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気相成分分析装置
説明

気相成分分析装置

【課題】キャリヤガスとして空気等のガスを用いるときにも、異常停止されることのない気相成分分析装置を提供する。
【解決手段】
気相成分供給手段2と、キャリヤガス導入手段3と、気相成分捕捉手段4と、分離手段5と、検出手段6と、異常停止手段7とを備える気相成分分析装置1は、キャリヤガス導入手段3に供給されるキャリヤガスを、窒素の沸点より低い沸点を有する第1のキャリヤガスと、窒素の沸点より高い沸点を有する第2のキャリヤガスとに切り替えるキャリヤガス切替手段22と、第1のキャリヤガスを供給する第1の供給源17とキャリヤガス切替手段22とを接続する第1のガス導管20と、第2のキャリヤガスを供給する第2の供給源18とキャリヤガス切替手段22とを接続する第2のガス導管21と、第2のガス導管21の途中に設けられ、第2のキャリヤガスを貯留するガス貯留手段23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の気相成分を含む混合物の組成を分析する気相成分分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天然ゴム、プラスチック等の高分子材料は、鉄鋼等の金属材料と並んで、現代社会で重要な役割を担っている。前記高分子材料は、例えば、各種フィルム、繊維、容器等の材料として日常生活に欠かせないものとなっている。
【0003】
ところで、前記高分子材料は、長期間に亘って使用すると、外的要因により、その物理・化学的特性が次第に劣化することが知られている。前記劣化の原因は、主として熱、光、機械的ストレス等であり、さらに生物や化学反応によるものである。このうち、前記光による劣化は、光のエネルギーによって高分子構造が開裂し、該開裂に伴って生じるラジカルが酸化連鎖反応を起こすことによるものと考えられている(例えば非特許文献1〜3参照)。
【0004】
従来、光による劣化の試験は、高分子材料を野外で実際の太陽光に曝したり、ウェザーメーターを用い、アーク灯により太陽光に近い光線を照射したりすることにより行われている。また、ウェザーメーターを用いる場合には、前記アーク灯の光線の照射と同時に、加湿する場合もある。
【0005】
しかし、高分子材料を野外に曝す場合には結果を得るまでに数ヶ月から数年を要し、ウェザーメーターの場合には大掛かりな装置と多大な費用とを必要とする上、結果を得るまでに数週間から数ヶ月を要するという問題がある。また、前記試験により得られる結果は、試料表面の劣化状態を目視または顕微鏡下で観察するもの、或いは劣化後の引っ張り強度等の機械的特性に関するものであり、前記高分子材料を構成する高分子自体または該高分子材料に含まれる酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤の劣化の進行機構に関する化学的知見を得ることができないとの問題がある。
【0006】
前記問題を解決するために、紫外線を照射して高分子試料を劣化分解させ、劣化分解により生成した成分を分析する気相成分分析装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
前記気相成分分析装置は、複数の気相成分を供給する気相成分供給手段と、キャリヤガスを該気相成分供給手段に導入するキャリヤガス導入手段と、該キャリヤガスにより導入される該気相成分を、液体窒素により冷却して捕捉する気相成分捕捉手段と、該気相成分捕捉手段により捕捉された該気相成分を、個々の成分に分離する分離手段と、該分離手段により分離された該成分を検出する検出手段とを備えている。
【0008】
前記気相成分供給手段は、ハウジング内に配設された石英管と、該石英管の外周側に配設された加熱用ヒーターを備えている。石英管は、上端部から試料容器が挿入可能であって、下端部は前記分離手段に接続されている。
【0009】
また、前記気相成分供給手段は、さらに、紫外線を照射する光ファイバーを備えている。光ファイバーは、石英管の上端部から挿入され、該試料容器内に収容された高分子試料に紫外線を照射するようになっている。
【0010】
前記キャリヤガス導入手段は、キャリヤガス供給源と、該キャリヤガス供給源に接続するとともに前記気相成分供給手段のハウジング内で石英管の上方に開口するキャリヤガス導管とを備えている。
【0011】
前記分離手段は、温度調整可能なオーブンと、該オーブン内に配設されたキャピラリーカラム等の分離カラムとを備えている。分離カラムの上流側は、前記気相成分捕捉手段に挿通されて前記石英管の下端部に接続されている。気相成分捕捉手段は、挿通されている分離カラムに液体窒素を噴射する冷媒噴射ノズルを備えている。
【0012】
前記検出手段は、四重極質量分析計等の検出器を備えている。
【0013】
前記気相成分分析装置では、まず、気相成分供給手段において、ガス導入手段から導入されたキャリヤガス雰囲気下で、光ファイバーで試料容器内の高分子試料に対して紫外線を照射しつつ、要すれば加熱用ヒーターで該高分子試料を加熱する。この結果、前記高分子試料は、劣化分解され、複数の気相成分が生成する。
【0014】
次に、気相成分供給手段にキャリヤガスを導入することにより、高分子試料から生成された複数の気相成分が、分離手段としての分離カラムに導入される。このとき、分離カラムに導入された複数の気相成分は、まず、該分離カラムの上流部分に設けられた気相成分捕捉手段により液体窒素で冷却されて、分離カラムの上流部分に捕捉される。
【0015】
次に、気相成分捕捉手段における液体窒素による冷却を停止し、オーブンの温度を上昇させる。この結果、前記分離カラムの上流部分に捕捉された前記気相成分が脱着し、前記キャリヤガスにより分離カラムに流通され、該分離カラムで個々の成分に分離される。そして、個々の成分は、キャリヤガスにより検出手段に導入され、前記四重極質量分析計等の検出器により検出される。検出手段における検出結果は、クロマトグラムまたはマススペクトルとして出力される。
【0016】
このとき、前記気相成分分析装置では、前記キャリヤガスの圧力が所定圧力以上に保持されていないと、前記検出手段による分析結果が意味を持たない。
【0017】
そこで、前記気相成分分析装置は、分離手段に導入される気体の圧力が所定圧力を下回る状態が所定時間、例えば3分間継続したときには異常と判断して装置の作動を停止する異常停止手段を備えている。
【0018】
前記気相成分分析装置では、前記キャリヤガスとして、化学的に安定で、気相成分供給手段により供給される気相成分と反応しないガス、例えばヘリウムを用いることが一般的である。前記ヘリウムは、窒素より沸点が低いので、前記気相成分捕捉手段で液体窒素により冷却されても液化することがなく、所定圧力を維持することができる。
【0019】
一方、前記気相成分分析装置において、高分子試料に対する酸素、水分等の影響に関する知見を得たい場合には、前記キャリヤガスとしてヘリウムに代えて空気を用いることがある。
【0020】
しかしながら、前記気相成分分析装置で前記キャリヤガスとして空気を用いた場合には、分離手段に導入される該キャリヤガスの圧力が所定圧力を下回る状態が所定時間継続するため、前記異常停止手段により装置の作動が異常停止されるという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2007−017196号公報
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】「ウルフラン・シュナーベル(Wolfram Schnable)著、相馬純吉訳、「高分子の劣化−原理とその応用−」、裳華房、1993年
【非特許文献2】井出文雄著、「特性別にわかる実用高分子材料」、工業調査会、2002年
【非特許文献3】N.Grassie編、"Developments in Polymer Degradation-7"、Elsevier Applied Science、1987
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、かかる不都合を解消して、キャリヤガスとして空気等のガスを用いるときにも、異常停止されることのない気相成分分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明者らは、前記気相成分分析装置でキャリヤガスとして空気を用いた場合に異常停止される原因について検討した。この結果、本発明者らは、気相成分捕捉手段により液体窒素で複数の気相成分が冷却されて捕捉される際、空気の沸点が窒素の沸点よりも高いために空気が液化され、分離手段に導入される空気の圧力が大きく低下することを見出した。
【0025】
そこで、前記目的を達成するために、本発明は、前記知見に基づき、複数の気相成分を供給する気相成分供給手段と、キャリヤガスを該気相成分供給手段に導入するキャリヤガス導入手段と、該キャリヤガスにより導入される該気相成分を、液体窒素により冷却して捕捉する気相成分捕捉手段と、該気相成分捕捉手段により捕捉された該気相成分を、個々の成分に分離する分離手段と、該分離手段により分離された該成分を検出する検出手段と、該分離手段に導入される気体の圧力が所定圧力を下回る状態が所定時間継続したときに異常と判断して装置の作動を停止する異常停止手段とを備える気相成分分析装置において、該キャリヤガス導入手段に供給されるキャリヤガスを、窒素の沸点より低い沸点を有する第1のキャリヤガスと、窒素の沸点より高い沸点を有する第2のキャリヤガスとに切り替えるキャリヤガス切替手段と、第1のキャリヤガスを供給する第1の供給源と該キャリヤガス切替手段とを接続する第1のガス導管と、第2のキャリヤガスを供給する第2の供給源と該キャリヤガス切替手段とを接続する第2のガス導管と、第2のガス導管の途中に設けられ、第2のキャリヤガスを貯留するガス貯留手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の気相成分分析装置において、前記気相成分供給手段は、例えば香料等の揮発性成分を揮発させ、又は、高分子材料に対して紫外線照射もしくは加熱を行うことにより複数の気相成分を生成するものであってもよく、外部から複数の気相成分が導入されるものであってもよい。
【0027】
本発明の気相成分分析装置は、第1のキャリヤガスが用いられている間に、キャリヤガス切替手段の上流に備えられたガス貯留手段に所定量の第2のキャリヤガスを貯留する。そして、前記キャリヤガス切替手段にて、キャリヤガス導入手段に供給されるキャリヤガスを第2のキャリヤガスに切り替えたときに、前記ガス貯留手段に貯留されている第2のキャリヤガスを気相成分供給手段に対し、一気に大量に導入する。この結果、前記気相成分供給手段の下流の気相成分捕捉手段で、複数の気相成分を液体窒素で冷却して捕捉する際、第2のキャリヤガスは一部が液化されるのみで残部は分離手段に導入されることとなり、該分離手段に導入される第2のキャリヤガスの圧力が大きく低下することを防止することができる。
【0028】
従って、本発明の気相成分分析装置によれば、空気等の、窒素の沸点より高い沸点を有する第2のキャリヤガスを用いた場合であっても、異常停止手段が異常を検知して装置の作動を停止することを防止することができる。
【0029】
また、本発明の気相成分分析装置は、第2のガス導管の前記ガス貯留手段の下流に、前記キャリヤガス切替手段へ導入される第2のキャリヤガスの流量を調整する流量調整手段を備えることが好ましい。前記流量調整手段によれば、前記ガス貯留手段に貯留されていた第2のキャリヤガスが前記気相成分供給手段に導入される際の流量を調整して、第2のキャリヤガスの流量が前記気相成分捕捉手段での液体窒素による冷却の影響を受けなくなるまで、所要の圧力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態の気相成分分析装置を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示す本実施形態の気相成分分析装置1は、プラスチック等の高分子材料からなる試料(以下、高分子試料と略記する)から生成した複数の気相成分を供給する気相成分供給手段2と、キャリヤガスを気相成分供給手段2に導入するキャリヤガス導入手段3と、キャリヤガスにより導入される気相成分を、液体窒素により冷却して捕捉する気相成分捕捉手段4と、気相成分捕捉手段4により捕捉された気相成分を、個々の成分に分離する分離手段5と、分離手段5により分離された成分を検出する検出手段6と、分離手段5に導入される気体の圧力に基づいて異常を判断し該装置1の作動を停止する異常停止手段7とを備えている。
【0032】
気相成分供給手段2は、ハウジング8内に配設された石英管9と、石英管9の外周側に配設された加熱用ヒーター10とを備えている。石英管9は、上端部から試料容器11が挿入可能であって、下端部は成分導入部12に接続されている。また、石英管9の前記下端部の内径は、前記上端部の内径よりも小径となっており、該上端部と該下端部との間に形成された図示しない縮径部に試料容器11を載置可能とされている。このような気相成分供給手段2として、例えば、フロンティア・ラボ株式会社製縦型マイクロ電気炉型パイロライザー(商品名:PY−2020iD)を用いることができる。
【0033】
また、気相成分供給手段2は、さらに紫外線照射手段13を備えている。紫外線照射手段13は、重水素ランプ等の光源14と、光源14から放射される光のうち波長400nm以下の紫外線のみを選択的に透過させる光学フィルター15と、光学フィルター15に接続された光ファイバー16とを備えている。紫外線照射手段13は、光ファイバー16の先端部が石英管9の上端部から挿入され、試料容器11内に収容された高分子試料に紫外線を照射するようになっている。
【0034】
キャリヤガス導入手段3は、窒素の沸点より低い沸点を有する第1のキャリヤガスを供給する第1の供給源17と、窒素の沸点より高い沸点を有する第2のキャリヤガスを供給する第2の供給源18と、第1のキャリヤガス又は第2のキャリヤガスのいずれか一方を気相成分供給手段2に導入するキャリヤガス導管19とを備えている。キャリヤガス導管19は、気相成分供給手段2のハウジング8内で、石英管9の上方に開口している。
【0035】
第1の供給源17と第2の供給源18とは、それぞれ第1のガス導管20と第2のガス導管21とを介してキャリヤガス切替手段22に接続されている。キャリヤガス切替手段22は、キャリヤガス導管19に供給されるキャリヤガスを、第1のキャリヤガスと第2のキャリヤガスとに切り替えることができる。
【0036】
また、第2のガス導管21の途中には、第2のキャリヤガスを貯留するガス貯留手段23として、緩衝チューブ24と開閉弁25とが設けられている。ガス貯留手段23は、開閉弁25を閉弁した状態で第2の供給源18から第2のキャリヤガスを供給することにより、緩衝チューブ24に所定量の第2のキャリヤガスを貯留することができる。また、第2のガス導管21のガス貯留手段23の下流には、キャリヤガス切替手段22へ導入される第2のキャリヤガスの流量調整手段としての流体抵抗26が設けられている。
【0037】
分離手段5は、温度調整可能なオーブン27と、該オーブン27内に配設されたキャピラリーカラム等の分離カラム28とを備えている。分離カラム28の上流側は、気相成分捕捉手段4を介して成分導入部12に接続されている。
【0038】
気相成分捕捉手段4は、液体窒素が貯留されたジュワー瓶29を備えている。ジュワー瓶29は、分離カラム28の上流部分が浸漬自在とされている。
【0039】
成分導入部12は、上端部に石英管9の下端部が接続され、下端部に分離カラム28が接続される一方、上下両端部の間にスプリットベント管30を備えている。スプリットベント管30は、開閉弁30aを開弁して大気開放することにより、石英管9から導入される気相成分の一部を排出して、分離カラム28に導入する前記気相成分の量を分析の必要感度に応じて調整する。
【0040】
検出手段6は、四重極質量分析計等の検出器31を備えている。前記分離手段5と検出手段6とを備える装置として、例えば、ヒューレットパッカード社製GC/MSシステム(商品名:モデル5975GC/MSシステム)を用いることができる。
【0041】
異常停止手段7は、分離カラム28に導入される気体の圧力を検知する図示しない圧力センサと、該圧力センサにより検知された圧力が所定圧力を下回るときに、その状態の継続時間を計時する図示しないタイマとを備えている。異常停止手段7は、前記圧力センサにより検知された圧力が所定圧力を下回る状態を前記タイマにより計時し、該状態が所定時間、例えば3分間継続したときに、異常と判断して装置1の作動を停止する。
【0042】
次に、第1のキャリヤガスとしてヘリウム、第2のキャリヤガスとして空気を用いる場合を例に、本実施形態の気相成分分析装置1の作動について説明する。
【0043】
気相成分分析装置1では、まず、キャリヤガス導管19により第1のキャリヤガスとしてヘリウムを導入する。このとき、同時に、開閉弁25を閉弁した状態で、キャリヤガス導管19の上流に設けられた緩衝チューブ24に所定量の第2のキャリヤガスとして空気を貯留する。
【0044】
次に、紫外線照射による高分子試料の劣化における空気の影響について知見を得たい場合は、キャリヤガス切替手段22にて、キャリヤガス導管19に供給されるキャリヤガスを空気に切り替える。そして、同時に、開閉弁25を開弁することにより、空気を石英管9に導入する。
【0045】
次に、石英管9において、空気雰囲気下で光ファイバー16で試料容器11内の高分子試料に対して紫外線を照射しつつ、要すれば加熱用ヒーター10で該高分子試料を加熱する。この結果、前記高分子試料は、劣化分解され、複数の気相成分が生成する。
【0046】
次に、キャリヤガス導管19から空気を石英管9に導入することにより、高分子試料から生成された複数の気相成分が、成分導入部12を介して分離カラム28に導入される。このとき、スプリットベント管30の開閉弁30aを開弁することにより、スプリットベント管30が大気に開放される一方、分離カラム28は内径が小さいので流体抵抗となる。この結果、分離カラム28に導入される気体の流量が、分析の必要感度に応じて適切な量に調整される。
【0047】
次に、分離カラム28に導入された複数の気相成分は、分離カラム28の上流部分をジュワー瓶29に浸漬することにより、液体窒素で冷却されて、分離カラム28の上流部分に捕捉される。
【0048】
次に、分離カラム28をジュワー瓶29から引き上げることにより、ジュワー瓶29の液体窒素による冷却を停止し、オーブン27の温度を上昇させる。この結果、分離カラム28の上流部分に捕捉された前記気相成分が脱着し、空気により分離カラム28に流通され、該分離カラム28で個々の成分に分離される。そして、個々の成分は、空気により検出手段6に導入されて検出器31で検出される。検出器31における検出結果は、クロマトグラムまたはマススペクトルとして出力される。
【0049】
ここで、本実施形態の気相成分分析装置1は、キャリヤガス切替手段22にて、キャリヤガス導管19に供給されるキャリヤガスを空気に切り替えたとき、緩衝チューブ24に貯留されている空気を、石英管9に一気に大量に導入する。この結果、石英管9の下流に接続された分離カラム28の上流部分で複数の気相成分を液体窒素で冷却して捕捉する際、前記空気は一部が液化されるのみで残部が分離カラム28に導入されることとなり、該分離カラム28に導入される該空気の圧力が大きく低下することを防止することができる。
【0050】
従って、本実施形態の気相成分分析装置1によれば、キャリヤガスとして、窒素の沸点より高い沸点を有する空気を用いた場合であっても、異常停止手段7が異常を検知して装置の作動を停止することを防止することができる。
【0051】
また、本実施形態の気相成分分析装置1は、第2のガス導管21のガス貯留手段23の下流に、流体抵抗26を備えている。流体抵抗26によれば、ガス貯留手段23に貯留されていた空気が石英管9に導入される際の流量を調整して、空気の流量がジュワー瓶29での液体窒素による冷却の影響を受けなくなるまで、所要の圧力を確保することができる。
【0052】
また、本実施形態では、高分子試料に対して空気雰囲気下で紫外線照射を行うことにより、該高分子試料を劣化分解させて複数の気相成分を生成させるようにしているが、紫外線照射を行わずに、空気雰囲気下で該高分子試料を加熱用ヒーター10で加熱することにより、該高分子試料を劣化分解させてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、気相成分供給手段2は、石英管9内で高分子試料を劣化分解させて複数の成分を生成させるようにしているが、香料等の揮発性成分を揮発させて複数の気相成分を生成させるようにしてもよく、外部から複数の気相成分を導入するようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態の気相成分分析装置1は、気相成分捕捉手段4として、液体窒素が貯留されたジュワー瓶29を用いているが、ジュワー瓶29に代えて、分離カラム28の上流部分に液体窒素を噴射する冷媒噴射ノズルを用いるようにしてもよい。
【0055】
また、本実施形態では、窒素の沸点より高い沸点を有する第2のキャリヤガスとして空気を用いた場合について説明しているが、空気に代えて、窒素及び酸素を混合してなる混合ガス、又は純酸素を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0056】
1…気相成分分析装置、 2…気相成分供給手段、 3…キャリヤガス導入手段、 4…気相成分捕捉手段、 5…分離手段、 6…検出手段、 7…異常停止手段、 17…第1の供給源、 18…第2の供給源、 20…第1のガス導管、 21…第2のガス導管、 22…キャリヤガス切替手段、 23…ガス貯留手段、 26…流量調整手段(流体抵抗)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の気相成分を供給する気相成分供給手段と、キャリヤガスを該気相成分供給手段に導入するキャリヤガス導入手段と、該キャリヤガスにより導入される該気相成分を、液体窒素により冷却して捕捉する気相成分捕捉手段と、該気相成分捕捉手段により捕捉された該気相成分を、個々の成分に分離する分離手段と、該分離手段により分離された該成分を検出する検出手段と、該分離手段に導入される気体の圧力が所定圧力を下回る状態が所定時間継続したときに異常と判断して装置の作動を停止する異常停止手段とを備える気相成分分析装置において、
該キャリヤガス導入手段に供給されるキャリヤガスを、窒素の沸点より低い沸点を有する第1のキャリヤガスと、窒素の沸点より高い沸点を有する第2のキャリヤガスとに切り替えるキャリヤガス切替手段と、
第1のキャリヤガスを供給する第1の供給源と該キャリヤガス切替手段とを接続する第1のガス導管と、
第2のキャリヤガスを供給する第2の供給源と該キャリヤガス切替手段とを接続する第2のガス導管と、
第2のガス導管の途中に設けられ、第2のキャリヤガスを貯留するガス貯留手段とを備えることを特徴とする気相成分分析装置。
【請求項2】
第2のガス導管の前記ガス貯留手段の下流に、前記キャリヤガス切替手段へ導入される第2のキャリヤガスの流量を調整する流量調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載の気相成分分析装置。

【図1】
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【公開番号】特開2010−181187(P2010−181187A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22843(P2009−22843)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(392013224)フロンティア・ラボ株式会社 (7)
【Fターム(参考)】