水への浸漬前に溶解耐性を有する水溶性基材
水溶性基材、より具体的には、少量の水との接触に対して耐性のある水溶性基材、及び該水溶性基材の製造方法が開示される。水溶性基材は第１の表面と第２の表面とを備える。前記第１及び第２の表面の少なくとも一方に少なくとも２つのコーティング層が塗布され、前記少なくとも２つのコーティング層は、前記第１及び第２の表面の前記少なくとも一方を実質的に覆い、前記少なくとも２つのコーティング層の間に潤滑剤が塗布される。水溶性基材から製造されたパウチなどの物品も、本明細書に開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、水溶性基材、より具体的には、水への浸漬前の溶解耐性が改善された水溶性基材、及びその製造方法に関する。本発明はまた、水溶性基材から製造されるパウチなどの物品に関する。
【背景技術】
【０００２】
水溶性基材は、包装材料としての使用に幅広い支持を得ている。包装材料は、フィルム、シート、吹き込み又は成形された中空体（即ち、サッシェ、パウチ、及びタブレット）、瓶、容器、及び同類のものなどが挙げられる。多くの場合、水溶性基材は、サッシェ及びパウチのような特定の種類の物品の調製に用いられるとき、少量の水又は高湿度への曝露により、崩壊したり及び／又はべたっとしたりする。このことにより、その中に収容される組成物を包装し保管する際に使用するのに適さなくなる可能性がある。
【０００３】
水溶性パウチに対する消費者の最も一般的な不満は、水溶性パウチが偶然少量の水にさらされたとき、例えば、パウチが販売され、購入された後、保管中に濡れた手、高湿度、水漏れする流し台、又はパイプから、外部包装の内部に水が入ると、望ましくないパウチの溶解につながることである。これにより、水溶性パウチは、使用前に漏れたり及び／又は互いに貼り付いたりする場合がある。２番目に多いよくある不満は、使用の際に水溶性パウチが完全に溶解しないことである。このように水溶性基材、及びサッシェやパウチのようなそれらの基材から製造された物品で、少量の水の曝露に対する改善された溶解耐性を有し、それにもかかわらず、その後のすすぎ水及び／又は洗浄水などの水溶液に浸漬された場合に非常に素早く溶解できる物品に関して未達成の需要が依然として存在する。典型的には、水溶性基材を非水溶性の材料でコーティングすることを伴った、水溶性基材の溶解を遅らせる様々な方法が、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許第６，５０９，０７２号は、バリアコーティングを含む水溶性基材を記載している。バリアコーティングは、水溶性基材上に連続フィルムを形成する高分子フィルムである。バリアコーティングの別の例が、花王株式会社（Kao Corporation）に譲渡されたＰＣＴ国際公開特許ＷＯ ０１／２３４６０に記載されており、水溶性基材の表面は、粒子状又は繊維性の非水溶性材料でコーティングされている。
【０００４】
包装材料として使用するように加工されるとき、これらのコーティングされた水溶性基材は、典型的には延伸されている。特定の領域では、基材は２００％以上にまで延伸されることがある。これにより、コーティングの破断を引き起こす場合があり、ひいては、水が水溶性基材の表面に接触できるようになり、上述の問題につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】米国特許第６，５０９，０７２号
【特許文献２】ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ ０１／２３４６０
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
したがって、本発明の１つの態様は、延伸され、パウチ及びサッシェなどの物品の形に形成されていても、水に浸漬される前の耐溶解性が改善されており、それでも後に続くすすぎ水及び／又は洗浄水などの水溶液に浸されたときには、非常に迅速に溶解することができる水溶性基材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、第１の表面と前記第１の表面に対向する第２の表面とを備え、少なくとも２つのコーティング層が前記第１及び第２の表面の少なくとも一方に塗布された水溶性基材に関する。コーティング層は水溶性基材よりも低水溶性である。２つのコーティング層は、前記第１及び第２の表面の少なくとも一方を実質的に覆っており、２つの層の間に潤滑剤が塗布される。
【０００８】
本発明はまた、水溶性基材を備える物品、及び水溶性基材を製造する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】コーティングされていない水溶性基材の断面。
【図２】本発明による水溶性基材の一実施形態の断面。
【図３】本発明による水溶性基材を含む物品の断面。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明は、水溶性基材に関するものであり、より具体的には、水に浸漬される前の耐溶解性が改善された水溶性基材、及びその製造方法に関する。本発明はまた、本明細書に記載の水溶性基材を備える物品に関する。
【００１１】
水溶性基材
図１は、水溶性基材１０の断面を示す。水溶性基材１０は、第１の表面１２と、第１の表面１２に対向する第２の表面１４とを有する。第１表面１２と第２表面１４との間の水溶性基材１０の厚さ１６は、約０．７５μｍ〜約１，２５０μｍ、好ましくは約１０μｍ〜約２５０μｍ、より好ましくは約２５μｍ〜約１２５μｍの範囲であることができる。水溶性基材１０は、フィルム、シート、又は発泡体の形態であることができ、織布及び不織布構造を含む。
【００１２】
水溶性基材はポリマー材料で製造され、本明細書において後に述べる２０ミクロンの最大孔径を有するガラスフィルタを使用する方法で測定したときに、少なくとも５０重量％の水溶解度を有する。好ましくは、基材の水溶解度は少なくとも７５重量％であり、又は更に好ましくは少なくとも９５重量％である。
【００１３】
５０グラム±０．１グラムの基材材料を、予め重量を計った４００ｍＬビーカーに加え、２５℃の蒸留水２４５ｍＬ±１ｍＬを加える。これを、６００ｒｐｍに設定した磁性攪拌器上で、３０分間激しく攪拌する。次に、混合物を、上記に規定したような孔径（最大２０ミクロン）を有する折り畳んだ定性焼結ガラスフィルターを通して濾過する。収集されたろ液からいずれかの従来の方法によって水を蒸発させて、残った物質（これが溶解した画分である）の重量を測定する。次いで、溶解度（％）を算出することができる。
【００１４】
典型的には、水溶性基材１０は、平方メートル当たり０．３３〜１，６６７グラムの坪量、好ましくは平方メートル当たり３３〜１６７グラムの坪量を有する。水溶性基材１０の第１の表面１２と第２の表面１４との間の厚さは、約０．７５マイクロメートル〜約１，２５０マイクロメートル、好ましくは約１０マイクロメートル〜約２５０マイクロメートル、より好ましくは約２５マイクロメートル〜約１２５マイクロメートルの範囲であることができる。
【００１５】
基材材料として使用するのに適した好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩類、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸／アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン（xanthum）及びカラガム（carragum）などの天然ゴム、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコールコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）、並びにこれらの混合物から選択される。最も好ましいポリマーは、ポリビニルアルコールである。基材中のポリマーの濃度は、少なくとも６０％であることが好ましい。
【００１６】
市販の水溶性フィルムの一例は、クリス−クラフトインダストリアルプロダクツ（Chris-Craft Industrial Products）（米国インディアナ州ゲーリー（Gary））により販売されているモノゾル（Monosol）Ｍ８６３０の商品照会名で知られているＰＶＡフィルム、並びにそれに相当する溶解度及び変形特性を持つＰＶＡフィルムである。本明細書に用いるのに好適な他のフィルムとしては、ＰＴフィルムの商品照会名若しくはＫ−シリーズのフィルムとして知られているアイセロ（Aicello）により供給されるフィルム、又はＶＦ−ＨＰフィルムとして知られているクラレ（Kuraray）により供給されるフィルムが挙げられる。
【００１７】
コーティング層
図２に示すように、前記水溶性基材１０よりも低水溶性である少なくとも２つのコーティング層２１、２２（更に「コーティング層」と呼ばれる）を、水溶性基材１０の第１又は第２の表面１２、１４の少なくとも一方に塗布する。第１のコーティング層を、水溶性基材１０の第１又は第２の表面１２、１４の少なくとも一方に塗布する。第２のコーティング層を、前記第１のコーティング層の上部に塗布する。前記水溶性基材１０よりも低水溶性である付加的なコーティング層を、先の２つの層の上部に塗布してもよい。前記コーティング層はそれぞれ、前記第１又は第２の表面１２、１４の少なくとも一方を実質的に覆っていてもよい。しかし、組み合わされた全コーティング層が前記第１又は第２の表面１２、１４を実質的に覆う限り、前記コーティング層がそれぞれ、前記第１又は第２の表面１２、１４の前記少なくとも一方の一部（単数又は複数）のみを覆うことが好ましい。「実質的に覆う」とは、第１又は第２の表面１２、１４の少なくとも９５％、好ましくは少なくとも９９％、及び最も好ましくは１００％が、すべての低水溶性材料層によって覆われることを意味する。これは、偶発的な水との接触時に、水が水溶性基材１０の第１表面１２又は第２表面１４に到達することができないか、あるいは、この表面に到達する水の量が、水溶性基材１０を完全に可溶化するのに不十分であるかのいずれかを保証する。
【００１８】
コーティング層の間に潤滑剤２３を塗布する。水溶性基材１０が、その表面１２、１４の少なくとも一方に塗布されるコーティング層２１、２２とともに、延伸を受けると、潤滑剤２３によって確実に、少なくとも２つの及び任意に付加的なコーティング層が、互いの上を滑ることができる。これには多くの利点がある。基材が延伸されると、第１のコーティング層２１によって覆われていない表面部分が拡大される。前述したように、第２の又は任意に付加的なコーティング層がこの部分を覆っているので、偶然の水滴の場合には、確実に、水溶性基材の表面に達することはやはりできない。第２に、一つ一つのコーティング層は、延伸が原因でおそらく壊れ得るであろうが、複数のオーバーラップする層が塗布されているという事実によって、水が水溶性基材の表面に達し得るという危険性は更に減る。
【００１９】
好ましい潤滑剤としては、タルク、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、コーンスターチ、シリコーン、ワックス、オイル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。やはり潤滑剤として好適なのは、ゴム又はプラスチックの手袋、コンパクトファンデーション及びメーキャップにおいて潤滑及び反粘着性特性を与えるために通常用いられる化合物である。
【００２０】
すべてのコーティング層は組成が同一であることができるし、あるいは、コーティング層は異なったものであることができる。例えば、水溶性基材の表面に最も近い第１のコーティング層は、溶解耐性が最も高くてもよく、一方でその他のコーティング層は、溶解耐性がより低くてもよい。別の例では、第１のコーティング層は、溶解耐性が最も低くてもよく、一方で、その他のコーティング層は、溶解耐性がより高くてもよい。また、層にわたる溶解耐性の勾配が形成される可能性があり、第１の層から最後の層に、溶解耐性が減少するか又は増加する。
【００２１】
コーティング層の総量は、水溶性基材１０の１００重量部当たり少なくとも０．１部とすることができる。好ましくは、低水溶性材料を、水溶性基材の１００重量部当たり少なくとも１部、より好ましくは少なくとも１０部の量で塗布する。好ましくは、水溶性基材１０に塗布するコーティング量は、水溶性基材１０の１００重量部当たり０．１〜２００、より好ましくは１〜１５０、更により好ましくは１０〜１００、更により好ましくは１００〜１５０部の範囲である。
【００２２】
コーティング層は、種々の材料を含むことができ、また種々の形態及び方法で塗布することができるが、これについて以下に説明する。
【００２３】
１つの好ましい実施形態においては、コーティング層の１つ又は複数は、加水分解度が高いポリビニルアルコールを含んでいてもよい。コーティングに用いるポリビニルアルコールの加水分解度は、好ましくは、９７％を超える。組成物は、実質的に完全にポリビニルアルコールからなることができるか、又は前述したように、ポリビニルアルコールに他の好適な水溶性又は水分散性材料を加えた混合物とすることができる。
【００２４】
別の好ましい実施形態において、１つ又は複数のコーティング層は非水溶性材料を含んでもよい。「非水溶性材料」とは、上述の方法にしたがって測定したとき、溶解度が５０重量％未満であることを意味する。好ましくは、水溶性は４０重量％未満、より好ましくは３０重量％未満、及び最も好ましくは１０重量％未満である。非水溶性材料は、非水溶性無機材料であってもよいし、非水溶性有機材料であってもよい。
【００２５】
非水溶性無機材料は、ゼオライト、ベントナイト、タルク、雲母、カオリン、海泡石、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、無水ケイ酸、ヒドロキシカルシウムアパタイト、フタロシアニンブルー、ヘリンドンピンク、ハンザオレンジ、真珠光沢材料などであってよく、ゼオライト、ベントナイト、タルク、雲母、カオリン、シリカ、酸化チタン、シリコーンなどが好ましい。
【００２６】
非水溶性有機材料は、合成ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタン及び／又はその架橋生成物、ポリ（メタ）アクリル酸ナトリウム、ポリ（メタ）アクリル酸エステル及び／又はその架橋生成物、ゴム、例えばエチレンゴム、プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴムなど、及び／又はその架橋生成物など、あるいは天然ポリマー、例えばセルロース及び／又はその誘導体、デンプン及び／又はそれらの誘導体、種外皮及び／又はそれらの誘導体であってよく、セルロース及び／又はその誘導体、デンプン及び／又はそれらの誘導体が好ましい。ここで、ポリ（メタ）アクリル酸とは、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸の両方を意味する。
【００２７】
１つ又は複数のコーティング層は、粒子の形態であってもよい。好ましい粒子は、前述したように、合成材料でできた粒子を含むポリマー粒子である。また好ましくは、これらの粒子の平均直径は、５００マイクロメートル以下、より好ましくは３００マイクロメートル以下、更により好ましくは０．０１〜３００マイクロメートルである。非常に好ましい実施形態においては、粒子はナノサイズ範囲であり、平均粒径が０．０１〜１マイクロメートルである。水溶性基材１０をナノサイズの粒子でコーティングすると、コーティングが透明になるという効果を更にもたらし、審美的に好ましい。好適なナノ粒子２４は、ポリエチレン−、ポリプロピレン−、ワックス−、シリコーン−、又はポリテトラフルオロエチレン−ベースのナノ粒子である。
【００２８】
別の非常に好ましい実施形態においては、１つ又は複数のコーティング層は可撓性材料を含んでもよい。好ましくは、可撓性材料を含むコーティング層は、少なくとも２０％、より好ましくは少なくとも３０％、更により好ましくは少なくとも５０％、最も好ましくは１００％を超えてかつ最大で２００％、破壊することなしに、引き伸ばすことができる。そのような可撓性材料の例は、アイディールプロダクツ社（Ideal Products LLC）（インディアナ州プリマス（Plymouth））によりＳａｎｉ−Ｔｒｅｄ Ｐｅｒｍａｆｌｅｘ（商標）の商品名、又はＨＭＧアメリカ社（HMG America LLC）（パフォーマンスコーティングス（Performance Coatings）、サウスカロライナ州ローバック（Roebuck））によりＦｌｅｘｉｔｈａｎｅ（商標）の商品名で販売されている液体ポリウレタンコーティングである。可撓性コーティングの他の例は、低温で可撓性を持つ、ＪＣホイットニー社（JC Whitney Inc.）（イリノイ州シカゴ（Chicago））により販売されているアクリルベースのディップコーティングである。これらのコーティングに前述のコーティングのいずれかを加えた混合物を用いてもよい。
【００２９】
本発明によるコーティングは、不透明とすることができるが、好ましくは透明又は半透明である。あるいは、魅力的な効果、例えば触覚（接触）効果、又は視覚効果、例えば図形、マンガ、ロゴ、烙印、ユーザーの指示などを作り出すために、コーティングを着色してもよいし３次元にしてもよい。
【００３０】
しかし、本発明による水溶性基材が水に浸漬されると（即ち、基材が設計された使用用途で、溶解することが必要とされる用途において）、そのコーティングは水接触に対して十分な耐性はなく、基材が急速に溶解することを確実にする。
【００３１】
任意成分
特定の用途に対しては、基材の溶解速度（浸漬されたとき）を高めることが必要なことがある。水溶性基材を水に浸漬したときの溶解速度を上げるために、崩壊剤を、１つの、いくつかの、又はすべてのコーティング層に添加してもよい。存在する場合には、コーティング中の崩壊剤の濃度は、前記コーティング（組み合わせられたすべての層）の０．１〜３０重量％、好ましくは１〜１５重量％である。あるいは、崩壊剤を、水溶性基材１０の、コーティング層が塗布される表面と反対側に塗布してもよいし、又は水溶性基材１０の両方の表面上に塗布してもよいし、又は水溶性フィルム１０に組み込んでもよいし、又はそれらの任意の組み合わせでもよい。本明細書に用いるのに好適な崩壊剤は、コーンスターチ／ジャガイモデンプン、メチルセルロース／セルロース、鉱物粘土粉末、クロスカルメロース（架橋セルロース）、クロスポビドン（crospovidine）（架橋ポリマー）、グリコール酸ナトリウムデンプン（架橋デンプン）である。
【００３２】
水溶性基材形成組成物、及びそれから形成される水溶性基材１０は１つ又は複数の添加物又は添加剤成分を含むこともできる。例えば、水溶性基材形成組成物及び水溶性基材１０は、可塑剤、潤滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、ブロッキング防止剤、粘着性除去剤、消泡剤、又は他の機能成分を含有してもよい。洗浄用組成物を含有する物品の場合、後者としては、洗浄水に送達されるべき機能的洗剤添加物、例えば有機ポリマー分散剤、又は他の洗剤添加物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【００３３】
好適な可塑剤としては、グリセロール、グリセリン、ジグリセリン、ヒドロキシプロピルグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。可塑剤は、約５重量％〜約３０重量％の範囲、好ましくは約１２重量％〜約２０重量％の範囲の量を含む任意の好適な量で、水溶性基材１０に組み込むことができる。
【００３４】
好適な界面活性剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性、及び双極性イオンの部類を挙げることができる。好適な界面活性剤としては、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコール及びアルカノールアミド（非イオン性物質）、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩、及び四級化されたポリオキシエチレン化アミン（カチオン性物質）、並びにアミンオキシド、Ｎ−アルキルベタイン及びスルホベタイン（双極性イオン性物質）が挙げられるが、これらに限定されない。界面活性剤は、約０．０１重量％〜約１重量％の範囲、好ましくは約０．１重量％〜約０．６重量％の範囲の量を含む任意の好適な量で、水溶性基材１０に組み込むことができる。
【００３５】
好適な潤滑剤／離型剤としては、脂肪酸及びそれらの塩、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族アミン、脂肪族アミンアセテート、並びに脂肪酸アミドが挙げられるが、これらに限定されない。潤滑剤／離型剤は、約０．０２重量％〜約１．５重量％の範囲、好ましくは約０．０４重量％〜約０．１５重量％の範囲の量を含む任意の好適な量で、水溶性基材１０に組み込むことができる。
【００３６】
好適な充填剤、増量剤、ブロッキング防止剤、粘着性除去剤としては、デンプン、変性デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク及び雲母が挙げられるが、これらに限定されない。充填剤、増量剤、消泡剤、粘着性除去剤は、水溶性基材１０の中に、約０．１重量％〜約２５重量％の範囲、好ましくは約１重量％〜約１５重量％の範囲の量などの任意の好適な量で存在できる。デンプンが存在しない場合には、充填剤、増量剤、ブロッキング防止剤、粘着性除去剤が、約１重量％〜約５重量％の範囲で存在することが望ましい場合がある。
【００３７】
好適な消泡剤としては、ポリジメチルシロキサン及び炭化水素のブレンドをベースとするものが挙げられるが、これらに限定されない。消泡剤は、水溶性基材１０の中に、約０．００１重量％〜約０．５重量％の範囲、好ましくは約０．０１重量％〜約０．１重量％の範囲の量などの任意の好適な量で存在できる。
【００３８】
水溶性基材形成組成物は、材料を混合し、温度を約２１℃（約７０°Ｆ）から９０℃（約１９５°Ｆ）まで昇温しながら溶液が完成するまで混合物を攪拌することによって調製される。基材形成組成物は、いずれかの好適な形態（例えば、フィルム又はシート）に作られてよく、次に、それに続いていずれかの好適な製品（例えば、単一区画及び多区画のパウチ、サッシェ、袋など）の形に形成されてよい。
【００３９】
水溶性基材の製造方法
本明細書に記載される水溶性基材１０の製造方法の多数の非限定的な実施形態が存在する。
【００４０】
一実施形態においては、本方法は、すでに形成された水溶性基材１０を供給する工程、及びすでに形成された水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方に第１のコーティング層２１を塗布する工程を含む。
【００４１】
第１のコーティング層２１は、多数の異なる手法で、すでに形成された水溶性基材１０に塗布することができる。１つの非限定的な実施形態においては、コーティング層は、すでに形成された水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方に、粒子又は粉末の形態で塗布される。好ましくは、粒子又は粉末は、ジェットを介して、又は静電的に水溶性基材１０に塗布される。ジェットの高速のために、一部の粉末は基材に埋め込まれ、それによって結合剤を使用する必要が減少、又は解消されさえする。また、粒子又は粉末が静電的に塗布されるとき、一般に結合剤は必要でない。それでもなお、結合剤を使用してもよい。粉末又は粒子を塗布する前に、結合剤が水溶性基材１０に最初に塗布されてもよい。あるいは、別の方法として、結合剤は、粉末又は粒子と混合されてもよく、その後、混合物は水溶性基材１０に加えられる。
【００４２】
本方法の別の非限定的な実施形態においては、第１のコーティング層２１は、水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方に塗布される溶液の形態で提供され、乾燥させるか、又は乾燥プロセスが施される。溶液は、スプレー、ナイフ、ロッド、キス、スロット、塗装、印刷及びこれらの混合などの任意のコーティング方法によって基材上に塗布することができる。本明細書に用いるには、印刷が好ましい。印刷は十分に確立された経済的なプロセスである。印刷は通常、インクと染料で行われ、基材に模様と色を付与するために使用されるが、本発明の場合では、印刷は第１のコーティング層を水溶性基材上に付着させるために用いられる。輪転グラビア、石版印刷、フレキソ印刷、孔版及びスクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、タンポグラフィ、並びにこれらの組み合わせを含む、あらゆる種類の印刷方法を使用することができる。
【００４３】
これらの実施形態はまた、すでに形成された水溶性基材１０に第１のコーティング層２１を塗布する前に、水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方の少なくとも一部を濡らす工程を含んでもよい。水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方の湿潤を使用して、基材１０の表面１２、１４の外部を少なくとも部分的に（つまり、基材の厚さの途中まで）溶解又は可溶化してよい。水溶性基材１０は、コーティングを基材に部分的に埋め込むため、任意の好適な深さまで少なくとも部分的に可溶化されてもよい。好適な深さとしては、基材全体の厚さ１６の約１％〜約４０％又は約４５％、約１％〜約３０％、約１％〜約２０％、約１％〜約１５％、あるいは約１％〜約１０％が挙げられるが、これらに限定されない。次にコーティング層２１が、基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方の部分的に溶解した部分に塗布される。これによって、コーティング層が、基材１０の表面１２、１４の外側部分に部分的に埋め込まれ、基材１０のより永続的な部分にすることができる。コーティング層が部分的に埋め込まれた、基材１０の濡れた表面１２、１４を、次に乾燥させる。本方法のそのような実施形態はまた、基材１０の表面を拭う、又はダスティングすることなどによって、水溶性基材１０が乾燥した後、その表面上に残っているコーティング材料の遊離分又は過剰分の少なくとも一部を除去する工程を含んでもよい。
【００４４】
別の実施形態では、第１のコーティング層２１は、基材１０が製品の形に製造された後に、水溶性基材１０に加えることができる。例えば、水溶性基材１０が、組成物を収容する水溶性パウチを形成するのに使用される場合、水溶性パウチの表面の少なくとも一部の上で基材１０に第１のコーティング層２１を加えることができる。
【００４５】
第１のコーティング層２１を水溶性基材１０に塗布した後で、潤滑剤２３が前記第１のコーティング層２１に塗布される。潤滑剤は、振りまくこと、剛毛を用いたはけ塗り、フェルトロール、静電付着、衝突、ジェットによって、固体粒子として塗布することができるし、又は液体スラリーとして塗布した後に、印刷及びコーティング方法を用いて溶媒を乾燥させることもできる。
【００４６】
次に、第２のコーティング層２２が、前述の方法のいずれか（水溶性基材を濡らす方法を除く）によって塗布される。
【００４７】
水溶性パウチの製造方法
本明細書に記載される水溶性基材１０から、水溶性基材１０が包装材料として用いられるものが挙げられるがこれらに限定されない物品を形成することができる。そのような物品としては、水溶性パウチ、サッシェ、及び他の容器が挙げられるが、これらに限定されない。
【００４８】
本明細書に記載の水溶性基材１０を組み込む水溶性パウチ及び他のそのような容器は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な手法で製造することができる。水溶性基材１０は、それを最終製品に形成する前又は後のいずれかにおいて、改善された耐水溶性を備えることができる。いずれの場合も、特定の実施形態においては、このような物品を製造するときに、コーティング層が塗布される基材１０の表面１２、１４が、製品の外側表面を形成することが望ましい。
【００４９】
水溶性パウチを製造するための多数のプロセスがある。これらとしては、垂直型充填封止プロセス、水平型充填封止プロセス、及び円形ドラム表面上の金型内でのパウチ形成として当該技術分野において既知のプロセスが挙げられるが、これらに限定されない。垂直型充填封止プロセスでは、基材を折り畳むことによって垂直管を形成する。管の底末端部を封止して、開放型パウチを形成する。このパウチを、上部空間に余裕を持たせて部分的に充填する。次に、開放型パウチの最上部を続いてともに封止して、パウチを閉じるとともに、次の開放型パウチを形成する。その後、第１のパウチを切断し、このプロセスを繰り返す。こうしたやり方で形成されたパウチは、通常、枕形状を有する。水平型充填封止プロセスは、一連の金型をその中に有するダイを使用する。水平型充填封止プロセスでは、基材をダイの中に設置し、これらの金型の中で開放型パウチを形成し、それらを次に充填し、基材の別の層で覆い、封止することができる。第３のプロセス（円形ドラム表面上の金型内でのパウチ形成）では、基材をドラムの上で循環させ、ポケットを形成し、それらを充填機の下に通して開放型ポケットを充填する。充填及び封止は、ドラムによって描かれる円の最高点（頂点）において行われ、例えば典型的には、充填は回転ドラムが下向きの円運動を始める直前に、封止はドラムがその下向きの運動を始めた直後に行われる。
【００５０】
開放型パウチを形成する工程を伴うプロセスのいずれにおいても、熱成形、真空成形、又は両方を使用して、基材を最初に開放型パウチの形状に成形又は形成することができる。熱成形は、金型を加熱要素と接触させる、熱気を吹き込む、又は加熱ランプを使用して金型及び／若しくは基材を加熱するなど、いずれかの既知のやり方で熱を加えることによって、金型及び／又は基材の加熱を伴う。真空成形の場合、基材を金型に入れるのを助けるため、真空補助が採用される。他の実施形態では、２つの技術を組み合わせてパウチを形成することができ、例えば、基材を真空成形によって開放型パウチに形成することができ、プロセスを促進するために熱を供給することができる。次に、開放型パウチを、その中に収容すべき組成物で充填する。
【００５１】
次に、充填された開放型パウチを閉じるが、これはいかなる方法によっても行うことができる。水平型パウチ形成プロセスのような場合には、水溶性基材のような第２材料又は基材を開放型パウチのウェブの上方及び上に連続的に供給し、次いで第１基材と第２基材をともに封止することにより、閉鎖を行う。第２の材料又は基材は、本明細書に記載の水溶性基材１０を含むことができる。第２の基材のコーティング層を塗布する表面を、パウチの外側表面を形成するように配向することが望ましい場合がある。
【００５２】
こうしたプロセスでは、第１及び第２の基材は、典型的には、金型間の、よって、隣接する金型内で形成されるパウチ間の領域において封止される。封止はいかなる方法によっても行うことができる。封止の方法としては、熱封止、溶剤溶接、及び溶剤封止又は湿潤封止が挙げられる。封止されたパウチのウェブを、次に、切断装置により切断することができるが、この切断装置は、ウェブ中のパウチを、別個のパウチに互いに切り離す。水溶性パウチを形成するプロセスは、米国特許出願第０９／９９４，５３３号、米国特許出願公開第２００２／０１６９０９２ Ａ１（カトリン（Catlin）らの名前で公開）に更に記載されている。
【００５３】
製造物品
図３に示すように、本発明は、製品組成物４０と、製品組成物を保持するためのパウチ、サッシェ、カプセル、バッグなどのような容器３０に形成されてもよい水溶性基材１０とを含む物品も含む。コーティング層が塗布された水溶性基材１０の表面を用いて、容器３０の外面を形成してもよい。水溶性基材１０は、製品組成物４０の１回用量を供給する容器３０の少なくとも一部を形成し得る。
【００５４】
簡略化のため、本明細書において関心のある物品は、水溶性パウチの観点で記載されるが、本明細書における論議はまた他の種類の容器にも当てはまることが理解されるべきである。
【００５５】
前述の方法により形成されたパウチ３０は、例えば水溶性パウチ３０の水への浸漬によって、水溶性パウチ３０から組成物４０を放出することが望まれるまで、その中に収容される組成物４０を保持するために好適な任意の形態及び形状であることができる。パウチ３０は、１つの区画又は２つ若しくはそれ以上の区画を含むことができる（つまり、パウチは多区画パウチであることができる）。一実施形態では、水溶性パウチ３０は、ほぼ重ね合わされた関係の２つ以上の区画を有してよく、パウチ３０は、ほぼ向かい合った上側及び下側の外壁、パウチ３０の側面を形成するスカート状の側壁、並びに異なる区画を互いから分離する１つ又は複数の内部隔壁を含む。パウチ３０に収容される組成物４０が異なる形態又は構成成分を含む場合、組成物４０の異なる構成成分は、水溶性パウチ３０の異なる区画に収容されてもよく、水溶性材料の障壁によって互いから分離されてもよい。
【００５６】
パウチ又は他の容器３０は、洗濯洗剤組成物、自動食器洗い用洗剤組成物、硬質表面クリーナー、染み除去剤、布地強化剤及び／又は柔軟仕上げ剤、食品及び飲料、並びに、少量の水との接触が、早過ぎるパウチの溶解、望ましくないパウチの漏れ、及び／又は望ましくないパウチ間の粘着を生じさせる可能性がある新しい製品形態として、あるいはその中に使用するための、１つ又は複数の組成物４０の１回用量を収容してもよい。パウチ３０内の組成物４０は、液体、液体ゲル（liquigel）、ゲル、ペースト、クリーム、固体、顆粒、粉末等が挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な形態であることができる。多区画パウチ３０の異なる区画を用いて、適合性のない成分を分離することができる。例えば、漂白剤と酵素を別個の区画に分離することが望ましい場合がある。多区画の実施形態の他の形態としては、液体含有区画と組み合わされた粉末含有区画を挙げることができる。多区画水溶性パウチのさらなる実施例は、米国特許第６，６７０，３１４ Ｂ２号（スミス（Smith）ら）に開示されている。
【００５７】
水溶性パウチ３０は、いかなる好適な水溶液（温水又は冷水など）中に投入されてもよく、そうするとすぐに水溶性パウチ３０を形成している水溶性基材材料１０は溶解して、パウチの内容物を放出する。
【００５８】
本明細書に記載の水溶性基材１０はまた、コーティング製品及び他の物品に使用することができる。そのような製品の非限定例は、洗濯洗剤タブレット又は自動食器洗い用洗剤タブレットである。他の例としては、少量の水との接触が早過ぎる溶解、望ましくない漏れ、及び／又は望ましくない粘着を生じさせる可能性がある、食品及び飲料の部類のコーティング製品が挙げられる。
【実施例】
【００５９】
コーティング（コード化ＳＯＰ ０００９０、供給元はＡＮＩプリンティングインクスグループ（Printing Inks Group））の第１の層を、標準ポリビニルアルコールＭ８６３０水溶性フィルム（供給元は、モノゾル（Monosol））上に印刷し、乾燥させる。次に、タルクを前記第１の層上にはけ塗りする。次に、同じコーティングの第２の層を第１の層上に印刷する。コーティングされた基材は、コーティングされていない基材と比べて、偶発的な水との接触に対する改善された耐性を、延伸されていない状態だけでなく延伸された状態でも示す。
【００６０】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味するものとする。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、水溶性基材、より具体的には、水への浸漬前の溶解耐性が改善された水溶性基材、及びその製造方法に関する。本発明はまた、水溶性基材から製造されるパウチなどの物品に関する。
【背景技術】
【０００２】
水溶性基材は、包装材料としての使用に幅広い支持を得ている。包装材料は、フィルム、シート、吹き込み又は成形された中空体（即ち、サッシェ、パウチ、及びタブレット）、瓶、容器、及び同類のものなどが挙げられる。多くの場合、水溶性基材は、サッシェ及びパウチのような特定の種類の物品の調製に用いられるとき、少量の水又は高湿度への曝露により、崩壊したり及び／又はべたっとしたりする。このことにより、その中に収容される組成物を包装し保管する際に使用するのに適さなくなる可能性がある。
【０００３】
水溶性パウチに対する消費者の最も一般的な不満は、水溶性パウチが偶然少量の水にさらされたとき、例えば、パウチが販売され、購入された後、保管中に濡れた手、高湿度、水漏れする流し台、又はパイプから、外部包装の内部に水が入ると、望ましくないパウチの溶解につながることである。これにより、水溶性パウチは、使用前に漏れたり及び／又は互いに貼り付いたりする場合がある。２番目に多いよくある不満は、使用の際に水溶性パウチが完全に溶解しないことである。このように水溶性基材、及びサッシェやパウチのようなそれらの基材から製造された物品で、少量の水の曝露に対する改善された溶解耐性を有し、それにもかかわらず、その後のすすぎ水及び／又は洗浄水などの水溶液に浸漬された場合に非常に素早く溶解できる物品に関して未達成の需要が依然として存在する。典型的には、水溶性基材を非水溶性の材料でコーティングすることを伴った、水溶性基材の溶解を遅らせる様々な方法が、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許第６，５０９，０７２号は、バリアコーティングを含む水溶性基材を記載している。バリアコーティングは、水溶性基材上に連続フィルムを形成する高分子フィルムである。バリアコーティングの別の例が、花王株式会社（Kao Corporation）に譲渡されたＰＣＴ国際公開特許ＷＯ ０１／２３４６０に記載されており、水溶性基材の表面は、粒子状又は繊維性の非水溶性材料でコーティングされている。
【０００４】
包装材料として使用するように加工されるとき、これらのコーティングされた水溶性基材は、典型的には延伸されている。特定の領域では、基材は２００％以上にまで延伸されることがある。これにより、コーティングの破断を引き起こす場合があり、ひいては、水が水溶性基材の表面に接触できるようになり、上述の問題につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】米国特許第６，５０９，０７２号
【特許文献２】ＰＣＴ国際公開特許ＷＯ ０１／２３４６０
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
したがって、本発明の１つの態様は、延伸され、パウチ及びサッシェなどの物品の形に形成されていても、水に浸漬される前の耐溶解性が改善されており、それでも後に続くすすぎ水及び／又は洗浄水などの水溶液に浸されたときには、非常に迅速に溶解することができる水溶性基材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、第１の表面と前記第１の表面に対向する第２の表面とを備え、少なくとも２つのコーティング層が前記第１及び第２の表面の少なくとも一方に塗布された水溶性基材に関する。コーティング層は水溶性基材よりも低水溶性である。２つのコーティング層は、前記第１及び第２の表面の少なくとも一方を実質的に覆っており、２つの層の間に潤滑剤が塗布される。
【０００８】
本発明はまた、水溶性基材を備える物品、及び水溶性基材を製造する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】コーティングされていない水溶性基材の断面。
【図２】本発明による水溶性基材の一実施形態の断面。
【図３】本発明による水溶性基材を含む物品の断面。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明は、水溶性基材に関するものであり、より具体的には、水に浸漬される前の耐溶解性が改善された水溶性基材、及びその製造方法に関する。本発明はまた、本明細書に記載の水溶性基材を備える物品に関する。
【００１１】
水溶性基材
図１は、水溶性基材１０の断面を示す。水溶性基材１０は、第１の表面１２と、第１の表面１２に対向する第２の表面１４とを有する。第１表面１２と第２表面１４との間の水溶性基材１０の厚さ１６は、約０．７５μｍ〜約１，２５０μｍ、好ましくは約１０μｍ〜約２５０μｍ、より好ましくは約２５μｍ〜約１２５μｍの範囲であることができる。水溶性基材１０は、フィルム、シート、又は発泡体の形態であることができ、織布及び不織布構造を含む。
【００１２】
水溶性基材はポリマー材料で製造され、本明細書において後に述べる２０ミクロンの最大孔径を有するガラスフィルタを使用する方法で測定したときに、少なくとも５０重量％の水溶解度を有する。好ましくは、基材の水溶解度は少なくとも７５重量％であり、又は更に好ましくは少なくとも９５重量％である。
【００１３】
５０グラム±０．１グラムの基材材料を、予め重量を計った４００ｍＬビーカーに加え、２５℃の蒸留水２４５ｍＬ±１ｍＬを加える。これを、６００ｒｐｍに設定した磁性攪拌器上で、３０分間激しく攪拌する。次に、混合物を、上記に規定したような孔径（最大２０ミクロン）を有する折り畳んだ定性焼結ガラスフィルターを通して濾過する。収集されたろ液からいずれかの従来の方法によって水を蒸発させて、残った物質（これが溶解した画分である）の重量を測定する。次いで、溶解度（％）を算出することができる。
【００１４】
典型的には、水溶性基材１０は、平方メートル当たり０．３３〜１，６６７グラムの坪量、好ましくは平方メートル当たり３３〜１６７グラムの坪量を有する。水溶性基材１０の第１の表面１２と第２の表面１４との間の厚さは、約０．７５マイクロメートル〜約１，２５０マイクロメートル、好ましくは約１０マイクロメートル〜約２５０マイクロメートル、より好ましくは約２５マイクロメートル〜約１２５マイクロメートルの範囲であることができる。
【００１５】
基材材料として使用するのに適した好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸及び塩類、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸／アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン（xanthum）及びカラガム（carragum）などの天然ゴム、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコールコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース（ＨＰＭＣ）、並びにこれらの混合物から選択される。最も好ましいポリマーは、ポリビニルアルコールである。基材中のポリマーの濃度は、少なくとも６０％であることが好ましい。
【００１６】
市販の水溶性フィルムの一例は、クリス−クラフトインダストリアルプロダクツ（Chris-Craft Industrial Products）（米国インディアナ州ゲーリー（Gary））により販売されているモノゾル（Monosol）Ｍ８６３０の商品照会名で知られているＰＶＡフィルム、並びにそれに相当する溶解度及び変形特性を持つＰＶＡフィルムである。本明細書に用いるのに好適な他のフィルムとしては、ＰＴフィルムの商品照会名若しくはＫ−シリーズのフィルムとして知られているアイセロ（Aicello）により供給されるフィルム、又はＶＦ−ＨＰフィルムとして知られているクラレ（Kuraray）により供給されるフィルムが挙げられる。
【００１７】
コーティング層
図２に示すように、前記水溶性基材１０よりも低水溶性である少なくとも２つのコーティング層２１、２２（更に「コーティング層」と呼ばれる）を、水溶性基材１０の第１又は第２の表面１２、１４の少なくとも一方に塗布する。第１のコーティング層を、水溶性基材１０の第１又は第２の表面１２、１４の少なくとも一方に塗布する。第２のコーティング層を、前記第１のコーティング層の上部に塗布する。前記水溶性基材１０よりも低水溶性である付加的なコーティング層を、先の２つの層の上部に塗布してもよい。前記コーティング層はそれぞれ、前記第１又は第２の表面１２、１４の少なくとも一方を実質的に覆っていてもよい。しかし、組み合わされた全コーティング層が前記第１又は第２の表面１２、１４を実質的に覆う限り、前記コーティング層がそれぞれ、前記第１又は第２の表面１２、１４の前記少なくとも一方の一部（単数又は複数）のみを覆うことが好ましい。「実質的に覆う」とは、第１又は第２の表面１２、１４の少なくとも９５％、好ましくは少なくとも９９％、及び最も好ましくは１００％が、すべての低水溶性材料層によって覆われることを意味する。これは、偶発的な水との接触時に、水が水溶性基材１０の第１表面１２又は第２表面１４に到達することができないか、あるいは、この表面に到達する水の量が、水溶性基材１０を完全に可溶化するのに不十分であるかのいずれかを保証する。
【００１８】
コーティング層の間に潤滑剤２３を塗布する。水溶性基材１０が、その表面１２、１４の少なくとも一方に塗布されるコーティング層２１、２２とともに、延伸を受けると、潤滑剤２３によって確実に、少なくとも２つの及び任意に付加的なコーティング層が、互いの上を滑ることができる。これには多くの利点がある。基材が延伸されると、第１のコーティング層２１によって覆われていない表面部分が拡大される。前述したように、第２の又は任意に付加的なコーティング層がこの部分を覆っているので、偶然の水滴の場合には、確実に、水溶性基材の表面に達することはやはりできない。第２に、一つ一つのコーティング層は、延伸が原因でおそらく壊れ得るであろうが、複数のオーバーラップする層が塗布されているという事実によって、水が水溶性基材の表面に達し得るという危険性は更に減る。
【００１９】
好ましい潤滑剤としては、タルク、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）、コーンスターチ、シリコーン、ワックス、オイル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。やはり潤滑剤として好適なのは、ゴム又はプラスチックの手袋、コンパクトファンデーション及びメーキャップにおいて潤滑及び反粘着性特性を与えるために通常用いられる化合物である。
【００２０】
すべてのコーティング層は組成が同一であることができるし、あるいは、コーティング層は異なったものであることができる。例えば、水溶性基材の表面に最も近い第１のコーティング層は、溶解耐性が最も高くてもよく、一方でその他のコーティング層は、溶解耐性がより低くてもよい。別の例では、第１のコーティング層は、溶解耐性が最も低くてもよく、一方で、その他のコーティング層は、溶解耐性がより高くてもよい。また、層にわたる溶解耐性の勾配が形成される可能性があり、第１の層から最後の層に、溶解耐性が減少するか又は増加する。
【００２１】
コーティング層の総量は、水溶性基材１０の１００重量部当たり少なくとも０．１部とすることができる。好ましくは、低水溶性材料を、水溶性基材の１００重量部当たり少なくとも１部、より好ましくは少なくとも１０部の量で塗布する。好ましくは、水溶性基材１０に塗布するコーティング量は、水溶性基材１０の１００重量部当たり０．１〜２００、より好ましくは１〜１５０、更により好ましくは１０〜１００、更により好ましくは１００〜１５０部の範囲である。
【００２２】
コーティング層は、種々の材料を含むことができ、また種々の形態及び方法で塗布することができるが、これについて以下に説明する。
【００２３】
１つの好ましい実施形態においては、コーティング層の１つ又は複数は、加水分解度が高いポリビニルアルコールを含んでいてもよい。コーティングに用いるポリビニルアルコールの加水分解度は、好ましくは、９７％を超える。組成物は、実質的に完全にポリビニルアルコールからなることができるか、又は前述したように、ポリビニルアルコールに他の好適な水溶性又は水分散性材料を加えた混合物とすることができる。
【００２４】
別の好ましい実施形態において、１つ又は複数のコーティング層は非水溶性材料を含んでもよい。「非水溶性材料」とは、上述の方法にしたがって測定したとき、溶解度が５０重量％未満であることを意味する。好ましくは、水溶性は４０重量％未満、より好ましくは３０重量％未満、及び最も好ましくは１０重量％未満である。非水溶性材料は、非水溶性無機材料であってもよいし、非水溶性有機材料であってもよい。
【００２５】
非水溶性無機材料は、ゼオライト、ベントナイト、タルク、雲母、カオリン、海泡石、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、無水ケイ酸、ヒドロキシカルシウムアパタイト、フタロシアニンブルー、ヘリンドンピンク、ハンザオレンジ、真珠光沢材料などであってよく、ゼオライト、ベントナイト、タルク、雲母、カオリン、シリカ、酸化チタン、シリコーンなどが好ましい。
【００２６】
非水溶性有機材料は、合成ポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリウレタン及び／又はその架橋生成物、ポリ（メタ）アクリル酸ナトリウム、ポリ（メタ）アクリル酸エステル及び／又はその架橋生成物、ゴム、例えばエチレンゴム、プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、シリコーンゴムなど、及び／又はその架橋生成物など、あるいは天然ポリマー、例えばセルロース及び／又はその誘導体、デンプン及び／又はそれらの誘導体、種外皮及び／又はそれらの誘導体であってよく、セルロース及び／又はその誘導体、デンプン及び／又はそれらの誘導体が好ましい。ここで、ポリ（メタ）アクリル酸とは、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸の両方を意味する。
【００２７】
１つ又は複数のコーティング層は、粒子の形態であってもよい。好ましい粒子は、前述したように、合成材料でできた粒子を含むポリマー粒子である。また好ましくは、これらの粒子の平均直径は、５００マイクロメートル以下、より好ましくは３００マイクロメートル以下、更により好ましくは０．０１〜３００マイクロメートルである。非常に好ましい実施形態においては、粒子はナノサイズ範囲であり、平均粒径が０．０１〜１マイクロメートルである。水溶性基材１０をナノサイズの粒子でコーティングすると、コーティングが透明になるという効果を更にもたらし、審美的に好ましい。好適なナノ粒子２４は、ポリエチレン−、ポリプロピレン−、ワックス−、シリコーン−、又はポリテトラフルオロエチレン−ベースのナノ粒子である。
【００２８】
別の非常に好ましい実施形態においては、１つ又は複数のコーティング層は可撓性材料を含んでもよい。好ましくは、可撓性材料を含むコーティング層は、少なくとも２０％、より好ましくは少なくとも３０％、更により好ましくは少なくとも５０％、最も好ましくは１００％を超えてかつ最大で２００％、破壊することなしに、引き伸ばすことができる。そのような可撓性材料の例は、アイディールプロダクツ社（Ideal Products LLC）（インディアナ州プリマス（Plymouth））によりＳａｎｉ−Ｔｒｅｄ Ｐｅｒｍａｆｌｅｘ（商標）の商品名、又はＨＭＧアメリカ社（HMG America LLC）（パフォーマンスコーティングス（Performance Coatings）、サウスカロライナ州ローバック（Roebuck））によりＦｌｅｘｉｔｈａｎｅ（商標）の商品名で販売されている液体ポリウレタンコーティングである。可撓性コーティングの他の例は、低温で可撓性を持つ、ＪＣホイットニー社（JC Whitney Inc.）（イリノイ州シカゴ（Chicago））により販売されているアクリルベースのディップコーティングである。これらのコーティングに前述のコーティングのいずれかを加えた混合物を用いてもよい。
【００２９】
本発明によるコーティングは、不透明とすることができるが、好ましくは透明又は半透明である。あるいは、魅力的な効果、例えば触覚（接触）効果、又は視覚効果、例えば図形、マンガ、ロゴ、烙印、ユーザーの指示などを作り出すために、コーティングを着色してもよいし３次元にしてもよい。
【００３０】
しかし、本発明による水溶性基材が水に浸漬されると（即ち、基材が設計された使用用途で、溶解することが必要とされる用途において）、そのコーティングは水接触に対して十分な耐性はなく、基材が急速に溶解することを確実にする。
【００３１】
任意成分
特定の用途に対しては、基材の溶解速度（浸漬されたとき）を高めることが必要なことがある。水溶性基材を水に浸漬したときの溶解速度を上げるために、崩壊剤を、１つの、いくつかの、又はすべてのコーティング層に添加してもよい。存在する場合には、コーティング中の崩壊剤の濃度は、前記コーティング（組み合わせられたすべての層）の０．１〜３０重量％、好ましくは１〜１５重量％である。あるいは、崩壊剤を、水溶性基材１０の、コーティング層が塗布される表面と反対側に塗布してもよいし、又は水溶性基材１０の両方の表面上に塗布してもよいし、又は水溶性フィルム１０に組み込んでもよいし、又はそれらの任意の組み合わせでもよい。本明細書に用いるのに好適な崩壊剤は、コーンスターチ／ジャガイモデンプン、メチルセルロース／セルロース、鉱物粘土粉末、クロスカルメロース（架橋セルロース）、クロスポビドン（crospovidine）（架橋ポリマー）、グリコール酸ナトリウムデンプン（架橋デンプン）である。
【００３２】
水溶性基材形成組成物、及びそれから形成される水溶性基材１０は１つ又は複数の添加物又は添加剤成分を含むこともできる。例えば、水溶性基材形成組成物及び水溶性基材１０は、可塑剤、潤滑剤、離型剤、充填剤、増量剤、ブロッキング防止剤、粘着性除去剤、消泡剤、又は他の機能成分を含有してもよい。洗浄用組成物を含有する物品の場合、後者としては、洗浄水に送達されるべき機能的洗剤添加物、例えば有機ポリマー分散剤、又は他の洗剤添加物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【００３３】
好適な可塑剤としては、グリセロール、グリセリン、ジグリセリン、ヒドロキシプロピルグリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリエーテルポリオール、エタノールアミン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。可塑剤は、約５重量％〜約３０重量％の範囲、好ましくは約１２重量％〜約２０重量％の範囲の量を含む任意の好適な量で、水溶性基材１０に組み込むことができる。
【００３４】
好適な界面活性剤としては、非イオン性、カチオン性、アニオン性、及び双極性イオンの部類を挙げることができる。好適な界面活性剤としては、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アセチレングリコール及びアルカノールアミド（非イオン性物質）、ポリオキシエチレン化アミン、第四級アンモニウム塩、及び四級化されたポリオキシエチレン化アミン（カチオン性物質）、並びにアミンオキシド、Ｎ−アルキルベタイン及びスルホベタイン（双極性イオン性物質）が挙げられるが、これらに限定されない。界面活性剤は、約０．０１重量％〜約１重量％の範囲、好ましくは約０．１重量％〜約０．６重量％の範囲の量を含む任意の好適な量で、水溶性基材１０に組み込むことができる。
【００３５】
好適な潤滑剤／離型剤としては、脂肪酸及びそれらの塩、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族アミン、脂肪族アミンアセテート、並びに脂肪酸アミドが挙げられるが、これらに限定されない。潤滑剤／離型剤は、約０．０２重量％〜約１．５重量％の範囲、好ましくは約０．０４重量％〜約０．１５重量％の範囲の量を含む任意の好適な量で、水溶性基材１０に組み込むことができる。
【００３６】
好適な充填剤、増量剤、ブロッキング防止剤、粘着性除去剤としては、デンプン、変性デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク及び雲母が挙げられるが、これらに限定されない。充填剤、増量剤、消泡剤、粘着性除去剤は、水溶性基材１０の中に、約０．１重量％〜約２５重量％の範囲、好ましくは約１重量％〜約１５重量％の範囲の量などの任意の好適な量で存在できる。デンプンが存在しない場合には、充填剤、増量剤、ブロッキング防止剤、粘着性除去剤が、約１重量％〜約５重量％の範囲で存在することが望ましい場合がある。
【００３７】
好適な消泡剤としては、ポリジメチルシロキサン及び炭化水素のブレンドをベースとするものが挙げられるが、これらに限定されない。消泡剤は、水溶性基材１０の中に、約０．００１重量％〜約０．５重量％の範囲、好ましくは約０．０１重量％〜約０．１重量％の範囲の量などの任意の好適な量で存在できる。
【００３８】
水溶性基材形成組成物は、材料を混合し、温度を約２１℃（約７０°Ｆ）から９０℃（約１９５°Ｆ）まで昇温しながら溶液が完成するまで混合物を攪拌することによって調製される。基材形成組成物は、いずれかの好適な形態（例えば、フィルム又はシート）に作られてよく、次に、それに続いていずれかの好適な製品（例えば、単一区画及び多区画のパウチ、サッシェ、袋など）の形に形成されてよい。
【００３９】
水溶性基材の製造方法
本明細書に記載される水溶性基材１０の製造方法の多数の非限定的な実施形態が存在する。
【００４０】
一実施形態においては、本方法は、すでに形成された水溶性基材１０を供給する工程、及びすでに形成された水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方に第１のコーティング層２１を塗布する工程を含む。
【００４１】
第１のコーティング層２１は、多数の異なる手法で、すでに形成された水溶性基材１０に塗布することができる。１つの非限定的な実施形態においては、コーティング層は、すでに形成された水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方に、粒子又は粉末の形態で塗布される。好ましくは、粒子又は粉末は、ジェットを介して、又は静電的に水溶性基材１０に塗布される。ジェットの高速のために、一部の粉末は基材に埋め込まれ、それによって結合剤を使用する必要が減少、又は解消されさえする。また、粒子又は粉末が静電的に塗布されるとき、一般に結合剤は必要でない。それでもなお、結合剤を使用してもよい。粉末又は粒子を塗布する前に、結合剤が水溶性基材１０に最初に塗布されてもよい。あるいは、別の方法として、結合剤は、粉末又は粒子と混合されてもよく、その後、混合物は水溶性基材１０に加えられる。
【００４２】
本方法の別の非限定的な実施形態においては、第１のコーティング層２１は、水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方に塗布される溶液の形態で提供され、乾燥させるか、又は乾燥プロセスが施される。溶液は、スプレー、ナイフ、ロッド、キス、スロット、塗装、印刷及びこれらの混合などの任意のコーティング方法によって基材上に塗布することができる。本明細書に用いるには、印刷が好ましい。印刷は十分に確立された経済的なプロセスである。印刷は通常、インクと染料で行われ、基材に模様と色を付与するために使用されるが、本発明の場合では、印刷は第１のコーティング層を水溶性基材上に付着させるために用いられる。輪転グラビア、石版印刷、フレキソ印刷、孔版及びスクリーン印刷、インクジェット印刷、凸版印刷、タンポグラフィ、並びにこれらの組み合わせを含む、あらゆる種類の印刷方法を使用することができる。
【００４３】
これらの実施形態はまた、すでに形成された水溶性基材１０に第１のコーティング層２１を塗布する前に、水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方の少なくとも一部を濡らす工程を含んでもよい。水溶性基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方の湿潤を使用して、基材１０の表面１２、１４の外部を少なくとも部分的に（つまり、基材の厚さの途中まで）溶解又は可溶化してよい。水溶性基材１０は、コーティングを基材に部分的に埋め込むため、任意の好適な深さまで少なくとも部分的に可溶化されてもよい。好適な深さとしては、基材全体の厚さ１６の約１％〜約４０％又は約４５％、約１％〜約３０％、約１％〜約２０％、約１％〜約１５％、あるいは約１％〜約１０％が挙げられるが、これらに限定されない。次にコーティング層２１が、基材１０の表面１２、１４の少なくとも一方の部分的に溶解した部分に塗布される。これによって、コーティング層が、基材１０の表面１２、１４の外側部分に部分的に埋め込まれ、基材１０のより永続的な部分にすることができる。コーティング層が部分的に埋め込まれた、基材１０の濡れた表面１２、１４を、次に乾燥させる。本方法のそのような実施形態はまた、基材１０の表面を拭う、又はダスティングすることなどによって、水溶性基材１０が乾燥した後、その表面上に残っているコーティング材料の遊離分又は過剰分の少なくとも一部を除去する工程を含んでもよい。
【００４４】
別の実施形態では、第１のコーティング層２１は、基材１０が製品の形に製造された後に、水溶性基材１０に加えることができる。例えば、水溶性基材１０が、組成物を収容する水溶性パウチを形成するのに使用される場合、水溶性パウチの表面の少なくとも一部の上で基材１０に第１のコーティング層２１を加えることができる。
【００４５】
第１のコーティング層２１を水溶性基材１０に塗布した後で、潤滑剤２３が前記第１のコーティング層２１に塗布される。潤滑剤は、振りまくこと、剛毛を用いたはけ塗り、フェルトロール、静電付着、衝突、ジェットによって、固体粒子として塗布することができるし、又は液体スラリーとして塗布した後に、印刷及びコーティング方法を用いて溶媒を乾燥させることもできる。
【００４６】
次に、第２のコーティング層２２が、前述の方法のいずれか（水溶性基材を濡らす方法を除く）によって塗布される。
【００４７】
水溶性パウチの製造方法
本明細書に記載される水溶性基材１０から、水溶性基材１０が包装材料として用いられるものが挙げられるがこれらに限定されない物品を形成することができる。そのような物品としては、水溶性パウチ、サッシェ、及び他の容器が挙げられるが、これらに限定されない。
【００４８】
本明細書に記載の水溶性基材１０を組み込む水溶性パウチ及び他のそのような容器は、当該技術分野において既知のいずれかの好適な手法で製造することができる。水溶性基材１０は、それを最終製品に形成する前又は後のいずれかにおいて、改善された耐水溶性を備えることができる。いずれの場合も、特定の実施形態においては、このような物品を製造するときに、コーティング層が塗布される基材１０の表面１２、１４が、製品の外側表面を形成することが望ましい。
【００４９】
水溶性パウチを製造するための多数のプロセスがある。これらとしては、垂直型充填封止プロセス、水平型充填封止プロセス、及び円形ドラム表面上の金型内でのパウチ形成として当該技術分野において既知のプロセスが挙げられるが、これらに限定されない。垂直型充填封止プロセスでは、基材を折り畳むことによって垂直管を形成する。管の底末端部を封止して、開放型パウチを形成する。このパウチを、上部空間に余裕を持たせて部分的に充填する。次に、開放型パウチの最上部を続いてともに封止して、パウチを閉じるとともに、次の開放型パウチを形成する。その後、第１のパウチを切断し、このプロセスを繰り返す。こうしたやり方で形成されたパウチは、通常、枕形状を有する。水平型充填封止プロセスは、一連の金型をその中に有するダイを使用する。水平型充填封止プロセスでは、基材をダイの中に設置し、これらの金型の中で開放型パウチを形成し、それらを次に充填し、基材の別の層で覆い、封止することができる。第３のプロセス（円形ドラム表面上の金型内でのパウチ形成）では、基材をドラムの上で循環させ、ポケットを形成し、それらを充填機の下に通して開放型ポケットを充填する。充填及び封止は、ドラムによって描かれる円の最高点（頂点）において行われ、例えば典型的には、充填は回転ドラムが下向きの円運動を始める直前に、封止はドラムがその下向きの運動を始めた直後に行われる。
【００５０】
開放型パウチを形成する工程を伴うプロセスのいずれにおいても、熱成形、真空成形、又は両方を使用して、基材を最初に開放型パウチの形状に成形又は形成することができる。熱成形は、金型を加熱要素と接触させる、熱気を吹き込む、又は加熱ランプを使用して金型及び／若しくは基材を加熱するなど、いずれかの既知のやり方で熱を加えることによって、金型及び／又は基材の加熱を伴う。真空成形の場合、基材を金型に入れるのを助けるため、真空補助が採用される。他の実施形態では、２つの技術を組み合わせてパウチを形成することができ、例えば、基材を真空成形によって開放型パウチに形成することができ、プロセスを促進するために熱を供給することができる。次に、開放型パウチを、その中に収容すべき組成物で充填する。
【００５１】
次に、充填された開放型パウチを閉じるが、これはいかなる方法によっても行うことができる。水平型パウチ形成プロセスのような場合には、水溶性基材のような第２材料又は基材を開放型パウチのウェブの上方及び上に連続的に供給し、次いで第１基材と第２基材をともに封止することにより、閉鎖を行う。第２の材料又は基材は、本明細書に記載の水溶性基材１０を含むことができる。第２の基材のコーティング層を塗布する表面を、パウチの外側表面を形成するように配向することが望ましい場合がある。
【００５２】
こうしたプロセスでは、第１及び第２の基材は、典型的には、金型間の、よって、隣接する金型内で形成されるパウチ間の領域において封止される。封止はいかなる方法によっても行うことができる。封止の方法としては、熱封止、溶剤溶接、及び溶剤封止又は湿潤封止が挙げられる。封止されたパウチのウェブを、次に、切断装置により切断することができるが、この切断装置は、ウェブ中のパウチを、別個のパウチに互いに切り離す。水溶性パウチを形成するプロセスは、米国特許出願第０９／９９４，５３３号、米国特許出願公開第２００２／０１６９０９２ Ａ１（カトリン（Catlin）らの名前で公開）に更に記載されている。
【００５３】
製造物品
図３に示すように、本発明は、製品組成物４０と、製品組成物を保持するためのパウチ、サッシェ、カプセル、バッグなどのような容器３０に形成されてもよい水溶性基材１０とを含む物品も含む。コーティング層が塗布された水溶性基材１０の表面を用いて、容器３０の外面を形成してもよい。水溶性基材１０は、製品組成物４０の１回用量を供給する容器３０の少なくとも一部を形成し得る。
【００５４】
簡略化のため、本明細書において関心のある物品は、水溶性パウチの観点で記載されるが、本明細書における論議はまた他の種類の容器にも当てはまることが理解されるべきである。
【００５５】
前述の方法により形成されたパウチ３０は、例えば水溶性パウチ３０の水への浸漬によって、水溶性パウチ３０から組成物４０を放出することが望まれるまで、その中に収容される組成物４０を保持するために好適な任意の形態及び形状であることができる。パウチ３０は、１つの区画又は２つ若しくはそれ以上の区画を含むことができる（つまり、パウチは多区画パウチであることができる）。一実施形態では、水溶性パウチ３０は、ほぼ重ね合わされた関係の２つ以上の区画を有してよく、パウチ３０は、ほぼ向かい合った上側及び下側の外壁、パウチ３０の側面を形成するスカート状の側壁、並びに異なる区画を互いから分離する１つ又は複数の内部隔壁を含む。パウチ３０に収容される組成物４０が異なる形態又は構成成分を含む場合、組成物４０の異なる構成成分は、水溶性パウチ３０の異なる区画に収容されてもよく、水溶性材料の障壁によって互いから分離されてもよい。
【００５６】
パウチ又は他の容器３０は、洗濯洗剤組成物、自動食器洗い用洗剤組成物、硬質表面クリーナー、染み除去剤、布地強化剤及び／又は柔軟仕上げ剤、食品及び飲料、並びに、少量の水との接触が、早過ぎるパウチの溶解、望ましくないパウチの漏れ、及び／又は望ましくないパウチ間の粘着を生じさせる可能性がある新しい製品形態として、あるいはその中に使用するための、１つ又は複数の組成物４０の１回用量を収容してもよい。パウチ３０内の組成物４０は、液体、液体ゲル（liquigel）、ゲル、ペースト、クリーム、固体、顆粒、粉末等が挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な形態であることができる。多区画パウチ３０の異なる区画を用いて、適合性のない成分を分離することができる。例えば、漂白剤と酵素を別個の区画に分離することが望ましい場合がある。多区画の実施形態の他の形態としては、液体含有区画と組み合わされた粉末含有区画を挙げることができる。多区画水溶性パウチのさらなる実施例は、米国特許第６，６７０，３１４ Ｂ２号（スミス（Smith）ら）に開示されている。
【００５７】
水溶性パウチ３０は、いかなる好適な水溶液（温水又は冷水など）中に投入されてもよく、そうするとすぐに水溶性パウチ３０を形成している水溶性基材材料１０は溶解して、パウチの内容物を放出する。
【００５８】
本明細書に記載の水溶性基材１０はまた、コーティング製品及び他の物品に使用することができる。そのような製品の非限定例は、洗濯洗剤タブレット又は自動食器洗い用洗剤タブレットである。他の例としては、少量の水との接触が早過ぎる溶解、望ましくない漏れ、及び／又は望ましくない粘着を生じさせる可能性がある、食品及び飲料の部類のコーティング製品が挙げられる。
【実施例】
【００５９】
コーティング（コード化ＳＯＰ ０００９０、供給元はＡＮＩプリンティングインクスグループ（Printing Inks Group））の第１の層を、標準ポリビニルアルコールＭ８６３０水溶性フィルム（供給元は、モノゾル（Monosol））上に印刷し、乾燥させる。次に、タルクを前記第１の層上にはけ塗りする。次に、同じコーティングの第２の層を第１の層上に印刷する。コーティングされた基材は、コーティングされていない基材と比べて、偶発的な水との接触に対する改善された耐性を、延伸されていない状態だけでなく延伸された状態でも示す。
【００６０】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味するものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
第１の表面（１２）と前記第１の表面（１４）に対向する第２の表面（１４）とを備える水溶性基材（１０）であって、前記基材は前記第１及び第２の表面（１２、１４）の少なくとも一方に塗布される少なくとも２つのコーティング層（２１、２２）を有し、前記コーティング層（２１、２２）は前記水溶性基材（１０）よりも低水溶性であり、前記コーティング層（２１、２２）の組み合わせは、前記第１及び第２の表面（１２、１４）の少なくとも一方を実質的に覆い、前記２つのコーティング層（２１、２２）の間に潤滑剤（２３）が塗布される、水溶性基材（１０）。
【請求項２】
低水溶性材料からなる１つ又は複数の付加的なコーティング層が前記第２のコーティング層（２２）に塗布され、潤滑剤（２３）が前記コーティング層のそれぞれの間に塗布される、請求項１に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項３】
前記少なくとも２つの又は付加的なコーティング層が、異なる水溶性を有する、請求項１又は２に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項４】
水溶性基材（１０）に最も近い第１のコーティング層（２１）が、前記第２の又は付加的なコーティング層よりも水溶性が低い、請求項１〜３のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項５】
水溶性基材（１０）に最も近い第１のコーティング層（２１）が、前記第２の又は付加的なコーティング層よりも水溶性が高い、請求項１〜４のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項６】
前記潤滑剤（２３）は、タルク、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、コーンスターチ、ワックス、オイル、ポリオレフィン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項７】
前記コーティング層の少なくとも１つは、崩壊剤を含む、請求項１〜６のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項８】
請求項１〜７のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）を備える物品（３０）であって、前記コーティング層が塗布された前記第１及び第２の表面（１２、１４）の前記少なくとも一方が外面を形成する、物品（３０）。
【請求項９】
前記水溶性基材（１０）が、製品組成物を含む容器の少なくとも一部を形成する、請求項８に記載の物品（３０）。
【請求項１０】
水環境への浸漬前に溶解耐性のある水溶性基材（１０）を製造する方法であって、
ａ．前記水溶性基材（１０）よりも低水溶性である第１のコーティング層（２１）を前記水溶性基材（１０）の少なくとも１つの表面に塗布する工程と、
ｂ．前記第１のコーティング層（２１）に潤滑剤（２３）を塗布し、次に
ｃ．前記水溶性基材（１０）よりも低水溶性である第２のコーティング層（２２）を塗布する工程と、
ｄ．任意選択的に、第２のコーティング層に対して工程ｂを繰り返す工程と、
ｅ．任意選択的に、低水溶性材料の付加的なコーティング層を塗布する工程と、
ｆ．任意選択的に、更なる潤滑剤及び／又は更なるコーティング層を塗布する工程と、
を含む方法。
【請求項１】
第１の表面（１２）と前記第１の表面（１４）に対向する第２の表面（１４）とを備える水溶性基材（１０）であって、前記基材は前記第１及び第２の表面（１２、１４）の少なくとも一方に塗布される少なくとも２つのコーティング層（２１、２２）を有し、前記コーティング層（２１、２２）は前記水溶性基材（１０）よりも低水溶性であり、前記コーティング層（２１、２２）の組み合わせは、前記第１及び第２の表面（１２、１４）の少なくとも一方を実質的に覆い、前記２つのコーティング層（２１、２２）の間に潤滑剤（２３）が塗布される、水溶性基材（１０）。
【請求項２】
低水溶性材料からなる１つ又は複数の付加的なコーティング層が前記第２のコーティング層（２２）に塗布され、潤滑剤（２３）が前記コーティング層のそれぞれの間に塗布される、請求項１に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項３】
前記少なくとも２つの又は付加的なコーティング層が、異なる水溶性を有する、請求項１又は２に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項４】
水溶性基材（１０）に最も近い第１のコーティング層（２１）が、前記第２の又は付加的なコーティング層よりも水溶性が低い、請求項１〜３のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項５】
水溶性基材（１０）に最も近い第１のコーティング層（２１）が、前記第２の又は付加的なコーティング層よりも水溶性が高い、請求項１〜４のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項６】
前記潤滑剤（２３）は、タルク、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、コーンスターチ、ワックス、オイル、ポリオレフィン、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項１〜５のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項７】
前記コーティング層の少なくとも１つは、崩壊剤を含む、請求項１〜６のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）。
【請求項８】
請求項１〜７のいずれか一項に記載の水溶性基材（１０）を備える物品（３０）であって、前記コーティング層が塗布された前記第１及び第２の表面（１２、１４）の前記少なくとも一方が外面を形成する、物品（３０）。
【請求項９】
前記水溶性基材（１０）が、製品組成物を含む容器の少なくとも一部を形成する、請求項８に記載の物品（３０）。
【請求項１０】
水環境への浸漬前に溶解耐性のある水溶性基材（１０）を製造する方法であって、
ａ．前記水溶性基材（１０）よりも低水溶性である第１のコーティング層（２１）を前記水溶性基材（１０）の少なくとも１つの表面に塗布する工程と、
ｂ．前記第１のコーティング層（２１）に潤滑剤（２３）を塗布し、次に
ｃ．前記水溶性基材（１０）よりも低水溶性である第２のコーティング層（２２）を塗布する工程と、
ｄ．任意選択的に、第２のコーティング層に対して工程ｂを繰り返す工程と、
ｅ．任意選択的に、低水溶性材料の付加的なコーティング層を塗布する工程と、
ｆ．任意選択的に、更なる潤滑剤及び／又は更なるコーティング層を塗布する工程と、
を含む方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公表番号】特表２０１０−５０７５０８（Ｐ２０１０−５０７５０８Ａ）
【公表日】平成２２年３月１１日（２０１０．３．１１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−５３３９９１（Ｐ２００９−５３３９９１）
【出願日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＩＢ２００７／０５２６５４
【国際公開番号】ＷＯ２００８／０５３３８２
【国際公開日】平成２０年５月８日（２００８．５．８）
【出願人】（５９０００５０５８）ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２２年３月１１日（２０１０．３．１１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＩＢ２００７／０５２６５４
【国際公開番号】ＷＯ２００８／０５３３８２
【国際公開日】平成２０年５月８日（２００８．５．８）
【出願人】（５９０００５０５８）ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Ｆターム（参考）】
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