説明

水性接着剤組成物

【課題】主剤の保存安定性に優れ、耐水性および、耐熱性において優れた接着性能を備える水性接着剤組成物を提供する。
【解決手段】カチオン基を含有する水溶性高分子と、カチオン基を含有しない少なくとも1種の水性高分子を含む主剤と、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を含む硬化剤と、ポリアミドエポキシ化合物を含む。前記カチオン基を含有する水溶性高分子は、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、及びその塩を分子内に含有する水溶性高分子または、該水溶性高分子の水溶液である。前記カチオン基を含有しない水性高分子は、カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される。前記ポリアミドエポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた化合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性接着剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水性高分子であるポリビニルアルコール樹脂を用いた接着剤組成物が広く用いられている。前記ポリビニルアルコール樹脂は、繊維素に対して極めて優れた接着性を備えているが、耐水性、耐熱性に劣る。そこで、前記ポリビニルアルコール樹脂に、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等のホルムアルデヒド樹脂を配合して、耐水性、耐熱性を付与したホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物が知られている。
【0003】
ところが、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物は、該ホルムアルデヒド樹脂に起因する遊離のホルムアルデヒドが残存している。このため、前記ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物を用いて接着した製品からは該ホルムアルデヒドが放出され、シックハウス症候群、化学物質過敏症等の原因になるとの問題がある。
【0004】
前記問題を解決するために、本出願人は、水溶性高分子水溶液、水性ラテックス、水性エマルジョン等のカチオン基を含有しない水性高分子に、カルボン酸基を含有する高分子とアルキレンイミンとを反応させ、酸性化した、酸性化アミノエチル化ビニルインターポリマーを含む接着剤組成物を提案している(特許文献1参照)。前記接着剤組成物によれば、ホルムアルデヒド樹脂を含まないので、前記シックハウス症候群、化学物質過敏症等を起こすことがない。
【0005】
さらに、本出願人は、前記接着剤組成物の接着力を改善するために、前記カチオン基を含有しない水性高分子として、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール重合体の水溶液と、カルボン酸基を含有するアクリル系エマルジョンにアルキレンイミンによって変性した活性水素を有するアミノ基含有エマルジョンとを含むものを主剤とし、さらに、硬化剤として第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物とを含む水性接着剤組成物を提案している(特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、前記水性高分子として、カルボキシル基を有するポリビニルアルコール重合体の水溶液と、カルボン酸基を含有するアクリル系エマルジョンにアルキレンイミンによって変性した活性水素を有するアミノ基含有エマルジョンとを含む、前記主剤は保存安定性に乏しく、さらに改善が望まれる。
【特許文献1】特開平1−161077号公報
【特許文献2】特開平4−328185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑み、主剤の保存安定性に優れ、しかも優れた接着性能を備える水性接着剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明の水性接着剤組成物は、カチオン基を含有する水溶性高分子と、カチオン基を含有しない少なくとも1種の水性高分子とを含む主剤と、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を含む硬化剤と、ポリアミドエポキシ化合物を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の水性接着剤組成物によれば、カチオン基を含有する水溶性高分子を含むことにより主剤の保存安定性を向上させることができる。また、前記主剤に対して、前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物が硬化剤として作用することにより接着層を硬化させることができ、優れた接着性能を得ることができる。さらに、前記ポリアミドエポキシ化合物が前記接着層の硬化に関与することにより、常態では勿論のこと、耐水性及び、耐熱性の点でも優れた接着性能を得ることができる。
【0010】
本発明の水性接着剤組成物において、主剤の保存安定性を得るために、前記カチオン基を含有する水溶性高分子は、分子内に、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンまたはその塩を含有する水溶性高分子または、該水溶性高分子の水溶液であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の水性接着剤組成物において、前記カチオン基を含有しない水性高分子は、カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
【0012】
また、本発明の水性接着剤組成物において、前記ポリアミドエポキシ化合物としては、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた化合物を用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0014】
本実施形態の水性接着剤組成物は、カチオン基を含有する水溶性高分子と、カチオン基を含有しない少なくとも1種の水性高分子を含む主剤と、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を含む硬化剤と、ポリアミドエポキシ化合物とを含む。
【0015】
前記カチオン基として示される化学構造は、アミノ基である第1〜第3級アミンもしくはその塩またはアミノ基である第4級アンモニウム塩である。
【0016】
前記主剤に含まれる前記カチオン基を含有する水溶性高分子は、分子内に第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンまたはその塩を含有する水溶性高分子または、該水溶性高分子の水溶液である。
【0017】
前記カチオン基を含有する水溶性高分子としては、アリルアミンの重合体またはその塩、エチレンイミンを重合した一級、二級、三級アミノ基を含有するポリエチレンイミンまたはその塩酸塩または硫酸塩、カチオン基を含有する不飽和単量体またはその塩の重合体、カチオン基を含有する不飽和単量体と水溶性のエチレン性不飽和単量体との共重合体、カチオン基を含有するポリビニルアルコール、カチオン基を含有する澱粉、カチオン基を含有するセミカルバジド化合物、カチオン基を含有するヒドラジド化合物等を挙げることができる。
【0018】
前記アリルアミンの重合体またはその塩としては、アリルアミンを重合した側鎖に第一級アミンを有するポリアリルアミン、側鎖の第一級アミンの2分子を反応させた側鎖に第二級アミンを有するポリジアリルアミン、ポリアリルアミンの側鎖の第一級アミン及びポリジアリルアミンの側鎖の第二級アミンと酸との中和塩、第一級アミンをメトキシカルボニル化またはメチルカルボニル化した第二級アミン、第二級アミンをアルキル化剤で第三級化した第三級アミン、第三級アミンと酸との中和塩、第三級アミンをアルキル化剤で第四級化した第四級アンモニウム塩を挙げることができる。
【0019】
前記中和塩を形成する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸等を挙げることができる。また、前記アルキル化剤としては、メチルクロライド、メチルブロマイド、ベンジルクロライド、エピクロルヒドリン、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エチレンオキサイド等を挙げることができる。
【0020】
前記アリルアミンの重合体またはその塩として、好ましくは、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルアミン硫酸塩、ポリジアリルアミン塩酸塩を挙げることができる。
【0021】
また、前記アリルアミンの重合体として、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、ジアリルアミン塩酸塩とマレイン酸の共重合体、ジアリルアミンアミド硫酸塩とマレイン酸の共重合体、ジアリルジメチルアンモニウムとマレイン酸と二酸化硫黄の共重合体等の両性のポリジアリルアミンを用いることもできる。
【0022】
前記カチオン基を含有する不飽和単量体としては、プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、t-ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルアミン、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、1,3−ジメチル−3−(メタ)アクリルアミドブチルジメチルアミン、アリルジメチルアミン、ジアリルメチルアミンなどのエチレン性不飽和結合含有アミン、該エチレン性不飽和結合含有アミンと酸との中和塩、エチレン性不飽和結合含有第三級アミンをアルキル化剤で第四級化した第四級アンモニウム塩を挙げることができる。
【0023】
前記中和塩を形成する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸、コハク酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸等を挙げることができる。また、前記エチレン性不飽和結合含有第三級アミンを第四級化するアルキル化剤としては、メチルクロライド、メチルブロマイド、ベンジルクロライド、エピクロルヒドリン、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、エチレンオキサイド等を挙げることができる。
【0024】
また、前記カチオン基を含有する不飽和単量体としては、N−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、p−ビニルアニリン、1−ビニル−2−ピロリドン、またはその塩酸塩または硫酸塩を挙げることもできる。
【0025】
前記カチオン基を含有する不飽和単量体と共重合体を形成する前記水溶性のエチレン性不飽和単量体としては、アクリルアミド、メタアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを挙げることができる。
【0026】
また、前記カチオン基を含有する不飽和単量体と前記水溶性のエチレン性不飽和単量体との共重合体は、水溶性を損なわない範囲でエチレン性不飽和単量体を用いることもできる。水溶性を損なわない範囲で用いられるエチレン性不飽和単量体としては、エチレン、イソブチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウムを挙げることができる。
【0027】
前記分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子は、水に溶解してそれ自体の水溶液としてもよい。
【0028】
本実施形態の水性接着剤組成物は、前記主剤として、前記カチオン基を含有する水溶性高分子と共に、カチオン基を含有しない少なくとも1種の水性高分子を用いる。
【0029】
前記カチオン基を含有しない水性高分子としては、カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
【0030】
前記カチオン基を含有しない水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、アニオン化ポリビニルアルコール、澱粉、アニオン化澱粉、蛋白質、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、マレイン酸イミド共重合体等を挙げることができる。前記カチオン基を含有しない水溶性高分子は、水に溶解してそれ自体の水溶液としてもよい。
【0031】
また、前記カチオン基を含有しない水性ラテックスまたは、前記カチオン基を含有しない水性エマルジョンとしては、スチレン、ブタジエン、アクリルアミド、アクリロニトリル、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチルビニルエーテルからなる群から選ばれる1種の化合物の水性ラテックスまたは水性エマルジョン、または前記群から選ばれる共重合可能な2種以上の不飽和単量体からなる水性ラテックスまたは水性エマルジョンを挙げることができる。
【0032】
また、前記水性ラテックスまたは、前記水性エマルジョンは、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、反応性基を備えた不飽和単量体と共重合させることもできる。前記反応性基を備えた不飽和単量体としては、N−メチロール基、N−アルコキシメチル基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、酸無水物基からなる群から選ばれた少なくとも1種の反応性基を備える不飽和単量体を挙げることができる。
【0033】
前記主剤は、本実施形態の水性接着剤組成物の接着性能を損なわない範囲で、さらに、充填剤と、その分散剤等を含んでいてもよい。前記充填剤としては、小麦粉、大豆粉、血粉、木粉、クルミ殻粉等の有機系充填剤、クレー、カオリン、ゼオライト、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、酸化アルミニウム等の無機系充填剤等を挙げることができる。前記充填剤は、そのいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0034】
前記充填剤の分散剤としては、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素アンモニウム等の無機系分散剤、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の高分子系分散剤、第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤等を挙げることができる。前記充填剤の分散剤は、そのいずれか1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0035】
前記主剤は、その全量に対して、前記カチオン基を含有する水溶性高分子を、固形分として0.1〜50重量%の範囲で含むことが好ましい。前記カチオン基を含有する水性高分子の含有量が、固形分として前記主剤の全量に対して、0.1重量%未満であるときには、十分な保存安定性が得られないことがあり、さらに、接着層を硬化させる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記カチオン基を含有する水性高分子の含有量が、固形分として前記主剤の全量に対して50重量%を超えるときには、十分な保存安定性が得られないことがあり、さらに、粘度が上昇し、塗布性が低減することがある。
【0036】
前記主剤は、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子の水溶液と、カチオン基を含有しない水性エマルジョンまたは、カチオン基を含有しない水性ラテックスとを含む混合物であることが好ましい。ここで、前記分子内にカチオン基を有する水溶性高分子水溶液は、好ましくはアリルアミン、エチレンイミンの重合体、アリルアミンの重合体の塩酸塩または硫酸塩、またはカチオン基を含有する単量体を含む重合体の水溶液である。
【0037】
前記主剤は、カチオン基を含有しない水性エマルジョンあるいは、カチオン基を含有しない水性ラテックスに、カチオン基を含有する水溶性高分子の水溶液を混合することにより、前記主剤に含まれるカチオン基を含有する水溶性高分子の固形分の割合を容易に調整することが出来る。
【0038】
前記硬化剤に含まれる、分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物としては、分子内にエポキシ基を2個含有する2官能エポキシ化合物、分子内にエポキシ基を4個含有する4官能エポキシ化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体と共重合可能な不飽和単量体との共重合体の分散液である多官能エポキシ化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体を天然ゴムラテックスにグラフト重合させることにより得られる多官能エポキシ化合物を挙げることができる。
【0039】
前記分子内にエポキシ基を2個含有する2官能エポキシ化合物としては、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアネート型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、それらのハロゲン化物、水素添加物等を挙げることができる。
【0040】
また、分子内にエポキシ基を4個含有するエポキシ化合物としては、第3級アミノ窒素原子を有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1−(N,N−ジグリシジルアミノメチル)1,5,5−トリメチル−3−(N,N−ジグリシジルアミノ)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,4−フェニレンジアミン、(N,N,N’,N’−テトラグリシジル)ジアミノトルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キジレンジアミン、そのハロゲン2置換体、ビス(N,N−ジグリシジルアミノフエノール)スルホン、4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)ベンゼンスルホン酸の4’−(N,N−ジグリシジルアミノ)フェニルエステル、ビス(N,N−ジグリシジルアミノトリメチレン)アルキレングリコールを挙げることができる。
【0041】
また、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体と共重合可能な不飽和単量体との共重合体の分散液である多官能エポキシ化合物に用いられる前記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体としては、グリジルメタアクリレート、グリジルアクリレート、N-グリジルメタアクリルアミド、N-グリジルアクリルアミド等を挙げることができる。
【0042】
また、前記エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体と共重合可能な前記不飽和単量体として、水溶性のエチレン性不飽和単量体として、アクリルアミド、メタアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート等を挙げることができ、エチレン性不飽和単量体として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン、イソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、スチレン、スチレン誘導体、ブタジエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロロプレン、1,3−ヘキサジエン、イソプレン、イソブテン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を挙げることができる。
【0043】
前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物は、いずれか1種を単独で用いることもでき、または2種以上混合して用いることもできる。
【0044】
本実施形態の水性接着剤組成物は、前記主剤100重量部に対して、前記硬化剤である前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を、固形分として0.5〜60重量部の範囲で含むことが好ましい。前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物の含有量が、水性接着剤組成物100重量部に対して、固形分として0.5重量部未満であるときには、接着層を硬化させる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物の含有量が、水性接着剤組成物100重量部に対して、固形分として60重量部を超えるときには、前記主剤と均一に混合できないことがあり、安定した接着性能が得られないことがある。
【0045】
本実施形態の水性接着剤組成物は、その接着性能を損なわない範囲で、前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物以外の他の硬化剤を含んでいてもよい。
【0046】
本実施形態の水性接着剤組成物は、さらに、前記ポリアミドエポキシ化合物を含む。前記ポリアミドエポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた化合物である。
【0047】
前記エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等を挙げることができる。前記エピハロヒドリンとして、工業的には、エピクロルヒドリンを好適に用いることができる。
【0048】
前記ポリアミンまたはポリアミドは、二塩基性カルボン酸系化合物と、ポリアルキレンポリアミン類とを重縮合反応させて得られたものを好適に用いることができる。
【0049】
前記二塩基性カルボン酸系化合物としては、ジカルボン酸と、そのエステル、その酸無水物等の誘導体を挙げることができる。前記ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸を挙げることができる。前記ジカルボン酸のエステルとしては、マロン酸ジエチル、アジピン酸ジメチル等を挙げることができる。前記ジカルボン酸の酸無水物としては、無水コハク酸、無水グルタル酸等を挙げることができる。前記二塩基性カルボン酸系化合物はその1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。前記二塩基性カルボン酸系化合物として、工業的には、アジピン酸を特に好適に用いることができる。
【0050】
前記ポリアルキレンポリアミン類としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等を挙げることができる。前記ポリアルキレンポリアミン類はその1種を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。工業的には、ジエチレントリアミンまたはトリエチレンテトラミンを好適に用いることができる。
【0051】
前記ポリアミドエポキシ化合物は、いずれか1種を単独で、または2種以上混合して用いることができる。
【0052】
本実施形態の水性接着剤組成物は、前記主剤100重量部に対して、前記ポリアミドエポキシ化合物を、固形分として0.1〜10.0重量部の範囲で含むことが好ましい。前記ポリアミドエポキシ化合物の含有量が、主剤100重量部に対して固形分として0.1重量部未満であるときには、接着層を硬化させる効果が不十分となり、十分な接着性能が得られないことがある。また、前記ポリアミドエポキシ化合物の含有量が、主剤100重量部に対して固形分として10.0重量部を超えるときには、前記主剤と均一に混合できないことがあり、安定した接着性能が得られないことがある。
【0053】
また、本実施形態の水性接着剤組成物は、その接着性能を損なわない範囲で、さらに添加剤を含んでいてもよい。前記添加剤としては、例えば、高分子分散剤、アニオン系分散剤、ノニオン系分散剤、カチオン系分散剤、ポリカルボン酸塩系の分散剤、ヘキサメタリン酸ソーダ等の分散剤、消泡剤、防腐剤、防火剤、防蟻剤、防カビ剤、防虫剤、整泡剤、起泡剤、防錆剤、湿潤剤、濡れ性改質剤等を挙げることができる。
【0054】
本実施形態の水性接着剤組成物は、例えば、まず前記主剤を調製し、該主剤に前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を含む硬化剤を添加し、混合し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物を添加し、混合することにより、調製、製糊する。前記主剤は、例えば、前記カチオン基を含有する水溶性高分子と、前記カチオン基を含有しない少なくとも1種の水性高分子に、前記充填剤と、該充填剤の分散剤を添加して、混合することにより調製する。
【0055】
前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を含む硬化剤および前記ポリアミドエポキシ化合物は、本実施形態の水性接着剤組成物を被着材に塗布する直前に、前記主剤に添加、混合することが好ましい。前記分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を含む硬化剤および前記ポリアミドエポキシ化合物は、予め前記主剤に添加、混合しておいてもよいが、この場合には前記水性接着剤組成物の保存安定性が低減することがある。
【0056】
また、本実施形態の水性接着剤組成物は、前記主剤に含まれる前記カチオン基を含有する水溶性高分子を、分子内に第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有する水溶性高分子と、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンの塩を含有する水溶性高分子との混合物とすることで、硬化速度(可使時間)を調整することが出来る。また、本実施形態の水性接着剤組成物は、pHを調整することによっても、硬化速度(可使時間)を調整することが出来る。
【0057】
本実施形態の水性接着剤組成物は、優れた耐水接着力を備え、該耐水接着力を、加熱下、或いは高温多湿の環境下、長期に亘って維持することができる。従って、本実施形態の水性接着剤組成物は、合板、LVL、突板、化粧板、集成材、パーティクルボード等の木質繊維板、家具、建具、運動具その他の木工製品製造用の木材用接着剤として好適に用いることができる。さらに、本実施形態の水性接着剤組成物は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドと反応するので、ホルムアルデヒド樹脂系接着剤組成物で製造した基材との木材用接着剤として好適に用いることができる。
【0058】
また、本実施形態の水性接着剤組成物は、木材同士の他、木材と異種の素材とを接着する場合にも適用することができる。前記異種の素材としては、段ボール、紙、布、金属、陶磁器、ガラス、木毛板、プラスチック板(塩化ビニル樹脂板、ABS板、FRP板、スチレン樹脂板等)、無機板(アスベスト、ロックウール等の鉱物質繊維板等)、セメント系無機板(石綿スレート板、パルプセメント板、コンクリート板等)等を挙げることができる。
【0059】
さらに、本実施形態の水性接着剤組成物は、コーティング用組成物、塗料用組成物、セメント混和剤としても用いることができる。
次に、本発明の実施例と比較例とを示す。
【実施例1】
【0060】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.0重量%水溶液としたもの8重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を15.0重量%水溶液としたもの24重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)33重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0061】
次に、本実施例で得られた前記主剤について安定性能を試験した。
【0062】
前記試験では、前記主剤を調整直後に、100mlの密閉容器に100g入れ、20℃に保たれた室内に静置した。翌日(1日後)開封して主剤の状態を目視で確認した。同様に、2日後、5日後に開封して主剤の状態を目視で確認した。試験結果を表1に示す。
【0063】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)2重量部を添加し、さらにポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0064】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について接着性能を試験した。
【0065】
前記試験では、含水率6〜8重量%、比重0.72〜0.75の10mm厚のカバ柾目挽板を被着材とし、該被着材に、本実施例で得られた水性接着剤組成物を250g/mの量で塗布し、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて10分以内、20℃にて1.2N/cmの圧力で24時間圧締した後、解圧し、20℃にて7日間養生したものを試験片とした。そして、試験片を60±3℃の温水中に3時間浸漬した後、はく離の状態を確認した。試験結果を表1に示す。
【実施例2】
【0066】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、実施例1で用いたものに代えて、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol FG)を20.0重量%水溶液としたもの8重量部を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、主剤を調製した。
【0067】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0068】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0069】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例3】
【0070】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンの塩酸塩を含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−HCL−3L)を水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整した後、50.0重量%水溶液としたものを8重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を17.0重量%水溶液としたもの17重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)50重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0071】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0072】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0073】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例4】
【0074】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、実施例3で用いたものに代えて、カチオン基である第一級アミンの硫酸塩を含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−SA)を水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整した後、20.0重量%水溶液としたもの8重量部を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、主剤を調製した。
【0075】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0076】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0077】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例5】
【0078】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、実施例3で用いたものに代えて、カチオン基である第二級アミンの塩酸塩を含有するジアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAS―21CL)を水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整した後、25.0重量%水溶液としたもの8重量部を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、主剤を調製した。
【0079】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0080】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0081】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例6】
【0082】
本実施例では、まず、次のようにして、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子として、カチオン基である第三級アミンの塩酸塩を含有するジメチルアミノプロピルメタクリルアミド重合体を調製した。
【0083】
市販のジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)50gにと2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)0.75gとを100gのイオン交換水に溶解し、希塩酸でpHを3.5に調整したのち、さらに、イオン交換水を加えて全量を250gとしてモノマー溶液を調製した。次に、このモノマー溶液の全量に対し、1.6重量%のβ-メルカプトプロピオン酸(MPA)を添加した。反応容器に移し、窒素曝気した後、50℃で1時間、70℃で2時間、80℃で1時間重合した。得られた重合体水溶液の固形分は20重量%であった。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定したところ、35mPa・sであった。また、高速液体クロマトグラムにより、未反応モノマーを定量し転化率を計算したところ、転化率は前記モノマーの全量に対し98.4%であった。
【0084】
次に、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、実施例3で用いたものに代えて、本実施例で得られたカチオン基である第三級アミンの塩酸塩を含有するジメチルアミノプロピルメタクリルアミド重合体を水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整した後、20.0重量%水溶液としたもの8重量部を用いた以外は、実施例3と全く同一にして、主剤を調製した。
【0085】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0086】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0087】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例7】
【0088】
本実施例では、β-メルカプトプロピオン酸の添加量を前記モノマー溶液の全量に対して1.0重量%とした以外は、実施例6と全く同一にして、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子として、カチオン基である第三級アミンの塩酸塩を含有するジメチルアミノプロピルメタクリルアミド重合体を調製した。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定したところ、45mPa・sであった。また、高速液体クロマトグラムにより、未反応モノマーを定量し転化率を計算したところ、転化率は前記モノマーの全量に対し98.0%であった。
【0089】
次に、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、実施例6で用いたものに代えて、本実施例で得られたカチオン基である第三級アミンの塩酸塩を含有するジメチルアミノプロピルメタクリルアミド重合体を用いた以外は、実施例6と全く同一にして、主剤を調製した。
【0090】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0091】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0092】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例8】
【0093】
本実施例では、β-メルカプトプロピオン酸の添加量を前記モノマー溶液の全量に対して0.8重量%とした以外は、実施例6と全く同一にして、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子として、カチオン基である第三級アミンの塩酸塩を含有するジメチルアミノプロピルメタクリルアミド重合体を調製した。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定したところ、60mPa・sであった。また、高速液体クロマトグラムにより、未反応モノマーを定量し転化率を計算したところ、転化率は前記モノマーの全量に対し99.4%であった。
【0094】
次に、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、実施例6で用いたものに代えて、本実施例で得られたカチオン基である第三級アミンの塩酸塩を含有するジメチルアミノプロピルメタクリルアミド重合体を用いた以外は、実施例6と全く同一にして、主剤を調製した。
【0095】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0096】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0097】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例9】
【0098】
本実施例では、β-メルカプトプロピオン酸の添加量を前記モノマー溶液の全量に対して0.6重量%とした以外は、実施例6と全く同一にして、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子として、カチオン基である第三級アミンの塩酸塩を含有するジメチルアミノプロピルメタクリルアミド重合体を調製した。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定したところ、90mPa・sであった。また、高速液体クロマトグラムにより、未反応モノマーを定量し転化率を計算したところ、転化率は前記モノマーの全量に対し98.1%であった。
【0099】
次に、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、実施例6で用いたものに代えて、本実施例で得られたカチオン基である第三級アミンの塩酸塩を含有するジメチルアミノプロピルメタクリルアミド重合体を用いた以外は、実施例6と全く同一にして、主剤を調製した。
【0100】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0101】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0102】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例10】
【0103】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第三級アミンとメチレンクロリドの四級塩を含有するジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAS-880)を35.0重量%水溶液としたもの8重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA224)を17.0重量%水溶液としたもの17重量部、カチオン基を含有しないエマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)50重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤としてメタリン酸ナトリウム0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0104】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
【0105】
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0106】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
【実施例11】
【0107】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.0重量%水溶液としたもの8重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を15.0重量%水溶液としたもの24重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)33重量部、分子内にカチオン基である第三級アミンを含有する2−ビニルピリジンとスチレン−ブタジエンとの共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:PYRATEX、固形分41.3重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0108】
次に、本実施例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本実施例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0109】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例1と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
本比較例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液に変えて、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学株式会社製、商品名:ゴーセノールT−330)を17重量%水溶液8重量部を用いた以外は、実施例11と全く同一にして、主剤を調製した。
【0110】
次に、本比較例で得られた前記主剤について、実施例1と全く同一にして、安定性能を試験した。試験結果を表1に示す。
次に、実施例1で用いた主剤に代えて、本比較例で調製した前記主剤を用いた以外は、実施例1と全く同一にして、水性接着剤組成物を調製、製糊を試みたが、主剤と均一に混合できなかった。結果を表1に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
表1から、主剤に、カチオン基として、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン及びその塩を含有する水溶性高分子を用いた実施例1〜11の水性接着剤組成物によれば、主剤にカチオン基を含有する水溶性高分子を全く用いなかった比較例1の水性接着剤組成物に比較して、主剤の保存安定性に優れ、しかも接着層のはく離がなく、特に優れた接着性能が得られることが明らかである。
【実施例12】
【0113】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.2重量%水溶液としたもの0.5重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を10.6重量%水溶液としたもの35重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)29.5重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0114】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)0.5重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0115】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、「JIS K 6806」に基づいて、接着性能を試験した。
【0116】
前記試験では、含水率6〜8重量%、比重0.72〜0.75の10mm厚のカバ柾目挽板を被着材とし、該被着材に、本実施例で得られた水性接着剤組成物を250g/mの量で塗布し、開放堆積時間20℃にて1分以内、閉鎖堆積時間20℃にて10分以内、20℃にて1.2N/cmの圧力で24時間圧締した後、解圧し、20℃にて7日間養生したものを試験片とした。そして、前記各試験片の圧縮せん断接着強さを、「常態」、「耐温水」で、測定した。
【0117】
試験結果を表2に示す。試験結果は、「JIS K 6806」に定める試験機により試験片が破断するまでの最大荷重を測定し、実測した接着面積で除した接着強さ(N/cm)で示す。
【0118】
「JIS K 6806」に基づく接着性能試験において、「常態」とは試験片作成後、直ちに試験に供するもので、耐水性に関わらない接着力を示す。また、「耐温水」とは試験片を60±3℃の温水中に3時間浸漬した後、室温の水中に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供するもので、水性接着剤組成物の耐水性及び耐熱性の指標となるものである。
【実施例13】
【0119】
本実施例では、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.2重量%水溶液としたもの1重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を10.6重量%水溶液としたもの35重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)29重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0120】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)1重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0121】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
【実施例14】
【0122】
本実施例では、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.0重量%水溶液としたもの2重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を10.6重量%水溶液としたもの35重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)28重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0123】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)2重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0124】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
【実施例15】
【0125】
本実施例では、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.0重量%水溶液としたもの4重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を10.6重量%水溶液としたもの35重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)26重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0126】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらにポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)0.5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0127】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
【実施例16】
【0128】
本実施例では、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.2重量%水溶液としたもの15重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を12.0重量%水溶液としたもの20重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)30重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0129】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)1重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0130】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
【実施例17】
【0131】
本実施例では、分子内にカチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.2重量%水溶液としたもの25重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を12.0重量%水溶液としたもの20重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)30重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0132】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)2重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0133】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
【実施例18】
【0134】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.2重量%水溶液としたもの15.0重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を17.0重量%水溶液としたもの20重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)30重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0135】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0136】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
【実施例19】
【0137】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミンを含有するアリルアミン重合体(日東紡績株式会社製、商品名:PAA−05)を20.2重量%水溶液としたもの20重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を17.0重量%水溶液としたもの20重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)25重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0138】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)5重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0139】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表2に示す。
【0140】
【表2】

【0141】
表2から、前記主剤の全量に対して、前記カチオン基を含有する水性高分子を、固形分として0.1〜4.0重量%含み、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として、前記分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物を、固形分として0.5〜10.0重量部含み、前記主剤100重量部に対して、前記ポリアミドエポキシ化合物を、固形分として0.1〜2.5重量部含む、実施例12〜19の水性接着剤組成物によれば、特に優れた接着性能を示すことが明らかである。
【実施例20】
【0142】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol−FG)を44.4重量%水溶液としたもの18重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を15.0重量%水溶液としたもの25重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)32重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0143】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0144】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例21】
【0145】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol−FG)を54.6重量%水溶液としたもの22重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を15.0重量%水溶液としたもの25重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)28重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0146】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0147】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例22】
【0148】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol−FG)を60.0重量%水溶液としたもの25重量部、分子内にカチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を12.0重量%水溶液としたもの10重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)30重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0149】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)7重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0150】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例23】
【0151】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol−FG)を67.0重量%水溶液としたもの30重量部、カチオン基を含有しない水溶性高分子水溶液として、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名:PVA117)を15.0重量%水溶液としたもの25重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)25重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0152】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)7重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0153】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例24】
【0154】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol−FG)を63.0重量%水溶液としたもの40重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)25重量部、カチオン基を含有しない水性ラテックスとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本エイアンドエル株式会社製、商品名:SR-130、固形分49.0重量%)10重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0155】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)20重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)7重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0156】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例25】
【0157】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol−FG)を60.0重量%水溶液としたもの50重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)25重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0158】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)30重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)7重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0159】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例26】
【0160】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol−FG)を80.0重量%水溶液としたもの50重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)25重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)25重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0161】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)40重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)7重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0162】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例27】
【0163】
本実施例では、カチオン基を含有する水溶性高分子水溶液として、カチオン基である第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンを含有するエチレンイミン重合体(BASFジャパン株式会社製、商品名:Lupasol−FG)を83.0重量%水溶液としたもの60重量部、カチオン基を含有しない水性エマルジョンとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(住友化学工業株式会社製、商品名:スミカフレックス400HQ、固形分55.0重量%)20重量部、充填剤として炭酸カルシウム(東洋ファインケミカル株式会社製、商品名:ホワイトンP−30)20重量部、該充填剤の分散剤として第四級アンモニウム塩を含むカチオン系分散剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−L)0.5重量部を混合して主剤を調製した。
【0164】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)50重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)7重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0165】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例28】
【0166】
本実施例では、実施例27と全く同一にして、主剤を調製した。
【0167】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)60重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)7重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0168】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例29】
【0169】
本実施例では、実施例22と全く同一にして、主剤を調製した。
【0170】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)10重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0171】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例30】
【0172】
本実施例では、実施例23と全く同一にして、主剤を調製した。
【0173】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)15重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0174】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例31】
【0175】
本実施例では、実施例24と全く同一にして、主剤を調製した。
【0176】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)20重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0177】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例32】
【0178】
本実施例では、実施例25と全く同一にして、主剤を調製した。
【0179】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)30重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0180】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【実施例33】
【0181】
本実施例では、実施例26と全く同一にして、主剤を調製した。
【0182】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物である、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−キシレンジアミン(三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X)10重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)40重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0183】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表3に示す。
【0184】
【表3】

【0185】
表3から、前記主剤の全量に対して、前記カチオン基を含有する水性高分子を、固形分として8.0〜50.0重量%含み、前記主剤100重量部に対して、硬化剤として、前記分子内にエポキシ基を2個以上含有する4官能エポキシ化合物を、固形分として10.0〜60.0重量部含み、前記主剤100重量部に対して、前記ポリアミドエポキシ化合物を、固形分として1.8〜10.0重量部含む、実施例20〜33の水性接着剤組成物によれば、特に優れた接着性能を示すことが明らかである。
【実施例34】
【0186】
本実施例では、実施例15と全く同一にして、主剤を調製した。
【0187】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する2官能エポキシ化合物である、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製、商品名:SR−16H)2重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0188】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表4に示す。
【実施例35】
【0189】
本実施例では、実施例16と全く同一にして、主剤を調製した。
【0190】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有する2官能エポキシ化合物である、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(阪本薬品工業株式会社製、商品名:SR−16H)5重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0191】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表4に示す。
【実施例36】
【0192】
本実施例では、実施例15と全く同一にして、主剤を調製した。
【0193】
次に、以下のようにして、分子内にエポキシ基を2個以上含有する重合体の分散液として多官能エポキシ化合物を調製した。
【0194】
かくはん機、還流冷却器、滴下ロートおよび温度計を取り付けた反応容器に水67重量部を投入して、反応容器中の温度を80℃に上げた後、グリシジルメタクリレート(GMA)75重量部、ブチルアクリレート(But−A)75重量部、水125重量部、乳化剤(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール707−SF、30重量%水溶液)10重量部からなるモノマー混合物と、過硫酸アンモニウム5重量%水溶液15部とを別々の滴下槽より2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応容器中の温度を80℃とし、該温度で1時間重合した。得られた分散液の固形分は50重量%であった。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定したところ、140mPa・sであった。また、高速液体クロマトグラムにより、未反応モノマーを定量し転化率を計算したところ、転化率は前記モノマーの全量に対し98.9%であった。
【0195】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物である、本実施例で調製した多官能エポキシ化合物の分散液20重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0196】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表4に示す。
【実施例37】
【0197】
本実施例では、実施例16と全く同一にして、主剤を調製した。
【0198】
次に、以下のようにして、分子内にエポキシ基を2個以上含有する重合体の分散液として多官能エポキシ化合物を調製した。
【0199】
本実施例では、実施例36のモノマー混合物に代えて、グリシジルメタクリレート(GMA)75重量部、ブチルアクリレート(But−A)37.5重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)37.5重量部、水125重量部、乳化剤(日本乳化剤株式会社製、商品名;ニューコール707−SF、30重量%水溶液)10重量部からなるモノマー混合物を用いた以外は、実施例36と全く同一にして、重合を行った。得られた分散液の固形分は50重量%であった。反応後、反応液の粘度をB型粘度計で測定したところ、160mPa・sであった。また、高速液体クロマトグラムにより、未反応モノマーを定量し転化率を計算したところ、転化率は前記モノマーの全量に対し98.3%であった。
【0200】
次に、前記主剤に、硬化剤として分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物である、本実施例で調製した多官能エポキシ化合物の分散液20重量部を添加し、さらに、ポリアミドエポキシ化合物(星光PMC株式会社製、商品名:WS4020、固形分25重量%)5重量部を添加、撹拌して、水性接着剤組成物を調製、製糊した。
【0201】
次に、本実施例で得られた水性接着剤組成物について、実施例12と全く同一にして、接着性能を試験した。結果を表4に示す。
【0202】
【表4】

【0203】
表4から、硬化剤として、前記分子内にエポキシ基を2個以上含有する2官能エポキシ化合物または多官能エポキシ化合物を含む、実施例34〜37の水性接着剤組成物によれば、特に優れた接着性能を示すことが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン基を含有する水溶性高分子と、カチオン基を含有しない少なくとも1種の水性高分子とを含む主剤と、
分子内にエポキシ基を2個以上含有するエポキシ化合物を含む硬化剤と、
ポリアミドエポキシ化合物とを含むことを特徴とする水性接着剤組成物。
【請求項2】
請求項1記載の水性接着剤組成物において、前記カチオン基を含有する水溶性高分子は、分子内に、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンまたはその塩を含有する水溶性高分子または、該水溶性高分子の水溶液であることを特徴とする水性接着剤組成物。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の水性接着剤組成物において、前記カチオン基を含有しない水性高分子は、カチオン基を含有しない水溶性高分子、該水溶性高分子の水溶液、カチオン基を含有しない水性ラテックス、カチオン基を含有しない水性エマルジョンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする水性接着剤組成物。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の水性接着剤組成物において、前記ポリアミドエポキシ化合物は、エピハロヒドリンをポリアミンまたはポリアミドと反応させて得られた化合物であることを特徴とする水性接着剤組成物。

【公開番号】特開2009−292924(P2009−292924A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147456(P2008−147456)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000205742)株式会社オーシカ (40)
【Fターム(参考)】