治療部位保護器具
【課題】シャント部、血液透析、点滴、輸血や献血等の治療部位を外部の圧迫、刺激等から保護すると同時に、治療部位の触診も可能にした治療部位保護器具を提供する。
【解決手段】前腕2等の治療部位を載置する載置台20と、該載置台20に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体10とからなり、前記半筒状カバー体10の側面に開口窓11を設けたことを特徴とする。
【解決手段】前腕2等の治療部位を載置する載置台20と、該載置台20に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体10とからなり、前記半筒状カバー体10の側面に開口窓11を設けたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャント閉塞等を予防するために治療部位を保護する治療部位保護器具に関する。
【背景技術】
【0002】
血液透析では、体外循環に必要な血液量(200〜300ml/分)を確保するために、通常は内シャントと呼ばれる手術を行っている。内シャントとは、一般に前腕において動脈と静脈を皮下で結合(動静脈吻合)させて、静脈にたくさんの血液が流れるように造設したものである。内シャント手術後に、シャント部に外部から余分な圧迫、刺激等が加わると、シャント閉塞を起こすことがあり、血液透析に必要な血液量を確保できなくなる恐れがある。
【0003】
従来、血液透析時の抜針事故を防止する保護具として、弾性又は可撓性を有する略平板状の下敷マットと、この下敷マットに着脱自在に被せる断面略円弧状の透明又は半透明な保護カバーとからなり、保護カバーを下敷マットに弾支状態で装着可能とした抜針防止用腕保護具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−172164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の抜針防止用腕保護具は、保護カバーによってシャント部を外部の圧迫、刺激等から保護することも可能であるが、治療部位が完全に保護カバーで被われているために、治療部位に聴診器を当てたり触手したりしてシャント手術後の経過等を診るには、保護カバーを下敷マットから取り外す必要があり、煩雑であるという課題があった。
【0006】
また、この保護カバーは、弾性又は可撓性を有する下敷マットに外側から弾支状態で装着可能としているから、着脱するときに保護カバーを外に向けて開く必要があり、片手で簡単に着脱することができないという課題もあった。このため、治療部位を下敷マットに載せた状態で保護カバーの着脱を行うと、誤ってシャント部に圧迫、刺激等を加える恐れもあった。
【0007】
そこで、本発明は、シャント部、血液透析、点滴、輸血や献血等の治療部位を外部の圧迫、刺激等から保護すると同時に、治療部位の触診も可能にした治療部位保護器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、前腕等の治療部位を載置する載置台と、該載置台に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体とからなる治療部位保護器具であって、前記半筒状カバー体の側面に開口窓を設けたことを特徴とする治療部位保護器具を提供するものである。
【0009】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の側面に対向する一対の開口窓を設けてある。
【0010】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の両側縁にフランジを形成し、前記載置台の上面両側縁に前記フランジを嵌め入れる嵌入部を形成してある。
【0011】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体が弾性又は可撓性を有する合成樹脂からなり、前記フランジと嵌入部が弾性係合するようにしてある。
【0012】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の上部を平面に形成し、曲げ部を介して側面を延設してある。
【0013】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記載置台を固定する固定部材を備えたものである。
【0014】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記固定部材が、前記載置台又は/及び半筒状カバー体の両側縁に切欠部を設け、この切欠部を通って前記載置台の周囲に巻き回した固定用ベルトからなる。
【0015】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記載置台の上面に不織布を敷設してある。
【発明の効果】
【0016】
本発明の治療部位保護器具は、前腕等の治療部位を載置する載置台と、該載置台に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体とからなる治療部位保護器具であって、前記半筒状カバー体の側面に開口窓を設けたことを特徴とする構成を有することにより、シャント部、血液透析、点滴、輸血や献血等の治療部位を半筒状カバー体で外部の圧迫、刺激等から保護して安全に治療又は処置することができると共に、半筒状カバー体を載置台に装着した状態で開口窓から触手又は聴診器によって診察することができる効果がある。
【0017】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の側面に対向する一対の開口窓を設けたことにより、一対の開口窓から両手で診察又は処置することができる。また、一つの開口窓を小さくできるから、患者が不用意に治療部位に触れるのを防止することができる効果がある。
【0018】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の両側縁にフランジを形成し、前記載置台の上面両側縁に前記フランジを嵌め入れる嵌入部を形成したことにより、載置台に半筒状カバー体を確実に装着することができる効果がある。
【0019】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体が弾性又は可撓性を有する合成樹脂からなり、前記フランジと嵌入部が弾性係合するようにしたことにより、半筒状カバー体の両側面部を内側に向かって押圧することによってフランジと嵌入部の係合を外すことができるから、ワンタッチで半筒状カバー体を載置台から取り外すことができる効果がある。
【0020】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の上部を平面に形成し、曲げ部を介して側面を延設したことにより、治療又は処置に使用する脱脂綿などを半筒状カバー体の上部に仮置きすることができる。また、半筒状カバー体は曲げ部を支点にして側面が弾性変形して載置台に容易に着脱することができる効果がある。
【0021】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記載置台を固定する固定部材を備えたことにより、載置台をベッド又は処置台などに固定することができる効果がある。
【0022】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記固定部材が、前記載置台又は/及び半筒状カバー体の両側縁に切欠部を設け、この切欠部を通って前記載置台の周囲に巻き回した固定用ベルトからなることにより、固定用ベルトで載置台をベッドのアーム等に固定することができると共に、載置台を固定した状態で半筒状カバー体の着脱をすることができる効果がある。
【0023】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記載置台の上面に不織布を敷設してあることにより、患者に不快感を与えないと共に、治療部位を清潔に保つことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態を図示する実施例に基づいて説明する。
本発明に係る治療部位保護器具1は、前腕2等の治療部位を載置する載置台20と、該載置台20に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体10とからなり、前記半筒状カバー体10の側面に開口窓11を設けたことを特徴とする。
【実施例1】
【0025】
図1乃至図8に示す実施例において、治療部位保護器具1は、患者の前腕に被せて治療部位を保護する保護器具であり、シャント手術、血液透析、点滴、輸血や献血等において治療部位を外部の圧迫、刺激等から保護するようにしてある。
【0026】
半筒状カバー体10は、弾性又は可撓性を有する合成樹脂からなり、上部を平面に形成し、曲げ部13を介して側面を延設してある。図1に示す実施例において、半筒状カバー体10は、厚さ1.0mmの透明なポリ塩化ビニル板材を曲げ部13において加熱曲げ加工して、断面略台形状に形成してある。また、半筒状カバー体10の両側縁には、外側に突出したフランジ12を形成してあると共に、中央部に切欠部14を設けてある。
【0027】
半筒状カバー体10の側面には、対向する位置に一対の開口窓11,11を設けてある。開口窓11は、指による触診や聴診器による診察のために必要充分な大きさに開口してある。半筒状カバー体10は、治療部位を視認できるように透明であることが好ましいが、半透明な合成樹脂で形成することも可能である。また、半筒状カバー体10には、弾性又は可撓性を有する素材として、アクリルなどの他の合成樹脂を用いることもできる。
【0028】
なお、半筒状カバー体10は、図示の形状に限定されるものではなく、治療部位の形状に応じて、半円筒状など種々の形状に形成することも可能である。
【0029】
図1に示す実施例において、載置台20は、ポリ塩化ビニル、アクリル等の合成樹脂性の板材からなり、上面両側縁にはフランジ12を嵌め入れる嵌入部21を形成してある。図8に示すように、対向する嵌入部21の間隔は、半筒状カバー体10の両側縁の間隔より狭くしてあり、フランジ12と嵌入部21が弾性係合して半筒状カバー体10を載置台20に装着することができるように構成してある。また、図6に示すように、嵌入部21の少なくとも一端にストッパー部22を形成してあり、フランジ12が嵌入部21から外れるのを防止している。
【0030】
図1に示すように、載置台20の両側縁の中央部には、切欠部23を設けてある。図中の24は固定用ベルトであり、半筒状カバー体10の切欠部14と載置台20の切欠部23により形成された隙間を通って、載置台20の周囲に巻き回すことができるようにしてある。固定用ベルト24の一端には係止具を設けてあり、図2に示すように、固定用ベルト24をベッドのアーム5等に巻き付けて治療部位保護器具1を固定することができるように構成してある。なお、固定用ベルト24は1本に限らず、切欠部14,23を長手方向に離れた2箇所に設けて、2本の固定用ベルト24で固定する構成にすることも可能である。
【0031】
図7及び図8に示すように、載置台20は、上面に不織布26を敷設してあることが好ましい。不織布26は、面ファスナー27,28で載置台20に着脱可能に固定してある。不織布26は、前腕2に載置台20や固定用ベルト24が直接触れて患者に不快感を与えるのを防止できると共に、不織布26を交換することにより治療部位を清潔に保つことができる。
【0032】
図2に示すように、治療部位保護器具1は、患者の前腕2を半筒状カバー体10で被ってシャント部3などの治療部位を外部の圧迫、刺激等から保護することができる。図中の4は血液透析用の血液循環パイプであり、血液循環パイプ4は半筒状カバー体10の内側を通して前方端又は後方端から引き出すことができる。治療中は、開口窓11から触診や聴診器による診察を行うことができ、必要であれば、半筒状カバー体10の両側面を押圧してフランジ12と嵌入部21の係合を外し、上方に持ち上げることにより半筒状カバー体10を簡単且つ迅速に取り外すことができる。半筒状カバー体10は、断面を略台形状に形成してあるから、片手で両側面を把持して押圧することにより、曲げ部13,13を中心に夫々の側面を内側に容易に変形させて、ワンタッチで取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示す斜視図。
【図2】その一実施例の使用状態を示す斜視図。
【図3】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示す正面図。
【図4】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示す右側面図。
【図5】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示す平面図。
【図6】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示すA−A線断面図。
【図7】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示すB−B線断面図。
【図8】その一実施例の半筒状カバー体を取り外した状態を示すB−B線断面図。
【符号の説明】
【0034】
1 治療部位保護器具
2 前腕
3 シャント部
4 血液循環パイプ
5 アーム
10 半筒状カバー体
11 開口窓
12 フランジ
13 曲げ部
14 切欠部
20 載置台
21 嵌入部
22 ストッパー部
23 切欠部
24 固定用ベルト
25 係止具
26 不織布
27,28 面ファスナー
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャント閉塞等を予防するために治療部位を保護する治療部位保護器具に関する。
【背景技術】
【0002】
血液透析では、体外循環に必要な血液量(200〜300ml/分)を確保するために、通常は内シャントと呼ばれる手術を行っている。内シャントとは、一般に前腕において動脈と静脈を皮下で結合(動静脈吻合)させて、静脈にたくさんの血液が流れるように造設したものである。内シャント手術後に、シャント部に外部から余分な圧迫、刺激等が加わると、シャント閉塞を起こすことがあり、血液透析に必要な血液量を確保できなくなる恐れがある。
【0003】
従来、血液透析時の抜針事故を防止する保護具として、弾性又は可撓性を有する略平板状の下敷マットと、この下敷マットに着脱自在に被せる断面略円弧状の透明又は半透明な保護カバーとからなり、保護カバーを下敷マットに弾支状態で装着可能とした抜針防止用腕保護具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−172164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の抜針防止用腕保護具は、保護カバーによってシャント部を外部の圧迫、刺激等から保護することも可能であるが、治療部位が完全に保護カバーで被われているために、治療部位に聴診器を当てたり触手したりしてシャント手術後の経過等を診るには、保護カバーを下敷マットから取り外す必要があり、煩雑であるという課題があった。
【0006】
また、この保護カバーは、弾性又は可撓性を有する下敷マットに外側から弾支状態で装着可能としているから、着脱するときに保護カバーを外に向けて開く必要があり、片手で簡単に着脱することができないという課題もあった。このため、治療部位を下敷マットに載せた状態で保護カバーの着脱を行うと、誤ってシャント部に圧迫、刺激等を加える恐れもあった。
【0007】
そこで、本発明は、シャント部、血液透析、点滴、輸血や献血等の治療部位を外部の圧迫、刺激等から保護すると同時に、治療部位の触診も可能にした治療部位保護器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために、前腕等の治療部位を載置する載置台と、該載置台に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体とからなる治療部位保護器具であって、前記半筒状カバー体の側面に開口窓を設けたことを特徴とする治療部位保護器具を提供するものである。
【0009】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の側面に対向する一対の開口窓を設けてある。
【0010】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の両側縁にフランジを形成し、前記載置台の上面両側縁に前記フランジを嵌め入れる嵌入部を形成してある。
【0011】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体が弾性又は可撓性を有する合成樹脂からなり、前記フランジと嵌入部が弾性係合するようにしてある。
【0012】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の上部を平面に形成し、曲げ部を介して側面を延設してある。
【0013】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記載置台を固定する固定部材を備えたものである。
【0014】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記固定部材が、前記載置台又は/及び半筒状カバー体の両側縁に切欠部を設け、この切欠部を通って前記載置台の周囲に巻き回した固定用ベルトからなる。
【0015】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記載置台の上面に不織布を敷設してある。
【発明の効果】
【0016】
本発明の治療部位保護器具は、前腕等の治療部位を載置する載置台と、該載置台に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体とからなる治療部位保護器具であって、前記半筒状カバー体の側面に開口窓を設けたことを特徴とする構成を有することにより、シャント部、血液透析、点滴、輸血や献血等の治療部位を半筒状カバー体で外部の圧迫、刺激等から保護して安全に治療又は処置することができると共に、半筒状カバー体を載置台に装着した状態で開口窓から触手又は聴診器によって診察することができる効果がある。
【0017】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の側面に対向する一対の開口窓を設けたことにより、一対の開口窓から両手で診察又は処置することができる。また、一つの開口窓を小さくできるから、患者が不用意に治療部位に触れるのを防止することができる効果がある。
【0018】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の両側縁にフランジを形成し、前記載置台の上面両側縁に前記フランジを嵌め入れる嵌入部を形成したことにより、載置台に半筒状カバー体を確実に装着することができる効果がある。
【0019】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体が弾性又は可撓性を有する合成樹脂からなり、前記フランジと嵌入部が弾性係合するようにしたことにより、半筒状カバー体の両側面部を内側に向かって押圧することによってフランジと嵌入部の係合を外すことができるから、ワンタッチで半筒状カバー体を載置台から取り外すことができる効果がある。
【0020】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記半筒状カバー体の上部を平面に形成し、曲げ部を介して側面を延設したことにより、治療又は処置に使用する脱脂綿などを半筒状カバー体の上部に仮置きすることができる。また、半筒状カバー体は曲げ部を支点にして側面が弾性変形して載置台に容易に着脱することができる効果がある。
【0021】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記載置台を固定する固定部材を備えたことにより、載置台をベッド又は処置台などに固定することができる効果がある。
【0022】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記固定部材が、前記載置台又は/及び半筒状カバー体の両側縁に切欠部を設け、この切欠部を通って前記載置台の周囲に巻き回した固定用ベルトからなることにより、固定用ベルトで載置台をベッドのアーム等に固定することができると共に、載置台を固定した状態で半筒状カバー体の着脱をすることができる効果がある。
【0023】
また、本発明の治療部位保護器具は、前記載置台の上面に不織布を敷設してあることにより、患者に不快感を与えないと共に、治療部位を清潔に保つことができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態を図示する実施例に基づいて説明する。
本発明に係る治療部位保護器具1は、前腕2等の治療部位を載置する載置台20と、該載置台20に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体10とからなり、前記半筒状カバー体10の側面に開口窓11を設けたことを特徴とする。
【実施例1】
【0025】
図1乃至図8に示す実施例において、治療部位保護器具1は、患者の前腕に被せて治療部位を保護する保護器具であり、シャント手術、血液透析、点滴、輸血や献血等において治療部位を外部の圧迫、刺激等から保護するようにしてある。
【0026】
半筒状カバー体10は、弾性又は可撓性を有する合成樹脂からなり、上部を平面に形成し、曲げ部13を介して側面を延設してある。図1に示す実施例において、半筒状カバー体10は、厚さ1.0mmの透明なポリ塩化ビニル板材を曲げ部13において加熱曲げ加工して、断面略台形状に形成してある。また、半筒状カバー体10の両側縁には、外側に突出したフランジ12を形成してあると共に、中央部に切欠部14を設けてある。
【0027】
半筒状カバー体10の側面には、対向する位置に一対の開口窓11,11を設けてある。開口窓11は、指による触診や聴診器による診察のために必要充分な大きさに開口してある。半筒状カバー体10は、治療部位を視認できるように透明であることが好ましいが、半透明な合成樹脂で形成することも可能である。また、半筒状カバー体10には、弾性又は可撓性を有する素材として、アクリルなどの他の合成樹脂を用いることもできる。
【0028】
なお、半筒状カバー体10は、図示の形状に限定されるものではなく、治療部位の形状に応じて、半円筒状など種々の形状に形成することも可能である。
【0029】
図1に示す実施例において、載置台20は、ポリ塩化ビニル、アクリル等の合成樹脂性の板材からなり、上面両側縁にはフランジ12を嵌め入れる嵌入部21を形成してある。図8に示すように、対向する嵌入部21の間隔は、半筒状カバー体10の両側縁の間隔より狭くしてあり、フランジ12と嵌入部21が弾性係合して半筒状カバー体10を載置台20に装着することができるように構成してある。また、図6に示すように、嵌入部21の少なくとも一端にストッパー部22を形成してあり、フランジ12が嵌入部21から外れるのを防止している。
【0030】
図1に示すように、載置台20の両側縁の中央部には、切欠部23を設けてある。図中の24は固定用ベルトであり、半筒状カバー体10の切欠部14と載置台20の切欠部23により形成された隙間を通って、載置台20の周囲に巻き回すことができるようにしてある。固定用ベルト24の一端には係止具を設けてあり、図2に示すように、固定用ベルト24をベッドのアーム5等に巻き付けて治療部位保護器具1を固定することができるように構成してある。なお、固定用ベルト24は1本に限らず、切欠部14,23を長手方向に離れた2箇所に設けて、2本の固定用ベルト24で固定する構成にすることも可能である。
【0031】
図7及び図8に示すように、載置台20は、上面に不織布26を敷設してあることが好ましい。不織布26は、面ファスナー27,28で載置台20に着脱可能に固定してある。不織布26は、前腕2に載置台20や固定用ベルト24が直接触れて患者に不快感を与えるのを防止できると共に、不織布26を交換することにより治療部位を清潔に保つことができる。
【0032】
図2に示すように、治療部位保護器具1は、患者の前腕2を半筒状カバー体10で被ってシャント部3などの治療部位を外部の圧迫、刺激等から保護することができる。図中の4は血液透析用の血液循環パイプであり、血液循環パイプ4は半筒状カバー体10の内側を通して前方端又は後方端から引き出すことができる。治療中は、開口窓11から触診や聴診器による診察を行うことができ、必要であれば、半筒状カバー体10の両側面を押圧してフランジ12と嵌入部21の係合を外し、上方に持ち上げることにより半筒状カバー体10を簡単且つ迅速に取り外すことができる。半筒状カバー体10は、断面を略台形状に形成してあるから、片手で両側面を把持して押圧することにより、曲げ部13,13を中心に夫々の側面を内側に容易に変形させて、ワンタッチで取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示す斜視図。
【図2】その一実施例の使用状態を示す斜視図。
【図3】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示す正面図。
【図4】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示す右側面図。
【図5】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示す平面図。
【図6】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示すA−A線断面図。
【図7】本発明の治療部位保護器具の一実施例を示すB−B線断面図。
【図8】その一実施例の半筒状カバー体を取り外した状態を示すB−B線断面図。
【符号の説明】
【0034】
1 治療部位保護器具
2 前腕
3 シャント部
4 血液循環パイプ
5 アーム
10 半筒状カバー体
11 開口窓
12 フランジ
13 曲げ部
14 切欠部
20 載置台
21 嵌入部
22 ストッパー部
23 切欠部
24 固定用ベルト
25 係止具
26 不織布
27,28 面ファスナー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前腕等の治療部位を載置する載置台と、該載置台に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体とからなる治療部位保護器具であって、前記半筒状カバー体の側面に開口窓を設けたことを特徴とする治療部位保護器具。
【請求項2】
前記半筒状カバー体の側面に対向する一対の開口窓を設けた請求項1に記載の治療部位保護器具。
【請求項3】
前記半筒状カバー体の両側縁にフランジを形成し、前記載置台の上面両側縁に前記フランジを嵌め入れる嵌入部を形成した請求項1又は2に記載の治療部位保護器具。
【請求項4】
前記半筒状カバー体が弾性又は可撓性を有する合成樹脂からなり、前記フランジと嵌入部が弾性係合するようにした請求項3に記載の治療部位保護器具。
【請求項5】
前記半筒状カバー体の上部を平面に形成し、曲げ部を介して側面を延設した請求項1乃至4の何れかに記載の治療部位保護器具。
【請求項6】
前記載置台を固定する固定部材を備えた請求項1乃至5の何れかに記載の治療部位保護器具。
【請求項7】
前記固定部材が、前記載置台又は/及び半筒状カバー体の両側縁に切欠部を設け、この切欠部を通って前記載置台の周囲に巻き回した固定用ベルトからなる請求項6に記載の治療部位保護器具。
【請求項8】
前記載置台の上面に不織布を敷設した請求項1乃至7の何れかに記載の治療部位保護器具。
【請求項1】
前腕等の治療部位を載置する載置台と、該載置台に着脱自在に設けた透明又は半透明な半筒状カバー体とからなる治療部位保護器具であって、前記半筒状カバー体の側面に開口窓を設けたことを特徴とする治療部位保護器具。
【請求項2】
前記半筒状カバー体の側面に対向する一対の開口窓を設けた請求項1に記載の治療部位保護器具。
【請求項3】
前記半筒状カバー体の両側縁にフランジを形成し、前記載置台の上面両側縁に前記フランジを嵌め入れる嵌入部を形成した請求項1又は2に記載の治療部位保護器具。
【請求項4】
前記半筒状カバー体が弾性又は可撓性を有する合成樹脂からなり、前記フランジと嵌入部が弾性係合するようにした請求項3に記載の治療部位保護器具。
【請求項5】
前記半筒状カバー体の上部を平面に形成し、曲げ部を介して側面を延設した請求項1乃至4の何れかに記載の治療部位保護器具。
【請求項6】
前記載置台を固定する固定部材を備えた請求項1乃至5の何れかに記載の治療部位保護器具。
【請求項7】
前記固定部材が、前記載置台又は/及び半筒状カバー体の両側縁に切欠部を設け、この切欠部を通って前記載置台の周囲に巻き回した固定用ベルトからなる請求項6に記載の治療部位保護器具。
【請求項8】
前記載置台の上面に不織布を敷設した請求項1乃至7の何れかに記載の治療部位保護器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−11623(P2009−11623A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178148(P2007−178148)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000231394)アルフレッサファーマ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000231394)アルフレッサファーマ株式会社 (27)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]