説明

治療及び画像化を目的とするコア・シェル構造ナノ粒子

本発明は、ナノスケールの無機材料でコーティングされたナノ粒子-本明細書ではコア・シェル構造のナノ粒子と呼ばれる-に関する。当該コア・シェル構造のナノ粒子では、コア材料はシェル材料よりも広いバンドギャップを有する。記載されたコア・シェル構造のナノ粒子は、エネルギー付与能力が改善されているため、光線力学療法での応用に非常に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は治療及び画像化を目的とするコア・シェル構造ナノ粒子で、特に光線力学療法に用いられるコア・シェル構造ナノ粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
光線力学療法(PDT)は、ある特定の化合物が、特定の種類の光の照射によって、単一細胞組織を殺すことができる、という発見に基づいている。これまで、PDTは、感光剤と共に一定周波数のレーザー光を用いることによってガン細胞をも破壊できることも示されてきた。
【0003】
この種類のガン治療では、感光剤が脈管系に用いられる。脈管系では、体全体にわたって細胞から感光剤が吸収される。化合物のラベルが付された細胞が露光されるとき、化学剤は光を吸収する。吸収されたエネルギーが酸素分子へ受け渡されることによって、活性状態の酸素を生成することができる。活性状態の酸素は被処理腫瘍細胞を破壊することができる。
【0004】
より詳細には、適切な波長を有する光の光子が感光剤分子によって吸収される。それによりその感光剤は短寿命(一重項)励起状態へ遷移し、その分子は長寿命(三重項)状態への内部状態変化を起こすことができる。長寿命(三重項)状態は、分子を形成する酸素とエネルギーをやり取りすることで、高い反応性を有する一重項酸素(1O2)を生成する。その後感光剤は基底状態へ戻る。基底状態では、その感光剤はさらなる活性化サイクルを起こしても良い。
【0005】
あるいはその代わりに、活性化された感光剤は、たとえば細胞膜又は分子のような基板と直接的に反応する。それにより水素原子が付与することによって、ラジカルが生成される。ラジカルは酸素と相互作用することで酸化生成物を生成する。酸化生成物とはたとえば、過酸化水素、ヒドロキシル、ヒドロキシ-ペルオキシル、又は他の酸素ラジカルである。
【0006】
PDTが腫瘍細胞の破壊に介在する機構には3つの知られたものが存在する。第1には、光エネルギーの吸収後に生成される反応性酸素は腫瘍細胞を直接殺すことができる。PDTはまた腫瘍に関連する脈管を損傷することによって、腫瘍を梗塞する。最終的には、PDTは腫瘍細胞に対する免疫反応を活性化させることができる。これら3つの機構は互いに影響を及ぼすことができる。長期にわたる腫瘍の制御には、これらの機構を組み合わせることが必要である。
【0007】
市販されている既知の光線力学療法用薬品の例は、ポルフィリン、プルプリン、フタロシアニン、テキサフリン、クロリンである。これらの組成は非特許文献1に開示されている。
【0008】
非特許文献2から、CdSeのような半導体ナノ粒子(量子ドット)が一般的なPDT感光剤の励起を促進することが知られている。またCdSeは感光剤を介在させることなく一重項酸素を生成できるが、その際の一重項酸素の量子収率が極めて小さいことも記載されている。
【0009】
特許文献1は、反応添加物を用いた、良好な化学特性、良好な光化学特性、及び良好な光物理特性を有する半導体コア・シェル構造のナノ粒子の製造について記載している。意図した発光の改善は、半導体コア・シェル構造のナノ粒子のシェルがコアの励起状態よりも絶縁性の強いことで実現される。
【0010】
特許文献2から、ミセル構造内でさらに封止可能な疎水性リガンドでコーティングすることによって、安定で水溶性の金属又は半導体のコア・シェル構造ナノ粒子を作製することが知られている。水性媒質中では、ミセルは親水性のシェルと疎水性のコアを有する。コーティングされたナノ粒子は、フォトルミネッセンス量子収率の増大を示している。またコーティングされたナノ粒子は、たとえば標的細胞の子孫を決定及び観察する蛍光マーキングのような生物学的用途に用いることができる。
【0011】
CdSeのような単一発光半導体粒子(量子ドット)を用いても、生成される一重項酸素の量子収率は低い。それに加えて単一発光半導体粒子(量子ドット)を用いる際、吸収特性と発光特性をそれぞれ独立に最適化することができない。
【0012】
従来技術に係るコア・シェル構造のナノ粒子は、コア中に励起子を保持することによって効率的な発光を示す。しかし従来技術に係るコア・シェル構造のナノ粒子は、シェル材料の遮蔽効果のため、周囲に存在する光線力学反応に係る元素-たとえば酸素-へ十分なエネルギーを与えない。
【0013】
しかしPDTでの利用に適した感光剤は、反応性の元素の生成を可能にするため、光線力学反応に係る分子へ実効的にエネルギーを与えなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願第2003/0017264号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2004/0033345号明細書
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】ウイルソン(B.C.Wilson)、加国胃腸科専門誌、第16巻、2002年、pp.393-396
【非特許文献2】バカロバ(R.Bakalova)、ナノレター(通信)、第4巻、2004年、pp.1567
【非特許文献3】クロウズ(W.Krause)編「造影剤I(Contrast Agents I)、磁気共鳴画像化(Magnetic Resonance Imaging)、現代化学の221のトピック」、スプリンガー(Springer)、2002年
【非特許文献4】ドーソン(P.Dawson)、ゴスグローブ(D.O.Gosgrove)、グレインジャー(R.G.Grainger)編、「造影剤の教科書(Textbook of Contrast Media)」、第2部「MR造影剤」、ISIS医療出版株式会社(ISIS Medical Media Ltd)、1999年、pp.259-427
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って本発明の目的は、コア・シェル構造のナノ粒子であって該ナノ粒子から光線力学反応に係る分子近傍へのエネルギー付与能力が改善されているものを供することである。本発明の他の目的は、治療に用いられる、又は医療及び/若しくは画像化を目的とするナノ粒子を供することで、特に光線力学療法(PDT)での使用に適したナノ粒子を供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
特定のコア/シェル材料の組合せを有するコア・シェル構造のナノ粒子は、エネルギー付与能力が改善されるために、光線力学療法での応用に非常に適していることを、我々は見いだした。
【0018】
本発明は、ナノスケールの無機材料でコーティングされたナノ粒子-本明細書ではコア・シェル構造のナノ粒子と呼ばれる-に関する。当該コア・シェル構造のナノ粒子では、コア材料はシェル材料よりも広いバンドギャップを有する。
【0019】
本発明の一の利点は、特定の材料の組合せを有するコア・シェル構造のナノ粒子が励起する結果、電場によって推進される前記粒子表面への励起子の拡散が起こる。このようにして、発光するコア・シェル構造のナノ粒子とその周囲の細胞との間でのエネルギーの付与が最適化される。
【0020】
より詳細には、コア中での電子と正孔のフェルミエネルギーが、シェル中での電子と正孔のフェルミエネルギーよりも大きいときに、本発明に係る材料の組合せでの好ましい電場の勾配が観察される。よって励起子は、濃度による促進に加え、電場によって促進されことで、シェル材料-つまりその粒子のコーティング層-へ拡散する。続いて局在した励起子は表面に隣接する分子を励起することができる。近傍の酸素については、局在した励起子によって、たとえば光線力学療法での応用において、標的組織内での細胞死を誘発できる一重項酸素の非常に効率の良い生成をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明によるコア・シェル構造のナノ粒子でのエネルギーの流れを単純化した図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は特定の実施例を参照しながら説明されるが、本発明はこの特定の実施例に限定されない。
【0023】
それに加えて、本発明に係るコア・シェル構造のナノ粒子では、吸収特性と発光特性をそれぞれ独立して最適化することが可能である。
【0024】
シェルが十分に薄いときにコア中で光の吸収を起こすことができる。コア中で光の吸収は、コアの材料と大きさを調節することによって調整することができる。
【0025】
しかも周囲の光線力学反応に係る元素へ与えられる励起子のエネルギーは、シェルの材料と厚さを調節することによって吸収されるエネルギーとは独立に調整可能である。
【0026】
コーティング層の厚さがわずか数nmであるとすると、本発明では、より大きな粒子を用いることが可能である。このようにして、アップコンバージョン法に基づいた発光粒子は、従来よりもはるかに効率的に用いることができる。シェルは薄くなければならない。その理由は、シェルが薄いことで、あまりに強い赤外光の吸収、すなわち非効率的なアップコンバージョンが防止されるからである。それに加えて、吸収される励起子は、シェルへ向かう途中で、コアの表面へ向かって拡散する。このため、励起子の進行中に励起子濃度(単位1/cm3)が増大し、ひいてはコア中でのアップコンバージョン確率が増大する。
【0027】
最終的には、アップコンバージョン法は、PDT治療を受けている人々に関わる日常での照射の問題を緩和する。
【0028】
本発明によるナノスケール粒子のコアの直径は1nmから50nmの範囲で、好適には5nmから50nmの範囲である。その一方でシェルは1nmから10nmの厚さである。シェルの厚さは10nm未満であることが好ましく、5nm未満であることがより好ましい。
【0029】
シェル材料は体液とあまり反応しないことが好ましい。
【0030】
本発明のナノ粒子のコア材料とシェル材料は等方的な構造であって良い。コア材料とシェル材料とは同一の陰イオン格子を有することが好ましい。材料の陰イオンは、周期律表の第15族又は第16族の元素から選ばれることが好ましい。
【0031】
コア材料とシェル材料がこのように選択されるため、局所欠陥又はシェルのクラックが生じる可能性が最小限に抑えられることは追加の利点となる。それに加えて格子が一致することで、コア材料にわたってシェル材料をエピタキシャル成長させることが可能となる。
【0032】
コア/シェル材料の組合せは、以下の組成物の対から選ばれることが好ましい。その組成物とは、ZnS/CdS、GaN/InN、GaP/InP、Y2O3/In2O3、WO3/MoO3、ZrO2/CeO2である。
【0033】
一般的には金とSiO2は好ましくないシェル材料であると考えられる。
【0034】
よって本発明の一の特殊な実施例では、シェル材料は金元素又はSiO2ではない。
【0035】
高エネルギー放射線源を用いて励起することによって、本発明のコア・シェル構造のナノ粒子は、少なくとも1eVのエネルギーを有する光子を発生させる。続いて発生した放射線は、中間部分に相当する周囲に存在する分子-たとえば酸素-へ与えられて良い。特に、たとえば水性媒質中でのPDTにおいて一重項酸素を生成するためには、与えられるエネルギーは少なくとも約1eVであることが好ましく、1.5eVであることがより好ましい。
【0036】
本発明のコア・シェル構造のナノ粒子にとって適切な励起源の例は、高エネルギー粒子、X線、可視光、IR放射線、又はUV放射線である。好ましい形式の高エネルギー放射線はX線放射線である。
【0037】
本発明のコア・シェル構造のナノ粒子は、励起子のエネルギーをその周辺へ効率的に付与させることが必要とされる全ての用途に用いられて良い。特に本発明の活性化したコア・シェル構造のナノ粒子は、そのエネルギーを、周囲の組織の小さな粒子、分子、又はイオンへ直接与えて良い。また本発明の活性化したコア・シェル構造のナノ粒子は、たとえば一重項の酸素又は窒素の一酸化物のような高い反応性を有する化学種を局所的に生成することができる。本発明によるコア・シェル構造のナノ粒子は、追加の感光剤がなくても、効率的な一重項酸素の生成に用いられて良い。本発明によるコア・シェル構造のナノ粒子は、たとえば水、水性の緩衝系、又は水と有機溶媒の混合物のような水性媒質中で安定である。それに加えて本発明によるコア・シェル構造のナノ粒子は、既知の感光剤と比較して、全く又はほとんど光漂白を示さない。
【0038】
十分なエネルギーを与えるためには、ナノ粒子とエネルギーが与えられる光線力学反応に係る化学種との距離はかなり短くしなければならない。
【0039】
本発明の他の実施例では、本発明によるコア・シェル構造のナノ粒子には、たとえば生体親和性と生体への利用可能性を増大させる生体分子のようなものが与えられる。この場合、シェルに与えられるエネルギーは、さらに生体分子によって与えられて良い。よってたとえば酸素のような光線力学反応に係る化学種は、シェルから相当程度離れていて良い。
【0040】
一般的には、特定の標的細胞だけがPDTによる影響を受ける一方で、他の細胞-たとえば病的な組織を取り囲む健康な細胞-は影響を受けないことが望ましい。従って本発明によるナノ粒子は任意で、標的因子又は標的部分に対して共役すなわち接合して良い。標的因子又は標的部分とはたとえば、小さな分子、抗体、単鎖抗体の断片、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣薬、タンパク質、核酸、脂質、糖質等である。これらは、PDTによって処理されるべき細胞に対して選択的である。
【0041】
このような官能化のため、標的の選択性、標的組織中での感光剤の局在化、及び感光剤の有効性を最適化することができる。
【0042】
本発明の他の態様では、治療及び画像化の目的は、同一成分によって実現されて良い。
【0043】
コア・シェル構造のナノ粒子は、実際の光線力学療法の前に、生体内又は生体外で局在化されて良い。
【0044】
適切な密度を有するコア・シェル構造のナノ粒子は、X線用途における造影剤と同時に用いられて良い。
【0045】
コア・シェル構造のナノ粒子は、X線光子エネルギーを効率的に小さなエネルギーパッケージへ変換することができる。これは、X線治療と同時に、ガン性組織中に反応性化学種を生成するのに用いられて良い。
【0046】
本発明の他の実施例では、コア・シェル構造のナノ粒子の表面には、磁気共鳴断層撮影(MRT)に用いられる活性イオン錯体すなわちMRT活性剤が供される。MRT活性剤とはたとえば、Gd[DOTA]、又はGd[DTPA]、又はGd[DO3A]錯体である。MRI造影剤についての概略は、非特許文献3及び4で見つけることができる。これにより、MRTによって処理される組織の局在化が可能となる。その局在化に続いて、必要な場所での処理が行われるので、処理が最適化され、かつ副作用が減少する。
【0047】
本発明の他の態様では、コア・シェル構造のナノ粒子の表面には、123I、67Ga、99mTC、18F、11Cから選ばれる核種が供されて良い。
【0048】
このような粒子の官能化のため、その粒子は、核による医療用途にも用いられて良い。
【0049】
本発明の他の実施例では、コア・シェル構造のナノ粒子は、たとえば診断用及び/若しくは製薬用、又は治療用組成物のような、医療の準備に用いられて良い。好適には光線力学療法の組成物の準備に用いられて良い。
【0050】
本発明の化合物、及び医療又は治療用組成物は、局所的又は全身に投与されて良い。たとえば、経口投与、非経口投与、吸入スプレイ、局所的投与、直腸経由の投与、鼻からの投与、膣からの投与、又は従来用いられている非毒性の医薬上認められている担体、アジュバント、及び賦形剤を含む投与量計測に用いられる注入容器による投与が行われて良い。本明細書で用いられている非経口の語は、全種類の注入又は投入手法を含む。
【0051】
本発明による医療又は治療処置は、たとえば癌、非悪性腫瘍、自動免疫疾患、バクテリア感染、吹き出物のバクテリア、又は疱疹、動脈硬化、動脈プラークの処置に用いられて良い。本発明に係る治療処置方法は、生体内で用いられても良いし、又は生体外で用いられても良い。生体外の処置とは、たとえば、腎臓細胞又は肝臓細胞のような移植される細胞であって動物又はヒトから取り除かれる細胞の処置を意味する。
【0052】
本発明の他の実施例では、コア・シェル構造のナノ粒子及び組成物は、他の医薬品又は化学薬品と併用されて良い。
【0053】
本発明によるこのような併用治療のため、病気に抗する効果を増大させることができる。一例では、光線力学療法の組成物は、たとえば化学療法薬と、キットの一部として併用されることで、腫瘍に抗する効果を増大させることができる。
【0054】
コア・シェル構造のナノ粒子の製造方法は原理的には重要ではない。よって従来の手法が用いられて良い。たとえば気相合成、液相合成、湿式化学合成のような複数の製造方法が知られている。気相合成とはたとえば、燃焼、レーザーアブレーション、化学気相成長法、スプレイ熱分解法、エレクトロスプレイ及びプラズマスプレイ法を含んで良い。
【0055】
湿式化学合成の例は、ゲル化に基づいたゾル-ゲル処理、沈殿及び熱水処理、コロイド合成、熱注入法のような有機金属法、安定剤の存在下での有機金属先駆体の高温熱分解を含んで良い。
【0056】
酸化滴定によるコア・シェル構造のナノ粒子の合成は、対応するアセテート(イットリウムアセテート、インジウムアセテート等)から始められることによって、水溶液中で合成されて良い。この場合、ポリビニルピロリドン又はトリフェニルフォスフォオキシドが、チオグリセロールに変わる表面安定剤として用いられる。
【0057】
本発明は以下の非限定的例示によって表される。
【0058】
「例」
CdS/ZnSコア・シェル構造のナノ粒子の製造
0.1Mのチオグリセロールが、蒸留水中の0.1Mカドミウムアセテート水溶液100mlに加えられる。その後エタノール中の0.1MのNa2S溶液100mlが、激しく攪拌しながら滴下によって加えられる。続いてその混合物は2-3時間攪拌される。その後、CdS粒子は遠心分離によって分離され、蒸留水によって洗浄され、かつIRランプによって乾燥される。得られたCdS粒子は、0.1Mの水性亜鉛アセテート溶液中で再分配され、その後エタノール中の0.1MのNa2S溶液100mlを滴下によって加える。最終的にはその混合物は2-3時間攪拌され、かつ粒子は遠心分離によって分離される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア材料がシェル材料よりも大きなバンドギャップを有する、コア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項2】
前記コア中での電子と正孔の両方のダークフェルミ準位も、前記シェル中でのダークフェルミ準位よりも大きい、請求項1に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項3】
前記コア材料及び前記シェル材料が等方的な構造である、請求項1又は2に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項4】
前記コア材料及び前記シェル材料が同一の陰イオン格子を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項5】
前記コア/シェル材料の組合せが、ZnS/CdS、GaN/InN、GaP/InP、Y2O3/In2O3、WO3/MoO3、ZrO2/CeO2から選ばれる、上記請求項のうちのいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項6】
当該コア・シェル構造のナノ粒子の表面には生体親和性の部分が供される、上記請求項のうちのいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項7】
標的部分と共役する、上記請求項のうちのいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項8】
当該コア・シェル構造のナノ粒子の表面にはMRT活性イオンすなわちMRT活性剤が供される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項9】
前記表面には核種が供される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項10】
前記核種は、123I、67Ga、99mTC、18F、11Cから選ばれる、請求項9に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項11】
医療若しくは治療剤、及び/又は画像化目的で用いられる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子。
【請求項12】
医療又は治療用組成物の準備に対する請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子の使用。
【請求項13】
光線力学療法用組成物の準備に対する請求項12に記載のコア・シェル構造のナノ粒子の使用。
【請求項14】
他の化学薬品又は医薬品と併用される請求項12又は13に記載のコア・シェル構造のナノ粒子の使用。
【請求項15】
前記シェル材料が前記コア材料上でエピタキシャル成長する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のコア・シェル構造のナノ粒子の製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−544584(P2009−544584A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519018(P2009−519018)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052557
【国際公開番号】WO2008/007290
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】