説明

水性被覆材、その製造方法およびその使用

(A)少なくとも1の飽和、不飽和、および/またはオレフィン不飽和化合物でグラフトされた、イオン的および/または非イオン的に安定化されたポリウレタン、(B)少なくとも1の湿潤剤または分散剤、および(C)ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキシルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンの溶液、ペンタエリトリットの溶液、ソルビトールの溶液、数平均分子量110〜6000ドルトン、および25〜1000mgKOH/gのヒドロキシル価の反応性ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリンエトキシラート、エチル−3−エトキシプロピオナート、ガンマ−ブチロラクトン、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、N−アセチルモルホリン、N−シクロヘキシルピロリドン、およびN−オクチル−2−ピロリドンの群から選択されている、少なくとも1の有機溶剤を含む水性被覆材、その製造方法、およびその使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の被覆材に関する。さらに本発明は、水性被覆材の新規の製造方法に関する。さらに本発明は新規の被覆材の使用、および新規の方法に従って製造された水性被覆材の使用に関する。
【0002】
従来技術
少なくとも1の飽和、不飽和、および/またはオレフィン不飽和化合物でグラフトされた、イオン的におよび/または非イオン的に安定化されたポリウレタンを含む水性被覆材は、公知である。それらは物理的に、熱的に、または熱的にかつ化学線を用いて硬化することができる。好適にはそれらは着色および/または効果を付与する顔料を含み、多層コーティングまたはソリッドカラーコーティングの範囲で、着色および/または効果を付与するコーティング、とりわけベースコーティングの製造に使用される。
【0003】
公知の水性被覆材は有機溶剤、とりわけ高沸点の(「長い(lange)」)有機溶剤、例えばヘテロ環式炭化水素、脂肪族炭化水素、または芳香族炭化水素、1価または多価のアルコール、エーテル、エステル、およびケトン、例えばN−メチルピロリドン、トルエン、キシレン、ブタノール、エチレングリコールおよびブチルグリコールならびにそれらの酢酸エステル、ブチルジグリコール、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、またはイソホロンを含むことができる(欧州特許出願EP0228003A1およびEP0634431A1参照)。
【0004】
これについてとりわけ、N−メチルピロリドンは効果的に吹き付けムラの形成を防止する。
【0005】
適用された被覆材の水蒸気透過性を高めるために、およびそのワキおよびピンホール形成への傾向を減少させるために、水性被覆材に有機リン酸トリエステル、とりわけトリアルキルリン酸エステルおよび/またはトリシクロアルキルリン酸エステル、例えばリン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリアミル、リン酸トリヘキシル、またはリン酸トリシクロヘキシルを添加することは、ドイツ特許DE10043405C1より公知である。
【0006】
これらの有機リン酸トリエステルについては、リン酸トリブチルが特に効果的であると証明されている。
【0007】
ただしN−メチルピロリドンおよびリン酸トリブチルは実地では毒性の問題を呈し、その結果、よりよく作用するとは言えなくとも、少なくとも同程度に作用する、この毒性問題を伴わない物質で代用するよう努めなければならない。
【0008】
発明の課題
本発明は、容易に製造することができ、毒性的に危険な成分を含まず、および吹き付け適用後に吹き付けムラ、ワキ、およびピンホールをまったく有さないか、非常に僅かに有するにすぎない、少なくとも1の飽和、不飽和、および/またはオレフィン不飽和化合物でグラフトされた、イオン的におよび/または非イオン的に安定化されたポリウレタンを含む新規の水性被覆材を提供するという課題を基礎におく。
【0009】
新規の水性被覆材は、ウェットオンウェット法に従った多層コーティングの、着色および/または効果を付与するベースコーティングの製造のための水ベースコートとしてとりわけ適しているべきである。その際適用された水ベースコート層を、特に良好にはクリアコートによって湿らせるのが好ましい。
【0010】
新規の水性被覆材は、完全にまたは可能な限り塗膜の障害、例えば吹き付けムラ、ワキ、およびピンホールが無い被覆材を、好適には着色および/または効果を付与する被覆材、好ましくは多層コーティングにおけるベースコーティングおよびソリッドカラーコーティング、とりわけベースコーティングを提供するのが望ましい。
【0011】
本発明による解決手段
これにより、
(A)少なくとも1の飽和、不飽和、および/またはオレフィン不飽和化合物でグラフトされた、イオン的および/または非イオン的に安定化されたポリウレタン
(B)少なくとも1の湿潤剤または分散剤、および
(C)ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキシルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンの溶液、ペンタエリトリットの溶液、ソルビトールの溶液、平均数分子量110〜6000ドルトン、および25〜1000mgKOH/gのヒドロキシル価の反応性ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリンエトキシラート、エチル−3−エトキシプロピオナート、ガンマ−ブチロラクトン、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、N−アセチルモルホリン、N−シクロヘキシルピロリドン、およびN−オクチル−2−ピロリドンの群から選択されている、少なくとも1の有機溶剤、
を含む新規の水性被覆材が判明し、以下では該水性被覆材を「本発明による被覆材」と表す。
【0012】
さらに、本発明による被覆材の新規の製造方法が判明し、その際少なくとも
(A)少なくとも1の飽和、不飽和、および/またはオレフィン不飽和化合物でグラフトされた、イオン的および/または非イオン的に安定化されたポリウレタン
(B)少なくとも1の湿潤剤または分散剤、および
(C)ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキシルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンの溶液、ペンタエリトリットの溶液、ソルビトールの溶液、数平均分子量110〜6000ドルトン、および25〜1000mgKOH/gのヒドロキシル価の反応性ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリンエトキシラート、エチル−3−エトキシプロピオナート、ガンマ−ブチロラクトン、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、N−アセチルモルホリン、N−シクロヘキシルピロリドン、およびN−オクチル−2−ピロリドンの群から選択されている、少なくとも1の有機溶剤、
を水と混合し、生じた混合物を均質化するが、これを以下では「本発明による方法」と表す。
【0013】
とりわけ、本発明による被覆材の新規の使用、および本発明による方法に従って製造された被覆材の、新規の熱可塑性材料または熱硬化性材料の製造のための新規の使用が判明し、以下ではこれを「本発明による使用」と表す。
【0014】
さらなる本発明の対象物は、詳細な説明から読み取れる。
【0015】
発明の利点
従来技術の観点からは意外なことに、および当業者には予見できなかったのだが、本発明が基礎においた課題は、本発明による被覆材、本発明による方法、および本発明による使用によって解決することができた。
【0016】
とりわけ意外なことに、本発明による被覆材は容易に製造され、毒性的に危険な成分をまったく含まず、吹き付け適用後は吹き付けムラ、ワキ、およびピンホールを有していないか、またはごくわずかに有しているにすぎなかった。
【0017】
意外なことに本発明による被覆材を、本発明による使用の範囲において、優れた適用技術特性を有する、本発明による熱可塑性材料および熱硬化性材料の製造、とりわけ熱硬化性材料の製造のために使用することができた。本発明による熱可塑性材料および熱硬化性材料を、本発明による被覆、接着層、封止材、フィルム、および成型部材、好ましくは被覆として優れて使用することができた。
【0018】
本発明による被覆材は特に優れて、ウェットオンウェット法に従った多層コーティングの、着色および/または効果を付与するベースコーティング製造のための水ベースコートとして適している。その際、適用された水ベースコート層は、好ましくはクリアコートによって良好に湿らせた。
【0019】
本発明による被覆材は、本発明による使用の範囲において、本発明による被覆、好適には本発明による着色および/または効果を付与する被覆、好ましくは完全にまたは可能な限り塗膜の障害、例えば吹き付けムラ、ワキ、およびピンホールが無い多層コーティングにおけるベースコーティングおよびソリッドカラーコーティング、とりわけベースコーティングを提供した。ここからさらにそれらの被覆は、非常に高い被覆能力、および優れた光学的全体印象(外観)を有していた。従って本発明による被覆材は、自動車ボディーのコーティングに優れて適していた。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明による被覆材は、物理的に、熱的に、または熱的にかつ化学線を用いて硬化可能である。その際、熱的にまたは熱的にかつ化学線を用いて行われる硬化は、物理的硬化によって支持することができる。
【0021】
本発明の範囲において「物理的硬化」という概念は、場合によっては層の乾燥後の皮膜化による、被覆材からなる層の硬化を意味する。このため通常、架橋剤は必要ではない。場合によって物理的硬化は、空気中の酸素により、または化学線を用いた照射によって支持することができる。
【0022】
本発明の範囲では、「熱的硬化」という概念は、熱によって開始される、被覆材からなる層の硬化を意味し、その際通常、分離して存在する架橋剤を適用する。架橋剤はポリウレタン(A)中に存在する反応性官能基に対して相補的な反応性官能基を含む。通常これは、当業者から外部架橋と呼ばれる。相補的な反応性官能基または自己反応的な官能基、すなわち「自分自身で」反応する基がポリウレタン(A)中にすでに存在する場合、これらは自己架橋性である。適切な相補的反応性官能基、および自己反応性官能基の例はドイツ特許出願DE19930665A1、7ページ、28行目から9ページ、24行目より公知である。
【0023】
本発明の範囲において化学線とは、電磁線、例えば近赤外線(NIR)、可視光、UV光線、X線、またはガンマ線、とりわけUV光線、および粒子線、例えば電子線、ベータ線、アルファ線、プロトン線、または中性子線、とりわけ電子線と理解されるべきである。UV光線による硬化を通常、ラジカル開始剤またはカチオン開始剤によって開始する。
【0024】
熱的硬化および化学線での硬化を、本発明による被覆材において共に適用する場合、「デュアル・キュア」とも言われる。
【0025】
本発明による被覆材は1成分(1K)系であってもよい。
【0026】
本発明の範囲において、1成分(1K)系とは、結合剤および架橋剤が併存して、すなわち1の成分中に存在する、熱的に硬化する被覆材と理解されるべきである。このため前提は、双方の成分が比較的高い温度下および/または化学線での照射下、初めて相互に架橋するということである。
【0027】
本発明による被覆材はさらには、二成分(2K)系、または多成分(3K、4K)系であってもよい。
【0028】
本発明の範囲においてこれより、被覆材とは、適用の直前に初めて混合する、とりわけ結合剤および架橋剤が相互に分離して少なくとも2の成分中に存在する被覆材と理解されるべきである。結合剤と架橋剤が室温下ですでに相互に反応する場合、この形態が選ばれる。この種の被覆材はとりわけ、熱に敏感な支持体、とりわけ自動車補修コーティングに適用される。
【0029】
本発明による被覆材の第一の基本的な成分は、少なくとも1の、とりわけ1の飽和、不飽和および/またはオレフィン不飽和化合物を用いてグラフトされた、イオン的および/または非イオン的に安定化されたポリウレタン(A)、好適には脂肪族、環状脂肪族、脂肪族−環状脂肪族、芳香族、脂肪族−芳香族、および/または環状脂肪族−芳香族のポリイソシアナートである。安定化のために、ポリウレタン(A)は
(a1)中和剤、および/または4級化剤によってカチオンに変えることができる官能基、および/またはカチオン性基、または
(a2)中和剤によってアニオンに変えることができる官能基、および/またはアニオン性基、および/または
(a3)非イオン性親水基
のいずれかを含む。
【0030】
適切なポリウレタン(A)は、例えば
ドイツ特許出願DE1991498A1、第1欄、29行目〜49行目、および第4欄、23行目から第11欄、5行目、
ドイツ特許出願DE19948004A1、4ページ、19行目から13ページ、48行目、
欧州特許出願EP0228003A1、3ページ、24行目から5ページ、40行目、
欧州特許出願EP0634431A1、3ページ、38行目から8ページ、9行目、または
国際特許出願WO92/15405、2ページ、35行目から10ページ、32行目、
より公知である。
【0031】
本発明による被覆材において、被覆材は通常の、および公知の量で含まれている。
【0032】
本発明による被覆材が物理的、熱的に自己架橋し、または熱的に自己架橋し、かつ化学線で硬化可能な場合、ポリウレタン(A)に関する含有率は、その都度皮膜を形成する、本発明による被覆材の固体に対して、好適には50〜100質量%、好ましくは50〜90質量%、およびとりわけ50〜80質量%である。
【0033】
本発明による被覆材が、熱的に外部架橋、または熱的に外部架橋し、かつ化学線で硬化可能な場合、ポリウレタン(A)に関する含有率は、その都度皮膜を形成する、本発明による被覆材の固体に対して、好適には10〜80質量%、好ましくは15〜75質量%、およびとりわけ20〜70質量%である。
【0034】
本発明の範囲において、皮膜を形成する固体とは、ここから製造された本発明による熱可塑性材料の、または熱硬化性材料の固体、好適には本発明による熱可塑性被覆、または熱硬化性被覆、接着層、封止材、フィルム、および成型部材、とりわけ本発明による熱硬化性被覆を構成する、本発明による被覆材のすべての成分の合計と理解されるべきである。
【0035】
本発明による被覆材の第二の基本的な成分は、高度に分岐したポリマー、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキキサン、イオン性および非イオン性(メタ)アクリラート共重合体、顔料親和性基を有する高分子ブロック共重合体、およびジアルキルスルホコハク酸エステルからなる群から選択されている、少なくとも1の湿潤剤または分散剤(B)である。とりわけ、高度に分岐したポリマーを使用する。
【0036】
湿潤剤または分散剤(B)はそれ自体公知の市販の材料であり、例えばCognis社により商標Starfactan(登録商標)20、およびHydropalat(登録商標)875、Byk Chemie社により商標Disperbyk(登録商標)162、163、および182、およびByk(登録商標)348、355、381、および390、Coatex社により商標Coatex(登録商標)P90およびBP3、およびEfka社によりEfka(登録商標)4580が売られている。とりわけ、Starfactan(登録商標)20を使用する。
【0037】
湿潤剤または分散剤(B)は、通常および公知の有効量で使用する。湿潤剤または分散剤を本発明による被覆材に対してその都度、好適には0.01〜5、好ましくは0.05〜2.5、およびとりわけ0.1〜1.5質量%の量で、使用する。
【0038】
本発明による被覆材の第三の基本的な成分は、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキシルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンの溶液、ペンタエリトリットの溶液、ソルビトールの溶液、110〜6000ドルトンの数平均分子量の、および25〜1000mgKOH/gのヒドロキシル価の反応性ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリンエトキシラート、エチル−3−エトキシプロピオナート、ガンマ−ブチロラクトン、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、N−アセチルモルホリン、N−シクロヘキシルピロリドン、およびN−オクチル−2−ピロリドンからなる群から選択されている少なくとも1の、とりわけ1の有機溶剤(C)である。
【0039】
有機溶剤は通常の、および公知の市販で得られる製品である。例えば反応性ポリエーテルポリオールはElastogran社により商標Lupranol(登録商標)、ジプロピレングリコールジメチルエーテルは、Dow社により商標Proglyde(登録商標)DMM、プロピレングリコールモノブチルエーテルはBASF株式会社により商標Solvenon(登録商標)PnB、またはグリセリンエトキシラートはHugoHaeffner Gruppe社により商品名Weichmachungsmittel9として売られている。
【0040】
好適には2−メチル−1−ブタノール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエチレングリコール、N−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、1,6−ヘキサンジオール、110〜1000ドルトンの数平均分子量を有するポリエーテルポリオール、グリセリンエトキシラート、とりわけトリエチレングリコールを使用する。
【0041】
有機溶剤(C)の量は、幅広く変えることができ、最適には個々の場合の必要条件に適合させることができる。しかしながら本発明による被覆材の水性の性質という観点から、有機溶剤(C)に関する含有率を可能な限り僅少に保たなければならない。この場合、本発明による被覆材の、有機溶剤(C)に関する含有率が、本発明による被覆材に対してその都度、0.1〜10、好ましくは0.5〜7、およびとりわけ0.5〜5質量%であることが、本発明の有利な技術的効果を達成するために特に有利である。
【0042】
さらに、本発明による被覆材はなお少なくとも1の添加剤(D)を含むことができる。好適には被覆材は少なくとも2の添加剤(D)を含む。好ましくは添加剤(D)は、被覆材の分野で通常使用される添加剤の群から選択する。特に好ましくは添加剤(D)は無残渣、またはほぼ無残渣の熱的に分解可能な塩、ポリウレタン(A)とは異なる物理的、熱的および/または化学線で硬化可能な結合剤、架橋剤、有機溶剤(C)とは異なる有機溶剤、熱的に硬化可能な反応性希釈剤、化学線で硬化可能な反応性希釈剤、着色および/または効果を付与する顔料、透明顔料、充填材、分子分散性の可溶着色剤、ナノ粒子、光安定剤、抗酸化剤、脱ガス剤、乳化剤、スリップ剤、重合抑制剤、ラジカル重合の開始剤、熱的に不安定なラジカル開始剤、接着促進剤、均展剤、皮膜形成助剤、例えば増粘剤、および構造粘性のたれ止め剤(Sag contol agents)、SCA、難燃剤、腐食防止剤、噴霧助剤、ワックス、乾燥剤、殺真菌剤、つや消し剤、からなる群から選択する。
【0043】
前掲の種類の適切な添加剤(D)は、例えば
ドイツ特許出願DE19948004A1、14ぺージ、4行目から17ページ、5行目、
ドイツ特許出願DE1991498A1、第11欄、9行目から第15欄、63行目、または
ドイツ特許DE10043405C1、第5欄、段落[0031]から[0033]
より公知である。それらを通常の、および公知の有効量で使用する。
【0044】
本発明による被覆材の固体含有率は、非常に幅広く変えることができ、従って最適には、個々の場合の必要条件に適合させることができる。まず適用のため、とりわけ吹き付け適用のため必要とされる粘度に従った固体含有率に従うが、その結果固体含有率は当業者により一般的な当業知識に基づき、場合によってはいくつかの方向付け試験を用いて調整することができる。好適には固体含有率は、本発明による被覆材に対してその都度、5〜70、好ましくは10〜65、およびとりわけ15〜60質量%である。
【0045】
本発明による被覆材の製造は、好適には本発明による方法を用いて行う。その際、前掲の成分(A)、(B)、および(C)ならびに場合によっては(D)を1の水性媒体中で、とりわけ水中で分散させ、この後、生じた混合物を均質化する。手法的に見れば、本発明による方法は方法論的に特別な点を有しておらず、それどころか通常の、および公知の混合方法および混合装置、例えば撹拌槽、溶解槽、撹拌ミル、混練機、スタティックミキサー、または押出機を用いて実施することができる。
【0046】
本発明による被覆材の、および本発明による方法を用いて製造した本発明による被覆材の、多数の特別な利点のため、これらの被覆材は、多数の使用目的に供することができる。好適にはこれらの被覆材を、本発明による熱可塑性および熱硬化性、とりわけ熱硬化性材料の製造に使用する。好ましくはこれらの被覆材を、本発明による被覆材、接着剤、封止材料、および本発明による熱可塑性および熱硬化性、とりわけ熱硬化性の被覆、接着層、封止材、フィルム、および成型部材の製造のための、フィルムや成型部材のための前段階物、特に好ましくは、プライマー塗りされた、およびプライマー塗りされていないすべての種類の支持体と、強固に、または再び剥離可能に結合されていることができる被覆に使用する。
【0047】
とりわけ本発明による被覆、接着層、および封止材は支持体と強固に結合している。
【0048】
適切な支持体の例は、
ドイツ特許出願DE19948004A1、17ページ、12行目から36行目、または
ドイツ特許DE10043405C1、第2欄、段落[0008]から第3欄、段落[0017]
より公知である。
【0049】
特に好ましくは本発明による被覆材を、単層のソリッドカラーコーティングの製造のためのソリッドカラーコートとして、または着色および/または効果を付与する多層コーティングの製造のための水ベースコートとして使用する。極めて特に好ましくは、被覆材をその際多層コーティングの、好ましくは自動車ボディーのための多層コーティングの着色および/または効果を付与するベースコーティングの製造のための水ベースコートとして使用する。この際被覆材は、優れて下塗りコート(OEM)および補修コーティングに適している。
【0050】
極めて特に好ましくは、本発明による多層コーティングをウェットオンウェット法により製造し、その際
(1)少なくとも1の水ベースコートをプライマー塗りされた、またはプライマー塗りされていない支持体上へ適用し、このことによって少なくとも1の水ベースコート層(1)が生じ、
(2)少なくとも1のクリアコートを水ベースコート層(1)上に適用し、このことによって少なくとも1のクリアコート層(2)が生じ、および
(3)少なくとも1の水ベースコート層(1)、およびクリアコート層(2)を共に硬化し、このことによってベースコーティング(1)、およびクリアコーティング(2)が生じる。
【0051】
このようなウェットオンウェット法の例は、
ドイツ特許出願DE19948004A1、17ページ、37行目から19ページ、22行目、または
ドイツ特許DE10043405C1、第3欄、段落[0018]、および第8欄、段落[0052]から第9欄、段落[0057]、関連して第6欄、段落[0039]から第8欄、段落[0050]
より公知である。そこで記述される層厚は、本発明による多層コーティングの、個々のコーティングに対して適用される。
【0052】
本発明による被覆材の優れた適用技術特性により、これから製造された本発明による熱可塑性および熱硬化性材料は、同様に優れて均整のとれた物理化学的、光学的、および機械的な特性プロフィールを有する。従って、本発明による被覆で被覆され、本発明による接着層で接着され、本発明による封止材で封止され、本発明によるフィルムで被覆され、および/または本発明による成型部材で結合されている、本発明によるフィルムおよび成型部材、ならびに支持体も、特に高い使用価値、および特に長い耐用期間を有する。
【0053】
実施例
製造例1
灰色の水ベースコート1の製造
場合により出現する塗膜の障害のより良好な判断のため、以下の工程に従って製造した灰色の水ベースコートを使用した。
【0054】
混合物1a
溶解槽中に、26質量部の無機増粘剤(ナトリウム−マグネシウム−層状ケイ酸塩、水中で3質量%)を装入した。ここに30質量部の脱イオン水、107.5質量部のブチルグリコール、ドイツ特許出願DE4437535A1の7ページ、55行目から8ページ、23行目に従って製造された4.5質量部のポリウレタン変性ポリアクリラート、および0.6質量部の市販の消泡剤Nopco(登録商標)DSX1550の20.5質量%の溶液を撹拌下、添加した。混合物1aが生じた。
【0055】
混合物1b
これとは別個に、ドイツ特許出願DE4009858A1の第16欄、37行目〜59行目の例Dに従って製造された、3.2質量部の水性ポリエステル樹脂分散液、Air Products社のSurfynol(登録商標)104を52質量%含む、0.3質量部の界面活性剤溶液、55質量部のブチルグリコール、n−ブタノール中の4.1質量部の市販の水性希釈可能なメラミンホルムアルデヒド樹脂(Surface Specialities Austria社のCymel(登録商標) 203)、および水中の0.3質量部の10質量%のジメチルエタノールアミンの溶液を、互いに混合した。混合物1bが生じた。
【0056】
混合物1c
混合物1a、および1bを互いに混合した。混合物1cが生じた。
【0057】
混合物1d
混合物1cを、6質量部の脱イオン水、20.4質量部の、ドイツ特許出願DE19948004A1の19ページ、44行目から20ページ、7行目までに従って製造された、ポリウレタン変性ポリアクリラート、52質量%のSurfynol(登録商標)104を含む1.6質量部の界面活性剤溶液、48質量部のブトキシエタノール、0.4質量部の、水中のジメチルエタノールアミン10質量%溶液、1.6質量部のn−ブタノール、および3.9質量部の、ポリアクリラート−増粘剤(Ciba社のViscalex(登録商標))の3質量%溶液と混合した。混合物1dが生じた。
【0058】
カーボンブラックペースト
カーボンブラックペーストを、国際特許出願WO91/15528に従って製造された、25質量部のポリアクリラート分散液、10質量部のカーボンブラック、0.1質量部のメチルイソブチルケトン、1.36質量部のジメチルエタノールアミン、2質量部の市販のポリエーテル(BASF株式会社のPluriol(登録商標)P900)、および61.45質量部の脱イオン水から製造した。
【0059】
ブルーペースト1
ブルーペースト1を、ドイツ特許出願DE4009858A1の第16欄、10行目から35行目に従って製造された19.4質量部のポリウレタン分散液、13.5質量部のPaliogen(登録商標)Blau L 6482、4.3質量部のブトキシエタノール、0.18質量部のメチルエチルケトン、0.62質量部のジメチルエタノールアミン、1.2質量部のPluriol(登録商標)P900、および61質量部の水から製造した。
【0060】
ブルーペースト2
ブルーペースト2を、15.4質量部の国際特許出願WO91/15528に従って製造されたポリアクリラート分散液、30質量部のPaliogen(登録商標)Blau L 6470、2.6質量部のDisperbyk(登録商標)184、1.6質量部のジプロピレングリコールモノメチルエーテル、0.1質量部のメチルイソブチルケトン、0.65質量部のジメチルエタノールアミン、0.8質量部の1,2−プロピレングリコール、および45質量部の脱イオン水から製造した。
【0061】
バイオレットペースト
バイオレットペーストを、国際特許出願WO92/15405、14ページ、13行目から15ページ、27行目の例1に従って製造した、23質量部の水性ポリウレタン分散液、18.4質量部のQuindo Violet(登録商標)19228−6902、5質量部のブチルグリコール、0.2質量部のメチルエチルケトン、0.26質量部のジメチルエタノールアミン、2質量部のPluriol(登録商標)P900、および51質量部の脱イオン水から製造した。
【0062】
ペースト混合物
ペースト混合物を、2.5質量部のカーボンブラックペースト、1質量部のブルーペースト1、0.3質量部のブルーペースト2、0.75質量部のバイオレットペースト、およびドイツ特許出願DE10004494A1の例1に従って製造された0.5質量部のペーストから製造した。
【0063】
混合物1e
混合物1eは、ペースト混合物、および混合物1dから製造した。
【0064】
アルミニウム効果顔料ペースト
アルミニウム効果顔料ペーストを、0.18質量部の、第一の65質量%のアルミニウム効果顔料−混練物(Eckart社のAlu−Stapa−Hydrolux(登録商標)2153)、および第二の65質量%のアルミニウム効果顔料−混練物(Eckart社のAlu−Stapa−Hydrolux(登録商標)8154)、0.55質量部のブチルグリコール、およびドイツ特許出願DE4009858A1の第16欄、37行目〜59行目の例Dに従って製造された0.28質量部の水性ポリエステル樹脂分散液から製造した。
【0065】
水ベースコート1
水ベースコート1を、混合物1e、アルミニウム効果顔料ペースト、および2質量部の水から製造した。引き続きそのコートを、ジメチルエタノールアミンを用いてpH値8に、および脱イオン水を用いて1000/分の剪断負荷、および23℃下で粘度58mPasに調整した。
【0066】
例1から7、および比較試験V1
水ベースコート2〜8(例1〜7)の製造、および水ベースコートV1(比較試験V1)の製造
水ベースコートV1
水ベースコートV1の製造には、製造例1の水ベースコート1を0.5質量%のN−メチルピロリドンと混合した。
【0067】
水ベースコート2〜8の製造のために、製造例1の水ベースコート1を表1中に記載した有機溶剤(C)、および湿潤剤または分散剤(B)と混合した。
【表1】

【0068】
表1の質量パーセントの記載は、その都度の水ベースコートに対する。
【0069】
例8〜14、および比較試験V2
多層コーティング2〜8(例8〜14)の製造、および多層コーティング1(比較試験V2)の製造
比較試験V2の多層コーティングV1の製造のために、比較試験V1の水ベースコートV1を使用した。
【0070】
例8〜14の多層コーティング2〜8の製造のために、例1〜7の水ベースコート2〜8を表2に記載した方法で使用した。
【表2】

【0071】
吹き付けムラの測定のために、多層コーティングV1および2〜8を、以下の一般的な工程に従って製造した。
【0072】
30×50cmのサイズの、サーフェイサーコートを備える鋼板を1.5メーターの距離から30秒間、水ベースコートで噴霧した。二分のフラッシュオフ時間後、水ベースコートを1.5回の十字流吹き付け(Spruehkreuzgaenge)で適用し、この後、生じた層を一分間フラッシュオフした。引き続き、もう一度水ベースコートを十字流吹き付けで塗布した。生じた水ベースコート層を一分間室温でフラッシュオフし、引き続き10分間、強制空気循環炉(Umluftofen)内で70℃で乾燥した。乾燥させた水ベースコート層上に通常の、および公知の2成分クリアコートを適用した。引き続き、水ベースコート層とクリアコート層を強制空気循環炉内で20分間、140℃で硬化した。多層コーティングにおける吹き付けムラの数は、目視で測定した。表3は試験結果に関する概観を示す。
【表3】

【0073】
表3の試験結果は、有機溶剤(C)がN−メチルピロリドンに対して等価の置換物を提供したことを裏付けた。このことは、クリアコートによる水ベースコート層の濡れという観点からも当てはまった。
【0074】
製造例2
水ベースコート9の製造
水ベースコート9の製造のために、製造例1の水ベースコート1を2質量%のBorchers社の消泡剤Tと混合し、脱イオン水を用いて70〜75mPasの粘度に、剪断負荷1000/秒、23℃下で調整した。
【0075】
例15〜20
水ベースコート10〜15の製造
水ベースコート10〜15の製造のために、製造例2の水ベースコート9を、表4中に記載された有機溶剤(C)、および湿潤剤または分散剤(B)と混合した。
【表4】

【0076】
表4中の質量パーセントの記載は、その都度の水ベースコートに対する。
【0077】
例21〜26、および比較例V3
例21〜26の多層コーティング10〜15の製造、および比較試験V3の多層コーティング9の製造
比較試験V3の多層コーティング9の製造のために、製造例2の水ベースコート9を使用した。
【0078】
例21〜26の多層コーティング10〜15の製造のために、例15〜20の水ベースコート10〜15を表5中に記載された方法で使用した。
【表5】

【0079】
ピンホール限界値の、およびピンホール数の測定のために、多層コーティングを以下の一般的な工程に従って製造した。
【0080】
被覆の後に層厚差異を測定できるように、サイズ30×50cmの、サーフェイサーコーティングで被覆した鋼板に、長さ方向の縁に接着テープを設けた。水ベースコートはV字形に静電的に適用した。生じた水ベースコート層を、一分間室温でフラッシュオフし、引き続き10分間、強制空気循環炉内で70℃で乾燥した。乾燥された水ベースコート層上へ、通常の、かつ公知の2成分クリアコートを適用した。生じたクリアコート層は、20分間室温でフラッシュオフした。引き続き水ベースコート層、およびクリアコート層を強制空気循環炉内で20分間、140℃で硬化した。生じたV字形多層コーティングにおけるピンホールの目視での評価の後、ピンホール限界値の層厚を測定した。この結果は表6中に見られる。
【表6】

【0081】
この結果は、有機溶剤(C)がピンホール限界値を有意に高め、同時にピンホール数を有意に下げたことを裏付けた。その上、例21〜26の水ベースコート層は、比較試験V3の水ベースコート層よりも、クリアコートでより良好に湿らせた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性被覆材であって、
(A)少なくとも1の飽和、不飽和、および/またはオレフィン不飽和化合物でグラフトされた、イオン的および/または非イオン的に安定化されたポリウレタン
(B)少なくとも1の湿潤剤または分散剤、および
(C)ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキシルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンの溶液、ペンタエリトリットの溶液、ソルビトールの溶液、数平均分子量110〜6000ドルトン、および25〜1000mgKOH/gのヒドロキシル価の反応性ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリンエトキシラート、エチル−3−エトキシプロピオナート、ガンマ−ブチロラクトン、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、N−アセチルモルホリン、N−シクロヘキシルピロリドン、およびN−オクチル−2−ピロリドンの群から選択されている、少なくとも1の有機溶剤、
を含む水性被覆材。
【請求項2】
前記有機溶剤(C)が、2−メチル−1−ブタノール、1,6−ヘキサンジオール、数平均分子量110〜6000ドルトンの反応性ポリエーテルポリオール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエチレングリコール、N−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、およびグリセリンエトキシラート、とりわけトリエチレングリコールからなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1に記載の水性被覆材。
【請求項3】
前記有機溶剤(C)が、トリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項2に記載の水性被覆材。
【請求項4】
前記湿潤剤または分散剤(B)が、高度に分岐したポリマー、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、イオン性、および非イオン性の(メタ)アクリラート共重合体、顔料親和性基を有する高分子ブロック共重合体、およびジアルキルスルホコハク酸エステルからなる群から選択されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の水性被覆材。
【請求項5】
前記湿潤剤または分散剤(B)が高度に分岐したポリマーであることを特徴とする、請求項4に記載の水性被覆材。
【請求項6】
前記ポリウレタン(A)が、
(a1)中和剤および/または4級化剤によってカチオンに変えることができる官能基、および/またはカチオン性基、または
(a2)中和剤によってアニオンに変えることができる官能基、および/またはアニオン性基、および/または
(a3)非イオン性親水基
を含むことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の水性被覆材。
【請求項7】
少なくとも1の添加剤(D)を含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の水性被覆材。
【請求項8】
前記添加剤(D)が、無残渣、またはほぼ無残渣の熱的に分解可能な塩、ポリウレタン(A)とは異なる物理的、熱的および/または化学線で硬化可能な結合剤、架橋剤、有機溶剤(C)とは異なる有機溶剤、熱的に硬化可能な反応性希釈剤、化学線で硬化可能な反応性希釈剤、着色および/または効果を付与する顔料、透明顔料、充填材、分子分散性の可溶着色剤、ナノ粒子、光安定剤、抗酸化剤、脱ガス剤、乳化剤、スリップ剤、重合抑制剤、ラジカル重合の開始剤、熱的に不安定なラジカル開始剤、接着促進剤、均展剤、皮膜形成助剤、レオロジー調整剤、腐食防止剤、流動化助剤、ワックス、乾燥剤、殺真菌剤、つや消し剤からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項7に記載の水性被覆材。
【請求項9】
(A)少なくとも1の飽和、不飽和、および/またはオレフィン不飽和化合物でグラフトされた、イオン的および/または非イオン的に安定化されたポリウレタン
(B)少なくとも1の湿潤剤または分散剤、および
(C)ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、ヘキシルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンの溶液、ペンタエリトリットの溶液、ソルビトールの溶液、数平均分子量110〜6000ドルトン、および25〜1000mgKOH/gのヒドロキシル価の反応性ポリエーテルポリオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリンエトキシラート、エチル−3−エトキシプロピオナート、ガンマ−ブチロラクトン、N−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリン、N−アセチルモルホリン、N−シクロヘキシルピロリドン、およびN−オクチル−2−ピロリドンの群から選択されている、少なくとも1の有機溶剤、ならびに場合によっては、
(D)少なくとも1の添加剤
を水と混合し、および生じた混合物を均質化することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の水性被覆材の製造方法。
【請求項10】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の水性被覆材の、および請求項9に記載の方法により製造された水性被覆材の、熱可塑性材料および熱硬化性材料の製造のための使用。
【請求項11】
前記熱可塑性材料および熱硬化性材料が、被覆、接着層、封止剤、フィルム、および成型部材であることを特徴とする、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記熱可塑性材料および熱硬化性材料を、プライマー塗りされた、またはプライマー塗りされていない支持体上、および支持体中に製造することを特徴とする、請求項10または11に記載の使用。
【請求項13】
前記熱可塑性材料および熱硬化性材料が、被覆であることを特徴とする、請求項10から12までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
前記水性被覆材を水ベースコートとして、着色および/または効果を付与する多層コーティングの製造に使用することを特徴とする、請求項10から13までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
前記着色および/または効果を付与する多層コーティングを、ウェットオンウェット法に従って製造することを特徴とする、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記支持体が自動車ボディーであることを特徴とする、請求項10から15までのいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2009−519360(P2009−519360A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544874(P2008−544874)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/012020
【国際公開番号】WO2007/073871
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(390008981)ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト (155)
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings AG
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D−48165 Muenster,Germany
【Fターム(参考)】