説明

水素生成装置

【課題】従来の水素生成装置に比べて、水添脱硫器による硫化水素の吸着容量が向上する水素生成装置を提供する。
【解決手段】水素生成装置100は、原料を改質反応させ、水素含有ガスを生成する改質器20と、水素含有ガス中のCOをシフト反応により低減する変成器21と、変成器21を通過した水素含有ガス中のCOをメタン化反応及び酸化反応の少なくともいずれか一方により低減するCO除去器22と、原料中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器23と、を備え、水添脱硫器23の下流側の少なくとも一部が、CO除去器22と熱伝導可能なように隣接している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水素生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムでは、燃料ガスとして水素含有ガスを用いることが多い。よって、燃料電池システムに、水素生成装置が併設されるのが一般的である。
【0003】
例えば、原料の水蒸気改質反応を利用する水素生成装置は、原料を水蒸気改質反応させ、水素含有ガスを生成する改質器と、改質器の水蒸気改質反応に必要な熱を供給する加熱器とを備える。改質器は、白金、ルテニウム、ロジウム等の貴金属系触媒またはNi系触媒等の改質触媒を含み、原料および水が供給されるとともに、水蒸気改質反応に適する温度まで加熱器によって加熱される。すると、改質触媒の作用により、原料と水蒸気の改質反応によって水素含有ガスが生成する。なお、上記改質反応用の原料として、都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油等の炭化水素系の原料、または、メタノール等のアルコール系の原料等を用いることができる。
【0004】
ところで、上記水蒸気改質反応において、約10〜15%(ドライガスベース)の一酸化炭素ガス(以下、「CO」と表記する)が副成分として生成する。COは、燃料電池の電極に用いる触媒を被毒して発電能力を低下させる。従って、水素生成装置には、水素含有ガス中のCO濃度を低減するために、変成器、CO除去器等が併設される。
【0005】
変成器は、水素含有ガス中のCOをシフト反応により低減できる装置であり、例えば、COと水蒸気とを反応させて水素と二酸化炭素とに変成するための触媒を含む。この触媒としては、例えば、白金、ルテニウム、ロジウム等の貴金属系触媒、Cu−Zn系触媒、または、Fe−Cr系触媒等が用いられる。そして、変成器は、シフト反応に適する温度に制御され、多くの場合、改質ガス中のCO濃度を約0.5%以下に低減する。
【0006】
CO除去器は、上記変成器を通過した水素含有ガス中のCOをメタン化反応または酸化反応により低減できる装置であり、例えば、改質ガス中のCOを酸化させるための選択酸化触媒を含む。この選択酸化触媒としては、白金、ルテニウム、ロジウムといった貴金属系触媒等が用いられる。そして、CO除去器は、内部に供給される空気を用いてCOの酸化反応を行うことにより、改質ガス中のCO濃度を100ppm、好ましくは10ppm以下に低減させる。
【0007】
ところで、都市ガス(都市で配管を用いて供給されるガス)等の原料ガス中には、硫黄化合物が含まれている。硫黄化合物は、特に改質触媒を被毒し劣化させるため、改質器に原料を供給する前に、硫黄化合物を除去する必要がある。このため、常温脱硫方式や水添脱硫方式等の様々な硫黄化合物の除去法がすでに知られている。上記水添脱硫方式は、原料に添加された水素を用いて添加原料中の硫黄化合物を水素化(硫黄化合物を硫化水素に転化)して、この硫化水素を吸着反応用の触媒で除去する脱硫法であり、硫黄化合物の除去に使用する触媒を加熱することによって行われる。
【0008】
水添脱硫方式による硫黄化合物の吸着容量が、常温脱硫方式による硫黄化合物の吸着容量に比べて多いので、水添脱硫方式は、水素生成装置の長期間運転において有利である。
【0009】
一方、水添脱硫方式を用いる場合、水添脱硫器への熱供給の高効率化および水添脱硫器のコンパクト化に改善の余地がある。このため、改質器の周囲に同心円状に水添脱硫器を設置する方法(特許文献1)や変成器の周囲に同心円状に水添脱硫器を設置する方法(特許文献2)が提案されている。かかる構成により、水添脱硫器への熱供給の高効率化および水添脱硫器のコンパクト化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−58995号公報
【特許文献2】特開2007−15911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、特許文献1の如く改質器周囲に水添脱硫器を設置する場合、水添脱硫器が高温に曝されやすくなる。
【0012】
例えば、改質器は、通常、400℃〜700℃の温度範囲で使用される。すると、一般的に、水素化反応により生成した硫化水素が化学吸着されるが、その吸着容量が小さくなる。よって、水添脱硫器のコンパクト化、低コスト化への障害となることがある。
【0013】
また、特許文献2の如く変成器周囲に水添脱硫器を設置した場合、特許文献1のように改質器周囲に設置する場合に比べ、水添脱硫器の温度は低温化するが、硫化水素の吸着容量には改善の余地がある。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来の水素生成装置に比べて、水添脱硫器による硫化水素の吸着容量が向上する水素生成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の水素生成装置は、原料を改質反応させ、水素含有ガスを生成する改質器と、前記水素含有ガス中のCOをシフト反応により低減する変成器と、前記変成器を通過した前記水素含有ガス中のCOをメタン化反応及び酸化反応の少なくともいずれか一方により低減するCO除去器と、原料中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器と、を備え、前記水添脱硫器の下流側の少なくとも一部が、前記CO除去器と熱伝導可能なように隣接している。
【0016】
本発明の水素生成装置は、前記水添脱硫器の上流側の少なくとも一部が、前記変成器と熱伝導可能なように隣接していてもよい。
【0017】
本発明の水素生成装置では、前記水添脱硫器は、前記CO除去器の少なくとも一部を取り囲むように構成されていてもよい。
【0018】
本発明の水素生成装置では、前記水添脱硫器は、前記変成器の少なくとも一部を取り囲むように構成されていてもよい。
【0019】
本発明の水素生成装置では、前記水添脱硫器は、前記水添脱硫器の内部を流れる原料が、前記変成器および前記CO除去器と順に熱交換するよう構成されていてもよい。
【0020】
本発明の水素生成装置は、前記変成器および前記水添脱硫器に隣接するように設けられた加熱器を備えもよい。
【0021】
本発明の水素生成装置は、前記CO除去器および前記水添脱硫器に隣接するように設けられた加熱器を備えてもよい。
【0022】
本発明の水素生成装置では、前記水添脱硫器は、水添反応用の触媒と吸着反応用の触媒とを含み、前記吸着反応用の触媒が、Cuを含むものであってもよい。
【0023】
本発明の水素生成装置では、前記水添脱硫器は、Cuを含む前記吸着反応用の触媒が、前記CO除去器の少なくとも一部と熱伝導可能なように前記CO除去器に隣接していてもよい。
【0024】
本発明の水素生成装置では、前記水添脱硫器は、水添反応および吸着反応の両方に用いる触媒を含み、前記触媒が、Cuを含むものであってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の水素生成装置によれば、従来の水素生成装置に比べて、水添脱硫器による硫化水素の吸着容量が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態1の水素生成装置の一例を示す図である。
【図2】水添脱硫器による硫化水素の吸着特性の検討例を示す図である。
【図3】実施の形態1の変形例の水素生成装置の一例を示す図である。
【図4】実施の形態2の水素生成装置の一例を示す図である。
【図5】実施の形態2の変形例の水素生成装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1の水素生成装置について説明する。
【0028】
実施の形態1の水素生成装置は、原料を改質反応させ、水素含有ガスを生成する改質器と、水素含有ガス中のCOをシフト反応により低減する変成器と、変成器を通過した前記水素含有ガス中のCOをメタン化反応及び酸化反応の少なくともいずれか一方により低減するCO除去器と、原料中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器と、を備え、水添脱硫器の下流側の少なくとも一部が、前記CO除去器と熱伝導可能なように隣接している。
【0029】
かかる構成により、従来の水素生成装置に比べて、水添脱硫器による硫化水素の吸着容量が向上する。このため、水添脱硫器の触媒の量を減らしても、従来の水素生成装置と同等の硫化水素の吸着量を確保できるので、水素生成装置を、従来の水素生成装置に比べて、製造コストを抑制してコンパクトに構成できる。
【0030】
なお、「水添脱硫器の下流側」とは、水添脱硫器を通過する原料の流れに対して下流側をいう。
【0031】
また、実施の形態1の水素生成装置では、上記水添脱硫器の上流側の少なくとも一部が、上記変成器と熱伝導可能なように隣接している。
【0032】
かかる構成により、水添脱硫器による硫黄化合物の水添反応の反応速度が向上する。
【0033】
なお、「水添脱硫器の上流側」とは、水添脱硫器を通過する原料の流れに対して上流側をいう。
【0034】
図1は、実施の形態1の水素生成装置の一例を示す図である。
【0035】
水素生成装置100は、原料を改質反応させ、水素含有ガスを生成する改質器20を備える。図1では、水蒸気改質反応によって原料および水から水素含有ガスを生成できる構成が示されているが、これは例示であり、他の方式の改質反応(例えば、オートサーマル改質反応)を用いてもよい。
【0036】
原料は、少なくとも炭素及び水素を構成元素とする有機化合物を含み、例えば、原料として、都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油等の炭化水素、及びメタノール等のアルコールの少なくともいずれか一つを用いることができる。
【0037】
改質器20は、改質反応の副反応によりCOを生成する。よって、水素生成装置100は、水素含有ガス中のCOをシフト反応により低減する変成器21と、変成器21を通過した水素含有ガス中のCOをメタン化反応及び酸化反応の少なくともいずれか一方により低減するCO除去器22と、を備える。また、都市ガス等の原料ガス中には、硫黄化合物が含まれている。よって、水素生成装置100は、原料ガス中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器23を備える。
【0038】
かかる構成により、水素生成装置100は、例えば、燃料電池(図示せず)の燃料ガスに好適な水素含有ガスを生成できる。
【0039】
以下、水素生成装置100の改質器20、変成器21、CO除去器22および水添脱硫器23の具体例について、図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【0040】
図1に示すように、水素生成装置100は、上蓋51に取り付けられた燃焼バーナー50と、燃焼バーナー50を取り囲み、上蓋51に設けられた円筒状の燃焼筒10と、燃焼筒10を取り囲み、燃焼筒10に同心円状に配された第1筒体11とを備える。第1筒体11は、上蓋51と底板52とに固定されていて、水素生成装置100の筐体の内部を仕切っている。燃焼バーナー50には、可燃ガス(例えば、原料ガス)および空気が供給され、可燃ガス燃焼によって高温の燃焼排ガスが生成される。このとき、燃焼筒10と第1筒体11との間の領域は、燃焼排ガスが流れる燃焼排ガス流路31として使用される。
【0041】
燃焼排ガス流路31は、燃焼筒10の下端部における開口を介して、燃焼筒10の内部30と連通している。このため、燃焼バーナー50の内部30からの高温の燃焼排ガスは、図1の点線矢印の如く、燃焼筒10の下端部で底板52によって折り返し、燃焼排ガス流路31に入る。また、燃焼排ガス流路31は、上蓋36に設けられた燃焼排ガス出口43を用いて外部とも連通している。よって、燃焼排ガス流路31からの燃焼排ガスは、燃焼排ガス出口43を経て外部に排出される。
【0042】
図1に示すように、水素生成装置100は、第1筒体11を取り囲み、燃焼筒10に同心円状に配された第2筒体12を備える。
【0043】
第1筒体11と第2筒体12はそれぞれ、水入口42からの水を蒸発させる蒸発器32の内壁と外壁とを構成する。また、第1筒体11と第2筒体12はそれぞれ、蒸発器32の下方において、原料ガスを水蒸気改質反応させ、水素含有ガスを生成する改質器20の内壁と外壁とを構成する。つまり、改質器20および蒸発器32は、この順番に、燃焼排ガス流路31内の燃焼排ガスの流れ方向に沿って並んで配置されている。
【0044】
このようにして、改質器20は、第1筒体11を介して、燃焼排ガス流路31に流入直後の燃焼排ガスと熱伝導可能なように燃焼排ガス流路31と隣接し、蒸発器32は、第1筒体11を介して、改質器20との熱交換後の燃焼排ガスと熱伝導可能なように燃焼排ガス流路31と隣接している。
【0045】
かかる構成により、蒸発器32は、燃焼排ガスの伝熱の作用により、水入口42からの水を蒸発でき、原料ガスを加熱できる。そして、原料ガスと水蒸気が混合され、混合ガスが改質器20に供給される。一方、改質器20は、改質触媒によって原料ガスの水蒸気改質反応を進行させ、水素を主成分とする改質ガス(水素含有ガス)を生成できる。
【0046】
図1に示すように、水素生成装置100は、第2筒体12を取り囲み、燃焼筒10に同心円状に配された第3筒体13を備える。
【0047】
第2筒体12および第3筒体13はそれぞれ、改質器20からの水素含有ガス中のCOをシフト反応により低減する変成器22の内壁と外壁とを構成する。また、第2筒体12および第3筒体13はそれぞれ、変成器21の上方において、変成器21を通過した水素含有ガス中のCOをメタン化反応及び酸化反応の少なくともいずれか一方により低減するCO除去器22の内壁と外壁とを構成する。つまり、変成器21およびCO除去器22は、この順番に、改質器20の上方において、燃焼排ガス流路31内の燃焼排ガスの流れ方向に沿って並んで配置されている。
【0048】
このようにして、変成器21は、第2筒体12を介して、燃焼排ガス流路31の燃焼排ガスと熱伝導可能なように蒸発器32と隣接し、CO除去器22は、第2筒体12を介して、変成器21との熱交換後の燃焼排ガスと熱伝導可能なように蒸発器32と隣接している。
【0049】
以上より、変成器21は、シフト反応用の触媒によって、水素含有ガス中のCOと水とのシフト反応を進行させ、水素含有ガス中のCOの濃度を低減できる。また、CO除去器22は、CO除去にメタン化反応を用いる場合、COメタン化触媒によって、水素含有ガス中のCOと水素との反応を進行させ、水素含有ガス中のCOの濃度を低減できる(例えば、100ppm以下)。但し、この場合、水素含有ガス中の水素が上記COメタン化反応に用いられる。また、CO除去器22は、CO除去にCO酸化反応を用いる場合、CO酸化触媒によって、水素含有ガス中のCOと空気中の酸素との反応を進行させ、水素含有ガス中のCOの濃度を低減できる(例えば、100ppm以下)。但し、この場合、上記CO酸化反応用の空気を別途、CO除去器22に供給する必要がある。
【0050】
図1に示すように、水素生成装置100は、第3筒体13を取り囲み、燃焼筒10に同心円状に配された第4筒体14を備える。
【0051】
第3筒体13および第4筒体14はそれぞれ、原料ガス中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器23の内壁と外壁とを構成する。なお、水添脱硫器23は、水添反応用および吸着反応用の触媒(具体例は後述)を備える。水添脱硫器23の上流側では、原料ガス中の硫黄化合物が、水添反応用の触媒によって、水素と反応して硫化水素(HS)に転化する(水添反応)。水添脱硫器23の下流側では、吸着反応用の触媒によって、硫化水素が化学吸着される。このようにして、原料ガス中の硫黄化合物が水添脱硫器23において除去される。
【0052】
ここで、水添脱硫器23は、第3筒体13を介して、その下流側の少なくとも一部が、CO除去器22と熱伝導可能なように隣接し、第3筒体13を介して、その上流側の少なくとも一部が、変成器21と熱伝導可能なように隣接している。
【0053】
これにより、水添脱硫器23は、水添脱硫器23の内部を流れる原料ガスが、変成器21およびCO除去器22と順に熱交換するよう構成されている。
【0054】
なお、本例では、水添脱硫器23は、CO除去器22の全体を取り囲み、変成器21の全体も取り囲んでいるが、これは、例示である。水添脱硫器23は、CO除去器22の少なくとも一部を取り囲むとよいし、変成器21の少なくとも一部を取り囲むとよい。
【0055】
また、本例では、水添脱硫器23は、二重管構造の第3筒体13および第4筒体14によって、水添脱硫器23の中空が軸方向に延びている環状に構成され、CO除去器22は、二重管構造の第2筒体12および第3筒体13の横断面を含む環状に構成されている。
しかし、水添脱硫器23の形状は、中空の筒状の構造体の内部に水添脱硫用の触媒が充填されるよう構成されていてもよい。つまり、水添脱硫器23の形状は、筒状および環状のいずれであってもよい。
同様に、CO除去器22の形状も、中空の筒状の構造体の内部にCO除去器用の触媒が充填されるよう構成されていてもよい。つまり、CO除去器22の形状は、筒状および環状のいずれであってもよい。
【0056】
また、水添脱硫用の触媒を単管の中空に充填し、この単管の下流側が、CO除去器22に隣接するように配置してもよい(図示せず)。
【0057】
また、本例では、水添脱硫器23の上流側が、変成器21と熱伝導可能なように隣接している。しかし、水添脱硫器23の上流側の構成は任意であり、他の構成でもよい。他の構成例は、後述の変形例において述べる。
【0058】
図1に示すように、第3筒体13および第4筒体14間の下方領域は、第4筒体14の下端部における開口を介して、ガス入口ライン40と連通している。このため、ガス入口ライン40に導かれた原料ガスを、図1の太い矢印で示す如く、水添脱硫器23を通すことができ、その結果、原料ガス中の硫黄化合物を除去できる。
【0059】
また、第1筒体11および第2筒体12間の上方領域(蒸発器32を構成する領域)は、第2筒体12および第3筒体13の上端部における開口を介して、第3筒体13および第4筒体14間の上方領域と連通している。このため、水添脱硫器23からの原料ガスは、図1の太い矢印の如く、第2筒体12および第3筒体の上端部で上蓋51によって折り返し、第1筒体11および第2筒体12間の領域(蒸発器32および改質器20を構成する領域)に入る。
【0060】
これにより、上記原料ガスを蒸発器32および改質器20に通すことができ、その結果、原料ガスおよび水蒸気から水素含有ガスを生成できる。
【0061】
また、第1筒体11および第2筒体12間の下方領域(改質器20を構成する領域)は、第2筒体12の下端部における開口を介して、第2筒体12および第3筒体13間の下方領域と連通している。このため、改質器20からの水素含有ガスは、図1の太い矢印の如く、第2筒体12の下端部で底板52によって折り返し、第2筒体12および第3筒体13間の領域に入る。
【0062】
これにより、上記水素含有ガスを変成器21およびCO除去器22に通すことができ、その結果、水素含有ガス中のCOを除去できる。
【0063】
また、第2筒体12および第3筒体13間の上方領域は、第3筒体13の上端部における開口を介して、ガス出口ライン41と連通している。このため、CO除去器22からの水素含有ガスを、図1の太い矢印の如く、水素生成装置100外に送ることができ、その結果、COが除去された水素含有ガスを、例えば、燃料電池等に供給できる。
【0064】
なお、図1に示すように、ガス入口ライン40およびガス出口ライン41間は、リサイクルライン45を介して互いに連通している。そして、ガス出口ライン41とリサイクルライン45との接続部には、水素含有ガスの分配流量を調整できる流量調整器(図示せず)が設けられている。このため、ガス出口ライン41からの水素含有ガスの一部が、図1の細い矢印で示す如く、リサイクルライン45を流れ、この水素含有ガスをガス入口ライン40内の原料ガスに混合できる。これにより、原料ガス中の硫黄化合物の硫化水素化に用いる水素を水添脱硫器23に供給できる。
【0065】
なお、本例では、リサイクルライン45を用いて、CO除去器22からの水素含有ガスを、ガス入口ライン40内の原料ガスと混合する例を述べたが、これに限らない。例えば、変成器21からの水素含有ガスを、ガス入口ライン40内の原料ガスとの混合に用いてもよい。この場合、変成器21の下流側の水素含有ガスを供給可能なリサイクルライン(図示せず)が、ガス入口ライン40と連通して、両ガスを混合できる構成を取るとよい。
【0066】
つまり、リサイクルラインは、少なくとも変成器21の下流側に存在する水素含有ガスを、ガス入口ライン40内の原料ガスと混合できる配管構造であれば、どのような構成であってもよい。
【0067】
図1に示すように、水素生成装置100は、水素生成装置100の制御プログラムを実行する演算処理部と制御プログラムを記憶する記憶部とを含む制御器60を備える。制御器60は、単独の制御器で構成されてもよいし、複数の制御器で構成されてもよい。なお、上記演算処理部は、CPU、MPU等により構成される。上記記憶部は、メモリ等により構成される。
【0068】
そして、水素生成装置100では、かかる制御器60が、改質器20、変成器21、CO除去器22および水添脱硫器23のそれぞれの温度を検知できる検知器(図示せず)の信号に基づいて、これらの改質器20、変成器21、CO除去器22および水添脱硫器23の温度をそれぞれの適温に調整できるよう、水素生成装置100の各種の制御対象(例えば、図示しないポンプや流量調整弁等)の動作を制御している。
【実施例】
【0069】
本実施例では、改質器20の改質触媒として、Ru系触媒を用い、燃焼排ガスからの伝熱作用により、改質器20の上流側の温度を、例えば、400℃程度に、改質器20の下流側の温度を、例えば、600℃程度になるよう、改質器20を加熱している。
【0070】
また、変成器21の触媒として、CuZn系触媒を用い、燃焼排ガスからの伝熱作用により、変成器21の上流側の温度を、例えば、300℃程度に、変成器21の下流側の温度を、例えば、200℃程度になるよう、変成器21を加熱している。
【0071】
また、CO除去器22の触媒として、メタン化触媒の一例であるRu系触媒を用い、燃焼排ガスからの伝熱作用により、CO除去器21の温度を、例えば、150℃〜200℃程度になるよう、CO除去器22を加熱している。
【0072】
また、水添脱硫器23の触媒として、CuZn系触媒を用い、水添脱硫器23の上流側の温度を、例えば、300℃程度に、水添脱硫器23の下流側の温度を、例えば、150℃程度になるよう、水添脱硫器23を加熱している。つまり、水添脱硫器23は、水添反応および吸着反応の両方に用いる触媒(例えば、CuZn系触媒)を含み、この触媒が、Cuを含んでいる。
【0073】
なお、このような単層のCuZn系触媒は、水添脱硫器23および変成器21の触媒の例示であり、本例に限定されない。
【0074】
例えば、水添脱硫器23が、水添反応用の触媒(例えば、CoMo系触媒)と吸着反応用の触媒(例えば、CuZn系触媒)とを含み、吸着反応用の触媒がCuを含むものであってもよい。
【0075】
また、変成器21の触媒として、例えば、Pt等の貴金属からなる触媒を用いてもよい。但し、本例の如く、水添脱硫器23の触媒と変成器21の触媒とをなるべく同元素からなる触媒で構成する方が、これらの使用温度帯を近い値にでき、水添脱硫器23と変成器21とを隣接させることによって得られる効果が発揮され易いという利点がある。
【0076】
ところで、水添脱硫器23の上流側は、水添脱硫器23の下流側に比較して高温であることが、水添反応の反応速度の向上の点で好ましい。但し、水添脱硫器23の触媒として、CuZn系触媒を用いる場合、触媒の耐久性を考慮すると、水添脱硫器23の上流側の温度の上限は、300℃程度である。
【0077】
一方、水添脱硫器23の下流側は、水添脱硫器23の上流側に比較して低温であることが、硫化水素の吸着容量の向上の点で好ましい。具体的には、水添脱硫器23の下流側の温度を、150℃〜200℃程度にすると、硫化水素の吸着容量が大きくなる。そして、このような知見は、以下の検討例により検証されている。
【0078】
図2は、水添脱硫器による硫化水素の吸着特性の検討例を示す図である。
【0079】
図2の横軸に、水添脱硫器に硫化水素を導入した時点からの経過時間(単位:1時間(h))を取り、図2の縦軸に水添脱硫器の出口での硫化水素の濃度(単位:ppb)を取っている。図2では、水添脱硫器の温度を150℃、200℃および250℃のそれぞれに設定したときの、硫化水素の濃度変化プロファイルが示されている。
【0080】
なお、本例では、水添脱硫器の触媒としてCuZn系触媒を用い、硫化水素の濃度の測定には、ガスクロマトグラフ分析計(株式会社 島津製作所製の「FPD(炎光光度検出器)−14」)を用いている。
【0081】
図2に示すように、水添脱硫器の温度が150℃および200℃の場合、硫化水素の濃度プロファイルは、硫化水素導入時から約16.5時間経過後に立ち上がっている。一方、水添脱硫器の温度が250℃の場合、硫化水素の濃度プロファイルは、硫化水素導入時から早期(約14.5時間経過後)に立ち上がっている。このため、水添脱硫器の温度が250℃において、硫化水素の吸着容量の早期低下が顕著に現れることが、図2の結果から理解できる。
【0082】
よって、水添脱硫器の下流側の温度を150℃〜200℃程度に設定することにより、水添脱硫器による硫化水素の吸着容量を、水添脱硫器23の温度が250℃の場合の硫化水素の吸着容量よりも大きくできると考えられる。
【0083】
そこで、水素生成装置100は、上述のとおり、水添脱硫器23の下流側の少なくとも一部が、CO除去器22と熱伝導可能なように隣接するように構成されている。また、水添脱硫器23の上流側の少なくとも一部が、変成器21と熱伝導可能なように隣接するようにも構成されている。
【0084】
かかる構成により、水添脱硫器23の下流側の温度を、CO除去器22の温度(150℃〜200℃程度)に近い設定できるので、水添脱硫器23による硫化水素の吸着容量を向上できる。また、水添脱硫器23の上流側の温度を、変成器21の温度(200℃〜300℃程度)に近い設定できるので、水添脱硫器23による原料ガス中の硫黄化合物の水添反応の反応速度を向上できる。つまり、水添脱硫器23の上流側では、硫黄化合物の硫化水素化が迅速に進行するとともに、水添脱硫器23の下流側では、硫化水素の吸着容量が増加する。
【0085】
このようにして、水素生成装置100では、従来の水素生成装置に比べて、水添脱硫器23による硫化水素の吸着容量が向上する。このため、水添脱硫器23の触媒の量を減らしても、従来の水素生成装置と同等の硫化水素の吸着量を確保できるので、水素生成装置100を、従来の水素生成装置に比べて、製造コストを抑制してコンパクトに構成できる。
[変形例]
以下、実施の形態1の変形例の水素生成装置について説明する。
【0086】
図3は、実施の形態1の変形例の水素生成装置の一例を示す図である。
【0087】
図3に示すように、水素生成装置100Aの水添脱硫器123は、下流部123Dと、上流部123Uと、下流部123Dと上流部123Uとを連通する連通管123Cと、を備える。水添脱硫器123の上流部123Uは、水添反応用の触媒(例えば、CoMo系触媒またはCuZn系触媒等)を含んでいる。一方、水添脱硫器123の下流部123Dは、吸着反応用の触媒(例えば、CuZn系触媒)を含んでいる。
【0088】
図3に示すように、水添脱硫器123の下流部123Dの少なくとも一部が、CO除去器22と熱伝導可能なように隣接している。
【0089】
これにより、水添脱硫器123の下流部123Dの温度を、CO除去器22の温度(150℃〜200℃程度)に近い設定できる。
【0090】
また、水添脱硫器123の上流部123Uの少なくとも一部が、第2筒体12と第3筒体13との間の領域を介して、改質器20の上流側と熱伝導可能なように隣接している。
【0091】
これにより、水添脱硫器123の上流部123Uの温度を、改質器20の上流側の温度(例えば、400℃)よりも若干低めの温度(例えば、300℃程度)に設定できる。
【0092】
上記以外の点については、実施の形態1の水素生成装置100と同様に構成してもよい。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2の水素生成装置について説明する。
【0093】
実施の形態2の水素生成装置は、変成器および水添脱硫器に隣接するように設けられた加熱器を備える。
【0094】
かかる構成により、水素生成装置の起動時において、加熱器を用いて変成器および水添脱硫器を迅速に昇温できるので、水素生成装置の起動時間を短縮できる。
【0095】
図4は、実施の形態2の水素生成装置の一例を示す図である。
【0096】
図4に示すように、水素生成装置200は、変成器21および水添脱硫器23に隣接するように設けられた加熱器201を備える。加熱器201は、変成器21を取り囲みように変成器21と同心円状に配置されている。水添脱硫器23は、加熱器201を取り囲むように加熱器201と同心円状に配置されている。また、本例では、加熱器201が、変成器21の外壁と水添脱硫器23の内壁との間に、両壁に接触するようにコイル状に巻き付けられている。
【0097】
水素生成装置200の起動時は、変成器21の温度が低い。よって、変成器21は、COを除去するシフト反応が進行する温度に達しておらず、これにより、変成器21は、COを除去する機能を発揮しない。
【0098】
そこで、本例では、水素生成装置200の起動時に、加熱器201を用いて変成器21を加熱することにより、変成器21の温度を、COを適切に除去できる温度にまで迅速に昇温できる。これにより、変成器21によるCOを除去した水素含有ガスを迅速に生成でき、その結果、水素生成装置200の起動時間を短縮できる。
【0099】
この場合、制御器60が、変成器21の温度を検知できる検知器(図示せず)の信号に基づいて、加熱器201の動作を制御している。
【0100】
一方、水素生成装置200の起動時は、水添脱硫器23の温度が低い。水添脱硫器23も、所定の温度に昇温しないと脱硫性能を発揮しない。例えば、水添脱硫器23の触媒としてCuZn系触媒を用いた場合、150℃から300℃程度の温度帯において、その脱硫性能を発揮する。
【0101】
そこで、本例では、水素生成装置200の起動時に、加熱器201を用いて水添脱硫器23を加熱することにより、水添脱硫器23の温度を、硫黄化合物を適切に除去できる温度にまで迅速に昇温できる。これにより、水添脱硫器23による硫黄化合物を除去した原料ガスを迅速に生成でき、その結果、水素生成装置200の起動時間を短縮できる。
【0102】
この場合、制御器60が、水添脱硫器23の温度を検知できる検知器(図示せず)の信号に基づいて、加熱器201の動作を制御している。
【0103】
なお、水素生成装置200の起動時から充分に時間が経過した後は、燃焼バーナー50からの燃焼排ガスの伝熱の作用により、加熱器201の加熱動作を停止しても、変成器21および水添脱硫器23のそれぞれの温度を、これらの機能を充分に発揮できる温度に維持できる。この場合、加熱器201の加熱動作を停止しても、例えば、変成器21の温度を300℃程度に、水添脱硫器23の上流側の温度を300℃程度に、水添脱硫器23の下流側の温度を150℃程度に、それぞれ維持できる。よって、加熱器201の加熱動作停止後でも、実施の形態1と同様、本実施の形態において、水添脱硫器23の脱硫性能にとって効果的な温度分布を水添脱硫器23に与えることができ、これにより、水添脱硫器23は、その脱硫性能を有効に発揮する。
【0104】
上記以外の点については、実施の形態1および実施の形態1の変形例のいずれかの水素生成装置と同様に構成してもよい。
[変形例]
以下、実施の形態2の変形例の水素生成装置について説明する。
【0105】
実施の形態2の変形例の水素生成装置は、CO除去器および水添脱硫器に隣接するように設けられた加熱器を備える。
【0106】
かかる構成により、水素生成装置の起動時において、加熱器を用いてCO除去器および水添脱硫器を迅速に昇温できるので、水素生成装置の起動時間を短縮できる。
【0107】
図5は、実施の形態2の変形例の水素生成装置の一例を示す図である。
【0108】
図5に示すように、水素生成装置200Aは、CO除去器22および水添脱硫器23に隣接するように設けられた加熱器202を備える。なお、図5では、加熱器202は、変成器21にも隣接している例が示されている。つまり、加熱器202は、CO除去器22および変成器21の両方を取り囲みようにCO除去器22および変成器21と同心円状に配置されている。水添脱硫器23は、加熱器202を取り囲むように加熱器202と同心円状に配置されている。また、本例では、加熱器202が、CO除去器22および変成器21の外壁と水添脱硫器23の内壁との間に、両壁に接触するようにコイル状に巻き付けられている。
【0109】
水素生成装置200Aの起動時は、CO除去器22および変成器21の温度が低い。よって、CO除去器22および変成器21は、COを除去する反応が進行する温度に達しておらず、これにより、CO除去器22および変成器21は、COを除去する機能を発揮しない。
【0110】
そこで、本例では、水素生成装置200Aの起動時に、加熱器202を用いてCO除去器22および変成器21を加熱することにより、CO除去器22および変成器21のそれぞれの温度を、COを適切に除去できる温度にまで迅速に昇温できる。これにより、CO除去器22および変成器21によるCOを除去した水素含有ガスを迅速に生成でき、その結果、水素生成装置200Aの起動時間を短縮できる。
【0111】
この場合、制御器60が、CO除去器22および変成器21のそれぞれの温度を検知できる検知器(図示せず)の信号に基づいて、加熱器202の動作を制御している。
【0112】
一方、実施の形態2と同様、加熱器202を用いて水添脱硫器23を加熱することにより、水添脱硫器23の温度を、硫黄化合物を適切に除去できる温度にまで迅速に昇温できる。これにより、水添脱硫器23による硫黄化合物を除去した原料ガスを迅速に生成でき、その結果、水素生成装置200Aの起動時間を短縮できる。
【0113】
この場合、制御器60が、水添脱硫器23の温度を検知できる検知器(図示せず)の信号に基づいて、加熱器202の動作を制御している。
【0114】
なお、水素生成装置200Aの起動時から充分に時間が経過した後は、燃焼バーナー50からの燃焼排ガスの伝熱の作用により、加熱器202の加熱動作を停止しても、CO除去器22、変成器21および水添脱硫器23のそれぞれの温度を、これらの機能を充分に発揮できる温度に維持できる。この場合、加熱器202の加熱動作を停止しても、例えば、変成器21の温度を300℃程度に、CO除去器22の温度を150℃程度に、水添脱硫器23の上流側の温度を300℃程度に、水添脱硫器23の下流側の温度を150℃程度に、それぞれ維持できる。よって、加熱器202の加熱動作停止後でも、実施の形態1と同様、本実施の形態の変形例において、水添脱硫器23の脱硫性能にとって効果的な温度分布を水添脱硫器23に与えることができ、これにより、水添脱硫器23は、その脱硫性能を有効に発揮する。
【0115】
上記以外の点については、実施の形態1および実施の形態1の変形例のいずれかの水素生成装置と同様に構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本発明の水素生成装置によれば、従来の水素生成装置に比べて、水添脱硫器による硫化水素の吸着容量が向上する。よって、本発明は、水素生成装置に利用できる。
【符号の説明】
【0117】
10 燃焼筒
11 第1筒体
12 第2筒体
13 第3筒体
14 第4筒体
20 改質器
21 変成器
22 CO除去器
23 水添脱硫器
31 燃焼排ガス流路
32 蒸発器
50 燃焼バーナー
40 ガス入口ライン
41 ガス出口ライン
42 水入口
43 燃焼排ガス出口
45 リサイクルライン
50 燃焼バーナー
51 上蓋
52 底板
60 制御器
201、202 加熱器
100、100A、200、200A 水素生成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を改質反応させ、水素含有ガスを生成する改質器と、
前記水素含有ガス中のCOをシフト反応により低減する変成器と、
前記変成器を通過した前記水素含有ガス中のCOをメタン化反応及び酸化反応の少なくともいずれか一方により低減するCO除去器と、
原料中の硫黄化合物を除去する水添脱硫器と、
を備える水素生成装置であって、
前記水添脱硫器の下流側の少なくとも一部が、前記CO除去器と熱伝導可能なように隣接していることを特徴とする水素生成装置。
【請求項2】
前記水添脱硫器の上流側の少なくとも一部が、前記変成器と熱伝導可能なように隣接していることを特徴とする請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項3】
前記水添脱硫器は、前記CO除去器の少なくとも一部を取り囲むように構成されている請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項4】
前記水添脱硫器は、前記変成器の少なくとも一部を取り囲むように構成されている請求項1−3のいずれかに記載の水素生成装置。
【請求項5】
前記水添脱硫器は、前記水添脱硫器の内部を流れる原料が、前記変成器および前記CO除去器と順に熱交換するよう構成されている請求項1−4のいずれかに記載の水素生成装置。
【請求項6】
前記変成器および前記水添脱硫器に隣接するように設けられた加熱器を備える請求項2に記載の水素生成装置。
【請求項7】
前記CO除去器および前記水添脱硫器に隣接するように設けられた加熱器を備える請求項2に記載の水素生成装置。
【請求項8】
前記水添脱硫器は、水添反応用の触媒と吸着反応用の触媒とを含み、前記吸着反応用の触媒が、Cuを含む請求項1または2に記載の水素生成装置。
【請求項9】
前記水添脱硫器は、Cuを含む前記吸着反応用の触媒が、前記CO除去器の少なくとも一部と熱伝導可能なように前記CO除去器に隣接している、請求項8に記載の水素生成装置。
【請求項10】
前記水添脱硫器は、水添反応および吸着反応の両方に用いる触媒を含み、前記触媒が、Cuを含む請求項1または2に記載の水素生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−240893(P2012−240893A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113821(P2011−113821)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】