注入工法
【課題】溶液グラウトを注入して改良を行った後に、溶液グラウトが注入領域から地上側へ押し戻されてしまうことを防止することが出来る注入工法の提供。
【解決手段】二重管(20)として構成された注入管(6、1の何れか)を用いて溶液グラウトM1を注入孔(H)内に供給し、以って、改良するべき領域(G)に溶液グラウト(M1)を注入する工程と、注入管を用いてセメントグラウト(M2)を注入孔(H)内に供給し、供給されたセメントグラウト(M2)により注入孔(H)内に残留した溶液グラウト(M1)を置換し、以って、注入孔(H)内をセメントグラウト(M2)で充填する工程、とを有する。
【解決手段】二重管(20)として構成された注入管(6、1の何れか)を用いて溶液グラウトM1を注入孔(H)内に供給し、以って、改良するべき領域(G)に溶液グラウト(M1)を注入する工程と、注入管を用いてセメントグラウト(M2)を注入孔(H)内に供給し、供給されたセメントグラウト(M2)により注入孔(H)内に残留した溶液グラウト(M1)を置換し、以って、注入孔(H)内をセメントグラウト(M2)で充填する工程、とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液グラウトを注入して、地盤や岩盤を改良する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤・岩盤を改良する際に用いられる溶液グラウトは、1〜5kg/cm2程度の強度であり、セメントグラウトと比較して、その強度は低い。
そのため、溶液グラウトを地盤・岩盤に注入、浸透した場合において、地下水圧や、溶液グラウトを注入された岩盤が元に戻ろうとする力により、注入された溶液グラウトが押し戻されて、逆流してしまうことがある。そして、逆流した場合には、注入した溶液グラウトが無駄になってしまうと共に、注入孔から地上側へ押し戻されてしまう結果として、作業現場を汚染してしまう、という問題を有している。
【0003】
そのため、溶液グラウトを注入して改良を行う際に、溶液グラウトが注入領域から地上側へ押し戻されてしまうことを防止したい、という要請が従来から存在している。
しかし、現時点では、係る要請に応えることが出来る技術は提案されていない。
【0004】
その他の従来技術として、複数の注入ポイントにおける地盤注入液の加圧状況を、一括して管理することが出来るシステムが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この様な従来技術(特許文献1)では、溶液グラウトを注入して改良を行う際に、溶液グラウトが注入領域から地上側へ押し戻されてしまうことを防止するものではない。そのため、上述した要請に応えることは出来ない。
【特許文献1】特開2002−256542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、溶液グラウトを注入して改良を行った後に、溶液グラウトが注入領域から地上側へ押し戻されてしまうことを防止することが出来る注入工法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の注入工法は、注入孔(H)を削孔する工程と、二重管(20)として構成された注入管(注入内管6、注入外管1の何れか)を用いて溶液グラウト(M1)を注入孔(H)内に供給し、以って、改良するべき領域(G)に溶液グラウト(M1)を注入する工程と、注入管(注入内管6、注入外管1の何れか)を用いてセメントグラウト(M2)を注入孔(H)内に供給し、供給されたセメントグラウト(M2)により注入孔(H)内に残留した溶液グラウト(M1)を置換(注入孔H内に残留した溶液グラウトM1を地上側に排出)し、以って、注入孔(H)内をセメントグラウト(M2)で充填する工程、とを有することを特徴としている(請求項1)。
【0007】
本発明において、前記溶液グラウト(M1)は2種類の材料(A液及びB液)を混合して製造されるゲルタイムの長い薬液であり(いわゆる「1.5ショット」)、該2種類の材料(A液及びB液)は注入管6の内部で混合されるのが好ましい(請求項2:図1〜図5、図12〜図16)。
【0008】
また本発明において、前記溶液グラウト(M1)は2種類の材料(A液及びB液)を混合して製造されるゲルタイムの短い薬液であり(いわゆる「2ショット」)、該2種類の材料(A液及びB液)は注入孔(H)内で混合されるのが好ましい(請求項3:図6〜図11、図17〜図22)。
【0009】
ここで、本発明において、注入孔(H)が水平方向よりも上方に傾斜しており、前記セメントグラウト(M2)は二重管(20)として構成された注入管の外側の管路(注入外管1)から供給され、注入孔(H)内に残留した溶液グラウト(M1)は二重管(20)として構成された注入管の内側の管路(注入内管6)から地上側へ排出されるのが好ましい(請求項4:図1〜図11)。
【0010】
或いは本発明において、注入孔(H)が水平方向よりも下方に傾斜しており、前記セメントグラウト(M2)は二重管(20)として構成された注入管の内側の管路(注入内管6)から供給され、注入孔(H)内に残留した溶液グラウト(M1)は二重管(20)として構成された注入管の外側の管路(注入外管1)から地上側へ排出されるのが好ましい(請求項5:図12〜図22)。
【発明の効果】
【0011】
上述する構成を具備する本発明によれば、地盤や岩盤(G)に対する浸透性が良好な溶液グラウト(M1)を、改良するべき地盤、岩盤(G)に注入し、注入した後の注入孔(H)を、セメントグラウト(M2)で閉塞している。
そのため、注入された溶液グラウト(M1)に地下水圧や土圧が作用しても、注入孔がセメントグラウト(M2)で閉塞されているので、溶液グラウト(M1)が注入孔(H)を経由して逆流してしまうことはない。
そして、セメントグラウト(M2)は強度が高いので、土圧や地下水圧、岩盤の圧力に対しても、十分に耐えることが出来て、溶液グラウト(M1)の逆流を阻止することが出来る。
【0012】
すなわち、本発明によれば、溶液グラウト(M1)を注入して改良を行い、且つ、溶液グラウト(M1)が注入領域(G)から地上側へ押し戻されてしまうことを防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
第1実施形態は、いわゆる「1.5ショット」の薬液を混合した溶液グラウトを、改良するべき地盤中に対して注入しており、注入孔が水平方向よりも上方に傾斜している場合に行われる。
ここで、いわゆる「1.5ショット」は、ゲルタイムの長い2液(溶液A、溶液B)を、注入孔よりも地上側の領域で混合して、孔内の所定深度まで送り込む方式を意味している。
【0014】
工程自体は図示されていないが、図1で示す工程に先行して、地表、例えば法面Fから地盤Gの改良すべき領域近傍まで、注入孔Hを削孔する。
ここで、注入孔Hの削孔工程(図示せず)については、公知の態様で行われる。
【0015】
図1に基づいて、二重管20について説明する。
二重管20は、注入外管1とリターン管(以下、注入内管と言う)6とで構成される。注入内管6は、注入外管1の内部への挿通と、注入外管1の内部からの引き抜きが可能である様に構成されている。
【0016】
注入外管1は管本体1aを備え、管本体1a地上側端部には外管閉塞用のバルブ2が設けられていると共に、プリベンタ3が取付けられている。図4を参照して後述するが、プリベンタ3は、注入内管6を引き抜く際において、注入外管1の外周面を伝ってセメントグラウトM2が漏洩してしまうことを防止するために設けられている。
【0017】
プリベンタ3の外周部には、マニホールド31が形成されている。
マニホールド31は、注入外管1と直交する方向に延在する幹部32と、枝部33とを有しており、枝部33は、幹部32の途中から幹部32に直交する方向に延在している。
幹部32の先端部には、開閉バルブ34を介して、チューブ4が接続されるように構成されている。枝部33の先端には、圧力ゲージ5が取付けられている。
【0018】
注入内管6は、注入内管6の地上側端部にマニホールド7が接続金具71によって取付けられている。マニホールド7は、注入内管6の長手方向に延在する幹部72と、幹部72に直交する方向に延在する枝部73を有している。幹部72の端部には内管閉塞用のバルブ8が介装され、そのバルブ8にチューブ9が接続可能に構成されている。
枝部73の先端には圧力ゲージ10が取付けられている。
【0019】
注入工法を施工するに際しては、図1で示す工程では、注入孔H内に、二重管20として構成された注入管を挿入する。そして、二重管20の注入外管1の先端近傍に設けられているパッカ11を膨張して、注入孔Hから液体が漏出しない様にしている。
【0020】
次に、溶液グラウトM1を、地上側の図示しない供給装置から、チューブ4、プリベンタ3、注入外管1を介して、注入孔H内に注入する。ここで、溶液グラウトM1は溶液MAと、溶液MBとを混合した混合物であり、溶液MAと溶液MBは、チューブ4を流れる時点で既に混合されている。
注入孔H内に注入された溶液グラウトM1は、注入孔Hから、改良するべき地盤G中に浸透する。
図1において、符号Eは、溶液グラウトM1が浸透した地盤中の領域を示している。
なお、溶液グラウトM1は、注入内管6から注入することも可能である。
【0021】
図2で示す工程では、図示しない地上側のセメントグラウト供給装置によって、チューブ4を経由して、注入外管1から注入孔H内にセメントグラウトM2を注入する。
セメントグラウトM2を注入すると、注入内管6と注入外管1との間に存在している溶液グラウトM11は、セメントグラウトM2により押圧されて、注入内管6を介して地上側に排出される。すなわち、注入内管6と注入外管1との間に存在している溶液グラウトM11は、セメントグラウトM2により置換される。
【0022】
注入内管6に残存している溶液グラウトM12も、セメントグラウトM2を注入する際に、注入内管6を介して、地上側へ排出される。
注入内管6に残存している溶液グラウトM12と、注入内管6と注入外管1との間に存在している溶液グラウトM11は、余剰な溶液グラウトである。そして、係る余剰な溶液グラウトは、セメントグラウトM2を注入することにより、地上側へ排出されるのである。
【0023】
図3でしめす工程では、余剰グラウトが排出され、セメントグラウトM2が注入内管6内を充填した後、注入内管6からセメントグラウトM2が排出される。セメントグラウトM2が排出されたことを確認したら、注入内管6を地上側へ徐々に引き抜く(図3における矢印YLの動作)。
注入内管6を地上側へ引き抜く際に、プリベンタ3がセメントグラウトM2の漏出を防ぎ、注入孔H内の圧力は維持される。
【0024】
図4で示す工程において、セメントグラウトM2が注入孔最深部Htからパッカ11を介装した箇所Hpまで充填されたならば、注入内管6を注入外管1から引き抜き、その後、外管閉塞用のバルブ2を閉じて、プリベンタ3を外管1から取り外す。
【0025】
プリベンタ3を外管1から取り外した段階では、セメントグラウトM2は固化していない場合があるので、パッカ11は膨張した状態を維持する。セメントグラウトM2は、パッカ11と、外管閉塞用のバルブ2により、流出が防止される。
ここで、セメントグラウトM2は、注入外管1の内側には注入可能であるが、地盤G中には浸透し難い。そのため、セメントグラウトM2は、注入孔H内に充填された状態を維持する。
【0026】
セメントグラウトM2が固化(養生)した後、パッカ30を収縮し、セメントグラウトM2が充填されている注入外管1を引き抜く。図5は、パッカ11が撤去され、注入外管1が注入孔Hから引き抜かれた状態を示している。
【0027】
図1〜図5で示す第1実施形態によれば、図1で示す工程において、溶液グラウトM1は、注入外管1から、改良するべき地盤G中に浸透・注入される。
注入された溶液グラウトM1に対して、地下水圧や土圧、岩盤の反復力が作用して、溶液グラウトM1が逆流しようとしても、注入孔H内部に充填されたセメントグラウトM2がプラグ(栓)として作用するので、溶液グラウトM1が逆流することが防止される(溶液グラウトM1は逆流できない)。
その結果、浸透性が良好な溶液グラウトM1を改良するべき地盤G中に注入した際に、地下水圧や土圧、岩盤の反復力が作用して、溶液グラウトM1が逆流することを確実に防止することが可能となる。
【0028】
図6〜図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図6〜図11の第2実施形態は、いわゆる「2ショット」の薬液NA、NBを混合した溶液グラウトNを、改良するべき地盤G中に対して注入しており、注入孔Hが水平方向よりも上方に傾斜している場合に適用される。
【0029】
「2ショット」の薬液Nは、ゲルタイムが短い2種類の薬液NA、NBであり、注入孔H内で混合する。
ゲルタイムが長い2種類の薬液を用いる第1実施形態のように、ゲルタイムが短い2種類の薬液NA、NBを注入内管6や注入外管1で混合してしまうと、注入するべき地盤Gに到達する以前の段階で固化してしまう恐れが存在する。
そのため、図6で示す工程では、一方の薬液NAをチューブ9経由で、注入内管6から注入孔H内に供給し、他方の薬液NBをチューブ4経由で、注入外管1から注入孔H内に供給している。そして、注入孔H内で薬液NAと薬液NBとを混合している。図6において、薬液NAと薬液NBとを混合した溶液グラウトは、符号Nで示されている。
【0030】
溶液グラウトNの注入が行われた後、図7で示す工程では、セメントグラウトM2を注入する以前の段階で、内管閉塞用のバルブ8を閉じた状態で、注入内管6を注入孔Hの最深部Htに向けて挿入する(図7における矢印YRの動作)。
この時、プリベンタ3の開閉バルブ34を閉鎖されている。
【0031】
図8で示す工程では、セメントグラウトM2によって余分なグラウトNと置換するべく、チューブ4及び注入外管1を経由して、セメントグラウトM2を注入孔Hの下方から上方へ充填する。
セメントグラウトM2を注入孔Hの下方から上方へ充填する際に、注入孔Hの上方に位置した注入内管6先端から、余剰の溶液グラウトNが、注入内管6を介して排出される。
【0032】
余剰の溶液グラウトNが注入内管6を介して排出されたならば、図9で示す工程を行う。
図9において、注入内管6からセメントグラウトM2の排出を確認したならば、注入内管閉塞用のバルブ8を閉じた状態で、注入内管6を注入外管1から徐々に引き抜く(図9における矢印YLの動作)。
この時、プリベンタ3がセメントグラウトM2の漏出を防ぎ、注入孔H内の圧力が維持される。
【0033】
注入内管6を完全に引き抜いたら、図10で示す様に、注入外管1の閉塞用バルブ2を閉じて、プリベンタ3を取り外す。
図10で示す状態でセメントグラウトM2が固化するまで待機し、セメントグラウトM2が固化したならば、図11で示す工程において、パッカ11を収縮して、注入孔Hから取り外す。
【0034】
図12〜図16は本発明の第3実施形態を示す。
第3実施形態は、第1実施形態と同様に、いわゆる「1.5ショット」の溶液グラウトM1を、改良するべき地盤G中に対して注入する実施形態である。ただし、第1実施形態では、注入孔Hが水平方向よりも上方に傾斜しているが、第3実施形態では、注入孔Hが水平方向よりも下方に傾斜している。
【0035】
第3実施形態の施工にあたって、先ず、1.5ショットの薬液MA、MBが注入外管1から注入される(図12の工程)。そして、注入内管6からセメントグラウトM2が注入される(図13の工程)。セメントグラウトM2が注入されることにより、余剰の溶液グラウトM1は注入外管1を経由して排出される。
注入内管6からセメントグラウトM2が注入される点で、第3実施形態は、第1実施形態(薬液MA、MB及びセメントグラウトM2が注入外管1から注入される:図1、図2参照)と異なっている。
なお、図12、図13の工程では、注入内管6の先端6tは注入孔Hの最深部Ht近傍まで挿入されている。
【0036】
図14で示す工程において、注入外管1からセメントグラウトM2の排出を確認したならば、プリベンタ3の開閉バルブ34を閉じ、注入内管6を注入外管1から徐々に引き抜く(図14における矢印YLの動作)。
この段階で、余剰の溶液グラウトM1はセメントグラウトM2により、注入孔Hから完全に排出されている。
【0037】
第3実施形態における図15、図16の工程の内容は、第1実施形態における図4、図5の工程の内容と概略同様である。
【0038】
図17〜図22は本発明の第4実施形態を示す。
第4実施形態は、第2実施形態と同様に、いわゆる「2ショット」の溶液グラウトNを、改良するべき地盤G中に対して注入する実施形態である。
ただし、第2実施形態では、注入孔Hが水平方向よりも上方に傾斜しているが、第4実施形態では、注入孔Hが水平方向よりも下方に傾斜している。
【0039】
第2実施形態では、図8の工程を参照して説明したように、セメントグラウトM2を注入して余剰の溶液グラウトNを排出する際に、セメントグラウトM2は注入外管1から注入され、余剰の溶液グラウトNが注入内管6先端から排出されている。
これに対して第4実施形態では、図19で示す様に、セメントグラウトM2を注入して余剰の溶液グラウトNを排出する際に、セメントグラウトM2は注入内管6から注入され、溶液グラウトNが注入外管1から排出されている。
【0040】
注入孔Hの先端が下側を向いている第4実施形態においては、注入孔最深部Htまで挿入した注入内管6の先端6tが、注入外管先端1tよりも下方に位置している。そして、セメントグラウトM2で余剰な溶液グラウトNを置換するためには、下方からセメントグラウトM2を充填することが好ましい。そのため、セメントグラウトM2を下方(注入内管6先端)から注入し、溶液グラウトNを上方(注入外管1先端)から排出しているのである。
【0041】
図17、図18、図20〜図22で示す第4実施形態の工程については、対応する第2実施形態の工程(図6、図7、図9〜図11)と同様である。
【0042】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態の溶液グラウト注入工程を示した工程図。
【図2】第1実施形態のセメントグラウトの注入工程を示した工程図。
【図3】第1実施形態の注入内管引き抜き工程を示した工程図。
【図4】第1実施形態のプリベンタ取り外し工程を示した工程図。
【図5】第1実施形態のパッカ取り外し工程を示した工程図。
【図6】本発明の第2実施形態の溶液グラウト注入工程を示した工程図。
【図7】第2実施形態の注入内管の注入孔奥への挿入を示した工程図。
【図8】第2実施形態のセメントグラウトの注入工程を示した工程図。
【図9】第2実施形態の注入内管引き抜き工程を示した工程図。
【図10】第2実施形態のプリベンタ取り外し工程を示した工程図
【図11】第2実施形態のパッカ取り外し工程を示した工程図。
【図12】本発明の第3実施形態の溶液グラウト注入工程を示した工程図。
【図13】第3実施形態のセメントグラウトの注入工程を示した工程図。
【図14】第3実施形態の注入内管引き抜き工程を示した工程図。
【図15】第3実施形態のプリベンタ取り外し工程を示した工程図。
【図16】第3実施形態のパッカ取り外し工程を示した工程図。
【図17】本発明の第4実施形態の溶液グラウト注入工程を示した工程図。
【図18】第4実施形態の注入内管の注入孔奥への挿入を示した工程図。
【図19】第4実施形態のセメントグラウトの注入工程を示した工程図。
【図20】第4実施形態の注入内管引き抜き工程を示した工程図
【図21】第4実施形態のプリベンタ取り外し工程を示した工程図。
【図22】第4実施形態のパッカ取り外し工程を示した工程図。
【符号の説明】
【0044】
1・・・注入外管
2・・・外管閉塞用バルブ
3・・・プリベンタ
4・・・チューブ
5・・・圧力ゲージ
6・・・注入内管/リターンチューブ
7・・・マニホールド
8・・・内管閉塞用バルブ
9・・・チューブ
10・・・圧力ゲージ
11・・・パッカ
20・・・二重管
31・・・マニホールド
M1・・・溶液グラウト
M2・・・セメントグラウト
N・・・溶液グラウト
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶液グラウトを注入して、地盤や岩盤を改良する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤・岩盤を改良する際に用いられる溶液グラウトは、1〜5kg/cm2程度の強度であり、セメントグラウトと比較して、その強度は低い。
そのため、溶液グラウトを地盤・岩盤に注入、浸透した場合において、地下水圧や、溶液グラウトを注入された岩盤が元に戻ろうとする力により、注入された溶液グラウトが押し戻されて、逆流してしまうことがある。そして、逆流した場合には、注入した溶液グラウトが無駄になってしまうと共に、注入孔から地上側へ押し戻されてしまう結果として、作業現場を汚染してしまう、という問題を有している。
【0003】
そのため、溶液グラウトを注入して改良を行う際に、溶液グラウトが注入領域から地上側へ押し戻されてしまうことを防止したい、という要請が従来から存在している。
しかし、現時点では、係る要請に応えることが出来る技術は提案されていない。
【0004】
その他の従来技術として、複数の注入ポイントにおける地盤注入液の加圧状況を、一括して管理することが出来るシステムが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、この様な従来技術(特許文献1)では、溶液グラウトを注入して改良を行う際に、溶液グラウトが注入領域から地上側へ押し戻されてしまうことを防止するものではない。そのため、上述した要請に応えることは出来ない。
【特許文献1】特開2002−256542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、溶液グラウトを注入して改良を行った後に、溶液グラウトが注入領域から地上側へ押し戻されてしまうことを防止することが出来る注入工法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の注入工法は、注入孔(H)を削孔する工程と、二重管(20)として構成された注入管(注入内管6、注入外管1の何れか)を用いて溶液グラウト(M1)を注入孔(H)内に供給し、以って、改良するべき領域(G)に溶液グラウト(M1)を注入する工程と、注入管(注入内管6、注入外管1の何れか)を用いてセメントグラウト(M2)を注入孔(H)内に供給し、供給されたセメントグラウト(M2)により注入孔(H)内に残留した溶液グラウト(M1)を置換(注入孔H内に残留した溶液グラウトM1を地上側に排出)し、以って、注入孔(H)内をセメントグラウト(M2)で充填する工程、とを有することを特徴としている(請求項1)。
【0007】
本発明において、前記溶液グラウト(M1)は2種類の材料(A液及びB液)を混合して製造されるゲルタイムの長い薬液であり(いわゆる「1.5ショット」)、該2種類の材料(A液及びB液)は注入管6の内部で混合されるのが好ましい(請求項2:図1〜図5、図12〜図16)。
【0008】
また本発明において、前記溶液グラウト(M1)は2種類の材料(A液及びB液)を混合して製造されるゲルタイムの短い薬液であり(いわゆる「2ショット」)、該2種類の材料(A液及びB液)は注入孔(H)内で混合されるのが好ましい(請求項3:図6〜図11、図17〜図22)。
【0009】
ここで、本発明において、注入孔(H)が水平方向よりも上方に傾斜しており、前記セメントグラウト(M2)は二重管(20)として構成された注入管の外側の管路(注入外管1)から供給され、注入孔(H)内に残留した溶液グラウト(M1)は二重管(20)として構成された注入管の内側の管路(注入内管6)から地上側へ排出されるのが好ましい(請求項4:図1〜図11)。
【0010】
或いは本発明において、注入孔(H)が水平方向よりも下方に傾斜しており、前記セメントグラウト(M2)は二重管(20)として構成された注入管の内側の管路(注入内管6)から供給され、注入孔(H)内に残留した溶液グラウト(M1)は二重管(20)として構成された注入管の外側の管路(注入外管1)から地上側へ排出されるのが好ましい(請求項5:図12〜図22)。
【発明の効果】
【0011】
上述する構成を具備する本発明によれば、地盤や岩盤(G)に対する浸透性が良好な溶液グラウト(M1)を、改良するべき地盤、岩盤(G)に注入し、注入した後の注入孔(H)を、セメントグラウト(M2)で閉塞している。
そのため、注入された溶液グラウト(M1)に地下水圧や土圧が作用しても、注入孔がセメントグラウト(M2)で閉塞されているので、溶液グラウト(M1)が注入孔(H)を経由して逆流してしまうことはない。
そして、セメントグラウト(M2)は強度が高いので、土圧や地下水圧、岩盤の圧力に対しても、十分に耐えることが出来て、溶液グラウト(M1)の逆流を阻止することが出来る。
【0012】
すなわち、本発明によれば、溶液グラウト(M1)を注入して改良を行い、且つ、溶液グラウト(M1)が注入領域(G)から地上側へ押し戻されてしまうことを防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
先ず、図1〜図5を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
第1実施形態は、いわゆる「1.5ショット」の薬液を混合した溶液グラウトを、改良するべき地盤中に対して注入しており、注入孔が水平方向よりも上方に傾斜している場合に行われる。
ここで、いわゆる「1.5ショット」は、ゲルタイムの長い2液(溶液A、溶液B)を、注入孔よりも地上側の領域で混合して、孔内の所定深度まで送り込む方式を意味している。
【0014】
工程自体は図示されていないが、図1で示す工程に先行して、地表、例えば法面Fから地盤Gの改良すべき領域近傍まで、注入孔Hを削孔する。
ここで、注入孔Hの削孔工程(図示せず)については、公知の態様で行われる。
【0015】
図1に基づいて、二重管20について説明する。
二重管20は、注入外管1とリターン管(以下、注入内管と言う)6とで構成される。注入内管6は、注入外管1の内部への挿通と、注入外管1の内部からの引き抜きが可能である様に構成されている。
【0016】
注入外管1は管本体1aを備え、管本体1a地上側端部には外管閉塞用のバルブ2が設けられていると共に、プリベンタ3が取付けられている。図4を参照して後述するが、プリベンタ3は、注入内管6を引き抜く際において、注入外管1の外周面を伝ってセメントグラウトM2が漏洩してしまうことを防止するために設けられている。
【0017】
プリベンタ3の外周部には、マニホールド31が形成されている。
マニホールド31は、注入外管1と直交する方向に延在する幹部32と、枝部33とを有しており、枝部33は、幹部32の途中から幹部32に直交する方向に延在している。
幹部32の先端部には、開閉バルブ34を介して、チューブ4が接続されるように構成されている。枝部33の先端には、圧力ゲージ5が取付けられている。
【0018】
注入内管6は、注入内管6の地上側端部にマニホールド7が接続金具71によって取付けられている。マニホールド7は、注入内管6の長手方向に延在する幹部72と、幹部72に直交する方向に延在する枝部73を有している。幹部72の端部には内管閉塞用のバルブ8が介装され、そのバルブ8にチューブ9が接続可能に構成されている。
枝部73の先端には圧力ゲージ10が取付けられている。
【0019】
注入工法を施工するに際しては、図1で示す工程では、注入孔H内に、二重管20として構成された注入管を挿入する。そして、二重管20の注入外管1の先端近傍に設けられているパッカ11を膨張して、注入孔Hから液体が漏出しない様にしている。
【0020】
次に、溶液グラウトM1を、地上側の図示しない供給装置から、チューブ4、プリベンタ3、注入外管1を介して、注入孔H内に注入する。ここで、溶液グラウトM1は溶液MAと、溶液MBとを混合した混合物であり、溶液MAと溶液MBは、チューブ4を流れる時点で既に混合されている。
注入孔H内に注入された溶液グラウトM1は、注入孔Hから、改良するべき地盤G中に浸透する。
図1において、符号Eは、溶液グラウトM1が浸透した地盤中の領域を示している。
なお、溶液グラウトM1は、注入内管6から注入することも可能である。
【0021】
図2で示す工程では、図示しない地上側のセメントグラウト供給装置によって、チューブ4を経由して、注入外管1から注入孔H内にセメントグラウトM2を注入する。
セメントグラウトM2を注入すると、注入内管6と注入外管1との間に存在している溶液グラウトM11は、セメントグラウトM2により押圧されて、注入内管6を介して地上側に排出される。すなわち、注入内管6と注入外管1との間に存在している溶液グラウトM11は、セメントグラウトM2により置換される。
【0022】
注入内管6に残存している溶液グラウトM12も、セメントグラウトM2を注入する際に、注入内管6を介して、地上側へ排出される。
注入内管6に残存している溶液グラウトM12と、注入内管6と注入外管1との間に存在している溶液グラウトM11は、余剰な溶液グラウトである。そして、係る余剰な溶液グラウトは、セメントグラウトM2を注入することにより、地上側へ排出されるのである。
【0023】
図3でしめす工程では、余剰グラウトが排出され、セメントグラウトM2が注入内管6内を充填した後、注入内管6からセメントグラウトM2が排出される。セメントグラウトM2が排出されたことを確認したら、注入内管6を地上側へ徐々に引き抜く(図3における矢印YLの動作)。
注入内管6を地上側へ引き抜く際に、プリベンタ3がセメントグラウトM2の漏出を防ぎ、注入孔H内の圧力は維持される。
【0024】
図4で示す工程において、セメントグラウトM2が注入孔最深部Htからパッカ11を介装した箇所Hpまで充填されたならば、注入内管6を注入外管1から引き抜き、その後、外管閉塞用のバルブ2を閉じて、プリベンタ3を外管1から取り外す。
【0025】
プリベンタ3を外管1から取り外した段階では、セメントグラウトM2は固化していない場合があるので、パッカ11は膨張した状態を維持する。セメントグラウトM2は、パッカ11と、外管閉塞用のバルブ2により、流出が防止される。
ここで、セメントグラウトM2は、注入外管1の内側には注入可能であるが、地盤G中には浸透し難い。そのため、セメントグラウトM2は、注入孔H内に充填された状態を維持する。
【0026】
セメントグラウトM2が固化(養生)した後、パッカ30を収縮し、セメントグラウトM2が充填されている注入外管1を引き抜く。図5は、パッカ11が撤去され、注入外管1が注入孔Hから引き抜かれた状態を示している。
【0027】
図1〜図5で示す第1実施形態によれば、図1で示す工程において、溶液グラウトM1は、注入外管1から、改良するべき地盤G中に浸透・注入される。
注入された溶液グラウトM1に対して、地下水圧や土圧、岩盤の反復力が作用して、溶液グラウトM1が逆流しようとしても、注入孔H内部に充填されたセメントグラウトM2がプラグ(栓)として作用するので、溶液グラウトM1が逆流することが防止される(溶液グラウトM1は逆流できない)。
その結果、浸透性が良好な溶液グラウトM1を改良するべき地盤G中に注入した際に、地下水圧や土圧、岩盤の反復力が作用して、溶液グラウトM1が逆流することを確実に防止することが可能となる。
【0028】
図6〜図11を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図6〜図11の第2実施形態は、いわゆる「2ショット」の薬液NA、NBを混合した溶液グラウトNを、改良するべき地盤G中に対して注入しており、注入孔Hが水平方向よりも上方に傾斜している場合に適用される。
【0029】
「2ショット」の薬液Nは、ゲルタイムが短い2種類の薬液NA、NBであり、注入孔H内で混合する。
ゲルタイムが長い2種類の薬液を用いる第1実施形態のように、ゲルタイムが短い2種類の薬液NA、NBを注入内管6や注入外管1で混合してしまうと、注入するべき地盤Gに到達する以前の段階で固化してしまう恐れが存在する。
そのため、図6で示す工程では、一方の薬液NAをチューブ9経由で、注入内管6から注入孔H内に供給し、他方の薬液NBをチューブ4経由で、注入外管1から注入孔H内に供給している。そして、注入孔H内で薬液NAと薬液NBとを混合している。図6において、薬液NAと薬液NBとを混合した溶液グラウトは、符号Nで示されている。
【0030】
溶液グラウトNの注入が行われた後、図7で示す工程では、セメントグラウトM2を注入する以前の段階で、内管閉塞用のバルブ8を閉じた状態で、注入内管6を注入孔Hの最深部Htに向けて挿入する(図7における矢印YRの動作)。
この時、プリベンタ3の開閉バルブ34を閉鎖されている。
【0031】
図8で示す工程では、セメントグラウトM2によって余分なグラウトNと置換するべく、チューブ4及び注入外管1を経由して、セメントグラウトM2を注入孔Hの下方から上方へ充填する。
セメントグラウトM2を注入孔Hの下方から上方へ充填する際に、注入孔Hの上方に位置した注入内管6先端から、余剰の溶液グラウトNが、注入内管6を介して排出される。
【0032】
余剰の溶液グラウトNが注入内管6を介して排出されたならば、図9で示す工程を行う。
図9において、注入内管6からセメントグラウトM2の排出を確認したならば、注入内管閉塞用のバルブ8を閉じた状態で、注入内管6を注入外管1から徐々に引き抜く(図9における矢印YLの動作)。
この時、プリベンタ3がセメントグラウトM2の漏出を防ぎ、注入孔H内の圧力が維持される。
【0033】
注入内管6を完全に引き抜いたら、図10で示す様に、注入外管1の閉塞用バルブ2を閉じて、プリベンタ3を取り外す。
図10で示す状態でセメントグラウトM2が固化するまで待機し、セメントグラウトM2が固化したならば、図11で示す工程において、パッカ11を収縮して、注入孔Hから取り外す。
【0034】
図12〜図16は本発明の第3実施形態を示す。
第3実施形態は、第1実施形態と同様に、いわゆる「1.5ショット」の溶液グラウトM1を、改良するべき地盤G中に対して注入する実施形態である。ただし、第1実施形態では、注入孔Hが水平方向よりも上方に傾斜しているが、第3実施形態では、注入孔Hが水平方向よりも下方に傾斜している。
【0035】
第3実施形態の施工にあたって、先ず、1.5ショットの薬液MA、MBが注入外管1から注入される(図12の工程)。そして、注入内管6からセメントグラウトM2が注入される(図13の工程)。セメントグラウトM2が注入されることにより、余剰の溶液グラウトM1は注入外管1を経由して排出される。
注入内管6からセメントグラウトM2が注入される点で、第3実施形態は、第1実施形態(薬液MA、MB及びセメントグラウトM2が注入外管1から注入される:図1、図2参照)と異なっている。
なお、図12、図13の工程では、注入内管6の先端6tは注入孔Hの最深部Ht近傍まで挿入されている。
【0036】
図14で示す工程において、注入外管1からセメントグラウトM2の排出を確認したならば、プリベンタ3の開閉バルブ34を閉じ、注入内管6を注入外管1から徐々に引き抜く(図14における矢印YLの動作)。
この段階で、余剰の溶液グラウトM1はセメントグラウトM2により、注入孔Hから完全に排出されている。
【0037】
第3実施形態における図15、図16の工程の内容は、第1実施形態における図4、図5の工程の内容と概略同様である。
【0038】
図17〜図22は本発明の第4実施形態を示す。
第4実施形態は、第2実施形態と同様に、いわゆる「2ショット」の溶液グラウトNを、改良するべき地盤G中に対して注入する実施形態である。
ただし、第2実施形態では、注入孔Hが水平方向よりも上方に傾斜しているが、第4実施形態では、注入孔Hが水平方向よりも下方に傾斜している。
【0039】
第2実施形態では、図8の工程を参照して説明したように、セメントグラウトM2を注入して余剰の溶液グラウトNを排出する際に、セメントグラウトM2は注入外管1から注入され、余剰の溶液グラウトNが注入内管6先端から排出されている。
これに対して第4実施形態では、図19で示す様に、セメントグラウトM2を注入して余剰の溶液グラウトNを排出する際に、セメントグラウトM2は注入内管6から注入され、溶液グラウトNが注入外管1から排出されている。
【0040】
注入孔Hの先端が下側を向いている第4実施形態においては、注入孔最深部Htまで挿入した注入内管6の先端6tが、注入外管先端1tよりも下方に位置している。そして、セメントグラウトM2で余剰な溶液グラウトNを置換するためには、下方からセメントグラウトM2を充填することが好ましい。そのため、セメントグラウトM2を下方(注入内管6先端)から注入し、溶液グラウトNを上方(注入外管1先端)から排出しているのである。
【0041】
図17、図18、図20〜図22で示す第4実施形態の工程については、対応する第2実施形態の工程(図6、図7、図9〜図11)と同様である。
【0042】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1実施形態の溶液グラウト注入工程を示した工程図。
【図2】第1実施形態のセメントグラウトの注入工程を示した工程図。
【図3】第1実施形態の注入内管引き抜き工程を示した工程図。
【図4】第1実施形態のプリベンタ取り外し工程を示した工程図。
【図5】第1実施形態のパッカ取り外し工程を示した工程図。
【図6】本発明の第2実施形態の溶液グラウト注入工程を示した工程図。
【図7】第2実施形態の注入内管の注入孔奥への挿入を示した工程図。
【図8】第2実施形態のセメントグラウトの注入工程を示した工程図。
【図9】第2実施形態の注入内管引き抜き工程を示した工程図。
【図10】第2実施形態のプリベンタ取り外し工程を示した工程図
【図11】第2実施形態のパッカ取り外し工程を示した工程図。
【図12】本発明の第3実施形態の溶液グラウト注入工程を示した工程図。
【図13】第3実施形態のセメントグラウトの注入工程を示した工程図。
【図14】第3実施形態の注入内管引き抜き工程を示した工程図。
【図15】第3実施形態のプリベンタ取り外し工程を示した工程図。
【図16】第3実施形態のパッカ取り外し工程を示した工程図。
【図17】本発明の第4実施形態の溶液グラウト注入工程を示した工程図。
【図18】第4実施形態の注入内管の注入孔奥への挿入を示した工程図。
【図19】第4実施形態のセメントグラウトの注入工程を示した工程図。
【図20】第4実施形態の注入内管引き抜き工程を示した工程図
【図21】第4実施形態のプリベンタ取り外し工程を示した工程図。
【図22】第4実施形態のパッカ取り外し工程を示した工程図。
【符号の説明】
【0044】
1・・・注入外管
2・・・外管閉塞用バルブ
3・・・プリベンタ
4・・・チューブ
5・・・圧力ゲージ
6・・・注入内管/リターンチューブ
7・・・マニホールド
8・・・内管閉塞用バルブ
9・・・チューブ
10・・・圧力ゲージ
11・・・パッカ
20・・・二重管
31・・・マニホールド
M1・・・溶液グラウト
M2・・・セメントグラウト
N・・・溶液グラウト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入孔を削孔する工程と、二重管として構成された注入管を用いて溶液グラウトを注入孔内に供給し、以って、改良するべき領域に溶液グラウトを注入する工程と、注入管を用いてセメントグラウトを注入孔内に供給し、供給されたセメントグラウトにより注入孔内に残留した溶液グラウトを置換し、以って、注入孔内をセメントグラウトで充填する工程、とを有することを特徴とする注入工法。
【請求項2】
前記溶液グラウトは2種類の材料を混合して製造されるゲルタイムの長い薬液であり、該2種類の材料は注入管の内部で混合される請求項1の注入工法。
【請求項3】
前記溶液グラウトは2種類の材料を混合して製造されるゲルタイムの短い薬液であり、該2種類の材料は注入孔内で混合される請求項1の注入工法。
【請求項4】
注入孔が水平方向よりも上方に傾斜しており、前記セメントグラウトは二重管として構成された注入管の外側の管路から供給され、注入孔内に残留した溶液グラウトは二重管として構成された注入管の内側の管路から地上側へ排出される請求項1〜3の何れか1項の注入工法。
【請求項5】
注入孔が水平方向よりも下方に傾斜しており、前記セメントグラウトは二重管として構成された注入管の内側の管路から供給され、注入孔内に残留した溶液グラウトは二重管として構成された注入管の外側の管路から地上側へ排出される請求項1〜3の何れか1項の注入工法。
【請求項1】
注入孔を削孔する工程と、二重管として構成された注入管を用いて溶液グラウトを注入孔内に供給し、以って、改良するべき領域に溶液グラウトを注入する工程と、注入管を用いてセメントグラウトを注入孔内に供給し、供給されたセメントグラウトにより注入孔内に残留した溶液グラウトを置換し、以って、注入孔内をセメントグラウトで充填する工程、とを有することを特徴とする注入工法。
【請求項2】
前記溶液グラウトは2種類の材料を混合して製造されるゲルタイムの長い薬液であり、該2種類の材料は注入管の内部で混合される請求項1の注入工法。
【請求項3】
前記溶液グラウトは2種類の材料を混合して製造されるゲルタイムの短い薬液であり、該2種類の材料は注入孔内で混合される請求項1の注入工法。
【請求項4】
注入孔が水平方向よりも上方に傾斜しており、前記セメントグラウトは二重管として構成された注入管の外側の管路から供給され、注入孔内に残留した溶液グラウトは二重管として構成された注入管の内側の管路から地上側へ排出される請求項1〜3の何れか1項の注入工法。
【請求項5】
注入孔が水平方向よりも下方に傾斜しており、前記セメントグラウトは二重管として構成された注入管の内側の管路から供給され、注入孔内に残留した溶液グラウトは二重管として構成された注入管の外側の管路から地上側へ排出される請求項1〜3の何れか1項の注入工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−2077(P2009−2077A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165104(P2007−165104)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(390036504)日特建設株式会社 (99)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(390036504)日特建設株式会社 (99)
【Fターム(参考)】
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