説明

油井用鋼管の継手部の冷却装置及び冷却方法、並びに油井用鋼管の製造装置

【課題】加温状態:流動性、常温:固体の性質を有する固体潤滑剤を加温し、加温された鋼管の継手部に噴霧塗布した後に鋼管を迅速かつ確実に常温に冷却する冷却装置の提供。
【解決手段】加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる固体潤滑剤を加温したままで加温された継手部2aに噴霧塗布した後にこの油井用鋼管2を冷却するための冷却装置1である。冷却装置1は、油井用鋼管2の継手部2aの内側に鋼管軸方向へ向けて配置されるとともに、液体窒素を噴出するための冷却ノズル3を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油井用鋼管の継手部の冷却方法及び冷却装置、並びに油井用鋼管の製造装置に関する。本発明は、具体的には、加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる性質を有する固体潤滑剤を加温して油井用鋼管の継手部に噴霧塗布した後に、この継手部を迅速かつ確実に冷却することによって固体潤滑被膜を継手部に形成するための冷却装置及び冷却方法、並びに油井用鋼管の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
接続用の外面ねじおよび内面にテーパー状に切削したリセスと呼ばれる逃がし部が、油井用鋼管の管端の継手部に設けられている。潤滑剤が、防錆および焼き付き防止のために、この継手部に塗布される。従来、コンパウンドグリースからなる塗布剤は、油井用鋼管の外面に塗布され、その後にブラシを用いて均等に塗り広げられてきた。
【0003】
北東大西洋の海洋汚染防止に関するオスパール条約(オスロ・パリ条約OSPAR)が1998年に発効した。これを契機として、海洋汚染防止のための規制がいっそう強化されている。例えば、海上リグを設けられたガス井や油井を領域内に有する国又は地域は、海洋汚染の原因物質の排出を最小限に抑制するために、その掘削に関して環境への排出の可能性がある物質の環境影響度の評価を施工者に要求し、基準を満たさない物質の使用を禁止する傾向にある。
【0004】
このように、地球環境保護の観点から、油井用鋼管の継手部に使用される潤滑剤が重金属を含有しないことが望まれ、特に海洋での掘削に関しては、海洋に潤滑剤を流出しないことが求められる。
【0005】
特許文献1には、塩基性スルホネート、塩基性サリシレート、塩基性フェネートおよび塩基性カルボキシレートから選んだ一種または二種以上の塩基性油剤55〜70質量部、脂肪酸金属塩20〜25質量部、ワックス類10〜20質量部を含有し、海水中における28日後の生分解性(BOD)が20%以上であって、グリス潤滑油の現場での塗布を必要とせずに、従来の重金属含有グリス潤滑油と同等のレベルの防錆性、耐焼付き性および気密性を油井用鋼管の継手部の嵌合部(ねじ部およびねじ無し金属接触部)に付与することが可能であるために厳しい環境規制を満足できる潤滑被膜形成用組成物が開示される。
【0006】
また、油井用鋼管の現地施工性を向上するため、粘着性を有する従来の潤滑剤に替えて、固体潤滑剤の開発及び使用が望まれている。特許文献2には、環境への影響が少ない物質により構成されるとともに、海洋への流出を防止できるだけではなく粘着性を有さないことから施工作業性も良好な固体潤滑剤が開示される。
【0007】
さらに、特許文献3には、油井用鋼管の製管工程において、加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる性質を有する固体潤滑剤を例えば130℃程度に加温し、加温された固体潤滑剤を、例えば130℃程度に加温された油井用鋼管の管端の継手部に噴霧塗布してから継手部を冷却することによって、継手部のねじ面に、潤滑性を有する固体潤滑被膜を、充分な密着力で、薄くかつ均一に、さらには、製管工場から油井掘削現場までの間の運搬や保管において発錆しないように強固に、形成することが開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−95019号公報
【特許文献2】国際公開第2009/72486号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2007/42231号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献3により開示された製管工程によって、継手部のねじ面に固体潤滑被膜を形成された油井用鋼管は、その後に、表面検査工程、及び、管端部への樹脂製プロテクタ嵌合工程へと送られる。しかし、油井用鋼管が130℃程度に加温されたままの状態でこれらの工程へ送られると、これらの工程の作業者が火傷を負う恐れがあるとともに、装着可能温度を下回るまで樹脂製プロテクタの装着を待つ必要がある。このため、継手部のねじ面に固体潤滑被膜を形成された油井用鋼管は、表面検査工程及び樹脂製プロテクタ嵌合工程へ送られるまでの間に、所定の温度(例えば常温)まで冷却される必要がある。
【0010】
固体潤滑剤を噴霧塗布された後の油井用鋼管を長時間放置すれば、油井用鋼管の温度を例えば常温まで低下することは可能である。しかし、これでは油井用鋼管の生産性が著しく低下する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、特許文献3により開示された工程によって継手部のねじ面に固体潤滑被膜を形成された油井用鋼管の継手部へ向けて、液体窒素を噴出することによって、この継手部を迅速かつ確実に冷却でき、これにより、油井用鋼管の生産性を低下することなく、継手部に、潤滑性を有する固体潤滑被膜を、充分な密着力で、薄くかつ均一に、さらには、製管工場から油井掘削現場までの間の運搬や保管において発錆しないように強固に、形成することが可能になるという重要な知見に基づいて、完成された。
【0012】
本発明は、加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる性質を有する固体潤滑剤を加温して、加温された鋼管の継手部に噴霧塗布した後にこの鋼管を、例えば常温に冷却するための油井用鋼管の継手部の冷却装置であって、鋼管の端部の内側にこの鋼管の略軸方向へ向けて配置されるとともに、液体窒素を噴出するための冷却ノズルを備えることを特徴とする油井用鋼管の継手部の冷却装置である。
【0013】
別の観点からは、本発明は、加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる性質を有する固体潤滑剤を加温して、加温された鋼管の継手部に噴霧塗布した後にこの鋼管を例えば常温に冷却するための油井用鋼管の継手部の冷却方法であって、鋼管の端部の内側に、この鋼管の略軸方向へ向けて配置される冷却ノズルから、液体窒素を噴出することを特徴とする油井用鋼管の継手部の冷却方法である。
【0014】
これらの本発明では、(a)冷却ノズルを鋼管の内部の所定の位置へ出し入れするための冷却ノズル移動機構を備えること、(b)冷却ノズルと鋼管の内面との間の距離を所定の距離に保つ冷却ノズル案内機構を備えること、(c)鋼管の内面の温度に応じて、冷却ノズルからの液体窒素の噴射量を制御するための噴射量制御機構を備えること、(d)冷却装置が継手部を超えて存在する平行部も冷却すること、(e)冷却ノズルは、液体窒素の噴射方向が開放された防護カバーを備えることが、それぞれ望ましい。
【0015】
さらに別の観点からは、本発明は、上述した本発明に係る油井用鋼管の継手部の冷却装置と、鋼管を、鋼管の軸方向と略直交する方向へ横送りするとともに、上記の冷却装置に対する所定の位置で停止するための横送り装置とを備えることを特徴とする油井用鋼管の製造装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる性質を有する固体潤滑剤を加温してから、加温された鋼管の継手部に噴霧塗布した後、この鋼管を迅速かつ確実に常温に冷却することができ、これにより、油井用鋼管の生産性を低下することなく低コストで、潤滑性を有する固体潤滑被膜を、鋼管の継手部のネジ面に、充分な密着力で、薄くかつ均一に、さらには、製管工場から油井掘削現場までの間の運搬や保管において発錆しないように強固に、形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明に係る油井用鋼管の継手部の冷却装置の一例を、その一部を、簡略化及び省略するとともに透視した状態で、示す斜視図である。
【図2】図2は、油井用鋼管の継手部の冷却状況を示す二面図であって、図2(a)は図1におけるA矢視図であり、図2(b)は図1におけるB矢視図である。
【図3】図3は、冷却する油井用鋼管の熱量分布の概略を示す説明図である。
【図4】図4は、油井用鋼管(例えば8 5/8”サイズ)冷却時の油井用鋼管と冷却ノズルの各噴出孔(総孔数76個、孔径0.8mm)の配置関係の一例を模式的に示す説明図である。
【図5】図5は、冷却ノズルの各噴出孔(総穴数76個、孔径0.8mm)の配置の一例を模式的に示す説明図である。
【図6】図6は、冷却ノズルの防護カバーの設置部近傍を模式的に示す説明図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は、いずれも、油井用鋼管の継手部の冷却状況を示す説明図であって、図1におけるB矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る油井用鋼管2の継手部2aの冷却装置1の一例を、一部簡略化及び省略しながら示す斜視図である。また、図2は、油井用鋼管2の継手部2aの冷却状況を示す二面図であって、図2(a)は図1におけるA矢視図であり、図2(b)は図1におけるB矢視図である。
【0019】
図1に示すように、冷却装置1は、継手部2aに固体潤滑剤を塗布された鋼管(ピン)を冷却しながら、油井用鋼管2を量産するための装置である。冷却装置1は、冷却ノズル3と、冷却ノズル移動機構4と、冷却ノズル案内機構5と、液体窒素供給系6と、図示しない噴射量制御機構とを備える。以下、冷却装置1のこれらの構成要素を順次説明する。
【0020】
[冷却ノズル3]
鋼管2は、その下部二箇所を二基のターニングローラ7、7により支持される。ターニングローラ7は図1中の矢印方向へ回転する。これにより、鋼管2は図1中の矢印方向へ回転する。
【0021】
鋼管2の継手部2aの鋼管軸方向長さLは、図1に示す例では145mmである。継手部2aは、図示しない前工程である固体潤滑剤噴霧塗布工程において、適当な温度(例えば130℃)に加熱された状態で、加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる性質を有する固体潤滑剤(例えば特許文献3により開示された固体潤滑剤)を、適当な温度(例えば130℃)に加温して、噴霧塗布される。
【0022】
継手部2aは、後述するようにして、冷却装置1により所定の温度(例えば常温)に迅速かつ確実に冷却される。
冷却ノズル3は、液体窒素を噴射するためのノズルであって、中空の筒体からなる本体3aを有する。冷却ノズル3は、鋼管2の継手部2aの内側にこの鋼管2の略軸方向へ延設して配置される。図1に示す例では、冷却ノズル3の本体3aの外径は12.7mmであり、本体3aに直径0.8mmの噴出孔3bが69個穿設される。本体3aはステンレス鋼製である。なお、冷却ノズル3の鋼管2の鋼管軸方向長さは、継手部2aの全域を確実に冷却するために、213mmと継手部2aの鋼管軸方向長さLよりも長く設定する。
【0023】
冷却ノズル3には、パイプ8a及びスライドブロック8bを介して、噴射オン−オフ弁9が接続されている。噴射オン−オフ弁9が開くことにより冷却ノズル3の噴出孔3bから液体窒素が噴出し、噴射オン−オフ弁9が閉じることにより冷却ノズル3の噴出孔3bからの液体窒素の噴出が停止する。
【0024】
なお、冷却ノズル3の各噴出孔3bが液体窒素の噴出後、水分により凍結して閉塞しないように、液体窒素を噴射しない時に気体の窒素が噴射オン−オフ弁9の出側(冷却ノズル3側)から常時噴出するようにしておくことが望ましい。
【0025】
なお、図1では省略したが後述する図6に示すように、冷却ノズル3は、ステンレス鋼製の防護カバー3cにより被われており、冷却効率を上げるとともに、液体窒素の飛散を防止し、また一番低温となるノズル部に直接触れないように設けられている。防護カバー3cについては後述する。
【0026】
冷却ノズル3から噴出する冷却媒体として液体窒素を用いる理由を説明する。油井用鋼管の製管工程において、鋼管2(ピン)の継手部2a(ねじ面)に固体潤滑被膜を形成する際には、130℃程度に加温された状態で固体潤滑剤を塗布する。塗布後、長時間放置すれば常温程度まで冷却されるので次工程に搬送することが可能になるが、これでは生産性が著しく低い。そこで、固体潤滑剤を塗布された鋼管2を急冷し、生産性を向上することが有効である。鋼管2の急冷方法として、空冷や水冷を用いることが簡単であるが、いずれの冷却方法も冷却能力は低く、あまり生産性を向上できない。そこで、本発明では、冷却能力の高い低温の液化ガスを用いる。
【0027】
安価で比較的安全な液化ガスとして、液体炭酸ガスや液体窒素が一般的に知られるが、(a)環境的見地から炭酸ガスの大気放出を避けたいこと、(b)比較試験結果より、液体窒素のほうが液体炭酸ガスよりも冷却効率が良く、使用量を低減できること(油井用鋼管を同様に冷却する際、重量比で液体窒素の使用量を1とすると液体炭酸ガスの使用量は1.47であること)、(c)液体炭酸ガスを液体の状態で維持するためには2MPa以上の設計圧力とすることが一般的であるとともに液体窒素設備の一般的な設計圧力1MPa未満と比較して2倍以上の設計圧力差となるため、圧力設備の板厚を増加せざるをえなくなり、液体炭酸ガス設備が液体窒素設備よりも高価となること、(d)液体炭酸ガスは、圧力を維持しないと液体の状態で保存できないものであり、大気圧にすると凝固し固体(一般名:ドライアイス)となるため、液体炭酸ガスをノズルで噴射させると、噴射停止後にノズル内の液体炭酸ガスが固体となり目詰まりを起こし易く、目詰まりした部分を加温し固体を昇華させると、冷却設備を加温することとなるため、加温後に装置を稼働させる際には装置を冷却するエネルギーロスが発生するのに対し、液体窒素の場合は窒素自体が固化することはないが、大気中の水分が結露・氷結することがあるため、ノズル内に大気が入らないように気化した窒素ガスを僅かに流しパージするなど比較的簡単な方法があること等の理由により、液体窒素を用いることとした。
【0028】
図3は、冷却する油井用鋼管2(8 5/8’’サイズ)の熱量分布の概略を示す説明図である。図3のグラフの横軸は、油井用鋼管2の軸方向の開口部からの距離(mm)を示し、左側縦軸は軸方向距離1mm当たりの冷却する総熱量(J)を示し、右側縦軸は軸方向距離1mm当たりの熱容量(J/K)および加熱後温度(℃)を示す。
【0029】
熱量分布は、油井用鋼管2の種類・温度条件により異なる。図3に示す例は、油井用鋼管2がSUS430製とし、密度は7.70g/cm、比熱は0.46J/(g・℃)として計算した。
【0030】
また、 熱容量および総熱量は、油井用鋼管2の軸方向1mm当たりの体積を概算で求め算出した。1mm当たりの熱容量は、概算体積×密度×比熱により算出した。1mm当たりの冷却する総熱量は、熱容量×冷却する温度(例えば130℃→50℃に冷却する場合、冷却する温度は80℃)により算出した。
【0031】
図3に示すように、冷却する油井用鋼管2の肉厚はその軸方向について変化しているとともに、油井用鋼管2の軸方向各部位の熱容量はその部位の肉厚に比例するので、冷却する油井用鋼管2の熱量分布は、油井用鋼管2の軸方向について一定ではない。このため、鋼管2を均一に冷却するためには、工夫が必要になる。
【0032】
図4は、油井用鋼管2(例えば8 5/8”サイズ)冷却時の油井用鋼管2と冷却ノズル3の各噴出孔3b(総孔数76個、孔径0.8mm)の配置関係の一例を模式的に示す説明図である。図4,5におけるユニオン側が鋼管2の軸方向端部開口側を示し、図4,5における先端側が鋼管2の軸方向内部側を示す。
【0033】
固体潤滑被膜は、油井用鋼管2の継手部(テーパー部)2aに塗布されるため、冷却は継手部2aを主とする。しかし、伝熱等によりテーパー部2aより右側の平行部2cまで加熱されているため、継手部2aを超え、油井用鋼管2の本体の内部(平行部2c)まで噴出孔3bを形成し冷却することが望ましい。例えば、図4に示すように、最初の平行部2cの45mmの部分も合わせて最大冷却部2dとする。また、最大冷却部2d以降の平行部についても伝熱により若干加熱されているため、全体温度をできるだけ均一に下げる目的で、かつ液体窒素のロスを最小限にする目的で、最大冷却部2d以降の噴出孔3bは、最大冷却部2dより大幅に減少させた数、例えば1/2以下の数で形成しておくことが望ましい。図4では、最大冷却部2d以降45mmの範囲2eで8個の噴出孔3bを配し、さらに45mmの範囲2fで4個の噴出孔3bを配している。
【0034】
図5は、冷却ノズル3の各噴出孔3a(総穴数76個、孔径0.8mm)の配置の一例を模式的に示す説明図である。
最大冷却部2dの64個の噴出孔3bは、A列、B列、C列にそれぞれ21個、22個、21個配列し、中心のB列からそれぞれ45度の角度とする。
【0035】
範囲2eでは、A列、C列にそれぞれ4個ずつ噴出孔3bを配し、90度の角度とする。範囲2fでは中心のBのみに噴出孔3bを配する。
噴出孔3bの配列の角度を中心B列から45度とする理由は、噴射した液体窒素が油井用鋼管2に当たり、跳ね返るものを、後述する防護カバー3c内に集めて冷却効率を向上するためである。噴出孔3bの配列、角度はこのような目的を達成できる範囲で適宜調整すればよい。
【0036】
図6は、冷却ノズル3の防護カバー3cの設置部近傍を模式的に示す説明図である。
冷却ノズル3には、液体窒素の噴射方向が開放された防護カバー3cが取り付けられている。防護カバー3cの開放幅は、噴射された液体窒素が油井用鋼管2に衝突し跳ね返った後、再び防護カバー3c内に集められる大きさであることが望ましい。防護カバー3cを取り付けることにより、冷却効率が向上する。試験結果では同じ温度まで冷却する時間が、防護カバー有と無とでは、1:1.9の差があり、液体窒素の使用量もこの時間差に比例する。この理由は、噴射された液体窒素が油井用鋼管2に衝突した後に跳ね返ったものが飛散せずに防護カバー3c内に集められ、防護カバー3cを伝って再度油井用鋼管2に滴り落ちて油井用鋼管2の冷却に寄与すること、及び、防護カバー3c内に溜まった冷気が油井用鋼管2の冷却に寄与することであると考えられる。
【0037】
そのため、防護カバー3cはできるだけ小さく、またできるだけ油井用鋼管2に接近させて配置することが望ましい。防護カバー3cは、後述するローラー20、21を収容する程度の大きさとし、幅50mm、深さ40mm、運転時の油井用鋼管2との隙間5mmとする。
【0038】
なお、防護カバー3cを設置する目的は、冷却効率の向上、及び液体窒素の飛散防止の他に、極低温となるノズル部に誤って作業者が直接触れることを防止することもある。
液体窒素を噴射する噴出孔3bの具体的な数、及びその径は、油井用鋼管2の径および肉厚により変わる総熱量の違いにより適宜設定することが望ましい。
【0039】
さらに、噴出孔3bと油井用鋼管2の距離は、出来るだけ近いことが望ましい。試験結果では、30mm距離が離れると冷却能力が24%低下した。
冷却装置1では、後述するローラー20、21が油井用鋼管2に接触しながら冷却するようにしているため、噴出孔3bと油井用鋼管2との距離は約14mmで一定となるように設定してある。
【0040】
このように、冷却装置1は、油井用鋼管2の端部である継手部2aの内側に油井用鋼管2の略軸方向へ向けて配置されるとともに、液体窒素を噴出するための冷却ノズル3を備える。
【0041】
[冷却ノズル移動機構4]
冷却ノズル3に接続されたパイプ8a及びスライドブロック8bは、冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用ボールスクリュー10と、冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用ボールスクリュー10を駆動する冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用サーボモーター11とに接続される。冷却パイプ8a及びスライドブロック8bは、冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用サーボモーター11を起動することにより、鋼管2の半径水平方向へ移動し、これにより、冷却ノズル3も鋼管2の半径水平方向へ移動する。
【0042】
また、冷却ノズル3、パイプ8、噴射オン−オフ弁9、冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用ボールスクリュー10、及び冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用サーボモーター11は、いずれも、支持プレート12に搭載される。支持プレート12は、矩形平板状の外形を有し、鋼管2の軸方向へ向けて延設される。
【0043】
支持プレート12は、冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用ボールスクリュー13と、冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用ボールスクリュー13を駆動する冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用サーボモーター14とに接続される。支持プレート12は、冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用サーボモーター14を起動することにより、鋼管2の半径垂直方向へ移動し、これにより、冷却ノズル3も鋼管2の半径垂直方向へ移動する。
【0044】
さらに、スライドブロック8bは、冷却ノズルパイプ軸方向移動用エアシリンダ15に接続される。冷却ノズルパイプ軸方向移動用エアシリンダ15は、支持プレート12に搭載される。スライドブロック8bは、冷却ノズルパイプ軸方向移動用エアシリンダ15を起動することにより、鋼管2の軸方向へ移動し、これにより、冷却ノズル3も鋼管2の軸方向へ移動する。
【0045】
冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用ボールスクリュー13、及び冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用サーボモーター14は、いずれも、冷却ノズル移動機構本体16に支持される。
【0046】
冷却ノズル移動機構本体16は、その底部に、本体軸方向移動用ボールスクリュー17と、この本体軸方向移動用ボールスクリュー17を駆動する本体軸方向移動用サーボモーター18とを装着される。本体軸方向移動用ボールスクリュー17は、ベース基盤19に搭載される。冷却ノズル移動機構本体16は、本体軸方向移動用サーボモーター18を起動することにより、鋼管2の軸方向へ移動し、これにより、冷却ノズル3も鋼管2の軸方向へ移動する。
【0047】
このように、冷却機構3は、冷却ノズル移動機構4により、鋼管2の中心に位置するように、上下方向、左右方向及び鋼管軸方向の3方向に変位自在に支持される。
はじめに、冷却ノズル3は、冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用サーボモーター11及び冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用サーボモーター14により、予め鋼管2の中心と一致する位置に調整されて、存在する。
【0048】
そして、鋼管2が後述する横送り装置により搬送され、ターニングローラ7、7上に配置された後、冷却ノズル3を搭載する支持プレート12は、本体軸方向移動用サーボモーター18が起動することにより、鋼管2の管端位置が検出されるまで前進し、その位置で一旦停止する。その後、冷却ノズル3は、冷却ノズルパイプ軸方向移動用エアシリンダ15が起動することによりさらに前進し、冷却ノズル3を鋼管2の継手部2aの内部の所定の位置まで装入されて停止する。
【0049】
冷却ノズル3が鋼管2の継手部2aの内部の所定の位置まで装入された後、鋼管2の内面方向に冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用サーボモーター11を起動し、冷却ノズル3を鋼管2の内面に押し付ける。冷却ノズル3の近傍に配置された近接スイッチがオンすることにより、冷却ノズル3が鋼管2の継手部2aの内面に接触するまで、冷却ノズル3を半径方向に移動させる。
【0050】
なお、以上説明した冷却ノズル移動機構4とは異なり、例えば汎用の多関節型産業用ロボットにより冷却ノズル移動機構を構成するようにしてもよい。この場合には、多関節型産業用ロボットに、適当なエンドエフェクタ(効果器)を介して冷却ノズル3を保持させればよい。
【0051】
このように、冷却装置1は、冷却ノズル3を鋼管2の継手部2aの内部の所定の位置へ出し入れするための冷却ノズル移動機構4を備える。
【0052】
[冷却ノズル案内機構5]
冷却ノズル3の両端には、冷却ノズル案内機構5として、ローラー20、21が配置されている。ローラー20、21は、上述したように、冷却ノズル3が鋼管2の継手部2aの内部の所定の位置まで装入された後に鋼管2の内面方向に冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用サーボモーター11を起動して冷却ノズル3を鋼管2の内面に押し付ける操作によって、鋼管2の継手部2aの内面に当接し、これにより、冷却ノズル3に穿設された各噴出孔3bと、鋼管2の継手部2aの内面との間の距離が、一定に保たれる。
【0053】
このように、冷却装置1は、冷却ノズル3と鋼管2の内面との間の距離を所定の距離に保つ冷却ノズル案内機構5を備える。
【0054】
[液体窒素供給系6]
液体窒素供給系6は、冷却ノズル3に液体窒素を供給するためのものである。液体窒素22は、屋外に設置されたタンク23に貯蔵され、図示しないタンク車により運搬及び補給される。
【0055】
液体窒素供給系6は、図1に示すように、タンク23と、配管24と、主開閉バルブ25と、液体窒素貯留ヘッダーレベル調整用バルブ26と、液体窒素貯留ヘッダー27と、液体窒素貯留レベルセンサー28と、安全弁29と、噴射オン−オフ弁9とを有する。
【0056】
冷却装置1を使用する前に、液体窒素22を液体窒素貯留ヘッダー27にあるレベルまで溜まるまで、予め供給しておく。液体窒素貯留ヘッダー27の手前に設置された液体窒素貯留ヘッダーレベル調整用バルブ26をオン−オフ制御することにより、タンク23から液体窒素貯留ヘッダー27への液体窒素22の供給量を制御して、液体窒素貯留ヘッダー27内に収容される液体窒素22の量を一定範囲とする。
【0057】
液体窒素貯留ヘッダー27の上部に配置された安全弁29は、液体窒素貯留ヘッダー27内の圧力が液体窒素22が蒸発により所定のレベル以上になると、作動して窒素を噴出する。
【0058】
液体窒素貯留ヘッダー27は、冷却ノズル3よりも高いレベルに配置されており、冷却ノズル3へ液体窒素貯留ヘッダー27の底部から液体状態の窒素を供給できるように構成されている。なお、冷却ノズル3へ液体窒素を送る噴射オン−オフ弁9は、冷却ノズル3の直近に設置して応答性を高めることが望ましい。
【0059】
なお、液体窒素貯留ヘッダー27の上部は常に圧力が負荷された状態で気体の窒素が溜まっており、この気体の窒素を、上述したように、冷却ノズル3から液体窒素を噴射しない時に噴射オン−オフ弁9の出側(冷却ノズル3側)から常時噴出することにより、冷却ノズル3の凍結による詰まりを防止できるために、望ましい。
【0060】
このように、液体窒素供給系6は、鋼管2の継手部2aの冷却に用いる液体窒素を安定的にかつ十分な量供給するために、タンク23に接続され、その配管24は、冷却ノズル3よりも高い位置に設置され、配管24の最上部に安全弁29を設置し、安定供給のために冷却ノズル3の直近でタンク23からの配管24よりも下方に液体窒素貯留ヘッダー27を配置し、この液体窒素貯留ヘッダー27のレベルを一定に保つようにするためにタンク23につながる配管24との接続部に配置された液体窒素貯留ヘッダーレベル調整用バルブ26を開閉制御する。
【0061】
さらに補足すると、鋼管2を効率よく冷却するためには、気化ガスを含まない液化窒素を安定的に供給する必要がある。冷却装置1は、液体窒素貯留ヘッダー(気液分離器)27をできるだけ冷却ノズル3の近傍に配置することによって液体窒素貯留ヘッダー27から冷却ノズル3までの距離を短くし、その間で発生する気化ガスを減らすことができる。また、屋外に設置された液体窒素供給タンク23から液体窒素貯留ヘッダー27までの間で発生した気化ガスを、冷却ノズル3の直近で除去することができる。この液体窒素貯留ヘッダー27は液体窒素貯留レベルセンサー28により、液面レベルを常に一定以上とするようにコントロールされ、液量が少なくなった場合は液体窒素貯留ヘッダー27内のガスを自動で大気放出することにより液面を高く維持する。ただし、通常は冷却ノズル3の結露・氷結防止用のパージガスとして有効的に消費されているため、通常連続運転中は無駄となる大気放出は少ない。
【0062】
このように、冷却装置1は、冷却ノズル3に液体窒素を供給するための液体窒素供給系6を備える。
【0063】
[噴射量制御機構]
冷却装置1は、油井用鋼管2の継手部2aの内面の温度を測定する測温装置(例えば非接触温度計)と、この測温装置の測温結果に応じて冷却ノズル3からの液体窒素の噴射量を制御するための噴射量制御機構(図示しない)とを備えることが望ましい。
【0064】
これにより、油井用鋼管2を回転させながら冷却ノズル3から液体窒素を継手部2aへ向けて噴射した後に、非接触温度計により継手部2aの表面が所定の温度に低下したことを確認し、これにより、噴射量制御機構が液体窒素供給系6に制御信号を出力することによって、冷却ノズル3からの液体窒素の噴射を停止する。
【0065】
その後、冷却ノズル移動機構4は、上述した動作と逆の動作を行い、冷却ノズル3を上述した原位置に退避・復帰させることにより、冷却装置1による冷却が完了する。その後、冷却装置1による冷却を完了した油井用鋼管2を搬出し、次の油井用鋼管の冷却を待機する。
【0066】
冷却装置1は、以上のように構成される。
また、本発明に係る油井用鋼管2の製造装置は、この冷却装置1と、鋼管2を、鋼管2の軸方向と略直交する方向(図1における白抜き矢印方向)へ横送りするとともに、冷却装置1に対する所定の位置(図1に例示する位置)で停止するための横送り装置(図示しない)とを備える。この横送り装置は、この種の搬送装置として当業者には周知であるので、この横送り装置に関する説明は省略する。
【0067】
この製造装置によれば、量産のため連続して油井用鋼管が横送りされるラインにおいて、以下に列記する手順で油井用鋼管2を冷却する。
(i)冷却装置1の前面に油井用鋼管2が搬入された際に、冷却ノズル3が自動的に前進して油井用鋼管2の管端位置を検出した後に停止する。
【0068】
(ii)冷却ノズル3が油井用鋼管2の内部であって油井用鋼管2の中央に有効に収まるように冷却ノズル3を前進させ、所定の位置に冷却ノズル3が停止する。
(iii)冷却ノズル3を、半径水平方向または半径垂直方向に移動させ、油井用鋼管2の内面に押し付け、冷却ノズル3と油井用鋼管2の継手部2aとの間の距離を一定に保つ。
【0069】
図7(a)及び図7(b)は、いずれも、油井用鋼管2の継手部2aの冷却状況を示す説明図であって、図1におけるB矢視図である。図7(a)は冷却ノズル3を半径水平方向へ移動させた場合を示し、図7(b)は冷却ノズル3を半径垂直方向へ移動させた場合を示す。
【0070】
冷却装置1により冷却を開始される前の温度が130℃である油井用鋼管2を、図7(a)又は図7(b)に示す冷却手段によって冷却した。冷却ノズル3からの液体窒素の噴射時間tは、60、80又は100秒間とした。結果を表1にまとめて示す。なお、表1は、管内面冷却を行い、温度の測定ポイントは、基本的に管外面とし、100秒の管内面の測定値は冷却ノズル3を取り出してから測定した。
【0071】
【表1】

【0072】
表1に示す結果から、図7(a)に示すように液体窒素を水平方向に噴射したほうが垂直方向に噴射するよりも冷却効果が大きいことがわかる。この理由は、ノズルより噴射された液化窒素が、油井用鋼管に衝突した後、液体状態で残った液化窒素が重力により油井用鋼管下面に流れ移動し、下面に向けて噴射した場合に比べ、広い面積を冷却するためと考えられる。
【0073】
(iv)液体窒素22を冷却ノズル3から噴射することによって、鋼管2の継手部2a(加熱されたネジの周辺全体)を冷却する。
(v)鋼管2の継手部2aが所定の温度に低下した後に自動的に液体窒素の供給を停止し、冷却装置1を原位置に復帰させ、次の油井用鋼管の冷却に備える。
【0074】
このようにして、本発明によれば、油井用鋼管2の継手部2の内側に鋼管軸方向へ向けて配置される冷却ノズル3から、液体窒素を噴出することによって、油井用鋼管2の継手部2の内面のねじ面に、潤滑性を有する固体潤滑被膜を、密着性よく、かつ薄く均一に、さらには、製管工場から油井掘削現場までの運搬や保管の際にさびを発生しないように強固に、効率よく低コストで形成することが可能になるので、例えば特許文献3により開示された固体潤滑剤を加温し、加熱された油井用鋼管2の継手部に噴霧塗布した後、この油井用鋼管2を迅速かつ確実に例えば常温に冷却することが可能になる。
【0075】
具体的には、冷却装置1により、外径340mmの寸法を有する油井用鋼管を、130℃から常温近くまで約100秒間の冷却時間で冷却することができ、その際に使用した窒素量は一本あたり17kgであった。
【符号の説明】
【0076】
1 冷却装置
2 油井用鋼管
2a 継手部
2c 平行部
2d 最大冷却部
2e 45mmの範囲
2f 45mmの範囲
3 冷却ノズル
3a 本体
3b 噴出孔
3c 防護カバー
4 冷却ノズル移動機構
5 冷却ノズル案内機構
6 液体窒素供給系
7 ターニングローラ
8a パイプ
8b スライドブロック
9 噴射オン−オフ弁
10 冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用ボールスクリュー
11 冷却ノズルパイプ半径水平方向移動用サーボモーター
12 支持プレート
13 冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用ボールスクリュー
14 冷却ノズルパイプ半径垂直方向移動用サーボモーター
15 冷却ノズルパイプ軸方向移動用エアシリンダ
16 冷却ノズル移動機構本体
17 本体軸方向移動用ボールスクリュー
18 本体軸方向移動用サーボモーター
19 ベース基盤
20,21 ローラー
22 液体窒素
23 タンク
24 配管
25 主開閉バルブ
26 液体窒素貯留ヘッダーレベル調整用バルブ
27 液体窒素貯留ヘッダー
28 液体窒素貯留レベルセンサー
29 安全弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる固体潤滑剤を加温したままで加温された鋼管継手部に噴霧塗布した後にこの鋼管を冷却するための油井用鋼管の継手部の冷却装置であって、
前記鋼管の端部の内側に該鋼管の略軸方向へ向けて配置されるとともに、液体窒素を噴出するための冷却ノズルを備えること
を特徴とする油井用鋼管の継手部の冷却装置。
【請求項2】
前記冷却ノズルを前記鋼管の内部の所定の位置へ出し入れするための冷却ノズル移動機構を備える請求項1に記載された油井用鋼管の継手部の冷却装置。
【請求項3】
前記冷却ノズルと前記鋼管の内面との間の距離を所定の距離に保つ冷却ノズル案内機構を備える請求項1または請求項2に記載された油井用鋼管の継手部の冷却装置。
【請求項4】
前記鋼管の内面の温度に応じて、前記冷却ノズルからの前記液体窒素の噴射量を制御するための噴射量制御機構を備える請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された油井用鋼管の継手部の冷却装置。
【請求項5】
前記冷却装置が、前記継手部を超えて存在する平行部も冷却することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された油井用鋼管の継手部の冷却装置。
【請求項6】
前記冷却ノズルは、前記液体窒素の噴射方向が開放された防護カバーを備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された油井用鋼管の継手部の冷却装置。
【請求項7】
加温状態で流動性を有するとともに常温で固体となる固体潤滑剤を加温したままで鋼管継手部に噴霧塗布した後にこの鋼管を冷却するための油井用鋼管の継手部の冷却方法であって、
前記鋼管の端部の内側に該鋼管の略軸方向へ向けて配置される冷却ノズルから、液体窒素を噴出すること
を特徴とする油井用鋼管の継手部の冷却方法。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された油井用鋼管継手部の冷却装置と、
前記鋼管を、該鋼管の軸方向と略直交する方向へ横送りするとともに、前記冷却装置に対する所定の位置で停止するための横送り装置と
を備えることを特徴とする油井用鋼管の製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−62969(P2012−62969A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208177(P2010−208177)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000002118)住友金属工業株式会社 (2,544)
【出願人】(000126115)エア・ウォーター株式会社 (254)
【Fターム(参考)】