説明

水処理装置

【課題】 目的水となるもの以外の水も流れる流路での流量の測定結果を用いつつ、他の条件も加味して目的水の使用量を算出して表示し、簡略な流量測定機構を維持しながら使用者が実際に使用に供した水の量を適切に把握できる水処理装置を提供する。
【解決手段】 目的水の分を含む水の流量を測定する測定手段を使用し、得られた流量の情報から、算出手段が目的水の実際に使用された量に相当する有効水量の値を算出すると共に、この有効水量を表示手段で表示し、また、これら算出及び表示の各手順を通水状態の目的水供給開始時点を基準として開始して、実際に使用者が目的水を使用している状況で、使用者に目的水の使用量の目安を提示することから、使用される目的水の量を適切に見積って得られた有効水量の表示で、使用者が目的水の使用量を容易に把握でき、飲用等使用した量を確実に認識して水使用の管理が適切に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給される原水を処理して所定の目的水を生成する水処理装置に関し、特に目的水の吐出量を計測表示する水処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
供給された水道水や井戸水等から有害物質等を除去して飲用に適した水を得る浄水器や、水道水等を電気分解してイオン水、すなわち飲用水として利用可能なアルカリ水と洗浄水等の非飲用に用いる酸性水とを生成するイオン整水器といった水処理装置では、使用に応じて劣化する浄水部の交換時期や、イオン水生成に伴って消費され減少していく食塩やカルシウム等の電解質源の補充時期等を適切に判断するため、水道水等の原水の積算流入量や、得られた浄水やイオン水等の積算吐出量を計量するものが広く用いられている。こうした従来の水処理装置の一例として、特許第4161885号公報に開示されるものがある。
【0003】
一方、こうした浄水器やイオン整水器といった水処理装置では、しばらく使用しなかった後の通水初期の所定水量や、酸性水を吐出した後にアルカリ水に切換えて吐出する場合の切換後の所定水量については、水を利用者に飲用しないように警告を行ったり捨て水として排出するなどして、飲用に適さない細菌や成分の含まれる危険性のある水の誤飲を防ぐ仕組みが多く採用されている。こうした従来の水処理装置の一例として、実用新案登録第2528154号公報や特開2005−262124号公報に開示されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4161885号公報
【特許文献2】実用新案登録第2528154号公報
【特許文献3】特開2005−262124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の水処理装置は前記各特許文献に示される構成となっており、前記特許文献1に記載の装置に見られるように、流量検知手段を設けることで、浄水部分を通過する水量を把握して浄水部分の交換時期を適切に判断することができるものとなっていた。しかし、これは浄水部分を通過した全ての水量を計量するものに過ぎず、前記特許文献2、3に記載の各装置のように、電気分解で得られる使用しない方のイオン水がそのまま排水されたり、吐出口から吐出された水のうち所定量は捨て水として使用されない水となったりする場合、浄水部分の直後で計量して得られた水量は、飲用として実際に使用した水の量とは大きく異なることとなり、使用者の水の飲用等使用量把握のニーズに対し、この計量した水量を単に表示するだけでは、使用者が実際に飲用等使用した水の量を正確に把握することは難しいという課題を有していた。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、目的水となるもの以外の水も流れる流路での流量の測定結果を用いつつ、他の条件も加味して目的水の使用量を算出して表示し、簡略な流量測定機構を維持しながら使用者が実際に使用に供した水の量を適切に把握できる水処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る水処理装置は、通水により流入した原水に対し所定の処理を施して得た目的水を出す一方で、少なくとも通水の間に、流入量の一部を前記目的水としての使用に供されない水として出す水処理装置において、前記目的水になる水を一部に含んで所定流路を流れる水の流量を測定し出力する測定手段と、当該測定手段から出力される流量情報、及び前記所定流路を流れる水のうち前記使用に供されない水の既知情報を用いて、目的水の使用に供されたとみなせる有効水量を算出する算出手段と、当該算出手段の算出した有効水量を表示する表示手段とを備えるものである。
【0008】
このように本発明によれば、目的水の分を含む水の流量を測定する測定手段を使用し、得られた流量の情報から、算出手段が目的水の実際に使用された量に相当する有効水量の値を算出すると共に、この有効水量を表示手段で表示し、実際に使用者が目的水を使用している状況で、使用者に目的水の使用量の目安を提示することにより、測定手段で得た流量から使用される目的水の量を適切に見積って得られた有効水量の表示で、使用者が目的水の使用量を容易に把握でき、飲用等使用した量を確実に認識して水使用の管理が適切に行えると共に、目的水に特化したものでない測定手段からの流量情報を流用しており、別途目的水用にセンサ等の測定手段を追加配設する必要もなく、測定系を簡略な構成とすることができる。
【0009】
また、本発明に係る水処理装置は必要に応じて、使用者による前記有効水量の表示開始を指示する操作を受付けるスイッチを備え、前記算出手段が、通水状態における前記スイッチに対する操作時点を基準として前記有効水量の算出を開始するものである。
【0010】
このように本発明によれば、使用者の操作を受付けるスイッチを配設し、スイッチが操作されると、この操作時点を基準として算出手段が目的水の有効水量を算出し、また表示手段が有効水量を表示して、使用者が目的水の使用量を把握できる状態とすることにより、例えば使用者が通水状態で目的水の使用を実際に開始する時に自らスイッチ操作すれば、算出手段で目的水の使用期間を適切に認識して、有効水量を実際の目的水の使用量にほぼ一致した値として算出、表示可能となり、目的水のより正確な使用量を使用者に知らせることができる。
【0011】
また、本発明に係る水処理装置は必要に応じて、前記算出手段が、通水状態で前記測定手段から出力された流量情報、及び前記所定流路を流れる水のうち前記使用に供されない水の既知情報を用いて、目的水供給開始時点を判別し、当該時点を基準として前記有効水量の算出を開始するものである。
【0012】
このように本発明によれば、算出手段が通水後の目的水と同質の水の出る時を判定し、これを目的水供給開始時点として目的水の有効水量を算出し、また表示手段が有効水量を表示して、使用者が目的水の使用量を把握できる状態とすることにより、使用に供されない水のうち目的水と同じ出口から出る水の吐出が終って目的水と同質の水に変る時点などを適切に判定すれば、通水開始から実際に目的水が使用可能となるタイミングに対応して、算出手段において目的水の使用期間を正確に設定でき、有効水量を実際の目的水の使用量にほぼ一致した値として算出、表示可能となり、目的水のより正確な使用量を使用者に知らせることができる。また、使用者が特に操作等を行うことなく、目的水の使用に合せて有効水量を表示して目的水の使用量を把握でき、使い勝手の面で優れる。
【0013】
また、本発明に係る水処理装置は必要に応じて、前記測定手段より下流側に、目的水の流れる流路と、目的水の流れない流路とが分岐して配設され、当該目的水の流れない流路を通じて前記使用に供されない水の一部又は全部が排出され、前記算出手段が、前記所定流路を流れる水のうち前記目的水の流れない流路を通る水の占める量の既知情報も用いて、目的水の有効水量を算出するものである。
【0014】
このように本発明によれば、測定手段の下流側に目的水の流れる流路と流れない流路がそれぞれ配設され、目的水の流れない流路には使用に供されない水が流れる場合に、この目的水の流れない流路を通じて出る水と目的水の流れる流路を通る水との既知の割合に基づいて、算出手段で目的水の有効水量の算出を行い、得られた有効水量を表示手段で表示することにより、目的水とは異なる流路で水が出る状況で、測定手段で得られる流量における目的水の割合を正しく見積って、実際の目的水の使用量に極めて近い有効水量を算出、表示できることとなり、使用者に目的水のより正確な使用量を把握させられる。
【0015】
また、本発明に係る水処理装置は必要に応じて、前記算出手段が、複数の使用機会における各有効水量を複数の集計用グループに分けて集計可能とされ、目的水を出して止めるまでの1回の使用機会ごとに、前記複数の集計用グループのいずれに含めて集計するかを使用者のスイッチ操作に基づいて選択され、前記表示手段が、前記算出手段が所定期間内で前記複数のグループごとに有効水量を集計した結果を表示するものである。
【0016】
このように本発明によれば、目的水の複数の使用機会における各有効水量を任意の条件に応じて分けて集計するための複数の集計用グループが算出手段に設定され、目的水の1回の使用機会ごとにどのグループに含まれるか使用者に選択させることで選分けた後、各グループごとに所定期間内の有効水量を集計し、グループごとの集計結果を表示手段に表示して、各グループごとに目的水の使用水量を把握できるようにすることにより、例えば各々目的水を使用する複数の使用者を複数の集計用グループにそれぞれ対応させたり、目的水を飲用分や料理使用分といった用途ごとに集計用グループに対応させれば、各使用者ごとや目的水の用途ごとに目的水の有効水量を表示することができ、一つの装置を複数の使用者で使い分けても一人ずつの目的水の使用量を各使用者に適切に把握させられたり、目的水を用途に応じて使い分ける際に使用者が用途ごとに使用量を把握できるなど、有効水量を表示する機能のさらなる有効活用が図れ、目的水の使用が効率よく管理できる。
【0017】
また、本発明に係る水処理装置は必要に応じて、前記算出手段が、複数の使用機会における各有効水量を目的水の種類ごとの複数の集計用グループに分けて集計可能とされ、目的水を出して止めるまでの1回の使用機会ごとに、目的水の種類に対応する集計用グループに含めて集計し、前記表示手段が、前記算出手段が所定期間内で前記複数のグループごとに有効水量を集計した結果を表示するものである。
【0018】
このように本発明によれば、目的水の複数の使用機会における各有効水量を目的水の種類ごとに分けて集計するための複数の集計用グループが算出手段に設定され、目的水の1回の使用機会ごとにその目的水が対応するグループに選分けた後、各グループごとに所定期間内の有効水量を集計し、グループごとの集計結果を表示手段に表示して、目的水の種類ごとに目的水の使用水量を把握可能とすることにより、複数種類の目的水を使い分ける際に目的水種類ごとの目的水の使用量を使用者が把握できることとなり、目的水の種類による使用量の差異を認識して使用者における各種の目的水の適切な使い分けが効率よく管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置における水処理系の概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置における制御系のブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置のアルカリ水生成モードにおける有効水量算出例説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置における各部の動作状態説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置における表示画面部の表示状態説明図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る水処理装置における表示画面部のアルカリ水生成モード及び浄水モードの各通水終了時表示状態説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る水処理装置の表示画面部及び操作部要部の正面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る水処理装置における各部の動作状態説明図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る水処理装置における各部のリセット操作を含む場合の動作状態説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る水処理装置における各部の算出・表示停止操作を含む場合の動作状態説明図である。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る水処理装置の表示画面部及び操作部要部の正面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る水処理装置の表示画面部における総有効水量の全表示状態説明図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る水処理装置の表示画面部及び操作部要部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る水処理装置を前記図1ないし図7に基づいて説明する。本実施形態においては、前記目的水として、アルカリ水や酸性水を生成する他、電気分解を行わず浄化したのみの浄水も供給できるイオン整水器の例について説明する。
【0021】
前記各図において本実施形態に係る水処理装置1は、原水を導入する給水管11と、原水を浄化する浄水部20と、この浄水部20で浄化された水の流量を測定する流量センサ30と、浄化された水に食塩を添加する食塩添加筒41と、浄化された水にカルシウムを添加するカルシウム添加筒42と、流量センサ30を経た水を食塩添加筒41とカルシウム添加筒42のいずれに向わせるか切換える流路切替部51と、複数の電極板61、62、63を有して食塩添加筒41又はカルシウム添加筒42を通過した水の電解を行う電解槽60と、使用に供する目的水を流す吐水流路16と、使用に供さない水を排出する排出流路18と、電気的に接続された各部を制御する制御部70と、流量等各種情報を表示する前記表示手段としての表示画面部80と、使用者の操作入力を受付ける入力手段としての操作部90とを備える構成である。
【0022】
前記給水管11は、水道蛇口12に配設された分岐栓13に一端を接続されると共に、他端を装置筐体10内の浄水部20の第1浄水カートリッジ21と接続されて配設され、水処理装置1に供給される原水として、水道管14から水道蛇口12を介して送給される水道水を、本装置に導入するものである。
【0023】
前記浄水部20は、第1浄水カートリッジ21と、第2浄水カートリッジ22とを備える構成であり、水を第1浄水カートリッジ21、第2浄水カートリッジ22の順で流して浄化する仕組みである。第1浄水カートリッジ21は、主に活性炭が充填されたものであり、また、第2浄水カートリッジ22は、金属メッシュや布材、ろ紙などの比較的粗いフィルターと共に、中空糸膜のような雑菌等まで除去可能なろ過手段を備えるものである。
【0024】
前記流量センサ30は、第2浄水カートリッジ22と流路切替部51との間の流路における水の流量を測定する公知の測定器であり、詳細な説明は省略する。この流量センサ30の出力が制御部70に入力されることで浄水部20を通過した水の流量が把握され、この浄水部20を通過する水の一部が前記目的水としてのイオン水や浄水になる水であることにより、制御部70でさらに実際に飲用等使用に供される有効水量を算出できることとなる。
【0025】
前記流路切替部51は、流量センサ30を経た水を、食塩添加筒41とカルシウム添加筒42のいずれに向わせるか切替えるものであり、使用者の選択したイオン水の種類に応じて、制御部70の制御により、流量センサ30側流路が食塩添加筒41とカルシウム添加筒42とのいずれに接続されるかを切替えることとなる。この流路切替部51における流路切替状態は、制御部70に常時把握されている。なお、この流路切替部51における切替は、使用者の直接の手動操作によるものとすることもでき、その場合、この流路切替部51における流路切替状態を、流路切替部51と一体の検知スイッチで制御部70に電気信号として出力するようにするのが好ましい。
【0026】
前記食塩添加筒41は、電解槽60で水を強酸性にするために用いる電解促進剤としての食塩(塩化ナトリウム)を水に添加可能に備えるものである。この食塩添加筒41の出口側には逆止弁43が設けられ、カルシウム添加筒42側から食塩添加筒41側への水の逆流を防いでいる。また、前記カルシウム添加筒42は、水に電解質を補うための補助剤としてのカルシウム剤を水に添加可能に備えるものである。食塩添加筒41の出口側に逆止弁43を介して接続されている流路と、カルシウム添加筒42の出口側に接続されている流路は合流して電解槽流路44として電解槽60に接続される。
【0027】
前記電解槽60は、中央に位置する第1電極板61と、この第1電極板61を挟み込むように位置する二つの第2電極板62、第3電極板63と、各電極板間にそれぞれ配置されてイオンを通過させつつ水は通過させない隔壁64とを備える構成である。この電解槽60は、各電極板61、62、63と各隔壁64により、第1電解室65、第2電解室66、第3電解室67、及び第4電解室68の四つの区画に分けられる。
【0028】
そして、電解槽60は、入口側を電解槽流路44と連通させ、出口側を排出流路18と吐水流路16に連通させている。詳細には、電解槽60の各電解室65、66、67、68のうち、第1電解室65と第4電解室68の出口側が吐水流路16と接続され、また、第2電解室66と第3電解室67の出口側が排出流路18と接続される。
【0029】
前記吐水流路16は、電解槽60を通った水のうち使用に供されるイオン水又は浄水を流す管となっており、この吐水流路16の先端が吐水口17となっている。また、前記排出流路18は、電解槽60を通った水のうち使用に供されない方のイオン水他を流す管となっており、端部が排出口19とされる。この排出流路18には、その排出口19近辺に水の排出を制御する電磁弁53が配設され、さらに、電解槽流路44が逆止弁15を介して接続されている。
【0030】
前記電磁弁53は、制御部70の制御により開閉して排出流路18からの排水状態を調整するものである。この電磁弁53が開くのは、通常、イオン水を生成している場合に、使用するイオン水と同時に生成される使用されない方のイオン水を排水するためであり、イオン水を生成していない待機状態では、使用しないイオン水を排水する必要がないため、閉状態とされる。
【0031】
前記逆止弁15は、排出流路18から電解槽流路44方向への水の逆流を常時止めると共に、通水時の水圧が加わり、且つ電磁弁53が開となって排出流路18に水が流れている状態では、電解槽流路44から排出流路18方向への水の流れも止める仕組みであり、通水されない止水時においてのみ、電解槽流路44から排出流路18方向への水の流れを許容するものとなっている。
【0032】
前記制御部70は、流量センサ30、流路切替部51、電源部52、電磁弁53、表示画面部80、及び操作部90とそれぞれ電気的に接続し、流量センサ30等から得た情報並びに使用者の操作部90における操作入力に基づき、イオン水や浄水の生成・供給その他の制御を実行するものである。
【0033】
この制御部70は、主要な制御動作として、使用者による操作部90のスイッチ操作に基づいて選択される水の生成モードに応じて、生成する水の種類や直前の状況等も踏まえつつ、流路切替部51の切替、電磁弁53の開閉、電源部52による電解槽60の各電極板61、62、63への所定の電圧印加をそれぞれ制御し、通水に伴って目的水の生成を行われるようにする仕組みである。
【0034】
このうち、電解槽60の第1電極板61、第2電極板62、及び第3電極板63に対しては、生成する水の種類や洗浄等の状況に応じて、電源部52からの電力供給を制御し、各電極板61、62、63に所定の電圧を印加する仕組みである。これら各電極板のうち、第2電極板62と第3電極板63は同一極とされるが、第1電極板61は、第2電極板62と第3電極板63とは異なる極とされる。すなわち、第2電極板62と第3電極板63が陰極となる場合に第1電極板61は陽極となり、逆に、第2電極板62と第3電極板63が陽極となる場合に第1電極板61は陰極となる。
【0035】
こうした制御部70による制御に基づき生成される水の前記生成モードとしては、大きく分けて、アルカリ水を供給するアルカリ水生成モード、浄水を供給する浄水モード、酸性水を供給する酸性水生成モード、衛生水を供給する衛生水生成モードの4つの生成モードがある。そして、アルカリ水生成モードには、生成水のアルカリ性の強い順に、強アルカリ水生成モード、第1アルカリ水生成モード、第2アルカリ水生成モード、第3アルカリ水生成モードがある。
【0036】
また、制御部70は、流量センサ30から出力された電気信号に基づいて、通水される水の流量を計算し、さらにこれを所定期間で積算した積算流量をカウントしており、第1浄水カートリッジ21と第2浄水カートリッジ22についてそれぞれ独立して積算とその積算値の記録保持を行うことで、適切にカートリッジの交換時期を使用者に通知することができる。すなわち、各浄水カートリッジごとの積算流量カウンタとして、通水で水がカートリッジを通過する度に制御部70が流量センサ30の出力に基づいた流量を積算し、制御部70は任意のタイミングで各カートリッジの寿命として記憶した流量上限値と比較し、積算流量が交換すべき流量上限値に到達しようとした場合には、使用者にカートリッジ交換時期にあることを知らせる仕組みである。流量上限値はカートリッジの種類に合わせて設定変更可能であり、また、浄水カートリッジを交換した場合には、交換前の浄水カートリッジについての積算流量として積算流量カウンタにカウントされていた値は、自動的に又は交換時における使用者のリセットスイッチ90m操作によりリセットされる。この積算流量は表示画面部80に常時又は使用者のスイッチ操作時に表示するようにしてもよい。
【0037】
さらに、制御部70は、流量センサ30から出力された流量情報や、使用に供されない水の、浄水部20直後の流量センサ30のある流路を流れる水全体に占める量といった既知情報を用いて、目的水として吐水口17から出て実際に飲用等使用に供されたとみなせる有効水量を算出する前記算出手段としての算出部71と、得られた有効水量を所定期間にわたる合計値や目的水の種類毎のデータ等として記憶する記憶部72と、算出部71における算出開始、停止等を含む制御動作時の各時刻や経過時間を取得し管理するタイマー部73とを備えており、使用者が飲用等使用した水の量を記録し、必要に応じて表示画面部80に表示出力させる機能を有している。
【0038】
詳細には、目的水として実際に吐水口17から出て使用に供されるイオン水や浄水は、流量センサ30のある流路における水量から、使用に供されない水、すなわち電解槽60で生じた使用されない側のイオン水や通水直後の異質な成分が混合しているおそれのある捨て水、所定時間以上装置内に留まったことで排出される滞留水などの分を除いたものであるため、流量センサ30で直接目的水の使用量を測定し取得することはできないが、算出部71では、流量センサ30で得られる流量、すなわち、本装置に流入して浄水部20を通った直後の、目的水となる分も使用に供されない分も共に含んだ水の全体量を表す値と、記憶部72にあらかじめ記憶されている捨て水の設定量や排出口19から排出される水の全体量に占める割合を用いて、目的水の吐水口17から出て実際に飲用等使用される量に相当する有効水量を算出推定する仕組みである。
【0039】
算出部71は、こうした流量センサ30で得られる浄水部20直後の流路における流量と、この流量センサ30のある流路での水の全体量に対する捨て水の設定量や排出口19から排出される水の占める割合等の既定値を用いることで、有効水量と同様に、直接測定できない捨て水の量や排出流路18を通って排出口19から出る排水量も算出している。なお、アルカリ水や浄水など目的水の種類や通水間隔等の使用状況で、捨て水の設定量や、通水時に排出口19から排出される水の有無及びその全体量に占める割合はそれぞれ異なっており、例えば、アルカリ水の場合は排出口19から排出される酸性水との流量比を考慮して算出する必要があるのに対し、浄水の場合は電気分解がないことで使用しないイオン水が発生せず、排出口19からの排水がない分、水の全体量に対する有効水量の割合がアルカリ水の場合より増加するなど、算出条件は異なるものの、算出部71では操作部90のスイッチ操作で水の生成モードが選択されるのに応じて、こうした既知の条件を記憶部72から読出して算出方法を調整している。
【0040】
そして、算出部71では、通水開始後、流量センサ30から出力された流量情報、及び記憶部72から読出した捨て水の設定量や排出口19から排出される水の流量センサ30部流路を流れる水全体量に占める割合といった既知情報を用いて、まず目的水と同じ吐水口17から出る捨て水の量を算出し、この捨て水の量を設定量と比較して、通水開始から所定時間後の、捨て水が設定量分出たことで捨て水状態が終了すると共に目的水の生成状態に移行する時点、すなわち異質の成分が混合しているおそれのある水でなく目的水としての既定のイオン水又は浄水と同じ水質である水を出す時点を判定し、この時点を目的水供給開始時点として、有効水量の算出を開始することとなる。得られた有効水量の値は表示画面部80に出力され、この表示画面部80で算出とほぼ同時に有効水量の計量表示も開始される。ただし、本実施形態では、使用者の理解を容易にするよう、有効水量は「使用量」の名目で表示画面部80に表示され、また、算出部71による有効水量の算出と表示画面部80による有効水量の表示は、飲用に供するアルカリ水(強アルカリ水を除く)と浄水についてのみ実行する。
【0041】
算出部71では、目的水を出して止めるまでの一回の使用機会ごとに有効水量を算出し、表示画面部80に表示させるようにしているが、この有効水量の値を通水終了に伴う算出終了時に記憶部72に記憶していくことで、所定時点からの複数の使用機会における各有効水量の集計値も算出する、例えば、ある日のはじめからの有効水量を集計することで一日の使用量に相当する集計値を最終的に得ることができる仕組みである。この場合、有効水量の算出と表示を行う飲用可能な水、すなわち、強アルカリ水を除くアルカリ水と電気分解を経ない浄水の各有効水量を合せて集計して一つの総有効水量としてまとめて取扱うようにしている。そして、表示画面部80には、目的水の生成状態でその時点における有効水量が表示されると共に、ある時点から集計した総有効水量も合せて表示される。この総有効水量の表示も、有効水量の場合と同様、実際の表示は「総使用量」の名目で表示される。
【0042】
この算出部71におけるある時点からの総有効水量の集計及び表示画面部80での表示については、使用者のリセットスイッチ90mの操作により集計及び記憶部72への記憶をリセットして任意の時点から新たに開始させることができる。
【0043】
前記表示画面部80は、装置筐体10の前面に配設され、前記表示手段として、吐出する水のpH値やORP(酸化還元電位)値、有効水量、総有効水量等の情報を表示するものである。表示画面部80はこの他、電解槽60内の温度上昇が生じた場合に、使用者に知らせるための温度上昇表示や、排水状態及び洗浄状態の時に点灯してこれらを知らせる排水/洗浄中表示、すすぎ状態の時に点灯して使用者に注意を喚起するすすぎ表示、各浄水カートリッジの交換時期を通知する第1浄水カートリッジ交換時期表示及び第2浄水カートリッジ交換時期表示の各表示機能を備える。この表示画面部80は、いわゆるタッチパネルとして操作入力手段を兼ねる構成としてもよい。また、表示画面部80による表示機能に加えて、使用者が洗浄状態及び排水状態時に通水した場合に、所定期間警告音を鳴らす報知部を装置筐体に合せて設けるようにしてもよい。
【0044】
前記操作部90は、装置筐体10の前面中央に配設され、使用者が操作可能な各種スイッチを備える構成である。前記各スイッチとしては、本装置の起動・停止を切換える電源スイッチ90aと、表示画面部80に現在の水のORPを表示させるためのORP表示スイッチ90bと、表示画面部80にその時点までの積算流量や総有効水量を表示させるための切換表示スイッチ90cと、前記強アルカリ水生成モードでのアルカリ水生成を指示するための強アルカリ水スイッチ90dと、前記各アルカリ水生成モードでのアルカリ水の生成を指示するための第1アルカリ水スイッチ90e、第2アルカリ水スイッチ90f、及び第3アルカリ水スイッチ90gと、前記浄水モードとして水を電解せずそのまま通水させることを指示するための浄水スイッチ90hと、前記酸性水生成モードでの酸性水の生成を指示するための酸性水スイッチ90iと、前記衛生水生成モードでの衛生水の生成を指示するための衛生水スイッチ90jと、第1浄水カートリッジ21の寿命を設定する第1寿命設定スイッチ90kと、第2浄水カートリッジ22の寿命を設定する第2寿命設定スイッチ90lと、積算流量や総有効水量をリセットするリセットスイッチ90mとを備える構成である。
【0045】
前記電源スイッチ90aは、本イオン水生成装置がどのような状態であっても有効なスイッチである。ただし、電源スイッチ90aを押下しても、排水処理等、処理が途中であるものが終了していない場合は、それらの処理が終了して電源がOFF状態となるソフトウェア制御の電源スイッチとすることが好ましい。
【0046】
前記切換表示スイッチ90cは、通常状態では表示画面部80に表示されない積算流量や、通常は飲用可能な目的水の生成状態の間のみ表示される総有効水量を、所望の時点で表示させるためのスイッチであり、例えば最初の押下で積算流量を、二回目の押下で総有効水量をそれぞれ表示画面部80に所定時間だけ表示させるように設定される。
【0047】
前記強アルカリ水スイッチ90dは、強アルカリ水生成モードとして、強アルカリ水の生成を指示するためのスイッチである。強アルカリ水は、例えば、pH10.5で、煮物、アク抜き、野菜茹で等に使用することができる。
【0048】
前記第1アルカリ水スイッチ90eは、第1アルカリ水生成モードとして、第1のpHレベル、例えばph9.5のアルカリ水の生成を指示するためのスイッチである。このレベルのアルカリ水は、例えば、料理、お茶等に使用することができる。また、前記第2アルカリ水スイッチ90fは、第2アルカリ水生成モードとして、第2のpHレベル、例えばpH9.0のアルカリ水の生成を指示するためのスイッチである。このレベルのアルカリ水は、例えば、炊飯等に使用することができる。さらに、前記第3アルカリ水スイッチ90gは、第3アルカリ水生成モードとして、第3のpHレベル、例えばpH8.5のアルカリ水の生成を指示するためのスイッチである。このレベルのアルカリ水は、例えば、飲み始めの水等として使用することができる。
【0049】
一方、前記酸性水スイッチ90iは、酸性水生成モードとして、酸性水、例えばpH5.5の水の生成を指示するためのスイッチであり、酸性水は、例えば、洗顔、麺ゆで、茶渋とり等に使用することができる。また、衛生水スイッチ90jは、衛生水生成モードとして、強酸性の衛生水、例えばpH2.5の水の生成を指示するためのスイッチである。
【0050】
これら第1アルカリ水スイッチ90e、第2アルカリ水スイッチ90f、第3アルカリ水スイッチ90g、酸性水スイッチ90i、並びに、強アルカリ水スイッチ90d、浄水スイッチ90h、衛生水スイッチ90jは、それぞれ現在選択され有効となっているスイッチにおける内蔵照明が点灯し、使用者に視認可能となっている。
【0051】
前記第1寿命設定スイッチ90kは、前記第1浄水カートリッジ21の寿命を設定するものであり、カートリッジを交換する際に今まで使用したカートリッジと異なる種類のカートリッジに換えて使用する場合に、カートリッジの種類によって寿命通水量が異なることに対応して、設定を行うことで適切な交換時期の通知等を行えるようにするものである。前記第2寿命設定スイッチ90lも、前記第1寿命設定スイッチ90kと同様のものであり、第2浄水カートリッジ22に対応している点のみ異なる。
【0052】
前記リセットスイッチ90mは、浄水カートリッジを交換した場合に、交換前の浄水カートリッジに対応させて現在までカウントされてきた積算流量をリセットするものであり、実際には、制御部70の積算流量カウンタをクリアする指示を行うものとなる。このリセットスイッチ90mは、算出部71で算出した有効水量を集計した総有効水量をリセット状態とするスイッチとしても使用されるものであり、例えば、総有効水量リセットの場合はスイッチの通常押し、浄水カートリッジに対応する積算流量リセットの場合はスイッチ長押し等により使い分けがなされる。
【0053】
次に、本実施形態に係る水処理装置における水の生成モードについて説明する。本実施形態における水生成モードである、強アルカリ水生成モード、第1アルカリ水生成モード、第2アルカリ水生成モード、第3アルカリ水生成モード、浄水モード、酸性水生成モード、及び衛生水生成モードの各生成モードは、それぞれに対応する操作表示部90の前記各スイッチの使用者による操作に基づいて選択され、通水に伴ってそれぞれの目的水の生成が行われることとなる。
【0054】
前記アルカリ水生成モードでは、通水時、制御部70の制御により電磁弁53が開いた状態とされ、浄水はカルシウム添加筒42を通り、電解槽流路44から電解槽60に進み、電解槽60では制御部70の制御により第2電極板62及び第3電極板63を陰極とし、第1電極板61を陽極とするよう電圧が印加される。各アルカリ水生成モードでは、印加電圧が異なり、印加電圧が高い順に、強アルカリ水生成モード、第1アルカリ水生成モード、第2アルカリ水生成モード、第3アルカリ水生成モードとなっている。
【0055】
このアルカリ水生成モードのうち、生成された目的水としてのアルカリ水が飲用に供されることのある第1アルカリ水生成モード、第2アルカリ水生成モード、及び第3アルカリ水生成モードでは、通水時に吐水された水のうち実際に使用される分に相当する有効水量が算出部71で算出され、表示画面部80に表示されることとなる。一方、強アルカリ水生成モードでは、目的水として生成された強アルカリ水が飲用に供されることはないため、積算流量のカウントはなされるものの、吐水口17から吐出され実際に使用される量に対応する有効水量を特に算出して表示画面部80に表示することはない。
【0056】
前記浄水モードでは、通水時、電磁弁53は閉じた状態とされ、且つ電極板61、62、63に電圧が印加されない状態で、浄水がカルシウム添加筒42を通り、電解槽流路44から電解槽60に進み、電解槽60をそのまま通過して吐水流路16に達し、吐水口17から浄水が目的水として吐水されることとなる。この場合、電磁弁53が閉じられることで、水が排出口63から無駄に排出されない。この浄水モードでも、通水時に吐水された水のうち実際に飲用等に使用される分の水量に相当する有効水量が算出部71で算出され、表示画面部80に表示されることとなる。
【0057】
前記酸性水生成モードや衛生水生成モードでは、前記アルカリ水生成モードとは逆に、制御部70の制御により第2電極板62及び第3電極板63を陽極とし、第1電極板61を陰極とするよう電圧が印加される。特に、衛生水生成モードでは、浄水が食塩添加筒41を通り、水に食塩を混入させた状態で電解槽60に達して、電解槽60において高い電流値として強酸性水を生成する。食塩添加筒41の食塩が溶解しきってしまうと徐々に食塩の濃度が小さくなるため、電流値が小さくなり、強酸性水の生成能率が低下する。使用者は、所望の量の衛生水を得るために、必要に応じて食塩添加筒41に食塩を入れて動作させることとなる。
【0058】
これら酸性水生成モードや衛生水生成モードでは、生成された酸性水や衛生水が飲用に供されることはないため、制御部70での積算流量のカウントはなされるものの、吐水口17から吐出された水量に相当する有効水量を算出部71で特に算出して表示画面部80に表示することはない。
【0059】
こうした各生成モードにおける水生成を行わない間の動作制御状態としては、待機状態、排水状態、捨て水状態、洗浄状態、生成停止状態、リトライ状態、及びすすぎ状態がある。
【0060】
前記待機状態は、電源が投入されていないパワーオフ状態から、操作表示部90の電源スイッチ90aを押下し、水処理装置1を起動させた直後に相当する状態である。この状態では、流量センサ30が検出可能なレベルでの通水は行われておらず、電磁弁53は閉じた状態である。待機状態からパワーオフになる場合も、電磁弁53はそのまま閉じた状態であり、排出口19から水が無駄に排出されることはない。
【0061】
前記排水状態は、前記待機状態で所定水量以上もしくは所定時間以上の通水が行われない場合などに、電磁弁53を開いて滞留水を排水する状態である。これは、他の状態から待機状態に移行した場合に、各添加筒41、42、電解槽60及び各流路に水が滞留し、時間経過と共に滞留水中の雑菌等が増殖することを防止するためであり、通水のない状況で電磁弁53が開くことで、電解槽流路44から逆止弁15を通って排出流路18に水が流出可能となり、電解槽60や各添加筒等に滞留した水が排出されることとなる。この待機状態から排水状態への移行、排水完了後の待機状態への復帰は、所定時間毎に行われ、雑菌等の増殖の温床となる滞留水の確実な排水を図る仕組みである。浄水モードの水生成状態から、通水を止めて止水した場合も、この排水状態に移行する。
【0062】
前記捨て水状態は、各生成モードにおける通水開始で、装置内の滞留水をそのまま吐出して使用に供されると問題がある場合、特に、通水直前の状態が所定時間以上の待機状態又は排水状態であった場合に、水生成に先立ち、電磁弁53を開いて所定の設定量若しくは所定の設定時間分、滞留水を捨てる状態である。通水状態で電磁弁53が開くことで、電解槽流路44から逆止弁15経由で排出流路18に水が流れることはなく、水は電解槽流路44から電解槽60を通過して排出流路18と吐水流路16から流出することとなる。この捨て水状態での捨て水が完了後、各生成モードの生成状態に移行する。
【0063】
この捨て水状態では、吐水口17から出る水を誤って使用者に使用させないために、表示画面部80での警告表示や、警告音の出力等がなされる。この他、ランプ等の点灯や点滅により使用者に捨て水を使用してはいけないことを喚起するようにしてもよく、例えば、表示画面部80以外の各スイッチ90d〜90jの照明部を一斉に点灯あるいは点滅させたり、各スイッチ90d〜90jの照明部として多色LEDを配設し、生成状態を緑、捨て水状態を赤、リトライ状態を黄色と色分け点灯表示させることなどが挙げられる。また、捨て水状態では、吐水口17から水が出るものの、使用できない水のために、飲用等使用可能な目的水としての有効水量の算出及び表示は行われない。言換えると、吐水口17から水が出ているのに有効水量の表示がされないことで、この水が捨て水であることを使用者に認識させることができ、使用者への一種の警告手段としての役割を持たせられる。
【0064】
前記洗浄状態は、アルカリ水生成モードで生成状態から通水を止めて止水した場合に電解槽60内を洗浄する状態である。この洗浄状態では、電磁弁53を閉じ、アルカリ水生成モードの生成状態で陰極となっていた第2電極板62と第3電極板63を陽極とし、第1電極板61も陽極から陰極とし、所定時間電圧を印加する。これにより、各電極板61、62、63に付着したスケール等を除去し、次回のイオン水生成を円滑に行うことができる。この場合、電磁弁53を閉じていることで、電解槽流路44から逆止弁15を介して排出流路18側に水が流れることはなく、電解槽60内を十分に水が充填された状態で洗浄することができる。この所定時間の電圧印加が完了した場合は、滞留水には除去したスケール等の不純物が含まれていることから、この滞留水を確実に排水するために、通常は前記排水状態に移行するが、直ちに通水操作が行われた場合には、排水状態には移行せず前記捨て水状態に移行する。
なお、浄水モードや酸性水生成モードでは、生成状態から通水を止めて止水した場合には、排水状態に移行する。
【0065】
前記生成停止状態は、アルカリ水生成モード及び酸性水生成モードで、生成状態開始から所定時間経過した場合に、電磁弁53を閉じると共に電解槽60での電気分解も止める状態である。この生成停止状態でも通水継続であれば吐水流路16から水は出たままとなる。こうして吐水口17から水が出るものの、使用に適さない水のために、使用水量の算出及び表示は行われない。アルカリ水生成モードでは、生成停止状態に移行してから、通水を止めて止水すれば、前記洗浄状態に移行する。一方、酸性水生成モードの場合、この生成停止状態で止水となれば、通常は排水状態に移行するが、直ちに通水操作が行われた場合には、排水状態には移行せず前記捨て水状態に移行する。
【0066】
前記すすぎ状態は、衛生水生成モードの生成状態開始から所定時間経過後に、電磁弁53を開いた状態で、電極板61、62、63に電圧を印加することなく水を通水し、電解槽60をすすぐ状態である。衛生水生成モードの生成状態では、通常の水を電解槽60で電気分解するのに比べ、水に食塩が混入しているために高い電流値となる。ただし、食塩添加筒の食塩が溶解しきってしまうと徐々に食塩の濃度が小さくなるため、電流値が小さくなる。食塩の濃度が小さくなって所定の電流値となった場合には、衛生水の生成を継続しつつ、生成状態(食塩なし)に移行する。また、衛生水生成モードの生成状態の当初から、所定の電圧を電極板に印加しても想定される電流値が得られない場合にも、生成状態(食塩なし)に移行する。この生成状態(食塩なし)とは、食塩添加筒41に食塩がなく、電解槽60中の水が所定濃度の食塩水となっておらず、円滑に電解が行われていないことを示す状態であり、この場合も所定時間経過後にすすぎ状態に移行する。
【0067】
衛生水生成モードの生成状態開始から所定時間経過後、例えば、5分経過した場合にすすぎ状態に移行するようにしているが、これは5分も経過していれば所望量の衛生水を全て生成していると推定できることによるものであり、この経過時間の設定は変更してもかまわない。このすすぎ状態に移行した後、止水すれば排水状態に移行し、止水することなく通水状態が維持されて所定期間が経過すれば、電磁弁53を閉じた生成停止状態に移行する。この生成停止状態で止水となれば、通常は排水状態に移行するが、直ちに通水操作が行われた場合には、排水状態には移行せず前記捨て水状態に移行する。
【0068】
前記リトライ状態は、アルカリ水生成モードや酸性水生成モード、衛生水生成モード等の、電解槽60での電気分解を行う生成モードにおける生成状態時に、電解槽60内で過電流や過小電流となった場合に、原則としてイオン水を生成しない状態に移行したものである。このリトライ状態では、所定時間間隔で電極板61、62、63に電圧を印加して、電解槽60内で過電流、過小電流とならないかをトライアルする。そして、トライアルが成功した場合には生成状態に再び復帰する。この生成状態の電解槽内で過電流、過小電流となった場合におけるリトライ状態への移行は、所定のリトライ条件を満たした場合のみであり、リトライの意味がないほどの異常が生じた状態など、リトライ条件を満たさない場合には、電磁弁53を閉じた生成停止状態に移行する。この生成停止状態に移行した場合で、止水となれば、排水状態に移行する。
【0069】
なお、このリトライ状態では、通水を継続しているため、吐水口17から水が出るものの、正常に生成された水ではないことにより、算出部71での有効水量の算出及び表示画面部80での有効水量表示は行われない。
【0070】
前記各生成モードでは、生成状態終了後、連続して生成状態に移行可能な時間を超えた場合、捨て水状態を介して生成状態に移行しているが、これは、最低限捨てることが好ましい滞留水を排出処理するためである。制御部70は、電源を投入して始めて通水した場合、又は、止水から所定時間経過した場合には、第1水量の捨て水を行い、止水から前記所定時間が経過する前の通水の場合に第2水量の捨て水を行う。前記第1水量は、本水処理装置の内容量程度と一致し、こうして装置の内容量分の捨て水が行われることで、滞留水が一掃されて、滞留水に細菌等が繁殖していても確実に除去することができる。また、第2水量は、電解槽60の内容量程度と一致し、これにより、電解槽60のスケール等の不純物は排除することができる。
【0071】
このように所定時間経過前後により、捨て水の量を変えたのは、水の中で繁殖する雑菌類は時間経過により一気に増殖をするため、所定時間内であれば水中の菌数が少ない状態とみなすことができ、捨て水の量を減らしても十分に除去できることに加え、生成状態への移行を迅速にして使用者の待ち時間を短くし、さらに節水も実現できることによる。
【0072】
また、制御部70は、止水状態から生成状態への移行ではなく、ある生成モードの生成状態から他の生成モードの生成状態に直接変移する場合には、前記第1及び第2水量とは異なる捨て水の制御を実行する。すなわち、酸性水生成モードの生成状態からアルカリ水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合には、第3水量の捨て水を行う。また、アルカリ水生成モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくは浄水モードの生成状態に移行する場合、又は、浄水モードの生成状態から酸性水生成モードの生成状態若しくはアルカリ水生成モードの生成状態に移行する場合には、第4水量の捨て水を行う。
【0073】
前記第3水量は、電解槽60の内容量程度と一致し、これにより、滞留水として残存する酸性水を使用者が使用する水として吐水することがなく、指定されたモードの生成水のみを使用者に提供することができる。一方、第4水量は、電解槽60の内容量に満たない量であり、これにより、第3水量より少ない量の捨て水が行われるが、こうして捨て水の量を変えたのは、人の直接摂取する水が酸性水であるのを避けるためである。すなわち、アルカリ水生成モードの生成状態で吐水口17から吐水されるものは、必ずアルカリ水とするために、余裕をもった捨て水量としているのに対し、酸性水生成モードでは、余裕をもった捨て水量とする必要性に乏しいため、おおよそアルカリ水が吐水されない程度の捨て水量とされる。できる限り捨て水を小さくすることで、捨て水状態からの移行が早くなり、同時に節水も実現される。
【0074】
加えて、制御部70は、衛生水生成モードの生成状態から、電解槽60内の処理対象の水に混入する食塩濃度を低減させるすすぎ状態を経て次のモードに移行するときに、すすぎが完了していた場合には第5水量の捨て水を行い、すすぎが未完了であった場合には第6水量の捨て水を行う。
【0075】
この第6水量は、本イオン水生成装置の内容量とほぼ一致するのに対し、前記第5水量は、電解槽60の内容量にも満たない量である。このように、すすぎが完了していた場合と、すすぎが未完了であった場合とで、捨て水量を変えたのは、飲料用となり得るアルカリ水や浄水にあっては、衛生水の混入は避けなければならず、また、酸性水であっても食塩が含まれた水を使用することは好ましくないため、確実にすすぎは完了していることが望ましいが、すすぎが完了する前に止水されたことで排水状態等に移行した場合にあっては、すすぎが未完了の状態となっており、すすぎを完了させる必要があるものの、止水されればすすぎを行うことができないことから、それに対応すべく、次の通水となった場合の捨て水状態で前記第6水量の十分な捨て水を行い、このすすぎ未完了の補填を行う仕組みである。
【0076】
一方、衛生水生成モード以外のモードから衛生水生成モードに移行する場合には、第7水量の捨て水を行う。この第7水量は前記第4水量と同程度とする。衛生水も酸性水と同様に、余裕をもった捨て水量とするほどの必要性に乏しいため、この通水量としている。
【0077】
さらに、本実施形態に係る水処理装置における目的水の生成吐水動作及び有効水量の算出・表示状態について説明する。前提として、水処理装置1が電源投入可能な状態で、使用者の操作表示部90の電源スイッチ90a押下により、最初に工場出荷時設定である浄水モードでの待機状態に移行し、この浄水モードの選択済状態が浄水スイッチ90hの照明点灯により示されているものとする。
【0078】
はじめに、使用者が、第3のpHレベル(pH8.5)のアルカリ水を飲用のために所望する場合、第3アルカリ水スイッチ90gを押し、水道蛇口12を開いて通水する。この時、スイッチ操作を受けて、浄水モードの待機状態からアルカリ水生成モードの待機状態に移行し、浄水スイッチ90hに代って第3アルカリ水スイッチ90gの照明が点灯する。そして、制御部70の算出部71はアルカリ水生成モードであることを認識して、あらかじめ記憶部72に記憶された使用されない酸性水の排水割合や捨て水量等の条件を読出し、これらに基づいて目的水としてのアルカリ水の有効水量を算出可能な状態となる。
【0079】
例えば、アルカリ水生成モードでの生成状態では、流量センサで取得した全体流量が1000mlの場合、電解槽60でアルカリ水と酸性水が4:1の割合で生成されるために、アルカリ水が800ml得られて、これが吐水口から吐水される量であるが、このうち最初に吐水される約300mlは捨て水として使用に供されないものとなり、正式なアルカリ水は500mlとなる。しかしながら吐水されたアルカリ水も全量が使用されるわけでなく、一部がコップのすすぎ等に用いられるため、この損失分を約1/10と見込んで、最終的に450ml分が実際に飲用等使用された量として認定されることとなり、こうした割合で流量センサ30での流量から有効水量が算出される仕組みである(図4参照)。
【0080】
アルカリ水生成モードでの動作は、浄水モードからの移行後、時間を置かずに連続して通水されたので、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。この捨て水状態では、電源投入後初めての通水であるので、制御部70の制御により、第1水量の捨て水がなされる。通水に合せて、制御部70では流量センサ30の出力に基づく積算流量のカウントを開始する。なお、通水状態のため、逆止弁15を通じて排出流路18方向に水が流れることはない。
【0081】
捨て水がなされる間、電磁弁53が開き、吐水流路16と排出流路18の両方から水が出ると共に、表示画面部80の捨て水の警告表示部分で吐出される水は捨て水で飲用に使用しないよう求める表示がなされ、この間は算出部71による有効水量の算出及び表示画面部80での有効水量の表示は行われないが、算出部71による捨て水の水量の算出はなされており、この水量が前記設定量としての第1水量に達したか否かが判定されることとなる。
【0082】
流量センサ30の出力に基づく水の全体量とこれに占める捨て水の割合から、算出部71で前記第1水量の水が捨て水として排出及び吐水され、捨て水状態が終了したと判定すると、制御部70の制御により捨て水状態から生成状態に移行し、電磁弁53を開いたまま、第1電極板61を陽極、第2電極板62及び第3電極板63を陰極とするように電圧を印加する。
【0083】
これにより、電解槽60で水の電解が進行し、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオン等の陽イオンは陰極の第2電極板62及び第3電極板63に引かれ、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン及び塩素イオン等の陰イオンは陽極の第1電極板61に引かれ、第1電解室65及び第4電解室68にはアルカリ水が生成され、第2電解室66及び第3電解室67には酸性水が生成される。そして、吐水流路16を通って吐水口17からアルカリ水が吐水される一方、酸性水は排出流路18を通って排出される。
【0084】
この生成状態への移行と共に、制御部70は表示画面部80に飲用可である旨を表示し、また算出部71では流量センサ30で得られた流量からアルカリ水の実際に吐水される量に相当する有効水量を算出し、得られた有効水量が表示画面部80に使用量として表示される。通水の継続でアルカリ水の吐水も続くと、流量センサ30からの流量値に基づいて算出される有効水量の値も増大し、表示画面部80での使用量としての有効水量の表示値も次第に増加していく。
【0085】
使用者が、吐水されるアルカリ水をコップ1杯等所望の量(例:200ml)だけ飲用等使用した後、水道蛇口12を閉めて通水を止めると、洗浄状態に移行すると共に、通水停止に伴って、制御部70では積算流量のカウントを中止し、算出部71での有効水量算出も停止する。そして、この時点までの積算流量及び有効水量(200ml)の各値をそれぞれ記憶部72に記憶する。表示画面部80に表示された有効水量の値については、最終値(200ml)をしばらく表示した後で表示を停止する。
【0086】
洗浄状態では、アルカリ水生成時に陰極であった第2電極板62及び第3電極板63に付着したスケール等が剥がれ落ち、第1電解室65、第4電解室68の水中で浮遊状態となる。この洗浄状態の後、排水状態に移行し、洗浄状態では閉じていた電磁弁53を開き、スケール等の不純物が混入した水を電解槽流路44から逆止弁15も経由させて排出口19から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
【0087】
続いて、使用者が、酸性水(pH5.5)を洗顔等に使用のために所望する場合、酸性水スイッチ90iを押し、水道蛇口12を開いて通水する。この時、スイッチ操作と同時に、アルカリ水生成モードの待機状態から酸性水生成モードの待機状態に移行し、第3アルカリ水スイッチ90gに代って酸性水スイッチ90iの照明が点灯する。そして、制御部70の算出部71は酸性水生成モードであることを認識し、あらかじめ記憶部72に記憶されたアルカリ水の排水割合や捨て水量等の条件を読出すが、酸性水は飲用しないために酸性水の有効水量の算出は行わない。
【0088】
この酸性水生成モードでの動作は、アルカリ水生成モードからの移行後、待機状態から時間を置かずに連続して通水されたので、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。この捨て水がなされる間、電磁弁53が開き、吐水流路16と排出流路18の両方から水が出ると共に、通水に合せて、制御部70では積算流量のカウントを開始する。なお、通水状態のため、逆止弁15を通じて排出流路18方向に水が流れることはない。この酸性水生成モードでは捨て水であるか否かに関わりなく飲用としないので、表示画面部80で吐出される水が捨て水で飲用に使用しないよう求める表示は行われないが、酸性水を適切に使用できるよう捨て水が出る間はその旨の表示又は表示画面部80の一部の点滅等による通知がなされる。
【0089】
捨て水状態では、前のアルカリ水の生成終了時から、すなわち、止水から所定の時間が経過した場合、第1水量の捨て水がなされ、前のアルカリ水の生成終了時から、すなわち、止水から所定の時間が経過する前である場合は、第2水量の捨て水がなされる。この酸性水生成モードでは算出部71による有効水量の算出及び表示画面部80での有効水量の表示は行われないが、算出部71による捨て水の水量の算出はなされており、この水量が前記設定量としての第1水量又は第2水量に達したか否かが判定されることとなる。
【0090】
流量センサ30の出力に基づく流量と、既知である吐水口17から出る捨て水の量及び全体量に占める排出口19から排出される水量の割合等から、算出部71で、前記第1水量又は第2水量の水が捨て水として排出及び吐水され、捨て水状態が終了したと判定すると、制御部70の制御により酸性水の生成状態に移行し、電磁弁53を開いたまま、第1電極板61を陰極、第2電極板62及び第3電極板63を陽極とするように電圧を印加する。
【0091】
これにより、電解槽60で水の電解が進行し、陽イオンが陰極に、陰イオンが陽極にそれぞれ引かれることで、第1電解室65及び第4電解室68には酸性水が生成され、第2電解室66及び第3電解室67にはアルカリ水が生成される。そして、吐水流路16を通って吐水口17から酸性水が吐水される一方、アルカリ水は排出流路18を通って排出される。この生成状態への移行と共に、制御部70は表示画面部80に酸性水使用可である旨を表示するが、酸性水の有効水量表示は行われない。
【0092】
使用者が、吐水される酸性水を所望の量だけ洗顔等に使用した後、水道蛇口12を閉めて通水を止めると、排水状態に移行すると共に、通水停止に伴って、制御部70では積算流量のカウントを中止し、この時点までの積算流量を記憶部72に記憶する。排水状態では、滞留水を電解槽流路44から逆止弁15も経由させて排出口19から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
【0093】
また続いて、使用者が、再び第3のpHレベル(pH8.5)のアルカリ水を飲用のために所望する場合、第3アルカリ水スイッチ90gを押し、水道蛇口12を開いて通水する。この時、スイッチ操作と同時に、酸性水生成モードの待機状態からアルカリ水生成モードの待機状態に移行し、酸性水スイッチ90iに代って第3アルカリ水スイッチ90gの照明が点灯する。そして、制御部70の算出部71は前記同様にアルカリ水生成モードであることを認識して、記憶部72に記憶された条件を読出し、これに基づいてアルカリ水の有効水量を算出可能な状態となる。
【0094】
このアルカリ水生成モードでの動作は、酸性水モードからの移行後、待機状態から時間を置かずに連続して通水されたので、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。この捨て水状態では、前の酸性水の生成終了時から、すなわち、止水から所定の時間が経過した場合、第1水量の捨て水がなされ、止水から所定の時間が経過する前である場合は、第2水量の捨て水がなされる。通水に合せて、制御部70では積算流量のカウントを開始する。なお、通水状態のため、逆止弁15を通じて排出流路18方向に水が流れることはない。
【0095】
捨て水がなされる間、電磁弁53が開き、吐水流路16と排出流路18の両方から水が出ると共に、表示画面部80の捨て水の表示部分で吐出される水は捨て水で飲用に使用しないよう求める警告表示がなされ、この間は算出部71による有効水量の算出及び表示は行われないが、算出部71による捨て水の水量の算出はなされており、この水量が前記設定量としての第1水量又は第2水量に達したか否かが判定されることとなる。
【0096】
水が捨て水として排出及び吐水される中、算出部71で、流量センサ30の出力に基づく全体の流量と、既知である全体量に占める吐水口から出る水量及び排出口から排出される水量の割合から、あらかじめ設定された前記第1水量又は第2水量の捨て水がなされて、捨て水状態が終了したと判定すると、制御部70の制御によりアルカリ水の生成状態に移行し、電磁弁53を開いたまま、第1電極板61を陽極、第2電極板62及び第3電極板63を陰極とするように電圧を印加する。
【0097】
これにより、電解槽60で水の電解が進行し、陽イオンは陰極に引かれ、陰イオンは陽極に引かれ、第1電解室65及び第4電解室68にはアルカリ水が生成され、第2電解室66及び第3電解室67には酸性水が生成される。そして、吐水流路16を通って吐水口17からアルカリ水が吐水される一方、酸性水は排出流路18を通って排出される。
【0098】
この生成状態への移行と共に、制御部70は表示画面部80に飲用可である旨を表示し、算出部71では流量センサ30で得られた流量から実際に吐水される量に相当するアルカリ水の有効水量を算出し、ほぼ同時に、得られた有効水量が表示画面部80に表示される。そして、表示画面部80には、前回の飲用可能な有効水量(200ml)と合せた総有効水量も別途表示されることとなる。
【0099】
使用者が、吐水されるアルカリ水を所望の量(例:150ml)だけ飲用等使用した後、水道蛇口12を閉めて通水を止めると、洗浄状態に移行すると共に、通水停止に伴って、制御部70では積算流量のカウントを中止し、算出部71での有効水量算出も停止する。そして、この時点までの積算流量及び総有効水量(200+150=350ml)をそれぞれ記憶部72に記憶する。表示画面部80に表示された有効水量及び総有効水量の各値については、最終値(150ml、350ml)をしばらく表示した後で表示を停止する。
【0100】
洗浄状態では、前記同様、陰極であった各電極板に付着したスケール等が剥がれ落ち、第1電解室65、第4電解室68の水中で浮遊状態となる。この洗浄状態の後、排水状態に移行し、洗浄状態では閉じていた電磁弁53を開き、スケール等の不純物が混入した水を電解槽流路44から逆止弁15も経由させて排出口19から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
【0101】
この依然と第3アルカリ水生成モードが選択されている状態で、使用者が、再びアルカリ水を飲用のために所望する場合には、新たに水道蛇口12を開いて通水することとなる。この場合の動作は、前のアルカリ水の生成終了時から、すなわち、止水からあまり時間が経過していないため、捨て水は行われない。通水に合せて、制御部70では積算流量のカウントを開始すると共に、制御部70の制御によりアルカリ水の生成状態に移行し、電磁弁53を開いたまま、第1電極板61を陽極、第2電極板62及び第3電極板63を陰極とするように電圧を印加する。これにより、前記同様に電解槽60の第1電解室65及び第4電解室68にはアルカリ水が生成され、第2電解室66及び第3電解室67には酸性水が生成される。そして、吐水流路16を通って吐水口17からアルカリ水が吐水される一方、酸性水は排出流路18を通って排出される。
【0102】
この生成状態への移行と共に、制御部70は表示画面部80に飲用可である旨を表示し、算出部71では流量センサ30で得られた流量から実際に飲用される水量に相当する有効水量を算出し、得られた有効水量を同時に表示画面部80に表示する。また前記同様、表示画面部80には、前回までの飲用可能な有効水量の集計値(350ml)と合せた総有効水量も別途表示される。
【0103】
使用者が、吐水されるアルカリ水を所望の量(例:180ml)だけ飲用等使用した後、水道蛇口12を閉めて通水を止めると、前記同様に洗浄状態に移行すると共に、通水停止に伴って、制御部70では積算流量のカウントを中止し、算出部71での使用量算出も停止する。そして、この時点までの積算流量及び総有効水量(200+150+180=530ml)をそれぞれ記憶部72に記憶する。表示画面部80に表示された有効水量及び総有効水量の各値については、最終値(180ml、530ml)をしばらく表示した後で表示を停止する。
【0104】
洗浄状態では、前記同様、陰極であった各電極板に付着したスケール等が剥がれ落ち、第1電解室65、第4電解室68の水中で浮遊状態となる。この洗浄状態の後、排水状態に移行し、洗浄状態では閉じていた電磁弁53を開き、スケール等の不純物が混入した水を電解槽流路44から逆止弁15も経由させて排出口19から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
【0105】
さらに続いて、使用者が、イオン水でない浄水を飲用等のために所望する場合は、浄水スイッチ90hを押し、水道蛇口12を開いて通水する。この時、スイッチ操作と同時に、アルカリ水生成モードの待機状態から浄水モードの待機状態に移行し、第3アルカリ水スイッチ90gに代って浄水スイッチ90hの照明が点灯する。そして、制御部70の算出部71は浄水モードであることを認識して、記憶部72に記憶されたこの浄水モードに対応する捨て水設定量等の条件を読出し、これに基づいて水の使用量を算出可能な状態となる。
【0106】
例えば、浄水モードでの生成状態では、流量センサ30で取得した全体流量が1000mlの場合、電解槽60での電気分解を経ずにそのまま浄水が全て吐水口から吐水されることとなり、吐水量は1000mlとなるが、このうち最初に吐水される約300mlは捨て水として使用に供されないものとなり、正式な浄水は625mlとなる。しかしながら吐水された浄水も全量が使用されるわけでなく、一部がコップのすすぎ等に用いられるため、この損失分を約1/10と見込んで、最終的に約563ml分が実際に飲用等使用された量として認定されることとなり、こうした割合で流量センサ30での流量から使用量が算出される仕組みである。
【0107】
この浄水モードでの動作は、アルカリ水生成モードからの移行後、待機状態から時間を置かずに連続して通水されたので、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。この捨て水状態では、前のアルカリ水の生成終了時から、すなわち、止水から所定の時間が経過した場合、第1水量の捨て水がなされ、前のアルカリ水の生成終了時から、すなわち、止水から所定の時間が経過する前である場合は、第2水量の捨て水がなされる。通水に合せて、制御部70では積算流量のカウントを開始する。
【0108】
捨て水がなされる間、電磁弁53が開き、吐水流路16と排出流路18の両方から水が出ると共に、表示画面部80の捨て水の表示部分で、吐出される水は捨て水で飲用に使用しないよう求める警告表示がなされ、この間は算出部71による有効水量の算出及び表示は行われない。流量センサ30の出力等から算出部71で、所定量の水が捨て水として排出及び吐水され、捨て水状態が終了したと判定すると、制御部70の制御により、電磁弁53を閉じ、電解槽60の各電極板に電圧を印加しない浄水の生成状態に移行する。
【0109】
浄水は吐水流路16を通って吐水口17から吐水される。このとき、電磁弁53を閉じているので、排出流路18を通って水が排出されることはなく、水の無駄は生じない。この生成状態への移行と共に、制御部70は表示画面部80に飲用可である旨を表示し、算出部71では流量センサ30で得られた流量から浄水として有効に吐水される量に相当する有効水量を算出し、同時にこの有効水量を表示画面部80に表示する。前記同様、表示画面部80には、前回までの飲用可能な有効水量の集計値(530ml)と合せた総有効水量も別途表示される。
【0110】
使用者が、吐水される浄水を所望の量(例:250ml)だけ飲用等使用した後、水道蛇口12を閉めて通水を止めると、排水状態に移行すると共に、通水停止に伴って、制御部70では積算流量のカウントを中止し、算出部71での有効水量算出も停止する。そして、この時点までの積算流量及び総有効水量(200+150+180+250=780ml)を求めてそれぞれ記憶部72に記憶する。表示画面部80に表示された有効水量及び総有効水量の各値については、最終値(250ml、780ml)をしばらく表示した後で表示を停止する。排水状態では、閉じていた電磁弁53を開き、滞留水を逆止弁15も経由させて排出口19から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
【0111】
さらに続いて、使用者が、強アルカリ水(pH10.5)を煮物、アク抜き、又は野菜茹で用等の水として使用のために所望する場合、強アルカリ水スイッチ90dを押し、水道蛇口12を開いて通水する。この時、スイッチ操作と同時に、浄水モードの待機状態から強アルカリ水生成モードの待機状態に移行し、浄水スイッチ90hに代って強アルカリ水スイッチ90dの照明が点灯する。そして、制御部70の算出部71は強アルカリ水生成モードであることを認識し、強アルカリ水は飲用しないために有効水量の算出は行わない。
【0112】
この強アルカリ水生成モードでの動作は、浄水モードからの移行後、待機状態から時間を置かずに連続して通水されたので、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。この捨て水がなされる間、電磁弁53が開き、吐水流路16と排出流路18の両方から水が出ると共に、通水に合せて、制御部70では積算流量のカウントを開始する。なお、通水状態のため、逆止弁15を通じて排出流路18方向に水が流れることはない。この強アルカリ水生成モードでは捨て水であるか否かに関わりなく飲用としないので、表示画面部80で吐出される水が捨て水で飲用に使用しないよう求める表示は行われないが、強アルカリ水を適切に使用できるよう捨て水が出る間はその旨の表示又は表示画面部80の一部の点滅等による通知がなされる。
【0113】
捨て水状態では、前の浄水の生成終了時から、すなわち、止水から所定の時間が経過した場合、第1水量の捨て水がなされ、止水から所定の時間が経過する前である場合は、第2水量の捨て水がなされる。この強アルカリ水生成モードでは算出部71による有効水量の算出及び表示画面部80での有効水量の表示は行われないが、算出部71による捨て水の水量の算出はなされており、この水量が前記設定量としての第1水量又は第2水量に達したか否かが判定されることとなる。
【0114】
流量センサ30の出力に基づく全体の流量等から、算出部71で前記第1水量又は第2水量の水が捨て水として排出及び吐水され、捨て水状態が終了したことを判定すると、制御部70の制御により強アルカリ水の生成状態に移行し、電磁弁53を開いたまま、第1電極板61を陽極、第2電極板62及び第3電極板63を陰極とするように電圧を印加する。
【0115】
これにより、電解槽60で水の電解が進行し、陽イオンが陰極に、陰イオンが陽極にそれぞれ引かれることで、第1電解室65及び第4電解室68には強アルカリ水が生成され、第2電解室66及び第3電解室67には酸性水が生成される。そして、吐水流路16を通って吐水口17から強アルカリ水が吐水される一方、酸性水は排出流路18を通って排出される。
この生成状態への移行と共に、制御部70は表示画面部80に強アルカリ水使用可である旨を表示するが、算出部71での有効水量の算出とその表示は行われない。
【0116】
使用者が、吐水される強アルカリ水を所望の量だけ使用した後、水道蛇口12を閉めて通水を止めると、洗浄状態に移行すると共に、通水停止に伴って、制御部70では積算流量のカウントを中止し、この時点までの積算流量を記憶部72に記憶する。
【0117】
洗浄状態では、前記同様、陰極であった各電極板62、63に付着したスケール等が剥がれ落ち、第1電解室65、第4電解室68の水中で浮遊状態となる。この洗浄状態の後、排水状態に移行し、洗浄状態では閉じていた電磁弁53を開き、スケール等の不純物が含まれる水を逆止弁15も経由させて排出口19から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
【0118】
この強アルカリ水の使用を終えた段階で、強アルカリ水は飲用水で無いために有効水量や総有効水量の表示はなされないが、使用者は切換表示スイッチ90cの操作により、表示画面部80に総有効水量(780ml)を表示させることができ、使用開始からこの時点までの飲用水としての使用量を把握することができる。
【0119】
このように、本実施形態に係る水処理装置は、目的水としてのイオン水や浄水の分を含む水の流量を測定する流量センサ30を使用し、得られた流量の情報から、算出部71が目的水の実際に使用された量に相当する有効水量の値を算出すると共に、この有効水量を表示画面部80で表示し、また、これら算出及び表示の各手順を、通水状態の目的水供給開始時点としての捨て水状態が終了して目的水の出る生成状態に移行するタイミングを基準として開始して、実際に使用者が目的水を使用している状況で、使用者に目的水の使用量の目安を提示することから、流量センサ30で得た流量から使用される目的水の量を適切に見積って得られた有効水量の表示で、使用者が目的水の使用量を容易に把握でき、飲用等使用した量を確実に認識して水使用の管理が適切に行えると共に、積算流量のカウントが主目的で目的水に特化したものでない流量センサ30からの流量情報を流用しており、別途目的水用にセンサ等の測定手段を追加配設する必要もなく、測定系を簡略な構成とすることができる。
【0120】
なお、前記実施形態に係る水処理装置において、浄水部20を備えるイオン整水器の例を示しているが、これに限らず、浄水機能のみ有する浄水器において、捨て水等使用に供されない分を除いた浄水の有効水量を適切に算出して表示する構成とすることもできる。この場合、前記同様に算出部で捨て水の量を算出して捨て水状態の終了及び生成状態への移行時点を判定するものに限らず、より簡略な構成として、使用に供されない水の既知情報として、通水開始からの所定の待ち時間、すなわち、所定時間経過により雑菌等異質の成分が混合しているおそれのない浄水が出ているとみなせるだけの待ち時間を与えられて、この待ち時間が終った時点を基準として、算出部が有効水量の算出を開始すると共に表示画面部が表示を開始する構成としてもかまわない。さらに、捨て水を誤って使用者に使用させないための表示画面部における警告表示に代えて、前記待ち時間の間、有効水量の表示を伴わない吐水によって、使用不可状態を使用者に認識させるようにしてもよく、表示においても簡略な構成とすることができる。
【0121】
また、前記実施形態に係る水処理装置においては、目的水のうち飲用可能なアルカリ水や浄水の有効水量を算出、集計して総有効水量としてまとめて表示するようにしているが、総有効水量をアルカリ水と浄水に分けてそれぞれで算出、表示したり、またアルカリ水も各pHレベルごとに分けて総有効水量をそれぞれ算出、表示するようにしてもよい。さらに、算出部71で酸性水生成モードでの酸性水、強アルカリ水生成モードでの強アルカリ水、衛生水生成モードでの衛生水の各有効水量も算出し、必要に応じて表示画面部80に表示するようにしてもかまわない。ただし、酸性水、衛生水の有効水量を算出する場合は、アルカリ水の場合とは逆に、水全体量のうち吐水口17に向う分と排出口19から排出されるアルカリ水との流量比を考慮して算出することとなる。
【0122】
また、前記実施形態に係る水処理装置においては、表示画面部80における有効水量の表示は数値による表示としているが、この他、バーの長さで量の大小を示すグラフ表示とすることもできる。
【0123】
また、前記実施形態に係る水処理装置においては、算出部71で捨て水の量を算出して捨て水状態の終了及び生成状態への移行時点を判定する構成としているが、通水時の流量がほとんど変化しない場合には、単純にタイマーを用いて、適量の捨て水が吐出されるまでに相当する既知の設定時間が経過するのを計って、捨て水状態から生成状態への移行時点を判定するようにしてもよい。
【0124】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る水処理装置を図8ないし図11に基づいて説明する。図8は本実施形態に係る水処理装置の表示画面部及び操作部要部の正面図、図9は本実施形態に係る水処理装置における各部の動作状態説明図、図10は本実施形態に係る水処理装置における各部のリセット操作を含む場合の動作状態説明図、図11は本実施形態に係る水処理装置における各部の算出・表示停止操作を含む場合の動作状態説明図である。
【0125】
前記各図において本実施形態に係る水処理装置は、前記第1の実施形態同様、給水管11と、浄水部20と、流量センサ30と、食塩添加筒41と、カルシウム添加筒42と、流路切替部51と、電解槽60と、吐水流路16と、排出流路18と、制御部70と、表示画面部80と、操作部90とを備える一方、異なる点として、使用者による目的水の有効水量の表示開始の指示操作を受付ける計量開始スイッチ91を備える構成を有するものである。
【0126】
前記制御部70の算出部71では、通水開始後、前記第1の実施形態と同様に、流量センサ30から出力された流量情報、及びスイッチ操作で水の生成モードが選択された際に記憶部72から読出した捨て水の設定量や排出口19から排出される水の流量センサ30部流路を流れる水全体量に占める割合といった既知情報を用いて、まず目的水と同じ吐水口17から出る捨て水の量を算出し、この捨て水の量を設定量と比較して、通水開始から所定時間後の、捨て水が設定量分出たことで捨て水状態が終了すると共に目的水の生成状態に移行する時点を判定する。この捨て水状態の終了した時点で、制御部70の制御により捨て水状態から目的水の生成状態に移行し、吐水口17から目的水としてのイオン水又は浄水が吐水され、表示画面部80では捨て水状態の警告表示が終了する又は飲用可である旨が表示されるものの、算出部71での有効水量の算出は行われない。
【0127】
表示画面部80における警告表示終了又は飲用可である旨の表示を見た使用者が、計量開始スイッチ91を操作して計量開始を指示すると、算出部71はこの時点を目的水供給開始時点として、有効水量の算出を開始することとなる。得られた有効水量の値は表示画面部80に出力され、この表示画面部80で算出とほぼ同時に有効水量の計量表示も開始される。ただし、表示画面部80では、前記第1の実施形態同様、有効水量は「使用量」の名目で表示され、また、記憶部72に以前の有効水量が記憶されている場合には、総有効水量も「総使用量」の名目で合せて表示される。
【0128】
次に、本実施形態に係る水処理装置におけるアルカリ水の生成吐水動作及び有効水量の算出・表示状態について説明する。前提として、前記第1の実施形態同様、水処理装置1が電源投入可能な状態で、使用者の電源スイッチ90a押下により、いったん浄水モードでの待機状態に移行し、この浄水モードの選択済状態が浄水スイッチ90hの照明点灯により示されているものとする。各水の生成モードや、捨て水や排水等廃棄される水と目的水との割合、各状況における捨て水の量は前記第1の実施形態と同じである。
【0129】
使用者は、第3のpHレベル(pH8.5)のアルカリ水を飲用すべく、第3アルカリ水スイッチ90gを押し、水道蛇口12を開いて通水する。このスイッチ操作を受けて、浄水モードの待機状態からアルカリ水生成モードの待機状態に移行し、浄水スイッチ90hに代って第3アルカリ水スイッチ90gの照明が点灯する。そして、制御部70の算出部71はアルカリ水生成モードであることを認識して、あらかじめ記憶部72に記憶された使用されない酸性水の排水割合や捨て水量等の条件を読出し、これらに基づいて目的水としてのアルカリ水の有効水量を算出可能な状態となる。
【0130】
例えば、アルカリ水生成モードでの生成状態では、流量センサ30で取得した全体流量が1000mlの場合、電解槽60でアルカリ水と酸性水が4:1の割合で生成されるために、アルカリ水が800ml得られて、これが吐水口から吐水される量であるが、このうち最初に吐水される約300mlは捨て水として使用に供されないものとなり、正式なアルカリ水は500mlとなる。前記第1の実施形態と同じく、吐水されたアルカリ水も全量が使用されるわけでなく、一部がコップのすすぎ等に用いられるが、本実施形態では使用者のスイッチ操作によって実際の使用者が使用する期間を把握できるため、この損失分を見込む必要が無く、スイッチ操作により使用者がアルカリ水を使用したと認定される間に流量センサ30で前記1000mlの流量値が得られている場合は、最終的に酸性水の分と捨て水の分を除いた前記500ml分が実際に飲用等使用された量として認定されることとなり、こうした割合で流量センサ30での流量から使用量が算出される仕組みである。
【0131】
このアルカリ水生成モードでの動作は、浄水モードからの移行後、時間を置かずに連続して通水されたので、排水状態に移行することなく捨て水状態に移行する。この捨て水状態では、電源投入後初めての通水であるので、制御部70の制御により、第1水量の捨て水がなされる。通水に合せて、制御部70では流量センサ30の出力に基づく積算流量のカウントを開始する。なお、この通水状態では、逆止弁15を通じて排出流路18方向に水が流れることはない。
【0132】
捨て水がなされる間、電磁弁53が開き、吐水流路16と排出流路18の両方から水が出ると共に、表示画面部80の捨て水の表示部分で吐出される水は捨て水で飲用に使用しないよう求める表示がなされ、この間は算出部71による有効水量の算出及び表示画面部80での有効水量の表示は行われないが、算出部71による捨て水の水量の算出はなされており、この水量が前記設定量としての第1水量に達したか否かが判定されることとなる。なお、この捨て水状態で誤って使用者が計量開始スイッチ55を操作しても、算出部71による有効水量の算出及び表示画面部80での有効水量の表示が行われない点は変らない。
【0133】
流量センサ30の出力に基づく水の全体量とこれに占める捨て水の割合等から、算出部71で前記第1水量の水が捨て水として排出及び吐水され、捨て水状態が終了したと判定すると、制御部70の制御により捨て水状態から生成状態に移行し、電磁弁53を開いたまま、第1電極板61を陽極、第2電極板62及び第3電極板63を陰極とするように電圧を印加する。
【0134】
これにより、電解槽60で水の電解が進行し、陽イオンは陰極の第2電極板62及び第3電極板63に引かれ、陰イオンは陽極の第1電極板61に引かれ、第1電解室65及び第4電解室68にはアルカリ水が生成され、第2電解室66及び第3電解室67には酸性水が生成される。そして、吐水流路16を通って吐水口17からアルカリ水が吐水される一方、酸性水は排出流路18を通って排出される。
【0135】
この生成状態への移行と共に、制御部70は表示画面部80に飲用可である旨を表示する。これを見た使用者が、アルカリ水をコップに注ぐ動作など水の飲用等使用を開始すると同時に、計量開始スイッチ55を操作して計量開始を指示すると、これを受けて算出部71では流量センサ30で得られた流量からアルカリ水の実際に吐水される量に相当する有効水量を算出し、得られた有効水量が表示画面部80に使用量として表示される。
【0136】
使用者が、吐水されるアルカリ水をコップ1杯等所望の量(例:200ml)だけ飲用等使用した後、水道蛇口12を閉めて通水を止めると、生成状態から洗浄状態に移行すると共に、通水停止に伴って、制御部70では積算流量のカウントを中止し、算出部71での有効水量算出も停止する。そして、この時点までの積算流量及び有効水量(200ml)の各値をそれぞれ記憶部72に記憶する。表示画面部80に表示された有効水量の値については、最終値(200ml)をしばらく表示した後で表示を停止する。
【0137】
洗浄状態では、前記第1の実施形態同様、アルカリ水生成時に陰極であった第2電極板62及び第3電極板63に付着したスケール等が剥がれ落ち、第1電解室65、第4電解室68の水中で浮遊状態となる。この洗浄状態の後、排水状態に移行し、洗浄状態では閉じていた電磁弁53を開き、スケール等の不純物が混入した水を電解槽流路44から逆止弁15も経由させて排出口19から排水する。排水状態に移行してから所定時間経過後、滞留水を全て排水した状態で待機状態に移行する。
【0138】
本実施形態では、目的水の生成状態で有効水量(使用量)の表示開始を計量開始スイッチ91で任意に設定できるため、開始直前にリセットスイッチ90mを操作して、算出部71で算出した有効水量を集計した総有効水量を0にリセットすれば、次の有効水量の算出、表示開始時から新たに総有効水量(総使用量)の集計も開始でき(図10参照)、通水状態においても有効水量(使用量)のと総有効水量(総使用量)の開始点を同じ時点に容易に合せることができる。
【0139】
このように、本実施形態に係る水処理装置においては、使用者の操作を受付ける計量開始スイッチ91を配設し、このスイッチが操作されると、この操作時点を基準として算出部71が目的水の有効水量を算出し、また表示画面部80が有効水量を表示して、使用者が目的水の使用量を把握できる状態とすることから、例えば使用者が通水状態で目的水の使用を実際に開始する時に自らスイッチ操作すれば、算出部71で目的水の使用期間を適切に認識して、有効水量を実際の目的水の使用量にほぼ一致した値として算出、表示可能となり、目的水のより正確な使用量を使用者に知らせることができる。
【0140】
なお、前記実施形態に係る水処理装置において、計量開始スイッチ91の操作で開始された目的水の有効水量の算出及び表示の停止については、水道蛇口12の閉による通水終了と一致させて行う構成としているが、これに限らず、計量開始スイッチ91の操作で開始された目的水の有効水量の算出及び表示の停止を指示する操作を受付ける計量停止スイッチ92を備え、図11に示すように、開始に加えて終了も使用者のスイッチ操作で指示する構成とすることもでき、飲用終了後も通水を継続したい場合に、計量停止スイッチ92を操作すれば通水を続けたまま算出部71での有効水量の算出と表示画面部80での表示を停止できることとなり、飲用後、飲用とは別の使用のために水を出し続ける状態に対応して適切な水量算出が行え、使用者が飲用した量を正確に把握できる。この計量停止スイッチ92については、停止を指示する時期は開始の指示時期と重なることはないため、計量開始スイッチと兼用させる構成とすることもできる。
【0141】
また、前記実施形態に係る水処理装置において、浄水部20を備えるイオン整水器の例を示しているが、これに限らず、浄水機能のみ有する浄水器においても、スイッチ操作時点を基準として算出部が浄水の有効水量を算出すると共に表示画面部が有効水量を表示する構成とすることもできる。この場合、前記同様に算出部で捨て水の量を算出して捨て水状態の終了を判定し、生成状態に移行すると共に表示画面部に飲用可である旨を表示して、使用者のスイッチ操作を受入れるものに限らず、より簡略な構成として、使用に供されない水の既知情報として、通水開始からの所定の待ち時間、すなわち、所定時間経過により雑菌等異質の成分が混合しているおそれのない浄水が出ているとみなせるだけの待ち時間を与えられて、この待ち時間が終った時点から、使用者のスイッチ操作を受入れる構成としてもかまわない。
【0142】
(本発明の第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る水処理装置を図12及び図13に基づいて説明する。図12は本実施形態に係る水処理装置の表示画面部及び操作部要部の正面図、図13は本実施形態に係る水処理装置の表示画面部における総有効水量の全表示状態説明図である。
【0143】
前記各図において本実施形態に係る水処理装置は、前記第1の実施形態同様、給水管11と、浄水部20と、流量センサ30と、食塩添加筒41と、カルシウム添加筒42と、流路切替部51と、電解槽60と、吐水流路16と、排出流路18と、制御部70と、表示画面部80と、操作部90とを備える一方、異なる点として、前記制御部70の算出部71が、複数の使用機会における各有効水量を複数の集計用グループに分けて集計可能とされ、目的水を出して止めるまでの1回の使用機会ごとに、前記複数の集計用グループのいずれに含めて集計するかを使用者のスイッチ操作に基づいて選択されると共に、前記表示画面部80が、算出部71の所定期間内で前記複数のグループごとに有効水量を集計した結果を表示する構成を有するものである。
【0144】
算出部71では、目的水を出して止めるまでの一回の使用機会ごとに、算出した有効水量のうち通水停止時の最終値を記憶部72に記憶して、複数の使用機会における各有効水量の集計値である総有効水量も算出する仕組みとなっているが、この総有効水量の算出にあたってA、B、Cの三つの集計用グループをあらかじめ設定されており、水道蛇口12を開いて通水する直前に、各集計用グループに対応する複数の選択スイッチ93a、93b、93cのいずれかを使用者に選択操作させることで、この後通水して飲用等使用される目的水の有効水量を、先に選択された集計用グループに含まれるものとして、この集計用グループに含まれる各使用機会の有効水量を集計した総有効水量と共に表示画面部80に出力することとなる。
【0145】
表示画面部80では、目的水の吐水に合せて増加していく有効水量が使用量として表示されると共に、選択された集計用グループの範囲で集計された総有効水量が合せて総使用量として表示される。なお、目的水の生成状態以外で、所望の集計用グループにおける総有効水量を参照したい場合や、目的水の生成状態で表示されている総有効水量とは別のグループの総有効水量を参照したい場合には、表示切換スイッチ94を操作することで、各グループの総有効水量を切換えて表示することができる。この表示画面部80では、各集計用グループの総有効水量を個別に表示するほか、図13に示すように、全グループをまとめて比較対照可能に表示することもできる。
【0146】
この算出部71における各集計用グループごとの総有効水量の集計及び表示画面部80での総有効水量表示については、各集計用グループに対応して設けられた複数の選択リセットスイッチ95a、95b、95cのうち、所望の集計用グループに対応するものを使用者に選択操作させることで、集計表示及び記憶部72への記憶をリセットして任意の時点から新たに開始させることができる。
【0147】
こうして複数の使用機会における各有効水量を複数の集計用グループに分けて集計、表示して、各グループごとに目的水の使用水量を把握できるようにしていることから、例えば各々目的水を使用する複数の使用者を複数の集計用グループにそれぞれ割当てて、各使用者ごとに目的水の総有効水量を表示することができ、一つの装置を複数の使用者で使い分けても一人ずつの目的水の使用量を各使用者に適切に把握させることができる。また、目的水を飲用分や料理使用分といった用途ごとに集計用グループに割当てれば、使用した用途ごとに目的水の総有効水量を表示することができ、目的水を各用途に応じて使い分ける際に使用者が用途ごとに使用量を把握できるなど、目的水の使用が効率よく管理できる。
【0148】
(本発明の第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る水処理装置を図14に基づいて説明する。図14は本実施形態に係る水処理装置の表示画面部及び操作部要部の正面図である。
前記図14において本実施形態に係る水処理装置は、前記第1の実施形態同様、給水管11と、浄水部20と、流量センサ30と、食塩添加筒41と、カルシウム添加筒42と、流路切替部51と、電解槽60と、吐水流路16と、排出流路18と、制御部70と、表示画面部80と、操作部90とを備える一方、異なる点として、前記制御部70の算出部71が、複数の使用機会における各有効水量を目的水の種類ごとの複数の集計用グループに分けて集計可能とされ、目的水を出して止めるまでの1回の使用機会ごとに、目的水の種類に対応する集計用グループに含めて集計すると共に、前記表示画面部80が、算出部71の所定期間内で前記複数のグループごとに有効水量を集計した結果を表示する構成を有するものである。
【0149】
算出部71では、目的水を出して止めるまでの一回の使用機会ごとに、算出した飲用可能な目的水の有効水量のうち通水停止時の最終値を記憶部72に記憶して、複数の使用機会における各有効水量の集計値である総有効水量を算出する仕組みとなっているが、この総有効水量の算出にあたって各目的水、すなわち強アルカリ水、第1のpHレベルのアルカリ水、第2のpHレベルのアルカリ水、第3のpHレベルのアルカリ水、浄水、酸性水、及び衛生水のそれぞれに対応する7つの集計用グループをあらかじめ設定されており、通水して使用される目的水の有効水量を、その目的水の対応する集計用グループに含まれるものとして、この集計用グループに含まれる各使用機会の有効水量を集計した総有効水量と共に表示画面部80に出力することとなる。
【0150】
表示画面部80では、目的水の吐水に合せて増加していく有効水量が使用量として表示されると共に、その目的水の種類に対応する集計用グループの範囲で集計された総有効水量が合せて総使用量として表示される。なお、目的水の生成状態以外で、所望の種類の目的水について総有効水量を参照したい場合や、ある目的水の生成状態で表示されている総有効水量とは別種類の目的水の総有効水量を参照したい場合には、表示切換スイッチ96を操作することで、目的水種類ごとの総有効水量を切換えて表示することができる。この表示画面部80では、目的水種類ごとの総有効水量を個別に表示するほか、全種類をまとめて比較対照可能に表示することもできる。
【0151】
この算出部71における目的水の種類ごとの総有効水量の集計及び表示画面部80での総有効水量表示については、リセット対象の目的水の種類を選択するリセット選択スイッチ97と、このリセット選択スイッチ97で選択された対象についてリセット実行を指示するリセット実行スイッチ98をそれぞれ使用者に操作させることで、集計表示及び記憶部72への記憶をリセットして任意の時点から新たに開始させることができる。
【0152】
こうして複数の使用機会における各有効水量を複数の集計用グループを用いてアルカリ水や浄水といった目的水の種類ごとに分けて集計、表示して、目的水の種類ごとに目的水の使用水量を把握できるようにしていることから、複数種類の目的水を使い分ける際に目的水種類ごとの目的水の使用量を使用者が把握できることとなり、目的水の種類による使用量の差異を認識して使用者における各種の目的水の適切な使い分けが効率よく管理できる。
【符号の説明】
【0153】
1 水処理装置
10 装置筐体
11 給水管
12 水道蛇口
13 分岐栓
14 水道管
15 逆止弁
16 吐水流路
17 吐水口
18 排出流路
19 排出口
20 浄水部
21 第1浄水カートリッジ
22 第2浄水カートリッジ
30 流量センサ
41 食塩添加筒
42 カルシウム添加筒
43 逆止弁
44 電解槽流路
51 流路切替部
52 電源部
53 電磁弁
60 電解槽
61 第1電極板
62 第2電極板
63 第3電極板
64 隔壁
65 第1電解室
66 第2電解室
67 第3電解室
68 第4電解室
70 制御部
71 算出部
72 記憶部
73 タイマー部
80 表示画面部
90 操作部
90a 電源スイッチ
90b ORP表示スイッチ
90c 通水量表示スイッチ
90d 強アルカリ水スイッチ
90e 第1アルカリ水スイッチ
90f 第2アルカリ水スイッチ
90g 第3アルカリ水スイッチ
90h 浄水スイッチ
90i 酸性水スイッチ
90j 衛生水スイッチ
90k 第1寿命設定スイッチ
90l 第2寿命設定スイッチ
90m リセットスイッチ
91 計量開始スイッチ
92 計量停止スイッチ
93a、93b、93c 選択スイッチ
94、96 表示切換スイッチ
95a、95b、95c 選択リセットスイッチ
97 リセット選択スイッチ
98 リセット実行スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水により流入した原水に対し所定の処理を施して得た目的水を出す一方で、少なくとも通水の間に、流入量の一部を前記目的水としての使用に供されない水として出す水処理装置において、
前記目的水になる水を一部に含んで所定流路を流れる水の流量を測定し出力する測定手段と、
当該測定手段から出力される流量情報、及び前記所定流路を流れる水のうち前記使用に供されない水の既知情報を用いて、目的水の使用に供されたとみなせる有効水量を算出する算出手段と、
当該算出手段の算出した有効水量を表示する表示手段とを備えることを
特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の水処理装置において、
使用者による前記有効水量の表示開始を指示する操作を受付けるスイッチを備え、
前記算出手段が、通水状態における前記スイッチに対する操作時点を基準として前記有効水量の算出を開始することを
特徴とする水処理装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載の水処理装置において、
前記算出手段が、通水状態で前記測定手段から出力された流量情報、及び前記所定流路を流れる水のうち前記使用に供されない水の既知情報を用いて、目的水供給開始時点を判別し、当該時点を基準として前記有効水量の算出を開始することを
特徴とする水処理装置。
【請求項4】
前記請求項1又は3に記載の水処理装置において、
前記測定手段より下流側に、目的水の流れる流路と、目的水の流れない流路とが分岐して配設され、当該目的水の流れない流路を通じて前記使用に供されない水の一部又は全部が排出され、
前記算出手段が、前記所定流路を流れる水のうち前記目的水の流れない流路を通る水の占める量の既知情報も用いて、目的水の有効水量を算出することを
特徴とする水処理装置。
【請求項5】
前記請求項1ないし4のいずれかに記載の水処理装置において、
前記算出手段が、複数の使用機会における各有効水量を複数の集計用グループに分けて集計可能とされ、目的水を出して止めるまでの1回の使用機会ごとに、前記複数の集計用グループのいずれに含めて集計するかを使用者のスイッチ操作に基づいて選択され、
前記表示手段が、前記算出手段が所定期間内で前記複数のグループごとに有効水量を集計した結果を表示することを
特徴とする水処理装置。
【請求項6】
前記請求項1ないし4のいずれかに記載の水処理装置において、
前記算出手段が、複数の使用機会における各有効水量を目的水の種類ごとの複数の集計用グループに分けて集計可能とされ、目的水を出して止めるまでの1回の使用機会ごとに、目的水の種類に対応する集計用グループに含めて集計し、
前記表示手段が、前記算出手段が所定期間内で前記複数のグループごとに有効水量を集計した結果を表示することを
特徴とする水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−194459(P2010−194459A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42398(P2009−42398)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000164461)九州日立マクセル株式会社 (338)
【Fターム(参考)】