらに含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
加熱により前記繊維を1つまたは複数の繊維とアニーリングさせる工程をさらに含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記繊維を1つまたは複数の他の繊維とともに紡ぐ工程をさらに含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記繊維から繊維を再び紡ぐかまたは延伸する工程をさらに含む請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記エーロゲルが炭素または窒化ホウ素を含む請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記エーロゲルがカーボンナノチューブまたはカーボンナノ繊維を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ガス状反応物質が炭素源であり、かつ該炭素源が触媒の存在下で反応される請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記炭素源が促進剤の存在下で反応される請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−202338(P2011−202338A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−91872(P2011−91872)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【分割の表示】特願2006−519989(P2006−519989)の分割
【原出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(501401489)ケンブリッジ・ユニヴァーシティ・テクニカル・サーヴィシズ・リミテッド (3)
【Fターム(参考)】