水浄化用の携帯可能なオゾン発生装置及びその使用法
本発明は、水にオゾンを発生し、水を浄化し、そして飲用可能にする携帯可能な装置に関する。
本装置は、ハウジング、前記ハウジングから前記水の中に延びるアノード及びカソードを含む少なくとも2つの電極を備え、そして各電極が水と接触するやや粗いもしく粗い表面を有している。本装置はまた、これら電極に操作可能に接続され、電極間に電流を作る電位差を発生する電力供給装置を備え、水の加水分解が、水を浄化するオゾンを作る。これら電極は、板またはロッド及び粗い縁を有する多数の孔を備えたチューブとすることができる。表面及び孔の縁の凹凸は、より大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体をもたらす。水素は、導電性材料における吸着により除去され、そして再利用のために再生される。
本装置は、ハウジング、前記ハウジングから前記水の中に延びるアノード及びカソードを含む少なくとも2つの電極を備え、そして各電極が水と接触するやや粗いもしく粗い表面を有している。本装置はまた、これら電極に操作可能に接続され、電極間に電流を作る電位差を発生する電力供給装置を備え、水の加水分解が、水を浄化するオゾンを作る。これら電極は、板またはロッド及び粗い縁を有する多数の孔を備えたチューブとすることができる。表面及び孔の縁の凹凸は、より大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体をもたらす。水素は、導電性材料における吸着により除去され、そして再利用のために再生される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水から多様な汚染物質、特に、細菌やウィルスに加え、有機汚染物質を除去し、そしてその水を飲用可能とするために、水にその場でオゾンを発生させる携帯可能な装置に関する。
言い換えれば、本発明は、極めて低電圧の電流によって作動可能であり、それ故に容易に携帯できる水浄化装置に関連する。さらに、この浄化装置は、その目的に合うようなサイズで製造することが可能であり、つまり、その設計の原理は、大きな水処理の用途にも適用することができる。例えば、この浄化装置は、ペンのように小さくてグラスの水の中に直接入れることができる。この浄化装置は、またあらゆる種類の栓に取り付けられるように適合することもできる。また、多くの装置が、水を浄化する一連の大きなタンクに装着されることも可能である。
【0002】
本発明は、水の浄化に限らず、フルーツジュース、ミルクあるいは乳製品の液体、ティー、コーヒーなどのような、水分を含むあらゆる液体溶液に適切である。
【背景技術】
【0003】
塩素や他の化学物質を使用することなく水の浄化を行うために、殺菌剤としてオゾン(O3)を使用することは、当技術分野においてよく知られている。オゾンは、通常媒体(水)の外側で用意され、その後インジェクタまたは接触柱における泡立たせの手段により、水の内部に噴射される。そのような方法は、多くの装置の使用を必要とするため、プロセスが大きくて扱いにくくまた高価である。
【0004】
電気分解によるオゾン(O3)の製造は、19世紀よりよく知られているプロセスである。例証として、米国特許5,250,177及び5,154,895は、電気分解によってオゾンを発生する装置を開示している。そのように発生されたオゾンは、その後水の浄化に用いられる。米国特許4,728,441は、電気分解によって発生された酸素からオゾンが製造される装置を開示している。しかしながら、そのように発生されたオゾンは、当該装置の外で回収されかつ用いられる。米国特許4,416,747;5,205,994;5,686,051;5,203,972及び5,779,865は、固体の電解質を用いてオゾンを製造する装置を開示している。米国特許3,623,970は水の電気分解によってオゾンの流れを製造する装置、及びそのように製造された酸素のオゾンへの転化を開示している。
【0005】
また当技術分野において、米国特許4,189,363(BEINTZEL)及び4,992,169(IZUMIYA)に示されるように、オゾンが紫外線によって製造され得ることが知られている。
さらに、米国特許5,266,215(ENGELHARD)に示されるように、紫外線を用いて微生物を破壊する装置の効果は、オゾンが浄化される水と混合される場合、高められることが知られている。
【0006】
米国特許5,151,252(MASS)には、光反応物組成で汚染された流体の処理用の光化学反応器が開示されている。この特許は、当該反応領域における反応器の壁が、最初の光化学反応によって製造された反応生成物と共に起こる二次反応の割合を増大するために、触媒で被覆され得ることを開示している。
薄膜を備えた塩橋は、カソードに生成された水素から、アノードの周辺に生成されたオゾン、酸素及び混合オキシダントを分けるのに用いられていた。白金(Pt)ワイヤがアノードとしてまたカソードとして用いられていた。薄膜分離のアイデアは、米国特許6,180,014(SALAMA)において本発明者により説明されかつ改良された。そのアイデアは、十分なオゾン生成物を得るために、以下に説明する新発明装置よりも比較的高い電圧が用いられていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それにもかかわらず、水浄化システムは一般に大型の装置であり、運んだり、装着しそし持ち歩くのは容易ではない。
それ故に、水浄化システムの技術において、同じ浄化効率を保ちながら低電圧電力供給で作動し、かつグラスまたはボトル内の水を数秒間で浄化するのに、あるいは旅行先のあらゆる場所で栓に取り付けるのに使用できる、ポータブルな水浄化システムを提供することは、重要な進歩である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、電気分解の間に生成される水素の泡のサイズがオゾンの最終量に強く影響を及ぼすという発見に基づくものである。当該泡がより大きくなると、そこにより大量のオゾンが生成されるように導く泡の有効面積が増える。その結果、より効率の高い水の浄化が行われる。
実際、当該技術においてよく知られているように、水の電気分解は、アノード(陰極)の水素ガス(H2)を、カソード(陽極)にオキシダントを生成せしめる。電気分解槽において、アノードは外部発電機からの電流を受ける陽極であり、一方カソードは陰極である。
【0009】
オキシダントは、オゾンガス(O3)と、酸素ガス(O2)、ペルオキシターゼ、水酸化基、等を含む混合オキシダントとを含んでいる。H2及びO3間の接触は、水におけるO3の生成を増大するために、制限されなければならない。
かくして、アノードの表面の粗さは、同じ電圧の電流のもとで、滑らかな表面よりも高いオゾンの量の生成を可能にするということが発見された。
実際、粗い表面は水と接触する、より効率の高い表面を有し、かつ滑らかな表面によって通常生成されるより小さな水素の泡の合体によって、より大きな水素の泡の生成が可能となり、かくして、カソードに生成された水素の泡とオゾンのようなオキシダントとの間の反応表面を格段に低減する。
それ故に本発明の第1の目的は、水にオゾンを生成することによって水を浄化する装置ポータブル発生装置を提供することにある。本発明の装置は、以下を備えている:
【0010】
ハウジング;
前記ハウジングから前記水の中に延びるアノード及びカソードを備え、それぞれ水と接触するやや粗いもしく粗い表面を有する2つの電極、これら電極は第1のギャップにより分離されている;及び
前記電極に操作可能に接続され、電極間に電流を作る電位差を発生する電力供給装置。
【0011】
前記2つの電極は、板、孔のあいた板、ロッド、孔のあいたロッド、チューブ、孔のあいたチューブ、ワイヤ、孔のあいたワイヤ、またはメッシュ体とすることができる。
本発明の第1の態様において、2つの電極は平形であり、かつ互いに平行とすることができる。
本発明の第2の態様において、前記2つの電極の一方はロッド形の内側電極(i)であり、また前記2つの電極の他方は管形の外側電極(ii)である。前記外側電極(ii)は内側電極(i)を囲んでおり、そして水と接触する、内側及び/または外側のやや粗いまたは粗い表面を有している。
【0012】
好ましくは、該外側電極は複数の孔を備えており、より好ましくは、これらの孔が粗い縁を有している。
電気的接続の極性に従って、内側電極(i)はアノードとし、一方、外側電極(ii)はカソードとすることができる。逆に、内側電極(i)はカソードとし、一方、外側電極(ii)はアノードとすることができる。
【0013】
本発明に係る装置は、前記ハウジングから水の中へ延びると共に水と接触する粗い表面を有する第3の電極をさらに任意に備えることができる。この第3の電極は、第2のギャップによって前記2つの電極の一方と分離されている。この第3の電極は、カソードに近接して配置されたときにアノードであり、またはアノードに近接して配置されたときにカソードであることが理解されるべきである。
【0014】
前のパラグラフで上述した装置は、前記ハウジングから水の中へ延びると共に水と接触する粗い表面を有する第4の電極をさらに任意に備えることができる。この第4の電極は、第3のギャップによって前記2つの電極の一方と分離されている。ここでやはり、この第4の電極は、カソードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにアノードであり、またはアノードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにカソードであることが理解されるべきである。
【0015】
上述した本発明の第1の態様において、第3及び/または第4の電極は、やはり平形でありかつ該2つの電極に対して及び互いに平行である。
上述した本発明の第2の態様において、第3及び/または第4の電極は管形である。同第3の電極は、外側電極を囲んで配置されている。第4の電極は、第3の電極を囲んで配置されている。
【0016】
本発明は、オゾンの生成に用いられる電極の数に限定されるものでなく、4つ以上の電極を用いることができる。
本発明の第2の態様において、囲んでいる電極は、複数の孔を備えることができ、これによりギャップの内側から水素の泡が逃げ、かくしてH2とO3間の接触をさらに制限することができる。これらの孔は、H2の泡の合体を助けるように粗い縁を有することも可能である。
【0017】
結果として、電極間で生じる酸素と水素の望まない有害な反応が格段に低減され、より低い電圧の使用によるオゾンの高い生成及び極めて高い効率の水の浄化がもたらされる。
本発明に係るオゾン発生装置のアノード及びカソードは、好ましくは以下の材料で製造されまたはめっきされている:
−活性化されたまたは非活性状態のカーボンファイバまたはナノチューブ、
−周期表のコラム3乃至13(またいわゆるIB乃至VIIIB及びIIIB)から選択された金属群から選択された金属またはこれらの金属の合金。
【0018】
より好ましくは、カソードは、以下のような水素を吸着する金属または被覆物で製造または被覆されている:
−元素周期表のサブグループIIIB、IVB、VB、VIIBまたはVIIIBから、より好ましくはパラジウム、パラジウム合金、マグネシウム合金、及びチタニウム合金から選択された、しかしこれに限られない金属または合金
−特別に活性化されたカーボン、または
−当技術において知られている他の導電性または水素吸着材料。
【0019】
水素(H2)吸着物質は、水の中のH2の減少、そしてそれ故、より高濃度のオゾンにも関係する。好ましくは、該電極は、該吸着要素を再生することができる加熱要素と接触される。カソードの吸着要素を再生する別の方法は、電力供給との接続の極性を適切な時間の間、逆転することである。
本発明の好ましい実施例において、上述の第2の管形電極は、内側電極(i)及び少なくとも1つの外側電極(ii)の保護シェルとして作用することができる。
【0020】
上述の電極は、やや粗いまたは粗い表面を作り出すこれらの金属または合金で製造され、またはめっきされている。好ましくは、金属は、準貴金属または貴金属である。
上述のポータブル発生装置のハウジングは、導線を介して電力供給装置を組み込む、もしくは接続することができる。電力供給装置は、1つのバッテリ、複数のバッテリまたは外部電力が供給される変圧器とすることができる。前記電力供給装置は、本装置のハウジングまたは本装置の外部に取り付けられた、少なくともソーラパネル、タービンまたは同様のものとすることもできる。
【0021】
本発明の好ましい実施例において、本装置は、前記電力供給に操作可能に接続された超音波発生装置をさらに備えることができる。超音波は、本装置がしばらくの間使用された後で、前記電極の表面に存在する不純物を除去するのに役立つ。また超音波は、オゾンを含む生成された混合オキダントを水に溶かすのにも役立つ。
上述のように、そこに生成されたオゾンが水を浄化し、そして水を飲用可能にする。
【0022】
それ故に、本発明の第2の目的は、水を浄化するための上述のように定めた装置の使用法に関する。
好ましくは、前記定められたポータブルオゾン発生器は、グラス、ボトル、または水差しのような容器に収容された水を浄化するのに用いられる。
本発明に係る少なくとも1つのポータブルオゾン発生器は、浄化される水を出す栓に取り付けられるように適合することもできる。それ、もしくはそれらは、水を収容する1つまたは複数のタンクに装着することもできる。
【0023】
少なくとも1つの装置が、水の流入と流出を可能にするフィルタタイプハウジングの内側に装着され、まとめて一回ではなく、連続的に生じる水処理を可能にすることもできる。
本発明の第3の目的は、以下のステップを備えている水の浄化方法に関する:
a)浄化される水の中に、少なくとも1つポータブルオゾン発生装置を入れる;
b)前記電力供給装置をオンにする;及び
c)少なくともオゾン発生装置がオゾンを生成しそして水を浄化することができるための適切な時間待つ。
【0024】
この携帯可能なオゾン発生装置が、電力あるいは強さを有していることが理解されるべきである。この電力は、本装置の構成、例えば本装置のサイズ、電極の数、電極の特質、電流の電圧、または電極間の異なるギャップに依存する。
さらに、水の出所に依存する異なる質の水の異なる量を、処理することができる。
結果として、上述の定められた方法におけるステップ(c)で述べられた適切な時間は、本装置の電力及び強さ、浄化される水の量及び質に依存する。
【0025】
最終的に、上述の方法が、本発明に係る複数の装置を使用することによって、適用されることも可能である。これらの装置は、前記電力供給装置に対して独立していることも、同一の電力供給装置に接続されることも可能である。
上述のとおり、本発明は、電極の表面の凹凸が、より大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体をもたらすという発見に基づくものである。
【0026】
本発明の第2の態様において、内側のロッド状の電極を囲む、孔を有する孔付管であるとき、これら孔の縁の凹凸もまた、より大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体をもたらす。この管形の電極における孔の存在は、同電極の内側から水素の泡が逃げることを可能にする。
最終的に、異なる電極間の異なるギャップが、水素の泡の特別なサイズを最大化するために、電流によって作られる電極間の電位差の関数として最適化され、そしてそれ故そこでのオゾンの生成が最適化されることが可能である。
【0027】
本発明は、より大きな水素の泡を作り出しそしてそれ故に水素の泡とオキシダント間の反応表面を格段に低減することによって、電解液中に十分なオゾンと混合オキシダントを生成するのに要求される電流の電圧を低減する利点がある。したがって、本装置に電力を供給するのに用いられる電力供給は、バッテリ、ソーラパネルシステムまたは変圧器を用いたごく小さな電源のようにシンプルなものとすることができ、また本装置は、それ故に極めてハンディであり、特に水の質が悪くかつ電力供給が難しい国々で、使用したり、運ぶことも容易である。
【0028】
本発明は、その好ましい実施例の以下の非限定的な説明を、添付図面を参照して読むことによって、より良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
上述のとおり、本発明は、水にオゾンを生成することによって水を浄化する装置に関連し、好ましくはハンディかつ携帯可能である。
【0030】
I)板形電極を備えたポータブルオゾン発生装置
図1Aに示されるような、本発明の第1の態様において、本装置(1)は、好ましくは2つの電極(7及び9)に操作可能に接続された電気的結線(5)を有するハウジング(3)を備えている。両電極は、ハウジングから水(図示せず)及び電力供給装置(11−やはり通常の符号+及び−によって図示)に延びている。
【0031】
2つの電極(7,9)は、ロッドまたは平形であり、そして互いに平行である。これらはギャップ(13)により分離されている。
上述の平形の2つの電極は、図2に、より詳しく明らかであり、同図において、図1に示された当該装置が、浄化される水(18)を収容するボトル(15)に恒久的に装着されるように適合されている。
【0032】
同ボトルの底(19)は、電力供給装置(11)を収容する密封された分室(21)につながっている。図2に示されるように、該電力供給装置はバッテリとすることができる。それはまた、該ボトルの外部に装備された複数のバッテリ、変圧器またはシリコンソーラパネルとすることもできる。
図2に示されたように、該底は、飲用ニップル(25)を含むネック(23)を備えることもできる。該飲用ニップルは、粒状の活性化されたカーボンファイバ、カーボンブロック、薄膜フィルタ、樹脂等で製造されたフィルタ(27)を含むことができる。
【0033】
電力供給装置(11)は、アノード(7−陽極)及びカソード(9−陰極)に操作可能に接続され、両者の間に電流を作る電位差を発生する。上述したように、水の電気分解の技術において、水素ガス(H2)が該カソード(陰極)に作られ、またオキシダント(酸素、オゾン、過酸化物、水酸化物等)がアノード(陽極)に作られることが、よく知られている。
【0034】
板タイプの電極(7,9)は互いに向き合って、オゾン及びオキシダントをその場に生成する。好ましくは、両電極は、白金のメッシュ製のアノード及びカソードである。
図2に示される好ましい実施例において、2つの板状の電極(7,9)の間のギャップ(13)は、オゾン生成を高めるように最適化されている。該ギャップ(13)は、好ましくは、約1乃至5mmであり、より好ましくは、約2乃至3mmである。本発明のこの好ましい実施例に関連するデータは、以下の例1に紹介されている。
【0035】
本発明において述べられた用語“約”は、述べられたデータを計測するのに用いられるツールの精度に一般的に相当する。それは、±10%の精度に限定することができる。
図3に表されたグラフに示されるように、他の気体(例えば、He,Ne,O2,Ar,Kr,XeまたはRn)と比較において、水における水素の溶解度は、20°Cから30°Cに及ぶ範囲の温度では僅かのままである。結果として、加水分解の間にアノードによって形成される水素分子は、水に泡を形成する溶けにくい気体である。異なる特有のサイズを有する泡が、不可逆的に水の中に達して大気中に逃げる。
【0036】
本発明は、第1にまた最も重要なこととして我々に教示することは、電極間に十分な量のオゾンと混合オキシダントを生成するのに必要とする電圧を低減するために、水素ガスが以下の方法の1つまたは組み合わせにより除去されるべきであるということである。
A)上述のとおり、カソードに形成された水素は、やや粗いまたは粗い表面を有するカソードを用いてより大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体を促進することによって、除去することができる。これらのより大きな水素の泡は、複数の小さな泡よりも、格段に小さな結合された表面を有している。したがって、これらのより大きな水素の泡は、たとえ混合が起きたとしても、アノードで生成されるオゾン及び混合オキシダントとの反応が数桁小さい。換言すれば、これらのより大きな泡は、H2と水に存在するO2,O3または過酸化物、ヒドロキシル基のような他の混合オキダントとの有害な反応を少なくすることを可能にする。
【0037】
粗い表面は、機械的に、化学的エッチングにより、粗いメッキにより、または樹枝状めっき、またはこれらの処理の組み合せにより、製造することができる。
B)選択として、水素との接触は、導電性がありかつ多数の繊維または多孔質媒体の迷路を作る、カーボンファイバ、カーボンファイバの織物、活性化されたカーボンのフェルト、ワイヤメッシュまたは他の媒体で製造された薄膜を、電極に用いることによって、低減することができる。
【0038】
これらの薄膜は、本出願の図には示されていないが、より大きな泡の形成を促進し、そしてパートA)で上述した利点を生むものである。
代わりに用いることができる材料は、エポキシ含浸銅、金、パラジウム、ニッケルまたは白金、金、パラジウム、あるいは他の独立もしくは組み合せが被覆された金属パウダのような有機金属化合物を含む。
C)カソードに形成された水素は、水素吸着材料を用いて電極を製造あるいは電極をめっきすることによって、より好ましくはカソードをそうすることによって、取り除くことができる。これらの材料は以下のとおり:
−元素周期表のサブグループIIIB、IVB、VB、VIIIまたはIIIAから、パラジウム、パラジウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金及びアルミニウムから選択された、しかしこれに限られない金属または合金
−特別に活性化されたカーボン、または
−当技術において知られている他の導電性または水素吸着材料。
【0039】
この場合、カソードの再生は、時折必要とされることがあり、そして炎によりまたはカソードに埋め込まれたまたはカソードを取り囲む電気抵抗により、カソードを加熱することによって、成し遂げることが可能である(図1の符号17)。また両電極の極性を逆転することによって、所望の再生効果を生ずることができる。
D)最終的に、水素は、電極間のギャップを低減することによって取り除くことができ、これは、カソードとアノード間の小さなギャップにおける高いH2の水飽和のために、水素が水に溶ける量を少なくし、そしてH2ガスが、混合溶解オキシダントとの反応することなく逃げることを可能にすることによるものである。該ギャップは、電圧、電流及びカソードの周辺の孔を通る流れを関数として最適化し、水における溶解されたO2、O3及び混合オキシダントの含有量を最大化する。上述のように、H2は、O2、O3または混合オキシダントよりも、水に溶ける量が格段に小さいことは、よく知られている(図3参照)。
E)この最終ポイントは、図8乃至13に示されており、水素が、反応器(33)の外側に第2の電極(55)を用いることによって、さらに取り除くことができる。同第2の電極は、オゾンと混合オキシダントが生成される反応器から離れて生成された水素を引きつけるものである。図8乃至13に示されるように、この外側の電極(55)は、水を蓄え、かつ装置(1)を保護する目的をもつことも可能である。
【0040】
本特許出願の発明は、電極に関する別の構成を作ることにより本発明を完成される。そのような構成は、水における水素の低減に関する第6のポイントF)に通じる。
【0041】
II)ロッド及び管状電極を備えた携帯可能なオゾン発生装置
図4乃至13に示されるように、本発明の第2の態様において、携帯可能なオゾン発生装置は、ペンの形及びサイズを有することができる。それが、本装置が発明者により「OZOPEN」と名付けられている理由である。
【0042】
本装置(1)は、ロッド形状を有すると共にハウジング(3)から水の中へ延びている内側電極(31−図5に示されている)を備えている。内側電極(31)は、管状の形状を有すると共にハウジング(3)から水の中へ延びている外側電極(33)によって取り囲まれている。該内側及び外側電極は、ギャップ(35)により分離されている。内側及び外側電極は、反応器と呼ばれるものを形成することができる。
【0043】
上述のとおり、アノードとカソードとの間に小さなギャップを作ることは、より低い電圧及びエネルギ消費で、オゾン及び混合オキシダントのより効率的な電気分解による生成を可能にする。
内側電極(31)の表面は、粗く作られている。感情の外側電極(33)の内側及び外側表面は、やはり粗く作られている。この粗さの目的は、上述の方法A)において詳しく述べられている。
【0044】
上述のパートIで述べられた平形プレート形状の構成と比べて、管状の形状を有する電極は、本装置がそのハウジングの頂部と共に水に配置されたときに、反応器の内側に形成された水素の泡が逃げることが許容しない。それが、反応器の内側の水素を制限する以下の方法F)が発明者によって考案されている理由である。図4乃至13に示されるように、外側電極は、水素が反応器の内側から逃げることを可能にする複数の孔を有しており、それにより生成されたオゾン及び混合オキダントに対する低減効果を低減する。
【0045】
孔(37)は、当該ユニットの全長により、直径で数ミリメートルから数センチメートルの範囲である。穴の数は、やはり反応器のサイズによる。
さらに、孔の縁は、やはり粗く作られている。
電極の表面の凹凸及び孔の縁の凹凸は、やはりより大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体をもたらすということが理解されるべきである(方法A)。
【0046】
またさらに、外側電極の孔の存在は、反応器が水の中でハウジングの下にあるときに、水素が同反応器の内側から逃げることを可能にし、そしてこれにより、水素とオキシダント、特にオゾンとの接触の可能性を低減する。
最終的に、電極間のギャップは、水素の泡のサイズを最大化するために、電極間の電位差の関数として最適化される。
【0047】
発明者の実験室で行われ、そして例2で紹介された実験結果は、高い濃度のオゾンが、これらの原理に基づいて得ることができた。いくつかのケースにおいて、水1リットルに24VDCボルト及び1ADCアンペアを用いて1分後に1ppm(百万分率)であった。また例2で紹介されたように、水250mlに、直列に接続された2つの標準的なバッテリによって得られる電圧のような18ボルトVDCを用いて、数ミリアンペアの電流を供給することによって、6分後に1.5ppmの濃度のO3が達成された。
【0048】
本発明に係る装置は、DC電力供給、バッテリ、ソーラパワー、小型タービン、加熱された熱電対列、空気または水の流れによって駆動されるもの等により、電力を供給されることが可能である。
上述のとおり、内側電極(31)は、やはりやや粗くまたは粗く作ることができる。好ましくは、内側電極は、その表面に、同電極の水との有効な接触表面を増大する、微小凹凸を呈する。内側電極がアノードである場合、その凹凸は、オキシダント、特にオゾンの生成を増大する。
【0049】
この浄化装置は、好ましくは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、あるいは金(Au)からなる、または滑らかなもしくは粗いめっき、あるいは樹枝状めっきでめっきされたアノードを備えている。
図6に示された本発明の好ましい実施例において、本発明に係る装置は、オゾンやヒドロキシル基の生成を促進して細菌及びウィルスのような微生物を殺すために、1nm(遠紫外線光)から580nm(緑色光)の波長を有する光を発生するランプ(39)を収容することができる。ランプ(39)は、好ましくは、自身が孔付の管状のアノード(43)によって囲まれたチューブのような透明な水晶またはガラス容器(41)によって囲まれている。
【0050】
図7に示されるように、ランプ(43)は本装置(1)のハウジングの中に差し込むことも可能である。好ましくは、光を発生するのに用いられるランプは、LEDs(発光ダイオード)である。
光は例えば、接続された光学繊維または透明ガラスあるいは水晶製のロッドまたはチューブ(45)を介して反応器に導入される。光学繊維または透明ガラス(45)は、Lexan(登録商標)のような光吸収材料によって囲むことが可能である。
【0051】
図7に示される好ましい実施例において、孔付のアノード(47)は内側カソード(49)を囲んでいる。この特別なケースにおいて、内側電極(49)に水素が発生するので、水は、手動でまたは機械的に攪拌して水における接触時間を増やしかつオゾンと混合オキシダントの良好な配給を確実なものにすることができる。手動で攪拌により、使用者が浄化処理を高めるために単に浄化装置をグラスの水の中で揺り動かすことができるということが理解されるべきである。
【0052】
本発明に係るオゾン発生装置は、浄化される水の量に応じて数センチメートルから数メートルの長さとすることができる。容易に運ぶことができるように、本装置は好ましくはペンのサイズとすることができる。
図には示されていない、本発明の別の実施例において、アノードは圧力衝撃波を作るために十分な周波数の駆動される圧電性結晶に接続することができ、それにより水における酸素、オゾン及び混合オキシダントの溶解度を高めることができる。
【0053】
本発明に係る浄化装置は、圧力を増大する方法で装着することもでき、それにより水における酸素、オゾン及び混合オキシダントの溶解度を高めることができる。大きな水素の泡は、より高い圧力のためにサイズが縮小されるが、しかし高圧での水素の溶解度を低減するのに依然として十分な大きさのままである。
上述のすべては、アノードが外側に設けられかつカソードが装置の中心に設けられるような、逆のやり方で装備することができる(図7参照)。
【0054】
本発明の別の好ましい実施例は、総表面積を増大するようにアノードとカソードの多数の層から成り、それによりオゾン及び混合オキシダントの生成を最大化することである。
【0055】
III)蛇口に装備されるオゾン発生装置
図8乃至13に示されるように、本発明に係る水浄化装置は、そこから出ていく水を浄化するために、栓または蛇口の端部に直接または間接的に容易に装備することができる。
【0056】
本装置(1)は、蛇口(51)に取り付けられている。電気を利用するハウジング(3)は、電力供給装置(図示せず)及び電極に接続されている。外側電極(33)は、水が浄化される反応器(33)の役割をなす。加熱要素(17)は、電極の頂部に装備することができる。チューブ(53)は、反応器(33)の底部に固定されると共に浄化された水を浄化装置の外へ導くものであり(図8、9及び13)、あるいは反応器の頂部に固定される(図10乃至12)。
【0057】
本装置(1)は、H2の除去を高めるために、第2のフルパイプ式電極(55)によって囲まれている。水素の泡(57)は、反応器(33)の内側から該第2のフルパイプ式電極に向かって移動し、オゾンが発生される反応器の内側でのH2の凝縮を減少する。この第2電極(55)は、電極に対する保護シェルの役割もなす。
図8に示されるように、水は、反応器(33)の内部の室からアウトレットチューブ(53)を介して直接出ていくことができ、同内部の室では、オゾンがリッチな水が生成されると共に反応器(33)と外側ハウジング(55)の間に設けられたスペースに流れる水素がリッチな水と分離されている。この構成において、水素がリッチな水は、好ましくはハウジング(55)の底部に存在し、そしてドレイン(図示せず)へ捨てられる。浄化の目的のためには、そのような方法でオゾンがリッチな水が、水素を多く含む水と分離することが好ましいが、これは結果として、いくらか水の流れのロスになる。そのようなロスが好ましくない場合、オゾンがリッチな水及び水素がリッチな水の両方とも、同じ出口を介して排出することができる。(図9乃至13)
図10乃至13に示されるように、第2の電極(55)は、水タンクの役割をなす。このタンクは、装置を収容するタンク内へ水を供給する吸入パイプ(59)を介して蛇口(51)に接続されている。
【0058】
図9に示されるように、第2の電極(55)の底は、リザーバ(61)にも接続することができる。好ましくはこのリザーバは、そこから固体の有機または無機微粒子を除去することによって水の浄化を高めるために、フィルタ(63)を含んでいる。同フィルタは、出口チューブ(53)の内側に装備し、そして粒状活性化カーボン、カーボンブロック、薄膜フィルタ、樹脂等により製造することができる。
【0059】
本装置がペンのサイズのような小さなサイズを有している場合、それはかばんに入れて容易に運ぶことができるし、もし使用者が水に細菌やばい菌が含まれていると思うならば、必要とされるいかなる場所でも、例えばホテルの部屋の蛇口に装着することができる。この設計原理は、アフリカの農村に設けられるような、深堀井戸の公共水源から出てくる水の浄化に適用することができる。
【0060】
本装置は、水の入り口または蛇口の方向に応じて、どちらの方向にも装備することができる。
本発明は、その好ましい実施例によってここに説明したが、この好ましい実施例に対する添付請求項の範囲内でのいかなる変更も、本発明の本質及び範囲を変えるものとは判断されないということが指摘されるべきである。
【0061】
IV)例
例1
以下の例は、図2に示されており、互いに向き合った2つの板状電極が、ボトル内に装着されている。電極の大きさは、それぞれ3.5cm×4.0cmである。両電極間のギャップは、2乃至3mmである。両電極はボトルの底に固定され、同ボトムは、それぞれ9Vの電圧を有する3つのバッテリを収容する分室に固定されている。
【0062】
ボトルは、469TDSを有する500mlの水を収容する。
TDSは、“全溶解固形物”を意味する。“溶解固形物”により、あらゆる無機物、塩、金属、カチオンまたはアニオンが水に溶解されていることが理解されるべきである。これは、純粋な水(H2O)分子及び浮遊物質以外の、水に存在するあらゆるものを含む。浮遊物質は、木材パルプのような、水にとけない、あるいは沈澱しない、あらゆる微粒子/物質である。一般に、全溶解固形物の濃度は、水中のカチオン(要電気を帯電)の合計と、アニアン(陰電気を帯電)の合計である。
【0063】
1分後、水中のオゾン(O3)の濃度は約0.55ppmである。
5分後、オゾン濃度は約1.1ppmであり、ボトルの水を浄化するのに十分である。
O3の濃度の計測は、HACH DPD O3テスト用具でなされる。
例2:
細菌学上のテストは、水浄化用ポータブルオゾン発生装置が細菌や大腸菌群を除去し、そして水を飲用可能にするのに有効であるということを証明するために行われた。
【0064】
装置の説明
以下のテストで用いられる水浄化用のポータブルオゾン発生装置は、本発明の好ましい実施例であり、以後“OZOPEN” と称する。OZOPENは、2つの9Vバッテリ、 つまり合計18Vによって駆動され、そして以下の特徴を有している;
−白金でめっきされたメッシュの内側アノード
−白金でめっきされたメッシュの外側カソード
−外部アルミニウムボデーがカソードの近くに配置され、この外部ボデーは、カソードに生成された水素の泡の合体を助け、そして水素の泡がOZOPENの外へ逃げることを助けるために、表面の粗い孔を有している。
【0065】
ここで用いられているOZOPENは、加熱要素を有していない。
以下の表1は、用いられたOZOPENの性能を示している。この表は、450ppmのTDSを有する250mlボトルの水のサンプルについて、時間(分)を関数として、OZOPENによって生成されたオゾンの濃度に対応する。
【0066】
【表1】
【0067】
水の説明
異なるタイプの水が試験された:
i)汚水: この研究に用いられた下水は、国内の廃棄物源から生じたものである。1リットルの水が収集され、そして本研究で実行されるすべての試験において未処理の水として用いられた。これは、結果の一貫性を確実にするためになされた。
ii)市販水: 市販されているボトル水が、細菌学及び大腸菌群の分析の対照として用いられた。Nestle法人製の登録商標Pure Life(シリアルナンバ:012707 7027WF0004、2120BESTBY01/2009)
【0068】
細菌及び大腸菌群のテスト用具
市販テスト用具がこの研究において用いられ、OZOPENの効果を照合した。
i)細菌試験片: BioSan Laboratories Inc,製の登録商標SaniCheck
試験されるパラメータ: 好気性細菌全体
表示: 24−36時間の潜伏期間後に試験片にピンク/赤のドットが現れたならば、サンプルは好気性細菌を含んでいる。
ii)大腸菌群テスト: Rain Water Filter製の登録商標Water Check
試験されるパラメータ: 大腸菌を含む大腸菌群。
表示: サンプルは大腸菌群を含む。60時間の潜伏期間後に、サンプルの緑がかった/青い色は、サンプルに大腸菌群の存在を示す。
【0069】
テスト手順
テスト1: サンプルは、ガラス製ビーカに入れられた250ミリリットルの汚水溶液である。サンプルは、OZOPENを用いて1分間オゾン化された。サンプルは、テスト用具の使用説明書により細菌及び大腸菌群についてテストされた。
テスト2: サンプルは、ガラス製ビーカに入れられた250ミリリットルの汚水溶液である。サンプルは、5分間オゾン化され、そしてテスト用具の使用説明書により細菌及び大腸菌群についてテストされた。なお、汚水のTDSレベルは450ppmであった。
結果:
【0070】
【表2】
【0071】
オゾン化されたサンプルがボトル水のサンプルと比較されるとき、テストは、OZOPENが、1分のオゾン化の後、汚水から大腸菌群を完全に除去できることを示している。しかしながら、いくらかの好気性細菌が残っていることが示される。5分のオゾン化の後、大腸菌群及び細菌の両方とも除去され、250ミリリットルの汚水サンプルを飲用可能にしている。
【0072】
結論として、これらのテストは、OZOPENが細菌及び大腸菌群を除去できることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の態様に係る、水浄化装置の概略側面図である(板形電極)。
【図2】図1に示される本発明の第1の態様に係る、水を収容するボトルの中に恒久的に取り付けられた水浄化装置の斜視図である。
【図3】(先行技術)2つの異なる温度の水における異なる気体の溶解度を示すグラフである(20°C四角及び30°C三角)。
【図4】本発明の第2の態様に係る水浄化装置の全体概略図である(管形電極)。
【図5】本発明の第1の好ましい実施例に係る、図4に示される水浄化装置の縦断面図である。
【図6】本発明の第2の好ましい実施例に係る、図4に示される水浄化装置の縦断面図である。
【図7】本発明の第3の好ましい実施例に係る、図4に示される水浄化装置の縦断面図である。
【図8】異なる構成の栓に取り付けられるように適合された、図4に示されるような本発明の水浄化装置の全体概略図である。
【図9】異なる構成の栓に取り付けられるように適合された、図4に示されるような本発明の水浄化装置の全体概略図である。
【図10】異なる構成の栓に取り付けられるように適合された、図4に示されるような本発明の水浄化装置の全体概略図である。
【図11】異なる構成の栓に取り付けられるように適合された、図4に示されるような本発明の水浄化装置の全体概略図である。
【図12】図6に示されかつテープに取り付けられた装置の縦断面図である。
【図13】図7に示されかつ栓に取り付けられた装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 オゾン発生装置
3 ハウジング
7,9 電極
11 電力供給装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、水から多様な汚染物質、特に、細菌やウィルスに加え、有機汚染物質を除去し、そしてその水を飲用可能とするために、水にその場でオゾンを発生させる携帯可能な装置に関する。
言い換えれば、本発明は、極めて低電圧の電流によって作動可能であり、それ故に容易に携帯できる水浄化装置に関連する。さらに、この浄化装置は、その目的に合うようなサイズで製造することが可能であり、つまり、その設計の原理は、大きな水処理の用途にも適用することができる。例えば、この浄化装置は、ペンのように小さくてグラスの水の中に直接入れることができる。この浄化装置は、またあらゆる種類の栓に取り付けられるように適合することもできる。また、多くの装置が、水を浄化する一連の大きなタンクに装着されることも可能である。
【0002】
本発明は、水の浄化に限らず、フルーツジュース、ミルクあるいは乳製品の液体、ティー、コーヒーなどのような、水分を含むあらゆる液体溶液に適切である。
【背景技術】
【0003】
塩素や他の化学物質を使用することなく水の浄化を行うために、殺菌剤としてオゾン(O3)を使用することは、当技術分野においてよく知られている。オゾンは、通常媒体(水)の外側で用意され、その後インジェクタまたは接触柱における泡立たせの手段により、水の内部に噴射される。そのような方法は、多くの装置の使用を必要とするため、プロセスが大きくて扱いにくくまた高価である。
【0004】
電気分解によるオゾン(O3)の製造は、19世紀よりよく知られているプロセスである。例証として、米国特許5,250,177及び5,154,895は、電気分解によってオゾンを発生する装置を開示している。そのように発生されたオゾンは、その後水の浄化に用いられる。米国特許4,728,441は、電気分解によって発生された酸素からオゾンが製造される装置を開示している。しかしながら、そのように発生されたオゾンは、当該装置の外で回収されかつ用いられる。米国特許4,416,747;5,205,994;5,686,051;5,203,972及び5,779,865は、固体の電解質を用いてオゾンを製造する装置を開示している。米国特許3,623,970は水の電気分解によってオゾンの流れを製造する装置、及びそのように製造された酸素のオゾンへの転化を開示している。
【0005】
また当技術分野において、米国特許4,189,363(BEINTZEL)及び4,992,169(IZUMIYA)に示されるように、オゾンが紫外線によって製造され得ることが知られている。
さらに、米国特許5,266,215(ENGELHARD)に示されるように、紫外線を用いて微生物を破壊する装置の効果は、オゾンが浄化される水と混合される場合、高められることが知られている。
【0006】
米国特許5,151,252(MASS)には、光反応物組成で汚染された流体の処理用の光化学反応器が開示されている。この特許は、当該反応領域における反応器の壁が、最初の光化学反応によって製造された反応生成物と共に起こる二次反応の割合を増大するために、触媒で被覆され得ることを開示している。
薄膜を備えた塩橋は、カソードに生成された水素から、アノードの周辺に生成されたオゾン、酸素及び混合オキシダントを分けるのに用いられていた。白金(Pt)ワイヤがアノードとしてまたカソードとして用いられていた。薄膜分離のアイデアは、米国特許6,180,014(SALAMA)において本発明者により説明されかつ改良された。そのアイデアは、十分なオゾン生成物を得るために、以下に説明する新発明装置よりも比較的高い電圧が用いられていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それにもかかわらず、水浄化システムは一般に大型の装置であり、運んだり、装着しそし持ち歩くのは容易ではない。
それ故に、水浄化システムの技術において、同じ浄化効率を保ちながら低電圧電力供給で作動し、かつグラスまたはボトル内の水を数秒間で浄化するのに、あるいは旅行先のあらゆる場所で栓に取り付けるのに使用できる、ポータブルな水浄化システムを提供することは、重要な進歩である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、電気分解の間に生成される水素の泡のサイズがオゾンの最終量に強く影響を及ぼすという発見に基づくものである。当該泡がより大きくなると、そこにより大量のオゾンが生成されるように導く泡の有効面積が増える。その結果、より効率の高い水の浄化が行われる。
実際、当該技術においてよく知られているように、水の電気分解は、アノード(陰極)の水素ガス(H2)を、カソード(陽極)にオキシダントを生成せしめる。電気分解槽において、アノードは外部発電機からの電流を受ける陽極であり、一方カソードは陰極である。
【0009】
オキシダントは、オゾンガス(O3)と、酸素ガス(O2)、ペルオキシターゼ、水酸化基、等を含む混合オキシダントとを含んでいる。H2及びO3間の接触は、水におけるO3の生成を増大するために、制限されなければならない。
かくして、アノードの表面の粗さは、同じ電圧の電流のもとで、滑らかな表面よりも高いオゾンの量の生成を可能にするということが発見された。
実際、粗い表面は水と接触する、より効率の高い表面を有し、かつ滑らかな表面によって通常生成されるより小さな水素の泡の合体によって、より大きな水素の泡の生成が可能となり、かくして、カソードに生成された水素の泡とオゾンのようなオキシダントとの間の反応表面を格段に低減する。
それ故に本発明の第1の目的は、水にオゾンを生成することによって水を浄化する装置ポータブル発生装置を提供することにある。本発明の装置は、以下を備えている:
【0010】
ハウジング;
前記ハウジングから前記水の中に延びるアノード及びカソードを備え、それぞれ水と接触するやや粗いもしく粗い表面を有する2つの電極、これら電極は第1のギャップにより分離されている;及び
前記電極に操作可能に接続され、電極間に電流を作る電位差を発生する電力供給装置。
【0011】
前記2つの電極は、板、孔のあいた板、ロッド、孔のあいたロッド、チューブ、孔のあいたチューブ、ワイヤ、孔のあいたワイヤ、またはメッシュ体とすることができる。
本発明の第1の態様において、2つの電極は平形であり、かつ互いに平行とすることができる。
本発明の第2の態様において、前記2つの電極の一方はロッド形の内側電極(i)であり、また前記2つの電極の他方は管形の外側電極(ii)である。前記外側電極(ii)は内側電極(i)を囲んでおり、そして水と接触する、内側及び/または外側のやや粗いまたは粗い表面を有している。
【0012】
好ましくは、該外側電極は複数の孔を備えており、より好ましくは、これらの孔が粗い縁を有している。
電気的接続の極性に従って、内側電極(i)はアノードとし、一方、外側電極(ii)はカソードとすることができる。逆に、内側電極(i)はカソードとし、一方、外側電極(ii)はアノードとすることができる。
【0013】
本発明に係る装置は、前記ハウジングから水の中へ延びると共に水と接触する粗い表面を有する第3の電極をさらに任意に備えることができる。この第3の電極は、第2のギャップによって前記2つの電極の一方と分離されている。この第3の電極は、カソードに近接して配置されたときにアノードであり、またはアノードに近接して配置されたときにカソードであることが理解されるべきである。
【0014】
前のパラグラフで上述した装置は、前記ハウジングから水の中へ延びると共に水と接触する粗い表面を有する第4の電極をさらに任意に備えることができる。この第4の電極は、第3のギャップによって前記2つの電極の一方と分離されている。ここでやはり、この第4の電極は、カソードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにアノードであり、またはアノードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにカソードであることが理解されるべきである。
【0015】
上述した本発明の第1の態様において、第3及び/または第4の電極は、やはり平形でありかつ該2つの電極に対して及び互いに平行である。
上述した本発明の第2の態様において、第3及び/または第4の電極は管形である。同第3の電極は、外側電極を囲んで配置されている。第4の電極は、第3の電極を囲んで配置されている。
【0016】
本発明は、オゾンの生成に用いられる電極の数に限定されるものでなく、4つ以上の電極を用いることができる。
本発明の第2の態様において、囲んでいる電極は、複数の孔を備えることができ、これによりギャップの内側から水素の泡が逃げ、かくしてH2とO3間の接触をさらに制限することができる。これらの孔は、H2の泡の合体を助けるように粗い縁を有することも可能である。
【0017】
結果として、電極間で生じる酸素と水素の望まない有害な反応が格段に低減され、より低い電圧の使用によるオゾンの高い生成及び極めて高い効率の水の浄化がもたらされる。
本発明に係るオゾン発生装置のアノード及びカソードは、好ましくは以下の材料で製造されまたはめっきされている:
−活性化されたまたは非活性状態のカーボンファイバまたはナノチューブ、
−周期表のコラム3乃至13(またいわゆるIB乃至VIIIB及びIIIB)から選択された金属群から選択された金属またはこれらの金属の合金。
【0018】
より好ましくは、カソードは、以下のような水素を吸着する金属または被覆物で製造または被覆されている:
−元素周期表のサブグループIIIB、IVB、VB、VIIBまたはVIIIBから、より好ましくはパラジウム、パラジウム合金、マグネシウム合金、及びチタニウム合金から選択された、しかしこれに限られない金属または合金
−特別に活性化されたカーボン、または
−当技術において知られている他の導電性または水素吸着材料。
【0019】
水素(H2)吸着物質は、水の中のH2の減少、そしてそれ故、より高濃度のオゾンにも関係する。好ましくは、該電極は、該吸着要素を再生することができる加熱要素と接触される。カソードの吸着要素を再生する別の方法は、電力供給との接続の極性を適切な時間の間、逆転することである。
本発明の好ましい実施例において、上述の第2の管形電極は、内側電極(i)及び少なくとも1つの外側電極(ii)の保護シェルとして作用することができる。
【0020】
上述の電極は、やや粗いまたは粗い表面を作り出すこれらの金属または合金で製造され、またはめっきされている。好ましくは、金属は、準貴金属または貴金属である。
上述のポータブル発生装置のハウジングは、導線を介して電力供給装置を組み込む、もしくは接続することができる。電力供給装置は、1つのバッテリ、複数のバッテリまたは外部電力が供給される変圧器とすることができる。前記電力供給装置は、本装置のハウジングまたは本装置の外部に取り付けられた、少なくともソーラパネル、タービンまたは同様のものとすることもできる。
【0021】
本発明の好ましい実施例において、本装置は、前記電力供給に操作可能に接続された超音波発生装置をさらに備えることができる。超音波は、本装置がしばらくの間使用された後で、前記電極の表面に存在する不純物を除去するのに役立つ。また超音波は、オゾンを含む生成された混合オキダントを水に溶かすのにも役立つ。
上述のように、そこに生成されたオゾンが水を浄化し、そして水を飲用可能にする。
【0022】
それ故に、本発明の第2の目的は、水を浄化するための上述のように定めた装置の使用法に関する。
好ましくは、前記定められたポータブルオゾン発生器は、グラス、ボトル、または水差しのような容器に収容された水を浄化するのに用いられる。
本発明に係る少なくとも1つのポータブルオゾン発生器は、浄化される水を出す栓に取り付けられるように適合することもできる。それ、もしくはそれらは、水を収容する1つまたは複数のタンクに装着することもできる。
【0023】
少なくとも1つの装置が、水の流入と流出を可能にするフィルタタイプハウジングの内側に装着され、まとめて一回ではなく、連続的に生じる水処理を可能にすることもできる。
本発明の第3の目的は、以下のステップを備えている水の浄化方法に関する:
a)浄化される水の中に、少なくとも1つポータブルオゾン発生装置を入れる;
b)前記電力供給装置をオンにする;及び
c)少なくともオゾン発生装置がオゾンを生成しそして水を浄化することができるための適切な時間待つ。
【0024】
この携帯可能なオゾン発生装置が、電力あるいは強さを有していることが理解されるべきである。この電力は、本装置の構成、例えば本装置のサイズ、電極の数、電極の特質、電流の電圧、または電極間の異なるギャップに依存する。
さらに、水の出所に依存する異なる質の水の異なる量を、処理することができる。
結果として、上述の定められた方法におけるステップ(c)で述べられた適切な時間は、本装置の電力及び強さ、浄化される水の量及び質に依存する。
【0025】
最終的に、上述の方法が、本発明に係る複数の装置を使用することによって、適用されることも可能である。これらの装置は、前記電力供給装置に対して独立していることも、同一の電力供給装置に接続されることも可能である。
上述のとおり、本発明は、電極の表面の凹凸が、より大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体をもたらすという発見に基づくものである。
【0026】
本発明の第2の態様において、内側のロッド状の電極を囲む、孔を有する孔付管であるとき、これら孔の縁の凹凸もまた、より大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体をもたらす。この管形の電極における孔の存在は、同電極の内側から水素の泡が逃げることを可能にする。
最終的に、異なる電極間の異なるギャップが、水素の泡の特別なサイズを最大化するために、電流によって作られる電極間の電位差の関数として最適化され、そしてそれ故そこでのオゾンの生成が最適化されることが可能である。
【0027】
本発明は、より大きな水素の泡を作り出しそしてそれ故に水素の泡とオキシダント間の反応表面を格段に低減することによって、電解液中に十分なオゾンと混合オキシダントを生成するのに要求される電流の電圧を低減する利点がある。したがって、本装置に電力を供給するのに用いられる電力供給は、バッテリ、ソーラパネルシステムまたは変圧器を用いたごく小さな電源のようにシンプルなものとすることができ、また本装置は、それ故に極めてハンディであり、特に水の質が悪くかつ電力供給が難しい国々で、使用したり、運ぶことも容易である。
【0028】
本発明は、その好ましい実施例の以下の非限定的な説明を、添付図面を参照して読むことによって、より良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
上述のとおり、本発明は、水にオゾンを生成することによって水を浄化する装置に関連し、好ましくはハンディかつ携帯可能である。
【0030】
I)板形電極を備えたポータブルオゾン発生装置
図1Aに示されるような、本発明の第1の態様において、本装置(1)は、好ましくは2つの電極(7及び9)に操作可能に接続された電気的結線(5)を有するハウジング(3)を備えている。両電極は、ハウジングから水(図示せず)及び電力供給装置(11−やはり通常の符号+及び−によって図示)に延びている。
【0031】
2つの電極(7,9)は、ロッドまたは平形であり、そして互いに平行である。これらはギャップ(13)により分離されている。
上述の平形の2つの電極は、図2に、より詳しく明らかであり、同図において、図1に示された当該装置が、浄化される水(18)を収容するボトル(15)に恒久的に装着されるように適合されている。
【0032】
同ボトルの底(19)は、電力供給装置(11)を収容する密封された分室(21)につながっている。図2に示されるように、該電力供給装置はバッテリとすることができる。それはまた、該ボトルの外部に装備された複数のバッテリ、変圧器またはシリコンソーラパネルとすることもできる。
図2に示されたように、該底は、飲用ニップル(25)を含むネック(23)を備えることもできる。該飲用ニップルは、粒状の活性化されたカーボンファイバ、カーボンブロック、薄膜フィルタ、樹脂等で製造されたフィルタ(27)を含むことができる。
【0033】
電力供給装置(11)は、アノード(7−陽極)及びカソード(9−陰極)に操作可能に接続され、両者の間に電流を作る電位差を発生する。上述したように、水の電気分解の技術において、水素ガス(H2)が該カソード(陰極)に作られ、またオキシダント(酸素、オゾン、過酸化物、水酸化物等)がアノード(陽極)に作られることが、よく知られている。
【0034】
板タイプの電極(7,9)は互いに向き合って、オゾン及びオキシダントをその場に生成する。好ましくは、両電極は、白金のメッシュ製のアノード及びカソードである。
図2に示される好ましい実施例において、2つの板状の電極(7,9)の間のギャップ(13)は、オゾン生成を高めるように最適化されている。該ギャップ(13)は、好ましくは、約1乃至5mmであり、より好ましくは、約2乃至3mmである。本発明のこの好ましい実施例に関連するデータは、以下の例1に紹介されている。
【0035】
本発明において述べられた用語“約”は、述べられたデータを計測するのに用いられるツールの精度に一般的に相当する。それは、±10%の精度に限定することができる。
図3に表されたグラフに示されるように、他の気体(例えば、He,Ne,O2,Ar,Kr,XeまたはRn)と比較において、水における水素の溶解度は、20°Cから30°Cに及ぶ範囲の温度では僅かのままである。結果として、加水分解の間にアノードによって形成される水素分子は、水に泡を形成する溶けにくい気体である。異なる特有のサイズを有する泡が、不可逆的に水の中に達して大気中に逃げる。
【0036】
本発明は、第1にまた最も重要なこととして我々に教示することは、電極間に十分な量のオゾンと混合オキシダントを生成するのに必要とする電圧を低減するために、水素ガスが以下の方法の1つまたは組み合わせにより除去されるべきであるということである。
A)上述のとおり、カソードに形成された水素は、やや粗いまたは粗い表面を有するカソードを用いてより大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体を促進することによって、除去することができる。これらのより大きな水素の泡は、複数の小さな泡よりも、格段に小さな結合された表面を有している。したがって、これらのより大きな水素の泡は、たとえ混合が起きたとしても、アノードで生成されるオゾン及び混合オキシダントとの反応が数桁小さい。換言すれば、これらのより大きな泡は、H2と水に存在するO2,O3または過酸化物、ヒドロキシル基のような他の混合オキダントとの有害な反応を少なくすることを可能にする。
【0037】
粗い表面は、機械的に、化学的エッチングにより、粗いメッキにより、または樹枝状めっき、またはこれらの処理の組み合せにより、製造することができる。
B)選択として、水素との接触は、導電性がありかつ多数の繊維または多孔質媒体の迷路を作る、カーボンファイバ、カーボンファイバの織物、活性化されたカーボンのフェルト、ワイヤメッシュまたは他の媒体で製造された薄膜を、電極に用いることによって、低減することができる。
【0038】
これらの薄膜は、本出願の図には示されていないが、より大きな泡の形成を促進し、そしてパートA)で上述した利点を生むものである。
代わりに用いることができる材料は、エポキシ含浸銅、金、パラジウム、ニッケルまたは白金、金、パラジウム、あるいは他の独立もしくは組み合せが被覆された金属パウダのような有機金属化合物を含む。
C)カソードに形成された水素は、水素吸着材料を用いて電極を製造あるいは電極をめっきすることによって、より好ましくはカソードをそうすることによって、取り除くことができる。これらの材料は以下のとおり:
−元素周期表のサブグループIIIB、IVB、VB、VIIIまたはIIIAから、パラジウム、パラジウム合金、マグネシウム合金、チタニウム合金及びアルミニウムから選択された、しかしこれに限られない金属または合金
−特別に活性化されたカーボン、または
−当技術において知られている他の導電性または水素吸着材料。
【0039】
この場合、カソードの再生は、時折必要とされることがあり、そして炎によりまたはカソードに埋め込まれたまたはカソードを取り囲む電気抵抗により、カソードを加熱することによって、成し遂げることが可能である(図1の符号17)。また両電極の極性を逆転することによって、所望の再生効果を生ずることができる。
D)最終的に、水素は、電極間のギャップを低減することによって取り除くことができ、これは、カソードとアノード間の小さなギャップにおける高いH2の水飽和のために、水素が水に溶ける量を少なくし、そしてH2ガスが、混合溶解オキシダントとの反応することなく逃げることを可能にすることによるものである。該ギャップは、電圧、電流及びカソードの周辺の孔を通る流れを関数として最適化し、水における溶解されたO2、O3及び混合オキシダントの含有量を最大化する。上述のように、H2は、O2、O3または混合オキシダントよりも、水に溶ける量が格段に小さいことは、よく知られている(図3参照)。
E)この最終ポイントは、図8乃至13に示されており、水素が、反応器(33)の外側に第2の電極(55)を用いることによって、さらに取り除くことができる。同第2の電極は、オゾンと混合オキシダントが生成される反応器から離れて生成された水素を引きつけるものである。図8乃至13に示されるように、この外側の電極(55)は、水を蓄え、かつ装置(1)を保護する目的をもつことも可能である。
【0040】
本特許出願の発明は、電極に関する別の構成を作ることにより本発明を完成される。そのような構成は、水における水素の低減に関する第6のポイントF)に通じる。
【0041】
II)ロッド及び管状電極を備えた携帯可能なオゾン発生装置
図4乃至13に示されるように、本発明の第2の態様において、携帯可能なオゾン発生装置は、ペンの形及びサイズを有することができる。それが、本装置が発明者により「OZOPEN」と名付けられている理由である。
【0042】
本装置(1)は、ロッド形状を有すると共にハウジング(3)から水の中へ延びている内側電極(31−図5に示されている)を備えている。内側電極(31)は、管状の形状を有すると共にハウジング(3)から水の中へ延びている外側電極(33)によって取り囲まれている。該内側及び外側電極は、ギャップ(35)により分離されている。内側及び外側電極は、反応器と呼ばれるものを形成することができる。
【0043】
上述のとおり、アノードとカソードとの間に小さなギャップを作ることは、より低い電圧及びエネルギ消費で、オゾン及び混合オキシダントのより効率的な電気分解による生成を可能にする。
内側電極(31)の表面は、粗く作られている。感情の外側電極(33)の内側及び外側表面は、やはり粗く作られている。この粗さの目的は、上述の方法A)において詳しく述べられている。
【0044】
上述のパートIで述べられた平形プレート形状の構成と比べて、管状の形状を有する電極は、本装置がそのハウジングの頂部と共に水に配置されたときに、反応器の内側に形成された水素の泡が逃げることが許容しない。それが、反応器の内側の水素を制限する以下の方法F)が発明者によって考案されている理由である。図4乃至13に示されるように、外側電極は、水素が反応器の内側から逃げることを可能にする複数の孔を有しており、それにより生成されたオゾン及び混合オキダントに対する低減効果を低減する。
【0045】
孔(37)は、当該ユニットの全長により、直径で数ミリメートルから数センチメートルの範囲である。穴の数は、やはり反応器のサイズによる。
さらに、孔の縁は、やはり粗く作られている。
電極の表面の凹凸及び孔の縁の凹凸は、やはりより大きな水素の泡になる小さな水素の泡の合体をもたらすということが理解されるべきである(方法A)。
【0046】
またさらに、外側電極の孔の存在は、反応器が水の中でハウジングの下にあるときに、水素が同反応器の内側から逃げることを可能にし、そしてこれにより、水素とオキシダント、特にオゾンとの接触の可能性を低減する。
最終的に、電極間のギャップは、水素の泡のサイズを最大化するために、電極間の電位差の関数として最適化される。
【0047】
発明者の実験室で行われ、そして例2で紹介された実験結果は、高い濃度のオゾンが、これらの原理に基づいて得ることができた。いくつかのケースにおいて、水1リットルに24VDCボルト及び1ADCアンペアを用いて1分後に1ppm(百万分率)であった。また例2で紹介されたように、水250mlに、直列に接続された2つの標準的なバッテリによって得られる電圧のような18ボルトVDCを用いて、数ミリアンペアの電流を供給することによって、6分後に1.5ppmの濃度のO3が達成された。
【0048】
本発明に係る装置は、DC電力供給、バッテリ、ソーラパワー、小型タービン、加熱された熱電対列、空気または水の流れによって駆動されるもの等により、電力を供給されることが可能である。
上述のとおり、内側電極(31)は、やはりやや粗くまたは粗く作ることができる。好ましくは、内側電極は、その表面に、同電極の水との有効な接触表面を増大する、微小凹凸を呈する。内側電極がアノードである場合、その凹凸は、オキシダント、特にオゾンの生成を増大する。
【0049】
この浄化装置は、好ましくは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、あるいは金(Au)からなる、または滑らかなもしくは粗いめっき、あるいは樹枝状めっきでめっきされたアノードを備えている。
図6に示された本発明の好ましい実施例において、本発明に係る装置は、オゾンやヒドロキシル基の生成を促進して細菌及びウィルスのような微生物を殺すために、1nm(遠紫外線光)から580nm(緑色光)の波長を有する光を発生するランプ(39)を収容することができる。ランプ(39)は、好ましくは、自身が孔付の管状のアノード(43)によって囲まれたチューブのような透明な水晶またはガラス容器(41)によって囲まれている。
【0050】
図7に示されるように、ランプ(43)は本装置(1)のハウジングの中に差し込むことも可能である。好ましくは、光を発生するのに用いられるランプは、LEDs(発光ダイオード)である。
光は例えば、接続された光学繊維または透明ガラスあるいは水晶製のロッドまたはチューブ(45)を介して反応器に導入される。光学繊維または透明ガラス(45)は、Lexan(登録商標)のような光吸収材料によって囲むことが可能である。
【0051】
図7に示される好ましい実施例において、孔付のアノード(47)は内側カソード(49)を囲んでいる。この特別なケースにおいて、内側電極(49)に水素が発生するので、水は、手動でまたは機械的に攪拌して水における接触時間を増やしかつオゾンと混合オキシダントの良好な配給を確実なものにすることができる。手動で攪拌により、使用者が浄化処理を高めるために単に浄化装置をグラスの水の中で揺り動かすことができるということが理解されるべきである。
【0052】
本発明に係るオゾン発生装置は、浄化される水の量に応じて数センチメートルから数メートルの長さとすることができる。容易に運ぶことができるように、本装置は好ましくはペンのサイズとすることができる。
図には示されていない、本発明の別の実施例において、アノードは圧力衝撃波を作るために十分な周波数の駆動される圧電性結晶に接続することができ、それにより水における酸素、オゾン及び混合オキシダントの溶解度を高めることができる。
【0053】
本発明に係る浄化装置は、圧力を増大する方法で装着することもでき、それにより水における酸素、オゾン及び混合オキシダントの溶解度を高めることができる。大きな水素の泡は、より高い圧力のためにサイズが縮小されるが、しかし高圧での水素の溶解度を低減するのに依然として十分な大きさのままである。
上述のすべては、アノードが外側に設けられかつカソードが装置の中心に設けられるような、逆のやり方で装備することができる(図7参照)。
【0054】
本発明の別の好ましい実施例は、総表面積を増大するようにアノードとカソードの多数の層から成り、それによりオゾン及び混合オキシダントの生成を最大化することである。
【0055】
III)蛇口に装備されるオゾン発生装置
図8乃至13に示されるように、本発明に係る水浄化装置は、そこから出ていく水を浄化するために、栓または蛇口の端部に直接または間接的に容易に装備することができる。
【0056】
本装置(1)は、蛇口(51)に取り付けられている。電気を利用するハウジング(3)は、電力供給装置(図示せず)及び電極に接続されている。外側電極(33)は、水が浄化される反応器(33)の役割をなす。加熱要素(17)は、電極の頂部に装備することができる。チューブ(53)は、反応器(33)の底部に固定されると共に浄化された水を浄化装置の外へ導くものであり(図8、9及び13)、あるいは反応器の頂部に固定される(図10乃至12)。
【0057】
本装置(1)は、H2の除去を高めるために、第2のフルパイプ式電極(55)によって囲まれている。水素の泡(57)は、反応器(33)の内側から該第2のフルパイプ式電極に向かって移動し、オゾンが発生される反応器の内側でのH2の凝縮を減少する。この第2電極(55)は、電極に対する保護シェルの役割もなす。
図8に示されるように、水は、反応器(33)の内部の室からアウトレットチューブ(53)を介して直接出ていくことができ、同内部の室では、オゾンがリッチな水が生成されると共に反応器(33)と外側ハウジング(55)の間に設けられたスペースに流れる水素がリッチな水と分離されている。この構成において、水素がリッチな水は、好ましくはハウジング(55)の底部に存在し、そしてドレイン(図示せず)へ捨てられる。浄化の目的のためには、そのような方法でオゾンがリッチな水が、水素を多く含む水と分離することが好ましいが、これは結果として、いくらか水の流れのロスになる。そのようなロスが好ましくない場合、オゾンがリッチな水及び水素がリッチな水の両方とも、同じ出口を介して排出することができる。(図9乃至13)
図10乃至13に示されるように、第2の電極(55)は、水タンクの役割をなす。このタンクは、装置を収容するタンク内へ水を供給する吸入パイプ(59)を介して蛇口(51)に接続されている。
【0058】
図9に示されるように、第2の電極(55)の底は、リザーバ(61)にも接続することができる。好ましくはこのリザーバは、そこから固体の有機または無機微粒子を除去することによって水の浄化を高めるために、フィルタ(63)を含んでいる。同フィルタは、出口チューブ(53)の内側に装備し、そして粒状活性化カーボン、カーボンブロック、薄膜フィルタ、樹脂等により製造することができる。
【0059】
本装置がペンのサイズのような小さなサイズを有している場合、それはかばんに入れて容易に運ぶことができるし、もし使用者が水に細菌やばい菌が含まれていると思うならば、必要とされるいかなる場所でも、例えばホテルの部屋の蛇口に装着することができる。この設計原理は、アフリカの農村に設けられるような、深堀井戸の公共水源から出てくる水の浄化に適用することができる。
【0060】
本装置は、水の入り口または蛇口の方向に応じて、どちらの方向にも装備することができる。
本発明は、その好ましい実施例によってここに説明したが、この好ましい実施例に対する添付請求項の範囲内でのいかなる変更も、本発明の本質及び範囲を変えるものとは判断されないということが指摘されるべきである。
【0061】
IV)例
例1
以下の例は、図2に示されており、互いに向き合った2つの板状電極が、ボトル内に装着されている。電極の大きさは、それぞれ3.5cm×4.0cmである。両電極間のギャップは、2乃至3mmである。両電極はボトルの底に固定され、同ボトムは、それぞれ9Vの電圧を有する3つのバッテリを収容する分室に固定されている。
【0062】
ボトルは、469TDSを有する500mlの水を収容する。
TDSは、“全溶解固形物”を意味する。“溶解固形物”により、あらゆる無機物、塩、金属、カチオンまたはアニオンが水に溶解されていることが理解されるべきである。これは、純粋な水(H2O)分子及び浮遊物質以外の、水に存在するあらゆるものを含む。浮遊物質は、木材パルプのような、水にとけない、あるいは沈澱しない、あらゆる微粒子/物質である。一般に、全溶解固形物の濃度は、水中のカチオン(要電気を帯電)の合計と、アニアン(陰電気を帯電)の合計である。
【0063】
1分後、水中のオゾン(O3)の濃度は約0.55ppmである。
5分後、オゾン濃度は約1.1ppmであり、ボトルの水を浄化するのに十分である。
O3の濃度の計測は、HACH DPD O3テスト用具でなされる。
例2:
細菌学上のテストは、水浄化用ポータブルオゾン発生装置が細菌や大腸菌群を除去し、そして水を飲用可能にするのに有効であるということを証明するために行われた。
【0064】
装置の説明
以下のテストで用いられる水浄化用のポータブルオゾン発生装置は、本発明の好ましい実施例であり、以後“OZOPEN” と称する。OZOPENは、2つの9Vバッテリ、 つまり合計18Vによって駆動され、そして以下の特徴を有している;
−白金でめっきされたメッシュの内側アノード
−白金でめっきされたメッシュの外側カソード
−外部アルミニウムボデーがカソードの近くに配置され、この外部ボデーは、カソードに生成された水素の泡の合体を助け、そして水素の泡がOZOPENの外へ逃げることを助けるために、表面の粗い孔を有している。
【0065】
ここで用いられているOZOPENは、加熱要素を有していない。
以下の表1は、用いられたOZOPENの性能を示している。この表は、450ppmのTDSを有する250mlボトルの水のサンプルについて、時間(分)を関数として、OZOPENによって生成されたオゾンの濃度に対応する。
【0066】
【表1】
【0067】
水の説明
異なるタイプの水が試験された:
i)汚水: この研究に用いられた下水は、国内の廃棄物源から生じたものである。1リットルの水が収集され、そして本研究で実行されるすべての試験において未処理の水として用いられた。これは、結果の一貫性を確実にするためになされた。
ii)市販水: 市販されているボトル水が、細菌学及び大腸菌群の分析の対照として用いられた。Nestle法人製の登録商標Pure Life(シリアルナンバ:012707 7027WF0004、2120BESTBY01/2009)
【0068】
細菌及び大腸菌群のテスト用具
市販テスト用具がこの研究において用いられ、OZOPENの効果を照合した。
i)細菌試験片: BioSan Laboratories Inc,製の登録商標SaniCheck
試験されるパラメータ: 好気性細菌全体
表示: 24−36時間の潜伏期間後に試験片にピンク/赤のドットが現れたならば、サンプルは好気性細菌を含んでいる。
ii)大腸菌群テスト: Rain Water Filter製の登録商標Water Check
試験されるパラメータ: 大腸菌を含む大腸菌群。
表示: サンプルは大腸菌群を含む。60時間の潜伏期間後に、サンプルの緑がかった/青い色は、サンプルに大腸菌群の存在を示す。
【0069】
テスト手順
テスト1: サンプルは、ガラス製ビーカに入れられた250ミリリットルの汚水溶液である。サンプルは、OZOPENを用いて1分間オゾン化された。サンプルは、テスト用具の使用説明書により細菌及び大腸菌群についてテストされた。
テスト2: サンプルは、ガラス製ビーカに入れられた250ミリリットルの汚水溶液である。サンプルは、5分間オゾン化され、そしてテスト用具の使用説明書により細菌及び大腸菌群についてテストされた。なお、汚水のTDSレベルは450ppmであった。
結果:
【0070】
【表2】
【0071】
オゾン化されたサンプルがボトル水のサンプルと比較されるとき、テストは、OZOPENが、1分のオゾン化の後、汚水から大腸菌群を完全に除去できることを示している。しかしながら、いくらかの好気性細菌が残っていることが示される。5分のオゾン化の後、大腸菌群及び細菌の両方とも除去され、250ミリリットルの汚水サンプルを飲用可能にしている。
【0072】
結論として、これらのテストは、OZOPENが細菌及び大腸菌群を除去できることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の態様に係る、水浄化装置の概略側面図である(板形電極)。
【図2】図1に示される本発明の第1の態様に係る、水を収容するボトルの中に恒久的に取り付けられた水浄化装置の斜視図である。
【図3】(先行技術)2つの異なる温度の水における異なる気体の溶解度を示すグラフである(20°C四角及び30°C三角)。
【図4】本発明の第2の態様に係る水浄化装置の全体概略図である(管形電極)。
【図5】本発明の第1の好ましい実施例に係る、図4に示される水浄化装置の縦断面図である。
【図6】本発明の第2の好ましい実施例に係る、図4に示される水浄化装置の縦断面図である。
【図7】本発明の第3の好ましい実施例に係る、図4に示される水浄化装置の縦断面図である。
【図8】異なる構成の栓に取り付けられるように適合された、図4に示されるような本発明の水浄化装置の全体概略図である。
【図9】異なる構成の栓に取り付けられるように適合された、図4に示されるような本発明の水浄化装置の全体概略図である。
【図10】異なる構成の栓に取り付けられるように適合された、図4に示されるような本発明の水浄化装置の全体概略図である。
【図11】異なる構成の栓に取り付けられるように適合された、図4に示されるような本発明の水浄化装置の全体概略図である。
【図12】図6に示されかつテープに取り付けられた装置の縦断面図である。
【図13】図7に示されかつ栓に取り付けられた装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 オゾン発生装置
3 ハウジング
7,9 電極
11 電力供給装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水にオゾンを発生することによって水を浄化する携帯可能なオゾン発生装置であって、
ハウジング;
前記ハウジングから前記水の中に延びるアノード及びカソードを備え、それぞれ水と接触するやや粗いもしく粗い表面を有する2つの電極、これら電極は第1のギャップにより分離されている;及び
前記電極に操作可能に接続され、電極間に電流を作る電位差を発生する電力供給装置を備え、
これにより、使用において、前記カソードが水素ガスを生成すると共に、前記アノードがオゾンを含む混合オキシダントを生成する携帯可能なオゾン発生装置。
【請求項2】
前記2つの電極は、板、孔のあいた板、ロッド、孔のあいたロッド、チューブ、孔のあいたチューブ、ワイヤ、孔のあいたワイヤ、またはメッシュ体である請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記2つの電極は、平形であり、かつ互いに平行である請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記2つの電極の一方はロッド形の内側電極(i)であり、また前記2つの電極の他方は管形の外側電極(ii)であり、前記外側電極(ii)は内側電極(i)を囲んでおり、そして水と接触する、内側及び/または外側のやや粗いまたは粗い表面を有している請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記内側電極(i)は前記アノードであり、前記外側電極(ii)は前記カソードである請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記内側電極(i)は前記カソードであり、前記外側電極(ii)は前記アノードである請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジングから水の中へ延びると共に水と接触する粗い表面を有する第3の電極をさらに備え、前記第3の電極は、第2のギャップによって前記2つの電極の一方と分離されている共に、カソードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにアノードであり、またはアノードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにカソードである請求項1乃至6いずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングから水の中へ延びると共に水と接触する粗い表面を有する第4の電極をさらに備え、前記第4の電極は、第3のギャップによって前記2つの電極の一方とは分離されていると共に、カソードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにアノードであり、またはアノードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにカソードである請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記電極は複数の孔を備えている請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記孔は粗い縁を有している請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記電極は、活性化されたまたは非活性状態のカーボンファイバで製造またはめっきされている請求項1乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記カソードまたはアノードは、周期表のコラム3乃至13から選択された金属あるいはこれら金属の合金で製造されまたはめっきされている請求項1乃至10のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【請求項13】
前記カソードは、パラジウム、パラジウム合金、マグネシウム合金、またはチタニウム合金で製造されまたはめっきされ、これにより使用において、前記カソードが同カソードに生成された水素を吸着する特性を有している請求項12記載のオゾン発生装置。
【請求項14】
前記電力供給装置が、導線を介して前記電極に接続された外部電力供給装置である請求項1乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記電力供給装置を組み入れている請求項1乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記電力供給装置は、少なくとも1つのバッテリ、外部電力が供給される変圧器、少なくとも1つのシリコンソーラパネルまたは小型タービンである請求項14または15記載のオゾン発生装置。
【請求項17】
前記電力供給装置に操作可能に接続された超音波発生装置をさらに備え、これにより、使用において、前記超音波発生装置が、前記電極の表面に存在する不純物を除去しそして前記混合オキダントを水に溶かすために、超音波を発生する請求項1乃至16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記装置に固定されかつ前記電力供給に接続された少なくとも1つのライトまたは発光ダイオードをさらに備えている請求項1乃至17のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【請求項19】
前記電力供給に操作可能に接続された加熱要素をさらに備えている請求項1乃至18のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれかに定められた少なくとも1つの装置の使用法。
【請求項21】
前記装置が栓に取り付けられるように適合され、前記栓が浄化される水を流出する請求項20記載の使用法。
【請求項22】
前記装置が、連続して流れる水の浄化システムに取り付けられるように適合され、前記システムが任意にフィルタを備えている請求項20記載の使用法。
【請求項23】
浄化される水を収容する容器において、前記容器がグラス、ボトル、または水差しである請求項20記載の使用法。
【請求項24】
前記装置が、恒久的に前記ボトルに装着されている請求項23記載の使用法。
【請求項25】
以下のステップを備えている水を浄化する方法:
a)浄化される水の中に、請求項1乃至19のいずれかに定められた少なくとも1つポータブルオゾン発生装置を入れる;
b)前記電力供給装置をオンにする;及び
c)少なくともオゾン発生装置がオゾンを生成しそして水を浄化することができるための適切な時間待つ。
【請求項26】
前記少なくとも1つの装置が電力を有し、また浄化される水は量及び質を有し、そして前記適切な時間は、前記電力並びに浄化される水の前記量及び質に応じて変化する請求項25記載の方法。
【請求項1】
水にオゾンを発生することによって水を浄化する携帯可能なオゾン発生装置であって、
ハウジング;
前記ハウジングから前記水の中に延びるアノード及びカソードを備え、それぞれ水と接触するやや粗いもしく粗い表面を有する2つの電極、これら電極は第1のギャップにより分離されている;及び
前記電極に操作可能に接続され、電極間に電流を作る電位差を発生する電力供給装置を備え、
これにより、使用において、前記カソードが水素ガスを生成すると共に、前記アノードがオゾンを含む混合オキシダントを生成する携帯可能なオゾン発生装置。
【請求項2】
前記2つの電極は、板、孔のあいた板、ロッド、孔のあいたロッド、チューブ、孔のあいたチューブ、ワイヤ、孔のあいたワイヤ、またはメッシュ体である請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記2つの電極は、平形であり、かつ互いに平行である請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記2つの電極の一方はロッド形の内側電極(i)であり、また前記2つの電極の他方は管形の外側電極(ii)であり、前記外側電極(ii)は内側電極(i)を囲んでおり、そして水と接触する、内側及び/または外側のやや粗いまたは粗い表面を有している請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記内側電極(i)は前記アノードであり、前記外側電極(ii)は前記カソードである請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記内側電極(i)は前記カソードであり、前記外側電極(ii)は前記アノードである請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記ハウジングから水の中へ延びると共に水と接触する粗い表面を有する第3の電極をさらに備え、前記第3の電極は、第2のギャップによって前記2つの電極の一方と分離されている共に、カソードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにアノードであり、またはアノードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにカソードである請求項1乃至6いずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記ハウジングから水の中へ延びると共に水と接触する粗い表面を有する第4の電極をさらに備え、前記第4の電極は、第3のギャップによって前記2つの電極の一方とは分離されていると共に、カソードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにアノードであり、またはアノードである前記2つの電極の一方に近接して配置されたときにカソードである請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記電極は複数の孔を備えている請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記孔は粗い縁を有している請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記電極は、活性化されたまたは非活性状態のカーボンファイバで製造またはめっきされている請求項1乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記カソードまたはアノードは、周期表のコラム3乃至13から選択された金属あるいはこれら金属の合金で製造されまたはめっきされている請求項1乃至10のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【請求項13】
前記カソードは、パラジウム、パラジウム合金、マグネシウム合金、またはチタニウム合金で製造されまたはめっきされ、これにより使用において、前記カソードが同カソードに生成された水素を吸着する特性を有している請求項12記載のオゾン発生装置。
【請求項14】
前記電力供給装置が、導線を介して前記電極に接続された外部電力供給装置である請求項1乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、前記電力供給装置を組み入れている請求項1乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記電力供給装置は、少なくとも1つのバッテリ、外部電力が供給される変圧器、少なくとも1つのシリコンソーラパネルまたは小型タービンである請求項14または15記載のオゾン発生装置。
【請求項17】
前記電力供給装置に操作可能に接続された超音波発生装置をさらに備え、これにより、使用において、前記超音波発生装置が、前記電極の表面に存在する不純物を除去しそして前記混合オキダントを水に溶かすために、超音波を発生する請求項1乃至16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記装置に固定されかつ前記電力供給に接続された少なくとも1つのライトまたは発光ダイオードをさらに備えている請求項1乃至17のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【請求項19】
前記電力供給に操作可能に接続された加熱要素をさらに備えている請求項1乃至18のいずれかに記載のオゾン発生装置。
【請求項20】
請求項1乃至19のいずれかに定められた少なくとも1つの装置の使用法。
【請求項21】
前記装置が栓に取り付けられるように適合され、前記栓が浄化される水を流出する請求項20記載の使用法。
【請求項22】
前記装置が、連続して流れる水の浄化システムに取り付けられるように適合され、前記システムが任意にフィルタを備えている請求項20記載の使用法。
【請求項23】
浄化される水を収容する容器において、前記容器がグラス、ボトル、または水差しである請求項20記載の使用法。
【請求項24】
前記装置が、恒久的に前記ボトルに装着されている請求項23記載の使用法。
【請求項25】
以下のステップを備えている水を浄化する方法:
a)浄化される水の中に、請求項1乃至19のいずれかに定められた少なくとも1つポータブルオゾン発生装置を入れる;
b)前記電力供給装置をオンにする;及び
c)少なくともオゾン発生装置がオゾンを生成しそして水を浄化することができるための適切な時間待つ。
【請求項26】
前記少なくとも1つの装置が電力を有し、また浄化される水は量及び質を有し、そして前記適切な時間は、前記電力並びに浄化される水の前記量及び質に応じて変化する請求項25記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−537290(P2009−537290A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510241(P2009−510241)
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000734
【国際公開番号】WO2007/131324
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508338980)オゾマックス インコーポレイティド (2)
【氏名又は名称原語表記】OZOMAX INC.
【住所又は居所原語表記】600, rue Robitaille, Shefford, Quebec J2M 1X2 CANADA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月30日(2007.4.30)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000734
【国際公開番号】WO2007/131324
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508338980)オゾマックス インコーポレイティド (2)
【氏名又は名称原語表記】OZOMAX INC.
【住所又は居所原語表記】600, rue Robitaille, Shefford, Quebec J2M 1X2 CANADA
【Fターム(参考)】
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