説明

汚泥脱水剤組成物および汚泥脱水方法

【課題】
脱水用汚泥、特に有機成分の多い脱水用汚泥に対し強固で水切れの良いフロックを生成させることができ、汚泥脱水機による脱水工程において脱水処理量の増加、及び脱水されたケーキの含水率を低下させることができる汚泥脱水方法を提供する。
【解決手段】
ビニル重合系カチオン性高分子と、アニオン性基構成単位とカチオン性基構成単位のモル比A/C=0.1〜0.7である(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子からなる組成物を脱水用汚泥に混合、攪拌して生成させた凝集物を脱水機により脱水することにより解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は汚泥脱水剤組成物および汚泥脱水方法に関し、詳しくはビニル重合系カチオン性高分子と、(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得たアニオン性構成単位のカチオン性構成単位に対するモル比がA/C=0.1〜0.7である両性高分子の混合物であることを特徴とする汚泥脱水剤組成物と、それを使用した汚泥脱水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、近年地球規模で提唱されているCO低減に大きく関与している、汚泥脱水における処理効率の向上、またケーキ含水率を低下させるための手段として、カチオン性高分子とアニオン性高分子を併用する方法(特許文献1)、カチオン性高分子と両性高分子(アニオン性基構成単位;A/カチオン性基構成単位;C比が0.8〜1.5)を混合して添加し、次いで脱水する方法(特許文献2)、無機凝集剤を併用して両性高分子にて凝集、脱水する方法(特許文献3)等が知られているが、必ずしも満足のいく脱水結果が得られていないのが現状である。
【0003】
汚泥脱水の運転管理の面からは、従来良く使われてきた前記特許文献1の方法であるカチオン性有機高分子凝集剤とアニオン性有機高分子凝集剤の併用(2液法)は、2液のバランスの調整に手間がかかり、また薬品添加量も多く必要とするため、敬遠される傾向にある。
【0004】
また前記の特許文献2の方法においては良好な凝集をする薬品添加量が非常に高いため薬品コストが高騰し、また効果を発揮できる汚泥が極限られてしまうという欠点がある。
【0005】
また前記特許文献3の方法においては、近年汚泥の減容化がもとめられると共に、脱水ケーキをコンポスト化する際、ケーキ中の重金属による植生への悪影響を避ける為に、無機凝集剤を極力使用せず、有機性の高分子凝集剤のみを使用して脱水する方法がますます望まれるようになってきている。
【特許文献1】特開平11−57800号公報
【特許文献2】特開平9−57299号公報
【特許文献3】特開平4−059110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カチオン凝集剤とアニオン凝集剤、カチオン凝集剤と両性高分子凝集剤を併用する処方の場合も、ベルトプレス、遠心脱水機以外に、スクリュープレス、ロータリープレス等強固な凝集フロックを必要とする脱水機が増加しているため、有機分が多く、凝集し難い脱水用汚泥の脱水性向上には更なる進歩が求められている。
【0007】
すなわち脱水用汚泥、特に有機成分の多い脱水用汚泥に対して強固なフロックを生成させることが可能であり、また汚泥処理量を向上させ、さらにケーキ含水率を低下させることが出来る汚泥脱水剤組成物および汚泥脱水方法である。
【0008】
従って本発明は有機性汚泥の脱水において、ベルトプレス、遠心脱水機、スクリュ−プレス、多重円板型脱水機、ロータリープレスのすべての脱水機にも対応でき、汚泥処理量の向上、脱水ケーキ含水率の低下を可能にすることが出来る汚泥脱水剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ビニル重合系カチオン性高分子と、(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得たアニオン性構成単位のカチオン性構成単位に対するモル比A/C=0.1〜0.7である両性高分子を、一定の混合割合にて混合してなる汚泥脱水剤組成物を汚泥に添加、攪拌することにより非常に強固で水切れの良好なフロックを生成させることができ、汚泥の処理量増加と含水率の低下が達成可能なことを見出した。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1のビニル重合系カチオン性高分子と、(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得たアニオン性構成単位のカチオン性構成単位に対するモル比がA/C=0.1〜0.7である両性高分子を混合してなる汚泥脱水剤組成物は、汚泥に添加に添加、攪拌することによりフロックを巨大化し、強固にすることができる為、汚泥の処理量の増加および脱水ケーキ含水率の低下効果を発揮できる。
【0011】
本発明の汚泥脱水剤組成物は、請求項2のビニル重合系カチオン性高分子と請求項3の(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子の混合割合を任意に調整することにより、幅広い汚泥種に対して良好な凝集、脱水効果を発揮できる。例えば各種余剰汚泥単独の脱水処理の場合には(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子の割合を多く、また下水余剰汚泥と繊維分の多い下水生汚泥の混合汚泥の場合にはビニル重合系カチオン高分子の割合を多くすることにより、締まった強固なフロックを生成させることができる。
【0012】
本発明の請求項1〜5記載の汚泥脱水剤組成物を汚泥に添加し、脱水することにより従来法では成し得なかった、有機成分が多い多種の汚泥、例えば各種余剰汚泥、製紙スラッジ汚泥、下水混合生汚泥、下水消化汚泥等に対し締まった強固なフロックを生成することが可能になり、ベルトプレス、遠心脱水機、スクリュープレス、多重円板型脱水機、ロータリープレスのすべての脱水機に対応可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明で使用するビニル系カチオン性高分子および(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得たアニオン性構成単位のカチオン性構成単位に対するモル比がA/C=0.1〜0.7である両性高分子の形態は粉末、ディスパージョン、エマルジョンどのような形態でもかまわないが、混合する際は同一形態のもの同士を混合することが好ましい。
【0014】
その理由としては、例えば粉末とエマルジョンを混合、粉末とディスパージョンの混合、エマルジョンとディスパージョンの混合は、実際に均一に混合することは出来ず、またゲル化することも予想されるため避けることが好ましい。
【0015】
ビニル重合系カチオン性高分子と(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子を混合する際の質量比は30:70〜90:10が好ましく良好な凝集効果を発揮することができるが、より好ましくは40:60〜80:20である。例えば脱水用汚泥が各種余剰汚泥のように有機成分の割合が多く、難脱水性の場合に両性高分子の割合が高い方が良好な凝集フロックを生成し、逆に下水混合生汚泥の様に繊維分が多く凝集し易い汚泥に対しては、カチオン性高分子の割合が高い方が良好な凝集フロックを生成させることが出来る。
【0016】
本発明で用いるビニル重合系カチオン性高分子は、カチオン性単量体としてジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等、ジアリルアルキルアミン等の3級塩、塩化メチル等のハロゲン化アルキル等、あるいは塩化ベンジルなどのハロゲン化アリール化合物による4級化物等が挙げられ、これらのカチオン性ビニル系単量体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもできる。あるいはジメチルジアリルアンモニウム塩単量体の単独重合体も使用可能である。また必用に応じて共重合されるノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,Nジエチル(メタ)アクリルアミド等があげられる。またはN−ビニルカルボン酸アミドと(メタ)アクリロニトリルからなる単量体混合物を重合し、その後酸により加水分解し製造したアミジン構造単位を有するカチオン性高分子、N−ビニルカルボン酸アミドを重合し、その後酸により加水分解し製造したビニルアミン構造単位を有するカチオン性高分子等があげられる。
【0017】
上記に述べたビニル重合系カチオン性高分子は、カチオン性構成単位の全構成単位に対する割合が10〜100モル%であれば良い。例えば製紙スラッジ汚泥のようなSS当たりカチオン要求量が低い汚泥にはカチオン当量値(以下Cvと記す)が低いビニル重合系カチオン性高分子が適し、各種余剰汚泥等SS当たりのカチオン要求量が高い汚泥に対してはCvが高いものが適す。
【0018】
本発明において用いる(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子は、カチオン性単量体としてジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートたとえばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の塩化メチル等のハロゲン化アルキルあるいは塩化ベンジル等のハロゲン化アリール化合物等による4級化物等があげられる。
【0019】
アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアクリルアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等があげられる。
【0020】
また(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子は、必要に応じてノニオン性単量体を共重合したものであっても良い。ノニオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。また本発明で使用する両性高分子の水溶性を阻害しない範囲でアクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキル等の油溶性単量体も使用できる。
【0021】
(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子としては、アニオン性構成単位のカチオン性構成単位に対するモル比A/Cが0.1〜0.7であり、全構成単位に対するカチオン性構成単位が10〜60モル%、アニオン性構成単位が4〜30モル%であることが好ましく、より好ましくはアニオン性構成単位のカチオン性構成単位に対するモル比が0.2〜0.6である。本発明において(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子のCv及びアニオン当量値(以下Avと記す)は該モル比の範囲であれば特に制限は無い。すなわちカチオン性構成単位のアニオン性構成単位に対するモル比が0.1〜0.7であれば各汚泥種に応じてカチオン性高分子との混合割合を調整することによりその強い凝集効果を発揮出来るからである。例えばSS当たりのカチオン要求量が非常に低く、繊維分が高い製紙スラッジ汚泥等にはCvが低いビニル重合系カチオン高分子とCv、Avが低い(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子の混合物により、スクリュ−プレス等強固な凝集フロックが要求される脱水機にも耐えうる強固なフロックを生成出来る。一方各種の余剰汚泥等SS当たりのカチオン要求量が高い汚泥に対してはCvが高いビニル重合系カチオン高分子とCv、Avが比較的高い(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子の混合物により強固なフロックを生成出来る。
【0022】
本発明におけるビニル重合系カチオン性高分子、および(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子の塩水溶液粘度(4%食塩水中に高分子濃度が0.5%になるように完全溶解したときの粘度を25℃において回転粘度計(B型粘度計)にて測定)は10mPa・S以上、160mPa・S以下、好ましくは15mPa・S以上、140mPa・S以下であればその効果を発揮することが出来る。すなわち比較的塩水溶液粘度が低いポリマー同士を混合して添加する場合はベルトプレス型脱水機、スクリュ−プレス、ロータリープレス、多重円板型脱水機等の、凝集攪拌強度が比較的弱く、水切れや剥離性の向上を必要とする脱水機に適合し、塩水溶液粘度が比較的高い場合は遠心脱水機に代表される、強攪拌条件にて強固な凝集を必要とする脱水機に適合する。例外としては製紙スラッジの脱水が上げられ、主にスクリュ−プレスによる脱水が行われているが、この場合は塩水溶液粘度が高い高分子が適している。これは、製紙スラッジ中に存在する多量の繊維分を凝集させるためには分子量の高い高分子を使用する必要があるためである。
【0023】
また汚泥濃度によっても適合する塩水溶液粘度の汚泥脱水組成物を任意で使い分けることが出来る。すなわち汚泥濃度が高く、比較的弱い攪拌条件の場合には分散性の良好な低い塩水溶液粘度のビニル重合系カチオン性高分子及び(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子からなる組成物が適し、先にも述べた通り攪拌強度が強い遠心脱水機等には高い塩水溶液粘度のビニル重合系カチオン性高分子及び(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子から成る組成物が適す。
【0024】
本発明において用いる汚泥脱水剤組成物を汚泥に添加する際は、任意に溶解あるいは希釈した水溶液、また高分子分散液あるいはディスパージョンの場合は原液でも添加可能であるが、添加時の溶液量や粘性を考慮すると0.2〜0.5質量%で添加することが好ましい。
【0025】
また溶解液のpHが5〜9になるとイオンコンプレックスを生成する場合があり、前記物質が生成した状態で汚泥に添加すると効果が低下する。従ってビニル重合系カチオン高分子と(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得た両性高分子の各高分子濃度を足した濃度を基準として0.2質量%で溶解した場合、溶解液のpHが2.0〜4.0であることが好ましい。そのため分散液中に十分に酸があれば問題ないが、酸が不足している場合は追加する。酸は硫酸、塩酸、スルファミン酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸などでよい。
【0026】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0027】
(脱水試験に用いたカチオン性高分子および両性高分子)
下記表1のような組成の高分子を一定比率で混合した試料を汚泥脱水剤組成物として調製し、各種汚泥に添加し試験を実施した。
【0028】
(表1)

CX:アニオンとカチオンのモル比A/Cの値が0.1〜0.7の両性高分子
AX:アニオンとカチオンのモル比A/Cの値が0.8より大きい両性高分子C:カチオン性高分子、AAm:アクリルアミド、AAc:アクリル酸
DAA:ジメチルアミノエチルアクリレート塩化メチル四級化物、DAM:ジメチルアミノエチルメタクリレート塩化メチル四級化物、
A/C比:アニオン構成単位/カチオン構成単位のモル比、C1〜C5はCv値を記載してある、Av:アニオン当量値(meq/g)、Cv:カチオン当量値(meq/g)、
0.5%塩粘度:0.5%塩水溶液中に4質量%完全溶解後にB型粘度計により25℃の条件において測定された粘度。
【実施例1】
【0029】
表1に記載したカチオン性高分子および両性高分子を一定比率により混合した
汚泥脱水剤組成物試料CC−1〜CC−5を用い汚泥脱水試験を実施した。下水処理場より発生する下水混合生汚泥(汚泥性状がpH4.9、SS:22000mg/L、TS:24500mg/L、VSS:88.4%/SS)について遠心脱水機を対象とした凝集濾過試験及び圧搾試験を実施した。当脱水用汚泥の性状は200メッシュオン残留物が21.9質量%/SS、有機成分がSSに対して88.4質量%であり有機成分の割合が多い汚泥であった。300mL容のポリプロピレン製ビーカーに汚泥を200mL入れた後、C2及びCX1の7:3混合物(CC−1)の溶解液を添加し、1000rpm、30秒間の攪拌により汚泥を凝集させた。その後フロックの大きさを観察後、40メッシュの濾布付きビーカーにより濾過速度を調べた。また濾過後の凝集物を1kgf/cmの圧搾圧力で30秒間プレス脱水後に脱水ケーキの含水率を求めた。
【0030】
その結果、0.94質量%/TSの添加率の条件において良好なフロック形成と濾過速度、77.3質量%のケーキ含水率が得られた。またCC−4の溶解液を添加し、同様の凝集、脱水試験を行ったところ同じく良好なフロック形成、濾過速度が得られ、ケーキ含水率は0.82質量%/TSにおいて77.4質量%の値が得られた。これらの結果を表2に示す。
【0031】
比較試験としてアニオン性基構成単位とカチオン性基構成単位のモル比A/Cの値が0.8より大きい両性高分子とカチオン性高分子より成る汚泥脱水剤組成物及びカチオン性高分子に関して実施した。 これらの結果を表3に示す。
【0032】
(表2)











【0033】
(表3)

【実施例2】
【0034】
し尿処理場より発生する余剰汚泥(汚泥性状がpH6.7、SS:14500mg/L、TS:16500mg/L、VSS:75.1%/SS)についてスクリュープレスを対象とした凝集濾過試験及び圧搾試験を実施した。300mL容のポリプロピレン製ビーカーに汚泥を200mL入れた後、C1及びCX1の5:5(CC−2)混合物の溶解液を添加し、ビーカー移し替え20回の攪拌により汚泥を凝集させ、その後フロックの大きさを観察後、40メッシュの濾布付きビーカーにより濾過速度を調べた。
【0035】
その結果、大きく良好なフロックが得られると共に、非常に早い濾過速度が得られた。また濾過後の凝集物を1.5kgf/cmの圧搾圧力で60秒間プレス脱水後に脱水ケーキの含水率を求めたところ0.91%/TSの添加率の条件において77.8質量%の含水率が得られた。またCC−5の溶解液を添加し、同様の凝集、脱水試験を行ったところ同じく良好なフロック形成、濾過速度が得られ、ケーキ含水率は1.05質量%/TSにおいて77.6質量%の値が得られた。これらの結果を表4に示す。
【0036】
比較試験としてアニオン性基構成単位とカチオン性基構成単位のモル比A/Cの値が0.8より大きい両性高分子とカチオン性高分子より成る汚泥脱水剤組成物及びカチオン性高分子に関して実施した。これらの結果を表5に示す。
【0037】
(表4)



【0038】
(表5)

【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の汚泥脱水剤組成物及び汚泥脱水方法は下水処理場、し尿処理場、及び各工場より発生する脱水用汚泥を脱水機により脱水する際に、強固で水切れの良いフロックを生成させることができるため幅広い脱水機に対応出来ると共に、従来の汚泥脱水用高分子凝集剤に比べ汚泥処理量の増加及び汚泥脱水ケーキの含水率を大幅に低減することが可能になるため、産業上の利用価値は非常に高い。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビニル重合系カチオン性高分子と、(メタ)アクリル系単量体混合物を重合して得たアニオン性構成単位のカチオン性構成単位に対するモル比がA/C=0.1〜0.7である両性高分子からなる混合物であることを特徴とする汚泥脱水剤組成物。
【請求項2】
前記ビニル重合系カチオン性高分子の全構成単位に対するカチオン性構成単位の割合が10モル%〜100モル%であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥脱水剤組成物
【請求項3】
前記両性高分子の全構成単位に対するカチオン性構成単位の割合が10〜60モル%、アニオン性構成単位の割合が4〜30モル%であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥脱水剤組成物。
【請求項4】
前記ビニル重合系カチオン高分子と前記両性高分子の質量比が30:70〜90:10であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の汚泥脱水剤組成物。
【請求項5】
前記ビニル重合系カチオン高分子と前記両性高分子の各高分子濃度を足した濃度を基準として0.2質量%に溶解した時のpHが2〜4であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の汚泥脱水剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の汚泥脱水剤組成物を汚泥に添加し、次いで脱水することを特徴とする汚泥脱水方法。
【請求項7】
脱水機がスクリュープレスであることを特徴とする請求項6に記載の汚泥脱水方法。



【公開番号】特開2011−189265(P2011−189265A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57037(P2010−57037)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000142148)ハイモ株式会社 (151)
【Fターム(参考)】