説明

注出システムおよび方法、並びにその射出器。

注出システムおよび方法、並びにその射出器を開示する。開示した注出システムは、手洗いに使用した時、水または他の供給ラインと連動する蛇口、および例えば供給ライン中に石鹸と水の混合液を作るために適用された、石鹸または他の物質を注出する装置を含んでいる。本システムは、蛇口の出口または他の出口から放出するために、二つの溶液を効果的に混ぜて完全に混ざった混合液にする強い渦を作るための、少なくとも一つの渦発生器を含む射出器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ここでその全体を参照している 2004年11月18日提出の米国特許仮出願第 60/629,065 番に対して優先権を主張するものである。
本発明は一般的に注出装置に関するものである。さらに詳しくは、二つの溶液を混合するために用いられる注出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このセクションで開示された背景技術は、法的に従来技術に含まれているという一般的な認識はない。
【0003】
液体石鹸および水などの二つの溶液を混合または注出することに関して、いろいろの関心または問題点が存在している。例えば、家庭、食堂、小売店、ホテル、病院の部屋等に関わらず、トイレや台所にあるものを含む従来の手洗用洗面器(hand cleaning basin)がある所では、液体手洗用石鹸の注出、取り扱い、保管および洗浄には共通の問題点がある。
【0004】
今日多くの商用施設では、赤外線検知器作動の非接触型蛇口および非接触型液体石鹸注出システムが設置されている。使用者およびトイレの清掃者の両方にとって、これは多くの美的および衛生的問題を軽減する助けとなっている。しかし、いくつかの適用については大きな欠点がいまだに存在している。
【0005】
手を洗う場合、使用者はしばしば液体石鹸注出器に近づいて、それを作動して石鹸を得る。液体石鹸を出すためには、押したり、引き上げたり、下げたりと多くの異なった一貫性のない動作が存在している。注出器が流し台(水槽)の側面に取り付けてある場合は、余分な石鹸が床やゴミ入れに滴り落ちることもある。十分で過剰ではない量の液体石鹸を得ることが、特に手動型システムではしばしば問題となっている。
【0006】
注出器が水槽(流し)の壁上、反対側または近くにある場合は、過剰の液体石鹸が流し台中または洗面台にこぼれ落ち、好ましくない、見苦しいしみを作ることもある。注出器が洗面台の上に位置していて、過剰の石鹸が好ましくない方法でその上に溜まることもある。どの場合も、多くの適用において、過剰石鹸の不注意なこぼれまたは溜まりが見苦しく、絶え間ない清掃と苛立ちの原因となる。
【0007】
Basic H ( Shaklee Corp., Pleasanton, CA ) のような濃縮液体石鹸は使用するのにずっと効率的で環境への汚染がすくない。製造、出荷および保管に影響する体積および重量が非常に減少するので、全体としての費用はより経済的になる。濃縮液体石鹸は水と素早く混ざり、容易に泡立ち、ずっと素早くすすぎ落とすことができるので、濃縮液体石鹸を使用することにより、水と時間を大きく節約することができる。
【0008】
The Centers for Disease Control and Prevention ( CDC ) によれば、手の正しい洗い方は最初に手をぬらし、その後石鹸を適用する。次に、手をこすり石鹸と水を混ぜ、全ての表面を洗浄し細菌を取り除く。最後に、手をよく洗い流し石鹸および細菌を取り除き、その後手を乾燥する。
【特許文献1】米国特許第 6,471,847 B2
【特許文献2】米国特許第 5,961,049 号
【特許文献3】米国特許第 5,114,048 号
【特許文献4】米国特許第 5,031,258 号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、多くの人達の洗い方は“間違っている”。最初に手に石鹸をつけ、その後水を流すが、これでは洗浄が始まる前に、大部分の石鹸をすぐに流してしまう。
【0010】
どちらの場合も、水と石鹸は別々の供給源から来ていて、連続的に適用され、手をこすることによって混ぜ合わされている。
【0011】
よくても、一般的な正しい方法には、少なくとも関連したある環境においては多くの問題点がある。水の表面張力が液体石鹸が裂け目や隙間に入るのを妨害、あるいは少なくとも阻止するので、最初に適用した水が、指の爪の下を含む大部分の手の表面をぬらし、石鹸がこれらの到達しにくい隙間に突き抜けて行くのを困難にしている。米国で用いられている標準的な試験方法は、露出した皮膚表面上の細菌の生存に焦点を置いた、外科用洗浄の効果を調べることである。指の爪の隙間は注意深い爪切りと洗浄によって試験からは除いた。手の爪下部分は高い濃度の細菌を溜めていることを研究は示唆している。ある環境下では、蛇口の中の水の通路は病原菌によって汚染していることがあり、その病原菌が検出されずにそこに留まり、洗浄している間に使用者に広がってくることもありうる。蛇口の内側に溜まった微生物は、激しく外から洗浄してもしばしば生き延びることがある。
【0012】
多くの手の洗浄液ではその大部分は、使用者が石鹸を注出する量をコントロールし易いように、またそれを手の周りに広げたり分散させたりする補助として加えられた増量剤である。濃縮石鹸は使用者に適切に洗浄するのに十分な溶液を適用しているという感触を与えないという心理的側面も存在している。容積、重量および粘度を増す増量剤は製造、輸送および保管の費用をも増している。増量剤はまた、手の上での溶液の混合をさらに難しく、時間を要するものにしている。いくつかの溶液は実際にはよく混ざらないため、洗い流しにもより長い時間を要し、結果として水を浪費している。その時、過剰の石鹸と水は我々の排水システムに流れ込み、生態学的に好ましくないものである。手全体を洗浄する工程を完了するのに時間が長くかかればかかるほど、手の洗浄は不適切に早く行うか、あるいは全くしなくなるものである。病院の健康管理者ですら、その工程があまり時間がかかると、手の洗浄をやめてしまうこともありうる。それ故、洗面器で洗うよりずっと便利なため、CDCは消毒剤ゲルの補足的使用を推進している。しかしながら、汚れとウイルスの除去のためには、通常の手の洗浄がなお必要である。
【0013】
石鹸および液体を水の流れの中に注出するいくつかのシステムが提案されている。「家庭用液体注出システム」と題する米国特許第 6,471,847 B2 には、家庭用水システムの出口を通して家庭用の液体を注出するためのシステムが記載されている。それはシャワー、浴槽、洗濯槽および流し台に利用できる。それは水の流れに溶液または石鹸を添加する速さと時間の両方を制御する、かなりの大きさで複雑な外部保管ユニットを持っている。
【0014】
そのシステムの中心点は石鹸を注出することであり、その工程の意識的な監視を必要としている。そのシステムは液体を水に加えるために、ベンチューリまたは重力供給システムのいづれかを利用している。どちらの場合も、水の圧力および流速は溶液の水に対する混合比に強く影響し、そのシステムを通る水のかなり高い流速に依存している。石鹸はスプレー・ヘッドなどの出口を出る前に、水と混合してはいけない。それ故、導入された石鹸の量および水との混合の度合いの両方を、少なくともいくつかの適用について変えることが可能である。
【0015】
「原料および空気の混合物を用いるシャワー・スプレー」と題する米国特許第 5,961,049 は上で引用した特許と同じ機能を達成しているが、ベンチューリ法のみを記載することによって限定されている。本システムは非常に小さい液体貯蔵チャンバを持っているが;混合物に空気を加えることもできる。
【0016】
石鹸と水を一緒に混合せず、近くに注出するより一般的な方法が、「内蔵型液体製品注出装置を持つ蛇口アセンブリ」と題する米国特許第 5,114,048 号に記載されている。特許の中で述べられているように、注出ブロックは蛇口アセンブリからの水の流れの近くに液体製品を注出する。本システムの長所は放出が洗面器を越えることであろう。
【0017】
「洗浄工程および作動方法」と題する米国特許第 5,031,258 号には、効率的な手の洗浄を可能にする全体的な水/石鹸放出動作を効率化するためのシステムが開示されている。それはまた、蛇口の端の別々の出口から石鹸および水を選択的に放出している。それ故、全く別々の水および石鹸の注出器を用いる現在のやり方に対して、以前に引用した特許と同様にその利点は限られている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のある実施例の記載を、付随する図面と共にして参照することによって、本発明の特徴およびそれを達成する方法は明らかになり、また本発明自体も最もよく理解されるであろう。
【0019】
ここの図に一般的に記載および図示されているように、実施例の要素はいろいろの異なった構図で配列およびデザインすることが出来ることは容易に理解できるであろう。それ故、図に示されているように、本発明のシステムの実施例、要素および方法についての次のさらに詳細な記述は、請求項で述べられているように、本発明の範囲を制限するように意図されたものではなく、本発明の実施例の単なる代表例にすぎない。
【0020】
方法およびシステムを開示する。それ故、射出器と同様に本発明の実施例に従って、手洗いに用いた場合、開示された注出システムは水または他の供給ラインと連結する蛇口および石鹸、または例えば供給ライン中で石鹸と水の混合物をつくるために採用された他の物質の注出装置を含んでいる。
【0021】
開示された方法およびシステムは、強い渦をつくるための少なくとも一つの渦発生装置を持つ射出器を含んでいて、これにより蛇口の出口または他の出口から注出するために、二つの溶液を効果的に混合し完全に混ざった混合液をつくる。
【0022】
本発明の開示された別の実施例によると、石鹸を供給するための容器、蛇口の水ライン中に石鹸を導入するための射出器、射出器に石鹸を供給するための容器および射出器と連結する石鹸ポンプ、および石鹸ポンプを制御するために備えられた駆動器を持つ、石鹸注出システムが備えられている。
【0023】
本発明の開示された実施例の別の側面によると、第一溶液の流れを加速し、第二溶液を導入するための穴または開口部を含む圧縮器を持つ、第一および第二溶液を混合するための射出器、圧縮器の上流に位置している第一渦発生器、および圧縮器の下流に位置している第二渦発生器が備えられている。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施例によると、洗面台でよく見られる石鹸の汚れをなくすことができる。手洗いが速く容易になり:ボタンを押すと石鹸水が蛇口から出てくる。洗い流しのために、同じ蛇口の下に手を保持すると自動的に水が流れる。これはまた、洗浄がより速く、より容易に、より効果的で、それ故実際にはより頻繁に洗浄を行うことにより、公衆衛生および衛生管理(一般の健康)上の問題を改善している。
【0025】
開示された実施例に従って用いると、慣れていない使用者は初めて蛇口に近づくと、従来の石鹸注出器(示していない)が無いのに気がついて一瞬ちゅうちょしてしまう。使用者がボタンまたは明白なセンサの付いた蛇口または洗面台上の “石鹸”という明瞭なラベルに気がついた時、使用者は何が起こるのかなと、ボタンを押そうとするか、またはセンサの上に手を差し出すであろう。石鹸液が蛇口から出て来た時、使用者はその流れの中に手を入れて試す前に一瞬ためらうが、それが石鹸であると外見および感触でわかると、通常の方法ですばやく洗浄を行うものである。もし使用者が不注意に手を動かして蛇口上の水作動センサに近づけすぎると、石鹸で洗い終わり洗い流す準備ができる前に、水が流れてしまう。
【0026】
しかしながら、水は出ずに、もし使用者が望むなら石鹸を追加できるのに十分な時間、すなわち約15秒程度の遅れがシステムの中に組み込まれている。使用者が蛇口の直ぐ下に手を保持し続けると水が出てくる、その時使用者は準備ができていて、素早く洗い流し、システムがどのように作動するかわかり満足し、次回からはちゅうちょしたり、その使用法について考えることはないであろう。
【0027】
本発明の実施例に従った手順を素早くこなし、またはとばすために、使用者が特にすることは無いので、使用者はその15秒間またはそのような時間の遅れを実際には石鹸で洗うことに費やせる。レストランなどのサービス施設で、そのシステムを利用する場合は、この時間の遅れは従業員が洗い流しサイクルが起こる前に、手に適切に石鹸を付けることを容易にしている。
【0028】
実際に使用する場合は、この15秒間は家庭または公衆トイレ施設では、好ましい以上に長いかもしれない。そのような所で使用する場合は、時間の遅れを7または8秒にできる。しかしながら、病院では15秒以上が好ましいであろう。
【0029】
本発明のある実施例によれば、石鹸/洗い流し工程は連続的に制御できる。その操作工程は:
1)水を出す;
2)水の流速および温度を調節する;
3)自動の石鹸/洗い流し工程を開始する;
4)素早く流水を止める;
5)抑制した水の流速で、決められた時間石鹸液を流す;
6)十分に洗える時間、石鹸液の流れを止める(水は無い、または石鹸液は流れる);そして
7)調整した水の流速および温度を再度設定する(石鹸を押す前に行う)。
【0030】
上記の自動工程には4段階があり、これは別の石鹸/洗い流し自動工程を開始することによってのみ中断できる。ある実施例によると、石鹸を出すのはタイミングが問題で、流速(水成分)は水だけの速度より小さい。水の流速が変化しても、石鹸の希釈率(水/石鹸比)は同じである。
【0031】
本発明の開示された実施例は、現在の手洗法に伴う多くの問題点を効果的に処理している。水/石鹸混合液は乾いた手に適用でき、容易にかつ素早く、実質的に全ての表面をぬらし、皮膚の隙間および爪の下に表面張力により引き込まれる。それは粘度が低いため非常に容易に流れ、十分に供給される。消毒作用はずっと完全で効果的である。その溶液はほんの一瞬で混合し拡散するため、ほとんどあるいは全く時間の浪費がない。もし用いるとすれば、消毒用手洗い溶液は蛇口中の水の通路を消毒できるであろう。濃縮石鹸をフィルターなしで使用できる。豊富な量の水/石鹸混合液はそれ自体で心理的に満足感を与える。商用、公共および家庭で使用する石鹸の少ない容量は、製造、輸送および貯蔵において重要な経済効果につながる。さらに効果的に適用できるため、石鹸の使用はより少なくなるであろう。混合し、洗浄し、洗い流すのに必要な手をこする時間を減少させることにより、水の節約もできる。全体の手洗い工程が短くなり、より便利で快適になるので、より効果的に行い、洗わずに済ますことがずっと少なくなるであろう。これは我々の公衆衛生および衛生管理を改善し、結果として健康によい結果をもたらす。
【0032】
いくつかの適用においては、別々でしばしば見苦しい石鹸注出器をなくすことが望まれている。また、石鹸注出器を水の蛇口自体から石鹸/水混合液を出すシステムで置き換えることが望ましいであろう。石鹸で洗った後に、洗い流しのために、蛇口は通常の方法で水を放出する。
【0033】
そのようなシステムは液体石鹸のよごれを無くし、それ故汚れた洗面台および床をきれいにする必要はなくなる。きれいな洗面台は使用者により好まれ、さらに多くの人達によって使用されるであろう。
【0034】
まとめると、これを使用することはより快適であり、魅力的で、衛生環境を改善するであろう。これにより良い洗浄作用およびさらに生態学的な健全さを伴う、より効果的な適用が生まれるであろう。開示された実施例では洗浄剤の使用量は少なく、ほとんどまたは全く添加物は使用していない。ある適用のためには、そのようなシステムおよび方法は水を節約する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1では、本発明の実施例を洗面台および洗面器(水溜)を見下ろしている使用者が通常見ているように示している。統合された石鹸および水注出システムは、蛇口20、水作動センサ22、および石鹸作動ボタン24を含んでいる。蛇口20は洗面台26の上および水溜28の近くに位置している。水作動センサ22は、使用者が洗浄または洗い流しのために、蛇口の下に手をかざした時、水を流すために蛇口の上に位置している。石鹸作動ボタン24は洗面台26の上に位置している。
【0036】
図5および図6Aにおいて、標準的システムおよび本発明の実施例を比較のために示している。図5の標準的システムは洗面台26の中に設置された蛇口20を含んでいる。蛇口20、標準的非接触型または自動水蛇口は水ライン38および光ファイバー・ケーブル40を含んでいる。蛇口20に水を供給する水ライン44は水ライン連結器42を介して水ライン38と連結している。反対に、6A図に示す実施例は水ライン連結器42の代わりに石鹸射出器46を含んでいる。石鹸射出器46は水ライン44を蛇口20の水ライン38と連結していて、また石鹸ライン48と連結している。
【0037】
図7Aでは、石鹸射出器46の詳細な内部を示している。石鹸射出器の底に、水ライン44から来る注入口78がある(図6A)。石鹸ライン48は注入口80で側面上に付いている。注入口80の直近で、それと並んで石鹸射出口82が存在する。石鹸射出器46の頭部に向かって、蛇口水ライン38に向かってつながる混合チャンバ83が存在する。
【0038】
図7Bにおいて、分解図は石鹸射出器46のさらなる詳細を示している。頭部に、ケース50と恒久的に付着した連結器52を持つキャップがある。これら二つの部品は逆時計回り渦発生器60、圧縮器58、および時計回り渦発生器54を内部に保持している。これらの内部部品は各々位置を持っているか、または部品が正しい位置に設置され、その配列を維持し、設置後回転しないように位置決定溝を持っている。これは、逆時計回り渦発生器60の上に位置決定溝72を、圧縮機58の上に位置決定溝74を、および時計回り渦発生器54の上に位置決定溝76を置くことによって達成される。
【0039】
図7Cでは、分解断面図は石鹸射出器46の詳細をさらに示している。逆時計回り渦発生器60は1セットの同一の逆時計回り渦発生器の羽根66を持っている。羽根66は同等に空いた間隔で、混合チャンバ83の内周の周りに配列されている。この渦発生器60は90°の角度で分けられた4個の羽根を含んでいる。羽根66はチャンバの中心を通って縦軸に対して一定の角度で設置されている。標準的な角度は約20°である。時計回り渦発生器54は1セットの時計回り渦発生器の羽根62を持っている。羽根62は、その羽根が渦発生器の縦軸に対して反対の角度で設置されていること以外は、逆時計回り渦発生器60中の羽根66と同じである。羽根62のためのこの角度はマイナス20°である。
【0040】
羽根62および66は渦発生器54および60の中心軸に対してそれぞれ約半分突き出ており、羽根の側面に対して垂直に見た場合、約1:1のアスペクト比(長さ対幅)を持っている。羽根62および66は、約10%および約30%の間の厚さのある流線型の断面を持っている。圧縮機58は、それぞれの端よりも中央でより小さい、滑らかに成形された内径である、ベンチュリ64を有している。キャップ52中の位置決定頭部68およびケース50中の位置決定頭部70は、部品が組み立てられた時、渦発生器および圧縮機中の位置決定溝中に納まるように成形されている。
【0041】
図7D−図7Fでは、渦発生器の羽根の異なった実施例を示している。図7Dは上記の4個の羽根渦発生器を示している。図7Eは代替の3個の羽根発生器61おおよび63を示している。各渦発生器61および63が3個の羽根65および67をそれぞれ含み、それは4個の羽根渦発生器62および66中の羽根62および66よりそれぞれやや大きい。
【0042】
図7Fは固定子およびストレーキ渦発生器を示している。渦発生器71は回転流を作るための角度のある刃77を持つ固定子75を含んでいる。渦発生器73は渦発生器73の内壁に沿って4個のストレーキ79を含んでいる。これらのストレーキ79は渦巻き流を中断または妨害していろいろの大きさの渦にし、流れ全体の回転を緩めながら、回転エネルギーを乱流に変換する。
【0043】
図8では、蛇口20、蛇口22上の水作動センサおよび石鹸作動センサまたはボタン98以外の構成要素は洗面台上にはなく、使用者には見えず触ることもできない。
【0044】
この迅速システムの外側からの圧力下で、水供給装源102は水を引き入れている。ソレノイド・バルブ96は水ライン103によって水供給源につながっていて、水作動センサ22からの信号、すなわち光ファイバー・ケーブル40を通して送られてくる信号を受け取る。ソレノイド・バルブ96はまた、光ファイバー・ケーブル94によって石鹸作動センサまたはボタン98から送られるような、電気モータ92からの信号を受け取る。
【0045】
変圧器104はソレノイド・バルブおよび電気モータを動かすための低電圧電流を供給する。送電ケーブル108は変圧器からソレノイド・バルブに走っていて、電力ケーブル106は変圧器から電気モータに走っている。水ライン44はソレノイド・バルブ96から石鹸射出器46に走り、石鹸ライン48と同様に、順に蛇口水ライン38に連結している。蛇口水ライン38は蛇口20で終わる。石鹸容器86は石鹸ライン88によって、電気モータ92によって稼動する石鹸ポンプ90に連結している。石鹸ライン48はポンプと射出器を連結する。石鹸作動センサまたはボタン98は光ファイバー・ケーブル100を通して電気モータに信号を送る。電気モータは石鹸ポンプに機械的に連結している。
【0046】
作動時には、統合された水および石鹸注出システムは出来るだけ真っ直ぐで、出来るだけ少なく通常の水だけを注出するようになっている石鹸注出機能を持っている。図1に示すように、蛇口20に付与された機能で、使用者に分かる唯一の証拠は洗面台26上の石鹸作動ボタン24であろう。水だけの蛇口を使うのと違う、またはそれに加えて使用者がすることは、石鹸作動ボタンを1回押すことだけである。使用者は蛇口からの石鹸水の流れの下に手を保持し、水溜28の上で手をこすり、蛇口20から手を少しはずすことである。洗い流しのためには、使用者は水作動センサ22の近くに手を持って行き、通常の方法で水を流す。
図6Aに示すように、洗面台26の下で、蛇口20に水ライン44を通して水が供給され、最初にその水を石鹸射出器46に運ぶ。石鹸射出器46に石鹸を供給するのは石鹸ライン48である。水および石鹸と水の混合液は、水ライン38によって石鹸射出器46から蛇口に運ばれる。信号は光ファイバー・ケーブル40を通して蛇口20から送られる。洗面台上から使用者が観察できる唯一の違いは、石鹸作動ボタン、およびボタンを押した時、石鹸混合液が数秒間蛇口から出てくるという事実だけである。
【0047】
図7Aから図7Cに示す石鹸射出器46は注入口78を通して流れる通常の水流に最小の抵抗を提供するが、石鹸が注入口80からその中に射出される時、濃縮石鹸を水の中に完全に混ぜる。石鹸射出器46に入る水は、1セットの時計回り渦発生器62にぶつかる。羽根62は水の一般的な時計回り渦巻作用および乱流の両方、すなわち渦を開始し、これは羽根の下流側から(水流分離)および羽根の先端から射出器46の中心に向かって流れる。
【0048】
生じた乱流は大きい渦と小さい渦の両方を伴い、層流をこわし、下流に運ばれベンチュリ64の中に入り、そこで石鹸射出器の穴82を通る時に、流れが加速する。石鹸が流れの中に射出されると、乱流と水の渦によって分離し、反時計回り渦発生器の羽根66を通して運ばれる間にさらに混ざる。これらの羽根66はいきなり水の渦に反対の方向性を与え、第一セットの羽根にぶつかった時そうであるように、水流はすでに層流ではなくすでに乱流になっているので、第一セットの羽根によって起こされるさらに厳しい乱流によって石鹸をさらにバラバラにする。
【0049】
羽根は圧力下で石鹸射出器に入る水に含まれるエネルギーの一部を、いろいろのタイプおよび大きさの回転運動に変換し、石鹸と水とを効果的に混ぜ合わせる。
混合は下流の混合チャンバ83中でも続き、ある程度、蛇口の注出ノズルまでの全経路で続いている。射出器を通る水の流速は流形にかなり影響を及ぼし、高速ではより激しく、低速ではより緩やかである。より低速では、より緩やかな乱流が混合を加速するより持続する渦巻きによって補われ、それ故結果として蛇口から出る流れは常に完全に混ざったものである。
【0050】
渦発生器が存在しないと、ある流れの条件下では、石鹸の流れがそのままで、層流の形で蛇口から出てしまい、水とほとんど、あるは全く混ざっていないことも起こり得る。それ故、水に石鹸をただ入れるだけでは、完全に混ざっているという保証はない。
【0051】
ベンチューリは石鹸射出口または開口部からの石鹸の洗浄を加速し、それ故石鹸/水が流れた後、水だけの流れには最小または少量の石鹸残渣が、流れの開始時でさえ残っている。
【0052】
図8の系統図は、システムの全ての成分がどのように機能しているかを示している。水は水供給源102からのライン圧でシステムの中に入る。蛇口への途中では、使用者がシステムを作動しない限り、通常は停止の状態であるソレノイド・バルブ96によって、水は絞られている。使用者が水作動センサ22を止めたり、洗面台上の石鹸作動ボタンまたはセンサ98を作動した時に、これは起こる。石鹸作動ボタンまたはセンサ98がボタンであるかセンサであるかは、システムの内部機能には影響せず、使用者が外からシステムをどのように動かすかにのみ影響する。
【0053】
使用者が石鹸ボタンを押すかまたは作動することにより、システムを動かした時、信号は光ファイバー・ケーブル100を通して電気モータ94に伝達され、順に石鹸ポンプ90を稼動する。石鹸は石鹸ラインを通して射出器46に送られ、そこで蛇口に向かう普通の水の流れに導入される。石鹸ポンプは石鹸ライン88によって、濃縮液体石鹸、消毒剤または洗浄液を石鹸容器86から受け取る。電気モータは、マイクロプロセッサまたはタイミングを合わせる装置などの制御回路と連動していて、石鹸作動ボタンからの信号を受け取った時、どのくらい長く、およびどのくらい速くモータを動かすかを決定する。
【0054】
電気モータはまたソレノイド・バルブに“作動”信号を送り、電気モータが作動しているのとだいたい同じ時間ソレノイド・バルブを開いていて、それ故二つの液体が混ざる射出器に水ラインを通して水が流れる。稼動時間が終了すると、システムは閉じる。ソレノイド・バルブおよび石鹸ポンプの両方について、作動時間および流速は、異なった石鹸の使用、異なった使用要求等から発生する各種の使用法に合うようにプログラムされている。石鹸/水混合液は通常理想的な混合状態を作るような比率になっていて、瞬時の手洗いとその後の洗い流しを可能にしている。ソレノイド・バルブおよび石鹸ポンプを通る流速は、水圧には関係なく、石鹸と水が一定の比率になるようにプログラムされている。
【0055】
石鹸容器はシステムの要求に従って、再充填または取替えが可能である。システムが作動する別の方法は従来の方法で、システムは、使用者が蛇口22上の水作動センサを始動する事に答えてのみ水を放出する、すなわちこの始動により、信号がソレノイド・バルブに送られ、それを開き、射出器を通しておよび蛇口から水が流れるようにする。水の流速は水だけのためであり、水/石鹸混合液とは異なっており、混合液の流速は実質的にかなり低い流速であってもよい。
【0056】
石鹸作動ボタンまたはセンサは、システムの作動時に少なくとも一つの手は、蛇口からの水流から外れているように配置されている。石鹸射出器と蛇口の出口との間の蛇口の中にある水のために、最初の数秒の水流は水のみで、石鹸は含まれていない。病院のような環境では最大の洗浄効率が必要なので、石鹸/水の流れを作動させた後で、最初の数秒間流れる間は、使用者はどちらかの手を蛇口の下に置くべきではない。そのようにして、全ての溶液と接触する手は、石鹸/水混合液に浸され、全ての表面および割れ目は石鹸液で濡れている状態になる。
【0057】
通常、石鹸ポンプはソレノイド・バルブ96で制御されているので、水が流れる前に、石鹸射出器と蛇口の端の間の水ラインから、石鹸が噴出し洗浄するように石鹸ポンプは少し止まる。次回システムが作動して水のみを注出し、実質的に石鹸液は蛇口から出てこないために、これが必要である。洗浄のために個々の蛇口施設を使う使用者が、水だけを使用するためにそれを使う次の使用者と同じということは考えられない。最初の使用者は一つの蛇口から離れて、別の蛇口に行くのには多くの理由がある。
【0058】
使用者が作動する時はいつでも、たとえ水がすでに流れていても、石鹸混合液は流れ始め、水作動センサ22からの信号によって開始する。電気モータからソレノイド・バルブに送られた信号は、水作動センサからの信号を無効にする停止信号として作用する。このように、両方の水/石鹸混合液は流れ始め、水流の速度はソレノイド・バルブによって、より低い石鹸/水流速度に押さえられる。
【0059】
図2および図3に、本発明の二つの実施例を示している。図2および図3中での実施例は、石鹸作動ボタンまたはセンサの位置の違いで、図1の実施例とは異なっている。それ故、図8の系統図は図2および図3の両方の実施例にも適用している。図2では、石鹸作動ボタン30は蛇口20の上にあり、図1のように洗面台の上ではない。図3では、図2の石鹸作動ボタン30は石鹸作動センサ32によって置き換えられている。図8の系統図の中で石鹸作動センサまたはボタン98と呼ばれるような作動器の位置とタイプは、図1−図3中に示す3つの実施例とは異なっている。図式が強調しているように、3個の実施例は機能的には同じである。
【0060】
同様に、図1−図3に示すように、図9はまた本発明の3つの実施例を示している。上の洗面台構成要素は各実施例で同じであるが、他の構成要素のいくつかは異なっている。例えば、図8に示すシステムの特徴は石鹸ポンプ90を稼動する電気モータ92であるが、一方図9に示すシステムの特徴は石鹸ポンプ90を稼動する水圧モータ110である。図9に示すシステムはまた、第二ソレノイド・バルブ114が付加されているので、図8に示すシステムとは異なっている。
【0061】
図9では、水供給源102は水ライン116によってソレノイド・バルブ114に連結していて、石鹸ポンプ90に機械的に連結した水圧モータ110と水ライン118によって順に連結している。水圧モータ110は、水ライン120によって、石鹸射出器46の中に通じる水ライン101に連結している。ソレノイド・バルブ114は光ファイバー・ケーブル112によって、石鹸作動センサまたはボタン98に連結している。ソレノイド・バルブ114も送電線122によって変圧器104に連結している。ソレノイド・バルブ96は光ファイバー・ケーブル115によってソレノイド・バルブ114に連結している。
【0062】
図2に示す実施例を作動するためには、使用者は図1に示すような洗面台26の上の石鹸作動ボタン24の代わりに、蛇口20の上に位置している石鹸作動ボタン30を押す。図3に示す実施例を作動するためには、使用者は蛇口20の上のセンサ32の上に手をかざす。
【0063】
図9では、実施例は図8に示すそれと同様の方法で作動するが、いくつかの点で異なっている。使用者がセンサまたは石鹸ボタンを押すか作動することによって、システムに介入すると、信号は光ファイバー・ケーブル112を通してソレノイド・バルブ114に送られる。バルブ114は開き、水供給源102からの水を水ライン116を通し、バルブ114を通し、そして水ライン118を通し水圧ポンプ110に流れるようにする。
【0064】
石鹸ポンプ90と機械的に連結している水圧モータ110は、水の流速に比例して水流によって稼動し、それ故石鹸ポンプは、水ライン120を通る水流の速さに比例して、石鹸を石鹸ライン48を通して石鹸射出器に送り出す。石鹸射出器の中で混ぜられているので、石鹸と水の比率は一定で、システムのこの部分を通る水流の速さとは無関係である。しかしながら、システムは別に動くようにプログラムされている。
【0065】
このシステムの“頭の良さ”はソレノイド・バルブ、すなわち、システムの石鹸部分に対するソレノイド・バルブ114およびシステムの水だけの部分に対するソレノイド・バルブ96と連動していることにある。2個のシステムはソレノイド・バルブ114が開いている時間およびその後の数秒間を除いて、通常独立して作動する。これは、蛇口から出てくる不要な水によって邪魔されずに、使用者が蛇口の下に手をかざし洗うのを可能にしている。石鹸が蛇口を通して短時間(数秒間)出ている時、ソレノイド・バルブ114はソレノイド・バルブ96に対して阻止信号を送り、それ故それは開かずに水のみを送る。二つのシステムは光ファイバー・ケーブル115を通して連絡している。
【0066】
図8に関して考察したように、たとえ水がすでに流れていて、水作動センサ22からの信号によって開始していても、使用者が作動した時はいつでも、石鹸混合液は流れ始める。しかし、この場合、信号はソレノイド・バルブ114からソレノイド・バルブ96に送られ、水作動センサからの信号を無効にする阻止信号として働く。このようにして、両方の水/石鹸混合液は流れ始め、水流の速度はソレノイド・バルブによってより低い石鹸/水流速に絞られる。
【0067】
図4に、電気的構成要素を持たない機械システムのための、上記洗面台構成要素を示している。本実施例においては、蛇口20は水作動押しハンドル34および石鹸作動押しハンドル36を含んでいる。水作動押しハンドル34は水を計測し、図1−図3に示している水作動センサ22に代わるものである。石鹸作動押しハンドル36は石鹸を計測し、図1−図3に示す石鹸作動ボタンまたはセンサ20、30および32にそれぞれ代わるものである。
【0068】
図10では、図4の実施例に関する系統図を示している。水供給源102は水ライン126によって水作動押しハンドル34と連結している。押しハンドル34は水ライン128によって石鹸射出器46に連結している。石鹸射出器および蛇口を含むサブシステムは図9に示すものと同じである。水供給源102はまた水ライン132によって石鹸作動押しハンドル36と連結している。押しハンドル36は水ライン136によって水圧モータ110と連結している。水圧モータ、石鹸ポンプおよび石鹸容器を含むサブシステムは図9に示すものと同じである。
【0069】
作動時には、使用者は石鹸作動押しハンドル36を押し、そのハンドル36は水供給源102からの水を数秒間計測する。水を水圧モータ110に送る。水圧モータ、石鹸ポンプ、石鹸容器および石鹸射出器より成るサブシステムは、図9のシステムについて記載しているように作動する。水作動押しハンドル34は水供給源102からの水を、水だけの蛇口用の通常の方法で計測する。システムの水および石鹸の側は独立して作動し、使用者によるシステムへの介入に依存している。
【0070】
図11および図13に、二つのハンドルを有する蛇口を持つ石鹸注出システムを示す。この石鹸注出システムは使用者には標準的な二つのハンドルのある蛇口のように見える。望みの水温度および水流を選ぶために、使用者は従来の方法で、熱水ハンドル227および冷水ハンドル229を作動し、それぞれ別の水ライン224および226を通して流れる、熱水供給源220および冷水供給源222からの二つの水流を一つにする。水ハンドルをそのままにすると、熱水および冷水はそれぞれ水ライン231および233を通して流れ、水スイッチ239で合流する。押しハンドル235は冷水ハンドル229の基礎部に隠されていて、冷水ハンドルそれ自体の上を押し下げることによって作動する。制御機能は水スイッチ239の中にあり、それぞれ水ライン242および244を通して水圧モータ110および射出器46への水の流れを制御している。蛇口は水のみを出すように厳密に作動している時は、水スイッチ239は“初期位置”に留まり、水が自由に射出器46に流れる。水圧モータ110、石鹸ポンプ90、石鹸容器86、石鹸射出器46および蛇口20より成るサブシステムは、図9に示すシステムについて記載しているように作動する。
【0071】
使用者が押しハンドル235を作動することによって石鹸の注出を開始した時、機械的な連結器237が、内部機構(図示せず)を稼動するバネ(図示せず)を押す水スイッチ239中の内部制御機構を動かし、この内部機構は水ライン242を通して水圧モータ110に、水ライン120を通して石鹸射出器46に水が流れるのを制御する。水スイッチ239は後者の位置にあって、全ての水の流れを停止する前に数秒間石鹸液を計測し、水スイッチ239が初期位置に戻る前に、石鹸で洗うのに十分な時間、例えば約15秒間蛇口からの水の流れを中断し、そしてもう一度水を射出器46に自由に水を流す。
【0072】
図6B、図12および図14に、二つの石鹸を注出するための石鹸注出システムを示す。石鹸注出システムは、第二石鹸をライン320を経由して射出器46中に導入するための、第二押しハンドル334、石鹸容器322、水スイッチ338、石鹸ポンプ326および水圧モータ328を含んでいる。望みの水温および流速を選ぶために、使用者は従来の方法で熱水ハンドル228および冷水ハンドル230を作動し、それぞれ水ライン224および226を通して流れる、熱水供給源220および冷水供給源222からの二つの水流を一つにする。水ハンドルをそのままにすると、熱水および冷水はそれぞれ水ライン232および234を通して熱水スイッチ338および冷水スイッチ240に流れる。水スイッチは水と石鹸の混合液の注出を制御、すなわち順番を決める。蛇口が厳密に水だけを出すように作動している時は、水スイッチ240および338は“初期位置”にあって、熱水および冷水が自由に射出器46に流れるようにしている。経路指定は間接的なものである。この“初期位置”では、冷水は冷水ハンドルから水スイッチ240を通って、その後水スイッチ338に向かう水ライン344によって流れ、そこで冷水は、水ライン342を通して射出器46に流れる前に、水ライン232を通して流れる熱水と混ざる。同様に、熱水は水スイッチ338を通して熱水ハンドルから流れ、その後水ライン346によって水スイッチ240に流れ、そこで熱水は、水ライン244を通して射出器46に流れる前に、水ライン234を通して流れる冷水と混ざる。熱水および冷水の両方の射出器へのこの間接的な経路は、両方の流れを順に両方の水スイッチを通して流し、二つの石鹸のいずれかが注出された時、蛇口から来る全ての水を制御することを可能にしている。
【0073】
使用者が押しハンドル236を作動することによって、石鹸容器86中にある第一石鹸の注出を開始すると、機械連結器238が水スイッチ240中の内部制御機構を動かし、水ライン242通して水圧モータ110へ、水ライン244を通して石鹸射出器46へ、水ライン344と通して水スイッチ338へ、そして水スイッチ338から水ライン346を通しての水の流れを制御する内部機構(図示せず)を稼動するバネを押している。使用者に見えるようにダイヤル上に表示された位置に押しハンドル236を回すことによって、洗浄のために蛇口からの全ての流れを止める時間を決めるタイミング機能が設定される。機械連結器238は使用者の決めた洗浄のための時間設定を水スイッチに伝える。石鹸注出工程は次のようなものであり、使用者が設定した熱水および冷水の流速で一定した水流を開始する。使用者が押しハンドルを押した後、水の流れは数秒間停止して、その後第一石鹸水混合液が数秒間工場の設定した流速で流れ始める。(石鹸混合液の流れは、たいていの使用者が設定した水の流速よりかなり弱い。)次に、石鹸が注出される前に、選んだ速度設定で水の流れが再開する前に、洗浄のために約0から約30秒間水が流れない時間がある。この休止時間のタイミングは、ダイヤル337に従って使用者により設定されるように、押しハンドル236上の押しハンドル・ポインター335の位置によって決められる。水圧モータ110、石鹸ポンプ90、石鹸容器86、石鹸射出器46および蛇口20より成るサブシステムが、図9に示すシステムについて記載するように作動する。
【0074】
使用者が第二石鹸溶液を注出するために押しハンドル334を押した時、同じ工程および制御機能がシステムの他の側に写される。
【0075】
他の実施例または改良が考慮されている。バネ付きバルブ(図示せず)が石鹸の水流への漏れをチェックするために、石鹸射出器の口または隙間に含まれていてもよい。石鹸射出器の混合チャンバの部位の形はかなり変化していてもよく;長さおよび直径は示しているものより、大きくても小さくてもよい。同様に、形、配列、渦発生器の羽根の数も変化してよく;渦発生器の数は多くても少なくてもよい。いくつかの適用のためには、ベンチューリは多少修正されていても、場合により無くてもよい。
【0076】
色素または染料を石鹸濃縮液に加えてもよい。これはそれが石鹸混合液であり、ただの水ではないことが使用者にはっきり分かるためである。使用者の使用時の感触を良くするために香料を石鹸濃縮液に加えてもよい。
【0077】
非常に敏感な病院施設での汚染を防ぐために、石鹸は密閉したカートリッジに封入してもよい。石鹸容器は2個のカートリッジを持ってもよく、その一つは通常予備である。使用中のカートリッジが空になった時、予備が自動的にラインに入り、連続的にサービスが出来るようになっている。多くの他の施設では、経済的なバルク容器から出る石鹸で十分である。
【0078】
基本システムのデザインは、洗面器で手を洗うこと以外に、他の使用および施設で利用できる。手を洗う以外の目的のために、商用、産業用または研究施設を含む他の環境で、石鹸射出機構は一つの溶液(必ずしも液体ではなく、システムがガスで作動してもよい)と別の溶液を混ぜるために使用でき、攪拌作用を効果的に行うために別の混合機器または器具を付加することなしに、効果的で完全な混合が望める。本発明の開示した実施例において、混合機構は溶液の流れの経路には不可欠なもので、その内部形態そのものが混合に作用している。
【0079】
もしモータ/ポンプ・モジュールが、例えば封入されたプログラム可能なマイクロ制御器を持つシステム制御を持つならば、同じユニットは異なった種類の水バルブ、射出器、蛇口および石鹸を持つ施設で使用するために、プログラムするかまたは適用できる。その中で働く使用者または環境の種類に従って、異なった仕事サイクルを持つようにプログラムすることもできる。最大限に柔軟にするために、システムは設置後、容易に再度プログラムできるようにデザインされている。水圧の変化と無関係に、石鹸/水混合液の一定した比率が得られるように、石鹸の流速は水の流速と直接に関係している。
【0080】
既存の自動センサ作動型水蛇口の性能向上のために、モータ/ポンプ・モジュールは既に設置されている蛇口センサ・アセンブリからの信号を認識できる。同様に、モータ/ポンプ・モジュールより送られる信号は、既存のソレノイド・バルブ・モジュール・アセンブリによって認識される。この場合、もしそれが蛇口センサの環境に対して範囲設定を自動的に行うための自己較正手順を持っているならば、それは既存のソレノイド・バルブ・モジュール中のいくつかの制御に依存している。
【0081】
配管コードは、一般的には水の供給が陰圧の時に、石鹸が水供給源の中に入らないようにするための積極的な手段を必要とする。上位機種以外では、抗サイホン機能がソレノイド・バルブ・モジュールの中に組み込まれていてもよい。上位機種では、それはバルブと水供給源の間にあってもよい。ACライン電力が得られない施設では、作動電圧を安全なレベルまで下げ、システムが相互交換可能なDCバッテリー・パックの作動と互換性をもつように、変圧器が用いられている。冷水ラインからであろうが、熱水および冷水ラインの両方と連結する自動的温度制御混合バルブからであろうが、水の供給は単一ラインである。
【0082】
図10に示すように、従来の蛇口デザインのように、水は直接ハンドルから蛇口に行く必要はないが、石鹸注出システムを通して洗面台の下に間接的に戻っていくルートになっている。これはいろいろな石鹸および水作動センサおよび機構の選択および適用に、より大きい柔軟性を提供している。ハンドルと蛇口の間の干渉機構が上記の洗面台蛇口の密集した所に組み込まれている必要がない。
【0083】
このように、そのような蛇口は単一の制御蛇口として機能を制御し、いつでも統合石鹸注出システムに適用できる。そのような蛇口は水温を制御するために普通時計回りおよび反時計回りに回転し、水の流量および流速を制御するために、使用者に近づく方向や離れる方向に動く。下方に押した時、石鹸作動押しハンドルとして、石鹸を注出する単一の制御蛇口を持つことが石鹸注出の特徴である。
【0084】
上記の記述から分かるように、少なくともいくつかの適用において本発明の開示された実施例と関連して、統合石鹸注出システムの多くの利点が実現している。使用者によるシステムの作動は、使用するのに単純で、速く、効果的である。多くの使用者は手洗いを、シャワーのように楽しめるような快適なものだとは考えていないので、これはある適用では重要である。開示されたシステムは、使用するのにもっと魅力的な手洗い場の景観にとっても、それを管理維持する人達にとっても最小限の障害でしかない。計測の正確さおよび石鹸と水の完全な混合が、開示されたシステムの特徴であり、公衆衛生および衛生管理を考えた時、さらに重要なものである。既知のシステム中の石鹸と水の混合は無計画で、うまく達成されていない。
【0085】
開示されたシステムは、システムの水のみの側に干渉して止める、システムの石鹸注出側面を含んでいて、それ故石鹸注出モードはいつでも、水が蛇口よりすでに流れている時でさえ使用者によって開始できる。このように、石鹸注出が完了した後に休止時間があり、その間は使用者は水のみの流れを開始できない。
【0086】
蛇口の開示された実施例、または開示された蛇口の放出チューブまたはノズルは、水/石鹸溶液によって繰り返し洗われ、もし石鹸が消毒剤ならば、蛇口を内側から消毒し、蛇口に汚染物質が付かないようにできる。
【0087】
本発明の特定の実施例が開示されているが、いろいろ異なった実施例が可能であり、添付する請求項の本旨および範囲内に含まれるものと理解できるはずである。例えば、ここで特記した石鹸は本発明の好ましい実施例では液体石鹸であるが、固体石鹸細粒等も採用できることが意図されている。また、他の液体製品も採用でき、水以外の液体担体も意図されている。さらに、本発明は手洗い以外の適用のためにも採用できることが意図されている。そのような他の適用には、布または他の品物の洗濯および化学工程での薬品の混合等が含まれる。それ故、ここに示した詳しい要約または開示されたものに制限することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】洗面台上に石鹸作動ボタンおよび蛇口上に水作動センサを持つ本発明の実施例の絵画図である。
【図2】蛇口上に石鹸作動ボタンおよび蛇口上に水作動センサを持つ本発明の別の実施例の絵画図である。
【図3】蛇口上に石鹸作動センサおよび蛇口上に水作動センサを持つ本発明のさらに別の実施例の絵画図である。
【図4】蛇口上に石鹸作動押しハンドルおよび蛇口上に水作動押しハンドルを持つ本発明のなおさらに別の実施例の絵画図である。
【図5】従来の非接触型蛇口の側面図である。
【図6A】洗面台の下に石鹸射出器を含む本発明の実施例の側面図である;
【図6B】第2石鹸ラインを含む本発明の実施例の側面図である;
【図7A】図6Aの石鹸射出器の左断面絵画図である。
【図7B】図6Aの石鹸射出器の右分解絵画図である。
【図7C】図6Aの石鹸射出器の左分解断面絵画図である。
【図7D】図6Aの石鹸射出器の渦発生器の異なった実施例の図である。
【図7E】図6Aの石鹸射出器の渦発生器の異なった実施例の図である。
【図7F】図6Aの石鹸射出器の渦発生器の異なった実施例の図である。
【図8】石鹸ポンプを稼動する電気モータを持つ本発明の実施例の系統図である。
【図9】センサまたはボタンによって作動する石鹸ポンプを稼動する水圧モータを持つ本発明の別の実施例の系統図である。
【図10】石鹸作動押しハンドルにより作動する石鹸ポンプを稼動する水圧モータを持つ本発明のさらに別の実施例の系統図である。
【図11】熱水および冷水ハンドルの両方を持つ本発明の別の実施例の系統図である。
【図12】2種類の石鹸を使う本発明のなおさらに別の実施例の系統図である。
【図13】熱水および冷水ハンドルの両方を持つ蛇口を有し、冷水ハンドルの中に石鹸作動押しハンドルを組み込んでいる、本発明の別の実施例の絵画図である。
【図14】2種類の石鹸を提供するために、蛇口上に1対の石鹸作動押しハンドルを持つ本発明のさらに別の実施例の絵画図である。
【符号の説明】
【0089】
20 蛇口
22 水作動センサ
24 石鹸作動ボタン
26 洗面台
28 洗面器(水槽)
30 石鹸作動ボタン
32 センサ
34 水作動押しハンドル
36 石鹸作動押しハンドル
38、44 水ライン
40 光ファイバーケーブル
42 水ライン連結器
46 石鹸射出器
48 石鹸ライン
50 ケース
52 連結器
54 時計回り渦発生器
58 圧縮器
60 逆時計回り渦発生器
62、66 羽根
64 ベンチュリ
68、70 位置決定頭部
72、74、76 位置決定機構
78、80 注入口
82 石鹸射出器
83 混合チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一および第二溶液を混合するための射出器において、
第一溶液の流れを加速し、第二溶液を導入するための第一開口部を含む圧縮器;
圧縮器の上流に位置する第一渦発生器;および
圧縮機の下流に位置する第二渦発生器より成ることを特徴とする第一および第二溶液を混合するための射出器。
【請求項2】
少なくとも3個の外部インターフェースを持つ射出器本体をさらに含む請求項1に記載の射出器。
【請求項3】
該射出器本体はキャップを含み、該射出器本体および該キャップは内部位置決定頭部含む請求項2に記載の射出器。
【請求項4】
圧縮機、第一渦発生器および第二渦発生器は各々外部位置決定溝を持つ請求項3に記載の射出器。
【請求項5】
第一渦発生器は第一方向に溶液の流れを回転させるために適用され、第二渦発生器は第一方向とは反対である第二方向に乱流を回転させるために適用されている請求項1に記載の射出器。
【請求項6】
第一および第二渦発生器の内少なくとも一つがフィンを含む請求項1に記載の射出器。
【請求項7】
第一渦発生器および第二渦発生器が各々複数のだいたい翼の形をしたフィンを持つ請求項1に記載の射出器。
【請求項8】
第一渦発生器は固定子を含み、第二渦発生器は複数のストレーキを含む請求項1に記載の射出器。
【請求項9】
圧縮機が第三溶液を第一溶液の流れの中に導入するための第二開口部を含む請求項1に記載の射出器。
【請求項10】
蛇口のための石鹸注出システムにおいて、
石鹸の供給を続けるための容器;
石鹸を蛇口の水ラインに導入するための射出器;
石鹸を射出器に供給するための容器および射出器と連動する石鹸ポンプ;および
石鹸ポンプを制御するために適用されている作動器より成ることを特徴とする蛇口のための石鹸注出システム。
【請求項11】
射出器は圧縮器および少なくとも一つの渦発生器を含む請求項10に記載の石鹸注出システム。
【請求項12】
石鹸ポンプが電気モータを含む請求項10に記載の石鹸注出システム。
【請求項13】
石鹸ポンプが水圧モータを含む請求項10に記載の石鹸注出システム。
【請求項14】
作動器が押しボタンである請求項10に記載の石鹸注出システム。
【請求項15】
作動器が電気センサである請求項10に記載の石鹸注出システム。
【請求項16】
作動器が押しハンドルである請求項10に記載の石鹸注出システム。
【請求項17】
作動器が石鹸ポンプを制御するために光ファイバー・ケーブルを用いている請求項10に記載の石鹸注出システム。
【請求項18】
作動器が蛇口の上に位置している請求項10に記載の石鹸注出システム。
【請求項19】
手洗いシステムにおいて、
水ラインを経由して水供給源と連動している蛇口;および
水ライン中で石鹸と水の混合液を作るために適用されている石鹸注出装置を含み、該石鹸注出装置は射出器、第一石鹸ポンプおよび第一石鹸容器を含んでいることを特徴とする手洗いシステム。
【請求項20】
射出器が圧縮機および少なくとも一つの渦発生器を含む請求項19に記載の手洗いシステム。
【請求項21】
蛇口が水流を制御するための少なくとも一つのセンサを含む請求項19に記載の手洗いシステム。
【請求項22】
石鹸注出装置が石鹸ポンプを制御するために適用された作動器を含む請求項19に記載の手洗いシステム。
【請求項23】
水供給源が熱水供給源および冷水供給源を含む請求項19に記載の手洗いシステム。
【請求項24】
石鹸注出装置がさらに第二石鹸ポンプおよび第二石鹸容器を含む請求項19に記載の手洗いシステム。
【請求項25】
第一および第二溶液を混合する方法において、
第一開口部を持つ圧縮機を用いて第一溶液の流れを加速し;
第二溶液を第二開口部に入れ;
そして少なくとも一つの渦発生器を用いて第一および第二溶液を混合するために少なくとも一つの渦を作ることを含むことを特徴とする第一および第二溶液を混合する方法。
【請求項26】
水の蛇口のための石鹸注出システムにおいて、
石鹸を蛇口の水ラインに導入するための射出器;
射出器に石鹸を提供するための石鹸ポンプ;
石鹸ポンプを制御するために適用された作動器;
および石鹸/リンス工程を動かすための制御手段より成り、前記工程は石鹸液を流し、十分な時間石鹸溶液の流れを止め、水流を起こすことを特徴とする水の蛇口のための石鹸注出システム。
【請求項27】
石鹸を注出する方法において、
蛇口の水ラインの中に石鹸を入れ;そして
制御手段を用いて石鹸/リンス工程を動かし、該工程は使用者による作動に反応して石鹸溶液を流し、十分な時間石鹸溶液の流れを止め、水の流れを起こすことを特徴とする石鹸を注出する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−520871(P2008−520871A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543217(P2007−543217)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/041625
【国際公開番号】WO2006/055681
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507158961)ウイロウ デザイン,インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】WILLOW DESIGN,INC.
【住所又は居所原語表記】Attention William M.Louis,President,543 Cerro Street,Encinitas,California 92024 USA
【出願人】(507158721)
【氏名又は名称原語表記】LOUIS,William M.
【住所又は居所原語表記】543 Cerro Street,Encinitas,California 92024 USA
【Fターム(参考)】