説明

水田作業車

【課題】水田作業車において、右及び左のマーカーの操作性を向上させる。
【解決手段】右又は左のマーカー19が作用姿勢に操作された作業行程の後に機体が畦際に達すると、作用姿勢の右又は左のマーカー19を格納姿勢に操作し、機体の旋回が行われて次の作業行程に入ると、格納された右又は左のマーカー19とは反対側のマーカー19を作用姿勢に操作するマーカー操作手段54を備える。マーカー操作手段54の作動状態においてマーカー操作手段54に優先して、右及び左のマーカー19を作用姿勢及び格納姿勢に操作する作業用人為操作具12を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用型田植機や乗用型直播機等の水田作業車における水田での旋回の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
水田作業車の一例である乗用型田植機では、一回の作業行程が終了して機体が畦際に達すると、苗植付装置(作業装置に相当)を田面から上昇させて(非作業状態に相当)、旋回を行う(略Uターンするような旋回)。旋回が終了すると、苗植付装置を田面に下降させて(作業状態に相当)、次の作業行程に入る。
例えば特許文献1では、機体が畦際に達して前輪が操向操作されると、旋回が開始されたと判断され(特許文献1の段落番号[0038])、機体の旋回行程の位置の検出が開始されて(機体位置検出手段に相当)、機体が旋回終了位置に達したことが検出されると旋回が終了したと判断するように構成されている。
【0003】
特許文献1では、前輪が操向操作されて旋回が開始されると、苗植付装置が田面から自動的に上昇するように構成しており(非作業状態に相当)(特許文献1の段落番号[0039])、機体が旋回終了位置に達したことを検出することにより、苗植付装置が田面に自動的に下降するように構成している(作業状態に相当)(特許文献1の段落番号[0044])。
これにより、旋回の開始時に、運転者が昇降レバーによる苗植付装置の上昇操作を行わなくてもよいように、旋回の終了時に、運転者が昇降レバーによる苗植付装置の下降操作を行わなくてもよいようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−233220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置を検出する場合、例えば機体の旋回行程の位置を検出する機体位置検出手段に不具合が発生すると、旋回終了位置の検出が適切に行われず、作業装置の作業状態への操作が適切に行われないことになる。
【0006】
本発明は、水田作業車において、機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置を検出し、旋回終了位置が検出されると作業装置を作業状態に操作するように構成する場合、作業装置の作業状態への操作が適切に行われるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、水田作業車において次のように構成することにある。
機体に備えられた作業装置を作業状態及び非作業状態に操作自在に構成し、
機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置を検出する機体位置検出手段と、前記機体位置検出手段の検出に基づいて旋回終了位置を検出する旋回終了位置検出手段と、前記旋回終了位置検出手段の検出に基づいて前記作業装置を作業状態に操作する作業装置操作手段とを備え、
機体の旋回開始からの機体の走行距離を検出する走行距離検出手段、又は機体の旋回開始からの経過時間を検出する経過時間検出手段を備え、
前記走行距離検出手段の検出値が事前に設定された設定距離に達するまでに、又は前記経過時間検出手段の検出値が事前に設定された設定時間に達するまでに、前記作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了しなければ、前記作業装置操作手段の作動を停止させる停止手段を備える。
【0008】
(作用)
本発明の第1特徴によると、機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置が検出されて、機体の旋回行程の位置の検出に基づいて旋回終了位置が検出されると、作業装置が作業状態に操作される。
本発明の第1特徴によると、機体の旋回開始からの機体の走行距離が検出される(又は機体の旋回開始からの経過時間が検出される)。この場合、機体の旋回開始から機体が通常の旋回を行う場合、機体位置検出手段が正常に作動していれば、機体の旋回開始から作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了していると予想される走行距離又は経過時間を、設定距離又は設定時間として事前に設定しておけばよい。
【0009】
本発明の第1特徴によると、機体の旋回開始から機体の走行距離が設定距離に達するまでに、又は機体の旋回開始から設定時間が経過するまでに、作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了していると、機体位置検出手段が正常に作動していると判断される。
機体の旋回開始から機体の走行距離が設定距離に達するまでに、又は機体の旋回開始から設定時間が経過するまでに、作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了していなければ、機体位置検出手段が正常に作動していないと判断されて、作業装置の作業状態への操作は行われない(作業装置操作手段の作動を停止させる)。
【0010】
このように、設定距離又は設定時間に基づいて機体位置検出手段が正常に作動しているか否かを判断することにより、適切ではない状態の場合(機体位置検出手段が正常に作動していない場合)、作業装置の作業状態への操作が行われない。これについて言い換えると、適切ではない状態において(機体位置検出手段が正常に作動していない状態において)、作業装置の作業状態への操作が行われる状態を避けることができる。
【0011】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、水田作業車において、機体の旋回開始に伴って機体の旋回行程の位置を検出し、旋回終了位置が検出されると作業装置を作業状態に操作するように構成する場合、作業装置の作業状態への操作が行われる状態及び行われない状態を適切に得ることができるようになって、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
【0012】
例えば水田作業車の一例である乗用型田植機において、旋回終了位置の検出に基づいて苗植付装置の田面への下降操作(作業状態に相当)や、苗植付装置に動力を伝達する植付クラッチの伝動状態への操作(作業状態に相当)が行われるように構成する場合、適切ではない位置において、苗植付装置の田面への下降操作や植付クラッチの伝動状態への操作が行われる状態を避けることができて、乗用型田植機の植付性能を向上させることができた。
【0013】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の水田作業車において次のように構成することにある。
機体の走行距離と前輪の直進位置からの操向角度とにより、機体の旋回半径と、機体の旋回中心に対して機体が移動した移動角度とを検出し、前記機体の旋回半径と移動角度とに基づいて三角関数により、前記旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置を検出して、前記旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置を前記機体の旋回行程の位置として検出するように、前記機体位置検出手段を構成する。
【0014】
(作用)
本発明の第2特徴によると、機体の走行距離と前輪の直進位置からの操向角度とを使用しており、機体の走行距離に対して前輪の直進位置からの操向角度を加味することによって、機体がどの方向にどれたけ進行したのかを検出することができる。
このように、機体がどの方向にどれだけ進行したのかを検出することができれば、大きな旋回が行われても小さな旋回が行われても、これに関係なく、旋回開始前(例えば図9のL01参照)の機体の進行方向(例えば図9の(+Y)(−Y)参照)における機体の位置(例えば図10(b)のY1参照)を検出することができる。
【0015】
例えば、図10(a)(b)に示すように、機体の走行距離Gと前輪1の直進位置A1からの操向角度Aとによって、機体の旋回半径Rと、機体の旋回中心Cに対して機体が移動した移動角度θとを検出することができる(例えば、前輪1及び後輪2のホイルベースWや前輪1の直進位置A1からの操向角度A等に基づいて、機体の旋回中心C及び旋回半径Rを検出し、機体の旋回中心C及び旋回半径Rと機体の走行距離Gとに基づいて、機体の移動角度θを検出することができる)。機体の旋回半径と移動角度とを検出することにより、旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置を、三角関数により精度よく検出することができる(例えば図10(b)において、R*SIN(θ)によりY1を検出する)。
【0016】
本発明の第2特徴によると、大きな旋回が行われても小さな旋回が行われても、これに関係なく、旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置を、機体の旋回行程の位置として検出することができれば、旋回開始位置を検出(設定)することにより、旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置(機体の旋回行程の位置)に基づいて、旋回開始位置から旋回終了位置を精度良く検出することができる。
【0017】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置(機体の旋回行程の位置)を検出することにより、旋回終了位置を精度良く検出することができ、旋回終了位置の検出に基づいて作業装置を適切に作業状態に操作することができるようになって、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
【0018】
[III]
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の水田作業車において次のように構成することにある。
機体の旋回開始から前記作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了するまでの間に、前記作業装置を操作する為の作業用人為操作具が操作されると、前記作業装置操作手段の作動を停止させるように、前記停止手段を構成する。
【0019】
(作用)
水田作業車では、作業装置を作業状態に自動的に操作する作業装置操作手段ばかりではなく、運転者が手動によって作業装置を操作する為の作業用人為操作具(例えば作業装置の昇降操作や作業装置に動力を伝達する作業クラッチの操作等を行う為の操作レバー等)を備えることが多い。
【0020】
本発明の第3特徴によると、機体の旋回開始から作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作が終了するまでの間において、作業用人為操作具が操作されると、作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作とは別の操作(作業)を行いたいと言う運転者の意思が働いたと判断されて、作業装置操作手段の作動が停止(中断)する。これにより、作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作とは別の操作(作業)に無理なく移行することができる。
【0021】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、作業装置操作手段の作動を停止(中断)して、作業装置操作手段による作業装置の作業状態への操作とは別の操作(作業)に無理なく移行することができるようになって、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
【0022】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴の水田作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記作業装置操作手段を作動及び停止状態に設定するもので人為的に操作される人為操作具を備える。
【0023】
(作用)
本発明の第4特徴によると、作業装置を作業状態に自動的に操作する作業装置操作手段を作動させる必要がある場合、作動させる必要が無い場合において、運転者が人為操作具を操作することによって、作業装置操作手段の作動及び停止状態を任意に設定することができる。
【0024】
(発明の効果)
本発明の第4特徴によると、運転者が人為操作具を操作することによって、作業装置操作手段の作動及び停止状態を任意に設定することができるようになり、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
【0025】
[V]
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第4特徴の水田作業車において次のように構成することにある。
前記人為操作具により作業装置操作手段が作動状態に設定されている状態において、エンジンの停止操作が行われ再びエンジンの始動操作が行われても、前記作業装置操作手段の作動状態が維持されるように構成する。
【0026】
(作用)
前項[IV]に記載のような人為操作具を備えた場合、運転者が人為操作具を操作して作業装置操作手段の作動状態を設定していた状態において、例えば運転者がエンジンの停止操作を行うと、作業装置操作手段が自動的に停止状態に設定されるように構成されていたとする。
この構成であるとエンジンの停止操作後にエンジンの始動操作を行った場合、エンジンの停止及び始動操作の前後において、作業装置操作手段の状態が異なるものになるので、運転者は作業装置操作手段が停止状態に設定されていることを忘れている可能性があり(作業装置操作手段が作動状態であると思い込んでいる可能性があり)、運転者の誤解を招くおそれがある。
【0027】
本発明の第5特徴によると、運転者が人為操作具を操作して作業装置操作手段の作動状態を設定していた状態において、例えば運転者がエンジンの停止操作を行い再びエンジンの始動操作を行った場合、作業装置操作手段の作動状態が維持される。
これにより、エンジンの停止操作時に、運転者が作業装置操作手段は作動状態であると思い込んでいても、エンジンの停止及び始動操作の前後において、作業装置操作手段の状態が作動状態の同じものになるので、運転者の誤解を招くようなことがない。
【0028】
(発明の効果)
本発明の第5特徴によると、エンジンの停止及び始動操作の前後において、作業装置操作手段の状態が作動状態の同じものになり、運転者の誤解を招くようなことがないので、誤解に基づく運転者の誤操作を少なくすることができた。
【0029】
[VI]
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第1〜第5特徴の水田作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前輪の操向操作に基づいて前記作業装置を非作業状態に操作して機体の旋回が開始されたとする旋回開始操作手段を備え、
前記旋回終了位置検出手段の検出に基づいて前記作業装置操作手段が作業装置を作業状態に操作してから、機体が事前に設定された所定距離だけ走行するまでの間、又は、事前に設定された所定時間が経過するまでの間、前輪の操向操作が行われても、前記旋回開始操作手段の作動を阻止する牽制手段を備える。
【0030】
(作用)
水田作業車では、機体の旋回開始を判断するものとして、前項[III]に記載のような作業用人為操作具を運転者が操作して作業装置を非作業状態に操作すると、機体の旋回開始と判断するように構成することが多くある。
この構成に加えて又はこの構成に代えて、特許文献1のように、前輪の操向操作に基づいて作業装置を非作業状態に操作して機体の旋回が開始されたとする旋回開始操作手段を備えることがある(例えば運転者が操縦ハンドルを操作して前輪が操向操作されると、作業装置が非作業状態に操作されて、機体の旋回が開始されたとされる)。
【0031】
前述のような旋回開始操作手段を備えた場合、次のような不都合の生じることがある。例えば旋回終了位置の検出に基づいて、作業装置が作業状態に操作された直後において、運転者が操縦ハンドルを操作して機体の向きを修正することがある。この場合に、運転者による操縦ハンドルの操作が大きなものになると、旋回開始操作手段が作動することがあり、旋回開始操作手段が作動してしまうと、作業装置が作業状態に操作された直後に再び非作業状態に操作されてしまうことになる。
【0032】
本発明の第6特徴によると、旋回終了位置検出手段の検出に基づいて作業装置操作手段が作業装置を作業状態に操作してから、機体が事前に設定された所定距離だけ走行するまでの間、又は、事前に設定された所定時間が経過するまでの間、運転者が操縦ハンドルを操作して機体の向きを修正しても、旋回開始操作手段は作動しない。これにより、作業装置が作業状態に操作された直後に再び非作業状態に操作されてしまうような状態は生じない。
【0033】
(発明の効果)
本発明の第6特徴によると、前輪の操向操作に基づいて作業装置を非作業状態に操作して機体の旋回が開始されたとする旋回開始操作手段を備えた場合、作業装置が作業状態に操作された直後に再び非作業状態に操作されてしまうような状態が生じないようにすることができて、水田作業車の作業性能を向上させることができた。
【0034】
[VII]
(構成)
本発明の第7特徴によると、本発明の第1〜第6特徴の水田作業車のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記作業装置操作手段の作動及び停止状態を報知する報知手段を備える。
【0035】
(作用)
本発明の第7特徴によると、作業装置操作手段がどのような状態(作動及び停止状態)であるかを運転者が認識することができるので、作業装置操作手段の状態(作動及び停止状態)に関する運転者の誤解が少なくなる。
【0036】
(発明の効果)
本発明の第7特徴は、作業装置操作手段の状態(作動及び停止状態)に関する運転者の誤解が少なくなり、誤解に基づく運転者の誤操作を少なくすることができた。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】乗用型田植機の全体側面図である。
【図2】右及び左の前輪の操向操作系、右及び左の前輪、右及び左の後輪への伝動系を示す平面図である。
【図3】制御装置に備えられた機体位置検出手段、旋回開始位置検出手段、旋回終了位置検出手段、マーカー操作手段、作業装置操作手段、走行距離検出手段、経過時間検出手段、停止手段、記憶手段、旋回開始操作手段、自動昇降制御手段、牽制手段、第1及び第2設定スイッチの制御系を示す図である。
【図4】畦際での旋回の制御の前半の流れを示す図である。
【図5】畦際での旋回の制御の後半の流れを示す図である。
【図6】畦際での旋回における走行距離検出手段、経過時間検出手段及び停止手段の作動の流れを示す図である。
【図7】水田での乗用型田植機の作業形態(空作業行程及び作業行程)を示す平面図である。
【図8】水田での乗用型田植機の作業形態(回り作業行程)を示す平面図である。
【図9】畦際での旋回の状態を示す平面図である。
【図10】(a)ホイルベース、前輪の直進位置からの操向角度、機体の旋回中心、機体の旋回半径を検出する状態を示す平面図である。(b)機体の旋回半径及び移動角度により作業行程の機体の進行方向での機体の位置を検出する状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[1]
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部にリンク機構3が昇降自在に支持されて、リンク機構3を昇降駆動する単動型の油圧シリンダ4が備えられており、リンク機構3の後部に苗植付装置5(作業装置に相当)が支持されて、水田作業車の一例である乗用型田植機が構成されている。水田は一般に下方の硬い耕盤G1の上に泥や水の層が形成されて、泥や水の層の最上面が田面G2となっており、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2は耕盤G1に接地して走行する。
【0039】
図1に示すように、苗植付装置5は、3個の植付伝動ケース6、植付伝動ケース6の後部の左右に回転駆動自在に支持された回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、複数のフロート9、苗のせ台10等を備えて、6条植型式に構成されている。運転座席13の後側に、粉粒状の肥料を貯留するホッパー14及び2条単位の3個の繰り出し部15(作業装置に相当)が備えられて、運転座席13の下側にブロア16が備えられている。フロート9に作溝器17が備えられて、繰り出し部15と作溝器17とに亘ってホース18が接続されている。
【0040】
図1及び図3に示すように、右及び左のマーカー19が苗植付装置5の右及び左側部に備えられており、田面G2に接地して指標を形成する作用姿勢(図1参照)、及び田面G2から上方に離れた格納姿勢(図3参照)に操作自在に構成されている。右及び左のマーカー19は上下に揺動自在に苗植付装置5に支持されたアーム部19aと、アーム部19aの先端部に自由回転自在に支持された回転体19bとを備えて構成されており、右及び左のマーカー19を作用姿勢及び格納姿勢に操作する電動モータ21が備えられて、制御装置23により電動モータ21が操作される。
【0041】
[2]
次に、右及び左の前輪1への伝動系について説明する。
図2に示すように、エンジン31の動力が伝動ベルト32を介して静油圧式無段変速装置33及びミッションケース34に伝達され、ミッションケース34の副変速装置(図示せず)から、前輪デフ機構(図示せず)及び前車軸ケース35の伝動軸(図示せず)を介して、右及び左の前輪1に伝達される。静油圧式無段変速装置33は中立位置から前進側及び後進側に無段階に変速自在に構成されており、図1に示すように、操縦ハンドル20の左横側に備えられた変速レバー45により静油圧式無段変速装置33を操作する。
【0042】
図2に示すように、ミッションケース34の下部の縦軸芯P2周りに、平面視台形状の操向部材41が揺動自在に支持されて、操縦ハンドル20により操向部材41が揺動操作されるように構成されており、操向部材41と右及び左の前輪1とに亘ってタイロッド42が接続されている。これにより、操縦ハンドル20を操作することによって、右及び左の前輪1(操向部材41)を直進位置A1から、右及び左の操向限度A3に亘って操向操作することができる。
【0043】
図1及び図2に示すように、ミッションケース34の後部と機体フレーム66とに亘って補強用の右及び左のフレーム49が連結されている。左のフレーム49の機体内方側にポテンショメータ47が固定されて、操向部材41とポテンショメータ47の検出アーム47aとに亘って連係ロッド48が接続されている。
【0044】
図2及び図3に示すように、ポテンショメータ47により操向部材41の位置が検出され、ポテンショメータ47の検出値が制御装置23に入力されており、ポテンショメータ47の検出値によって、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが検出される。
【0045】
[3]
次に、右及び左の後輪2への伝動系について説明する。
図2に示すように、ミッションケース34の副変速装置の動力が伝動軸36、後車軸ケース37の入力軸38、入力軸38に固定されたベベルギヤ38a、ベベルギヤ38aに咬合するベベルギヤ39a、ベベルギヤ39aが固定された伝動軸39、右及び左のサイドクラッチ40、右及び左の車軸65を介して右及び左の後輪2に伝達される。
【0046】
図2に示すように、右及び左のサイドクラッチ40は摩擦多板型式に構成されて、伝動状態に付勢されている。右及び左のサイドクラッチ40を遮断状態に操作する右及び左の操作軸43が、後車軸ケース37に下向きに支持されて、操向部材41と右及び左の操作軸43とに亘り右及び左の操作ロッド44が接続されている。右及び左の操作ロッド44において右及び左の操作軸43との接続部分に、融通としての長孔44aが備えられている。
【0047】
図2に示すように、右及び左の前輪1(操向部材41)が直進位置A1、右及び左の設定角度A2の範囲で操向操作されていると、右及び左の操作ロッド44の長孔44aの融通によって、右及び左のサイドクラッチ40は伝動状態に操作されている。これにより、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2(右及び左のサイドクラッチ40の伝動状態)に動力が伝達された状態で、機体は直進する。
【0048】
図2に示すように、右及び左の前輪1(操向部材41)が右の設定角度A2を越えて右の操向限度A3側に操向操作されると、右の操作ロッド44の長孔44aの範囲を越えて右の操作ロッド44が引き操作されて、右の操作軸43により右のサイドクラッチ40が遮断状態に操作される。これにより、右及び左の前輪1、左の後輪2(旋回外側)(左のサイドクラッチ40の伝動状態)に動力が伝達され、右の後輪2(旋回中心側)(右のサイドクラッチ40の遮断状態)が自由回転する状態で、機体は右に旋回する。
【0049】
図2に示すように、右及び左の前輪1(操向部材41)が左の設定角度A2を越えて左の操向限度A3側に操向操作されると、左の操作ロッド44の長孔44aの範囲を越えて左の操作ロッド44が引き操作されて、左の操作軸43により左のサイドクラッチ40が遮断状態に操作される。これにより、右及び左の前輪1、右の後輪2(旋回外側)(右のサイドクラッチ40の伝動状態)に動力が伝達され、左の後輪2(旋回中心側)(左のサイドクラッチ40の遮断状態)が自由回転する状態で、機体は左に旋回する。
【0050】
図2及び図3に示すように、右及び左の回転数センサー50が後車軸ケース37に備えられて、右及び左の回転数センサー50により右及び左のサイドクラッチ40の伝動下手側の回転数を検出するように構成されており、右及び左の回転数センサー50の検出値が制御装置23に入力されている。これにより、右及び左のサイドクラッチ40の伝動状態及び遮断状態に関係なく、右及び左の回転数センサー50により右及び左の後輪2の回転数が検出される。
【0051】
[4]
次に、苗植付装置5及び繰り出し部15への伝動系について説明する。
図1及び図3に示すように、静油圧式無段変速装置33と副変速装置との間から分岐した動力が、植付クラッチ26及びPTO軸25を介して苗植付装置5に伝達される。静油圧式無段変速装置33と副変速装置との間から分岐した動力が、施肥クラッチ27及び駆動ロッド30を介して繰り出し部15に伝達されており、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動及び遮断状態に操作する電動モータ28が備えられている。
【0052】
図1及び図3に示すように、植付クラッチ26が伝動状態に操作されると、苗のせ台10が左右に往復横送り駆動されるのに伴って、回転ケース7が図1の紙面反時計方向に回転駆動され、苗のせ台10の下部から植付アーム8が交互に苗を取り出して田面G2に植え付ける。植付クラッチ26が遮断状態に操作されると、苗のせ台10の往復横送り駆動及び回転ケース7の回転駆動が停止する。
【0053】
図1及び図3に示すように、施肥クラッチ27が伝動状態に操作されると、ホッパー14から肥料が所定量ずつ繰り出し部15によって繰り出され、ブロア16の送風により肥料がホース18を通って作溝器17に供給されるのであり、作溝器17を介して肥料が田面G2に供給される。施肥クラッチ27が遮断状態に操作されると、繰り出し部15が停止して、肥料の供給が停止する。
【0054】
[5]
次に、苗植付装置5の自動昇降制御手段61について説明する。
図3に示すように、自動昇降制御手段61が制御装置23に備えられている。苗植付装置5の横軸芯P1周りに中央のフロート9の後部が上下に揺動自在に支持されて、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出するポテンショメータ22が備えられており、ポテンショメータ22の検出値が制御装置23に入力されている。機体の進行に伴って中央のフロート9が田面G2に接地追従するのであり、ポテンショメータ22の検出値により苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さを検出することによって、田面G2(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さを検出することができる。
【0055】
図3に示すように、油圧シリンダ4に作動油を給排操作する制御弁24が備えられており、制御装置23により制御弁24が操作される。制御弁24により油圧シリンダ4に作動油が供給されると、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇し、制御弁24により油圧シリンダ4から作動油が排出されると、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。
【0056】
図3に示すように、苗植付装置5に対する中央のフロート9の高さ(田面G2(中央のフロート9)から苗植付装置5までの高さ)に基づいて、苗植付装置5が田面G2から設定高さに維持されるように(ポテンショメータ22の検出値(ポテンショメータ22と中央のフロート9との上下間隔)が設定値に維持されるように)、制御弁24が操作され、油圧シリンダ4が伸縮作動して、苗植付装置5が自動的に昇降する(以上、自動昇降制御手段61の作動状態)。
【0057】
[6]
次に、昇降レバー11について説明する。
図1及び図3に示すように、運転座席13の右横側に昇降レバー11が備えられ、昇降レバー11は自動位置、上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作及び保持自在に構成されており、昇降レバー11の操作位置が制御装置23に入力されている。機体に対するリンク機構3の上下角度を検出するポテンショメータ29が備えられて、ポテンショメータ29の検出値が制御装置23に入力されており、機体に対するリンク機構3の上下角度を検出することによって、機体に対する苗植付装置5の高さを検出することができる。
【0058】
図3に示すように、昇降レバー11を上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作した状態(昇降レバー11を自動位置に操作していない状態)において、以下の説明のように制御装置23により、制御弁24及び電動モータ21,28が操作されて、油圧シリンダ4、植付及び施肥クラッチ26,27、右及び左のマーカー19が操作される。この場合、後述する[7]に記載の操作レバー12の上昇位置U及び下降位置Dの機能は作動せず、操作レバー12の右及び左マーカー位置R,Lの機能だけが作動する。
【0059】
図3に示すように、昇降レバー11を上昇位置に操作すると、自動昇降制御手段61が停止し、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作され、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作されて、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇する。昇降レバー11を上昇位置に操作した状態で、苗植付装置5が上限位置に達したことがポテンショメータ29により検出されると、油圧シリンダ4が自動的に停止する。
【0060】
図3に示すように、昇降レバー11を下降位置に操作すると、自動昇降制御手段61が停止し、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作され、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態で、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。中央のフロート9が田面G2に接地すると自動昇降制御手段61が作動して、苗植付装置5が田面G2に接地して停止した状態となる(苗植付装置5が田面G2から設定高さに維持されるように(ポテンショメータ22の検出値(ポテンショメータ22と中央のフロート9との上下間隔)が設定値に維持されるように)、苗植付装置5が自動的に昇降する状態)。
【0061】
図3に示すように、昇降レバー11を中立位置に操作すると、自動昇降制御手段61が停止し、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作され、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態で、油圧シリンダ4が停止する。
このように、昇降レバー11を上昇位置、中立位置及び下降位置に操作することによって、苗植付装置5を任意の高さに上昇及び下降させて停止させることができる。
図3に示すように、昇降レバー11を植付位置に操作すると、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態で、自動昇降制御手段61が作動し、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。
【0062】
[7]
次に、操作レバー12(作業用人為操作具に相当)について説明する。
図1及び図3に示すように、操縦ハンドル20の下側の右横側に操作レバー12が備えられ、操作レバー12が右の横外方に延出されている。操作レバー12は中立位置Nから上方の上昇位置U、下方の下降位置D、後方の右マーカー位置R及び前方の左マーカー位置Lの十字方向に操作自在に構成されて、中立位置Nに付勢されており、操作レバー12の操作位置が制御装置23に入力されている。
【0063】
昇降レバー11を自動位置に操作した状態において、以下の説明ように、操作レバー12の操作に基づいて、制御装置23により制御弁24及び電動モータ21,28が操作されて、油圧シリンダ4、植付及び施肥クラッチ26,27、右及び左のマーカー19が操作される。
【0064】
図3に示すように、操作レバー12を上昇位置Uに操作すると(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作すると)、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されて、自動昇降制御手段61が停止し、油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が上昇し、後述するように右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作される。苗植付装置5が上限位置に達したことがポテンショメータ29により検出されると、油圧シリンダ4が自動的に停止する。
【0065】
図3に示すように、操作レバー12を下降位置Dに操作すると(下降位置Dに操作して中立位置Nに操作すると)、自動昇降制御手段61が停止し、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作され、右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作された状態で、油圧シリンダ4が伸長作動して苗植付装置5が下降する。中央のフロート9が田面G2に接地すると、自動昇降制御手段61が作動して、苗植付装置5が田面G2に接地して停止した状態となる(苗植付装置5が田面G2から設定高さに維持されるように(ポテンショメータ22の検出値(ポテンショメータ22と中央のフロート9との上下間隔)が設定値に維持されるように)、苗植付装置5が自動的に昇降する状態)。
【0066】
前述のように、操作レバー12を下降位置Dに操作した後(下降位置Dに操作して中立位置Nに操作した後)、操作レバー12を再び下降位置Dに操作すると(再び下降位置Dに操作して中立位置Nに操作すると)、自動昇降制御手段61が作動した状態で、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。
【0067】
図3に示すように、機体に対する苗植付装置5の高さ(ポテンショメータ29の検出値)が事前に設定された所定高さよりも低い状態において以下のような操作が行われる。
右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作された状態において、操作レバー12を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第1設定時間(比較的短い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作される。
右(左)のマーカー19が作用姿勢に操作された状態において、操作レバー12を右マーカー位置R(左マーカー位置L)に第2設定時間(第1設定時間よりも長い時間)以上に亘って操作すると、右(左)のマーカー19が格納姿勢に操作される。
【0068】
図3に示すように、苗植付装置5が上昇して、機体に対する苗植付装置5の高さ(ポテンショメータ29の検出値)が事前に設定された所定高さよりも高くなると、作用姿勢の右及び左のマーカー19が格納姿勢に操作される。機体に対する苗植付装置5の高さ(ポテンショメータ29の検出値)が事前に設定された所定高さよりも高い状態では、前述のように操作レバー12を右及び左マーカー位置R,Lに操作しても、これに関係なく右及び左のマーカー19が格納姿勢に維持される。
【0069】
[8]
次に、乗用型田植機の作業形態について説明する。
例えば図7及び図8に示すように、平面視で四角形の水田において、乗用型田植機は以下のような作業形態を採用することがある。
【0070】
例えば、最初に図7に示す位置K1に機体を位置させて、苗植付装置5を田面G2に下降させ、左のマーカー19を作用姿勢(右のマーカー19は格納姿勢)に操作する。この状態において、植付及び施肥クラッチ26,27を遮断状態に操作して畦Bに沿って走行し、左のマーカー19により次の作業行程L01の指標を田面に形成する(空作業行程LA1)。空作業行程LA1において、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作しないのに、苗植付装置5を田面G2に下降させて走行するのは、前輪1及び後輪2の通過跡を苗植付装置5のフロート9によって消す為である。
【0071】
図7に示すように、空作業行程LA1から機体が畦際に達すると、苗植付装置5を田面G2から上昇させて、旋回LL1(左方向)を行い、苗植付装置5を田面G2に下降させて、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作して、作業行程L01に入る。作業行程L01において、左のマーカー19を格納姿勢に操作し、右のマーカー19を作用姿勢に操作して、空作業行程LA1において田面G2に形成された指標に沿って機体を走行させることにより、苗の植え付け及び肥料の供給を行いながら、右のマーカー19により次の作業行程L02の指標を田面G2に形成する。
【0072】
図7に示すように作業行程L01から機体が畦際に達すると、植付及び施肥クラッチ26,27を遮断状態に操作し、苗植付装置5を田面G2から上昇させて、旋回LL2(右方向)を行い、苗植付装置5を田面G2に下降させて、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作して、作業行程L02に入る。作業行程L02において、右のマーカー19を格納姿勢に操作し、左のマーカー19を作用姿勢に操作して、作業行程L01において田面G2に形成された指標に沿って機体を走行させることにより、苗の植え付け及び肥料の供給を行いながら、左のマーカー19により次の作業行程L03の指標を田面G2に形成する。
【0073】
図7及び図8に示すように、複数回の作業行程L01,L02,L03,L04,L05及び旋回LL1(左方向),LL2(右方向),LL3(左方向),LL4(右方向),LL5(左方向)を行うと、畦Bに沿って苗の植え付け及び肥料の供給が行われていない部分が形成される。この状態において、作業行程L05から機体が畦際に達すると、植付及び施肥クラッチ26,27を遮断状態に操作し、苗植付装置5を田面G2から上昇させて、旋回LL6(右方向)を行い、K2に示す位置に機体を位置させる。
【0074】
K2に示す位置において、苗植付装置5を田面G2に下降させて、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作して、回り作業行程LB1に入る。回り作業行程LB1において、機体の左側に畦Bが存在し、機体の右側に作業行程L05で植え付けられた苗が存在するので、右及び左のマーカー19を格納姿勢に操作しておく。
【0075】
図8に示すように、回り作業行程LB1から機体が畦際に達すると、植付及び施肥クラッチ26,27を遮断状態に操作し、苗植付装置5田面G2からを上昇させて、90度の旋回及び後進を行うことにより、位置K3に機体を位置させ、苗植付装置5を田面G2に下降させて、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作して、次の回り作業行程LB2に入る。回り作業行程LB2において、回り作業行程LB1と同様に、右及び左のマーカー19を格納姿勢に操作しておく。
【0076】
この後に、図8に示すように、同様にして2回の回り作業行程LB3,LB4(苗植付装置5を田面G2に下降させて、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作し、右及び左のマーカー19を格納姿勢に操作)を行う。回り作業行程LB3は図7に示す空作業行程LA1を逆方向に走行することになり、回り作業行程LB4を終了すると、機体は旋回LL6(右方向)を行った位置に達する。この後、旋回LL6(右方向)を行った位置の近傍の水田の出口から機体を出す。
【0077】
以上のように、例えば図7及び図8に示すような平面視で四角形の水田において、1回の空作業行程LA1、複数回の作業行程L01〜L05及び4回の回り作業行程LB1〜LB4を行うことにより、水田の全ての部分に苗の植え付け及び肥料の供給を行うことができる。
【0078】
[9]
次に、制御装置23について説明する。
図3に示すように、制御装置23に、機体位置検出手段51、旋回開始位置検出手段52、旋回終了位置検出手段53、マーカー操作手段54、作業装置操作手段55、走行距離検出手段56、経過時間検出手段57、停止手段58、記憶手段59、旋回開始操作手段60及び牽制手段62が備えられている。
【0079】
作業装置操作手段55は、後述する[14]に記載のように、旋回終了位置検出手段53の検出に基づいて、植付及び施肥クラッチ26,27を伝動状態に操作するものである(旋回終了位置検出手段53の検出に基づいて作業装置5を作業状態に操作する状態に相当)。図3に示すように、人為的に操作自在な第1設定スイッチ46(人為操作具に相当)が操縦ハンドル20の近傍に備えられ、第1設定スイッチ46の操作位置が制御装置23に入力されている。第1設定スイッチ46を作動位置に操作すると、作業装置操作手段55が作動する作動状態が設定されて、第1設定スイッチ46を停止位置に操作すると、作業装置操作手段55が停止する停止状態が設定される。
【0080】
この場合、第1設定スイッチ46が作動位置に操作された状態(作業装置操作手段55の作動状態)において、キースイッチ(図示せず)によりエンジン31の停止操作が行われた後、キースイッチによりエンジン31の始動操作が行われると、第1設定スイッチ46が作動位置に操作された状態(作業装置操作手段55の作動状態)が維持される(第1設定スイッチ46が作動位置に操作された状態(作業装置操作手段55の作動状態)に復帰する)。
【0081】
マーカー操作手段54は、後述する[14]に記載のように、苗植付装置5の田面G2への下降に伴って、機体の旋回方向とは反対側の右又は左のマーカー19を作用姿勢に操作するものである。図3に示すように、人為的に操作自在な第2設定スイッチ67が操縦ハンドル20の近傍に備えられ、第2設定スイッチ67の操作位置が制御装置23に入力されている。第2設定スイッチ67を作動位置に操作すると、マーカー操作手段54が作動する作動状態が設定されて、第2設定スイッチ67を停止位置に操作すると、マーカー操作手段54が停止する停止状態が設定される。
【0082】
これにより、マーカー操作手段54を作動状態の設定することにより、自動的に右及び左のマーカー19が作用及び格納姿勢に操作されるので、前項[7]に記載のように操作レバー12を右及び左マーカー位置R,Lに操作する必要がない。マーカー操作手段54の作動状態において、操作レバー12を右及び左マーカー位置R,Lに操作すると、マーカー操作手段54に優先して右(左)のマーカー19が作用及び格納姿勢に操作される。マーカー操作手段54の停止状態では、操作レバー12を右及び左マーカー位置R,Lに操作して、右及び左のマーカー19を作用及び格納姿勢に操作する必要がある。
【0083】
図1及び図3に示すように、機体の前部に棒状のセンターマスコット68が備えられており、センターマスコット68の上端部に表示ランプ69(報知手段に相当)が備えられている。前項[8]に記載のように、田面G2の指標に沿って機体を走行させる場合、運転座席13に着座した運転者はセンターマスコット68と田面G2の指標とを目視しながら、田面G2の指標に沿って機体を走行させる。ボイスアラーム機能を備えた音声手段70(報知手段に相当)が備えられている。
【0084】
昇降レバー11が自動位置に操作され、第1設定スイッチ46が作動位置に操作されている状態において、機体位置検出手段51、旋回開始位置検出手段52、旋回終了位置検出手段53、作業装置操作手段55、走行距離検出手段56、経過時間検出手段57、停止手段58、旋回開始操作手段60、牽制手段62、表示ランプ69及び音声手段70が以下の[10]〜[16]に記載のように作動する。
【0085】
機体位置検出手段51は、空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1(旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置に相当)(機体の旋回行程の位置に相当)を検出するものである(これについて言い換えると、旋回開始前の機体の進行方向における機体の座標を検出するものである)。以下の[10]〜[16]に記載のようにして、機体位置検出手段51により、空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1が検出される。
【0086】
6条植型式の苗植付装置5を備えた乗用型田植機において、図7に示すような旋回LL1(左方向),LL2(右方向),LL3(左方向),LL4(右方向),LL5(左方向)は、図9に示すように、前半の旋回行程L1及び後半の旋回行程L2で構成されている。
作業行程L01,L02の間に行われる旋回LL2(右方向)を代表にして、前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作した状態)、前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作せずに操縦ハンドル20を操作した状態)、及び後半の旋回行程L2について、以下の[10]〜[16]において説明する。
【0087】
[10]
次に、前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作した状態)について、図4,5,6,9に基づいて説明する。
第1設定スイッチ46を作動位置に操作すると(ステップS1)、表示ランプ69が点灯する(ステップS2)。第1設定スイッチ46を停止位置に操作すると(ステップS1)、表示ランプ69が消灯する(ステップS3)。図7に示すように、位置K1に機体を位置させ、苗植付装置5を田面G2に下降させて、空作業行程LA1を開始する場合、前項[7]に記載のように、運転者は操作レバー12により左のマーカー19を作用姿勢に操作する。
【0088】
作業行程L01において、昇降レバー11が自動位置に操作され、第1設定スイッチ46が作動位置に操作されて(ステップS1)、第2設定スイッチ67が作動位置に操作されていたとする。これにより、苗植付装置5が田面G2に下降した状態(作業装置の作業状態に相当)、自動昇降制御手段61の作動状態、植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態(作業装置の作業状態に相当)、右及び左のサイドクラッチ40の伝動状態、右のマーカー19が作用姿勢に操作された状態となっており、左のマーカー19が格納姿勢に操作され、表示ランプ69が点灯している(ステップS2)。
図7に示すように、空作業行程LA1と作業行程L01との間において、旋回LL1(左方向)が行われたことにより、記憶手段59に「機体の旋回方向(左方向)」が記憶されている(ステップS14)。
【0089】
前述の状態で機体が畦際に達すると、運転者は操作レバー12を上昇位置Uに操作する(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作する)(ステップS4)。操作レバー12を上昇位置Uに操作すると(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作すると)(ステップS4)、苗植付装置5の田面G2への自動的な下降(ステップS17)、植付及び施肥クラッチ26,27に伝動状態への自動的な操作(ステップS22)が行われる状態(作業装置操作手段55の作動状態)になったことが、音声手段70により日本語の音声によって報知される(ステップS5)。
【0090】
これと同時に、植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されて(ステップS6)(作業装置の非作業状態に相当)、自動昇降制御手段61が停止する(ステップS7)。油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が田面G2から上昇し(ステップS8)(作業装置の非作業状態に相当)、右のマーカー19が格納姿勢に操作される(ステップS9)。苗植付装置5が上限位置に達したことがポテンショメータ29により検出されると、油圧シリンダ4が自動的に停止する。
【0091】
[11]
次に、前項[10]に引き続いて前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作した状態)について、図4,5,9に基づいて説明する。
操作レバー12が上昇位置Uに操作されると(ステップS4)(作業行程L01からの旋回開始に相当)、旋回開始位置検出手段52により、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1が「0(原点)」に設定され、「0(原点)」が旋回開始位置E1として検出(設定)される(ステップS101)。これと同時に、「0(原点)」が旋回終了位置E3として検出(設定)される(ステップS102)。
【0092】
ステップS101において旋回開始位置E1の検出(設定)が行われると、走行距離検出手段56により、旋回開始位置E1からの機体の走行距離Gの検出(積算)が開始され(ステップS51)、経過時間検出手段57により、旋回開始位置E1の検出(設定)からの経過時間Tの検出が開始される(ステップS52)。
【0093】
右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて右(左)の操向限度A3側に操向操作されるまで(ステップS10)(右及び左のサイドクラッチ40の伝動状態)、走行距離検出手段56において、右及び左の回転数センサー50のパルス(右及び左の後輪2の回転数)の平均値が、機体の走行距離Gとして検出(積算される)。右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて右(左)の操向限度A3側に操向操作されると(ステップS10)(右又は左のサイドクラッチ40の遮断状態)、旋回中心側の回転数センサー50のパルス(旋回中心側の後輪2の回転数)により、機体の走行距離Gが検出(積算)される。
【0094】
運転者は操作レバー12を上昇位置Uに操作すると略同時に、操縦ハンドル20を操作し、右及び左の前輪1(操向部材41)を旋回方向に操向操作して、前半の旋回行程L1に入る。右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて右(左)の操向限度A3側に操向操作されると(ステップS10)、前項[2]に記載のように、旋回外側のサイドクラッチ40が伝動状態に操作された状態で、旋回中心側のサイドクラッチ40が遮断状態に操作される(ステップS11)。
【0095】
ステップS101において旋回開始位置E1の検出(設定)が行われると、機体位置検出手段51により、下記の式1に基づいて作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1の検出が開始される(ステップS103)。
式1:Y1=R*SIN(θ)
R:機体の旋回半径
θ:旋回開始位置E1からの機体の移動角度
【0096】
図10(a)に示すように、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが決まると、機体の旋回中心Cが右及び左の後輪2の車軸65(図2参照)の延長線に位置していると判断され、前輪1及び後輪2のホイルベースW(右及び左の前輪1の車軸と右及び左の後輪2の車軸65(図2参照)との間隔)と、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aとに基づいて、機体の旋回中心Cが検出される。機体の旋回中心Cが検出されると、機体の左右中央と機体の旋回中心Cとの距離が機体の旋回半径Rとして検出される。
【0097】
図10(a)(b)に示すように、機体の旋回中心C及び旋回半径Rが検出された状態において、機体の旋回中心C及び旋回半径Rと、走行距離検出手段56により検出(積算)される機体の走行距離G(機体の旋回半径Rに対する円弧部分に相当)とに基づいて、機体の移動角度θが検出される。以上のように機体の旋回半径R及び移動角度θにより、式1に基づいて作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1が検出される(ステップS103)。
これにより、機体の移動角度θが0度(旋回開始位置E1)〜90度(境界位置E2)の範囲では、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1は、旋回開始位置E1から(+Y)に離れていく状態となる。
【0098】
[12]
次に、前項[11]に引き続いて前半の旋回行程L1(運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作した状態)について、図4,5,6,9に基づいて説明する。
ステップS101において旋回開始位置E1の検出(設定)が行われると、走行距離検出手段56により検出(積算)される機体の走行距離Gと、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aとに基づいて、機体の旋回角度F1が「0」から検出(積算)される(ステップS202)。この場合、旋回開始位置E1(作業行程L01)での機体の向きに対して、現在の機体の向きがどのような角度であるのかが、機体の走行距離Gと、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aとに基づいて検出され、この検出値が機体の旋回角度F1として検出(積算)される。
【0099】
機体の旋回角度F1が90度であれば、旋回開始位置E1(作業行程L01)での機体の向きに対して、機体の向きが真横に向いた状態であり、機体の旋回角度F1が180度であれば、旋回開始位置E1(作業行程L01)での機体の向きに対して、機体の向きが反対に向いた状態(作業行程L02)である。
【0100】
右及び左の前輪1(操向部材41)が旋回方向に操向操作された状態において、機体の走行距離Gが大きくなると(積算されると)、機体の走行距離Gの増加分だけ機体の旋回角度F1は大きくなったと検出(積算)される。逆に、右及び左の前輪1(操向部材41)が直進位置A1に操向操作された状態において、機体の走行距離Gが大きくなっても(積算されても)、機体は直進しただけで機体の旋回角度F1は変化していないと検出(積算)される。
【0101】
第2設定スイッチ67が作動位置に操作されている状態(マーカー操作手段54の作動状態)において(ステップS201)、機体の旋回角度F1の検出(積算)が行われるのであり(ステップS202)、第2設定スイッチ67が停止位置に操作されている状態(マーカー操作手段54の停止状態)では(ステップS201)、機体の旋回角度F1の検出(積算)は行われない。
【0102】
[13]
前項[10]〜[12]に記載のように、運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作して(上昇位置Uに操作して中立位置Nに操作して)(ステップS4)、前半の旋回行程L1に入る場合とは別に、右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて右(左)の操向限度A3側に操向操作されることに基づいて、前半の旋回行程L1に入る状態もある。以下、この状態について図4,5,6,9に基づいて説明する。
【0103】
機体が畦際に達した際、運転者が操作レバー12を上昇位置Uに操作せずに操縦ハンドル20を操作し、右及び左の前輪1(操向部材41)を旋回方向に操向操作したとする。右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて右(左)の操向限度A3側に操向操作されると(ステップS31)、前項[2]に記載のように、旋回外側のサイドクラッチ40が伝動状態に操作された状態で、旋回中心側のサイドクラッチ40が遮断状態に操作される(ステップS33)。
【0104】
これと同時に、苗植付装置5の田面G2への自動的な下降(ステップS17)、植付及び施肥クラッチ26,27に伝動状態への自動的な操作(ステップS22)が行われる状態(作業装置操作手段55の作動状態)になったことが、音声手段70により日本語の音声によって報知される(ステップS32)。
【0105】
旋回開始操作手段60により植付及び施肥クラッチ26,27が遮断状態に操作されて(ステップS34)(作業装置の非作業状態に相当)、自動昇降制御手段61が停止する(ステップS35)。油圧シリンダ4が収縮作動して苗植付装置5が田面G2から上昇し(ステップS36)(作業装置の非作業状態に相当)、右のマーカー19が格納姿勢に操作されるのであり(ステップS37)、ステップS37からステップS12に移行する。苗植付装置5が上限位置に達したことがポテンショメータ29により検出されると、油圧シリンダ4が自動的に停止する。
【0106】
右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて右(左)の操向限度A3側に操向操作されると(ステップS31)(作業行程L01からの旋回開始に相当)、ステップS101に移行して前項[11][12]に記載と同様な操作が開始される。
【0107】
[14]
次に、後半の旋回行程L2について、図4,5,6,9に基づいて説明する。
機体の旋回角度F1が90度(境界位置E2)を越えると、機体が後半の旋回行程L2に入ったと判断される。前半の旋回行程L1における機体の向きに対して、後半の旋回行程L2の向きは逆向きになるので、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1は、旋回開始位置E1(旋回終了位置E3)に接近していく状態となる。
【0108】
この場合、第2設定スイッチ67が作動位置に操作された状態(マーカー操作手段54の作動状態)において(ステップS12)、機体の旋回角度F1が設定旋回角度FA1(例えば100度〜150度)に達すると(ステップS13)、畦際での旋回が通常どおりに行われていると判断され、ポテンショメータ47により機体の旋回方向が検出され、検出された機体の旋回方向が記憶手段59に記憶(更新)される(ステップS14)。旋回LL2(右方向)においては、記憶手段59に「機体の旋回方向(右方向)」と記憶(更新)される。
【0109】
後半の旋回行程L2の後半に入ると、運転者は操縦ハンドル20を操作して右及び左の前輪1(操向部材41)を右(左)の設定角度A2を越えて直進位置A1に操作する(ステップS15)。これにより、旋回中心側のサイドクラッチ40が伝動状態に操作されて(ステップS16)、機体は直進状態に入る。機体が直進状態に入ると、式1による演算は行われず、右及び左の回転数センサー50のパルス(右及び左の後輪2の回転数)の平均値(マイナスの値)が、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1として検出される。
【0110】
右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて直進位置A1側に操作されたことが、ポテンショメータ47により検出されると(ステップS15)、植付及び施肥クラッチ26,27の遮断状態を維持して、苗植付装置5が自動的に下降する(ステップS17)。
【0111】
苗植付装置5の下降により、機体に対する苗植付装置5の高さ(ポテンショメータ29の検出値)が、事前に設定された所定高さ(前項[7]参照)よりも低くなると、マーカー操作手段54により、記憶手段59に記憶されている「機体の旋回方向(右方向)」とは反対側の左のマーカー19が作用姿勢に操作される(ステップS19)。
第2設定スイッチ67が作動位置に操作されている状態(マーカー操作手段54の作動状態)において(ステップS18)、記憶手段59に記憶されている「機体の旋回方向(右方向)」とは反対側の左のマーカー19が作用姿勢に操作されるのであり(ステップS19)、第2設定スイッチ67が停止位置に操作されている状態(マーカー操作手段54の停止状態)では(ステップS18)、前述のような右又は左のマーカー19の作用姿勢への操作は行われない。
【0112】
苗植付装置5の下降により中央のフロート9が田面G2に接地すると、自動昇降制御手段61が作動して、苗植付装置5が田面G2に接地して停止した状態となる(ステップS20)(苗植付装置5が田面G2から設定高さに維持されるように(ポテンショメータ22の検出値(ポテンショメータ22と中央のフロート9との上下間隔)が設定値に維持されるように)、苗植付装置5が自動的に昇降する状態)。
【0113】
作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1が旋回終了位置E3に到達したことが、旋回終了位置検出手段53により検出されると(ステップS21)、作業装置操作手段55により植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される(ステップS22)(旋回終了位置検出手段53の検出に基づいて作業装置5,15を作業状態に操作する状態に相当)。これにより、苗植付装置5(回転ケース7、植付アーム8)による苗の植え付け、及び繰り出し部15による田面G2への肥料の供給が開始されて、次の作業行程L02に入る。
【0114】
[15]
次に、前半及び後半の旋回行程L1,L2において、停止手段58の作動について図4及び図6に基づいて説明する。
前項[11]に記載のように、ステップS101において旋回開始位置E1の検出(設定)が行われると、走行距離検出手段56により、旋回開始位置E1からの機体の走行距離Gの検出(積算)が開始される(ステップS51)。これと同時に経過時間検出手段57により、旋回開始位置E1の検出(設定)からの経過時間Tの検出が開始される(ステップS52)。
【0115】
この場合、旋回開始位置E1から機体が通常の旋回を行う場合、機体位置検出手段51が正常に作動していれば、旋回開始位置E1から旋回終了位置E3の検出(作業装置操作手段55による植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態への操作)が終了していると予想される走行距離が設定距離G1として、制御装置23に事前に設定されている。
旋回開始位置E1から機体が通常の旋回を行う場合、機体位置検出手段51が正常に作動していれば、旋回開始位置E1から旋回終了位置E3の検出(作業装置操作手段55による植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態への操作)が終了していると予想される経過時間が設定時間T1として、制御装置23に事前に設定されている。
【0116】
機体の走行距離Gが設定距離G1に達するまでに(ステップS53)、且つ、経過時間Tが設定時間T1に達するまでに(ステップS54)、作業装置操作手段55による植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態への操作(ステップS22)が終了していると(ステップS58)、ステップS1に移行するのであり(ステップS62)、機体位置検出手段51が正常に作動していると判断される。
【0117】
機体の走行距離Gが設定距離G1に達するまでに(ステップS53)、又は、経過時間Tが設定時間T1に達するまでに(ステップS54)、作業装置操作手段55による植付及び施肥クラッチ26,27の伝動状態への操作(ステップS22)が終了しなければ、機体位置検出手段51が正常に作動していないと判断されて、表示ランプ69が点滅し(ステップS59)、植付及び施肥クラッチ26,27に伝動状態への自動的な操作(ステップS22)が停止した状態(作業装置操作手段55の停止状態)になったことが、音声手段70により日本語の音声によって報知される(ステップS60)。これと同時に、停止手段58によりステップS4〜S22が停止(中断)されて(ステップS61)(停止手段58により作業装置操作手段55の作動が停止された状態に相当)、ステップS1に移行する(ステップS62)。
【0118】
機体の走行距離Gが設定距離G1に達するまでにおいて(ステップS53)、且つ、経過時間Tが設定時間T1に達するまでにおいて(ステップS54)、操作レバー12が上昇位置U、下降位置D、右及び左マーカー位置R,Lのいずれかに操作されると(ステップS55)(機体の旋回開始から作業装置操作手段55による作業装置5の作業状態への操作が終了するまでの間に、作業装置5を操作する為の作業用人為操作具12が操作された状態に相当)、ステップS59,S60に移行し、停止手段58によりステップS61に移行してステップS62に移行する。
【0119】
機体の走行距離Gが設定距離G1に達するまでにおいて(ステップS53)、経過時間Tが設定時間T1に達するまでにおいて(ステップS54)、第1設定スイッチ46が作動位置から停止位置に操作されると(ステップS56)、ステップS59,S60に移行し、停止手段58によりステップS61に移行してステップS62に移行する。
【0120】
機体の走行距離Gが設定距離G1に達するまでにおいて(ステップS53)、且つ、経過時間Tが設定時間T1に達するまでにおいて(ステップS54)、第2設定スイッチ67が作動位置から停止位置に操作されると(停止位置から作動位置に操作されると)(ステップS57)、ステップS59,S60に移行し、停止手段58によりステップS61に移行してステップS62に移行する。
【0121】
[16]
次に、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1が旋回終了位置E3に到達したことが、旋回終了位置検出手段53により検出され、作業装置操作手段55により植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作された後の状態について、図5及び図9に基づいて説明する。
【0122】
後半の旋回行程L2が終了して、作業行程L01,L02の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1が旋回終了位置E3に到達した後、機体の向きを修正する為に、運転者が操縦ハンドル20を操作することがある。この場合、運転者による操縦ハンドル20の操作が大きなものになると、右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えることがあり、前項[13]に記載の旋回開始操作手段60が作動することがある。
【0123】
後半の旋回行程L2が終了して、作業装置操作手段55により植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作されると(ステップS22)、走行距離検出手段56により、右及び左の回転数センサー50のパルス(右及び左の後輪2の回転数)の平均値に基づいて、旋回終了位置E3からの機体の走行距離G11の検出(積算)が開始される(ステップS23)。これと同時に経過時間検出手段57により、旋回終了位置E3の検出からの経過時間T11の検出が開始される(ステップS24)。
機体の向きの修正に必要と予想される十分な走行距離が所定距離G12として、制御装置23に事前に設定されており、機体の向きの修正に必要と予想される十分な経過時間が所定時間T12として、制御装置23に事前に設定されている。
【0124】
これにより、機体の走行距離G11が所定距離G12に達するまでに(ステップS25)、又は、経過時間T11が所定時間T12に達するまでに(ステップS26)、右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えても、牽制手段62により旋回開始操作手段60の作動が阻止される。機体の走行距離G11が所定距離G12に達して(ステップS25)、且つ、経過時間T11が所定時間T12に達した後において(ステップS26)、ステップS1に移行する。
【0125】
[発明を実施するための第1別形態]
前述の[発明を実施するための形態]の図6のステップS51〜S54において、機体の走行距離Gの検出(積算)及び経過時間Tの検出の両方を行うのではなく、ステップS52,S54を削除して、機体の走行距離Gの検出(積算)だけを行うように構成してもよい。ステップS51,S53を削除して、経過時間Tの検出だけを行うように構成してもよい。
【0126】
前述の[発明を実施するための形態]の図5のステップS23〜S26において、機体の走行距離G11の検出(積算)及び経過時間T11の検出の両方を行うのではなく、ステップS24,S26を削除して、機体の走行距離G11の検出(積算)だけを行うように構成してもよい。ステップS23,S25を削除して、経過時間T11の検出だけを行うように構成してもよい。
【0127】
[発明を実施するための第2別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態]において、記憶手段59に機体の旋回方向を記憶するのではなく、マーカー操作手段54及び記憶手段59が以下のように作動するように構成してもよい。
【0128】
苗植付装置5の田面G2からの上昇に伴って、作用姿勢の右又は左のマーカー19を格納姿勢に操作すると、格納姿勢に操作された右又は左のマーカー19を記憶手段59に記憶する。苗植付装置5の田面G2への下降に伴って、記憶手段59に記憶された右又は左のマーカー19とは反対側の右又は左のマーカー19を作用姿勢に操作する。
【0129】
この場合、図9の作業行程L01に示すように、右のマーカー19を作用姿勢に操作した状態(左のマーカー19は格納姿勢)で機体が畦際に達すると、苗植付装置5の田面G2からの上昇に伴って、右のマーカー19を格納姿勢に操作し、旋回LL2(右方向)を行って次の作業行程L02に入るのであり、機体の旋回方向(右方向)とは反対側の左のマーカー19を作用姿勢に操作する。
【0130】
これについて言い換えると、苗植付装置5の田面G2からの上昇に伴って、作用姿勢の右のマーカー19を格納姿勢に操作し、苗植付装置5の田面G2への下降に伴って、苗植付装置5の田面G2からの上昇に伴って格納姿勢に操作された右のマーカー19とは反対側の左のマーカー19を作用姿勢に操作するものである。これにより、機体の旋回方向とは反対側の右又は左のマーカー19を作用姿勢に操作することと、苗植付装置5(作業装置)の田面G2からの上昇に伴って格納姿勢に操作された右又は左のマーカー19とは反対側のマーカー19を作用姿勢に操作することとは、同義である。
【0131】
[発明を実施するための第3別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態][発明を実施するための第2別形態]の図4のステップS103において、式1に基づいて、空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1を検出するように、機体位置検出手段51を構成するのではなく、機体位置検出手段51、旋回開始位置検出手段52及び旋回終了位置検出手段53を、以下のように構成してもよい。
【0132】
操作レバー12が上昇位置Uに操作されると(又は、右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて右(左)の操向限度A3側に操向操作されると)、旋回中心側の回転数センサー50の検出値の積算を開始し(旋回位置検出手段51に相当)、これとは別に、旋回中心側の回転数センサー50の検出値の積算を開始した時点(旋回開始位置E1に相当)を、原点とし(旋回開始位置検出手段52に相当)、原点に対して設定値(旋回終了位置E3に相当)を設定する。
【0133】
図7に示す旋回LL1(左方向),LL2(右方向),LL3(左方向),LL4(右方向),LL5(左方向)、旋回LL6(右方向)は、全て同じような機体の旋回半径及び機体の走行距離であると認識され、旋回中心側の回転数センサー50の検出値が機体の旋回行程の位置を表す値として認識されており、前述の設定値(旋回終了位置E3に相当)が事前に設定されている。
【0134】
旋回中心側の回転数センサー50の検出値(積算値)が前述の設定値に達する前に、右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて直進位置A1側に操作されるのであり、これにより旋回中心側のサイドクラッチ40が伝動状態に操作され、苗植付装置5が自動的に下降する。
次に旋回中心側の回転数センサー50の検出値(積算値)が前述の設定値に達すると、旋回終了位置E3に達したと判断されて(旋回終了位置検出手段53に相当)、植付及び施肥クラッチ26,27が伝動状態に操作される。
【0135】
[発明を実施するための第4別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態][発明を実施するための第2別形態]において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが変化するごとに、機体の旋回中心C及び旋回半径R、機体の走行距離G、機体の移動角度θの検出、式1による空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1の検出を行うのではなく、これに代えて以下のように構成してもよい。
【0136】
図9に示す前半の旋回行程L1(後半の旋回行程L2)において、10度(所定の角度範囲に相当)の範囲を備えた9個の領域(0度〜10度の領域、10度〜20度の領域、20度〜30度の領域、30度〜40度の領域、40度〜50度の領域、50度〜60度の領域、60度〜70度の領域、70度〜80度の領域、80度〜90度の領域)に分けて、9個の領域の各々に一つの機体の旋回半径R(領域の中央の角度に対応する機体の旋回半径R)を設定する。
例えば0度〜10度の領域において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが5度の場合の機体の旋回半径R(図10(a)(b)参照)を、0度〜10度の領域の一つの機体の旋回半径Rとして設定する。
【0137】
右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが0度〜10度の領域に存在すると、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが変化しても、これに関係なく0度〜10度の領域の一つの機体の旋回半径Rを使用し、機体の走行距離G、機体の移動角度θの検出、式1による空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1の検出を行う。
【0138】
10度〜20度・・・において、前述の同様に10度〜20度・・・の領域の一つの機体の旋回半径Rを使用して、機体の走行距離G、機体の移動角度θの検出、式1による空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1の検出を行う。
【0139】
[発明を実施するための第5別形態]
前述の[発明を実施するための第4別形態]に代えて以下のように構成してもよい。
図9に示す前半の旋回行程L1(後半の旋回行程L2)において、10度(所定の角度範囲に相当)の範囲を備えた9個の領域(0度〜10度の領域、10度〜20度の領域、20度〜30度の領域、30度〜40度の領域、40度〜50度の領域、50度〜60度の領域、60度〜70度の領域、70度〜80度の領域、80度〜90度の領域)に分けて、9個の領域の各々に一つの機体の旋回半径R(領域の最大の角度に対応する機体の旋回半径R)を設定する。
例えば0度〜10度の領域において、右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが10度の場合の機体の旋回半径R(図10(a)(b)参照)を、0度〜10度の領域の一つの機体の旋回半径Rとして設定する。
【0140】
右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが、0度(直進位置A1)から0度〜10度の領域に入っても、空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1の検出を行わない。右及び左の前輪1(操向部材41)の直進位置A1からの操向角度Aが10度に達すると、0度〜10度の領域の一つの機体の旋回半径R及び10度により、式1に基づいて空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1の検出を行う。
【0141】
10度〜20度・・・において、前述の同様に10度〜20度・・・の領域の機体の旋回半径Rを使用して、20度、30度・・・において、10度〜20度・・・の領域の一つの機体の旋回半径・・・により、式1に基づいて空作業行程LA1、作業行程L01〜L05の機体の進行方向(+Y)(−Y)における機体の位置Y1の検出を行う。
【0142】
[発明を実施するための第6別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明を実施するための第1別形態]〜[発明を実施するための第5別形態]において、以下のように構成してもよい。
例えば溝切り器等の作業装置のように、作業装置に動力を伝達する作業クラッチを備えない場合、作業装置を田面G2から上昇させた状態を非作業状態とし、作業装置を田面G2に下降させた状態を作業状態とするように構成してもよい。
【0143】
このように構成すると、操作レバー12が上昇位置Uに操作されるか、又は右及び左の前輪1(操向部材41)が右(左)の設定角度A2を越えて操向操作されることにより、作業装置が田面G2から上昇し(非作業状態)、旋回終了位置E3の検出に基づいて作業装置が田面G2に下降するように構成する(作業状態)。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明は、機体の後部にロータリ耕耘装置(作業装置5に相当)を昇降駆動自在に連結可能に構成されたトラクタや、機体の前部に刈取部(作業装置5に相当)を昇降駆動自在に支持したコンバイン等の作業車にも適用できる。GPSによって機体位置検出手段51を構成することも可能である。ホッパー14において粉粒状の肥料に代えて、液状の肥料や、粉粒状や液状の薬剤や種籾等を入れた水田作業車にも適用できる。
【符号の説明】
【0145】
1 前輪
5,15 作業装置
12 作業用人為操作具
31 エンジン
46 人為操作具
51 機体位置検出手段
53 旋回終了位置検出手段
55 作業装置操作手段
56 走行距離検出手段
57 経過時間検出手段
58 停止手段
60 旋回開始操作手段
62 牽制手段
69,70 報知手段
A 前輪の直進位置からの操向角度
A1 直進位置
C 機体の旋回中心
E3 旋回終了位置
G 機体の走行距離
G1 設定距離
G12 所定距離
L1.L2 機体の旋回行程
R 機体の旋回半径
T 経過時間
T1 設定時間
T12 所定時間
+Y,−Y 旋回開始前の機体の進行方向
Y1 機体の旋回行程の位置
Y1 旋回開始前の機体の進行方向における機体の位置
θ 機体の移動角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
田面に接地して指標を形成する作用姿勢及び田面から上方に離れた格納姿勢に操作自在な右及び左のマーカーを備えて、
前記右又は左のマーカーが作用姿勢に操作された作業行程の後に機体が畦際に達すると、作用姿勢の前記右又は左のマーカーを格納姿勢に操作し、機体の旋回が行われて次の作業行程に入ると、格納された前記右又は左のマーカーとは反対側のマーカーを作用姿勢に操作するマーカー操作手段を備え、
前記マーカー操作手段の作動状態において前記マーカー操作手段に優先して、前記右及び左のマーカーを作用姿勢及び格納姿勢に操作する作業用人為操作具を備えてある水田作業車。
【請求項2】
機体の旋回方向を記憶する記憶手段を備えて、
前記マーカー操作手段が、前記記憶手段に記憶されている機体の旋回方向とは反対側のマーカーを作用姿勢に操作することにより、格納された前記右又は左のマーカーとは反対側のマーカーを作用姿勢に操作するように構成されている請求項1に記載の水田作業車。
【請求項3】
作業行程が終了して機体の旋回が開始されると、前記作業行程での機体の向きに対する現在の機体の向きを機体の旋回角度として検出するように構成し、
前記機体の旋回角度が設定旋回角度に達すると、機体の旋回方向が前記記憶手段に記憶されるように構成してある請求項2に記載の水田作業車。
【請求項4】
前記設定旋回角度が100度〜150度の範囲の中に位置する角度に設定されている請求項3に記載の水田作業車。
【請求項5】
前記マーカー操作手段を作動状態及び停止状態に操作するもので人為的に操作自在な設定スイッチを備えてある請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の水田作業車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−30579(P2011−30579A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261398(P2010−261398)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【分割の表示】特願2009−102225(P2009−102225)の分割
【原出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】