説明

水中コンクリート構造物の解体撤去方法及び該方法に使用する昇降ステージ装置

【課題】水中コンクリート構造物の解体撤去に際し、従来に比べて効率よく且つ低コストで作業できる方法の提供。
【解決手段】解体撤去対象の水中コンクリート構造物30に近接した水底面に、水面下より水面上の上昇させることができる昇降ステージ2を設置し、水中コンクリート構造物の水面下部分を切断装置によって切り取り、その切り取られたコンクリート塊32をクレーンにて吊りつつ水中を移動させて、水面下に降下されている昇降ステージ2上に載せ、しかる後昇降ステージ2を水面上に上昇させ、その上のコンクリリート塊32を切断装置によって複数分割し、その分割された小コンクリート塊を搬送手段によって搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沖合いに構築されている防波堤等、水面下に大きなコンクリート構造物部分を有する水中コンクリート構造物を切断することによって解体し、撤去する水中コンクリート構造物の解体撤去方法及び該方法に使用する昇降ステージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水中のコンクリート構造物を解体撤去する方法として、ワイヤーソーを使用する方法がある(例えば特許文献1)。またワイヤーソーに代えてウォータージェットカッターを使用し、水中にてコンクリート構造物を切断する方法がある(例えば特許文献2)。
【0003】
これらの従来の水中コンクリート構造物の解体撤去は、ワイヤーソーやウォータージェットカッターを使用し、水中にてコンクリート構造物を所望の大きさに切断してコンクリート塊とし、これを重機を使用して台船等の水上搬送手段に積み込み、搬送するようにしている。
【特許文献1】特開平9−100637号公報
【特許文献2】特開2001−40696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の如き従来の方法では、水中においてコンクリート構造物を切断する際に、後工程の搬送に使用する重機による吊り上げに適した重量のコンクリート塊に切断するようにしているため、使用できるクレーン船等の重機の大きさに応じて水中にて切り取るコンクリート塊の大きさが決定され、大型の重機が使用できる場合は小型の重機を使用する場合に比べて切断回数が少なくて済む。
【0005】
しかし、大型の重機を使用する場合においても、水中における切断作業は、潜水作業員によってワイヤーソー挿通のためのボーリング作業が必要であり、また、ワイヤーソー引き回しのためのガイドを水中に設置する作業は潜水作業によって行わなければならず、陸上や水面上にて行う切断作業に比べて多大の労力を要するという問題があった。
【0006】
本発明はこのような従来の問題に鑑み、水中コンクリート構造物の解体撤去に際し、従来に比べて効率よく且つ低コストで作業できる水中コンクリート構造物の解体撤去方法の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成する請求項1に記載の発明の特徴は、コンクリート堤体等の水中コンクリート構造物を所望の大きさのコンクリート塊に切断し、該コンクリート塊を搬送撤去する水中コンクリート構造物の解体撤去方法において、
解体撤去対象の水中コンクリート構造物に近接した水底面に、前記コンクリート塊を水面下より水面上の上昇させることができる昇降ステージを設置し、水中コンクリート構造物の水面下部分を切断装置によって切り取り、その切り取られたコンクリート塊をクレーンにて吊りつつ水中を移動させて、水面下に降下されている前記昇降ステージ上に載せ、しかる後該昇降ステージを水面上に上昇させ、該昇降ステージ上のコンクリリート塊を切断装置によって複数分割し、その分割された小コンクリート塊を適宜搬送手段によって搬送することにある。
【0008】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記水中コンクリート構造物の切り取り及び/又はこれによって切り取られたコンクリート塊の切断に使用する切断装置としてワイヤーソーを使用することにある。
【0009】
請求項3に記載の発明の特徴は、立て向きの複数の支柱を有し、該支柱の下端部間を互いに連結して各支柱が自立できるように支持させる支柱支持枠体を有するステージ支持構と、該ステージ支持構の前記支柱に沿って上下に移動可能に設置した昇降ステージと、前記ステージ支持構に支持され、前記昇降ステージを昇降移動させる昇降駆動機構とを備え、前記昇降ステージは、鋼製の横桁と縦桁とを縦横に組み合わせた格子状に形成されていることを特徴としてなる請求項1に記載の水中コンクリート構造物の解体撤去方法に使用する昇降ステージ装置にある。
【0010】
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項3の構成に加え、前記ステージ支持構の各支柱は、互いに1対の柱材を、間隔を隔てて平行に並べて立設することにより構成され、その各支柱毎に、前記1対の柱材間の隙間を立て向きのガイド溝となし、該ガイド溝内に前記昇降ステージに固定したスライド部材を上下に摺動自在に挿入することにより前記昇降ステージをステージ支持構に対して上下動自在に組み付けたことにある。
【0011】
請求項5に記載の発明の特徴は、請求項4の構成に加え、前記昇降ステージは、一対の横桁を主桁とし、該主桁上に跨らせてこれに直交する多数の縦桁を固定して格子状となし、前記各主桁を互いに平行な一対の横材をもって構成させ、該横材の端部間を水平配置の連結部材をもって連結し、該連結部材を前記スライド部材として前記支柱のガイド溝内に挿入し、該連結部材を前記昇降駆動機構によって昇降操作させるようにしたことにある。
【0012】
請求項6に記載の発明の特徴は、請求項3〜5のいずれかの1の請求項の構成に加え、前記昇降駆動機構は、前記昇降ステージに下端を連結した鋼製引張材と、該鋼製引張材を上下方向に向けて中心孔内に挿通し、該鋼製引張材を上下に昇降させるセンターホールジャッキとをもって構成したことにある。
【発明の効果】
【0013】
上述したように、本発明に係る水中コンクリート構造物の解体撤去方法おいては、解体撤去対象の水中コンクリート構造物に近接した水底面に、コンクリート塊を水面下より水面上の上昇させることができる昇降ステージを設置し、水中コンクリート構造物の水面下部分を切断装置によって切り取り、その切り取られたコンクリート塊をクレーンにて吊りつつ水中を移動させて、水面下に降下されている前記昇降ステージ上に載せ、しかる後該昇降ステージを水面上に上昇させ、該昇降ステージ上のコンクリリート塊を切断装置によって複数分割し、その分割された小コンクリート塊を適宜搬送手段によって搬送するようにしたことにより、水中で切り取られるコンクリート塊は、水中にて浮力が作用した重さが、使用するクレーンの最大許容荷重より小さいものであればよく、このため水中切断のための潜水による作業等の水中作業が大幅に減少することとなり、作業効率が高くしかも作業コストも削減される。
【0014】
また、本発明方法では、前記水中コンクリート構造物の切り取り及び/又はこれによって切り取られたコンクリート塊の切断に使用する切断装置としてワイヤーソーを使用することにより、水中切断のための作業を水面より高い位置で操作することができ、作業効率をより高いものとできる。
【0015】
本発明に係る昇降ステージ装置は、立て向きの複数の支柱を有し、該支柱の下端部間を互いに連結して各支柱が自立できるように支持させる支柱支持枠体を有するステージ支持構と、該ステージ支持構の前記支柱に沿って上下に移動可能に設置した昇降ステージと、前記ステージ支持構に支持され、前記昇降ステージを昇降移動させる昇降駆動機構とを備えたことにより、昇降ステージ装置を水中コンクリート構造物解体作業現場近くに移動させることが容易となり、また、前記昇降ステージは、鋼製の横桁と縦桁とを縦横に組み合わせた格子状に形成されていることにより、水中での昇降動作が水の抵抗を殆ど考慮する必要がなく、また軽量であるため昇降ステージ自体の昇降のための駆動力が少なくてよく、これに載せられるコンクリート塊の持ち上げ能力を大きくできる。
【0016】
本発明では、前記ステージ支持構の各支柱は、互いに1対の柱材を、間隔を隔てて平行に並べて立設することにより構成され、その各支柱毎に、前記1対の柱材間の隙間を立て向きのガイド溝となし、該ガイド溝内に前記昇降ステージに固定したスライド部材を上下に摺動自在に挿入することにより前記昇降ステージをステージ支持構に対して上下動自在に組み付けたことにより、簡単な構造で、大重量のコンクリート塊を搭載した昇降ステージを安定性よく支持できる。
【0017】
また、前記昇降ステージは、一対の横桁を主桁とし、該主桁上に跨らせてこれに直交する多数の縦桁を固定して格子状となし、前記各主桁を互いに平行な一対の横材をもって構成させ、該横材の端部間を水平配置の連結部材をもって連結し、該連結部材を前記スライド部材として前記支柱のガイド溝内に挿入し、該連結部材を前記昇降駆動機構によって昇降操作させるようにしたことにより、昇降ステージの吊り持ち支持が、簡単な構造で堅牢かつ安定性の高いものとできる。
【0018】
更に、本発明では、前記昇降駆動機構は、前記昇降ステージに下端を連結した鋼製引張材と、該鋼製引張材を上下方向に向けて中心孔内に挿通し、該鋼製引張材を上下に昇降させるセンターホールジャッキとをもって構成されていることにより、水や塩分に強く、洋上におけるメンテナンスが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて説明する。
【0020】
図1〜図3は、本発明方法に使用する昇降ステージ装置を示している。この装置Aは、鋼製のステージ支持構1とその内部に上下に昇降可能に支持された昇降ステージ2とから構成されている。ステージ支持構1は、4本の立て向き支柱3,3,3,3と、これらの下端部から所定の高さ範囲において、これらの間を連結する支柱下端部支持構4を有している。この支柱下端部支持構4は各支柱3間を上下配置の多数の鋼材をもって連結することにより、各支柱3を自立させている。
【0021】
これら4本支柱3,3,3,3の上端には、左右両側部の各2本の支柱上端に支持させて左右の足場枠5,5が組まれ、この両足場枠の一端部間に背部水平足場枠6が組まれており、全体として平面がコ字状に連続した足場枠が形成されている。この左右の各足場枠5,5の上に水平な作業足場7,8が設置されている。
【0022】
各支柱3は、それぞれ2本のH型鋼からなる柱部材3a,3aを、間隔を隔てて立て向きに配置することによって構成され、両柱部材3a,3a間は両者の上端部および下端部において横材によって連結されている。この両柱部材3a,3a間の隙間が、後述する昇降ステージ2を上下方向に動作させるためのガイド溝9となっている。また、各支柱3は下端に接地板3bが固定され、これを水底に接地させることによって所望の場所に自立させることができるようになっている。
【0023】
このように構成されるステージ支持構1内に昇降ステージ2が昇降可能に挿入されている。昇降ステージ2は、図1、図3に示すように、それぞれが一対の横材10a,10aによって構成された1対の主横桁10,10とその上に、これと直行する配置に架設した縦桁11,11……によって格子状に形成された主構12と、その縦桁11の上にこれと直行配置に固定した枕材13,13……によって構成されている。
【0024】
各主横桁10は、これを構成している横材10a,10a間を連結した連結部材14をスライド部材として、前述した支柱3を構成している柱部材3a,3a間のガイド溝9内に挿入され、これによって昇降ステージ2が、支柱3をガイドとして上下動自在となっているとともに、一対の横材10a,10aによって支柱3を挟み込むことにより昇降ステージ2のステージ支持構1に対する水平方向の移動が規制されている。
【0025】
この連結部材14の上にPCストランドからなる昇降用の吊り材20の下端がヒンジ結合金具21を介して連結されている。この吊り材20の上端側が、支柱3の頂部に設置した昇降駆動機構であるセンターホールジャッキ22の中心孔に挿通され、このセンターホールジャッキ22によって吊り材20を引き上げ・降下操作させるようになっている。
【0026】
センターホールジャッキ22は、図には詳示してないが、中心部分に貫通孔を有する円筒状の油圧シリンダーを有し、その油圧シリンダーのシリンダー部と伸縮動作部とに、吊り材を掴んで保持するグリッパーをそれぞれ備え、両グリッパーを交互に使用しつつ伸縮動作を繰り返すことによって吊り材を引き上げ、または降下させるようにしているものである。
【0027】
このセンターホールジャッキ22を使用した昇降機構は、昇降ステージ2の両主横材10,10の両端部位置にそれぞれ設置され、これら4箇所の昇降駆動機構を同時に動作させることによって、昇降ステージ2の水平度を維持させつつ水面下から水面上まで昇降操作させるようになっている。
【0028】
尚、上述の例ではステージ支持構1として、鋼材からなる柱部材3a,3aにより支柱3を構成したものを示しているが、昇降ステージ2を上下動可能に支持できる構造であればよく、また、昇降ステージ2として、鋼材を縦横に組み合わせた格子状にしたものを用いているが、その他、上面に平坦な床を持つものであってもよい。更に、昇降駆動機構はセンターホールジャッキ22とPCストランドからなる吊り材20をもって構成したものを使用しているが、この他、ウインチと吊りワイヤーロープを使用したものや、ロッドがシリンダー内から出入される通常の油圧シリンダーを使用したものであってもよい。
【0029】
次に、上記昇降ステージ装置を使用した本発明に係る水中コンクリート構造物の解体撤去方法を図4〜図6について説明する。
【0030】
図4に示すように、撤去しようとする水中コンクリート構造物30をクレーンによる撤去に適当な大きさのコンクリート塊31,32となるように切断する。この切断はワイヤーソー切断機33を使用し、これを構造物30の上に移動自在に設置した台車34上に載せる。台車34には構造物30をまたぐ配置の一対の水中架台34aを備えており、この水中架台34aにワイヤーソー引き回し用のガイド部材を支持させて切断作業を行う。
【0031】
この切断作業は、使用するクレーン35の許容負荷荷重に合わせ、構造物30の水面上にある部分30aは、該クレーンによって空気中で吊り上げることができる大きさのコンクリート塊31となるように切断し、水面下にある部分30bは、水中で吊り上げることができる大きさ(重さ)のコンクリート塊32となるように切断する。例えばクレーンの吊り上げ能力が300tである場合、水面上部分にできるコンクリート塊31は、1個が300t程度となる大きさに切断し、水面下にできるコンクリート塊32は、浮力が作用した場合に300t程度となる大きさに切断する。
【0032】
即ち、構造物30を構成しているコンクリートの単位体積重量が2.45t/mであるとすると、水中ではこれに1t/mの浮力が作用するから、水面下の部分のコンクリート塊32は、水面上の部分のコンクリート塊31に対して最大で2.45倍となる大きさに切断する。
【0033】
このようにして、水面上と水面下とにおけるコンクリート塊31,32の大きさを違えて切り取った後、水面上のコンクリート塊31は、クレーンにて吊り上げて搬送用の台船に載せる。一方水面下のコンクリート塊32の搬出に際しては、図4に示すように切り出される部分の近くの水底面に前述した昇降ステージ装置Aを設置する。この設置は、陸上で組立てられたものを台船等の搬送手段にて現場に搬送し、クレーンにて吊り上げて必要な場所に設置する。
【0034】
このステージ装置Aの昇降ステージ2を、略コンクリート塊32の高さに相当する深さ分だけ水面下に沈めて待機させておく。この状態で図5に示すように、コンクリート塊32をクレーン35によって吊り、水中を横移動させて図6(a)に示すように昇降ステージ2上に載せる。
【0035】
次いで図6(b)に示すように昇降ステージ2を水面上まで上昇させる。この状態で、昇降ステージ2上にあるコンクリート塊32を、クレーン35による気中吊り上げに適当な大きさの小コンクリート塊に切断する。この切断作業は、作業床版7又は8上に設置したワイヤーソー切断装置(図示せず)によって行う。このようにして空気中に上昇させた昇降ステージ2上で小分けされた小コンクリート塊をクレーンにて搬送台船に移し、所望の場所に搬送する。
【0036】
この実施例では、水面下のコンクリート塊32の大きさを、その水中での重さがクレーン35の稼動に適切な重さとなるようにし、水面上のコンクリート塊31をその略半分の重さとするようにしている。
【0037】
このように、ステージ装置Aを使用し、水面下部分を切断したコンクリート塊32を水中に沈めたまま横移動させて水面下の昇降ステージ2上に載せ、これを上昇させて水面上にて切断し、クレーン35の吊り上げに適切な大きさの小コンクリート塊にすることにより、水面下にて切り出されるコンクリート塊の大きさは、空気中での吊り上げに適切な大きさの2倍以上とすることができ、水中での切断のための潜水による作業等の水中作業が大幅に減少することとなり、作業効率が高くしかも作業コストも削減される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る水中コンクリート構造物の解体撤去方法に使用する昇降架台装置の一例の正面図である。
【図2】同装置の昇降ステージを除いたステージ支持構を示す平面図である。
【図3】同装置の昇降ステージと及びこれと支柱との結合部分を示す平面図である。
【図4】本発明に係る水中コンクリート構造物の解体撤去方法の一例の切断工程を示す側面図である。
【図5】同上の水面下のコンクリート塊を水中横移動させている工程を示す側面図である。
【図6】(a)は同上の水中の昇降ステージ上にコンクリート塊を載せた状態を示す側面図、(b)は同昇降ステージを水面上に上昇させた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0039】
A 昇降ステージ装置
1 ステージ支持構
2 昇降ステージ
3 支柱
3a 柱部材
3b 接地板
4 支柱下端部支持構
・ 足場枠
・ 作業足場
9 ガイド溝
10 主横桁
10a 横材
11 縦桁
12 主構
13 枕材
14 連結部材
20 吊り材
21 ヒンジ結合金具
22 センターホールジャッキ
30 水中コンクリート構造物
30a 水面上にある部分
30b 水面下にある部分
31,32 コンクリート塊
33 ワイヤーソー切断機
34 台車
34a 水中架台
35 クレーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート堤体等の水中コンクリート構造物を所望の大きさのコンクリート塊に切断し、該コンクリート塊を搬送撤去する水中コンクリート構造物の解体撤去方法において、
解体撤去対象の水中コンクリート構造物に近接した水底面に、前記コンクリート塊を水面下より水面上の上昇させることができる昇降ステージを設置し、水中コンクリート構造物の水面下部分を切断装置によって切り取り、その切り取られたコンクリート塊をクレーンにて吊りつつ水中を移動させて、水面下に降下されている前記昇降ステージ上に載せ、しかる後該昇降ステージを水面上に上昇させ、該昇降ステージ上のコンクリリート塊を切断装置によって複数分割し、その分割された小コンクリート塊を適宜搬送手段によって搬送することを特徴としてなる水中コンクリート構造物の解体撤去方法。
【請求項2】
前記水中コンクリート構造物の切り取り及び/又はこれによって切り取られたコンクリート塊の切断に使用する切断装置としてワイヤーソーを使用する請求項1に記載の水中コンクリート構造物の解体撤去方法。
【請求項3】
立て向きの複数の支柱を有し、該支柱の下端部間を互いに連結して各支柱が自立できるように支持させる支柱支持枠体を有するステージ支持構と、該ステージ支持構の前記支柱に沿って上下に移動可能に設置した昇降ステージと、前記ステージ支持構に支持され、前記昇降ステージを昇降移動させる昇降駆動機構とを備え、
前記昇降ステージは、鋼製の横桁と縦桁とを縦横に組み合わせた格子状に形成されている請求項1に記載の水中コンクリート構造物の解体撤去方法に使用する昇降ステージ装置。
【請求項4】
前記ステージ支持構の各支柱は、互いに1対の柱材を、間隔を隔てて平行に並べて立設することにより構成され、その各支柱毎に、前記1対の柱材間の隙間を立て向きのガイド溝となし、該ガイド溝内に前記昇降ステージに固定したスライド部材を上下に摺動自在に挿入することにより前記昇降ステージをステージ支持構に対して上下動自在に組み付けてなる請求項3に記載の昇降ステージ装置
【請求項5】
前記昇降ステージは、一対の横桁を主桁とし、該主桁上に跨らせてこれに直交する多数の縦桁を固定して格子状となし、前記各主桁を互いに平行な一対の横材をもって構成させ、該横材の端部間を水平配置の連結部材をもって連結し、該連結部材を前記スライド部材として前記支柱のガイド溝内に挿入し、該連結部材を前記昇降駆動機構によって昇降操作させるようにしてなる請求項4に記載の昇降ステージ装置。
【請求項6】
前記昇降駆動機構は、前記昇降ステージに下端を連結した鋼製引張材と、該鋼製引張材を上下方向に向けて中心孔内に挿通し、該鋼製引張材を上下に昇降させるセンターホールジャッキとをもって構成してなる請求項3〜4のいずれか1の請求項に記載の昇降ステージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−235877(P2009−235877A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−86598(P2008−86598)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000166627)五洋建設株式会社 (364)
【Fターム(参考)】