説明

油圧作動油用基油、及び組成物

【課題】−30℃以下の低温での油圧ポンプの流量低下を改善し、油圧装置を正常に作動できる、細孔径が50μm以下のフィルターを備えた油圧装置用作動油に好適な油圧作動油用基油及びこれを用いた油圧作動油組成物、特に、該油圧装置を備えたトラクタ、変速機等及びそれらの共通潤滑油として好適な油圧作動油組成物を提供する。
【解決手段】100℃における動粘度が1.5〜6mm2/s、流動点が−10℃以下、粘度指数が100以上、%CPが70以上、%CAが2以下、アニリン点が106℃以上であり、接触脱ろう工程により脱ろう処理された鉱油系基油及び/又は構成する全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%以上である鉱油系基油を含む油圧作動油用基油及び該基油にポリ(メタ)アクリレート系添加剤を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細孔径が50μm以下のフィルターを備えた油圧装置用作動油に好適な油圧作動油用基油及びこれを用いた油圧作動油組成物に関し、詳しくは該油圧装置を備えたトラクタ、変速機等の共通潤滑油として好適な油圧作動油組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低温で使用されうる潤滑油には、その低温特性を改善するために一般に流動点降下剤や粘度指数向上剤が配合されており、例えばエンジン油においてはCCS粘度(ASTM D 5293)による低温クランキング限界の評価やMRV粘度(ASTM D 4684)による低温ポンピング限界の評価等が、ギヤ油や変速機油においてはBF粘度(ASTM D 2983)による低温流動性の評価等が行われている。
【0003】
一方、トラクタ用潤滑油は、同一の潤滑油で、変速機、ギヤ、ベアリング、油圧装置、パワーステアリング、湿式ブレーキなどの潤滑を担うだけでなく、耐水性やフィルタビリティ等の独特の性能が要求されるが、従来のトラクタ潤滑油としてはギヤに対する極圧性や湿式クラッチ/湿式ブレーキの摩擦特性の改善が主に検討されている(例えば、特許文献1〜7参照)。
【0004】
また、寒冷地で使用されうるトラクタ用の潤滑油には、上記性能に加え、低温時においても油圧ポンプ始動低温流動性が特に要求され、−40℃におけるBF粘度が2万mPa・s以下としたトラクタ用等の機能性流体が知られている(例えば特許文献5参照)。
【特許文献1】特開平6−200269号公報
【特許文献2】特開平6−240283号公報
【特許文献3】特開平7−109477号公報
【特許文献4】特開平9−165590号公報
【特許文献5】特開平9−165592号公報
【特許文献6】特開2001−311090号公報
【特許文献7】特開2004−059930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、最近の油圧機器は精密制御のため精密なバルブが装着されるようになり、作動油流路に異物の混入を防ぐために設けられたフィルターの細孔径がより小さくなる傾向にあるため、上記のような十分な低温粘度を有しているにもかかわらず、フィルターの閉塞による各潤滑部の潤滑不良や作動不良、あるいは正常に作動するまでに長時間を要するなどの可能性が懸念されるようになってきた。
【0006】
本発明者らは、以上のような事情について検討した結果、−40℃におけるBF粘度が20,000mPa・s以下の優れた低温特性を有している潤滑油組成物を適用しても、−30℃以下のような低温において油圧ポンプの流量低下を起こすことがあり、特に、細孔径が50μm以下のフィルターを備えた油圧装置においてこの現象が顕著に現れることが判明した。すなわち本発明の課題は、−30℃以下の低温での油圧ポンプの流量低下を改善し、油圧装置を正常に作動できる、細孔径が50μm以下のフィルターを備えた油圧装置用作動油に好適な油圧作動油用基油及びこれを用いた油圧作動油組成物、特に、該油圧装置を備えたトラクタ、変速機等及びそれらの共通潤滑油として好適な油圧作動油組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の鉱油系基油を用いた油圧作動油用基油が上記課題を解決するために有用であり、また、そのような油圧作動油用基油にポリ(メタ)アクリレート系添加剤を含有する油圧作動油組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、第一の本発明は、100℃における動粘度が1.5〜6mm/s、流動点が−10℃以下、粘度指数が100以上、%Cが70以上、%Cが2以下、アニリン点が106℃以上であり、接触脱ろう工程により脱ろう処理された鉱油系基油及び/又は構成する全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%以上である鉱油系基油(A)からなることを特徴とする油圧作動油用基油にある。
【0009】
また、第二の本発明は、基油全量基準で、前記記載の油圧作動油用基油(A)の割合が10質量%以上であり、(B)100℃における動粘度が1.5〜6mm/sかつアニリン点が106℃未満の基油の割合が50質量%以下に調整してなることを特徴とする油圧作動油用基油にある。
【0010】
また、第三の本発明は、前記記載の油圧作動油用基油に、ポリ(メタ)アクリレート系添加剤を含有することを特徴とする油圧作動油組成物にある。
【0011】
第三の本発明にかかる油圧作動油組成物は、細孔径が50μm以下のオイルフィルタを備えた油圧装置に使用されることが好ましい。また、該油圧作動油組成物が、油圧作動装置及び変速機を潤滑する共通潤滑油であることも好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の油圧作動油基油及びこれを使用した油圧作動油組成物は、−30℃以下の低温においても油圧ポンプの流量低下を改善し、油圧装置を正常に作動できる、油圧ポンプと細孔径が50μm以下のフィルターを備えた油圧装置用作動油に好適であり、特に、該油圧装置を備えたトラクタ、変速機等及びそれらの共通潤滑油に好適に使用することができる。
【0013】
本発明のこのような効果は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について詳述する。本発明の油圧作動油用基油は、細孔径が50μm以下のオイルフィルタを備えた油圧装置用作動油に好適な油圧作動油用基油であり、100℃における動粘度が1.5〜6mm/s、流動点が−10℃以下、粘度指数が100以上、%Cが70以上、%Cが2以下、アニリン点が106℃以上であり、接触脱ろう工程により脱ろう処理された鉱油系基油及び/又は構成する全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%以上である鉱油系基油からなることを特徴とする油圧作動油用基油(A)である。
【0015】
本発明の油圧作動油用基油(A)の製造方法としては、上記規定を満たす限りにおいて特に制限はないが、例えば、以下の(1)〜(8)から選ばれる1種又は2種以上の原料又はこの原料から回収された潤滑油留分を、水素化分解あるいはワックス異性化し、当該生成物をそのまま、若しくはこれから潤滑油留分を回収し、次に溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行い、その後、溶剤精製処理するか、又は、溶剤精製処理した後、溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう処理を行って製造される水素化分解鉱油及び/又はワックス異性化イソパラフィン系基油が好ましく用いられる。
(1) パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留による留出油;
(2) パラフィン基系原油及び/又は混合基系原油の常圧蒸留残渣油の減圧蒸留留出油(WVGO);
(3) 潤滑油脱ろう工程により得られるワックス及び/又はGTLプロセス等により製造されるフィッシャートロプシュワックス;
(4) (1)〜(3)の中から選ばれる1種又は2種以上の混合油のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC);
(5) (1)〜(4)の中から選ばれる2種以上の油の混合油;
(6) (1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の脱暦油(DAO);
(7) (6)のマイルドハイドロクラッキング処理油(MHC);
(8) (1)〜(7)の中から選ばれる2種以上の油の混合油などを原料油とし、この原料油および/またはこの原料油から回収された潤滑油留分を、通常の精製方法によって精製し、潤滑油留分を回収することによって得られる潤滑油。
【0016】
ここでいう通常の精製方法とは特に制限されるものではなく、潤滑油基油製造の際に用いられる精製方法を任意に採用することができる。通常の精製方法としては、例えば、
(ア)水素化分解、水素化仕上げなどの水素化精製;
(イ)フルフラール溶剤抽出などの溶剤精製;
(ウ)溶剤脱ろうや接触脱ろうなどの脱ろう;
(エ)酸性白土や活性白土などによる白土精製;
(オ)硫酸洗浄、苛性ソーダ洗浄などの薬品(酸またはアルカリ)精製
などが挙げられる。本発明ではこれらの1つ又は2つ以上を任意の組み合わせ及び任意の順序で採用することができる。本発明における油圧作動油用基油(A)としては、上記に挙げた脱ろう方法のいずれを採用しても良いが、接触脱ろう処理された基油であることが好ましく、接触異性化脱ろう処理された基油であることがさらに好ましく、水素化異性化脱ろう処理された基油であることが特に好ましい。接触脱ろう処理された基油を使用することで、例えば流動点等の低温性状や基油組成がほぼ同じである溶剤脱ろう処理基油を使用した場合と比べ、より低温でのフィルタビリティに優れる油圧作動油組成物を得ることができる。
【0017】
本発明の油圧作動油用基油(A)は、100℃における動粘度が1.5〜6mm/sの基油から選ばれる1種又は2種以上の基油であり、潤滑性と低温特性に優れる点で、100℃における動粘度が好ましくは2〜5mm/s、特に好ましくは2.5〜4.5mm/sである。本発明の油圧作動油用基油のより具体的なものとしては、
(A1)100℃における動粘度が3.5〜4.5mm/s、好ましくは3.8〜4.3mm/sである基油;
(A2)100℃における動粘度が1.5〜3.5mm/s、好ましくは2.5〜3.5mm/s、特に好ましくは3〜3.4mm/sである基油;
及び(A1)と(A2)との混合基油が挙げられる。
【0018】
また、本発明の油圧作動油用基油(A)の流動点は−10℃以下であり、低温特性と製造コストのバランスから、好ましくは−50〜−15℃であり、前記(A1)の流動点は、好ましくは−35〜−10℃、より好ましくは−25〜−15℃、特に好ましくは−20〜−15℃であり、前記(A2)の流動点は、好ましくは−50〜−15℃、より好ましくは−45〜−20℃、特に好ましくは−45〜−25℃であり、上記に挙げた脱ろう方法で脱ろう処理により得ることができる。
【0019】
また、本発明の油圧作動油用基油(A)の粘度指数は100以上であり、好ましくは105〜160であり、前記(A1)の粘度指数は、好ましくは115以上、より好ましくは120〜160、特に好ましくは120〜150であり、前記(A2)の粘度指数は、好ましくは100以上、より好ましくは105〜130、特に好ましくは105〜125である。粘度指数が上記範囲の基油を使用することで安定性に優れるとともに、低温でのフィルタビリティに優れる油圧作動油組成物を得ることができる。
【0020】
また、本発明の油圧作動油用基油(A)の組成は、%Cが70〜100、好ましくは73〜90、より好ましくは74〜85、特に好ましくは75〜80であり、%Cが2以下、好ましくは1以下、特に好ましくは0.3以下であり、%Cが0〜30、好ましくは15〜27、特に好ましくは21〜26である。上記(A1)及び(A2)の組成もそれぞれ上記範囲であることが好ましい。組成が上記範囲の基油を使用することで、粘度指数が高く、安定性に優れるとともに低温でのフィルタビリティに優れる油圧作動油組成物を得ることができる。なお、本発明において%C、%C及び%Cとは、それぞれASTM D 3238−85に準拠した方法により求められる、パラフィン炭素数の全炭素数に対する百分率、芳香族炭素数の全炭素数に対する百分率及びナフテン炭素数の全炭素数に対する百分率を示す。ただし、分析結果が上記方法の適用範囲外となることもありうるが、本発明における%C、%C及び%Cは、上記試験法により算出された数値を意味するものとする。
【0021】
また、本発明の油圧作動油用基油(A)のアニリン点は106℃以上であり、好ましくは106〜125である。前記(A1)のアニリン点は、好ましくは110〜125、より好ましくは114〜120であり、前記(A2)のアニリン点は、好ましくは106〜115、より好ましくは106〜112、特に好ましくは107〜110である。アニリン点が上記範囲の基油を使用することで粘度指数が高く、安定性に優れるとともに低温でのフィルタビリティに優れる油圧作動油組成物を得ることができる。また、該油圧作動油が使用される油圧系統等循環系におけるシール材等の膨潤、伸縮等を最小限に押さえることができる。なお、本発明においてアニリン点とは、JIS K 2256−1985に準拠して測定されたアニリン点を意味する。
【0022】
また、本発明の油圧作動油用基油(A)の硫黄分は、組成物の安定性をより高めることができる点で好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.005質量%以下、特に好ましくは0.001質量%以下である。上記(A1)及び(A2)の硫黄分もそれぞれ上記範囲であることが好ましい。
【0023】
また、本発明の油圧作動油用基油(A)を得るための脱ろう方法としては、接触脱ろう工程を含む方法であることが好ましく、接触異性化脱ろう若しくは水素化異性化脱ろう工程を含む方法であることが特に好ましい。上述の動粘度、流動点、基油組成、アニリン点が上記範囲であるもののうち、接触脱ろう工程を含む方法で脱ろう処理された基油を選択使用することで、低温におけるフィルタビリティにより優れる油圧作動油組成物を得ることができる。
【0024】
また、本発明の油圧作動油用基油(A)を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合は、好ましくは7.4%以上であり、より好ましくは7.4〜10%であり、前記(A1)を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合は、好ましくは7.5%以上、より好ましくは7.8〜10%であり、前記(A2)を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合は、好ましくは7.4%以上、より好ましくは7.5〜10%である。上述の動粘度、流動点、基油組成、アニリン点が上記範囲であるもののうち、接触脱ろう工程を含む方法により脱ろうされた鉱油系基油、該3級炭素の割合が上記範囲の鉱油系基油(接触脱ろう以外の工程により脱ろう処理されたものでも良い)、又は、接触脱ろう工程を含む方法により脱ろうされ、かつ、該3級炭素の割合が上記範囲の鉱油系基油のいずれかを選択使用することで、詳細は不明であるが、低温におけるフィルタビリティに優れる油圧作動油組成物を得ることができる。本発明においては、接触脱ろう工程を含む方法により脱ろうされ、かつ、該3級炭素の割合が上記範囲の鉱油系基油を用いることが最も好ましい。
【0025】
ここでいう、油圧作動油用基油を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合とは、全炭素原子に占める >CH−に起因する炭素原子の割合、すなわち分岐又はナフテンに起因する炭素原子の割合を意味している。
【0026】
なお、油圧作動油用基油を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合は、13C−NMRにより測定される、全炭素の積分強度の合計に対する3級炭素に起因する積分強度の合計の割合を意味するが、同等の結果が得られるのであればその他の方法を用いてもよい。なお、13C−NMR測定にあたっては、サンプルとして試料0.5gに3gの重クロロホルムを加えて希釈したものを使用し、測定温度は室温、共鳴周波数は100MHzとし、測定法はゲート付デカップリング法を使用した。
【0027】
上記分析により、
(a)化学シフト約10−50ppmの積分強度の合計(炭化水素の全炭素に起因する積分強度の合計)、及び
(b)化学シフト約27.9−28.1ppm、28.4−28.6ppm、32.6−33.2ppm、34.4−34.6ppm、37.4−37.6ppm、38.8−39.1ppm、及び、40.4−40.6ppmの積分強度の合計(メチル基、エチル基及びその他分岐基がついた3級炭素及びナフテン3級炭素に起因する積分強度の合計)
をそれぞれ測定し、(a)100%とした時の(b)の割合(%)を算出した。(b)の割合は基油を構成する全炭素原子に対する全3級炭素原子の割合を示す。
【0028】
また、本発明の油圧作動油用基油(A)の平均炭素数は、特に制限はないが、好ましくは20〜35であり、前記(A1)の平均炭素数は、好ましくは25〜35、より好ましくは28〜30であり、前記(A2)の平均炭素数は、好ましくは20〜28、より好ましくは23〜25である。
【0029】
また、本発明の油圧作動油基油は、前記圧作動油基油(A)からなる場合、本発明の油圧作動油組成物における基油の100℃における動粘度を3.5〜4.5mm2/sとすることで、潤滑性と低温特性を両立できるため、本発明の油圧作動油用基油としては、前記(A1)を必須として用いることが好ましく、低温フィルタビリティをさらに向上させるために、前記(A1)と前記(A2)を併用することが望ましい。この場合の(A1)の割合は、基油全量基準で10〜100質量%、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%であり、前記(A2)の割合は、0〜90質量%、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜50質量%である。
【0030】
また、本発明の油圧作動油基油は、前記基油(A)と前記基油(A)以外の鉱油系基油、すなわち、前述の基油(A)の製造方法の項で挙げた(1)〜(8)の鉱油系原料や、基油(A)の製造方法の項で挙げた製造方法により製造された水素化分解鉱油及び/又はワックス異性化鉱油から選ばれる鉱油系基油のうち、基油(A)の規定を満たさない鉱油系基油を混合使用することができる。
【0031】
前記基油(A)以外の鉱油系基油としては、具体的には以下の基油等が挙げられる。
(B)100℃における動粘度が1.5〜6mm/sであり、かつアニリン点が106℃未満の鉱油系基油;
(C)100℃における動粘度が1.5〜6mm/sであり、アニリン点が106℃以上であって、溶剤脱ろう処理され、かつ基油を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%未満である鉱油系基油;
(D)(A)、(B)及び(C)のいずれにも該当しない鉱油系基油
【0032】
前記基油(B)の具体例としては、例えば
(B1)100℃における動粘度が1.5〜6mm/s、好ましくは3.5〜4.5mm/s、アニリン点が106℃未満、好ましくは90〜104℃である鉱油系基油、具体的にはこのような性状を有する溶剤精製鉱油のような鉱油系基油が挙げられる。(B1)の粘度指数が好ましくは80〜110、より好ましくは95〜105、流動点が好ましくは−10〜−35℃、より好ましくは−15〜−25℃、%Cが好ましくは60〜70、%Cが好ましくは2〜10、より好ましくは3〜8である。
【0033】
また、(B)の別の具体例としては、
(B2)100℃における動粘度が1.5〜6mm/s、好ましくは2〜3.5mm/s、アニリン点が106℃未満、より好ましくは100〜105℃の鉱油系基油、具体的にはこのような性状を有する水素化分解鉱油及び/又はワックス異性化鉱油のような鉱油系基油が挙げられる。(B2)の粘度指数は好ましくは80〜115、より好ましくは100〜115、特に好ましくは105〜110、流動点が好ましくは−10℃以下、より好ましくは−25〜−35℃、%Cが好ましくは70〜85、より好ましくは75〜80、%Cが好ましくは2以下、より好ましくは0.3〜1.5、%Cが好ましくは15〜30、より好ましくは21〜26である。(B2)は、また、溶剤脱ろう工程により脱ろう処理された水素化分解鉱油及び/又はワックス異性化鉱油であって、基油を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%未満である鉱油系基油に相当するものが挙げられる。
【0034】
また、前記基油(C)の具体例としては、例えば100℃における動粘度が1.5〜6mm/s、好ましくは3.5〜5mm/s、さらに好ましくは3.8〜4.4mm/s、アニリン点が106℃以上、より好ましくは108〜125℃、より好ましくは110〜120である鉱油系基油であって、溶剤脱ろう処理され、かつ基油を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%未満である鉱油系基油、より具体的にはこのような性状を有する水素化分解鉱油及び/又はワックス異性化鉱油が挙げられる。(C)の粘度指数は好ましくは100〜160、より好ましくは115〜135、さらに好ましくは120〜130であり、流動点が好ましくは−10℃以下、より好ましくは−15〜−25℃、%Cが好ましくは70〜100、より好ましくは72〜90、さらに好ましくは75〜85、%Cが好ましくは2以下、より好ましくは0.3〜1.5である。
【0035】
また、前記基油(D)の具体例としては、100℃における動粘度が1.5mm/s未満又は6mm/sを超える鉱油系基油、典型的には、例えば、100℃における動粘度が6mm/sを超え、50mm/s以下、好ましくは8〜35mm/sである溶剤精製鉱油、水素化分解鉱油及び/又はワックス異性化鉱油等を挙げることができる。
【0036】
本発明の油圧作動油基油において、前記基油(A)と前記基油(A)以外の鉱油系基油を混合使用する場合、前記(A)の割合は、基油全量基準で、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜70質量%であり、前記基油(A)以外の鉱油系基油の割合は、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜70質量%である。ただし、前記基油(A)以外の鉱油系基油として前記基油(B)を混合する場合、その割合は基油全量基準で50質量%以下とする必要があり、好ましくは40質量%以下である。基油(B)は基油(A)と比べ安価に製造でき、コスト的に有利となることから、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、特に好ましくは30質量%以上混合することが望ましい。
【0037】
なお前記基油(C)を使用する場合の割合は、基油全量基準で10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%である。また、前記基油(D)を使用する場合には、本発明の効果を著しく阻害しない限り、例えば基油全量基準で40質量%以下、好ましくは20質量%以下配合することができるが、100℃における動粘度が6mm2/sを超える基油については、特に低温フィルタビリティを阻害する可能性があるため、摩耗防止効果を向上させる等の必要性がない限り配合しないことが好ましい。
【0038】
また、本発明の油圧作動油基油には、さらに合成系基油及び/又は天然油脂を混合しても良い。
【0039】
合成系潤滑油基油の具体例としては、ポリα−オレフィン又はその水素化物、イソブテンオリゴマー又はその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(例えば、ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(例えば、トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられ、好ましい合成系潤滑油基油としてはポリα−オレフィン、あるいはポリオールエステルが挙げられ、ポリα−オレフィンが特に好ましい。ポリα−オレフィンとしては、典型的には、炭素数2〜32、好ましくは6〜16のα−オレフィンのオリゴマー又はコオリゴマー(例えば、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンコオリゴマー等)及びその水素化物が挙げられる。これらは粘度指数が高く、低温特性に優れることから、高コストとならない範囲で、例えば、基油全量基準で40質量%以下、好ましくは20質量%以下配合することができる。
【0040】
また、天然油脂の具体例としては、牛脂、豚油、魚油、ラード等の動物油、菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油、酸フラワー油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサンフラワー油などの植物油等が挙げられ、生分解性を高めることができることから、高コストとならない範囲で、例えば、基油全量基準で40質量%以下、好ましくは20質量%以下配合することができる。
【0041】
本発明の油圧作動油組成物は、前記油圧作動油用基油に、ポリ(メタ)アクリレート系添加剤(E)を含む油圧作動油組成物である。
【0042】
本発明の潤滑油組成物における(E)成分はポリ(メタ)アクリレート系添加剤である。(E)成分は、通常、重量平均分子量が1万〜100万のものが使用でき、粘度温度特性、特に低温粘度特性を改善しやすい点で、好ましくは5万〜50万、より好ましくは5万〜30万である。なお、ここでいう重量平均分子量は、ウォーターズ社製150−C ALC/GPC装置に東ソー社製のGMHHR−M(7.8mmID×30cm)のカラムを2本直列に使用し、溶媒としてはテトラヒドロフラン、温度23℃、流速1mL/分、試料濃度1質量%、試料注入量75μL、検出器示差屈折率計(RI)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。ただし、同様の結果が得られるのであれば、同様の装置を用いた類似の測定方法を用いても良い。
【0043】
本発明における(E)成分としては、下記一般式(1)で表される構造単位を有するポリ(メタ)アクリレート系添加剤であることが好ましい。
【0044】
【化1】

【0045】
一般式(1)において、Rは水素又はメチル基、好ましくはメチル基、Rは炭素数1〜30の炭化水素基又は−(R)−Eで表される基を示し、ここでRは炭素数1〜30のアルキレン基、Eは窒素原子を1〜2個、酸素原子を0〜2個含有するアミン残基又は複素環残基を示し、aは0又は1の整数を示す。
【0046】
で示す炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イコシル基、ドコシル基、テトラコシル基、ヘキサコシル基、オクタコシル基等(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい。)等が例示できる。
【0047】
Rで示す炭素数1〜30のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基等(これらアルキレン基は直鎖状でも分枝状でもよい。)等が例示できる。
【0048】
また、Eがアミン残基である場合、その具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、キシリジノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられ、複素環残基である場合には、その具体例として、モルホリノ基、ピロリル基、ピロリノ基、ピリジル基、メチルピリジル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、キノニル基、ピロリドニル基、ピロリドノ基、イミダゾリノ基、ピラジノ基等が挙げられる。
【0049】
一般式(1)で表される構造単位を有するポリ(メタ)アクリレートとしては、下記一般式(2)で示されるモノマーの1種又は2種以上を重合又は共重合させて得られるポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0050】
【化2】

(一般式(2)中におけるR及びRは、一般式(1)のR及びRと同じである。)
【0051】
一般式(2)で示されるモノマーの例としては、具体的には、下記(E1)〜(E5)に示されるモノマーが挙げられる。
【0052】
(E1)炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリレート:
(E1)成分としては、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−又はi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、i−又はsec−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、メチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0053】
(E2)炭素数5〜15のアルキル基又はアルケニル基を有する(メタ)アクリレート:
(E2)成分としては、具体的には、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート(これらは直鎖でも分枝状であってもよい。);オクテニル(メタ)アクリレート、ノネニル(メタ)アクリレート、デセニル(メタ)アクリレート、ウンデセニル(メタ)アクリレート、ドデセニル(メタ)アクリレート、トリデセニル(メタ)アクリレート、テトラデセニル(メタ)アクリレート、ペンタデセニル(メタ)アクリレート(これらは直鎖でも分枝状であってもよい。)等が挙げられ、炭素数12〜15の直鎖アルキル基を主成分として有する(メタ)アクリレートが好ましい。
【0054】
(E3)炭素数16〜30の直鎖アルキル基又はアルケニル基を有する(メタ)アクリレート:
(E3)成分としては、好ましくは炭素数16〜20の直鎖アルキル基、より好ましくは炭素数16又は18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、具体的には、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−イコシル(メタ)アクリレート、n−ドコシル(メタ)アクリレート、n−テトラコシル(メタ)アクリレート、n−ヘキサコシル(メタ)アクリレート、n−オクタコシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、特に、n−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0055】
(E4)炭素数16〜30の分枝アルキル基又はアルケニル基を有する(メタ)アクリレート:
(E4)成分としては、好ましくは炭素数20〜28の分枝アルキル基、より好ましくは炭素数22〜26分枝アルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、具体的には、分枝ヘキサデシル(メタ)アクリレート、分枝オクタデシル(メタ)アクリレート、分枝イコシル(メタ)アクリレート、分枝ドコシル(メタ)アクリレート、分枝テトラコシル(メタ)アクリレート、分枝ヘキサコシル(メタ)アクリレート、分枝オクタコシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは−C−C(R)Rで表されるような、炭素数16〜30、好ましくは炭素数20〜28、より好ましくは炭素数22〜26の分枝アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、R及びRは、Rの炭素数が16〜30となる限りにおいて何ら制限はないが、Rとしては、好ましくは炭素数6〜12、より好ましくは炭素数10〜12の直鎖アルキル基、Rとしては、好ましくは炭素数10〜16、より好ましくは炭素数14〜16の直鎖アルキル基である。
(E4)成分としては、より具体的には、2−デシル−テトラデシル(メタ)アクリレート、2−ドデシル−ヘキサデシル(メタ)アクリレート、2−デシル−テトラデシルオキシエチル(メタ)アクリレート等の炭素数20〜30の分枝状アルキル基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0056】
(E5)極性基含有モノマー:
(E5)成分としては、アミド基含有ビニルモノマー、ニトロ基含有モノマー、1〜3級アミノ基含有ビニルモノマー、含窒素複素環含有ビニルモノマー及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸塩、第4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマー、酸素及び窒素を含有する両性ビニルモノマー、ニトリル基含有モノマー、脂肪族炭化水素系ビニルモノマー、脂環式炭化水素系ビニルモノマー、芳香族炭化水素系ビニルモノマー、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン類、エポキシ基含有ビニルモノマー、ハロゲン元素含有ビニルモノマー、不飽和ポリカルボン酸のエステル、ヒドロキシル基含有ビニルモノマー、ポリオキシアルキレン鎖含有ビニルモノマー、アニオン性基、燐酸基、スルホン酸基、又は硫酸エステル基含有イオン性基含有ビニルモノマー含有ビニルモノマー及びこれらの1価金属塩、2価金属塩、アミン塩若しくはアンモニウム塩等が挙げられる。(E5)成分としては、具体的には、これらのうち、4−ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、2−ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノメチルメタクリレート、モルホリノエチルメタクリレート、2−ビニル−5−メチルピリジン、N−ビニルピロリドン等の窒素含有モノマーが好ましい例として挙げられる。
【0057】
本発明における(E)成分としては、上記(E1)〜(E5)から選ばれるモノマーの1種又は2種以上を重合又は共重合させて得られるポリ(メタ)アクリレート系化合物、あるいは該ポリ(メタ)アクリレート系化合物から選ばれる1種又は2種以上の混合物であり、より好ましい具体例としては、
1)(E1)及び(E2)の共重合体である非分散型ポリ(メタ)アクリレート又はその水素化物、
2)(E2)及び(E3)の共重合体である非分散型ポリ(メタ)アクリレート又はその水素化物、
3)(E1)、(E2)及び(E3)の共重合体である非分散型ポリ(メタ)アクリレート又はその水素化物、
4)(E1)、(E2)、(E3)及び(E4)の共重合体である非分散型ポリ(メタ)アクリレート又はその水素化物、
5)(E1)、(E2)及び(E5)の共重合体である分散型ポリ(メタ)アクリレート又はその水素化物、
6)(E1)、(E2)、(E3)及び(E5)の共重合体である分散型ポリ(メタ)アクリレート又はその水素化物、
7)(E1)、(E2)、(E3)、(E4)及び(E5)の共重合体である分散型ポリ(メタ)アクリレート又はその水素化物、
が挙げられ、上記1)〜4)の非分散型ポリ(メタ)アクリレート系化合物であることがより好ましく、上記2)〜4)の非分散型ポリ(メタ)アクリレート系化合物であることがさらに好ましく、上記3)の非分散型ポリ(メタ)アクリレート系化合物であることが特に好ましい。
【0058】
本発明の潤滑油組成物における(E)ポリ(メタ)アクリレート系添加剤は、通常、作業上の取り扱いや潤滑油基油への溶解性を考慮し、希釈剤により10〜90質量%程度に希釈された状態で供されるため、その含有量は、組成物全量基準で、希釈剤込みの含有量として、0.1〜15質量%、好ましくは2〜12質量%、特に好ましくは3〜8質量%である。(E)成分の含有量が上記範囲を超える場合、配合量に見合う低温粘度特性の改善が期待できないだけでなく、せん断安定性に劣るため好ましくない。
【0059】
なお、(E)成分のうち一般に粘度指数向上剤として市販されているポリ(メタ)アクリレート系添加剤は特に低温から高温における粘度温度特性を改善するために有効である。これらの中では(E1)を構成単位として含むポリ(メタ)アクリレート系添加剤が好ましい。かかるポリ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、一般に1万〜100万、好ましくは10万〜50万、より好ましくは15万〜30万である。
【0060】
また、(E)成分のうち一般に流動点降下剤として市販されているポリ(メタ)アクリレート系添加剤は流動点やBF粘度などの低温粘度特性を改善するとともに本発明の効果を高めるために有効である。これらの中では、(E1)を構成単位として含んでいても、含んでいなくても良いが、(E1)を構成単位として含むものがより好ましい。かかるポリ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、一般に1万〜30万、好ましくは2万〜10万、より好ましくは5万〜8万である。
【0061】
なお、本発明においては(E)成分として、重量平均分子量が1万〜10万、好ましくは2万〜8万、特に好ましくは5万〜7万の第1のポリ(メタ)アクリレート系添加剤と重量平均分子量が10万〜100万、好ましくは15万〜50万、特に好ましくは15万〜30万の第2のポリ(メタ)アクリレート系添加剤とを併用することが好ましい。第1のポリ(メタ)アクリレート系添加剤の含有量は、組成物全量基準で、希釈剤込みの含有量として好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、特に好ましくは0.2〜1質量%であり、第2のポリ(メタ)アクリレート系添加剤の含有量は、希釈剤込みの含有量として好ましくは、0.1〜15質量%、より好ましくは2〜12質量%、特に好ましくは3〜8質量%であり、これらポリ(メタ)アクリレート系添加剤の希釈剤込みの含有量の比率は、質量比で、好ましくは1:0.01〜1:150、より好ましくは1:1〜1:100、特に好ましくは1:10〜1:50とすることが望ましい。
これらの組み合わせにより流動点やBF粘度などの低温粘度特性を改善し、低温から高温における粘度温度特性を改善するとともに本発明の効果を高めるために有効である。
【0062】
本発明の油圧作動油組成物は上述したような、特定の油圧作動油基油に、ポリ(メタ)アクリレート系添加剤(E)を含む油圧作動油組成物であるが、その性能をさらに向上させる目的で、又は油圧作動油組成物、特にトラクタ、変速機の共通潤滑油として要求される各種性能を付与するために、必要に応じて、(E)成分以外の粘度指数向上剤、(F)低温流動性向上剤、極圧剤、分散剤、金属系清浄剤、摩擦調整剤、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、シール膨潤剤、消泡剤、着色剤等の各種添加剤を単独で又は数種類組み合わせて配合しても良い。
【0063】
(E)以外の粘度指数向上剤としては、具体的には、非分散型又は分散型エチレン−α−オレフィン共重合体又はその水素化物、ポリイソブチレン又はその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体及びポリアルキルスチレン等が挙げられる。
【0064】
本発明の潤滑油組成物に(E)以外の粘度指数向上剤を配合する場合、その配合量は、通常、組成物全量基準で0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。
【0065】
(F)低温流動性向上剤としては、10℃以下で析出するn−パラフィンを主とするワックスの結晶構造を改質する性質を有する公知の低温流動性向上剤が挙げられ、例えば、軽油やA重油等のいわゆる中間留分燃料の低温流動性を改善するために使用される公知の低温流動性向上剤が挙げられ、その具体例としては、
(F1)不飽和エステルを含むモノマーの(共)重合体;
(F2)ポリアルキレングリコールのカルボン酸エステル;
(F3)ヒドロカルビルアミン、該アミンとカルボン酸との反応生成物;
(F4)フェノール樹脂;
及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0066】
(F1)としては、具体的には、酢酸ビニル重合体、(メタ)アクリレート(共)重合体、ジn−ドデシル及び/又はジn−テトラデシルフマレート(共)重合体、ジn−ドデシル及び/又はジn−テトラデシルフマレートと酢酸ビニルとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体のマレイン酸ジ(2−エチルヘキシル)付加物、エチレン−酢酸ビニル−ジn−ドデシル及び/又はジn−テトラデシルフマレート共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、炭素数2〜24のαオレフィン−マレイン酸ジブチル共重合体等が挙げられる。
【0067】
(F2)としては、具体的には、ポリエチレングリコールのベヘン酸エステル等のポリエチレングリコールと炭素数12〜24のカルボン酸とのエステル等が挙げられる。
【0068】
(F3)としては、具体的には、炭素数1〜30、好ましくは炭素数6〜30の脂肪族又は芳香族モノアミン、ジアミン、トリアミン、テトラアミン等のポリアミンからなるヒドロカルビルアミン;アルキル又はアルケニルコハク酸アミド;該脂肪族アミンとアルキル又はアルケニルスピロビスラクトンとの反応生成物;該脂肪族アミンと(無水)フタル酸との反応生成物;該脂肪族アミンとエチレンジアミン四酢酸との反応生成物等が挙げられる。ここで、脂肪族アミンは、2級アミンが好ましい。
【0069】
(F4)としては炭素数1〜30のアルキル基を有するアルキルフェノールとホルムアルデヒドの共重合体等のフェノール樹脂が挙げられる。
【0070】
本発明においては、(F1)不飽和エステルを含むモノマーの(共)重合体、特にエチレン−酢酸ビニル共重合体系低温流動性向上剤を好ましく使用することができ、(F1)に加え(F2)〜(F4)成分から選ばれる1種又は2種以上を併用することがさらに好ましい。(F)低温流動性向上剤を添加する場合の添加量は、組成物全量基準で、好ましくは0.005〜0.5質量%であり、より好ましくは0.01〜0.2質量%、特に好ましくは0.02〜0.15質量%である。なお、低温流動性向上剤と称して市販されている商品は、ハンドリング性や油溶性向上のために、低温流動性に寄与する有効成分が適当な溶剤で希釈されていることがあるが、こうした市販品を本発明の油圧作動油組成物に添加する場合にあたっては、上記の添加量は、希釈剤を含む添加量を意味する。
【0071】
極圧剤としては、硫化油脂類、硫化オレフィン類、ジヒドロカルビルポリスルフィド類、ジチオカーバメート類、チアジアゾール類、及びベンゾチアゾール類等の硫黄系極圧剤、(亜)リン酸、(亜)リン酸エステル、これらの誘導体、これらのアミン塩及びこれらの金属塩等のリン系極圧剤、チオ(亜)リン酸、チオ(亜)リン酸エステル、これらの誘導体、これらのアミン塩及びこれらの金属塩(ジチオリン酸亜鉛等)等のリン−硫黄系極圧剤等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物に極圧剤を配合する場合、その配合量は、通常、組成物全量基準で0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%である。
【0072】
分散剤としては、潤滑油用の分散剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であるが、炭素数40〜400の炭化水素基を有する、コハク酸イミド、ベンジルアミン、ポリアミン、及び/又はその誘導体(ホウ素化合物誘導体等)等の無灰分散剤を例示することができる。
本発明の潤滑油組成物に分散剤を配合する場合、その配合量は、通常、組成物全量基準で0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。
【0073】
金属系清浄剤としては、潤滑油用の金属系清浄剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であるが、塩基価が0〜500mgKOH/gのアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ土類金属フェネート、アルカリ土類金属サリシレート等の金属系清浄剤が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物に金属系清浄剤を配合する場合、その配合量は、通常、組成物全量基準で0.1〜15質量%、好ましくは0.5〜10質量%である。
【0074】
摩擦調整剤としては、潤滑油用の摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であるが、炭素数6〜30のアルキル基又はアルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基又は直鎖アルケニル基を分子中に少なくとも1個有するアミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩等が好ましく用いられる。
本発明においては、上記摩擦調整剤の中から任意に選ばれる1種類あるいは2種類以上の化合物を任意の量で含有させることができるが、通常、その含有量は、組成物全量基準で0.01〜5質量%、好ましくは0.03〜3質量%である。
【0075】
酸化防止剤としては、フェノール系化合物やアミン系化合物等、潤滑油に一般的に使用されているものであれば使用可能である。具体的には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等のアルキルフェノール類、メチレン−4,4−ビスフェノール(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)等のビスフェノール類、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン類、ジアルキルジフェニルアミン類、ジ−2−エチルヘキシルジチオリン酸亜鉛等のジアルキルジチオリン酸亜鉛類、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)脂肪酸(プロピオン酸等)あるいは(3−メチル−5−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)脂肪酸(プロピオン酸等)と1価又は多価アルコール、例えばメタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール等とのエステル等が挙げられる。
これらの中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物は、任意の量を含有させることができるが、通常、その含有量は、潤滑油組成物全量基準で0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%であるのが望ましい。
【0076】
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、及びイミダゾール系化合物等が挙げられる。
【0077】
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、及び多価アルコールエステル等が挙げられる。
【0078】
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及びポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0079】
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール又はその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、及びβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
【0080】
消泡剤としては、潤滑油用の消泡剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、例えば、ジメチルシリコーン、フルオロシリコーン等のシリコーン類が挙げられる。
これらの中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類以上の化合物を任意の量で配合することができる。
【0081】
シール膨潤剤としては、潤滑油用のシール膨潤剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、例えば、エステル系、硫黄系、芳香族系等のシール膨潤剤が挙げられる。
【0082】
着色剤としては、通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、また任意の量を配合することができるが、通常その配合量は、組成物全量基準で0.001〜1.0質量%である。
【0083】
これらの添加剤を本発明の潤滑油組成物に含有させる場合には、その含有量は組成物全量基準で、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化剤ではそれぞれ0.005〜5質量%、金属不活性化剤では0.005〜2質量%、消泡剤では0.0005〜1質量%、シール膨潤剤では0.01〜5質量%、の範囲で通常選ばれる。
【0084】
本発明の油圧作動油組成物の100℃における動粘度は、低温フィルタビリティと摩耗防止性等の油圧作動油として必要な性能を維持するために、好ましくは6〜15mm/s、より好ましくは7〜9.5mm/s、特に好ましくは7.5〜8.5mm/sである。
【0085】
また、本発明の油圧作動油組成物の粘度指数は、低温から高温における粘度特性が良好であることから、好ましくは160以上、より好ましくは200以上、特に好ましくは220〜250である。
【0086】
また、本発明の油圧作動油組成物の−40℃におけるBF粘度(ブルックフィールド粘度)は、高コストとならない範囲で実用的な低温流動性を付与し、摩耗防止性を両立するために、好ましくは21000mPa・s以下、好ましくは5000〜15000mPa・s、より好ましくは6000〜13000mPa・s、さらに好ましくは7000〜10000mPa・s以下、特に好ましくは8000〜9000mPa・sである。
【実施例】
【0087】
以下、本発明の内容を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0088】
(比較例1、実施例1〜4)
表1に示す組成の本発明の油圧作動油基油を使用した油圧作動油組成物(実施例1〜5)及び比較用の本発明の規定を満たさない油圧作動油基油を使用した油圧作動油組成物(比較例1及び2)をそれぞれ調製した。得られた組成物について下記に示す条件によって低温フィルタビリティ試験を実施し、その結果を表2に併記した。
【0089】
[低温フィルタビリティ試験]
試験装置:JIS K 2888「軽油の目詰まり点試験法」で規定される装置及びろ過器、直径12.5mm、細孔径20〜30μmのオイルフィルタを用い、200mlの試料を当該装置にセットした。試料温度を25℃で30分保持後、5℃/hの冷却速度で−30℃まで冷却し、10時間静置後、吸引圧100.0kPaで吸引ろ過を開始した。
供試油の吸引量が20mlとなるまでの時間(秒)をろ過時間とした。なお、ここでの「吸引圧100.0kPa」とは、「絶対圧で1.3kPa」、すなわち「大気圧(101.3kPa)に対し−100.0kPa」、あるいは「大気圧に対し100.0kPaの減圧又は差圧」を意味している。
【0090】
【表1】

【0091】
【表2】

【0092】
表1から明らかな通り、(A1)からなる基油、(A1)及び(B2)からなる基油、(A1)及び(A2)からなる基油、(A1)、(B2)及び(C)からなる基油、(A1)、(A2)及び(B1)からなる基油であって、(B)の割合が0質量%又は50質量%以下に調製してなる本願発明にかかる油圧作動油基油を使用した組成物(実施例1〜5)は、低温フィルタビリティに優れていることがわかる。一方、本願(A)を含まないか、本願(A)の基油を含むものの、(B)の割合が多い油圧作動油基油を使用した組成物(比較例1及び2)では、低温フィルタビリティが悪いことがわかる。なお、この低温フィルタビリティは、低温性能の1つの指標である−40℃におけるBF粘度とは相関関係はあまり見られないことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の油圧作動油組成物は、細孔径が50μm以下のフィルターを備えた油圧装置に、寒冷地においてもフィルター閉塞を起こすことなく好適に使用される。従って、本発明の油圧作動油組成物は、該油圧装置用の油圧作動油として好適であり、該油圧装置を備えたトラクタの共通潤滑油、該油圧装置を備えた変速機(自動変速機、手動変速機、無段変速機等)等の共通潤滑油、特に該油圧装置と変速機を有するトラクタの共通潤滑油として好適である。
【0094】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う油圧作動油用基油、及び組成物もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
100℃における動粘度が1.5〜6mm/s、流動点が−10℃以下、粘度指数が100以上、%Cが70以上、%Cが2以下、アニリン点が106〜125℃であり、構成する全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%以上である鉱油系基油からなることを特徴とする油圧作動油用基油(A)。
【請求項2】
100℃における動粘度が3.8〜4.3mm/s、粘度指数が100〜160である鉱油系基油(A1)である、請求項1に記載の油圧作動油用基油(A)。
【請求項3】
100℃における動粘度が1.5〜3.5mm/s、流動点が−45〜−25℃である鉱油系基油(A2)である、請求項1に記載の油圧作動油用基油(A)。
【請求項4】
基油全量基準で、100℃における動粘度が3.8〜4.3mm/s、流動点が−10℃以下、粘度指数が100〜160、%Cが70以上、%Cが2以下、アニリン点が106〜125℃であり、構成する全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%以上である鉱油系基油(A1)10〜100質量%、及び、100℃における動粘度が1.5〜3.5mm/s、流動点が−45℃〜−25℃、粘度指数が100以上、%Cが70以上、%Cが2以下、アニリン点が106〜125℃であり、構成する全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%以上である鉱油系基油(A2)0〜90質量%からなり、100℃における動粘度が3.5〜4.5mm/sである、請求項1に記載の油圧作動油用基油(A)。
【請求項5】
前記鉱油系基油が、接触脱ろう工程により脱ろう処理された鉱油系基油である、請求項1〜4のいずれかに記載の油圧作動油用基油(A)。
【請求項6】
基油全量基準で、請求項1〜5のいずれかに記載の油圧作動油用基油(A)の割合が10質量%以上であり、前記基油(A)以外の基油として、以下に挙げる基油が以下に示す割合で混合されてなる油圧作動油用基油。
(B)100℃における動粘度が1.5〜6mm/sであり、かつアニリン点が106℃未満の鉱油系基油;50質量%以下、
(C)100℃における動粘度が1.5〜6mm/sであり、アニリン点が106℃以上であって、溶剤脱ろう処理され、かつ基油を構成する炭化水素における全炭素に占める3級炭素の割合が7.4%未満である鉱油系基油;90質量%以下、
(D)100℃における動粘度が6mm/sを超え50mm/s以下である、溶剤精製鉱油、水素化分解鉱油及び/又はワックス異性化鉱油;40質量%以下、
合成系基油;40質量%以下、
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の油圧作動油用基油(A)又は請求項6に記載の油圧作動油用基油に、ポリ(メタ)アクリレート系添加剤を含有することを特徴とする油圧作動油組成物。
【請求項8】
組成物全量基準で、請求項1〜5のいずれかに記載の油圧作動油用基油(A)又は請求項6に記載の油圧作動油用基油に、
重量平均分子量が1万〜10万の第1のポリ(メタ)アクリレート系添加剤を希釈剤込みの含有量として0.1〜15質量%と、
重量平均分子量が10万〜100万の第2のポリ(メタ)アクリレート系添加剤を希釈剤込みの含有量として0.1〜15質量%とを、
希釈剤込みの含有量の比率が、質量比で1:0.01〜1:150となるように含有することを特徴とする油圧作動油組成物。
【請求項9】
細孔径が50μm以下のオイルフィルタを備えた油圧装置に使用されることを特徴とする請求項7又は8に記載の油圧作動油組成物。
【請求項10】
油圧作動装置及び変速機を潤滑する共通潤滑油であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の油圧作動油組成物。

【公開番号】特開2008−308697(P2008−308697A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215671(P2008−215671)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【分割の表示】特願2007−523958(P2007−523958)の分割
【原出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】