説明

水中バックホウの姿勢制御装置

【課題】上部旋回体の姿勢を水平状態に制御する際に、大きな負荷荷重に耐えることができ、水中バックホウの安定性を確保できる水中バックホウの姿勢制御装置を提供する。
【解決手段】上部旋回体12と走行体14の間に、上部支持体3と、下部支持体7と、両支持体3、7を連結する中間連結体5とを設置し、上部支持体3に両端部を支持されて中間連結体5を貫通して走行体前後方向を向いた上部支持シャフト4が上部支持体3を回転可能に連結し、走行体幅方向を向いて下部支持体7に両端部を支持されて中間連結体5を貫通する下部支持シャフト6が中間連結体5を回転可能に連結し、前後方向傾斜センサ8aと幅方向傾斜センサ8bの検知データに基づいて、それぞれの傾斜用シリンダ9a、9bにより、中間連結体5、上部支持体3を回転、傾斜させて上部旋回体12の姿勢を水平状態に制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部旋回体の姿勢を水平状態に制御する水中バックホウの姿勢制御装置に関し、さらに詳しくは、大きな負荷荷重に耐えることができるとともに、水中バックホウの安定性を確保できる水中バックホウの姿勢制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バックホウで掘削作業等を行なう際に、バックホウの足場となる地盤の起伏が大きい場合は、平らな地盤に比べて作業を行ない難く、安定性も悪いため、一般に、その足場をバックホウで平坦に均して、バックホウが水平状態になるようにしてから作業を行なうことが多い。ただし、このように事前に足場をバックホウで均すには、そのための作業が必要になり、また、足場を平坦に均すことができない現場もある。特に、水中地盤は直接目視できないことが多いので、陸上地盤に比して平坦に均す作業には時間を要する。
【0003】
足場の起伏状態に関係なく、上部旋回体を水平に維持するために、例えば、バックホウの走行体と上部旋回体との間に姿勢制御機構を設け、上部旋回体を常に水平に維持する制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この提案では、アウタードラムとインナードラムとを、一対の水平軸および軸受けで支持し、インナードラムに内挿されるスイングサークル支持ドラムとインナードラムとを、別の一対の水平軸および軸受けで支持し、互いの一対の水平軸および軸受けを、ドラム周方向に90°ずらして配置している。そして、地盤の起伏に応じて、インナードラムおよびスイングサークル支持ドラムを、制御シリンダによって、それぞれの水平軸を中心にして回転、傾斜させて上部旋回体を常に水平に維持するようにしている。
【0004】
しかしながら、この提案のような装置では、片持ちの水平軸が大きな荷重を負担することになるため、負荷荷重が大きくなる大型のバックホウには適用できないという問題がある。また、このように地盤の起伏に応じて、上部旋回体を走行体に対して傾斜させるには、上部旋回体を傾斜させた際に走行体との干渉を防止するため、上部旋回体と走行体との間に十分なクリアランスを確保する必要がある。そのため、上部旋回体の位置が従来よりも高い位置になり、これに伴ってバックホウの重心位置が高くなるため、安定性が低下するという問題がある。一定の安定性を確保するには、別途、カウンターウエイトを設置する必要が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭55−138523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上部旋回体の姿勢を水平状態に制御するに際して、大きな負荷荷重に耐えることができるとともに、水中バックホウの安定性を確保できる水中バックホウの姿勢制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の水中バックホウの姿勢制御装置は、水中バックホウの上部旋回体と走行体との間に設置される水平姿勢維持機構と、走行体前後方向の傾斜を検知する前後方向傾斜センサと、走行体幅方向の傾斜を検知する幅方向傾斜センサと、これら傾斜センサの検知データが入力される制御部と、前記前後方向傾斜センサの検知データに基づいてロッドの伸縮移動が制御される前後方向傾斜用シリンダと、前記幅方向傾斜センサの検知データに基づいてロッドの伸縮移動が制御される幅方向傾斜用シリンダとを備え、前記水平姿勢維持機構が、上部旋回体を載置する上部支持体と、走行体の上に固定される下部支持体と、上部支持体と下部支持体とを連結する中間連結体とを有し、前記上部支持体と中間連結体の少なくとも一方によって両端部を支持された上部支持シャフトが、前記上部支持体と中間連結体とを回転可能に連結するとともに、上部支持シャフトと直交する方向に、前記下部支持体と中間連結体の少なくとも一方によって両端部を支持された下部支持シャフトが、前記下部支持体と中間連結体とを回転可能に連結し、上部支持シャフトと下部支持シャフトのいずれかを走行体前後方向に向けて配置し、前記前後方向傾斜用シリンダと幅方向傾斜用シリンダのいずれか一方を、前記上部支持体を上部支持シャフトを中心にして回転させるように設置するとともに、いずれか他方を、前記中間連結体を下部支持シャフトを中心にして回転させるように設置し、それぞれのシリンダのロッドの伸縮移動によって、前記上部支持体、中間連結体をそれぞれ上部支持シャフト、下部支持シャフトを中心にして回転させて傾斜させることにより、前記上部旋回体の姿勢を水平状態に制御する構成にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水中バックホウの上部旋回体と走行体との間に設置される水平姿勢維持機構が、上部旋回体を載置する上部支持体と、走行体の上に固定される下部支持体と、上部支持体と下部支持体とを連結する中間連結体とを有し、前記上部支持体と中間連結体の少なくとも一方によって両端部を支持された上部支持シャフトが、前記上部支持体と中間連結体とを回転可能に連結するとともに、上部支持シャフトと直交する方向に、前記下部支持体と中間連結体の少なくとも一方によって両端部を支持された下部支持シャフトが、前記下部支持体と中間連結体とを回転可能に連結することにより、両端支持の上部支持シャフトおよび両端支持の下部支持シャフトが、水平姿勢維持機構に作用する荷重を負担するので、従来提案されている姿勢制御機構に比して、局部的な荷重負担を軽減することができる。それ故、大型の水中バックホウに適用することも可能になる。
【0009】
また、この上部支持シャフトおよび下部支持シャフトを、水中バックホウの重心位置を下げるカウンターウエイトとして機能させることができるので、水中バックホウの安定性を確保するには有利になる。重心位置を下げるために別途、カウンターウエイトを設置する必要がなく、或いは、設置するとしても小さなカウンターウエイトで十分になる。
【0010】
ここで、前記上部支持シャフトよりも下部支持シャフトの重量を大きくした仕様にすることもできる。前記上部支持シャフトおよび下部支持シャフトの内、少なくとも下部支持シャフトが、中実材である仕様にすることもできる。前記上部支持シャフトおよび下部支持シャフトの内、少なくとも下部支持シャフトが、中空材に、その中空材よりも比重の大きな充填材を充填して構成されている仕様にすることもできる。これらの仕様によれば、水中バックホウの重心位置を低くするには一段と有利になる。
【0011】
また、本発明は、前記前後方向傾斜用シリンダおよび幅方向傾斜用シリンダにより傾斜させる上部旋回体の走行体に対する最大傾斜角度が6°〜10°である場合に適用すると特に好ましい。上部旋回体を傾斜させる最大傾斜角度がこの範囲になると、上部旋回体と走行体との間に設けるクリアランスが大きくなる。そのままでは水中バックホウの重心位置が高くなり過ぎるので、適度に重心位置を低くする必要があるためである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の水中バックホウの姿勢制御装置の全体概要図である。
【図2】水平姿勢維持機構を例示する側面図である。
【図3】図2の水平姿勢維持機構の正面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】走行体が前後方向に傾いた時の制御姿勢を例示する側面図である。
【図6】走行体が幅方向(左右)に傾いた時の制御姿勢を例示する側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の水中バックホウの姿勢制御装置について図に示した実施形態に基づいて説明する。
【0014】
本発明は、図1に例示するような水中バックホウ11に適用される。水中バックホウ11は、足回り機構15にクローラ16を装着した走行体14と、走行体14の上で水平回転できる上部旋回体12を備えている。ブーム13aに連結されたアーム13bの先端には、バケット、掘削ヘッド等の様々なアタッチメントが装着される。水中バックホウ11は電源ケーブル19を通じて水上のコントローラ20と接続されていて、コントローラ20によって無人遠隔操作される。水中バックホウ11にGPSアンテナ18を設けることにより、水中バックホウ11の位置をリアルタイムで水上で把握することができる。
【0015】
本発明の水中バックホウの姿勢制御装置1は、図1〜図4に例示するように、上部旋回体12と走行体14との間に設置される水平姿勢維持機構2と、前後方向傾斜センサ8aおよび幅方向傾斜センサ8bと、これら傾斜センサ8a、8bの検知データが入力される制御部10と、一対の前後方向傾斜用シリンダ9aおよび一対の幅方向傾斜用シリンダ9bとを備えている。水平姿勢維持機構2と上部旋回体12との境界には、両者間の油圧系統を接続するためにスイベルジョイント17が設けられている。
【0016】
水平姿勢維持機構2は、上部旋回体12を載置する上部支持体3と、走行体14の上に固定される下部支持体7と、上部支持体3と下部支持体7とを連結する中間連結体5とを有している。上部支持体3により両端部を支持された上部支持シャフト4は、上部支持体3に形成された前後方向貫通穴3aおよび中間連結体5に形成された前後方向貫通穴5aを貫通している。前後方向貫通穴3aを貫通した上部支持シャフト4の両端に、前後方向傾斜用シリンダ9aの上端部が取り付けられている。前後方向傾斜用シリンダ9aの下端部は下部支持体7に固定されている。上部支持体3は、上部支持シャフト4を中心にして回転可能に中間連結体5に連結されている。
【0017】
下部支持体7により両端部を支持された下部支持シャフト6は、下部支持体7に形成された幅方向貫通穴7aおよび中間連結体5に形成された幅方向貫通穴5bを貫通している。中間連結体5は、下部支持シャフト6を中心にして回転可能に下部支持体7に連結されている。上部支持シャフト4と下部支持シャフト6は直交する向きに配置されている。幅方向傾斜用シリンダ9bの下端部は、幅方向貫通穴7aを貫通した下部支持シャフト6の両端に取り付けられていて、幅方向傾斜用シリンダ9bの上端部は、上部支持体3に固定されている。
【0018】
この実施形態では、上部支持シャフト4は走行体前後方向に向いて配置されていて、幅方向傾斜用シリンダ9bは、上部支持シャフト4を中心にして上部支持体3を回転させるように設置されている。下部支持シャフト6は走行体幅方向に向いて配置されていて、前後方向傾斜用シリンダ9aは、下部支持シャフト6を中心にして中間連結体5を回転させるように設置されている。
【0019】
前後方向傾斜センサ8aは、上部支持体3に取り付けられて走行体前後方向の傾斜を検知し、幅方向傾斜センサ8bは、上部支持体3に取り付けられて走行体幅方向の傾斜を検知する。この実施形態では、前後方向傾斜センサ8aと幅方向傾斜センサ8bとが一体になっているが、それぞれ別体にしたものでもよい。
【0020】
前後方向傾斜用シリンダ9aは、前後方向傾斜センサ8aの検知データに基づいてロッドの伸縮移動が制御され、幅方向傾斜用シリンダ9bは、幅方向傾斜センサ8bの検知データに基づいてロッドの伸縮移動が制御される。前後方向傾斜用シリンダ9aおよび幅方向傾斜用シリンダ9bとしては、油圧シリンダが用いられる。
【0021】
図5に例示するように、水中バックホウ11(走行体14)が水底地盤の起伏によって前後方向に傾斜すると、前後方向傾斜センサ8aが走行体前後方向の傾斜を検知する。そして、その検知データに基づいて制御部10がその傾斜をなくすように前後方向傾斜用シリンダ9aのロッドの伸縮移動を制御して、中間連結体5とともに上部支持体3を下部支持シャフト6を中心に回転傾斜させる。即ち、一方の前後方向傾斜用シリンダ9aのロッドを伸長し、他方の前後方向傾斜用シリンダ9aのロッドを収縮させるように制御する。これに伴って、上部旋回体12を走行体14の前後方向に傾斜させて水平状態にする。
【0022】
図6に例示するように、水中バックホウ11(走行体14)が水底地盤の起伏によって幅方向に傾斜すると、幅方向傾斜センサ8bが走行体幅方向の傾斜を検知する。そして、その検知データに基づいて制御部10がその傾斜をなくすように幅方向傾斜用シリンダ9bのロッドの伸縮移動を制御して、上部支持体3を上部支持シャフト4を中心に回転傾斜させる。即ち、一方の幅方向傾斜用シリンダ9bのロッドを伸長し、他方の幅方向傾斜用シリンダ9bのロッドを収縮させるように制御する。これに伴って、上部旋回体12を走行体14の幅方向に傾斜させて水平状態にする。
【0023】
このように、それぞれの傾斜センサ8a、8bの検知データに基づいて、上部支持体3と中間連結体5を回転させて傾斜させることにより、上部旋回体12の姿勢を常に水平状態に制御する構成になっている。
【0024】
本発明では、水平姿勢維持機構2に作用する荷重は、上部支持シャフト4および下部支持シャフト6によって負担支持される。それぞれの支持シャフト4、6は、両端支持であるとともにそれぞれの貫通穴3a、5a、5b、7aとの接触面積が大きく、また、それぞれの支持シャフト4、6の外径とそれぞれの貫通穴3a、5a、5b、7aの内径を大きくすることも容易である。そのため、片持ちの水平軸によって荷重負担をする従来の姿勢制御機構に比して、局部的な荷重負担を軽減することができる。それ故、大型の水中バックホウ11に適用することも可能になる。
【0025】
また、この上部支持シャフト4および下部支持シャフト6は、従来の姿勢制御機構の水平軸と比べてサイズ(体積)が大きくなるので、水中バックホウ11の重心位置を下げるカウンターウエイトとして機能させることができる。前後方向傾斜用シリンダ9aおよび幅方向傾斜用シリンダ9bにより傾斜させる上部旋回体12の走行体14に対する最大傾斜角度が6°以上の場合、例えば、6°〜10°である場合には、傾斜させる上部旋回体12と走行体14との干渉を防止するため、上部旋回体12の位置を高くして走行体14との間に設けるクリアランスCを大きくする必要があり、水中バックホウ11の安定性が低下する。
【0026】
ところが、本発明では、上部支持シャフト4および下部支持シャフト6のカウンターウエイト機能によって、水中バックホウ11の重心位置を低くすることができる。そのため、水中バックホウ11の安定性を確保するには有利になる。
【0027】
また、重心位置を下げるために別途、カウンターウエイトを設置する必要がない。或いは、別途、カウンターウエイトを設置するとしても小さなカウンターウエイトで十分になる。
【0028】
上部支持シャフト4および下部支持シャフト6は、鋼管等の中空材で構成することができるが、通常必要とされる設計強度(安全率を考慮した強度)が得られる肉厚以上に厚さを大きくした肉厚中空材にすることで、重量を重くすることもできる。或いは、鋼棒等の中実材を使用したり、中空材に、その中空材よりも比重の大きな充填材を充填した構成にすることにより、上部支持シャフト4および下部支持シャフト6の重量を重くすることもできる。
【0029】
また、水中バックホウ11の重心位置を下げるには、上部支持シャフト4よりも下部支持シャフト6の重量をより大きくするのが一段と効果的である。したがって、上部支持シャフト4および下部支持シャフト6の内、少なくとも下部支持シャフト6を、中実材にしたり、上部支持シャフト4および下部支持シャフト6の内、少なくとも下部支持シャフト6を、中空材に、その中空材よりも比重の大きな充填材を充填した仕様にすることもできる。
【0030】
上部支持シャフト4は走行体幅方向、下部支持シャフト6は走行体前後方向に向けて配置されてもよい。即ち、上部支持シャフト4と下部支持シャフト6の内、いずれか一方が走行体前後方向に向けて配置され、いずれか他方が走行体幅方向に向けて配置されていればよい。上部支持シャフト4が走行体幅方向に向けて配置された際には、前後方向傾斜用シリンダ9aは、上部支持シャフト4を中心にして上部支持体5を回転させるように設置され、幅方向傾斜用シリンダ9bは、下部支持シャフト6を中心にして中間連結体5を回転させるように設置される。
【0031】
この実施形態では、上部支持シャフト4の両端部は、上部支持体3によって支持され、下部支持シャフト6の両端部は下部支持体によって支持されているが、この構造に限定されるものではない。本発明では、上部支持シャフト4の両端部を、上部支持体3と中間連結体5の少なくとも一方によって支持し、この上部支持シャフト4によって上部支持体3と中間連結体5とを回転可能に連結した構造にすることができる。また、下部支持シャフト6の両端部を、下部支持体7と中間連結体5の少なくとも一方によって支持し、この下部支持シャフト6によって下部支持体7と中間連結体5とを回転可能に連結した構造にすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 姿勢制御装置
2 水平姿勢維持機構
3 上部支持体
3a 前後方向貫通穴
3b 幅方向貫通穴
4 上部支持シャフト
5 中間連結体
5a 前後方向貫通穴
5b 幅方向貫通穴
6 下部支持シャフト
7 下部支持体
7a 幅方向貫通穴
8a 前後方向傾斜センサ
8b 幅方向傾斜センサ
9a 前後方向傾斜用シリンダ
9b 幅方向傾斜用シリンダ
10 制御部
11 水中バックホウ
12 上部旋回体
13a ブーム
13b アーム
14 走行体
15 足回り機構
16 クローラ
17 スイベルジョイント
18 GPSアンテナ
19 電源ケーブル
20 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中バックホウの上部旋回体と走行体との間に設置される水平姿勢維持機構と、走行体前後方向の傾斜を検知する前後方向傾斜センサと、走行体幅方向の傾斜を検知する幅方向傾斜センサと、これら傾斜センサの検知データが入力される制御部と、前記前後方向傾斜センサの検知データに基づいてロッドの伸縮移動が制御される前後方向傾斜用シリンダと、前記幅方向傾斜センサの検知データに基づいてロッドの伸縮移動が制御される幅方向傾斜用シリンダとを備え、
前記水平姿勢維持機構が、上部旋回体を載置する上部支持体と、走行体の上に固定される下部支持体と、上部支持体と下部支持体とを連結する中間連結体とを有し、前記上部支持体と中間連結体の少なくとも一方によって両端部を支持された上部支持シャフトが、前記上部支持体と中間連結体とを回転可能に連結するとともに、上部支持シャフトと直交する方向に、前記下部支持体と中間連結体の少なくとも一方によって両端部を支持された下部支持シャフトが、前記下部支持体と中間連結体とを回転可能に連結し、上部支持シャフトと下部支持シャフトのいずれかを走行体前後方向に向けて配置し、
前記前後方向傾斜用シリンダと幅方向傾斜用シリンダのいずれか一方を、前記上部支持体を上部支持シャフトを中心にして回転させるように設置するとともに、いずれか他方を、前記中間連結体を下部支持シャフトを中心にして回転させるように設置し、それぞれのシリンダのロッドの伸縮移動によって、前記上部支持体、中間連結体をそれぞれ上部支持シャフト、下部支持シャフトを中心にして回転させて傾斜させることにより、前記上部旋回体の姿勢を水平状態に制御する構成にしたことを特徴とする水中バックホウの姿勢制御装置。
【請求項2】
前記上部支持シャフトよりも下部支持シャフトの重量を大きくした請求項1に記載の水中バックホウの姿勢制御装置。
【請求項3】
前記上部支持シャフトおよび下部支持シャフトの内、少なくとも下部支持シャフトが、中実材である請求項1または2に記載の水中バックホウの姿勢制御装置。
【請求項4】
前記上部支持シャフトおよび下部支持シャフトの内、少なくとも下部支持シャフトが、中空材に、その中空材よりも比重の大きな充填材を充填して構成されている請求項1または2に記載の水中バックホウの姿勢制御装置。
【請求項5】
前記前後方向傾斜用シリンダおよび幅方向傾斜用シリンダにより傾斜させる上部旋回体の走行体に対する最大傾斜角度が6°〜10°である請求項1〜4のいずれかに記載の水中バックホウの姿勢制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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