説明

油温推定装置及び方法

【課題】 油温センサを用いることなく、より簡単な制御で油温を推定することのできる油温推定装置及び方法を提供する。
【解決手段】 エンジン回転数検出手段及び水温検出手段が検出した検出値を、予め実験により求めた平均エンジン回転数と油温、或いは水温との関係を関数で表した近似式、或いはマップデータを用いて油温を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、油温推定装置及び方法に関するものであり、さらに詳しくは、油温センサを用いることなく油温を推定する油温推定装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、油温センサを用いることなく変速制御油の油温を推定する方法が提案されている。この油温推定方法によると、トルクコンバータの滑り損、自動変速機の撹拌損、自動変速機の冷却量及び過去の温度推定値に基づいて変速制御油の油温を推定することが提案されている。
また、特許文献2には、油温センサを用いることなくバルブタイミング制御機構の作動油の油温を推定する方法が提案されている。この油温推定方法によると、エンジン始動時の冷却水温を代替えした初期油温、機関回転数及びエンジンの運転状態を現した他の負荷に応じてバルブタイミング制御機構の作動油を推定することが提案されている。
また、特許文献3には、エンジン油温センサを用いることなくエンジン油温を推定する方法が提案されている。このエンジン油温推定方法によると、エンジン回転数と車速とから求められる油温マップ値に、吸気管圧力の値に応じて変化する補正係数を乗算して得られた値を目標油温として設定し、この目標油温からエンジン油温を推定することが提案されている。
【0003】
しかしながら、上記した従来の油温推定方法にあっては、次のような問題があった。すなわち、特許文献1にあっては、トルクコンバータの滑り損、自動変速機の撹拌損、自動変速機の冷却量は、吸気負圧、エンジン出力軸の回転速度、トルクコンバータのタービン回転速度、自動変速機の変速位置、車速及び外気温等のパラメータを用いて算出していると共に、これらパラメータを用いて算出したトルクコンバータの滑り損、自動変速機の撹拌損及び自動変速機過去の温度推定値に過去の温度推定値を加えることによって変速制御油の油温を推定している。
また、特許文献2にあっては、エンジン始動時の冷却水温を代替えした初期油温、シリンダ内での燃焼による総発熱量及びシリンダ・ピストン等による総摩擦熱量のパラメータを用いてバルブタイミング制御機構の作動油の油温を推定している。さらにまた、特許文献3にあっては、エンジン回転数、車速及び吸気管圧力のパラメータを用いてエンジン油温を推定している。このため、特許文献1〜3に記載のものにあっては、多数のパラメータを用いて油温を推定するために演算処理が複雑化してしまい、車載コンピュータ(ECU)の処理時間やメモリ等の処理能力を消費するという問題があった。そして、そのような問題を解決するために、処理能力が高いECUを導入するとコストがかかってしまうという問題が発生する。
【0004】
【特許文献1】特開平08−177599号公報
【特許文献2】特開平10−227235号公報
【特許文献3】特開2002−74137号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は、上記した従来技術が有している問題点を解決するためになされたものであって、油温センサを用いることなく、より簡単な制御で油温を推定することのできる油温推定装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、エンジン冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段とを用いて油温を推定する油温推定装置であって、
前記エンジン回転数検出手段が検出したエンジン回転数に基づいて予め設定された設定時間内の平均エンジン回転数を算出する平均エンジン回転数算出部と、
前記エンジン平均回転数算出部が算出した平均エンジン回転数と前記冷却水温検出手段が検出した水温とに基づいて油温を推定する油温推定部とを有することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記油温推定部は、予め実験により求められた平均エンジン回転数と油温、或いは水温との関係を平均エンジン回転数の関数として示した近似式、或いはマップデータを用いて油温推定時の平均エンジン回転数に応じた油温を推定することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため請求項3に記載の発明は、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、エンジン冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段とを用いて油温を推定する油温推定方法であって、
前記エンジン回転数検出手段が検出したエンジン回転数に基づいて予め設定された設定時間内の平均エンジン回転数を算出する第1の行程と、
前記第1の行程で算出した平均エンジン回転数と前記冷却水温検出手段が検出した水温とに基づいてマップデータ、或いは近似式から油温を推定する第2の行程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1又は3に記載の発明によれば、エンジン回転数検出手段が検出したエンジン回転数と冷却水温度検出手段が検出した水温とをパラメータとして油温が推定される。これにより、油温を推定するのに必要なパラメータ数が従来よりも少なくなるので、油温を推定するための演算処理が簡素化されてECUの処理時間やメモリ等に余裕が生じる結果、ECUの余剰処理能力を高めることができ、処理能力の高いECUを導入する必要が無くなる。更に、車両に既存の検出手段を用いて油温を推定するため、高価な油温センサが不要となるので、コストの上昇を抑止することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、油温推定部は、油温推定時における平均エンジン回転数に応じた油温を予め実験により求められた近似式、或いはマップデータを用いて求める。これにより、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、走行状況に応じて変動する油温を精度良く推定することが可能となる。
さらにまた、得られた油温情報から最適な車両制御を選択できるようにすると、エンジン保護、燃費低減、排ガス低減、エンジン出力アップ等の車両制御を低コストに実現することができる。また、この油温推定部を油温センサが取り付けられていない車両に取り付けると、油温センサがなくても油温情報を利用した各種の車両制御が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
エンジン回転数検出手段及び水温検出手段が検出した検出値を、予め実験により求めた平均エンジン回転数と油温、或いは水温との関係を関数で表した近似式、或いはマップデータを用いて油温を推定することによって、油温センサを用いることなく、しかも油温を推定するための演算処理が簡素化した油温推定装置及び方法が実現した。
【実施例】
【0012】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用された油温推定装置の構成図、図2は、同例における制御ブロック図、図3〜5は、同例におけるECUに記憶格納されたマップデータである。
【0013】
本発明は、図1,2に示されるように、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段としてのクランク角センサ1と、エンジン冷却水温度を検出するエンジン冷却水温度検出手段としての水温センサ2とを用いて油温、例えばエンジン油温を推定する油温推定装置100である。車載コンピュータ、例えば、エンジン制御ECU(以下、ECUという)3には、図2に示されるように、クランク角センサ1が検出した検出値に基づいてエンジン回転数nを演算するエンジン回転数算出部4と、エンジン回転数算出部4が算出したエンジン回転数nに基づいて油温推定開始時の予め設定された設定時間前から油温推定開始時までの平均エンジン回転数ne、言い換えれば、油温推定開始以前の予め設定された設定時間内における平均エンジン回転数neを算出する区間平均エンジン回転数算出部5と、この区間平均エンジン回転数算出部5が算出した設定時間内の平均エンジン回転数neと水温センサ2が検出した検出値(後述する水温Twのこと)とに基づいて油温Toilを推定する油温推定部6とが設けられている。
【0014】
詳述すると、クランク角センサ1は、図1に示されるように、クランクシャフトの角度位置を検出するようにエンジン7のシリンダブロック8前端に取り付けられている。このクランク角センサ1内部には、マグネット、ピックアップ、コイル及びターミナル(何れも図示略)が配設されており、クランクシャフトと一体で回転するタイミングベルトスプロケット9の外周に設けられた凸状の突起10が、クランク角センサ1を通過する際にエアギャップを変化させることによってコイルに急激な磁束変化が起こり起電力が発生する。そして、この電圧パルスがECU3に入力されると、正確なエンジン回転数n及びクランク位置が求められるようになっている。なお、図1中の符号11は、ECU3に給電するためのバッテリを示している。
【0015】
水温センサ2は、左右のシリンダブロック8をつなぐウォータパイプ12に取り付けられているものであって、水温センサ2内部のサーミスタ(図示略)が温度に応じて抵抗値が変化することによって冷却水温度を電圧として検出し、その検出した電圧値がECU3に入力される。そして、ECU3において正確な冷却水温度(以下、水温Twという)が求められるようになっている。
【0016】
エンジン7のシリンダブロック8やヘッド13を冷却するためのエンジン冷却水は、エンジン7に組付けられたウォータポンプ14によって循環される。循環水路15には、走行風圧や強制ファンによりエンジン冷却水の冷却を行うラジエータ16が設けられていると共に、このラジエータ16の冷却水出口側水路には、予め設定された設定温度(例えば、約80℃)にて水路を開くサーモスタット17が配設されている。
【0017】
エンジン冷却水が設定温度以下の場合はサーモスタット17は閉じ、エンジン冷却水はラジエータ16を迂回するバイパス通路18を通って循環することによって過冷却が防止される。また、エンジン冷却水が設定温度を越えるとサーモスタット17が開き、ラジエータ16にエンジン冷却水を通すことによってエンジン冷却水の水温が設定温度に保たれるようになっている。但し、サーモスタット17による水温調整が有効な間は、サーモスタット17の設定温度(約80℃)にて水温変化はないが、エンジン回転数をさらに上昇させると、サーモスタット17は全開(今回の実施例ではエンジン回転数が4000rpm)状態になり、平衡する水温もまた上昇する。
【0018】
ECU3は、マイクロコンピュータを主体として構成されているものであって、図示しないCPU,ROM,RAM及びI/Oポート等が備えられている。
ROMには後述するプログラム(これには、予め実験により求められた平均エンジン回転数neと油温Toil、或いは水温Twとの関係を平均エンジン回転数の関数として表した近似式Toil=f(ne)+(Tw,Twl)…(1)、或いは近似式(1)を変形させた近似式Toil=f1(ne)+f2(Tw,Twl)…(2)、Twl=f3(ne)…(3)、或いはマップデータ(図3〜5に図示)が書き込まれている)が記憶格納されており、また、RAMには、クランク角センサ1、水温センサ3からの検出値が個別に格納されるエリア、各種の演算結果等を格納するエリア等が設けられている。そして、これらCPU、ROMやRAM等によって、エンジン回転数算出部4、区間平均エンジン回転数算出部5及び油温推定部6が形成されている。
【0019】
但し、近似式(1)〜(3)にあっては、Toil:エンジン油温推定値、ne:区間エンジン平均回転数、f(ne):エンジン回転数の関数(区間エンジン平均回転数が決まるとエンジン油温が決まる)、Tw:油温推定時のエンジン水温(水温センサ3からの入力値)、Twl:一定走行時のエンジン水温(R/L負荷時のエンジン水温)。
【0020】
油温推定部6は、図2に示されるように、f1(ne)算出部19、Twl=f3(ne)算出部20、f2(Tw,Twl)算出部21、及びToil=f1(ne)+f2(Tw,Twl)算出部22を備えて構成されている。
【0021】
f1(ne)算出部19は、油温推定時における平均エンジン回転数neに応じた油温f1を、予め実験により求められた平均エンジン回転数neと油温f1との関係を平均エンジン回転数neの関数として表した近似式f1(ne)、或いはマップデータ(図3に図示)を用いて推定するものである。このf1(ne)算出部19によって推定された油温f1は、車両の予め設定された所定の条件での定常走行時において平衡状態になった油温を示している。
【0022】
ところで、車両の予め設定された所定の条件とは、環境条件(気温、気圧、湿度等)が同一の条件、且つ同一走行抵抗(平坦路且つ路面状況に変化無し)の条件にて、エンジン回転数が一定になるようにスロットルを制御し、水温及び油温が平衡状態になった状態のことである。例えば、変速機が5MTであれば5速に固定し、また4ATであれば4速に固定した状態でエンジン回転数を変えて油温及び水温を計測することによって、エンジン回転数と油温、或いは水温との関係が求められている。
【0023】
Twl=f3(ne)算出部20は、油温推定時における平均エンジン回転数neに応じた水温Twlを、車両の予め設定された所定の条件での定常走行時において平衡状態になった水温Twlを平均エンジン回転数neの関数として表した近似式f3(ne)、或いはマップデータ(図4に図示)を用いて求めるものである。言い換えれば、Twl=f3(ne)算出部20は、油温推定時における平均エンジン回転数neに応じた水温Twlを、同一環境条件におけるエンジン回転数のみを変えて測定した結果等に基づき決定する。
【0024】
f2(Tw,Twl)算出部21は、油温推定時の水温Twと、Twl=f3(ne)算出部20にて算出された一定走行時の水温Twlとを、予め実験により求められた水温Twと水温Twlとの関数として表した近似式f2(Tw,Twl)、或いはマップデータ(図5に図示)を用いて水温f2を求めるものである。
実験の結果、ある条件下では、近似式f2=Tw−Twlにて近似可能であることが判明したが、車両及びエンジンの条件によってはTw−Twlでは近似しきれない虞があるので、f2(Tw,Twl)という関数式で表している。
【0025】
Toil=f1(ne)+f2(Tw,Twl)算出部22は、f1(ne)算出部19にて求められた油温f1と、f2(Tw,Twl)算出部21にて求められた水温f2とに基づいて油温測定時の油温Toilを算出するものである。この場合、油温f1に対して水温f2を加算補正することによって油温Toilが高精度に算出される。
【0026】
なお、油温推定部6は、上述した構成に限られたものではなく、例えば、油温推定時の平均エンジン回転数neに応じた油温f(ne)を、予め実験により求められた平均エンジン回転数neと油温fとの関係を示した近似式、或いはマップデータを用いて求めると共に、平均エンジン回転数neに応じた水温Twlを近似式、或いはマップデータを用いて算出し、油温推定時の水温Twから平均エンジン回転数neに応じた水温Twlを減算して得られた水温差Tw−Twlを、推定した油温fに加算補正することによって油温Toilを高精度に推定するように構成することも可能である。
【0027】
図6は、同例におけるECU3に記憶格納されたプログラムの内容を示したフローチャートであり、以下、この図6を参照しながら本発明による油温推定手順を説明する。
【0028】
油温推定が開始され(ステップ10)、油温推定時のクランク角センサ1及び水温センサ2からの検出値をECU3が読み込むと(ステップ12)、エンジン回転数算出部4においてクランク角センサ1の検出値に基づいてエンジン回転数nが算出されたのち(ステップ14)、区間平均エンジン回転数算出部5において平均エンジン回転数neが算出される(ステップ16)。
【0029】
算出された平均エンジン回転数neは、f1(ne)算出部19に供されて近似式f1(ne)、或いはマップデータ(図3に図示)を用いて油温f1が算出される(ステップ18)。さらにまた、平均エンジン回転数neは、Twl=f3(ne)算出部20に供されて油温推定時の平均エンジン回転数neに応じた水温Twlが近似式f3(ne)、或いはマップデータ(図4に図示)を用いて算出される(ステップ20)。
【0030】
算出された水温Twlは、水温センサ2が検出した検出値に基づいて算出された水温Tw(ステップ22)と共に、f2(Tw,Twl)算出部21に供されて、近似式f2(Tw,Twl)、或いはマップデータ(図5に図示)を用いて水温f2が算出される(ステップ24)。そして、算出された水温f2は、f1(ne)算出部19にて算出された油温f1と共に、Toil=f1(ne)+f2(Tw,Twl)算出部22に供されて油温測定時の油温Toilが算出される(ステップ26)。
【0031】
以上説明したように本発明によれば、クランク角センサ1が検出したエンジン回転数nと水温センサ2が検出した水温Twとをパラメータとして油温Toilが推定される。これにより、油温Toilを推定するのに必要なパラメータ数が従来よりも少なくなるので、油温Toilを推定するための演算処理が簡素化されてECU3の処理時間やメモリ等に余裕が生じる結果、ECU3の余剰処理能力を高めることができ、処理能力の高いECUを導入する必要が無くなる。更に、車両に既存の検出手段を用いて油温Toilを推定するため、高価な油温センサが不要となるので、コストの上昇を抑止することができる。
【0032】
さらに、本発明によれば、油温推定部6は、油温推定時における平均エンジン回転数neに応じた油温Toilを予め実験により求められた近似式(1)、或いは(2)及び(3)、或いは図3〜5に示されたマップデータを用いて求める。これにより、走行状況に応じて変動する油温Toilを精度良く推定することが可能となる。
さらにまた、本発明によれば、得られた油温情報から最適な車両制御を選択できるようにすると、エンジン保護、燃費低減、排ガス低減、エンジン出力アップ等の車両制御を低コストに実現することができる。また、本発明が適用されたECU3を油温センサが取り付けられていない車両のECUと付け替えることによって、油温センサがなくても油温情報を利用した各種の車両制御が可能になる。
【0033】
なお、本発明は、エンジン油温を推定するのに限られたものではなく、ATFやギヤオイル等の油温を推定するのにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明が適用された油温推定装置の構成図である。
【図2】同例における制御ブロック図である。
【図3】同例におけるECUに記憶格納されたマップデータである。
【図4】同例におけるECUに記憶格納されたマップデータである。
【図5】同例におけるECUに記憶格納されたマップデータである。
【図6】同例におけるECUに記憶格納されたプログラムの内容を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0035】
100 油温推定装置
1 クランク角センサ(エンジン回転数検出手段)
2 水温センサ(エンジン冷却水温度検出手段)
3 ECU(エンジン制御ECU)
5 区間平均エンジン回転数算出部
6 油温推定部
19 f1(ne)算出部
20 Twl=f3(ne)算出部
21 f2(Tw,Twl)算出部
22 Toil=f1(ne)+f2(Tw,Twl)算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、エンジン冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段とを用いて油温を推定する油温推定装置であって、
前記エンジン回転数検出手段が検出した検出値に基づいて予め設定された設定時間内の平均エンジン回転数を算出する平均エンジン回転数算出部と、
前記エンジン平均回転数算出部が算出した平均エンジン回転数と前記冷却水温検出手段が検出した水温とに基づいて油温を推定する油温推定部とを有することを特徴とする油温推定装置。
【請求項2】
前記油温推定部は、予め実験により求められた平均エンジン回転数と油温、或いは水温との関係を平均エンジン回転数の関数として表した近似式、或いはマップデータを用いて油温推定時の平均エンジン回転数に応じた油温を推定することを特徴とする請求項1に記載の油温推定装置。
【請求項3】
エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、エンジン冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段とを用いて油温を推定する油温推定方法であって、
前記エンジン回転数検出手段が検出したエンジン回転数に基づいて予め設定された設定時間内の平均エンジン回転数を算出する第1の行程と、
前記第1の行程で算出した平均エンジン回転数と前記冷却水温検出手段が検出した水温とに基づいて油温マップデータ、或いは近似式から油温を推定する第2の行程とを有することを特徴とする油温推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−274900(P2006−274900A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−94427(P2005−94427)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】