説明

泡吐出器

【課題】メッシュ等で構成される起泡部材の洗浄が可能で、その操作も容易に行なうことができる泡吐出器を提案する。
【解決手段】大径の空気用シリンダ20及び小径の液用シリンダ21を上下に連設してなるシリンダ部材Bと、液用ピストンC1をステムC2外周下部より突設するとともに、空気用ピストンC3をステム外周上部に連携させ、ステム上端に吐出ヘッドC4を嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材Cとを備え、作動部材の上下動により液用シリンダ内の液と空気用シリンダ内の空気を合流させて起泡部材76を介して起泡させ、吐出ヘッドの吐出口より吐出する如く構成した泡吐出器であって、吐出ヘッドを下部材C4aと起泡部材を設けた上部材C4bとで構成し、両者間に、下部材に対して上部材を回動することで、下部材に対して上部材を上昇させる機構を備えた易離脱手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は泡吐出器に関し、詳しくは起泡構造を構成するメッシュ等の起泡部材の洗浄を簡単に行なうことができる泡吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
泡吐出器として、大径の空気用シリンダと小径の液用シリンダを上下に同心円状に連設したシリンダ部材と、液用シリンダ内を摺動する液用ピストンをステム外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ内を摺動する空気用ピストンをステム外周上部に連繋させ、ステム上端に吐出ヘッドを嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材とを備え、作動部材の上下動により液用シリンダ内の液と空気用シリンダ内の空気を合流させて起泡部材を介して起泡させ、吐出ヘッドの吐出口より吐出する如く構成したものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
特許文献1に記載されている泡吐出器では、ステムの外周上端部に吐出ヘッドの縦筒を嵌着し、この縦筒内のステム直上部からステム内上端部にわたり嵌着させた筒部材内に起泡部材を嵌着している。起泡部材はメッシュを一端面に張設した筒体を一対筒部材内に嵌着することで構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−202122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のこの種の泡吐出器では、吐出ヘッドが簡単に離脱しないように、嵌合強度を大きくしてステムに対して吐出ヘッドの強固な嵌合を行なっている。その結果起泡部材を構成するメッシュの洗浄が事実上できないように構成されている。メッシュを通過する起泡性の液体或いはメッシュで起泡された泡は一般に乾燥固化しやすく長期の使用でメッシュに目詰まりを生じる虞もある。
【0006】
本発明は上記した点に鑑みてなされたもので、メッシュ等で構成される起泡部材の洗浄が可能で、その操作も容易に行なうことができる泡吐出器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の手段として、以下の通り構成した。即ち、容器体100の口頸部101外周に嵌合させる装着キャップAに上端部を固定して容器体100内に垂下するとともに、大径の空気用シリンダ20及び小径の液用シリンダ21を上下に同心円状に連設してなるシリンダ部材Bと、液用シリンダ21内を摺動する液用ピストンC1をステムC2外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ20内を摺動する空気用ピストンC3をステムC2外周上部に連携させ、ステムC2上端に吐出ヘッドC4を嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材Cとを備え、作動部材Cの上下動により液用シリンダ21内の液と空気用シリンダ20内の空気を合流させて起泡部材76を介して起泡させ、吐出ヘッドC4の吐出口より吐出する如く構成した泡吐出器であって、吐出ヘッドC4を、ステムC2上端部に嵌着固定するとともに、ステムC2と連通する支持筒61を起立してなる下部材C4aと、支持筒61内に吐出口75と連通する縦筒70を着脱が可能に嵌合させるとともに、縦筒70内下端部に起泡部材76を設けた上部材C4bとで構成し、下部材C4aと上部材C4bとの間に上部材C4bの易離脱手段を備え、上部材C4bの易離脱手段は、下部材C4aに上向き凹凸面f1を、上部材C4bに上向き凹凸面f1と嵌合する下向き凹凸面f2をそれぞれ形成し、下部材C4aに対して上部材C4bを回動することで、上向き凹凸面f1上を下向き凹凸面f2がスライド上昇し、下部材C4aに対して上部材C4bを上昇させる機構を備える。
【0008】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、下部材C4aは、ステムC2外周上端部に嵌着した嵌着筒55の上端より内方に延設したフランジ56を介してステムC2内周上端部に嵌合する内筒57を垂設し、フランジ56上に支持筒61を起立し、支持筒61の外方に下部外周壁63を支持させてなり、上部材C4bは、支持筒61内に気密・液密に嵌合させた縦筒70を頂板71裏面より垂設するとともに、頂板71の周縁部より下部外周壁63上に上部外周壁72を垂設し、縦筒70の上部に基端を開口してノズル74を延設してなり、上部材C4bの易離脱手段として、下部外周壁63に形成した上向き凹凸面f1と、上部外周壁72に形成した下向き凹凸面f2とで構成した。
【0009】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第2の手段に於いて、上部材C4bの易離脱手段として、下部外周壁63内面に突設した上向き凹凸面形成用突部64の上面に形成した上向き凹凸面f1と、上部外周壁72内面に突設した下向き凹凸面形成用突部73の下面に形成した下向き凹凸面f2とで構成した。
【0010】
第4の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第2の手段に於いて、上部材C4bの易離脱手段として、下部外周壁63上面に形成した上向き凹凸面f1と、上部外周壁72下面に形成した下向き凹凸面f2とで構成した。
【0011】
第5の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第4の手段に於いて、上向き凹凸面f1及び下向き凹凸面f2をそれぞれ環状に形成した。
【0012】
第6の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第4の手段に於いて、下部材C4aを装着キャップAに対して、常時所定位置での上下動が可能に構成し、上向き凹凸面f1と、上向き凹凸面f1に嵌合する下向き凹凸面f2とを、下部材C4aと上部材C4bとのそれぞれ一部に形成して、上部材C4bを下部材C4bに嵌着した際に、ノズル74が装着キャップAに対して常時所定方向を向く如く構成した。
【0013】
第7の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段乃至第6の手段のいずれかの手段に於いて、起泡部材76として縦筒70内下端部に嵌着した筒体76bの端面にメッシュ76aを張設した。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、吐出ヘッドC4を、ステムC2上端部に嵌着固定した下部材C4aと、下部材C4aに着脱が可能に嵌合させた上部材C4bとで構成し、また、上部材C4bの縦筒70内下端部に起泡部材76を設けているので、必要に応じて上部材C4bを下部材C4aから離脱することで起泡部材76の洗浄を容易に行うことができる。しかも、下部材C4aと上部材C4bとの間に、下部材C4aに対して上部材C4bを回動することで、下部材C4aに対して上部材C4bを上昇させる機構を備えた上部材C4bの易離脱手段を備えているので、洗浄に当たっては上部材C4bを下部材C4aに対して単に回動上昇させるという簡単な操作で上部材C4bを取り外すことができ、また、洗浄後は上部材C4bを回動下降させるだけで元の状態に戻すことができる。更に、従来品と比較しても部材数を増加することなく製造できる利点がある。
【0015】
下部材C4aは、ステムC2外周上端部に嵌着した嵌着筒55の上端より内方に延設したフランジ56を介してステムC2内周上端部に嵌合する内筒57を垂設し、フランジ56上に支持筒61を起立し、支持筒61の外方に下部外周壁63を支持させてなり、上部材C4bは、支持筒61内に気密・液密に嵌合させた縦筒70を頂板71裏面より垂設するとともに、頂板71の周縁部より下部外周壁63上に上部外周壁72を垂設し、縦筒70の上部に基端を開口してノズル74を延設してなり、上部材C4bの易離脱手段として、下部外周壁63に形成した上向き凹凸面f1と、上部外周壁72に形成した下向き凹凸面f2とで構成した場合には、下部材C4aのステムC2への強固な嵌着固定を行なえるため、下部材C4aと上部材C4bとの分離をより確実に行なうことができ、また、相互の組み付け操作を容易に行えるという特徴を備え、各部材をコンパクトに効率良く組み付けることができる利点がある。
【0016】
上部材C4bの易離脱手段として、下部外周壁63内面に突設した上向き凹凸面形成用突部64の上面に形成した上向き凹凸面f1と、上部外周壁72内面に突設した下向き凹凸面形成用突部73の下面に形成した下向き凹凸面f2とで構成した場合には、上部材C4bの易離脱手段を内部に隠して外見をより良好とすることができ、しかも、上部材C4bの着脱に際しては、易離脱手段が見えなくても手の感触で容易に確実に着脱を行えるという利点がある。
【0017】
上部材C4bの易離脱手段として、下部外周壁63上面に形成した上向き凹凸面f1と、上部外周壁72下面に形成した下向き凹凸面f2とで構成した場合には、構造がより簡潔化するという特徴を兼ね備える。
【0018】
上向き凹凸面f1及び下向き凹凸面f2をそれぞれ環状に形成した場合には、相互の凹凸嵌合部分を多数形成することができ、安定した上部材C4bと下部材C4aとの嵌着固定が可能となり、また、離脱した上部材C4bを下部材C4aに嵌合する際に多数の凹凸嵌合部分のため、任意位置から小さい回動幅で各凹凸面の嵌合が可能となり、装着がより容易となる。
【0019】
下部材C4aを装着キャップAに対して、常時所定位置での上下動が可能に構成し、上向き凹凸面f1と、上向き凹凸面f1に嵌合する下向き凹凸面f2とを、下部材C4aと上部材C4bとのそれぞれ一部に形成して、上部材C4bを下部材C4bに嵌着した際に、ノズル74が装着キャップAに対して常時所定方向を向く如く構成した場合には、容器体100に対して取り外した上部材C4bを常時所定方向を向けて嵌合することができるため、ハンディタイプの泡吐出器へ好ましく適用できる。
【0020】
起泡部材76として縦筒70内下端部に嵌着した筒体76bの端面にメッシュ76aを張設した場合には、起泡部材76の組み付けをより容易に行なえることができ、また、それらの数を調整することで、起泡部材76の起泡機能の選択を容易に行なえる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】泡吐出器の縦断面図である。(第1実施例)
【図2】泡吐出器の吐出ヘッド部分の要部拡大縦断面図である。(第1実施例)
【図3】吐出ヘッドの上部材を外した状態の縦断面図である。(第1実施例)
【図4】吐出ヘッドの上部材を外した状態の平面図である。(第1実施例)
【図5】吐出ヘッドの上部材を外した状態の要部斜視図である。(第1実施例)
【図6】吐出ヘッドの上部材の底面図である。(第1実施例)
【図7】易離脱手段を説明する展開図である。(第1実施例)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1乃至図7は本発明の泡吐出器の第1実施例を示す。泡吐出器1は、装着キャップAと、シリンダ部材Bと、作動部材Cと、ポペット弁体Dと、カバーキャップEとを備えている。
【0024】
装着キャップAは、泡吐出器1を容器体100に固定するためのもので、容器体100の口頸部101外周に嵌合させる周壁10の上端縁より、中央に作動部材Cを貫通させる窓孔を開口した頂壁11を延設し、窓孔周縁より下方へガイド筒12を垂設している。
【0025】
シリンダ部材Bは、上端部を装着キャップA内に嵌着固定した大径の空気用シリンダ20の下部に、小径の液用シリンダ21を同心円状に延設している。液用シリンダ21は、空気用シリンダ20の底壁部内周縁に周壁部の上端縁を連結して下方へ垂設し、周壁部の下端縁より中央を開口したテーパ状の底壁部を延設し、底壁部の上面を吸込み弁用の弁座22として構成している。また、底壁部の中央開口縁よりパイプ嵌合筒23を一体に垂設し、パイプ嵌合筒23に吸い上げ用のパイプ24の上端を嵌着しその下端を容器体100内下端部に垂下させている。更に、液用シリンダ21内面の底壁部外縁部から周壁部下端部に至る部分に、周方向複数の係止リブ25を突設している。各係止リブ25の上下中間部には上向き段部を設けている。
【0026】
作動部材Cは、シリンダ部材Bに対して上方付勢状態で上下動可能に組み付けしたもので、液用ピストンC1と、ステムC2と、空気用ピストンC3と、吐出ヘッドC4とを備えている。
【0027】
液用ピストンC1は、ステムC2内下部に嵌着した嵌合筒部30の下端外周より外方へ上下スカート状の摺動部31を突設し、摺動部31を液用シリンダ21内周に液密摺動可能に嵌合させている。また、嵌合筒部30の上端部はステムC2内の上下方向中間部に於いて突条形態の逆止弁用の弁座32を形成している。そして、液用ピストンC1の嵌合筒部30下面と各係止リブ25の上向き段部との間にコイルスプリングsを介在させて作動部材Cを常時上方へ付勢させている。
【0028】
ステムC2は、上下端を開口した筒状をなし、液用シリンダ21に摺動する液用ピストンC1を下部外周に突設するとともに、空気用シリンダ20内を摺動する空気用ピストンC3を外周上部に連携させて、液用シリンダ21内及び空気用シリンダ20内を上下動可能に装着されている。ステムC2内上部には吐出弁用の弁座35を形成し、玉状弁体36とで吐出弁37を形成しており、また、吐出弁用の弁座35の下面から逆止弁用の弁座32の直上までの間に周方向複数の縦突条38を突設している。更に、外面上下方向中間部にはフランジ状に突設した空気吐出弁用の弁座39を突設しており、その上方の筒壁外周には周方向複数の縦突条40を突設している。
【0029】
空気用ピストンC3は、内周縁の筒状弁部45をステムC2外周に小幅の上下動が可能に嵌合させ、筒状弁部45外周より延設した階段状の隔壁46を介して、空気用シリンダ20内周に液密摺動可能に嵌合した上下スカート状の摺動部47延設している。筒状弁部45はステムC2外周の縦突条40外面に上下動可能に嵌合させている。また,空気用シリンダ20の階段状の隔壁46には外気を導入するための外気導入弁48を設けている。外気導入弁48は、下降した作動部材Cが上昇する際に空気用シリンダ20内が負圧となることで開弁し、外気を導入する。
【0030】
また、後述する如く、ステムC2の外周上端部には吐出ヘッドC4を構成する下部材C4aの嵌着筒55を嵌着固定しており、嵌着筒55の内周下端部に環状凹部58を凹設しており、筒状弁部45はその環状凹部の頂面と、空気吐出弁用の弁座39との間を上下動可能に装着しており、筒状弁部45の下端部と空気吐出弁用の弁座39とで空気吐出弁49を構成している。そして、ステムC2と筒状弁部45との間に、空気吐出弁49から環状凹部58内に連通し、空気用シリンダ20内からステムC2内へ連通する空気供給路pを構成する通気路を備えている。この空気吐出弁49は、図1に示す作動部材Cが最上方へ押し上げられている場合には閉塞しており、作動部材Cを押し下げた際には開弁し、更に押し下げ状態から上方付勢力により上昇する際には閉塞する如く構成している。
【0031】
吐出ヘッドC4は、図2に拡大図で示す如く、ステムC2上端部に嵌着固定するとともに、ステムC2と連通する支持筒61を起立してなる下部材C4aと、支持筒61内に吐出口75と連通する縦筒70を着脱が可能に嵌合させるとともに、縦筒70内下端部に起泡部材76を設けた上部材C4bとで構成している。
【0032】
下部材C4aは、ステムC2の外周上端部に嵌着させた嵌着筒55の上端より内方へフランジ56を延設し、フランジ56の内周縁よりステムC2の内周上端部に嵌着させた内筒57を垂設し、その下方の吐出弁37下流位置に気液混合室Rを画成している。嵌着筒55の下端内周には環状凹部58を凹設しており、環状凹部58の外周面に空気用ピストンC3の筒状弁部45上端縁を気密・液密に摺動させている。また、内筒57の下面からは玉状弁体36の上昇幅を規制する規制突起60を複数突設している。更に、フランジ56の上からは支持筒61を立設している。また、嵌着筒55の外周面に突設した周方向複数の接続リブ62を介して、嵌着筒55の外周及び支持筒61の外周位置に下部外周壁63を支持している。下部外周壁63の内周面上部には、後述する上部材C4bの易離脱手段を構成する、環状の上向き凹凸面形成用突部64を突設しており、その上面に上向き凹凸面f1を形成している。また、下部外周壁63の前面には、吐出ヘッドC4の向きを特定するために、縦リブ66を突設しており、装着キャップAのガイド筒12前部位置に縦設した案内溝13に上下動可能に嵌合させている。
【0033】
そして、環状凹部58からステムC2と嵌着筒55との間、ステムC2とフランジ56との間、ステムC2と内筒57との間を通り、下部材C4aの下方のステムC2内に連通する通気路を設けており、ステムC2と筒状弁部45との間の通気路とあわせて、空気用シリンダ20から空気吐出弁49を介して気液混合室Rに至る空気供給路pとして構成している。
【0034】
上部材C4bは、下部材C4aの支持筒61内に外周下端部を気密・液密に嵌合させた縦筒70を頂板71裏面より垂設し、頂板71の周縁部からは上部外周壁72を垂設し、上部外周壁72の下端面を下部外周壁63の上端面に当接して両者で吐出ヘッドC4の外周壁を構成している。また、上部外周壁72の内面には、後述する上部材C4bの易離脱手段を構成する、環状の下向き凹凸面形成用突部73を突設しており、その下面に下向き凹凸面f2を形成している。下向き凹凸面f2は、下部外周壁63上面と上部外周壁72下面が当接した状態で、上向き凹凸面f1と嵌合する如く構成しており、従って、本例では、下向き凹凸面形成用突部73が下部外周壁63の内面上端部まで垂下している。更に、縦筒70の上端に基端を開口し、上部外周壁72を貫通して前方へ突設したノズル74を延設し、その先端に吐出口75を開口している。また、縦筒70内下端部には起泡部材76を設けている。起泡部材76は、メッシュ76aを張設した筒体76bを一対用意して、メッシュ76aが上端及び下端になる如く縦筒70内に嵌着させて構成している。尚、図示例では筒体を一対設けているが、メッシュを張設した筒体を一つ嵌着することも、三個以上嵌着することも可能であり、適宜選択することが可能である。
【0035】
ポペット弁体Dは、下端部外面に、それぞれ液用シリンダ21の係止リブ25間に位置させる、周方向複数の係止突部80を突設しており、液用シリンダ21内からステムC2内下部に至る長さを有しており、吸込み弁用の弁座22と下面が当接する位置から、各係止突部80がコイルスプリングs下面に当接する位置までの上下動が可能に装着している。各係止突部80上方は、下部を大径部に上部を小径部に形成しており、小径部の上端にはテーパ筒状に拡開する逆止弁体81を形成し、この逆止弁体81と逆止弁用の弁座32とで逆止弁82を形成している。また、ポペット弁体Dの下端部と吸込み弁用の弁座22とで吸込み弁83を構成している。
【0036】
本発明では、下部材C4aと上部材C4bとの間に、上部材C4bの易離脱手段を備えている。上部材C4bの易離脱手段は、下部材C4aに上向き凹凸面f1を、上部材C4bに上向き凹凸面f1と嵌合する下向き凹凸面f2をそれぞれ形成し、下部材C4aに対して上部材C4bを回動することで、上向き凹凸面f1上を下向き凹凸面f2がスライド上昇し、下部材C4aに対して上部材C4bを上昇させる機構を備えている。
【0037】
上向き凹凸面f1は、例えば、下部材C4aの下部外周壁63内面に突設した上向き凹凸面形成用突部64の上面、或いは下部外周壁63の上面等に形成することができ、一方下向き凹凸面f2は、例えば上向き凹凸面f1と対向する位置の、上部外周壁72内面に突設した下向き凹凸面形成用突部73上面、或いは上部外周壁72下面に形成することができる。
【0038】
本例に於ける上部材C4bの易離脱手段は、下部外周壁63内面に突設した環状の上向き凹凸面形成用突部64の上面に形成した上向き凹凸面f1と、上部外周壁72内面に突設した三箇所環状の下向き凹凸面形成用突部73の下面に形成した下向き凹凸面f2とを備えている。
【0039】
上向き凹凸面形成用突部64は、図7に展開図で示す如き三箇所の三角形状凹部65を、下部外周壁63の両側及び後部位置にそれぞれ所定間隔をあけて凹設し、その上面を上向き凹凸面f1として構成している。また、下向き凹凸面形成用突部73は上部外周壁72の両側及び後部位置に突設し、下端に三角板状突部77をそれぞれ形成し、その下面をそれぞれ下向き凹凸面f2として構成している。そして、下部材C4aに対して上部材C4bを回動することで、各三角板状突部77が各三角形状凹部65間の平坦面上に乗り上げて下部材C4aに対して上部材C4bを上昇させることで、下部材C4aから上部材C4bを容易に取り外すことが可能としている。
【0040】
また、本例では、上記した装着キャップAの案内溝13と下部材C4aの縦リブ66とで、下部材C4aを装着キャップAに対して、常時所定位置での上下動が可能に構成しており、また、上記した上向き凹凸面f1と下向き凹凸面f2との構成で、上向き凹凸面f1と、下向き凹凸面f2とを、下部材C4aと上部材C4bとのそれぞれ一部に形成してているため、取り外した上部材C4bを下部材C4bに嵌着した際に、ノズル74が装着キャップAに対して常時所定方向、例えば前方を向く如く構成している。
【0041】
尚、本例では、上記した如く、図4に説明上斜線で示す如き、上向き凹凸面形成用突部64の三箇所の位置にそれぞれ複数の三角形状凹部65を設けており、一方、図6に説明上斜線で示す如き、上向き凹凸面形成用突部64の三箇所の位置にそれぞれ複数の三角板状突部77を設けているが。全周に亘って連続的に各三角形状凹部65、三角板状突部77を連設しても良い。また、上記要件を満たす範囲で、一箇所の突部及び凹部を設けて、それぞれの上面及び下面を上向き凹凸面f1、下向き凹凸面f2としても良い。また、図示しないが、この様な上向き凹凸面f1及び下向き凹凸面f2を下部外周壁63上面、上部外周壁72下面に設けることも可能である。また、上向き凹凸面f1及び下向き凹凸面f2の形状として、上記した三角形状に限らず、下部材C4aに対して上部材C4bを回動することで、上向き凹凸面f1上を下向き凹凸面f2がスライド上昇し、下部材C4aに対して上部材C4bを上昇させることが可能な形状であれば種々採用でき、例えば、それぞれ波型の上向き凹凸面f1及び下向き凹凸面f2の形状であってもよい。
【0042】
カバーキャップEは、装着キャップAの外周上部に周壁下端部を着脱可能に嵌合させ、吐出ヘッドC4を被覆して着脱可能に装着させている。
【0043】
上記泡吐出器1は、図1の状態からカバーキャップEを外して吐出ヘッドC4を押し下げると、空気用ピストンC3がステムC2に対して相対的に上昇して空気吐出弁49が開き、下降する空気用ピストンC3により空気用シリンダ20内の空気が加圧されて空気供給路pを介して気液混合室R内に導入される。一方、液用シリンダ21が下降してポペット弁体Dを吸込み弁用の弁座22に当接させるまで下降させるとともに、ポペット弁体DがステムC2に対して相対的に上昇して逆止弁82が開き、液用シリンダ21内の加圧液を吐出弁37を介して気液混合室Rに導入させ、ここで気液を混合する。この際ポペット弁体DはステムC2に対して相対的に上昇する。気液混合室Rで混合された気液はメッシュ76aを通過して発泡し、吐出ヘッドC4のノズル74から外部へ吐出される。
【0044】
吐出ヘッドC4の押圧を解除すると、コイルスプリングsの付勢力により作動部材Cが上昇し、その際空気用ピストンC3がステムC2に対して相対的に下降して空気吐出弁49が閉じ、空気用シリンダ20内の負圧化によって外気導入弁48が開いて外気が空気用シリンダ20内に導入される。一方、ステムC2の上昇によりポペット弁体Dは、逆止弁82と各縦突条38の摩擦力で上昇し、吸込み弁83が開いて負圧化した液用シリンダ21内に容器体100内の液が導入され、その際吐出弁37は閉じる。ポペット弁体Dはその係止突部80がコイルスプリングsの下面に当接するまで上昇するが、その後はステムC2に対して、逆止弁体81が逆止弁用の弁座32に当接するまで相対的に下降する。
【0045】
本発明では、吐出ヘッドC4を上記した下部材C4aと上部材とで構成し、また、易離脱手段を備えているため、必要に応じて図3に示す如く、上部材C4bを取り外すことが可能である。装着する場合も下部材C4a上方より縦筒70を支持筒61に嵌合しつつ上部材C4bを回転させれば容易に上向き凹凸面f1に下向き凹凸面f2が嵌合して容易な装着が可能となる。
【符号の説明】
【0046】
1:泡吐出器
A:装着キャップ
10…周壁、11…頂壁、12…ガイド筒、13…案内溝
B:シリンダ部材
20…空気用シリンダ、21…液用シリンダ、22…吸込み弁用の弁座、
23…パイプ嵌合筒、24…吸い上げ用のパイプ、25…係止リブ
C:作動部材
C1:液用ピストン
30…嵌合筒部、31…摺動部、32…逆止弁用の弁座
C2:ステム
35…吐出弁用の弁座、36…玉状弁体、37…吐出弁、38…縦突条、
39…空気吐出弁用の弁座、40…縦突条、
C3:空気用ピストン
45…筒状弁部、46…階段状の隔壁、47…摺動部、48…外気導入弁、
49…空気吐出弁
C4:吐出ヘッド
C4a:下部材
55…嵌着筒、56…フランジ、57…内筒、58…環状凹部、
60…規制突起、61…支持筒、62…接続リブ、63…下部外周壁、
64…上向き凹凸面形成用突部、65…三角形状凹部、66…縦リブ
C4b:上部材
70…縦筒、71…頂板、72…上部外周壁、73…下向き凹凸面形成用突部 、 74…ノズル、75…吐出口、76…起泡部材、76a…メッシュ、76b…筒体、
77…三角板状突部
D:ポペット弁体
80…係止突部、81…逆止弁体、82…逆止弁、83…吸込み弁
E:カバーキャップ
s:コイルスプリング
p:空気供給路
f1:上向き凹凸面
f2:下向き凹凸面
R:気液混合室
100:容器体
101…口頸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体(100)の口頸部(101)外周に嵌合させる装着キャップ(A)に上端部を固定して容器体(100)内に垂下するとともに、大径の空気用シリンダ(20)及び小径の液用シリンダ(21)を上下に同心円状に連設してなるシリンダ部材(B)と、液用シリンダ(21)内を摺動する液用ピストン(C1)をステム(C2)外周下部より突設するとともに、空気用シリンダ(20)内を摺動する空気用ピストン(C3)をステム(C2)外周上部に連携させ、ステム(C2)上端に吐出ヘッド(C4)を嵌着して上方付勢状態で上下動可能に装着した作動部材(C)とを備え、作動部材(C)の上下動により液用シリンダ(21)内の液と空気用シリンダ(20)内の空気を合流させて起泡部材(76)を介して起泡させ、吐出ヘッド(C4)の吐出口より吐出する如く構成した泡吐出器であって、吐出ヘッド(C4)を、ステム(C2)上端部に嵌着固定するとともに、ステム(C2)と連通する支持筒(61)を起立してなる下部材(C4a)と、支持筒(61)内に吐出口(75)と連通する縦筒(70)を着脱が可能に嵌合させるとともに、縦筒(70)内下端部に起泡部材(76)を設けた上部材(C4b)とで構成し、下部材(C4a)と上部材(C4b)との間に上部材(C4b)の易離脱手段を備え、上部材(C4b)の易離脱手段は、下部材(C4a)に上向き凹凸面(f1)を、上部材(C4b)に上向き凹凸面(f1)と嵌合する下向き凹凸面(f2)をそれぞれ形成し、下部材(C4a)に対して上部材(C4b)を回動することで、上向き凹凸面(f1)上を下向き凹凸面(f2)がスライド上昇し、下部材(C4a)に対して上部材(C4b)を上昇させる機構を備えることを特徴とする泡吐出器。
【請求項2】
下部材(C4a)は、ステム(C2)外周上端部に嵌着した嵌着筒(55)の上端より内方に延設したフランジ(56)を介してステム(C2)内周上端部に嵌合する内筒(57)を垂設し、フランジ(56)上に支持筒(61)を起立し、支持筒(61)の外方に下部外周壁(63)を支持させてなり、上部材(C4b)は、支持筒(61)内に気密・液密に嵌合させた縦筒(70)を頂板(71)裏面より垂設するとともに、頂板(71)の周縁部より下部外周壁(63)上に上部外周壁(72)を垂設し、縦筒(70)の上部に基端を開口してノズル(74)を延設してなり、上部材(C4b)の易離脱手段として、下部外周壁(63)に形成した上向き凹凸面(f1)と、上部外周壁(72)に形成した下向き凹凸面(f2)とで構成した請求項1に記載の泡吐出器。
【請求項3】
上部材(C4b)の易離脱手段として、下部外周壁(63)内面に突設した上向き凹凸面形成用突部(64)の上面に形成した上向き凹凸面(f1)と、上部外周壁(72)内面に突設した下向き凹凸面形成用突部(73)の下面に形成した下向き凹凸面(f2)とで構成した請求項2に記載の泡吐出器。
【請求項4】
上部材(C4b)の易離脱手段として、下部外周壁(63)上面に形成した上向き凹凸面(f1)と、上部外周壁(72)下面に形成した下向き凹凸面(f2)とで構成した請求項2に記載の泡吐出器。
【請求項5】
上向き凹凸面(f1)及び下向き凹凸面(f2)をそれぞれ環状に形成した請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の泡吐出器。
【請求項6】
下部材(C4a)を装着キャップ(A)に対して、常時所定位置での上下動が可能に構成し、上向き凹凸面(f1)と、上向き凹凸面(f1)に嵌合する下向き凹凸面(f2)とを、下部材(C4a)と上部材(C4b)とのそれぞれ一部に形成して、上部材(C4b)を下部材(C4b)に嵌着した際に、ノズル(74)が装着キャップ(A)に対して常時所定方向を向く如く構成した請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の泡吐出器。
【請求項7】
起泡部材(76)として縦筒(70)内下端部に嵌着した筒体(76b)の端面にメッシュ(76a)を張設した請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の泡吐出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−112382(P2013−112382A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260925(P2011−260925)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】