説明

水浄化装置

【課題】コンパクトで高い浄化能力を有する水浄化装置を提供する。
【解決手段】水浄化装置は、浄化槽1と、前記浄化槽1内に設けられかつ受光可能に設けられた光触媒部3と、前記浄化槽1内に設けられた電解用陽極6および電解用陰極7とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、酸化チタンなどの光触媒に紫外線光源(ブラックライト、水銀灯など)を照射することにより、光触媒の表面に接触する有機物をCO2などに酸化する浄化装置が知られている。これらの浄化装置により、例えば、光触媒の表面に水などを接触させると、水中の汚染物質の分解や殺菌を行うことができる。また、例えば、光触媒の表面に空気を接触させると、空気中の有機物質などを酸化することができる。
【0003】
光触媒による有機物の酸化分解機構は、次のように説明される。半導体である光触媒が受光することにより、光触媒の価電子帯の電子が励起され、伝導帯に電子が、価電子帯に正孔が形成される。この光励起により形成された伝導帯の電子は、水中あるいは光触媒の表面に吸着するO2 と反応して、O2-・(スーパーオキサイドアニオンラジカル)が生成する(式1)。また、光励起により形成された価電子帯の正孔は、光触媒の表面に吸着するOH-と反応して、OHラジカルが生成する(式2)。
(式1) O2 + e- → O2-
(式2) OH- + h+ → OH・
【0004】
光触媒の表面に生成されるOHラジカルは活性種の中でも強い酸化力を有するため(OHラジカルの酸化電位:約3.0eV、塩素の酸化電位:1.36eV、オゾンの酸化電位:2.07eV)、水中や空気中の有機物や細菌、真菌、ウイルスなどの有機性不純物を酸化分解することができる。また、光触媒が受光することにより発生するOHラジカルは、従来殺菌のために使われてきたオゾン、塩素などと違い残留性がないという利点も有している。
【0005】
光触媒としては、酸化チタン(TiO2)が一般的に使われている。酸化チタンは、一般に入手容易であるとともに、約388nm以下の波長の光を受光することにより光触媒活性を有する。また、酸化チタンは、バンドギャップが3.2eV であり、電子と正孔の再結合が起こりにくく、再結合による失活率が小さいという利点も有する。
【0006】
光励起によって生成される電子と正孔の数は同数である。水中では、価電子帯に生成した正孔は速やかに、OH-と反応してOHラジカルを生成することができる。一方、伝導帯に生成した電子は、主に水中に溶けたO2と反応するために、溶存酸素量が低下すると、(式1)の反応が進行しにくくなる。そうなると、光触媒の伝導帯に電子が過剰となるため、光励起により価電子帯に生成した正孔は、伝導帯の電子と再結合しやすくなり、強い酸化力を有するOHラジカルの生成量が減少することが考えられる。
【0007】
このようなOHラジカルの生成量の減少を防止するために、光触媒で浄化する処理水に空気中の酸素を導入する水浄化装置が開示されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、導入口から導入された原水を滞留して導出口から導出する水処理槽と、水処理槽内に配置される紫外線ランプと、円柱状をなして中央部に紫外線ランプを挿通するフィルタとを備えた水浄化装置が開示されている。この水浄化装置においては、水処理槽の下部に、曝気部が設けてあり、曝気部に空気を通気して、水処理槽内を曝気している。このように空気中の酸素を導入することによって、汚濁物質の酸化分解を促進して、処理水の浄化促進を図ることができる。
【0008】
一方、電気分解処理により水を浄化する方法が知られている(例えば、特許文献2、3)。この電気化学的水処理方法では、導電性ダイヤモンドからなる陽極および陰極に電圧を印加することにより、水中にヒドロキシラジカルなどの活性酸素種を発生させることができ、処理水を浄化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−93549号公報
【特許文献2】特開2004−195346号公報
【特許文献3】特開2006−68617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来の水浄化装置では、高い浄化能力を確保するために装置を大型化する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトで高い浄化能力を有する水浄化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、浄化槽と、前記浄化槽内に設けられかつ受光可能に設けられた光触媒部と、前記浄化槽内に設けられた電解用陽極および電解用陰極とを備えることを特徴とする水浄化装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、浄化槽内に受光可能に設けられた光触媒部を備えるため、光触媒部が受光することにより活性種を発生させることができ、浄化槽内の処理水を浄化することができる。
本発明によれば、浄化槽内に電解用陽極および電解用陰極とを備えるため、電解用陽極と電解用陰極との間に電圧を印加することにより、浄化槽内の処理水を電気化学的に浄化することができる。また、電解用陽極と電解用陰極との間に電圧を印加することにより、浄化槽内の処理水を電気分解し酸素を発生させることができ、処理水中の溶存酸素量を多くすることができる。また、光触媒部と電解用陽極および電解用陰極とは同じ浄化槽内に設けられるため、溶存酸素量の減少による光触媒部の酸化活性の低下を防止することができる。このことにより、浄化槽内の処理水の溶存酸素量を多くするための曝気部などを省略することが可能となり、水浄化装置をコンパクト化することができる。
本発明によれば、浄化槽内に光触媒部と電解用陽極および電解用陰極との両方を備えるため、コンパクトで高い浄化能力を有することができる。また、浄化する処理水量を多くすることもできる。また、浄化槽で浄化する処理水の有機不純物濃度や光触媒部の受光量などに応じて、光触媒部による浄化と電解用陽極および電解用陰極による浄化とを切り換える、または両方による浄化を行うことができるため、状況に合わせて処理水を浄化することができ、消費電力を抑えて効率的に処理水を浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態の水浄化装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の水浄化装置に含まれる電解用電極の構成を示す概略上面図である。
【図3】本発明の一実施形態の水浄化装置の構成を示す概略断面図である。
【図4】本発明の一実施形態の水浄化装置の構成を示す概略断面図である。
【図5】本発明の一実施形態の水浄化装置の構成を示す概略断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の水浄化装置に含まれる電解用電極および光触媒部の構成を示す概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の水浄化装置は、浄化槽と、前記浄化槽内に設けられかつ受光可能に設けられた光触媒部と、前記浄化槽内に設けられた電解用陽極および電解用陰極とを備えることを特徴とする。
本発明において、光触媒部とは、半導体からなる光触媒を含む部分である。
本発明において、電解用陽極および電解用陰極とは、浄化槽中の処理水を電解できるように設けられた電極対であり、電解用電極ともいう。なお、ここで電解とは、処理水を電気分解し水素や酸素などを発生させるものに限定されず、処理水中の物質との電荷のやりとりによりイオンやラジカルを発生させるものも含む。
【0015】
本発明の水浄化装置において、前記電解用陽極および前記電解用陰極は、前記浄化槽で浄化する処理水を電気分解し、前記処理水の溶存酸素量を多くすることができるように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、処理水中の溶存酸素量を多くすることができ、溶存酸素量の低下による光触媒部の酸化活性の低下を防止することができる。
本発明の水浄化装置において、前記電解用陽極および前記電解用陰極は、前記浄化槽で浄化する処理水に含まれる物質を電気化学的に酸化分解できるように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、電解用陽極の表面で活性種を発生させることができ、この活性種により処理水中の有機不純物を酸化分解することができる。
【0016】
本発明の水浄化装置において、前記電解用陽極および前記電解用陰極は、前記浄化槽で浄化する処理水を挟むように対向して設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、電解用陽極と電解用陰極との間の処理水中をイオンが容易に移動することができ、電解用電極の表面における酸化還元反応の反応速度を速くすることができる。
本発明の水浄化装置において、前記電解用陽極と前記電解用陰極との間に印加する電圧を発生させる電圧発生装置と、前記電解用陽極と前記電解用陰極との間に流れた電流を検出する電流値検出装置とをさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、電解用陽極と電解用陰極との間に流れる電流に応じて電解用陽極と電解用陰極との間に電圧を印加することができる。
【0017】
本発明の水浄化装置において、前記浄化槽内に設けられた溶存酸素計と、前記溶存酸素計の電流値を読み取り前記電解用陽極と前記電解用陰極との間に印加する電圧を制御する制御装置とをさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、浄化槽で浄化する処理水の溶存酸素量に応じて電解用陽極と電解用陰極との間に電圧を印加することができるため、電力消費量を必要最小限にすることができる。
本発明の水浄化装置において、前記電解用陽極および前記電解用陰極は、10mm以下の間隔で設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、水道水、河川上流の水、河川下流の水を電気分解し、電解用陽極の表面において、酸素または活性種を発生させることができる。
【0018】
本発明の水浄化装置において、前記光触媒部に光を照射できるように設けられた光源部をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、光源部を発光させることにより、光触媒部が受光し活性種を発生させることができ、処理水を光触媒部により浄化することができる。
本発明の水浄化装置において、前記光触媒部は、前記浄化槽で浄化する処理水を挟むように対向して設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、処理水が光触媒部に接触または近接しやすくなり、処理水を効率的に浄化することができる。
【0019】
本発明の水浄化装置において、前記光触媒部は、前記電解用陽極と前記電解用陰極との間に設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、光触媒部と電解用電極とを同じ場所に設けることができるため、水浄化装置を小型化することができる。また、電解用陽極の表面で酸素を発生させることにより、光触媒部近傍の処理水の溶存酸素量をすぐに多くすることができる。
本発明の水浄化装置において、前記浄化槽は、前記浄化槽で浄化する処理水が流れる流路を備え、前記光触媒部は、前記流路の内壁を構成することが好ましい。
このような構成によれば、処理水が光触媒部に接触または近接しやすくなり、処理水を効率的に浄化することができる。
【0020】
本発明の水浄化装置において、前記流路は、蛇行流路であることが好ましい。
このような構成によれば、処理水が流れる流路をより長くすることができ、処理水が光触媒部に接触または近接しやすくなり、処理水を効率的に浄化することができる。
本発明の水浄化装置において、前記浄化槽は、前記浄化槽で浄化する処理水の流入口および排水口を有することが好ましい。
このような構成によれば、浄化前の処理水を流入口から浄化槽に流入させることができ、浄化槽で浄化された処理水を排出口から排出することができる。
【0021】
本発明の水浄化装置において、前記排水口から排出した処理水を前記浄化槽に帰還させる帰還水路をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、排水口から排出した処理水が十分に浄化されていない場合、処理水を浄化槽に帰還させることができ、十分に浄化することができる。
本発明の水浄化装置において、前記光触媒部は、TiO2、SnO2、WO3、Fe23、ZnO、Nb25、SrTiO3、KTaO3、ZrO2、GaP、BiVO4、Bi2MoO6、Ag3PO4のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
このような構成によれば、光触媒部は受光することにより光触媒活性を有することができる。
【0022】
本発明の水浄化装置において、前記光触媒部は、Pt、Pd、Ru、Rh、Au、Ag、Cu、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、InおよびSnのうち少なくとも1つの金属が担持された酸化チタンを含むことが好ましい。
このような構成によれば、光触媒部に含まれる光触媒がより高い光触媒活性を有することができる。
本発明の水浄化装置において、前記電解用陽極または前記電解用陰極は、白金、金、ステンレス、チタン、銅、炭素、導電性ダイヤモンド、ニッケル、コバルトのうちいずれか1つを含むことが好ましい。
このような構成によれば、電解用陽極と電解用陰極との間に電圧を印加することにより、電解用陽極の表面で酸素または活性種を発生させることができ、電解用陰極の表面で水素を発生させることができる。
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0024】
水浄化装置の構成
図1、3〜5は本発明の一実施形態の水浄化装置の構成を示す概略断面図であり、図2は、本発明の一実施形態の水浄化装置に含まれる電解用電極の概略上面図であり、図6は、本発明の一実施形態の水浄化装置に含まれる電解用電極および光触媒部の概略上面図である。
【0025】
本実施形態の水浄化装置25は、浄化槽1と、浄化槽1内に設けられかつ受光可能に設けられた光触媒部3と、浄化槽1内に設けられた電解用陽極6および電解用陰極7とを備えることを特徴とする。
また、本実施形態の水浄化装置25は、光源部9、電圧発生装置19、電流検出装置20、溶存酸素計12、制御装置21、帰還水路18をさらに有してもよい。
以下、本実施形態の水浄化装置について説明する。
【0026】
1.浄化槽
浄化槽1は、処理水を浄化するための水槽である。浄化槽1は、処理水を溜めるまたは流すことができれば特に限定されない。浄化槽1は、例えば、金属製、樹脂製、強化プラスチック製、ガラス製、陶器製である。また、浄化槽1は、その内部に光触媒部3、電解用陽極6、電解用陰極7を備える。このことにより処理水を光触媒部3または電解用電極5(電解用陽極6、電解用陰極7)で発生させた活性種により浄化することができる。
また、浄化槽1は、その内部に処理水を流れる流路23を備えることができる。このことにより、光触媒部3または電解用電極5で発生させた活性種により処理水を効率的に浄化することができる。例えば、図4、5のように光触媒部3により隔壁を形成し流路を形成することができる。
また、浄化槽1は、採光窓を有することができる。このことにより光触媒部3を受光可能に設けることができる。また、採光窓は、太陽光などの外部の光を採光するものであってもよく、光源部9の光を採光するものであってもよい。採光窓は、浄化槽1が有する開口であってもよく、また、浄化槽1に接続した透光性部材であってもよい。例えば、図1、4、5のように光源部9と浄化槽1の内部とを仕切る透光性部材10であってもよく、図3のように太陽光を採光するために設けられた透光性部材10であってもよい。
【0027】
浄化槽1は、浄化槽1で浄化する処理水の流入口14および排水口15を備えることができる。このことにより、浄化前の処理水を流入口14から浄化槽1内に流入させることができ、浄化槽1で浄化された処理水を排水口15から排出することができる。
また、図1のように流入口14から浄化槽1内に処理水を流入させる前に不純物を取り除けるように、フィルター22を設けてもよい。フィルター22は孔径の異なる複数の種類のフィルターを配置したものから成っていてもよい。例えば、MF膜やUF膜、RO膜等を使用することができる。このことにより、水浄化装置25の浄化能を向上させることができる。
【0028】
また、浄化槽1は、処理水が自然対流により対流するように設けられてもよく、処理水の温度分布を形成することにより対流するように設けられてもよく、処理水を対流させるためのファンやポンプを備えてもよい。このことにより、処理水を、より効率的に光触媒部3または電解用電極5で発生させた活性種により浄化することができる。
【0029】
水浄化装置25は、排水口15から排出した処理水を浄化槽1に帰還させる帰還水路18を備えてもよい。水浄化装置25は、帰還水路18を1つ備えてもよく、複数備えてもよい。このことにより、処理水を繰り返し浄化槽1により浄化することができ、処理水をより十分に浄化することができる。また、水浄化装置25は、排水口15から排出した処理水を導水管16から排出する流路と帰還水路18とを切り換える切り替え弁を有することができる。このことにより、処理水の有機不純物濃度に応じて、処理水を排出するか、もう一度浄化槽1で浄化するかを選択することができる。
【0030】
2.光触媒部、光源部
光触媒部3は、浄化槽1内に設けられかつ受光可能に設けられる。光触媒部3とは、半導体からなる光触媒を含む部分である。光触媒部3が浄化槽1内に設けられることにより、光触媒部3に含まれる光触媒が浄化槽1で浄化する処理水と接触することができる。また、光触媒部3が受光可能に設けられることにより、光触媒部3に含まれる光触媒が受光することができ、光触媒である半導体の価電子帯の電子を伝導帯に光励起することができる。この光励起により発生した価電子帯のホールと、伝導帯の電子とが光触媒表面の処理水と反応しヒドロキシラジカルなどの活性種を発生させることができる。この活性種が処理水中の有機不純物を酸化分解することにより、処理水を浄化することができる。
【0031】
光触媒部3は、光触媒を含めば特に限定されず、例えば、基体上に形成された薄膜であってもよく、厚膜であってもよい。また、光触媒部3は、光触媒が担持された多孔質体、例えば、光触媒が担持された多孔質セラミックス、光触媒が担持された多孔質ガラスなどであってもよく、光触媒が担持された繊維材料、例えば、光触媒が担持されたガラスウールなどであってもよい。このことにより、光触媒表面で発生させた活性種により処理水中の有機不純物を効率的に酸化分解することができる。
【0032】
光触媒部3が薄膜の場合、例えば、CVD法やスパッタ法などにより基体上に形成でき、光触媒部3が厚膜の場合、光触媒の粉末のペーストを基体上に塗布し、乾燥後焼成することにより光触媒部3を形成することができる。また、光触媒が担持された多孔質体や繊維材料は、多孔質体や繊維材料の表面にチタンなどの金属元素を含む物質を担持し、熱処理を施すことにより形成することができる。
【0033】
光触媒部3に含まれる光触媒は、例えば、酸化チタン(TiO2)、SnO2、WO3、Fe23、ZnO、Nb25、SrTiO3、KTaO3、ZrO2、GaP、BiVO4、Bi2MoO6、Ag3PO4である。光触媒部3に含まれる光触媒は、特にTiO2が好ましい。酸化チタンは一般に入手容易であるとともに、388nmより短波長の励起光を照射することにより光触媒活性を有するからである。
【0034】
例えば、光触媒部3に含まれる光触媒が酸化チタンである場合、酸化チタンにバンドギャップ以上のエネルギーを有する光が照射されると、価電子帯の電子が伝導帯へ励起され、伝導帯に電子が価電子帯に正孔が生じる。また、酸化チタンは、バンドギャップが3.2eV であり、光励起により生じた電子と正孔の再結合が起こりにくいため、この再結合による失活率が小さいという特性を有する。酸化チタンはルチル型よりアナターゼ型であることが好ましい。これは、アナターゼ型の酸化チタンは、バンドギャップは3.23eVであり、ルチル型の酸化チタンのバンドギャップ3.02 eVよりバンドギャップが大きいため、光励起により生じた電子と正孔のエネルギーが大きく、光触媒活性が高いためである。
【0035】
光触媒部3に含まれる光触媒は、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)およびスズ(Sn)のうち少なくとも1つの金属が担持された光触媒であってもよい。このことにより、光触媒の酸化活性を高くすることができる。また、上記の金属を少量含有することによって、励起波長帯が拡大したり、電子と正孔の発生効率、または、有機物の酸化分解効率が向上するという効果が期待できる。
【0036】
光触媒部3は、受光可能に設けられる。光触媒部3が受光する光は、光源部9から照射される光であってもよく、太陽光であってもよい。光触媒部3が光源部9から照射される光を受光できるように設けられている場合、図1、図5のように、光源部9と浄化槽1の内部とを仕切る透光性部材10の浄化槽1側の表面に光触媒部3を設けることができる。また、この光触媒部3は、光源部9を囲むように設けることもできる。このことにより、透光性部材10の浄化槽1側に設けられた光触媒部3が光源部9が発する光を受光することができ、また、光触媒部3は、浄化槽1で浄化する処理水と接触することができる。このことにより光触媒部3で活性種を発生させることができ、処理水を浄化することができる。また、例えば、図1、図4、図5のように、光源部9が発した光のうち浄化槽1内の処理水を透過した光が照射されるように光触媒部3を設けることもできる。また、光触媒部3は、図1、図4、図5のように、浄化槽1で浄化する処理水を挟むように対向して設けることができる。このことにより、光触媒部3に処理水が接触又は近接しやすくなり処理水を効率的に浄化できる。
【0037】
また、光触媒部3が太陽光を受光可能に設けられている場合、例えば、図3のように浄化槽1の採光窓である透光性部材10の内側に光触媒部3を設けることができる。この場合、光触媒部3は光触媒が担持された多孔質体であることが好ましい。この場合、多孔質体中を処理水が通過できるため、光触媒部3により処理水を効率的に浄化することができる。また、光触媒部3が光触媒が担持された多孔質体である場合、多孔質体は透光性を有することが好ましい。この場合、より広い範囲の光触媒が受光可能となるからである。
太陽光を受光できるように光触媒部3を設けることにより、光源部9を省略することができ、水浄化装置25を小型化することができ、また、消費電力を小さくすることができる。
【0038】
光触媒部3は、例えば図4、図5のように隔壁を構成し浄化槽1で浄化する処理水の流路を形成してもよい。この場合、処理水の流路の内壁が光触媒部3により形成されるため、処理水と光触媒部3とを接触しやすくすることができる。このことにより、処理水を効率的に浄化することができる。このように浄化槽1内に処理水の流路を形成する場合、隔壁は、光触媒部3のみでなってもよく、隔壁部材の表面に光触媒部3を設けてもよい。
また、浄化槽1内の処理水の流路は、例えば、図4のように蛇行流路となるように設けることができる。このことにより、処理水の流入口14から排出口15までの距離を長くすることができ、処理水と隔壁の内壁を構成する光触媒部3とを接触しやすくすることができる。
【0039】
また、光触媒部3は、電解用陽極6と電解用陰極7との間に設けられてもよい。例えば、図6のように櫛状の電解用陽極6とそれに対向する櫛状の電解用陰極7との間に光触媒部3を設けることができる。このような構成の場合、電解用陽極6の表面において酸素を発生させると、すぐに光触媒部3の近傍の処理水の溶存酸素量を多くすることができる。このことにより、光触媒部3に含まれる光触媒が受光することにより、スーパーオキサイドアニオンラジカルとヒドロキシラジカルとが発生しやすくなり、光触媒部3による処理水の浄化能力を向上させることができる。また、このことにより、電解用電極5で消費する電力消費量を小さくすることができる。また、電解用電極5と光触媒部3とを近接して設けることができるため、水浄化装置25を小型化することができる。図6のような電解用電極5は、例えば、図1の光触媒部3の位置に設けることができる。
【0040】
水浄化装置25は、光触媒部3に光を照射できるように設けられた光源部9を備えることができる。光源部9を発光させることにより光触媒部3が受光することができ、浄化槽1内の処理水を浄化することができる。
光源部9は、図1、図4、図5のように浄化槽1の採光窓である透光性部材10の内部に設けられてもよく、浄化槽1内の処理水に直接浸るように設けられてもよい。
【0041】
光源部9が発する光は、光触媒部3に照射され光触媒の酸化活性を高くするために用いられるが、処理水を殺菌するためにも用いることができる。例えば、光源部9が紫外線を発することにより処理水を殺菌することができる。
光源部9が発する光の波長は、光触媒部3に含まれる光触媒の酸化活性を高くすることができる波長であれば特に限定されないが、例えば、波長のピークが340〜440nm(より厳密には、350〜430nm,360〜420nm,370〜410nm,380〜400nm又は385〜395nm)の範囲内である。
光源部9として、例えば、高圧水銀ランプ(輝線を405nm、436nmに持つ)やLEDを用いることができる。
【0042】
3.電解用陽極、電解用陰極、電圧発生装置、電流値検出装置、溶存酸素計、制御装置
電解用陽極6および電解用陰極7は、浄化槽1内に設けられる。このことにより、電解用陽極6および電解用陰極7が浄化槽1で浄化する処理水と接触することができる。
電解用陽極6または電解用陰極7は、例えば、白金、金、ステンレス、チタン、銅、炭素、導電性ダイヤモンド、ニッケル、コバルトのうちいずれか1つを含むことができる。
水浄化装置25は、電解用陽極6と電解用陰極7との間に印加する電圧を発生させる電圧発生装置19を備えることができる。この電圧発生装置19と電解用陽極6および電解用陰極7とを電気的に接続することにより電解用陽極6と電解用陰極7との間に電圧を印加することができる。
また、電圧発生装置19は、電流値検出装置20が測定した電流値を入力した制御装置21からの信号により、電源電圧を昇降圧して所定の電圧を電解用陽極6と電解用陰極7との間に印加することができる。
【0043】
電解用陽極6および電解用陰極7は、浄化槽1で浄化する処理水を挟むように対向して設けることができる。このことにより、電解用陽極6と電解用陰極7との間の処理水中をイオンが移動しやすくなり、電解用陽極6の表面における酸化反応および電解用陰極7の表面における還元反応の反応速度を速くすることができる。
また、電解用陽極6と電解用陰極7との間隔を狭くすることにより、さらに処理水中のイオンの移動を起こりやすくすることができる。例えば、電解用陽極6と電解用陰極7との間隔を1mm以上10mm以下とすることができる。
【0044】
電解用陽極6および電解用陰極7は、例えば、図2のように櫛状の電解用陽極6と、櫛状の電解用陰極7が対向するように設けることができる。図2は上面図であり、例えば、金属板を組み合わせ櫛状にすることにより、電解用陽極6または電解用陰極7を形成することができる。図6に示した電解用陽極6、電解用陰極7も同様である。
このことにより、電解用陽極6と電解用陰極7との間隔を狭くすることができ、電解用陽極6と電解用陰極7との間に印加する電圧を小さくすることができる。また、酸化還元反応が生じる電極表面積を広くすることができる。
【0045】
浄化槽1に流入させる処理水(電解用陽極6と電解用陰極7との間の処理水)の電気伝導率は、30μS/cm以上であることが望ましい。このことにより、処理水中をイオンが移動することができ、電解用陽極6の表面で酸化反応を生じさせることができ、電解用陰極7の表面で還元反応を生じさせることができる。
一般に、水道水の電気伝導率は100〜200μS/cm程度であり、河川上流の水の電気伝導率は、50〜100μS/cm程度であり、河川下流の水の電気伝導率は、200〜400μS/cm程度である。
10cm四方の電解用陽極6と電解用陰極7を1cmの間隔を空けて対面させたときの、水道水、河川上流の水、河川下流の水の抵抗は、それぞれ、50〜100Ω、100〜200Ω、25〜50Ωとなる。
従って、例えば、水道水、河川上流の水、河川下流の水に1mA/cm2の電流を流して、水を電気分解すると仮定すると、2.5V〜20V程度が必要となる。
また、このように電解用陽極6または電解用陰極7の対向する側の総電極面積が100cm2程度あると仮定すると、電解用陽極6と電解用陰極7との間隔は短いことが好ましく、10mm以下であることが望ましい。
【0046】
また、水浄化装置25は、電解用陽極6と電解用陰極7との間に流れた電流を検出する電流値検出装置20を備えることができる。例えば、電流値検出装置20を、電圧発生装置19と電解用陽極6または電解用陰極7とに電気的に接続することにより電解用陽極6と電解用陰極7との間に流れた電流を検出することができる。電解用陽極6の表面では、電解用陽極6と電解用陰極7との間に流れた電流に応じて、酸素またはOHラジカルが発生するため、酸素発生量またはOHラジカル発生量を制御するためには、電解用陽極6と電解用陰極7との間に流れた電流を制御する必要がある。しかし、処理水の電気伝導率は、処理水を構成するイオン数やpHによって異なる。このため、電流値検出装置20が読み取った電流値を電圧発生装置19にフィードバックすることにより、電解用陽極6と電解用陰極7との間に流れる電流に応じた電圧を電解用陽極6と電解用陰極7とに印加することができる。このことにより、電解用陽極6と電解用陰極7との間に流れる電流を制御することができる。
【0047】
水浄化装置25は、浄化装置1内に溶存酸素計12、導電率計、pH計またはORP計を備えることができる。これらのセンサにより浄化装置1で浄化する処理水の状態をモニタリングすることができる。
また、水浄化装置25は、電流値検出装置20、溶存酸素計12、導電率計、pH計またはORP計の値を読み取り、電解用陽極6と電解用陰極7との間に印加する電圧を制御する制御装置21を備えることができる。このことにより、電解用陽極6と電解用陰極7との間に流れる電流や浄化槽1で浄化する処理水の状態に応じて電解用陽極6と電解用陰極7との間に印加する電圧を変化させることができる。
【0048】
4.電解用電極における酸化還元反応
例えば、電圧発生装置19により電解用陽極6と電解用陰極7との間に電圧を印加することにより、電解用陰極7の表面で水素を発生させることができ、電解用陽極6の表面で酸素またはOHラジカルを発生させることができる。
【0049】
なお、水の飽和溶存酸素量は、1気圧、25℃の条件下において8.11mg/Lであり、酸素は多く水中に溶け込む性質を有するのに対し、水素は、ほとんど水中に溶け込まない性質を有する。このため、例えば、電流値検出装置20、溶存酸素計12の測定値から電解用陽極6の表面で酸素が発生しているか、OHラジカルが発生しているかを検出することができる。例えば、電解用陽極6と電解用陰極7との間の電流の大きさに伴い処理水中の溶存酸素量が大きくなるとき、電解用陽極6の表面では酸素が発生していると考えられる。また、電解用陽極6と電解用陰極7との間に電流が流れているにもかかわらず、処理水中の溶存酸素量が変化していないとき、電解用陽極6の表面ではOHラジカルが発生していると考えられる。なお、電解用陽極6の表面でOHラジカルを発生させるときに電解用陽極6と電解用陰極7との間に印加する電圧は、電解用陽極6の表面で酸素を発生させるときの電圧よりも小さいと考えられるが、これらの電圧は、明確に区分されるものではない。しかし、電解用陽極6と電解用陰極7との間に印加する電圧を制御することにより酸素発生量とOHラジカル発生量は制御することができると考えられる。また、電解用陽極6と電解用陰極7との間に印加する電圧によっては電解用陽極6の表面において、酸素とOHラジカルの両方が発生すると考えられる。
【0050】
これらのことから、制御装置21が、電流検出装置20と溶存酸素計12の測定値を入力し、これに基づき電解用陽極6と電解用陰極7とに印加する電圧を決定し、この結果を電圧発生装置19に出力することにより、電解用陽極6と電解用陰極7とに印加する電圧を制御装置21により制御することができる。このことにより、電解用陽極6の表面における酸素発生量およびOHラジカル発生量を制御することができる。
溶存酸素計12は、水中に溶けた酸素量を計測するものであり、一例として、ガルバニ電池式のものが挙げられる。ガルバニ電池式溶存酸素計は、電解質溶液(例えば、KOH)中に2種類の金属(例えば、作用電極としてAg、対極としてPbが用いられる)を浸せきした構造となっており、ガス透過性膜を通過した酸素濃度に応じた電流が流れる機構となっている。溶存酸素電極は膜を通過する酸素量を測定し、この透過量は水中の酸素の分圧に比例する。この分圧を測定することによって、濃度に換算するということが行われている。
また、溶存酸素計12と同様に、制御装置21が、導電率計、pH計またはORP計の測定値を入力し、これに基づき電解用陽極6と電解用陰極7とに印加する電圧を決定し、この結果を信号として電圧発生装置19に出力することもできる。
例えば、これらのセンサの測定値に基づき、処理水中の有機不純物濃度が高いと判断される場合は、光触媒部3と電解用電極5の両方で処理水の浄化を行い、処理水中の有機不純物濃度が低いと判断される場合には光触媒部3のみで処理水の浄化を行うことができる。このことにより、水浄化装置25の消費電力量を抑えて処理水の浄化を行うことができる。
【0051】
電解用陽極6の表面において酸素を発生させた場合、処理水中の溶存酸素量を多くすることができる。このことにより、光触媒部3に含まれる光触媒に吸着する酸素量も多くすることができ、光触媒部3に含まれる光触媒が受光することにより光触媒の伝導帯に発生する電子が光触媒の表面に吸着する酸素と反応しO2-・(スーパーオキサイドアニオンラジカル)を生成することができる。このことにより、光触媒部3に含まれる光触媒が受光することにより、OHラジカルとO2-・とを効率よく発生させることができ、処理水を効率よく浄化することができる。このことにより、処理水の溶存酸素量を上昇させるための曝気装置などを省略することができ、水浄化装置25を小型化することができる。
【0052】
なお、この場合、制御装置21は、溶存酸素計12の測定値と、光触媒部3が処理水を浄化するために必要な溶存酸素量とを比較して電解用陽極6と電解用陰極7とに印加する電圧を決定することができる。すなわち、処理水の溶存酸素量が少なければ、制御装置21は、電圧発生装置19に対して電解用陽極6および電解用陰極7に高電圧を印加する信号を出力することができ、また、処理水の溶存酸素量が多ければ、制御装置21は、電圧発生装置19に対して電解用陽極6および電解用陰極7に低電圧を印加する信号、または電圧の発生を停止する信号を出力することができる。このことにより、処理水の溶存酸素量を、光触媒部3が処理水を浄化するために必要な溶存酸素量に維持することができ、また、不要な電力消費を無くすことができる。
【0053】
電解用陽極6の表面においてOHラジカルを発生させた場合、OHラジカルは、処理水中の有機不純物を酸化分解することができ、処理水を浄化することができる。このことにより、浄化槽1で浄化する処理水に含まれる物質を電気化学的に酸化分解することができる。従って、浄化槽1内に設けられた光触媒部3と電解用陽極6の両方で処理水を浄化することが可能となり、水浄化装置25の浄化能力を向上させることができる。
また、水浄化装置25が図3のような断面を有し、光源が太陽光の場合、時間帯や季節、天気などにより光触媒部3が受光できる光量が変化する。従って、光触媒部3の浄化能力が時間帯などにより変化する。この光触媒部3の浄化能力を補うように電解用陽極6および電解用陰極7に電圧を印加することにより水浄化装置25の浄化能力の変化を小さくすることができる。
【0054】
また、電解用陽極6および電解用陰極7は、例えば、図5のように光源部9との間に光触媒部3を挟んで設けることができる。また、電解用陽極6および電解用陰極7は、例えば、図3のように太陽光の採光窓である透光性部材10との間に光触媒部3を挟んで設けることができる。このことにより、光源部9の光または太陽光を受光できる範囲では、光触媒部3により処理水を浄化し、光源部9の光を受光できない範囲では電解用電極5により処理水を浄化することができる。このことにより、水浄化装置25は、小型化することができ、かつ、高い浄化能力を有することができる。
【0055】
浄化槽1は、例えば図5のように水素排出口17を備えることができる。電解用電極5に電圧を印加すると、電解用陰極7の表面で水素が発生する。また、光触媒部3に含まれる光触媒が受光すると水素が発生する場合がある。この水素を浄化槽1の外に排出できるように水素排出口17を設けることができる。この水素排出口17から排出された水素は、燃料電池の燃料として利用することができる。
なお、電解用電極5に電圧を印加すると電解用陽極6の表面から酸素が発生する場合があるが、処理水中の溶存酸素量が多くなりすぎないように電解用電極5に電圧を印加することにより、水素排出口17から排出する水素中に酸素が混入することを防止することができる。
【符号の説明】
【0056】
1: 浄化槽 3:光触媒部 5:電解用電極 6:電解用陽極 7:電解用陰極 9:光源部 10:透光性部材 12:溶存酸素計 14:流入口 15:排水口 16:導水管 17:水素排出口 18:帰還水路 19:電圧発生装置 20:電流検出装置 21:制御装置 22:フィルター 23:処理液流路 25:水浄化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄化槽と、前記浄化槽内に設けられかつ受光可能に設けられた光触媒部と、前記浄化槽内に設けられた電解用陽極および電解用陰極とを備えることを特徴とする水浄化装置。
【請求項2】
前記電解用陽極および前記電解用陰極は、前記浄化槽で浄化する処理水を電気分解し、前記処理水の溶存酸素量を多くすることができるように設けられた請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電解用陽極および前記電解用陰極は、前記浄化槽で浄化する処理水に含まれる物質を電気化学的に酸化分解できるように設けられた請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記電解用陽極および前記電解用陰極は、前記浄化槽で浄化する処理水を挟むように対向して設けられた請求項1〜3のいずれか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記電解用陽極と前記電解用陰極との間に印加する電圧を発生させる電圧発生装置と、前記電解用陽極と前記電解用陰極との間に流れた電流を検出する電流値検出装置とをさらに備える請求項1〜4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記浄化槽内に設けられた溶存酸素計と、前記溶存酸素計の電流値を読み取り前記電解用陽極と前記電解用陰極との間に印加する電圧を制御する制御装置とをさらに備える請求項1〜5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
前記電解用陽極および前記電解用陰極は、10mm以下の間隔で設けられた請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記光触媒部に光を照射できるように設けられた光源部をさらに備える請求項1〜7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
前記光触媒部は、前記浄化槽で浄化する処理水を挟むように対向して設けられた請求項1〜8のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記光触媒部は、前記電解用陽極と前記電解用陰極との間に設けられた請求項1〜9のいずれか1つに記載の装置。
【請求項11】
前記浄化槽は、前記浄化槽で浄化する処理水が流れる流路を備え、
前記光触媒部は、前記流路の内壁を構成する請求項1〜10のいずれか1つに記載の装置。
【請求項12】
前記流路は、蛇行流路である請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記浄化槽は、前記浄化槽で浄化する処理水の流入口および排水口を有する請求項1〜12のいずれか1つに記載の装置。
【請求項14】
前記排水口から排出した処理水を前記浄化槽に帰還させる帰還水路をさらに備える請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記光触媒部は、TiO2、SnO2、WO3、Fe23、ZnO、Nb25、SrTiO3、KTaO3、ZrO2、GaP、BiVO4、Bi2MoO6、Ag3PO4のうち少なくとも1つを含む請求項1〜14のいずれか1つに記載の装置。
【請求項16】
前記光触媒部は、Pt、Pd、Ru、Rh、Au、Ag、Cu、Fe、Ni、Zn、Ga、Ge、InおよびSnのうち少なくとも1つの金属が担持された酸化チタンを含む請求項1〜15のいずれか1つに記載の装置。
【請求項17】
前記電解用陽極または前記電解用陰極は、白金、金、ステンレス、チタン、銅、炭素、導電性ダイヤモンド、ニッケル、コバルトのうちいずれか1つを含む請求項1〜16のいずれか1つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−228659(P2012−228659A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98577(P2011−98577)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】