説明

水種菓子加工品包装体及びその製造方法

【課題】みつ豆、あんみつ等の六面体状の水種菓子を、一般家庭などにおいて、心太突きの要領で取り出す楽しみと、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時にできる水種菓子加工品包装体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水種菓子加工品が充填される筒状容器10と、該筒状容器10内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材20とを備え、前記仕切り部材20の各連結部材21の少なくとも一面に仕切り壁22が形成されると共に、各仕切り壁22には、空気抜け用等の通過部22bを形成し、先端開口部11をフィルム状の蓋材15で密封する。
取り出すときは、フィルム状の蓋材15を剥離した後、折曲自在となる折曲部23に連結される取出部材24を指で摘まんで前方に取り出すことにより六面体状の水種菓子加工品が取り出される水種菓子加工品包装体A。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、みつ豆、あんみつ等の水種菓子に用いられるサイコロ状、直方体状等の六面体状の寒天や、六面体状の葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココ等の水種菓子を、一般家庭などにおいて、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時にできる水種菓子加工品包装体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、みつ豆やあんみつを手軽に家庭で食することができる包装体として、サイコロ状に可食加工された寒天を樹脂製の袋体に封入し、食するときにサイコロ状の寒天等を、袋体や缶詰などから取り出し、食器などに移して、蜜等をかけて食するようにしたものが知られている。
【0003】
しかしながら、これらのサイコロ状の寒天は、ゲル化した寒天をサイコロ状にしてから、水や水溶性の保存液に収容された状態となる袋体、缶詰等で貯蔵、運搬されるものであり、開封の際に生のサイコロ状の寒天を食することができないものであり、風味、食感等が満足のいくものでない点に改善の余地があるものである。
【0004】
一方、心太突きの要領で作る楽しみと、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時にできる水種菓子加工品包装体としては、例えば、筒状容器の底面部に網状部材又は格子状部材が形成されると共に、該筒状容器内に寒天や葛などのゲル状食品が充填され、かつ、該筒状容器が密封包装されてなり、食するときに、包装を解き、後端開口部から突き棒等の押出具を挿入し、突き押すことにより水種菓子加工品が前記網状部材又は格子状部材を通して心太状に押出される水種菓子加工品包装体が多数知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0005】
しかしながら、これらの各特許文献1〜4は、心太状に押出される水種菓子であり、サイコロ状に取り出されるものではなく、みつ豆、あんみつ等に用いるサイコロ状の寒天等の水種菓子を、一般家庭などにおいて、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することができない点に課題があるものである。
従って、従来のみつ豆、あんみつ等に用いるサイコロ状の寒天等の水種菓子は、サイコロ状となる寒天等の水種菓子を保形性を有しながら、取り出す楽しみと、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することができる水種菓子加工品包装体の出現が切望されているのが現状である。
【0006】
他方、容器本体の開口に、該開口を複数の取り出し口に分ける仕切り部材が設けられていることを特徴とする一口ゼリー用容器(例えば、特許文献5参照)や、可撓性の材料で成形されたカップ状の容器と、該容器の内部に収容される充填食品を分離して収容するための分離部材と、密封用蓋部材とを備えた分割取り出し容器(例えば、特許文献6参照)などが知られており、食するときに保形性を有する形状となるものである。
しかしながら、これらは、一口で食べる容器であり、多数のサイコロ状等の六面体状の寒天等の水種菓子を、一般家庭などにおいて、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することができない点に課題があるものである。また、心太突きの要領で作るだすものではない点に課題があるものであり、しかも、皿などの器に取り出す際にも皿に容易に移すことができないなどの課題があるのが現状である。
更に、上記六面体状の寒天等の水種菓子加工品包装体を手作業で製造することは作業効率の面から課題があり、更に上記の特許文献にも、その製造方法の記載などはなく、機械化により、作業効率よく、多量に製造することができる水種菓子加工品包装体の製造方法が切望されているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実公昭45−937号公報(実用新案登録請求の範囲、考案の詳細な説明、第1図等)
【特許文献2】実開昭62−69459号公報(実用新案登録請求の範囲、第3図等)
【特許文献3】実公平7−18349号公報(実用新案登録請求の範囲、考案の詳細な説明、第1図、第2図等)
【特許文献4】特開2003−261189号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献5】特開平10−86991号公報(特許請求の範囲、図1等)
【特許文献6】実用新案登録第3037578号公報(実用新案登録請求の範囲、図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の課題及び現状に鑑み、これを解消しようとするものであり、みつ豆、あんみつ等に用いるサイコロ状等の六面体状の寒天等の水種菓子を、一般家庭などにおいて、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することができる水種菓子加工品包装体を提供することを目的とし、更に、保形性を有しながら、取り出す楽しみと、生の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することができる水種菓子加工品包装体の提供、並びに、機械化により、作業効率よく、多量に品質に優れた水種菓子加工品包装体を製造することができる水種菓子加工品包装体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記従来の課題等について、鋭意検討した結果、水種菓子加工品が充填される特定構造となる容器と、該容器内に収容される特定構造となる仕切り部材とを少なくとも備え、前記特定構造の容器の少なくとも一端を剥離可能な蓋材で密封することなどにより、上記目的の水種菓子加工品包装体及び水種菓子加工品包装体の製造方法を得ることに成功し、本発明を完成するに至ったのである。
【0010】
すなわち、本発明を次の(1)〜(14)に存する。
(1) 水種菓子加工品が充填される筒状容器と、該筒状容器内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材とを少なくとも備え、前記仕切り部材は、所定間隔毎に幅方向に仕切り壁と、該各仕切り壁を連結する連結部材とを有すると共に、後端側の仕切り壁以外の各仕切り壁には、水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部が形成されており、前記筒状容器の後端底部と先端開口部を剥離可能な蓋材で密封したことを特徴とする水種菓子加工品包装体。
(2) 水種菓子加工品が充填される有底筒状容器と、該筒状容器内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材とを少なくとも備え、前記仕切り部材は、所定間隔毎に幅方向に仕切り壁と、該各仕切り壁を連結する連結部材とを有すると共に、後端側の仕切り壁以外の各仕切り壁には、水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部が形成されており、前記筒状容器の先端開口部を剥離可能な蓋材で密封したことを特徴とする水種菓子加工品包装体。
(3) 前記仕切り部材の先端側には、仕切り壁の連結部材に折曲自在となる折曲部を介して取出部材が連結されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の水種菓子加工品包装体。
(4) 上記(1)記載の水種菓子加工品包装体は、更に、押出具を備え、水種菓子加工品が充填されている容器の先端開口部と後端底部から蓋材を剥離した後、前記後端底部から押出具を挿入し、容器内に収容される仕切り部材の後端側の仕切り壁を突き押すことにより容器内の仕切り部材の各仕切り壁により分離される六面体状の水種菓子加工品が取り出されることを特徴とする水種菓子加工品包装体。
(5) 前記仕切り部材の連結部材が底板であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体。
(6) 前記仕切り部材の底板の少なくとも一面には、長手方向に幅方向仕切り壁を分割する長手方向仕切り壁が形成されていることを特徴とする上記(5)に記載の水種菓子加工品包装体。
(7) 前記仕切り部材における後端側の幅方向の仕切り壁以外の各仕切り壁は、傾斜した仕切り壁であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体。
(8) 六面体状の水種菓子加工品が、寒天、葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココの何れかである上記(1)〜(7)の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体。
(9) 水種菓子加工品が充填される筒状容器と、該筒状容器内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材とを有し、該仕切り部材は、所定間隔毎に幅方向に仕切り壁と、該各仕切り壁を連結する連結部材とを有すると共に、後端側の仕切り壁以外の各仕切り壁に水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部が形成されており、上記筒状容器の後端底部を剥離可能な蓋材で密封した筒状容器内に、前記仕切り部材を挿入し、これを起立させた状態で液状の水種菓子原料を充填した後、先端開口部を剥離可能な蓋材で密封し、次いで、該容器に殺菌を兼ねた加熱処理を施し、液状の水種菓子原料をゲル化させて可食加工したことを特徴とする水種菓子加工品包装体の製造方法。
(10) 水種菓子加工品が充填される有底筒状容器と、該筒状容器内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材とを有し、該仕切り部材は、所定間隔毎に幅方向に仕切り壁と、該各仕切り壁を連結する連結部材とを有すると共に、後端側の仕切り壁以外の各仕切り壁に水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部が形成されており、上記有底筒状容器内に、前記仕切り部材を挿入し、これを起立させた状態で液状の水種菓子原料を充填した後、先端開口部を剥離可能な蓋材で密封し、次いで、該容器に殺菌を兼ねた加熱処理を施し、液状の水種菓子原料をゲル化させて可食加工したことを特徴とする水種菓子加工品包装体の製造方法。
(11) 前記仕切り部材の先端側には、仕切り壁の連結部材に折曲自在となる折曲部を介して取出部材が連結されていることを特徴とする上記(9)又は(10)に記載の水種菓子加工品包装体の製造方法。
(12) 前記仕切り部材の連結部材が底板であることを特徴とする上記(9)〜(11)の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体の製造方法。
(13) 前記仕切り部材の底板の少なくとも一面には、長手方向に幅方向仕切り壁を分割する長手方向仕切り壁が形成されていることを特徴とする上記(12)に記載の水種菓子加工品包装体の製造方法。
(14) 前記仕切り部材における後端側の幅方向の仕切り壁以外の各仕切り壁は、傾斜した仕切り壁であることを特徴とする上記(9)〜(13)の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体の製造方法。
なお、本発明で規定する「六面体状」とは、立方体(正六面体、サイコロ状)、直方体などの形状の他、これらの変形体、例えば、立方体(正六面体、サイコロ状)、直方体がやや変形した六面体状、外形が円弧状や楕円状となるものを含むものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1又は2に記載の発明によれば、みつ豆、あんみつ等の寒天や、葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココ等の水種菓子原料の充填作業が容易となり、容器から六面体状の水種菓子を簡単に取り出すことができ、一般家庭などにおいて、作りたての生の見栄えがよく綺麗な形状となる六面体状の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時にできる水種菓子加工品包装体が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、容器から六面体状の水種菓子を所望の時に、簡単に取り出すことができる水種菓子加工品包装体が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、容器から六面体状の水種菓子を心太突きの要領で所望の時に、簡単に取り出すことができる水種菓子加工品包装体が提供される。
請求項5及び6に記載の発明によれば、容器から数多くの六面体状の水種菓子を簡単に取り出すことができる水種菓子加工品包装体が提供される。
請求項7に記載の発明よれば、水種菓子原料の充填作業が更に容易となり、更に品質、見栄えに優れた水種菓子を得ることができる水種菓子加工品包装体が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、寒天、葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココ等の各種六面体状の水種菓子が簡単に得られる水種菓子加工品包装体が提供される。
請求項9又は10に記載の発明によれば、あんみつ等の寒天や、葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココ等の水種菓子原料の充填作業が容易となり、作りたての生の見栄えがよく綺麗な形状となる六面体状の水種菓子を容器から簡単に取り出すことができる水種菓子加工品包装体の製造方法が提供される。
請求項11に記載の発明によれば、容器から六面体状の水種菓子を簡単に取り出すことができる水種菓子加工品包装体の製造方法が提供される。
請求項12及び13に記載の発明によれば、容器から数多くの六面体状の水種菓子を簡単に取り出すことができる水種菓子加工品包装体の製造方法が提供される。
請求項14に記載の発明よれば、水種菓子原料の充填作業が更に容易となり、更に品質、見栄えに優れた水種菓子を得ることができる水種菓子加工品包装体の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は本発明の実施形態の一例(第1実施形態)を示す水種菓子加工品包装体の分解斜視図、(b)は水種菓子加工品が充填される筒状容器に収容される仕切り部材の先端側を示す部分斜視図である。
【図2】水種菓子加工品が充填される筒状容器の一例を示すものであり、(a)は筒状容器の部分縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はX部の拡大断面図である。
【図3】水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材の一例を示すものであり、(a)は仕切り部材の縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は仕切り壁の傾斜角度を示す部分拡大断面図である。
【図4】(a)は図1の水種菓子加工品包装体の縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は仕切り壁と容器との隙間を示す部分拡大断面図である。である。
【図5】本発明の水種菓子加工品包装体の製造方法の一例を示すものであり、底部を密閉した状態で仕切り部材を挿入した筒状容器を起立させた状態で液状の水種菓子原料を充填している状態を断面態様で示す説明図である。
【図6】容器内の六面体状の水種菓子加工品が取り出される状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態の他例(第2実施形態)を示す水種菓子加工品包装体の分解斜視図である。
【図8】水種菓子加工品が充填される筒状容器の他例を示すものであり、(a)は筒状容器の部分縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)はX部の拡大断面図、(e)はY部の拡大断面図である。
【図9】水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材の他例を示すものであり、(a)は仕切り部材の縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は仕切り壁の傾斜角度を示す部分拡大断面図である。
【図10】(a)は図7の水種菓子加工品包装体の縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は仕切り壁と容器との隙間を示す部分拡大断面図である。である。
【図11】本発明の水種菓子加工品包装体の製造方法の他例を示すものであり、底部を密閉した状態で仕切り部材を挿入した筒状容器を起立させた状態で液状の水種菓子原料を充填している状態を断面態様で示す説明図である。
【図12】押出具により容器内の六面体状の水種菓子加工品が取り出される状態を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態の他例(第3実施形態)を示す水種菓子加工品包装体であり、(a)は水種菓子加工品包装体の縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【図14】水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材の他例を示すものであり、(a)は仕切り部材の縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は仕切り部材の前方側を示す部分拡大断面図、(e)は仕切り部材の後方側を示す部分拡大断面図である。
【図15】本発明の実施形態の他例(第4実施形態)を示す水種菓子加工品包装体の分解斜視図である。
【図16】水種菓子加工品が充填される筒状容器の他例を示すものであり、(a)は筒状容器の部分縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【図17】水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材の他例を示すものであり、(a)は仕切り部材の縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【図18】(a)は図16の水種菓子加工品包装体の縦断面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図である。
【図19】本発明の水種菓子加工品包装体の製造方法の他例を示すものであり、底部を密閉した状態で仕切り部材を挿入した筒状容器を起立させた状態で液状の水種菓子原料を充填している状態を断面態様で示す説明図である。
【図20】図15の水種菓子加工品包装体の説明であって、押出具により容器内の六面体状の水種菓子加工品が取り出される状態を示す説明図である。
【図21】水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材の他例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら詳述する。
図1〜図6は、本発明の実施形態の一例(第1実施形態)を示す水種菓子加工品包装体の各図面であり、図1(a)は、全体の分解斜視図、(b)は水種菓子加工品が充填される筒状容器に収容される仕切り部材の先端側を示す部分斜視図、図2は、水種菓子加工品が充填される筒状容器の一例を示す各図面であり、図3は、水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材の一例を示す各図面であり、図4は、水種菓子加工品包装体の縦断面図等であり、図5は、本発明の水種菓子加工品包装体の製造方法の一例を示す説明図、図6は容器内の六面体状の水種菓子加工品が取り出される状態を説明する説明図である。
【0014】
本発明の第1実施形態となる水種菓子加工品包装体Aは、図1〜図6に示されるように、水種菓子加工品が充填される有底筒状容器10と、該筒状容器10内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材20とを備えている。
【0015】
筒状容器10は、有底筒状容器からなり、耐熱性、保形性、歪んだり、反ったりすることのない強度を有する部材から構成されるものであり、本実施形態では、例えば、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)やポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)などの熱可塑性樹脂等により構成することができ、図2(a)〜(e)に示すように、先端開口部11の周縁にフランジ12が形成されると共に、後端の底部13へ向けて同径又は若干細径となる四角筒状に一体成形されている。
【0016】
この筒状容器10の前端開口部11のフランジ12には蓋材15が密封着され塞がれている。蓋材15は、例えば、フィルム状の蓋材、具体的には、PE、PP、PETなどの熱可塑性合成樹脂等からなる薄肉フィルム状のものであって、その外周縁を熱融着又は高周波溶着等の接着手段により、容器10の前端開口部11のフランジ12に剥離可能に密封着している。
先端開口部11のフランジ12には突条12aが形成され、該突条12aに先端開口部11を塞ぐ蓋材15の外周縁が密封着され、容器10内の水種菓子加工品を密封すると共に、フランジ12の固定化がされることによって容器自体の強度を高めることになる。
【0017】
仕切り部材20は、水種菓子加工品を六面体状に分離するものであり、所定間隔毎に幅方向に形成された仕切り壁22,22…が立設されており、該仕切り壁22,22…の下段側の隅部には仕切り壁22,22…を連結する連結部材21が一体に連結されており、本実施形態では連結部材21により幅方向仕切り壁22,22…が5枚形成されている。連結部材21の前方側の2つは断面四角形状となっており、後方側の三つは断面三角形状となっており、前方側を補強している。
また、後端側(底部側)の仕切り壁22aを除く、仕切り壁22,22…には、仕切り部材20を容器10内に挿入した場合に、水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部となる切り欠き部22bを少なくとも一つ形成、本実施形態では、一つの仕切り壁22の上部の隅部に切り欠き部よりなる通過部22bが形成されている。なお、各仕切り壁22に形成する通過部22bの大きさ、形状、その形成箇所等は、水種菓子原料の通過及び空気抜けが容易となり、取り出すときにバリ等が発生しないものとなるものであれば、特に限定されず、本実施形態のように、その形成の容易性の点から、仕切り壁22の四隅部の少なくとも一つに切り欠き型の通過部22とすることができる他、各仕切り壁22に貫通孔を形成した通過部であってもよいものである。
【0018】
本実施形態の仕切り部材20には、図1(b)、図3(a)及び(b)に示すように、先端側の仕切り壁22の連結部材21に折曲自在となる折曲部23を介して指で摘まんで取り出すための取出部材24が連結されている。この折曲部23は、上下に切り欠き部を形成することにより、折曲自在としている。
更に、後端側(底部側)の仕切り壁22aを除く、各仕切り壁22,22…は、連結部材21に対して垂直上に起立又はある程度の傾斜角度で斜めに傾斜したものであり、本実施形態では、図3(d)に示すように、垂直に対して前方(上部)にθ=4°の角度で傾斜した仕切り壁22,22…となっている。この傾斜の形成は、水種菓子原料を起立状態で充填する際の空気抜けを更に容易とするものである。この傾斜角度θは、1〜10°、更に好ましくは、1〜5°程度とすることが好ましい。
【0019】
この連結部材21、仕切り壁22、折曲部23及び取出部材24を備えた仕切り部材20は、上記有底筒状容器10と同様の部材、例えば、PE、PPやPETなどの熱可塑性樹脂等により一体成形することができる。なお、仕切り部材20の幅方向の長さは、先端から後端までその長さは変化せず又は後端側が若干細くなるものである。本実施形態では、図4(d)に示すように、容器10と該容器10内に収容される仕切り部材20の上部側には、0.2mm程度の隙間(図示符号x)がある。
【0020】
次に、本実施形態の水種菓子加工品包装体Aの製造手順等を、図5を参照して以下に説明する。
本実施形態の水種菓子は、例えば、みつ豆、あんみつ等の水種菓子に用いられる六面体状の寒天が製造されるものであり、その原料配合組成は、海藻(天草)抽出物、砂糖などの原料及びその量を好適に組み合わせて調製することができる。
まず、蓋材15で密封着する前の開放状の先端開口部11を上に、後端底部13が下に位置されるよう、容器10を治具等を用いて起立状に支持する。次に、その容器10内に、仕切り部材20を挿入する。この仕切り部材20を挿入後、ノズル40等により、液状の生の水種菓子原料a´を注入、充填する。この注入量は、仕切り部材20を容器10内に収容し、仕切り部材20の各仕切り壁22内にゲル化後が六面体(サイコロ)状となる各仕切り壁に包囲された収容室26内に水種菓子原料a´が順次収容され、容器10内から水種菓子原料a´が溢れ出さない量が注入される。
【0021】
本実施形態では、容器10内に挿入される仕切り部材20は、後端側の仕切り壁22a以外の各仕切り壁22には、水種菓子原料の通過及び空気抜け用の隅部を切り欠いた切り欠き部から構成される通過部22bが形成されており、かつ、各仕切り壁22は、上部に傾斜した仕切り壁となるので、液状の生の水種菓子原料a´を注入・充填作業が容易となり順次効率よく短時間に充填でき、しかも、その空気抜きは水平の仕切り壁よりも更に効率よく空気抜きができるものとなっている。なお、注入速度は、充填される液状の水種菓子原料種及びその濃度、容器10の大きさ等により、好適な注入速度で行うことができる。
【0022】
次いで、先端開口部11をフィルム状蓋材15で密封した後、容器10をボイル処理、レトルト処理などの適宜方法による高温の加熱処理し、液状の生の水種菓子原料をゲル化させて可食加工すると共に併せて殺菌処理を施す。そして、容器10内の水種菓子原料a´は、半固形状の水種菓子加工品aに加工され、ゲル化させる。しかる後、常温に戻した容器は、水種菓子加工品包装体として水種菓子加工品包装体とし、蜜などの調味液やその他の具材を封入した封入袋等と共に、袋体や箱体などに入れて流通、販売に供する。
【0023】
本発明の水種菓子加工品包装体Aを食する場合、例えば、購入者が、袋体や箱体などから容器10、封入袋等を取り出し、食する前に容器10をそのまま、又は温める場合は熱湯や電子レンジに入れて加熱する。容器10の蓋材15を剥がし、容器10を手で保持し、もう一方の手で棒状体の取出部材24を指等で摘まんで手前に引き出せば、図6に示すように、仕切り壁22が上部側に傾斜しているので、容器10内の六面体状となる水種菓子加工品aをより簡単に取り出すことができる。なお、取り出しの際には、仕切り部材20を収容した容器10を引き出しながら、若干振動等させることにより老人や子供でも簡単かつ容易に六面体状となる水種菓子加工品aを取り出すことができる。また、仕切り部材20から容易に水種菓子加工品aを取り出すために、仕切り部材20の全体表面部を更に鏡面加工等を施してもよい。更に、底部13に小さな空気抜き孔を形成し、蓋材15と同様の材質となる蓋材で空気抜き孔を密封着して、取り出す際に剥がして、水種菓子加工品aの取り出しを更に容易化してもよいものである。また、取出部材24
を棒状体形状としたが、先端側を指で引っ掛ける形状となるようにリング体形状であっても良いものである。
【0024】
また、本実施形態では、仕切り部材20の各仕切り壁22に水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部22bを形成しているが、各仕切り壁22の厚みは薄いので(本実施形態では1mm程度であるので)、取り出される六面体状の水種菓子品は、バリ(余剰部分)の発生も極力少なく、略立方体(サイコロ状)となり見栄えもよく、見た目にも綺麗な生原料を用いた新鮮な水種菓子品が得られることとなる。
以上のように、本実施形態では、みつ豆、あんみつ等の六面体状の寒天や六面体状の葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココ等の水種菓子原料の充填作業が容易となり、しかも、容器から六面体状の水種菓子を簡単に取り出すことができ、一般家庭などにおいて、取り出す楽しみと、作りたての生の見栄えがよく綺麗な形状となる六面体状の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時にできる水種菓子加工品包装体が得られるものとなる。
【0025】
図7〜図12は、本発明の実施形態の他例(第2実施形態)を示す水種菓子加工品包装体の各図面である。なお、以下の実施形態(図7以降の図面中)において、上記第1実施形態の水種菓子加工品包装体Aと同様の構成は同一符号を付してその説明を省略する。
本発明の第2実施形態となる水種菓子加工品包装体Bは、図7〜図12に示されるように、水
種菓子加工品が充填される筒状容器10と、該筒状容器10内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材20とを備えると共に、押出具30を備えるものである。
【0026】
筒状容器10は、第1実施形態と同様の材質の有底筒状容器から構成されるものであり、相違点は、筒状容器10の底部13に、押出具30を挿入する挿入口部14が更に形成されている点で異なるものである。
また、仕切り部材20は、第1実施形態と同様に水種菓子加工品を六面体状に分離するものであり、連結部材が底板21aとなっており、該底板21aに所定間隔毎に幅方向に形成された仕切り壁22,22…が立設されている点、後端側(底部側)の幅方向仕切り壁22aは容器10の挿入口部14から挿入される押出具30の押圧面となる点、水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部となる切り欠き部22bを、一つの仕切り壁22の上部と下部の隅部に対向するように二つの切り欠き部よりなる通過部22bが形成されている点、押出具30を用いるので、底板21aの前方側に取り出し部材となる折曲部23及び取出部材24がない点で異なるものである。
【0027】
このような構成となる本実施形態の仕切り部材20により所定間隔毎に六面体状の水種菓子加工品が合計5個形成されるものである。この仕切り部材20を有底筒状容器10内に収容後、挿入口部14を含む底部13には蓋材25が密封着され塞がれている。蓋材25は、上記蓋材15と同様に、薄肉フィルム状のものであって、その外周縁を熱融着又は高周波溶着等の接着手段により、容器10の底部13に剥離可能に密封着している〔図7、図10(a)及び(c)参照〕。
【0028】
本実施形態に用いる押出具30は、PE、PP又はPET等の熱可塑性合成樹脂により一体成形されたものであり、筒状容器10における底部13の挿入口部14に挿入される棒状部材となるものである。
この構成となる押出具30は、容器10の両端に密封着されたフィルム状蓋材15、25を剥がした上で、図12に示すように、押出具30を容器10の後端挿入口14より挿入し、仕切り部材20の後端面となる仕切り壁22aを突き押すことで、仕切り部材20の先端が容器10外に出て水種菓子加工品(六面体状の水種菓子である寒天)a,a……が取り出されるものとなる。
【0029】
次に、本実施形態の水種菓子加工品包装体Bの製造手順等は、図11で示すように、第1実施形態(図5)と同様にして、製造することができる。
なお、本実施形態では、後端側の仕切り壁22a以外の各仕切り壁22には、水種菓子原料の通過及び空気抜け用の隅部を切り欠いた切り欠き部から構成される二つの通過部22bが形成されているので、液状の生の水種菓子原料a´を注入・充填作業が更に容易となり順次効率よく更に短時間で充填でき、しかも、その空気抜きは水平の仕切り壁よりも更に効率よく空気抜きができるものとなっている。
【0030】
本発明の水種菓子加工品包装体Bを食する場合、例えば、購入者が、袋体や箱体などから容器10、押出具30、封入袋等を取り出し、食する前に容器10をそのまま、又は温める場合は熱湯や電子レンジに入れて加熱する。容器10の両端の蓋材15、25を剥がし、後端底部13の挿入口14から押出具30を挿入し、仕切り壁部22aを押し出せば、図12に示すように、仕切り壁22が上部側に傾斜しているので、容器10内の六面体状となる水種菓子加工品aをより簡単に取り出すことができる。なお、取り出しの際には、仕切り部材20を収容した容器10を押し出しながら、若干振動等させることにより老人や子供でも簡単かつ容易に六面体状となる水種菓子加工品aを取り出すことができる。また、仕切り部材20から容易に水種菓子加工品aを取り出すために、仕切り部材20の全体表面部を更に鏡面加工等を施してもよい。
【0031】
また、本第2実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、上記仕切り部材20の各仕切り壁22に水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部22bを形成しているが、各仕切り壁22の厚みは薄いので(本実施形態では1mm程度であるので)、取り出される六面体状の水種菓子品は、バリ(余剰部分)の発生も極力少なく、略立方体(サイコロ状)となり見栄えもよく、見た目にも綺麗な生原料を用いた新鮮な水種菓子品が得られることとなる。
【0032】
図13及び図14は、本発明の第3実施形態となる水種菓子加工品包装体Cを示すものである。なお、以下の実施形態において、上記第1及び第2実施形態の水種菓子加工品包装体A、Bと同様の構成は、同一符号を付けてその説明を省略する。
本実施形態の水種菓子加工品包装体Cは、仕切り部材20の底板21aの厚さを薄くした点、仕切り壁22の四隅部に形成する切り欠き型の通過部22bを上部側の両端の隅部に形成した点、仕切り壁22の前方に山状の仕切り壁22dを形成した点でのみ、上記実施形態の水種菓子加工品包装体Bと相違するものであり、水種菓子加工品包装体Bと同様に、効率よく製造でき、一般家庭などにおいて、心太突きの要領で取り出す楽しみと、作りたての生の見栄えがよく綺麗な形状となる六面体状の水種菓子の風味、食感を味わいながら食することが所望の時にできる水種菓子加工品包装体及びその製造方法が得られるものとなる。
【0033】
図15〜図20は、本発明の第4実施形態となる水種菓子加工品包装体Dを示すものである。
本実施形態の水種菓子加工品包装体Dは、主に仕切り部材20の他の形態を示すものである他、容器10の底部を変更した点、押出具30の形状を変更した点でのみ、上記実施形態の水種菓子加工品包装体Bと相違するものである。
この実施形態の仕切り部材20は、図15〜図18に示すように、底板21aの両面の中央部に幅方向の仕切り壁22を分割する長手方向の仕切り壁26が形成され、長手方向の仕切り壁26と幅方向の仕切り壁22とが中央部で交差する(横断面が十字状となる)ように形成されると共に、交差部が補強された肉厚部27となる点、各仕切り壁22が10枚形成された点、各仕切り壁22の四隅部に切り欠き型の通過部22bを形成した点及び仕切り壁22を上側に傾斜させずに、垂直(水平)状とした点で、上記実施形態の水種菓子加工品包装体Bに用いる仕切り部材10と相違するものである。このような構成となる仕切り部材20の各仕切り壁22により所定間隔毎に六面体状の水種菓子加工品が上段に2個、下段に2個、合計4個形成され、本実施形態では全体で20個形成されるものである。
また、容器10の底部側には、二つの挿入口部14,14を形成した点、並びに、押出具30が棒状の押出部31,31を有すると共に、後端部で押出部31,31が連結される連結部32を備えた点で、上記実施形態の水種菓子加工品包装体Bに用いる容器10、押出具30と相違するものである。
【0034】
この実施形態の水種菓子加工品包装体Dの製造手順等は、上記実施形態の水種菓子加工品包装体Aと略同様であり、まず、フィルム状蓋材15で密封着する前の開放状の先端開口部11を上に、蓋材25で密封着した後端底部13が下に位置されるよう、容器10を治具などを用いて起立状に支持する。次に、その容器10内に、仕切り部材20を挿入する。この仕切り部材20を挿入後、ノズル40、40により、長手方向の仕切り壁26により分割された両側に液状の生の水種菓子原料a´を注入、充填する。
本実施形態では、容器10内に挿入される仕切り部材20は、後端側の仕切り壁22a以外の各仕切り壁22の四隅部に水種菓子原料の通過及び空気抜け用の切り欠き型の通過部22bが形成されているので、図19に示すように、液状の生の水種菓子原料a´を注入・充填作業が容易となり、順次効率よく短時間に充填でき、しかも、その空気抜きも効率よくできるものとなっている。次いで、先端開口部11を蓋材15で密封した後、上述の水種菓子加工品包装体Bなどと同様に、容器10をボイル処理、レトルト処理等を施すことにより、目的の水種菓子加工品包装体が得られるものとなる。
【0035】
本実施形態の水種菓子加工品包装体Dを食する場合は、容器10の両端の蓋材15、25を剥がし、図20に示すように、後端底部13の挿入口14、14から押出具30を挿入し、仕切り壁部22aを押し出せば、容器10内の六面体状となる水種菓子加工品aが簡単に取り出すことができる。なお、取り出しの際には、仕切り部材20を収容した容器10を押し出しながら、若干振動等させることにより老人や子供でも簡単かつ容易に六面体状となる水種菓子加工品aを取り出すことができる。
【0036】
以上、本発明に係る水種菓子加工品包装体及びその製造方法の実施形態を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、図1〜図6、図7〜12、または、図13及び14に示すように、連結部材となる底板21aの片側の一面に所定間隔毎に幅方向仕切り壁22を形成した仕切り部材20や、図15〜20に示すように、底板21aの両面に長手方向に仕切り壁26を形成すると共に、所定間隔毎に幅方向仕切り壁22が形成した仕切り部材20の他、図21に示すように、底板21aの片側一面に長手方向に仕切り壁26を形成すると共に、所定間隔毎に幅方向仕切り壁22を形成した仕切り部材20であってもよいものである。なお、この場合は、容器10は上記図21に示す仕切り部材20の大きさに沿う幅広の容器が用いられることとなる。
【0037】
また、上記各実施形態では、筒状容器10は、有底筒状容器を用いたが、蓋材25(及び15)で仕切り部材や水種菓子を密封できるので、底部13を省略することもでき、更に、蓋材15,25を剥離した後、押出具30を省略して仕切り部材20を手等で押して仕切り部材20から水種菓子を取り出しても良いものである。
また、上記第2実施形態〜第4実施形態の水種菓子加工品包装体B〜Dにおいて、押し出し具を用いずに、底板21a前方部に、上記第1実施形態と同様に、折曲自在となる折曲部23を介して指で摘まんで取り出すための棒状体形状又は指で引っ掛けるリング体形状の取出部材24を取り付けても良いものである。この場合には、容器の底部13に形成される挿入口部は空気抜け孔として作用するものである。
更に、上記実施形態では、みつ豆、あんみつ等の水種菓子に用いられる六面体状となる寒天としたが、原料種を葛、水羊羹、フルーツ等のゼリー、ナタデココ等の液状の水種菓子原料を充填し、ゲル化させた六面体状となる葛、水羊羹、フルーツ等のゼリー、ナタデココ等であってもよいものである。
【0038】
更にまた、上記実施形態では、筒状容器10、仕切り部材20の外形を四角形状としたが、例えば、これらの外形を円形状又は楕円形状としてもよく、この場合は、六面体状が変形した形状、例えば、外形面が半球状等となる水種菓子加工品が得られることとなる。
【符号の説明】
【0039】
A 水種菓子加工品包装体
a 六面体(サイコロ)状の水種菓子加工品(寒天)
a´ 液状の水種菓子原料(寒天液)
10 筒状容器
11 先端開口部
13 後端底部
14 挿入口部
15 フィルム状の蓋材
20 仕切り部材
21 連結部材
22 仕切り壁
22b 通過部
23 折曲部
24 取出部材
25 フィルム状の蓋材
30 押出具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水種菓子加工品が充填される筒状容器と、該筒状容器内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材とを少なくとも備え、前記仕切り部材は、所定間隔毎に幅方向に仕切り壁と、該各仕切り壁を連結する連結部材とを有すると共に、後端側の仕切り壁以外の各仕切り壁には、水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部が形成されており、前記筒状容器の後端底部と先端開口部を剥離可能な蓋材で密封したことを特徴とする水種菓子加工品包装体。
【請求項2】
水種菓子加工品が充填される有底筒状容器と、該筒状容器内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材とを少なくとも備え、前記仕切り部材は、所定間隔毎に幅方向に仕切り壁と、該各仕切り壁を連結する連結部材とを有すると共に、後端側の仕切り壁以外の各仕切り壁には、水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部が形成されており、前記筒状容器の先端開口部を剥離可能な蓋材で密封したことを特徴とする水種菓子加工品包装体。
【請求項3】
前記仕切り部材の先端側には、仕切り壁の連結部材に折曲自在となる折曲部を介して取出部材が連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の水種菓子加工品包装体。
【請求項4】
請求項1記載の水種菓子加工品包装体は、更に、押出具を備え、水種菓子加工品が充填されている容器の先端開口部と後端底部から蓋材を剥離した後、前記後端底部から押出具を挿入し、容器内に収容される仕切り部材の後端側の仕切り壁を突き押すことにより容器内の仕切り部材の各仕切り壁により分離される六面体状の水種菓子加工品が取り出されることを特徴とする水種菓子加工品包装体。
【請求項5】
前記仕切り部材の連結部材が底板であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体。
【請求項6】
前記仕切り部材の底板の少なくとも一面には、長手方向に幅方向仕切り壁を分割する長手方向仕切り壁が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の水種菓子加工品包装体。
【請求項7】
前記仕切り部材における後端側の幅方向の仕切り壁以外の各仕切り壁は、傾斜した仕切り壁であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体。
【請求項8】
六面体状の水種菓子加工品が、寒天、葛、水羊羹、ゼリー、ナタデココの何れかである請求項1〜7の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体。
【請求項9】
水種菓子加工品が充填される筒状容器と、該筒状容器内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材とを有し、該仕切り部材は、所定間隔毎に幅方向に仕切り壁と、該各仕切り壁を連結する連結部材とを有すると共に、後端側の仕切り壁以外の各仕切り壁に水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部が形成されており、上記筒状容器の後端底部を剥離可能な蓋材で密封した筒状容器内に、前記仕切り部材を挿入し、これを起立させた状態で液状の水種菓子原料を充填した後、先端開口部を剥離可能な蓋材で密封し、次いで、該容器に殺菌を兼ねた加熱処理を施し、液状の水種菓子原料をゲル化させて可食加工したことを特徴とする水種菓子加工品包装体の製造方法。
【請求項10】
水種菓子加工品が充填される有底筒状容器と、該筒状容器内に収容される水種菓子加工品を六面体状に分離する仕切り部材とを有し、該仕切り部材は、所定間隔毎に幅方向に仕切り壁と、該各仕切り壁を連結する連結部材とを有すると共に、後端側の仕切り壁以外の各仕切り壁に水種菓子原料の通過及び空気抜け用の通過部が形成されており、上記有底筒状容器内に、前記仕切り部材を挿入し、これを起立させた状態で液状の水種菓子原料を充填した後、先端開口部を剥離可能な蓋材で密封し、次いで、該容器に殺菌を兼ねた加熱処理を施し、液状の水種菓子原料をゲル化させて可食加工したことを特徴とする水種菓子加工品包装体の製造方法。
【請求項11】
前記仕切り部材の先端側には、仕切り壁の連結部材に折曲自在となる折曲部を介して取出部材が連結されていることを特徴とする請求項9又は10に記載の水種菓子加工品包装体の製造方法。
【請求項12】
前記仕切り部材の連結部材が底板であることを特徴とする請求項9〜11の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体の製造方法。
【請求項13】
前記仕切り部材の底板の少なくとも一面には、長手方向に幅方向仕切り壁を分割する長手方向仕切り壁が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の水種菓子加工品包装体の製造方法。
【請求項14】
前記仕切り部材における後端側の幅方向の仕切り壁以外の各仕切り壁は、傾斜した仕切り壁であることを特徴とする請求項9〜13の何れか一つに記載の水種菓子加工品包装体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2010−13185(P2010−13185A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127618(P2009−127618)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(591107229)株式会社たねや (1)
【Fターム(参考)】