汚水生物処理方法を用いた汚泥処理方法、及び汚泥処理装置と装置
【課題】本発明は、汚泥処理方法及びその装置を提供するものである。
【解決手段】汚泥処理方法は、(1)汚水生物処理過程において生成された汚泥フィードと、汚泥と水を含む第一混合液とを混合し、第二混合液を生成し、(2)第二混合液に酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)第三混合液に無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成し、(5)上清液を排出し、(6)第一濃縮混合液の少なくとも一部を第一混合液としてステップ(1)に返還する、ステップを有し、ステップ(1)に返還しない第一濃縮混合液の汚泥量を汚泥フィードの汚泥量より小さくする。本発明は、前記汚泥処理方法が汚水生物処理中への応用をさらに係わる。汚泥処理方法は、長期安定に運行することを実現でき、汚泥を排出する必要がない。
【解決手段】汚泥処理方法は、(1)汚水生物処理過程において生成された汚泥フィードと、汚泥と水を含む第一混合液とを混合し、第二混合液を生成し、(2)第二混合液に酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)第三混合液に無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成し、(5)上清液を排出し、(6)第一濃縮混合液の少なくとも一部を第一混合液としてステップ(1)に返還する、ステップを有し、ステップ(1)に返還しない第一濃縮混合液の汚泥量を汚泥フィードの汚泥量より小さくする。本発明は、前記汚泥処理方法が汚水生物処理中への応用をさらに係わる。汚泥処理方法は、長期安定に運行することを実現でき、汚泥を排出する必要がない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2009年12月1日に出願された、中国特許出願200910249722.X、及び本出願は2010年1月15日に出願された、中国特許出願201010000737.5に基づく。本明細書中に中国特許出願200910249722.X、及び中国特許出願201010000737.5の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照して取り込むものとする。
【0002】
本発明は、汚水生物処理方法を用いた汚泥処理方法、及び汚泥処理装置に関し、特に、汚泥減量化処理方法、汚泥減量化処理装置および汚泥減量化処理方法を有する汚泥減量化汚水生物処理方法ならびに泥減量化汚水生物処理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
水質汚染への関心が日毎に高まる中、各種汚水を安価に処理することが求められている。現在、全世界中で数万に上る汚水処理場が運用している中、環境意識や環境保護への要望が高まっており、更に多くの汚水処理場の建設が予定されている。
【0004】
微生物を用いて汚水を浄化処理する生物学的汚水処理法は、浄化効率が高く、エネルギー消費が低いという突出した利点を有し、汚水処理に広く用いられている。活性汚泥法と生物膜法をはじめとする汚水生物処理プロセスは、水汚染低減の分野で多大な成功を得た。しかし、この汚水生物処理プロセスにも改善の余地がある。
【0005】
例えば、実際の運用過程で、多数の汚水生物処理場は以下の問題が抱える。すなわち、(1)汚水(汚水生物処理場で処理される汚水)の水量が不足することにより、主に先進設計と汚水排水システム故障が発生し、汚水処理装置の運転に影響すること。(2)汚水の水質が不安定であること。主な原因は、工業廃水排入システム及び休日と季節変化等による生活習慣改変等が衝撃的な負荷を与えて汚水処理効果に影響すること。(3)カーボン源が不足すること。これは各汚水処理場に共通する問題でであり、主に現代の生活習慣に起因するもので、生物の栄養物が偏り、窒素とリンの除去効果に影響する。
【0006】
これらの問題に直面する際に、従来の活性汚泥法では以下の欠陥を示した。すなわち、(1)曝気槽内の生物濃度が低い。(2)水質、水量についての衝撃的な負荷に耐える能力が劣り、安定した運転ができない。(3)汚泥の膨張が発生しやすい。(4)汚泥の産量が多い。(5)基礎建設と運転費用が高く、敷地面積が大きくなる等である。なお、運転費用とは、設備を運転するのに必要な、電力費、燃料費、消耗品の購入費、人件費その他の費用を意味する。
【0007】
特に、近年の汚水生物処理プロセスにおいて最も注目される問題は、大量の余剰汚泥が発生することである。汚泥処理の費用は高額であり、汚水処理場建設と運転の総費用の約50%〜60%程度に占める。余剰汚泥は、特別な処理を必要とするため、汚水処理の運転費用が増加すると共に、選択可能な汚泥処理方法も制限される。よく知られる汚泥減量方法には、嫌気性消化と好気性消化(Aerobic digestion)を含む消化法があり、それ以外にも、例えば、湿式酸化法を含む汚泥熱処理法、重力濃縮法や気体浮き濃縮法を含む汚泥濃縮法、機械脱水や化学凝集法を含む汚泥脱水法、自然ドライ法やオーブンドライ法を含む汚泥ドライ法がある。しかし、これらの汚泥減量方法により、汚泥排水の問題を完全に解決できるわけではない。
【0008】
特許文献1には、汚泥還流消化減量の汚水処理方法が開示されている。この汚水処理方法では、余剰汚泥を嫌気性沈澱槽に戻し、汚泥消化減量するように嫌気性沈澱槽下部の沈澱汚泥区で長期に蓄積し、汚水フィードが嫌気性沈澱槽を通過後、汚水処理を行い、浄化水と余剰汚泥を生成している。すなわち、この汚水処理方法では、嫌気性沈殿槽に残った汚泥を定期的に除去する必要がある。
【0009】
また、特許文献2には、活性汚泥汚水処理システムおよびその方法が開示されている。この、活性汚泥汚水処理システムおよびその方法では、接触タンクで汚泥を用いて汚水を処理し、その後、固液分離器で汚泥と水を分離し、汚泥消化減量するように、分離された汚泥と一部の汚水を消化タンクに混合して曝気し、曝気後の汚泥と水とを混合した混合液の一部を接触タンクに戻し、その一部を排出する。
【0010】
また、現有の汚水生物処理プロセスは、一般的にリンの除去効果が良くない。リンは、水自身の富栄養化の主な因子であり、かつ、人類が持続的に発展するための重要な元素である。従って、現在は、水自身中のリン含量のコントロールがより厳格になり、かつ、次第に単一の「除去」から「回収」に転換するようになった。現在の脱リンプロセスは、リン蓄積細菌(phosphorus-accumulating bacteria)が嫌気性釈放したリンを、好気性状態下で大量のリン摂取現象に基づいて、最終的に除去するため、ある固定量の汚泥を排出しなければならない。このことは、汚泥減量に対して巨大な挑戦になる。
【0011】
上述のとおり、上述した問題、特に、汚泥減量の問題を解決するために、依然として新しい汚泥処理方法と汚水生物処理方法を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】中国特許出願公開第101481191号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0030003号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点に係る汚泥処理方法は、(1)生物学的汚水処理ステップにおいて生成された汚泥フィードと、第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、(2)上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)上記第四混合液を分離して、上清液と第一濃縮混合液を生成し、(5)上記上清液を排出するとともに、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還し、かつ、上記ステップ(1)に返還されない、上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくする、ステップを有する。
【0014】
上記本発明の第1の観点に係る汚泥処理方法において、上記ステップ(5)において、上記第一濃縮混合液の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を、第一混合液として上記ステップ(1)に返還するとともに、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液を排出する。
【0015】
換言すると、上記ステップ(5)において、上記ステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量と汚泥フィードの汚泥量の比例は、任意の好適な値でも良く、例えば約40%より少なく、約35%より少なく、約30%より少なく、約25%より少なく、約20%より少なく、約15%より少なく、約13%より少なく、約10%より少なく、約8%より少なく、約5%より少なく、約3%より少なく、約1%より少なく、及び約0%の中から選択される。
【0016】
また、上記ステップ(5)において、基本的に、第一濃縮混合液の全部を第一混合液として上記ステップ(1)に返還する。
【0017】
また、上記ステップ(1)において、有機栄養物、汚泥フィードおよび第一混合液を混合し、第二混合液を生成し、上記有機栄養物は、好ましくは汚水フィードである。つまり、上記ステップ(1)は、上記汚水フィードを上記第一混合液に混合する処理をさらに有する。
【0018】
また、上記ステップ(1)において、汚泥フィードと汚水フィードとの流量比が1:0.01〜1:100、好ましくは1.0:0.1〜1.0:10.0、さらに好ましくは1:0.5〜1:5.0である。具体的に言うと、汚泥フィードと汚水フィードとの流量比は、任意好適な値でも良く、例えば1:100〜1:50、1:50〜1:20、1:20〜1:10、1:10〜1:5、1:5〜1:2、1:2〜1:1.5、1:1.5〜1:1、1:1〜1:0.8、1:0.8〜1:0.5、1:0.5〜1:0.2、1:0.2〜1:0.1、1:0.1〜1:0.05、1:0.05〜1:0.02及び1:0.02〜1:0.01の中から選択される。
【0019】
また、前記ステップ(2)における酸素供給処理の処理時間は0.1時間〜4.0時間、好ましくは0.5時間〜2.0時間、さらに好ましくは0.5時間〜1.5時間である。
【0020】
また、前記ステップ(3)における無酸素処理の処理時間は0.8時間〜6.0時間、好ましくは1.0時間〜4.0時間、さらに好ましくは1.0時間〜3.0時間である。
【0021】
また、酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比は、1.0:0.5〜1.0:6.0、好ましくは1.0:1.0〜1.0:3.0、さらに好ましくは1.0:1.5〜1.0:2,0、最も好ましくは1.0:2.0である。
【0022】
また、前記ステップ(2)の酸素供給処理を、間欠的な曝気または連続的な曝気により行う。
【0023】
また、前記ステップ(2)における第三混合液の溶存酸素濃度は0.1mg/L〜4.0mg/L、好ましくは1.5mg/L〜3.0mg/L、さらに好ましくは2.0mg/L〜3.0mg/Lである。
【0024】
また、上記ステップ(3)、及び上記ステップ(4)における処理を沈澱方式により行う。
【0025】
また、上記ステップ(1)における第二混合液の汚泥濃度は3000mg/L〜30000mg/L、好ましくは3000mg/L〜20000mg/L、さらに好ましくは4000mg/L〜15000mg/Lである。
【0026】
また、通気微生物が第一混合液、第二混合液、第三混合液および第四混合液の汚泥中の優勢種類である。
【0027】
また、上記ステップ(2)及び/または上記ステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する。
【0028】
本発明の第2の観点に係る汚水生物処理方法は、(1)汚水生物処理ステップにおいて生成された汚泥フィードと、第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、(2)上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)上記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成し、(5)上記上清液を排出するとともに、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還し、かつ、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくし、(6)上記ステップ(5)において排出した前記上清液の少なくとも一部および任意選択できる部分の汚水フィードに対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液、及び浄化出水を生成し、(7)上記浄化出水を排出するとともに、上記ステップ(6)において生成した上記第二濃縮混合液の少なくとも一部を、汚泥フィードとして上記ステップ(6)に返還する、ステップを有し、上記ステップ(1)に返還された上記汚水フィード、上記汚泥フィードおよび上記第一混合液を混合し、上記第二混合液を生成し、および/または、上記ステップ(6)において、上記ステップ(5)において排出された上清液の少なくとも一部とともに汚水生物処理を行い、ステップ(1)において、好ましくは、上記汚水フィードの少なくとも一部、上記汚泥フィードおよび上記第一混合液を混合し、上記第二混合液を生成し、上記ステップ(1)において、さらに好ましくは、上記汚水フィードの全部、上記汚泥フィードおよび上記第一混合液を混合し、上記第二混合液を生成する。
【0029】
上記本発明の第2の観点に係る汚水生物処理方法において、上記ステップ(5)において、上記第一濃縮混合液の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を、上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還するとともに、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液を排出する。
【0030】
また、上記ステップ(6)において、上記ステップ(5)において排出した上清液の少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%、さらに好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%に対して汚水生物処理を行う。
【0031】
また、上記ステップ(1)において、汚水フィードの少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%、さらに好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を導入するとともに、上記ステップ(6)において、上記ステップ(1)において導入しない汚水フィードを導入する。
【0032】
好ましくは、上記ステップ(1)において、汚水フィードの全部を導入するとともに、上記ステップ(6)において汚水フィードを導入しない。
【0033】
また、上記ステップ(2)における上記酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である。
【0034】
また、上記ステップ(3)における無酸素処理の処理時間は0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間である。
【0035】
また、上記酸素供給処理の処理時間と上記無酸素処理の処理時間との比は、1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2である。
【0036】
また、上記ステップ(2)の上記酸素供給処理は、間欠的な曝気または連続的な曝気の方式により行う。
【0037】
また、上記ステップ(2)における上記第三混合液の溶存酸素濃度は0.1〜4mg/L、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2〜3mg/Lである。
【0038】
また、上記ステップ(3)および上記ステップ(4)における処理を沈澱方式により行う。つまり、無酸素処理、分離処理および沈澱(好ましくは沈澱槽による沈澱)により完成させる。
【0039】
また、上記ステップ(1)における上記第二混合液の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである。
【0040】
また、上記ステップ(2)および/または上記ステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する。
【0041】
また、上記ステップ(7)において、ステップ(1)に返還して汚泥フィードとする第二濃縮混合液の、第二濃縮混合液全体に占める割合が、1〜100%、好ましくは約80〜100%、さらに好ましくは約100%である。
【0042】
また、上記ステップ(7)において、上記ステップ(1)に返還される上記第二濃縮混合液の、上記ステップ(1)における上記汚泥フィード全体に占める割合が、1〜100%、好ましくは約80〜100%、さらに好ましくは約100%である。
【0043】
また、上記ステップ(6)は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、又はこれらの処理方法を組合せたもの中から選択される汚水生物処理ステップである。
【0044】
本発明の第3の観点に係る汚泥処理装置は、汚水フィード、汚泥フィードおよび第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、上記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成する第4手段と、上記上清液を排出する第5手段と、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を、第一混合液として上記第1手段に返還するとともに、上記第一設備に返還されない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、を備える。
【0045】
上記本発明の第3の観点に係る汚泥処理装置において、上記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4.0時間とし、好ましくは0.5〜2.0時間とし、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように第2手段を構成する。
【0046】
また、上記無酸素処理の処理時間を、0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間になるように第3手段を設ける。
【0047】
また、上記酸素供給処理の処理時間と上記無酸素処理の処理時間との比を、1:0.5〜1:6とし、好ましくは1:1〜1:3とし、さらに好ましくは1:1.5〜1:2とし、最も好ましくは1:2とするように第2手段および第3手段を構成する。
【0048】
また、上記第2手段を曝気槽により構成する。
【0049】
また、上記第3手段および上記第4手段を沈澱槽により構成する。つまり、上記第3手段および上記第4手段を共に沈澱槽とする。
【0050】
また、上記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集、かつ、回収可能に構成された回収手段をさらに備える。
【0051】
本発明の第4の観点に係る汚水生物処理装置は、汚泥フィードと第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、上記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成する第4手段と、上記上清液を排出する第5手段と、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を、第一混合液として上記第1手段に返還するとともに、上記第一設備に返還しない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、上記第5手段により排出した上清液の少なくとも一部に対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液および浄化出水を生成する第7手段と、上記浄化出水を排出する第8手段と、上記第1手段に導入した上記汚水フィード、上記汚泥フィードおよび上記第一混合液を混合して上記第二混合液を生成し、および/または、上記第7手段に返還した上記上清液とともに汚水生物処理を行う第9手段と、上記第二濃縮混合液の少なくとも一部を、第1手段に返還する第10手段と、を備える。
【0052】
上記本発明の第4の観点に係る汚水生物処理装置において、上記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように第2手段を構成する。
【0053】
また、上記無酸素処理の処理時間を、0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間とするように第3手段を構成する。
【0054】
また、上記酸素供給処理の処理時間と上記無酸素処理の処理時間の比を、1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2とするように上記第2手段および上記第3手段を構成する。
【0055】
また、上記第2手段を曝気槽により構成する。
【0056】
また、上記第3手段および上記第4手段を沈澱槽により構成する。つまり、上記第3手段および上記第4手段を共に沈澱槽とする。
【0057】
また、上記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集、かつ、回収可能な回収手段をさらに備える。
【0058】
また、上記第7手段は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せたもの中から選択される汚水生物処理を行う処理手段である。
【0059】
本発明の第5の観点に係る汚水生物処理において生成された汚泥中のカーボン、窒素とリン含量を低下させる方法は、汚泥を汚泥フィードとして前記汚泥処理方法によりその中のカーボン、窒素とリンの含量を低下させるステップを有する。
【0060】
本発明の第6の観点に係る汚水中のカーボン、窒素とリン含量を低下させる方法は、汚水を汚水フィードとして前記汚水生物処理方法によりその中のカーボン、窒素とリンの含量を低下させるステップを有する。
【0061】
本発明の第7の観点に係る汚水生物処理過程において生成された汚泥中のリンを回収する方法は、(i)汚泥を汚泥フィードとして前記汚泥処理方法によりその中の含リン化合物、特に溶液方式で存在する含リン化合物を、気体の状態にある含リン化合物に転換して排気するステップと、(ii)上記ステップ(i)において排気した気体の状態にある含リン化合物を回収するステップと、を有する。
【0062】
本発明の第8の観点に係る汚水中のリンを回収する方法は、
(i)汚水を汚水フィードとして前記汚水生物処理方法によりその中の含リン化合物、特に溶液方式で存在する含リン化合物を、気体の状態にある含リン化合物に転換して排気するステップ(i)と、(ii)上記ステップ(i)において排気した気体の状態にある含リン化合物を回収するステップ(ii)と、を有する。
【0063】
本発明の第9の観点に係る汚泥減量化処理方法は、(a)汚水フィードおよび汚水生物処理ステップにおいて生成された第一汚泥を、酸素供給処理区、好ましくは曝気槽、に導入するステップと、(b)上記酸素供給処理区中の混合液に対して酸素供給処理を行うステップと、(c)上記酸素供給処理を行った混合液を、無酸素処理区、好ましくは沈澱槽に導入して処理を行い、第二汚泥および上清液を生成するステップと、(d)上記第二汚泥の少なくとも一部を酸素供給処理区に返還するとともに、上記第二汚泥の残りの一部を排出するステップと、を有し、上記ステップ(d)において排出した第二汚泥のMLSS総量を、上記第一汚泥のMLSS総量より小さくし、上記酸素供給処理は、間欠的な曝気または連続的な曝気により行うものである。
【0064】
上記本発明の第9の観点に係る汚泥減量化処理方法において、上記ステップ(d)において、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、酸素供給処理区に返還する。
【0065】
また、上記ステップ(d)における上記酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である。
【0066】
また、上記酸素供給処理区において、上記酸素供給処理された混合液の出口溶存酸素濃度は0.1〜4mg/L、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2〜3mg/Lである。
また、上記酸素供給処理区の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである。
【0067】
また、上記ステップ(b)および/または上記ステップ(c)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する処理をさらに有する。
【0068】
本発明の第10の観点に係る汚泥減量化処理装置は、汚水生物処理ステップにおいて生成された第一汚泥を接収する第一入口、第二汚泥の少なくとも一部を接収する第二入口、および任意に選択された汚水フィードを接収する第三入口を有する酸素供給処理区と、酸素供給処理区において生成された混合液を処理し、上清液および第二汚泥を生成する無酸素処理区と、上記第二汚泥の少なくとも一部を、酸素供給処理区に返還する循環装置と、を備え、上記酸素供給処理区は、接収した上記第一汚泥、上記第二汚泥および上記汚水フィードに対して、間欠的な曝気または連続的な曝気による酸素供給処理を行うものである。
【0069】
また、上記循環装置は、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0070】
また、上記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように酸素供給処理区を構成する。
【0071】
また、上記酸素供給処理区および上記無酸素処理区において生成れた気体の状態にある含リン化合物を回収するリン回収装置をさらに備える。
【0072】
本発明の第11の観点に係る汚泥減量化汚水処理方法は、曝気槽の酸素供給処理区、沈澱槽の無酸素処理区および生物処理区を備える汚水生物処理装置を用いて、汚水フィードに対して、酸素供給処理、無酸素処理、および/または、沈澱処理、さらに汚水生物処理をこの順に行うステップと、上記生物処理区および上記無酸素処理区にそれぞれ存在する、および/または、上記生物処理区および上記無酸素処理区のそれぞれにおいて生成された第一汚泥の少なくとも一部と、第二汚泥の少なくとも一部とを、上記酸素供給処理区に返還し、上記汚水フィードに対して、生物処理を行うと同時に汚泥を消減させるステップと、を有するものである。
【0073】
本発明の第12の観点に係る汚泥減量化汚水処理方法は、(a)汚水フィード、後述するステップ(d)において生成される第二汚泥の少なくとも一部、および後述するステップ(g)において生成される第一汚泥の少なくとも一部を酸素供給処理区、好ましくは曝気槽に導入するステップと、(b)上記酸素供給処理区中の混合液に対して酸素供給処理を行うステップと、(c)酸素供給処理された混合液を、沈澱槽の無酸素処理区、好ましくは沈澱槽に導入して処理を行い、第二汚泥および上清液を生成するステップと、(d)上記第二汚泥の少なくとも一部を、上記酸素供給処理区に返還するとともに、上記第二汚泥の他の一部を排出し、かつ、排出した上記第二汚泥のMLSS総量を、上記酸素供給処理区に返還した前記第一汚泥のMLSS総量より小さくするステップと、(e)上記無酸素処理区において分離した上清液と、任意に選択された他の汚水フィードとを汚水生物処理区に返還するステップと、(f)汚水生物処理区において、上記上清液および前記他の汚水フィードに対して生物処理を行い、上記第一汚泥および出水を生成するステップと、(g)上記第一汚泥の少なくとも一部を上記酸素供給処理区に返還するとともに、上記第一汚泥の他の一部を汚水生物処理区に返還し、または、上記第一汚泥の他の一部を排出するステップと、を有し、前記酸素供給処理は、間欠的な曝気、または、連続的な曝気により行う。
【0074】
上記本発明の第12の観点に係る汚泥減量化汚水処理方法において、上記ステップ(d)において、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0075】
また、上記ステップ(g)において、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0076】
また、上記ステップ(b)における酸素供給処理の処理時間は、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である。
【0077】
また、上記酸素供給処理区における上記酸素供給処理を行った混合液の出口溶存酸素濃度は、0.1〜4.0mg/L、好ましくは1.5〜3.0mg/L、さらに好ましくは2.0〜3.0mg/Lである。
【0078】
また、酸素供給処理区の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである。
【0079】
また、生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する。
【0080】
また、上記ステップ(f)の生物処理は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた処理を行う汚水生物処理ステップである。
【0081】
本発明の第13の観点に係る汚泥減量化汚水処理装置は、曝気槽の酸素供給処理区、沈澱槽の無酸素処理区および汚水生物処理区を備え、上記酸素供給処理区は、汚水フィード入口、上記無酸素処理区に連通する第二汚泥還流管線、および汚水生物処理区に連通する第一汚泥還流管線を有し、上記酸素供給処理区、上記無酸素処理区および上記汚水生物処理区の順で連通し、上記汚水生物処理区は、上記無酸素処理区において排出した上記第二汚泥のMLSS総量を、上記汚水生物処理区に循環して酸素供給処理区に返還した上記第一汚泥のMLSS総量より小さくする。
【0082】
本発明の第14の観点に係る汚泥減量化汚水処理装置は、第一汚泥の少なくとも一部を接収する第一入口と、第二汚泥の少なくとも一部を接収する第二入口と、汚水フィードを接収する第三入口とを有する酸素供給処理区、好ましくは曝気槽と、上記酸素供給処理区において生成した混合液に対して無酸素処理を行い、上清液および第二汚泥を生成する無酸素処理区、好ましくは沈澱槽と、任意に選択された他の汚水フィード入口を有し、前記上清液および上記他の汚水フィードに対して生物処理を行い、第一汚泥および出水を生成する汚水生物処理区と、上記第一汚泥の少なくとも一部を、上記酸素供給処理区に返還する第一循環装置と、上記第二汚泥の少なくとも一部を、上記酸素供給処理区に返還する第二循環装置と、上記第一汚泥の他の一部を排出する、任意に選択された第一汚泥排出装置と、上記第二汚泥の他の一部を排出する、任意に選択された第二汚泥排出装置と、を備え、前記酸素供給処理区は、接収した上記第一汚泥、上記第二汚泥および上記汚水フィードに対して、間欠的な曝気または連続的な曝気による酸素供給処理を行うものである。
【0083】
また、上記第二循環装置は、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0084】
また、上記第一循環装置は、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0085】
また、酸素供給処理の処理時間時間を、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5とするように前記酸素供給処理区を構成する。
【0086】
また、汚水処理装置により生成された気体の状態にある含リン化合物を回収するリン回収装置をさらに備える。
【0087】
また、上記生物処理区は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法および移動床法のいずれかの処理方法、またはこれらの処理方法の組合せた汚水生物処理を行うことができる処理手段である。
【発明の効果】
【0088】
本発明の発明者は、上記汚泥処理方法または汚泥減量化処理方法を用いることで、汚泥を排出する必要がなく、汚泥を蓄積することもなく、長期的に安定して運転できることを実現した。
【0089】
このように、本発明に係る汚泥処理方法または汚泥減量化処理方法によれば、汚泥の排出を基本的に無くすことができ、汚泥排水問題を根本的に解決できる。そのため、社会的および経済的に大きな意義を有する。
【0090】
また、本発明に係る前記汚泥処理方法または汚泥減量化処理方法は、各種好適な汚水生物処理方法と容易に組合せることができるため、新たな汚水生物処理方法を形成することができる。
【0091】
特に、上記汚水生物処理方法により生成された余剰汚泥は、本発明の汚泥処理方法の処理により消化できる。
【0092】
また、本発明の汚泥処理方法により生成された出水(上清液)は、通常に中性(すなわち、pH値が6〜8の間で、特に6.5〜7.5の間である)と呈する。従って、pH値を調節する必要がなく、加えて行う汚水生物処理により排水標準に満たす浄化出水が生成される。
【0093】
最も特に、本発明の汚水生物処理方法によれば、基本的に汚泥を排出しない状況下で、依然として良好なリン消去効果を得ることができる。
【0094】
従来の汚水生物処理方法と比較すると、新しい汚水生物処理方法は、汚泥排水を顕著に減少し、ひいては完全に消去でき、かつ、良好の汚水処理効果と、出水水質、より小さい設備敷地面積、より少ない建設費用と、運転費用と、より高い抗衝撃負荷能力と運行安定性をさらに有する。
【0095】
本発明の上記記汚泥処理方法または汚泥減量化処理方法は、特に、現有の各種汚水生物処理装置を改造することで適用可能であり、これにより、汚泥排出を顕著に減少し、ひいては完全に消去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】従来の活性汚泥法の基本的な処理の手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る汚泥処理方法の一実施形態の処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に基づく汚水生物処理方法または汚泥減量化汚水(生物)処理方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明に基づく汚水生物処理方法または汚泥減量化汚水生物処理方法の他一つ実施形態の処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る汚水生物処理方法の酸化溝法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る汚水生物処理方法のSBR法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る汚水生物処理方法のAB法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る汚水生物処理方法のA/O法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る汚水生物処理方法のA2/O法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る汚水生物処理方法のMSBR法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る汚水生物処理装置の概略構成を示す図である。
【図12】本発明に係る汚水生物処理装置の概略構成を示す図である。
【図13】本発明に係る汚水生物処理装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下説明する実施態様は例示であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0098】
本発明に係る「汚水」とは、生物処理方法を用いて浄化処理可能な有機汚染物を主成分とする汚水である。この汚水は、例えば、工業廃水又は生活汚水、及びこれらの汚水を組み合わせたものであり、都市生活汚水が含まれる。
【0099】
また、汚水は、汚水の排出現場から直接に採集した汚水、下水道網から採集した汚水、採集した汚水を一定期間、貯蔵して得た汚水、または採集した汚水に処理を施した汚水でもよい。この汚水に施す処理は、例えば、生物処理、化学処理または物理処理のいずれか、又はこれらの処理を組み合わせたものである。また、生物処理、化学処理または物理処理とは、発酵、酸−塩基調節、成分調節、濃度調節及び沈澱、ろ過、遠心分離などの処理である。
【0100】
また、本発明に係る「生物学的汚水処理」とは、微生物の代謝作用を利用し、汚水中の有機汚染物(POPs:Persistent Organic Pollutants)を安定な無害物質に転換させる処理方法である。
【0101】
この生物学的汚水処理は、微生物が溶存酸素のもとに分解処理を行う好気性生物処理と、溶存酸素がない状態で分解処理を行う嫌気性生物処理とに大別される。
【0102】
まず、好気性生物処理について説明する。好気性生物処理は、水中に存在する微生物により、汚水を酸化させて浄化する方法である。この好気性生物処理は、活性汚泥法と、生物膜法とに大別される。
【0103】
活性汚泥法は、現在最も広く用いられている汚水処理方法である。この活性汚泥法では、有機物質を大量に含有する汚水に空気を吹き込んみ、一定期間経過させた後、一定期間経過後の汚水中にバイオフロック(bioflocs;製品名)を導入し、活性汚泥を生成する。
【0104】
このようにして形成した活性汚泥には、大量の「生きた」微生物が含まれており、これらの微生物が、水中の有機物質を餌として増殖し、汚水を浄化させる。図1は、活性汚泥法の基本的な処理を示すフローチャートである。
【0105】
一方、生物膜法では、汚水が固体フィラーを流通する。フィラー上には汚泥状の生物膜が生成されており、生物膜に含まれる大量の微生物が、上述した活性汚泥と同様に、汚水を浄化する。生物膜法を用いた浄化処理装置は、例えば、生物ろ過槽、回転バイオディスク、生物接触酸化、及び流動床式微生物処理部により構成される。
【0106】
次に、嫌気性生物処理について説明する。嫌気性生物処理では、通性嫌気性菌(Facultative anaerobes)や偏性嫌気性菌(Obligate anaerobes)が無酸素条件下で有機汚染物を分解する処理技術を利用する。嫌気性生物処理を行うための処理装置は、例えば、消化槽、嫌気性ろ過槽、嫌気性汚泥床、回転ディスク、およびバッフル嫌気性反応器により構成される。
【0107】
汚水中に有機汚染物が複数種類含まれている場合、これらの有機汚染物を浄化するために、複数種類の浄化処理方法が組合せて用いられる。
【0108】
使用される浄化処理方法には、例えば、活性汚泥法として、OSA法(Oxic Settling Anaerobic process;好気性-沈降-嫌気性法)、嫌気性生物処理プロセス(例えば、嫌気性生物ろ過槽、嫌気性回転バイオディスク、嫌気性接触法、UASB法(Up-flow Anaerobic Sludge Blanket process:上向流式嫌気性汚泥床法)、および分段嫌気性消化法など)、硝化内生脱窒法(Wuhrmann process)、A/O法(嫌気-好気法:A/O process)、バーデンホ法(Bardenpho process)、ホレドックス法(Phoredox process)、A2/O法(嫌気-無酸素-好気法;Anaerobic Anoxic Oxic process)、逆A2/O法(好気-無酸素-嫌気法;Oxic Anoxic Anaerobic process)、UCT法(The University of Cape Town process)、MUCT法(The Modified University Cape Town process)、VIP法(Virginia Initiative Plant process)、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法(the Taiwan National Central University Process)、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、SBR法(Sequencing Batch Reactor Process;回分式活性汚泥法)、MSBR法(Modified Sequencing Batch Reactor;改良型回分式活性汚泥法)、ABプロセス、生物膜法であり、また、例えば、生物ろ過槽、回転バイオディスク、生物接触酸化法、流動床式微生物処理部、および曝気可能に構成された生物ろ過槽などを用いて構成された装置を用いる浄化処理方法である。また、上述したこれらの浄化処理方法を組み合わせて用いることもできる。
【0109】
なお本発明における「汚泥」とは、生物学的汚水処理工過程において生成された活性汚泥を含有する汚泥である。また、活性汚泥とは、汚水中に存在する微生物が形成した絮凝体であり、主に水と各種微生物を含有する。各種微生物としては、例えば、好気性菌、嫌気性菌と通気菌、さらに真菌、藻類、原生動物などがある。
【0110】
これらの各種微生物は、汚泥の培養と所在環境の変化に伴い、生存環境に適応するために、汚泥中の各種微生物類群も例えば数量と構成比が変化し、ひいては基因変異等が発生することがある。
【0111】
汚水を生成方法により分類すると、例えば、生活汚水汚泥と工業廃水汚泥に大別できる。
【0112】
また、別の汚泥の生成方法により分類すると、例えば、活性汚泥法二次沈澱槽において生成した汚泥が排出されたもの(余剰汚泥または余剰活性汚泥とも言い、主な成分が微生物と水である)、生物膜法二次沈澱において生成した汚泥が排出されたもの(腐植汚泥とも言い、主な成分が脱落の生物膜である)、汚水処理場の初回沈澱槽において生成した汚泥が排出されたもの(初回沈澱汚泥とも言い、主な成分が固体有機物と微生物などである)、廃水を嫌気性処理した後に排出された汚泥(嫌気性汚泥とも言う)、前記汚泥を消化した後の汚泥(消化汚泥または熟成汚泥とも言う)、および化学沈澱槽において生成された汚泥(化学汚泥ともいう)等がある。
【0113】
汚泥処理の過程で分類すると、例えば、生汚泥または新鮮汚泥(すなわち、任意の汚泥処理を行っていない汚泥)、濃縮汚泥、消化汚泥、脱水汚泥、乾燥汚泥等がある。
【0114】
本実施形態に係る汚泥は、上述した汚泥から任意に選択されたものでも、選択された汚泥を複数種類組合せたものでもよく、特に含水量が90%以上、95%以上、好ましくは97%以上の余剰汚泥、好ましくは新鮮汚泥である。
【0115】
本発明に係る「混合液」とは、上述した汚泥と水によって構成される混合物であり、泥水混合物または泥水混合液ともいう。混合液中に含まれる汚泥には、良好な沈降性能を有するものが好適であり、特に曝気と沈澱過程において汚泥膨脹または汚泥上浮を発生しない。
【0116】
一般的に、混合液の汚泥体積指数(SVI、例えばSVI30で示し、混合液を1000mLメスシリンダー内に30分間静かに置いた後の、1gの活性汚泥懸濁固体に占められる体積を指し、単位はmL/gである)は、酸素供給処理時に発生した汚泥膨脹の最小値より有利的に小さく、例えばSVI30は、200ml/gより小さく、150ml/gより小さく、100ml/gより小さく、または50ml/gより小さくても良い。
【0117】
本発明の「濃縮混合液」とは、上述した混合液から水の一部を分離除去して得た汚泥の濃度を高めた混合液であり、汚泥という場合もある。例えば、第一濃縮混合液を第一汚泥という場合もある。
【0118】
上述した水の分離方法としては、例えば、沈澱分離法、遠心分離法、又はろ過分離法がある。例えば、沈澱分離法を用いて分離処理を行う場合には、混合液中の汚泥はだんだんと沈下し、混合液上部の上清液と、混合液下部の濃縮混合液とに分離する。このとき、濃縮混合液の汚泥濃度は増加する。分離処理の段階によって、混合液全体の体積に占める、上清液を除く下部混合液(濃縮混合液)の割合が異なる。混合液全体の体積に占める濃縮混合液の割合は、例えば、5〜85%(例えば、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%、45〜50%、50〜55%、55〜60%、65〜70%、70〜75%、75〜80%、80〜85%)となる。
【0119】
本発明の「酸素供給処理」とは、酸素と混合液とを接触させる処理であり、特に、酸素含有気体(例えば空気)と混合液を接触させる処理を指す。本発明においては、「酸素供給処理」を酸素含有気体と混合液とを接触させる任意の方法を用いて行う。例えば、酸素含有気体を、流動状態、又はは静止した状態の混合液中に流し込んで行い、特に、酸素含有気体を用いて混合液を曝気させる。
【0120】
好気性処理は、典型的な酸素供給処理である。酸素供給処理は、任意の条件下、例えば、在常圧、又は加圧等の圧力条件や、常温、低温及び/または昇温等の温度条件下で行うことができる。また、酸素供給処理は、任意の方式、例えば、エアブラスト式曝気、機械式曝気、ジェット式曝気等の方式により行うこともできる。さらに、酸素供給処理は、任意の設備、例えば、曝気槽、酸化溝、流動床、移動床式ろ過装置、又は膜設備等の設備を用いて行うこともでき、曝気槽を用いて曝気処理を行うことが好ましい。
【0121】
酸素含有気体としては、空気を用いることが好ましく、全ての曝気処理に用いられる。酸素供給処理では、混合液の溶存酸素濃度を、希望値となるように、だんだんと上昇させる。酸素供給処理の処理時間は、一般的に、混合液を酸素供給処理装置内に留置する時間(又は、混合液が酸素と接触する時間)と、流し込む酸素含有気体の量によって決定される。通常、酸素供給処理において、好気性生物及び通気生物の成長が促進され、嫌気性生物の成長が抑制される。
【0122】
本発明に係る「無酸素処理(anoxic process:アノキシク処理)」とは、酸素含有気体と混合液との接触を回避させる処理のことである。無酸素処理は、酸素含有気体と混合液との接触を避ける任意の方法、例えば、曝気を停止する方法や任意の脱気方法を用いて行われる。
【0123】
本発明には、ニトレート窒素が存在するかどうか、基本的に溶存酸素さえ存在せず、例えば溶存酸素レベルが0.1mg/Lより低い時、無酸素処理状態にあると認められる。
【0124】
つまり、ある文献に記載の無酸素(anoxic)条件(ニトレート窒素があり、溶存酸素がない)と嫌気性条件(ニトレート窒素がなく、溶存酸素もない)下で全て本発明の無酸素処理を行うことができる。
【0125】
例えば、酸素含有気体の排出および溶存酸素の消耗によって、混合液中の溶存酸素濃度は次第に低下し、希望値に達する。溶存酸素濃度の希望値とは、0mg/Lである。
【0126】
特に、無酸素処理は、曝気を停止した状態で、混合液を沈澱槽内でゆっくりに流動させて行う。沈澱槽は、例えば、横流式沈澱槽、縦流式沈澱槽、または径流式沈澱槽が好適である。
【0127】
無酸素処理の処理時間は、一般的に、混合液を無酸素処理装置内に留置する時間により決定される。通常、無酸素処理では、好気性生物及び通気生物の成長が促進され、嫌気性生物の成長が抑制される。
【0128】
本発明の「汚泥量」とは、汚泥含有量のことであり、一般的には、汚泥、汚水、混合液および濃縮混合液のいずれかの中に含まれる固体または懸濁物の量を指す。これら固体または懸濁物には、一般的に、主な生物体と有機固体物質(生物分解できる有機物質と生物分解できない有機物質とを含む)が含まれる。この汚泥量は、MLSS総量で表示される。MLSS(mixed liquor suspended solids)とは、混合液懸濁固体濃度または混合液汚泥濃度を意味し、曝気槽の容積毎の混合液に含まれた活性汚泥固体物の総重量(mg/L)を表示すものである。
【0129】
本発明の第1の観点に係る汚泥処理方法は、(1)汚泥フィードと、第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、(2)上記第一混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)上記第四混合液を分離して、上清液および第一濃縮混合液を生成し、(5)上記上清液を排出するとともに、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還し、かつ、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくすると、ステップを有するものである。
【0130】
本発明の汚泥処理方法では、上記ステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量を、汚泥フィードの汚泥量より小さくする。換言すると、汚泥量の純輸入が存在する。特に、第一濃縮混合液の全部をステップ(1)に返還する場合には、汚泥量の純輸入は、汚泥フィードの汚泥量となる(図2参照)。
【0131】
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、以下のことを発見した。
すなわち、長期運転される時、汚泥量の純輸入が存在しても、混合液中の汚泥量は、依然として相対安定なレベルに保持されるが、無制限に成長することがなく、該レベルは、汚泥フィードの成分と流量及び他の操作条件の影響を受け、例えば汚水フィードが存在する時、汚水フィードの流量の影響も受ける。
【0132】
従って、本発明の汚泥処理方法は、汚泥減量化処理方法である。つまり、本発明の汚泥処理方法は、汚泥フィード中の汚泥を消化でき、汚泥を減量させるものである。好ましい実施方案には、本発明の汚泥処理方法は、汚泥フィードを連続的に導入する状況下で、長期安定に運転され、汚泥を排出する必要がなく、従って、汚泥の排出がなくなる。
【0133】
また、本発明の発明者は、汚泥フィードが、より高い含有量のカーボン、窒素またはリンを含み、かつ、何れの第一濃縮混合液を排出しない場合であっても、上清液に含まれるカーボン、窒素またはリンの含量をより低いレベルに保持することができることを実現した。つまり、本実施形態の汚泥処理方法が、カーボン、窒素またリンを除去するという顕著な効果を有することを発現した。
【0134】
何れの理論の約束を受けず、本発明に係る汚泥処理方法は長期安定に運転され、汚泥の排出を不要とする要因の一部は以下の通りである。
【0135】
まず、排出した汚泥量が、加えた汚泥量より小さいため、混合液中の汚泥量は持続的に増加するはずであるが、安定な運転であって混合液の汚泥濃度が大変高いにも関わらず、持続的に増加せず、高いレベル下で安定を保持する(つまり、安定運転下では、システム中の混合液の汚泥量は基本的に変化しない)。従って、混合液中の生物類群の消化と成長が平衡した状態にある。すなわち、新たに加える汚泥量(汚泥フィードの汚泥量と混合液中の生物が繁殖して増加した汚泥量を含む)と、死亡して消化される汚泥量が動態的に平衡となるため、汚泥量の純成長が生じないと考えられる。
【0136】
既知の各種汚水生物処理方法では、生物が増殖するため、第二沈澱槽の汚泥をプロセスの上流に還流返還するか否かに関係なく、余剰汚泥の全てを排出する。通常は、処理ステップ全体では、汚水原水フィードのみで汚泥の純輸入がない。従って、排出される汚泥量は、加えた汚泥量より常に大きくなる。また、出水の排出要求に満たせるため、第二沈澱槽の出水の溶解性有機物濃度はより低いレベルでなければならず、曝気槽が充分に高い曝気量と充分に長い曝気時間を用いられなければならず、水中の溶解性有機物の濃度を低下させる。しかし、好気性条件下では、一般的に、低い有機物濃度は繊維状菌の増殖に有利に働き、汚泥膨脹を招く。それと同時に、高い曝気量と長い曝気時間は、より高い濃度汚泥を含む混合液が汚泥膨脹を引き起こす可能性をさらに高める。従って、既知の各種活性汚泥法では、曝気槽中の汚泥濃度は、通常より高いレベルになりにくい。つまり、生物類群の消化と成長との平衡状態を実現することができない。さらに、生物に対して悪い環境(例えばより低い栄養物濃度)である場合、既知の汚泥好気性処理方法と汚泥嫌気性処理方法では、一般的に、汚泥の60%未満しか消化できない(すなわち、汚泥を完全に消化することができない)。従って、これら既知の処理方法を用いても、一定量の余剰汚泥を排出する必要が依然としてある。
【0137】
本実施形態に係るの汚泥処理方法の主な目的は、汚泥を消化することであり、排出する上清液に溶解性有機物の濃度を制限なしに、より高いレベルに保つことにある。従って、繊維状菌の増殖を効果的に制限し、酸素需要量(例えば、曝気量)を低下させることで、酸素供給処理、例えば、曝気時に発生する汚泥膨脹の可能性を低くさせた。
【0138】
また、より高いレベルの溶解性有機物は、生物体に充分な栄養を提供し、生物の代謝、繁殖とプロセス死亡に有利な環境を形成する。これにより、汚泥中の生物体は大量に繁殖すると同時に、大量に消化される。
【0139】
また、本実施形態に係る汚泥処理方法では、汚泥を交替し、繰り返して酸素供給処理と無酸素処理とを行うことで、ゾーグレアの増殖に対して有利な環境を形成し、汚泥の沈殿速度と澄み効果とを高めた。従って、本実施形態に係る汚泥処理方法によれば、高濃度の汚泥による汚泥膨脹の発生を防止できる。
【0140】
さらに、第一濃縮混合液が通常にステップ(1)に大量に、ひいては全量を還流して泥齢を相対的に長している(例えば数ヶ月、数年ひいては長い)。従って、繁殖速率が低く、かつ、分解が困難な物質を分解可能な微生物を、正常に成長させることで汚泥の分解作用を高めた。それと同時に、高汚泥濃度条件下で、酸素供給処理と無酸素処理をこの順で行い、混合液中の生分解物質および微生物により分解できない物質(死亡した生物体を含む)は、全て迅速、かつ、効果的に消化される。これにより、例えば、カーボン、窒素およびリンのいずれかを含む化合物は、溶解性有機物となり上清液と共に排出され、または、揮発性物質となり排気される。
【0141】
上述のとおり、本実施形態に係る汚泥処理方法では、混合液中の汚泥は、優れた沈降性能と、より低い酸素需要量(例えば、曝気量)とを有し、かつ、各種有機物質(死亡生物体を含む)を分解でき、水溶性物質または気体物質にさせる。従って、混合液は、充分に高い汚泥濃度を保持することができ、生物類群の消化と成長が平衡状態となるため汚泥膨脹が発生しない。従って、本実施形態に係る汚泥処理方法によれば、長期安定に運行し、汚泥の排出を減少させ、ひいては完全に消去することできる。
【0142】
また、ステップ(2)の酸素供給処理とステップ(3)の無酸素処理は、同一の構造物または容器によって逐次処理を行うことができる。例えば、ステップ(1)乃至ステップ(4)を、同一の構造物または容器で行うことができる。
【0143】
ステップ(1)において、第一回目の汚泥フィードと、前回の汚泥フィード処理後に得た第一濃縮混合液(第一混合液とする)とを混合し、第二混合液を生成することができる。
【0144】
また、ステップ(2)において、第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成することができる。
【0145】
また、ステップ(3)において、第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成することができる。
【0146】
また、ステップ(4)において第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成することができる。
【0147】
また、ステップ(5)において、上清液を排出するとともに、第一濃縮混合液の一部(好ましくは全部)を上記構造物または容器に滞留させてステップ(1)の第一混合液として用い、その後、次回の汚泥フィードを前記構造物または容器に導入して上記ステップを繰り返す。
【0148】
ステップ(5)において、上清液は、排液管等の排出手段により排出される。連続許可の方式を用いて用地と建設投資を節約できる。
【0149】
また、ステップ(2)の酸素供給処理およびステップ(3)の無酸素処理を、ステップ(4)の分離前に、一回または複数回繰り返して行う。
【0150】
本発明の他の実施形態に係る汚泥処理方法において、ステップ(2)の酸素供給処理およびステップ(3)の無酸素処理は、異なる構造物または容器を用いて、半連続的または連続的な方式で行う。例えば、ステップ(1)乃至ステップ(6)は、異なる構造物に半連続的(すなわち、あるステップを連続的に運転するとともに、他のあるステップを間欠的に運行する場合)または連続的に行う。ステップ(1)において、汚泥フィードを第一構造物に間欠的または連続的に導入して第一混合液と混合し、第二混合液を生成してもよい。また、第二混合液を第二構造物に間欠的または連続的に導入してステップ(2)の酸素供給処理を間欠的または連続的に行い、第三混合液を生成してもよい。また、第三混合液を第三構造物に間欠的または連続的に導入してステップ(3)の無酸素処理を間欠的または連続的に行い、第四混合液を生成してもよい。また、第四混合液を分離設備に通過してステップ(4)の分離を間欠的または連続的に行い、上清液と第一濃縮混合液を生成してもよい。また、ステップ(5)において上清液を間欠的または連続的に排出し、第一濃縮混合液の少なくとも一部を第一区に間欠的または連続的に導入し、かつ、第一濃縮混合液の余剰の一部を間欠的または連続的に排出してもよい。また、ステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量は、汚泥フィードの汚泥量より小さい。第一構造物、第二構造物と第三構造物は、それぞれに独立した異なる構造物または同一構造物の異なる区域でもよい。ステップ(3)の無酸素処理を沈澱方式により行う場合、ステップ(4)の分離は、ステップ(3)と同一構造物に同時に行うことができる(つまり、第三構造物は分離手段としても用いられる)。ステップ(5)において、上清液は、排液管などの上清液を排出できる手段により排出される。また、第一濃縮混合液は、例えば、汚泥還流管で第一構造物に導入される。半連続的または連続的な方式を用いて、汚泥処理の効率を有利に改善できる。各ステップにおいて、間欠的または連続的な方式で行うかどうかは、主に汚泥フィードの流量と成分および各手段の操作条件に基づいて確定され、最適化されて、安定運転で最も良い処理効果を奏する。
【0151】
本実施形態に係る汚泥処理方法では、ステップ(5)においてステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の量は、汚泥フィードの汚泥量より少ない。所定の場合には、ステップ(5)において、基本的に第一濃縮混合液の全部をステップ(1)に返還して第一混合液とする。従って、第一濃縮混合液を排出することは基本的にない。しかし、連続的な操作を行う場合に、瞬間的に排出された第一濃縮混合液の汚泥量が汚泥フィードの汚泥量より大きくなることもある。そのため、長期運転中に排出された第一濃縮混合液の余剰の一部の汚泥量の平均値を、汚泥フィードの汚泥量の平均値より小さくし、汚泥量の純輸入を存在させれば良い。
【0152】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、ステップ(5)における、ステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量の、汚泥フィードの汚泥量に対する割合は、例えば、約95%、約85%、約70%、約50%、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約3%、約1%、約0%である。この割合は、約0%とすることが好ましく、つまりステップ(5)の第一濃縮混合液の全部を、ステップ(1)に返還して第一混合液とすることが好ましい。
【0153】
また、上記割合は、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約3%、約1%より小さくことが特に好ましく、約0%とすることが最も好ましい。より長い泥齢を獲得するためである。どんな理論にもしばられないが、泥齢をより長くすることで、繁殖速率がより遅くなり、分解することが困難な物質を分解できる微生物を正常に成長させることができ、汚泥の分解作用を増強させることができる。それと同時に、この割合は、例えば、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約3%、約1%より小さいことが好ましく、約0%とすることが最も好ましい。このような割合とすることで、第一混合液、第二混合液、第三混合液および第四混合液の汚泥濃度を効果的に高めることができる。
【0154】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、第一濃縮混合液の流量の、汚泥フィード流量(汚水フィードが存在する場合における、汚水フィードと汚泥フィードとの総流量)に対する割合は、10%〜1000%とし、例えば、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜60%、60〜80%、80〜100%、100〜150%、150〜200%、200〜400%、400〜600%、600〜800%、800〜1000%とする。
【0155】
なお、この第一濃縮混合液の流量の、汚泥フィード流量に対する割合を、第一濃縮混合液の還流比という。
【0156】
好適な還流比は、酸素供給処理の処理時間および/または無酸素処理の処理時間を希望の値にするのに有利である。例えば、還流比を小さくする場合、例えば、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜60%とする場合には、効果的に電力消耗、燃料消耗または他のエネルギーの消耗を節約することができる。また、還流比を大きくする場合、例えば、60〜80%、80〜100%、100〜150%、150〜200%、200〜400%、400〜600%、600〜800%、800〜1000%とする場合には、酸素供給処理の処理時間および/または無酸素処理の処理時間を短くすることができる。なお、好ましい還流比は50〜150%である。
【0157】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、通気微生物を、優勢類群にするため、ステップ(2)の酸素供給処理時間を、好気性微生物が優勢類群になる時間(例えば、好気性微生物の世代周期より小さく、約5時間より小さい)より小さくするとともに、ステップ(3)の無酸素処理の処理時間を、嫌気性微生物が優勢類群になる時間(例えば、嫌気性微生物の世代周期より小さく、約40時間より小さい)より小くする。
【0158】
どんな理論の拘束を受けないが、常温下で通気微生物の世代周期が約0.2〜0.5時間で、通気微生物が優勢類群になる汚泥は、交替の酸素供給処理(好気性条件)と無酸素処理(無酸素処理条件および/または嫌気性条件)時に大量の生物増殖と生物プロセス死亡が発生するため、各種有機物質(死亡生物を含む)を大量に消化と分解(主に代謝と加水分解を含む)し、溶解性化合物になって上清液と共に排出するまたは気体化合物となり排気し、これが高汚泥濃度条件下で特に明瞭であると考えられる。
【0159】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、ステップ(2)における酸素供給処理の処理時間は、例えば、5時間より小さくてもよく、好気性微生物が優勢類群になることを避け、それと同時に、例えば、0.1時間より多くてもよく。そうすれば、通気微生物は充分に増殖し、かつ、充分に嫌気性微生物の増殖を抑制し、有利的に通気微生物が優勢類群になる。
【0160】
所定の環境下において、酸素供給処理時間は0.1〜4.0時間でもよく、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間、例えば0.1〜0.2時間、0.2〜0.3時間、0.3〜0.4時間、0.4〜0.5時間、0.5〜0.6時間、0.6〜0.8時間、0.8〜1.0時間、1.0〜1.2時間、1.2〜1.5時間、1.5〜1.8時間、1.8〜2.0時間、2〜2.2時間、2.2〜2.5時間、2.5〜3.0時間、及び3.5〜4.0時間の中から選択される。
【0161】
また、ステップ(2)の酸素供給処理は、間欠的な方式、又は連続的な方式で行い、例えば、間欠的な曝気、又は連続的な曝気の方式により行う。
【0162】
また、通気微生物は優勢類群になるため、ステップ(3)の無酸素処理の処理時間は、例えば、6時間より小さくてもよく、嫌気性微生物が優勢類群になることを避けるとともに、装置を効果的に小型化し、それと同時に、例えば、0.1時間より大きくてもよく、通気微生物が充分に増殖するとともに、充分に好気性微生物の増殖を抑制する。無酸素処理の処理時間は、0.8〜6.0時間でもよく、好ましくは1.0〜4.0時間、さらに好ましくは1.0〜3.0時間、例えば0.8〜1.0時間、1.0〜1.2時間、1.2〜1.4時間、1.4〜1.6時間、1.6〜1.8時間、1.8〜2.0時間、2.0〜2.5時間、2.5〜3.0時間、3.0〜3.5時間、3.5〜4.0時間、4.0〜4.5時間、4.5〜5.0時間、5.0〜5.5時間、及び5.5〜6.0時間の中から選択される。
【0163】
また、ステップ(3)における無酸素処理は、沈澱方式で行うことができる。無酸素処理を沈澱方式により行う場合には、無酸素処理の処理時間は、0.5時間より大きくすると有利であり、1時間より大きくすると特に有利であり、沈澱が充分に完成される。その同時に4時間より小さくすると、装置のサイズを減小できるので有利である。
【0164】
また、効果的に通気微生物を優勢類群とするため、酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比は、1:0.5〜1:6でもよく、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2、例えば1:0.5〜1:0.6、1:0.6〜1:0.7、1:0.7〜1:0.8、1:0.8〜1:0.9、1:0.9〜1:1、1:1〜1:1.1、1:1.1〜1:1.2、1:1.2〜1:1.3、1:1.3〜1:1.4、1:1.4〜1:1.5、1:1.5〜1:1.6、1:1.6〜1:1.7、1:1.7〜1:1.8、1:1.8〜1:1.9、1:1.9〜1:2、1:2〜1:2.1、1:2.1〜1:2.2、1:2.3〜1:2.4、1:2.4〜1:2.5、1:2.5〜1:2.6、1:2.6〜1:2.8、1:2.8〜1:3、1:3〜1:3.2、1:3.2〜1:3.4、1:3.4〜1:3.6、1:3.6〜1:3.8、1:3.8〜1:4、1:4〜1:4.5、1:4.5〜1:5、1:5〜1:5.5及び1:5.5〜1:6の中から選択される。
【0165】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、汚泥に対して充分な酸素供給処理を行うことで、効果的に通気微生物を優勢類群とするとともに、汚泥の消化と加水分解を促進するために、ステップ(2)の第三混合液の溶存酸素濃度は、0.1〜4mg/Lでもよく、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2.0〜3.0mg/L、例えば0.1〜0.3mg/L、0.3〜0.5mg/L、0.5〜0.7mg/L、0.7〜0.9mg/L、0.9〜1.1mg/L、1.1〜1.3mg/L、1.3〜1.5mg/L、1.5〜1.7mg/L、1.7〜1.9mg/L、1.9〜2.1mg/L、2.1〜2.3mg/L、2.3〜2.5mg/L、2.5〜2.7mg/L、2.7〜2.9mg/L、2.9〜3.1mg/L、3.1〜3.3mg/L、3.3〜3.5mg/L、3.5〜3.7mg/Lおよび3.7〜3.9mg/Lの中から選択される。
【0166】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、ステップ(1)の前に汚泥フィードに酸素供給処理を行う。どのような理論による制限も受けないが、このように通気微生物が優勢類群になることに、さらに有利だと考えられる。また、活性汚泥プロセスの第二沈澱槽において生成した汚泥フィードの時、汚泥フィード中の有機物含量は相当に低く、汚泥フィード中の生物が酸素供給処理時に主に内部消化を発生するので、従って汚泥量が減小した。それと同時に、酸素供給処理もステップ(2)の酸素供給処理の酸素需要量(例えば曝気量)を減少させ、第一区に発生した汚泥膨脹の可能性をさらに低くさせた。
【0167】
また、汚泥フィードに対する酸素供給処理の時間は、0.1〜0.5時間、0.5〜1.0時間、1.0〜1.5時間、1.5〜2.0時間と2.0〜2.5時間でもよく、処理後汚泥フィードの溶存酸素濃度は、0.1〜0.5mg/L、0.5〜1.0mg/L、1.0〜1.5mg/L、1.5〜2.0mg/L、2.0〜2.5mg/L、2.5〜3.0mg/L、3.0〜3.5mg/Lおよび3.5〜4.0mg/Lの中から選択される。
【0168】
また、このような酸素供給処理は、間欠的な方式または連続的な方式で行い、例えば、間欠的な曝気、又は連続的な曝気により行う。
【0169】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、汚泥に対する無酸素処理を経ることで、通気微生物を優勢類群にすることについて有利にするとともに、汚泥の消化と加水分解を促進するため、ステップ(2)とステップ(3)の間で第三混合液に脱酸素処理を行う。例えば、脱気槽において脱酸素処理を行うと、その中で混合液中の含酸素気泡が浮上し、混合液の溶存酸素含量が成長しないので、その後の無酸素処理が用意される。
【0170】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、脱酸素処理の時間は、0.1〜0.2時間、0.2〜0.3時間、0.3〜0.5時間、0.5〜0.8時間と0.8〜1.0時間でもよく、処理後の第三混合液の溶存酸素濃度は0.1mg/Lより小さく、0.05mg/Lより小さ、及び約0mg/Lの中から選択される。
【0171】
また、酸素供給処理の処理時間:脱酸素処理の処理時間:無酸素処理の処理時間の比例は、1:(0.1〜0.5):(0.5〜4)で、好ましくは1:(0.1〜0.3):(1〜3)、さらに好ましくは1:(0.1〜0.2):(1.5〜2.5)で、例えば好ましくは1:0.1:1または1:0.15:2である。
【0172】
また、本発明の汚泥処理方法において、汚泥フィードは、一回または複数回の汚泥フィードでもよく、好ましくは新鮮汚泥フィードである。また、各回の汚泥フィードは、同じでもよく、または異なってもよい。一般的に、汚泥フィードの含水率は、例えば、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%またはさらに高く、好ましくは97%またはさらに高い含有率である。例えば、汚泥フィードとしては、乾燥汚泥等の低含水量の汚泥と、水、汚水、有機栄養物および他の汚泥フィードのいずれかとを混合した混合物である。
【0173】
また、ステップ(1)汚水フィードを第一混合液に返還するステップをさらに有する。汚水フィードが存在する場合には、ステップ(1)において汚泥フィードと汚水フィードとの流量比は、1:100〜1:50、1:50〜1:20、1:20〜1:10、1:10〜1:5、1:5〜1:2、1:2〜1:1.5、1:1.5〜1:1、1:1〜1:0.8、1:0.8〜1:0.5、1:0.5〜1:0.2、1:0.2〜1:0.1、1:0.1〜1:0.05、1:0.05〜1:0.02及び1:0.02〜1:0.01の中から選択することができる。
【0174】
また、ステップ(2)において第二混合液の汚泥体積指数SVI30は、酸素供給処理時に発生した汚泥膨脹の最小値より小さくすべきである。
【0175】
また、汚泥体積指数、例えば、SVI30は、300ml/gより小さく、200ml/gより小さく、150ml/gより小さく、100ml/gより小さく、または50ml/gより小さくてもよい。
【0176】
また、ステップ(1)における第二混合液の汚泥濃度は、生物が消化−成長バランス状態時にある濃度でもよい。
【0177】
また、第二混合液の汚泥濃度は、少なくとも約2500〜3000mg/L、3000〜3500mg/L、3500〜4000mg/L、4000〜4500mg/L、4500〜5000mg/L、5000〜5500mg/L、5500〜6000mg/L、6000〜6500mg/L、6500〜7000mg/L、7000〜7500mg/L、7500〜8000mg/L、8000〜8500mg/L、8500〜9000mg/L、9000〜9500mg/L、9500〜10000mg/L、10000〜12000mg/L、12000〜14000mg/L、14000〜16000mg/L、16000〜18000mg/L、18000〜20000mg/Lと少なくとも約20000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである。
【0178】
また、上記汚泥処理方法は、気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する。気体の状態にある含リン化合物は、ステップ(2)および/またはステップ(3)において生成されたリン化水素等を含む。例えば、この回収ステップは、ステップ(2)および/またはステップ(3)と同時に行い、ステップ(2)および/またはステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する。
【0179】
また、この回収ステップでは、任意の好適な、気体含リン混合物を回収する方法を用いることができ、例えば、気体含リン物質を液体または固体物質に転換する方法を用いることもできる。
【0180】
例えば、冷凍する方法、気体含リン物質を、物理および/または化学吸着する吸収剤を用いて吸収する方法、洗浄する方法または吸着する方法を用いて該回収ステップを行う。
【0181】
また、上記吸収剤として、例えば、該気体の状態にある含リン化合物を溶解できる物質、または、該気体の状態にある含リン化合物と反応できる物質を用いることができる。例えば、リン化水素気体を吸収できる物質、例えば、過マンガン酸カリウム溶液、過マンガン酸カリウムと苛性アルカリの混合溶液、塩化第二鉄溶液、次亜臭素酸ナトリウム溶液等を含む。リン化水素に対し、活性カーボン等吸着剤で吸着、または用オゾン酸化により低毒物または存厳格コントロール下で燃焼等の方式で行って回収する。
【0182】
本発明は汚水生物処理方法を提供するものであり、(1)汚泥フィードと第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、(2)上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)上記第四混合液を分離し、上清液、及び第一濃縮混合液を生成し、(5)上記上清液を排出するとともに、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還するとともに、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくし、(6)上記ステップ(5)程において排出した上清液の少なくとも一部に対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液、及び浄化出水を生成する、ステップを有し、上記浄化出水を排出するとともに、上記ステップ(6)において生成した第二濃縮混合液の少なくとも一部を、汚泥フィードとして上記ステップ(1)に返還してもよい。
【0183】
汚水フィードをステップ(1)に導入して汚泥フィード及び第一混合液とを混合し、第二混合液を生成し、および/または、ステップ(6)において、ステップ(5)の上清液の少なくとも一部とともに汚水生物処理を行う。
【0184】
ステップ(1)乃至ステップ(5)は、上述した本発明の汚泥処理方法を構成する。従って、本実施形態の汚水生物処理方法は、実際に、上述した本発明の汚水生物処理方法を用いた汚泥処理方法と同等である。本実施形態に係る汚泥処理方法から排出した上清液は、通常より高い濃度の溶解性有機汚染物を依然として含有する。従って、該上清液には、環境安全の排水標準に満たせるため、通常ではさらなる処理が必要である。
【0185】
例えば、汚水フィードをステップ(1)に導入し、これでステップ(1)乃至ステップ(5)が形成された本実施形態に係る汚泥処理方法は、一級生物処理ステップを、二級生物処理とするステップ(6)の汚水生物処理の前に設け、汚水フィードを、まず該一級生物処理を経て上清液を生成し、その後上清液をフィードとして二級生物処理を経て浄化出水を生成した。好ましくは該浄化出水は、環境安全の、通常の排水標準に満たせる。それと同時に、二級生物処理で生成された余剰汚泥(すなわち、第二濃縮混合液)は、汚泥フィードとして一級生物処理で消化し、効果的に汚水生物処理全体の中の汚泥排水を減少させ、ひいては無くすことができる。
【0186】
また、汚水フィードをステップ(6)から導入し、汚水フィードの角度から見ると、ステップ(1)乃至ステップ(5)で構成された本発明の汚泥処理方法が、ステップ(6)の汚水生物処理の後に置かれ、主にステップ(6)の汚水生物処理において生成された余剰汚泥(すなわち、第二濃縮混合液)の消化に用いられる。それと同時に、ステップ(5)の上清液も汚水フィードとしてステップ(6)に導入できる。
【0187】
また、汚水フィードをステップ(1)とステップ(6)に同時に導入することもできる。
【0188】
また、ステップ(6)における第二濃縮混合液の1〜10%、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜85%、85〜90%、90〜95%または95〜100%、特に好ましくは100%を、ステップ(1)の汚泥フィードとして用いることができ、上記汚泥処理方法を有効に利用することで、第二濃縮混合液の一部を、ひいては基本的には全部を消化することができる。従って、全汚水生物処理方法から排出した汚泥を減少させ、ひいては基本的には完全に消去する。
【0189】
また、ステップ(6)において生成された第二濃縮混合液の、ステップ(1)の汚泥フィード対する割合は、1〜10%、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜85%、85〜90%、90〜95%または95〜100%である。
【0190】
本実施形態に係る汚水生物処理方法では、上記本発明の汚泥処理方法を、第一生物処理ステップとして、任意の第二生物処理ステップとして適当な汚水生物処理方法と組合せることができる。第二生物処理ステップの汚水生物処理方法として単独に用いたときに比べ、本発明の汚水生物処理方法は、余剰汚泥の排出を顕著に減少させ、ひいては完全に消去する、と同時に良好の処理効果を奏した。
【0191】
本実施形態に係る汚水生物処理方法では、汚水フィードをステップ(1)とステップ(6)において同時に導入する場合、ステップ(1)に導入する汚水フィードの、ステップ(6)に導入する汚水フィードに対する割合は、需要に応じて任意に選択でき、システムの負荷を効果的に平衡させて、汚水生物処理方法全体の効果を最適化する。
【0192】
また、ステップ(1)において汚水フィードを導入すると特に有利である。ステップ(1)の混合液は大変高い汚泥濃度を有するので、有利的に汚水フィードの水量と汚染物等方面の衝撃負荷に対抗するので有利であり、同時に高濃度の汚泥も反応速度を速める。汚水フィード中の汚染物は、高濃度汚泥作用下で高効率、高速度に消化され、分解され難い物質も第一生物処理ステップでだんだんと分解し易い物質に分解され、汚水処理効果を改善することに有利で、汚水処理装置全体の体積を縮小し、用地を節約し、設備投資と運転費用を減少する。この点は、CODが通常より低い汚水に、例えば、都市生活汚水の処理に特に有利で、何故なら、ステップ(1)乃至ステップ(5)を構成した汚泥処理ステップは、実際に汚泥フィードの一部が分解し易いの物質に転換したため、上清液中のCOD濃度を適当に高めるからである。また、後の上清液に対して生物処理を行うステップは、さらに有効的に水中のリンと窒素を除去し、浄化出水の品質を高めるからである。従って、本発明は、特にCOD値が500mg/Lより低く、350mg/Lより低く、300mg/Lより低く、250mg/Lより低く、200mg/Lより低く、150mg/Lより低くまたは100mg/Lより低い汚水に適応して汚水生物処理を行う。当然ながら、汚水フィード中の各種汚染物の構成比が平衡ではなく、カーボン源が欠けている時、汚水フィードで好適なカーボン源、例えば、メタノール等のアルコール類と、澱粉や糖蜜等の他の有機栄養物を補充してもよい。
【0193】
本発明の汚水生物処理方法では、特に効果的に余剰汚泥を排出する任意の汚水生物処理方法(例えば、各種常軌の好気性汚水生物処理方法と嫌気性汚水生物処理方法)を、ステップ(6)の汚水生物処理ステップにおける処理とする。
【0194】
また、ステップ(6)の汚水生物処理ステップは、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法(oxidation ditch process)、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた処理を行う汚水生物処理ステップとして用いることもできる。
【0195】
図3は、本発明の一実施形態に係る汚水生物処理方法の処理手順を示すフローチャートである。図3における「汚水」は本発明の汚水フィードに相当する。また、「汚泥消化装置」は、本発明の汚泥処理装置の一部(すなわち、汚泥処理方法のステップ(1)からステップ(5)まで処理を行う部分)に相当する。また、「常軌汚水処理装置」は、 本発明の汚泥処理装置の他の一部(すなわち、汚泥処理方法のステップ(6)の汚水生物生物処理ステップの任意好適な汚水処理装置)に相当する。また、「出水」は、浄化出水に相当する。また、「余剰汚泥還流」は、ステップ(1)の汚泥フィードとする第二濃縮混合液に相当する。
【0196】
図4は、本発明の一実施形態に係る汚水生物処理方法の処理手順を示すフローチャートである。図4における「汚泥」は、他に由来する汚泥フィードに相当する。なお、「汚水」、「汚泥消化装置」、「常軌汚水処理装置」、「出水」及び「余剰汚泥還流」は、図3に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0197】
図5は、従来の酸化溝法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。この酸化溝法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることもできる。図5における「汚水」には、ステップ(5)の上清液及び/又は汚水を用いることができる。また、「出水」は、本発明の浄化出水に相当する。また、「余剰汚泥」を ステップ(1)における汚泥フィードとして用いてもよい。
【0198】
図6は、従来のSBR法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このSBR法を用いた汚水処理は、本発明の汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることもできる。なお、図6における「汚水」、「出水」及び「余剰汚泥還流」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。SBR法とは、回分式の活性汚泥法であり、好気性槽の入水が槽の底に緊密に沿って過水洞を経てSBR槽に入り、汚水がSBR槽内の汚泥層を透過して出水する時、汚泥層がろ過と吸着の作用と発揮し、出水中懸濁物の含量を低下させ、出水水質は通常の第二沈澱槽の出水より優れている。
【0199】
本発明では、さらにエアー堰を用いて出水をコントロールし、曝気期間の懸濁物が出水堰に入ることを防止することができる。これにより、出水懸濁物を効果的に制御することができる。
【0200】
図7は、従来のAB法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このAB法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることができる。なお、図7における「汚水」、「出水」、「余剰汚泥還流」及び「沈殿槽」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0201】
図8は、A/O法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このA/O法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水処理ステップとして用いることができる。なお、図8における「汚水」、「出水」、「余剰汚泥還流」及び「沈殿槽」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0202】
図9は、A2/O法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このA2/O法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることができる。なお、図9における「汚水」、「出水」、「余剰汚泥還流」及び「沈殿槽」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0203】
図10は、MSBR法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このMSBR法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることができる。なお、図10における「汚水」、「出水」、「余剰汚泥還流」及び「沈殿槽」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0204】
本発明の第2の観点に係る汚泥処理装置は、汚泥フィードと第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、第四混合液を分離し、上清液、及び第一濃縮混合液を生成する第4手段と、上清液を排出する第4手段と、第一濃縮混合液の少なくとも一部を第1手段に返還し、かつ、第一設備に返還しない第一濃縮混合液の汚泥量を、汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、を備える。
【0205】
また、第1手段は、汚泥フィードと混合液を混合する任意好適な構造物または容器でもよい。第2手段は、第1手段と同一の構成でもよく、または第1手段と構成が相違してもよい。例えば、第1手段と貫通する、空気等の酸素含有気体と混合液を接触させる手段、例えば、曝気手段を有する曝気槽である。第3手段は、第1手段および第2手段と同一の構成でもよく、例えば、曝気を停止する状況下で無酸素処理(順次運転)を実現する。
【0206】
または第3手段は、第2手段と構成が相違してもよく、例えば、第2手段と貫通する、基本的に酸素含有気体と混合物を接触することを避ける構造物または容器(例えば、沈澱槽)(連続的なまたは半連続的な方式で運行)である。第4手段は、第1手段、第2手段および第3手段と同一構成でもよく、または第3手段のみと同一設備である。例えば、曝気を停止および/または攪拌する状況下で、例えば、沈澱で上清液と第一濃縮混合液との分離(順次運転)を実現する。
【0207】
また、第4手段は、独立して第3手段と貫通する、混合液を分離して上清液と第一濃縮混合液を生成する手段、例えば、独立した沈澱槽、遠心分離手段またはろ過分離手段(連続的なまたは半連続的な方式で運行)でもよい。第5手段は、第4手段から上清液を取り出す任意好適な手段、例えば、排水口、排水管、吸水器等でもよい。第6手段は、第1手段、第2手段、第3手段および第4手段と同一設備(順序式で運行)でもよい。または独立して第一濃縮混合液の少なくとも一部を、第4手段から第1手段に輸送する手段、例えば第一設備と第四設備と貫通する、任意に選択できる輸送ポンプとコントロールバルブを有する還流管(連続的なまたは半連続的な方式で運行)でもよい。第6手段は、第一濃縮混合液の余剰一部を排出する、任意に選択できる手段、例えば、コントロールバルブを有する排液口または排液管を有し、第一手段に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量が汚泥フィードの汚泥量より小さくするようにコントロールする。
【0208】
また、第2手段は、曝気槽、酸化溝、流動床、移動床式ろ過装置、または膜設備等により構成され、好ましくは曝気槽で、さらに好ましくは栓流式角形曝気槽である。第3手段は、好ましくは沈澱槽で、さらに好ましくは栓流式角形沈澱槽である。
【0209】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理装置では、上述した汚泥処理装置は、第1手段と貫通し、汚泥フィードに対して酸素供給処理を行う手段、例えば、汚泥予備曝気設備を備える。
【0210】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理装置では、上述した汚泥処理装置は、第2手段と第3手段との間に配設され、かつ、第2手段および第3手段と貫通して脱酸素処理を行う脱酸素手段、例えば脱気槽をさらに備える。
【0211】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理装置では、酸素供給処理時間を0.1〜0.2時間、0.2〜0.3時間、0.3〜0.4時間、0.4〜0.5時間、0.5〜0.6時間、0.6〜0.8時間、0.8〜1.0時間、1.0〜1.2時間、1.2〜1.5時間、1.5〜1.8時間、1.8〜2.0時間、2.0〜2.2時間、2.2〜2.5時間、2.5〜3.0時間と3.5〜4.0時間、好ましくは1.5〜3.0時間から選択される時間に設定可能に第2手段を構成する。例えば、連続的な方式で運行時、第二設備中第二混合液の流量に基づき、希望の酸素供給処理時間を第二混合液の滞留時間として第2手段の体積を確定する。
【0212】
また、無酸素処理の処理時間が、0.8〜1.0時間、1.0〜1.2時間、1.2〜1.4時間、1.4〜1.6時間、1.6〜1.8時間、1.8〜2時間、2.0〜2.5時間、2.5〜3.0時間、3.0〜3.5時間、3.5〜4.0時間、4.0〜4.5時間、4.5〜5.0時間、5.0〜5.5時間と5.5〜6.0時間、好ましくは3.0〜4.0時間から選択されるように第3手段を設ける。例えば、連続的な方式で運転される時、第三手段設備内の第三混合液の流量に基づいて、所望の無酸素処理時間を第三混合液の滞留時間として第二設備の体積を確定する。
【0213】
所定の環境下において、酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比が1:0.5〜1:1、1:1〜1:1.5、1:1.5〜1: 2、1:2〜1:2.5、1:2.5〜1:3、1:3〜1:3.6、1:3.6〜1:4、1:4〜1:4.5、1:4.5〜1:5、1:5〜1:5.5と1:5.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3の中から選択されるように第2手段及び第3手段を設ける。例えば、連続的な方式で運転される時、所望の酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比に基づいて第2手段と第3手段の体積比を確定する。
【0214】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理装置では、上記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集するとともに回収する回収手段をさらに備える。例えば、該回収手段は、第2手段および/または第3手段により生成された気体の状態にある含リン化合物を回収できるように、第2手段および/または第3手段と貫通する。
【0215】
また、該回収手段は、冷凍手段、燃焼手段、固体または液体吸着剤を有する吸着塔、または吸収タンク等でもよい。
【0216】
本発明の第2の観点に係る汚水生物処理装置は、汚泥フィードと第一混合液とを混合し、第二混合液を生成する第1手段と、上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、第四混合液を分離し、上清液、及び第一濃縮混合液を生成する第4手段と、上清液を排出する第5手段と、第一濃縮混合液の少なくとも一部を第1手段に返還し、かつ、第1手段に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量を、汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、第5手段から排出した上清液の少なくとも一部に対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液、及び浄化出水を生成する第7手段と、浄化出水を排出する第8手段と、汚水フィードを第1手段および/または第7手段に返還する第9手段と、任意に選択された第二濃縮混合液の少なくとも一部を第1手段に返還する第10手段と、を備える。
【0217】
本発明の一実施形態に係る汚水生物処理装置では、第7手段は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた汚水生物処理に用いられる。
【0218】
本発明の第2の観点に係る汚泥減量化汚水処理システムは、常軌汚水処理装置と、その汚水口と連接する汚泥消化装置とを備え、前記常軌汚水処理装置の余剰汚泥管は、汚泥消化装置と連接させた。
【0219】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記汚泥消化装置は、高濃度汚泥反応装置を備える。
【0220】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記汚泥消化装置は、嫌気性沈澱装置を備え、前記高濃度汚泥反応装置の出水口と嫌気性沈澱装置の入水口とを連接させ、前記嫌気性沈澱装置は、第一汚泥還流管を備え、前記第一汚泥還流管は、高濃度汚泥反応装置と連接される。
【0221】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムのある実施方案では、前記余剰汚泥還流管は、余剰汚泥の全部を汚泥消化装置に還流させた。
【0222】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムのある実施方案では、前記汚泥消化装置は、嫌気性沈澱装置を備え、前記高濃度汚泥反応装置の出水口と嫌気性沈澱装置の入水口とを連接させ、前記嫌気性沈澱装置は、第一汚泥還流管を備え、前記第一汚泥還流管は、高濃度汚泥反応装置と連接され、前記余剰汚泥還流管は、余剰汚泥の全部を汚泥消化装置に還流させる。
【0223】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、高濃度汚泥反応装置の汚泥濃度は、4000mg/L〜20000mg/L;例えば6000mg/L、8000mg/L、10000mg/L、12000mg/L、14000mg/L、15000mg/L、16000mg/Lまたは18000mg/Lである。
【0224】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記高濃度汚泥反応装置の水力滞留時間は、1.5h〜3.0hで、出口溶存酸素は、1mg/L〜1.5mg/L、1.5mg/L〜2mg/L、2mg/L〜2.5mg/Lまたは2.5mg/L〜3mg/Lである。
【0225】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記汚泥還流管は、0.4Q〜0.7Qの汚泥を高濃度汚泥反応装置に還流させた。
【0226】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記高濃度汚泥反応装置と嫌気性沈澱装置との間に脱酸素装置を設置する。
【0227】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、余剰汚泥曝気槽をさらに備え、前記常軌汚水処理装置の余剰汚泥管は、先に余剰汚泥曝気槽と連接され、余剰汚泥曝気槽は、さらに高濃度汚泥反応装置と連接される。
【0228】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記汚泥消化装置の汚水口所は、予備処理装置を設置し、前記予備処理装置は、少なくとも一級グリッドを備える。
【0229】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記予備処理装置は、二級グリッドを備える。
【0230】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記常軌汚水処理装置は、順序に直列する嫌気性反応装置、好気性反応装置と沈澱装置を備え、沈澱装置は、第二汚泥還流管と余剰汚泥管を備え、前記第二汚泥還流管は、嫌気性反応装置と連接させる。
【0231】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記好気性反応装置は、好気性槽または酸化溝である。
【0232】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記常軌汚水処理装置は、順番に直列配置される嫌気性反応装置、無酸素反応装置、好気性反応装置と沈澱装置を備え、沈澱装置は、第三汚泥還流管と余剰汚泥管を備え、前記第三汚泥還流管は、無酸素反応装置に連接される。
【0233】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記沈澱装置は、SBR槽または沈澱槽である。
【0234】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記SBR槽の汚泥濃度は、2000mg/L〜4000mg/Lで、溶存酸素含量は、2mg/L〜4mg/Lで、一週の期間内に静沈時間は、1h〜1.5hで、固定水位排水時間は、1.5h〜2.5hである。
【0235】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記第二汚泥還流管は、嫌気性反応装置に連接され、0.5Q〜1Qの汚泥を嫌気性反応装置に還流させる。
【0236】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記第三汚泥還流管は、嫌気性反応装置に連接され、0.5Q〜1Qの汚泥を嫌気性反応装置に還流させる。
【0237】
本発明の第2の観点に係る汚泥減量化汚水処理方法は、汚水および汚泥からなる混合液に対して汚泥消化反応処理を行うステップ(1)と、汚泥消化反応後の汚水に対して常軌汚水処理を行うステップ(2)と、処理後の汚水を排出し、常軌汚水処理により生成された余剰汚泥を上記汚泥消化反応処理に返還するステップ(3)と、を有する。
【0238】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記ステップ(1)において汚泥消化反応は、汚水と汚泥の混合液に対して高濃度汚泥反応を行うことを含むことを特徴とする。
【0239】
また、上記ステップ(1)における汚泥消化反応は、高濃度汚泥反応後の汚水および汚泥からなる混合液に対して行う嫌気性沈澱処理を含み、嫌気性沈澱の汚泥還流を経て高濃度汚泥反応に参加する。
【0240】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記余剰汚泥還流は、全部還流である。
【0241】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記ステップ(1)における汚泥消化反応処理は、高濃度汚泥反応後の汚水および汚泥からなる混合液に対して嫌気性沈澱を行う処理を含み、嫌気性沈澱を経た汚泥を還流させて高濃度汚泥反応に参加し、前記余剰汚泥還流は、全部還流である。
【0242】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記高濃度汚泥反応時における汚泥濃度は、4000mg/L〜20000mg/Lであり、例えば、6000mg/L、8000mg/L、10000mg/L、12000mg/L、14000mg/L、15000mg/L、16000mg/Lおよび18000mg/Lの中のいずれかである。
【0243】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記高濃度汚泥反応の水力滞留時間は、1.5h〜3.0hである。また、出口溶存酸素は、1mg/L〜1.5mg/L、1.5mg/L〜2.0mg/L、2.0mg/L〜2.5mg/Lおよび2.5mg/L〜3.0mg/Lの中のいずれかである。
【0244】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記嫌気性沈澱の汚泥を還流させて高濃度汚泥反応に参加する還流比は、0.4Q〜0.7Qである。
【0245】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記高濃度汚泥反応後の汚水と汚泥との混合液に対して、先に脱酸素を行い、さらに嫌気性沈澱を行う。
【0246】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記余剰汚泥に対して、まず汚泥曝気処理を行い、続けて高濃度汚泥反応処理を行う。
【0247】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記汚泥曝気の溶存酸素含量は、0.2mg/L〜0.9mg/Lである。
【0248】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、汚水に対して行う汚泥消化反応処理に先立ち、予備処理を行い、雑物を除去する。
【0249】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記ステップ(2)における常軌汚水処理は、嫌気性反応、好気性反応と沈澱を含み、好気性反応後の汚水は、沈澱を経た後に排出され、生成した汚泥を還流させて嫌気性反応に参加する。
【0250】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記ステップ(2)における常軌汚水処理は、嫌気性反応、無酸素反応、好気性反応と沈澱を含み、好気性反応後の汚水は、沈澱を経た後に排出され、生成した汚泥を還流させて嫌気性反応に参加する。
【0251】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記生成した汚泥が還流して嫌気性反応に参加する還流比は、0.5Q〜1Qである。
【0252】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記沈澱は、SBR法を用いて行う。
【0253】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記SBR法に用いた汚泥濃度は2000mg/L〜4000mg/Lであり、溶存酸素含量は2.0mg/L〜4.0mg/Lであり、一週の期限内に静沈時間は1.0h〜1.5hであり、固定水位排水時間は1.5h〜2.5hである。
【0254】
本発明の第2の観点に係る汚泥減量化汚水処理システムは、順番に直列配置された高濃度汚泥反応装置、嫌気性沈澱装置および常軌汚水処理装置を備え、前記嫌気性沈澱装置の汚泥還流管を高濃度汚泥反応装置に連接し、前記常軌汚水処理装置の余剰汚泥管と高濃度汚泥反応装置とを連接することを特徴とする。
【0255】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、高濃度汚泥反応装置の汚泥濃度は、4000mg/L〜20000mg/Lであり、例えば、少なくとも6000mg/L、少なくとも8000mg/L、少なくとも10000mg/L、少なくとも12000mg/L、少なくとも14000mg/L、少なくとも15000mg/L、少なくとも16000mg/Lまたは少なくとも18000mg/Lである。
【0256】
本発明の一実施形態に係る汚水生物処理装置には、例えば、図11、12、13のいずれかに示す装置を用いることができる。汚泥消化装置は、順番に直列配置された高濃度汚泥反応槽、脱酸素槽および嫌気性沈澱槽を備える。
【0257】
汚泥消化槽の前に、好ましくは予備処理装置を設置する。予備処理装置は、少なくとも一級グリッドを備え、グリッドが汚水処理場の第一処理施設で、具体的に二級グリッドを設置してもよい。まず、第一級グリッドによって汚水中のより大きい懸濁物を除去し、その後、汚水を第二級グリッドによってより小さい懸濁物をさらに除去する。第一級グリッドのストリップ全間隔(net interval of stripe)は第二級グリッドのストリップ全間隔より大きく、例えば、第一級グリッドは粗いグリッドで、ストリップ全間隔20mm、安置角度60度であり、第二級グリッドは細かいグリッドで、ストリップ全間隔6mm、安置角度60度である。
【0258】
高濃度汚泥反応装置は、具体的には、高濃度汚泥反応槽である。高濃度汚泥反応槽には、予備処理後の汚水、嫌気性沈澱装置に還流の汚泥とシステム末端の沈澱装置から還流の余剰汚泥に対して曝気混合を行うために、栓流式角形槽を用いた。沈澱装置と高濃度汚泥反応装置との間に余剰汚泥曝気槽を設置し、余剰汚泥曝気槽と沈澱装置と高濃度汚泥反応装置との間は、それぞれ余剰汚泥管で連接される。還流の余剰汚泥を余剰汚泥曝気槽中に流入し、汚水と嫌気性沈澱装置に還流の汚泥とを直接に高濃度汚泥反応槽に流入し、その後、曝気処理を行った後の余剰汚泥を高濃度汚泥反応槽に再流入し、汚水と汚泥との混合液と充分に混合する。
【0259】
高濃度汚泥反応槽は、より高い汚泥濃度下で運行し、水力滞留時間が短く、嫌気性/好気性の方式で運行し、高濃度汚泥反応槽とその後に継続の嫌気性沈澱装置との間に汚泥循環がさらに存在し、本発明中の嫌気性沈澱装置において生成した汚泥を、高濃度汚泥反応槽に還流させる。異なる期間に生成された汚水水質と水量が均一ではなく、かつ、波動性がより大きく、高濃度汚泥反応槽も緩和の作用を発揮し、衝撃負荷が生化処理に対する影響を避ける。
【0260】
嫌気性沈澱装置は、具体的には嫌気性沈澱槽であり、嫌気性沈澱相中の汚泥を高濃度汚泥反応槽に還流させ、汚水と余剰汚泥とが共同的に反応に参加し、詰まりなく汚泥ポンプを用いることができる汚泥循環を実現した。好ましくは、高濃度汚泥反応装置と嫌気性沈澱装置との間に脱酸素装置をさらに備え、汚水と汚泥との混合液に対して脱酸素処理を行った後、さらに嫌気性沈澱槽に入れる。溶存酸素を嫌気性沈澱槽に連れ込んで嫌気性反応に影響をもたらすことを避ける。
【0261】
常軌汚水処理装置は、順番に直列配置される嫌気性反応装置、好気性反応装置と沈澱装置を備える。嫌気性槽、好ましくは栓流式を用いて、槽内に折り流板が設置され、完全な混合式を用いてもよく、システム末端の沈澱装置において生成された汚泥を嫌気性槽に還流させて汚水と混合する。好気性反応装置は、好気性槽で、他の常軌の好気性反応装置例えば酸化溝でもよく、嫌気性槽に直列する後である。好気性槽には、曝気装置、例えば、三葉ローツブロー(three-lobe Root’s blower)とHe280型動力拡散回転混合曝気装置を設置する。
【0262】
沈澱装置は沈澱機能を有する。沈澱装置は、汚泥還流管と余剰汚泥管を設置し、SBR槽でもよく、沈澱槽でもよい。SBRは、バチ式活性汚泥法であり、好気性槽の入水が槽の底を緊密的に沿って水洞を通過してSBR槽に入り、汚水がSBR槽中の汚泥層を透過して出水する時、汚泥層が、ろ過と停留の作用を発揮し、出水中の懸濁物の含有量を降下させ、出水水質は普通第二沈澱槽の出水より良い。本発明では、エアー堰をさらに用いて出水をコントロールし、曝気期間の懸濁物が出水堰に入ることを防止している。従って、出水懸濁物を効果的にコントロールできる。
【0263】
SBR槽と嫌気性槽との間は汚泥還流管線で連接され、嫌気性槽、好気性槽およびSBR槽によりOSA法を構成する。すなわち、OSA法は、常軌の活性汚泥法に一つの嫌気性ステップ段階を設け、微生物を好気性と嫌気性環境に交互に入らせ、細菌が好気性ステップで生成したATPは直ぐに新しい細胞を合成することに用いられず、嫌気性ステップで細胞生命活動を維持するエネルギーとして消耗され、微生物分解と合成代謝とが相対的に分離され、通常の条件下で緊密的な結合は見られず、汚泥減量の効果を実現した。OSA法は、汚泥生成量を降下させ、汚泥の沈降性能を改善し、アンモニアー窒素脱除の能力を増加した。
【0264】
SBR槽と高濃度汚泥反応槽との間は余剰汚泥管で連接され、生成した余剰汚泥は外に排出されず、前端の高濃度汚泥反応槽に還流される。
【0265】
SBR槽の固定水位運転と循環連続的な排水のため、SBR槽には、二組直列運行を設ける。高汚泥負荷槽からSBR槽まで高位から低位の位置で順番で直列設計で、汚水が重力により自流し、汚水を昇る回数を減少し、電気エネルギーを節約し、かつ、各処理ユニットは、組合式連体構造を用いて、多数の槽が直列プラッグ流れ、各処理ユニットの間にある大量の管線と計器を省き、汚水は、反応装置中の流動が整体プラッグ流れを呈現して異なる区域に完全に混合した複雑な流体になり、処理効果を保証した。
【0266】
好ましくは、汚泥消化反応が汚水と汚泥の混合液で行う高濃度汚泥反応を含み、高濃度汚泥反応の水力滞留時間は、1.5h〜3.0hで、例えば2.0hまたは2.5hであり、出口溶存酸素は、1.0mg/L〜1.5mg/L、1.5mg/L〜2.0mg/L、2.0mg/L〜2.5mg/Lまたは2.5mg/L〜 3mg/Lであり、汚泥濃度は4000mg/L〜20000mg/Lで、具体的に少なくとも4000mg/L、少なくとも6000mg/L、少なくとも8000mg/L、少なくとも10000mg/L、少なくとも12000mg/L、少なくとも14000mg/L、少なくとも15000mg/L、少なくとも16000mg/L、少なくとも18000mg/Lまたは少なくとも20000mg/Lである。
【0267】
汚泥消化反応は、さらに好ましくは嫌気性沈澱を含み、高濃度汚泥反応後の汚水と汚泥との混合液に対して嫌気性沈澱を行い、嫌気性沈澱の汚泥還流により高濃度汚泥反応に参加し、還流比が0.4Q〜0.7Qで、例えば0.5 Qまたは0.6Qである。
【0268】
汚泥と予備処理後の汚水との混合液は、汚泥消化反応を行い、具体的に以下である。すなわち、高濃度汚泥反応槽に先に入って曝気を行う同時に、汚水とSBR槽から還流された余剰汚泥及び嫌気性沈澱槽に還流された汚泥とを充分に混合させる。好ましくは、余剰汚泥が余剰汚泥曝気槽に入って曝気を行った後に、高濃度汚泥反応槽にさらに入れる。余剰汚泥も曝気を行わず、直接に高濃度汚泥反応槽に入る。嫌気性沈澱槽に還流された汚泥は、直接に高濃度汚泥反応槽に入る。余剰汚泥は、全部で高濃度汚泥反応槽に還流されることが好ましく、このようにすることで、排出量を0にする効果を実現した。余剰汚泥曝気槽中の溶存酸素含量は、0.2mg/L〜0.9mg/Lであり、例えば、0.3mg/L、0.4mg/L、0.5mg/L、0.6mg/L、0.7mg/L、0.8mg/Lである。汚泥と汚水とを混合した後、汚水中の有機物を分解させ、かつ、ニトロ化反応を発生させる。高濃度汚泥反応槽中の水力滞留時間は、1.5h〜3.0hで、例えば、2hまたは2.5hである。また、汚泥濃度は、4000mg/L〜20000mg/Lで、具体的に少なくとも4000mg/L、少なくとも6000mg/L、少なくとも8000mg/L、少なくとも10000mg/L、少なくとも12000mg/L、少なくとも14000mg/L、少なくとも15000mg/L、少なくとも16000mg/L、少なくとも18000mg/Lまたは少なくとも20000mg/Lである。独立した汚泥還流はあり、嫌気性沈澱槽から高濃度汚泥反応槽への還流汚泥の還流比は、0.4Q〜0.7Qで、例えば0.5 Qまたは0.6Qであり、汚泥濃度より高く、普通活性汚泥処理プロセスの3〜5倍以上であり、該システムの抗衝撃負荷能力を有効的に増強した。高濃度の活性汚泥は、有機物を有効的に分解し、水質、水量、pH値と有毒物質に対する衝撃に極めて良い緩和作用を有する同時に、後段の安定な処理効果にもさらなる信頼性保障を提供した。風吹き込み曝気を用いて、出口溶存酸素は、1mg/L〜1.5mg/L、1.5mg/L〜2mg/L、2mg/L〜2.5mg/Lまたは2.5mg/L〜3mg/Lである。
【0269】
高濃度汚泥反応槽から流出して脱酸素を経た後、汚水が嫌気性沈澱槽に入ると共に、嫌気性沈澱槽で沈澱した汚泥と常軌汚水処理で生成された余剰汚泥を高濃度汚泥反応槽に還流させ、かつ、嫌気性沈澱槽の還流汚泥は、連続的な循環還流である。高濃度汚泥反応槽中の混合汚泥は、始終に好気性、嫌気性の交替過程を経て、好気性、嫌気性微生物は、全て優勢を獲得できず、余剰汚泥の加水分解過程を最大程度で完成させた。
【0270】
加水分解は、大分子有機物を生分解の小分子有機物に転換させるが、厳格な嫌気性条件下で、加水分解で生成の小分子有機物(rdcod生分解)をさらにVFAs(揮発性脂肪酸)に転換させ、これらは、全て汚泥加水分解から生成した「潜在」の内部カーボン源−有機カーボンである。有機カーボンは、汚水からアンモニアー窒素の脱除効率を大幅に高め、外から加えるカーボン源を節約する。都市汚水処理場は、カーボン源が不足のため、アンモニアー窒素の脱除効果がより悪く、これは、都市汚水処理場に普通な現象である。カーボン源富みの状態下で、エネルギー漏らしを生成でき、すなわち、解放現象(uncoupling phenomenon)と言い、基質の利用率が低い。余剰汚泥を還流するから、汚泥の滞留時間が無制限で大きく、解放の作用下で不活性物質の分解を完成でき、化学無機栄養細菌(chemoautotrophic bacteria)が余剰汚泥の無機物消化を完成させ、化学有機栄養細菌(chemoheterotrophic bacteria)が余剰汚泥の有機物消化を完成させ、システムには不活性物質が蓄積されず、従って、都市汚水処理場は、余剰汚泥の排出量を0にすることを実現した。試験により、嫌気性沈澱槽に還流された汚泥と常軌汚水処理で生成された余剰汚泥は、大量に消化され、増減の平衡になり、嫌気性沈澱槽とSBR槽は、汚泥を全て外に排出し、かつ、反応が安定で、汚泥の零排出を実現した。
【0271】
汚水は、嫌気性沈澱槽から流出後に、嫌気性槽に入る。嫌気性沈澱槽、嫌気性槽および好気性槽は、逆A2/O法を構成する。汚水は、嫌気性槽中での常軌汚水処理を経て生成された還流汚泥と混合し、充分にアンモニアー窒素を脱除し、その後に汚泥と汚水との混合液が一緒に好気性槽に入り、好気性菌の代謝作用により汚水中の有機物をさらに吸着し、酸化と分解し、かつ、ニトロ化反応が発生する。
【0272】
最後に汚水は沈澱装置を経て沈澱後に出水させ、沈澱装置は、好ましくSBR槽で、SBR槽には汚泥を嫌気性槽に還流する還流比が0.5Q〜1Qで、余剰汚泥を高濃度汚泥反応槽に還流する。SBR槽に入った汚水は、既に有効的に水中の有機物を分解させ、水質が比較的に安定で、SBR槽の曝気作用後、汚水中の有機物の分解は更に完全になるとともに、SBR槽は、周期的な静沈時に綺麗な、高密度の汚泥層を生成し、該汚泥層は、汚泥フィルターの作用を発揮し、出水質量を改善する作用と脱窒素に対して重要な作用を有する。SBR槽中の汚泥濃度は、2000mg/L〜4000mg/Lで、溶存酸素含量は、2mg/L〜4mg/Lで、一週の期間内にSBR槽中の静沈時間が1.0h〜1.5hで、好ましくは1hで、静沈時に、汚水は、槽内に脱窒素と沈澱作用を行い、固定水位排水時間は、1.5h〜2.5hで、好ましくは2hである。
【0273】
嫌気性槽、好気性槽とSBR槽で構成されたOSA法は、還流汚泥を嫌気性槽に還流させ、有効的に繊維状菌を抑制し、汚泥膨脹の出現を防止し、汚泥沈降性能を改善し、汚泥生成量を減少することができる。好気性微生物の、ATP形成に必要とされるエネルギーは、外部有機物基質の酸化過程において生成され、好気性微生物が嫌気性条件にある時の有機物質の分解状況と好気性分解での状況とが完全に異なり、放出したエネルギーを大幅に減少し、汚泥自身体には、成長に用いられる充分のエネルギーがなく、正常な生理活動に必要なエネルギー源を供給するため、その体内に貯蔵のATPを利用しなければならない。従って、この段階にある微生物細胞内に貯蔵のATPは大量に消耗され、汚泥量が大きく減少する。この時、もし生物合成を行うと、微生物は、必要なエネルギー貯蔵を必ず行い、もし細胞内に充分のATP貯蔵がなく、細胞自身の合成が継続的に行うことができなければ、既に大量のATPを消耗した微生物は、栄養が豊富な好気性槽に再進入する時、自身のエネルギーに対する需求に満たせるため、微生物が細胞の異化作用により内部消化を行い、この嫌気性、好気性の交替は、この異化作用を増強させ、エネルギー解放がより大きくなり、汚泥生成量を減少させる。嫌気性槽は、同時に加水分解酸化作用を発揮し、汚水の生分解性が増加する。
【0274】
従って、本発明の汚泥処理装置では、既存の各種活性汚泥処理装置を改造することに用いると、特別に有利である。例えば、既存の汚水処理装置の近所に本発明の汚泥処理装置を建設し、既存の汚水処理装置の余剰汚泥を汚泥フィードとして該汚泥処理装置に導入するとともに、該汚泥処理装置から排出の上清液を汚水の一部として既存の汚水処理装置に導入する。このように、本発明の汚泥処理装置を利用し、既存の汚水処理装置の余剰汚泥を基本的に完全に消化し、改造後の汚水処理装置は、基本的に汚泥を排出することがなく、その同時に大量の生分解有機物を含有する上清液も既存の汚水処理装置が窒素とリンに対する除去に特に有利で、カーボン源が不足の問題を解決でき、これは、CODがより低い都市生物汚水に対して特に有利である。もし汚水フィードを本発明の汚泥処理装置に導入することに変換し、新たに建設の汚泥処理装置中の高濃度の汚泥をさらに利用して快速、高効率で汚水フィード中の汚染物を消化し、汚水処理効率と効果をさらに高めた。
【0275】
実施例1
本文の実施例においては、符号tはトンを示す。また、DSは乾燥汚泥を示し、m3は立方メートルを示し、dは天を示し、COD(chemical oxygen demand)は化学的酸素要求量を示す。
【0276】
装置と設計係数:
本発明の汚泥処理方法、及び汚水生物処理方法では、汚水処理能力が20000m3/dである汚水処理場を建設する。その概略構成は、図11に示すように、汚泥消化装置(本発明の「汚泥処理装置」に相当する)は、酸素供給処理に用いる高濃度汚泥反応槽、脱気槽、および無酸素処理に用いる嫌気性沈澱槽により構成されている。また、常軌汚水処理装置(本発明の「汚水処理装置中の汚水生物処理装置」に相当する)は、嫌気性槽、好気性槽およびSBR槽により構成されている。汚泥消化装置において生成された嫌気性沈澱槽内の汚泥(すなわち、第一濃縮混合液で、全部で第一混合液に用いられる)と、常軌汚水処理装置中のSBR槽において生成した余剰汚泥(すなわち、第二濃縮混合液で、全部で汚泥フィードに用いられる)と、グリッド処理を経た後の汚水(すなわち、汚水フィード)とを混合して第二混合液を生成する。第二混合液は、高濃度汚泥反応槽で酸素供給処理を経た後、第三混合液を生成する。第三混合液は脱気槽に入り、脱酸素を経た後、嫌気性沈澱槽に入り、嫌気性沈澱槽に沈澱処理(無酸素処理)を経過後、第四混合液を生成すると同時に、上層にある上清液と下層にある第一濃縮混合液が分離される。第一濃縮混合液を汚泥として還流させ、汚泥還流管に経て高濃度汚泥反応槽に返還させる。上清液は、常軌汚水処理装置に入り、嫌気性槽、好気性槽とSBR槽処理を経た後、出水(すなわち、浄化出水)と余剰汚泥(すなわち、第二濃縮混合液)を生成する。余剰汚泥は、過余剰汚泥曝気槽を経て曝気された後、高濃度汚泥反応槽に返還させる。
【0277】
この汚水処理場は、2008年7月から今までの運行状況から示した。汚泥生成率は、基本的に0tDS/(万m3汚水・d)のレベルで常に保持され、汚泥の零排出を実現した。対比として、類似汚水を処理する隣の都市汚水処理場の泥生成率は、通常は(1.04〜1.64)tDS/(万m3汚水・天)で、平均的には1.25tDS/(万m3汚水・d)である。
【0278】
排出された浄化出水の水質は、2008年9月から2009年5月までの試験で得た浄化出水の総量、COD、アンモニアー窒素観測データ(表1に参照)を参考でき、その中には高濃度汚泥反応槽の平均曝気時間を0.25〜3.5時間にコントロールし、嫌気性沈澱槽の沈澱時間を1〜5時間にコントロールし、曝気時間と沈澱時間の比値を1:0.8〜1:5の間にコントロールする。全試験期間に、汚水処理装置は、いかなる汚泥も排出することがなかった。
【0279】
表1:2008年9月から2009年5月までの期間に毎月浄化出水の総量、平均CODと平均アンモニアー窒素データ
【表1】
【0280】
《都市汚水処理場汚染物排出標準》GB18918-2002中で規定されたCODの最高許可排出濃度の一級B標準は60mg/Lであり、アンモニアー窒素の最高許可排出濃度の一級B標準。水温が12℃より高いときに8mg/Lで、水温が12℃以下のときに15mg/Lである。
【0281】
表1の観測データから分かるように、本発明で提供の都市汚水処理システムを応用し、排水中のCODとアンモニアー窒素は、気温が低くても気温の高低に関も係なく全てGB18918-2002一級B標準を満たした。
【0282】
2008年9月から2009年5月までの試験で、高濃度汚泥反応槽中の汚泥濃度は、始終相当高いレベルであることを、さらに観察したので、表2に示す。
【0283】
表2:2008年9月から2009年5月までの期間に高濃度汚泥反応槽中の第二混合液の汚泥濃度の月平均値
【表2】
【0284】
汚泥消化装置(すなわち、汚泥処理装置)の運転状況をさらに考察するため、汚水フィード、第二混合液水相と上清液のCOD、アンモニアー窒素及び総リン含量を測定し、表3に示す。
【0285】
表3:異なる時間でそれぞれ測定した汚水フィード、第二混合液水相と上清液のCOD、アンモニアー窒素及び総リン含量値(mg/L)
【表3】
【0286】
表3に示すように、汚泥消化装置から排出の上清液中のCOD、アンモニアー窒素と総リンは、第二混合液水相の相当値と比べて顕著に低い。本実施例の汚泥消化装置に対して言うと、汚水フィードと汚泥フィードは純輸入であって、上清液を除けば、汚泥または他の固体または液体を輸出することがなく、かつ、汚泥消化装置にも汚泥の蓄積は見つからない。従って、汚水フィードと汚泥フィードからの生物体と固体物は、上清液と排出できる形に部分転換された以外、残りの部分は全て汚泥消化装置に消化され、これで余剰汚泥の減量化を実現した。どんな理論に依るか分からないが、消化の生物体と固体物は、汚泥消化装置で気体の形に転換されて排気されたと考えられる。汚水処理装置全体に対しては、汚水フィード中の有機汚染物(主にCOD、アンモニアー窒素と総リンで示す)は、汚水処理装置で気体物質に転換されて排気され、従って浄化出水を得た同時に、汚泥と他の固体または液体物質を排出することがない。
【0287】
実施例2
本発明の汚泥処理方法と汚水生物処理方法に基づく、一つのMSBR(すなわち、A2/O法後SBRに接つ)プロセスで運行する現有汚水処理場を改造した。改造後の汚水処理場の汚水処理能力は、20000m3/dであり、その概略構成は図11に示すものでよく、その中には各係数は、実施例1の各係数と同じである。
【0288】
改造後の汚水処理場も既に一年あまり運転され、汚泥生成率は、基本的に0tDS/(万m3汚水・d)であり、同様に基本的に汚泥の排出量を0にすることが実現されるとともに、COD冬季平均排出濃度は24.3mg/Lで、夏季平均排出濃度が27.56mg/Lで、アンモニアー窒素冬季平均排出濃度が8.85mg/Lで、夏季平均排出濃度が4.07 mg/Lで、GB18918-2002一級B標準を満足させる。
【0289】
本発明が提供する汚泥処理方法を使用し、汚水処理システムを新たに建設し、または現有の常軌汚水処理装置に対して改造を行う。高濃度汚泥反応、嫌気性沈澱および常軌汚水処理などの処理方法を組合せて汚水を処理し、全て汚泥の沈降性能を改善でき、汚泥膨脹を抑制し、余剰汚泥の消化を実現でき、汚水処理システム全体で生成した余剰汚泥を減量し、ひいては汚泥の排出量を0にすることができる。
【0290】
以上、本実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムおよび汚泥減量化汚水処理方法の具体的な説明を行った。明細書と請求の範囲で述べた方法の各ステップを指す番号は、特別な指示または前後文章から唯一に確定できるものを除いて、各ステップの順序を示す訳ではない。
【0291】
本文では、具体的な例を応用して本発明の原理及び実施方式に対して解釈を行っているが、以上実施例の説明は、本発明の方法及びその核心思想を理解する助けをしているだけである。当業者は、本発明原理の前提下から脱離せず、本発明に対して若干の改良と修飾を行うことができること、これらの改良と修飾も本発明の請求の範囲内に入ることを明記する。
【技術分野】
【0001】
本出願は2009年12月1日に出願された、中国特許出願200910249722.X、及び本出願は2010年1月15日に出願された、中国特許出願201010000737.5に基づく。本明細書中に中国特許出願200910249722.X、及び中国特許出願201010000737.5の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照して取り込むものとする。
【0002】
本発明は、汚水生物処理方法を用いた汚泥処理方法、及び汚泥処理装置に関し、特に、汚泥減量化処理方法、汚泥減量化処理装置および汚泥減量化処理方法を有する汚泥減量化汚水生物処理方法ならびに泥減量化汚水生物処理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
水質汚染への関心が日毎に高まる中、各種汚水を安価に処理することが求められている。現在、全世界中で数万に上る汚水処理場が運用している中、環境意識や環境保護への要望が高まっており、更に多くの汚水処理場の建設が予定されている。
【0004】
微生物を用いて汚水を浄化処理する生物学的汚水処理法は、浄化効率が高く、エネルギー消費が低いという突出した利点を有し、汚水処理に広く用いられている。活性汚泥法と生物膜法をはじめとする汚水生物処理プロセスは、水汚染低減の分野で多大な成功を得た。しかし、この汚水生物処理プロセスにも改善の余地がある。
【0005】
例えば、実際の運用過程で、多数の汚水生物処理場は以下の問題が抱える。すなわち、(1)汚水(汚水生物処理場で処理される汚水)の水量が不足することにより、主に先進設計と汚水排水システム故障が発生し、汚水処理装置の運転に影響すること。(2)汚水の水質が不安定であること。主な原因は、工業廃水排入システム及び休日と季節変化等による生活習慣改変等が衝撃的な負荷を与えて汚水処理効果に影響すること。(3)カーボン源が不足すること。これは各汚水処理場に共通する問題でであり、主に現代の生活習慣に起因するもので、生物の栄養物が偏り、窒素とリンの除去効果に影響する。
【0006】
これらの問題に直面する際に、従来の活性汚泥法では以下の欠陥を示した。すなわち、(1)曝気槽内の生物濃度が低い。(2)水質、水量についての衝撃的な負荷に耐える能力が劣り、安定した運転ができない。(3)汚泥の膨張が発生しやすい。(4)汚泥の産量が多い。(5)基礎建設と運転費用が高く、敷地面積が大きくなる等である。なお、運転費用とは、設備を運転するのに必要な、電力費、燃料費、消耗品の購入費、人件費その他の費用を意味する。
【0007】
特に、近年の汚水生物処理プロセスにおいて最も注目される問題は、大量の余剰汚泥が発生することである。汚泥処理の費用は高額であり、汚水処理場建設と運転の総費用の約50%〜60%程度に占める。余剰汚泥は、特別な処理を必要とするため、汚水処理の運転費用が増加すると共に、選択可能な汚泥処理方法も制限される。よく知られる汚泥減量方法には、嫌気性消化と好気性消化(Aerobic digestion)を含む消化法があり、それ以外にも、例えば、湿式酸化法を含む汚泥熱処理法、重力濃縮法や気体浮き濃縮法を含む汚泥濃縮法、機械脱水や化学凝集法を含む汚泥脱水法、自然ドライ法やオーブンドライ法を含む汚泥ドライ法がある。しかし、これらの汚泥減量方法により、汚泥排水の問題を完全に解決できるわけではない。
【0008】
特許文献1には、汚泥還流消化減量の汚水処理方法が開示されている。この汚水処理方法では、余剰汚泥を嫌気性沈澱槽に戻し、汚泥消化減量するように嫌気性沈澱槽下部の沈澱汚泥区で長期に蓄積し、汚水フィードが嫌気性沈澱槽を通過後、汚水処理を行い、浄化水と余剰汚泥を生成している。すなわち、この汚水処理方法では、嫌気性沈殿槽に残った汚泥を定期的に除去する必要がある。
【0009】
また、特許文献2には、活性汚泥汚水処理システムおよびその方法が開示されている。この、活性汚泥汚水処理システムおよびその方法では、接触タンクで汚泥を用いて汚水を処理し、その後、固液分離器で汚泥と水を分離し、汚泥消化減量するように、分離された汚泥と一部の汚水を消化タンクに混合して曝気し、曝気後の汚泥と水とを混合した混合液の一部を接触タンクに戻し、その一部を排出する。
【0010】
また、現有の汚水生物処理プロセスは、一般的にリンの除去効果が良くない。リンは、水自身の富栄養化の主な因子であり、かつ、人類が持続的に発展するための重要な元素である。従って、現在は、水自身中のリン含量のコントロールがより厳格になり、かつ、次第に単一の「除去」から「回収」に転換するようになった。現在の脱リンプロセスは、リン蓄積細菌(phosphorus-accumulating bacteria)が嫌気性釈放したリンを、好気性状態下で大量のリン摂取現象に基づいて、最終的に除去するため、ある固定量の汚泥を排出しなければならない。このことは、汚泥減量に対して巨大な挑戦になる。
【0011】
上述のとおり、上述した問題、特に、汚泥減量の問題を解決するために、依然として新しい汚泥処理方法と汚水生物処理方法を開発する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】中国特許出願公開第101481191号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0030003号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点に係る汚泥処理方法は、(1)生物学的汚水処理ステップにおいて生成された汚泥フィードと、第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、(2)上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)上記第四混合液を分離して、上清液と第一濃縮混合液を生成し、(5)上記上清液を排出するとともに、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還し、かつ、上記ステップ(1)に返還されない、上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくする、ステップを有する。
【0014】
上記本発明の第1の観点に係る汚泥処理方法において、上記ステップ(5)において、上記第一濃縮混合液の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を、第一混合液として上記ステップ(1)に返還するとともに、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液を排出する。
【0015】
換言すると、上記ステップ(5)において、上記ステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量と汚泥フィードの汚泥量の比例は、任意の好適な値でも良く、例えば約40%より少なく、約35%より少なく、約30%より少なく、約25%より少なく、約20%より少なく、約15%より少なく、約13%より少なく、約10%より少なく、約8%より少なく、約5%より少なく、約3%より少なく、約1%より少なく、及び約0%の中から選択される。
【0016】
また、上記ステップ(5)において、基本的に、第一濃縮混合液の全部を第一混合液として上記ステップ(1)に返還する。
【0017】
また、上記ステップ(1)において、有機栄養物、汚泥フィードおよび第一混合液を混合し、第二混合液を生成し、上記有機栄養物は、好ましくは汚水フィードである。つまり、上記ステップ(1)は、上記汚水フィードを上記第一混合液に混合する処理をさらに有する。
【0018】
また、上記ステップ(1)において、汚泥フィードと汚水フィードとの流量比が1:0.01〜1:100、好ましくは1.0:0.1〜1.0:10.0、さらに好ましくは1:0.5〜1:5.0である。具体的に言うと、汚泥フィードと汚水フィードとの流量比は、任意好適な値でも良く、例えば1:100〜1:50、1:50〜1:20、1:20〜1:10、1:10〜1:5、1:5〜1:2、1:2〜1:1.5、1:1.5〜1:1、1:1〜1:0.8、1:0.8〜1:0.5、1:0.5〜1:0.2、1:0.2〜1:0.1、1:0.1〜1:0.05、1:0.05〜1:0.02及び1:0.02〜1:0.01の中から選択される。
【0019】
また、前記ステップ(2)における酸素供給処理の処理時間は0.1時間〜4.0時間、好ましくは0.5時間〜2.0時間、さらに好ましくは0.5時間〜1.5時間である。
【0020】
また、前記ステップ(3)における無酸素処理の処理時間は0.8時間〜6.0時間、好ましくは1.0時間〜4.0時間、さらに好ましくは1.0時間〜3.0時間である。
【0021】
また、酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比は、1.0:0.5〜1.0:6.0、好ましくは1.0:1.0〜1.0:3.0、さらに好ましくは1.0:1.5〜1.0:2,0、最も好ましくは1.0:2.0である。
【0022】
また、前記ステップ(2)の酸素供給処理を、間欠的な曝気または連続的な曝気により行う。
【0023】
また、前記ステップ(2)における第三混合液の溶存酸素濃度は0.1mg/L〜4.0mg/L、好ましくは1.5mg/L〜3.0mg/L、さらに好ましくは2.0mg/L〜3.0mg/Lである。
【0024】
また、上記ステップ(3)、及び上記ステップ(4)における処理を沈澱方式により行う。
【0025】
また、上記ステップ(1)における第二混合液の汚泥濃度は3000mg/L〜30000mg/L、好ましくは3000mg/L〜20000mg/L、さらに好ましくは4000mg/L〜15000mg/Lである。
【0026】
また、通気微生物が第一混合液、第二混合液、第三混合液および第四混合液の汚泥中の優勢種類である。
【0027】
また、上記ステップ(2)及び/または上記ステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する。
【0028】
本発明の第2の観点に係る汚水生物処理方法は、(1)汚水生物処理ステップにおいて生成された汚泥フィードと、第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、(2)上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)上記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成し、(5)上記上清液を排出するとともに、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還し、かつ、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくし、(6)上記ステップ(5)において排出した前記上清液の少なくとも一部および任意選択できる部分の汚水フィードに対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液、及び浄化出水を生成し、(7)上記浄化出水を排出するとともに、上記ステップ(6)において生成した上記第二濃縮混合液の少なくとも一部を、汚泥フィードとして上記ステップ(6)に返還する、ステップを有し、上記ステップ(1)に返還された上記汚水フィード、上記汚泥フィードおよび上記第一混合液を混合し、上記第二混合液を生成し、および/または、上記ステップ(6)において、上記ステップ(5)において排出された上清液の少なくとも一部とともに汚水生物処理を行い、ステップ(1)において、好ましくは、上記汚水フィードの少なくとも一部、上記汚泥フィードおよび上記第一混合液を混合し、上記第二混合液を生成し、上記ステップ(1)において、さらに好ましくは、上記汚水フィードの全部、上記汚泥フィードおよび上記第一混合液を混合し、上記第二混合液を生成する。
【0029】
上記本発明の第2の観点に係る汚水生物処理方法において、上記ステップ(5)において、上記第一濃縮混合液の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を、上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還するとともに、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液を排出する。
【0030】
また、上記ステップ(6)において、上記ステップ(5)において排出した上清液の少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%、さらに好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%に対して汚水生物処理を行う。
【0031】
また、上記ステップ(1)において、汚水フィードの少なくとも20%、好ましくは少なくとも35%、さらに好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を導入するとともに、上記ステップ(6)において、上記ステップ(1)において導入しない汚水フィードを導入する。
【0032】
好ましくは、上記ステップ(1)において、汚水フィードの全部を導入するとともに、上記ステップ(6)において汚水フィードを導入しない。
【0033】
また、上記ステップ(2)における上記酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である。
【0034】
また、上記ステップ(3)における無酸素処理の処理時間は0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間である。
【0035】
また、上記酸素供給処理の処理時間と上記無酸素処理の処理時間との比は、1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2である。
【0036】
また、上記ステップ(2)の上記酸素供給処理は、間欠的な曝気または連続的な曝気の方式により行う。
【0037】
また、上記ステップ(2)における上記第三混合液の溶存酸素濃度は0.1〜4mg/L、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2〜3mg/Lである。
【0038】
また、上記ステップ(3)および上記ステップ(4)における処理を沈澱方式により行う。つまり、無酸素処理、分離処理および沈澱(好ましくは沈澱槽による沈澱)により完成させる。
【0039】
また、上記ステップ(1)における上記第二混合液の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである。
【0040】
また、上記ステップ(2)および/または上記ステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する。
【0041】
また、上記ステップ(7)において、ステップ(1)に返還して汚泥フィードとする第二濃縮混合液の、第二濃縮混合液全体に占める割合が、1〜100%、好ましくは約80〜100%、さらに好ましくは約100%である。
【0042】
また、上記ステップ(7)において、上記ステップ(1)に返還される上記第二濃縮混合液の、上記ステップ(1)における上記汚泥フィード全体に占める割合が、1〜100%、好ましくは約80〜100%、さらに好ましくは約100%である。
【0043】
また、上記ステップ(6)は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、又はこれらの処理方法を組合せたもの中から選択される汚水生物処理ステップである。
【0044】
本発明の第3の観点に係る汚泥処理装置は、汚水フィード、汚泥フィードおよび第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、上記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成する第4手段と、上記上清液を排出する第5手段と、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を、第一混合液として上記第1手段に返還するとともに、上記第一設備に返還されない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、を備える。
【0045】
上記本発明の第3の観点に係る汚泥処理装置において、上記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4.0時間とし、好ましくは0.5〜2.0時間とし、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように第2手段を構成する。
【0046】
また、上記無酸素処理の処理時間を、0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間になるように第3手段を設ける。
【0047】
また、上記酸素供給処理の処理時間と上記無酸素処理の処理時間との比を、1:0.5〜1:6とし、好ましくは1:1〜1:3とし、さらに好ましくは1:1.5〜1:2とし、最も好ましくは1:2とするように第2手段および第3手段を構成する。
【0048】
また、上記第2手段を曝気槽により構成する。
【0049】
また、上記第3手段および上記第4手段を沈澱槽により構成する。つまり、上記第3手段および上記第4手段を共に沈澱槽とする。
【0050】
また、上記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集、かつ、回収可能に構成された回収手段をさらに備える。
【0051】
本発明の第4の観点に係る汚水生物処理装置は、汚泥フィードと第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、上記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成する第4手段と、上記上清液を排出する第5手段と、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を、第一混合液として上記第1手段に返還するとともに、上記第一設備に返還しない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、上記第5手段により排出した上清液の少なくとも一部に対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液および浄化出水を生成する第7手段と、上記浄化出水を排出する第8手段と、上記第1手段に導入した上記汚水フィード、上記汚泥フィードおよび上記第一混合液を混合して上記第二混合液を生成し、および/または、上記第7手段に返還した上記上清液とともに汚水生物処理を行う第9手段と、上記第二濃縮混合液の少なくとも一部を、第1手段に返還する第10手段と、を備える。
【0052】
上記本発明の第4の観点に係る汚水生物処理装置において、上記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように第2手段を構成する。
【0053】
また、上記無酸素処理の処理時間を、0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間とするように第3手段を構成する。
【0054】
また、上記酸素供給処理の処理時間と上記無酸素処理の処理時間の比を、1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2とするように上記第2手段および上記第3手段を構成する。
【0055】
また、上記第2手段を曝気槽により構成する。
【0056】
また、上記第3手段および上記第4手段を沈澱槽により構成する。つまり、上記第3手段および上記第4手段を共に沈澱槽とする。
【0057】
また、上記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集、かつ、回収可能な回収手段をさらに備える。
【0058】
また、上記第7手段は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せたもの中から選択される汚水生物処理を行う処理手段である。
【0059】
本発明の第5の観点に係る汚水生物処理において生成された汚泥中のカーボン、窒素とリン含量を低下させる方法は、汚泥を汚泥フィードとして前記汚泥処理方法によりその中のカーボン、窒素とリンの含量を低下させるステップを有する。
【0060】
本発明の第6の観点に係る汚水中のカーボン、窒素とリン含量を低下させる方法は、汚水を汚水フィードとして前記汚水生物処理方法によりその中のカーボン、窒素とリンの含量を低下させるステップを有する。
【0061】
本発明の第7の観点に係る汚水生物処理過程において生成された汚泥中のリンを回収する方法は、(i)汚泥を汚泥フィードとして前記汚泥処理方法によりその中の含リン化合物、特に溶液方式で存在する含リン化合物を、気体の状態にある含リン化合物に転換して排気するステップと、(ii)上記ステップ(i)において排気した気体の状態にある含リン化合物を回収するステップと、を有する。
【0062】
本発明の第8の観点に係る汚水中のリンを回収する方法は、
(i)汚水を汚水フィードとして前記汚水生物処理方法によりその中の含リン化合物、特に溶液方式で存在する含リン化合物を、気体の状態にある含リン化合物に転換して排気するステップ(i)と、(ii)上記ステップ(i)において排気した気体の状態にある含リン化合物を回収するステップ(ii)と、を有する。
【0063】
本発明の第9の観点に係る汚泥減量化処理方法は、(a)汚水フィードおよび汚水生物処理ステップにおいて生成された第一汚泥を、酸素供給処理区、好ましくは曝気槽、に導入するステップと、(b)上記酸素供給処理区中の混合液に対して酸素供給処理を行うステップと、(c)上記酸素供給処理を行った混合液を、無酸素処理区、好ましくは沈澱槽に導入して処理を行い、第二汚泥および上清液を生成するステップと、(d)上記第二汚泥の少なくとも一部を酸素供給処理区に返還するとともに、上記第二汚泥の残りの一部を排出するステップと、を有し、上記ステップ(d)において排出した第二汚泥のMLSS総量を、上記第一汚泥のMLSS総量より小さくし、上記酸素供給処理は、間欠的な曝気または連続的な曝気により行うものである。
【0064】
上記本発明の第9の観点に係る汚泥減量化処理方法において、上記ステップ(d)において、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、酸素供給処理区に返還する。
【0065】
また、上記ステップ(d)における上記酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である。
【0066】
また、上記酸素供給処理区において、上記酸素供給処理された混合液の出口溶存酸素濃度は0.1〜4mg/L、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2〜3mg/Lである。
また、上記酸素供給処理区の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである。
【0067】
また、上記ステップ(b)および/または上記ステップ(c)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する処理をさらに有する。
【0068】
本発明の第10の観点に係る汚泥減量化処理装置は、汚水生物処理ステップにおいて生成された第一汚泥を接収する第一入口、第二汚泥の少なくとも一部を接収する第二入口、および任意に選択された汚水フィードを接収する第三入口を有する酸素供給処理区と、酸素供給処理区において生成された混合液を処理し、上清液および第二汚泥を生成する無酸素処理区と、上記第二汚泥の少なくとも一部を、酸素供給処理区に返還する循環装置と、を備え、上記酸素供給処理区は、接収した上記第一汚泥、上記第二汚泥および上記汚水フィードに対して、間欠的な曝気または連続的な曝気による酸素供給処理を行うものである。
【0069】
また、上記循環装置は、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0070】
また、上記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように酸素供給処理区を構成する。
【0071】
また、上記酸素供給処理区および上記無酸素処理区において生成れた気体の状態にある含リン化合物を回収するリン回収装置をさらに備える。
【0072】
本発明の第11の観点に係る汚泥減量化汚水処理方法は、曝気槽の酸素供給処理区、沈澱槽の無酸素処理区および生物処理区を備える汚水生物処理装置を用いて、汚水フィードに対して、酸素供給処理、無酸素処理、および/または、沈澱処理、さらに汚水生物処理をこの順に行うステップと、上記生物処理区および上記無酸素処理区にそれぞれ存在する、および/または、上記生物処理区および上記無酸素処理区のそれぞれにおいて生成された第一汚泥の少なくとも一部と、第二汚泥の少なくとも一部とを、上記酸素供給処理区に返還し、上記汚水フィードに対して、生物処理を行うと同時に汚泥を消減させるステップと、を有するものである。
【0073】
本発明の第12の観点に係る汚泥減量化汚水処理方法は、(a)汚水フィード、後述するステップ(d)において生成される第二汚泥の少なくとも一部、および後述するステップ(g)において生成される第一汚泥の少なくとも一部を酸素供給処理区、好ましくは曝気槽に導入するステップと、(b)上記酸素供給処理区中の混合液に対して酸素供給処理を行うステップと、(c)酸素供給処理された混合液を、沈澱槽の無酸素処理区、好ましくは沈澱槽に導入して処理を行い、第二汚泥および上清液を生成するステップと、(d)上記第二汚泥の少なくとも一部を、上記酸素供給処理区に返還するとともに、上記第二汚泥の他の一部を排出し、かつ、排出した上記第二汚泥のMLSS総量を、上記酸素供給処理区に返還した前記第一汚泥のMLSS総量より小さくするステップと、(e)上記無酸素処理区において分離した上清液と、任意に選択された他の汚水フィードとを汚水生物処理区に返還するステップと、(f)汚水生物処理区において、上記上清液および前記他の汚水フィードに対して生物処理を行い、上記第一汚泥および出水を生成するステップと、(g)上記第一汚泥の少なくとも一部を上記酸素供給処理区に返還するとともに、上記第一汚泥の他の一部を汚水生物処理区に返還し、または、上記第一汚泥の他の一部を排出するステップと、を有し、前記酸素供給処理は、間欠的な曝気、または、連続的な曝気により行う。
【0074】
上記本発明の第12の観点に係る汚泥減量化汚水処理方法において、上記ステップ(d)において、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0075】
また、上記ステップ(g)において、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0076】
また、上記ステップ(b)における酸素供給処理の処理時間は、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である。
【0077】
また、上記酸素供給処理区における上記酸素供給処理を行った混合液の出口溶存酸素濃度は、0.1〜4.0mg/L、好ましくは1.5〜3.0mg/L、さらに好ましくは2.0〜3.0mg/Lである。
【0078】
また、酸素供給処理区の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである。
【0079】
また、生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する。
【0080】
また、上記ステップ(f)の生物処理は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた処理を行う汚水生物処理ステップである。
【0081】
本発明の第13の観点に係る汚泥減量化汚水処理装置は、曝気槽の酸素供給処理区、沈澱槽の無酸素処理区および汚水生物処理区を備え、上記酸素供給処理区は、汚水フィード入口、上記無酸素処理区に連通する第二汚泥還流管線、および汚水生物処理区に連通する第一汚泥還流管線を有し、上記酸素供給処理区、上記無酸素処理区および上記汚水生物処理区の順で連通し、上記汚水生物処理区は、上記無酸素処理区において排出した上記第二汚泥のMLSS総量を、上記汚水生物処理区に循環して酸素供給処理区に返還した上記第一汚泥のMLSS総量より小さくする。
【0082】
本発明の第14の観点に係る汚泥減量化汚水処理装置は、第一汚泥の少なくとも一部を接収する第一入口と、第二汚泥の少なくとも一部を接収する第二入口と、汚水フィードを接収する第三入口とを有する酸素供給処理区、好ましくは曝気槽と、上記酸素供給処理区において生成した混合液に対して無酸素処理を行い、上清液および第二汚泥を生成する無酸素処理区、好ましくは沈澱槽と、任意に選択された他の汚水フィード入口を有し、前記上清液および上記他の汚水フィードに対して生物処理を行い、第一汚泥および出水を生成する汚水生物処理区と、上記第一汚泥の少なくとも一部を、上記酸素供給処理区に返還する第一循環装置と、上記第二汚泥の少なくとも一部を、上記酸素供給処理区に返還する第二循環装置と、上記第一汚泥の他の一部を排出する、任意に選択された第一汚泥排出装置と、上記第二汚泥の他の一部を排出する、任意に選択された第二汚泥排出装置と、を備え、前記酸素供給処理区は、接収した上記第一汚泥、上記第二汚泥および上記汚水フィードに対して、間欠的な曝気または連続的な曝気による酸素供給処理を行うものである。
【0083】
また、上記第二循環装置は、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0084】
また、上記第一循環装置は、上記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、上記酸素供給処理区に返還する。
【0085】
また、酸素供給処理の処理時間時間を、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5とするように前記酸素供給処理区を構成する。
【0086】
また、汚水処理装置により生成された気体の状態にある含リン化合物を回収するリン回収装置をさらに備える。
【0087】
また、上記生物処理区は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法および移動床法のいずれかの処理方法、またはこれらの処理方法の組合せた汚水生物処理を行うことができる処理手段である。
【発明の効果】
【0088】
本発明の発明者は、上記汚泥処理方法または汚泥減量化処理方法を用いることで、汚泥を排出する必要がなく、汚泥を蓄積することもなく、長期的に安定して運転できることを実現した。
【0089】
このように、本発明に係る汚泥処理方法または汚泥減量化処理方法によれば、汚泥の排出を基本的に無くすことができ、汚泥排水問題を根本的に解決できる。そのため、社会的および経済的に大きな意義を有する。
【0090】
また、本発明に係る前記汚泥処理方法または汚泥減量化処理方法は、各種好適な汚水生物処理方法と容易に組合せることができるため、新たな汚水生物処理方法を形成することができる。
【0091】
特に、上記汚水生物処理方法により生成された余剰汚泥は、本発明の汚泥処理方法の処理により消化できる。
【0092】
また、本発明の汚泥処理方法により生成された出水(上清液)は、通常に中性(すなわち、pH値が6〜8の間で、特に6.5〜7.5の間である)と呈する。従って、pH値を調節する必要がなく、加えて行う汚水生物処理により排水標準に満たす浄化出水が生成される。
【0093】
最も特に、本発明の汚水生物処理方法によれば、基本的に汚泥を排出しない状況下で、依然として良好なリン消去効果を得ることができる。
【0094】
従来の汚水生物処理方法と比較すると、新しい汚水生物処理方法は、汚泥排水を顕著に減少し、ひいては完全に消去でき、かつ、良好の汚水処理効果と、出水水質、より小さい設備敷地面積、より少ない建設費用と、運転費用と、より高い抗衝撃負荷能力と運行安定性をさらに有する。
【0095】
本発明の上記記汚泥処理方法または汚泥減量化処理方法は、特に、現有の各種汚水生物処理装置を改造することで適用可能であり、これにより、汚泥排出を顕著に減少し、ひいては完全に消去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】従来の活性汚泥法の基本的な処理の手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る汚泥処理方法の一実施形態の処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明に基づく汚水生物処理方法または汚泥減量化汚水(生物)処理方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明に基づく汚水生物処理方法または汚泥減量化汚水生物処理方法の他一つ実施形態の処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る汚水生物処理方法の酸化溝法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る汚水生物処理方法のSBR法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る汚水生物処理方法のAB法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明に係る汚水生物処理方法のA/O法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る汚水生物処理方法のA2/O法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る汚水生物処理方法のMSBR法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る汚水生物処理装置の概略構成を示す図である。
【図12】本発明に係る汚水生物処理装置の概略構成を示す図である。
【図13】本発明に係る汚水生物処理装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下説明する実施態様は例示であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0098】
本発明に係る「汚水」とは、生物処理方法を用いて浄化処理可能な有機汚染物を主成分とする汚水である。この汚水は、例えば、工業廃水又は生活汚水、及びこれらの汚水を組み合わせたものであり、都市生活汚水が含まれる。
【0099】
また、汚水は、汚水の排出現場から直接に採集した汚水、下水道網から採集した汚水、採集した汚水を一定期間、貯蔵して得た汚水、または採集した汚水に処理を施した汚水でもよい。この汚水に施す処理は、例えば、生物処理、化学処理または物理処理のいずれか、又はこれらの処理を組み合わせたものである。また、生物処理、化学処理または物理処理とは、発酵、酸−塩基調節、成分調節、濃度調節及び沈澱、ろ過、遠心分離などの処理である。
【0100】
また、本発明に係る「生物学的汚水処理」とは、微生物の代謝作用を利用し、汚水中の有機汚染物(POPs:Persistent Organic Pollutants)を安定な無害物質に転換させる処理方法である。
【0101】
この生物学的汚水処理は、微生物が溶存酸素のもとに分解処理を行う好気性生物処理と、溶存酸素がない状態で分解処理を行う嫌気性生物処理とに大別される。
【0102】
まず、好気性生物処理について説明する。好気性生物処理は、水中に存在する微生物により、汚水を酸化させて浄化する方法である。この好気性生物処理は、活性汚泥法と、生物膜法とに大別される。
【0103】
活性汚泥法は、現在最も広く用いられている汚水処理方法である。この活性汚泥法では、有機物質を大量に含有する汚水に空気を吹き込んみ、一定期間経過させた後、一定期間経過後の汚水中にバイオフロック(bioflocs;製品名)を導入し、活性汚泥を生成する。
【0104】
このようにして形成した活性汚泥には、大量の「生きた」微生物が含まれており、これらの微生物が、水中の有機物質を餌として増殖し、汚水を浄化させる。図1は、活性汚泥法の基本的な処理を示すフローチャートである。
【0105】
一方、生物膜法では、汚水が固体フィラーを流通する。フィラー上には汚泥状の生物膜が生成されており、生物膜に含まれる大量の微生物が、上述した活性汚泥と同様に、汚水を浄化する。生物膜法を用いた浄化処理装置は、例えば、生物ろ過槽、回転バイオディスク、生物接触酸化、及び流動床式微生物処理部により構成される。
【0106】
次に、嫌気性生物処理について説明する。嫌気性生物処理では、通性嫌気性菌(Facultative anaerobes)や偏性嫌気性菌(Obligate anaerobes)が無酸素条件下で有機汚染物を分解する処理技術を利用する。嫌気性生物処理を行うための処理装置は、例えば、消化槽、嫌気性ろ過槽、嫌気性汚泥床、回転ディスク、およびバッフル嫌気性反応器により構成される。
【0107】
汚水中に有機汚染物が複数種類含まれている場合、これらの有機汚染物を浄化するために、複数種類の浄化処理方法が組合せて用いられる。
【0108】
使用される浄化処理方法には、例えば、活性汚泥法として、OSA法(Oxic Settling Anaerobic process;好気性-沈降-嫌気性法)、嫌気性生物処理プロセス(例えば、嫌気性生物ろ過槽、嫌気性回転バイオディスク、嫌気性接触法、UASB法(Up-flow Anaerobic Sludge Blanket process:上向流式嫌気性汚泥床法)、および分段嫌気性消化法など)、硝化内生脱窒法(Wuhrmann process)、A/O法(嫌気-好気法:A/O process)、バーデンホ法(Bardenpho process)、ホレドックス法(Phoredox process)、A2/O法(嫌気-無酸素-好気法;Anaerobic Anoxic Oxic process)、逆A2/O法(好気-無酸素-嫌気法;Oxic Anoxic Anaerobic process)、UCT法(The University of Cape Town process)、MUCT法(The Modified University Cape Town process)、VIP法(Virginia Initiative Plant process)、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法(the Taiwan National Central University Process)、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、SBR法(Sequencing Batch Reactor Process;回分式活性汚泥法)、MSBR法(Modified Sequencing Batch Reactor;改良型回分式活性汚泥法)、ABプロセス、生物膜法であり、また、例えば、生物ろ過槽、回転バイオディスク、生物接触酸化法、流動床式微生物処理部、および曝気可能に構成された生物ろ過槽などを用いて構成された装置を用いる浄化処理方法である。また、上述したこれらの浄化処理方法を組み合わせて用いることもできる。
【0109】
なお本発明における「汚泥」とは、生物学的汚水処理工過程において生成された活性汚泥を含有する汚泥である。また、活性汚泥とは、汚水中に存在する微生物が形成した絮凝体であり、主に水と各種微生物を含有する。各種微生物としては、例えば、好気性菌、嫌気性菌と通気菌、さらに真菌、藻類、原生動物などがある。
【0110】
これらの各種微生物は、汚泥の培養と所在環境の変化に伴い、生存環境に適応するために、汚泥中の各種微生物類群も例えば数量と構成比が変化し、ひいては基因変異等が発生することがある。
【0111】
汚水を生成方法により分類すると、例えば、生活汚水汚泥と工業廃水汚泥に大別できる。
【0112】
また、別の汚泥の生成方法により分類すると、例えば、活性汚泥法二次沈澱槽において生成した汚泥が排出されたもの(余剰汚泥または余剰活性汚泥とも言い、主な成分が微生物と水である)、生物膜法二次沈澱において生成した汚泥が排出されたもの(腐植汚泥とも言い、主な成分が脱落の生物膜である)、汚水処理場の初回沈澱槽において生成した汚泥が排出されたもの(初回沈澱汚泥とも言い、主な成分が固体有機物と微生物などである)、廃水を嫌気性処理した後に排出された汚泥(嫌気性汚泥とも言う)、前記汚泥を消化した後の汚泥(消化汚泥または熟成汚泥とも言う)、および化学沈澱槽において生成された汚泥(化学汚泥ともいう)等がある。
【0113】
汚泥処理の過程で分類すると、例えば、生汚泥または新鮮汚泥(すなわち、任意の汚泥処理を行っていない汚泥)、濃縮汚泥、消化汚泥、脱水汚泥、乾燥汚泥等がある。
【0114】
本実施形態に係る汚泥は、上述した汚泥から任意に選択されたものでも、選択された汚泥を複数種類組合せたものでもよく、特に含水量が90%以上、95%以上、好ましくは97%以上の余剰汚泥、好ましくは新鮮汚泥である。
【0115】
本発明に係る「混合液」とは、上述した汚泥と水によって構成される混合物であり、泥水混合物または泥水混合液ともいう。混合液中に含まれる汚泥には、良好な沈降性能を有するものが好適であり、特に曝気と沈澱過程において汚泥膨脹または汚泥上浮を発生しない。
【0116】
一般的に、混合液の汚泥体積指数(SVI、例えばSVI30で示し、混合液を1000mLメスシリンダー内に30分間静かに置いた後の、1gの活性汚泥懸濁固体に占められる体積を指し、単位はmL/gである)は、酸素供給処理時に発生した汚泥膨脹の最小値より有利的に小さく、例えばSVI30は、200ml/gより小さく、150ml/gより小さく、100ml/gより小さく、または50ml/gより小さくても良い。
【0117】
本発明の「濃縮混合液」とは、上述した混合液から水の一部を分離除去して得た汚泥の濃度を高めた混合液であり、汚泥という場合もある。例えば、第一濃縮混合液を第一汚泥という場合もある。
【0118】
上述した水の分離方法としては、例えば、沈澱分離法、遠心分離法、又はろ過分離法がある。例えば、沈澱分離法を用いて分離処理を行う場合には、混合液中の汚泥はだんだんと沈下し、混合液上部の上清液と、混合液下部の濃縮混合液とに分離する。このとき、濃縮混合液の汚泥濃度は増加する。分離処理の段階によって、混合液全体の体積に占める、上清液を除く下部混合液(濃縮混合液)の割合が異なる。混合液全体の体積に占める濃縮混合液の割合は、例えば、5〜85%(例えば、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%、30〜35%、35〜40%、40〜45%、45〜50%、50〜55%、55〜60%、65〜70%、70〜75%、75〜80%、80〜85%)となる。
【0119】
本発明の「酸素供給処理」とは、酸素と混合液とを接触させる処理であり、特に、酸素含有気体(例えば空気)と混合液を接触させる処理を指す。本発明においては、「酸素供給処理」を酸素含有気体と混合液とを接触させる任意の方法を用いて行う。例えば、酸素含有気体を、流動状態、又はは静止した状態の混合液中に流し込んで行い、特に、酸素含有気体を用いて混合液を曝気させる。
【0120】
好気性処理は、典型的な酸素供給処理である。酸素供給処理は、任意の条件下、例えば、在常圧、又は加圧等の圧力条件や、常温、低温及び/または昇温等の温度条件下で行うことができる。また、酸素供給処理は、任意の方式、例えば、エアブラスト式曝気、機械式曝気、ジェット式曝気等の方式により行うこともできる。さらに、酸素供給処理は、任意の設備、例えば、曝気槽、酸化溝、流動床、移動床式ろ過装置、又は膜設備等の設備を用いて行うこともでき、曝気槽を用いて曝気処理を行うことが好ましい。
【0121】
酸素含有気体としては、空気を用いることが好ましく、全ての曝気処理に用いられる。酸素供給処理では、混合液の溶存酸素濃度を、希望値となるように、だんだんと上昇させる。酸素供給処理の処理時間は、一般的に、混合液を酸素供給処理装置内に留置する時間(又は、混合液が酸素と接触する時間)と、流し込む酸素含有気体の量によって決定される。通常、酸素供給処理において、好気性生物及び通気生物の成長が促進され、嫌気性生物の成長が抑制される。
【0122】
本発明に係る「無酸素処理(anoxic process:アノキシク処理)」とは、酸素含有気体と混合液との接触を回避させる処理のことである。無酸素処理は、酸素含有気体と混合液との接触を避ける任意の方法、例えば、曝気を停止する方法や任意の脱気方法を用いて行われる。
【0123】
本発明には、ニトレート窒素が存在するかどうか、基本的に溶存酸素さえ存在せず、例えば溶存酸素レベルが0.1mg/Lより低い時、無酸素処理状態にあると認められる。
【0124】
つまり、ある文献に記載の無酸素(anoxic)条件(ニトレート窒素があり、溶存酸素がない)と嫌気性条件(ニトレート窒素がなく、溶存酸素もない)下で全て本発明の無酸素処理を行うことができる。
【0125】
例えば、酸素含有気体の排出および溶存酸素の消耗によって、混合液中の溶存酸素濃度は次第に低下し、希望値に達する。溶存酸素濃度の希望値とは、0mg/Lである。
【0126】
特に、無酸素処理は、曝気を停止した状態で、混合液を沈澱槽内でゆっくりに流動させて行う。沈澱槽は、例えば、横流式沈澱槽、縦流式沈澱槽、または径流式沈澱槽が好適である。
【0127】
無酸素処理の処理時間は、一般的に、混合液を無酸素処理装置内に留置する時間により決定される。通常、無酸素処理では、好気性生物及び通気生物の成長が促進され、嫌気性生物の成長が抑制される。
【0128】
本発明の「汚泥量」とは、汚泥含有量のことであり、一般的には、汚泥、汚水、混合液および濃縮混合液のいずれかの中に含まれる固体または懸濁物の量を指す。これら固体または懸濁物には、一般的に、主な生物体と有機固体物質(生物分解できる有機物質と生物分解できない有機物質とを含む)が含まれる。この汚泥量は、MLSS総量で表示される。MLSS(mixed liquor suspended solids)とは、混合液懸濁固体濃度または混合液汚泥濃度を意味し、曝気槽の容積毎の混合液に含まれた活性汚泥固体物の総重量(mg/L)を表示すものである。
【0129】
本発明の第1の観点に係る汚泥処理方法は、(1)汚泥フィードと、第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、(2)上記第一混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)上記第四混合液を分離して、上清液および第一濃縮混合液を生成し、(5)上記上清液を排出するとともに、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還し、かつ、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくすると、ステップを有するものである。
【0130】
本発明の汚泥処理方法では、上記ステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量を、汚泥フィードの汚泥量より小さくする。換言すると、汚泥量の純輸入が存在する。特に、第一濃縮混合液の全部をステップ(1)に返還する場合には、汚泥量の純輸入は、汚泥フィードの汚泥量となる(図2参照)。
【0131】
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、以下のことを発見した。
すなわち、長期運転される時、汚泥量の純輸入が存在しても、混合液中の汚泥量は、依然として相対安定なレベルに保持されるが、無制限に成長することがなく、該レベルは、汚泥フィードの成分と流量及び他の操作条件の影響を受け、例えば汚水フィードが存在する時、汚水フィードの流量の影響も受ける。
【0132】
従って、本発明の汚泥処理方法は、汚泥減量化処理方法である。つまり、本発明の汚泥処理方法は、汚泥フィード中の汚泥を消化でき、汚泥を減量させるものである。好ましい実施方案には、本発明の汚泥処理方法は、汚泥フィードを連続的に導入する状況下で、長期安定に運転され、汚泥を排出する必要がなく、従って、汚泥の排出がなくなる。
【0133】
また、本発明の発明者は、汚泥フィードが、より高い含有量のカーボン、窒素またはリンを含み、かつ、何れの第一濃縮混合液を排出しない場合であっても、上清液に含まれるカーボン、窒素またはリンの含量をより低いレベルに保持することができることを実現した。つまり、本実施形態の汚泥処理方法が、カーボン、窒素またリンを除去するという顕著な効果を有することを発現した。
【0134】
何れの理論の約束を受けず、本発明に係る汚泥処理方法は長期安定に運転され、汚泥の排出を不要とする要因の一部は以下の通りである。
【0135】
まず、排出した汚泥量が、加えた汚泥量より小さいため、混合液中の汚泥量は持続的に増加するはずであるが、安定な運転であって混合液の汚泥濃度が大変高いにも関わらず、持続的に増加せず、高いレベル下で安定を保持する(つまり、安定運転下では、システム中の混合液の汚泥量は基本的に変化しない)。従って、混合液中の生物類群の消化と成長が平衡した状態にある。すなわち、新たに加える汚泥量(汚泥フィードの汚泥量と混合液中の生物が繁殖して増加した汚泥量を含む)と、死亡して消化される汚泥量が動態的に平衡となるため、汚泥量の純成長が生じないと考えられる。
【0136】
既知の各種汚水生物処理方法では、生物が増殖するため、第二沈澱槽の汚泥をプロセスの上流に還流返還するか否かに関係なく、余剰汚泥の全てを排出する。通常は、処理ステップ全体では、汚水原水フィードのみで汚泥の純輸入がない。従って、排出される汚泥量は、加えた汚泥量より常に大きくなる。また、出水の排出要求に満たせるため、第二沈澱槽の出水の溶解性有機物濃度はより低いレベルでなければならず、曝気槽が充分に高い曝気量と充分に長い曝気時間を用いられなければならず、水中の溶解性有機物の濃度を低下させる。しかし、好気性条件下では、一般的に、低い有機物濃度は繊維状菌の増殖に有利に働き、汚泥膨脹を招く。それと同時に、高い曝気量と長い曝気時間は、より高い濃度汚泥を含む混合液が汚泥膨脹を引き起こす可能性をさらに高める。従って、既知の各種活性汚泥法では、曝気槽中の汚泥濃度は、通常より高いレベルになりにくい。つまり、生物類群の消化と成長との平衡状態を実現することができない。さらに、生物に対して悪い環境(例えばより低い栄養物濃度)である場合、既知の汚泥好気性処理方法と汚泥嫌気性処理方法では、一般的に、汚泥の60%未満しか消化できない(すなわち、汚泥を完全に消化することができない)。従って、これら既知の処理方法を用いても、一定量の余剰汚泥を排出する必要が依然としてある。
【0137】
本実施形態に係るの汚泥処理方法の主な目的は、汚泥を消化することであり、排出する上清液に溶解性有機物の濃度を制限なしに、より高いレベルに保つことにある。従って、繊維状菌の増殖を効果的に制限し、酸素需要量(例えば、曝気量)を低下させることで、酸素供給処理、例えば、曝気時に発生する汚泥膨脹の可能性を低くさせた。
【0138】
また、より高いレベルの溶解性有機物は、生物体に充分な栄養を提供し、生物の代謝、繁殖とプロセス死亡に有利な環境を形成する。これにより、汚泥中の生物体は大量に繁殖すると同時に、大量に消化される。
【0139】
また、本実施形態に係る汚泥処理方法では、汚泥を交替し、繰り返して酸素供給処理と無酸素処理とを行うことで、ゾーグレアの増殖に対して有利な環境を形成し、汚泥の沈殿速度と澄み効果とを高めた。従って、本実施形態に係る汚泥処理方法によれば、高濃度の汚泥による汚泥膨脹の発生を防止できる。
【0140】
さらに、第一濃縮混合液が通常にステップ(1)に大量に、ひいては全量を還流して泥齢を相対的に長している(例えば数ヶ月、数年ひいては長い)。従って、繁殖速率が低く、かつ、分解が困難な物質を分解可能な微生物を、正常に成長させることで汚泥の分解作用を高めた。それと同時に、高汚泥濃度条件下で、酸素供給処理と無酸素処理をこの順で行い、混合液中の生分解物質および微生物により分解できない物質(死亡した生物体を含む)は、全て迅速、かつ、効果的に消化される。これにより、例えば、カーボン、窒素およびリンのいずれかを含む化合物は、溶解性有機物となり上清液と共に排出され、または、揮発性物質となり排気される。
【0141】
上述のとおり、本実施形態に係る汚泥処理方法では、混合液中の汚泥は、優れた沈降性能と、より低い酸素需要量(例えば、曝気量)とを有し、かつ、各種有機物質(死亡生物体を含む)を分解でき、水溶性物質または気体物質にさせる。従って、混合液は、充分に高い汚泥濃度を保持することができ、生物類群の消化と成長が平衡状態となるため汚泥膨脹が発生しない。従って、本実施形態に係る汚泥処理方法によれば、長期安定に運行し、汚泥の排出を減少させ、ひいては完全に消去することできる。
【0142】
また、ステップ(2)の酸素供給処理とステップ(3)の無酸素処理は、同一の構造物または容器によって逐次処理を行うことができる。例えば、ステップ(1)乃至ステップ(4)を、同一の構造物または容器で行うことができる。
【0143】
ステップ(1)において、第一回目の汚泥フィードと、前回の汚泥フィード処理後に得た第一濃縮混合液(第一混合液とする)とを混合し、第二混合液を生成することができる。
【0144】
また、ステップ(2)において、第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成することができる。
【0145】
また、ステップ(3)において、第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成することができる。
【0146】
また、ステップ(4)において第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成することができる。
【0147】
また、ステップ(5)において、上清液を排出するとともに、第一濃縮混合液の一部(好ましくは全部)を上記構造物または容器に滞留させてステップ(1)の第一混合液として用い、その後、次回の汚泥フィードを前記構造物または容器に導入して上記ステップを繰り返す。
【0148】
ステップ(5)において、上清液は、排液管等の排出手段により排出される。連続許可の方式を用いて用地と建設投資を節約できる。
【0149】
また、ステップ(2)の酸素供給処理およびステップ(3)の無酸素処理を、ステップ(4)の分離前に、一回または複数回繰り返して行う。
【0150】
本発明の他の実施形態に係る汚泥処理方法において、ステップ(2)の酸素供給処理およびステップ(3)の無酸素処理は、異なる構造物または容器を用いて、半連続的または連続的な方式で行う。例えば、ステップ(1)乃至ステップ(6)は、異なる構造物に半連続的(すなわち、あるステップを連続的に運転するとともに、他のあるステップを間欠的に運行する場合)または連続的に行う。ステップ(1)において、汚泥フィードを第一構造物に間欠的または連続的に導入して第一混合液と混合し、第二混合液を生成してもよい。また、第二混合液を第二構造物に間欠的または連続的に導入してステップ(2)の酸素供給処理を間欠的または連続的に行い、第三混合液を生成してもよい。また、第三混合液を第三構造物に間欠的または連続的に導入してステップ(3)の無酸素処理を間欠的または連続的に行い、第四混合液を生成してもよい。また、第四混合液を分離設備に通過してステップ(4)の分離を間欠的または連続的に行い、上清液と第一濃縮混合液を生成してもよい。また、ステップ(5)において上清液を間欠的または連続的に排出し、第一濃縮混合液の少なくとも一部を第一区に間欠的または連続的に導入し、かつ、第一濃縮混合液の余剰の一部を間欠的または連続的に排出してもよい。また、ステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量は、汚泥フィードの汚泥量より小さい。第一構造物、第二構造物と第三構造物は、それぞれに独立した異なる構造物または同一構造物の異なる区域でもよい。ステップ(3)の無酸素処理を沈澱方式により行う場合、ステップ(4)の分離は、ステップ(3)と同一構造物に同時に行うことができる(つまり、第三構造物は分離手段としても用いられる)。ステップ(5)において、上清液は、排液管などの上清液を排出できる手段により排出される。また、第一濃縮混合液は、例えば、汚泥還流管で第一構造物に導入される。半連続的または連続的な方式を用いて、汚泥処理の効率を有利に改善できる。各ステップにおいて、間欠的または連続的な方式で行うかどうかは、主に汚泥フィードの流量と成分および各手段の操作条件に基づいて確定され、最適化されて、安定運転で最も良い処理効果を奏する。
【0151】
本実施形態に係る汚泥処理方法では、ステップ(5)においてステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の量は、汚泥フィードの汚泥量より少ない。所定の場合には、ステップ(5)において、基本的に第一濃縮混合液の全部をステップ(1)に返還して第一混合液とする。従って、第一濃縮混合液を排出することは基本的にない。しかし、連続的な操作を行う場合に、瞬間的に排出された第一濃縮混合液の汚泥量が汚泥フィードの汚泥量より大きくなることもある。そのため、長期運転中に排出された第一濃縮混合液の余剰の一部の汚泥量の平均値を、汚泥フィードの汚泥量の平均値より小さくし、汚泥量の純輸入を存在させれば良い。
【0152】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、ステップ(5)における、ステップ(1)に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量の、汚泥フィードの汚泥量に対する割合は、例えば、約95%、約85%、約70%、約50%、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約3%、約1%、約0%である。この割合は、約0%とすることが好ましく、つまりステップ(5)の第一濃縮混合液の全部を、ステップ(1)に返還して第一混合液とすることが好ましい。
【0153】
また、上記割合は、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約3%、約1%より小さくことが特に好ましく、約0%とすることが最も好ましい。より長い泥齢を獲得するためである。どんな理論にもしばられないが、泥齢をより長くすることで、繁殖速率がより遅くなり、分解することが困難な物質を分解できる微生物を正常に成長させることができ、汚泥の分解作用を増強させることができる。それと同時に、この割合は、例えば、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約3%、約1%より小さいことが好ましく、約0%とすることが最も好ましい。このような割合とすることで、第一混合液、第二混合液、第三混合液および第四混合液の汚泥濃度を効果的に高めることができる。
【0154】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、第一濃縮混合液の流量の、汚泥フィード流量(汚水フィードが存在する場合における、汚水フィードと汚泥フィードとの総流量)に対する割合は、10%〜1000%とし、例えば、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜60%、60〜80%、80〜100%、100〜150%、150〜200%、200〜400%、400〜600%、600〜800%、800〜1000%とする。
【0155】
なお、この第一濃縮混合液の流量の、汚泥フィード流量に対する割合を、第一濃縮混合液の還流比という。
【0156】
好適な還流比は、酸素供給処理の処理時間および/または無酸素処理の処理時間を希望の値にするのに有利である。例えば、還流比を小さくする場合、例えば、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜60%とする場合には、効果的に電力消耗、燃料消耗または他のエネルギーの消耗を節約することができる。また、還流比を大きくする場合、例えば、60〜80%、80〜100%、100〜150%、150〜200%、200〜400%、400〜600%、600〜800%、800〜1000%とする場合には、酸素供給処理の処理時間および/または無酸素処理の処理時間を短くすることができる。なお、好ましい還流比は50〜150%である。
【0157】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、通気微生物を、優勢類群にするため、ステップ(2)の酸素供給処理時間を、好気性微生物が優勢類群になる時間(例えば、好気性微生物の世代周期より小さく、約5時間より小さい)より小さくするとともに、ステップ(3)の無酸素処理の処理時間を、嫌気性微生物が優勢類群になる時間(例えば、嫌気性微生物の世代周期より小さく、約40時間より小さい)より小くする。
【0158】
どんな理論の拘束を受けないが、常温下で通気微生物の世代周期が約0.2〜0.5時間で、通気微生物が優勢類群になる汚泥は、交替の酸素供給処理(好気性条件)と無酸素処理(無酸素処理条件および/または嫌気性条件)時に大量の生物増殖と生物プロセス死亡が発生するため、各種有機物質(死亡生物を含む)を大量に消化と分解(主に代謝と加水分解を含む)し、溶解性化合物になって上清液と共に排出するまたは気体化合物となり排気し、これが高汚泥濃度条件下で特に明瞭であると考えられる。
【0159】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、ステップ(2)における酸素供給処理の処理時間は、例えば、5時間より小さくてもよく、好気性微生物が優勢類群になることを避け、それと同時に、例えば、0.1時間より多くてもよく。そうすれば、通気微生物は充分に増殖し、かつ、充分に嫌気性微生物の増殖を抑制し、有利的に通気微生物が優勢類群になる。
【0160】
所定の環境下において、酸素供給処理時間は0.1〜4.0時間でもよく、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間、例えば0.1〜0.2時間、0.2〜0.3時間、0.3〜0.4時間、0.4〜0.5時間、0.5〜0.6時間、0.6〜0.8時間、0.8〜1.0時間、1.0〜1.2時間、1.2〜1.5時間、1.5〜1.8時間、1.8〜2.0時間、2〜2.2時間、2.2〜2.5時間、2.5〜3.0時間、及び3.5〜4.0時間の中から選択される。
【0161】
また、ステップ(2)の酸素供給処理は、間欠的な方式、又は連続的な方式で行い、例えば、間欠的な曝気、又は連続的な曝気の方式により行う。
【0162】
また、通気微生物は優勢類群になるため、ステップ(3)の無酸素処理の処理時間は、例えば、6時間より小さくてもよく、嫌気性微生物が優勢類群になることを避けるとともに、装置を効果的に小型化し、それと同時に、例えば、0.1時間より大きくてもよく、通気微生物が充分に増殖するとともに、充分に好気性微生物の増殖を抑制する。無酸素処理の処理時間は、0.8〜6.0時間でもよく、好ましくは1.0〜4.0時間、さらに好ましくは1.0〜3.0時間、例えば0.8〜1.0時間、1.0〜1.2時間、1.2〜1.4時間、1.4〜1.6時間、1.6〜1.8時間、1.8〜2.0時間、2.0〜2.5時間、2.5〜3.0時間、3.0〜3.5時間、3.5〜4.0時間、4.0〜4.5時間、4.5〜5.0時間、5.0〜5.5時間、及び5.5〜6.0時間の中から選択される。
【0163】
また、ステップ(3)における無酸素処理は、沈澱方式で行うことができる。無酸素処理を沈澱方式により行う場合には、無酸素処理の処理時間は、0.5時間より大きくすると有利であり、1時間より大きくすると特に有利であり、沈澱が充分に完成される。その同時に4時間より小さくすると、装置のサイズを減小できるので有利である。
【0164】
また、効果的に通気微生物を優勢類群とするため、酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比は、1:0.5〜1:6でもよく、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2、例えば1:0.5〜1:0.6、1:0.6〜1:0.7、1:0.7〜1:0.8、1:0.8〜1:0.9、1:0.9〜1:1、1:1〜1:1.1、1:1.1〜1:1.2、1:1.2〜1:1.3、1:1.3〜1:1.4、1:1.4〜1:1.5、1:1.5〜1:1.6、1:1.6〜1:1.7、1:1.7〜1:1.8、1:1.8〜1:1.9、1:1.9〜1:2、1:2〜1:2.1、1:2.1〜1:2.2、1:2.3〜1:2.4、1:2.4〜1:2.5、1:2.5〜1:2.6、1:2.6〜1:2.8、1:2.8〜1:3、1:3〜1:3.2、1:3.2〜1:3.4、1:3.4〜1:3.6、1:3.6〜1:3.8、1:3.8〜1:4、1:4〜1:4.5、1:4.5〜1:5、1:5〜1:5.5及び1:5.5〜1:6の中から選択される。
【0165】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、汚泥に対して充分な酸素供給処理を行うことで、効果的に通気微生物を優勢類群とするとともに、汚泥の消化と加水分解を促進するために、ステップ(2)の第三混合液の溶存酸素濃度は、0.1〜4mg/Lでもよく、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2.0〜3.0mg/L、例えば0.1〜0.3mg/L、0.3〜0.5mg/L、0.5〜0.7mg/L、0.7〜0.9mg/L、0.9〜1.1mg/L、1.1〜1.3mg/L、1.3〜1.5mg/L、1.5〜1.7mg/L、1.7〜1.9mg/L、1.9〜2.1mg/L、2.1〜2.3mg/L、2.3〜2.5mg/L、2.5〜2.7mg/L、2.7〜2.9mg/L、2.9〜3.1mg/L、3.1〜3.3mg/L、3.3〜3.5mg/L、3.5〜3.7mg/Lおよび3.7〜3.9mg/Lの中から選択される。
【0166】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、ステップ(1)の前に汚泥フィードに酸素供給処理を行う。どのような理論による制限も受けないが、このように通気微生物が優勢類群になることに、さらに有利だと考えられる。また、活性汚泥プロセスの第二沈澱槽において生成した汚泥フィードの時、汚泥フィード中の有機物含量は相当に低く、汚泥フィード中の生物が酸素供給処理時に主に内部消化を発生するので、従って汚泥量が減小した。それと同時に、酸素供給処理もステップ(2)の酸素供給処理の酸素需要量(例えば曝気量)を減少させ、第一区に発生した汚泥膨脹の可能性をさらに低くさせた。
【0167】
また、汚泥フィードに対する酸素供給処理の時間は、0.1〜0.5時間、0.5〜1.0時間、1.0〜1.5時間、1.5〜2.0時間と2.0〜2.5時間でもよく、処理後汚泥フィードの溶存酸素濃度は、0.1〜0.5mg/L、0.5〜1.0mg/L、1.0〜1.5mg/L、1.5〜2.0mg/L、2.0〜2.5mg/L、2.5〜3.0mg/L、3.0〜3.5mg/Lおよび3.5〜4.0mg/Lの中から選択される。
【0168】
また、このような酸素供給処理は、間欠的な方式または連続的な方式で行い、例えば、間欠的な曝気、又は連続的な曝気により行う。
【0169】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、汚泥に対する無酸素処理を経ることで、通気微生物を優勢類群にすることについて有利にするとともに、汚泥の消化と加水分解を促進するため、ステップ(2)とステップ(3)の間で第三混合液に脱酸素処理を行う。例えば、脱気槽において脱酸素処理を行うと、その中で混合液中の含酸素気泡が浮上し、混合液の溶存酸素含量が成長しないので、その後の無酸素処理が用意される。
【0170】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理方法では、脱酸素処理の時間は、0.1〜0.2時間、0.2〜0.3時間、0.3〜0.5時間、0.5〜0.8時間と0.8〜1.0時間でもよく、処理後の第三混合液の溶存酸素濃度は0.1mg/Lより小さく、0.05mg/Lより小さ、及び約0mg/Lの中から選択される。
【0171】
また、酸素供給処理の処理時間:脱酸素処理の処理時間:無酸素処理の処理時間の比例は、1:(0.1〜0.5):(0.5〜4)で、好ましくは1:(0.1〜0.3):(1〜3)、さらに好ましくは1:(0.1〜0.2):(1.5〜2.5)で、例えば好ましくは1:0.1:1または1:0.15:2である。
【0172】
また、本発明の汚泥処理方法において、汚泥フィードは、一回または複数回の汚泥フィードでもよく、好ましくは新鮮汚泥フィードである。また、各回の汚泥フィードは、同じでもよく、または異なってもよい。一般的に、汚泥フィードの含水率は、例えば、少なくとも40%、少なくとも60%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%またはさらに高く、好ましくは97%またはさらに高い含有率である。例えば、汚泥フィードとしては、乾燥汚泥等の低含水量の汚泥と、水、汚水、有機栄養物および他の汚泥フィードのいずれかとを混合した混合物である。
【0173】
また、ステップ(1)汚水フィードを第一混合液に返還するステップをさらに有する。汚水フィードが存在する場合には、ステップ(1)において汚泥フィードと汚水フィードとの流量比は、1:100〜1:50、1:50〜1:20、1:20〜1:10、1:10〜1:5、1:5〜1:2、1:2〜1:1.5、1:1.5〜1:1、1:1〜1:0.8、1:0.8〜1:0.5、1:0.5〜1:0.2、1:0.2〜1:0.1、1:0.1〜1:0.05、1:0.05〜1:0.02及び1:0.02〜1:0.01の中から選択することができる。
【0174】
また、ステップ(2)において第二混合液の汚泥体積指数SVI30は、酸素供給処理時に発生した汚泥膨脹の最小値より小さくすべきである。
【0175】
また、汚泥体積指数、例えば、SVI30は、300ml/gより小さく、200ml/gより小さく、150ml/gより小さく、100ml/gより小さく、または50ml/gより小さくてもよい。
【0176】
また、ステップ(1)における第二混合液の汚泥濃度は、生物が消化−成長バランス状態時にある濃度でもよい。
【0177】
また、第二混合液の汚泥濃度は、少なくとも約2500〜3000mg/L、3000〜3500mg/L、3500〜4000mg/L、4000〜4500mg/L、4500〜5000mg/L、5000〜5500mg/L、5500〜6000mg/L、6000〜6500mg/L、6500〜7000mg/L、7000〜7500mg/L、7500〜8000mg/L、8000〜8500mg/L、8500〜9000mg/L、9000〜9500mg/L、9500〜10000mg/L、10000〜12000mg/L、12000〜14000mg/L、14000〜16000mg/L、16000〜18000mg/L、18000〜20000mg/Lと少なくとも約20000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである。
【0178】
また、上記汚泥処理方法は、気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する。気体の状態にある含リン化合物は、ステップ(2)および/またはステップ(3)において生成されたリン化水素等を含む。例えば、この回収ステップは、ステップ(2)および/またはステップ(3)と同時に行い、ステップ(2)および/またはステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する。
【0179】
また、この回収ステップでは、任意の好適な、気体含リン混合物を回収する方法を用いることができ、例えば、気体含リン物質を液体または固体物質に転換する方法を用いることもできる。
【0180】
例えば、冷凍する方法、気体含リン物質を、物理および/または化学吸着する吸収剤を用いて吸収する方法、洗浄する方法または吸着する方法を用いて該回収ステップを行う。
【0181】
また、上記吸収剤として、例えば、該気体の状態にある含リン化合物を溶解できる物質、または、該気体の状態にある含リン化合物と反応できる物質を用いることができる。例えば、リン化水素気体を吸収できる物質、例えば、過マンガン酸カリウム溶液、過マンガン酸カリウムと苛性アルカリの混合溶液、塩化第二鉄溶液、次亜臭素酸ナトリウム溶液等を含む。リン化水素に対し、活性カーボン等吸着剤で吸着、または用オゾン酸化により低毒物または存厳格コントロール下で燃焼等の方式で行って回収する。
【0182】
本発明は汚水生物処理方法を提供するものであり、(1)汚泥フィードと第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、(2)上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、(3)上記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、(4)上記第四混合液を分離し、上清液、及び第一濃縮混合液を生成し、(5)上記上清液を排出するとともに、上記第一濃縮混合液の少なくとも一部を上記第一混合液として上記ステップ(1)に返還するとともに、上記ステップ(1)に返還されない上記第一濃縮混合液の汚泥量を、上記汚泥フィードの汚泥量より小さくし、(6)上記ステップ(5)程において排出した上清液の少なくとも一部に対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液、及び浄化出水を生成する、ステップを有し、上記浄化出水を排出するとともに、上記ステップ(6)において生成した第二濃縮混合液の少なくとも一部を、汚泥フィードとして上記ステップ(1)に返還してもよい。
【0183】
汚水フィードをステップ(1)に導入して汚泥フィード及び第一混合液とを混合し、第二混合液を生成し、および/または、ステップ(6)において、ステップ(5)の上清液の少なくとも一部とともに汚水生物処理を行う。
【0184】
ステップ(1)乃至ステップ(5)は、上述した本発明の汚泥処理方法を構成する。従って、本実施形態の汚水生物処理方法は、実際に、上述した本発明の汚水生物処理方法を用いた汚泥処理方法と同等である。本実施形態に係る汚泥処理方法から排出した上清液は、通常より高い濃度の溶解性有機汚染物を依然として含有する。従って、該上清液には、環境安全の排水標準に満たせるため、通常ではさらなる処理が必要である。
【0185】
例えば、汚水フィードをステップ(1)に導入し、これでステップ(1)乃至ステップ(5)が形成された本実施形態に係る汚泥処理方法は、一級生物処理ステップを、二級生物処理とするステップ(6)の汚水生物処理の前に設け、汚水フィードを、まず該一級生物処理を経て上清液を生成し、その後上清液をフィードとして二級生物処理を経て浄化出水を生成した。好ましくは該浄化出水は、環境安全の、通常の排水標準に満たせる。それと同時に、二級生物処理で生成された余剰汚泥(すなわち、第二濃縮混合液)は、汚泥フィードとして一級生物処理で消化し、効果的に汚水生物処理全体の中の汚泥排水を減少させ、ひいては無くすことができる。
【0186】
また、汚水フィードをステップ(6)から導入し、汚水フィードの角度から見ると、ステップ(1)乃至ステップ(5)で構成された本発明の汚泥処理方法が、ステップ(6)の汚水生物処理の後に置かれ、主にステップ(6)の汚水生物処理において生成された余剰汚泥(すなわち、第二濃縮混合液)の消化に用いられる。それと同時に、ステップ(5)の上清液も汚水フィードとしてステップ(6)に導入できる。
【0187】
また、汚水フィードをステップ(1)とステップ(6)に同時に導入することもできる。
【0188】
また、ステップ(6)における第二濃縮混合液の1〜10%、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜85%、85〜90%、90〜95%または95〜100%、特に好ましくは100%を、ステップ(1)の汚泥フィードとして用いることができ、上記汚泥処理方法を有効に利用することで、第二濃縮混合液の一部を、ひいては基本的には全部を消化することができる。従って、全汚水生物処理方法から排出した汚泥を減少させ、ひいては基本的には完全に消去する。
【0189】
また、ステップ(6)において生成された第二濃縮混合液の、ステップ(1)の汚泥フィード対する割合は、1〜10%、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜85%、85〜90%、90〜95%または95〜100%である。
【0190】
本実施形態に係る汚水生物処理方法では、上記本発明の汚泥処理方法を、第一生物処理ステップとして、任意の第二生物処理ステップとして適当な汚水生物処理方法と組合せることができる。第二生物処理ステップの汚水生物処理方法として単独に用いたときに比べ、本発明の汚水生物処理方法は、余剰汚泥の排出を顕著に減少させ、ひいては完全に消去する、と同時に良好の処理効果を奏した。
【0191】
本実施形態に係る汚水生物処理方法では、汚水フィードをステップ(1)とステップ(6)において同時に導入する場合、ステップ(1)に導入する汚水フィードの、ステップ(6)に導入する汚水フィードに対する割合は、需要に応じて任意に選択でき、システムの負荷を効果的に平衡させて、汚水生物処理方法全体の効果を最適化する。
【0192】
また、ステップ(1)において汚水フィードを導入すると特に有利である。ステップ(1)の混合液は大変高い汚泥濃度を有するので、有利的に汚水フィードの水量と汚染物等方面の衝撃負荷に対抗するので有利であり、同時に高濃度の汚泥も反応速度を速める。汚水フィード中の汚染物は、高濃度汚泥作用下で高効率、高速度に消化され、分解され難い物質も第一生物処理ステップでだんだんと分解し易い物質に分解され、汚水処理効果を改善することに有利で、汚水処理装置全体の体積を縮小し、用地を節約し、設備投資と運転費用を減少する。この点は、CODが通常より低い汚水に、例えば、都市生活汚水の処理に特に有利で、何故なら、ステップ(1)乃至ステップ(5)を構成した汚泥処理ステップは、実際に汚泥フィードの一部が分解し易いの物質に転換したため、上清液中のCOD濃度を適当に高めるからである。また、後の上清液に対して生物処理を行うステップは、さらに有効的に水中のリンと窒素を除去し、浄化出水の品質を高めるからである。従って、本発明は、特にCOD値が500mg/Lより低く、350mg/Lより低く、300mg/Lより低く、250mg/Lより低く、200mg/Lより低く、150mg/Lより低くまたは100mg/Lより低い汚水に適応して汚水生物処理を行う。当然ながら、汚水フィード中の各種汚染物の構成比が平衡ではなく、カーボン源が欠けている時、汚水フィードで好適なカーボン源、例えば、メタノール等のアルコール類と、澱粉や糖蜜等の他の有機栄養物を補充してもよい。
【0193】
本発明の汚水生物処理方法では、特に効果的に余剰汚泥を排出する任意の汚水生物処理方法(例えば、各種常軌の好気性汚水生物処理方法と嫌気性汚水生物処理方法)を、ステップ(6)の汚水生物処理ステップにおける処理とする。
【0194】
また、ステップ(6)の汚水生物処理ステップは、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法(oxidation ditch process)、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた処理を行う汚水生物処理ステップとして用いることもできる。
【0195】
図3は、本発明の一実施形態に係る汚水生物処理方法の処理手順を示すフローチャートである。図3における「汚水」は本発明の汚水フィードに相当する。また、「汚泥消化装置」は、本発明の汚泥処理装置の一部(すなわち、汚泥処理方法のステップ(1)からステップ(5)まで処理を行う部分)に相当する。また、「常軌汚水処理装置」は、 本発明の汚泥処理装置の他の一部(すなわち、汚泥処理方法のステップ(6)の汚水生物生物処理ステップの任意好適な汚水処理装置)に相当する。また、「出水」は、浄化出水に相当する。また、「余剰汚泥還流」は、ステップ(1)の汚泥フィードとする第二濃縮混合液に相当する。
【0196】
図4は、本発明の一実施形態に係る汚水生物処理方法の処理手順を示すフローチャートである。図4における「汚泥」は、他に由来する汚泥フィードに相当する。なお、「汚水」、「汚泥消化装置」、「常軌汚水処理装置」、「出水」及び「余剰汚泥還流」は、図3に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0197】
図5は、従来の酸化溝法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。この酸化溝法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることもできる。図5における「汚水」には、ステップ(5)の上清液及び/又は汚水を用いることができる。また、「出水」は、本発明の浄化出水に相当する。また、「余剰汚泥」を ステップ(1)における汚泥フィードとして用いてもよい。
【0198】
図6は、従来のSBR法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このSBR法を用いた汚水処理は、本発明の汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることもできる。なお、図6における「汚水」、「出水」及び「余剰汚泥還流」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。SBR法とは、回分式の活性汚泥法であり、好気性槽の入水が槽の底に緊密に沿って過水洞を経てSBR槽に入り、汚水がSBR槽内の汚泥層を透過して出水する時、汚泥層がろ過と吸着の作用と発揮し、出水中懸濁物の含量を低下させ、出水水質は通常の第二沈澱槽の出水より優れている。
【0199】
本発明では、さらにエアー堰を用いて出水をコントロールし、曝気期間の懸濁物が出水堰に入ることを防止することができる。これにより、出水懸濁物を効果的に制御することができる。
【0200】
図7は、従来のAB法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このAB法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることができる。なお、図7における「汚水」、「出水」、「余剰汚泥還流」及び「沈殿槽」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0201】
図8は、A/O法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このA/O法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水処理ステップとして用いることができる。なお、図8における「汚水」、「出水」、「余剰汚泥還流」及び「沈殿槽」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0202】
図9は、A2/O法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このA2/O法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることができる。なお、図9における「汚水」、「出水」、「余剰汚泥還流」及び「沈殿槽」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0203】
図10は、MSBR法を用いた汚水処理の手順を示すフローチャートである。このMSBR法を用いた汚水処理は、本発明に係る汚水生物処理方法のステップ(6)の汚水生物処理ステップとして用いることができる。なお、図10における「汚水」、「出水」、「余剰汚泥還流」及び「沈殿槽」は、図5に示す構成と同様の構成であり、説明を省略する。
【0204】
本発明の第2の観点に係る汚泥処理装置は、汚泥フィードと第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、第四混合液を分離し、上清液、及び第一濃縮混合液を生成する第4手段と、上清液を排出する第4手段と、第一濃縮混合液の少なくとも一部を第1手段に返還し、かつ、第一設備に返還しない第一濃縮混合液の汚泥量を、汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、を備える。
【0205】
また、第1手段は、汚泥フィードと混合液を混合する任意好適な構造物または容器でもよい。第2手段は、第1手段と同一の構成でもよく、または第1手段と構成が相違してもよい。例えば、第1手段と貫通する、空気等の酸素含有気体と混合液を接触させる手段、例えば、曝気手段を有する曝気槽である。第3手段は、第1手段および第2手段と同一の構成でもよく、例えば、曝気を停止する状況下で無酸素処理(順次運転)を実現する。
【0206】
または第3手段は、第2手段と構成が相違してもよく、例えば、第2手段と貫通する、基本的に酸素含有気体と混合物を接触することを避ける構造物または容器(例えば、沈澱槽)(連続的なまたは半連続的な方式で運行)である。第4手段は、第1手段、第2手段および第3手段と同一構成でもよく、または第3手段のみと同一設備である。例えば、曝気を停止および/または攪拌する状況下で、例えば、沈澱で上清液と第一濃縮混合液との分離(順次運転)を実現する。
【0207】
また、第4手段は、独立して第3手段と貫通する、混合液を分離して上清液と第一濃縮混合液を生成する手段、例えば、独立した沈澱槽、遠心分離手段またはろ過分離手段(連続的なまたは半連続的な方式で運行)でもよい。第5手段は、第4手段から上清液を取り出す任意好適な手段、例えば、排水口、排水管、吸水器等でもよい。第6手段は、第1手段、第2手段、第3手段および第4手段と同一設備(順序式で運行)でもよい。または独立して第一濃縮混合液の少なくとも一部を、第4手段から第1手段に輸送する手段、例えば第一設備と第四設備と貫通する、任意に選択できる輸送ポンプとコントロールバルブを有する還流管(連続的なまたは半連続的な方式で運行)でもよい。第6手段は、第一濃縮混合液の余剰一部を排出する、任意に選択できる手段、例えば、コントロールバルブを有する排液口または排液管を有し、第一手段に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量が汚泥フィードの汚泥量より小さくするようにコントロールする。
【0208】
また、第2手段は、曝気槽、酸化溝、流動床、移動床式ろ過装置、または膜設備等により構成され、好ましくは曝気槽で、さらに好ましくは栓流式角形曝気槽である。第3手段は、好ましくは沈澱槽で、さらに好ましくは栓流式角形沈澱槽である。
【0209】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理装置では、上述した汚泥処理装置は、第1手段と貫通し、汚泥フィードに対して酸素供給処理を行う手段、例えば、汚泥予備曝気設備を備える。
【0210】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理装置では、上述した汚泥処理装置は、第2手段と第3手段との間に配設され、かつ、第2手段および第3手段と貫通して脱酸素処理を行う脱酸素手段、例えば脱気槽をさらに備える。
【0211】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理装置では、酸素供給処理時間を0.1〜0.2時間、0.2〜0.3時間、0.3〜0.4時間、0.4〜0.5時間、0.5〜0.6時間、0.6〜0.8時間、0.8〜1.0時間、1.0〜1.2時間、1.2〜1.5時間、1.5〜1.8時間、1.8〜2.0時間、2.0〜2.2時間、2.2〜2.5時間、2.5〜3.0時間と3.5〜4.0時間、好ましくは1.5〜3.0時間から選択される時間に設定可能に第2手段を構成する。例えば、連続的な方式で運行時、第二設備中第二混合液の流量に基づき、希望の酸素供給処理時間を第二混合液の滞留時間として第2手段の体積を確定する。
【0212】
また、無酸素処理の処理時間が、0.8〜1.0時間、1.0〜1.2時間、1.2〜1.4時間、1.4〜1.6時間、1.6〜1.8時間、1.8〜2時間、2.0〜2.5時間、2.5〜3.0時間、3.0〜3.5時間、3.5〜4.0時間、4.0〜4.5時間、4.5〜5.0時間、5.0〜5.5時間と5.5〜6.0時間、好ましくは3.0〜4.0時間から選択されるように第3手段を設ける。例えば、連続的な方式で運転される時、第三手段設備内の第三混合液の流量に基づいて、所望の無酸素処理時間を第三混合液の滞留時間として第二設備の体積を確定する。
【0213】
所定の環境下において、酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比が1:0.5〜1:1、1:1〜1:1.5、1:1.5〜1: 2、1:2〜1:2.5、1:2.5〜1:3、1:3〜1:3.6、1:3.6〜1:4、1:4〜1:4.5、1:4.5〜1:5、1:5〜1:5.5と1:5.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3の中から選択されるように第2手段及び第3手段を設ける。例えば、連続的な方式で運転される時、所望の酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比に基づいて第2手段と第3手段の体積比を確定する。
【0214】
本発明の一実施形態に係る汚泥処理装置では、上記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集するとともに回収する回収手段をさらに備える。例えば、該回収手段は、第2手段および/または第3手段により生成された気体の状態にある含リン化合物を回収できるように、第2手段および/または第3手段と貫通する。
【0215】
また、該回収手段は、冷凍手段、燃焼手段、固体または液体吸着剤を有する吸着塔、または吸収タンク等でもよい。
【0216】
本発明の第2の観点に係る汚水生物処理装置は、汚泥フィードと第一混合液とを混合し、第二混合液を生成する第1手段と、上記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、第四混合液を分離し、上清液、及び第一濃縮混合液を生成する第4手段と、上清液を排出する第5手段と、第一濃縮混合液の少なくとも一部を第1手段に返還し、かつ、第1手段に返還されない第一濃縮混合液の汚泥量を、汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、第5手段から排出した上清液の少なくとも一部に対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液、及び浄化出水を生成する第7手段と、浄化出水を排出する第8手段と、汚水フィードを第1手段および/または第7手段に返還する第9手段と、任意に選択された第二濃縮混合液の少なくとも一部を第1手段に返還する第10手段と、を備える。
【0217】
本発明の一実施形態に係る汚水生物処理装置では、第7手段は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた汚水生物処理に用いられる。
【0218】
本発明の第2の観点に係る汚泥減量化汚水処理システムは、常軌汚水処理装置と、その汚水口と連接する汚泥消化装置とを備え、前記常軌汚水処理装置の余剰汚泥管は、汚泥消化装置と連接させた。
【0219】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記汚泥消化装置は、高濃度汚泥反応装置を備える。
【0220】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記汚泥消化装置は、嫌気性沈澱装置を備え、前記高濃度汚泥反応装置の出水口と嫌気性沈澱装置の入水口とを連接させ、前記嫌気性沈澱装置は、第一汚泥還流管を備え、前記第一汚泥還流管は、高濃度汚泥反応装置と連接される。
【0221】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムのある実施方案では、前記余剰汚泥還流管は、余剰汚泥の全部を汚泥消化装置に還流させた。
【0222】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムのある実施方案では、前記汚泥消化装置は、嫌気性沈澱装置を備え、前記高濃度汚泥反応装置の出水口と嫌気性沈澱装置の入水口とを連接させ、前記嫌気性沈澱装置は、第一汚泥還流管を備え、前記第一汚泥還流管は、高濃度汚泥反応装置と連接され、前記余剰汚泥還流管は、余剰汚泥の全部を汚泥消化装置に還流させる。
【0223】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、高濃度汚泥反応装置の汚泥濃度は、4000mg/L〜20000mg/L;例えば6000mg/L、8000mg/L、10000mg/L、12000mg/L、14000mg/L、15000mg/L、16000mg/Lまたは18000mg/Lである。
【0224】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記高濃度汚泥反応装置の水力滞留時間は、1.5h〜3.0hで、出口溶存酸素は、1mg/L〜1.5mg/L、1.5mg/L〜2mg/L、2mg/L〜2.5mg/Lまたは2.5mg/L〜3mg/Lである。
【0225】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記汚泥還流管は、0.4Q〜0.7Qの汚泥を高濃度汚泥反応装置に還流させた。
【0226】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記高濃度汚泥反応装置と嫌気性沈澱装置との間に脱酸素装置を設置する。
【0227】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、余剰汚泥曝気槽をさらに備え、前記常軌汚水処理装置の余剰汚泥管は、先に余剰汚泥曝気槽と連接され、余剰汚泥曝気槽は、さらに高濃度汚泥反応装置と連接される。
【0228】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記汚泥消化装置の汚水口所は、予備処理装置を設置し、前記予備処理装置は、少なくとも一級グリッドを備える。
【0229】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記予備処理装置は、二級グリッドを備える。
【0230】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記常軌汚水処理装置は、順序に直列する嫌気性反応装置、好気性反応装置と沈澱装置を備え、沈澱装置は、第二汚泥還流管と余剰汚泥管を備え、前記第二汚泥還流管は、嫌気性反応装置と連接させる。
【0231】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記好気性反応装置は、好気性槽または酸化溝である。
【0232】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記常軌汚水処理装置は、順番に直列配置される嫌気性反応装置、無酸素反応装置、好気性反応装置と沈澱装置を備え、沈澱装置は、第三汚泥還流管と余剰汚泥管を備え、前記第三汚泥還流管は、無酸素反応装置に連接される。
【0233】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記沈澱装置は、SBR槽または沈澱槽である。
【0234】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記SBR槽の汚泥濃度は、2000mg/L〜4000mg/Lで、溶存酸素含量は、2mg/L〜4mg/Lで、一週の期間内に静沈時間は、1h〜1.5hで、固定水位排水時間は、1.5h〜2.5hである。
【0235】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記第二汚泥還流管は、嫌気性反応装置に連接され、0.5Q〜1Qの汚泥を嫌気性反応装置に還流させる。
【0236】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、前記第三汚泥還流管は、嫌気性反応装置に連接され、0.5Q〜1Qの汚泥を嫌気性反応装置に還流させる。
【0237】
本発明の第2の観点に係る汚泥減量化汚水処理方法は、汚水および汚泥からなる混合液に対して汚泥消化反応処理を行うステップ(1)と、汚泥消化反応後の汚水に対して常軌汚水処理を行うステップ(2)と、処理後の汚水を排出し、常軌汚水処理により生成された余剰汚泥を上記汚泥消化反応処理に返還するステップ(3)と、を有する。
【0238】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記ステップ(1)において汚泥消化反応は、汚水と汚泥の混合液に対して高濃度汚泥反応を行うことを含むことを特徴とする。
【0239】
また、上記ステップ(1)における汚泥消化反応は、高濃度汚泥反応後の汚水および汚泥からなる混合液に対して行う嫌気性沈澱処理を含み、嫌気性沈澱の汚泥還流を経て高濃度汚泥反応に参加する。
【0240】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記余剰汚泥還流は、全部還流である。
【0241】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記ステップ(1)における汚泥消化反応処理は、高濃度汚泥反応後の汚水および汚泥からなる混合液に対して嫌気性沈澱を行う処理を含み、嫌気性沈澱を経た汚泥を還流させて高濃度汚泥反応に参加し、前記余剰汚泥還流は、全部還流である。
【0242】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記高濃度汚泥反応時における汚泥濃度は、4000mg/L〜20000mg/Lであり、例えば、6000mg/L、8000mg/L、10000mg/L、12000mg/L、14000mg/L、15000mg/L、16000mg/Lおよび18000mg/Lの中のいずれかである。
【0243】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記高濃度汚泥反応の水力滞留時間は、1.5h〜3.0hである。また、出口溶存酸素は、1mg/L〜1.5mg/L、1.5mg/L〜2.0mg/L、2.0mg/L〜2.5mg/Lおよび2.5mg/L〜3.0mg/Lの中のいずれかである。
【0244】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記嫌気性沈澱の汚泥を還流させて高濃度汚泥反応に参加する還流比は、0.4Q〜0.7Qである。
【0245】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記高濃度汚泥反応後の汚水と汚泥との混合液に対して、先に脱酸素を行い、さらに嫌気性沈澱を行う。
【0246】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記余剰汚泥に対して、まず汚泥曝気処理を行い、続けて高濃度汚泥反応処理を行う。
【0247】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記汚泥曝気の溶存酸素含量は、0.2mg/L〜0.9mg/Lである。
【0248】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、汚水に対して行う汚泥消化反応処理に先立ち、予備処理を行い、雑物を除去する。
【0249】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記ステップ(2)における常軌汚水処理は、嫌気性反応、好気性反応と沈澱を含み、好気性反応後の汚水は、沈澱を経た後に排出され、生成した汚泥を還流させて嫌気性反応に参加する。
【0250】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記ステップ(2)における常軌汚水処理は、嫌気性反応、無酸素反応、好気性反応と沈澱を含み、好気性反応後の汚水は、沈澱を経た後に排出され、生成した汚泥を還流させて嫌気性反応に参加する。
【0251】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記生成した汚泥が還流して嫌気性反応に参加する還流比は、0.5Q〜1Qである。
【0252】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、前記沈澱は、SBR法を用いて行う。
【0253】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理方法では、上記SBR法に用いた汚泥濃度は2000mg/L〜4000mg/Lであり、溶存酸素含量は2.0mg/L〜4.0mg/Lであり、一週の期限内に静沈時間は1.0h〜1.5hであり、固定水位排水時間は1.5h〜2.5hである。
【0254】
本発明の第2の観点に係る汚泥減量化汚水処理システムは、順番に直列配置された高濃度汚泥反応装置、嫌気性沈澱装置および常軌汚水処理装置を備え、前記嫌気性沈澱装置の汚泥還流管を高濃度汚泥反応装置に連接し、前記常軌汚水処理装置の余剰汚泥管と高濃度汚泥反応装置とを連接することを特徴とする。
【0255】
本発明の一実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムでは、高濃度汚泥反応装置の汚泥濃度は、4000mg/L〜20000mg/Lであり、例えば、少なくとも6000mg/L、少なくとも8000mg/L、少なくとも10000mg/L、少なくとも12000mg/L、少なくとも14000mg/L、少なくとも15000mg/L、少なくとも16000mg/Lまたは少なくとも18000mg/Lである。
【0256】
本発明の一実施形態に係る汚水生物処理装置には、例えば、図11、12、13のいずれかに示す装置を用いることができる。汚泥消化装置は、順番に直列配置された高濃度汚泥反応槽、脱酸素槽および嫌気性沈澱槽を備える。
【0257】
汚泥消化槽の前に、好ましくは予備処理装置を設置する。予備処理装置は、少なくとも一級グリッドを備え、グリッドが汚水処理場の第一処理施設で、具体的に二級グリッドを設置してもよい。まず、第一級グリッドによって汚水中のより大きい懸濁物を除去し、その後、汚水を第二級グリッドによってより小さい懸濁物をさらに除去する。第一級グリッドのストリップ全間隔(net interval of stripe)は第二級グリッドのストリップ全間隔より大きく、例えば、第一級グリッドは粗いグリッドで、ストリップ全間隔20mm、安置角度60度であり、第二級グリッドは細かいグリッドで、ストリップ全間隔6mm、安置角度60度である。
【0258】
高濃度汚泥反応装置は、具体的には、高濃度汚泥反応槽である。高濃度汚泥反応槽には、予備処理後の汚水、嫌気性沈澱装置に還流の汚泥とシステム末端の沈澱装置から還流の余剰汚泥に対して曝気混合を行うために、栓流式角形槽を用いた。沈澱装置と高濃度汚泥反応装置との間に余剰汚泥曝気槽を設置し、余剰汚泥曝気槽と沈澱装置と高濃度汚泥反応装置との間は、それぞれ余剰汚泥管で連接される。還流の余剰汚泥を余剰汚泥曝気槽中に流入し、汚水と嫌気性沈澱装置に還流の汚泥とを直接に高濃度汚泥反応槽に流入し、その後、曝気処理を行った後の余剰汚泥を高濃度汚泥反応槽に再流入し、汚水と汚泥との混合液と充分に混合する。
【0259】
高濃度汚泥反応槽は、より高い汚泥濃度下で運行し、水力滞留時間が短く、嫌気性/好気性の方式で運行し、高濃度汚泥反応槽とその後に継続の嫌気性沈澱装置との間に汚泥循環がさらに存在し、本発明中の嫌気性沈澱装置において生成した汚泥を、高濃度汚泥反応槽に還流させる。異なる期間に生成された汚水水質と水量が均一ではなく、かつ、波動性がより大きく、高濃度汚泥反応槽も緩和の作用を発揮し、衝撃負荷が生化処理に対する影響を避ける。
【0260】
嫌気性沈澱装置は、具体的には嫌気性沈澱槽であり、嫌気性沈澱相中の汚泥を高濃度汚泥反応槽に還流させ、汚水と余剰汚泥とが共同的に反応に参加し、詰まりなく汚泥ポンプを用いることができる汚泥循環を実現した。好ましくは、高濃度汚泥反応装置と嫌気性沈澱装置との間に脱酸素装置をさらに備え、汚水と汚泥との混合液に対して脱酸素処理を行った後、さらに嫌気性沈澱槽に入れる。溶存酸素を嫌気性沈澱槽に連れ込んで嫌気性反応に影響をもたらすことを避ける。
【0261】
常軌汚水処理装置は、順番に直列配置される嫌気性反応装置、好気性反応装置と沈澱装置を備える。嫌気性槽、好ましくは栓流式を用いて、槽内に折り流板が設置され、完全な混合式を用いてもよく、システム末端の沈澱装置において生成された汚泥を嫌気性槽に還流させて汚水と混合する。好気性反応装置は、好気性槽で、他の常軌の好気性反応装置例えば酸化溝でもよく、嫌気性槽に直列する後である。好気性槽には、曝気装置、例えば、三葉ローツブロー(three-lobe Root’s blower)とHe280型動力拡散回転混合曝気装置を設置する。
【0262】
沈澱装置は沈澱機能を有する。沈澱装置は、汚泥還流管と余剰汚泥管を設置し、SBR槽でもよく、沈澱槽でもよい。SBRは、バチ式活性汚泥法であり、好気性槽の入水が槽の底を緊密的に沿って水洞を通過してSBR槽に入り、汚水がSBR槽中の汚泥層を透過して出水する時、汚泥層が、ろ過と停留の作用を発揮し、出水中の懸濁物の含有量を降下させ、出水水質は普通第二沈澱槽の出水より良い。本発明では、エアー堰をさらに用いて出水をコントロールし、曝気期間の懸濁物が出水堰に入ることを防止している。従って、出水懸濁物を効果的にコントロールできる。
【0263】
SBR槽と嫌気性槽との間は汚泥還流管線で連接され、嫌気性槽、好気性槽およびSBR槽によりOSA法を構成する。すなわち、OSA法は、常軌の活性汚泥法に一つの嫌気性ステップ段階を設け、微生物を好気性と嫌気性環境に交互に入らせ、細菌が好気性ステップで生成したATPは直ぐに新しい細胞を合成することに用いられず、嫌気性ステップで細胞生命活動を維持するエネルギーとして消耗され、微生物分解と合成代謝とが相対的に分離され、通常の条件下で緊密的な結合は見られず、汚泥減量の効果を実現した。OSA法は、汚泥生成量を降下させ、汚泥の沈降性能を改善し、アンモニアー窒素脱除の能力を増加した。
【0264】
SBR槽と高濃度汚泥反応槽との間は余剰汚泥管で連接され、生成した余剰汚泥は外に排出されず、前端の高濃度汚泥反応槽に還流される。
【0265】
SBR槽の固定水位運転と循環連続的な排水のため、SBR槽には、二組直列運行を設ける。高汚泥負荷槽からSBR槽まで高位から低位の位置で順番で直列設計で、汚水が重力により自流し、汚水を昇る回数を減少し、電気エネルギーを節約し、かつ、各処理ユニットは、組合式連体構造を用いて、多数の槽が直列プラッグ流れ、各処理ユニットの間にある大量の管線と計器を省き、汚水は、反応装置中の流動が整体プラッグ流れを呈現して異なる区域に完全に混合した複雑な流体になり、処理効果を保証した。
【0266】
好ましくは、汚泥消化反応が汚水と汚泥の混合液で行う高濃度汚泥反応を含み、高濃度汚泥反応の水力滞留時間は、1.5h〜3.0hで、例えば2.0hまたは2.5hであり、出口溶存酸素は、1.0mg/L〜1.5mg/L、1.5mg/L〜2.0mg/L、2.0mg/L〜2.5mg/Lまたは2.5mg/L〜 3mg/Lであり、汚泥濃度は4000mg/L〜20000mg/Lで、具体的に少なくとも4000mg/L、少なくとも6000mg/L、少なくとも8000mg/L、少なくとも10000mg/L、少なくとも12000mg/L、少なくとも14000mg/L、少なくとも15000mg/L、少なくとも16000mg/L、少なくとも18000mg/Lまたは少なくとも20000mg/Lである。
【0267】
汚泥消化反応は、さらに好ましくは嫌気性沈澱を含み、高濃度汚泥反応後の汚水と汚泥との混合液に対して嫌気性沈澱を行い、嫌気性沈澱の汚泥還流により高濃度汚泥反応に参加し、還流比が0.4Q〜0.7Qで、例えば0.5 Qまたは0.6Qである。
【0268】
汚泥と予備処理後の汚水との混合液は、汚泥消化反応を行い、具体的に以下である。すなわち、高濃度汚泥反応槽に先に入って曝気を行う同時に、汚水とSBR槽から還流された余剰汚泥及び嫌気性沈澱槽に還流された汚泥とを充分に混合させる。好ましくは、余剰汚泥が余剰汚泥曝気槽に入って曝気を行った後に、高濃度汚泥反応槽にさらに入れる。余剰汚泥も曝気を行わず、直接に高濃度汚泥反応槽に入る。嫌気性沈澱槽に還流された汚泥は、直接に高濃度汚泥反応槽に入る。余剰汚泥は、全部で高濃度汚泥反応槽に還流されることが好ましく、このようにすることで、排出量を0にする効果を実現した。余剰汚泥曝気槽中の溶存酸素含量は、0.2mg/L〜0.9mg/Lであり、例えば、0.3mg/L、0.4mg/L、0.5mg/L、0.6mg/L、0.7mg/L、0.8mg/Lである。汚泥と汚水とを混合した後、汚水中の有機物を分解させ、かつ、ニトロ化反応を発生させる。高濃度汚泥反応槽中の水力滞留時間は、1.5h〜3.0hで、例えば、2hまたは2.5hである。また、汚泥濃度は、4000mg/L〜20000mg/Lで、具体的に少なくとも4000mg/L、少なくとも6000mg/L、少なくとも8000mg/L、少なくとも10000mg/L、少なくとも12000mg/L、少なくとも14000mg/L、少なくとも15000mg/L、少なくとも16000mg/L、少なくとも18000mg/Lまたは少なくとも20000mg/Lである。独立した汚泥還流はあり、嫌気性沈澱槽から高濃度汚泥反応槽への還流汚泥の還流比は、0.4Q〜0.7Qで、例えば0.5 Qまたは0.6Qであり、汚泥濃度より高く、普通活性汚泥処理プロセスの3〜5倍以上であり、該システムの抗衝撃負荷能力を有効的に増強した。高濃度の活性汚泥は、有機物を有効的に分解し、水質、水量、pH値と有毒物質に対する衝撃に極めて良い緩和作用を有する同時に、後段の安定な処理効果にもさらなる信頼性保障を提供した。風吹き込み曝気を用いて、出口溶存酸素は、1mg/L〜1.5mg/L、1.5mg/L〜2mg/L、2mg/L〜2.5mg/Lまたは2.5mg/L〜3mg/Lである。
【0269】
高濃度汚泥反応槽から流出して脱酸素を経た後、汚水が嫌気性沈澱槽に入ると共に、嫌気性沈澱槽で沈澱した汚泥と常軌汚水処理で生成された余剰汚泥を高濃度汚泥反応槽に還流させ、かつ、嫌気性沈澱槽の還流汚泥は、連続的な循環還流である。高濃度汚泥反応槽中の混合汚泥は、始終に好気性、嫌気性の交替過程を経て、好気性、嫌気性微生物は、全て優勢を獲得できず、余剰汚泥の加水分解過程を最大程度で完成させた。
【0270】
加水分解は、大分子有機物を生分解の小分子有機物に転換させるが、厳格な嫌気性条件下で、加水分解で生成の小分子有機物(rdcod生分解)をさらにVFAs(揮発性脂肪酸)に転換させ、これらは、全て汚泥加水分解から生成した「潜在」の内部カーボン源−有機カーボンである。有機カーボンは、汚水からアンモニアー窒素の脱除効率を大幅に高め、外から加えるカーボン源を節約する。都市汚水処理場は、カーボン源が不足のため、アンモニアー窒素の脱除効果がより悪く、これは、都市汚水処理場に普通な現象である。カーボン源富みの状態下で、エネルギー漏らしを生成でき、すなわち、解放現象(uncoupling phenomenon)と言い、基質の利用率が低い。余剰汚泥を還流するから、汚泥の滞留時間が無制限で大きく、解放の作用下で不活性物質の分解を完成でき、化学無機栄養細菌(chemoautotrophic bacteria)が余剰汚泥の無機物消化を完成させ、化学有機栄養細菌(chemoheterotrophic bacteria)が余剰汚泥の有機物消化を完成させ、システムには不活性物質が蓄積されず、従って、都市汚水処理場は、余剰汚泥の排出量を0にすることを実現した。試験により、嫌気性沈澱槽に還流された汚泥と常軌汚水処理で生成された余剰汚泥は、大量に消化され、増減の平衡になり、嫌気性沈澱槽とSBR槽は、汚泥を全て外に排出し、かつ、反応が安定で、汚泥の零排出を実現した。
【0271】
汚水は、嫌気性沈澱槽から流出後に、嫌気性槽に入る。嫌気性沈澱槽、嫌気性槽および好気性槽は、逆A2/O法を構成する。汚水は、嫌気性槽中での常軌汚水処理を経て生成された還流汚泥と混合し、充分にアンモニアー窒素を脱除し、その後に汚泥と汚水との混合液が一緒に好気性槽に入り、好気性菌の代謝作用により汚水中の有機物をさらに吸着し、酸化と分解し、かつ、ニトロ化反応が発生する。
【0272】
最後に汚水は沈澱装置を経て沈澱後に出水させ、沈澱装置は、好ましくSBR槽で、SBR槽には汚泥を嫌気性槽に還流する還流比が0.5Q〜1Qで、余剰汚泥を高濃度汚泥反応槽に還流する。SBR槽に入った汚水は、既に有効的に水中の有機物を分解させ、水質が比較的に安定で、SBR槽の曝気作用後、汚水中の有機物の分解は更に完全になるとともに、SBR槽は、周期的な静沈時に綺麗な、高密度の汚泥層を生成し、該汚泥層は、汚泥フィルターの作用を発揮し、出水質量を改善する作用と脱窒素に対して重要な作用を有する。SBR槽中の汚泥濃度は、2000mg/L〜4000mg/Lで、溶存酸素含量は、2mg/L〜4mg/Lで、一週の期間内にSBR槽中の静沈時間が1.0h〜1.5hで、好ましくは1hで、静沈時に、汚水は、槽内に脱窒素と沈澱作用を行い、固定水位排水時間は、1.5h〜2.5hで、好ましくは2hである。
【0273】
嫌気性槽、好気性槽とSBR槽で構成されたOSA法は、還流汚泥を嫌気性槽に還流させ、有効的に繊維状菌を抑制し、汚泥膨脹の出現を防止し、汚泥沈降性能を改善し、汚泥生成量を減少することができる。好気性微生物の、ATP形成に必要とされるエネルギーは、外部有機物基質の酸化過程において生成され、好気性微生物が嫌気性条件にある時の有機物質の分解状況と好気性分解での状況とが完全に異なり、放出したエネルギーを大幅に減少し、汚泥自身体には、成長に用いられる充分のエネルギーがなく、正常な生理活動に必要なエネルギー源を供給するため、その体内に貯蔵のATPを利用しなければならない。従って、この段階にある微生物細胞内に貯蔵のATPは大量に消耗され、汚泥量が大きく減少する。この時、もし生物合成を行うと、微生物は、必要なエネルギー貯蔵を必ず行い、もし細胞内に充分のATP貯蔵がなく、細胞自身の合成が継続的に行うことができなければ、既に大量のATPを消耗した微生物は、栄養が豊富な好気性槽に再進入する時、自身のエネルギーに対する需求に満たせるため、微生物が細胞の異化作用により内部消化を行い、この嫌気性、好気性の交替は、この異化作用を増強させ、エネルギー解放がより大きくなり、汚泥生成量を減少させる。嫌気性槽は、同時に加水分解酸化作用を発揮し、汚水の生分解性が増加する。
【0274】
従って、本発明の汚泥処理装置では、既存の各種活性汚泥処理装置を改造することに用いると、特別に有利である。例えば、既存の汚水処理装置の近所に本発明の汚泥処理装置を建設し、既存の汚水処理装置の余剰汚泥を汚泥フィードとして該汚泥処理装置に導入するとともに、該汚泥処理装置から排出の上清液を汚水の一部として既存の汚水処理装置に導入する。このように、本発明の汚泥処理装置を利用し、既存の汚水処理装置の余剰汚泥を基本的に完全に消化し、改造後の汚水処理装置は、基本的に汚泥を排出することがなく、その同時に大量の生分解有機物を含有する上清液も既存の汚水処理装置が窒素とリンに対する除去に特に有利で、カーボン源が不足の問題を解決でき、これは、CODがより低い都市生物汚水に対して特に有利である。もし汚水フィードを本発明の汚泥処理装置に導入することに変換し、新たに建設の汚泥処理装置中の高濃度の汚泥をさらに利用して快速、高効率で汚水フィード中の汚染物を消化し、汚水処理効率と効果をさらに高めた。
【0275】
実施例1
本文の実施例においては、符号tはトンを示す。また、DSは乾燥汚泥を示し、m3は立方メートルを示し、dは天を示し、COD(chemical oxygen demand)は化学的酸素要求量を示す。
【0276】
装置と設計係数:
本発明の汚泥処理方法、及び汚水生物処理方法では、汚水処理能力が20000m3/dである汚水処理場を建設する。その概略構成は、図11に示すように、汚泥消化装置(本発明の「汚泥処理装置」に相当する)は、酸素供給処理に用いる高濃度汚泥反応槽、脱気槽、および無酸素処理に用いる嫌気性沈澱槽により構成されている。また、常軌汚水処理装置(本発明の「汚水処理装置中の汚水生物処理装置」に相当する)は、嫌気性槽、好気性槽およびSBR槽により構成されている。汚泥消化装置において生成された嫌気性沈澱槽内の汚泥(すなわち、第一濃縮混合液で、全部で第一混合液に用いられる)と、常軌汚水処理装置中のSBR槽において生成した余剰汚泥(すなわち、第二濃縮混合液で、全部で汚泥フィードに用いられる)と、グリッド処理を経た後の汚水(すなわち、汚水フィード)とを混合して第二混合液を生成する。第二混合液は、高濃度汚泥反応槽で酸素供給処理を経た後、第三混合液を生成する。第三混合液は脱気槽に入り、脱酸素を経た後、嫌気性沈澱槽に入り、嫌気性沈澱槽に沈澱処理(無酸素処理)を経過後、第四混合液を生成すると同時に、上層にある上清液と下層にある第一濃縮混合液が分離される。第一濃縮混合液を汚泥として還流させ、汚泥還流管に経て高濃度汚泥反応槽に返還させる。上清液は、常軌汚水処理装置に入り、嫌気性槽、好気性槽とSBR槽処理を経た後、出水(すなわち、浄化出水)と余剰汚泥(すなわち、第二濃縮混合液)を生成する。余剰汚泥は、過余剰汚泥曝気槽を経て曝気された後、高濃度汚泥反応槽に返還させる。
【0277】
この汚水処理場は、2008年7月から今までの運行状況から示した。汚泥生成率は、基本的に0tDS/(万m3汚水・d)のレベルで常に保持され、汚泥の零排出を実現した。対比として、類似汚水を処理する隣の都市汚水処理場の泥生成率は、通常は(1.04〜1.64)tDS/(万m3汚水・天)で、平均的には1.25tDS/(万m3汚水・d)である。
【0278】
排出された浄化出水の水質は、2008年9月から2009年5月までの試験で得た浄化出水の総量、COD、アンモニアー窒素観測データ(表1に参照)を参考でき、その中には高濃度汚泥反応槽の平均曝気時間を0.25〜3.5時間にコントロールし、嫌気性沈澱槽の沈澱時間を1〜5時間にコントロールし、曝気時間と沈澱時間の比値を1:0.8〜1:5の間にコントロールする。全試験期間に、汚水処理装置は、いかなる汚泥も排出することがなかった。
【0279】
表1:2008年9月から2009年5月までの期間に毎月浄化出水の総量、平均CODと平均アンモニアー窒素データ
【表1】
【0280】
《都市汚水処理場汚染物排出標準》GB18918-2002中で規定されたCODの最高許可排出濃度の一級B標準は60mg/Lであり、アンモニアー窒素の最高許可排出濃度の一級B標準。水温が12℃より高いときに8mg/Lで、水温が12℃以下のときに15mg/Lである。
【0281】
表1の観測データから分かるように、本発明で提供の都市汚水処理システムを応用し、排水中のCODとアンモニアー窒素は、気温が低くても気温の高低に関も係なく全てGB18918-2002一級B標準を満たした。
【0282】
2008年9月から2009年5月までの試験で、高濃度汚泥反応槽中の汚泥濃度は、始終相当高いレベルであることを、さらに観察したので、表2に示す。
【0283】
表2:2008年9月から2009年5月までの期間に高濃度汚泥反応槽中の第二混合液の汚泥濃度の月平均値
【表2】
【0284】
汚泥消化装置(すなわち、汚泥処理装置)の運転状況をさらに考察するため、汚水フィード、第二混合液水相と上清液のCOD、アンモニアー窒素及び総リン含量を測定し、表3に示す。
【0285】
表3:異なる時間でそれぞれ測定した汚水フィード、第二混合液水相と上清液のCOD、アンモニアー窒素及び総リン含量値(mg/L)
【表3】
【0286】
表3に示すように、汚泥消化装置から排出の上清液中のCOD、アンモニアー窒素と総リンは、第二混合液水相の相当値と比べて顕著に低い。本実施例の汚泥消化装置に対して言うと、汚水フィードと汚泥フィードは純輸入であって、上清液を除けば、汚泥または他の固体または液体を輸出することがなく、かつ、汚泥消化装置にも汚泥の蓄積は見つからない。従って、汚水フィードと汚泥フィードからの生物体と固体物は、上清液と排出できる形に部分転換された以外、残りの部分は全て汚泥消化装置に消化され、これで余剰汚泥の減量化を実現した。どんな理論に依るか分からないが、消化の生物体と固体物は、汚泥消化装置で気体の形に転換されて排気されたと考えられる。汚水処理装置全体に対しては、汚水フィード中の有機汚染物(主にCOD、アンモニアー窒素と総リンで示す)は、汚水処理装置で気体物質に転換されて排気され、従って浄化出水を得た同時に、汚泥と他の固体または液体物質を排出することがない。
【0287】
実施例2
本発明の汚泥処理方法と汚水生物処理方法に基づく、一つのMSBR(すなわち、A2/O法後SBRに接つ)プロセスで運行する現有汚水処理場を改造した。改造後の汚水処理場の汚水処理能力は、20000m3/dであり、その概略構成は図11に示すものでよく、その中には各係数は、実施例1の各係数と同じである。
【0288】
改造後の汚水処理場も既に一年あまり運転され、汚泥生成率は、基本的に0tDS/(万m3汚水・d)であり、同様に基本的に汚泥の排出量を0にすることが実現されるとともに、COD冬季平均排出濃度は24.3mg/Lで、夏季平均排出濃度が27.56mg/Lで、アンモニアー窒素冬季平均排出濃度が8.85mg/Lで、夏季平均排出濃度が4.07 mg/Lで、GB18918-2002一級B標準を満足させる。
【0289】
本発明が提供する汚泥処理方法を使用し、汚水処理システムを新たに建設し、または現有の常軌汚水処理装置に対して改造を行う。高濃度汚泥反応、嫌気性沈澱および常軌汚水処理などの処理方法を組合せて汚水を処理し、全て汚泥の沈降性能を改善でき、汚泥膨脹を抑制し、余剰汚泥の消化を実現でき、汚水処理システム全体で生成した余剰汚泥を減量し、ひいては汚泥の排出量を0にすることができる。
【0290】
以上、本実施形態に係る汚泥減量化汚水処理システムおよび汚泥減量化汚水処理方法の具体的な説明を行った。明細書と請求の範囲で述べた方法の各ステップを指す番号は、特別な指示または前後文章から唯一に確定できるものを除いて、各ステップの順序を示す訳ではない。
【0291】
本文では、具体的な例を応用して本発明の原理及び実施方式に対して解釈を行っているが、以上実施例の説明は、本発明の方法及びその核心思想を理解する助けをしているだけである。当業者は、本発明原理の前提下から脱離せず、本発明に対して若干の改良と修飾を行うことができること、これらの改良と修飾も本発明の請求の範囲内に入ることを明記する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)汚水生物処理過程において生成された汚泥フィードと、第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、
(2)前記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、
(3)前記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、
(4)前記第四混合液を分離して、上清液および第一濃縮混合液を生成し、
(5)前記上清液を排出するとともに、前記第一濃縮混合液の少なくとも一部を前記第一混合液として前記ステップ(1)に返還し、かつ、前記ステップ(1)に返還しない前記第一濃縮混合液の汚泥量を、前記汚泥フィードの汚泥量より小さくする、
ステップを有する汚泥処理方法。
【請求項2】
前記ステップ(5)において、前記第一濃縮混合液の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を、前記第一混合液として前記ステップ(1)に返還し、かつ、前記ステップ(1)に返還しない前記第一濃縮混合液を排出する、
請求項1の汚泥処理方法。
【請求項3】
前記ステップ(1)において、有機栄養物、汚泥フィード及び第一混合液を混合し、第二混合液を生成し、
前記有機栄養物は、好ましくは汚水フィードである、
請求項1または請求項2に記載の汚泥処理方法。
【請求項4】
前記ステップ(1)において、汚泥フィードと汚水フィードとの流量比は1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.1〜1:10、さらに好ましくは1:0.5〜1:5である、
請求項3に記載の汚泥処理方法。
【請求項5】
前記ステップ(2)における酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項6】
前記ステップ(3)における無酸素処理の処理時間は0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項7】
酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比は1:0.5〜1:6.0、好ましくは1.0:1.0〜1.0:3.0、さらに好ましくは1.0:1.5〜1.0:2.0、最も好ましくは1.0:2.0である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項8】
前記ステップ(2)の酸素供給処理を、間欠的な曝気または連続的な曝気により行う、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項9】
前記ステップ(2)における第三混合液の溶存酸素濃度は0.1〜4.0mg/L、好ましくは1.5〜3.0mg/L、さらに好ましくは2.0〜3.0mg/Lである、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項10】
前記ステップ(3)、及び前記ステップ(4)における処理を沈澱方式により行う、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項11】
前記ステップ(1)における第二混合液の汚泥濃度は3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項12】
前記ステップ(2)及び/または前記ステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項13】
(1)汚水生物処理ステップにおいて生成された汚泥フィードと、第一混合液を混合して、第二混合液を生成し、
(2)前記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、
(3)前記第三混合液に対して無酸素処理を行いて、第四混合液を生成し、
(4)前記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成し、
(5)前記上清液を排出するとともに、前記第一濃縮混合液の少なくとも一部を前記第一混合液として前記ステップ(1)に返還するとともに、前記ステップ(1)に返還されない前記第一濃縮混合液の汚泥量を、前記汚泥フィードの汚泥量より小さくし、
(6)前記ステップ(5)において排出した前記上清液の少なくとも一部および任意選択できる部分の汚水フィードに対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液、及び浄化出水を生成し、
(7)前記浄化出水を排出するとともに、前記ステップ(6)において生成した前記第二濃縮混合液の少なくとも一部を、前記汚泥フィードとして前記ステップ(1)に返還する、ステップを有し、
前記ステップ(1)に返還された前記汚水フィード、前記汚泥フィードおよび前記第一混合液を混合し、前記第二混合液を生成し、および/または、
前記ステップ(6)において、前記ステップ(5)において排出された上清液の少なくとも一部とともに汚水生物処理を行い、
前記ステップ(1)において、好ましくは、前記汚水フィードの少なくとも一部、前記汚泥フィードおよび前記第一混合液を混合し、前記第二混合液を生成し、
前記ステップ(1)において、さらに好ましくは、前記汚水フィードの全部、前記汚泥フィードおよび前記第一混合液を混合し、前記第二混合液を生成する、
汚水生物処理方法。
【請求項14】
前記ステップ(5)において、前記第一濃縮混合液の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を、前記第一混合液として前記ステップ(1)に返還するとともに、前記ステップ(1)に返還されない前記第一濃縮混合液を排出する、
請求項13に記載の汚水生物処理方法。
【請求項15】
前記ステップ(2)における前記酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である、
請求項13〜14のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項16】
前記ステップ(3)における無酸素処理の処理時間は0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間である、
請求項13〜15のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項17】
前記酸素供給処理の処理時間と前記無酸素処理の処理時間との比は1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2である、
請求項13〜16のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項18】
前記ステップ(2)の前記酸素供給処理は、間欠的な曝気または連続的な曝気により行う、
請求項13〜17のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項19】
前記ステップ(2)における前記第三混合液の溶存酸素濃度は0.1〜4mg/L、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2〜3mg/Lである、
請求項13〜18のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項20】
前記ステップ(3)および前記ステップ(4)における処理を沈澱方式により行う、
請求項13〜19のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項21】
前記ステップ(1)における前記第二混合液の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである、
請求項13〜20のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項22】
前記ステップ(2)および/または前記ステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさら有する、
請求項13〜21のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項23】
前記ステップ(7)において、ステップ(1)に返還して汚泥フィードとする第二濃縮混合液の、第二濃縮混合液全体に占める割合が、1〜100%、好ましくは約80〜100%、さらに好ましくは約100%である、
請求項13〜22のいずれか1項に記載汚水生物処理方法。
【請求項24】
前記ステップ(7)において、前記ステップ(1)に返還する前記第二濃縮混合液の、前記ステップ(1)における前記汚泥フィード全体に占める割合が、1〜100%、好ましくは約80〜100%、さらに好ましくは約100%である、
請求項13〜23のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項25】
前記ステップ(6)は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せたもの中から選択される汚水生物処理ステップである、
請求項13〜24のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項26】
汚水フィード、汚泥フィードおよび第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、
前記第二混合液に酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、
前記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、
前記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成する第4手段と、
前記上清液を排出する第5手段と、
前記第一濃縮混合液の少なくとも一部を、前記第一混合液として前記第1手段に返還し、かつ、前記第1手段に返還しない前記第一濃縮混合液の汚泥量を、前記汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、を備える、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の汚泥処理に用いられる汚泥処理装置。
【請求項27】
酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように第2手段を構成する、
請求項26に記載の汚泥処理装置。
【請求項28】
前記無酸素処理の処理時間を、0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間とするように第3手段を構成する、
請求項26または請求項27に記載の汚泥処理装置。
【請求項29】
前記酸素供給処理の処理時間と前記無酸素処理の処理時間との比を、1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2とするように第2手段および第3手段を構成する、
請求項26〜28のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
【請求項30】
前記第2手段を曝気槽により構成する、
請求項26〜29のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
【請求項31】
前記第3手段および前記第4手段を沈澱槽により構成する、
請求項26〜30のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
【請求項32】
前記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集、かつ、回収可能に構成された回収設備をさらに備える、
請求項26〜31のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
【請求項33】
汚泥フィードと第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、
前記第二混合液に酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、
前記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、
前記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成する第4手段と、
前記上清液を排出する第5手段と、
前記第一濃縮混合液の少なくとも一部を、前記第一混合液として前記第1手段に返還するとともに、前記第1手段に返還しない前記第一濃縮混合液の汚泥量を、前記汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、
前記第5手段により排出した上清液の少なくとも一部に対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液および浄化出水を生成する第7手段と、
前記浄化出水を排出する第8手段と、
前記第一設備に導入した前記汚水フィード、前記汚泥フィードおよび前記第一混合液を混合して前記第二混合液を生成し、および/または、前記第7手段に返還した前記上清液とともに汚水生物処理を行う第9手段と、
前記第二濃縮混合液の少なくとも一部を、前記第1手段に返還する第10手段と、を備える
請求項13〜15のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法に用いられる汚水生物処理装置。
【請求項34】
前記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように前記第2手段を構成する、
請求項33に記載の汚水生物処理装置。
【請求項35】
前記無酸素処理の処理時間を、0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間とするように第3手段を構成す設ける、
請求項33または請求項34に記載の汚水生物処理装置。
【請求項36】
前記酸素供給処理の処理時間と前記無酸素処理の処理時間の比を、1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2とするように前記第2手段および前記第3手段を構成する、
請求項33〜35のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項37】
前記第2手段を曝気槽により構成する、
請求項33〜36のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項38】
前記第3手段および前記第4四手段をは沈澱槽により構成する、
請求項33〜37のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項39】
前記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集、かつ、回収可能な回収手段をさらに備える、
請求項33〜38のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項40】
前記第7手段は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せたもの中から選択される汚水生物処理を行う処理手段である、
請求項33〜39のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項41】
汚泥を汚泥フィードとして請求項1〜12のいずれか1項に記載の汚泥処理方法によりその中のカーボン、窒素とリンの含量を低下させるステップを有する、
汚水生物処理ステップにおいて生成された汚泥中のカーボン、窒素およびリンの含有量を低下させる方法。
【請求項42】
汚水を汚水フィードとして請求項13〜25のいずれか1項の汚水生物処理方法によりその中のカーボン、窒素とリンの含量を低下させるステップを有する、
汚水中のカーボン、窒素およびリンの含有量を低下させる方法。
【請求項43】
(i)汚泥を汚泥フィードとして請求項1〜12のいずれか1項に記載の汚泥処理方法によりその中の含リン化合物、特に溶液方式で存在する含リン化合物を、気体の状態にある含リン化合物に転換して排気するステップと、
(ii)前記ステップ(i)において排気した気体の状態にある含リン化合物を回収するステップと、を有する、
汚水生物処理ステップ過程において生成された汚泥中のリンを回収する方法。
【請求項44】
(i)汚水を汚水フィードとして請求項13〜25のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法によりその中の含リン化合物、特に溶液方式で存在する含リン化合物を、気体の状態にある含リン化合物に転換して排気するステップと、
(ii)前記ステップにおいて排気した気体の状態にある含リン化合物を回収するステップと、を有する、
汚水中のリンを回収する方法。
【請求項45】
(a)汚水フィードおよび汚水生物処理ステップにおいて生成された第一汚泥を、酸素供給処理区、好ましくは曝気槽、に導入するステップと、
(b)前記酸素供給処理区中の混合液に対して酸素供給処理を行うステップと、
(c)前記酸素供給処理を行った混合液を、無酸素処理区、好ましくは沈澱槽に導入して処理を行い、第二汚泥および上清液を生成するステップと、
(d)前記第二汚泥の少なくとも一部を酸素供給処理区に返還するとともに、前記第二汚泥の残りの一部を排出するステップと、を有し、
前記ステップ(d)において排出した第二汚泥のMLSS総量を、前記第一汚泥のMLSS総量より小さくし、
前記酸素供給処理は、間欠的な曝気または連続的な曝気により行う、汚泥減量化処理方法。
【請求項46】
前記ステップ(d)において、前記第二汚泥の、少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、酸素供給処理区に返還する、
請求項45に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項47】
前記ステップ(d)における前記酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である、
請求項45または請求項46に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項48】
前記酸素供給処理区において、前記酸素供給処理された混合液の出口溶存酸素濃度は0.1〜4mg/L、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2〜3mg/Lである、
請求項45〜47のいずれか1項に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項49】
前記酸素供給処理区の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである、
請求項45〜48のいずれか1項に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項50】
前記ステップ(b)および/または前記ステップ(c)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する処理をさらに有する、
請求項45〜49のいずれか1項に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項51】
汚水生物処理ステップにおいて生成された第一汚泥を接収する第一入口、第二汚泥の少なくとも一部を接収する第二入口、および任意に選択された汚水フィードを接収する第三入口を有する酸素供給処理区と、
酸素供給処理区において生成された混合液を処理し、上清液および第二汚泥を生成する無酸素処理区と、
前記第二汚泥の少なくとも一部を、酸素供給処理区に返還する循環装置と、を備え、
前記酸素供給処理区は、接収した前記第一汚泥、前記第二汚泥および前記汚水フィードに対して、間欠的な曝気または連続的な曝気による酸素供給処理を行う、汚泥減量化処理装置。
【請求項52】
前記循環装置は、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項51に記載の汚泥減量化処理装置。
【請求項53】
前記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように前記酸素供給処理区を構成する、
請求項51または請求項52に記載の汚泥減量化処理装置。
【請求項54】
前記酸素供給処理区および前記無酸素処理区において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収するリン回収装置をさらに備える、
請求項51〜53のいずれか1項に記載の汚泥減量化処理装置。
【請求項55】
曝気槽の酸素供給処理区、沈澱槽の無酸素処理区および生物処理区を備える汚水生物処理設備を用いて、汚水フィードに対して、酸素供給処理、無酸素処理および/または沈澱処理、さらに汚水生物処理をこの順に行うステップと、
前記生物処理区および前記無酸素処理区にそれぞれ存在する、および/または、前記生物処理区および前記無酸素処理区のそれぞれにおいて生成された第一汚泥の少なくとも一部と、第二汚泥の少なくとも一部とを、前記酸素供給処理区に返還し、前記汚水フィードに対して生物処理を行うと同時に汚泥を消減させるステップと、
を有する汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項56】
(a)汚水フィード、後述するステップ(d)において生成される第二汚泥の少なくとも一部と、および後述するステップ(g)において生成される第一汚泥の少なくとも一部を、酸素供給処理区、好ましくは曝気槽に導入するステップと、
(b)前記酸素供給処理区中の混合液に対して酸素供給処理を行うステップと、
(c)前記酸素供給処理された混合液を、沈澱槽の無酸素処理区、好ましくは沈澱槽に導入して処理を行い、第二汚泥および上清液を生成するステップと、
(d)前記第二汚泥の少なくとも一部を酸素供給処理区に返還するとともに、前記第二汚泥の他の一部を排出し、かつ、排出した前記第二汚泥のMLSS総量を、前記酸素供給処理区に返還した前記第一汚泥のMLSS総量より小さくするステップと、
(e)前記無酸素処理区において分離した上清液と、任意に選択された他の汚水フィードとを汚水生物処理区に返還するステップと、
(f)汚水生物処理区において、前記上清液および前記他の汚水フィードに対して生物処理を行い、前記第一汚泥と出水を生成するステップと、
(g)前記第一汚泥の少なくとも一部を前記酸素供給処理区に返還するとともに、前記第一汚泥の他の一部を汚水生物処理区に返還し、または、前記第一汚泥の他の一部を排出するステップと、を有し、
前記酸素供給処理は、間欠的な曝気、または、連続的な曝気により行う汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項57】
前記ステップ(d)において、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項55または請求項56に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項58】
前記ステップ(g)において、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項55〜57のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項59】
前記ステップ(b)における酸素供給処理時間は、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である、
請求項55〜58のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項60】
前記酸素供給処理区における前記酸素供給処理を行った混合液の出口溶存酸素濃度は、0.1〜4.0mg/L、好ましくは1.5〜3.0mg/L、さらに好ましくは2.0〜3.0mg/Lである、
請求項55〜59のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項61】
酸素供給処理区の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである、
請求項55〜60のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項62】
生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する、
請求項55〜61のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項63】
前記ステップ(f)の生物処理は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた処理を行う汚水生物処理ステップである、
請求項55〜62のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項64】
曝気槽の酸素供給処理区、沈澱槽の無酸素処理区および汚水生物処理区を備え、
前記酸素供給処理区は、汚水フィード入口、前記無酸素処理区に連通する第二汚泥還流管線、および汚水生物処理区に連通する第一汚泥還流管線を有し、
前記酸素供給処理区、前記無酸素処理区および前記汚水生物処理区の順で連通し、
前記汚水生物処理区は、前記無酸素処理区において排出した前記第二汚泥のMLSS総量を、前記汚水生物処理区に循環して酸素供給処理区に返還した前記第一汚泥のMLSS総量より小さくする、
汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項65】
第一汚泥の少なくとも一部を接収する第一入口と、第二汚泥のを接収する第二入口と、汚水フィードを接収する第三入口とを有する酸素供給処理区、好ましくは曝気槽と、
前記酸素供給処理区において生成した混合液に対して無酸素処理を行い、上清液および第二汚泥を生成する無酸素処理区、好ましくは沈澱槽と、
任意に選択できる他の汚水フィード入口を有し、前記上清液および前記他の汚水フィードに対して生物処理を行い、第一汚泥および出水を生成する汚水生物処理区と、
前記第一汚泥少なくとも一部を、前記酸素供給処理区に返還する第一循環装置と、
前記第二汚泥の少なくとも一部を、前記酸素供給処理区に返還する第二循環装置と、
前記第一汚泥の他の一部を排出する、任意に選択された第一汚泥排出装置と、
前記第二汚泥の他の一部を排出する、任意に選択された第二汚泥排出装置と、を備え、
前記酸素供給処理区は、接収した前記第一汚泥、前記第二汚泥および前記汚水フィードに対して、間欠的な曝気また連続的な曝気による酸素供給処理を行う汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項66】
前記第二循環装置は、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項64または請求項65に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項67】
前記第一循環装置は、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項64〜66のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項68】
前記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5とするように前記酸素供給処理区を構成する、
請求項64〜67のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項69】
汚水処理装置により生成された気体の状態にある含リン化合物を回収するリン回収装置をさらに備える、
請求項64〜68のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項70】
前記生物処理区は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた汚水生物処理を行うことができる処理手段である、
請求項64〜69のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項1】
(1)汚水生物処理過程において生成された汚泥フィードと、第一混合液とを混合して、第二混合液を生成し、
(2)前記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、
(3)前記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成し、
(4)前記第四混合液を分離して、上清液および第一濃縮混合液を生成し、
(5)前記上清液を排出するとともに、前記第一濃縮混合液の少なくとも一部を前記第一混合液として前記ステップ(1)に返還し、かつ、前記ステップ(1)に返還しない前記第一濃縮混合液の汚泥量を、前記汚泥フィードの汚泥量より小さくする、
ステップを有する汚泥処理方法。
【請求項2】
前記ステップ(5)において、前記第一濃縮混合液の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を、前記第一混合液として前記ステップ(1)に返還し、かつ、前記ステップ(1)に返還しない前記第一濃縮混合液を排出する、
請求項1の汚泥処理方法。
【請求項3】
前記ステップ(1)において、有機栄養物、汚泥フィード及び第一混合液を混合し、第二混合液を生成し、
前記有機栄養物は、好ましくは汚水フィードである、
請求項1または請求項2に記載の汚泥処理方法。
【請求項4】
前記ステップ(1)において、汚泥フィードと汚水フィードとの流量比は1:0.01〜1:100、好ましくは1:0.1〜1:10、さらに好ましくは1:0.5〜1:5である、
請求項3に記載の汚泥処理方法。
【請求項5】
前記ステップ(2)における酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項6】
前記ステップ(3)における無酸素処理の処理時間は0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項7】
酸素供給処理の処理時間と無酸素処理の処理時間との比は1:0.5〜1:6.0、好ましくは1.0:1.0〜1.0:3.0、さらに好ましくは1.0:1.5〜1.0:2.0、最も好ましくは1.0:2.0である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項8】
前記ステップ(2)の酸素供給処理を、間欠的な曝気または連続的な曝気により行う、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項9】
前記ステップ(2)における第三混合液の溶存酸素濃度は0.1〜4.0mg/L、好ましくは1.5〜3.0mg/L、さらに好ましくは2.0〜3.0mg/Lである、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項10】
前記ステップ(3)、及び前記ステップ(4)における処理を沈澱方式により行う、
請求項1〜9のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項11】
前記ステップ(1)における第二混合液の汚泥濃度は3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項12】
前記ステップ(2)及び/または前記ステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の汚泥処理方法。
【請求項13】
(1)汚水生物処理ステップにおいて生成された汚泥フィードと、第一混合液を混合して、第二混合液を生成し、
(2)前記第二混合液に対して酸素供給処理を行い、第三混合液を生成し、
(3)前記第三混合液に対して無酸素処理を行いて、第四混合液を生成し、
(4)前記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成し、
(5)前記上清液を排出するとともに、前記第一濃縮混合液の少なくとも一部を前記第一混合液として前記ステップ(1)に返還するとともに、前記ステップ(1)に返還されない前記第一濃縮混合液の汚泥量を、前記汚泥フィードの汚泥量より小さくし、
(6)前記ステップ(5)において排出した前記上清液の少なくとも一部および任意選択できる部分の汚水フィードに対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液、及び浄化出水を生成し、
(7)前記浄化出水を排出するとともに、前記ステップ(6)において生成した前記第二濃縮混合液の少なくとも一部を、前記汚泥フィードとして前記ステップ(1)に返還する、ステップを有し、
前記ステップ(1)に返還された前記汚水フィード、前記汚泥フィードおよび前記第一混合液を混合し、前記第二混合液を生成し、および/または、
前記ステップ(6)において、前記ステップ(5)において排出された上清液の少なくとも一部とともに汚水生物処理を行い、
前記ステップ(1)において、好ましくは、前記汚水フィードの少なくとも一部、前記汚泥フィードおよび前記第一混合液を混合し、前記第二混合液を生成し、
前記ステップ(1)において、さらに好ましくは、前記汚水フィードの全部、前記汚泥フィードおよび前記第一混合液を混合し、前記第二混合液を生成する、
汚水生物処理方法。
【請求項14】
前記ステップ(5)において、前記第一濃縮混合液の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは基本的に100%を、前記第一混合液として前記ステップ(1)に返還するとともに、前記ステップ(1)に返還されない前記第一濃縮混合液を排出する、
請求項13に記載の汚水生物処理方法。
【請求項15】
前記ステップ(2)における前記酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である、
請求項13〜14のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項16】
前記ステップ(3)における無酸素処理の処理時間は0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間である、
請求項13〜15のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項17】
前記酸素供給処理の処理時間と前記無酸素処理の処理時間との比は1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2である、
請求項13〜16のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項18】
前記ステップ(2)の前記酸素供給処理は、間欠的な曝気または連続的な曝気により行う、
請求項13〜17のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項19】
前記ステップ(2)における前記第三混合液の溶存酸素濃度は0.1〜4mg/L、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2〜3mg/Lである、
請求項13〜18のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項20】
前記ステップ(3)および前記ステップ(4)における処理を沈澱方式により行う、
請求項13〜19のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項21】
前記ステップ(1)における前記第二混合液の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである、
請求項13〜20のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項22】
前記ステップ(2)および/または前記ステップ(3)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさら有する、
請求項13〜21のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項23】
前記ステップ(7)において、ステップ(1)に返還して汚泥フィードとする第二濃縮混合液の、第二濃縮混合液全体に占める割合が、1〜100%、好ましくは約80〜100%、さらに好ましくは約100%である、
請求項13〜22のいずれか1項に記載汚水生物処理方法。
【請求項24】
前記ステップ(7)において、前記ステップ(1)に返還する前記第二濃縮混合液の、前記ステップ(1)における前記汚泥フィード全体に占める割合が、1〜100%、好ましくは約80〜100%、さらに好ましくは約100%である、
請求項13〜23のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項25】
前記ステップ(6)は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せたもの中から選択される汚水生物処理ステップである、
請求項13〜24のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法。
【請求項26】
汚水フィード、汚泥フィードおよび第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、
前記第二混合液に酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、
前記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、
前記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成する第4手段と、
前記上清液を排出する第5手段と、
前記第一濃縮混合液の少なくとも一部を、前記第一混合液として前記第1手段に返還し、かつ、前記第1手段に返還しない前記第一濃縮混合液の汚泥量を、前記汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、を備える、
請求項1〜12のいずれか1項に記載の汚泥処理に用いられる汚泥処理装置。
【請求項27】
酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように第2手段を構成する、
請求項26に記載の汚泥処理装置。
【請求項28】
前記無酸素処理の処理時間を、0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間とするように第3手段を構成する、
請求項26または請求項27に記載の汚泥処理装置。
【請求項29】
前記酸素供給処理の処理時間と前記無酸素処理の処理時間との比を、1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2とするように第2手段および第3手段を構成する、
請求項26〜28のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
【請求項30】
前記第2手段を曝気槽により構成する、
請求項26〜29のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
【請求項31】
前記第3手段および前記第4手段を沈澱槽により構成する、
請求項26〜30のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
【請求項32】
前記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集、かつ、回収可能に構成された回収設備をさらに備える、
請求項26〜31のいずれか1項に記載の汚泥処理装置。
【請求項33】
汚泥フィードと第一混合液を混合し、第二混合液を生成する第1手段と、
前記第二混合液に酸素供給処理を行い、第三混合液を生成する第2手段と、
前記第三混合液に対して無酸素処理を行い、第四混合液を生成する第3手段と、
前記第四混合液を分離し、上清液および第一濃縮混合液を生成する第4手段と、
前記上清液を排出する第5手段と、
前記第一濃縮混合液の少なくとも一部を、前記第一混合液として前記第1手段に返還するとともに、前記第1手段に返還しない前記第一濃縮混合液の汚泥量を、前記汚泥フィードの汚泥量より小さくする第6手段と、
前記第5手段により排出した上清液の少なくとも一部に対して汚水生物処理を行い、第二濃縮混合液および浄化出水を生成する第7手段と、
前記浄化出水を排出する第8手段と、
前記第一設備に導入した前記汚水フィード、前記汚泥フィードおよび前記第一混合液を混合して前記第二混合液を生成し、および/または、前記第7手段に返還した前記上清液とともに汚水生物処理を行う第9手段と、
前記第二濃縮混合液の少なくとも一部を、前記第1手段に返還する第10手段と、を備える
請求項13〜15のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法に用いられる汚水生物処理装置。
【請求項34】
前記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように前記第2手段を構成する、
請求項33に記載の汚水生物処理装置。
【請求項35】
前記無酸素処理の処理時間を、0.8〜6時間、好ましくは1〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間とするように第3手段を構成す設ける、
請求項33または請求項34に記載の汚水生物処理装置。
【請求項36】
前記酸素供給処理の処理時間と前記無酸素処理の処理時間の比を、1:0.5〜1:6、好ましくは1:1〜1:3、さらに好ましくは1:1.5〜1:2、最も好ましくは1:2とするように前記第2手段および前記第3手段を構成する、
請求項33〜35のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項37】
前記第2手段を曝気槽により構成する、
請求項33〜36のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項38】
前記第3手段および前記第4四手段をは沈澱槽により構成する、
請求項33〜37のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項39】
前記汚泥処理装置は、気体の状態にある含リン化合物を収集、かつ、回収可能な回収手段をさらに備える、
請求項33〜38のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項40】
前記第7手段は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIP法、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せたもの中から選択される汚水生物処理を行う処理手段である、
請求項33〜39のいずれか1項に記載の汚水生物処理装置。
【請求項41】
汚泥を汚泥フィードとして請求項1〜12のいずれか1項に記載の汚泥処理方法によりその中のカーボン、窒素とリンの含量を低下させるステップを有する、
汚水生物処理ステップにおいて生成された汚泥中のカーボン、窒素およびリンの含有量を低下させる方法。
【請求項42】
汚水を汚水フィードとして請求項13〜25のいずれか1項の汚水生物処理方法によりその中のカーボン、窒素とリンの含量を低下させるステップを有する、
汚水中のカーボン、窒素およびリンの含有量を低下させる方法。
【請求項43】
(i)汚泥を汚泥フィードとして請求項1〜12のいずれか1項に記載の汚泥処理方法によりその中の含リン化合物、特に溶液方式で存在する含リン化合物を、気体の状態にある含リン化合物に転換して排気するステップと、
(ii)前記ステップ(i)において排気した気体の状態にある含リン化合物を回収するステップと、を有する、
汚水生物処理ステップ過程において生成された汚泥中のリンを回収する方法。
【請求項44】
(i)汚水を汚水フィードとして請求項13〜25のいずれか1項に記載の汚水生物処理方法によりその中の含リン化合物、特に溶液方式で存在する含リン化合物を、気体の状態にある含リン化合物に転換して排気するステップと、
(ii)前記ステップにおいて排気した気体の状態にある含リン化合物を回収するステップと、を有する、
汚水中のリンを回収する方法。
【請求項45】
(a)汚水フィードおよび汚水生物処理ステップにおいて生成された第一汚泥を、酸素供給処理区、好ましくは曝気槽、に導入するステップと、
(b)前記酸素供給処理区中の混合液に対して酸素供給処理を行うステップと、
(c)前記酸素供給処理を行った混合液を、無酸素処理区、好ましくは沈澱槽に導入して処理を行い、第二汚泥および上清液を生成するステップと、
(d)前記第二汚泥の少なくとも一部を酸素供給処理区に返還するとともに、前記第二汚泥の残りの一部を排出するステップと、を有し、
前記ステップ(d)において排出した第二汚泥のMLSS総量を、前記第一汚泥のMLSS総量より小さくし、
前記酸素供給処理は、間欠的な曝気または連続的な曝気により行う、汚泥減量化処理方法。
【請求項46】
前記ステップ(d)において、前記第二汚泥の、少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、酸素供給処理区に返還する、
請求項45に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項47】
前記ステップ(d)における前記酸素供給処理の処理時間は0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である、
請求項45または請求項46に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項48】
前記酸素供給処理区において、前記酸素供給処理された混合液の出口溶存酸素濃度は0.1〜4mg/L、好ましくは1.5〜3mg/L、さらに好ましくは2〜3mg/Lである、
請求項45〜47のいずれか1項に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項49】
前記酸素供給処理区の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである、
請求項45〜48のいずれか1項に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項50】
前記ステップ(b)および/または前記ステップ(c)において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する処理をさらに有する、
請求項45〜49のいずれか1項に記載の汚泥減量化処理方法。
【請求項51】
汚水生物処理ステップにおいて生成された第一汚泥を接収する第一入口、第二汚泥の少なくとも一部を接収する第二入口、および任意に選択された汚水フィードを接収する第三入口を有する酸素供給処理区と、
酸素供給処理区において生成された混合液を処理し、上清液および第二汚泥を生成する無酸素処理区と、
前記第二汚泥の少なくとも一部を、酸素供給処理区に返還する循環装置と、を備え、
前記酸素供給処理区は、接収した前記第一汚泥、前記第二汚泥および前記汚水フィードに対して、間欠的な曝気または連続的な曝気による酸素供給処理を行う、汚泥減量化処理装置。
【請求項52】
前記循環装置は、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項51に記載の汚泥減量化処理装置。
【請求項53】
前記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4時間、好ましくは0.5〜2時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間とするように前記酸素供給処理区を構成する、
請求項51または請求項52に記載の汚泥減量化処理装置。
【請求項54】
前記酸素供給処理区および前記無酸素処理区において生成された気体の状態にある含リン化合物を回収するリン回収装置をさらに備える、
請求項51〜53のいずれか1項に記載の汚泥減量化処理装置。
【請求項55】
曝気槽の酸素供給処理区、沈澱槽の無酸素処理区および生物処理区を備える汚水生物処理設備を用いて、汚水フィードに対して、酸素供給処理、無酸素処理および/または沈澱処理、さらに汚水生物処理をこの順に行うステップと、
前記生物処理区および前記無酸素処理区にそれぞれ存在する、および/または、前記生物処理区および前記無酸素処理区のそれぞれにおいて生成された第一汚泥の少なくとも一部と、第二汚泥の少なくとも一部とを、前記酸素供給処理区に返還し、前記汚水フィードに対して生物処理を行うと同時に汚泥を消減させるステップと、
を有する汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項56】
(a)汚水フィード、後述するステップ(d)において生成される第二汚泥の少なくとも一部と、および後述するステップ(g)において生成される第一汚泥の少なくとも一部を、酸素供給処理区、好ましくは曝気槽に導入するステップと、
(b)前記酸素供給処理区中の混合液に対して酸素供給処理を行うステップと、
(c)前記酸素供給処理された混合液を、沈澱槽の無酸素処理区、好ましくは沈澱槽に導入して処理を行い、第二汚泥および上清液を生成するステップと、
(d)前記第二汚泥の少なくとも一部を酸素供給処理区に返還するとともに、前記第二汚泥の他の一部を排出し、かつ、排出した前記第二汚泥のMLSS総量を、前記酸素供給処理区に返還した前記第一汚泥のMLSS総量より小さくするステップと、
(e)前記無酸素処理区において分離した上清液と、任意に選択された他の汚水フィードとを汚水生物処理区に返還するステップと、
(f)汚水生物処理区において、前記上清液および前記他の汚水フィードに対して生物処理を行い、前記第一汚泥と出水を生成するステップと、
(g)前記第一汚泥の少なくとも一部を前記酸素供給処理区に返還するとともに、前記第一汚泥の他の一部を汚水生物処理区に返還し、または、前記第一汚泥の他の一部を排出するステップと、を有し、
前記酸素供給処理は、間欠的な曝気、または、連続的な曝気により行う汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項57】
前記ステップ(d)において、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項55または請求項56に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項58】
前記ステップ(g)において、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項55〜57のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項59】
前記ステップ(b)における酸素供給処理時間は、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5時間である、
請求項55〜58のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項60】
前記酸素供給処理区における前記酸素供給処理を行った混合液の出口溶存酸素濃度は、0.1〜4.0mg/L、好ましくは1.5〜3.0mg/L、さらに好ましくは2.0〜3.0mg/Lである、
請求項55〜59のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項61】
酸素供給処理区の汚泥濃度は、3000〜30000mg/L、好ましくは3000〜20000mg/L、さらに好ましくは4000〜15000mg/Lである、
請求項55〜60のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項62】
生成された気体の状態にある含リン化合物を回収する回収ステップをさらに有する、
請求項55〜61のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項63】
前記ステップ(f)の生物処理は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた処理を行う汚水生物処理ステップである、
請求項55〜62のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理方法。
【請求項64】
曝気槽の酸素供給処理区、沈澱槽の無酸素処理区および汚水生物処理区を備え、
前記酸素供給処理区は、汚水フィード入口、前記無酸素処理区に連通する第二汚泥還流管線、および汚水生物処理区に連通する第一汚泥還流管線を有し、
前記酸素供給処理区、前記無酸素処理区および前記汚水生物処理区の順で連通し、
前記汚水生物処理区は、前記無酸素処理区において排出した前記第二汚泥のMLSS総量を、前記汚水生物処理区に循環して酸素供給処理区に返還した前記第一汚泥のMLSS総量より小さくする、
汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項65】
第一汚泥の少なくとも一部を接収する第一入口と、第二汚泥のを接収する第二入口と、汚水フィードを接収する第三入口とを有する酸素供給処理区、好ましくは曝気槽と、
前記酸素供給処理区において生成した混合液に対して無酸素処理を行い、上清液および第二汚泥を生成する無酸素処理区、好ましくは沈澱槽と、
任意に選択できる他の汚水フィード入口を有し、前記上清液および前記他の汚水フィードに対して生物処理を行い、第一汚泥および出水を生成する汚水生物処理区と、
前記第一汚泥少なくとも一部を、前記酸素供給処理区に返還する第一循環装置と、
前記第二汚泥の少なくとも一部を、前記酸素供給処理区に返還する第二循環装置と、
前記第一汚泥の他の一部を排出する、任意に選択された第一汚泥排出装置と、
前記第二汚泥の他の一部を排出する、任意に選択された第二汚泥排出装置と、を備え、
前記酸素供給処理区は、接収した前記第一汚泥、前記第二汚泥および前記汚水フィードに対して、間欠的な曝気また連続的な曝気による酸素供給処理を行う汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項66】
前記第二循環装置は、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項64または請求項65に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項67】
前記第一循環装置は、前記第二汚泥の少なくとも60%、好ましくは少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも93%、さらに好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは100%を、前記酸素供給処理区に返還する、
請求項64〜66のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項68】
前記酸素供給処理の処理時間を、0.1〜4.0時間、好ましくは0.5〜2.0時間、さらに好ましくは0.5〜1.5とするように前記酸素供給処理区を構成する、
請求項64〜67のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項69】
汚水処理装置により生成された気体の状態にある含リン化合物を回収するリン回収装置をさらに備える、
請求項64〜68のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【請求項70】
前記生物処理区は、硝化内生脱窒法、A/O法、バーデンホ法、ホレドックス法、A2/O法、逆A2/O法、UCT法、MUCT法、VIPプロセス、OWASAプロセス、JHBプロセス、TNCU法、Dephanoxプロセス、BCFSプロセス、MSBR法、SBR法、ABプロセス、酸化溝法、生物膜法、移動床法、またはこれらの処理方法を組合せた汚水生物処理を行うことができる処理手段である、
請求項64〜69のいずれか1項に記載の汚泥減量化汚水処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2013−512096(P2013−512096A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541300(P2012−541300)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/CN2010/073333
【国際公開番号】WO2011/066736
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512143534)
【出願人】(512143545)
【出願人】(512143556)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【国際出願番号】PCT/CN2010/073333
【国際公開番号】WO2011/066736
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512143534)
【出願人】(512143545)
【出願人】(512143556)
【Fターム(参考)】
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