説明

洗剤または洗浄剤

エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%、少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、および0〜20重量%の他の添加剤を含有する水溶性溶融接着剤を含んでなる洗剤または洗浄剤を開示する。本発明の洗剤または洗浄剤は、高められた貯蔵寿命、改善された崩壊に対する安定性、および有利な溶解挙動を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、洗濯洗剤または洗浄組成物を提供する。特に、本出願は、接着剤を含んでなる洗濯洗剤または洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
今日では、洗濯洗剤または洗浄組成物は、種々の供与形態で消費者に利用されている。洗浄粉末および顆粒に加えて、この範囲には、例えば、押出成形またはタブレット化組成物の形態の洗浄組成物濃縮物も含まれる。これらの固体、濃縮または圧縮された供与形態は、用量単位当たりの体積が低減されるという特徴があり、したがって、包装および輸送の費用は低減される。特に、洗濯洗剤または洗浄組成物タブレットは、単用量に対する消費者の願望をさらに満足する。
【0003】
上記粒状または圧縮洗濯洗剤または洗浄組成物の代替として、水溶性または水分散性包装を有する固体または液体洗濯洗剤または洗浄組成物は、ここ数年、益々、記載されてきている。タブレットのように、これらの組成物は、洗濯機または機械式食器洗浄機中に、外装と一緒に投与することができるので、単用量であることを特徴とする。しかしながら、第二には、それらは、圧縮材料に比べて、より良好な溶解およびより迅速な活性であることを特徴とする、液体または粉体洗濯洗剤または洗浄組成物の処方物とすることもできる。
【0004】
記載された圧縮材料の製造および水溶性包装体に処方された洗浄組成物の製造の両方において、接着剤が使用される。このような接着剤は、例えば、窪み付きタブレット中の核を接着結合するのに、または水溶性または水分散性包装体を密封するのに役立つ。
【0005】
特に水溶性包装体の密封分野において、最近、特許文献は、一連の異なる溶液を開示している。例えば、国際出願公開WO 03/08486 A2(Procter & Gamble)は、1.5mPasと15000mPasとの間の粘度を有する溶媒を使用する、水溶性フィルムの密封方法を記載する。溶媒の助けを借りる水溶性フィルムの密封における可塑剤の添加は、国際出願公開WO 03/08513 A2(Procter & Gamble)によって開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、通例の製造、包装、保存および輸送条件下では安定であるが、水性環境中では短時間に確実に溶解する接着剤を含んでなる、洗濯洗剤または洗浄組成物を提供することにある。さらに、該接着剤を含んでなる洗濯洗剤または洗浄組成物は、高速な製造方法によって製造可能であるべきである。特に、有機溶媒の使用は、安全性の理由から、避けられるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
今日、特定の水溶性溶融接着剤は、これらの目的を達成するために、顕著に適当であることがわかった。
したがって、本出願は、第一に、
a)エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、
b)少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および
c)少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、
d)ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%
を含んでなる水溶性溶融接着剤を含んでなる、
洗濯洗剤または洗浄組成物分包を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本出願において、洗濯洗剤または洗浄組成物分包は、例えば、繊維製品、食器類または塗装面を洗浄するのに適当である、予め処方された用量単位(例えば、タブレットまたは小袋)の形態の、組成物であるとみなされる。したがって、用語「洗濯洗剤または洗浄組成物」は、これらの洗濯洗剤または洗浄組成物の包装構成成分の水溶性または水分散性包装も包含する。水不溶性外装は、用語「洗濯洗剤または洗浄組成物」には包含されない。
【0009】
溶融接着剤は、室温で固体であり、少なくとも実質的に水および溶媒を含有しない(すなわち、水/溶媒の量は、5重量%未満である)。溶融接着剤は、溶融物から、結合される基材に塗布され、冷却過程における固化により硬化される。
【0010】
溶融接着剤は、包装産業および製紙産業において、段ボール箱の密封および閉口のための、広範な産業用途を見出している。溶融接着剤がこの産業部門において満たす必要がある要求は様々である:例えば、溶融接着剤は、中長期のオープンタイム(これは接着剤の塗布と接着剤の固定の間のタイムスパンとして定義される。)を有する必要があるが、特に高速包装、紙加工またはラベル付け機械において、接着剤の固定後、十分な品質の接着結合を確保するのに十分に速く硬化する必要がある。硬化速度に加えて、粘度は、溶融接着剤の選択に関する、さらなる重要な判定基準である。機械加工、特に溶融接着剤の均一の塗布に関して、粘度は、適切な塗布温度にて十分に低くあるべきである。冷凍品部門(ここで、包装品は、−35℃に低下された温度にて保存される。)における包装の接着剤に関して、対応する低温柔軟性があるべきである。換言すれば、低温条件下、高強度の接着剤が存在すべきであり、接着剤は、脆化されるか、または破砕されるべきではない。他方では、暖かい条件または高温条件下で製造された食品または飲料は、しばしば包装され、その結果、接着剤の対応する高い安定性が必要とされる。十分に高い安定性は、接着剤が、高温の作用下、軟化または流動化せず、その結果、接着結合破壊が生じないか、および/または接着結合部が互いに対して変動しないことを意味すると理解されるべきである。さらに、特に食品産業に関して、実質的に臭気非含有のまたは低臭気の溶融接着剤を提供することが必要とされる。対応する溶融接着剤に使用される成分は、食品に関して承認されなければならない。また、広範囲に異なる材料、例えば、ガラス、プラスチック、繊維性材料(紙、板紙、ポリオレフィン被覆ボール紙)または金属等々が互いに接着結合されることも考慮するべきである。これらの異なる材料に対する溶融接着剤の十分な接着が存在する必要がある。
【0011】
ベースポリマーは、溶融接着剤について重要な特性、例えば、粘着性、強度および熱的挙動を実質的に決定する。
溶融接着剤に使用されるベースポリマーは、典型的に以下のポリマーである:
熱可塑性ポリマー、例えば、ブロックコポリマー、例えば、スチレン-ブタジエン、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン;エチレン-酢酸ビニルポリマー、他のエチレン-エステルおよびコポリマー、例えば、アクリレートとのエチレンコポリマー、エチレン-アクリル酸n-ブチルおよびエチレン-アクリル酸;ポリオレフィン、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレン、例えば、無定形プロピレン-α-オレフィン(APAO);ポリ酢酸ビニル(PVAc)およびPVAcコポリマー、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)およびPVAコポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエポキシド、ビニルモノマーのコポリマーおよびポリアルキレンオキシドポリマー、樹脂含有アルデヒド、例えば、フェノール-アルデヒド、尿素-アルデヒド、メラミン-アルデヒドなど。
【0012】
本発明の溶融接着剤は、構成成分として、
a)エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、
b)少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および
c)少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、
d)ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%
を含んでなる。
【0013】
好適な実施態様において、成分A、BおよびC、ならびに、さらなる添加剤の重量部は、これらの4成分の合計が100重量%になるように選択される。成分A、BおよびC、ならびに、さらなる添加剤の重量部の合計が100重量%になる、この好適な実施態様は、本発明の組成物ばかりでなく、さらに以下の方法および使用にも適用される。
【0014】
本発明において使用されるべき、エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有するホモポリマーまたはコポリマー(成分A)は、例えば、ベースポリマーの合成に使用されるように、一分子当たり少なくとも一つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマーまたはオリゴマーの単独重合または共重合により得ることができる。好適には、成分Aとして、一分子当たりカルボキシル基を有しないエチレン性不飽和モノマーまたはオリゴマーと、一分子当たり少なくとも一つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和脂肪族コポリマーとの共重合により得ることができるポリマーを使用することが挙げられる。好適なカルボキシル基を有しないエチレン性不飽和モノマーは、特に酢酸ビニルである。少なくとも一つのカルボキシル基を有する共重合可能なエチレン性不飽和脂肪族コモノマーの例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸およびアコニット酸である。
【0015】
さらなるモノマーを共重合反応に使用することができる。さらなるコモノマーの例は、エチレン、プロピレン、ブチレン、1-ヘキセン、および上述した一分子当たり少なくとも一つのカルボキシル基を有するエチレン性不飽和コポリマーの無水物またはエステルである。好適にはコポリマー(成分A)は、酸価10〜200mgKOH/g、特に好適には20〜150mgKOH/gを有する(ASTM D 974にしたがって測定)。本発明の水溶性溶融接着剤は、40〜70重量%、好適には45〜65重量%、および特に好適には50〜60重量%の成分Aを含有する。
【0016】
本発明の特に好適な実施態様において、水溶性溶融接着剤は、成分Aとして、酸価10〜200mgKOH/g、好適には20〜150mgKOH/gおよび特に好適には25〜100mgKOH/gを有する(ASTM D 974にしたがって測定)、酢酸ビニル-クロトン酸コポリマーを含んでなる。酢酸ビニル-クロトン酸コポリマーの軟化点は、80〜130℃、好適には90〜120℃である(リング-ボール法、DIN 52011)。モル質量(M)は、10000と60000の間、好適には20000〜50000である。
【0017】
ポリマー化合物についての分子量データは、他に言及しない限り、数平均分子量(M)に関する。全ての分子量データは、他に言及しない限り、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって得られるような値に関する。
【0018】
市販の酢酸ビニル-クロトン酸コポリマーは、例えば、Synthomerから、Synthomer MCT 5の称号で、またはWackerから、Vinnapas(登録商標)の群から入手できる。
【0019】
成分Bとして、本発明の水溶性溶融接着剤は、15〜45重量%、好適には20〜40重量%、および特に好適には25〜35重量%の少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタンを含有する。
【0020】
本発明において成分Bとして使用できるようなポリウレタンは、典型的に、少なくとも一つのポリイソシアネート(好適にはジイソシアネート)と、ポリオール成分(好適には主としてジオールからなる。)との反応によって製造される。ポリオール成分は、一つのポリオールのみを含有することができるばかりでなく、二以上の異なるポリオールの混合物もポリオール成分として使用することができる。ポリオール成分またはポリオール成分の少なくとも一部として特に適当なものは、例えば、ポリアルキレンオキシド、特にポリエチレンオキシドである。
【0021】
用語「イオン性」は、ポリウレタンが、溶解促進剤として、酸塩基反応において、イオン性または少なくともイオン化可能な基、例えば、カルボキシレート、スルホネート、ホスホネートまたはアンモニウム基を有することを意味する。
【0022】
これに対して、用語「非イオン性」は、ポリウレタンが、乳化性基として、いかなるイオン性基も有しないこと、すなわち、カルボキシレート、スルホネート、ホスホネートまたはアンモニウム基を有しないことを意味する。その代わりに、水溶性は、ポリオキシエチレン-[CH-CH-O-]-の親水性非イオン性基に基づく。これらの構造単位は、特に、ポリオール成分として好適に使用されるポリエチレンオキシドに由来する。しかしながら、ポリエチレンオキシドは、出発分子としての水またはエチレングリコールに対するエチレンオキシドの重付加生成物ばかりでなく、他の二価アルコール(例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオールまたは4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン)に対するエチレンオキシドの重付加物も意味すると理解される。例えば、平均分子量MwまたはMnまたはその両方において異なる、二以上の異なるポリエチレンオキシドの混合物を使用することもできる。また、エチレンオキシドと、より高級のアルキレンオキシド(例えば、プロピレンオキシド)とのコポリマーを、それらが十分に水溶性である場合には、すなわち、約3gよりも多くのものが、約100gの水(約20℃)に約6ヶ月に亘って溶解したままである場合には、ポリオール成分として使用することもできる。
【0023】
ポリオール成分中のポリエチレンオキシドは、10重量%まで、好適には最大5重量%まで、特に最大2重量%まで、最大2g/100g水の水溶性を有する疎水性基を含有する他のジオールによって置換することができる。該疎水性基は、特に、2〜44個、特に6〜36個の炭素原子を有する脂肪族または脂環族構造である。また、該基は、芳香族構造も含有することができる。好適には、少なくとも一つの第一級OH基、特に1,2-またはα,ω-ジオールを有するジオールが挙げられる。しかしながら、近接した配置のOH基を有するジオールも適当である。
【0024】
ポリオール成分中のポリエチレンオキシドは、好適には約200〜約20000、特に約1000〜約15000、例えば、約1550、3000、6000または12000の分子量(Mn)を有する。
【0025】
さらに、10%まで(好適には0.5〜5%)のポリエチレングリコールを、疎水性ホモポリマーポリアルキレングリコール(そのアルキレン基は、2個より多く、好適には3個または4個の炭素原子を有する。)で置換することができる。それらの分子量は、特に150〜10000g/モルである。純粋なCH基およびエーテル部分を有する疎水性ジオールの具体例は、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリブチレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリブタジエンジオール、ヒドロキシル末端化エチレン-ブチレンコポリマー(例えば、KRATON LIQUID Polymer L-2203)、水素化ポリブタジエンジオール、および4〜44個の炭素原子を有するアルカンジオールである。好適な疎水性ジオールは、150〜10000、特に200〜4500、より好適には250〜1000の分子量を有する、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ならびに1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,12-オクタデカンジオール、二量体脂肪酸ジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール、1,2-オクタデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、4,4-イソプロピリデンジシクロヘキサノールおよびそれらの異性体混合物、4,8-ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンおよびそれらの異性体混合物、1,4:3,6-ジアンヒドロ-D-マンニトール、1,4:3,6-ジアンヒドロ-D-ソルビトール、1,16-ヘキサデカンジオール、ビスフェノールA、ならびに(特に30個までのEO単位を有する)それらのプロポキシル化またはエトキシル化生成物またはそれらの混合物、ならびに、22個までの炭素原子を有する脂肪酸とのグリセロールのモノ脂肪酸エステル、例えば、ベヘン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸のグリセロールモノエステルである。もちろん、二以上の上記疎水性ジオールの混合物も使用することもできる。
【0026】
また、ポリエチレングリコールは、0〜5%の範囲、特に0.2〜2%の範囲で、より高い官能価のアルコール(特にトリオール、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミンまたはそれらのエトキシル化またはプロポキシル化変異体)によって置換されていてもよい。ペンタエリスリトールも使用することができる。また、アミンまたはアミノアルコールのエトキシル化またはプロポキシル化変異体、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンおよびそれらの高級同族体(例えば、アミノフェノール、N-2-アミノエチルピペラジン)から出発したものも使用することができる。
【0027】
特に高分子量のポリウレタンを得るためには、最大純度のジオールが使用されるべきである。この目的のためには、アルカリ金属およびアルカリ土類金属イオンの含量は、500ppm未満、特に150ppm未満、および好適には10ppm未満であるべきである。さらに、K. Fischerによる含水量は、0.5重量%未満、特に0.1重量%未満、好適には0.05重量%未満であるべきである。
【0028】
ポリオール成分のジオールに加えて、ジイソシアネートは、成分Bとして使用可能なポリウレタンの本質的単位である。それらは、一般構造式:
O=C=N-X-N=C=O
〔式中、Xは、4〜18個の炭素原子を有する脂肪族、脂環族または芳香族基、好適には脂肪族または脂環族基である。〕
で示される化合物である。
【0029】
適当なイソシアネートの例としては、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート(MDI)、水素化MDI(H12-MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ジフェニルジメチルメタン4,4’-ジイソシアネート、ジ-およびテトラアルキレンジフェニルメタンジイソシアネート、ジベンジル4,4’-ジイソシアネート、フェニレン1,3-ジイソシアネート、フェニレン1,4-ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)の異性体、1-メチル-2,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、1,6-ジイソシアナト-2,4,4-トリメチルヘキサン、1-イソシアナトメチル-3-イソシアナト-1,5,5-トリメチルシクロヘキサン(IPDI)、塩素化および臭素化ジイソシアネート、リン含有ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトフェニルパーフルオロエタン、テトラメトキシブタン1,4-ジイソシアネート、ブタン1,4-ジイソシアネート、ヘキサン1,6-ジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、ビスイソシアナトエチルフタレート、ならびに、反応性ハロゲン原子を有するジイソシアネート、例えば、1-クロロメチルフェニル2,4-ジイソシアネート、1-ブロモメチルフェニル2,6-ジイソシアネートまたは3,3-ビスクロロメチルエーテル4,4’-ジフェニルジイソシアネートが挙げられる。硫黄含有ポリイソシアネートは、例えば、2モルのヘキサメチレンジイソシアネートを、1モルのチオジグリコールまたはジヒドロキシジヘキシルスルフィドと反応させることによって得られる。さらなる使用可能なジイソシアネートは、例えば、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4-ジイソシアナトブタン、1,12-ジイソシアナトドデカンおよび二量体脂肪酸ジイソシアネートである。
【0030】
特に適当なものは、以下のものである:テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ウンデカンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、テトラメチルキシレン1,3-または1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4-ジイソシアネートおよびリジンエステルジイソシアネート。非常に特に好適には、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、特にシアナミドから得られるm-TMXDIが挙げられる。
【0031】
分子量をさらに高めるため、例えば、既知の手法により鎖延長を行うことができる。この目的のために、まず、プレポリマーを過剰のジイソシアネートを用いて製造し、その後、分子量を高めながら、短鎖アミノアルコール、ジオール、ジアミンまたは水を用いて延長する。この目的のために、まず、プレポリマーを過剰のジイソシアネートを用いて製造し、その後、短鎖ジオールまたはジアミンあるいは水を用いて延長する。特定の鎖延長剤としては、以下のものが挙げられる:
- 飽和および不飽和グリコール、例えば、エチレングリコールまたはエチレングリコールの縮合物、ブタン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-ブチン-1,4-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン、ジオキシエトキシハイドロキノン、ビスグリコールテレフタレート、N-ジ-2-ヒドロキシエチルスクシンアミド、N,N-ジメチル(2-ヒドロキシエチル)スクシンアミド、1,4-ジ(2-ヒドロキシメチルメルカプト)-2,3,5,6-テトラクロロベンゼン、2-メチレンプロパン-1,3-ジオール、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、3-ピロリジノプロパン-1,2-ジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、3-アルコキシプロパン-1,2-ジオール、2-エチルヘキサン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジオール、3-フェノキシプロパン-1,2-ジオール、3-ベンジルオキシプロパン-1,2-ジオール、2,3-ジメチルブタン-2,3-ジオール、3-(4-メトキシフェノキシ)プロパン-1,2-ジオールおよびヒドロキシメチルベンジルアルコール;
- 脂肪族、脂環族および芳香族ジアミン、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,4-シクロヘキシレンジアミン、ピペラジン、N-メチルプロピレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルジメチルメタン、2,4-ジアミノ-6-フェニルトリアジン、イソホロンジアミン、二量体脂肪酸ジアミン、ジアミノジフェニルメタンまたはフェニレンジアミンの異性体;
- ならびに、カルボヒドラジドまたはジカルボン酸のヒドラジド;
- アミノアルコール、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、およびより高級のジ-またはトリ(アルカノールアミン);
- 脂肪族、脂環族、芳香族およびヘテロ環式モノおよびジアミノカルボン酸、例えば、グリシン、1-および2-アラニン、6-アミノカプロン酸、4-アミノ酪酸、異性体モノおよびジアミノ安息香酸、および異性体モノおよびジアミノナフトエ酸。
【0032】
しかしながら、好適には、一段階法でポリウレタンを製造することが挙げられる。この場合、例えば、全ての出発材料を、まず、含水量0.5重量%未満の有機溶媒の存在下に混合する。該混合物を、60〜200℃、特に80〜180℃、および好適には100〜150℃に約1〜30時間加熱する。
【0033】
反応時間は、触媒の存在によって短縮することができる。特に適当なものは、第三級アミン、例えば、トリエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(=DABCO)、ジメチルベンジルアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテルおよびビスメチルアミノメチルフェノールである。特に適当なものは、1-メチルイミダゾール、2-メチル-1-ビニルイミダゾール、1-アリルイミダゾール、1-フェニルイミダゾール、1,2,4,5-テトラメチルイミダゾール、1-(3-アミノプロピル)イミダゾール、ピリミダゾール、4-ジメチルアミノピリジン、4-ピロリジノピリジン、4-モルホリノピリジン、4-メチルピリジンである。
【0034】
また、有機スズ化合物を、触媒として使用することもできる。これらは、スズおよび有機基の両方を含有する化合物、特に一以上のSn-C結合を含有する化合物を意味すると理解される。広義には、有機スズ化合物には、例えば、塩、例えば、スズオクトエートおよびスズステアレートが含まれる。狭義には、該スズ化合物には、特に一般式:
n+1SnX3−n
〔式中、nは0〜2であり、Rはアルキル基またはアリール基あるいはその両方、およびXは、酸素、硫黄または窒素化合物または二以上のそれらの混合物である。〕
で示される4価スズの化合物が含まれる。適切には、Rは、少なくとも4個、特に少なくとも8個の炭素原子を有する。上限は、通常、12個の炭素原子である。Xは、好適には酸素化合物、すなわち、有機スズ酸化物、水酸化物、カルボン酸塩または無機酸のエステルである。また、Xは、硫黄化合物、すなわち、有機スズ硫化物、チオレートまたはチオ酸エステルである。適当なSn-S化合物は、特にチオグリコール酸エステル、例えば、以下の基:
-S-CH-CH-CO-O-(CH)10-CHまたは
-S-CH-CH-CO-O-CH-CH(C)-CH-CH-CH-CH
を有する化合物である。
【0035】
このような化合物は、さらなる選択規則を満足する:有機スズ化合物の分子量は、好適な本発明の実施態様において、250を超える、特に600を超えるべきである。
【0036】
さらなる好適な化合物のクラスは、ジアルキルスズ(IV)カルボン酸塩(X=O-CO-R)のクラスである。該カルボン酸は、2個、好適には少なくとも10個、特に14〜32個の炭素原子を有する。また、ジカルボン酸も使用することができる。適当な酸は、例えば、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、フェニル酢酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、および特にカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸である。特に適当な例は、ジブチルスズジアセテートおよびジラウレート、ならびに、ジオクチルスズジアセテートおよびジラウレートである。
【0037】
スズ酸化物および硫化物ならびにチオレートも、本発明において適当である。特定の化合物は、以下のものである:ビス(トリブチルスズ)オキシド、ジブチルスズジドデシルチオレート、ジオクチルスズジオクチルチオレート、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、オクチルスズトリス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジオクチルスズビス(チオエチレングリコール2-エチルヘキソエート)、ジブチルスズビス(チオエチレングリコールラウレート)、ジブチルスズスルフィド、ジオクチルスズスルフィド、ビス(トリブチルスズ)スルフィド、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジオクチルスズビス(チオエチレングリコール2-エチルヘキソエート)、トリオクチルスズチオエチレングリコール2-エチルヘキソエートおよびジオクチルスズビス(2-エチルヘキシルチオラトアセテート)、ビス(S,S-メトキシカルボニルエチル)スズビス(2-エチルヘキシルチオラトアセテート)、ビス(S,S-アセチルエチル)スズビス(2-エチルヘキシルチオラトアセテート)、スズ(II)オクチルチオレート、およびスズ(II)チオエチレングリコール2-エチルヘキソエート。
【0038】
また、以下のものも挙げられるべきである:ジブチルスズジエトキシド、ジヘキシルスズジヘキソキシド、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジエチルアセチルアセテート、ビス(ブチルジクロロスズ)オキシド、ビス(ジブチルクロロスズ)スルフィド、スズ(II)フェノキシド、スズ(II)アセチルアセトネート、ならびに、さらなるα-ジカルボニル化合物、例えば、アセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、エチルアセトアセテート、n-プロピルアセトアセテート、エチルα,α’-ジフェニルアセトアセテートおよびデヒドロ酢酸。
【0039】
該触媒は、好適にはポリオールに添加される。その量は、その活性および反応条件に依存する。好適には、ポリオールに基づいて0.001〜0.5重量%の範囲である。
【0040】
しかしながら、好適には、触媒なしで実施することが挙げられる。また、溶媒も適切に省略される。本明細書において、「溶媒」は、標準圧力(1バール)にて200℃未満の沸点を有する不活性有機液体物質を意味すると理解される。
【0041】
反応は、好適にはポリイソシアネート中のNCO基に対するポリオール成分中のOH基の比率が、約1.0〜約2.0、特に約1.05〜1.8、例えば約1.1〜1.7または約1.3〜1.6であるように行われる。
【0042】
イオン形成構造単位を導入する一つの手段は、OH末端化ポリウレタンオリゴマーとジカルボン酸無水物との反応である。これらは、ビスアシル基の間、例えば、アルキレン、アルケニレンまたはアリーレン部分に、合計で2〜44個、好適には2〜12個の炭素原子を有することができる。適当な例は、無水コハク酸、無水グルタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物およびその異性体、無水フタル酸、無水トリメリット酸、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物およびそれらの異性体、無水グリコール酸、無水マレイン酸、ジメチルマレイン酸無水物、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アルケニルコハク酸無水物(好適にはそのアルケニル基が2個より多くの炭素原子、特に5個より多くの炭素原子、より好適には7個より多くの炭素原子を有するもの)である。具体的には、以下のものが言及されるべきである:n-オクテニルコハク酸無水物、n-ドデセニルコハク酸無水物、テトラプロペニルコハク酸無水物、n-ヘキサデセニルコハク酸無水物およびn-オクタデセニルコハク酸無水物。アルケニル基は、直鎖状または分枝状構造を有することができる。さらに、異なる数の炭素原子を有するアルケニル基の混合物も生じ得る。複数の無水物の混合物も可能であるが、好適には、環状無水物が挙げられる。
【0043】
しかしながら、モル過剰のイソシアネートを使用することもできる。この場合、NCO末端化オリゴマーが形成される。
【0044】
最終生成物中のNCO基は、通常、所望されないが、それらは、例えば、疎水性またはイオン性構造要素を導入するために使用することができる。
【0045】
疎水性構造要素は、例えば、NCO末端化オリゴマーを、≧2個の炭素原子、特に≧6個、≧10個または≧16個の炭素原子を有する、モノオールまたは一官能性アミンと反応させることによって得ることができる。具体的には、以下のものが言及されるべきである:1個のOH基を有するポリエチレン/ブチレン、例えば、3600のOH当量を有するもの(Kraton L 1203)、ならびに1-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、1-ノナノール、1-デカノール、1-ウンデカノール、10-ウンデセン-1-オール、1-ドデカノール、1-トリデカノール、1-テトラデカノール、1-ペンタデカノール、1-ヘキサデカノール、1-ヘプタデカノール、1-オクタデカノール、9-cis-オクタデセン-1-オール、9-trans-オクタデセン-1-オール、9-cis-オクタデセン-1,12-ジオール、all-cis-9,12-オクタデカジエン-1-オール、all-cis-9,12,15-オクタデカトリエン-1-オール、1-ノナデカノール、1-エイコサノール、9-cis-エイコセン-1-オール、5,8,11,14-エイコサテトラエン-1-オール、1-ヘンエイコサノール、1-ドコサノール、13-cis-ドコセン-1-オール、13-trans-ドコセン-1-オール。また、対応する脂肪アミンも、疎水化構造要素とすることができる。
【0046】
最後に、ジカルボン酸無水物に関して、イオン形成構造を導入するさらなる手段は、NCO末端化オリゴマーと、アルキレン、アルケニレンまたはアリーレン部分を有する、ヒドロキシカルボン酸またはアミノカルボン酸との反応である。その例としては、以下のものが挙げられる:グリコール酸、乳酸、カプロン酸およびマンデル酸、ならびにアミノカプロン酸、アミノドデカン酸、グリシン、アラニンおよびフェニルアラニン。
【0047】
好適な本発明の実施態様において、使用される成分Bは、少なくとも約2000の分子量(Mn)を有する非イオン性ポリウレタン、特に、少なくとも一つのポリイソシアネートと、少なくとも1000の分子量を有する、少なくとも一つのポリアルキレングリコールとの反応によって得られる、非イオン性ポリウレタンである。成分Bとして使用される非イオン性ポリウレタンは、150℃にて、500〜80000mPas、好適には1000〜60000mPas、および特に好適には2000〜40000mPasの粘度(ブルックフィールド、スピンドル27、ASTM D 3236-88にしたがって測定)を有する。
【0048】
非イオン性ポリウレタンを使用することで、製造および塗布において、より良好な生成物の安定性/均質性が導かれる。それは、特に接着剤組成物のレオロジー特性を改善する。このことは、例えば、高速機械(約600m/分)で使用する場合、見出される:スプレー系を用いる塗布において、本発明の溶融接着剤を用いることで、均一の接着剤糸が得られ、およびスポットは得られない。
【0049】
成分Aは、好適には塩として存在する。本発明の水溶性溶融接着剤において、成分Cとして使用される無機または有機塩基は、接着剤組成物を水と混合する過程において、成分Aの可溶化をもたらすのに役立つ。この目的のために、使用される無機塩基は、例えば、水酸化ナトリウム溶液または水酸化カリウム溶液であり得る。
【0050】
有機塩基の群としては、例えば、脂肪族アミノアルコールが挙げられる。本発明において、好適には、アルカノール基中に2〜6個の炭素原子を有するアルカノールアミン、好適にはトリアルカノールアミン(ここで、一分子のアルカノール基における炭素鎖長は、同一または異なり得る。)を使用することが挙げられる。特にトリエタノールアミンを使用する場合、溶融接着剤の透明な水溶液が得られる。
【0051】
本出願において特に好適である溶融接着剤は、該水溶性溶融接着剤が、成分Cとして、アルカノール基中に2〜6個の炭素原子を有するアルカノールアミン、好適にはトリアルカノールアミン、特に好適にはトリエタノールアミン(ここで、一分子のアルカノール基における炭素鎖長は、同一または異なり得る。)を含んでなることを特徴とする。
【0052】
本発明の水溶性溶融接着剤中の成分Cの量は、10〜45重量%、好適には12〜35重量%、および特に好適には15〜25重量%である。
【0053】
該溶融接着剤は、0〜20重量%のさらなる添加剤、例えば、ベースポリマー、可塑剤、レオロジー添加剤、抗酸化剤、UV安定化剤、染料または粘着付与樹脂(粘着付与剤)、ならびに、3重量%以下までの水および/または有機溶媒を、これらの添加剤が溶融接着剤組成物の水溶性を害しない場合、含有し得る。
【0054】
使用される粘着付与剤は、例えば、炭化水素樹脂、特にC5またはC9樹脂、あるいはC5樹脂で変性したC9樹脂である。また、粘着付与剤としての使用に適当なものは、純粋な炭化水素モノマーに基づく樹脂、例えば、スチレン、α-メチルスチレンおよびビニルトルエンの混合物の重合から得ることができるような、樹脂である。上記炭化水素樹脂は、部分的に水素化または完全に水素化することができる。
【0055】
同様に、粘着付与剤としての使用に適当なものは、例えば、木、または製紙において得られるトール樹脂から得られるような、天然樹脂(例えば、バルサム樹脂)である。天然樹脂は、上記形態で粘着付与剤として使用することができるが、対応する多官能性アルコールによるエステル化後のペンタエリスリトールエステル、グリセロールエステル、ジエチレングリコールエステル、トリエチレングリコールエステルまたはメチルエステルと言及される樹脂も同様に使用することができる。
【0056】
粘着付与剤として同様に適当なものは、ポリテルペン樹脂である。テルペンは、それらの天然溶媒からの樹脂酸の分離において得られ、そしてポリテルペン樹脂へと重合することができる。粘着付与剤としての使用に同様に適当なものは、フェノール変性によってポリテルペン樹脂から得ることができるテルペン-フェノール樹脂である。好適には、水溶性粘着付与剤が挙げられる。
【0057】
使用される抗酸化剤は、当業者に既知の抗酸化剤である。これらは、チオエーテル、ヒンダードおよび/または多官能性フェノール、ヒドロキシルアミンまたは有機リン化合物(例えば、有機ジホスファイト)に基づく抗酸化剤である。抗酸化剤は、個々にまたは混合物の状態で使用される。好適には、水溶性抗酸化剤を使用することが挙げられる。典型的な市販の抗酸化剤は、商品名Irganox 1010およびIrganox 1076のもと、Cibaによって供給される。組成物全体中の抗酸化剤の量は、0.05〜2.5重量%、好適には0.1〜2重量%、および特に好適には0.25〜1.5重量%である。
【0058】
添加剤は、個々にまたは二以上の上記物質の混合物として溶融接着剤中に存在することができる。添加剤の量は、約20重量%(溶融接着剤全体基準)を超えるべきではない。適当な量の例は、約0.1〜約15重量%、または約1〜約10重量%である。好適な本発明の実施態様において、例えば、約2、3、4、5、7または9重量%の添加剤が使用される。
【0059】
本発明の水溶性溶融接着剤は、該溶融接着剤が通例の塗布方法に使用されるのを可能にする粘度を有する。したがって、有利には、溶融接着剤は、1000mPas〜20000mPas、好適には1500mPas〜15000mPas、および特に好適には2000〜8000mPasの範囲にある、120℃での粘度(ブルックフィールド、サーモセル、スピンドル27、ASTM D 3236-88)を有する。
【0060】
本発明に好適な溶融接着剤は、水溶性であり、すなわち、3gの量の溶融接着剤が600gの水(5と8の間のpHおよび温度40℃)に完全に溶解する。「完全に溶解」は、粘着性のない、分散した粒子が水中に形成されること、好適には分子的分散液が形成されることを意味すると理解される。
【0061】
本発明にしたがって洗濯洗剤または洗浄組成物に使用される溶融接着剤の水溶性は、欧州規格EN 1720に基づいて決定される。これによれば、いずれの場合にも二つの800mlビーカーを、600gの水で充填する。第一のビーカー(BG1)中の水を、リン酸溶液(水100部に対してリン酸1部)を用いてpH5(±0.1)に調整する。第二のビーカー(BG2)中の水を、水酸化ナトリウム水溶液(水100部に対してNaOH1部)を用いてpH8(±0.1)に調整する。両方のビーカーを40℃に加熱する。いずれの場合にも2つの試料(3gの該接着剤)を、約200g/mの乾燥接着剤フィルムを1cm片に切断することによって製造する。いずれの場合にも3gの切断した接着剤フィルム試料を、攪拌しながらビーカーBG1およびBG2に導入し、そして40℃で90分間攪拌する。その後、BG1およびBG2の内容物を、直ちに*)フィルター(いずれの場合にも孔径100μm;ろ過前にフィルターの重量を測定する。)を通して完全にろ過する。該フィルターを、乾燥キャビネット中、60℃で2時間、一定量まで乾燥し、その後、定量する。使用される接着剤の量に基づく0〜0.5重量%の量のフィルター残渣は、接着剤が容易に分散可能であることを示す。(*)N.B.:ろ過操作直前、接着剤片の分散体が不透明/透明または澄んだ溶液になっているかどうかの目視試験を行う。目視試験は、標準としての水と比較して行う。該標準は、接着剤フィルム片を含まないBG1およびBG2である。本発明の接着剤は、標準から、目に見えるいかなる違いも示さない。すなわち、明らかに可溶性である。)
【0062】
本発明の水溶性溶融接着剤は、通常、溶融状態における通例の塗布方法を用いて、接着剤を塗布することによって加工される。適当な塗布方法は、例えば、ロール、スロットダイまたはスプレーノズル用いる塗布、およびテンプレート塗布である。特に、接着結合される対象の少なくとも一つを、水溶性溶融接着剤で前処理することが好適である。例えば、以下に記載する本発明の方法において、特に好適には、水溶性溶融接着剤による、作成済みの、少なくとも部分的被覆物を有する、水溶性または水分散性閉口部(特に、水溶性または水分散性フィルム)を使用することが挙げられる。このような閉口部(特に、フィルム)を使用する場合、水溶性溶融接着剤の用量は、対応する方法において省かれる。閉口部(特に、フィルム)は、これらの閉口部(特に、フィルム)を加熱することによる、簡単な手法で接着結合することができる。本発明の方法の実施のために要求される装置は、このように顕著に低減される。
【0063】
塗布を、ロールを用いて行う場合、通常、かなり高い秤量の接着剤を実現することができるのみである。ロール塗布に適当な溶融接着剤の例は、約1000〜約6000mPas、特に約2000〜約3000mPasの、約120〜約150℃での溶融粘度(ブルックフィールド、サーモセル、スピンドル27、ASTM D 3236-88)を有するものである。
【0064】
溶融接着剤を、スロットダイを用いて塗布する場合、これは、通常、約400〜約20000mPas、特に約600〜約5000mPasの、約120〜約150℃での溶融粘度(ブルックフィールド、サーモセル、スピンドル27、ASTM D 3236-88)を有する溶融接着剤を使用して行う。
【0065】
しかしながら、溶融接着剤の塗布は、スプレーノズルを用いても実現することができる。この場合、全面塗布は得られない。アトマイジングまたは非アトマイジングスプレーノズルのいずれかを使用することができる。後者の場合、スピンスプレーも参照することができる。アトマイジングスプレーノズルは、通常、約400〜約10000mPas、特に約600〜約5000mPasの、約120〜約150℃での溶融粘度(ブルックフィールド、サーモセル、スピンドル27、ASTM D 3236-88)を有する溶融接着剤を必要とする。非アトマイジングスプレーノズルは、必要とされる糸の粘着力を確保するために、わずかにより高い粘度を有する溶融接着剤を必要とする。適当な例は、約3000〜約10000mPasの、温度約120〜約150℃での溶融粘度(ブルックフィールド、サーモセル、スピンドル27)を有する溶融接着剤である。
【0066】
さらなる好適な実施態様において、約0.1〜約10秒、例えば約0.2〜約8秒、より好適には約0.5〜約6秒のオープンタイムを有する溶融接着剤が使用される。
【0067】
特に好適には、実質的に無制限に水に混和可能である、すなわち、少なくとも約10重量%以上、例えば、約20重量%または約50重量%あるいはそれ以上で混和性のギャップを有しない、溶融接着剤を使用することが挙げられる。
【0068】
冒頭に記載したように、本出願における用語「洗濯洗剤または洗浄組成物分包」は、繊維製品、食器類または塗装面を洗浄するのに適当である、例えば、作成済みの用量単位の形態(例えば、タブレットまたは小袋)の組成物を包含する。また、用語「洗濯洗剤または洗浄組成物」は、これらの洗濯洗剤または洗浄組成物の水溶性または水分散性包装または包装構成成分を包含する。水不溶性外装は、用語「洗濯洗剤または洗浄組成物」に包含されない。水溶性溶融接着剤は、好適には本発明の洗濯洗剤または洗浄組成物の個々の構成成分の接着結合に役立つ。したがって、本発明の洗濯洗剤または洗浄組成物分包の群としては、例えば、
- 互いに接着結合された洗濯洗剤または洗浄組成物タブレット;
- 窪み中に接着結合された充填物を有する洗濯洗剤または洗浄組成物窪み付きタブレット;
- 少なくとも部分的に窪みを閉口する接着結合された水溶性または水分散性閉口部を有する(充填剤入り)洗濯洗剤または洗浄組成物窪み付きタブレット;
- 洗濯洗剤または洗浄組成物のための、接着結合によって少なくとも部分的に密封された水溶性または水分散性外装、例えば、水溶性または水分散性閉口部を有する、熱成形、射出成形またはボトルブロー成形された水溶性または水分散性受入器。
【0069】
さらなる好適な本出願の実施態様において、洗濯洗剤または洗浄組成物は、少なくとも一つのタブレット、好適には少なくとも一つの窪み付きタブレットを含んでなる。このようなタブレットまたは窪み付きタブレットは、例えば、圧縮方法(例えば、打錠)によって、押出成形によって、または注型成形によって得ることができる。本出願において、特に好適には、打錠によって、または注型成形によって製造された、タブレットまたは窪み付きタブレットが挙げられる。
【0070】
洗濯洗剤または洗浄組成物タブレットは、粒状出発物質を圧縮することによる、当業者に既知の方法で製造される。タブレットを製造するため、プレミックスは、2つのパンチの間のいわゆるダイ中で圧縮され、固体圧縮体が得られる。この操作(以下、これを略して打錠という。)は、4つの区分:用量、圧縮(弾性再構築)、塑性再構築および排出に分けられる。打錠は、好適にはいわゆるロータリープレスで行われる。
【0071】
ロータリープレスを用いる打錠の場合、タブレットにおいて、最小重量偏差を伴う打錠を実施することが有利であることがわかった。また、このようにして、タブレットの硬度偏差を低減することもできる。小さい重量偏差は、以下の方法で達成することができる:
- 低い厚み耐性を有するプラスチックインレーの使用
- ローターの低い回転速度
- 大きいフィリングシュー
- ローターの回転速度に対するフィリングシューベーン回転速度の適合
- 一定の粉末高さを有するフィリングシュー
- フィリングシューおよび粉末リザーバーのデカップリング。
【0072】
パンチ上のケーキングを低減するため、当該分野から既知の任意の抗付着被覆を使用することができる。特に有利な抗付着被覆は、プラスチック被覆、プラスチックインレーまたはプラスチックパンチである。また、可能であれば、上方パンチおよび下方パンチが回転可能な様式で構成される場合、回転パンチは、有利であることがわかった。回転パンチの場合、通常、プラスチックインレーを省くことができる。この場合、パンチ表面は、電解研磨されるべきである。
【0073】
本発明に好適な方法は、圧縮を、0.01〜50kNcm−2、好適には0.1〜40kNcm−2および特に1〜25kNcm−2の圧力で行うことを特徴とする。
【0074】
本発明の好適な注型成形の生産は、例えば、型中に洗浄または清浄活性処方物を注入し、その後、固化した成型体を脱型して(窪み付き)タブレットを形成することによって行う。使用される「型」は、好適には、注型成形可能な物質を充填することができるキャビティを有するツールである。このようなツールは、例えば、個々のキャビティの形態、あるいは複数のキャビティを有するプラークの形態であってもよい。個々のキャビティまたはキャビティプラークは、工業的方法において、好適には、例えば、一連の異なる作業場(例えば:注型、冷却、充填、密封、脱型等)に沿って、キャビティの連続的またはバッチ式の輸送を可能にする水平コンベヤーベルト上に備え付けられる。
【0075】
好適な方法において、洗浄または清浄活性処方物は、注型され、その後、寸法安定体に固化される。本発明において、「固化」は、再構築可能な、好適には自由に流動する混合物またはこのような物質またはこのような集団から、必要とされる圧力または圧縮力なくして室温で固体を与える任意の硬化機構を特徴とする。したがって、本発明において、「固化」は、例えば、冷却による、室温で固体の物質の溶融物の硬化である。また、本出願において、「固化方法」は、時間遅延した水の結合による、溶媒の蒸発による、化学反応、結晶化等による再構築可能な集団の硬化、ならびに、自由に流動する粉末混合物の安定中空体への反応性硬化である。
【0076】
上記方法における加工に適当なものは、通常、注型成形技術によって加工することができる全ての洗浄または清浄活性処方物である。しかしながら、特に好適には、分散体の形態の洗浄または清浄活性処方物を使用することが挙げられる。特に好適な本出願の実施態様において、型の受入窪みに注入された洗浄または清浄活性処方物は、分散剤中の固体粒子の分散体であり、特に好適には、それらの総重量に基づいて、
i)10〜85重量%の分散剤、および
ii)15〜90重量%の分散した物質
を含有する分散体が挙げられる。
【0077】
本出願において、分散体は、複数相の系のことをいう。その一つは、連続相(分散剤)であり、少なくとも一つは、さらに微細に分けられた相(分散した物質)である。特に好適な洗浄または清浄活性処方物は、それらが、いずれの場合にも分散体の総重量に基づいて、11重量%より多く、好適には13重量%より多く、より好適には15重量%より多く、さらにより好適には17重量%より多く、および特に19重量%より多くの量で分散剤を含んでなることを特徴とする。また、好適には、いずれの場合にも分散体の総重量に基づいて、20重量%を超える、好適には21重量%を超える、および特に22重量%を超える重量割合の分散剤を有する分散体を有する処方物を使用することができる。好適な分散体中の分散剤の最大含量は、分散体の総重量に基づいて、好適には63重量%未満、好適には57重量%未満、より好適には52重量%未満、さらにより好適には47重量%未満、および特に37重量%未満である。本発明において、特に、それらの総重量に基づいて、12〜62重量%、好適には17〜49重量%、および特に23〜38重量%の量で分散剤を含有する洗浄または清浄活性処方物が好適である。
【0078】
使用される分散剤は、好適には水溶性または水分散性である。これらの分散剤の25℃での溶解度は、好適には200g/lより大きく、好適には300g/lより大きく、より好適には400g/lより大きく、さらにより好適には430g/lと620g/lの間、および特には470g/lと580g/lの間である。
【0079】
本発明において、適当な分散剤は、好適には水溶性または水分散性ポリマー、特には水溶性または水分散性非イオン性ポリマーである。分散剤は、個々のポリマーまたは異なる水溶性または水分散性ポリマーの混合物のいずれかであり得る。さらなる好適な本発明の実施態様において、分散剤、または少なくとも50重量%のポリマー混合物は、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/ビニルエステルコポリマー、セルロースエーテル、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールの群からの水溶性または水分散性非イオン性ポリマーからなる。
【0080】
特に好適には、分散剤として、非イオン性ポリマー、好適にはポリ(アルキレン)グリコール、好適にはポリ(エチレン)グリコールおよび/またはポリ(プロピレン)グリコールを含んでなり、全ての分散剤の総重量におけるポリ(エチレン)グリコールの重量割合が好適には10重量%と90重量%の間、より好適には30重量%と80重量%の間、および特には50重量%と70重量%の間である、分散体を使用することが挙げられる。特に好適には、分散剤が、92重量%より多く、好適には94重量%より多く、より好適には96重量%より多く、さらにより好適には98重量%より多く、および特に100重量%のポリ(アルキレン)グリコール、好適にはポリ(エチレン)グリコールおよび/またはポリ(プロピレン)グリコール、特にポリ(エチレン)グリコールを含んでなる、分散体が挙げられる。ポリ(エチレン)グリコールに加えて、ポリ(プロピレン)グリコールも含んでなる分散剤は、好適には40:1と1:2の間、好適には20:1と1:1の間、より好適には10:1と1.5:1の間、および特には7:1と2:1の間のポリ(プロピレン)グリコールに対するポリ(エチレン)グリコールの重量部の比率を有する。
【0081】
さらなる好適な分散剤は、単独で使用され得るが、より好適には非イオン性ポリマーとの組合せで使用され得る、非イオン性界面活性剤である。使用可能な非イオン性界面活性剤についての詳細な説明は、以下の洗浄または清浄活性物質の説明中に見出すことができる。
【0082】
本出願において適当な分散した物質は、室温で固体の全ての洗浄または清浄活性物質、特にビルダー(ビルダーおよびコビルダー)、洗浄または清浄活性ポリマー、漂白剤、漂白活性剤、ガラス腐食防止剤、銀保護剤および/または酵素の群からの洗浄または清浄活性物質である。これらの成分のより詳細な説明は、以下の記載中に見出すことができる。
【0083】
洗濯洗剤または洗浄組成物タブレットとして好適に使用される組成物は、高密度を特徴とする。特に好適には、1.040g/cmを超える密度を有するタブレットを使用することが挙げられる。本発明に好適な組成物は、それらが1.040g/cmを超える、好適には1.15g/cmを超える、より好適には1.30g/cmを超える、および特に1.40g/cmを超える密度を有することを特徴とする。この高密度は、用量単位タブレットの総体積を低減するばかりでなく、同時にその機械的安定性も改善する。したがって、特に好適な本発明の組合せ生成物は、洗濯洗剤または洗浄組成物タブレットが、1.050g/cmと1.670g/cmの間、好適には1.120g/cmと1.610g/cmの間、より好適には1.210g/cmと1.570g/cmの間、さらにより好適には1.290g/cmと1.510g/cmの間、および特には1.340g/cmと1.480g/cmの間の密度を有することを特徴とする。各密度データは、20℃での組成物の密度に関する。
【0084】
洗濯洗剤または洗浄組成物タブレットとして、本発明に好適に使用される分散体は、9分未満、好適には7分未満、好適には6分未満、より好適には5分未満、および特に4分未満で、水(40℃)に溶解することを特徴とする。溶解度を決定するため、20gの該分散体を、機械式食器洗浄機(Miele G 646 PLUS)の内部に導入する。標準洗浄プログラムの主洗浄サイクル(45℃)を開始する。溶解度を、伝導率センサーを用いて記録した伝導率を測定することによって決定する。溶解手順を、最大伝導率が達成された際に終了する。伝導率ダイアグラムにおいて、この最大値は、プラトーに対応する。伝導率測定は、主洗浄サイクルにおいて循環ポンプを使用するとともに開始する。使用される水量は、5Lである。
【0085】
注型成形によって、成形体および中空成形体の両方を製造することができる。注型した洗浄または清浄活性処方物を、型のキャビティ中で固化させる場合、単純な、成形体が製造される。しかしながら、より有利には、および本出願において好適には、洗濯洗剤または洗浄組成物タブレットは、注型成形中空体の形態で製造される。
【0086】
打錠または注型成形によって製造される成形品、特に窪み付きタブレットは、任意の幾何学的形態をとることができ、好適には、特に、凹部形態、凸部形態、両凹部形態、両凸部形態、立方体、正方晶系の形態、斜方晶系の形態、円筒、球形、円筒切片状形態、ディスク形態、四面体、十二面体、八面体、円錐体、ピラミッドの形態、楕円体、五角柱、七角柱および八角柱、および菱面体晶の形態が挙げられる。全く不規則な基本形態、例えば、弓形および動物の形態、木の形態、雲の形態なども製造することができる。本発明のタブレットは、角および縁部を有する場合、好適には丸め処理される。付加的な視覚的区別として、丸め処理した角および斜めに切った(面取りした)縁部を有する具体例が好ましい。
【0087】
もちろん、タブレットまたは窪み付きタブレットは、多相形態にも製造できる。ここで、プロセス経済の理由から、二層タブレットが特に有用であることがわかった。
【0088】
また、キャビティの形態も自由に選択することができる。したがって、本発明のタブレットの窪みは、所望の幾何学的形態をとることができ、好適には、特に、凹部形態、凸部形態、両凹部形態、両凸部形態、立方体、正方晶系の形態、斜方晶系の形態、円筒、球形、円筒切片状形態、ディスク形態、四面体、十二面体、八面体、円錐体、ピラミッドの形態、楕円体、五角柱、七角柱および八角柱、および菱面体晶の形態が挙げられる。全く不規則な基本形態、例えば、弓形および動物の形態、木の形態、雲の形態なども製造することができる。窪み周辺部は、角および縁部を有する場合、好適には丸め処理される。付加的な視覚的区別として、丸め処理した角および斜めに切った(面取りした)縁部を有する具体例が好ましい。
【0089】
タブレット全体と比較した窪みの寸法は、タブレットに所望の最終用途に依存する。最終用途に拘わらず、好適には、キャビティに対するタブレットの体積比が2:1〜100:1、好適には3:1〜80:1、より好適には4:1〜50:1、最も好適には5:1〜30:1である、洗濯洗剤および洗浄組成物タブレットが挙げられる。体積比は、本発明の完成タブレットの体積(すなわち、キャビティを有するタブレットの体積)およびキャビティの充填体積から算出される。2つの体積の差は、キャビティを有するタブレットの体積を与える。換言すれば、タブレットが、例えば、2、3および4cmの辺長および2cmの体積を有する窪みを有する斜方晶系形態を有する場合、この「ベースタブレット」の体積は、22cmである。したがって、この例において、体積比は、11:1である。2:1未満のタブレット:キャビティ体積比(もちろん、これは本発明にしたがって実現することができる。)にて、壁の不安定性が生じ得る。
【0090】
キャビティを有するタブレット(「窪み付きタブレット」)によって作られた表面積画分またはタブレットの総表面積中のキャビティの開口表面積に関して、同様の説明をすることができる。ここで、好適には、キャビティの開口部の表面積が、タブレットの総表面積の1〜25%、好適には2〜20%、より好適には3〜15%、および特に4〜10%を構成する、洗濯洗剤および洗浄組成物タブレットが挙げられる。ここで、タブレットの総表面積は、再び「仮定的に閉口された」キャビティを有するタブレットの総表面積に対応する(すなわち、上記例において、窪みの開口表面積を無視して52cm)。このような例のタブレットの場合、好適な本発明の実施態様において、キャビティの開口部は、0.52〜13cm、好適には1.04〜10.4cm、より好適には1.56〜7.8cm、および特に2.08〜5.2cmの表面積を有する。
【0091】
窪み付きタブレットにおける窪みの底は、平坦であってもよい。平坦な窪みの底は、タブレットの上層の表面に完全に平行していてもよいが、傾いていてもよい。しかしながら、平坦ではない窪みの底、例えば凹状の底を提供することもできる。これは、対応する窪み付きタブレットの製造がより良好になるので、好適である。窪み付きタブレットを製造するために必要とされる、突出するスパイクを有する圧縮パンチは、スパイクが圧縮表面に対して完全な平行平面ではなく、むしろ、プレミックス粒子を、圧力帯から窪みの後のウェブへと滑らせることができる場合、圧縮に際して粒状プレミックスをより良好に置き換える。
【0092】
窪み付きタブレットの窪みは、核で充填され得る。窪みの充填に際して、核は、実質的に完全に窪みの開口表面積を充填することができる。しかしながら、核は、窪みの開口部の直径よりも明らかに小さい直径を有することもできる。本発明において、核の最大水平断面の表面積は、窪みの開口表面積の0.2〜0.98倍、好適には0.5〜0.95倍、および特に0.7〜0.9倍となることが好適である。窪みの充填物(「核」ともいう。)は、好適には、例えば、注型成形、焼結、押出成形、カレンダー成形等によって製造することができる固形物である。しかしながら、窪み充填物は、タブレットまたは注型成形物であることが好適である。特に好適には、充填物として、被覆、好適には2、3、4、5、6またはそれ以上の個々の層を有する多重被覆を有する核を使用することが挙げられる。充填物として使用される、さらなる固体は、粉状または粒状の洗濯洗剤または洗浄組成物である。
【0093】
したがって、本出願は、さらに好適には、窪み付きタブレットならびに少なくとも部分的に該窪み付きタブレットの窪みに存在するさらなる核を含んでなる、洗濯洗剤または洗浄組成物分包を提供する。ここで、窪み付きタブレットおよび核は、エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤によって互いに接着結合されている。
【0094】
上記のように、初めに開示した溶融接着剤は、洗濯洗剤または洗浄組成物分包の製造方法に有利に使用することができる。したがって、本出願は、さらに、エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤を用いて、洗濯洗剤または洗浄組成物分包の少なくとも一つの構成成分を接着結合させることによる、洗濯洗剤または洗浄組成物分包の製造方法を提供する。
【0095】
したがって、本出願は、さらに、好適には、以下の工程:
a)打錠または注型成形により、(窪み付き)タブレットを製造する工程;
b)エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤を用いて、(窪み付き)タブレットを、さらなるタブレット、好適には核と接着結合させる工程;
を含む、洗濯洗剤または洗浄組成物分包の製造方法も提供する。
【0096】
さらなる好適な本出願の実施態様において、本発明の洗濯洗剤または洗浄組成物分包は、水溶性または水分散性包装を含んでなる。本出願において、「水溶性または水分散性包装」は、特に、水溶性または水分散性フィルムならびに水溶性または水分散性材料から射出成形またはボトルブロー成形によって製造されたものである。このような水溶性または水分散性フィルムならびに射出成形またはボトルブロー成形によって製造されたものは、好適には、上記窪み付きタブレットの窪みを密封するための閉口部として使用される。
【0097】
したがって、本出願は、さらに好適には、窪み付きタブレットならびに該窪み付きタブレットの窪みを少なくとも部分的に閉口する水溶性または水分散性閉口部を含んでなる洗濯洗剤または洗浄組成物分包を提供する。ここで、窪み付きタブレットおよび閉口部は、エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤によって、互いに接着結合されている。
【0098】
本出願は、好適には、さらに、以下の工程:
a)打錠または注型成形により、窪み付きタブレットを製造する工程;
b)窪み付きタブレットの窪みを充填する工程;
c)エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤を用いて、窪み付きタブレットを、水溶性または水分散性閉口部と接着結合させることにより、窪みを閉口する工程;
を含む、洗濯洗剤または洗浄組成物分包の製造方法を提供する。
【0099】
窪みを密封するために使用されるフィルムは、単層フィルムばかりでなく、フィルム積層体でもよい。特にフィルム積層体は、特に好適に本出願において使用される。本出願において、密封の実施に関して、特に閉口部として使用されるフィルムの供給および所定の大きさへの切断に関して、一連の異なる方法が可能である。
本発明の方法の好適な実施態様において、密封フィルムを、窪みの閉口後、所定の大きさに切断する。該フィルムは、例えば、パンチング、ブレードまたはレーザーによって、所定の大きさに切断することができる。しかしながら、特に好適には、密封フィルムが、密封前に、タブレットの窪みの大きさにその大きさが調整された作成済みのラベルの形態で既に存在し、そして、ラベルアプリケーターによってリザーバーから取られて窪みに付与される、変法が挙げられる。
【0100】
さらなる好適な本出願の実施態様において、洗濯洗剤または洗浄組成物分包は、水溶性または水分散性包装によって完全に包まれる。適当な包装は、例えば、熱成形、射出成形またはボトルブロー成形によって製造することができる。しかしながら、好適には、熱成形または射出成形された包装が挙げられる。
【0101】
熱成形方法において、受入窪みを覆った後、熱成形平面を形成し、被覆材料をこの受入窪みの形状にするダイ中に置かれた第一のフィルム様被覆材料は、圧力および/または真空の作用により再形成される。該被覆材料は、熱および/または溶媒の作用による成形、および/または、雰囲気の相対湿度および/または周囲条件に対して変化させた温度の調整の前または間に、前処理することができる。圧力の作用は、それらが一緒にプレスされる場合、正および負のように作用し、これらのツールの間に置かれたフィルムを成形する、ツールの2つの部分によってもたらされ得る。しかしながら、適当な圧力は、圧縮空気の作用および/またはフィルムの固有の重さおよび/またはフィルムの上側に置かれた活性物質の固有の重さでもある。
【0102】
熱成形後、熱成形された被覆材料を、好適には、受入窪み中で、真空を使用する熱成形操作によって達成される、それらの三次元形状に固定する。真空を、熱成形から充填まで、好適には密封まで、特には受入チェンバーの単離まで、連続的に付与する。
【0103】
上記したように、被覆材料を、熱の作用によってダイの受入窪み中で成形する前または間に、前処理することができる。被覆材料(好適には水溶性または水分散性ポリマーフィルム)を、60℃を超える、好適には80℃を超える、より好適には100℃と120℃の間、および特に105℃と115℃の間の温度にて、5秒まで、好適には0.1〜4秒間、より好適には0.2〜3秒間、および特に0.4〜2秒間加熱する。この熱を除去するために、特には熱成形された受入チェンバーに充填された組成物(例えば、溶融物)により導入された熱も除去するために、使用されたダイおよびこれらのダイ中に存在する受入窪みを冷却することが好適である。冷却は、好適には、20℃未満、好適には15℃未満、より好適には2℃と14℃の間、および特に4℃と12℃の間の温度にまで行う。好適には、冷却は、連続的に、熱成形操作の始めから、受入チェンバーの密封および単離まで行うことが挙げられる。冷却に特に適当なものは、ダイ中の特定の冷却ライン中を循環する冷却液(好適には水)である。
【0104】
熱成形方法において、被覆材料を成形作業場へと水平に送り、そこから水平に、充填および/または密封および/または単離を行う方法と、被覆材料を(適当であれば、必要に応じて、離型する上方パンチが雌ダイ成形ロールのキャビティを導く、逆に動く雄ダイ成形ロールと共に)連続的な雌ダイ成形ロール上で処理する方法を区別することができる。最初に述べた平床方法の変法は、連続式またはバッチ式のいずれかで行うことができる;成形ロールを使用する変法は、通常、連続式で行う。上記した全ての熱成形方法は、本発明に好適な組成物を製造するのに適当である。ダイ中に配置された受入窪みは、「直列に」またはオフセットに配列されていてもよい。
【0105】
「射出成形」とは、一回より多くの射出成形操作のための、材料シリンダー中に存在する材料を、熱の作用下、可塑的に軟化し、そして圧力下、ノズルを通って、予め閉ざされたツールのキャビティ中へと流動させるように、成形材料を再成形することをいう。該方法は、冷却によりツール中で固化する、非硬化性成形材料の場合に主に用いられる。射出成形は、切断することなく成形された物品を製造するための、非常に経済的に実施可能な、現代的な方法であり、特に自動化大量生産に適当である。工業的操作において、熱可塑性成形材料(とりわけ、粉末、粒子、立方体、ペースト)を、液化するまで(180℃まで)加熱し、次いで、高圧(140MPaまで)下、閉ざされた2つの部分、すなわち、ダイ(以前は雌部分として既知)および核(以前は雄部分として既知)からなる部分、好適には水冷した中空の型(ここで、それらは冷却され、固化する。)へとスプレーする。ピストンおよびスクリュー射出成形機を使用することができる。
【0106】
熱成形に適当なフィルム材料および射出成形法に適当な成形材料は、水溶性ポリマー、例えば、上記セルロースエーテル、ペクチン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸塩、ゼラチンまたはデンプンである。
【0107】
したがって、本出願において、さらに好適には、水溶性または水分散性材料から構成される熱成形または射出成形受入器を含んでなる、本発明の洗濯洗剤または洗浄組成物分包が挙げられる。ここで、洗濯洗剤または洗浄組成物は、この受入器中に存在し、ならびに水溶性または水分散性閉口部は、この受入器を閉口し、該受入器および閉口部は、エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤によって、互いに接着結合されている。
【0108】
適当な水溶性または水分散性閉口部は、上記窪み付きタブレットの場合において既に述べたように、特に水溶性または水分散性フィルムばかりでなく、熱成形または射出成形体でもある。特に好適には、水溶性または水分散性受入器を、洗濯洗剤または洗浄組成物成分が充填された作成済みの水溶性または水分散性小袋の形態の閉口部で閉口することが挙げられる。
【0109】
本出願は、好適には、さらに、以下の工程:
a)水溶性または水分散性受入器を提供する工程;
b)受入器を、洗浄または清浄活性物質で充填する工程;
c)エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤を用いて、受入器を、水溶性または水分散性閉口部と接着結合させることにより、受入器を閉口する工程;
を含む、洗濯洗剤または洗浄組成物分包の製造方法を提供する。
【0110】
プレスされたまたは注型成形された窪み付きタブレットを密封するための方法に関して既に述べたように、特に好適には、水溶性または水分散性受入器の密封のために水溶性または水分散性フィルムを使用することも挙げられる。本発明の方法の好適な実施態様において、窪みを閉口した後に、密封フィルムを所定の大きさに切断する。該フィルムは、例えば、パンチング、ブレードまたはレーザーによって、所定の大きさに切断することができる。しかしながら、特に好適には、密封フィルムが、密封前に、タブレットの窪みの大きさにその大きさが調整された作成済みのラベルの形態で既に存在し、そして、ラベルアプリケーターによってリザーバーから取られて窪みに付与される、変法が挙げられる。
【0111】
最初に記載した、洗濯洗剤または洗浄組成物を接着結合させるまたは密封するために作成された水溶性溶融接着剤は、洗濯洗剤または洗浄組成物の包装に特に好適なフィルム積層体を製造するのに使用することもできる。この目的のために、二以上の水溶性または水分散性フィルムを、水溶性溶融接着剤によって、互いに接着結合し、フィルム積層体を得る。このような方法において、該溶融接着剤は、積層剤として役立つ。実際の積層操作は、圧力の作用によるカレンダー(ロールプレス)を使用することによって進行することができる。
【0112】
したがって、本出願は、好適には、さらに、エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤を含んでなる水溶性または水分散性フィルムから構成された積層体を有する、洗濯洗剤または洗浄組成物を提供する。
【0113】
本出願は、さらに、洗濯洗剤または洗浄組成物分包の製造における、好適には洗濯洗剤または洗浄組成物を接着結合させるための、エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤の使用を提供する。
【0114】
特に好適には、洗濯洗剤または洗浄組成物の処方物における、特に固体洗濯洗剤または洗浄組成物を互いに接着結合させるための、洗濯洗剤または洗浄組成物タブレットを、水溶性または水分散性包装材料、特に水溶性または水分散性フィルム、射出成形部またはボトルブロー成形部と接着結合させるための、または、洗濯洗剤または洗浄組成物を充填した、水溶性または水分散性の熱成形、射出成形またはボトルブロー成形された受入器を接着結合および密封するための、エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤の使用が挙げられる。
【0115】
本発明の洗濯洗剤または洗浄組成物は、好適には、繊維製品洗濯洗剤、食器洗浄用洗剤または表面洗剤である。繊維製品洗濯洗剤の群としては、特に重量物用洗濯洗剤、色物用洗濯洗剤、軽量物用洗濯洗剤、繊維製品柔軟剤またはアイロン助剤が挙げられる。食器洗浄用洗剤の群としては、機械式食器洗浄機用洗剤および機械用リンス助剤、ならびに手動食器洗浄用洗剤が挙げられる。表面洗剤としては、とりわけ、スケール落とし剤、表面または物品用殺菌または消毒剤、および金属またはガラス表面洗浄剤が挙げられる。
【0116】
本発明の洗濯洗剤または洗浄組成物は、一以上の洗浄または清浄活性物質、好適には、ビルダー、界面活性剤、ポリマー、漂白剤、漂白活性剤、酵素、染料、香料、電解質、pH調整剤、香料担体、蛍光剤、ヒドロトロープ、制泡剤、シリコーンオイル、再付着抑制剤、蛍光増白剤、灰色化抑制剤、収縮防止剤、防しわ剤、染料移動抑制剤、抗菌活性成分、殺菌剤、殺真菌剤、抗酸化剤、腐食防止剤、帯電防止剤、アイロン助剤、撥水剤および含浸剤、膨張剤およびスリップ防止剤、および/またはUV吸収剤の群からの一以上の構成成分を含んでなる。これらの物質を以下に詳説する。
【0117】
〔ビルダー〕
本出願において、ビルダーとしては、特にゼオライト、ケイ酸塩、炭酸塩、有機コビルダーおよび、それらの使用が生態学的な問題がない場合には、リン酸塩も挙げられる。
【0118】
好適な結晶性シート状ケイ酸ナトリウムは、一般式:
NaMSi2x+1・H
〔式中、Mは、ナトリウムまたは水素で、xは、1.9〜4の数で、yは、0〜20の数であり、xについての好適な数は、2、3または4である。〕
で示される。上記式の好適な結晶性シート状ケイ酸塩は、Mがナトリウムで、xが2または3の数であるケイ酸塩である。特に好適には、式:NaSi・yHOで示されるβ−およびδ−二ケイ酸ナトリウムの両者である。
【0119】
また、係数NaO:SiOが1:2〜1:3.3、好適には1:2〜1:2.8、より好適には1:2〜1:2.6である、無定形ケイ酸ナトリウムを使用することもできる。これは、遅延溶解し、二次洗浄特性を有する。従来の無定形ケイ酸ナトリウムにする溶解遅延は、表面処理、コンパウンド処理、圧縮または過乾燥のような、種々の方法で得ることができる。本明細書において、「無定形」なる用語は、「X線無定形」を意味する。すなわち、該ケイ酸塩は、X線回折実験において、結晶性物質に典型的である鋭敏なX線反射を全く示さず、最良でも、数度の回折角度幅を有する散乱X線の最大値を1つまたはそれ以上しか示さない。しかしながら、電子線回折実験において、ケイ酸塩粒子が漠然とした回折最大値または鋭敏な回折最大値を形成する場合でも、特に良好なビルダー特性を達成することがある。これは、生成物の微結晶域が寸法10〜数百nmであることを意味するものと説明され、好適には、最大で50nmまで、特には最大で20nmまでの値である。同様に、このようなX線無定形ケイ酸塩は、従来の水ガラスに比べて遅延した溶解特性を示す。圧縮無定形ケイ酸塩、コンパウンド化無定形ケイ酸塩および過乾燥X線無定形ケイ酸塩が特に好ましい。
【0120】
本発明において、これらのケイ酸塩、好適にはアルカリ金属ケイ酸塩、より好適には結晶性または無定形アルカリ金属二ケイ酸塩が、洗濯洗剤または洗浄組成物中に、いずれの場合にも洗濯洗剤または洗浄組成物の重量に基づいて、10〜60重量%、好適には15〜50重量%、および特に20〜40重量%の量で存在することが好適である。
【0121】
ケイ酸塩を機械式食器洗浄機用洗剤の構成成分として使用する場合、これらの組成物は、好適には、一般式:
NaMSi2x+1・yH
〔式中、Mは、ナトリウムまたは水素であり、xは、1.9〜22、好適には1.9〜4の数であり、およびyは、0〜33の数である。〕
で示される、少なくとも一つの結晶性シート状ケイ酸塩を含んでなる。式:NaMSi2x+1・yHOで示される結晶性シート状ケイ酸塩は、例えば、Na-SKS、例えば、Na-SKS-1(NaSi2245・xHO、ケニヤアイト)、Na-SKS-2(NaSi1429・xHO、マガディアイト)、Na-SKS-3(NaSi17・xHO)またはNa-SKS-4(NaSi・xHO、マカタイト)の商品名のもと、Clariant GmbH(ドイツ)から販売される。
【0122】
本発明の目的に特に適当なものは、式(I)〔式中、Xは2である〕で示される結晶性シート状ケイ酸塩である。これらのなかでも、特に適当なものは、Na-SKS-5(α-NaSi)、Na-SKS-7(β-NaSi、ナトロシライト)、Na-SKS-9(NaHSi・HO)、Na-SKS-10(NaHSi・3HO、カネマイト)、Na-SKS-11(t-NaSi)およびNa-SKS-13(NaHSi)であり、特にNa-SKS-6(δ-NaSi)である。
【0123】
ケイ酸塩を機械式食器洗浄機用洗剤の構成成分として使用する場合、本出願におけるこれらの組成物は、いずれの場合にもこれらの組成物の総重量に基づいて、0.1〜20重量%、好適には0.2〜15重量%、および特に0.4〜10重量%の式NaMSi2x+1・yHOで示される結晶性シート状ケイ酸塩の重量割合を含んでなる。特にこのような機械式食器洗浄機用洗剤が、7重量%未満、好適には6重量%未満、好適には5重量%未満、より好適には4重量%未満、さらにより好適には3重量%未満、および特に2.5重量%未満の総ケイ酸塩含量を有する場合、このケイ酸塩が、存在するケイ酸塩の総重量に基づいて、好適には少なくとも70重量%、好適には少なくとも80重量%、および特に少なくとも90重量%が一般式NaMSi2x+1・yHOで示されるケイ酸塩であることが特に好適である。
【0124】
使用される結合水含有微結晶合成ゼオライトは、好適にはゼオライトAおよび/またはPである。ゼオライトPは、より好適にはゼオライトMAP(登録商標)(Crosfieldから市販)である。しかしながら、ゼオライトX、ならびにゼオライトA、Xおよび/またはPの混合物も好ましい。市販品で、本発明において好適に使用されるものは、例えば、ゼオライトXとゼオライトAとの共晶化物(ゼオライトX約80重量%)である。これは、VEGOBOND AX(登録商標)としてCONDEA Augusta S. p. A.から市販されており、以下の式で示すことができる。
nNaO・(1−n)KO・Al・(2−2.5)SiO・(3.5−5.5)H
【0125】
該ゼオライトは、粒状化合物中のビルダーとして、または圧縮される全混合物の「粉化」の一種において使用されてもよく、プレミックス中にゼオライトを組み込む両方の方法が典型的に利用される。適当なゼオライトは、平均粒径10μm未満(体積分布;測定法:コールターカウンター法)を有し、好適には18〜22重量%、特に20〜22重量%の結合水を含む。
【0126】
もちろん、一般に知られているリン酸塩も、その使用が生態学的理由から排除されない限り、ビルダーとして使用することができる。これは、特に、本発明の組成物を、本発明において特に好適である機械式食器洗浄機用洗剤として使用する場合に当てはまる。多数の市販のリン酸塩うち、洗濯洗剤および洗浄製品産業では、アルカリ金属リン酸塩が最も重要であって、三リン酸五ナトリウムおよび三リン酸五カリウム(トリポリリン酸ナトリウムおよびトリポリリン酸カリウム)が特に好ましい。
【0127】
アルカリ金属リン酸塩は、種々のリン酸(これに関して、メタリン酸(HPO)およびオルトリン酸(HPO)、ならびにより高分子量の代表的リン酸の間には、区別がなされ得る。)のアルカリ金属塩(特に、ナトリウム塩およびカリウム塩)についての総称である。リン酸塩は、多くの利点を合わせ持つ。すなわち、リン酸塩は、アルカリ担体として作用したり、機械部分への石灰堆積を防止したり、繊維製品への石灰付着を防止したり、加えて、洗剤の洗浄効果に貢献する。
【0128】
適当なリン酸塩は、例えば、二水和物(密度1.91gcm−3、融点60℃)または一水和物(密度2.04gcm−3)の形態のリン酸二水素ナトリウム(NaHPO);無水形で、または2モルの水(密度2.066gcm−3、95℃で結晶水消失)、7モルの水(密度1.68gcm−3、融点48℃で5HO消失)および12モルの水(密度1.52gcm−3、融点35℃で5HO消失)を含んで使用することができるリン酸水素二ナトリウム(第二リン酸ナトリウム、NaHPO);しかしながら、特には十二水和物、十水和物(P19〜20%に相当)、無水形(P39〜40%に相当)として使用することができるリン酸三ナトリウム(第三リン酸ナトリウム、NaPO)である。
【0129】
さらなる好適なリン酸塩は、リン酸三カリウム(第三または三塩基性リン酸カリウム、KPO)である。好適には、さらに、無水形(密度2.534gcm−3、融点988°、880°とも報告されている。)および十水和物(密度1.815〜1.836gcm−3、融点94℃で結晶水消失)として存在する二リン酸四ナトリウム(ピロリン酸ナトリウム、Na)、ならびに対応するカリウム塩、二リン酸カリウム(ピロリン酸カリウム、K)が挙げられる。
【0130】
より高分子量のリン酸ナトリウムおよびリン酸カリウムは、NaHPOまたはKHPOの縮合によって生成される。これに関して、環式の代表例、メタリン酸ナトリウムおよびメタリン酸カリウムと、鎖式タイプ、ポリリン酸ナトリウムおよびポリリン酸カリウムとの間には、区別がなされ得る。鎖式タイプは、特に、溶融または焼成リン酸塩、グラハム塩、クロール塩およびマドレル塩のような、種々の異なる名称が使用されている。全ての高分子量のリン酸ナトリウムおよびカリウムは、縮合リン酸塩と総称されている。
【0131】
工業的に重要な三リン酸五ナトリウムNa10(トリポリリン酸ナトリウム)は、式:NaO-[P(O)(ONa)-O]-Na(n=3)で示され、水を伴わずにまたは6HOを伴って結晶化する非吸湿性の白色水溶性塩である。対応するカリウム塩、三リン酸五カリウムK10(トリポリリン酸カリウム)は、例えば、50重量%溶液(>23%P、25%KO)の形態で市販されている。ポリリン酸カリウムは、洗濯洗剤および洗浄組成物産業において広く採用されている。本発明において同様に使用できるトリポリリン酸カリウムナトリウムも存在する。それらは、例えば、以下に示すように、トリメタリン酸ナトリウムをKOHで加水分解すると、生成される。
(NaPO)+2KOH → Na10 + H
本発明によれば、それらは、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウムまたはそれらの二種の混合物と全く同様に使用することができる。トリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸カリウムナトリウムとの混合物、またはトリポリリン酸カリウムとトリポリリン酸カリウムナトリウムとの混合物、またはトリポリリン酸ナトリウムとトリポリリン酸カリウムとトリポリリン酸カリウムナトリウムとの混合物も本発明に使用することができる。
【0132】
本出願において、リン酸塩が、洗濯洗剤または洗浄組成物における洗浄または清浄活性物質として使用される場合、好適な組成物は、これらのリン酸塩、好適にはアルカリ金属リン酸塩、より好適には三リン酸五ナトリウムまたは三リン酸五カリウム(トリポリリン酸ナトリウムまたはトリポリリン酸カリウム)を、いずれの場合にも洗濯洗剤または洗浄組成物の重量に基づいて、5〜80重量%、好適には15〜75重量%、および特に20〜70重量%の量で含んでなる。
【0133】
トリポリリン酸カリウムおよびトリポリリン酸ナトリウムを、1:1より高い、好適には2:1より高い、好適には5:1より高い、より好適には10:1より高い、および特には20:1より高い重量比で使用することが特に好適である。他のリン酸塩を添加せずに、専らトリポリリン酸カリウムを使用することが特に好適である。
【0134】
さらなるビルダーは、アルカリ担体である。アルカリ担体としては、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ金属セスキ炭酸塩、上記アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属メタケイ酸塩および上記物質の混合物が挙げられる。本発明において好適には、アルカリ金属炭酸塩、特に炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムまたはセスキ炭酸ナトリウムを使用することが挙げられる。特に好適には、トリポリリン酸塩および炭酸ナトリウムの混合物を含んでなるビルダー系が挙げられる。同様に、特に好適には、トリポリリン酸塩および炭酸ナトリウムおよび二ケイ酸ナトリウムの混合物を含んでなるビルダー系が挙げられる。他のビルダー物質に比べて、洗濯洗剤または洗浄組成物の残りの成分に対するそれらの低い化学的適合性のために、アルカリ金属水酸化物は、好適には、少量でのみ、好適には、いずれの場合にも洗濯洗剤または洗浄組成物の総重量に基づいて、10重量%未満、好適には6重量%未満、より好適には4重量%未満、および特に2重量%未満の量で使用される。特に好適には、それらの総重量に基づいて、アルカリ金属水酸化物を0.5重量%未満含有する、特にはアルカリ金属水酸化物を含有しない、組成物が挙げられる。
【0135】
特に好適には、炭酸塩および/または炭酸水素塩、好適にはアルカリ金属炭酸塩、より好適には炭酸ナトリウムを、いずれの場合にも洗濯洗剤または洗浄組成物の重量に基づいて、2〜50重量%、好適には5〜40重量%、および特に7.5〜30重量%の量で使用することが挙げられる。特に好適には、洗濯洗剤または洗浄組成物の重量(すなわち、包装を除く生成物の組合せの総重量)に基づいて、20重量%未満、好適には17重量%未満、好適には13重量%未満、および特に9重量%未満の炭酸塩および/または炭酸水素塩、好適にはアルカリ金属炭酸塩、より好適には炭酸ナトリウムを含有する組成物が挙げられる。
【0136】
有機コビルダーとしては、特にポリカルボン酸塩/ポリカルボン酸、ポリカルボキシレートポリマー、アスパラギン酸、ポリアセタール、デキストリン、さらなる有機コビルダー(以下参照)およびホスホネートが挙げられる。これらの物質は、以下に詳説する。
【0137】
使用され得る有機ビルダー物質は、例えば、ナトリウム塩の形態で使用可能なポリカルボン酸である。ポリカルボン酸は、1より多くの酸官能基を持つカルボン酸を意味する。これらの例は、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)(このような使用が環境保護の理由で反対されない限り)、およびそれらの混合物である。好適な塩は、ポリカルボン酸(例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸およびそれらの混合物)の塩である。
【0138】
酸自体も使用され得る。それらのビルダー作用に加えて、酸は、典型的に酸性化成分の特性も有するので、洗濯洗剤および洗浄組成物のより低いおよびより穏やかなpHを確立するのにも役立つ。これに関しては、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸およびそれらの任意の混合物に特に言及がなされる。
【0139】
また、ビルダーとして適当なものは、ポリカルボキシレートポリマーである;これらは、例えば、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩(例えば、500〜70000g/モルの相対分子量を有するもの)である。
【0140】
本明細書において、ポリカルボキシレートポリマーに与えられるモル質量は、通常、UV検出器を使用するゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて決定される、特定の酸形態の重量平均モル質量Mである。測定は、調査下のポリマーに対する構造類似性のために現実的な分子量の値を与える、外部標準ポリアクリル酸に対してなされる。これらの数値は、ポリスチレンスルホン酸を標準として使用して得られる分子量データから大きく逸脱する。ポリスチレンスルホン酸に対して測定されたモル質量は、一般に、本明細書中で特定されたモル質量よりも明確に高い。
【0141】
適当なポリマーは、特に、ポリアクリレートである。これは、好適には2000〜20000g/モルの分子量を有する。それらの優れた溶解性のために、この群において好適には、同様に、2000〜10000g/モル、より好適には3000〜5000g/モルのモル質量を有する短鎖ポリアクリレートを挙げることができる。
【0142】
また、適当なものは、ポリカルボキシレートコポリマー(特には、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、および、アクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸のコポリマー)である。特に適当であることが見出されたコポリマーは、50〜90重量%のアクリル酸と50〜10重量%のマレイン酸を含有する、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーである。遊離酸に基づくそれらの相対分子量は、一般に2000〜70000g/モル、好適には20000〜50000g/モルおよび特には30000〜40000g/モルである。
【0143】
ポリカルボキシレート(コ)ポリマーは、粉末か、または水溶液のどちらかの形態で使用することができる。洗濯洗剤または洗浄組成物のポリカルボキシレート(コ)ポリマー含量は、好適には0.5〜20重量%、特には3〜10重量%である。
【0144】
水溶性を改善するため、ポリマーは、モノマーとして、アリルスルホン酸、例えば、アリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸も含有していてもよい。
【0145】
また、特に好適には、2つより多くの異なるモノマー単位から構成される生分解性ポリマー、例えば、モノマーとして、アクリル酸の塩およびマレイン酸の塩と、ビニルアルコールまたはビニルアルコール誘導体を含有するポリマー、または、モノマーとして、アクリル酸の塩および2-アルキルアリルスルホン酸の塩と、糖誘導体を含有するポリマーが挙げられる。
さらなる好適なコポリマーは、モノマーとして、好適には、アクロレインとアクリル酸/アクリル酸塩、またはアクロレインと酢酸ビニルを有するものである。
【0146】
同様に言及され得るさらなる好適なビルダー物質は、アミノジカルボン酸ポリマー、その塩またはその前駆物質である。特に好適には、ポリアスパラギン酸またはその塩が挙げられる。
【0147】
さらなる適当なビルダー物質は、ポリアセタールである。これは、ジアルデヒドと、5〜7個の炭素原子と少なくとも3つの水酸基を有するポリオールカルボン酸を反応させることにより得られ得る。好適なポリアセタールは、ジアルデヒド(例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、およびそれらの混合物)から、および、ポリオールカルボン酸(例えば、グルコン酸および/またはグルコヘプトン酸)から得られる。
【0148】
さらなる適当な有機ビルダー物質は、デキストリン、例えば、デンプンの部分加水分解により得られ得る、炭水化物のオリゴマーまたはポリマーである。加水分解は、通例の方法、例えば、酸触媒法または酵素触媒法にしたがって行われ得る。加水分解産物は、好適には、400〜500000g/モルの範囲の平均モル質量を有する。好適には、0.5〜40(特には2〜30)の範囲のデキストロース当量(DE)を有する多糖が挙げられる。ここで、DEは、デキストロース(DEが100)と比較した多糖の還元作用の一般的な尺度である。3と20の間のDEを有するマルトデキストリンおよび20と37の間のDEを有する乾燥グルコースシロップ、および、2000〜30000g/モルの範囲の相対的に高いモル質量を有する、黄色デキストリンおよび白色デキストリンも使用することができる。
【0149】
このようなデキストリンの酸化誘導体は、糖環の少なくとも一つのアルコール官能基をカルボン酸官能基に酸化することができる酸化剤との、それらの反応生成物である。
【0150】
また、オキシジスクシナートおよびジスクシナートの他の誘導体(好適には、エチレンジアミンジスクシナート)もさらなる適当なコビルダーである。この場合、エチレンジアミン-N,N’-ジスクシナート(EDDS)は、好適には、そのナトリウム塩またはマグネシウム塩の形態で使用される。さらに、これに関連して、好適には、グリセロールジスクシナートおよびグリセロールトリスクシナートも挙げられる。ゼオライト含有および/またはケイ酸塩含有処方物中の適当な使用量は、3〜15重量%である。
【0151】
使用され得るさらなる有機コビルダーは、例えば、アセチル化ヒドロキシカルボン酸またはその塩である。これは、ラクトン形態でも存在し得る。これは、少なくとも4個の炭素原子と、少なくとも1個の水酸基と、最大2個の酸基を含有する。
【0152】
コビルダー特性を有するさらなる物質のクラスは、ホスホネートのクラスである。これらは、特に、ヒドロキシアルカンホスホネートおよびアミノアルカンホスホネートである。ヒドロキシアルカンホスホネートの中で、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネート(HEDP)が、コビルダーとして特に重要である。それは、好適には、ナトリウム塩、中性の反応を与えるジナトリウム塩およびアルカリ反応(pH9)を与えるテトラナトリウム塩として使用される。有用なアミノアルカンホスホネートは、好適には、エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート(DTPMP)、およびそれらの高級同族体である。それらは、好適には、中性的に反応するナトリウム塩の形態で、例えば、EDTMPのヘキサナトリウム塩として、または、DTPMPのヘプタナトリウム塩およびオクタナトリウム塩として使用される。ホスホネートのクラスから、好適には、HEDPをビルダーとして使用することが挙げられる。さらに、アミノアルカンホスホネートは、著しい重金属結合容量を有する。したがって、特に組成物が漂白剤も含む場合、アミノアルカンホスホネート(特には、DTPMP)、または上記ホスホネートの混合物を使用することが好適であり得る。
【0153】
さらに、ビルダーとして、アルカリ土類金属イオンと共に錯体を形成することができる全ての化合物を使用することができる。
【0154】
〔界面活性剤〕
界面活性剤の群には、非イオン性界面活性剤ばかりでなく、アニオン性、カチオン性および両性界面活性剤も含まれる。
【0155】
使用される非イオン性界面活性剤は、好適にはアルコキシル化された(有利にはエトキシル化された)、特には、好適には8〜18個の炭素原子とアルコール1モル当たり平均して1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を有する、第一級アルコールである。ここで、アルコール基は、直鎖または好適には2-メチル分岐されたものでよく、あるいは、オキソアルコール基において典型的に存在するような、直鎖基とメチル分岐鎖基の混合物を含有し得る。しかしながら、特に好適なアルコールエトキシレートは、12〜18個の炭素原子を有する天然起源のアルコール(例えば、ココナッツアルコール、パームアルコール、獣脂脂肪アルコールまたはオレイルアルコール)由来の直鎖基と、アルコール1モル当たり平均して2〜8のEOを有する。好適なエトキシル化アルコールとしては、例えば、3のEOまたは4のEOを有するC12−14-アルコール、7のEOを有するC9−11-アルコール、3のEO、5のEO、7のEOまたは8のEOを有するC13−15-アルコール、3のEO、5のEOまたは7のEOを有するC12−18-アルコールおよびこれらの混合物(例えば、3のEOを有するC12−14-アルコールと5のEOを有するC12−18-アルコールの混合物)が挙げられる。特定されたエトキシル化度は、統計的平均値である。これは、特定の産物について、整数または分数であり得る。好適なアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12より多いEOを有する脂肪アルコールも使用され得る。その例は、14のEO、25のEO、30のEOまたは40のEOを有する獣脂脂肪アルコールである。
【0156】
さらに、また、使用され得るさらなる非イオン性界面活性剤は、一般式:
RO(G)
〔式中、Rは、主として直鎖の、またはメチル分岐した、特には2-メチル分岐した、8〜22個、好適には12〜18個の炭素原子を有する脂肪族基であり、およびGは、5個または6個の炭素原子を有する単糖類単位(好適にはグルコース)を示す記号である。モノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を特定するオリゴマー化度xは、1と10の間の任意の数である;xは、好適には1.2〜1.4である。〕
で示されるアルキルグリコシドである。
【0157】
好適に使用される非イオン性界面活性剤(これは、単独の非イオン性界面活性剤としてか、または他の非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用される。)のさらなるクラスは、好適にはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を有する、アルコキシル化(好適には、エトキシル化またはエトキシル化およびプロポキシル化)脂肪酸アルキルエステルである。
【0158】
アミンオキシドタイプの非イオン性界面活性剤(例えば、N-ココアルキル-N,N-ジメチルアミンオキシドおよびN-タローアルキル-N,N-ジヒドロキシエチルアミンオキシド)および脂肪酸アルカノールアミドタイプの非イオン性界面活性剤も適当であり得る。これらの非イオン性界面活性剤の量は、好適にはエトキシル化脂肪アルコールの量以下、特にはその半分以下である。
【0159】
さらなる適当な界面活性剤は、式(I)
【0160】
【化1】

【0161】
〔式中、RCOは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有する、アルキル基またはヒドロキシアルキル基、および[Z]は、直鎖または分枝状の、3〜10個の炭素原子および3〜10個の水酸基を有するポリヒドロキシアルキル基である。〕
で示されるポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。該ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、既知物質であり、典型的に、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンを用いる還元糖の還元アミノ化と、それに続く脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸クロライドを用いるアシル化によって得ることができる。
【0162】
また、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群としては、式:
【0163】
【化2】

【0164】
〔式中、Rは、直鎖または分枝状の、7〜12個の炭素原子を有する、アルキル基またはアルケニル基、Rは、直鎖、分枝状または環状の、2〜8個の炭素原子を有する、アルキル基またはアリール基、およびRは、直鎖、分枝状または環状の、1〜8個の炭素原子を有する、アルキル基またはアリール基またはオキシアルキル基であり、好適には、C1−4-アルキル基またはフェニル基が挙げられ、および[Z]は、アルキル鎖が少なくとも2個の水酸基で置換された直鎖ポリヒドロキシアルキル基、または、アルコキシル化された(好適にはエトキシル化またはプロポキシル化された)この基の誘導体である。〕
で示される化合物が挙げられる。
【0165】
[Z]は、好適には、還元糖(例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロース)の還元アミノ化によって得られる。N-アルコキシ-またはN-アリールオキシ-置換化合物は、触媒としてのアルコキシドの存在下、脂肪酸メチルエステルと反応させることによって、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換することができる。
【0166】
使用される好適な界面活性剤は、低発泡性非イオン性界面活性剤である。特に好適には、本発明の機械式食器洗浄用洗浄組成物は、非イオン性界面活性剤、特にアルコキシル化アルコールの群由来の非イオン性界面活性剤を含んでなる。使用される非イオン性界面活性剤は、好適にはアルコキシル化された(有利にはエトキシル化された)、特には、好適には8〜18個の炭素原子とアルコール1モル当たり平均して1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を有する、第一級アルコールである。ここで、アルコール基は、直鎖または好適には2-メチル分岐されたものでよく、あるいは、オキソアルコール基において典型的に存在するような、直鎖基とメチル分岐鎖基の混合物を含有し得る。しかしながら、特に好適なアルコールエトキシレートは、12〜18個の炭素原子を有する天然起源のアルコール(例えば、ココナッツアルコール、パームアルコール、獣脂脂肪アルコールまたはオレイルアルコール)由来の直鎖基と、アルコール1モル当たり平均して2〜8のEOを有する。好適なエトキシル化アルコールとしては、例えば、3のEOまたは4のEOを有するC12−14-アルコール、7のEOを有するC9−11-アルコール、3のEO、5のEO、7のEOまたは8のEOを有するC13−15-アルコール、3のEO、5のEOまたは7のEOを有するC12−18-アルコールおよびこれらの混合物(例えば、3のEOを有するC12−14-アルコールと5のEOを有するC12−18-アルコールの混合物)が挙げられる。特定されたエトキシル化度は、統計的平均値である。これは、特定の産物について、整数または分数であり得る。好適なアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12より多いEOを有する脂肪アルコールも使用され得る。その例は、14のEO、25のEO、30のEOまたは40のEOを有する獣脂脂肪アルコールである。
【0167】
特に好適には、室温を超える融点を有する非イオン性界面活性剤が挙げられ、特に好適には、20℃を超える融点、好適には25℃を超える融点、特に好適には25℃と60℃の間の融点、および特には26.6℃と43.3℃の間の融点を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0168】
特定された温度範囲内に融点または軟化点を有する適当な非イオン性界面活性剤は、例えば、室温で固体または高粘度であり得る、低発泡性非イオン性界面活性剤である。室温で高粘度である非イオン性界面活性剤を使用する場合、これらは、20Pasを超える、好適には35Pasを超える、および特には40Pasを超える粘度を有する。室温でワックス様稠度を有する非イオン性界面活性剤も好適である。
【0169】
室温で固体である使用される非イオン性界面活性剤は、好適には、アルコキシル化非イオン性界面活性剤(特にはエトキシル化第一級アルコール)およびこれらの界面活性剤と構造的に複雑な界面活性剤(例えば、ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン(PO/EO/PO)界面活性剤)の混合物の群から由来する。さらに、このような(PO/EO/PO)非イオン性界面活性剤は、良好な発泡制御に関して注目に値する。
【0170】
本発明の好適な実施態様において、室温を超える融点を有する非イオン性界面活性剤は、6〜20個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノールまたはアルキルフェノールと、アルコールまたはアルキルフェノール1モル当たり好適には少なくとも12モル、より好適には少なくとも15モル、特には少なくとも20モルのエチレンオキシドとの反応から生じる、エトキシル化非イオン性界面活性剤である。
【0171】
室温で固体である使用される特に好適な非イオン性界面活性剤は、16〜20個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール(C16−20-アルコール)、好適にはC18-アルコールと、少なくとも12モル、好適には少なくとも15モルおよび特には少なくとも20モルのエチレンオキシドから得られる。これらの中で、「狭範囲エトキシレート」(上記を参照のこと)が特に好適である。
【0172】
したがって、特に好適な本発明の組成物としては、C6−20-モノヒドロキシアルカノールまたはC6−20-アルキルフェノールまたはC16−20-脂肪アルコールと、アルコール1モル当たり12モルを超える、好適には15モルを超える、および特には20モルを超えるエチレンオキシドから得られる、エトキシル化非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0173】
室温で固体の非イオン性界面活性剤は、好適には、さらに分子中にプロピレンオキシド単位を有する。好適には、このようなPO単位は、非イオン性界面活性剤の総モル質量の25重量%まで、より好適には20重量%まで、および特には15重量%までを構成する。特に好適な非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー単位をさらに有する、エトキシル化モノヒドロキシアルカノールまたはアルキルフェノールである。このような非イオン性界面活性剤分子のアルコールまたはアルキルフェノール部分は、このような非イオン性界面活性剤の総モル質量の好適には30重量%より多く、より好適には50重量%より多く、および特には70重量%より多くを構成する。好適な食器洗浄機用洗剤は、分子中のプロピレンオキシド単位が非イオン性界面活性剤の総モル質量の25重量%まで、好適には20重量%まで、および特には15重量%までを構成する、エトキシル化およびプロポキシル化非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする。
【0174】
室温を超える融点を有する特に好適に使用されるさらなる非イオン性界面活性剤は、40〜70%のポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマーブレンドを含有する。これは、17モルのエチレンオキシドと44モルのプロピレンオキシドを有する、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの逆順のブロックコポリマー75重量%と、トリメチロールプロパンから出発した、トリメチロールプロパン1モル当たり24モルのエチレンオキシドと99モルのプロピレンオキシドを含む、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックコポリマー25重量%を含有する。
【0175】
特に好適に使用され得る非イオン性界面活性剤は、例えば、Olin Chemicals社から、Poly Tergent(登録商標)SLF-18の名称のもと、入手できる。
【0176】
洗濯洗剤または洗浄組成物、好適には食器洗浄機用洗剤において、式(II)
O[CHCH(CH)O][CHCHO][CHCH(OH)R] (II)
〔式中、Rは、直鎖または分枝状の、脂肪族の、4〜18個の炭素原子を有する炭化水素基またはそれらの混合物、Rは、直鎖または分枝状の、2〜26個の炭素原子を有する炭化水素基またはそれらの混合物、およびxは、0.5と1.5の間の値、およびyは、少なくとも15の値である。〕
で示される非イオン性界面活性剤が使用される。
【0177】
好適に使用され得るさらなる非イオン性界面活性剤は、式:
O[CHCH(R)O][CH]CH(OH)[CH]OR
〔式中、RおよびRは、直鎖または分枝状の、飽和または不飽和の、脂肪族または芳香族の、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、Rは、Hまたはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチルまたは2-メチル-2-ブチル基、xは、1と30の間の値、kおよびjは、1と12の間(好適には1と5の間)の値である。〕
で示される末端がキャップされたポリ(オキシアルキル化)非イオン性界面活性剤である。値xが≧2である場合、上記式中の各Rは異なり得る。RおよびRは、好適には直鎖または分枝状の、飽和または不飽和の、脂肪族または芳香族の、6〜22個の炭素原子を有する炭化水素基であり、特に好適には8〜18個の炭素原子を有する基が挙げられる。基Rについて、特に好適には、H、-CHまたは-CHCHが挙げられる。xについての特に好適な値は、1〜20(特には6〜15)の範囲にある。
【0178】
上記のように、上記式中の各Rは、xが≧2である場合、異なり得る。これは、角括弧中のアルキレンオキシド単位を変化させ得る。例えば、xが3の場合、基Rは、エチレンオキシド(R=H)単位またはプロピレンオキシド(R=CH)単位を形成するように選ばれ得る。これは、任意の順序(例えば、(EO)(PO)(EO)、(EO)(EO)(PO)、(EO)(EO)(EO)、(PO)(EO)(PO)、(PO)(PO)(EO)および(PO)(PO)(PO))で連結され得る。ここで、xについての値3は、例示の目的で選ばれており、より大きい値にされることは全く可能である。変動範囲は、xの値が増加すると共に増加し、および、例えば、少ない(PO)基と組み合わせた数多くの(EO)基、あるいは逆の場合も同様に、包含される。
【0179】
上記式で示される特に好適な末端がキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコールは、k=1およびj=1の値を有し、その結果、上記式は、以下のように簡易化される:
O[CHCH(R)O]CHCH(OH)CHOR
後者の式において、R、RおよびRは、各々上記と同義であり、および、xは、1〜30、好適には1〜20および特には6〜18の数を表す。特に好適には、基RおよびRが、9〜14個の炭素原子を有し、Rが、Hであり、および、xが、6〜15の値と推定される界面活性剤が挙げられる。
【0180】
後者の記述を要約すると、好適には、式:
O[CHCH(R)O][CH]CH(OH)[CH]OR
〔式中、RおよびRは、直鎖または分枝状の、飽和または不飽和の、脂肪族または芳香族の、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、Rは、Hまたはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、2-ブチル基または2-メチル-2-ブチル基、xは、1と30の間の値、kおよびjは、1と12の間、好適には1と5の間の値である。〕
で示される末端がキャップされたポリ(オキシアルキル化)非イオン性界面活性剤、特に好適には、
O[CHCH(R)O]CHCH(OH)CHOR
〔式中、xは、1〜30、好適には1〜20および特には6〜18の数である。〕
で示される界面活性剤が挙げられる。
【0181】
本発明において特に好適な非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドおよびアルキレンオキシド単位を交互に有する低発泡性の非イオン性界面活性剤であることがわかった。これらのなかでも、同様に好適には、EO-AO-EO-AOブロックを有する界面活性剤が挙げられる。いずれの場合にも他の基のブロックが続く前に、1〜10のEOおよび/またはAO基が、いずれの場合にも互いに結合する。ここで、好適には、非イオン性界面活性剤として、一般式III
【0182】
【化3】

【0183】
〔式中、Rは、直鎖または分枝状の、飽和のまたはモノまたはポリ不飽和のC6−24-アルキル基またはC6−24-アルケニル基である;各基RまたはRは、独立して、-CH;-CHCH、-CHCH-CH、-CH(CH)から選ばれ、およびインデックスw、x、y、zは、互いに独立して、1〜6の整数である。〕
で示される界面活性剤を含んでなる本発明の機械式食器洗浄機用洗剤が挙げられる。
【0184】
好適な式IIIで示される非イオン性界面活性剤は、既知の方法によって、対応するアルコールR-OHとエチレンオキシドまたはアルキレンオキシドから製造することができる。上記式III中の基Rは、アルコールの起源に依存して変化し得る。天然起源が使用される場合、基Rは、偶数の炭素原子を有し、通常、非分岐鎖である。好適には、12〜18個の炭素原子を有する天然起源のアルコール(例、ココナッツアルコール、パームアルコール、獣脂脂肪アルコールまたはオレイルアルコール)の直鎖基が挙げられる。合成起源から利用可能なアルコールは、例えば、ゲルベアルコールまたは2位でメチル分岐された基、または、オキソアルコール基に典型的に存在するような、混合物の状態の直鎖およびメチル分岐された基である。本発明にしたがって生成物中に存在する非イオン性界面活性剤の製造に使用されるアルコールのタイプに関係なく、好適には、式III中のRが、6〜24個の、好適には8〜20個の、より好適には9〜15個の、および特に好適には9〜11個の炭素原子を有するアルキル基である、本発明の食器洗浄機用洗剤が挙げられる。
【0185】
プロピレンオキシドに加えて、好適な非イオン性界面活性剤中に、エチレンオキシド単位と交互に存在する適当なアルキレンオキシド単位は、特に、ブチレンオキシドである。しかしながら、RおよびRが、互いに独立して、-CHCH-CHおよび-CH(CH)から選ばれる、さらなるアルキレンオキシドも適当である。好適な食器洗浄機用洗剤は、RおよびRが、基-CHであり、wおよびxが、互いに独立して、3または4、およびyおよびzが、互いに独立して、1または2であることで特徴付けられる。
【0186】
要約すれば、特に好適には、1〜4個のエチレンオキシド単位、それに続いて1〜4個のプロピレンオキシド単位、それに続いて1〜4個のエチレンオキシド単位、それに続いて1〜4個のプロピレンオキシド単位を有するC9−15-アルキル基を有する非イオン性界面活性剤が挙げられる。水溶液中で、これらの界面活性剤は、必要とされる低い粘度を有するので、本発明に特に好適に使用することができる。
【0187】
好適に使用できるさらなる非イオン性界面活性剤は、式(IV)
O[CHCH(R)O] (IV)
〔式中、Rは、直鎖状または分枝状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族の、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Rは、直鎖状または分枝状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族の、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基であり、および好適には1個と5個の間の水酸基を有し、および好適にはエーテル基でさらに官能化され、Rは、Hまたはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチルまたは2-メチル-2-ブチル基であり、xは、1と40の間の値である。〕
で示される末端キャップポリ(オキシアルキル化)非イオン性界面活性剤である。
【0188】
特に好適な上記式(IV)で示される非イオン性界面活性剤は、RがHであるものである。得られた式(V)
O[CHCHO] (V)
で示される末端キャップポリ(オキシアルキル化)非イオン性界面活性剤において、好適には、特に、式中、Rが直鎖状または分枝状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族の、1〜30個の炭素原子を有する、好適には4〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Rが直鎖状または分枝状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族の、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基であり、および好適には1個と5個の間の水酸基を有し、およびxが1と40の間の値である、それらの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0189】
好適には、特に、式(VI)
O[CHCHO]CHCH(OH)R (VI)
で示され、直鎖状または分枝状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族の、1〜30個の炭素原子を有する、好適には4〜20個の炭素原子を有する炭化水素基であるR基ばかりでなく、モノヒドロキシル化中間基-CHCH(OH)-と隣接する、直鎖状または分枝状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族の、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基Rも有する、それらの末端キャップポリ(オキシアルキル化)非イオン性界面活性剤が挙げられる。この式において、xは、1と40の間の値である。このような末端キャップポリ(オキシアルキル化)非イオン性界面活性剤は、例えば、式:RCH(O)CHで示される末端エポキシドを、式:RO[CHCHO]X−1CHCHOHで示されるエトキシル化アルコールと反応させることによって得ることができる。
【0190】
上記非イオン性界面活性剤の特定の炭素鎖長およびエトキシル化度またはアルコキシル化度は、特定の生成物について、自然数または分数であり得る統計的平均を構成する。製造方法の結果として、特定の式で示される商品は、通常、一つの個々の代表からなるのではなく、むしろ混合物からなり、その結果、炭素鎖長およびエトキシル化度またはアルコキシル化度の両方について、平均値およびその結果の分数となり得る。
【0191】
使用されるアニオン性界面活性剤は、例えば、スルホネートタイプおよびサルフェートタイプの界面活性剤である。有用なスルホネートタイプの界面活性剤は、好適にはC9−13-アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート(すなわち、アルケンスルホネートとヒドロキシアルカンスルホネートの混合物)、および、例えば、末端または内部二重結合を有するC12−18-モノオレフィンから、三酸化硫黄ガスを用いるスルホン化およびそれに続くスルホン化産物のアルカリまたは酸加水分解によって得られるような、ジスルホネートである。また、C12−18-アルカンから、例えば、それに続く加水分解または中和を伴うスルホクロリネーションまたはスルホオキシデーションによって得られる、アルカンスルホネートが好適である。同様に、α-スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば、水素化ココナッツ脂肪酸、パーム核脂肪酸または獣脂脂肪酸のα-スルホン化メチルエステルも適当である。
【0192】
さらなる適当なアニオン性界面活性剤は、硫酸化脂肪酸グリセロールエステルである。脂肪酸グリセロールエステルは、1〜3モルの脂肪酸によるモノグリセロールのエステル化による製造法において、または0.3〜2モルのグリセロールによるトリグリセリドのエステル交換において得られるような、モノ、ジおよびトリエステル、およびそれらの混合物を意味する。好適な硫酸化脂肪酸グリセロールエステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸)の硫酸化産物である。
【0193】
好適な硫酸アルキル(アルケニル)は、C12-C18-脂肪アルコール(例えば、ココナッツ脂肪アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコールまたはC10-C20-オキソアルコール)の硫酸モノエステルおよびこれらの鎖長の第二級アルコールの硫酸モノエステルのアルカリ金属塩(特にはナトリウム塩)である。石油化学に基づいて製造される合成直鎖アルキル基を含有し、脂肪化学原材料に基づく当価化合物の分解挙動と類似した分解挙動を有する、当該鎖長の硫酸アルキル(アルケニル)が好適である。洗浄の観点からは、好適には、硫酸C12-C16-アルキルおよび硫酸C12-C15-アルキル、および硫酸C14-C15-アルキルが挙げられる。また、DAN(登録商標)の名称のもと、Shell Oil Companyの市販品として入手可能であり得る硫酸2,3-アルキルも適当なアニオン性界面活性剤である。
【0194】
また、1〜6モルのエチレンオキシドを用いてエトキシル化された直鎖または分枝状のC7−21-アルコール(例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2-メチル-分岐鎖C9−11-アルコールまたは1〜4のEOを有するC12−18-脂肪アルコール)の硫酸モノエステルも適当である。それらの高い発泡傾向のために、それらは、洗剤中に比較的少量(例えば、1〜5重量%の量)でのみ使用される。
【0195】
また、さらなる適当なアニオン性界面活性剤は、アルキルスルホコハク酸の塩である。これは、スルホスクシナートまたはスルホコハク酸エステルとも称され、および、スルホコハク酸とアルコール(好適には、脂肪アルコールおよび特にはエトキシル化脂肪アルコール)のモノエステルおよび/またはジエステルである。好適なスルホスクシナートは、C8−18-脂肪アルコール基またはそれらの混合物を含有する。特に好適なスルホスクシナートは、エトキシル化脂肪アルコール(これは、単独で、非イオン性界面活性剤(以下の説明を参照のこと)を構成すると考えられる。)から誘導される脂肪アルコール基を含有する。これに関しては、特に好適には、同様に、その脂肪アルコール基が狭い同族体分布を有するエトキシル化脂肪アルコールから誘導されたスルホスクシナートが挙げられる。同様に、アルキル(アルケニル)鎖中に好適には8〜18個の炭素原子を有する、アルキル(アルケニル)コハク酸またはその塩を使用することもできる。
【0196】
適当なさらなるアニオン性界面活性剤は、特に、石鹸である。適当な石鹸は、飽和脂肪酸石鹸(例えば、ラウリン酸の塩、ミリスチン酸の塩、パルミチン酸の塩、ステアリン酸の塩、水素化エルカ酸の塩およびベヘン酸の塩)、および、特に天然脂肪酸(例えば、ココナッツ脂肪酸、パーム核脂肪酸または獣脂脂肪酸)から誘導された石鹸混合物である。
【0197】
石鹸を含むアニオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩の形態で、および、有機塩基(例えば、モノ、ジまたはトリエタノールアミン)の可溶性塩としても存在し得る。アニオン性界面活性剤は、好適には、それらのナトリウム塩またはカリウム塩の形態、特には、ナトリウム塩の形態で存在する。
【0198】
アニオン性界面活性剤が機械式食器洗浄機用洗剤の構成成分である場合、それらの含量は、組成物の総重量に基づいて、好適には4重量%未満、好適には2重量%未満、および最も好適には1重量%未満である。特に好適には、いかなるアニオン性界面活性剤も含有しない機械式食器洗浄機用洗剤が挙げられる。
【0199】
上記した界面活性剤の代わりに、またはそれらと併せて、カチオン性および/または両性界面活性剤を使用することもできる。
カチオン性活性物質として、本発明の組成物は、例えば、式VII、VIIIまたはIX:
【0200】
【化4】

【0201】
〔式中、各R基は、独立して、C1−6-アルキル基、C1−6-アルケニル基またはC1−6-ヒドロキシアルキル基から選ばれ;各Rは、独立して、C8−28-アルキル基またはC8−28-アルケニル基から選ばれ;R=Rまたは(CH)-T-R;R=RまたはRまたは(CH)-T-R;T=-CH-、-O-CO-または-CO-O-およびnは、0〜5の整数である。〕
で示されるカチオン化合物を含んでなり得る。
【0202】
機械式食器洗浄機用洗剤において、カチオン性および/または両性界面活性剤の含量は、好適には6重量%未満、好適には4重量%未満、さらにより好適には2重量%未満および特に1重量%未満である。特に好適には、いかなるカチオン性または両性界面活性剤も含有しない機械式食器洗浄機用洗剤が挙げられる。
【0203】
〔ポリマー〕
ポリマーの群としては、特に、洗浄または清浄活性ポリマー、例えば、リンス助剤ポリマーおよび/または柔軟剤として活性なポリマーが挙げられる。通常、非イオン性ポリマーばかりでなく、カチオン性、アニオン性および両性ポリマーも、洗濯洗剤および洗浄組成物に使用することができる。
【0204】
柔軟剤として有効なポリマーは、例えば、スルホン酸基を含有するポリマーであり、これは、特に好適に使用される。
【0205】
スルホン酸基を含有し、特に好適に使用することができるポリマーは、不飽和カルボン酸、スルホン酸基含有モノマー、および必要に応じてさらなるイオン性または非イオノゲン性モノマーのコポリマーである。
【0206】
本発明において、好適には、モノマーとして式X
(R)C=C(R)COOH (X)
〔式中、R〜Rは、互いに独立して、-H、-CH、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状モノまたはポリ不飽和アルケニル基、-NH、-OHまたは-COOHで置換された上記定義のアルキル基またはアルケニル基、あるいは-COOHまたは-COOR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分枝状の炭化水素基である。)である。〕
で示される不飽和カルボン酸が挙げられる。
【0207】
式Xで表され得る不飽和カルボン酸の中で、特に好適には、アクリル酸(R=R=R=H)、メタクリル酸(R=R=H;R=CH)および/またはマレイン酸(R=COOH;R=R=H)が挙げられる。
【0208】
スルホン酸基含有モノマーは、好適には、式XI
(R)C=C(R)-X-SOH (XI)
〔式中、R〜Rは、互いに独立して、-H、-CH、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状モノまたはポリ不飽和アルケニル基、-NH、-OHまたは-COOHで置換された上記定義のアルキル基またはアルケニル基、あるいは-COOHまたは-COOR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分岐状の炭化水素基である。)、およびXは、必要に応じて存在する、-(CH)-(式中、n=0〜4)、-COO-(CH)-(式中、k=1〜6)、-C(O)-NH-C(CH)-および-C(O)-NH-CH(CHCH)-から選ばれるスペーサー基である。〕
で示されるものである。
【0209】
これらのモノマーの中で、好適には、式XIa、XIbおよび/またはXIc
C=CH-X-SOH (XIa)
C=C(CH)-X-SOH (XIb)
HOS-X-(R)C=C(R)-X-SOH (XIc)
〔式中、RおよびRは、互いに独立して、-H、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH)から選ばれ、およびXは、必要に応じて存在する、-(CH)-(式中、n=0〜4)、-COO-(CH)-(式中、k=1〜6)、-C(O)-NH-C(CH)-および-C(O)-NH-CH(CHCH)-から選ばれるスペーサー基である。〕
で示されるものが挙げられる。
【0210】
特に好適なスルホン酸基含有モノマーは、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸(式XIa中、X=-C(O)NH-CH(CHCH))、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸(式XIa中、X=-C(O)NH-C(CH))、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(式XIa中、X=-C(O)NH-CH(CH)CH-)、2-メタクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(式XIb中、X=-C(O)NH-CH(CH)CH-)、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(式XIb中、X=-C(O)NH-CHCH(OH)CH-)、アリルスルホン酸(式XIIa中、X=CH)、メタリルスルホン酸(式XIb中、X=CH)、アリルオキシベンゼンスルホン酸(式XIa中、X=-CH-O-C-)、メタリルオキシベンゼンスルホン酸(式XIb中、X=-CH-O-C-)、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸(式XIb中、X=CH)、スチレンスルホン酸(式XIa中、X=C)、ビニルスルホン酸(式XIa中、Xは存在しない)、3-スルホプロピルアクリレート(式XIa中、X=-C(O)NH-CHCHCH-)、3-スルホプロピルメタクリレート(式XIb中、X=-C(O)NH-CHCHCH-)、スルホメタクリルアミド(式XIb中、X=-C(O)NH-)、スルホメチルメタクリルアミド(式XIb中、X=-C(O)NH-CH-)および当該酸の水溶性塩である。
【0211】
有用なさらなるイオン性または非イオノゲン性モノマーは、特に、エチレン性不飽和化合物である。本発明にしたがって使用されるポリマー中の群iii)のモノマーの含量は、好適には、ポリマーに基づいて、20重量%未満である。特に好適に使用されるポリマーは、群i)およびii)のモノマーのみからなる。
【0212】
要約すれば、特に好適には、
i)式X:
(R)C=C(R)COOH (X)
〔式中、R〜Rは、互いに独立して、-H、-CH、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状モノまたはポリ不飽和アルケニル基、-NH、-OHまたは-COOHで置換された上記定義のアルキル基またはアルケニル基、あるいは-COOHまたは-COOR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分枝状炭化水素基である。)である。〕
で示される不飽和カルボン酸と、
ii)式XI:
(R)C=C(R)-X-SOH (XI)
〔式中、R〜Rは、互いに独立して、-H、-CH、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状モノまたはポリ不飽和アルケニル基、-NH、-OHまたは-COOHで置換された上記定義のアルキル基またはアルケニル基、あるいは-COOHまたは-COOR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分枝状炭化水素基である。)、およびXは、必要に応じて存在する、-(CH)-(式中、n=0〜4)、-COO-(CH)-(式中、k=1〜6)、-C(O)-NH-C(CH)-および-C(O)-NH-CH(CHCH)-から選ばれるスペーサー基である。〕
で示されるスルホン酸基含有モノマーと、
iii)必要に応じてさらなるイオン性または非イオノゲン性モノマーと
のコポリマーが挙げられる。
【0213】
さらに、特に好適なコポリマーは、
i)アクリル酸、メタクリル酸および/またはマレイン酸の群からの一以上の不飽和カルボン酸と、
ii)式XIa、XIbおよび/またはXIc:
C=CH-X-SOH (XIa)
C=C(CH)-X-SOH (XIb)
HOS-X-(R)C=C(R)-X-SOH (XIc)
〔式中、RおよびRは、互いに独立して、-H、-CH、-CHCH、-CHCHCH、-CH(CH)から選ばれ、およびXは、必要に応じて存在する、-(CH)-(式中、n=0〜4)、-COO-(CH)-(式中、k=1〜6)、-C(O)-NH-C(CH)-および-C(O)-NH-CH(CHCH)-から選ばれるスペーサー基である。〕
で示される、一以上のスルホン酸基含有モノマーと、
iii)必要に応じてさらにイオン性または非イオノゲン性のモノマーと
からなる。
【0214】
該コポリマーは、群i)およびii)、ならびに必要に応じてiii)からのモノマーを種々の量で含み得る。群i)からの任意の代表的モノマーと、群ii)からの任意の代表的モノマーおよび群iii)からの任意の代表的モノマーを組み合わせることができる。特に好適なポリマーは、以下に記載される特定構造単位を有する。
【0215】
したがって、例えば、好適には、式XII:
-[CH-CHCOOH]-[CH-CHC(O)-Y-SOH]- (XII)
〔式中、mおよびpは、それぞれ1と2000の間の整数の自然数、およびYは、置換または非置換の、脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族の、1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基から選ばれるスペーサー基であり、好適には、Yが-O-(CH)-(式中、n=0〜4)、-O-(C)-、-NH-C(CH)-または-NH-CH(CHCH)-であるスペーサー基が挙げられる。〕
で示される構造単位を含有するコポリマーが挙げられる。
【0216】
これらのポリマーは、アクリル酸とスルホン酸基含有アクリル酸誘導体の共重合によって製造される。スルホン酸基含有アクリル酸誘導体とメタクリル酸の共重合は、同様に好適に使用される別のポリマーを導く。対応するコポリマーは、式XIII:
-[CH-C(CH)COOH]-[CH-CHC(O)-Y-SOH]- (XIII)
〔式中、mおよびpは、それぞれ1と2000の間の整数の自然数、およびYは、置換または非置換の、脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族の、1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基から選ばれるスペーサー基であり、好適には、Yが-O-(CH)-(式中、n=0〜4)、-O-(C)-、-NH-C(CH)-または-NH-CH(CHCH)-であるスペーサー基が挙げられる。〕
で示される構造単位を含有する。
【0217】
また、完全に同様に、アクリル酸および/またはメタクリル酸は、スルホン酸基含有メタクリル酸誘導体とも共重合され得る。したがって、式XIV:
-[CH-CHCOOH]-[CH-C(CH)C(O)-Y-SOH]- (XIV)
〔式中、mおよびpは、それぞれ1と2000の間の整数の自然数、およびYは、置換または非置換の、脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族の、1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基から選ばれるスペーサー基であり、好適には、Yが-O-(CH)-(式中、n=0〜4)、-O-(C)-、-NH-C(CH)-または-NH-CH(CHCH)-であるスペーサー基が挙げられる。〕
で示される構造単位を含有するコポリマーは、式XV:
-[CH-C(CH)COOH]-[CH-C(CH)C(O)-Y-SOH]- (XV)
〔式中、mおよびpは、それぞれ1と2000の間の整数の自然数、およびYは、置換または非置換の、脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族の、1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基から選ばれるスペーサー基であり、好適には、Yが-O-(CH)-(式中、n=0〜4)、-O-(C)-、-NH-C(CH)-または-NH-CH(CHCH)-であるスペーサー基が挙げられる。〕
で示される構造単位を含有するコポリマーと同程度に好適である。
【0218】
アクリル酸および/またはメタクリル酸の代わりに、またはそれに加えて、群i)からの特に好適なモノマーとしてマレイン酸を使用することもできる。これは、本発明に好適なコポリマーであって、式XVI:
-[HOOCCH-CHCOOH]-[CH-CHC(O)-Y-SOH]- (XVI)
〔式中、mおよびpは、それぞれ1と2000の間の整数の自然数、およびYは、置換または非置換の、脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族の、1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基から選ばれるスペーサー基であり、好適には、Yが-O-(CH)-(式中、n=0〜4)、-O-(C)-、-NH-C(CH)-または-NH-CH(CHCH)-であるスペーサー基が挙げられる。〕
で示される構造単位を含有するコポリマー、および本発明に好適なコポリマーであって、式XVII:
-[HOOCCH-CHCOOH]-[CH-C(CH)C(O)O-Y-SOH]- (XVII)
〔式中、mおよびpは、それぞれ1と2000の間の整数の自然数、およびYは、置換または非置換の、脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族の、1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基から選ばれるスペーサー基であり、好適には、Yが-O-(CH)-(式中、n=0〜4)、-O-(C)-、-NH-C(CH)-または-NH-CH(CHCH)-であるスペーサー基が挙げられる。〕
で示される構造単位を含有するコポリマーを導く。
【0219】
要約すれば、好適には、本発明よれば、式XIIおよび/またはXIIIおよび/またはXIVおよび/またはXVおよび/またはXVIおよび/またはXVII:
-[CH-CHCOOH]-[CH-CHC(O)-Y-SOH]- (XII)
-[CH-C(CH)COOH]-[CH-CHC(O)-Y-SOH]- (XIII)
-[CH-CHCOOH]-[CH-C(CH)C(O)-Y-SOH]- (XIV)
-[CH-C(CH)COOH]-[CH-C(CH)C(O)-Y-SOH]- (XV)
-[HOOCCH-CHCOOH]-[CH-CHC(O)-Y-SOH]p- (XVI)
-[HOOCCH-CHCOOH]-[CH-C(CH)C(O)O-Y-SOH]p- (XVII)
〔式中、mおよびpは、それぞれ1と2000の間の整数の自然数、およびYは、置換または非置換の、脂肪族、芳香族またはアリール脂肪族の、1〜24個の炭素原子を有する炭化水素基から選ばれるスペーサー基であり、好適には、Yが-O-(CH)-(式中、n=0〜4)、-O-(C)-、-NH-C(CH)-または-NH-CH(CHCH)-であるスペーサー基が挙げられる。〕
で示される構造単位を含有するコポリマーが挙げられる。
【0220】
ポリマーにおいて、幾つかのまたは全てのスルホン酸基は、中和された形態で存在し得る。すなわち、スルホン酸基の酸性水素原子は、幾つかのまたは全てのスルホン酸基において金属イオン(好適には、アルカリ金属イオンおよび特にはナトリウムイオン)で置換され得る。部分的にまたは完全に中和されたスルホン酸基を含有するコポリマーを使用することが本発明において好適である。
【0221】
本発明に好適に使用されるコポリマーのモノマー配分は、群i)およびii)からのモノマーのみを含有するコポリマーの場合、いずれの場合にもポリマーに基づいて、好適にはいずれの場合にもi)またはii)が5〜95重量%、より好適には群i)からのモノマーが50〜90重量%、および群ii)からのモノマーが10〜50重量%である。
【0222】
ターポリマーの場合、特に好適には、20〜85重量%の群i)からのモノマーと、10〜60重量%の群ii)からのモノマーと、5〜30重量%の群iii)からのモノマーを含有するものが挙げられる。
【0223】
本発明に使用される上記スルホコポリマーのモル質量は、所望の意図された使用にポリマー特性を適合させるために変動され得る。好適な洗濯洗剤または洗浄組成物は、コポリマーが、2000〜200000gモル−1、好適には4000〜25000gモル−1および特には5000〜15000gモル−1のモル質量を有することを特徴とする。
【0224】
特に好適には、さらに、両性またはカチオン性ポリマーを使用することが挙げられる。これらの特に好適なポリマーは、それらが少なくとも一つの正電荷を有することを特徴とする。このようなポリマーは、好適には水溶性または水分散性、すなわち、それらは、水(25℃)中、10mg/mlより高い溶解度を有する。
【0225】
特に好適なカチオン性または両性ポリマーは、一般式:
(R)C=C(R)R
〔式中、R〜Rは、互いに独立して、-H、-CH、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状モノまたはポリ不飽和アルケニル基、-NH、-OHまたは-COOHで置換された上記定義のアルキル基またはアルケニル基、少なくとも一つの正電荷基を有するヘテロ元素基、第四級窒素元素または2と11の間のpH範囲において正電荷を有する少なくとも一つのアミン基、あるいは-COOHまたは-COOR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分枝状炭化水素基である。)である。〕
で示されるエチレン性不飽和モノマー単位を少なくとも一つ含有する。
【0226】
上記(非重合)モノマー単位の例は、ジアリルアミン、メチルジアリルアミン、ジメチルジアリルアンモニウム塩、アクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩(R、RおよびR=H、R=C(O)NH(CH)(CH))、メタクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩(RおよびR=H、R=CH、H、R=C(O)NH(CH)(CH))である。
【0227】
特に好適には、両性ポリマーの構成成分として、一般式:
(R)C=C(R)COOH
〔式中、R〜Rは、互いに独立して、-H、-CH、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝状モノまたはポリ不飽和アルケニル基、-NH、-OHまたは-COOHで置換された上記定義のアルキル基またはアルケニル基、あるいは-COOHまたは-COOR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有する飽和または不飽和の直鎖または分岐状炭化水素基である。)である。〕
で示される不飽和カルボン酸を使用することが挙げられる。
【0228】
特に好適な両性ポリマーは、モノマー単位として、ジアリルアミンの誘導体(特にジメチルジアリルアンモニウム塩および/またはメタクリルアミドプロピル(トリメチル)アンモニウム塩)を、好適には塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、リン酸塩、硫酸塩、ヒドロ硫酸塩、エチル硫酸塩、メチル硫酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、ギ酸塩または酢酸塩の形態で、エチレン性不飽和カルボン酸の群由来のモノマー単位と組み合わせて含有する。
【0229】
〔漂白剤〕
漂白剤として役立ち、水中にHを供給する化合物の中でも、過炭酸ナトリウムが特に重要である。使用され得るさらなる漂白剤は、例えば、過ホウ酸ナトリウム四水和物および過ホウ酸ナトリウム一水和物、ペルオキシピロホスフェート、シトレートペルハイドレート、およびH供給過酸塩または過酸(例えば、過安息香酸塩、ペルオキソフタル酸塩、二過アゼライン酸、フタロイミノ過酸または二過ドデカン二酸)である。また、本発明によれば、有機漂白剤の群からの漂白剤も含み得る。典型的な有機漂白剤は、過酸化ジアシル(例えば、過酸化ジベンゾイル)である。さらなる典型的な有機漂白剤は、ペルオキシ酸(特定の例は、アルキルペルオキシ酸およびアリールペルオキシ酸)である。好適な代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸およびその環置換誘導体(例えば、アルキルペルオキシ安息香酸)であるが、ペルオキシ-α-ナフトエ酸およびモノ過フタル酸マグネシウム、(b)脂肪族または置換脂肪族のペルオキシ酸(例えば、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸[フタロイミノペルオキシヘキサン酸(PAP)]、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドペルアジピン酸およびN-ノネニルアミドペルスクシナート)、および(c)脂肪族および芳香脂肪族のペルオキシジカルボン酸(例えば、1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラッシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-ジオイックアシド、N,N-テレフタロイルジ(6-アミノペルカプロン酸))も使用され得る。
【0230】
漂白剤は、塩素または臭素を放出する物質でもあり得る。適当な塩素放出材料または臭素放出材料の中でも、有用な例としては、複素環式N-ブロモアミドおよびN-クロロアミド、例えば、トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、ジブロモイソシアヌル酸および/またはジクロロイソシアヌル酸(DICA)および/またはそれらのカチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)との塩が挙げられる。ヒダントイン化合物(例えば、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン)も同様に適当である。
【0231】
〔漂白活性剤〕
漂白活性剤は、例えば、洗濯洗剤または洗浄組成物において、60℃およびそれ未満の温度で洗浄する場合に改善された漂白効果を達成するために使用される。使用され得る漂白活性剤は、過加水分解条件下、好適には1〜10個の炭素原子(特には2〜4個の炭素原子)を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸および/または置換されてもよい過安息香酸を産出する化合物である。適当な物質は、特定された炭素原子の数のO-アシル基および/またはN-アシル基、および/または置換されてもよいベンゾイル基を有する。好適には、ポリアシル化アルキレンジアミン(特には、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、アシル化トリアジン誘導体(特には、1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT))、アシル化グリコールウリル(特には、テトラアセチルグリコールウリル(TAGU))、N-アシルイミド(特にはN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI))、アシル化フェノールスルホネート(特には、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS))、カルボン酸無水物(特にはフタル酸無水物)、アシル化多価アルコール(特には、トリアセチン、エチレングリコールジアセテートおよび2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン)が挙げられる。
【0232】
本発明に好適に使用されるさらなる漂白活性剤は、カチオン性ニトリルの群からの化合物、特に式:
【0233】
【化5】

【0234】
〔式中、Rは、-H、-CH、C2−24-アルキル基またはC2−24-アルケニル基、-Cl、-Br、-OH、-NHおよび-CNの群からの少なくとも一つの置換基を有する、置換C2−24-アルキル基または置換C2−24-アルケニル基、C1−24-アルキル基を有するアルキルアリール基またはC1−24-アルキル基を有するアルケニルアリール基、または、C1−24-アルキル基を有し、少なくとも一つのさらなる置換基を芳香族環上に有する、置換アルキルアリール基または置換アルケニルアリール基であり、RおよびRは、互いに独立して、-CH-CN、-CH、-CH-CH、-CH-CH-CH、-CH(CH)-CH、-CH-OH、-CH-CH-OH、-CH(OH)-CH、-CH-CH-CH-OH、-CH-CH(OH)-CH、-CH(OH)-CH-CH、-(CHCH-O)H(式中、n=1、2、3、4、5または6)から選ばれ、および、Xは、アニオンである。〕
で示されるカチオン性ニトリルが挙げられる。
【0235】
特に好適には、式:
【0236】
【化6】

【0237】
〔R、RおよびRは、互いに独立して、-CH、-CH-CH、-CH-CH-CH、-CH(CH)-CHから選択され、また、Rは、さらに-Hでもよく、およびXは、アニオンであり、そして好適にはR=R=-CHおよび特にR=R=R=-CHである。〕
で示されるカチオン性ニトリルが挙げられ、および、特に好適には、式:(CH)(+)CH-CNX、(CHCH)(+)CH-CNX、(CHCHCH)(+)CH-CNX、(CHCH(CH))(+)CH-CNXまたは(HO-CH-CH)N(+)CH-CNXで示される化合物が挙げられ、特に好適にはこの物質群からの式:(CH)(+)CH-CNXで示されるカチオン性ニトリルが挙げられる〔式中、Xは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸水素イオン、メト硫酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン(トシル酸イオン)またはキシレンスルホン酸イオンの群から選択されるアニオンである。〕。
【0238】
使用される漂白活性剤は、過加水分解条件下、好適には1〜10個の炭素原子(特には、2〜4個の炭素原子)を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸および/または置換されてもよい過安息香酸を与える化合物であり得る。適当な物質は、特定された炭素原子の数のO-アシル基および/またはN-アシル基、および/または置換されてもよいベンゾイル基を有する。好適には、ポリアシル化アルキレンジアミン(特には、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、アシル化トリアジン誘導体(特には、1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT))、アシル化グリコールウリル(特には、テトラアセチルグリコールウリル(TAGU))、N-アシルイミド(特には、N-ノナノイルスクシンイミド(NOSI))、アシル化フェノールスルホネート(特には、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS))、カルボン酸無水物(特には、フタル酸無水物)、アシル化多価アルコール(特には、トリアセチン、エチレングリコールジアセテートおよび2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン)、n-メチルモルホリニウムアセトニトリル・メチルサルフェート(MMA)、ならびに、アセチル化ソルビトールおよびマンニトールまたはその混合物(SORMAN)、アシル化糖誘導体(特には、ペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース)、および、アセチル化(N-アルキル化されてもよい)グルカミンおよびグルコノラクトン、および/またはN-アシル化ラクタム(例えば、N-ベンゾイルカプロラクタム)である。同様に、親水性置換アシルアセタールおよびアシルラクタムが好適に使用される。従来の漂白活性剤の組合せも使用することができる。
【0239】
従来の漂白活性剤に加えて、あるいはそれらの代わりに、いわゆる漂白触媒も組み込むことができる。これらの物質は、漂白を促進する遷移金属塩または遷移金属錯体、例えば、Mn、Fe、Co、RuまたはMoのサレン錯体またはカルボニル錯体である。N含有三脚配位子と、Mn、Fe、Co、Ru、Mo、Ti、VおよびCuとの錯体、およびCo-、Fe-、Cu-およびRu-アンミン錯体も、漂白触媒として使用することができる。
【0240】
ニトリルクォートに加えてさらなる漂白活性剤を使用する場合、好適には、ポリアシル化アルキレンジアミン(特にはテトラアセチルエチレンジアミン(TAED))、N-アシルイミド(特には、N-ノナノイルスクシンイミド(NOSI))、アシル化フェノールスルホネート(特には、n-ノナノイル-またはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-またはイソ-NOBS))およびn-メチルモルホリニウムアセトニトリル・メチルサルフェート(MMA)の群からの漂白活性剤を、好適には、いずれの場合にも漂白活性剤含有組成物の総重量に基づいて、10重量%まで、特には0.1〜8重量%、特には2〜8重量%、およびより好適には2〜6重量%の量で使用することが挙げられる。
【0241】
漂白促進遷移金属錯体(特には、中心原子Mn、Fe、Co、Cu、Mo、V、Tiおよび/またはRuを有する。)は、好適には、マンガンおよび/またはコバルトの塩および/または錯体、より好適にはコバルト(アンミン)錯体、コバルト(アセテート)錯体、コバルト(カルボニル)錯体、コバルトまたはマンガンの塩化物、および硫酸マンガンの群から選ばれ、通例の量で、好適には、いずれの場合にも漂白活性剤含有組成物の総重量に基づいて、5重量%まで、特には0.0025重量%〜1重量%、およびより好適には0.01重量%〜0.25重量%の量で使用される。しかしながら、特別な場合、より大きい量の漂白活性剤を使用することもできる。
【0242】
〔ガラス腐食防止剤〕
ガラス腐食防止剤は、機械的に洗浄したガラスの曇り、汚れおよび擦りばかりでなく、ガラス表面の虹色のきらめきの発生を防止する。好適なガラス腐食防止剤は、マグネシウムおよび/または亜鉛塩および/またはマグネシウムおよび/または亜鉛錯体の群に由来する。
ガラス腐食を防止するために使用され得る好適な化合物のクラスは、不溶性亜鉛塩のクラスである。
【0243】
この好適な実施態様において、不溶性亜鉛塩は、20℃の水1リットル当たり10グラムの亜鉛塩の最大溶解度を有する亜鉛塩である。本発明にしたがって特に好適な不溶性亜鉛塩の例としては、ケイ酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛(Zn(OH)CO)、水酸化亜鉛、シュウ酸亜鉛、モノリン酸亜鉛(Zn(PO))、およびピロリン酸亜鉛(Zn(P))が挙げられる。
【0244】
上記亜鉛化合物は、いずれの場合にもガラス腐食防止剤含有組成物全体に基づいて、組成物中の亜鉛イオン含量に換算して、0.02重量%と10重量%の間、好適には0.1重量%と5.0重量%の間、および特には0.2重量%と1.0重量%の間の量で使用される。組成物中の亜鉛塩または複数の亜鉛塩の正確な含量は、亜鉛塩のタイプに依存するその性質による。使用される亜鉛塩の溶解性が低いほど、本発明の組成物中のその濃度は高くなる。
【0245】
不溶性亜鉛塩は、食器洗浄操作の間、大部分変化せずに残るので、該塩の粒度は、該塩がガラス製品または機械の部分に付着しないようにするための、考慮すべき基準である。ここで、好適には、不溶性亜鉛塩が1.7ミリメートル未満の粒度を有する組成物が挙げられる。
【0246】
不溶性亜鉛塩の最大粒度が1.7mm未満である場合、食器洗浄機中の不溶性残留物の危険性は存在しない。不溶性亜鉛塩は、好適には、不溶性残留物の危険性をさらに最小限に抑えるために、この値よりも明確に低い平均粒度、例えば、250μm未満の平均粒度を有する。亜鉛塩の溶解度が低いほど、これはより重要になる。さらに、ガラス腐食阻害効果は、粒径が小さくなるにつれて高まる。非常に低い溶解性の亜鉛塩の場合、平均粒度は、好適には100μm未満である。より一層低い溶解性の塩について、それは一層低くなり得る;例えば、非常に低い溶解性の酸化亜鉛について、100μm未満の平均粒度が好適である。
【0247】
さらなる好適な化合物のクラスは、少なくとも一つの有機酸モノマーおよび/または有機酸ポリマーのマグネシウムおよび/または亜鉛の塩のクラスである。これらは、再使用する場合にも、ガラス製品の表面が腐食の結果として変化しないという効果、特にはガラス表面の曇り、汚れまたは擦り傷、あるいは虹色のきらめきを引き起こさないという効果を有する。
【0248】
全ての有機酸モノマーおよび/または有機酸ポリマーのマグネシウムおよび/または亜鉛の塩を使用することができるけれども、好適には、上記のように、非分枝状の、飽和または不飽和のモノカルボン酸、分枝状の、飽和または不飽和のモノカルボン酸、飽和および不飽和のジカルボン酸、芳香族のモノ、ジおよびトリカルボン酸、糖酸、ヒドロキシ酸、オキソ酸、アミノ酸および/またはカルボン酸ポリマーの群からの有機酸モノマーおよび/または有機酸ポリマーのマグネシウムおよび/または亜鉛の塩が挙げられる。
【0249】
本発明にしたがって好適な有機酸(好適には有機カルボン酸)の亜鉛塩のスペクトルは、水に対してわずかに溶解性または不溶性である塩、すなわち、100mg/l未満、好適には10mg/l未満および特には0の溶解度を有する塩から、100mg/lを超える、好適には500mg/lを超える、より好適には1g/lを超える、および特には5g/lを超える水に対する溶解度を有する塩までの範囲にわたる(全て水温20℃の溶解度)。亜鉛塩の最初の群としては、例えば、クエン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛およびステアリン酸亜鉛が挙げられる;可溶性亜鉛塩の群としては、例えば、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛およびグルコン酸亜鉛が挙げられる。
【0250】
好適に使用されるガラス腐食防止剤は、少なくとも一つの有機カルボン酸の亜鉛塩、より好適には、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛および/またはクエン酸亜鉛の群からの亜鉛塩である。また、好適には、リシノール酸亜鉛、アビエチン酸亜鉛およびシュウ酸亜鉛が挙げられる。
【0251】
本発明において、いずれの場合にもガラス腐食防止剤含有組成物の総重量に基づいて、洗浄組成物中の亜鉛塩の含量は、0.1〜5重量%、好適には0.2〜4重量%、および特には0.4〜3重量%の量であり、あるいは、酸化形態の亜鉛の含量(Zn2+として換算)は、0.01〜1重量%、好適には0.02〜0.5重量%、および特には0.04〜0.2重量%である。
【0252】
〔腐食防止剤〕
腐食防止剤は、製品または機械を保護するのに役立つ。特に銀保護剤は、機械的食器洗浄分野において重要である。先行技術から既知の物質を使用することができる。一般に、特にトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾールおよび遷移金属塩または錯体の群から選ばれる銀保護剤を使用することができる。特に好適には、ベンゾトリアゾールおよび/またはアルキルアミノトリアゾールを使用することが挙げられる。本発明に好適に使用される3-アミノ-5-アルキル-1,2,4-トリアゾールの例としては、5-プロピル-、-ブチル-、-ペンチル-、-ヘプチル-、-オクチル-、-ノニル-、-デシル-、-ウンデシル-、-ドデシル-、-イソノニル-、-バーサティック-10酸アルキル-、-フェニル-、-p-トリル-、-(4-tert-ブチルフェニル)-、-(4-メトキシフェニル)-、-(2-、-3-、-4-ピリジル)-、-(2-チエニル)-、-(5-メチル-2-フリル)-、-(5-オキソ-2-ピロリジニル)-3-アミノ-1,2,4-トリアゾールが挙げられる。機械式食器洗浄機用洗剤において、アルキルアミノ-1,2,4-トリアゾールまたはそれらの生理学的適合性塩は、0.001〜10重量%、好適には0.0025〜2重量%、より好適には0.01〜0.04重量%の濃度で使用される。塩形成に好適な酸は、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、亜硫酸、有機カルボン酸(例えば、酢酸、グリコール酸、クエン酸、コハク酸)である。非常に特に効果的なものは、5-ペンチル、5-ヘプチル、5-ノニル、5-ウンデシル、5-イソノニル、5-バーサティック-10酸アルキル-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、ならびにこれらの物質の混合物である。
【0253】
また、洗浄処方物において頻繁に見出されるのは、活性塩素含有剤である。これは、銀表面の腐食を著しく低減し得る。塩素非含有洗剤において、特には、二価および三価フェノールのような酸素および窒素含有有機酸化還元活性化合物、例えば、ヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシン、ピロガロール、および、これらの化合物クラスの誘導体が使用される。塩および錯体タイプの無機化合物、例えば、金属Mn、Ti、Zr、Hf、V、CoおよびCeの塩もしばしば使用される。これに関して、好適には、マンガンおよび/またはコバルトの塩および/または錯体の群から選ばれる遷移金属塩が挙げられ、より好適には、コバルト(アンミン)錯体、コバルト(アセテート)錯体、コバルト(カルボニル)錯体、コバルトまたはマンガンの塩化物、および硫酸マンガンが挙げられる。同様に、亜鉛化合物は、製品の腐食を防止するために使用され得る。
【0254】
上記銀保護剤(例えば、ベンゾトリアゾール)の代わりに、またはそれに加えて、酸化還元活性物質を使用することができる。これらの物質は、好適には、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルトおよびセリウムの塩および/または錯体の群からの無機酸化還元活性物質であり、該金属は、好適には、II、III、IV、VまたはVIの中の一つの酸化状態である。
【0255】
使用される金属塩または金属錯体は、少なくとも部分的に水溶性であるべきである。塩形成のための適当な対イオンとしては、全ての通例の一価、二価または三価の負電荷の無機アニオン(例えば、酸化物アニオン、硫酸アニオン、硝酸アニオン、フッ化物アニオン)が挙げられるが、有機アニオン(例えば、ステアリン酸アニオン)も挙げられる。
【0256】
本発明における金属錯体は、中心原子と、一以上の配位子と、必要に応じてさらなる一以上の上記アニオンとからなる化合物である。中心原子は、上記酸化状態のうちの一つの酸化状態の上記金属のうちの一つの金属である。配位子は、一座または多座の中性分子またはアニオンである;本発明における用語「配位子」は、例えば、「Roempp Chemie Lexikon、Georg Thieme Verlag、スタットガート/ニューヨーク、第9版、1990年、2507頁」中でより詳細に説明される。金属錯体内の中心原子の電荷および配位子の電荷が合計で0にならない場合、カチオン性またはアニオン性の過電荷が存在するか否かに依存して、一以上の上記アニオンか、または一以上のカチオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン)のいずれかが荷電平衡を確保する。適当な錯化剤は、例えば、シトラート、アセチルアセトネートまたは1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネートである。
【0257】
化学における通例の「酸化状態」の定義は、例えば、「Roempp Chemie Lexikon、Georg Thieme Verlag、スタットガート/ニューヨーク、第9版、1991年、3168頁」中に再現される。
【0258】
特に好適な金属塩および/または金属錯体は、MnSO、Mn(II)シトラート、Mn(II)ステアレート、Mn(II)アセチルアセトネート、Mn(II)[1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネート]、V、V、VO、TiOSO、KTiF、KZrF、CoSO、Co(NO)、Ce(NO)、およびその混合物の群から選ばれる。その結果として、好適な本発明の機械式食器洗浄機用洗剤は、金属塩および/または金属錯体が、MnSO、Mn(II)シトラート、Mn(II)ステアレート、Mn(II)アセチルアセトネート、Mn(II)[1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネート]、V、V、VO、TiOSO、KTiF、KZrF、CoSO、Co(NO)、Ce(NO)からなる群から選ばれることを特徴とする。
【0259】
これらの金属塩または金属錯体は、一般的に市販の物質である。これは、予め洗浄することなく銀腐食保護の目的で本発明の組成物中に使用され得る。したがって、例えば、SO(接触法)の調製物から既知の5価および4価のバナジウム(V、VO、V)の混合物は、Ti(SO)溶液を希釈することにより得られる硫酸チタニルTiOSOのように、適当である。
【0260】
無機酸化還元活性物質(特に、金属塩または金属錯体)は、貯蔵過程におけるそれらの早すぎる分解または酸化を防止するために、好適には、水密性であるが、洗浄温度でわずかに溶解性である材料によって、被覆、すなわち、完全にカバーされる。既知の方法(例えば、食品産業からのSandwikによる融解被覆法)により塗布される好適な被覆材料は、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、天然起源のワックス(例えば、カルナバワックス、カンデリラワックス、みつろう)、比較的高融点のアルコール(例えばヘキサデカノール)、石鹸または脂肪酸である。室温で固体の被覆材料は、例えば、同様に連続的に発生させた溶融被覆材料のスプレーミスト帯を通る連続的な流れの中で、被覆される細分化材料を遠心分離することによって、被覆される材料に溶融状態で塗布される。融点は、銀処理の間に被覆材料が容易に溶解または迅速に溶融するように選ばれなければならない。融点は、理想的には、45℃と65℃の間の範囲および好適には50℃〜60℃の範囲であるべきである。
【0261】
上記金属塩および/または金属錯体は、好適には、腐食防止剤含有組成物全体に基づいて、0.05〜6重量%、好適には0.2〜2.5重量%の量で洗浄組成物中に存在する。
【0262】
〔酵素〕
洗濯洗剤または洗浄組成物の洗浄または清浄性能を高めるため、酵素を使用することができる。これらとしては、特に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼまたはオキシドレダクターゼ、および好適にはそれらの混合物が挙げられる。これらの酵素は、原則として、天然起源のものである;天然分子から出発して、改善された変異体は、洗剤中に使用可能であり、したがって、好適に使用される。本発明の組成物は、好適には、酵素を、活性タンパク質に基づいて、1×10−6〜5重量%の総量で含有する。タンパク質濃度は、既知の方法(例えば、BCA法またはビウレット法)を用いて決定され得る。
【0263】
プロテアーゼの中でも、好適には、スブチリシンタイプのものが挙げられる。その例としては、スブチリシンBPN’およびCarlsberg、プロテアーゼPB92、スブチリシン147および309、バシラス・レントゥス(Bacillus lentus)アルカリプロテアーゼ、スブチリシンDY、およびサブチラーゼに分類され得るが、狭義にはスブチリシンに分類されない酵素のテルミターゼおよびプロテアーゼK、およびプロテアーゼTW3およびTW7が挙げられる。スブチリシンCarlsbergは、商品名Alcalase(登録商標)のもとNovozymes A/S(バグスバード、デンマーク)から開発された形態で入手できる。スブチリシン147および309は、それぞれ商品名Esperase(登録商標)およびSavinase(登録商標)のもとNovozymes社によって販売されている。名称BLAP(登録商標)のもとリストに記載された変異体は、バシラス・レントゥス(Bacillus lentus)DSM 5483のプロテアーゼに由来する。
【0264】
有用なプロテアーゼのさらなる例としては、商品名Durazym(登録商標)、Relase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Nafizym、Natalase(登録商標)、Kannase(登録商標)およびOvozymes(登録商標)のもとNovozymes社から入手できる酵素、商品名Purafect(登録商標)、Purafect(登録商標)OxPおよびProperase(登録商標)のもとGenencor社から入手できる酵素、商品名Protosol(登録商標)のもとAdvanced Biochemicals Ltd.(セイン、インド)から入手できる酵素、商品名Wuxi(登録商標)のもとWuxi Snyder Bioproducts Ltd.(中国)から入手できる酵素、商品名Proleather(登録商標)およびプロテアーゼP(登録商標)のもと天野エンザイム株式会社(名古屋、日本)から入手できる酵素、および名称プロテアーゼK-16のもと花王株式会社(東京、日本)から入手できる酵素が挙げられる。
【0265】
本発明にしたがって使用され得るアミラーゼの例としては、バシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来、バシラス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)由来またはバシラス・ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)由来のα-アミラーゼおよび洗濯洗剤および洗浄組成物における使用のために改善されたそれらの開発品が挙げられる。バシラス・リシェニフォルミス(B. licheniformis)酵素は、名称Termamyl(登録商標)のもとNovozymes社から、および、名称Purastar(登録商標)STのもとGenencor社から入手できる。このα-アミラーゼの開発品は、商品名Duramyl(登録商標)およびTermamyl(登録商標)ultraのもとNovozymes社から、名称Purastar(登録商標)OxAmのもとGenencor社から、および、Keistase(登録商標)としてダイワ精工株式会社(東京、日本)から入手できる。バシラス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)α-アミラーゼは、名称BAN(登録商標)のもとNovozymes社により販売されている。同様に、バシラス・ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)α-アミラーゼ由来の変異体が、名称BSG(登録商標)およびNovamyl(登録商標)のもとNovozymes社から販売されている。
【0266】
この目的のためにさらに重視されるべき酵素は、バシラス・エスピー(Bacillus sp.)A 7-7(DSM 12368)由来のα-アミラーゼ、およびバシラス・アガラドへレンス(B. agaradherens)(DSM 9948)由来のシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(CGTase)である。
【0267】
また、適当なものは、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)およびアスペルギルス・オリゼ(A. oryzae)由来のα-アミラーゼの開発品であり、これらは商品名Fungamyl(登録商標)のもとNovozymes社から入手できる。別の市販品は、例えば、アミラーゼ-LT(登録商標)である。
【0268】
本発明において、特にそれらのトリグリセリド開裂活性のために、また、適当な前駆体からインサイチュで過酸を産生するために、リパーゼまたはクチナーゼを使用することができる。その例としては、本来フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)(サーモミセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus))から得られるリパーゼまたは開発されたリパーゼ(特には、D96Lアミノ酸置換を有するもの)が挙げられる。それらは、例えば、商品名Lipolase(登録商標)、Lipolase(登録商標)Ultra、LipoPrime(登録商標)、Lipozyme(登録商標)およびLipex(登録商標)のもとNovozymes社から販売される。さらに、例えば、本来フザリウム・ソラニ・ピシ(Fusarium solani pisi)およびフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)から単離されたクチナーゼを使用することできる。また、有用であるリパーゼは、名称リパーゼCE(登録商標)、リパーゼP(登録商標)、リパーゼB(登録商標)、リパーゼCES(登録商標)、リパーゼAKG(登録商標)、Bacillis sp. リパーゼ(登録商標)、リパーゼAP(登録商標)、リパーゼM-AP(登録商標)およびリパーゼAML(登録商標)のもと天野社から入手できる。使用され得るGenencor社からのリパーゼおよびクチナーゼの例としては、その出発酵素が本来シュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)およびフザリウム・ソラニ(Fusarium solanii)から単離されたものが挙げられる。他の重要な市販品としては、本来Gist-Brocadesにより販売されるM1リパーゼ(登録商標)およびLipomax(登録商標)調製物、および名称リパーゼMY-30(登録商標)、リパーゼOF(登録商標)およびリパーゼPL(登録商標)のもと名糖産業株式会社(日本)により販売される酵素、および、Genencor社からの製品Lumafast(登録商標)が挙げられる。
【0269】
また、用語ヘミセルラーゼのもと組み合わされる酵素を使用することができる。これらとしては、例えば、マンナナーゼ、キサンタンリアーゼ、ペクチンリアーゼ(=ペクチナーゼ)、ペクチンエステラーゼ、ペクチン酸リアーゼ、キシログルカナーゼ(=キシラナーゼ)、プルラナーゼおよびβ-グルカナーゼが挙げられる。適当なマンナナーゼは、例えば、名称Gamanase(登録商標)およびPektinex AR(登録商標)のもとNovozymes社から、名称Rohapec(登録商標)B1LのもとAB Enzymes社から、および名称Pyrolase(登録商標)のもとDiversa Corp.(サンディエゴ、カルフォルニア、米国)から入手できる。バシラス・サチリス(B. subtilis)から得られるβ-グルカナーゼは、名称Cereflo(登録商標)のもとNovozymes社から入手できる。
【0270】
漂白作用を増強するために、本発明の洗剤は、オキシドレダクターゼ、例えば、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ(例えば、ハロペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、グルコースペルオキシダーゼまたはマンガンペルオキシダーゼ)、ジオキシゲナーゼまたはラッカーゼ(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)を含み得る。適当な市販品としては、Novozymes社からのDenilite(登録商標)1および2が挙げられる。有利には、酵素と相互作用する(好適には有機、より好適には芳香族の)化合物が、関係するオキシドレダクターゼの活性を増強する(エンハンサー)ために、あるいは、酸化酵素と汚れの酸化還元電位が大きく違う場合に電子束を確保する(メディエーター)ために、さらに添加される。
【0271】
該酵素は、微生物由来、例えば、バシラス(Bacillus)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、フミコーラ(Humicola)属、またはシュードモナス(Pseudomonas)属由来であるか、および/または、適当な微生物による、例えば、バシラス(Bacillus)属または糸状菌の形質転換発現宿主による、自体既知の生物工学的方法において産生される。
【0272】
問題の酵素は、有利には、自体確立された方法を介して、例えば、沈澱、沈降、濃縮、液相のろ過、精密ろ過、限外ろ過、化学薬品の作用、脱臭またはこれらの工程の適当な組合せを介して精製される。
【0273】
酵素は、先行技術において確立された任意の形態で使用することができる。これらとしては、例えば、顆粒化、押出成形または凍結乾燥により得られる固体調製物が挙げられ、または、特に、液体またはゲル状組成物の場合、酵素溶液は、有利には、水が少なくなるように高度に濃縮され、および/または安定剤が混合される。
【0274】
あるいは、酵素は、例えば、好適には天然ポリマーと一緒に酵素溶液を噴霧乾燥または押出成形することによって、固体か、または液体投与形態のいずれかに被包され得、あるいは、例えば、酵素が、固化したゲル、またはコア・シェルタイプ(ここで、酵素含有コアは、水、空気および/または化学薬品不浸透性保護層で被覆される。)のように封入される、カプセルの形態に被包され得る。付与された層中にさらなる活性成分、例えば、安定剤、乳化剤、顔料、漂白剤または染料をさらに投与することもできる。このようなカプセルは、自体既知の方法によって、例えば、攪拌またはロール顆粒化によって、または流動床法において、付与される。有利には、このような顆粒、例えば、塗膜形成要素ポリマーの付与の結果としての顆粒は、被覆のために、低発塵性および保存安定性である。
【0275】
二以上の酵素を一緒に処方することもできる。その結果、単一顆粒は、複数の酵素活性を有する。
【0276】
タンパク質および/または酵素は、特に保存中、例えば、物理的影響力、酸化またはタンパク質分解的切断による損害(例えば不活性化、変性または腐敗)から保護され得る。タンパク質および/または酵素が微生物的に得られる場合、特に好適には、特に組成物がプロテアーゼも含む場合、タンパク質分解を阻害することが挙げられる。この目的のために、本発明の組成物は、安定剤を含み得る;このような組成物の提供は、本発明の好適な実施態様を構成する。
【0277】
安定剤の一つの群は、可逆的プロテアーゼ阻害剤の群である。しばしば、ベンズアミジン塩酸塩、ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸またはその塩またはそのエステルが使用され、これらの中では、特に、芳香族基を有する誘導体、例えば、オルト、メタまたはパラ置換フェニルボロン酸、またはその塩またはそのエステルが挙げられる。言及すべきペプチド性プロテアーゼ阻害剤としては、オボムコイドおよびロイペプチンが挙げられる;さらなる選択肢は、プロテアーゼとペプチド阻害剤の融合タンパク質の形成である。
【0278】
さらなる酵素安定剤は、アミノアルコール(例えば、モノ-、ジ-、トリ-エタノール-およびプロパノール-アミンおよびその混合物)、C12までの脂肪族カルボン酸(例えば、コハク酸)、他のジカルボン酸またはそれらの塩である。末端がキャップされた脂肪酸アミドアルコキシレートも安定剤として使用され得る。さらに、ビルダーとして使用される特定の有機酸も存在する酵素を安定化することができる。
【0279】
低級脂肪族アルコール、しかし、特にはポリオール、例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはソルビトールは、しばしば使用される他の酵素安定剤である。同様に、カルシウム塩、例えば、酢酸カルシウムまたはギ酸カルシウムも、マグネシウム塩のように使用される。
【0280】
ポリアミドオリゴマーまたはポリマー性化合物、例えば、リグニン、水溶性ビニルコポリマーまたはセルロースエーテル、アクリルポリマーおよび/またはポリアミドは、物理的影響力またはpH変動を含む影響力に対して酵素調製物を安定化する。ポリアミンN-オキシド含有ポリマーは、同時に、酵素安定剤として作用する。他のポリマー性安定剤は、直鎖C〜C18ポリオキシアルキレンである。同様に、アルキルポリグリコシドは、本発明の組成物の酵素成分を安定化し、それらの性能を増強さえし得る。同様に、架橋N含有化合物は、酵素安定剤としての機能を果たす。
【0281】
還元剤および抗酸化剤は、酸化腐食に対する酵素の安定性を高める。硫黄含有還元剤の例は、亜硫酸ナトリウムである。
【0282】
好適には、安定剤の組合せ、例えば、ポリオール、ホウ酸および/またはホウ砂の組合せ、ホウ酸またはホウ酸塩と還元塩とコハク酸または他のジカルボン酸の組合せ、または、ホウ酸またはホウ酸塩とポリオールまたはポリアミノ化合物と還元塩の組合せを使用することが挙げられる。ペプチドアルデヒド安定剤の作用は、ホウ酸および/またはホウ酸誘導体およびポリオールとの組合せによって高められ得、および、二価のカチオン(例えば、カルシウムイオン)をさらに使用することによって、さらに増強され得る。
【0283】
好適には、一以上の酵素および/または酵素調製物、好適には固体プロテアーゼ調製物および/またはアミラーゼ調製物を、いずれの場合にも酵素含有組成物全体に基づいて、0.1〜5重量%、好適には0.2〜4.5重量%および特には0.4〜4重量%の量で使用することが挙げられる。
【0284】
〔崩壊助剤〕
予め作成済みのタブレットの崩壊を容易にするために、崩壊時間を短縮する目的でタブレット崩壊剤として既知の崩壊助剤をこれらの組成物中に組み入れることができる。Roempp(第9版、第6巻、4440頁)およびVoigt「Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie」(第6版、1987年、182〜184頁)によれば、タブレット崩壊剤または崩壊促進剤は、水または胃液におけるタブレットの迅速な崩壊および吸収可能な形の薬物の放出を保証する補助剤であると理解される。
【0285】
これらの物質は、その作用から「破砕(Spreng)」剤としても知られ、水との接触によって体積を増加できる。それは、それ自体の体積の増加(膨潤)であるか、あるいは、より小さい粒子へのタブレットの崩壊を引き起こす圧力を生じさせ得るガスの放出のいずれかである。先般来知られた崩壊助剤は、例えば、炭酸塩/クエン酸系であるが、他の有機酸も使用することができる。膨潤崩壊助剤は、例えば、合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)または天然ポリマー、または変性天然物質、例えば、セルロースおよびデンプンおよびそれらの誘導体、アルギン酸塩またはカゼイン誘導体である。
【0286】
好適には、崩壊助剤を、いずれの場合にも崩壊助剤を含んでなる組成物の総重量に基づいて、0.5〜10重量%、好適には3〜7重量%、および特に4〜6重量%の量で使用することが挙げられる。
【0287】
本発明において使用される好適な崩壊剤は、セルロース系崩壊剤であり、したがって、好適な洗濯洗剤および洗浄組成物タブレットは、このようなセルロース系崩壊剤を、0.5〜10重量%、好適には3〜7重量%、特に好適には4〜6重量%の量で含有する。純粋なセルロースは、実験式:(C10)の組成を有するが、正式にはセロビオースのβ-1,4-ポリアセタールであり、セロビオースは、2つのグルコース分子から構成される。適当なセルロースは、約500〜5,000のグルコース単位からなり、したがって平均モル質量50,000〜500,000を有する。また、本発明において有用なセルロース系崩壊剤は、ポリマー類似反応によってセルロースから得られるセルロース誘導体である。このような化学変性セルロースには、例えば、ヒドロキシ水素原子を置換したエステル化またはエーテル化反応生成物が包含される。しかしながら、ヒドロキシル基を、酸素原子を介して結合していない官能基によって置換したセルロースも、セルロース誘導体として使用することができる。この群のセルロース誘導体には、例えば、アルカリ金属セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、セルロースエステルおよびエーテル、およびアミノセルロースが包含される。以上のセルロース誘導体は、好適にはそれ自体単独では使用せずに、むしろ、セルロースとの混合物の形態で、セルロース系崩壊剤として使用する。これらの混合物中のセルロース誘導体の含量は、セルロース系崩壊剤に基づいて、好適には50重量%未満、より好適には20重量%未満である。使用されるセルロース系崩壊剤は、より好適には、セルロース誘導体を含んでいない純粋なセルローである。
【0288】
崩壊助剤として使用されるセルロースは、好適には、微粒子形態で使用せずに、圧縮(例えば、顆粒化またはコンパクト化)されるプレミックスに混合する前に、より粗い形態に変換する。このような崩壊助剤の粒度は、通常、200μmを超え、好適には粒子の少なくとも90重量%が300〜1,600μm、特に粒子の少なくとも90重量%が400〜1,200μmである。本明細書に詳細に記載された、上記のより粗いセルロース系崩壊剤は、崩壊助剤として本発明に好適に使用され、例えば、商品名Arbocel(登録商標)TF-30-HGのもとRettenmaierから市販されている。
【0289】
さらなるセルロース系崩壊助剤としてまたは当該成分の構成成分として、微結晶質セルロースも使用することができる。この微結晶質セルロースは、セルロースの無定形領域(セルロース合計質量の約30%)のみを攻撃および完全に溶解するが、結晶領域(約70%)を未損傷のままにする条件下でのセルロースの部分加水分解によって得られる。加水分解によって形成した極微小のセルロースのその後の脱凝集化によって、一次粒度が約5μmで、例えば平均粒度200μmの顆粒に圧縮できる微結晶質セルロースを得る。
【0290】
本発明に好適な崩壊助剤、好適にはセルロース系崩壊助剤は、好適には顆粒、共顆粒化または圧縮形態で、いずれの場合も崩壊剤含有組成物の総重量に基づいて、0.5〜10重量%、好適には3〜7重量%、特には4〜6重量%の量で崩壊剤含有組成物中に含まれる。
【0291】
本発明によれば、さらに、タブレット崩壊剤として、ガス発生発泡系を使用することができる。ガス発生発泡系は、水との接触によってガスを放出する単一の物質からなり得る。このような化合物のうち、水との接触によって酸素を放出する過酸化マグネシウムを特に挙げることができる。しかしながら、ガス発生発泡系は、通常、相互に反応してガスを形成する少なくとも2つの成分からなる。種々の可能な系、例えば、窒素、酸素または水素を放出する系を採用できるが、本発明の洗濯洗剤および洗浄組成物タブレットに使用されるガス発生発泡系は、経済的および環境的な側面の両方を考慮して選択可能であろう。好適なガス発生発泡系は、炭酸アルカリ金属塩および/または炭酸水素アルカリ金属塩および水溶液中でアルカリ金属塩から二酸化炭素を放出させるのに適した酸性化剤からなる。
【0292】
炭酸アルカリ金属塩および炭酸水素アルカリ金属塩の場合、コストの観点から、ナトリウムおよびカリウム塩が他の塩よりも顕著に好ましい。もちろん、純粋な炭酸アルカリ金属塩および炭酸水素アルカリ金属塩を使用する必要はない。むしろ、異なる炭酸塩および炭酸塩水素塩の混合物が好適であり得る。
【0293】
使用される発泡系は、好適には、いずれの場合も組成物の全量に基づいて、2〜20重量%、好適には3〜15重量%、特には5〜10重量%の炭酸アルカリ金属塩または炭酸水素アルカリ金属塩と、1〜15重量%、好適には2〜12重量%、特には3〜10重量%の酸性化剤である。
【0294】
水溶液中、アルカリ金属塩から二酸化炭素を放出し、および使用することができる酸性化剤は、例えば、ホウ酸、ならびに硫酸水素アルカリ金属塩、リン酸二水素アルカリ金属塩および他の無機酸である。しかしながら、好適には、有機酸性化剤が使用され、クエン酸が特に好適な酸性化剤である。しかしながら、特に、他の固体モノ−、オリゴ−およびポリカルボン酸も使用することができる。この群のうち、酒石酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸およびポリアクリル酸も好ましい。有機スルホン酸、例えば、アミドスルホン酸も使用することができる。本発明において同様に好適に使用することができる市販の酸性化剤は、Sokalan(登録商標)DCS(BASFの商標)、コハク酸(最大31重量%)の混合物、グルタル酸(最大50重量%)の混合物およびアジピン酸(最大33重量%)の混合物である。
【0295】
本発明において、好適には、有機ジ-、トリ-およびオリゴカルボン酸またはそれらの混合物の群からの、ガス発生発泡系における酸性化剤が挙げられる。
【0296】
〔香料〕
使用される香油および香料は、個々の着臭剤化合物、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素タイプの合成産物であり得る。エステルタイプの着臭剤化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソブタン酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニール、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチアリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルとしては、例えば、ベンジルエチルエーテル;アルデヒドとしては、例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびボージュナール;ケトンとしては、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトン;アルコールとしては、アネトール、シトロネロール、ユージノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオール;炭化水素としては、主として、テルペン(例えば、リモネンおよびピネン)が挙げられる。しかしながら、好適には、満足のいく香気ノートを一緒に産み出す異なる着臭剤の混合物を使用することが挙げられる。このような香油は、植物源から入手可能であるような天然着臭剤混合物、例えば、松根油、かんきつ油、ジャスミン油、パチョリ油、バラ油またはイランイラン油も包含し得る。同様に適当なものは、マスカテル、セージ油、カモミール油、チョウジ油、バルサム油、ミント油、桂皮油、ライムブロッサム油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油およびラブダナム油、および、オレンジブロッサム油、橙花油、橙皮油およびビャクダン油である。
【0297】
香料は、直接加工することができるが、香料の放出をより遅くすることによって香りを長続きさせることを確保する担体に香料を付与することも有利である。このような有用な担体材料は、例えば、シクロデキストリンであることが分かった。シクロデキストリン芳香錯体も、さらなる助剤でさらに被覆され得る。
【0298】
〔染料〕
好適な染料(その選択は当業者にいかなる困難性も与えない)は、高度の貯蔵安定性と、組成物の他の成分および光に対して高度の非感受性を有し、および、汚すことがないように、染料含有組成物で処理される基材(例えば、グラス、セラミックまたはプラスチック食器)に対する顕著な実質性を有しない。
【0299】
〔溶媒〕
溶媒としては、特に非水有機溶媒が挙げられる。特に好適には、一価または多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルの群からの非水溶媒を使用することが挙げられる(ただし、それらは、所定の濃度範囲において水に混和性である)。該溶媒は、好適には、エタノール、n-プロパノールまたはイソプロパノール、ブタノール、グリコール、プロパンジオールまたはブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、プロピルジグリコールまたはブチルジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチルエーテルまたはプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルまたはジプロピレングリコールエチルエーテル、メトキシトリグリコール、エトキシトリグリコールまたはブトキシトリグリコール、1-ブトキシエトキシ-2-プロパノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、プロピレングリコールt-ブチルエーテルおよびこれらの溶媒の混合物から選択される。
【0300】
〔制泡剤〕
有用な制泡剤は、例えば、セッケン、パラフィンおよびシリコーンオイルであって、これらは、所望により担体材料に適用することができる。適当な再付着抑制剤(汚れ防止剤ともいう。)は、例えば、非イオン性セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース、およびいずれの場合にも非イオン性セルロースエーテルに基づいて、メトキシ基を15〜30重量%およびヒドロキシプロピル基を1〜15重量%の割合で有するメチルヒドロキシプロピルセルロース、および、先行技術のフタル酸および/またはテレフタル酸またはそれらの誘導体のポリマー、特にエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレングリコールテレフタレートまたはそれらのアニオン的および/または非イオン的変性誘導体のポリマーである。これらのなかでも、特に好適には、フタル酸ポリマーおよびテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体が挙げられる。
【0301】
〔蛍光増白剤〕
蛍光増白剤(「漂白剤」として既知)は、洗濯洗剤または洗浄組成物中に、これらの組成物で処理した繊維製品の灰色化および黄変を排除するために、添加することができる。これらの物質は、繊維に結合し、UV不可視光線をより長い波長の可視光線に変換することにより、増白および疑似の漂白作用をもたらす。この過程において、日光から吸収された紫外線は、薄青の蛍光として放射され、それに伴い、灰色化または黄変した洗濯物の黄陰は、純白となる。適当な化合物は、例えば、4,4’-ジアミノ-2,2’-スチルベン二スルホン酸(フラボン酸)、4,4’-ジスチリルビフェニル、メチルウンベリフェロン、クマリン、ジヒドロキノリノン、1,3-ジアリールピラゾリン、ナフタルイミド、ベンゾオキサゾール系、ベンゾイソオキサゾール系およびベンズイミダゾール系、およびヘテロ環で置換されたピレン誘導体の物質クラスに由来する。
【0302】
〔灰色化抑制剤〕
繊維製品洗浄組成物における灰色化抑制剤は、液体中に懸濁した繊維から分離した汚れを保持し、したがって、汚れが再付着するのを防止する働きを有する。この目的に適当なものは、水溶性コロイド、通常、有機性のものであり、例えば、カルボン酸ポリマーの水溶性塩、サイズ剤、ゼラチン、デンプンまたはセルロースのエーテルスルホン酸の塩、またはセルロースまたはデンプンの酸性硫酸エステルの塩である。酸性基含有水溶性ポリアミドもこの目的に適当である。さらに、可溶性デンプン調製物、および上記以外のデンプン生成物、例えば、分解デンプン、アルデヒドデンプン等を使用することができる。ポリビニルピロリドンを使用することもできる。また、粒状組成物において灰色化抑制剤として使用可能なものは、セルロースエーテル、例えば、カルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩)、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよび混合エーテル、例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロースおよびそれらの混合物である。
【0303】
〔抗菌活性成分〕
抗菌活性成分は、微生物を制御するのに役立つ。ここで、抗菌活性成分は、抗菌スペクトルおよび作用メカニズムに従い、静菌剤、殺菌剤、静真菌剤、殺真菌剤などに分類することができる。これらの剤は、完全に免除することができるが、これらの群のうち、重要な物質は、塩化ベンザルコニウム、硫酸アルキルアリール、ハロフェノールおよびメルクリ酢酸フェノールである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、
少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および
少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、
ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%
を含んでなる水溶性溶融接着剤を含んでなる、
洗濯洗剤または洗浄組成物分包。
【請求項2】
水溶性溶融接着剤は、成分Aとして、酸価10〜200mgKOH/g(ASTM D 974)を有する酢酸ビニル-クロトン酸コポリマーを含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の洗濯洗剤または洗浄組成物分包。
【請求項3】
水溶性溶融接着剤は、成分Bとして、150℃での粘度500〜80000mPas(ブルックフィールド、サーモセル、スピンドル27、ASTM D 3236-88で測定)を有する非イオン性ポリウレタンを含んでなることを特徴とする、請求項1または2に記載の洗濯洗剤または洗浄組成物分包。
【請求項4】
水溶性溶融接着剤は、成分Cとして、アルカノール基中2〜6個の炭素原子を有するアルカノールアミン、好適にはトリアルカノールアミン、特に好適にはトリエタノールアミン(ここで、一分子のアルカノール基における炭素鎖長は、同一または異なり得る。)を含んでなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の洗濯洗剤または洗浄組成物分包。
【請求項5】
水溶性溶融接着剤は、120℃での粘度1000〜20000mPas(ブルックフィールド、サーモセル、スピンドル27、ASTM D 3236-88で測定)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の洗濯洗剤または洗浄組成物分包。
【請求項6】
洗濯洗剤または洗浄組成物は、窪み付きタブレットを含んでなることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の洗濯洗剤または洗浄組成物分包。
【請求項7】
洗濯洗剤または洗浄組成物は、水溶性または水分散性包装を含んでなることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の洗濯洗剤または洗浄組成物分包。
【請求項8】
洗濯洗剤または洗浄組成物分包の少なくとも一つの構成成分を、
エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤と
接着結合させることを含む、洗濯洗剤または洗浄組成物分包の製造方法。
【請求項9】
以下の工程:
a)打錠または注型成形により、(窪み付き)タブレットを製造する工程;
b)エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤を用いて、(窪み付き)タブレットを、さらなるタブレット、好適には核と接着結合させる工程;
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
以下の工程:
a)打錠または注型成形により、窪み付きタブレットを製造する工程;
b)窪み付きタブレットの窪みを充填する工程;
c)エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤を用いて、窪み付きタブレットを、水溶性または水分散性閉口部と接着結合させることにより、窪みを閉口する工程;
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
以下の工程:
a)水溶性または水分散性受入器を提供する工程;
b)受入器を、洗浄または清浄活性物質で充填する工程;
c)エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%を含んでなる水溶性溶融接着剤を用いて、受入器を、水溶性または水分散性閉口部と接着結合させることにより、受入器を閉口する工程;
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
洗濯洗剤または洗浄組成物分包の製造における、
エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、
少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および
少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、
ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%
を含んでなる水溶性溶融接着剤の使用。
【請求項13】
洗濯洗剤または洗浄組成物を接着結合させるための、特に固体洗濯洗剤または洗浄組成物を互いに接着結合させるための、洗濯洗剤または洗浄組成物タブレットを、水溶性または水分散性包装材料、特に水溶性または水分散性フィルム、射出成形部またはボトルブロー成形部と接着結合させるための、または、洗濯洗剤または洗浄組成物を充填した、水溶性または水分散性の熱成形、射出成形またはボトルブロー成形受入器を接着結合および密封するための、
エチレン性不飽和モノマーに基づく遊離カルボン酸基を有する少なくとも一つのホモポリマーまたはコポリマー(成分A)40〜70重量%、
少なくとも一つの水溶性または水分散性ポリウレタン(成分B)15〜45重量%および
少なくとも一つの無機または有機塩基(成分C)10〜45重量%、
ならびに、さらなる添加剤0〜20重量%
を含んでなる水溶性溶融接着剤の使用。

【公表番号】特表2007−501882(P2007−501882A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522932(P2006−522932)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008472
【国際公開番号】WO2005/017088
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(391008825)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN
【住所又は居所原語表記】40191 Dusseldorf,Henkelstrasse 67,Germany
【Fターム(参考)】