説明

水処理具及びその製造方法

【課題】含有できる微生物が限定されず、かつ持続的に微生物の増殖促進効果を発揮できる水処理具及び生物の増殖促進効果に即効性を与える上記水処理具の製造方法を提供する。
【解決手段】水処理具10は、平板状に形成された土硬化物11及び土硬化物11を貫通するように配設された炭素繊維シート12からなる。土硬化物11は、あらかじめ所定条件で培養して培養前よりも微生物量を増大させた微生物含有物、土、軽焼マグネシア、ポルトランドセメント、及び水を混合して硬化させることで形成される。帯状の炭素繊維シート12はその中間部が土硬化物11に埋設されている。炭素繊維シート12は、土硬化物11内に埋設されている部分よりも土硬化物11から表出している部分の方が長くなるように寸法が設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水質の浄化を行う水処理具及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セメントペーストを使用したコンクリートブロックを水中に没して微生物の足場とし、増殖した微生物の水浄化機能をもって水質の浄化を行う技術が知られている。たとえば、特許文献1には、微生物としてバチルスサブチルス(Bacillus subtilis)、バチルスツリュゲナイセス(Bacillus thuringiensis)、バチルススパリカス(Bacillus sphaericus)を含んだセメントペーストが記載されている。上記の三種の微生物は、強アルカリ性条件に耐えることのできる耐アルカリ性菌である。したがって、このセメントペーストを使用したコンクリートブロックはそれら微生物を含んだ状態で形成され、この耐アルカリ性微生物が水中の有機物及び汚染物質を代謝することで水浄化機能が発揮される。
【0003】
また、特許文献2には、コンクリートブロックに中空部を形成し、この中空部に鉄及びグラファイトを充填し、コンクリート製の蓋で密閉する技術が記載されている。コンクリートブロックの中空部に鉄と鉄よりも電位の高いグラファイトとが近接して存在していることで、グラファイトから鉄に電流が流れ、鉄が鉄イオンとして水中に放出される。この鉄イオンがコンクリートブロックの周囲に存在することにより、珪藻及びプランクトンの増殖が促進される。
【特許文献1】国際公開WO2002/048069
【特許文献2】特開平6−206804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の水処理具が使用される場所として、たとえば、海、河川、湖沼などが挙げられる。これらは、その場所によって塩濃度、水の流量や流速、汚染の種類や程度が様々である。したがって、水処理具が使用される場所に応じて、水の浄化を担う微生物の種類を選択できることが好ましい。また、水質の改善には数日から数ヶ月という比較的長期の期間を要することが多いため、水処理具の効果が長期間にわたって持続される必要がある。
【0005】
ところが、特許文献1に記載の発明のようにコンクリートブロックによって水処理具を構成する場合、pH13〜14以上の強アルカリ性のセメントペーストに微生物を投入するため、特定の微生物でなければ死滅してしまう。そのため、使用することができる微生物が極めて限定的であり、期待できる浄化効果も限定される。加えて、強アルカリ性であるコンクリートブロックを水中に没するため、アルカリ(水酸化物イオン)が水中へ溶出して、コンクリートブロック付近の水質がアルカリ性になりやすい。そのため、環境に対する負荷が大きく、処理すべき水域にもともと存在している耐アルカリ性ではない微生物の増殖が阻害されて、その水域が本来有している自然の浄化機能を得られないことがある。
【0006】
特許文献2に記載の発明では、鉄イオンが水中に溶出されるため、微生物の増殖を促進し得る。しかし、鉄イオンの溶出にともなって鉄が水中に露出すると、鉄の表面が反応性の低い酸化被膜で覆われる。とくに、酸化的条件の水質や塩濃度の高い水質では酸化被膜の形成が促進される。そのため、酸化的条件や塩濃度の高い水質では持続的な鉄イオンの溶出が期待できず、使用できる場所が限定される。
【0007】
本発明は、前記従来技術の事情を鑑みてなされたものであり、含有できる微生物が限定されず、かつ持続的に微生物の増殖促進効果を発揮できる水処理具を提供することを目的とする。また、微生物の増殖促進効果に即効性を与える上記水処理具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の水処理具は、水中に没することで微生物の増殖を促進し、水を浄化する水処理具であって、微生物を含む土に水と軽焼マグネシアとを加えて硬化させた土硬化物と、該土硬化物に取り付けられる炭素材とからなり、前記炭素材の少なくとも一部は前記土硬化物の外表面から表出するように取り付けられている。
【0009】
この構成によれば、微生物を含む土の硬化に軽焼マグネシウムを使用しているため、土と軽焼マグネシウムと水とを混合した混合物としてのpH、及び硬化した後の土硬化物のpHは、たとえば、一般的な微生物が生息するに十分なpH8〜10程度となる。コンクリートブロックのように極端なアルカリ性になることがないため、土に含まれる(あるいは添加される)微生物が限定されることがなく、かつ処理すべき水域の微生物の生息に影響を与えることがない。したがって、処理すべき水域の微生物が水処理具に定着するのを待つまでもなく、水処理具の開始直後からその水域に適した微生物による水の浄化機能が発揮される。
【0010】
また、土硬化物には炭素材が取り付けられている。そのため、軽焼マグネシアの反応産物である炭酸マグネシウムと炭素材とで局部電池が形成され、微生物の増殖に必要なマグネシウムイオンが溶出される。また、炭酸マグネシウムは土硬化物の必須成分であるとともに化学的に安定であるため、金属イオンの放出を目的とした他の構成を備える必要がなく、さらにマグネシウムイオンの溶出が長期にわたって持続する。
【0011】
さらに、水中に配置されると、炭素材に光や電磁波が照射される。炭素材は照射された光や電磁波を超音波や赤外線に変換して放出するため、これらの超音波や赤外線を好むいわゆる好炭素菌の増殖を促進することができる。この光や電磁波の変換過程おいて、炭素材そのものの材質は変化しないため、好炭素菌の増殖促進効果は長期間にわたって持続される。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記炭素材は一部が前記土硬化物に埋設されている。この構成によれば、炭素材の表出部分で受けた光や電磁波が変換され、延出部分だけでなく炭素材の埋設している部分を含めた全体から超音波や赤外線として発散される。したがって、炭素材の土硬化物から表出した部分だけでなく、土硬化物の内部においても上記の好炭素菌の増殖促進効果が期待できる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記炭素材は炭素繊維材であるとともに前記土硬化物の外表面に巻きつけられている。炭素材として炭素繊維材を採用することで、水中の水の流れによって炭素繊維材が揺れ動くことになる。この動きは、水中の微生物を集めて付着させるのに都合のよい動きである。また、炭素繊維材を採用し、この炭素繊維材を土硬化物に巻きつけることで炭素繊維材と土硬化物中の炭酸マグネシウムの接触面積をより大きくすることが可能になる。したがって、上記した局部電池が形成される領域が広くなってマグネシウムイオンの溶出量が増大し、より高い微生物増殖促進効果が期待できる。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において前記微生物には、トリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属、の五属のいずれかに属する少なくとも一種の微生物が含まれている。
【0015】
トリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属の五属の微生物はそれぞれ植物の生育に好ましい性質を持つ。たとえば、トリコデルマ属は他の真菌類(たとえばキノコ類)の生育を阻害する他感作用を有しており、植物を優勢的に成長させることができる。シュードモナス属は、キレート物質(シデロフォア)を産生して植物の生育に必須である鉄イオンを遊離させることができる。ラクトバチルス属は、代謝産物として有機酸を産生し、この有機酸は植物の栄養源となるとともに土壌のpHを弱酸性にして有害な菌の生育を抑制する。アゾトバクター属及び根粒菌属は、大気中の窒素を還元して植物が利用可能なアンモニアや硝酸にする窒素固定能を有している。請求項4に記載の発明の水処理具には、これらの微生物が含まれており、この水処理具によって処理された処理水にも上記の微生物が含まれる。そのため、この水処理具によって処理された処理水は、植物の生育を促進する植物育成補助水あるいは土壌の環境を改善する土壌改良水として使用することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、水中に没することで微生物の増殖を促進し、水を浄化する水処理具の製造方法であって、あらかじめ所定条件で培養して微生物の量を培養前よりも増加させた微生物含有物と軽焼マグネシウムと水とを土に混合して混合物を作成し、該混合物が硬化する前に炭素材の一部を該混合物内に埋設させ、その状態で養生して前記混合物を硬化させる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、水中に没することで微生物の増殖を促進し、水を浄化する水処理具の製造方法であって、あらかじめ所定条件で培養して微生物の量を培養前よりも増加させた微生物含有物と軽焼マグネシウムと水とを土に混合して混合物を作成し、該混合物を養生して硬化させて土硬化物を作成し、該土硬化物の外表面に炭素繊維材を巻きつける。
【0018】
たとえば、土硬化物に含まれる微生物が少ない場合、水処理具に微生物が定着して期待の水処理作用を得るまでに長期間を要することがある。請求項5及び請求項6に記載の発明の水処理具の製造方法によれば、土に、あらかじめ培養して微生物の量を増加させた微生物含有物を添加することで、水処理具の使用開始直後であっても高い水処理効果を得ることができる。また、開始直後から微生物が水処理具に含まれることで、これらの微生物が発する超音波や赤外線によって、浄化すべき水域に存在している微生物が定着、増殖しやすくなる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、請求項5又は請求項6に記載の発明において、前記微生物含有物には、あらかじめ所定条件で培養して微生物の量を培養前よりも増加させたトリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属、の五属のいずれかに属する少なくとも一種の微生物が含まれている。上述したように、これらトリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属の五属の微生物はそれぞれ植物の生育に好ましい性質を持つ。これらの微生物をあらかじめ培養しておくことで、水処理具の使用開始直後からこれらの微生物が水中に拡散される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の水処理具によれば、含有される微生物が制限されることがなく、かつ微生物の増殖促進効果に即効性があり、長期間にわたって持続する。また、本発明の水処理具の製造方法によれば、微生物の増殖促進効果に即効性を与える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(実施形態1)
以下、図1にしたがって実施形態1を説明する。
図1に示すとおり、本実施形態の水処理具10は、土硬化物11が平板状に形成されているとともに、炭素材としての炭素繊維シート12が土硬化物11を貫通して両端が側方へ延出している。土硬化物11は、微生物と有機物とを含む土、軽焼マグネシア、ポルトランドセメント、及び水を原料として硬化されたものであるとともに、全体として微細な孔(図示せず)を有する多孔質材である。
【0022】
炭素繊維シート12はポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維を帯状に形成したものである。本実施形態では、3枚の炭素繊維シート12の中間部が土硬化物11に埋設され、それぞれが互いに土硬化物11内で接触しないように等間隔に配置されている。炭素繊維シート12は、土硬化物11内に埋設されている部分と土硬化物11から延出している部分とからなり、土硬化物11内に埋設されている部分よりも土硬化物11から延出している部分の方が長くなるように寸法が設定されている。炭素繊維シート12の土硬化物11に対する埋設位置は、土硬化物11の厚み方向において中央となるように設定されている。
【0023】
次に、実施形態1の水処理具10を製造する方法について説明する。
採取された土には、その土に含まれる微生物の量を増大させるために、あらかじめ所定条件で培養して微生物量を増加させた微生物含有物が添加される。微生物含有物の組成として、たとえば土に微生物の養分となる作物遺体及び堆肥、ミネラル源としてポーラス石やゼオライトが添加されたものが使用できる。微生物含有物の培養条件としては、たとえば温度30〜37℃、湿度80〜100%が好適である。
【0024】
微生物含有物が添加された土には、軽焼マグネシアとポルトランドセメントと水とが添加され、混合される。このとき、混合物に空気が含まれるように撹拌することが好ましく、また、軽焼マグネシアが全体に行き渡るように混合される。このとき、軽焼マグネシアの主成分である酸化マグネシウムは水と反応して、潮解性(吸水性)のあるコロイド状の水酸化マグネシウム水和物となる。なお、混合物の各原料の好ましい配合例は、たとえば、土100重量部に対して、微生物含有物10〜1000重量部、軽焼マグネシア5〜100重量部、ポルトランドセメント0.5〜2重量部、水2〜5重量部である。
【0025】
上記混合物は、直方体状の型に充填されるとともに、混合物が硬化する前に3枚の炭素繊維シート12が埋め込まれる。3枚の炭素繊維シート12は、それぞれが互いに接触しないように、かつ混合物(土硬化物11)の厚み方向の中央に配置される。炭素繊維シート12が埋め込まれた状態で、混合物を養生、硬化させて水処理具10となる。この硬化する過程では、水酸化マグネシウム水和物は、土に含まれる炭酸塩及び空気中の二酸化炭素と反応して炭酸マグネシウムとなり、この炭酸マグネシウムによって混合物の硬化が実現される。空気を含んだ混合物が硬化することで、土硬化物11の内部には、無数の孔が形成される。また、土に含まれる鉱石、ポーラス石及びゼオライトの多孔質性が土硬化物11の多孔質性に寄与する。
【0026】
次に、上述のように構成された水処理具10の作用について説明する。
本実施形態の水処理具10は、浄化すべき水域の水中に没して使用される。このとき、土硬化物11は、多孔質材であることから浸水性を有しているためその内部にまで水が浸透する。したがって、土硬化物11は、その内部においても水と接触していることになる。土硬化物11に含まれる微生物は、土硬化物11に含まれる有機物及び水に含まれる有機物を養分として代謝しつつ増殖する。これら微生物の代謝産物は他の微生物の養分となるとともに、増殖した微生物がその微生物に特有の超音波や電磁波を発する。また、増殖した微生物は土硬化物11に形成された孔を介して外部へ放出され、土硬化物11を中心に浄化すべき水域に拡散する。一方、浄化すべき水域に存在している微生物は、土硬化物11及び炭素繊維シート12を足場として定着し、増殖する。
【0027】
水処理具10が水中に没された状態では、土硬化物11の構成成分である炭酸マグネシウムと炭素繊維シート12と水とが接触した状態にある。この状態では、炭酸マグネシウムを陰極、炭素繊維シート12を陽極とする微細な局部電池が形成されて電流が流れる。この反応にともなう酸化還元反応により、炭酸マグネシウムがマグネシウムイオンとして水中に放出される。
【0028】
炭素繊維シート12の土硬化物11から表出した部分には、光や電磁波が照射される(たとえば太陽光)。照射された光や電磁波は炭素繊維シート12によって変換され、超音波や赤外線として放出される。この超音波や赤外線は、炭素繊維シート12の表出部分だけでなく、炭素繊維シート12全体から放出される。
【0029】
実施形態1によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)土硬化物11の原料には、微生物含有物が添加された土と軽焼マグネシウムと水と少量のポルトランドセメントが使用されている。したがって、これら原料を混合した混合物、及び土硬化物11のpHが極端なアルカリ性になることがなく、たとえば、一般的な微生物の生存に十分なpH8〜10程度となる。したがって、土に含まれる微生物が土硬化物11の製造過程で死滅することなく、生きたまま保持される。また、土に含まれる微生物に制限がないため、浄化すべき水域に合わせて適切な微生物を含有する微生物含有物を添加することも可能になる。
【0030】
(2)本実施形態の土硬化物11は多孔質材であるため、土硬化物11の内部の表面積が広くなっている。表面積が広いと、微生物の足場となる表面が広くなって、多くの微生物が定着することができる。
【0031】
(3)土硬化物11には、従来技術に比べて多種多様な生きた微生物が含まれている。したがって、処理すべき水域に存在する微生物が水処理具10に定着するのを待たずして、使用開始直後から微生物による水浄化作用が発揮される。また、土硬化物11に含まれる微生物が放出する電磁波や超音波によって、その他の微生物の増殖が促進されるため、処理すべき水域に存在する微生物が水処理具10に定着するまでの期間が短くなる。
【0032】
(4)土硬化物11には、構成成分として有機物が含まれる。とくに、水処理具10の使用開始直後では、微生物の増殖が遅くなりがちであるが、微生物に代謝されやすい有機物が含まれていることで、微生物が増殖しやすくなり、期待の水浄化作用を得られるまでの期間が短縮される。
【0033】
(5)本実施形態では、炭素材として炭素繊維シート12を採用している。炭素繊維シート12が水中で揺れ動くことにより、浄化すべき水域に存在する微生物を付着、定着させやすくなる。また、複数(本実施形態では3枚)の炭素繊維シート12を土硬化物11に取り付けることで、それぞれの炭素繊維シート12が独立して揺れ動くため、より微生物を付着させやすい。
【0034】
(6)土硬化物11に含まれる炭酸マグネシウムと炭素繊維シート12とで局部電池が形成されるため、微生物の増殖に必須なマグネシウムイオンが放出され、微生物の増殖が促進される。加えて、炭酸マグネシウムは土硬化物11の必須成分であるとともに化学的に安定であるため、金属イオンの放出のために他の構成を備える必要がなく、マグネシウムイオンの放出効果が長期にわたって発揮される。
【0035】
(7)炭素繊維シート12が土硬化物11から表出しているため、炭素繊維シート12に光や電磁波が照射される。照射された光や電磁波は、いわゆる好炭素菌が好む超音波や赤外線に変換され放出されるため、これら好炭素菌の増殖が促進される。また、超音波や赤外線は炭素繊維シート12の延出部分だけでなく炭素繊維シート12の全体から放出されるため、土硬化物11の内部においても好炭素菌の増殖促進効果が期待できる。
【0036】
(8)炭素繊維シート12が土硬化物11の厚み方向中央に、かつ幅方向に等間隔に埋設されることで、上記(6)の効果を土硬化物11の内部の全体に均等に作用させることができる。
【0037】
(実施形態2)
次に、実施形態2の水処理具20を図2にしたがって説明する。実施形態2は、土硬化物21の形状と炭素材の取り付け方が実施形態1と大きく異なる。なお、土硬化物21の組成、そして、土硬化物21が多孔質材である点は実施形態1と共通しているため、その説明を省略あるいは簡略化する。また、実施形態2の作用は実施形態1と同様であるため説明を省略する。
【0038】
図2(a)に示すように、実施形態2の水処理具20は、土硬化物21が円環状に形成されている。土硬化物21には、炭素繊維材として1枚の密着炭素繊維シート22が巻きつけられているとともに、炭素繊維材として4枚の延出炭素繊維シート23が土硬化物21の外方に延びるように取り付けられている。
【0039】
PAN系炭素繊維からなる帯状の密着炭素繊維シート22は、その一方の面が土硬化物21に密着するように土硬化物21の円環形状に沿って螺旋状に巻きつけられ、土硬化物21の外表面の半分を覆っている。
【0040】
図2(b)に示すように、延出炭素繊維シート23はその基端に筒状部23aを有している。この筒状部23aの内側に土硬化物21が配置されるように、延出炭素繊維シート23は土硬化物21に取り付けられている。4枚の延出炭素繊維シート23は、土硬化物21の周方向に等間隔(90°)毎に取り付けられるとともに各延出炭素繊維シート23の先端は土硬化物21の外方に向かって放射状に延びている。
【0041】
次に、実施形態2の水処理具20を製造する方法について説明する。
微生物含有物を添加した土、軽焼マグネシア、ポルトランドセメント及び水を混合した混合物は、円環状に凹部が形成された型に充填される。充填された混合物は養生されて硬化し、円環状の土硬化物21が形成される。次に、土硬化物21に、密着炭素繊維シート22を巻きつける。密着炭素繊維シート22は、その一方の面が土硬化物21の外表面と密着するように螺旋状に巻きつけられる。このとき、密着炭素繊維シート22は土硬化物21の外表面の半分を覆うように巻きつけられる。
【0042】
次いで、土硬化物21には、4枚の延出炭素繊維シート23が取り付けられる。延出炭素繊維シート23は、土硬化物21を取り巻きつつ、筒状部23aが形成されるように、その基端を接合加工する。この場合の接合方法としては、接着剤による接合、糸状の炭素繊維による縫合等が挙げられる。
【0043】
前記の実施形態2によれば、実施形態1の(1)〜(6)の効果に加え、次の効果を奏する。
(9)密着炭素繊維シート22は、その一方の面が土硬化物21の外表面に密着するように巻きつけられている。したがって、密着炭素繊維シート22と土硬化物21に含まれる炭酸マグネシウムとの接触面積を大きくすることができるため、マグネシウムイオンの放出がより効率的に行われる。
【0044】
(10)密着炭素繊維シート22及び延出炭素繊維シート23は、土硬化物21に埋設されることなく、その全面が表出している。したがって、外部からの光や電磁波を受ける面積が広くなり、好炭素菌の増殖を促進する超音波及び赤外線の放出量がより一層増大する。
【0045】
(11)土硬化物21の外表面のうち半分は密着炭素繊維シート22に覆われることなく露出している。したがって、土硬化物21の内部で増殖した微生物はこの表出部分から外部に放出される。また、逆に水中の微生物は表出部分から土硬化物21の内部に入り込むことができる。
【0046】
(実施形態3)
次に、実施形態3の水処理具30を図1にしたがって説明する。実施形態3は、特定の微生物が含まれている堆肥を微生物を含む土(微生物含有物を添加した土)として使用する点が実施形態1と異なる。なお、土硬化物31の形状及び土硬化物31が多孔質材である点、炭素材の取り付け方は実施形態1と共通しているため、その説明を省略あるいは簡略化する。また、実施形態3の作用のうち実施形態1と同じものについては説明を省略または簡略化する。
【0047】
図1に示すとおり、本実施形態の水処理具30は、平板状の土硬化物31と炭素繊維シート32とで構成されている。土硬化物31は、堆肥、軽焼マグネシア、ポルトランドセメント、水を原料として硬化されたものである。そして、この堆肥にはトリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属に属する少なくとも一種の微生物が含まれている。3枚の炭素繊維シート12はその中間部が土硬化物11に埋設され、それぞれが互いに土硬化物11内で接触しないように等間隔に配置されている。
【0048】
次に、実施形態3の水処理具30を製造する方法について説明する。
植物遺体、家畜の糞尿及び生ごみ等は混合されて有機混合物とされ、さらにこの有機混合物にトリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属の五属のうちのいずれかに属する微生物を含む微生物試料が混合される。これらの微生物試料としては、たとえば、トリコデルマ菌含有培養土、ラクトバチルス菌含有肥料など、それぞれの菌を含有する培養土や肥料として市販されているものが使用できる。
【0049】
微生物試料を混合した有機混合物は、撹拌及び送風などを行って酸素を供給しながら好気発酵させて堆肥化される。この好気発酵段階において、上述した微生物試料に含まれる微生物の量が増加する。なお、この好気発酵の発酵条件としては、たとえば温度30〜37℃、湿度80〜100%が好適であり、さらに有機混合物の含水率が50%程度であることが好ましい。この堆肥(堆肥化した有機混合物)を微生物を含む土として使用し、この堆肥に軽焼マグネシアとポルトランドセメントと水とが添加されて混合される。この混合物は直方体状の型に充填されるとともに炭素繊維シート32が埋め込まれる。そして、この混合物は、炭素繊維シート32が埋め込まれた状態で、養生、硬化されて水処理具30となる。
【0050】
次に、実施形態3の水処理具30の作用について説明する。
実施形態3の水処理具30は、内部に水が収容された水処理タンクに没して使用される。土硬化物31は、多孔質材であることから浸水性を有しているため、その内部にまで水が浸透する。したがって、土硬化物31の内部に含まれているトリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属の微生物は土硬化物31に形成された孔を介して外部へ放出され、水中に拡散する。また、土硬化物31内にとどまっている微生物は、土硬化物31の材料であった堆肥の有機物を養分として増殖するとともに増殖した後に水中に放出される。
【0051】
水処理具10が水中に没された状態では、土硬化物11の構成成分である炭酸マグネシウムと炭素繊維シート12と水とが接触した状態にあり、炭酸マグネシウムを陰極、炭素繊維シート12を陽極とする微細な局部電池が形成されて電流が流れる。この反応にともなう酸化還元反応により、炭酸マグネシウムがマグネシウムイオンとして水中に放出される。
【0052】
このように、水処理具30を所定期間、水処理タンク中に没しておくことで、トリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属に属する微生物と、マグネシウムイオンとを多く含む処理水が得られる。この処理水は、植物育成補助水あるいは土壌改良水として使用できる。
【0053】
前記の実施形態3によれば、実施形態1の(1)〜(8)の効果に加え、次の効果を奏する。
(12)本実施形態で採用した五属の微生物はそれぞれ植物の生育に好ましい性質を持つ。たとえば、トリコデルマ属は他の真菌類(たとえばキノコ類)の生育を阻害する他感作用を有しており、植物を優勢的に成長させることができる。シュードモナス属は、キレート物質であるシデロフォアを産生して植物の生育に必須である鉄イオンを遊離させることができる。ラクトバチルス属は代謝産物として有機酸を産生し、この有機酸は植物の栄養源となるとともに土壌のpHを弱酸性にして有害な菌の生育を抑制させることができる。アゾトバクター属及び根粒菌属は、大気中の窒素を還元して植物が利用可能なアンモニアや硝酸にする窒素固定能を有している。また、実施形態1と同様に、水処理具30の土硬化物31からは植物(クロロフィル)にとって必須であるマグネシウムイオンが水中に放出される。したがって、本実施形態の水処理具30で処理することで得られる処理水には植物の生育にとって有用な微生物及びマグネシウムイオンが多く含まれている。そのため、この水処理具30によって処理された処理水には、植物育成補助水あるいは土壌改良水としての高い効果が期待できる。
【0054】
(13)一般に、植物の育成補助剤や土壌改質剤は粉末等の固体系のものよりも液体系のものの方が散布の容易性、散布の均一性、土壌への浸透性等の観点で有利である。本実施形態の水処理具30で処理することで得られる処理水は液体であるため、上記の観点から有利であるということができる。
【0055】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 実施形態1及び実施形態2では、土硬化物11、21の原料として微生物及び有機物を含む土、軽焼マグネシア、ポルトランドセメント及び水を使用したが、原料の組成はこれに限らない。たとえば、必ずしも有機物が含まれていなくともよく、必ずしもポルトランドセメントを混合させる必要はない。また、水溶性リン酸肥料、石灰、界面活性剤等を原料として使用してもよい。水溶性リン酸肥料を使用することで、軽焼マグネシアがリン酸と反応して、炭酸マグネシウムよりも強度の強いリン酸マグネシウムとなるため、水処理具10、20の強度の向上が期待できる。界面活性剤を使用することで、各原料の混合物が多量の空気を含み、多孔質の土硬化物11、21を作成しやすい。また、ポルトランドセメントを石膏等に変更したり、両者を併用したり、あるいは軽焼マグネシアのみによって土を硬化させてもよい。
【0056】
・ 実施形態1及び実施形態3では土硬化物11、31の形状として平板状を採用し、実施形態2では土硬化物21の形状として円環状を採用したが、あらゆる形状が採用できる。たとえば、実施形態1及び実施形態3の土硬化物11、31を円環状に形成してもよいし、実施形態2の土硬化物21を平板状にしてもよい。あるいはこれら土硬化物11、21、31を柱状や球状に形成したり、テトラポット状に形成して防波ブロックとしての機能を付与したりしてもよい。
【0057】
・ 実施形態1及び実施形態3では、3枚の炭素繊維シート12を使用したが1〜2枚あるいは4枚以上の炭素繊維シート12を使用してもよい。また、炭素材の形状としては、帯状に限らず、たとえば、糸状の長繊維の炭素繊維を使用してもよい。また、PAN系の炭素繊維シート12に限らず、土硬化物11に粒状(粉末状)の活性炭やグラファイトを混合させて、炭素材としてもよい。
【0058】
・ 実施形態2では、4枚の延出炭素繊維シート23を採用したが、3枚以下あるいは5枚以上の延出炭素繊維シート23を採用しても良い。また、延出炭素繊維シート23を等間隔に取り付けたが、必ずしも等間隔である必要はなく、たとえば土硬化物21の一側にのみ取り付けてもよい。また、炭素材としてPAN系の延出炭素繊維シート23を使用したが、炭素材の種類はこれに限らない。たとえば、ピッチ系炭素繊維を使用してもよいし、活性炭及びグラファイトなど、炭素原子からなる単体の炭素はすべて炭素材として適用できる。
【0059】
・ 実施形態2では、炭素繊維材として帯状の密着炭素繊維シート22を採用したが、炭素繊維材の構成はこれに限らない。たとえば、糸状の長繊維の炭素繊維を使用してもよい。また、実施形態2では、1枚の密着炭素繊維シート22と4枚の延出炭素繊維シート23を土硬化物21に巻きつけたが、これらの枚数、組み合わせは変更可能である。密着炭素繊維シート22のみを土硬化物21に巻きつけて水処理具を形成してもよいし、延出炭素繊維シート23のみを土硬化物21に巻きつけて水処理具を形成してもよい。
【0060】
・ 実施形態2では、密着炭素繊維シート22は土硬化物21の外表面の半分を覆うように巻きつけられたが、密着炭素繊維シート22の土硬化物21に対する巻きつけ度合は半分に限らない。少なくとも、土硬化物21の表面が露出していれば、その度合を半分よりも多くしてもよいし、逆に少なくしてもよい。
【0061】
・ 微生物含有物の組成は上記実施形態に限らない。たとえば、市販されている微生物株を培養液内で増殖させたものを使用してもよい。
・ 実施形態1及び実施形態2では、微生物含有物を土に添加して、含有される微生物量の増大を図ったが、必ずしも微生物含有物の添加は必要ではない。たとえば、微生物及び有機物を豊富に含んだ土であれば、この土を培養してもよいし、培養せずにそのまま原料として使用してもよい。
【0062】
・ 実施形態1及び実施形態3では、炭素繊維シート12が土硬化物11に埋設され、実施形態2では密着炭素繊維シート22が土硬化物21に巻きつけられているが、これら両者を組み合わせてもよい。たとえば、実施形態1及び実施形態3において、炭素繊維シート12の表出部分を土硬化物11に巻きつけてもよい。また、実施形態2において、密着炭素繊維シート22や延出炭素繊維シート23の一部を土硬化物21に埋設させてもよい。
【0063】
・ 水処理具10、20、30の使用場所は問わない。海、河川、湖沼などはもちろんのこと、所定の水処理タンク内の水中に水処理具10、20、30を没して使用してもよい。とくに、水処理具10、20、30によって浄化された水(処理水)を回収したいときは、水処理タンク内で処理する必要がある。
【0064】
・ 実施形態3では、有機混合物に微生物試料を混合してから発酵(堆肥化)させたが、発酵(堆肥化)させた後に微生物試料を混合してもよい。
・ 実施形態3では、微生物を含む土として堆肥(堆肥化した有機混合物)を使用したが、堆肥以外のものを使用してもかまわない。たとえば、上述したトリコデルマ菌含有培養土などの微生物試料を微生物を含む土として使用してもよい。あるいは、これら堆肥や微生物試料に砂や砂利などを混合したものを使用してもよい。このように、水処理具30を水中に没した際に上記五属に属する微生物が水中に拡散することができれば土及び微生物試料の種類は問わない。
【0065】
・ 実施形態3で挙げた五属に属さない微生物を使用してもよい。たとえば、窒素固定能を有するラン藻類に属する微生物を使用してもよい。あるいは、ある特定の害虫の天敵である昆虫病原性微生物を使用してもよい。なお、有機混合物の発酵(堆肥化)の条件はこれらの微生物種に合わせて適宜変更すればよい。
【0066】
・ 水処理具30による処理条件は適宜変更すればよい。たとえば、トリコデルマ属、シュードモナス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属は好気性菌であるためこれらの菌の増殖を促進するために、水処理タンク内の水を曝気して酸素を供給してもよい。
【0067】
・ 微生物試料として使用される試料は実施形態3で例示したものに限らない。たとえば、水処理具30によって処理された処理水を別の水処理具30を製造する際の微生物試料として使用してもよい。
【0068】
・ 水処理タンク内の水について、有機物や金属イオン等の栄養素を添加した水を用いたり、市販の培養液を用いたりしてもよい。この場合、水処理具30によって得られる処理水の処理時間を短縮させることができる。
【0069】
次に、上記実施形態1〜実施形態3及び変更例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
・ 前記土には、有機リン酸化合物が含まれる水処理具。この構成によれば、土硬化物の組成として、炭酸マグネシウムよりも強度の高いリン酸マグネシウムが含まれるので、強度の向上が期待できる。加えて、有機リン酸化合物は微生物の養分となるため、微生物の増殖促進効果が期待できる。
【0070】
・ 微生物を含む土に水と軽焼マグネシアとを加えて硬化させた土硬化物と、該土硬化物に取り付けられる炭素材とからなり、前記炭素材の少なくとも一部は前記土硬化物の外表面から表出するように取り付けられている水処理具及び内部に水が収容され、該水の中に前記水処理具が沈められている水処理タンクを備えた水処理システムであって、前記微生物には、トリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属、の五属のいずれかに属する少なくとも一種の微生物が含まれている水処理システム。この構成によれば、水処理タンク内の水を植物育成補助水や土壌改良水に処理するための水処理システムを簡易に、また低コストで構成することができる。
【0071】
・ 上記の水処理システムで処理することで得られる処理水。上記の水処理システムの水処理具には植物の育成に有用な微生物が含まれており、これらの微生物は水処理具内で増殖するとともに水中に拡散される。そのため、上記の水処理システムで得られる処理水には、植物の育成に有用な微生物が含まれており、植物育成補助水や土壌改良水として高い効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施形態1及び実施形態3における水処理具の斜視図。
【図2】(a)は実施形態2における水処理具の正面図。(b)は(a)におけるA−A線断面図。
【符号の説明】
【0073】
10、20、30…水処理具、11、21、31…土硬化物、12、32…炭素繊維シート、22…密着炭素繊維シート、23…延出炭素繊維シート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に没することで微生物の増殖を促進し、水を浄化する水処理具であって、
微生物を含む土に水と軽焼マグネシアとを加えて硬化させた土硬化物と、該土硬化物に取り付けられる炭素材とからなり、
前記炭素材の少なくとも一部は前記土硬化物の外表面から表出するように取り付けられている水処理具。
【請求項2】
前記炭素材は一部が前記土硬化物に埋設されている請求項1に記載の水処理具。
【請求項3】
前記炭素材は炭素繊維材であるとともに前記土硬化物の外表面に巻きつけられている請求項1又は2に記載の水処理具。
【請求項4】
前記微生物には、トリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属、の五属のいずれかに属する少なくとも一種の微生物が含まれている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の水処理具。
【請求項5】
水中に没することで微生物の増殖を促進し、水を浄化する水処理具の製造方法であって、
あらかじめ所定条件で培養して微生物の量を培養前よりも増加させた微生物含有物と軽焼マグネシウムと水とを土に混合して混合物を作成し、該混合物が硬化する前に炭素材の一部を該混合物内に埋設させ、その状態で養生して前記混合物を硬化させる水処理具の製造方法。
【請求項6】
水中に没することで微生物の増殖を促進し、水を浄化する水処理具の製造方法であって、
あらかじめ所定条件で培養して微生物の量を培養前よりも増加させた微生物含有物と軽焼マグネシウムと水とを土に混合して混合物を作成し、該混合物を養生して硬化させて土硬化物を作成し、該土硬化物の外表面に炭素繊維材を巻きつける水処理具の製造方法。
【請求項7】
前記微生物含有物には、あらかじめ所定条件で培養して微生物の量を培養前よりも増加させたトリコデルマ属、シュードモナス属、ラクトバチルス属、アゾトバクター属、及び根粒菌属、の五属のいずれかに属する少なくとも一種の微生物が含まれている請求項5又は請求項6に記載の水処理具の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−253979(P2008−253979A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203202(P2007−203202)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(591283372)
【Fターム(参考)】