説明

水性エマルジョン及びその製造方法

【課題】 製造が容易で再現性が高く、ポリオレフィンシートに対する耐熱クリープ性が一層、優れた接着剤用の水性エマルジョンの製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリウレタン水性エマルジョンの存在下にモノマーをさらに乳化重合して得られる水性エマルジョンの製造方法において、該モノマーとして、少なくともエチレン、ビニルエステル及び多官能性モノマーを用い、該乳化重合をレドックス系触媒にて実施し、該レドックス系触媒の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を遷移金属の塩と共に用いることを特徴とする水性エマルジョンの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオレフィンなどの接着剤に好適な水性エマルジョン及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、ポリウレタン水性エマルジョンをシードとし、エチレン及び酢酸ビニルなどをさらに重合して得られる水性エマルジョン及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
常態接着性及び耐熱クリープ性に優れた接着剤組成物として、特定のエチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体水性エマルジョンとポリウレタン水性エマルジョンとを含む接着剤組成物が特許文献1に開示されている。そして、かかる接着剤組成物は、木材と塩化ビニルシートとの接着に好適であり、ポリエチレン、ポリプロピレンなどポリオレフィンシートと木材とも接着させることができることが開示されている。
ところで、環境問題の観点からポリ塩化ビニルシートが敬遠されてポリオレフィンシートに移行してきており、ポリオレフィンシートについてもポリ塩化ビニルシートと同等またはそれ以上の常態接着性及び耐熱クリープ性に優れた接着剤組成物が求められている。
最近、ポリオレフィンシートに対する常態接着性及び耐熱クリープ性に優れた接着剤組成物として、ポリウレタン水性エマルジョンをシードとし、エチレン及び酢酸ビニルを過硫酸アンモニウムで乳化重合して得られる接着剤組成物が特許文献2に開示され、具体的な接着試験方法は記載されているが、接着特性の具体的な記載はない。
【0003】
【特許文献1】特開平9−194811号公報[特許請求の範囲]、[0017]
【特許文献2】特開2004−211037号公報[請求項1]、[0035]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らが、接着特性を把握するために特許文献2の実施例1に従い、ポリウレタン水性エマルジョンをシードとし、過硫酸アンモニウムを触媒として、エチレン及び酢酸ビニルをさらに乳化重合させて得られる水性エマルジョンの製造を試みたところ、乳化重合が生じず、接着特性を把握することができなかった。
本発明の目的は、製造が容易で再現性が高く、ポリオレフィンシートに対する常態接着性に優れ、一層、優れた耐熱クリープ性を与える接着剤用の水性エマルジョン及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような状況下、本発明者らが鋭意検討した結果、ポリウレタン水性エマルジョンの存在下に、さらに特定のモノマーを特定の条件で乳化重合する水性エマルジョン及びその製造方法は、かかる課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、ポリウレタン水性エマルジョンの存在下にモノマーをさらに乳化重合して得られる水性エマルジョンの製造方法において、該モノマーとして、少なくともエチレン、ビニルエステル及び多官能性モノマーを用い、該乳化重合をレドックス系触媒にて実施し、該レドックス系触媒の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を遷移金属の塩と共に用いることを特徴とする水性エマルジョンの製造方法、並びに、
ポリウレタン水性エマルジョンの存在下にモノマーをさらに乳化重合して得られる水性エマルジョンにおいて、該モノマーとして、少なくともエチレン、ビニルエステル及び多官能性モノマーを用い、該乳化重合をレドックス系触媒にて実施し、該レドックス系触媒の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を遷移金属の塩と共に用いて得られる水性エマルジョンである。
中でも、レドックス系触媒の酸化剤として過酸化水素を用いると、得られる水性エマルジョンの着色が低減される傾向があることから好ましい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって得られる水性エマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル系共重合体水性エマルジョンとポリウレタン水性エマルジョンとをそれぞれ別々に製造して混合した接着剤と比較して常態接着性が同等程度に優れ、しかも耐熱クリープ性が著しく優れる。
本発明の製造方法は、製造が容易で再現性が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリウレタン水性エマルジョンは、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物、さらに必要に応じて他の化合物とを反応させて得られるポリウレタンが水中に分散された水性エマルジョンである。反応としては例えば、アセトン法、プレポリマーミキシング法、ケチミン法、ホットメルトディスパージョン法等の方法などが挙げられる。
【0008】
ポリイソシアネート化合物としては、通常のポリウレタンの製造に使用される、分子内にイソシアネート基を2個以上有する有機ポリイソシアネート化合物であり、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,3−ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;2,4−トルイレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トルイレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート(MDI)、1,5′−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;、リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−イソシアネート−4,4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチロールプロパンとトルイレンジイソシアネートとのアダクト体、トリメチロールプロパンと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとのアダクト体等のトリイソシアネート類などが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0009】
ポリオール化合物としては、通常のポリウレタンの製造に使用される、分子内に水酸基を2個以上有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール類;アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオール化合物とから得られるポリエステルポリオール類;ポリカプロラクトンポリオール、ポリβ−メチル−δ−バレロラクトン等のポリラクトン系ポリエステルポリオール類;ポリブタジエンポリオール又はその水添物、ポリカーボネートポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリアクリル酸エステルポリオールなどが挙げられる。
【0010】
ポリウレタン水性エマルジョンの製造時に分子内に親水基を導入することは、ポリウレタン水性エマルジョンを水中に分散させた時の安定性を向上させることができることから好ましい。親水基導入のために用いられる化合物としては、例えば、分子内にポリエチレングリコールに由来する構造単位等のノニオン性親水基を有し、かつ、スルホニル基、カルボキシル基、水酸基、1級アミノ基(−NH)、2級アミノ基(=NH)等の、イソシアネート基と反応性を有する活性水素を1個以上もつ化合物(以下、親水性基含有化合物という場合がある)などが挙げられる。
【0011】
親水性基含有化合物としては、例えば、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、2,6−ジアミノベンゼンスルホン酸、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチルスルホン酸等のスルホン酸含有化合物;2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のカルボン酸含有化合物等が例示される。親水性基含有化合物は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
これらの親水性基含有化合物を使用して得られる親水基を分子内に含むポリウレタン水性エマルジョンは、アイオノマー構造とよばれ、それ自体に界面活性能力を有することから、水中に分散しやすい傾向や、ポリウレタン水性エマルジョンにさらにモノマーを乳化重合して得られる水性エマルジョンの耐水性を向上させる傾向があることから好ましい。
【0012】
親水性基としては、スルホニル基、カルボキシル基などのアニオン性基が好ましく、とりわけ、スルホニル基が、モノマーを乳化重合して得られる水性エマルジョンの耐水性を一層向上させる傾向があることから好ましい。
アニオン性基は、通常、中和剤によって中和されるのが好ましい。中和剤としては、トリエチルアミン、トリエタールアミン等の3級アミン化合物;水酸化ナトリウム等の無機アルカリ化合物;アンモニアなどが挙げられる。
【0013】
ポリウレタン水性エマルジョンを製造する際に、必要に応じて鎖延長や分子量調節を目的として、親水性基含有化合物とは異なる化合物であって、分子内にイソシアネート化合物と反応し得る活性水素を含有する化合物を併用してもよい。このような化合物としては、例えば、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン等の多価アミン化合物;トリエタノールアミン等の三級アミン含有多価アルコール類メタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコール類などが挙げられる。
【0014】
ポリウレタン水性エマルジョンとしては、市販のポリウレタン水性エマルジョンをそのまま用いてもよい。
具体的には、大日本インキ化学工業製ハイドランECOS3000、ADS−120、ADS−110、三洋化成工業製ユープレンUXA−3005、住化バイエルウレタン製 U−53、U−54、U−56等があげられる。
【0015】
本発明の水性エマルジョンの製造方法は、ポリウレタン水性エマルジョンをシードとし、さらに、エチレン、ビニルエステル及び多官能性モノマーをモノマーとして乳化重合して得る方法する。以下、この工程をシード重合工程という場合がある。
シード重合工程に用いられるビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのアルキル酸ビニルエステルなどが挙げられる。ビニルエステルとして、2種類以上のビニルエステルを用いてもよい。ビニルエステルの中でも、酢酸ビニルが好適である。
ビニルエステルの使用量としては、シード重合工程に用いられるモノマーの合計100重量部に対し、60〜95重量部程度である。
【0016】
多官能性モノマーとは、エチレン、ビニルエステルなどのモノマーに二個以上のエチレン性二重結合を供給し得る単量体である。多官能性モノマーの具体例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレートなどが挙げられる。
多官能性モノマーの使用量として、シード重合工程に用いられるビニルエステル100重量部に対し、0.01〜1重量部程度、好ましくは0.05〜0.5重量部程度であり、この範囲であると耐熱クリープ性が向上する傾向があることから好ましい。
【0017】
シード重合工程に用いられるモノマーとして、エチレン、ビニルエステル、多官能性モノマーとは異なる単量体であって、これらと1個のエチレン性二重結合を供給し得る単量体(以下、共重合可能な単量体という場合がある)を使用してもよく、具体的には、塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類;ビニルホスホン酸、ビニルスルホン酸およびそれらの塩などのビニル化合物;スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族ビニル;メタクリル酸、アクリル酸などの(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、イタコン酸等のα,β-不飽和ジカルボン酸類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;N-メチロールアクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類;スルホン酸アリルなどのアリル化合物等が例示される。
共重合可能な単量体の使用量として、シード重合工程に用いられるモノマー合計100重量部に対し、20重量部以下、好ましくは10重量部以下である。
【0018】
本発明は、シード重合工程にレドックス系触媒を用い、レドックス系触媒の還元剤として、エリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を遷移金属の塩と共に用いる。
遷移金属の塩としては、例えば鉄、銅、コバルト、チタン、ニッケル、クロム、亜鉛、マンガン、バナジウム、モリブデン、セリウム等の塩化物、硫酸塩等が挙げられる。中でも塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸銅等が好ましく使用される。
遷移金属の塩は、還元剤であるエリソルビン酸類及びアスコルビン酸類に対して、通常0.001〜0.05重量倍程度使用される。0.001重量倍以上では、乳化重合の反応速度が向上する傾向があることから好ましく、0.05重量倍を以下であると生成した水性エマルジョンの着色が低減される傾向があることから好ましい。
【0019】
還元剤であるエリソルビン酸類、アスコルビン酸類としては、例えばエリソルビン酸、アスコルビン酸の他に、これらのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられる。なかでもナトリウム塩が好ましく、とりわけエリソルビン酸ナトリウムが好ましく使用される。
還元剤は、ビニルエステル100重量部に対して、通常、0.02〜1重量部程度使用される。0.02重量部以上では、乳化重合の反応速度が向上する傾向があることから好ましく、また1重量部以下であると生成した水性エマルジョンが変着色を抑制したり、得られた水性エマルジョンの性能、例えばフィルムとした場合の強度、耐水性等が向上する傾向があることから好ましい。
【0020】
レドックス系触媒の酸化剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩;t−ブチルパーオキサイド、過酸化水素など過酸化物などが挙げられる。中でも、過酸化水素は、取り扱いが簡便で、得られる水性エマルジョンの変着色が抑制される傾向があることから好ましい。
【0021】
水性エマルジョンの製造方法(シード重合工程)の一例を以下に示す。
ポリウレタン水性エマルジョン、乳化分散剤、ビニルエステルの全部又は一部、遷移金属の塩、必要に応じて、共重合可能な単量体の全部又は一部、多官能性モノマーの全部又は一部、酢酸などの中和剤を耐圧容器に入れ、窒素置換したのち、20〜80℃程度、好ましくは40〜70℃程度に昇温し、続いて、エチレンの分圧が1〜10MPa程度、好ましくは3〜8MPa程度になるようにエチレンを加圧する。
次に、20〜80℃程度にて、過酸化水素などの酸化剤と、エリソルビン酸類および/またはアスコルビン酸類とを耐圧容器に徐々に混合させる。酸化剤と、エリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類とは、製造が容易なように、水などで希釈して用いてもよい。
同時に、温度を維持しながら、残りのビニルエステル、共重合可能な単量体及び多官能性モノマーを耐圧容器に徐々に加え、耐圧容器内の反応溶液のビニルエステルが十分に低減するまで、保温・攪拌する。
ビニルエステルが十分に低減しない場合には酸化剤などのレドックス系触媒を追加してもよい。
【0022】
シード重合工程に用いられるポリウレタン水性エマルジョンの量(不揮発分)は、シード重合して生成した水性エマルジョンの不揮発分100重量部に対し、通常、3〜50重量部程度である。3部以上であると接着性能が向上する傾向があることから好ましく、50重量部以下であると、エチレン、ビニルエステルなどの乳化重合速度が向上する傾向があることから好ましい。
【0023】
シード重合工程に用いられる乳化分散剤は、例えば、部分又は完全ケン化されたポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、でんぷん、変性でんぷん、酸化でんぷん、アルギン酸ソーダなどの保護コロイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステルなどのアニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0024】
ここで、ポリビニルアルコールはカルボン酸、スルホン酸、シロキサン等を含有する化合物で変性されていてもよい。
ポリビニルアルコールとしては、中でもポリビニルアルコールの平均重合度が100〜3000程度、平均ケン化度80〜98モル%程度のものが好適である。
乳化分散剤の使用量としては、通常、シード重合工程に用いられるモノマーの合計100重量部に対して、乳化分散剤の不揮発分が3〜12重量部程度であり、好ましくは4〜8重量部程度である。
【0025】
生成する水性エマルジョンにおけるエチレンに由来する構造単位の含有量は、通常、シード重合工程に用いられるモノマーの合計100重量部に対して、5〜70重量部程度である。中でも、エチレンに由来する構造単位を5〜35重量部含有すると、0〜10℃程度の低温であっても接着力が向上する傾向があることから好ましい。
【0026】
シード重合工程におけるエチレン分圧が1MPa以上であると、生成する水性エマルジョンにおけるエチレンに由来する構造単位の含有量が向上する傾向や、反応時間が向上する傾向にある。一方、10MPa以下であると、耐圧容器の耐圧性の観点から、好ましい。
シード重合工程に用いられた全てのモノマーに由来する構造の合計に対してエチレンに由来する構造単位を高くするためには、耐圧容器内の反応溶液におけるモノマーのビニルエステル含有量を低く維持しながら重合すればよく、具体的には、最初や後から添加するビニルエステルの量を適宜、調整すればよい。
【0027】
生成する水性エマルジョンは、不揮発分が、通常、40〜75重量%程度であり、必要に応じて水で希釈して使用することができる。
水性エマルジョンは、そのまま、あるいは水分調整し、後述する配合剤を添加して、木工用接着剤、紙加工用接着剤、プラスチック用接着剤などの接着剤や、基材の表面に塗工して塗料として用いることができる。
【0028】
接着剤に配合し得る配合剤としては、例えば、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤、防腐剤、防錆剤、消泡剤、発泡剤、ポリアクリル酸、ポリエーテルなどの増粘剤、粘度調整剤、難燃剤、酸化チタンなどの顔料、二塩基酸エステルなどの可塑剤等の配合剤が挙げられる。
充填剤は、難燃性、接着時の塗工性を改良するために使用することが推奨され、その使用量としては、生成する水性エマルジョンの不揮発分100重量部に対して、通常、1〜500重量部程度、好ましくは、5〜200重量部程度である。
【0029】
水性エマルジョンを接着剤として使用する場合、水性エマルジョンを有効成分とする1液タイプの接着剤として使用してもよいが、耐熱クリープ性及び耐水性などの接着性能が要求される場合は硬化剤を併用して使用することができる。硬化剤としてはイソシアネート系の硬化剤が有効でMDI、TDI、HDI、XDI及びこれらのオリゴマーやポリマーがあり、硬化剤の配合量は水性エマルジョン100重量部に対して0.1〜20重量部で好ましくは1〜10重量部である。市販で手に入るものとしては住化バイエルウレタン製のスミジュール44V20、スミジュールN3300などがある。
【0030】
本発明の接着剤に被着される基材としては、例えば、木材、合板、MDF、パーティクルボード、ファイバーボードなどの木質系材料;壁紙、包装紙などの紙質系材料:綿布、麻布、レーヨン等のセルロース系材料、あるいは多孔質系の材料などで水を吸収する材料が挙げられる。
さらに、本発明の接着剤の一部が水を吸収する材料と被着していれば、その他の部分は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック材料、ガラス、陶磁器などのセラミック材料などを被着体としてもよい。
中でも、接着剤を介して、水を吸収する材料とポリオレフィンとを接着してなる積層体は、エチレン−酢酸ビニル系共重合体水性エマルジョンとポリウレタン水性エマルジョンとからなる接着剤組成物を介して得られる積層体と常態接着性が同等程度に優れ、しかも耐熱クリープ性が著しく優れる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明する。部および%は、特に断りがない限り、重量基準を意味する。また、不揮発分は、JIS K-6828に準じた測定方法で行った。粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計(東機産業株式会社製)により測定した値である。
【0032】
(実施例1)
<水性エマルジョン(B1)の製造例>
耐圧容器に、あらかじめ水150部に酢酸ビニル160部、ポリビニルアルコール「ポバール217」((株)クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度1700)7部、「ポバール205」((株)クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度500)2部、ポリウレタン水性エマルジョン(A1、アニオン型ウレタンエマルジョン「ハイドランECOS-3000」大日本インキ化学工業(株)製、不揮発分40%)40部、硫酸第一鉄七水和物0.005部及び酢酸0.4部を溶解した溶液を導入した。次いで耐圧容器内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで4.6MPaまで加圧した。次に30%過酸化水素含有水溶液0.5部と、エリソルビン酸ナトリウム0.6部のそれぞれを水で希釈して、滴下を開始した。続いて、耐圧容器内の液温が上昇したことを確認した後、トリアリルイソシアヌレート0.17部を酢酸ビニル10部に溶解した溶液を3時間かけて添加した。重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより60℃に保ち、さらに過酸化水素の水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、水性エマルジョン(B1)を得た。
得られた水性エマルジョン(B1)の樹脂組成は、酢酸ビニルに由来する構造単位 100部に対し、エチレンに由来する構造単位 22部、トリアリルイソシアヌレートに由来する構造単位 0.1部、ポリウレタン水性エマルジョン(A)に由来する樹脂分(不揮発分)9部、ポリビニルアルコールに由来する樹脂分(不揮発分)5.3部であった。水性エマルジョン(B1)としては、不揮発分 52.5%、粘度 1200mPa・sであった。
【0033】
<接着剤および積層体の製造例1>
水性エマルジョン(B1)110部に、可塑剤であるインビスタージャパン製DBE(二塩基酸エステル(コハク酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、グルタン酸ジメチル)の混合物)を5.3部配合し、増粘剤(SNシックナ− A−812、サンノプコ株式会社 登録商標、ウレタン変性ポリエーテル系、有効成分 40%)を2倍希釈したものを6部配合したものを接着剤とした。この接着剤を用いて下記の通り接着試験をした。
【0034】
<接着力の評価>
JAS1類耐水合板に水性エマルジョンを110g/mとなるように塗布したのち、大日本印刷製 非塩ビシート WS−201E(ポリオレフィンシート 厚さ0.16mm)を貼り合わせてハンドローラーで脱気後、50kg重/900cmで圧締しながら1日静置したのち、圧締めを開放して、さらに6日間乾燥して積層体を得た。
常態剥離強度は剥離速度200mm/min(島津オートグラフ)で測定した。また、耐熱クリープは、積層体を温度 80℃に調整したのち、剥離角度90°、荷重500g/25mmにて剥離させ、各時間における剥離長さを測定した。結果を表1にまとめた。
【0035】
(実施例2)
<水性エマルジョン(B2)の製造例>
実施例1のポリウレタン水性エマルジョン(A1、大日本インキ化学工業製ハイドランECOS-3000 40部)の代わりに水性エマルジョン(A2、大日本インキ化学工業製ADS−120(50%)を32部用いる以外は同様に実施した。
得られた水性エマルジョン(B2)の樹脂組成は、酢酸ビニルに由来する構造単位 100部に対し、エチレンに由来する構造単位 22部、トリアリルイソシアヌレートに由来する構造単位 0.1部、ポリウレタン水性エマルジョン(A)に由来する樹脂分(不揮発分)9部、ポリビニルアルコールに由来する樹脂分(不揮発分)5.3部であった。水性エマルジョン(B2)の不揮発分は53.1%、粘度 7570mPa・sであった。
この水性エマルジョン(B2)110部にインビスタージャパン製DBEを5.3部配合し、サンノプコ製増粘剤A−812を2倍希釈したものを0.5部配合したものを接着剤として実施例1と同様に接着試験を実施した。結果は表1にまとめた。
【0036】
(比較例1)
<水性エマルジョン(C)の製造例>
実施例1の「30%過酸化水素含有水溶液0.5部と、エリソルビン酸ナトリウム0.6部」を用いる代わりに「過硫酸ナトリウム0.5部」を用いる以外は、実施例1と同様に実施した。
耐圧容器内の酢酸ビニルは減少せず、乳化重合は進行しなかった。
【0037】
(比較例2)
<エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体水性エマルジョン(D)の製造例>
耐圧容器に、あらかじめ水160部に酢酸ビニル180部、ポリビニルアルコール「ポバール217」((株)クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度1700)8部、「ポバール205」((株)クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度500)2.3部、硫酸第一鉄七水和物0.005部及び酢酸0.4部を溶解した溶液を導入した。次いで耐圧容器内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで4.6MPaまで加圧した。次に30%過酸化水素含有水溶液0.33部と、エリソルビン酸ナトリウム0.6部のそれぞれを水で希釈して、滴下を開始した。続いて、耐圧容器内の液温が上昇したことを確認した後、トリアリルイソシアヌレート0.19部を酢酸ビニル10部に溶解した溶液を3時間かけて添加した。重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより60℃に保ち、さらに過酸化水素の水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体水性エマルジョン(D)を得た。
得られた水性エマルジョン(D)の樹脂組成は、酢酸ビニルに由来する構造単位100部に対し、エチレンに由来する構造単位 22部、トリアリルイソシアヌレートに由来する構造単位 0.1部、ポリビニルアルコールに由来する構造単位 5.4部であった。水性エマルジョン(D)の不揮発分は 55.0%、粘度3000mPa・sであった。
【0038】
<接着剤および積層体の製造例>
水性エマルジョン(D)100部にインビスタージャパン製DBE4.8部、サンノプコ製増粘剤A−812を2倍希釈したものを4部配合したものを接着剤とした。この接着剤を用いて実施例1と同様に接着試験をした。結果を表1にまとめた。
【0039】
(比較例3)
<水性エマルジョン(D)とポリウレタン水性エマルジョンとからなる接着剤組成物の製造例>
比較例2で得られた水性エマルジョン(D)100部、アニオン型ウレタンエマルジョン「ハイドランECOS-3000」(大日本インキ化学工業(株)製、不揮発分40%)10.6部、インビスタージャパン製DBE5.3部を配合し、25%アンモニア水0.2部でpH8〜9に調製したのち、サンノプコ製増粘剤A−812を2倍希釈したもの4部を配合して、接着剤とした。この接着剤を用いて実施例1と同様に接着試験をした。結果を表1にまとめた。
【0040】
(比較例4)
<エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体水性エマルジョン(D)とポリウレタン水性エマルジョンとからなる接着剤組成物の製造例>
比較例2で得られた水性エマルジョン(D)100部、アニオン型ウレタンエマルジョン「ハイドランADS-120」(大日本インキ化学工業(株)製、不揮発分50%)8.5部、インビスタージャパン製DBE5.3部を配合し、25%アンモニア水0.2部でpH8〜9に調製したのち、サンノプコ製増粘剤A−812を2倍希釈したもの4部を配合して、接着剤とした。この接着剤を用いて実施例1と同様に接着試験をした。結果を表1にまとめた。
【0041】
(比較例5)
<水性エマルジョン(E)の製造例>
耐圧容器に、あらかじめ水150部に酢酸ビニル170部、ポリビニルアルコール「ポバール217」((株)クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度1700)2部、「ポバール205」((株)クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度500)6部、ポリウレタン水性エマルジョン(A)(ポリエステル系アニオン型ウレタンエマルジョン「ハイドランECOS-3000」大日本インキ化学工業(株)製、不揮発分40%)40部、硫酸第一鉄七水和物0.005部及び酢酸0.4部を溶解した溶液を導入した。次いで耐圧容器内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで4.6MPaまで加圧した。次に30%過酸化水素含有水溶液0.5部と、エリソルビン酸ナトリウム0.6部のそれぞれを水で希釈して、滴下を開始した。重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより60℃に保ち、さらに過酸化水素の水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、水性エマルジョン(E)を得た。
得られた水性エマルジョン(E)の樹脂組成は、酢酸ビニルに由来する構造単位 100部に対し、エチレンに由来する構造単位 22部、水性エマルジョン(A)の樹脂分(不揮発分)9部、ポリビニルアルコールの樹脂分(不揮発分)4.7部であった。
水性エマルジョン(E)の不揮発分は52.9%、粘度は1890mPa・sであった。
このエマルジョン(E)110部にインビスタージャパン製DBEを5.3部配合し、サンノプコ製増粘剤A−812を2倍希釈したものを6部配合したものを接着剤として実施例1と同様に接着試験を実施した。結果は表1にまとめた。
【0042】
(比較例6)
<エチレン−酢酸ビニル系共重合体水性エマルジョン(F)の製造例>
耐圧容器に、あらかじめ水160部に酢酸ビニル190部、ポリビニルアルコール「ポバール217」((株)クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度1700)2.3部、「ポバール205」((株)クラレ社製、ケン化度88モル%、平均重合度500)7部、硫酸第一鉄七水和物0.005部及び酢酸0.4部を溶解した溶液を導入した。次いで耐圧容器内を窒素ガスで置換し、容器内を60℃まで昇温した後、エチレンで4.6MPaまで加圧した。次に30%過酸化水素含有水溶液0.33部と、エリソルビン酸ナトリウム0.6部のそれぞれを水で希釈して、滴下を開始した。重合中反応容器内の温度はジャケットの温度を制御することにより60℃に保ち、さらに過酸化水素の水溶液を添加し、反応溶液の酢酸ビニルの濃度が1%以下になるまで攪拌したのち、未反応のエチレンガスを除去し、エチレン−酢酸ビニル系共重合体水性エマルジョン(F)を得た。
得られた水性エマルション(F)の樹脂組成は、酢酸ビニルに由来する構造単位100部に対し、エチレンに由来する構造単位 22部、ポリビニルアルコールの樹脂分(不揮発分)4.9部であった。水性エマルジョン(F)の不揮発分は55.0%、粘度は1200mPa・sであった。
【0043】
<水性エマルジョン(F)とポリウレタン水性エマルジョンとからなる接着剤組成物の製造例>
水性エマルジョン(F)100部、アニオン型ウレタンエマルジョン「ハイドランECOS-3000」(大日本インキ化学工業(株)製、不揮発分40%)10.6部、インビスタージャパン製DBE5.3部を配合し、25%アンモニア水0.2部でpH8〜9に調製したのち、サンノプコ製増粘剤A−812を2倍希釈したもの6部を配合して、接着剤とした。この接着剤を用いて実施例1と同様に接着試験をした。結果を表1にまとめた。
【0044】
【表1】

ECOS3000:大日本インキ化学工業製ハイドランECOS3000
ADS-120:大日本インキ化学工業製ハイドランADS-120
DBE:インビスタージャパン製DBE
2倍希釈A-812:サンノプコ製増粘剤A−812を2倍希釈
【0045】
表1からも明らかなように、特許文献2の再現は困難であるが(比較例1)、本発明の製造方法(実施例1及び2)は簡便に製造することができる。また、本発明の接着剤は、エチレン・酢酸ビニル・多官能性モノマー共重合体含有水性エマルジョンのみを有効成分とする接着剤(比較例2)や、該共重合体含有水性エマルジョンとポリウレタン水性エマルジョンとを含む接着剤(特許文献1に準ずる、比較例3、4及び6)と比較して、常態強度はほぼ同等であるが、耐熱クリープ性は長時間であっても優れる。
さらに、シード重合に多官能性モノマーを用いない場合(比較例5)、著しく耐熱クリープ性が低下する。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、木工用、紙加工用、壁紙用、包装用、(二次)合板用、建築現場用、建築工場用、ラミネート用、繊維用、家庭用、土木用、製本用などの、一液タイプの接着剤及び硬化剤を併用した2液タイプ、塗料などに使用し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン水性エマルジョンの存在下にモノマーをさらに乳化重合して得られる水性エマルジョンの製造方法において、該モノマーとして、少なくともエチレン、ビニルエステル及び多官能性モノマーを用い、該乳化重合をレドックス系触媒にて実施し、該レドックス系触媒の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を遷移金属の塩と共に用いることを特徴とする水性エマルジョンの製造方法。
【請求項2】
該レドックス系触媒の酸化剤として過酸化水素を用いることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の製造方法で得られた水性エマルジョンと、配合剤とからなる接着剤。
【請求項4】
請求項3に記載の接着剤と水を吸収し得る基材とからなる積層体。
【請求項5】
接着剤層側に、さらにポリオレフィンを含む請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
ポリウレタン水性エマルジョンの存在下にモノマーをさらに乳化重合して得られる水性エマルジョンにおいて、該モノマーとして、少なくともエチレン、ビニルエステル及び多官能性モノマーを用い、該乳化重合をレドックス系触媒にて実施し、該レドックス系触媒の還元剤としてエリソルビン酸類及び/又はアスコルビン酸類を遷移金属の塩と共に用いて得られる水性エマルジョン。

【公開番号】特開2006−257192(P2006−257192A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74727(P2005−74727)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】