説明

水素吸蔵合金

【課題】ナノ粒子からなる水素吸蔵合金のさらなる特性改善を図る。
【解決手段】 パラジウム(Pd)およびイリジウム(Ir)を含むナノ粒子からなる水素吸蔵合金とする。このナノ粒子は、パラジウムからなるコアと、このコアを覆うイリジウムからなるシェルとを含むコア・シェル型であってもよく、パラジウムとイリジウムとが単一種の結晶格子を形成した固溶体型であってもよい。本発明による水素吸蔵合金は、0.4M以上、さらには0.6M以上の水素吸蔵量(303K,水素圧力0.1MPa)を示す。この値は、過去に報告された合金ナノ粒子(例えばパラジウム/白金ナノ粒子)の水素吸蔵量を大幅に上回り、バルクのパラジウムが示す水素吸蔵量をも上回る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラジウム(Pd)とイリジウム(Ir)とを含むナノ粒子からなる新しい水素吸蔵合金に関する。
【背景技術】
【0002】
水素は、燃焼後の生成物が水であるために環境負荷が小さく、今後の主要燃料として期待されている。水素の貯蔵には、水素を可逆的に吸収/放出する水素吸蔵合金が必要となる。
【0003】
本発明者は、先に新たな合金ナノ粒子の製造方法を提案した(特許文献1)。この製造方法は、アルコール還元法により得たコア・シェル型構造を有するナノ粒子に水素吸収/放出サイクルを適用することにより、ナノ粒子の構造をコア・シェル型から固溶体型へと変化させるものである。コア・シェル型構造を有するナノ粒子は、まず、コアとなる金属ナノ粒子(特許文献1の実施例ではパラジウム(Pd)ナノ粒子)をアルコール還元法により形成し、次いでこの金属ナノ粒子の表面にシェルとなる金属(同実施例では白金(Pt)シェル)を析出させることにより作製される。
【0004】
アルコール還元法によるコア・シェル型のナノ粒子の作製は、種々の金属について試行されている(特許文献2;特に[0003][0004])。
【特許文献1】特開2005−272970号公報
【特許文献2】特開平9−225317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているように、コア・シェル型Pd/Ptナノ粒子の水素吸蔵量は、水素吸収/放出サイクルの適用による固溶体型への構造変化に伴って増加する傾向を示す(特許文献1の図4)。しかし、このナノ粒子の水素吸蔵量は、完全な固溶体型となった後においても1気圧(約0.1MPa)の水素圧力で0.3M程度にとどまっており、さらに改善する必要がある。
【0006】
そこで、本発明は、ナノ粒子からなる水素吸蔵合金のさらなる特性改善を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特許文献2に開示されているように、アルコール還元法によるナノ粒子の作製は、種々の金属について試行されているが、イリジウム(Ir)についてはその作製例が報告されていない。
【0008】
本発明者は、アルコール還元法の改良によりPd/Irナノ粒子の合成に成功し、このナノ粒子が他の金属種からなるナノ粒子を遙かに上回る水素吸蔵量を示すことを見いだした。
【0009】
本発明は、PdおよびIrを含むナノ粒子からなる水素吸蔵合金を提供する。
【0010】
本発明は、その別の側面から、PdおよびIrを含むナノ粒子に、このナノ粒子中の金属のモル数に対して0.4モル%以上に相当する水素(水素原子換算)を吸収させる、当該ナノ粒子の水素吸蔵合金としての使用方法を提供する。この使用方法では、ナノ粒子に水素を吸収させる工程に引き続き、必要に応じ、吸収させた水素を放出させる工程、が実施される。
【発明の効果】
【0011】
本発明による水素吸蔵合金は、Pdナノ粒子やPd−Pt合金ナノ粒子(特許文献1)を大幅に上回る水素吸蔵量を示す。この特異的に大きな水素吸蔵量は、Pdを含むナノ粒子による水素貯蔵の実用化に大きな前進をもたらすものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の水素吸蔵合金を構成するナノ粒子は、Pdからなるコアと、このコアを覆うIrからなるシェルと、を含むことが好ましい。ただし、このナノ粒子は、水素吸収/放出サイクルの適用により構造変化を起こすことがある。この構造変化により、上記ナノ粒子は、コア・シェル型から、最終的には固溶体型へと移行する。
【0013】
完全な固溶体型では、ナノ粒子が、PdとIrとによる単一種の結晶格子を内包している。すなわち、本発明の水素吸蔵合金を構成するナノ粒子は、ナノ粒子において、PdとIrとが単一種の結晶格子を形成していてもよい。
【0014】
コア・シェル型から完全な固溶体型へと移行する間のナノ粒子も本発明の水素吸蔵合金を構成することができる。すなわち、本発明の水素吸蔵合金を構成するナノ粒子は、PdがIrよりも豊富なPdリッチなコア部と、このコア部を覆う、IrがPdよりも豊富なIrリッチなシェル部と、を含んでいてもよい。
【0015】
本明細書において、ナノ粒子とは、粒径が100nm以下の粒子をいう。また、本明細書において、単一種の結晶格子を形成しているか否かはX線回折により確認するものとする。
【0016】
本発明による水素吸蔵合金を構成するナノ粒子は、Pdを40〜90原子%、さらには70〜80原子%、Irを10〜60原子%、さらには20〜30原子%、の範囲で含有することが好ましい。Irの含有率が低すぎても高すぎても、水素吸蔵量増大の効果は十分に得られない。
【0017】
本発明による水素吸蔵合金を構成するナノ粒子の粒径は、特に制限はないが、100nm以下、例えば0.5nm〜100nm、さらには1nm〜100nm、特に2nm〜50nm、とりわけ2nm〜20nmが好適であり、10nm以下であってもよい。
【0018】
本発明による水素吸蔵合金が示す特異的に大きな水素吸蔵量は、温度303K、水素圧力0.1MPaの条件において、0.4モル%(M)以上、0.5M以上、0.55M以上、さらには0.6M以上にも達する。水素吸蔵量は、慣用に従い、ナノ粒子中の金属のモル数に対する吸蔵された水素原子のモル数の比率により示す。
【0019】
本発明による水素吸蔵合金を構成するナノ粒子は、その製造方法に制限はないが、アルコール還元法により得ることができる。アルコール還元法は、従来から知られているように、有機高分子の存在下、アルコールを含む溶液中で金属イオンを還元するナノ粒子の製造方法である。
【0020】
有機高分子としては、水溶性のポリマーが好ましく、具体的にはポリビニルピロリドン(PVP)のような環状アミド構造を有するポリマーが好適であるが、これに限らず、目的とする金属粒子の種類等に応じ、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル等を用いてもよい。
【0021】
アルコールは、溶液中で還元剤として作用する。アルコールも、金属や有機高分子の種類等に応じて適宜選択するとよく、エタノール、プロパノール等を用いればよいが、エチレングリコール等の多価アルコールを用いてもよい。
【0022】
溶液中における有機高分子の量を相対的に増やすと析出するナノ粒子の粒径は小さくなるため、これを利用すればナノ粒子の粒径を制御できる。添加する金属塩の濃度を調整することによっても、析出する金属の量、ひいてはナノ粒子の粒径を制御できる。得られる粒子の組成の均一性も高い。このように、アルコール還元法は、粒径等の制御性に優れており、ナノ粒子の製造方法として適している。
【0023】
後述する実施例のように、アルコール還元法では、まずコアを形成し、その後コアにシェルを付加することにより、コア・シェル型構造を実現するとよい。コア形成工程またはシェル形成工程を所定回数繰り返すことにより、所望の径のコアもしくは所望の厚さのシェルの形成、または所望のコア金属/シェル金属比を実現することも可能である。
【0024】
アルコール還元法によるIrの還元には、本発明者が経験してきた限りにおいて、他の金属と比較して特異的に長い時間を要する。Pdナノ粒子上へのPtシェルの被覆は、8時間程度の溶液の撹拌で実現できるが(特許文献1[0031])、Irシェルは、この程度の撹拌時間では形成できず、その形成には24時間程度の撹拌を要した。このように、Irは極めて析出しにくい。また、ロジウム(Rh)のようにPdバルクとの合金化による水素吸蔵量の増大が報告されているわけでもない。これまでPd/Irナノ粒子の水素吸蔵特性について報告がなかったのは、このような理由によるものと考えられる。
【0025】
Pd/Irナノ粒子が、Pd/Ptナノ粒子等よりも大きな水素吸蔵特性を示す理由の詳細は明らかではないが、現時点では、Pdから電子を引き抜きやすいIrの特性がPdの水素吸蔵量を増大させている可能性を指摘することができる。
【0026】
これが正しければ、Irに代えて、あるいはIrとともに、AuをPdとともに用いることによっても、水素吸蔵量の増大を図ることができると考えられる。Auは、Irとともに、そのイオン化エネルギーがPdよりもかなり大きく(Pd:8.34eV、Ir:9.02eV、Au:9.225eV)、Pdよりも電子を離しにくい特性、言い換えればPdの水素化に際してPdから電子を受け取りやすい特性を有すると考えられる。イオン化エネルギーを指標とする上記の推論は、イオン化エネルギーがPdとそれほど変わらないPt(8.61eV)とPdとからなるナノ粒子(Pd/Ptナノ粒子)の水素吸蔵量が、Pdナノ粒子とほぼ同じであったという実験結果とも一致する。これらの実験結果は、PdおよびAuを含むナノ粒子からなる水素吸蔵合金、さらにはPd、IrおよびAuを含むナノ粒子からなる水素吸蔵合金の有用性を示唆するものである。
【0027】
上述のように、Pd/Irナノ粒子は、Pd/Ptナノ粒子と同様、水素吸収/放出サイクルの適用により、コア・シェル型構造から完全な固溶体型へと移行する。Pd/Irナノ粒子については、3回の水素吸収/放出サイクルの適用により、コア・シェル型構造が完全に固溶体型へと移行した。
【0028】
コア・シェル型構造を有する金属ナノ粒子のX線回折パターンでは、通常、コア金属の結晶格子に由来する回折ピークと、シェル金属の結晶格子に由来する回折ピークとが重なり合って観察される。これに対し、完全に固溶体型へと移行したナノ粒子からは、コア金属とシェル金属とから構成された新たな結晶格子に由来する回折ピークのみが観察される。X線回折の結果から判断する限り、水素吸収/放出サイクルを十分な回数だけ適用した後、Pd/Irナノ粒子の内部では、PdとIrとが単一種の結晶格子を形成していると考えられる。
【0029】
単一種の結晶格子を形成するための水素吸収/放出サイクルは、ナノ粒子を20〜300℃(293〜573K)、特に50〜100℃(323〜373K)に保持しながら行うとよい。上記のナノ粒子を水素吸蔵合金として使用する際における水素吸収過程および水素放出過程は、15〜150℃(288〜423K)、特に30〜80℃(303〜353K)、の温度範囲で行うことが好ましい。
【0030】
本発明による水素吸蔵合金を構成するナノ粒子は、特に粒径が小さい場合には、有機高分子で被覆された状態で使用してもよい。この状態は微粒子の酸化防止に有効である。保護剤となる有機高分子は、特に制限されず、アルコール還元法で用いる各種ポリマーをそのまま用いてもよい。
【0031】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は、本欄における上記記載と同様、本発明の実施形態の例示に過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0032】
(Pdナノ粒子の合成)
塩化パラジウム(PdCl2)を希塩酸に溶解し、2mMのH2PdCl4水溶液を調製した。この水溶液80ml(160μmol)に保護剤としてポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)(PVP)177.7mg(モノマーユニットで1.6mmol)および超純水560mlを加えた溶液に、還元剤としてエタノール160mlを撹拌しながら加えた。この溶液を95℃で3時間還流することにより、PVP保護Pdナノ粒子(以下「Pd−PVPナノ粒子」という)を調製した。
【0033】
このPd−PVPナノ粒子分散液を出発粒子としPd粒子の段階成長を行った。まず、Pd−PVPナノ粒子分散液200mlにH2PdCl4水溶液60ml(120μmol)、超純水420mlおよびエタノール120mlを撹拌しながら加え、95℃で3時間還流を行って第二段階合成を行い、さらに同様の手順による第三段階合成により、Pd−PVPナノ粒子(この最終粒子を以下「Pdナノ粒子」という)を得た。
【0034】
(Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子の合成)
Pdナノ粒子0.2gに超純水50mlおよびエタノール100mlを加え、これを保持するフラスコ内の空気を窒素置換して除去した。次いで、このPdナノ粒子分散液を水素雰囲気下で2時間撹拌を行った。引き続き、Pdナノ粒子分散液の液温を75℃に保持しながら、(NH42IrCl60.2g(0.5mmol)を超純水100mlに溶解したものを6時間かけて等圧滴下ロートを用いて滴下した。さらに、反応を十分に進行させるために、分散液を75℃に保持しながら24時間撹拌した。この分散液を、メンブレンフィルタを用いて濾過し、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子を得た。
【0035】
(透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた観察)
上記で得たPdナノ粒子およびPd/Irコア・シェル型ナノ粒子の平均粒径を測定するため、TEM観察を行なった。TEM観察用試料は、カーボン支持膜の上にPdナノ粒子エタノール分散液およびPd/Irナノ粒子エタノール分散液をパスツールピペットで6滴落とし、乾燥させて作製した。TEM観察は、加速電圧200kV、倍率10万倍で行った。TEM写真中の任意のエリアから約300個の粒子を選出してその直径を測定し、その結果から平均粒径および標準偏差を算出した。
【0036】
結果を図1〜図3に示す。図1はPdナノ粒子についての結果であり、図2は濾過前のPd/Irコア・シェル型ナノ粒子についての結果であり、図3は濾過後のPd/Irコア・シェル型ナノ粒子についての結果である。Pdナノ粒子は、平均粒径7.0nm、標準偏差1.3nmであった。Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子は、濾過前の状態で、平均粒径9.2nm、標準偏差1.2nm、濾過後の状態で、平均粒径9.0nm、標準偏差1.2nmであった。Pdナノ粒子とPd/Irコア・シェル型ナノ粒子との粒径の差異は、Irシェルの厚みに相当する。
【0037】
Pdナノ粒子の粒径およびIrシェルの厚みから見積もると、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子は、Pdを75原子%、Irを25原子%、含んでいることになる。
【0038】
(水素吸蔵能力の確認)
上記から得たPd/Irコア・シェル型ナノ粒子について、PCT(Hydrogen Pressure -Composition-Isotherms)曲線を測定した。測定には、PCT自動特性測定装置(鈴木商館製)を用いた。水素雰囲気の最高圧力は0.1MPa(760Torr)、測定温度は303Kおよび373Kとした。結果を図4に示す。温度が高くなると、303Kの測定で明瞭であったプラトー領域が不明瞭になり、かつ水素吸蔵量が減少した。
【0039】
図5に、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子のPCT曲線を、これまで測定されてきた、Pdナノ粒子、Pd/Ptナノ粒子、PdバルクのPCT曲線とともに示す。Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子は、温度303K、水素圧力0.1MPaにおいて、0.7M程度の水素吸蔵量を示した。これは、Pdナノ粒子およびPd/Ptナノ粒子の水素吸蔵量の3倍以上に相当し、Pdバルクの水素吸蔵量を上回る。
【0040】
なお、後述する水素吸収/放出サイクルを適用して固溶体型へと内部構造を変化させたPd/Ir固溶体型ナノ粒子についても、コア・シェル型と同様、Pdナノ粒子およびPd/Ptナノ粒子の水素吸蔵量を大きく上回る水素吸蔵量を有することが確認された。
【0041】
(粉末X線回折による分析)
0.5mmφのガラスキャピラリーに試料とする粒子を封入した。封入は真空で脱気した後に行った。測定は波長0.068818nmの放射光を用いて行った。試料は、上記から得た、Pdナノ粒子、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子、およびIrナノ粒子とした。Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子は、水素吸収/放出サイクルを適用する前の試料を用いた。また、Irナノ粒子は、以下のようにして作製した。
【0042】
(NH42IrCl6を水に溶解し、2mMの(NH42IrCl6水溶液を調製した。この水溶液80ml(160μmol)に保護剤としてPVP177.7mg(モノマーユニットで1.6mmol)に、還元剤としてエタノール420mlを撹拌しながら加えた。この溶液を95℃で24時間還流し、Irナノ粒子を得た。
【0043】
図6にX線回折測定の結果を示す。この結果より、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子が面心立方(fcc)格子構造を有することが確認された。Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子における(042)面のピークに着目すると、高角度側のピークの強度がシェル部のIr格子の影響を受けて高くなっていることがわかる。
【0044】
引き続き、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子について水素の吸収/放出処理を3回適用した。この処理は、温度373K、水素圧力0.1MPaの条件で行った。そして、水素吸収/放出サイクルを適用する前の試料および同サイクルを適用した後の試料それぞれについて、真空で脱気した試料とともに(水素圧力:0Torr)、0.086MPa(650Torr)の水素を導入してガラスキャピラリーを封じた試料を作製した。これらの試料について、上記と同様にしてX線回折測定を行った。結果を図7に示す。
【0045】
図7に示すように、水素吸収/放出サイクルを3回適用した後には、1つのfcc格子からのピークのみが観察された。これは、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子が完全な固溶体型へと変化したことを示している。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、従来から知られていたナノ粒子からなる水素吸蔵合金の水素吸蔵特性を飛躍的に向上させるものとして、当該技術分野において多大な利用価値を有する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例で作製したPdナノ粒子のTEM写真と粒径分布を示す図である。
【図2】実施例で測定したPd/Irコア・シェル型ナノ粒子(濾過前)の粒径分布を示す図である。
【図3】実施例で測定したPd/Irコア・シェル型ナノ粒子(濾過後)の粒径分布を示す図である。
【図4】実施例で測定したPd/Irコア・シェル型ナノ粒子のPCT曲線である。
【図5】実施例で測定したPd/Irコア・シェル型ナノ粒子のPCT曲線を、Pdナノ粒子、Pd/Ptナノ粒子、PdバルクのPCT曲線とともに示す図である。
【図6】実施例で測定した、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子、Pdナノ粒子、Irナノ粒子のX線回折パターンを示す図である。
【図7】実施例で測定した、Pd/Irコア・シェル型ナノ粒子の水素吸収/放出サイクルの適用前後におけるX線回折の結果を示す図であり、「0Torr」「60Torr」は試料とともに封入した水素の圧力を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラジウムおよびイリジウムを含むナノ粒子からなる水素吸蔵合金。
【請求項2】
前記ナノ粒子が、前記パラジウムからなるコアと、前記コアを覆う前記イリジウムからなるシェルと、を含む請求項1に記載の水素吸蔵合金。
【請求項3】
前記ナノ粒子において、前記パラジウムと前記イリジウムとが単一種の結晶格子を形成している請求項1に記載の水素吸蔵合金。
【請求項4】
前記パラジウムを40〜90原子%、前記イリジウムを10〜60原子%の範囲で含有する請求項1に記載の水素吸蔵合金。
【請求項5】
温度303K、水素圧力0.1MPaの条件における水素吸蔵量が0.4モル%以上である請求項1に記載の水素吸蔵合金。
【請求項6】
パラジウムおよびイリジウムを含むナノ粒子に、前記ナノ粒子中の金属のモル数に対して0.4モル%以上に相当する水素(水素原子換算)を吸収させる、前記ナノ粒子の水素吸蔵合金としての使用方法。


【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−239052(P2007−239052A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64809(P2006−64809)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】