説明

水砕処理用脱水槽及びそれを備えた水砕製造装置

【課題】簡素な構成で水の影響を受けることなく水砕スラグの高さを正確に検出し、水切りを開始するタイミングや水砕スラグの供給を停止するタイミングを簡便かつ確実に制御でき、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグ等の流出、脱水スクリーンの目詰まり、オーバーフロー水への水砕スラグ等の混入を防止し、清浄水を循環させて有効利用でき、水の使用量を低減できる省資源性、メンテナンス性に優れた水砕処理用脱水槽の提供。
【解決手段】脱水槽本体と、脱水槽本体の底部に配設された水砕スラグ排出部と、脱水槽本体の下端側に配設された脱水スクリーンと、脱水スクリーンを介して脱水槽本体に連設された脱水室と、脱水室に連結され水切り弁を有する水切り配管と、脱水槽本体の上端側に接続されたオーバーフロー配管と、脱水槽本体の周壁部の高さ方向に複数配設され水砕スラグと水の比重差により水砕スラグの堆積高さを検出するレベルセンサと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉から排出される溶融スラグの水砕処理に用いる水砕処理用脱水槽及びそれを備えた水砕製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ごみ処理施設などにおいては、熱分解ガス化溶融炉や、ごみ焼却炉と灰溶融炉との組合せなどが用いられ、溶融スラグと冷却水とを接触させて水砕処理することにより、スラグを冷却固化し、固化したスラグを粒状化している(以下「水砕」という。)。そして、処理後のスラグ(以下「水砕スラグ」という。)は、例えばアスファルト、建築用骨材、コンクリート細材などの原材料として活用されており、搬送などのハンドリングを容易にするために、水砕によってスラグを細粒子化することが有用である。
従来、水砕スラグスラリーの脱水処理に用いる脱水槽の底部側に水透過スクリーン(脱水スクリーン)が張設されており、脱水槽に水砕スラグスラリーが供給されると、水砕スラグが沈降して堆積層を形成する。そして、水透過スクリーンを埋没させるレベルまで水砕スラグ堆積層が形成された段階で、スラリー水を水透過スクリーンを通して排出(水切り)し、温水槽に供給する。また、水砕スラグのレベルが一定以上になった時には、水砕スラグの供給を停止し、水砕スラグ堆積層上に滞留している余剰の水を脱水槽からオーバーフローさせて温水槽に供給する。そして、温水槽に供給された水は、冷却後、水砕化用噴射水として再使用される。
【0003】
これらの水切りの開始や水砕スラグの供給停止のタイミングは、作業者が脱水槽の上方から目視で水砕スラグの高さ(位置)を確認したり、マイクロ波やレーザなどを利用した各種センサで水砕スラグの高さ(位置)を検出したりして、指示をしていた。
しかし、いずれの場合も、水が邪魔で水砕スラグの正確な高さ(位置)を知ることが困難であり、水砕スラグが一定の高さに達する前に水切りを開始すると、水砕スラグやウールが水透過スクリーンを通して流出し、水透過スクリーンの目詰まりが発生するという問題があった。また、水砕スラグの供給の停止が遅いと、オーバーフロー時に、水砕スラグやウール(浮遊水砕)などの微細固形物質が水と一緒に流出してしまうという問題があった。
【0004】
このような水砕スラグやウールなどの固形物質を含有する水を水砕化用噴射水として再使用すると、配管の損傷、冷却塔等の機能低下、水処理各槽での堆積、凝固などの問題が発生するため、水砕スラグの高さ(位置)や堆積状況を正確に把握し、水切りを開始するタイミングや水砕スラグの供給を停止するタイミングを正確に制御する必要があった。
そこで、例えば、(特許文献1)には、「脱水槽の周壁部に、その下端位置から脱水槽内に略満杯に沈降形成された水砕スラグ堆積層の最大レベルに略一致する高さ位置に至る該周壁部の略全面に亘って、脱水槽内に開口する入口部及び排水路に連通する出口部を有する脱水室を上下多段に配設してあり、各脱水室の入口部には水透過スクリーンが張設されていると共に、各脱水室の出口部には、当該脱水室の入口部が脱水槽内に沈降形成される水砕スラグ堆積層下に埋没された状態においてのみ開制御される開閉弁が介設されていることを特徴とする水砕スラグスラリの脱水処理装置」が開示されている。
【0005】
また、高炉から排出される溶融スラグ量を知ることは、水砕スラグ製造時における吹製水量の制御のために極めて重要であり、このことからも、脱水槽内のスラグ量を測定する必要があった。
例えば、(特許文献2)には、「水砕製造設備の脱水槽に、該脱水槽内の水砕スラグスラリーの重量を計測する重量計測器を設けると共に、該水砕スラグスラリーの容積を計測する容積計測器を設け、これらの計測値と、水砕スラグと水との比重差とを用いて高炉から排出したスラグ量を測定する方法において、水砕処理前の溶融スラグの温度に対応して定められる水砕スラグの比重を用いてスラグ量を測定することを特徴とする高炉から排出したスラグ量測定方法。」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平7−79932号
【特許文献2】特開平6−17106号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)では、脱水槽に水砕スラグ堆積層のレベルを検出するレベル検出器を設け、開閉弁をレベル検出器からの信号により開閉制御される自動制御弁とし、水砕スラグ堆積層のレベルを検出して、この検出レベルより下位において開口する脱水室については各開閉弁を開制御し、他の脱水室については各開閉弁を閉制御することにより、水砕スラグ堆積層のレベル変動に拘らず、水砕スラグ堆積層を通過した清浄水のみを排出し、良好な再使用を図ろうとするものであるが、レベル検出器について具体的な説明がなく、水砕スラグ堆積層のレベルをどの程度正確に検出できるのか不明である。
(2)また、図面に記載されているように、水砕スラグ堆積層の表面の1箇所のみで高さを検出しても、水砕スラグの堆積状態が均一ではないため、各脱水室の入口部が水砕スラグ堆積層の下に完全に埋没しているとは限らず、水透過スクリーンの目詰まり、水透過スクリーンからの水砕スラグやウールの流出が発生するおそれがあり、レベル検出の信頼性に欠けるという課題を有していた。
(3)さらに、脱水槽の高さ方向に複数の水透過スクリーン、脱水室、開閉弁などを配設しなければならず、脱水槽の大掛かりな改造或いは新規作製が必要であり、省資源性に欠けると共に、複数の開閉弁の開閉を制御しなければならず、制御が煩雑で、使用性に欠けるという課題を有していた。
(4)(特許文献2)では、脱水槽内の水砕スラグと水とを加えた水砕スラグスラリーの重量をロードセルで計測する一方、その容積を水位計を用いて計測し、これら計測値と水砕スラグと水との比重差を用いてスラグ量を求めることはできるが、脱水槽内の水砕スラグの堆積状態が均一ではなく、正確な水砕スラグの高さ(位置)や堆積状態を知ることが困難で、スクリーンの埋没状態を把握することができないため、水切りを開始するタイミングを制御することができず、スクリーンの目詰まり、スクリーンからの水砕スラグやウールの流出が発生し易く、メンテナンス性、動作の安定性に欠けるという課題を有していた。
【0008】
本発明は上記課題を解決するもので、簡素な構成で、水の影響を受けることなく、水砕スラグの高さ(位置)を正確に検出し、水切りを開始するタイミングや水砕スラグの供給を停止するタイミングを簡便かつ確実に制御することができ、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグやウールなどの流出による目詰まり、オーバーフロー時の水への水砕スラグやウールの混入を防止し、清浄水を循環させて有効利用することができ、水の使用量を低減することができる省資源性、メンテナンス性に優れた水砕処理用脱水槽の提供及びそれを備えることにより、配管の損傷、冷却塔等の機能低下、ポンプの故障などが発生し難く、水処理各槽での水砕スラグやウールなどの堆積、凝固を大幅に低減できる清掃作業性、メンテナンス性、省エネルギー性に優れた水砕製造装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の水砕処理用脱水槽及びそれを備えた水砕製造装置は以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の水砕処理用脱水槽は、脱水槽本体と、前記脱水槽本体の底部に配設された水砕スラグ排出部と、前記脱水槽本体の下端側に配設された脱水スクリーンと、前記脱水スクリーンを介して前記脱水槽本体に連設された脱水室と、前記脱水室に連結され水切り弁を有する水切り配管と、前記脱水槽本体の上端側に接続されたオーバーフロー配管と、前記脱水槽本体の周壁部の高さ方向に複数配設され水砕スラグと水の比重差により前記水砕スラグの堆積高さを検出するレベルセンサと、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用を有する。
(1)脱水槽本体の周壁部の高さ方向に複数配設され水砕スラグと水の比重差により水砕スラグの堆積高さを検出するレベルセンサを有することにより、脱水槽本体中の水の影響を受けることなく、水砕スラグの堆積高さを簡便かつ正確に検出することができ、検出した水砕スラグの堆積高さに応じて、脱水槽本体からの水砕スラグの排出や水切り、脱水槽本体への水砕スラグの供給の開始及び停止のタイミングを制御して、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグやウールなどの流出による脱水スクリーンの目詰まり、オーバーフロー時の水への水砕スラグやウールの混入を確実に防止することができ、メンテナンス性、動作安定性に優れる。
(2)レベルセンサで水砕スラグの堆積高さを精度よく検出し、水砕スラグの供給や排出、水切りの開始及び停止のタイミングを適正に保つことにより、水砕スラグやウールの混入が低く抑えられた清浄水を循環させて有効利用することができ、水の使用量を大幅に低減することができ、省資源性に優れる。
【0010】
ここで、脱水槽本体の形状は適宜、選択することができるが、周壁の下端側が底部の水砕スラグ排出部に向かって円錐状や角錐状に収縮していることが好ましい。脱水槽本体に堆積した水砕スラグを水砕スラグ排出部から確実かつ効率的に排出できるためである。また、底部に向かって収縮した周壁の傾斜部に脱水スクリーンを配設することにより、効率的に水切りを行うことができる。特に、底部の水砕スラグ排出部から水砕スラグが排出され、脱水槽本体の中央部に凹状の窪みが形成されている場合でも、周壁の下端側から底部にかけて堆積した水砕スラグによって脱水スクリーンの表面を覆うことができ、水砕スラグが濾過層として確実に機能し、水切り時に水砕スラグやウールが脱水スクリーンを通しての流出することを防ぎ、脱水スクリーンの目詰まりを効果的に防止することができる。
レベルセンサは、水砕スラグと水の比重差を検出できるセンサであればよい。レベルセンサのセンサ部の周辺に存在する物質の比重から、センサ部が水砕スラグに埋没しているかどうかを判別し、水砕スラグの堆積高さがレベルセンサの位置を超えているかどうかを知ることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水砕処理用脱水槽であって、前記複数のレベルセンサの内、前記脱水スクリーンの上端部と同等の高さに配設された第1のレベルセンサにより、前記水砕スラグ排出部からの前記水砕スラグの排出を停止する水砕スラグ排出停止高さを検出する構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)複数のレベルセンサの内、脱水スクリーンの上端部と同等の高さに配設された第1のレベルセンサにより、水砕スラグ排出部からの水砕スラグの排出を停止する水砕スラグ排出停止高さを検出するので、常に水砕スラグの堆積高さを脱水スクリーンの上端部と同等の高さ以上に保ち、水砕スラグによって脱水スクリーンを覆うことができ、水切り時に水砕スラグやウールが脱水スクリーンを通して流出することがなく、脱水スクリーンの目詰まりを防止することができ、メンテナンス性に優れる。
【0012】
ここで、第1のレベルセンサは脱水スクリーンの上端より200mm程度上方に配設することが好ましい。脱水スクリーンの上端から第1のレベルセンサまでの距離が200mmよりも短くなるにつれ、測定の誤差などによって、脱水スクリーンが部分的に水砕スラグから露出するおそれがあるためである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の水砕処理用脱水槽であって、前記第1のレベルセンサの検出部が、前記水砕スラグ排出部の直上部に配置された構成を有している。
この構成により、請求項2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)第1のレベルセンサの検出部が、水砕スラグ排出部の直上部に配置されることにより、脱水槽本体に堆積した水砕スラグが水砕スラグ排出部から排出される際に、水砕スラグ排出部の直上部の水砕スラグが周囲よりも先に排出され、水砕スラグ排出部の直上部に窪みが形成される場合に、水砕スラグの減少を確実に検出することができ、脱水スクリーンが露出する前に水砕スラグ排出部からの水砕スラグの排出を停止して、脱水スクリーンが水砕スラグで覆われた状態を維持することができ、水砕スラグの排出管理の確実性、信頼性に優れる。
【0014】
ここで、水砕スラグ排出部の位置は脱水槽本体の形状などに応じて、適宜、選択される。水砕スラグ排出部は必ずしも脱水槽本体の中央部に位置する訳ではないので、第1のレベルセンサの検出部を水砕スラグ排出部の位置(中央部近傍)に合わせて、その直上部に配置することにより、水砕スラグの減少(排出)状況を正しく検出することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の水砕処理用脱水槽であって、前記複数のレベルセンサの内、前記脱水スクリーンの上端部よりも上方に配設された第2のレベルセンサにより、前記水切り配管の前記水切り弁を開放して前記脱水室からの排水を開始する水切り開始水砕スラグ高さを検出する構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)複数のレベルセンサの内、脱水スクリーンの上端部よりも上方に配設された第2のレベルセンサにより、水切り配管の水切り弁を開放して脱水室からの排水を開始する水切り開始水砕スラグ高さを検出するので、脱水スクリーンの上端部よりも高い位置まで水砕スラグが堆積した状態で水切りを行うことができ、水砕スラグを濾過材としてウールを確実に除去し、清浄水を排出することができ、濾過の信頼性に優れる。
【0016】
ここで、脱水スクリーンの上端部から第2のレベルセンサまでの距離は、脱水槽本体の形状や寸法などにもよるが、800mm以上が好ましい。脱水スクリーンの上端部から第2のレベルセンサまでの距離が800mmよりも短くなるにつれ、測定の誤差や水砕スラグの堆積状態によって、脱水スクリーンが部分的に水砕スラグから露出するおそれがあるためである。尚、第2のレベルセンサの検出部は第1のレベルセンサの検出部よりも周壁側に配置することが好ましい。第1のレベルセンサと第2のレベルセンサにより、水砕スラグの堆積状況(表面形状)を細かく正確に把握できるためである。
【0017】
請求項5に記載の水砕製造装置は、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の水砕処理用脱水槽であって、前記複数のレベルセンサの内、前記オーバーフロー配管の開口部よりも下方に配設された第3のレベルセンサにより、前記脱水槽本体への前記水砕スラグの供給を停止して前記オーバーフロー配管からのオーバーフローを開始するオーバーフロー開始水砕スラグ高さを検出する構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)複数のレベルセンサの内、オーバーフロー配管の開口部よりも下方に配設された第3のレベルセンサにより、脱水槽本体への水砕スラグの供給を停止してオーバーフロー配管からのオーバーフローを開始するオーバーフロー開始水砕スラグ高さを検出するので、常に水砕スラグの堆積高さを所定の高さ以下に保つことができ、オーバーフロー時に水砕スラグやウールが水と一緒に流出することを防止して、清浄水を循環させることができ、水の有効利用性に優れる。
【0018】
ここで、オーバーフロー配管の開口部から第3のレベルセンサまでの距離は、脱水槽本体の形状や寸法などにもよるが、800mm〜1000mmが好ましい。オーバーフロー配管の開口部から第3のレベルセンサまでの距離が800mmよりも短くなるにつれ、水砕スラグの供給の停止を指示してから実際に水砕スラグの供給が停止するまでの間に供給される水砕スラグや水中に浮遊しているウールが水と一緒に流出し易くなる傾向があり、1000mmよりも長くなるにつれ、脱水槽本体に堆積させることができる水砕スラグの量が減少して水砕スラグの製造及び供給の効率性が低下し易くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
【0019】
請求項6に記載の水砕製造装置は、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の水砕処理用脱水槽であって、前記レベルセンサが、比重差を周波数の違いとして検出する振動式レベルセンサである構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1項で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)レベルセンサが、比重差を周波数の違いとして検出する振動式レベルセンサであることにより、測定誤差が少なく、水砕スラグと水の比重差を精度よく検出して、水砕スラグの有無を確実に判別することができ、測定の安定性、応答性、再現性に優れる。
【0020】
ここで、振動式レベルセンサとしては、検出部のパイプ内に設けた永久磁石と電磁石により振動を生じさせ、液中に粉粒体などの固形物がある(比重が大きい)場合とない(比重が小さい)場合の電磁石に流れる電流の違いを検知するものが好適に用いられる。検出部が比重の小さい水の中にある(比重の大きな粉体などで覆われていない)場合、電磁石に交流電流を加えると、所定の動作周波数で振動し、永久磁石の磁界変化により電磁石に発生する逆起電力が最大となる。そして、検出部を覆う物質の比重が大きくなるにつれ、永久磁石の振動が減少し、それによって発生する逆起電力も小さくなるので、検出部を覆う物質の比重差が周波数(振動数)の違いとして検出され、液中の粉粒体などの有無を判別することができる。
【0021】
本発明の請求項7に記載の水砕製造装置は、請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の水砕処理用脱水槽を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)水砕処理用脱水槽において水砕スラグの高さ(位置)を正確に検出し、水切りを開始するタイミングや水砕スラグの供給を停止するタイミングを簡便かつ確実に制御することにより、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグやウールなどの流出、オーバーフロー時の水への水砕スラグやウールの混入を防止し、清浄水を循環させることができるので、装置全体の配管の損傷、冷却塔等の機能低下、ポンプの故障などが発生し難く、水処理各槽での水砕スラグやウールなどの堆積、凝固を大幅に低減でき、清掃作業性、メンテナンス性、省エネルギー性に優れると共に、水の使用量を低減することができ、省資源性に優れる。
【0022】
ここで、水砕製造装置の水砕処理用脱水槽以外の構成は従来公知のものを用いることができ、加圧水を噴射して溶融スラグを HYPERLINK "http://www.weblio.jp/content/%E7%B2%89%E7%A0%95" \o "粉砕の意味" 粉砕 HYPERLINK "http://www.weblio.jp/content/%E6%80%A5%E5%86%B7" \o "急冷の意味" 急冷する吹製装置や水砕処理用脱水槽で水砕スラグと分離された水を再使用するための水循環設備などを備えている。
【発明の効果】
【0023】
以上のように構成された本発明の水砕処理用脱水槽及びそれを用いた水砕製造装置によれば、以下のような効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)脱水槽本体中の水の影響を受けることなく、水砕スラグの堆積高さを簡便かつ正確に検出することができ、検出した水砕スラグの堆積高さに応じて、脱水槽本体からの水砕スラグの排出や水切り、脱水槽本体への水砕スラグの供給の開始及び停止のタイミングを制御して、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグやウールなどの流出による脱水スクリーンの目詰まり、オーバーフロー時の水への水砕スラグやウールの混入を確実に防止することができるメンテナンス性、動作安定性に優れた水砕処理用脱水槽を提供することができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)レベルセンサで水砕スラグの堆積高さを脱水スクリーンの上端部と同等の高さ以上に保ちながら水砕スラグ排出部からの水砕スラグの排出を行うことにより、水砕スラグで脱水スクリーンの表面を覆い、水切り時に水砕スラグやウールが脱水スクリーンを通して流出することがなく、脱水スクリーンの目詰まりを防止することができるメンテナンス性に優れた水砕処理用脱水槽を提供することができる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)検出部が水砕スラグ排出部の直上部に配置されたレベルセンサで、水砕スラグ排出部の直上部での水砕スラグの減少を確実に検出し、水砕スラグ排出部からの水砕スラグの排出を管理して、水砕スラグが脱水スクリーンから流出することを未然に防止することができる水砕スラグの排出管理の確実性、信頼性に優れた水砕処理用脱水槽を提供することができる。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1項の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)レベルセンサで脱水スクリーンの上端部よりも高い位置まで水砕スラグが堆積した状態を保ちながら水切りを行うことにより、水砕スラグを濾過材としてウールを確実に除去し、清浄水を排出することができる濾過の信頼性に優れた水砕処理用脱水槽を提供することができる。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)レベルセンサで水砕スラグの堆積高さをオーバーフロー配管の開口部よりも低い所定の高さ以下に保ちながらオーバーフロー配管からのオーバーフローを行うことにより、オーバーフロー時に水砕スラグやウールが水と一緒に流出することを防止して、清浄水を循環させることができる水の有効利用性に優れた水砕処理用脱水槽を提供することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の効果に加え、以下のような効果を有する。
(1)振動式レベルセンサを用いて水砕スラグと水の比重差を周波数の違いとして検出することにより、少ない測定誤差で精度よく比重差を検出して、水砕スラグの有無を確実に判別することができる測定の安定性、応答性、再現性に優れた水砕処理用脱水槽を提供することができる。
【0029】
請求項7に記載の発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)水砕処理用脱水槽において水砕スラグの高さ(位置)を正確に検出し、水切りを開始するタイミングや水砕スラグの供給を停止するタイミングを適正に制御することにより、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグやウールなどの流出、オーバーフロー時の水への水砕スラグやウールの混入を防止して、清浄水を循環させることができ、装置全体の配管の損傷、冷却塔等の機能低下、ポンプの故障などが発生し難く、水処理各槽での水砕スラグやウールなどの堆積、凝固を大幅に低減することができ、清掃作業性、メンテナンス性、省エネルギー性に優れ、水の使用量も大幅に低減することができる省資源性に優れた水砕製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽を示す要部断面模式図
【図2】実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽の水砕スラグの堆積状態を示す要部断面模式図
【図3】実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽の水砕スラグの排出状態を示す要部断面模式図
【図4】実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽のオーバーフロー状態を示す要部断面模式図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽について説明する。
図1は実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽を示す要部断面模式図である。
図1中、1は実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽、2は水砕処理用脱水槽1の脱水槽本体、2aは脱水槽本体2の底部、2bは脱水槽本体2の下端側で底部2aに向かって円錐状や角錐状に収縮して形成された傾斜部、2cは円筒状や角筒状に形成された脱水槽本体2の周壁部、3は脱水槽本体2の底部2aに配設された水砕スラグ排出部、4は脱水槽本体2の傾斜部2bに配設された脱水スクリーン、5は脱水スクリーン4を介して脱水槽本体2の傾斜部2bに連設された脱水室、6は脱水スクリーン4を清掃するために各々の脱水室5に接続された脱水スクリーン清掃用エア配管、7は脱水室5から排水するために各々の脱水室5に連結された水切り配管、8は水切り配管7の途中に配設され水切り配管7を開閉する水切り弁、9は脱水槽本体2の上端側に接続されたオーバーフロー配管、10は脱水槽本体2の周壁部2cの高さ方向に複数配設され水砕スラグと水の比重差により水砕スラグの堆積高さを検出する振動式のレベルセンサ、10aは脱水スクリーン4の上端部と同等の高さに配設された第1のレベルセンサ、10bは脱水スクリーン4の上端部よりも800mm程度上方に配設された第2のレベルセンサ、10cはオーバーフロー配管9の開口部よりも800mm〜1000mm下方に配設された第3のレベルセンサ、10dはオーバーフロー配管9の開口部よりも500mm下方に配設された第4のレベルセンサ、11は第1〜第4のレベルセンサ10a〜10dの先端部に配設された検出部、12は脱水槽本体2の内部を洗浄する洗浄水を供給するための脱水槽内洗浄配管、13は脱水槽本体2に水砕スラグを供給するための水砕スラグ供給配管である。
【0032】
以上のように構成された実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽の動作について説明する。
まず、水砕処理用脱水槽における水切り動作について説明する。
図2は実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽の水砕スラグの堆積状態を示す要部断面模式図である。
図2中、20は水砕製造装置の水砕スラグ供給配管13から水砕処理用脱水槽1に供給され脱水槽本体2の内部に堆積した水砕スラグ、21は水砕スラグ20の上方に貯留された水である。
図2において、第2のレベルセンサ10bにより、脱水室5からの排水を開始する水切り開始水砕スラグ高さを検出する。第2のレベルセンサ10bが脱水スクリーン4の上端部よりも上方に配設されているので、脱水スクリーン4の上端部よりも高い位置まで水砕スラグ20が堆積した状態で水切り配管7の水切り弁8を開放して水切りを行うことにより、水砕スラグ20を濾過材としてウールを確実に除去し、清浄水を水砕製造装置の沈降槽へ循環させることができる。
尚、脱水スクリーン4の上端部から第2のレベルセンサ10bの位置までの高さ方向の距離は800mm以上とした。脱水スクリーン4の上端部から第2のレベルセンサ10bの位置までの高さ方向の距離が800mmよりも短くなるにつれ、測定の誤差や水砕スラグ20の堆積状態によって、脱水スクリーン4が部分的に水砕スラグ20から露出するおそれがあるためである。
【0033】
次に、水砕処理用脱水槽における水砕スラグ排出動作について説明する。
図3は実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽の水砕スラグの排出状態を示す要部断面模式図である。
脱水槽本体2に堆積した水砕スラグ20を水砕スラグ排出部3から排出した際に、図3に示すように、水砕スラグ排出部3の直上部の水砕スラグ20が周囲よりも先に排出され、水砕スラグ排出部3の直上部(脱水槽本体2の中央部)に窪みが形成されることがある。このとき、第2のレベルセンサ10bのように周壁部2cの近傍に検出部11が配置されたレベルセンサによって水砕スラグ20の堆積高さを検出していると、水砕スラグ20が脱水スクリーン4の上端部よりも高い位置まで堆積していると判断し、水砕スラグ20を排出し続けることになる。その場合、脱水スクリーン4の上端部付近が水砕スラグ20で覆われていても、窪みが大きくなり、脱水スクリーン4が部分的に露出してしまう。そのような状態で水切り配管7の水切り弁8を開放して水切りを行うと、水砕スラグ20やウールが水砕スラグ20を通して流出し、脱水スクリーン4の目詰まりが発生する。
そこで、水砕スラグ排出部3からの水砕スラグ20の排出を停止する水砕スラグ排出停止高さを検出するための第1のレベルセンサ10aを脱水スクリーン4の上端部と同等の高さに配設し、その検出部11を水砕スラグ排出部3の位置(中央部近傍)に合わせて、その直上部に配置した。これにより、水砕スラグ20の減少(排出)状況を正しく検出することができ、水砕スラグ20が脱水スクリーン4から流出することを未然に防止することができる。尚、本実施の形態では、第1のレベルセンサ10aを脱水スクリーン4の上端より200mm程度上方に配設し、測定の誤差などによって、脱水スクリーン4が部分的に水砕スラグ20から露出することを防止した。
【0034】
次に、水砕処理用脱水槽におけるオーバーフロー動作について説明する。
図4は実施の形態1における水砕製造装置に用いる水砕処理用脱水槽のオーバーフロー状態を示す要部断面模式図である。
図4において、第3のレベルセンサ10cにより、脱水槽本体2への水砕スラグ20の供給を停止してオーバーフロー配管9からのオーバーフローを開始するオーバーフロー開始水砕スラグ高さを検出する。第3のレベルセンサ10cがオーバーフロー配管9の開口部よりも下方に配設されているので、水砕スラグ20の堆積高さを所定の高さ以下に保つことができ、オーバーフロー時に水砕スラグ20やウールが水21と一緒に流出することを防止し、清浄水を水砕製造装置の沈降槽へ循環させることができる。
尚、オーバーフロー配管9の開口部の位置から第3のレベルセンサ10cの位置までの高さ方向の距離は800mm〜1000mmとした。オーバーフロー配管9の開口部の位置から第3のレベルセンサ10cの位置までの高さ方向の距離が800mmよりも短くなるにつれ、水砕スラグ20の供給の停止を指示してから実際に水砕スラグ20の供給が停止するまでの間に供給される水砕スラグ20や水中に浮遊しているウールが水と一緒に流出し易くなる傾向があり、1000mmよりも長くなるにつれ、脱水槽本体2に堆積させることができる水砕スラグ20の量が減少して水砕スラグ20の製造及び供給の効率性が低下し易くなる傾向があることがわかったためである。
また、第4のレベルセンサ10dは第3のレベルセンサ10cのバックアップとして配設した。これにより、第3のレベルセンサ10cが不具合などにより動作しなかったでも、第4のレベルセンサ10dが第3のレベルセンサ10cと同じ働きをすると共に、水砕スラグ20のレベル異常の警報を出し、オーバーフロー配管9に水砕スラグ20が流出するのを確実に防止することができる。
【0035】
以上のように、本発明の実施の形態1における水砕処理用脱水槽は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)脱水槽本体の周壁部の高さ方向に複数配設され水砕スラグと水の比重差により水砕スラグの堆積高さを検出するレベルセンサを有することにより、脱水槽本体中の水の影響を受けることなく、水砕スラグの堆積高さを簡便かつ正確に検出することができ、検出した水砕スラグの堆積高さに応じて、脱水槽本体からの水砕スラグの排出や水切り、脱水槽本体への水砕スラグの供給の開始及び停止のタイミングを制御して、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグやウールなどの流出、脱水スクリーンの目詰まり、オーバーフロー時の水への水砕スラグやウールの混入を確実に防止することができ、メンテナンス性、動作安定性に優れる。
(2)レベルセンサで水砕スラグの堆積高さを精度よく検出し、水砕スラグの供給や排出、水切りの開始及び停止のタイミングを適正に保つことにより、水砕スラグやウールの混入が低く抑えられた清浄水を循環させて有効利用することができ、水の使用量を大幅に低減することができ、省資源性に優れる。
(3)複数のレベルセンサの内、脱水スクリーンの上端部と同等の高さに配設された第1のレベルセンサにより、水砕スラグ排出部からの水砕スラグの排出を停止する水砕スラグ排出停止高さを検出するので、常に水砕スラグの堆積高さを脱水スクリーンの上端部と同等の高さ以上に保つことができ、水砕スラグによってブリッジが形成され、水砕スラグが脱水スクリーンから流出することを防止することができ、メンテナンス性に優れる。
(4)第1のレベルセンサの検出部が、水砕スラグ排出部の直上部に配置されることにより、脱水槽本体に堆積した水砕スラグが水砕スラグ排出部から排出される際に、水砕スラグ排出部の直上部の水砕スラグが周囲よりも先に排出され、水砕スラグ排出部の直上部に窪みが形成される場合に、水砕スラグの減少を確実に検出することができ、水砕スラグ排出部からの水砕スラグの排出を停止して、水砕スラグが脱水スクリーンから流出することを未然に防止することができ、水砕スラグの排出管理の確実性、信頼性に優れる。
(5)複数のレベルセンサの内、脱水スクリーンの上端部よりも上方に配設された第2のレベルセンサにより、水切り配管の水切り弁を開放して脱水室からの排水を開始する水切り開始水砕スラグ高さを検出するので、脱水スクリーンの上端部よりも高い位置まで水砕スラグが堆積した状態で水切りを行うことができ、水砕スラグを濾過材としてウールを確実に除去し、清浄水を排出することができ、濾過の信頼性に優れる。
(6)複数のレベルセンサの内、オーバーフロー配管の開口部よりも下方に配設された第3のレベルセンサにより、脱水槽本体への水砕スラグの供給を停止してオーバーフロー配管からのオーバーフローを開始するオーバーフロー開始水砕スラグ高さを検出するので、常に水砕スラグの堆積高さを所定の高さ以下に保つことができ、オーバーフロー時に水砕スラグやウールが水と一緒に流出することを防止して、清浄水を循環させることができ、水の有効利用性に優れる。
(7)レベルセンサが、比重差を周波数の違いとして検出する振動式レベルセンサであることにより、測定誤差が少なく、水砕スラグと水の比重差を精度よく検出して、水砕スラグの有無を確実に判別することができ、測定の安定性、応答性、再現性に優れる。
【0036】
以上のように、本発明の実施の形態1における水砕製造装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)水砕処理用脱水槽において水砕スラグの高さ(位置)を正確に検出し、水切りを開始するタイミングや水砕スラグの供給を停止するタイミングを簡便かつ確実に制御することにより、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグやウールなどの流出、オーバーフロー時の水への水砕スラグやウールの混入を防止し、清浄水を循環させることができるので、装置全体の配管の損傷、冷却塔等の機能低下、ポンプの故障などが発生し難く、水処理各槽での水砕スラグやウールなどの堆積、凝固を大幅に低減でき、清掃作業性、メンテナンス性、省エネルギー性に優れると共に、水の使用量を低減することができ、省資源性に優れる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、簡素な構成で、水の影響を受けることなく、水砕スラグの高さ(位置)を正確に検出し、水切りを開始するタイミングや水砕スラグの供給を停止するタイミングを簡便かつ確実に制御することができ、水切り時の脱水スクリーンからの水砕スラグやウールなどの流出、脱水スクリーンの目詰まり、オーバーフロー時の水への水砕スラグやウールの混入を防止し、清浄水を循環させて有効利用することができ、水の使用量を低減することができる省資源性、メンテナンス性に優れた水砕処理用脱水槽の提供及びそれを備えることにより、配管の損傷、冷却塔等の機能低下、ポンプの故障などが発生し難く、水処理各槽での水砕スラグやウールなどの堆積、凝固を大幅に低減できる清掃作業性、メンテナンス性、省エネルギー性に優れた水砕製造装置の提供を行い、省エネルギー化や環境保護に貢献することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 水砕処理用脱水槽
2 脱水槽本体
2a 底部
2b 傾斜部
2c 周壁部
3 水砕スラグ排出部
4 脱水スクリーン
5 脱水室
6 脱水スクリーン清掃用エア配管
7 水切り配管
8 水切り弁
9 オーバーフロー配管
10 レベルセンサ
10a 第1のレベルセンサ
10b 第2のレベルセンサ
10c 第3のレベルセンサ
10d 第4のレベルセンサ
11 検出部
12 脱水槽内洗浄配管
13 水砕スラグ供給配管


【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱水槽本体と、前記脱水槽本体の底部に配設された水砕スラグ排出部と、前記脱水槽本体の下端側に配設された脱水スクリーンと、前記脱水スクリーンを介して前記脱水槽本体に連設された脱水室と、前記脱水室に連結され水切り弁を有する水切り配管と、前記脱水槽本体の上端側に接続されたオーバーフロー配管と、前記脱水槽本体の周壁部の高さ方向に複数配設され水砕スラグと水の比重差により前記水砕スラグの堆積高さを検出するレベルセンサと、を備えたことを特徴とする水砕処理用脱水槽。
【請求項2】
前記複数のレベルセンサの内、前記脱水スクリーンの上端部と同等の高さに配設された第1のレベルセンサにより、前記水砕スラグ排出部からの前記水砕スラグの排出を停止する水砕スラグ排出停止高さを検出することを特徴とする請求項1に記載の水砕処理用脱水槽。
【請求項3】
前記第1のレベルセンサの検出部が、前記水砕スラグ排出部の直上部に配置されたことを特徴とする請求項2に記載の水砕処理用脱水槽。
【請求項4】
前記複数のレベルセンサの内、前記脱水スクリーンの上端部よりも上方に配設された第2のレベルセンサにより、前記水切り配管の前記水切り弁を開放して前記脱水室からの排水を開始する水切り開始水砕スラグ高さを検出することを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1項に記載の水砕処理用脱水槽。
【請求項5】
前記複数のレベルセンサの内、前記オーバーフロー配管の開口部よりも下方に配設された第3のレベルセンサにより、前記脱水槽本体への前記水砕スラグの供給を停止して前記オーバーフロー配管からのオーバーフローを開始するオーバーフロー開始水砕スラグ高さを検出することを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1項に記載の水砕処理用脱水槽。
【請求項6】
前記レベルセンサが、比重差を周波数の違いとして検出する振動式レベルセンサであることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1項に記載の水砕処理用脱水槽。
【請求項7】
請求項1乃至6の内いずれか1項に記載の水砕処理用脱水槽を備えたことを特徴とする水砕製造装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−12260(P2012−12260A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151476(P2010−151476)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(503141581)住金リコテック株式会社 (11)
【Fターム(参考)】