説明

汚泥処理装置

【課題】汚泥を効率よく処理できるとともに未処理汚泥を濃縮することができ、余剰汚泥を効果的に処理できるだけでなく、メタン発酵槽と組み合わせてのメタン発酵効率の向上等も図れる汚泥処理装置を提供する。
【解決手段】処理容器12と、処理容器内に設けられた棒状の超音波発振子13と、超音波発振子を収容した内周側の超音波処理室15と外周側の処理汚泥流出室18とに区画するとともに、超音波処理室に流入して超音波処理された汚泥を汚泥流出室に透過する円筒状のスクリーン14と、超音波処理室に連通する汚泥流入経路16及び未処理汚泥流出経路17と、汚泥流出室に連通する処理汚泥流出経路19とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥処理装置に関し、詳しくは、下水、産業排水、畜産排水等を処理する水処理工程で発生した汚泥を処理する汚泥処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、下水、産業排水、畜産排水等の水処理で発生する大量の余剰汚泥を処理する設備として、汚泥を嫌気消化処理するメタン発酵槽と、消化汚泥濃縮手段と、超音波照射手段とを組み合わせることにより、メタンガス発生量の増大及び汚泥の減量化を図った汚泥処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−200198号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、系内に超音波照射手段を単に組み込んだだけでは、余剰汚泥の処理効率が低く、未処理の汚泥がメタン発酵槽に循環してメタン発酵効率を十分に高めることができなくなることがあった。
【0004】
そこで本発明は、汚泥の破砕や濃縮を効率よく行うことができ、余剰汚泥を効果的に処理できるだけでなく、メタン発酵槽と組み合わせてのメタン発酵効率の向上等も図れる汚泥処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の汚泥処理装置は、汚泥に超音波を照射する超音波汚泥処理手段を備えた汚泥処理装置において、前記超音波汚泥処理手段は、処理容器と、該処理容器内に設けられた棒状の超音波発振子と、該超音波発振子の周囲を囲み、処理容器内を超音波発振子を収容した内周側の超音波処理室と外周側の処理汚泥流出室とに区画するとともに、前記超音波処理室に流入して超音波処理された汚泥を前記処理汚泥流出室に透過する円筒状のスクリーンと、前記超音波処理室に連通する被処理汚泥流入経路及び未処理汚泥流出経路と、前記処理汚泥流出室に連通する処理汚泥流出経路とを備えていることを特徴としている。
【0006】
さらに、本発明の汚泥処理装置は、処理汚泥流出経路と未処理汚泥流出経路との圧力差を調整する手段、処理汚泥流出経路からの処理汚泥の流出時間を調整する手段、超音波発振子からの超音波照射時間を調整する手段、超音波発振子からの超音波を間欠的に照射するとともに照射間隔を調整する手段、超音波発振子とスクリーンとの間隔を調整する手段、処理容器内の汚泥温度を調整する手段、処理容器内の汚泥のpHを調整する手段の少なくとも一つの手段を備えていることを特徴としている。
【0007】
また、前記スクリーンが、ウェッジワイヤースクリーン、パンチングメタル、網目構造物、織目構造物のいずれかの多孔体であって、その材質が金属、セラミックス又はプラスチックであること、前記スクリーンに、不織布、紙、MF膜、UF膜のいずれかの分離膜を付加したこと、前記被処理汚泥流入経路に、機械的汚泥破砕手段を設けたことを特徴としている。
【0008】
さらに、前記処理容器が、汚泥可溶化槽、酸発酵槽、メタン発酵槽のいずれかを兼ねていること、また、前記処理容器が汚泥の可溶化と酸発酵とを兼ねた反応槽であって、該反応槽の後段に配置されたメタン発酵槽から引き抜いた消化汚泥と、生ごみ、剪定枝、古紙、敷き藁等を含む家畜糞尿、下水汚泥、浄化槽汚泥等のバイオマス資源とが前記超音波処理室に投入されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の汚泥処理装置によれば、超音波処理によって処理された汚泥のみがスクリーンを透過してメタン発酵槽等の次工程に送られるので、次工程におけるメタン発酵等の効率向上等を図ることができる。また、未処理の汚泥はスクリーン内から濃縮された状態で取り出されるため、後工程での汚泥処理を効率的行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の汚泥処理装置の第1形態例を示す断面図である。汚泥処理装置として用いられる超音波汚泥処理手段11は、円筒形の処理容器12と、該処理容器12の中心部軸線方向に設けられた棒状の超音波発振子13と、該超音波発振子13の周囲を囲む円筒状のスクリーン14とで形成されている。超音波発振子13を含むスクリーン14の内周側は、下水処理場の余剰汚泥等の被処理汚泥が供給される超音波処理室15であり、この超音波処理室15には、被処理汚泥を超音波処理室15の下方から流入させる被処理汚泥流入経路16と、超音波で十分に処理されなかった汚泥を超音波処理室15の上方から排出する未処理汚泥流出経路17とが接続している。また、スクリーン14の外周側は、超音波処理されてスクリーン14を透過した汚泥を次の工程に送り出すための汚泥流出室18となっており、この汚泥流出室18には、処理汚泥を次の工程に送り出す処理汚泥流出経路19が接続されている。
【0011】
前記スクリーン14は、非処理汚泥を透過させずに、処理汚泥を透過可能なものならば任意のスクリーンを用いることが可能であり、ウェッジワイヤースクリーン、パンチングメタル、網目構造物、織目構造物のような多孔体を各種条件に応じて選択することができる。スクリーン14の材質も任意であり、金属、セラミックス、プラスチックから適宜に選択することが可能である。また、目開きも、汚泥の性状や用途に応じて任意に設定することが可能であり、数mmからサブミクロンオーダーまで使用可能である。さらに、前述の多孔体を支持体としてろ布、不織布、天然繊維、紙、MF膜、UF膜のような分離膜を付加することもできる。さらに、スクリーン14としてステンレス鋼製のウェッジワイヤースクリーンを使用すると、超音波の共鳴が発生して超音波処理をより効果的に行うことが可能となる。
【0012】
このように形成した超音波汚泥処理手段11を汚泥の破砕に使用する場合、汚泥ポンプ等で供給される汚泥、例えば、オキシデーションディッチ法で処理している下水処理場の余剰汚泥が汚泥流入経路16から超音波処理室15内に流入し、超音波発振子13から照射される超音波によって破砕処理され、所定の大きさ以下になった汚泥(破砕汚泥)がスクリーン14を透過して汚泥流出室18に流入し、処理汚泥流出経路19から次工程に送り出される。また、超音波処理室15内での超音波処理で十分に処理されなかった汚泥(未破砕汚泥)は、未処理汚泥流出経路17に抜き出されて濃縮等の次工程に送り出される。
【0013】
超音波処理室15内における汚泥の滞留時間は、要求される汚泥処理量に対して超音波処理室15の容積を適宜設定することによって調整することができる。また、超音波処理室15の滞留時間が短い場合には汚泥の可溶化はほとんど進まず、夾雑物の分離や汚泥の濃縮が行われ、滞留時間を長くして超音波照射量を大きくするのにしたがって汚泥の可溶化が進行する。例えば、超音波発振子13として出力1kW、周波数20kHzの小型のものを用いた場合、10〜15分間の滞留時間で10〜30%の汚泥が可溶化して汚泥温度も上昇する。なお、超音波照射強度としては、20〜60kWs/Lが適当である。
【0014】
超音波汚泥処理手段11における汚泥の流入及び流出は、汚泥流入経路16に汚泥ポンプを設置するだけで可能であり、未処理汚泥流出経路17と処理汚泥流出経路19とに弁やゲート等の流出量制御手段をそれぞれ設け、両流出量制御手段を調節して処理汚泥流出経路19と未処理汚泥流出経路17との圧力差を調整したり、処理汚泥流出経路19と未処理汚泥流出経路17とにおける汚泥供給先の高さを調節して処理汚泥流出経路19と未処理汚泥流出経路17との圧力差を調整したり、前記両流出量制御手段を調節して処理汚泥流出経路19からの処理汚泥の流出時間や未処理汚泥流出経路17からの未処理汚泥の流出時間を調整したり、超音波発振子13からの超音波照射時間を調整したり、超音波発振子13からの超音波を間欠的に照射するように設定して照射間隔を調整したり、超音波発振子13とスクリーン14との間隔を調整したり、処理容器12内の汚泥温度を調整したり、処理容器12内の汚泥のpHを調整したりすることにより、汚泥処理を効率よく行うことができる。
【0015】
例えば、圧力差や流出時間を適当に設定することによって超音波処理室15での滞留時間を最適化でき、超音波照射時間や照射間隔を適当に設定することによって超音波照射量を最適化でき、汚泥にアルカリ剤を添加してpHを高くしたり、温度を40〜70℃に加温することによって汚泥の破砕、可溶化を促進することができる。
【0016】
さらに、このような超音波汚泥処理手段11の前段に、適宜な機械的汚泥破砕手段、好ましくは汚泥破砕機能付きの汚泥ポンプを設けることにより、超音波汚泥処理手段11に供給する汚泥を機械的に破砕しながら送り出すことができ、超音波汚泥処理手段11での汚泥の破砕処理をより効率よく行うことができる。
【0017】
このようにして超音波処理した汚泥をメタン発酵槽等に導入して処理することにより、汚泥の嫌気消化処理を効率よく行うことができ、メタン発生量の増大及び汚泥の減量化を図ることができる。また、超音波汚泥処理手段11で処理されなかった汚泥、すなわち、汚泥中の無機分等の消化できない固形成分は未処理汚泥として分離されるので、これらがメタン発酵槽等に流入して蓄積することもなくなり、メタン発酵槽等の運転効率も向上させることができる。また、超音波汚泥処理手段11における処理容器12やスクリーン14の両端を密閉状態としておくことにより、液漏れや異臭漏れの問題もなくなる。
【0018】
図2は本発明の汚泥処理装置の第2形態例を示す断面図である。なお、以下の説明において、前記第1形態例に示した汚泥処理装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0019】
本形態例に示す汚泥処理装置は、処理容器としての処理槽31の内部に超音波発振子13を収容した筒状のスクリーン14を複数配置したものであって、処理槽31の下部には、槽底部に汚泥流入室32を画成する下部仕切板33が設けられており、下部仕切板33に設けられた連通口34を介して汚泥流入室32と各スクリーン14内の超音波処理室15とが連通している。また、処理槽31の上部には上部仕切板35が設けられており、上部仕切板35の上方にスクリーン14の上端部側方に設けられた未処理汚泥流出口36が開口している。さらに、処理槽31の一側には、可動堰37を備えた処理汚泥流出部38が設けられており、可動堰37を昇降させることによってスクリーン14外周側の汚泥流出室18における液ヘッドを調整できるように形成されている。
【0020】
被処理汚泥は、前記被処理汚泥流入経路16から汚泥流入室32に流入し、前記連通口34を通って超音波処理室15内を上昇しながら超音波処理され、処理された汚泥がスクリーン14を透過してスクリーン14外周側の汚泥流出室18に流出する。このとき、前記可動堰37を適当な高さに設定してスクリーン14の内周側と外周側との液ヘッドを適切に調整することにより、スクリーン14内外の差圧による処理汚泥の流出量を被処理汚泥の流入量に応じて制御することができる。可動堰37を越えて処理汚泥流出部38に流下した処理汚泥は処理汚泥流出経路19から送り出され、未処理汚泥はスクリーン14の未処理汚泥流出口36から上部仕切板35上に流出し、未処理汚泥流出経路17から次工程に送り出される。
【0021】
図3は本発明の汚泥処理装置を二段嫌気性汚泥消化設備に適用した例を示す系統図である。この汚泥消化設備は、汚泥の破砕、加水分解、酸発酵を行う前段の酸発酵槽41と、メタン発酵を行う後段のメタン発酵槽42と、酸発酵槽41からポンプ43で引き抜いた汚泥を超音波処理する超音波汚泥処理手段11とを備えている。
【0022】
酸発酵槽41に流入した汚泥は、酸発酵槽41で破砕、加水分解、酸発酵といった処理が行われ、底部からポンプ43に引き抜かれ、汚泥流入経路16を経て超音波汚泥処理手段11に流入する。超音波汚泥処理手段11で超音波の照射を受けて破砕され、スクリーンを透過した汚泥は、処理汚泥流出経路19に流出し、一部が経路44に分岐してメタン発酵槽42に送られ、残部が経路45を通って酸発酵槽41に循環するとともに酸発酵槽41内の撹拌を行う。メタン発酵槽42と酸発酵槽41との破砕汚泥量は両経路44,45に設けた弁44V,45Vの開度を調整することによって適宜設定することができる。また、超音波の照射で破砕しなかった未破砕汚泥は、濃縮された状態となって未処理汚泥流出経路17から酸発酵槽41に循環する。さらに、メタン発酵槽42内の汚泥の一部は経路46を通り、消化汚泥として酸発酵槽41に戻され、消化汚泥を可溶化し、再び基質として利用可能な状態とすることで、消化率の向上と消化汚泥発生量の削減を図っている。
【0023】
一般に、メタン発酵槽42は滞留時間が長く、メタン細菌は絶対嫌気性細菌であることから、メタン発酵槽42内の点検補修は、極めて困難である。生ごみ、食品残渣、剪定枝、古紙、敷き藁等を含む家畜糞尿、下水汚泥、浄化槽汚泥等のバイオマス資源をメタン発酵することでエネルギーを回収する試みが実施されているが、これらのバイオマス資源には、メタン発酵に適さない夾雑物も多く、かつ、比較的粗大な固形物として存在することから、メタン発酵に長い時間を必要としているのが実情であるが、本形態例に示すように、夾雑物や比較的粗大な固形物を超音波汚泥処理手段11で破砕するとともに、破砕汚泥の分離及び未破砕汚泥の濃縮を行うことにより、前述のようなバイオマス資源のメタン発酵を効率よく行うことができる。さらに、汚泥流入経路16や未処理汚泥流出経路17に機械的破砕手段を設けたり、前記ポンプ43として破砕機能付きのポンプを用いたりすることにより、生ごみ、食品残渣、剪定枝、古紙、敷き藁等の破砕をより確実に行うことができ、メタン発酵効率を更に向上させることが可能となる。
【0024】
図4は本発明の汚泥処理装置を一段の嫌気性汚泥消化槽に適用した例を示す系統図である。本形態例においても、嫌気性汚泥消化槽51からポンプ52を介して超音波汚泥処理手段11に導入された汚泥は、その一部が超音波処理によって破砕されてスクリーンを透過し、処理汚泥流出経路19に流出し、一部が経路53に分岐して液肥として利用されたり、脱水処理されて処分されたりする。破砕汚泥の残部は経路54を通って嫌気性汚泥消化槽51に循環する。濃縮された未破砕汚泥は、未処理汚泥流出経路17から流出し、その一部が経路55に分岐してコンポストとして利用されたり、脱水処理されて処分されたりする。未破砕汚泥の残部は経路56を通って嫌気性汚泥消化槽51に循環する。
【0025】
このように、一段の嫌気性汚泥消化槽51に超音波汚泥処理手段11を組み合わせることにより、前記酸発酵槽と同様に、効率的な汚泥の破砕混合が可能となり、効率的なメタン発酵が可能となる。さらに、超音波処理手段11のスクリーン14によって未破砕の汚泥が嫌気性汚泥消化槽51内に濃縮されることで消化率の向上も図れる。
【0026】
近年、嫌気性汚泥消化槽を有する下水処理場等の施設で、生ごみ等のバイオマス資源も合わせて処理する試みがあるが、この場合に、既存施設の前段に、超音波汚泥処理手段11と、必要に応じて機械的破砕手段とを組み込むことにより、既存施設への悪影響を排除でき、かつ、効果的なメタン発酵が可能となる。処理時間は、1日〜3日程度でよく、処理容器を鋼板製とすることも可能であり、コンパクトで設置も容易である。
【0027】
なお、図3,図4では超音波汚泥処理手段11で汚泥を破砕する例を示したが、超音波汚泥処理手段11で汚泥の破砕ではなく、汚泥や夾雑物の分離濃縮、例えば、余剰汚泥の濃縮にも用いることができる。余剰汚泥の濃縮に使用する場合は、超音波照射強度を、前述の汚泥の破砕に比べて1/10程度の0.1〜10kWs/Lとすればよく、また、超音波を間欠的に照射するパルス照射も効果的である。具体的には、汚泥濃度0.3〜1%程度の余剰汚泥に対して少量の凝集剤、例えばポリマーを汚泥乾燥重量に対して0.1〜0.5%添加して超音波汚泥処理手段11で処理することにより、未処理汚泥流出経路17から汚泥濃度3〜6%程度に濃縮した汚泥を得ることが可能である。このようにして汚泥を濃縮することにより、次工程、例えば脱水工程における処理効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の汚泥処理装置の第1形態例を示す断面図である。
【図2】本発明の汚泥処理装置の第2形態例を示す断面図である。
【図3】本発明の汚泥処理装置を二段嫌気性汚泥消化設備に適用した例を示す系統図である。
【図4】本発明の汚泥処理装置を一段の嫌気性汚泥消化槽に適用した例を示す系統図である。
【符号の説明】
【0029】
11…超音波汚泥処理手段、12…処理容器、13…超音波発振子、14…スクリーン、15…超音波処理室、16…被処理汚泥流入経路、17…未処理汚泥流出経路、18…汚泥流出室、19…処理汚泥流出経路、31…処理槽、32…汚泥流入室、33…下部仕切板、34…連通口、35…上部仕切板、36…未処理汚泥流出口、37…可動堰、38…処理汚泥流出部、41…酸発酵槽、42…メタン発酵槽、43…ポンプ、51…嫌気性汚泥消化槽、52…ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥に超音波を照射する超音波汚泥処理手段を備えた汚泥処理装置において、前記超音波汚泥処理手段は、処理容器と、該処理容器内に設けられた棒状の超音波発振子と、該超音波発振子の周囲を囲み、処理容器内を超音波発振子を収容した内周側の超音波処理室と外周側の処理汚泥流出室とに区画するとともに、前記超音波処理室に流入して超音波処理された汚泥を前記処理汚泥流出室に透過する円筒状のスクリーンと、前記超音波処理室に連通する被処理汚泥流入経路及び未処理汚泥流出経路と、前記処理汚泥流出室に連通する処理汚泥流出経路とを備えていることを特徴とする汚泥処理装置。
【請求項2】
処理汚泥流出経路と未処理汚泥流出経路との圧力差を調整する手段、処理汚泥流出経路からの処理汚泥の流出時間を調整する手段、超音波発振子からの超音波照射時間を調整する手段、超音波発振子からの超音波を間欠的に照射するとともに照射間隔を調整する手段、超音波発振子とスクリーンとの間隔を調整する手段、処理容器内の汚泥温度を調整する手段、処理容器内の汚泥のpHを調整する手段の少なくとも一つの手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の汚泥処理装置。
【請求項3】
前記スクリーンが、ウェッジワイヤースクリーン、パンチングメタル、網目構造物、織目構造物のいずれかの多孔体であって、その材質が金属、セラミックス又はプラスチックであることを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥処理装置。
【請求項4】
前記スクリーンに、不織布、紙、MF膜、UF膜のいずれかの分離膜を付加したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の汚泥処理装置。
【請求項5】
前記被処理汚泥流入経路に、機械的汚泥破砕手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の汚泥処理装置。
【請求項6】
前記処理容器は、汚泥可溶化槽、酸発酵槽、メタン発酵槽のいずれかを兼ねていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の汚泥処理装置。
【請求項7】
前記処理容器が汚泥の可溶化と酸発酵とを兼ねた反応槽であって、該反応槽の後段に配置されたメタン発酵槽から引き抜いた消化汚泥と、生ごみ、剪定枝、古紙、敷き藁等を含む家畜糞尿、下水汚泥、浄化槽汚泥等のバイオマス資源とが前記超音波処理室に投入されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の汚泥処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−212855(P2008−212855A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55118(P2007−55118)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(390014074)前澤工業株式会社 (134)
【Fターム(参考)】