説明

汚水処理装置

【課題】沈殿槽内の余剰分の汚泥を多く含む汚水量を減少、あるいは、無くすことができる汚水処理装置を得ることを目的とする。
【解決手段】汚水処理システムで発生する余剰分の汚泥を多く含む汚水を汚水供給管2によって混合槽1に供給し、汚水処理システムで処理した処理水等やその他比較的清澄な水を希釈水として希釈水供給管3によって混合槽1に供給し、撹拌機8で撹拌して混合水とし、計測器4で浮遊物質濃度を計測して法令等で定められた基準値の範囲内となるように制御器13で制御して下水道等に放流する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汚水を浄化処理する浄化処理装置において、浄化処理で発生する余剰分の汚泥を多く含む汚水を処理可能な汚水処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホテルや飲食店等の厨房排水や、食品製造工場の排水等の事業系排水は、そのまま下水道に放流すると、下水道管が油脂分で閉塞する等の影響を与えたり、下水道処理施設の機能を妨害したりする等の大きな影響を与えることから、浄化処理装置である除害施設を設置して、法令等により定められた基準値以内の水質にまで浄化処理してから、下水道に放流することが義務づけられている。
この場合に適用可能な浄化処理装置には、種々の処理方式が存在するが、好気性微生物を利用して浄化処理を行う好気性処理が現在主流となっている。この好気性処理には、活性汚泥法、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等がある。
【0003】
一方、近年、ビル等の水道水の使用量が多い建物では、節水対策や渇水時対策の1つとして、水使用によって発生する排水をそのまま下水道に放流してしまうのではなく、水洗便器の洗浄水等に再利用可能なレベルにまで浄化処理できる浄化処理装置を排水再利用施設として設置する場合が増えてきている。
この再利用水の原水として雑排水や厨房排水を利用する場合、溶解性の有機物が多く含まれているため、ろ過器でろ過処理するだけでは、再利用水として使用できる水質の水を作ることが困難である。このため、一般的には、この場合の浄化処理装置は、上述した好気性処理で雑排水や厨房排水を一次処理して溶解性の有機物を除去した後に、ろ過器でろ過処理する構成とすることが多い。
【0004】
前記の活性汚泥法による浄化処理装置は、ばっ気槽で汚水をばっ気することによって汚水中の好気性微生物を増殖させて、増殖した好気性微生物と汚水中の汚濁物とが集積して生成される汚泥に汚水中の有機物を吸着・補食させることにより、浄化処理するものである。汚泥中の好気性微生物は、汚水中の有機物を捕食した際、それを栄養源に増殖を繰り返すため、汚水の浄化処理を継続するにしたがって、好気性微生物の数は増えつづけることになる。
【0005】
また、接触ばっ気方式による浄化処理装置の場合においても、接触ばっ気槽に浸漬配置された接触材に好気性微生物が保持されており、汚水の浄化処理を継続するにしたがって、好気性微生物の数が増えつづける。この増えた分の好気性微生物は、接触材から剥離して汚泥として汚水中に浮遊する。よって、活性汚泥法の場合においても、接触ばっ気方式の場合においても、好気性処理された汚水を上澄の汚水と汚泥を多く含む汚水とに分離する処理が必要である。
【0006】
この分離処理には、例えば、沈殿槽を設けて上澄の汚水と汚泥を多く含む汚水とを沈殿処理する方法や、ろ過器を用いて分離する方法等がある。
しかし、沈殿槽を用いる方法では、良好な沈降処理を行うには、上澄の汚水の層の水深を所定深さ以上に確保する必要があり、汚水中の汚泥量が増えすぎると沈殿処理に支障をきたす。
また、ろ過器を用いる方法についても、汚水中に固形物の汚泥量が増えすぎると、ろ過器がすぐに目詰まりしてしまい処理に支障をきたす。
さらに、ばっ気槽や接触ばっ気槽においても、汚泥量が増大しすぎると、槽内の全貯留容量中の比率が増大することで、好気性処理可能な汚水量が減少してしまい、汚水処理装置の処理性能に支障をきたす。
そこで、これらの問題を解消するため、従来の汚水処理装置においては、余剰の汚泥量が増大することによる処理への支障が生じ始めたとき、あるいは、その可能性が高くなったとき、余剰の汚泥を多く含む汚水を沈殿槽等から系外に引抜く作業が行われている。
【0007】
一方、排水再利用施設の浄化処理装置の場合も、活性汚泥法や接触ばっ気方式による好気性処理を行うため、同様の問題が発生する。
排水再利用施設の場合においては、処理水を再利用可能なレベルにまで浄化処理するため、処理水を下水道に放流する場合よりも、汚泥等の固形物の除去性能が高いろ過器を使用するため、より多くの余剰の汚泥が発生してしまう。
よって、同様に余剰の汚泥を多く含む汚水を浄化処理装置の系外に引抜く作業が必須となっており、定期的に行われている。
【0008】
なお、以下の特許文献1には、窒素を含有する有機性汚水を処理するに際して、生物反応槽から引き抜く余剰汚泥量を制御し、その生物反応槽に浸漬した槽浸漬型膜分離装置を通じて所定量の膜透過水を取り出すことで、生物反応槽のMLSSを所定濃度に維持する技術が開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−148144号公報(段落番号[0013]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
汚泥を多く含む汚水を浄化処理装置の外部に搬出する方法としては、バキュームカーによって吸入して、産業廃棄物処理場まで搬送する方法が最も簡易的である。また、引抜槽を別に設けて引抜管を接続しておき、余剰分の汚泥を多く含む汚水を引抜いて貯留しておき、ある程度蓄積した段階でバキュームカーによって産業廃棄物処理場まで搬送する方法もある。さらに、脱水機等により、汚泥を多く含む汚水の含水率を低減し、体積を圧縮してから産業廃棄物処理場まで搬送する方法もある。
しかし、いずれの方法においても、搬出の際に汚泥から臭気が発生することから、浄化処理装置の設置場所の近隣に住む住民からクレームが発生する問題があった。
また、産業廃棄物処理場までの運搬費および汚泥処分費が嵩み、大きな問題となっていた。
【0011】
除害施設における浄化処理装置の場合、法令等に定められた基準値以内の水質に浄化処理することが目的であるにも拘わらず、その基準値を大幅に上回る良質の放流水を放流している場合が多い。汚泥処分に関わる臭気のクレームや処分費が嵩んでいる等の問題を抱えていることを考慮すると、従来の活性汚泥法による浄化処理装置を除害施設に適用するには、費用対効果に欠けているという問題があった。
【0012】
また、除害施設における浄化処理装置の場合、処理対象とする種類の汚水について全量を処理しているが、全量を処理するには各処理水槽の容量を大容量とする必要があり、設置面積が大きくなってしまうという問題があった。
【0013】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、沈殿槽内の余剰分の汚泥を多く含む汚水量を減少、あるいは、無くすことができる汚水処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に係る汚水処理装置は、汚水供給管および希釈水供給管を備える混合槽と、混合槽内の汚水および希釈水を撹拌して混合水を生成する撹拌機と、撹拌された混合水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、その計測器で計測される放流水の浮遊物質濃度に応じて、汚水供給管や希釈水供給管からの供給量を制御する制御器とを有する構成とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、汚水供給管および希釈水供給管を備えた混合槽と、混合槽内の汚水および希釈水を撹拌して混合水を生成する撹拌機と、撹拌された混合水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、その計測器で計測される放流水の浮遊物質濃度に応じて、汚水供給管や希釈水供給管からの供給量を制御する制御器とを有するように構成したので、浄化処理装置で処理した放流水の浮遊物質濃度が所定値以上に良質である場合には、制御器により浮遊物質濃度を計測する計測器による放流水の計測値が所定値になるまで混合手段を動作させて、沈殿槽内の汚泥を混合して沈殿槽内の汚水中の汚泥濃度を減少させることが可能であることから、沈殿槽内の余剰分の汚泥を多く含む汚水量を減少、あるいは、無くすことができる。その結果、バキュームカーで吸引して産業廃棄物処理場まで搬送する頻度が減少、あるいは、搬送の必要がなくなることにより、バキュームカーによる汚泥を多く含む汚水の搬送費用の大幅な低減が図れ、また、産業廃棄物処理場での汚泥処分費の大幅な低減が図れる大きな効果がある。
【0016】
従来の浄化処理装置においては、バキュームカーによる搬出作業の頻度を削減するために沈殿槽内の余剰分の汚泥を多く含む汚水を一時貯留しておく引抜槽を設けていたが、この発明の汚水処理装置を適用することにより、引抜槽を設けなくともバキュームカーの搬出作業頻度を大幅に削減できるため、引抜槽の設置費用を削減できる大きな効果がある。また、余剰分の汚泥を多く含む汚水の体積を減少させるために脱水機等を設置する必要もなくなる効果もある。
【0017】
この発明は、余剰分の汚泥を多く含む汚水の搬出頻度が大幅に削減できることから、搬出の際の臭気発生による近隣住民からのクレームを低減することができる効果がある。さらに、汚水システムへの流入水の水質によっては、余剰分の汚泥を多く含む汚水を搬出する必要がなくなり、近隣住民からの臭気に関するクレームが発生しないようにすることも可能である。
【0018】
特にこの発明の汚水処理装置をホテルや飲食店等の厨房排水や食品製造工場の排水等の事業系排水を法令等により定められた基準値以内の水質に浄化処理して下水道に放流する除害施設の浄化処理装置に適用した場合、基準値を上回る良質の放流水が得られているときに、沈殿槽内の余剰分の汚泥を多く含む汚水を混合手段と浮遊物質濃度を計測可能な計測器により基準値以内となるように制御器で制御しながら放流水に混合して放流でき、費用対効果に優れた浄化処理装置を提供できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における汚水処理装置の処理フロー図である。図1の汚水処理装置は、混合槽1、汚水供給管2、希釈水供給管3、計測センサ4a及び変換器4bからなる計測器4、放流ポンプ6、放流管7、ブロワ8a,空気供給管8b及び散気管8cからなる撹拌機8、流量計9,10、制御弁11,12及び制御器13で構成されている。
【0020】
混合槽1は、建物内の床下ピットを利用する躯体水槽、あるいは、床上スペースを利用する床上設置型水槽を使用することができる。
混合槽1を躯体水槽とする場合には、床上スペースをその他の目的に活用できるので好ましいが、混合槽1の内面にエポキシ樹脂などのライニングによる防水層を形成する必要がある。
一方、混合槽1を床上設置型水槽とする場合には、混合槽1をFRP、ポリプロピレンなどの合成樹脂や、鋼板、ステンレス鋼などの金属や、コンクリートで形成することができる。
汚水供給管2、希釈水供給管3については、管に限定されるものではなく、堰や開口路によって自然流下で流入するようにしてもよい。
【0021】
制御弁11,12は、例えば、電動弁、電磁弁、空圧弁、油圧弁等が挙げられるが、制御器13によって開閉が制御可能であれば、どのような構造のものでも適用可能である。ただし、汚水供給管2又は希釈水供給管3からの汚水、あるいは、希釈水の供給量を調整可能なように、制御弁11,12は、開度が調整可能であることが望ましい。
流量計9,10は、水車型の量水器、電磁流量計、超音波流量計等、汚水供給管2又は希釈水供給管3内を流れる汚水又は希釈水の流量が計測可能であれば、どのような構成のものでも適用可能である。
【0022】
撹拌機8は、上述したように、ブロワ8a等の空気供給機、空気供給管8b及び散気管8cからなる。散気管8cはディスクディフューザのように、特定方向に気泡を放出できる構造のものを下向きに配置してある。これによって、気泡が下方の底面に噴射できるため、底面側に沈降してくる汚泥を多く含む汚水を効率よく撒き上げることができて効率的に撹拌することができる。
なお、散気管8cは、前記の構造のものに限らず、粒状樹脂を隙間が残るように固めた素材から筒状または板状に形成した構造や、多数の比較的径大の穴を有する管の外周に多数の小孔を有するゴム等のシートを巻回した構造のもの、サラン巻散気管、ボックスエアレータ、シャーフューザー等も適用可能である。また、撹拌機8は、例えば、撹拌ポンプを槽内に配設し、その撹拌ポンプの空気取入口に空気供給管8bを接続して、空気供給管8bの他端を混合槽1内の気相部で開口した構成としてもよく、その他、混合槽1内をプロペラ等で機械的に撹拌する構成としてもよい。
【0023】
希釈水には、上水、井水、工業用水、中水、雨水、空調冷却水、湧水、除害設備で処理された処理水、雑排水、狭義の汚水(し尿排水)が挙げられる。
希釈される側の汚水には、除害施設等から排出される汚泥や、厨房等から排出される排水である厨房排水、食品工場系排水等が挙げられる。
【0024】
浮遊物質濃度を計測する計測器4は、透過光測定方法、散乱光測定方法、積分球式測定方法、粒子計測法、表面散乱光測定法等を使用した濁度計やSS計などが適用可能であるが、SS計の方が比較的高濃度の浮遊物質濃度を計測可能であり最適である。
【0025】
図2に混合槽1の立面配置図を、図3に混合槽1の平面配置図をそれぞれ示す。混合槽1は、概ね平面状の底面1a、この底面1aの各辺から立ち上げた4つの側面1b、および上壁1cを有している。汚水供給管2および希釈水供給管3の端部は、混合槽1内の隅部の上方でその端部がそれぞれ開口されている。平面上で、その汚水供給管2および希釈水供給管3の開口位置と対向する隅部の底面1aには、凹状のポンプ釜場1dが設けられており、このポンプ釜場1d内には、放流ポンプ6が配設されている。底面1aは、各側面1bからポンプ釜場1dに向かって所定勾配で低下した形状となっている。この所定勾配は、10度から15度程度であることが望ましい。
【0026】
散気管8cは、図3に示すように16個の散気管8cを横4列×縦4列の構成で、ポンプ釜場1dや計測センサ4aの設置位置を除いた底面1a全面に配置されている。また、これらの散気管8cは、加わる水圧が同程度になるように所定の高さに配置され、各散気管8cから気泡が均等に吐出されるようになっている。
【0027】
ここで、計測センサ4aの周辺に散気管8cを配設しなかったのは、浮遊物質濃度を計測する計測センサ4aは、前記に列挙したいずれの計測方式のものであっても気泡の影響を受けやすく、誤作動しやすいことに起因する。計測センサ4aの検知部分に気泡が付着すると計測される浮遊物質濃度が実際よりも高い数値で検知され、変換器4bを経て、制御器13に入力される。このとき、実際には、混合槽1内の汚水と希釈水との混合水の浮遊物質濃度が上限値未満であるにも係わらず、制御器13は、汚水供給管2の制御弁11を制御して混合槽1への汚水の供給量を必要以上に制限してしまう。つまり、誤作動した分だけ、汚水を希釈水と混合して系外に放流する機会が失われることになる。
【0028】
また、計測センサ4aの検知部分に気泡が付着する時間は極めて短時間である場合がほとんどであり、気泡に起因する計測器4の計測の誤作動も極めて短時間である。気泡によって誤作動と正常な計測とが繰り返し生じると、制御器13は汚水供給管2の制御弁11および希釈水供給管3の制御弁12の開度を頻繁に変える不安定な制御をしてしまう。このような動作が長時間に渡って継続されると制御弁11、制御弁12や制御器13内の制御回路が短期間で故障する弊害が生じてしまう。以上のような理由から、計測センサ4aが気泡の影響を受けにくくすることは非常に重要である。
【0029】
汚水と希釈水とを混合処理する際のプロセスには、大きく分けて2つの方法があり、一つは、汚水と希釈水を連続的に混合槽1に流入させて混合処理する連続式である。もう一つの方法は、汚水と希釈水を所定量順番に混合槽1に流入させて混合処理する回分式である。
回分式の方が混合水の浮遊物質濃度を制御しやすいが、反面、汚水や希釈水の混合槽1への供給を一時的に停止する時間が連続式に比べて長くなることから、希釈水や汚水を一時的に貯留する水槽の容量が、回分式の場合の方が大きくなる。
いずれの混合方式の場合においても、放流管から系外に処理水として排出する混合水の浮遊物質濃度の上限値をあらかじめ定めておき、これを制御器13に記憶させておくようにする。このときの記憶させる浮遊物質濃度は、法令等で定められている基準値よりも若干小さい値としておくと、確実に基準値以下の合法な水質の混合水を系外に放流できるようになる。
【0030】
連続式で制御する場合の混合処理プロセスは、以下の通りである。
ただし、この場合、放流ポンプ6の停止水位は、その水位でも撹拌機8が正常に混合水を撹拌できるようにするために、散気管8cが水没するようにし、計測センサ4aの設置高さも、放流ポンプ6の停止水位でも浮遊物質濃度を計測することができるようにする必要がある。また、このとき、撹拌機8は常時稼動状態とし、計測器4も常時計測値を制御器13に送信する。
【0031】
<連続式の混合処理プロセス>
(1)混合槽1内の水位が放流ポンプ6の停止水位の状態で、汚水供給管2側の制御弁11を全開し、また、希釈水供給管3側の制御弁12を開弁し、汚水および希釈水を混合槽1へ導入する。
(2)撹拌機8によって、汚水と希釈水は撹拌されて混合水が生成され、計測器4によって常時浮遊物質濃度が計測されて制御器13に送信される。
(3)制御器13は、計測器4から送信された混合水の浮遊物質濃度の計測値が上限値を超えている場合、希釈水供給管3側の制御弁12の開度を上げて希釈水の供給水量を上げる。ただし、希釈水供給管3側の制御弁12の開度が既に全開ならば、汚水供給管2側の制御弁11の開度を下げて汚水の供給水量を下げる。
また、混合水の浮遊物質濃度の計測値が上限値未満の場合、汚水供給管2側の制御弁11の開度を上げて汚水の供給量を上げる。ただし、汚水供給管2側の制御弁11の開度が既に全開ならば、汚水供給管2側の制御弁11の開度を下げて希釈水の供給水量を下げる。
(4)混合槽1の混合水の水位が放流ポンプ6の起動水位に達したとき、放流ポンプ6を起動させて、混合水を系外に放流する。放流ポンプ6の停止水位まで放流が終了したとき、放流ポンプ6を停止する。
【0032】
回分式で制御する場合の混合処理プロセスは、以下の通りである。
ただし、事前に混合槽1内の有効水量と汚水および希釈水の想定される浮遊物質濃度に基づいて、有効水量の混合水が浮遊物質濃度の上限値を上回らない程度となるようにするための混合槽1への汚水計画供給量および希釈水計画供給量を算出して、制御器13に記憶させておくようにする。この場合、混合した後に混合水の浮遊物質濃度を微調整することができるようにするために、混合槽1の有効水量よりも若干少ない水量で算出することが望ましい。
【0033】
<回分式の混合処理プロセス>
(1)混合槽1内の水位が放流ポンプ6の停止水位の状態で、汚水供給管2側の制御弁11を開弁し、また、希釈水供給管3側の制御弁12を開弁し、汚水および希釈水を混合槽1へ導入する。
(2)混合槽1へ供給される汚水量および希釈水量は、流量計9,10で計測されて制御器13へ常時送信されている。汚水あるいは希釈水の流量計9,10で計測した供給水量が制御器13に記憶されている計画供給量に達したとき、対応する制御弁11,12を閉弁して供給を停止する。
(3)混合槽1へ汚水および希釈水の各計画供給量を供給し終えた段階で、撹拌機8を起動させて、汚水と希釈水を撹拌して混合水を生成する。
(4)計測器4によって混合水の浮遊物質濃度を計測する。
(5)混合水の浮遊物質濃度が、制御器13に記憶されている浮遊物質濃度の上限値未満であった場合、撹拌機8を稼動させながら汚水供給管2の制御弁11を開弁して汚水を追加供給しながら、計測器4で浮遊物質濃度を連続的に計測し、概ね上限値となったときに、汚水供給管2の制御弁11を閉弁して汚水の供給を停止する。
(6)混合水の浮遊物質濃度が、制御器13に記憶されている浮遊物質濃度の上限値を超えていた場合、撹拌機8を稼動させながら希釈水供給管3の制御弁12を開弁して希釈水を追加供給しながら、計測器4で浮遊物質濃度を連続的に計測し、上限値を下回ったときに、希釈水供給管3の制御弁12を閉弁して希釈水の供給を停止する。
(7)放流ポンプ6を起動させて、放流管7から混合水を系外に放流する。放流ポンプ6の停止水位まで放流が終了したとき、放流ポンプ6を停止する。
【0034】
この回分式の混合処理プロセスにおいて、(2)のプロセス時、例えば、先に汚水供給管2の制御弁11を開弁して汚水を計画供給量だけ供給した後に、希釈水供給管3の制御弁12を開弁して希釈水を計画供給量だけ供給する。あるいは、その逆の順序で供給する等、混合槽1に汚水と希釈水を順番に供給するように制御してもよい。
また、連続式の混合処理プロセスの場合と同様に、放流ポンプ6の停止水位を、その水位でも撹拌機8が正常に混合水を撹拌できるようにするために、散気管8cが水没するようにして常時稼動状態としてもよく、計測センサ4aの設置高さも、放流ポンプ6の停止水位でも浮遊物質濃度を計測することができるようにしてもよい。
さらに、1回の混合処理プロセスで適切な浮遊物質濃度の混合水を生成した際、そのときに供給した総汚水供給量および総希釈水供給量を基に、再度、各計画供給量を算出し直して、制御器13に再記憶させるようにしてもよい。このとき、ファジー制御、適応制御、ニューラルネットワーク等の制御法を使用して計画供給量を算出すると、イレギュラーな水質の汚水や希釈水が流入した際の混合処理プロセスによる計画供給量への影響を小さくすることが出来るので好ましい。
【0035】
この回分式の混合処理プロセスにおいて、汚水に汚泥、厨房排水、食品工場系排水等を適用し、希釈水に比較的清澄な水である上水、井水、工業用水、中水、雨水、空調冷却水および湧水を適用する場合においては、先に汚水を混合槽1に供給して、計測器4で汚水の浮遊物質濃度を計測し、その計測値に応じて、混合槽1への希釈水の供給量を調整するようにすると、混合水の浮遊物質濃度を微調整するために必要な希釈水を混合槽1へ供給する回数を削減できて好ましい。
また、この回分式の混合処理プロセスにおいて、希釈水に汚水や雑排水を適用する場合においては、先に希釈水を混合槽1に供給して、計測器4で希釈水の浮遊物質濃度を計測し、その計測値に応じて、混合槽1への汚水の供給量を調整するようにすると、浮遊物質濃度が安定しないし尿排水や雑排水であっても、混合水の浮遊物質濃度を微調整するために必要な汚水を混合槽1へ供給する回数を削減できて好ましい。
【0036】
なお、混合槽1の形状の理由から、前記の散気管8cを計測センサ4aの周辺に配置しない対策が取れない場合、あるいは混合水の性状等の理由により、前記対策をとったにも係わらず計測器4の気泡による誤作動が回避できない場合、次の対策を取ることも可能である。気泡による計測器4の誤作動の時間は通常極めて短時間であり、その短時間の誤作動が時折発生するものである。よって、計測される放流水の浮遊物質濃度が上限値以上の数値である時間が所定時間(例えば、数秒)継続したときに、制御器13によって、汚水供給管2の制御弁11を制御して混合槽1への汚水の供給量を減らすか、希釈水供給管3の制御弁12を制御して混合槽1への希釈水の供給量を増やすかして、混合槽1内の混合水の浮遊物質濃度を低下させるように制御する対策をとるとよい。
【0037】
この対策は、前記の混合制御プロセスが、制御器13内にシーケンサ、マイコン、パネルコンピュータ、ファクトリーPC等の内部に記憶回路を有するコンピュータが組み込まれていて、そのコンピュータ内に記憶された制御プログラムで実現されている場合には、その制御プログラムに簡単な制御ルーチンを追加するだけで、計測器4が気泡によって誤作動を起こしても混合制御プロセスに悪影響を与えずに済む効果がある。一方、前記の混合制御プロセスを、予め記憶された所定の浮遊物質濃度以上の数値を計測したときに電気を出力する接点出力端子を有する計測器4と、制御器13内に接点リレー等で構成された電気回路とによって実現されている場合には、その電気回路にタイマー等の部品を適所に組み込むことで、同様に計測器4の気泡による誤作動によって混合制御プロセスに悪影響を与えることを防止できる効果がある。
【0038】
計測器4の浮遊物質濃度計測の誤作動は、気泡以外にも計測センサ4aの検知部分に汚れが付着することによっても発生する。通常、汚水処理装置のメンテナンス時に計測センサ4aの検知部分の清掃を行っているが、混合槽1内の混合水は浮遊物質濃度が高いため、清掃の頻度を高くしなければならない場合が発生する。この場合においては、清掃を人力で行うと人件費が増大してしまうという問題があった。
【0039】
この問題の対策として、混合槽1外から計測センサ4aの下方まで別途配管し、計測センサ4aの検知部分に圧縮空気や洗浄水を噴射して洗浄できるようにしてもよい。圧縮空気の場合は、空気供給管8bから分岐して供給してもらうことも可能であるし、洗浄水の場合は、希釈水供給管3から分岐して供給してもらうことも可能である。計測センサ4aの洗浄頻度については、所定時間毎に自動洗浄するように制御してもよいし、計測センサ4aの計測値から誤作動の頻度が高くなったのを認識したときに洗浄するようにするようにしてもよい。連続式の混合処理プロセスに適用する場合においては、系外から汚水供給管2に供給される汚水の供給量が少ない時間帯に行うと、混合処理プロセスに与える影響が少なく好ましい。この対策においては、計測センサ4aを撹拌機8による気泡の影響がないところに配置することにより、撹拌機8を常時作動とすることができ、かつ計測センサ4aの検知部分の汚れを自動的に洗浄できる効果がある。
【0040】
また、この問題の対策として、計測センサ4aの検知部分に気泡が積極的に当たるよう、散気管8cの上方に配置し、計測センサ4aによる浮遊物質濃度の計測を所定時間毎に行うようにし、撹拌機8を常時作動とせず、計測センサ4aの計測開始直前から計測時にかけて一時的に停止するように制御するとよい。この対策では、制御は多少複雑になるが、撹拌機8が作動している間は、散気管8cから噴射される気泡によって、計測センサ4aの付着物を物理的に除去でき、かつ気泡による計測センサ4aの計測誤作動を防止できる効果がある。
【0041】
混合槽1の外部にスペースがある場合においては、混合水を混合槽1の外部にポンプ等でくみ上げて、再度、混合槽1に戻す配管を構築し、その配管内に計測センサ4aの検知部分を浸漬設置した浮遊物資濃度計測用の装置を混合槽1の外部に設置してもよい。この場合、設置スペースやコストは多少嵩むが、撹拌機8による気泡の影響を全く受けないこと、計測センサ4aが取り出しやすくなり、メンテナンス性が大幅に向上すること等の効果がある。
【0042】
なお、この実施の形態1における汚水処理装置では、汚水供給管2と希釈水供給管3をそれぞれ独立で混合槽1に接続した構成としているが、汚水供給管2と希釈水供給管3とを合流させた後に混合槽1に接続した構成としてもよい。
また、この実施の形態1における汚水処理装置では、混合槽1は、混合水を下水道に放流する前に一時貯留する放流槽の役割と兼用しているが、このほかにも汚水供給管2に厨房排水が流入するようにして混合槽1を厨房排水が一時貯留する厨房排水貯留槽と兼用することや、希釈水供給管3に雨水が流入するようにして混合槽1を雨水が一時貯留する雨水貯留槽と兼用することができる。
【0043】
以上、実施の形態1における汚水処理装置によれば、既存の汚水を好気性処理によって浄化処理する汚水処理システムに、この発明の汚水処理装置を追加設置するだけで、汚水処理システムで発生する余剰分の汚泥を多く含む汚水を汚水供給管2によって混合槽1に供給し、汚水処理システムで処理した処理水等やその他比較的清澄な水を希釈水として希釈水供給管3によって混合槽1に供給し、撹拌機8で撹拌して混合水とし、計測器4で浮遊物質濃度を計測して法令等で定められた基準値の範囲内となるように制御器13で制御して下水道等に放流するようにしたことにより、余剰の汚泥を多く含む汚水の量を大幅に減少、あるいは、無くすことができる。その結果、バキュームカーで吸引して産業廃棄物処理場まで搬送する頻度が減少、あるいは、搬送の必要がなくなることにより、バキュームカーによる汚泥を多く含む汚水の搬送費用の大幅な低減が図れ、また、産業廃棄物処理場での汚泥処分費の大幅な低減が図れる大きな効果がある。
【0044】
従来の汚水を好気性処理によって浄化処理する汚水処理システムにおいては、バキュームカーによる搬出作業の頻度を削減するために余剰分の汚泥を多く含む汚水を一時貯留しておく引抜槽を設けていたが、この発明を適用することにより、引抜槽を設けなくともバキュームカーの搬出作業頻度を大幅に削減でき、引抜槽の設置費用を削減できる大きな効果がある。また、余剰分の汚泥を多く含む汚水の体積を減少させるために脱水機等を設置する必要もなくなる効果もある。
【0045】
この発明は、余剰分の汚泥を多く含む汚水の搬出頻度が大幅に削減できることから、搬出の際における近隣住民からの臭気のクレームを低減することができる効果がある。さらに、汚水処理装置への流入水の水質によっては、余剰分の汚泥を多く含む汚水を搬出する必要がなくなり、近隣住民からの臭気のクレームが発生しない汚水処理システムとすることも可能である。
【0046】
特にこの発明の汚水処理装置をホテルや飲食店等の厨房排水や食品製造工場の排水等の事業系排水を法令等により定められた基準値以内の水質に浄化処理して下水道に放流する除害施設に適用した場合、基準値を上回る良質の放流水が得られているときに、沈殿槽内の余剰分の汚泥を多く含む汚水を撹拌する撹拌機8と浮遊物質濃度を計測可能な計測器4とにより基準値以内となるように、制御器13で制御しながら放流水に混合して放流でき、費用対効果に優れた汚水処理システムを提供できる効果がある。
【0047】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図4の汚水処理装置では、汚水流入管22から流入する汚水を一時貯留する汚水貯留槽21を備え、貯留した汚水を移送ポンプ24が汚水供給管2を通じて混合槽1へ供給するようにしている。
また、希釈水流入管32から流入する希釈水を一時貯留する希釈水貯留槽31を備え、貯留した希釈水を移送ポンプ34が希釈水供給管3を通じて混合槽1へ供給するようにしており、これらの点が上記実施の形態1と大きく相違している。
また、汚水貯留槽21に貯留した汚水の浮遊物質濃度を計測できる計測器23(計測センサ23a及び変換器23bから構成)を備えるとともに、希釈水貯留槽31に貯留した希釈水の浮遊物質濃度を計測できる計測器33(計測センサ33a及び変換器33bから構成)を備えており、これらの計測値は、制御器13に送信されるようになっている。
【0048】
汚水の混合槽1への供給および停止、希釈水の混合槽1への供給および停止については、移送ポンプ24,34をON/OFFすることで制御するようになっており、それ以外に関しては、実施の形態1に示した汚水処理装置と同様である。混合処理プロセスに関しても、実施の形態1に示した連続式あるいは回分式のいずれの混合処理プロセスも適用可能である。
特に、回分式の混合処理プロセスを適用する場合、混合槽1への汚水および希釈水の各計画供給量は、予め算出しておくのではなく、計測器23で計測される汚水貯留槽21内の汚水の浮遊物質濃度と、計測器33で計測される希釈水貯留槽31内の希釈水の浮遊物質濃度と、1回のプロセスで混合槽1にて生成する混合水の全容量とを基にして、制御器13内で汚水および希釈水の各計画供給量を算出すると、一度目の混合で設定されている浮遊物質濃度の上限値に近づけることが出来る。
なお、汚水処理装置に関するその他の事項については、実施の形態1の場合と同様である。
また、実施の形態1に示した混合方式のプロセスをそのまま適用する場合には、汚水貯留槽21や希釈水貯留槽31に設置されている計測器23,33はなくても問題はない。
さらに、移送ポンプ24,34を定量で圧送可能なポンプである場合においては、移送ポンプ24,34の稼働時間によって、混合槽1への汚水及び希釈水の移送量を制御可能であるので、流量計9,10を不要とすることができる。
【0049】
計測器23,33においても、計測器4と同様、計測センサ23a,33aの検知部分の汚れに起因する浮遊物質濃度計測の誤作動が発生するので、実施の形態1で計測センサ4aの検知部分の汚れ対策として示した、検知部分に圧縮空気や洗浄水を噴射して洗浄する対策や、対象の水をポンプ等で槽外にくみ上げて浮遊物質濃度を計測して再度、槽内に戻す対策を講じることが望ましい。特に汚水貯留槽21内の汚水の浮遊物質濃度が高く、計測センサ23aの検知部分は、計測センサ4a,33aに比べて短期間で汚れが付着するため、特に対策が必要である。
【0050】
以上、この実施の形態2における汚水処理装置によれば、実施の形態1で示した効果のほかに、汚水を一時貯留可能な汚水貯留槽21と、希釈水を一時貯留可能な希釈水貯留槽31とを備えたことにより、特に、混合方式として、連続式に比べて汚水や希釈水の供給を一時的に停止する時間が長くなる回分式を適用した場合で、汚水や希釈水が連続的に供給されてくる場合、例えば、希釈水に厨房排水等を浄化処理装置で連続的に処理された処理水を使用する場合、浄化処理装置からの処理水を希釈水貯留槽31に一時的に貯留することが可能となり、混合槽1での混合処理に影響を与えずにすみ、安定した混合処理が可能となる。
【0051】
また、希釈水に例えば、上水と空調冷却水等、複数の種類の水を適用する場合においては、その水の種類によって浮遊物質濃度が異なることから、混合処理プロセスの際の希釈水供給の微調整の回数が多くなる場合があったが、希釈水貯留槽31に複数の種類の水を一時貯留することで、計測器33で複数の種類の水が混合した希釈水の浮遊物質濃度を計測でき、混合水の浮遊物質濃度を微調整するための希釈水供給の回数を削減できる効果がある。
【0052】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図5の汚水処理装置では、混合槽1で生成した混合水を放流槽41で一時貯留可能としている点が実施の形態1と大きく相違している。
混合槽1には、放流ポンプ6および放流管7に代えて、移送ポンプ42および混合水移送管43を設置し、混合槽1内で生成された混合水を放流槽41に移送するようになっている。
放流槽41には、放流ポンプ6および放流管7を設置してあり、下水道等へ放流可能な時間帯に放流ポンプ6を起動させて、混合水を系外に放流するようになっている。また、放流槽41の水槽容量は、日中に生成される分の混合水を貯留可能な量としておくが、放流槽41内の混合水の水位が放流ポンプ6の起動水位に達したときにも、緊急的に放流ポンプ6を起動させて、混合水を系外に放流できるようになっている。
【0053】
また、放流槽41内に混合水を長時間滞留させておくと、時間の経過とともに汚泥を多く含む汚水が沈殿してしまい、放流する水の浮遊物質濃度にばらつきが発生してしまうので、混合槽1と同様の撹拌機44(ブロワ44a,空気供給管44b及び散気管44cから構成)を設置し、常時、混合水を撹拌して状態を維持させるか、あるいは、放流ポンプ6の起動水位に達する前に稼動させて沈殿していたものを再度、概ね均一な浮遊物質濃度の混合水を生成した後に放流ポンプ6を起動させて系外に放流するかの対策を講じてある。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスに関する事項等、その他の事項については、実施の形態1の場合と同様である。また、図5の汚水処理装置では、混合槽1内の混合水の浮遊物質濃度に関しては、計測器4で計測しているので、法令基準値以下であることを証明することはできるが、放流槽41内の混合水に関しては証明することができない。下水道に放流する混合水が確実に法令基準値以下であることを証明する必要がある場合においては、浮遊物質濃度を計測する計測器を混合槽1のほかに放流槽41にも設置するとよい。
【0054】
以上、この実施の形態3における汚水処理装置によれば、実施の形態1で示した効果のほかに、混合槽1で生成した混合水を放流槽41で一時的に貯留することが可能であるので、下水道等への放流時間帯や放流量の制限があるような場合には特に効果がある。
【0055】
また、この実施の形態3における汚水処理装置に、実施の形態2で示した汚水貯留槽、希釈水貯留槽等の構成を適用すると、実施の形態2と同様の効果も同時に得ることができる。
【0056】
実施の形態4.
図6はこの発明の実施の形態4における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。図6の汚水処理装置は、活性汚泥法を用いた好気性処理の浄化処理装置に実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものである。
この汚水処理装置は汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理するのではなく、その一部を浄化処理する、いわゆる部分処理タイプの処理装置であり、汚水貯留槽21に貯留された汚水の一部を移送ポンプ53a、計量槽53b、移送管53cおよび越流管53dで構成される移送手段53によってばっ気槽51に移送し、ばっ気槽51で好気性処理を実施する点で実施の形態2と大きく相違している。
また、沈殿槽61で沈殿処理を行った上澄汚水を希釈水として希釈水貯留槽31に一時貯留されて混合槽1に供給される点、沈殿槽61で沈降している汚泥を多く含む汚水の余剰分を汚水貯留槽21に返送可能とし、これと汚水貯留槽21内の未処理の汚水を希釈される側の汚水として混合槽1に供給される点で実施の形態2と大きく相違している。
【0057】
ばっ気槽51は、移送手段53によって流入する汚水を汚泥中の好気性微生物によって分解する好気性処理を行うものである。ばっ気槽51には、ブロワ52a、空気供給管52bおよび散気管52cで構成される散気機52が配設されており、ばっ気槽51内の汚水に空気を供給することによって、好気性処理を促進させている。
散気管52cは、例えば粒状樹脂を隙間が残るように固めた素材から筒状または板状に形成したものとすることができるが、比較的微細な気泡を汚水中に吐出できるのであれば、その材料や構造は限定されるものではない。多数の比較的径大の孔を有する管の外周に多数の小孔を有するゴムを巻き回した構造、円形ディスク状で円周部分に多数の小孔を有する構造のディスクディフューザ、袋状散気管、サラン巻散気管、ボックスエアレータ、シャーディフューザ等も適用可能である。
移送手段53は、汚水貯留槽21内の汚水中に設置された移送ポンプ53aに移送管53cの一端が接続し、他端がばっ気槽51に開口させており、移送管53cの途中に計量槽53bが配設された構成となっている。計量槽53bは、その内部に設けた堰によって汚水の移送量を制御する構造としてあり、計量槽53bにおいて流出した余分の汚水は、越流管53dを介して汚水貯留槽21に戻されるようになっている。
沈殿槽61は、ばっ気槽51から流入した汚水を上層の上澄汚水と下層の汚泥を多く含む汚水とに沈殿処理するものである。沈殿槽61には、返送ポンプ62a、計量槽62b、返送管62cおよび越流管62dで構成される移送手段53と同様の構成の返送手段62が配設されており、沈殿槽61内底部の汚泥を多く含む汚水をばっ気槽51に定量で返送するようになっている。
一方、沈殿槽61内の上層の上澄汚水は、上澄汚水移送管67によって、希釈水貯留槽31に移送され、希釈水として貯留される。
返送管62cには、三方弁65が配設されており、三方弁65の返送管62cが接続されていない残りの接続口には、引抜管66の一端が接続されている。引抜管66の他端は、汚水貯留槽21で開放されており、三方弁65の流路を切り替えることで、沈殿槽内底部から返送ポンプで吸引された汚泥を多く含む汚水は、返送管62cを通じてばっ気槽51に返送されるか、引抜管66を通じて汚水貯留槽21に移送されるようになっている。
放流管7には、三方弁68が配設されており、三方弁68の放流管7が接続されていない残りの接続口には、混合水返送管69の一端が接続されている。混合水返送管69の他端は、汚水貯留槽21で開放されており、三方弁59の流路を切り替えることで、混合槽1内の混合水は、放流管7を通じて系外に放流されるか、混合水返送管69を通じて汚水貯留槽21に移送されるようになっている。
なお、ばっ気槽51および沈殿槽61は、混合槽1の場合と同様の材料で形成することが可能である。
また、移送手段53は、上記の構成に限定されるものではない。例えば移送ポンプ53aは水中ポンプとしたが、陸上ポンプとして計量槽53bの一次側において移送管53cに配設し、水中ポンプに代えてフート弁を配設した構成も適用できる。また、移送管53cに計量槽53bを配設する代わりに、移送管53cの途中と汚水貯留槽21とを接続するバイパス管を配設し、バイパス管には、電磁弁、電動弁、空圧弁、油圧弁等の制御弁を設け、さらに移送管53cには流量計を配設して流量計の計測値が所定流量を維持するように制御弁を制御する構成とすることもできる。もちろん、返送手段62についても同様の構成とすることも可能である。
【0058】
以下、図6の汚水処理装置の処理内容を説明する。
(1)汚水貯留槽21における一部の汚水を移送手段53によってばっ気槽51に定量的に移送し、ばっ気槽51で散気機52からの散気による好気性処理を行う。
(2)好気性処理された汚水を送水管56を通じて沈殿槽61に移送し(自然流下)、沈殿槽61で、上澄汚水と汚泥を多く含む汚水とに沈殿処理する。
(3)沈殿槽61の上澄汚水は、上澄汚水移送管67を通じて希釈水貯留槽31に移送される(自然流下)。
(4)沈殿槽61の汚泥を多く含む汚水は、返送手段62により返送ポンプ62a、計量槽62b、返送管62c及び三方弁65を通じてばっ気槽51に返送されて、汚泥内の好気性微生物をばっ気槽51内の汚水の好気性処理に利用する。
(5)汚水を浄化処理する過程でばっ気槽51で発生する余剰の汚泥を多く含む汚水によって、沈殿槽61の沈殿処理に支障が発生しはじめたとき、あるいは、支障が発生することが予想されるときに、制御器13が三方弁65を切り替えることにより、返送ポンプ62aにより計量槽62b、返送管62c、三方弁65及び引抜管66を通じて、汚水貯留槽21に返送される。
(6)浄化処理された上澄汚水だけでは、希釈水としての水量が不足するときの対策として、希釈水流入管32によって、希釈水貯留槽31に希釈水が補給されるようにしてある。このときの希釈水には、実施の形態1で示したものと同様の水が適用可能である。
(7)汚水貯留槽21から汚水供給管2で供給される浄化処理を行っていない汚水および余剰分の汚泥を多く含む汚水と、浄化処理された上澄汚水からなる希釈水とを混合する混合処理プロセスに関しては、実施の形態2の場合と同様である。
なお、何らかの理由によって、混合槽1で浮遊物質濃度の法令基準値を超えた混合水が混合槽1の有効水量以上生成されてしまった場合には、放流管7から放流する訳には行かない。この対策として、この実施の形態4では、放流管7に三方弁68を介して混合水返送管69を接続し、上限値と計測値との差に応じた量だけ混合水を汚水貯留槽21に返送することで、希釈水を混合槽1に追加供給することができ、上限値以下の浮遊物質濃度の混合水を生成することができる。
【0059】
以上、実施の形態4における汚水処理装置によれば、実施の形態2に示した効果のほかに、除害施設等に適用した場合、汚水を好気性処理後、沈殿処理することによって発生する余剰の汚泥を多く含む汚水を汚水供給管2で混合槽1に移送し、希釈水供給管3から浄化処理された上澄汚水を主とする希釈水を供給し、撹拌機8で撹拌して混合水とし、計測器4で浮遊物質濃度を計測して法令等で定められた基準値の範囲内となるように制御器13で制御して下水道等に放流するようにしたことにより、余剰の汚泥を多く含む汚水の量を大幅に減少、あるいは、無くすことができる。その結果、バキュームカーで吸引して産業廃棄物処理場まで搬送する頻度が減少、あるいは、搬送の必要がなくなることにより、バキュームカーによる汚泥を多く含む汚水の搬送費用の大幅な低減が図れ、また、産業廃棄物処理場での汚泥処分費の大幅な低減が図れる大きな効果がある。
【0060】
また、浄化処理を行っていない未処理の汚水を浄化処理した上澄汚水を主とする希釈水と混合して、系外に放流することが可能であることから、従来の除害施設であれば、処理対象となる種類の汚水を全量浄化処理する必要があったが、この実施の形態4における汚水処理装置によれば、対象種類の汚水を所定量だけ浄化処理するだけで、確実に法令基準値以内の浮遊物質濃度の混合水を系外に放流できる効果がある。
さらに、好気性処理で浄化処理すべき対象種類の汚水量を削減することが可能であることから、ばっ気槽51や沈殿槽61の貯水容量を削減することができ、汚水処理装置全体の設置面積を削減できる効果がある。散気機52の散気量、返送手段62の返送汚水量も削減されることから、これらで使用される機器の能力を小さいものにすることができ、配管径も小さくすることができる。よって、汚水処理装置全体に要するイニシャルコストおよびランニングコストとも大幅に削減できる効果がある。
なお、汚水処理装置に関するその他の事項については、実施の形態2の場合と同様である。さらに、実施の形態3に示した汚水処理装置と同様、混合槽1で生成した混合水を新設した放流槽41に一時貯留可能としてもよい。この場合、三方弁68および混合水返送管69は、放流槽41を新設するに当たって移設される放流管7にではなく、混合槽1に新設される混合水移送管43に配設する。これによって、実施の形態3で示した効果も同時に得られる。
【0061】
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図6と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図5の汚水処理装置は、実施の形態4の場合と同様、活性汚泥法を用いた好気性処理の浄化処理装置に実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、かつ、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量ではなく一部だけを浄化処理する、いわゆる部分処理タイプの処理装置である。
図7の汚水処理装置では、混合槽1に水位を検知する水位検知器70を配設している点、希釈水貯留槽がなく、沈殿槽61から越流する上澄汚水が混合槽1に直接流入する点が実施の形態4と大きく相違しており、混合方式は回分式を適用することができる。
水位検知器70には、図5で示したフロートスイッチ70a,70b,70cのほかに、電極棒、超音波式水位センサ、圧力式水位センサ、気泡式水位センサ等が適用可能である。フロートスイッチ70a,70b,70cは、安価であるが、撹拌機8の撹拌流の影響を受けやすいので、混合槽1内で影響の少ない平面位置に配置するとよいが、水位検知器70には、超音波式水位センサ、圧力式水位センサ、気泡式水位センサを適用するとより好ましい。
なお、撹拌機8の動作は、常時起動であってもよいし、放流ポンプ6を起動させる少し前に起動するようにしてもよい。
以下、図7の汚水処理装置の処理プロセスを説明する。
【0062】
<処理プロセス>
(1)沈殿槽61で沈殿処理した上澄汚水を越流させ、希釈水供給管3を通じて、その上澄汚水を希釈水として混合槽1に常時供給する(自然流下)。
(2)上澄汚水だけでは希釈水量が不足する場合には、希釈水流入管32より希釈水を追加供給する。このときの希釈水は、実施の形態1で示したものと同様の水を使用する。
(3)水位検知器70によって、希釈水が所定水位(フロートスイッチ70bの位置)に達したことを検知したとき、制御器13が汚水貯留槽21の移送ポンプ24を起動させて、汚水を汚水供給管2を通じて混合槽1へ供給する(このときも、希釈水供給管3からの希釈水の供給は停止しない)。
(4)混合槽1の水位が放流ポンプ6の起動水位(フロートスイッチ70cの位置)に達したことを水位検知器70が検知したとき、かつ、計測センサ4aによる混合水の浮遊物質濃度が制御器13に記憶してある上限値を超えていないとき、制御器13が放流ポンプ6を起動させて、混合水を系外に放流する。放流ポンプ6の停止水位まで放流が行われると、放流ポンプ6を停止する。
(5)混合水の浮遊物質濃度が上限値を超えている場合には、三方弁68を汚水返送管69側に切り替え、放流ポンプ6を起動させて、その上限値と計測値との差に応じた量だけ混合水を汚水貯留槽21へ返送する。
(6)連続的に供給されている希釈水によって、水位検知器70の水位が再び放流ポンプ6の起動水位(フロートスイッチ70cの位置)に達したときで、計測センサ4aによる混合水の浮遊物質濃度の計測値が上限値以内となった場合、三方弁68を放流側に切り替え、放流ポンプ6を起動させて停止水位に達するまで、混合水を系外に放流する。
(7)混合水の浮遊物質濃度の計測値が上限値を超えていた場合は、(5)以降のプロセスを再度実行する。
【0063】
図7の汚水処理装置では、先に希釈水を混合槽1に供給してから、汚水を混合槽1に供給する必要がある。
図7の汚水処理装置では、計測器4を混合槽1に設置しているが、水位検知器70に予め設定された水位で汚水と希釈水とを混合すれば、確実に法令基準値以下となるのであれば、浮遊物質濃度を計測する計測器4を不要とすることが可能である。
なお、汚水処理装置に関するその他の事項については、実施の形態4の場合と同様である。
また、実施の形態2における汚水処理装置で示した様に、汚水貯留槽21と沈殿槽61の上澄汚水の層に浮遊物質濃度を計測する計測器をそれぞれ配設し、さらに、水位検知器70に超音波式等の水位センサを適用すると、汚水貯留槽21内の希釈される側の汚水の浮遊物質濃度と希釈水となる沈殿槽61内の上澄汚水の浮遊物質濃度を計測器で計測した結果を基に、制御器13で混合槽1内に流入させる汚水および希釈水の水量を計算し、その水量に応じた混合槽1内に流入させる希釈水の水位を決定し、希釈水を混合槽1に流入させて水位センサがその水位を感知したときに汚水の混合槽1へ汚水の供給を行うことで浮遊物質濃度が上限値以下の混合水を確実に生成できる。
【0064】
以上、この実施の形態5における汚水処理装置によれば、実施の形態4に示した効果のほかに、汚水貯留槽21から定量的にばっ気槽51に汚水を流入させて浄化処理し、沈殿槽61で沈殿処理した結果、連続的に沈殿槽61から越流する上澄汚水を一時的に貯留する希釈水貯留槽31を不要とすることができる効果がある。
また、混合槽1への汚水や希釈水の供給量を比較的安価な水位検知器70で検知できることにより、汚水供給管2および希釈水供給管3に高価な流量計を設置しなくても済むという効果がある。
【0065】
実施の形態6.
図8はこの発明の実施の形態6における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図6と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。図8の汚水処理装置は、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、かつ、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量ではなく一部だけを浄化処理する、いわゆる部分処理タイプの処理装置である。
図8の汚水処理装置では、沈殿槽61で沈殿処理された上澄汚水を上澄汚水貯留槽71に一時貯留させてろ過器82でろ過処理している点と、ろ過処理水の一部を希釈水貯留槽31に供給している点で上記実施の形態4と大きく相違している。
【0066】
即ち、沈殿槽61で沈殿処理された上澄汚水が上澄汚水移送管67を通じて上澄汚水貯留槽71に移送され、上澄汚水貯留槽71に一時貯留される。
上澄汚水貯留槽71に一時貯留された上澄汚水は、移送ポンプ72により上澄汚水送水管73及び制御弁74を通じてろ過器82に移送され、ろ過器82でろ過処理が実施される。
ろ過器82によって生成されたろ過水は、制御弁83を通じてろ過水貯留槽81に貯留された後、移送ポンプ85によりろ過水移送管88及び制御弁89を通じて送水され、排水再利用水として利用される。
排水再利用水として利用されない余剰分のろ過水は、移送ポンプ85により制御弁86及びろ過水供給管87を通じて希釈水貯留槽31に移送され、希釈水として利用される。
なお、希釈水貯留槽31においては、実施の形態1で示したものと同様の水を希釈水として追加供給するようになっている。
ろ過器82を逆流洗浄したときの逆洗水は、逆洗水移送管76を通じて汚水貯留槽21に移送するようにしてある。
また、ろ過器82には、砂、セラミック、アンスラサイト等をろ材としたろ過のほかに、繊維ろ過、活性炭ろ過等が適用可能であり、これらを複合したものであれば、ろ過水の水質がより向上して好ましい。さらに、ろ過器82によるろ過処理後のろ過水にオゾン処理装置によってオゾン処理すると、ろ過水の色度や臭気を確実に除去でき、望ましい。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態4の場合と同様である。
【0067】
以上、この実施の形態6における汚水処理装置によれば、実施の形態4に示した効果のほかに、従来、排水再利用水を生成する浄化装置を設置した排水再利用施設において、ろ過器82で処理したろ過水である排水再利用水の造水量に対して、便器・植栽等の排水再利用水の供給先での使用量が少ない場合においては、余剰分の水は下水道等に無駄に放流していたが、この利用されない余剰水を希釈水として利用できる効果がある。
【0068】
実施の形態7.
図9はこの発明の実施の形態7における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図9の汚水処理装置は、実施の形態6の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであるが、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である点が大きく相違している。
また、図9の汚水処理装置では、引抜槽91を設けて、沈殿槽61からの余剰の汚泥を多く含む汚水を引抜管66によって引抜槽91に移送している点と、ろ過器82の逆洗水を逆洗水移送管76によって引抜槽91に移送している点においても、実施の形態6と大きく相違している。
混合槽1への汚水供給は、移送ポンプ92が三方弁93及び汚水供給管2を通じて行うようにしている。
引抜槽91に貯留されている汚泥を多く含む汚水は、三方弁93を切り替えることにより、従来通り、外部に引き抜くこともできる。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態6の場合と同様である。
【0069】
以上、この実施の形態7における汚水処理装置によれば、実施の形態6に示した効果のほかに、余剰の汚泥を多く含む汚水およびろ過器82からの逆洗水のみを希釈して放流する対象の汚水として混合槽1へ供給でき、最小量の希釈水で基準値以内にその汚水を希釈して系外に放流することができる効果がある。
【0070】
実施の形態8.
図10はこの発明の実施の形態8における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図10の汚水処理装置は、実施の形態7の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであるが、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である点が大きく相違している。
図10の汚水処理装置では、沈殿槽61からばっ気槽51へ汚泥を多く含む汚水を返送する返送管62cに三方弁94を介して汚水供給管2を接続し、沈殿槽61内の余剰の汚泥を多く含む汚水を混合槽1へ直接供給可能としている点が実施の形態6と大きく相違している。
なお、計量槽63から溢れた汚水は、越流管95を通じて沈殿槽61に戻るようにされている。
また、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態6の場合と同様である。
【0071】
以上、この実施の形態8における汚水処理装置によれば、実施の形態6に示した効果のほかに、余剰の汚泥を多く含む汚水およびろ過器82からの逆洗水のみを希釈して放流する対象の汚水として混合槽1へ供給でき、最小量の希釈水で基準値以内にその汚水を希釈して系外に放流でき、しかも引抜槽91および移送ポンプ92を不要とすることができる効果がある。
【0072】
実施の形態9.
図11はこの発明の実施の形態9における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図10と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図11の汚水処理装置は、実施の形態8の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図11の汚水処理装置では、汚水供給管2を返送管62cに配設された計量槽62bの越流管62dに三方弁96を介して接続し、沈殿槽61内の余剰の汚泥を多く含む汚水を混合槽1へ直接供給可能としている点が実施の形態8と大きく相違している。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態8の場合と同様である。
【0073】
以上、この実施の形態9における汚水処理装置によれば、実施の形態8と同様の効果がある。
【0074】
実施の形態10.
図12はこの発明の実施の形態10における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図10と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図12の汚水処理装置は、実施の形態8の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図12の汚水処理装置では、返送管62cに配設された計量槽62bの側面に取出口を設けて、制御弁97を備えた汚水供給管2を接続し、沈殿槽61内の余剰の汚泥を多く含む汚水を混合槽1へ直接供給可能としている点が実施の形態8と大きく相違している。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態8の場合と同様である。
【0075】
以上、この実施の形態10における汚水処理装置によれば、実施の形態8と同様の効果がある。
【0076】
実施の形態11.
図13はこの発明の実施の形態11における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図10と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図13の汚水処理装置は、実施の形態8の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図13の汚水処理装置では、沈殿槽61の側面に開口を設けて、汚水供給管2の一端を接続し、他端を混合槽1の側面に設けた開口に接続して、沈殿槽61内の余剰の汚泥を多く含む汚水を混合槽1へ直接供給可能としている点、汚水と希釈水の混合処理プロセスについて回分式のみ適用可能である点が実施の形態8と大きく相違している。
汚水供給管2においては、沈殿槽61から汚水を自然流下で混合槽1に供給しているので、混合槽1の側面の開口位置は、沈殿槽61の側面の開口位置より低くする必要がある。
また、沈殿槽61の側面の開口位置は、良好な沈殿処理が可能な最上位置の汚泥界面(上澄汚水と汚泥を多く含む汚水との境界面)よりも低い位置に設けるとよい。
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについては、実施の形態1に示した回分式の処理プロセスを適用するが、汚水供給管2から汚水を先に供給した後に、希釈水供給管3から希釈水を供給するようにする必要がある。
なお、汚水処理装置に関する事項については、実施の形態8の場合と同様である。
【0077】
以上、この実施の形態11における汚水処理装置によれば、実施の形態8に示した効果のほかに、実施の形態8に示した汚水処理装置のように汚泥を多く含む汚水を沈殿槽61から混合槽1に供給する際に返送手段62を使用せず、返送手段62による汚泥の返送を常時継続できることから、混合処理プロセスによって汚水の好気性処理に影響を与えることがないという効果がある。
【0078】
実施の形態12.
図14はこの発明の実施の形態12における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図10と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図14の汚水処理装置は、実施の形態8の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図14の汚水処理装置では、吸引ポンプ99を備えた汚水供給管2の吸引側を沈殿槽61内に浸漬配置し、吐出側を混合槽1で開放して、沈殿槽61内の余剰の汚泥を多く含む汚水を混合槽1へ直接供給可能としている点が実施の形態8と大きく相違している。
沈殿槽61内の汚水供給管2の吸引側の開口位置は、良好な沈殿処理が可能な最上位置の汚泥界面(上澄汚水と汚泥を多く含む汚水との境界面)よりも低い位置に設けるとよい。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態8の場合と同様である。
【0079】
以上、この実施の形態12における汚水処理装置によれば、実施の形態11と同様の効果がある。
【0080】
実施の形態13.
図15はこの発明の実施の形態13における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図9と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図15の汚水処理装置は、実施の形態7の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図15の汚水処理装置(処理プロセスが連続式の汚水処理装置)では、図9の混合槽1に代えて、汚水供給管2と希釈水供給管3とを放流管7に合流することで、汚水と希釈水を混合して混合水を生成し、放流管7内に配設された計測器4の計測センサ4aで、混合水の浮遊物質濃度を計測可能とした点が実施の形態7と大きく相違している。
汚水供給管2との合流点から下流側の所定位置の放流管7には、低部に水溜り部7aが設けられ、常時混合水が溜まるようになっており、その水溜り部7aの混合水に浸漬するように計測センサ4aが配置されている。計測器4は、その計測センサ4aが常時水に浸漬した状態を維持しておかなければ、混合水の浮遊物質濃度を正常に計測できない。放流管7が通常の円管であって、そこに計測センサ4aを配置した場合、計測センサ4aは、移送ポンプ34によって混合水が希釈水貯留槽31から送水されている間だけしか、浸漬状態とならない。放流管7に水溜り部7aを設けておくことにより、移送ポンプ34による混合水の送水のない時間帯においても、常に計測センサ4aは浸漬状態となる。
また、水溜り部7aの底部には、開閉弁7bを有する水抜管7cが配設されている。通常時は、開閉弁7bは閉止状態となっている。移送ポンプ34による混合水の送水が長時間ない場合、水溜り部7a内の混合水は、上澄汚水と汚泥を多く含む汚水とに沈殿分離してしまい、底部に汚泥を多く含む汚水が滞留してしまい、移送ポンプ34による混合水の送水が行われても滞留した汚泥を多く含む汚水が流れず、堆積してしまう恐れがあり、また送水されてくる混合水を計測器で計測する際、実際の浮遊物質濃度よりも高い値を示してしまうおそれがある。この場合に、この汚水処理装置をメンテナンスしている作業員が開閉弁7bを開く、あるいは、開閉弁7bを電気信号で開閉制御可能な弁としておき、制御盤13によって一定時間ごとに開弁するようにすると、堆積した汚泥を多く含む汚水を底部7aから排出することができる。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態7の場合と同様である。
また、この実施の形態13に示した汚水と希釈水とから混合水を生成する配管構成については、実施の形態4、実施の形態6、実施の形態8から実施の形態12に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0081】
以上、この実施の形態13における汚水処理装置によれば、実施の形態7に示した効果のほかに、系外へ混合水を連続して放流する際の放流量、放流する時間帯等の規制のない場合には、混合槽1を不要とすることができる効果がある。
【0082】
実施の形態14.
図16はこの発明の実施の形態14における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図9と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図16の汚水処理装置は、実施の形態7の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図16の汚水処理装置では、図9の混合槽1内に浮遊物質濃度を計測する計測器4に代えて、混合槽1内の水位を検知する水位検知器70を配設した点、汚水と希釈水の混合処理プロセスについて回分式のみ適用可能である点が実施の形態7と大きく相違している。
ただし、混合槽1内で生成される混合水を下水道等の放流基準値が法令で定められているところに放流する場合であり、その生成された混合水の浮遊物質濃度が確実にその基準値以下であることを証明する必要があるような場合においては、水位検知器70と一緒に計測器4を配設することが望ましい。
【0083】
この実施の形態14に示す汚水処理装置では、混合槽1に配設された水位検知器70が検知する水位は3段階で設定されている。
設定されている最低水位は、放流ポンプ6を停止する放流ポンプ停止水位である(フロートスイッチ70aの位置)。
次の高さに設定されている汚水供給水位は、最低水位に新たに混合水を生成する際に供給すべき汚水量の体積と、混合槽1の床面積から算定された汚水の必要水位を加算した水位である(フロートスイッチ70bの位置)。
最高水位は、放流ポンプ6を起動する水位であり、同様に算定された希釈水の水位を加算した希釈水供給水位である(フロートスイッチ70cの位置)。
以下、混合槽1での混合処理プロセスについて説明する。
【0084】
<混合槽1での混合処理プロセス>
撹拌機8は、常時起動、あるいは、下記の(2)と(3)のプロセスの間に起動させて汚水と希釈水を混合するようにする。
(1)放流ポンプ停止水位(フロートスイッチ70aの位置)のときに、汚水供給管2の移送ポンプ92を起動して、引抜槽91から混合槽1へ汚水を供給し、汚水供給水位(フロートスイッチ70bの位置)に達したときに、移送ポンプ92を停止する。
(2)希釈水供給管3の移送ポンプ34を起動して、希釈水供給管3から混合槽1へ希釈水を供給し、希釈水供給水位(フロートスイッチ70cの位置)に達したときに、移送ポンプ34を停止する。
(3)撹拌機8によって汚水と希釈水が均一に混合された段階で、放流ポンプ6を起動して放流管7より系外に混合水を放流する。放流ポンプ停止水位(フロートスイッチ70aの位置)まで放流したとき、放流ポンプ6を停止する。
【0085】
なお、この実施の形態14に示した混合槽1での混合処理プロセスについては、実施の形態6から実施の形態12に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
図16の汚水処理装置では、フロートスイッチ70bの水位を適した位置に変更することを行うことで、混合槽1に先に希釈水を供給してから汚水を供給する順序でも混合処理が可能である。
水位検知器70には、図16で示したフロートスイッチ70a,70b,70cのほかに、電極棒、超音波式水位センサ、圧力式水位センサ、気泡式水位センサ等も適用可能である。フロートスイッチ70a,70b,70cは、安価であるが、撹拌機8の撹拌流の影響を受けやすいので、混合槽1内で影響の少ない平面位置に配置するとよいが、水位検知器70には、超音波式水位センサ、圧力式水位センサ、気泡式水位センサを適用するとより好ましい。
また、汚水貯留槽21と希釈水貯留槽31に浮遊物質濃度を計測する計測器をそれぞれ配設し、さらに、水位検知器70に水位センサを適用すると、汚水貯留槽21内の希釈される側の汚水の浮遊物質濃度と希釈水貯留槽31内の希釈水の浮遊物質濃度を計測器で計測した結果を基に、制御器13で混合槽1内に流入させる汚水および希釈水の水量を計算し、その水量に応じた混合槽1内に流入させる希釈水の水位を決定し、希釈水を混合槽1に流入させて水位センサがその水位を感知したときに汚水の混合槽1へ汚水の供給を行うことで浮遊物質濃度が上限値以下の混合水を確実に生成できる。
【0086】
以上、この実施の形態14における汚水処理装置によれば、実施の形態7に示した効果のほかに、混合槽1に供給される汚水および希釈水の浮遊物質濃度が比較的安定している場合においては、混合槽1に設置されている浮遊物質濃度を計測する計測器4と、汚水供給管2および希釈水供給管3に設置されている2台の流量計に代えて、水位検知器70を1台設置するだけでよく、設置コストや制御器までの配線作業量を低減できる効果がある。また、水位検知器70は、浮遊物質濃度の計測器4に比べて計測誤差が小さく、また、故障も少なく、信頼性の高い混合処理が可能な効果がある。
【0087】
実施の形態15.
図17はこの発明の実施の形態15における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図16と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図17の汚水処理装置は、実施の形態14の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。また、汚水と希釈水の混合処理プロセスについても回分式のみ適用可能である。
図17の汚水処理装置では、ろ過水貯留槽81の所定水位の側面に開口を設けるとともに、混合槽1の側面に開口を設け、両水槽を連通するように希釈水供給管3を接続して、余剰分のろ過水を越流させて、混合槽1に供給する構成とし、希釈水流入管32を混合槽1で開口して、ろ過水以外の希釈水を混合槽1に流入させる構成とした点が実施の形態14と大きく相違している。
【0088】
この実施の形態15に示す汚水処理装置では、混合槽1に配設された水位検知器70が検知する水位は3段階で設定されている。設定されている最低水位は、放流ポンプを停止する放流ポンプ停止水位である(フロートスイッチ70aの位置)。次の高さに設定されている希釈水供給水位は、最低水位に新たに混合水を生成する際に供給すべき希釈水量の体積と混合槽の床面積から算定された希釈水の必要水位を加算した水位である(フロートスイッチ70bの位置)。最高水位は、放流ポンプを起動する水位であり、希釈水供給水位に同様に算定された汚水の水位を加算した汚水供給水位である(フロートスイッチ70cの位置)。
以下、混合槽1での混合処理プロセスについて説明する。
【0089】
<混合槽1での混合処理プロセス>
撹拌機8は、常時起動、あるいは、下記の(2)と(3)のプロセスの間に起動させて汚水と希釈水を混合するようにする。
(1)ろ過水に余剰分が発生したとき、ろ過水貯留槽81から越流して希釈水供給管3より混合槽1に希釈水が供給される。
(2)混合槽1内の水位が希釈水供給水位(フロートスイッチ70bの位置)に達したとき、汚水供給管2の移送ポンプ92を起動して、引抜槽91から混合槽1へ汚水を供給し、汚水供給水位(フロートスイッチ70cの位置)に達したときに、移送ポンプ92を停止する。
(3)撹拌機8によって汚水と希釈水が均一に混合された段階で、放流ポンプ6を起動して、放流管7より系外に混合水を放流する。放流ポンプ6の停止水位まで放流したとき、放流ポンプ6を停止する。
(4)(1)のプロセスの際に、余剰のろ過水が少なく、希釈水供給水位(フロートスイッチ70bの位置)に達する前に、引抜槽91内の余剰の汚泥を多く含む汚水や逆洗水等の汚水の水位が貯留可能水位となった場合には、希釈水流入管32より、ろ過水以外の希釈水を希釈水供給水位(フロートスイッチ70bの位置)になるまで供給して、(2)のプロセスに進む。
【0090】
なお、この実施の形態15に示した混合槽1での混合水の生成プロセスについては、実施の形態6から実施の形態12に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
図17の汚水処理装置では、図16の汚水処理装置と異なり、必ず混合槽1に希釈水を供給してから汚水を供給する必要がある。
水位検知器70に関しては、実施の形態14と同様の各水位センサが適用可能である。
また、混合槽1内で生成される混合水を下水道等の放流基準値が法令で定められているところに放流する場合であり、その生成された混合水の浮遊物質濃度が確実にその基準値以下であることを証明する必要があるような場合においては、水位検知器70と一緒に計測器4を配設することが望ましい。
【0091】
以上、この実施の形態15における汚水処理装置によれば、実施の形態14に示した効果のほかに、希釈水貯留槽31を不要とすることができる効果がある。
【0092】
実施の形態16.
図18はこの発明の実施の形態16における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図9と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図18の汚水処理装置は、実施の形態7の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図18の汚水処理装置では、沈殿槽61からの返送管62cにおける汚水の返送先をばっ気槽51に代えて、汚水貯留槽21としている点、汚水貯留槽21に散気機101が配設し、汚水貯留槽21でも汚水の好気性処理を行っている点が上記実施の形態7と大きく相違している。
【0093】
汚水貯留槽21は、汚水流入管22を通って流入した汚水(以下、流入汚水という)と、沈殿槽61から返送手段62によって返送された汚水(以下、返送汚水という)とを一時的に貯留するものであり、汚水貯留槽21には、微細な気泡を汚水中に吐出する散気機101が設置されている。
この散気機101は、汚水貯留槽21内の底部に配置した複数の散気管101cと、汚水貯留槽21の外部に配置したブロワ101aと、散気管101cとブロワ101aを接続する空気供給管101bとから構成してある。散気管101cの構造に関しては、ばっ気槽51の散気管52cと同様のものが適用可能である。
沈殿槽61からの返送汚水には、多量の好気性微生物を含有する汚泥が存在しているので、汚水貯留槽21では、流入汚水と返送汚水を混合し、この混合水中の有機物の一部を好気性微生物によって吸着・分解することとなる。
【0094】
この汚水貯留槽21は、建物内の床下ピットを利用する躯体水槽、あるいは、床上スペースを利用する床上設置型水槽を使用することができる。汚水貯留槽21を躯体水槽とする場合には、床上スペースをその他の目的に活用できるので好ましいが、汚水貯留槽21の内面にエポキシ樹脂などのライニングによる防水層を形成する必要がある。汚水貯留槽21を床上設置型水槽とする場合には、汚水貯留槽21をFRP、ポリプロピレンなどの合成樹脂や、鋼板、ステンレス鋼などの金属や、コンクリートで形成することができる。
【0095】
ばっ気槽51は、汚水貯留槽21で有機物を分解し切れなかった汚水を更に浄化処理するものである。即ち、汚水貯留槽21から移送ポンプ53により計量槽54及び移送管55を通じて移送された汚水中の有機物を汚泥中の好気性微生物によって分解するものである。
ばっ気槽51は、汚水貯留槽21とほぼ同様の構造および材質とすることができる。ばっ気槽51には、微細な気泡を汚水中に吐出する散気機52が設置されている。
汚水貯留槽21の散気管101c、ばっ気槽51の散気管52cのそれぞれに空気供給源のブロワ101a,52aを設置しているが、ブロワの能力が十分であれば、ブロワ101a,52aのうちいずれかを設置して共用してもよい。
【0096】
なお、汚水貯留槽21とばっ気槽51は、撹拌機101,52によって常時散気する必要があるので、例えば、一般の活性汚泥法による汚水処理方式と同様に、汚水貯留槽21とばっ気槽51には、腐敗ガスが水槽外に漏洩しないように水槽内部を負圧状態とするため、およびそれらの内部で発生した腐敗ガスの臭気を低減して排出するための図示しない排気手段が設置されている。この排気手段は、例えば、汚水貯留槽21とばっ気槽51からそれぞれ立ち上げた排気用分岐管と、これらの排気用分岐管を合流させた1本の排気用本管と、この排気用本管に順次に配設したミストセパレータ、排気ファン、および脱臭塔によって構成している。
【0097】
ばっ気槽51で好気性処理された汚水は、送水管56から沈殿槽61に送水されるが、沈殿槽61以降の浄化処理に関する事項、汚水と希釈水の混合処理のプロセスに関する事項等については、実施の形態7の汚水処理装置と同様である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態7の場合と同様である。
また、この実施の形態16に示した汚水貯留槽21でも好気性処理を行う浄化処理プロセスについては、実施の形態6、実施の形態8から実施の形態15に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0098】
以上、この実施の形態16における汚水処理装置によれば、微細な気泡を汚水中に吐出する散気機101を汚水貯留槽21に配設し、好気性微生物が存在する汚泥を多く含む返送汚水を沈殿槽61から汚水貯留槽21に返送するので、沈殿槽61内で嫌気性傾向にあった汚水中の汚泥を汚水貯留槽21において再活性化させることができる。したがって、再活性化させた汚泥中の好気性微生物によって、汚水貯留槽21において流入汚水中の有機物を吸着・分解させることが可能となり、汚水貯留槽21において流入汚水を好気性処理できるという大きな効果がある。
【0099】
また、この実施の形態16における汚水処理装置によれば、汚水貯留槽21において流入汚水と返送汚水を接触させると共に、それらの汚水を散気機101によって散気するので、汚泥中の好気性微生物が汚水中の有機物を吸着する吸着時間を確保できる。また、吸着した有機物を分解できるので、分解時間の一部も確保できる。さらに、ばっ気槽51では、好気性微生物が全ての有機物を分解するまでの最低限の分解時間だけ汚水を滞留させればよいので、ばっ気槽51の容量を大幅に低減できるという大きな効果がある。これに対し、ばっ気槽51の容量を図9のばっ気槽51と同じにすれば、有機物を分解する処理能力を大幅に向上させることができるという大きな効果がある。
【0100】
さらに、この実施の形態16における汚水処理装置によれば、汚水貯留槽21において好気性処理を行うので、汚水貯留槽21内の汚水が嫌気性化することによる硫化水素などの腐敗ガスの発生を大幅に低減でき、それに起因する臭気の問題を解消できるという大きな効果がある。
また、腐敗ガスの発生を大幅に低減できるので、それに起因する汚水貯留槽21内のライニングの劣化や移送ポンプ53の劣化を大幅に抑えることが可能となり、ライニングの補修や移送ポンプ53の交換の頻度を大幅に低減でき、補修・交換の手間や費用を大幅に低減できるという大きな効果がある。
また、ライニングの材質を腐敗ガス対応のものではなく通常のものを使用でき、かつ移送ポンプ53も耐食性の低い一般仕様のものを使用できるので、システムの施工のイニシャルコストを大幅に削減できるという大きな効果がある。そして、腐敗ガスの発生を大幅に低減できることから、システムから流出する排気ガスの臭気が低減するので、脱臭塔などの脱臭装置を従来よりも小容量化でき、イニシャルコストを削減できるという効果がある。その上に、定期的に交換する必要のある活性炭や脱臭菌のなどの量が低減するので、ランニングコストも大幅に低減できるという大きな効果がある。
【0101】
そして、この実施の形態16における汚水処理装置によれば、汚水貯留槽21内で汚水の好気性処理を行うので、汚水中の油分を好気性微生物に吸着させることが可能となり、油分が汚水貯留槽21の側面に付着することを大幅に低減できる。この結果として、汚水貯留槽21の清掃回数が大幅に減少し、清掃のための人件費や付着物を産業廃棄物として処分する費用が大幅に低減するという大きな効果がある。
【0102】
実施の形態17.
図19はこの発明の実施の形態17における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図18と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図19の汚水処理装置は、実施の形態16の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図19の汚水処理装置では、再ばっ気槽111を設けて、沈殿槽61からの返送管62cにおける汚水の返送先を再ばっ気槽111とし、再ばっ気槽111と汚水貯留槽21とを連通管113で接続した点が実施の形態16と大きく相違している。
【0103】
沈殿槽61では、汚水を静置して上層の上澄汚水と下層の汚水とに分離する沈殿処理を行う。下層の汚水には多くの汚泥が含まれる。上層の上澄汚水は越流堰を越流し、上澄汚水移送管67を経て上澄水移送管67に移送される。この場合にも、越流堰を越流する上澄汚水の量は、ばっ気槽51から沈殿槽61に流れ込む汚水の量から、沈殿槽61から再ばっ気槽111へ返送される汚泥を多く含む汚水の量を差し引いた量となる。
一方、沈降して沈殿槽31の底面に散在した汚泥を多く含む汚水は、返送ポンプ62aにより計量槽62b、返送管62c及び三方弁65を通じて再ばっ気槽111に返送される。
【0104】
再ばっ気槽111は、ばっ気槽51と同様の構造となっているが、図19では、散気機112については、空気供給管112bの散気管112cに接続している端部とは反対側の端部は、散気機52の空気供給管52bに分岐接続しており、ブロワ52aを共用している。ブロワ52aの空気供給量が、散気管52c,112cが必要とする空気量を供給できない場合には、別に再ばっ気槽111への散気用のブロワを設ける必要がある。また、汚水貯留槽21の散気機101のブロワ101aの供給能力が十分であれば、共用することも可能である。
再ばっ気槽111では、撹拌機112の散気管112cから空気を吐出し、嫌気性傾向にあった汚泥を多く含む汚水をばっ気する。これにより、汚泥中の好気性微生物が再活性化して有機物を吸着・分解可能な状態に回復し、既に自らが吸着している有機物の分解と汚水中の有機物の吸着・分解とを行なう。
また、好気性微生物は、ばっ気槽51および再ばっ気槽111で有機物を分解する際に自己増殖するため汚泥量が増加しているが、再ばっ気槽111内の全ての有機物を分解し尽くすと、その後に好気性微生物は自己酸化(共食い)を始めるので、増えすぎた汚水中の好気性微生物が減少し、適正な汚泥量となる。
そして、好気性微生物が減少した汚泥を多く含む汚水は、連通管113を通って汚水貯留槽21へ流れる。再ばっ気槽111における処理によって、既に汚泥中の好気性微生物は活性化しているので、汚泥を多く含む汚水が汚水貯留槽21に流入して、既に貯留されている未処理の汚水と混合した時には、好気性微生物は、その汚水中の有機物を即座に吸着して分解を始める。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態7の場合と同様である。
また、この実施の形態17に示した汚水貯留槽21でも好気性処理を行う浄化処理プロセスについては、実施の形態6、実施の形態8から実施の形態15に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0105】
以上のように、この実施の形態17における汚水処理装置によれば、汚水貯留槽21、ばっ気槽51及び再ばっ気槽111の3槽において好気性処理を行うので、図18の汚水処理装置と同じ総設置容積でも、全体の浄化能力を飛躍的に上昇させることができるという大きな効果がある。また、図18の汚水処理装置と同じ浄化能力で処理する場合には、汚泥中の好気性微生物の自己酸化をより促進することが可能となり、余剰汚泥の発生量を大幅に抑制できるという効果がある。したがって、混合処理プロセスによって、希釈する対象となる余剰の汚泥を多く含む汚水量が大幅に減少して、使用する希釈水量を大幅に削減することができるので、余剰のろ過水が少ない浄化処理装置の場合においても、汚水処理装置の混合処理プロセスで余剰の汚泥を多く含む汚水を処理することが可能となる効果がある。
【0106】
実施の形態18.
図20はこの発明の実施の形態18における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図20の汚水処理装置は、実施の形態6の汚水処理装置と同様、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量ではなく一部だけを浄化処理する、いわゆる部分処理タイプの処理装置である。
図20の汚水処理装置では、汚水の浄化処理方式を活性汚泥法から接触ばっ気方式に変更した点、即ち、ばっ気槽51に代えて、接触材121aを備えている接触ばっ気槽121とした点が実施の形態6と大きく相違している。
接触ばっ気槽121には、ブロワ124a、空気供給管124b、散気管124cで構成される散気機124が配設されている。散気管124cは、接触材121aの下端よりも底面の高さ位置であり、接触材121aから多少離れた平面位置に設置されている。
接触ばっ気槽121での接触ばっ気方式による浄化処理は、まず、散気管124cより比較的微細な気泡を汚水に吐出することで、汚水中の溶存酸素量を増大させ、また気泡による浮力で散気管124cの直上の汚水に上昇流を発生させる。次に、接触ばっ気槽121の上方まで上昇した汚水は、接触材121aの上方に流れていき、そこから下降流に変わって、接触材121a内を下降していく。このとき、接触材121aに保持されている汚泥中の好気性微生物と溶存酸素を多く含む汚水とが接触することによって、好気性微生物は汚水中の有機物を吸着し、溶存酸素を消費して有機物を分解して浄化処理が行われる。そして、接触材121aを通過して槽内の底面付近に達した汚水は、散気管124cの方に流れていく。以上の流れで接触ばっ気槽121内の汚水は浄化処理されている。
汚水の浄化処理が継続されていくと、接触材121a内で汚泥中の好気性微生物が増殖し続ける。その結果として発生する余剰分の好気性微生物を含む汚泥は、接触材121aから剥離し、旋回流によって汚水中に混合された状態となる。そして、この汚泥を含む汚水は、送水管を経て、沈殿槽61に流入し、そこで上澄汚水と汚泥を多く含む汚水に沈殿処理される。上澄汚水は、越流して上澄汚水移送管67を通じて上澄汚水貯留槽71に移送される。一方、沈殿槽61の底部に滞留する汚泥を多く含む汚水は、一定時間ごとに、移送ポンプ63によって吸引され、引抜管66を通じて汚水貯留槽21に移送される。
また、接触材121aが目詰まりして、汚水の通過水量が低下して、浄化処理に支障をきたす状況になった場合、接触材121aの下方に配設されている図示しない散気管から散気することによって、余剰の汚泥を強制的に剥離させる。この散気が終了した後、剥離した余剰の汚泥の大半は、水槽底面に沈降して堆積する。この堆積した汚泥は、移送ポンプ122によって周りの汚水とともに吸引し、引抜き管123を通じて、汚水貯留槽21に移送される。
この実施の形態18の汚水処理装置の浄化処理プロセスには、接触ばっ気方式を適用したが、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態6の場合と同様である。
また、この実施の形態18に示した接触ばっ気方式による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態8から実施の形態15に示した各汚水処理システムを部分処理タイプに変更した場合にも適用可能である。
【0107】
以上、この実施の形態18における汚水処理装置によれば、実施の形態6に示した効果のほかに、汚水の浄化処理方式に接触ばっ気方式を適用した場合においても、汚水と希釈水とを放流基準値内に混合して系外に放流することができる効果がある。
【0108】
実施の形態19.
図21はこの発明の実施の形態19における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図9と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図21の汚水処理装置は、実施の形態7の汚水処理装置と同様、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図21の汚水処理装置では、汚水の浄化処理方式を活性汚泥法から接触ばっ気方式に変更した点、即ち、ばっ気槽51に代えて、接触材121aを備えている接触ばっ気槽121とした点が実施の形態7と大きく相違している。
接触ばっ気方式の浄化処理プロセス、接触ばっ気槽の構造等に関しては、実施の形態18に示した汚水処理装置と同様である。
この実施の形態19の汚水処理装置の浄化処理プロセスには、接触ばっ気方式を適用したが、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態7の場合と同様である。
また、この実施の形態19に示した接触ばっ気方式による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態8から実施の形態15に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0109】
以上、この実施の形態19における汚水処理装置によれば、実施の形態7に示した効果のほかに、汚水の浄化処理方式に接触ばっ気方式を適用した場合においても、汚水と希釈水とを放流基準値内に混合して系外に放流することができる効果がある。
【0110】
実施の形態20.
図22はこの発明の実施の形態20における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図8と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図22の汚水処理装置は、実施の形態6の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、かつ、汚水貯留槽21に貯留さる汚水の全量ではなく一部だけを浄化処理する、いわゆる部分処理タイプの処理装置である。
図22の汚水処理装置では、沈殿槽61、上澄汚水貯留槽71及びろ過器82からなるろ過処理の構成に代えて、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理の構成とした点が実施の形態6と大きく相違している。
【0111】
ばっ気槽51で好気性処理された汚水は、送水管56を通じて、膜分離槽131に移送される。膜分離槽131には、膜分離器133が汚水に浸漬配置されているが、この膜分離器133は、汚水中にろ過膜が露出した状態になっており、膜分離器133のろ過水吐出口に接続された吸引管138に配設された吸引ポンプ134によって吸引することにより、汚水がろ過膜内に吸引され、このとき汚水からろ過水を生成するろ過処理が行われ、ろ過水貯留槽81にろ過水が移送されるようになっている。
ろ過水貯留槽81に配設されている移送ポンプ85に接続している逆洗水供給管76の他端は、三方弁を介して、吸引ポンプ134の一次側の吸引管138に接続されており、膜分離器133を逆流洗浄する場合には、三方弁を逆洗水供給管76側に流路を切り替えて、移送ポンプ85を起動することにより、ろ過水を膜分離器133に送水して逆流洗浄が行われる。
膜分離槽131で汚水のろ過処理を継続すると、汚水中にろ過膜を通過できなかった汚泥等の不純物が増大していき、水槽の底部に汚泥を多く含む汚水が滞留してろ過処理に支障をきたす。また、ばっ気槽51内の汚水中の汚泥濃度が低下して、好気性処理にも支障をきたす。このため、返送ポンプ132a,計量槽132b、返送管132cおよび越流管132dで構成される返送手段132によって、定量的に汚泥を多く含む汚水をばっ気槽51に返送するようになっている。
また、返送管132cには、三方弁65が配設され、その三方弁65の返送管132cが接続されていない接続口には、引抜管66の一端が接続されており、他端を汚水貯留槽21で開口して、余剰の汚泥を多く含む汚水を汚水貯留槽21に返送することが可能なようになっている。
なお、膜分離器133には、中空糸膜構造のものや、平膜構造のもの等が適用可能である。
また、図22では、膜分離器133を膜分離槽131内に浸漬配置する槽内浸漬型のものとしたが、それに代えて床上設置型の膜分離器を適用してもよい。その場合には、吸引管138の膜分離槽131側の端部を水槽内の汚水中に開口するように配置し、床上部分の吸引管138に床上設置型の膜分離器を配設する構成とするとよい。逆洗水移送管76については、適用した膜分離器の仕様に則して配設するとよい。
この実施の形態20の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態6の場合と同様である。
また、この実施の形態20に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態8から実施の形態15に示した各汚水処理システムを部分処理タイプに変更した場合にも適用可能である。
【0112】
以上、この実施の形態20における汚水処理装置によれば、実施の形態6に示した効果のほかに、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理を適用した場合においても、汚水と希釈水とを放流基準値内に混合して系外に放流することができる効果がある。
【0113】
実施の形態21.
図23はこの発明の実施の形態21における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図9と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図23の汚水処理装置は、実施の形態7の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図23の汚水処理装置では、実施の形態20の場合と同様、沈殿槽61、上澄汚水貯留槽71及びろ過器82からなるろ過処理の構成に代えて、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理の構成とした点が実施の形態7と大きく相違している。
この実施の形態21の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態7の場合と同様である。また、膜分離槽131および膜分離器133廻りに関する事項については、実施の形態20の場合と同様である。
また、この実施の形態21に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態13、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0114】
以上、この実施の形態21における汚水処理装置によれば、実施の形態7に示した効果のほかに、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理を適用した場合においても、汚水と希釈水とを放流基準値内に混合して系外に放流することができる効果がある。
【0115】
実施の形態22.
図24はこの発明の実施の形態22における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図10と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図24の汚水処理装置は、実施の形態8の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図24の汚水処理装置では、沈殿槽61、上澄汚水貯留槽71及びろ過器82からなるろ過処理の構成に代えて、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理の構成とした点が実施の形態8と大きく相違している。
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態8の場合と同様である。また、膜分離槽131および膜分離器133廻りに関する事項については、実施の形態20の場合と同様である。
この実施の形態22の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
この実施の形態22に示した三方弁136および汚水供給管2の構成については、実施の形態9に示した汚水処理システムでの三方弁96および汚水供給管2の構成、ならびに実施の形態10に示した各汚水処理システムでの制御弁97および汚水供給管2の構成にも適用可能である。
また、この実施の形態22に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態13、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0116】
以上、この実施の形態22における汚水処理装置によれば、実施の形態8に示した効果のほかに、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理を適用した場合においても、汚水と希釈水とを放流基準値内に混合して系外に放流することができる効果がある。
【0117】
実施の形態23.
図25はこの発明の実施の形態23における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図16と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図25の汚水処理装置は、実施の形態14の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図25の汚水処理装置では、沈殿槽61、上澄汚水貯留槽71及びろ過器82からなるろ過処理の構成に代えて、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理の構成とした点が実施の形態14と大きく相違している。
【0118】
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態14の場合と同様である。また、膜分離槽131および膜分離器133廻りに関する事項については、実施の形態20の場合と同様である。
この実施の形態23の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
また、この実施の形態23に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0119】
以上、この実施の形態23における汚水処理装置によれば、実施の形態14に示した効果のほかに、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理を適用した場合においても、汚水と希釈水とを放流基準値内に混合して系外に放流することができる効果がある。
【0120】
実施の形態24.
図26はこの発明の実施の形態24における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図17と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図26の汚水処理装置は、実施の形態15の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図26の汚水処理装置では、沈殿槽61、上澄汚水貯留槽71及びろ過器82からなるろ過処理の構成に代えて、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理の構成とした点が実施の形態15と大きく相違している。
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態15の場合と同様である。また、膜分離槽131および膜分離器133廻りに関する事項については、実施の形態20の場合と同様である。
この実施の形態24の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
また、この実施の形態24に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0121】
以上、この実施の形態24における汚水処理装置によれば、実施の形態15に示した効果のほかに、槽内浸漬型の膜分離器133を配置した膜分離槽131からなるろ過処理を適用した場合においても、汚水と希釈水とを放流基準値内に混合して系外に放流することができる効果がある。
【0122】
実施の形態25.
図27はこの発明の実施の形態25における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図22と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図27の汚水処理装置は、実施の形態20の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、かつ、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量ではなく一部だけを浄化処理する、いわゆる部分処理タイプの処理装置である。
図27の汚水処理装置では、膜分離槽131に槽内の汚水をばっ気する散気機139(ブロワ139a,空気供給管139b及び散気管139cから構成)を設置することで、膜分離槽131で好気性処理行えるようにしてばっ気槽51を不要とした点と、ばっ気槽51を不要としたことから返送手段132を不要とした点と、引抜ポンプ140を備えた引抜管66によって膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を汚水貯留槽21に移送する点とが、実施の形態20と大きく相違している。
この実施の形態25の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項、膜分離器133に関する事項等、その他の事項については、実施の形態20の場合と同様である。
また、この実施の形態25に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態8から実施の形態15に示した各汚水処理システムを部分処理タイプに変更した場合にも適用可能である。
【0123】
以上、この実施の形態25における汚水処理装置によれば、実施の形態20に示した効果のほかに、膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を引抜ポンプ140のON/OFF制御を行うだけで、汚水貯留槽21に移送することができるので、制御器13の制御回路を簡略化できる効果がある。
また、ばっ気槽51を不要とすることができることから、散気管139cを槽内に設置したことによる膜分離槽131の設置面積の増加分を差し引いたとしても、汚水処理装置全体での水槽の設置面積を小さくすることができる効果がある。さらに、常時汚泥を多く含む汚水を返送する必要がないことから、汚水処理装置が消費する電力を抑制できる効果がある。
【0124】
実施の形態26.
図28はこの発明の実施の形態26における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図23と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図28の汚水処理装置は、実施の形態21の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図28の汚水処理装置では、膜分離槽131に槽内の汚水をばっ気する散気機139を設置することで、膜分離槽131で好気性処理行えるようにしてばっ気槽51を不要とした点と、ばっ気槽51を不要としたことから返送手段132を不要とした点と、引抜ポンプ140を備えた引抜管66によって膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を引抜槽91に移送する点とが、実施の形態21と大きく相違している。
この実施の形態26の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態7の場合と同様である。また、膜分離槽131および膜分離器133廻りに関する事項については、実施の形態25の場合と同様である。
また、この実施の形態26に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態13、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0125】
以上、この実施の形態26における汚水処理装置によれば、実施の形態21に示した効果のほかに、膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を引抜ポンプ140のON/OFF制御を行うだけで、引抜槽91に移送することができるので、制御器13の制御回路を簡略化できる効果がある。
また、ばっ気槽51を不要とすることができることから、散気管139cを槽内に設置したことによる膜分離槽131の設置面積の増加分を差し引いたとしても、汚水処理装置全体での水槽の設置面積を小さくすることができる効果がある。さらに、常時汚泥を多く含む汚水を返送する必要がないことから、汚水処理装置が消費する電力を抑制できる効果がある。
【0126】
実施の形態27.
図29はこの発明の実施の形態27における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図24と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図29の汚水処理装置は、実施の形態22の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図29の汚水処理装置では、膜分離槽131に槽内の汚水をばっ気する散気機139を設置することで、膜分離槽131で好気性処理行えるようにしてばっ気槽51を不要とした点と、ばっ気槽51を不要としたことから返送手段132を不要とした点と、引抜ポンプ140を備えた汚水供給管2によって膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を混合槽1に移送する点とが、実施の形態22と大きく相違している。
この実施の形態27の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態7の場合と同様である。また、膜分離槽131および膜分離器133廻りに関する事項については、実施の形態25の場合と同様である。
また、この実施の形態27に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態13、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0127】
膜分離槽131内に設置する計測器23においては、計測器4の場合と同様、散気管139cから吐出する気泡によって浮遊物質濃度計測で悪影響を受けやすく、計測対象の汚水の浮遊物質濃度が高く短期間で計測センサ23aに汚れが付着する。よって、計測器23の計測センサ23aには、計測器4の計測センサ4aと同様に気泡の影響を受けにくくする対策を講じることや、検知部分の汚れへの対策を講じることが望ましい。
【0128】
以上、この実施の形態27における汚水処理装置によれば、実施の形態22に示した効果のほかに、膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を引抜ポンプ140のON/OFF制御を行うだけで、混合槽1に移送することができるので、制御器13の制御回路を簡略化できる効果がある。
また、ばっ気槽51を不要とすることができることから、散気管139cを槽内に設置したことによる膜分離槽131の設置面積の増加分を差し引いたとしても、汚水処理装置全体での水槽の設置面積を小さくすることができる効果がある。さらに、常時汚泥を多く含む汚水を返送する必要がないことから、汚水処理装置が消費する電力を抑制できる効果がある。
【0129】
実施の形態28.
図30はこの発明の実施の形態28における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図25と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図30の汚水処理装置は、実施の形態23の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図30の汚水処理装置では、膜分離槽131に槽内の汚水をばっ気する散気機139を設置することで、膜分離槽131で好気性処理行えるようにしてばっ気槽51を不要とした点と、ばっ気槽51を不要としたことから返送手段132を不要とした点と、引抜ポンプ140を備えた引抜管66によって膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を引抜槽91に移送する点とが、実施の形態23と大きく相違している。
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態23の場合と同様である。また、膜分離槽131および膜分離器133廻りに関する事項については、実施の形態25の場合と同様である。
この実施の形態28の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
また、この実施の形態28に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0130】
以上、この実施の形態28における汚水処理装置によれば、実施の形態23に示した効果のほかに、膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を引抜ポンプ140のON/OFF制御を行うだけで、引抜槽91に移送することができるので、制御器13の制御回路を簡略化できる効果がある。
また、ばっ気槽51を不要とすることができることから、散気管139cを槽内に設置したことによる膜分離槽131の設置面積の増加分を差し引いたとしても、汚水処理装置全体での水槽の設置面積を小さくすることができる効果がある。さらに、常時汚泥を多く含む汚水を返送する必要がないことから、汚水処理装置が消費する電力を抑制できる効果がある。
【0131】
実施の形態29.
図31はこの発明の実施の形態29における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図26と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図31の汚水処理装置は、実施の形態24の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図31の汚水処理装置(処理プロセスが回分式の汚水処理装置)では、膜分離槽131に槽内の汚水をばっ気する散気機139を設置することで、膜分離槽131で好気性処理行えるようにしてばっ気槽51を不要とした点と、ばっ気槽51を不要としたことから返送手段132を不要とした点と、引抜ポンプ140を備えた汚水供給管2によって膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を混合槽1に移送する点とが、実施の形態24と大きく相違している。
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態24の場合と同様である。また、膜分離槽131および膜分離器133廻りに関する事項については、実施の形態25の場合と同様である。
この実施の形態29の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
また、この実施の形態29に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0132】
以上、この実施の形態29における汚水処理装置によれば、実施の形態24に示した効果のほかに、膜分離槽131内の余剰の汚泥を多く含む汚水を引抜ポンプ140のON/OFF制御を行うだけで、混合槽1に移送することができるので、制御器13の制御回路を簡略化できる効果がある。
また、ばっ気槽51を不要とすることができることから、散気管139cを槽内に設置したことによる膜分離槽131の設置面積の増加分を差し引いたとしても、汚水処理装置全体での水槽の設置面積を小さくすることができる効果がある。さらに、常時汚泥を多く含む汚水を返送する必要がないことから、汚水処理装置が消費する電力を抑制できる効果がある。
【0133】
実施の形態30.
図32はこの発明の実施の形態30における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図22と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図32の汚水処理装置は、実施の形態20の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、かつ、汚水貯留槽21に貯留さる汚水の全量ではなく一部だけを浄化処理する、いわゆる部分処理タイプの処理装置である。
図32の汚水処理装置では、図22の槽内浸漬型の膜分離器133に代えて、床上設置型の膜分離器137を設置した点が実施の形態20と大きく相違している。
この膜分離器137は、クロスフロー型のものを適用している。クロスフロー型の膜分離器は、内部がろ過膜137aを境界に1次側室137bと2次側室137cに分かれており、1次側室137bには汚水流入口と汚水流出口が設けられ、2次側室137cにはろ過水流出口が設けられた構造となっている。
そして、この膜分離器137によるろ過処理は、吸引ポンプ134によって膜分離槽131内に浸漬配置した吸引管から膜分離槽131内の汚水を吸引して1次側室137bの汚水流入口に圧送することにより、ろ過膜137aを通過して2次側室137cに達したろ過水がろ過水流出口からろ過水貯留槽81に送水され、1次側に残った汚水は再び膜分離槽131に戻されるようになっている。
なお、図32の膜分離器137では、容器内に平面状のろ過膜137aを設けて1次側室137bと2次側室137cに分割した構成であるが、容器内に中空糸膜を多数束ねて、中空糸膜の内側を1次側室とし、外側を2次側室とした構成も適用可能である。
この実施の形態30の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態6の場合と同様である。
また、この実施の形態30に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態8から実施の形態15に示した各汚水処理システムを部分処理タイプに変更した場合にも適用可能である。
【0134】
以上、この実施の形態30における汚水処理装置によれば、実施の形態20に示した効果のほかに、1次側室137bの汚水の流れが、ろ過膜137aに対して平行となっているため、ろ過膜137aの付着物を洗い流す効果があり、通常の膜分離器と比較して、ろ過能力回復措置のための逆流洗浄を行う頻度を低減できる効果がある。
【0135】
実施の形態31.
図33はこの発明の実施の形態31における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図23と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図33の汚水処理装置は、実施の形態21の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図33の汚水処理装置では、図23の槽内浸漬型の膜分離器133に代えて、床上設置型の膜分離器137を設置した点が実施の形態21と大きく相違している。
この膜分離器137も、実施の形態30の汚水処理装置の場合と同様にクロスフロー型のものを適用している。
この実施の形態31の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
なお、汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態7の場合と同様である。また、膜分離槽131廻りに関する事項および膜分離器137に関する事項については、実施の形態30の場合と同様である。
また、この実施の形態31に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態13、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0136】
以上、この実施の形態31における汚水処理装置によれば、実施の形態21に示した効果のほかに、1次側室137bの汚水の流れが、ろ過膜137aに対して平行となっているため、ろ過膜137aの付着物を洗い流す効果があり、通常の膜分離器と比較して、ろ過能力回復措置のための逆流洗浄を行う頻度を低減できる効果がある。
【0137】
実施の形態32.
図34はこの発明の実施の形態32における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図24と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図34の汚水処理装置は、実施の形態22の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図34の汚水処理装置では、図24の槽内浸漬型の膜分離器133に代えて、床上設置型の膜分離器137を設置した点が実施の形態22と大きく相違している。
この膜分離器137も、実施の形態30の汚水処理装置の場合と同様にクロスフロー型のものを適用している。
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態8の場合と同様である。また、膜分離槽131廻りに関する事項については、実施の形態30の場合と同様である。
この実施の形態22の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
この実施の形態37に示した三方弁136および汚水供給管2の構成については、実施の形態9に示した汚水処理システムでの三方弁96および汚水供給管2の構成、ならびに実施の形態10に示した各汚水処理システムでの制御弁97および汚水供給管2の構成にも適用可能である。
また、この実施の形態32に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態13、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0138】
以上、この実施の形態32における汚水処理装置によれば、実施の形態22に示した効果のほかに、1次側室137bの汚水の流れが、ろ過膜137aに対して平行となっているため、ろ過膜137aの付着物を洗い流す効果があり、通常の膜分離器と比較して、ろ過能力回復措置のための逆流洗浄を行う頻度を低減できる効果がある。
【0139】
実施の形態33.
図35はこの発明の実施の形態33における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図25と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図35の汚水処理装置は、実施の形態23の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図35の汚水処理装置(処理プロセスが回分式の汚水処理装置)では、図25の槽内浸漬型の膜分離器133に代えて、床上設置型の膜分離器137を設置した点が実施の形態23と大きく相違している。
この膜分離器137も、実施の形態30の汚水処理装置の場合と同様にクロスフロー型のものを適用している。
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態14の場合と同様である。また、膜分離槽131廻りに関する事項については、実施の形態30の場合と同様である。
この実施の形態33の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
また、この実施の形態33に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0140】
以上、この実施の形態33における汚水処理装置によれば、実施の形態23に示した効果のほかに、1次側室137bの汚水の流れが、ろ過膜137aに対して平行となっているため、ろ過膜137aの付着物を洗い流す効果があり、通常の膜分離器と比較して、ろ過能力回復措置のための逆流洗浄を行う頻度を低減できる効果がある。
【0141】
実施の形態34.
図36はこの発明の実施の形態34における汚水処理装置の処理フロー図である。図において、図26と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図36の汚水処理装置は、実施の形態24の汚水処理装置と同様、汚水を活性汚泥法による好気性処理を施した後、ろ過処理を行って排水再利用水を生成する浄化処理装置に対して、実施の形態2に示す汚水処理装置の構成を適用したものであり、汚水貯留槽21に貯留される汚水の全量を浄化処理する、いわゆる全量処理タイプの処理装置である。
図36の汚水処理装置(処理プロセスが回分式の汚水処理装置)では、図26の槽内浸漬型の膜分離器133に代えて、床上設置型の膜分離器137を設置した点が実施の形態24と大きく相違している。
この膜分離器137も、実施の形態30の汚水処理装置の場合と同様にクロスフロー型のものを適用している。
汚水処理装置に関する混合処理プロセスについての事項等、その他の事項については、実施の形態15の場合と同様である。また、膜分離槽131廻りに関する事項については、実施の形態30の場合と同様である。
この実施の形態34の汚水処理装置の浄化処理プロセスにおいても、接触ばっ気方式、回転板接触方式、散水ろ床方式等の浄化処理プロセスに代替可能である。
また、この実施の形態34に示した浸漬型膜分離器のろ過処理による汚水の浄化方式プロセスについては、実施の形態16および実施の形態17に示した各汚水処理システムにも適用可能である。
【0142】
以上、この実施の形態34における汚水処理装置によれば、実施の形態24に示した効果のほかに、1次側室137bの汚水の流れが、ろ過膜137aに対して平行となっているため、ろ過膜137aの付着物を洗い流す効果があり、通常の膜分離器と比較して、ろ過能力回復措置のための逆流洗浄を行う頻度を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】この発明の実施の形態1における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図2】この発明の実施の形態1における汚水処理装置の混合槽の立面配置図である。
【図3】この発明の実施の形態1における汚水処理装置の混合槽の平面配置図である。
【図4】この発明の実施の形態2における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図5】この発明の実施の形態3における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図6】この発明の実施の形態4における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図7】この発明の実施の形態5における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図8】この発明の実施の形態6における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図9】この発明の実施の形態7における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図10】この発明の実施の形態8における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図11】この発明の実施の形態9における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図12】この発明の実施の形態10における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図13】この発明の実施の形態11における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図14】この発明の実施の形態12における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図15】この発明の実施の形態13における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図16】この発明の実施の形態14における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図17】この発明の実施の形態15における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図18】この発明の実施の形態16における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図19】この発明の実施の形態17における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図20】この発明の実施の形態18における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図21】この発明の実施の形態19における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図22】この発明の実施の形態20における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図23】この発明の実施の形態21における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図24】この発明の実施の形態22における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図25】この発明の実施の形態23における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図26】この発明の実施の形態24における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図27】この発明の実施の形態25における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図28】この発明の実施の形態26における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図29】この発明の実施の形態27における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図30】この発明の実施の形態28における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図31】この発明の実施の形態29における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図32】この発明の実施の形態30における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図33】この発明の実施の形態31における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図34】この発明の実施の形態32における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図35】この発明の実施の形態33における汚水処理装置の処理フロー図である。
【図36】この発明の実施の形態34における汚水処理装置の処理フロー図である。
【符号の説明】
【0144】
1 混合槽
1d ポンプ釜場
2 汚水供給管
3 希釈水供給管
4 計測器
4a 計測センサ
4b 変換器
6 放流ポンプ
7 放流管
7a 水溜り部
7b 開閉弁
7c 水抜管
8 撹拌機
8a ブロワ
8b 空気供給管
8c 散気管
9,10 流量計
11,12 制御弁
13 制御器
21 汚水貯留槽
22 汚水流入管
23 計測器
23a 計測センサ
23b 変換器
24 移送ポンプ
31 希釈水貯留槽
32 希釈水流入管
33 計測器
33a 計測センサ
33b 変換器
34 移送ポンプ
41 放流槽
42 移送ポンプ
43 混合水移送管
44 撹拌機
44a ブロワ
44b 空気供給管
44c 散気管
51 ばっ気槽
52 散気機
52a ブロワ
52b 空気供給管
52c 散気管
53 移送手段
53a 移送ポンプ
53b 計量槽
53c 移送管
53d 越流管
56 送水管
61 沈殿槽
62 返送手段
62a 返送ポンプ
62b 計量槽
62c 返送管
62d 越流管
63 移送ポンプ
65 三方弁
66 引抜管
67 上澄汚水移送管
68 三方弁
69 混合水返送管
70 水位検知器
70a,70b,70c フロートスイッチ
71 上澄汚水貯留槽
72 移送ポンプ
73 上澄汚水送水管
74,75 制御弁
76 逆洗水移送管
81 ろ過水貯留槽
82 ろ過器
83,84 制御弁
85 移送ポンプ
86,89 制御弁
87 過水供給管
88 ろ過水移送管
91 引抜槽
92 移送ポンプ
93 三方弁
94 三方弁
96 三方弁
97 制御弁
98 制御弁
99 吸引ポンプ
101 散気機
101a ブロワ
101b 空気供給管
101c 散気管
111 再ばっ気槽
112 散気機
112b 空気供給管
112c 散気管
113 連通管
121 接触ばっ気槽
121a 接触材
122 移送ポンプ
123 引抜管
124 散気機
124a ブロワ
124b 空気供給管
124c 散気管
131 膜分離槽
132 返送手段
132a 返送ポンプ
132b 計量槽
132c 返送管
132d 越流管
133 膜分離器
134 吸引ポンプ
135 三方弁
136 三方弁
137 膜分離器
137a ろ過膜
137b 1次側室
137c 2次側室
138 吸引管
139 散気機
139a ブロワ
139b 空気供給管
139c 散気管
140 引抜ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水供給管および希釈水供給管を備える混合槽と、該混合槽内の汚水および希釈水を撹拌する撹拌機と、撹拌された混合水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて汚水供給管および/または希釈水供給管の混合槽への供給量を制御する制御器とからなる汚水処理装置。
【請求項2】
厨房排水および/または汚泥を貯留する汚水貯留槽と、希釈水を貯留する希釈水貯留槽と、汚水供給管および希釈水供給管を備える混合槽と、該混合槽の汚水および希釈水を撹拌する撹拌機と、撹拌された混合水の浮遊物質濃度を計測する計測器と、該計測器からの信号に応じて汚水供給管および/または希釈水供給管の混合槽への供給量を制御する制御器とからなる汚水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2007−105720(P2007−105720A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156390(P2006−156390)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(000147383)株式会社西原衛生工業所 (17)
【Fターム(参考)】