説明

水溶性ビンフルニン塩を含んでなる安定な医薬組成物

水溶性ビンフルニン塩と、少なくとも1種類の希釈剤、1種類の滑沢剤とからなる安定な医薬組成物であって、経口投与を目的として固形形態で提供される、医薬組成物である。ここで水溶性ビンフルニン塩は、好ましくはビンフルニン二酒石酸塩である。この医薬組成物は、好都合にはカプセルまたは錠剤の形態をしている。本発明はまた、本発明の医薬組成物の経口投与を含んでなる癌病状の治療方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビンカアルカロイドの水溶性誘導体の固形の安定な医薬形態、更に詳細にはビンフルニン(vinflunine)誘導体、すなわちビンフルニン二酒石酸塩であって、経口投与を目的とするものに関する。
【発明の背景】
【0002】
抗癌化学療法は、当初は静脈注射法を用いて開発された。この投与経路に対する賛成論は、
消化器毒性が少なく、
総体的バイオアベイラビリティー、並びに
経口経路によるよりも患者間および患者内での暴露変動が潜在的に低い
ことである。
【0003】
しかしながら、静脈内経路には、静脈経路の罹病率、中心静脈経路の合併症の可能性(感染、血栓症)、溢血の危険といった多数の重大な不都合があり、その使用が限定される。
【0004】
数年間に、経口形態の抗癌化学療法は、患者に対する実際的な利益からますます開発されてきた。更に、治療法の選択においてますます重要になってきている薬物経済学の点からも、経口治療が開発されてきている。
【0005】
以前の活性成分(例えば、エトポシド、シクロホスファミドおよびイダルビシン)、フルオロピリミジンの新規な合成誘導体(例えば、UFT、カペシタビン、S−1)、白金の誘導体(例えば、JM−216)またはビンカアルカロイド(例えば、ビノレルビン)などの癌の治療を目的としかつ経口経路で投与される分子の使用の可能性について、多くの予備研究が行われてきた。
【0006】
ビンフルニンは、ビンブラスチンおよびビンクリスチン類のインドール誘導体である。
【化1】

ビンブラスチン R=CH
ビンクリスチン R=CHO
【0007】
これらの化合物は、Catharanthus roseusの抽出物の抗有糸分裂アルカロイドであり、抗癌化学療法に多年にわたって用いられてきた。植物からの抽出によってこれらの誘導体を得ることが困難であったことから、幾つかの研究グループは同じ特性を有する新規な類似物質を同定し、半合成によってそれらを製造する手続きを開発するようになった。この方法で、ビンデシンおよびビノレルビン(ナベルビン)が製造され、癌治療薬として発売されている。これらの化合物の化学構造の主な特徴は、2種類のアルカロイドモノマーであるカタランチンとビンドリンの会合である。
【化2】

【0008】
ビノレルビンを製造するための新規合成経路の開発の過程において、超酸性媒質におけるこの化合物の反応性により、新規分子20’,20’−ジフルオロ−3’,4’−ジヒドロビノレルビンまたはビンフルニンが確認された(WO95/03312号)。この化合物の治療上の利点も、同じ研究作業中に明らかにされた。
【0009】
ビンフルニンの正確な立体配置は様々なH−NMRおよび13C−NMR分光法によって研究されてきた(Magn. Reson. Chem., 2001, 39, p. 43-48)。この研究は、ビンフルニン二酒石酸塩の溶液について行われた。しかしながら、この塩は吸湿性を有し、固形状態でのその安定性が制限され、工業的製造の障害となっている。これは、非晶質粉末状固形物の形態で単離されており、マイナス温度(−15℃以下)および窒素またはアルゴンのような不活性ガス雰囲気下で保管しなければならない。
【0010】
従って、この化合物の取扱いおよび保管は、細心の注意を要することであり、固形状態でのその物理的安定性を改良する任意の医薬形態は製造、保管および包装工程を単純化するであろう。
【0011】
現在、開発の進行段階(第III期(フェーズIII)試験)の注射用形態がある。家庭での投与用の経口形態を開発して、治療による患者のコンプライアンスを向上させることが決定され、これは注射用形態に続くものであり、病院で費やされる日数を回避することができる。
【0012】
固形形態は、個体間変動性が低い(30%以下)に加えて、個人間変動が少なくとも50%となり、好ましくは溶液形態と同等となるものである。この種の活性成分は、実際には治療域が狭いが、これはほとんど未知のままであり、数十〜数百ミリグラムまで変化することがある。
【0013】
賦形剤の選択では、活性成分の安定性とバイオアベイラビリティーとの間で妥協が見られなければならない。賦形剤は、体内での活性成分の分散と速やかな有効性に障害となることなく、活性成分を保護しなければならない。
【0014】
更に、工業的規模での粉末状の細胞毒性化合物の取扱いによる個人の健康や環境に対する危険性は、解決すべき更なる問題を提起する。
【発明の概要】
【0015】
従って、本発明の目的は、冷凍を必要としない保管条件下で少なくとも24ヶ月間の貯蔵寿命を有する医薬形態を見出すことである。
【0016】
本発明によるビンフルニン二酒石酸塩の経口形態は、圧縮用またはカプセル用の通常の賦形剤(希釈剤、結合剤、流動剤、崩壊剤、滑沢剤)からなる固形形態である。驚くべきことには、これらの形態は、密封包装で5℃にて24ヶ月間保管するのに十分安定である。
【0017】
従って、本発明は、本発明によるカプセルおよび錠剤の経口形態は自宅で服用できるようになるので、患者の安心感を向上させることができる。
【0018】
更に、カプセルまたは錠剤のような固形経口形態は、活性成分を医薬形態(例えば、ソフトカプセル)内部に溶解または分散させておくのに要する技術と比較して生産コストが減少する。
【発明の具体的説明】
【0019】
本発明による経口形態は、水溶性ビンフルニン塩、好都合にはビンフルニン二酒石酸塩と賦形剤との混合物から作製される固形形態である。それらは、少なくとも1種類の希釈剤と1種類の滑沢剤からなり、幾つかの製造手続きによって得ることができる。これらの手続きは、当業者に知られている固形形態の製造のための通常の工業的手続きであり、従って工業的処理に完全に適している。
【0020】
本発明による組成物の製造手続きは、幾つかの化合物の乾燥混合に続いてカプセルへの分配または最終の錠剤コーティング段階による圧縮からなることができる。
【0021】
従って、直接乾燥混合によってそれらを製造する場合には、第一段階において、活性成分をタンブラーミキサーなどの医薬産業で標準的ミキサー中にて希釈剤(類)、場合によっては崩壊剤並びに流動剤と混合する。この予備混合物を、均質混合物が得られるまで約10分間室温で攪拌する。その後、滑沢剤をミキサーに加えた後、更に約5〜10分間連続攪拌により潤滑を続行する。このようにして得られた混合物を、医薬産業の適当な装置を用いてゼラチンカプセルに充填するのに用いることができる。あるいは、上記混合物をプレス上で圧縮して錠剤を得ることもできる。後者の場合には、得られた錠剤を好都合にはフィルムコーティング段階を受けさせることができる。
【0022】
混合物を潤滑段階前に湿式または乾式経路によって造粒した後、上記と同じ方法でカプセルまたは錠剤に分配した後、最終的にコーティングすることもできる。
【0023】
湿式造粒による製造の場合には、活性成分を最初に医薬産業普通に用いられている通常のミキサーによって希釈剤および結合剤と注意深く混合する。好都合には、この混合は、活性成分の細胞毒性を考慮して装置の幾つかの部分での生成物の処理を回避するため、ミキサー−造粒装置−乾燥機によって行う。
【0024】
造粒は、それ自体造粒溶媒の添加によって行うことができる。造粒溶媒は、水性、アルコール性または水−アルコール性であることができる。
【0025】
アルコール性溶媒の場合には、エタノールがアルコール性溶媒として好ましく、水−アルコール性溶媒の場合には、重量比が60/40〜40/60であり、更に詳細には50/50である水/エタノール混合物が用いられる。造粒段階および保管中に活性成分の安定性を最大にするには、水性溶媒、特に水が好ましい。
【0026】
造粒溶媒と造粒する混合物の量の重量比は、10〜25%とし、好ましくは15〜22%とする。この方法で加湿した混合物を組み合わせて混合し、造粒、すなわち顆粒状の成分を凝集させる。
【0027】
次に、造粒混合物を乾燥段階を行い、乾燥ペレット、すなわち造粒前の混合物に相当する状態の湿度を有するものを得る。乾燥は、ミキサー−造粒装置−乾燥機内部で真空で行い、活性成分の安定性を損なう過度の高温を避けることができる。あるいは、造粒混合物は、真空下オーブンで流動空気床を用いて乾燥することができる。
【0028】
この手続きの方法の特定の形態では、得られた顆粒を100〜250μm、好ましくは約200μmの粒度に調整する。
【0029】
崩壊剤および/または流動剤からなる外部相を、これらの得られた顆粒に湿式経路によって加えることができる。これらの成分を、回転ミキサー(turning mixer)のようなミキサーで十分に混合する。
【0030】
次いで、滑沢剤をミキサーに加えて、潤滑化顆粒を得る。
【0031】
潤滑化顆粒を、当業者に知られている手法を用いてカプセルに入れ、または錠剤プレスで圧縮することができる。
【0032】
乾式造粒によって製造する場合には、医薬産業型のミキサー中で、活性成分を希釈剤と、可能ならば結合剤を加えて十分に混合する。次に、混合物を、例えば、ローラー圧縮機で、ブリケット(briquetting)または圧縮段階のような溶媒を添加しない造粒段階により造粒する。
【0033】
この方法で得られた凝集物に、次に摩砕/調整段階を行って、その粒度を減少させ、顆粒を生成する。
【0034】
この手続きの方法の特定の形態では、得られた顆粒を100〜250μm、好ましくは約200μmの粒度に調整する。
【0035】
崩壊剤および/または流動剤からなる外部相を、これらの得られた顆粒に湿式経路によって加えることができる。
【0036】
この方法で得られた顆粒を、滑沢剤と顆粒上に滑沢剤を均一に分布させるのに要する時間混合する。
【0037】
上記と同じ方法で、当業者に知られている手法を用いてカプセルに入れ、または錠剤プレスで圧縮することができる。
【0038】
あるいは、本発明の組成物は、乾式経路による直接混合、すなわち活性成分を希釈剤および可能ならば崩壊剤と注意深く混合することによって得ることができる。
【0039】
滑沢剤および可能ならば流動剤は、混合終了時の最終段階に加えた後、カプセルに分配または錠剤に圧縮する。
【0040】
従って、本発明は、更に正確には、水溶性ビンフルニン塩と、少なくとも1種類の希釈剤と、1種類の滑沢剤とを含んでなる安定な医薬組成物であって、経口投与を目的として固形形態で提供される上記医薬組成物に関する。
【0041】
本発明において「安定な」という用語は、場合によっては不活性雰囲気下で0〜10℃、好都合には2〜8℃の温度で24ヶ月間保管後の不純物レベルが2%を下回り、好都合には1%、更に一層好ましくは0.5%を下回る組成物を表す。
【0042】
本発明において「希釈剤」という用語は、医薬組成物の重量を増加させ、錠剤またはカプセルのいずれにせよ最終医薬形態における質量および活性成分含量を均一にすることができる物質を表す。希釈剤はまた、一般に良好に流れない活性成分の製造工程中に混合物の流動を良好にする。それらはまた、錠剤製造工程中の圧縮を容易にする。
【0043】
本発明において「滑沢剤」という用語は、粉末状であって可能ならば活性成分を含む賦形剤混合物の様々な成分間の摩擦を減少させることができる物質を表す。滑沢剤は、粉末がパンチおよびマトリックスへ付着するのを減少させることができる。それらはまた、圧縮力の伝達を良好にする。しかしながら、それらを過剰に添加すると、錠剤の凝集力を減少させる。
【0044】
本発明において「結合剤」という用語は、粒子同士を結合することができる物質を表す。結合剤は、錠剤を生成するのに必要な圧縮力を減少させることができる。セルロース誘導体のような幾つかの結合剤は、凝集させる粒子を絡み合わせる。他のものは融点が低く、圧縮行程の温度増加中に粒子間ブリッジを形成すると思われる。
【0045】
本発明において「流動剤」(flow agent)という用語は、粉末の流動性を向上させた後、圧縮室に均一に充填することにより固形混合物の流れを向上させることができる物質を表す。
【0046】
本発明において「崩壊剤」という用語は、液体、例えば、胃における液体の存在においてまたは消化液と接触させたときに医薬形態を砕いて、活性成分を放出する物質を表す。
【0047】
本発明において「フィルム形成剤」という用語は、通常はポリマー性であり、錠剤およびカプセル膜(tunic)を薄い層でコーティングすることができる物質を表す。これは、着色料の役割を果たし、または不快な臭いを遮断することができる。それはまた、患者や医師を、手および頬咽頭レベルで活性成分の毒性から保護することもできる。それはまた、耐胃液性または透析性であることもできる。この場合には、付着量が多くなるので、「コーティング剤」という用語が用いられる。
【0048】
本発明において「フィルム形成アジュバント」という用語は、フィルム層が脆くなるのを防止することができる可塑剤を表す。それらは、層形成温度を下げることもできる。
【0049】
本発明において「絶対的バイオアベイラビリティー」という用語は、静脈内投与と比較した経口投与後に見られる血中の活性成分レベルの比を表す。
【0050】
本発明において「個人間変動」という用語は、所定集団の人々(健常志願者、患者など)内の同じ活性成分の血漿濃度間で見られる所定時における変動を表す。
【0051】
希釈剤は、好都合には糖類、好都合にはサッカロース、フルクトース、グルコース、ポリオール類、好都合にはマンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、多糖類、天然または予備ゼラチン化澱粉、マルトデキストリン、シクロデキストリン、無機化合物、リン酸二カルシウムまたは三カルシウム二水和物または無水物、セルロース誘導体、好ましくは微晶質セルロース、一水和または無水ラクトース、並びにそれらの混合物から選択され、更に好都合には二水和リン酸二カルシウム、マンニトール、予備ゼラチン化トウモロコシ澱粉、微晶質セルロース、およびそれらの混合物から選択される。
【0052】
滑沢剤は、好都合には脂肪酸塩、好都合にはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸亜鉛、脂肪酸エステル、好都合にはベヘン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、パルミトステアリン酸グリセロール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、水素化または非水素化リシン油、水素化植物油、トウモロコシ油、安息香酸ナトリウム、タルク、ステアリル−フマル酸ナトリウム、脂肪酸トリグリセリド、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、並びにそれらの混合物から選択され、好都合にはステアリン酸マグネシウムである。
【0053】
希釈剤は、好都合には微晶質セルロースと、D−マンニトール、トウモロコシ澱粉およびリン酸二カルシウム二水和物との混合物からなる。
【0054】
希釈剤の割合は、好都合には組成物の総重量の20〜80%であり、更に好都合には30〜60%であり、更に好都合には約56%または40%または36%である。
【0055】
滑沢剤の割合は、好都合には組成物の総重量の0.5〜10%であり、好都合には1〜5%であり、更に好都合には約1.5%または2.5%である。
【0056】
本発明による組成物は、結合剤を含むことができる。結合剤は、セルロース誘導体、好都合にはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、セルロース、ポリビニルピロリドン、ゴム類、好都合にはガーゴム、アドラガンテゴム(adragante gum)、アラビアゴム、キサンタンゴム、糖類、サッカロースまたはグルコース、ゼラチン、ポリエチレングリコール、またはビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、並びにそれらの混合物、更に好都合にはヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択することができる。
【0057】
結合剤の割合は、好都合には組成物の総重量の1〜10%であり、好都合には約5%である。
【0058】
本発明による組成物は、崩壊剤を含むことができる。
【0059】
崩壊剤は、好都合にはカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、セルロース、澱粉誘導体、好ましくはカルボキシメチル澱粉、予備ゼラチン化澱粉、天然澱粉、ポリビニルピロリドン誘導体、好都合にはクロスポビドンまたはコポビドン、並びにそれらの混合物、好都合にはクロスポビドン、カルボキシメチル澱粉ナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウム、更に好都合にはクロスカルメロースナトリウムからも選択される。
【0060】
崩壊剤の割合は、組成物の総重量の1〜10%であり、好都合には2〜8%であり、更に好都合には約5%または7%である。
【0061】
本発明による組成物は、流動剤を含むことができる。
【0062】
流動剤は、好都合には水和したまたは無水の親水性または疎水性コロイド状シリカから選択され、好ましくは親水性の水和したコロイド状シリカである。
【0063】
流動剤および/または滑沢剤の割合は、好都合には組成物の総重量の0.2〜5%であり、好都合には約1.75%または2.25%である。
【0064】
本発明の好都合な態様によれば、重量での組成は、
希釈剤約53%、好ましくはD−マンニトール約32%および微晶質セルロース21%、または好ましくはリン酸カルシウム二水和物約32%および微晶質セルロース21%、
結合剤、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース約5%、
崩壊剤、好ましくはクロスカルメロースナトリウム約5%、
流動剤、好ましくはコロイド状シリカ二水和物約0.25%、
滑沢剤、好ましくはステアリン酸マグネシウム約1.5%
である。
【0065】
本発明のもう一つの好都合な態様によれば、重量による組成は、
希釈剤約40%、好ましくはD−マンニトール約24%および微晶質セルロース16%、
結合剤、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース約5%、
崩壊剤、好ましくはクロスカルメロースナトリウム約5%、
流動剤、好ましくはコロイド状シリカ二水和物約0.25%、
滑沢剤、好ましくはステアリン酸マグネシウム約1.5%
である。
【0066】
本発明の更にもう一つの態様によれば、重量での組成は、
希釈剤約36%、好ましくはD−マンニトール約22%および微晶質セルロース14 %、
結合剤、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース約5%、
崩壊剤、好ましくはクロスカルメロースナトリウム約7%、
流動剤、好ましくはコロイド状シリカ二水和物約0.25%、
滑沢剤、好ましくはステアリン酸マグネシウム約2%
である。
【0067】
本発明による組成物は、粉末または顆粒の形態であることができる。
【0068】
あるいは、本発明の組成物は、錠剤形態に圧縮することができる。
【0069】
粉末または顆粒形態の本発明の組成物は、ポリマー、好ましくはゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびプルーランから選択されるものからなるカプセルに入れることができる。
【0070】
カプセルは、着色料、好都合には色素および酸化物、並びにそれらの混合物から選択される、更に好都合には酸化チタンおよび酸化鉄およびそれらの混合物から選択される着色料を含むこともできる。
【0071】
フィルム形成剤は、錠剤の表面に付着させることができる。
【0072】
フィルム形成剤は、セルロースの誘導体、好都合にはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース,メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルメロースナトリウム、アクリル酸誘導体、好都合にはポリブチレートメタクリレート、ポリ2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、トリメチルアミノエチルメタクリレートクロリド、セチルアルコール、ベヘン酸グリセロール、ワックス類、好都合にはビーズワックス、カルナウバワックス、ゼラチン、ラックゴム(gum lac)、カカオ油、水素化リシン油、ビニルポリアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ビニルポリアセテート、並びにそれらの混合物から選択される。
【0073】
フィルム形成剤の割合は、組成物の総重量の0.1〜20%であり、好都合には0.5〜10%である。
【0074】
本発明による組成物は、少なくとも1種類のフィルム形成アジュバントを含むことができる。
【0075】
フィルム形成アジュバントは、好都合にはポリオキシエチレンおよびアルキルエーテル、可塑剤、好都合にはクエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、ミグリオール、トリアセチン、充填剤、好都合にはタルク、シリカ、二酸化チタン、着色料、並びにそれらの混合物から選択される。
【0076】
フィルム形成アジュバントの割合は、組成物の総重量の0.01〜5%である。
【0077】
本発明の好ましい態様では、組成物は、重量でポリエチレングリコール約0.19%、二酸化チタン0.81%、キノリンイエロー0.01%、ベンガラ0.01%を含んでなる。
【0078】
本発明の組成物は、好都合には水溶性ビンフルニン塩5〜80%、好都合には20〜60%を含む。
【0079】
本発明の組成物を造粒によって得るときには、それは好都合には重量で水溶性ビンフルニン塩30〜50%、更に好都合には約35%を含む。
【0080】
本発明の組成物を乾式混合によって得るときには、それは好都合には重量で水溶性ビンフルニン塩35〜55%、更に好都合には約50%を含む。
【0081】
水溶性ビンフルニン塩は、好都合にはビンフルニン二酒石酸塩である。
【0082】
本発明の組成物は、好都合には安定性を増すために密封包装で保管することができる。
【0083】
錠剤に成形したまたはカプセルに入れた本発明の組成物は、例えば、密封包装で、好ましくは当業者に知られている手法による気密性で水分を通さないアルミニウム薄層またはコラミネート(co-laminate)をコーティングしたブリスターパックに保管することができる。
【0084】
本発明は、本発明の医薬組成物の有効量を、それを必要とする患者に経口投与することを含んでなる、癌の治療方法にも関する。
【0085】
本発明は、下記の実施例によって非制限的に説明する。
【実施例】
【0086】
本発明の錠剤およびカプセルを調製した。それらの安定性と溶解速度を測定した。活性成分のバイオアベイラビリティーを評価した。
【0087】
実施例1
ビンフルニン二酒石酸塩濃度が約35%の2種類の混合物を、湿式造粒によって調製した。外部相(クロスカルメロースナトリウム、コロイド状シリカ二水和物)を次に加えた後、潤滑化段階を行い、カプセルに分配した。生成するカプセルを、ビンフルニン塩基20および75mgで投与した。
主希釈剤はD−マンニトールである。
【0088】
1.1. 顆粒の単位および百分率処方
【0089】
【表1】

【0090】
1.2. イン・ビトロ溶解試験
溶解した活性成分の量を、標準的欧州薬局方のプロトコルを用いて、カプセル当たり0.1N HCl 1リットル中で37℃にて75rpmの速度で攪拌することによって測定した。結果を、下表に示す。この操作方法は、以下の実施例2〜6でも用いる。
【0091】
【表2】

【0092】
【表3】

【0093】
1.3. 密封条件下5℃および25℃での3ヶ月後の安定性試験
カプセルAおよびBの形態での組成物を、密封包装装置で包装した。それらを5℃および外部湿度レベル20%、または25℃および外部湿度レベル60%で3ヶ月間保管した。
不純物の重量含量(組成物の総重量の%)を、保管直後、次いで保管3ヶ月後に分析した。これら2つの百分率の差は、不純物含量の変化を示している。
これを、同じ条件下で保管した凍結乾燥したビンフルニン二酒石酸塩について得た値と比較する。
結果を下表に示す。
【0094】
【表4】

【0095】
1.4. バイオアベイラビリティーの検討
バイオアベイラビリティーについての臨床検討を、上記バッチAおよびBについて行った。
カプセル形態での活性成分の経口バイオアベイラビリティーを、20%(w/w塩基ビンフルニン)ビンフルニン二酒石酸塩のプロピレングリコール溶液を詰めたソフトゼラチンカプセル形態の活性成分と比較した。
検討は、120mg/m体面積の容量を投与された20名の患者について行った。
結果を、下表に示す。
【0096】
【表5】

【0097】
実施例2
ビンフルニン二酒石酸塩濃度が約35%の2種類の混合物を、湿式造粒によって調製した。外部相(クロスカルメロースナトリウム、コロイド状シリカ二水和物)を次に加えた後、潤滑化段階を行い、カプセルに分配した。生成するカプセルを、ビンフルニン塩基20および75mgで投与した。
主希釈剤は、リン酸二カルシウム二水和物である。
【0098】
2.1. 顆粒の単位および百分率処方
【0099】
【表6】

【0100】
2.1. イン・ビトロ溶解試験
【0101】
【表7】

【0102】
【表8】

【0103】
実施例3
ビンフルニン二酒石酸塩濃度が約50%の混合物を、湿式造粒によって調製した。外部相(クロスカルメロースナトリウム、コロイド状シリカ二水和物)を次に加えた後、潤滑化段階を行い、カプセルに分配した。生成するカプセルを、ビンフルニン塩基100mgで投与した。
主希釈剤はD−マンニトールである。
【0104】
3.1. 顆粒の単位および百分率処方
【0105】
【表9】

【0106】
3.2. イン・ビトロ溶解試験
【0107】
【表10】

【0108】
実施例4
ビンフルニン二酒石酸塩濃度が約52%の混合物を、乾式混合によって調製した後、潤滑化段階を行い、カプセルに分配した。生成するカプセルを、ビンフルニン塩基90mgで投与した。
主希釈剤はD−マンニトールである。
【0109】
4.1. 顆粒の単位および百分率処方
【0110】
【表11】

【0111】
4.2. イン・ビトロ溶解試験
【0112】
【表12】

【0113】
実施例5
ビンフルニン二酒石酸塩約35%まで濃縮した混合物を、湿式造粒によって調製した。外部相(クロスカルメロースナトリウム、コロイド状シリカ二水和物)を次に加えた後、圧縮および潤滑化を行った。生成するカプセルを、ビンフルニン塩基20mgで投与した。
主希釈剤はD−マンニトールである。
【0114】
5.1. 顆粒の単位および百分率処方
【0115】
【表13】

【0116】
5.2. イン・ビトロ溶解試験
【0117】
【表14】

【0118】
実施例6
ビンフルニン二酒石酸塩濃度が約48%の混合物を、湿式造粒によって調製した。外部相(クロスカルメロースナトリウム、コロイド状シリカ二水和物)を次に加えた後、潤滑化および圧縮を行った。生成するカプセルを、ビンフルニン塩基200mgで投与した。
主希釈剤はD−マンニトールである。
【0119】
6.1. 顆粒の単位および百分率処方
【0120】
【表15】

【0121】
6.2. イン・ビトロ溶解試験
【0122】
【表16】

【0123】
上記の実験は、本発明の組成物が5℃で密封包装にて3ヶ月間安定であることを示している。
これらの組成物について3ヶ月間にわたって見られた25℃での極めて高い安定性から、5℃で24ヶ月間の貯蔵寿命が予見することができる。
本発明の組成物は、イン・ビトロでは活性成分の80%以上を30分間で放出する。
更に、本発明の組成物は、経口用液体形態と同様の絶対バイオアベイラビリティーおよび個人間変動も示す。
【0124】
実施例7
ビンフルニン二酒石酸塩濃度が34.175%の混合物を乾式混合によって調製した後、潤滑化およびゼラチンカプセルへの分配段階を行った。
【0125】
ビンフルニン二酒石酸塩を、ミキサー、好ましくはタンブラーミキサーで希釈剤(D−マンニトールおよび微晶質セルロース)、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)および流動剤(コロイド状シリカ二水和物)に組込む。様々な成分の均質混合物が得られるまでの期間、混合を行い、この期間は好ましくは10分間である。混合段階に続いて、ステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として用いる潤滑化段階を同じミキサーで行う。混合物の最適潤滑化を得るためのこの段階の期間は、好ましくは5分間である。潤滑化段階に続いて、混合物をゼラチンカプセルに分配する。得られたゼラチンカプセルは、ビンフルニン塩基20mgを加える。
【0126】
7.1. ゼラチンカプセルの単位および百分率処方
【0127】
【表17】

【0128】
7.2. イン・ビトロ溶解試験
【0129】
【表18】

【0130】
実施例8
ビンフルニン二酒石酸塩濃度が約51.265%の混合物を乾式混合によって調製した後、潤滑化およびゼラチンカプセルへの分配段階を行った。ビンフルニン二酒石酸塩を、ミキサー、好ましくはタンブラーミキサーで希釈剤(D−マンニトールおよび微晶質セルロース)、崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム)および流動剤(コロイド状シリカ二水和物)に組込む。様々な成分の均質混合物が得られるまでの期間、混合を行い、この期間は好ましくは10分間である。混合段階に続いて、ステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として用いる潤滑化段階を同じミキサーで行う。混合物の最適潤滑化を得るためのこの段階の期間は、好ましくは5分間である。潤滑化段階に続いて、混合物をゼラチンカプセルに分配する。得られたゼラチンカプセルは、ビンフルニン塩基75mgを加える。
【0131】
8.1. ゼラチンカプセルの単位および百分率処方
【0132】
【表19】

【0133】
8.2. イン・ビトロ溶解試験
【0134】
【表20】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性ビンフルニン塩と、少なくとも1種類の希釈剤と、1種類の滑沢剤とを含んでなる安定な医薬組成物であって、
経口投与を目的として固形形態で提供される、医薬組成物。
【請求項2】
希釈剤が、糖類、好ましくはサッカロース、フルクトース、グルコース、ポリオール類、好ましくはマンニトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラクチトール、多糖類、天然または予備ゼラチン化澱粉、マルトデキストリン、シクロデキストリン、無機化合物、二水和または無水リン酸二カルシウムまたは三カルシウム、セルロース誘導体、好ましくは微晶質セルロース、一水和または無水ラクトース、並びにそれらの混合物から選択され、
好ましくは、二水和リン酸二カルシウム、マンニトール、予備ゼラチン化トウモロコシ澱粉、微晶質セルロース、およびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
滑沢剤が、脂肪酸塩、好ましくはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸亜鉛、脂肪酸エステル、好ましくはベヘン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、パルミトステアリン酸グリセロール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、水素化または非水素化リシン油、水素化植物油、トウモロコシ油、安息香酸ナトリウム、タルク、ステアリル−フマル酸ナトリウム、脂肪酸トリグリセリド、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、並びにそれらの混合物から選択され、
好ましくは、ステアリン酸マグネシウムである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
希釈剤が、微晶質セルロースと、D−マンニトール、トウモロコシ澱粉およびリン酸二カルシウム二水和物から選択される化合物との混合物からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
希釈剤の割合が、組成物の総重量の20〜80%であり、更に好ましくは30〜60%、更に一層好ましくは約56%または40%または36%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
滑沢剤の割合が、組成物の総重量の0.5〜10%であり、好ましくは1〜5%、更に一層好ましくは約1.5%または2.5%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1種類の結合剤をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
結合剤が、セルロース誘導体、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、セルロース、ポリビニルピロリドン、ゴム類、好ましくはガーゴム、アドラガントゴム(adragante gum)、アラビアゴム、キサンタンゴム、糖類、サッカロースまたはグルコース、ゼラチン、ポリエチレングリコール、またはビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、並びにそれらの混合物、更に一層好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
結合剤の割合が、組成物の総重量の1〜10%であり、好ましくは約5%である、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
崩壊剤をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
崩壊剤が、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、セルロース、澱粉誘導体、好ましくはカルボキシメチル澱粉、予備ゼラチン化澱粉、天然澱粉、ポリビニルピロリドン誘導体、好ましくはクロスポビドンまたはコポビドン、並びにそれらの混合物、好ましくはクロスポビドン、カルボキシメチル澱粉ナトリウムまたはクロスカルメロースナトリウム、更に一層好ましくはクロスカルメロースナトリウムから選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
崩壊剤の割合が、組成物の総重量の1〜10%であり、好ましくは2〜8%であり、更に一層好ましくは約5%または7%である、請求項10または11に記載の組成物。
【請求項13】
流動剤を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
流動剤が、親水性または疎水性コロイド状シリカの水和物または無水物から選択され、好ましくは親水性コロイド状シリカ二水和物である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
流動剤および/または滑沢剤の総割合が組成物の総重量の0.2〜5%であり、好ましくは約1.75%または2.25%である、請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
重量で、
希釈剤約53%、好ましくはD−マンニトール約32%および微晶質セルロース21%、または好ましくはリン酸カルシウム二水和物約32%および微晶質セルロース21%、
結合剤、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース約5%、
崩壊剤、好ましくはクロスカルメロースナトリウム約5%、
流動剤、好ましくはコロイド状シリカ二水和物約0.25%、
滑沢剤、好ましくはステアリン酸マグネシウム約1.5%
を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項17】
重量で、
希釈剤約40%、好ましくはD−マンニトール約24%および微晶質セルロース16 %、
結合剤、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース約5%、
崩壊剤、好ましくはクロスカルメロースナトリウム約5%、
流動剤、好ましくはコロイド状シリカ二水和物約0.25%、
滑沢剤、好ましくはステアリン酸マグネシウム約1.5%
を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項18】
重量で、
希釈剤約36%、好ましくはD−マンニトール約22%および微晶質セルロース14 %、
結合剤、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロース約5%、
崩壊剤、好ましくはクロスカルメロースナトリウム約7%、
流動剤、好ましくはコロイド状シリカ二水和物約0.25%、
滑沢剤、好ましくはステアリン酸マグネシウム約2%
を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項19】
粉末または顆粒の形態の、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
錠剤に成形した、請求項1〜19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
好ましくはゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびプルーランから選択されるポリマーカプセルに分配される、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
水溶性ビンフルニン塩5〜80重量%、好ましくは20〜60%、更に一層好ましくは30〜50%、更にもっと好ましくは約35%を含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
水溶性ビンフルニン塩がビンフルニン二酒石酸塩である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
請求項1の医薬組成物の有効量を、それを必要とする患者に経口投与することを含んでなる、癌の治療方法。

【公表番号】特表2010−533139(P2010−533139A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515500(P2010−515500)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058893
【国際公開番号】WO2009/007388
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(500033483)ピエール、ファーブル、メディカマン (73)
【Fターム(参考)】