説明

洗浄剤組成物および汚れを除去する方法

【課題】有効な汚れ除去量のアルカリ源と有効な汚れ除去量の界面活性剤ブレンドとを含むアルカリ洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】アルカリ源と、澱粉質固体の浄化を強化する非イオン界面活性剤のブレンドとを含むアルカリ洗浄剤組成物。非イオン界面活性剤のブレンドは、好ましくは、アルキルグリコシド界面活性剤および疎水性シリコーン基とペンダント親水性基とを有するシリコーン界面活性剤とを含む。好ましくは、非イオン界面活性剤のブレンドは、疎水性基とエチレンオキシド残分含有基を有する界面活性剤とポリマー添加剤とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末、ペレット、レンガ状塊または固体ブロック洗浄剤(detergent)の形をとることが可能な、洗濯物、器物洗浄、CIP、硬表面等の洗浄剤組成物に関する。本洗浄剤組成物の各物理的実施形態は、分配および販売のために適切な包装システム中に包装することが可能である。一般に、本洗浄剤組成物は、アルカリ源と、汚れ除去を実質的に改善すると共に特に多くの汚れ場所に共通的な澱粉質汚れ、ワックス性の脂肪汚れおよび蛋白汚れの汚れ除去を改善する改善された界面活性剤パッケージとを含む。本洗浄剤組成物は、工業的器物洗浄用途において用いるために特に適する。
【0002】
本発明はまた、浄化特性を強化するために界面活性剤のブレンドを用いるフレーク、粉末、ペレット、ブロック等の形をとったアルカリ器物洗浄洗浄剤組成物に関する。より詳しくは、本発明は、アルカリ源と、界面活性剤の協働ブレンドと、澱粉質汚れ、ワックス性の脂肪汚れおよび蛋白汚れに関する浄化能力を実質的に高めることが可能である他の浄化材料とを含有するアルカリ浄化システムに関する。本洗浄剤は、洗浄剤組成物中で有用であるポリマー添加剤、水軟化剤、殺菌剤、金属イオン封鎖剤、再沈着防止剤、消泡剤等を含む多様な他の化学剤を含有することも可能である。
【背景技術】
【0003】
アルカリ源、界面活性剤または他の一般的洗浄化学薬品と組み合わされた界面活性剤パッケージを含む洗浄剤組成物は長年にわたって知られている。こうした材料は、洗濯製品、器物洗浄組成物、CIPクリーナーおよび硬表面クリーナー中で用いられてきた。水性組成物への希釈のために設計または配合されるアルカリ源を含有する実質的にあらゆるクリーナーをこの広い一般概念内で用いることができる。粉末皿洗機洗浄剤は、例えば、ドス(Dos)らによる米国特許第3,956,199号、ドスらによる米国特許第3,963,635号において開示されている。更に、マクムレン(Macmullen)らによる米国特許第3,032,578号には、塩素源、有機ホスホン酸塩、界面活性剤組成物および水処理剤を含有するアルカリ皿洗洗浄剤が教示されている。同様に、アルムステッド(Almusted)らによる米国特許第3,351,557号、デービス(Devis)らによる米国特許第3,341,459号、チンマーマン(Zimmerman)らによる米国特許第3,202,714号および第3,281,368号には、アルカリ源と非イオン界面活性剤材料とを含むビルダー入り液体洗濯洗浄剤が教示されている。
【0004】
粉末状の汎用、器物洗浄および洗濯洗浄剤は長年にわたって用いられてきた。固体ブロック浄化組成物の製造および使用は、ファーンホルツ(Fernholz)らによる米国再発行特許第32,763号および第32,818号、ヘイル(Heil)による米国特許第4,595,520号および4,680,134号において開示された技術において開拓された。ガンサー(Gansser)による米国特許第4,753,441号には、ニトリロ三酢酸塩金属イオン封鎖剤を用いるキャスト固体形態をとった固形洗浄剤技術が提示されている。固体ブロック洗浄剤は、安全、便利およびその他の理由で、従来の粉末および液体形態の器物洗浄剤および商用、企業および工業の洗濯、器物洗浄、洗濯物洗浄および浄化のマーケットにおける他の製品の大部分を急速に置き換えた。これらの固体ブロック浄化組成物の開発は、器物洗浄洗浄剤組成物を含む多くの浄化および殺菌組成物を商用、企業および工業の浄化場所で製造し使用するやり方を根本から変えた。固体ブロック組成物は、従来の液体、粉末、粒体、ペースト、ペレットおよび他の洗浄剤形態に比べて幾つかの利点をもたらす。こうした利点には、安全性、改善された経済性および改善された取扱い性が挙げられる。
【0005】
粉末状の洗浄剤の製造において、粉末原料は、製品均一性を実質的に変えずに包装、分配および販売することができる物理的に安定で分離において安定な粉末組成物を製造するために、一般に、公知の製造設備内でドライブレンドまたは凝集される。液体材料は、一般に、水性溶媒材料または非水溶媒材料中でブレンドされ、水性液体コンセントレートを製造するために一定割合の水で希釈され、その後、コンセントレートは包装され、分配され販売される。固体ブロック洗浄剤組成物は、一般に、多くの場合硬化メカニズムを用いて固体に製造され形作られる。
【0006】
固体洗浄剤の製造において、種々の硬化メカニズムが固体ブロックの製造用の浄化および殺菌組成物の製造において用いられてきた。活性原料は、硬化剤を液体から固体に変換する条件下で硬化剤と混合することにより、固体材料を機械的に安定なブロック状にしてきた。こうした硬化システムの一つの種類は、ファーンホルツによる特許において開示された溶融プロセスである。ファーンホルツによる特許において、約55°〜60℃の融点をもつ水酸化ナトリウム水和物は硬化剤として作用する。製造プロセスにおいて、溶融水酸化ナトリウム水和物の液体溶融物が形成され、固体粒状材料がその中に導入される。溶融苛性アルカリ中で固体粒状材料の懸濁液または溶液が形成され、そしてそれはカプセルと呼ばれ、容器造形型とも呼ばれるプラスチックボトルに固化のために導入される。材料は冷え、固化し、使用のために用意が整う。懸濁された材料または可溶化された材料は、固体全体を通して均一に分散され、そして苛性アルカリクリーナーが不要にされる。
【0007】
同様に、ヘイルらにおいて、無水カルボネート塩または無水スルフェート塩は、一水和物固体、七水和物固体および十水和物固体の部分を含む約55℃の融点を有する水和物を形成するプロセスにおいて水和される。カルボネート水和物は、同様に、固体ブロック多成分洗浄剤を製造するためにファーンホルツらの苛性アルカリ水和物向けに用いられる。こうした溶融プロセスの他の例には、モーガンソン(Morganson)による米国特許第4,861,518号が挙げられ、それには、溶融物を形成するために約38℃より高い範囲の温度で、ポリエチレングリコール等の硬化剤と合わせてイオンおよび非イオン界面活性剤系を加熱することにより形成される固体浄化コンセントレートが開示されている。こうした溶融物は他の原料と混合されて、均質分散液が形成され、その後、その均質分散液は型に注いで硬化させる。モーガンソンらによる米国特許第5,080,819号には、汚れ除去を強化するのに有効な浄化量の非イオン界面活性剤を用いて低温器物洗浄温度で用いるようにされた高度にアルカリ性のキャスト固体組成物が教示されている。グラドフェルター(Gradfelter)による米国特許第5,316,688号には、水溶性または水分散性のフィルム包装中にラップされた固体ブロックアルカリ洗浄剤組成物が教示されている。
【0008】
固体ペレット化材料は、グラドフェルターによる米国特許第5,078,301号、第5,198,198号および第5,234,615号ならびにガンサー(Gansser)による米国特許第4,823,441号および第4,931,202号に示されている。こうしたペレット化材料は、一般に、溶融液体を押出すことにより、あるいは粉末を錠剤またはペレットに圧縮することにより製造される。押出非溶融アルカリ洗浄剤材料は、グラドフェルターらによる米国特許第5,316,688号において開示されている。
【0009】
これらの粉末状、ペレット、液体および固体ブロック洗浄剤組成物は、殆どの商業目的で許容できる浄化特性を有する。消費者による試験に導入される材料または市場で販売される材料は、商業的に許容でき一律に合格する浄化結果を達成してきた。しかし、本発明者らは、布地、器物、下地、水硬度、機械の型式、汚れの種類および装填量等の特定の条件下で、幾つかの染みが浄化プロセス中に除去に耐えたことを見出した。本発明者らは、特定の澱粉質汚れが器物の表面上で硬化すると共に特定の条件下で高度にアルカリ性の浄化洗浄剤にさえ耐えるらしいことを見出した。こうした汚れは、浄化環境において一般的であり、本発明者らは、米がこの広い澱粉質汚れの種類に関するモデルとして使用できる澱粉質汚れを作り出す傾向があることを見出した。特定の状況下で、こうした澱粉質固体は平皿類、食器類等上に残りうる。
【0010】
苛性アルカリ洗浄剤組成物は、蓄積した澱粉質残留物の除去のための機械皿洗プロセスにおける周期的使用についてブレチャ(Blecher)らによる欧州公報第0282214号によって記載されている。ブレチャらによる公報には、20〜30重量%(質量%)の水酸化カリウムを含む組成物および食器類上に組成物を噴霧することが記載されている。
【0011】
更に、多くのワックス性の脂肪汚れは、器物の表面上で硬化すると共に特定の条件下で高度にアルカリ性の浄化洗浄剤に耐えるようである。こうした汚れは、浄化環境において一般的であり、一般に、種々の物品(item)の表面上に薄膜を形成しうる疎水性物質である。本発明者らは、リップスチック汚れがこの広い疎水性ワックス性の脂肪汚れの種類に関する汚れモデルとして機能しうることを見出した。リップスチックは、一般に、ワックス性の組成物、脂肪材料、無機成分、顔料等を含む比較的複雑な混合物中で大きな割合の脂質、脂肪および蝋様材料を含有する。蝋様材料には、代表的には、キャンデリアワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス等のワックスが挙げられる。脂肪原料には、代表的には、ラノリン誘導体、イソプロピルイソステアレート、オクチルヒドロキシステアレート、キャスター油、セチルアルコール、セチルラクテートおよび他の材料が挙げられる。こうした脂質材料は、一般に、最善の状況下で除去することが難しい。より重要なことは、本発明者らは、リップスチック配合物のキャスター油成分が乾燥油のように作用すると共に薄膜中で酸化架橋して、洗浄剤に高度に耐性である架橋または偽性架橋汚れ層を形成させうる不飽和材料であると考えていることである。除去に耐性であるリップスチック汚れおよび他の類似の薄膜の脂肪汚れまたはワックス性の汚れの形成は、長年にわたって注目を要する頑固な汚れであった。特定の状況下で、こうしたワックス性の脂肪汚れは、ガラス製品、カップ、平皿類、食器類等の上に残りうる。
【0012】
特に例えば、米、ヌードル、ポテト、スープ、小麦粉等を含む澱粉質食品から由来するもの等の澱粉質汚れに関する時、固体ブロック洗浄剤材料の浄化特性を改善することが実質的に必要とされている。更に、澱粉質汚れに加えて、疎水性ワックス性の脂肪汚れを除去する洗浄剤を提供することが実質的に必要とされている。
【0013】
多くの手段をこうした改善の試みにおいて探索することができ、そして探索されてきた。研究領域の例には、水温の影響、水硬度を低下させる金属イオン封鎖剤、種々のアルカリ源の影響、金属イオン封鎖剤の種類およびブレンドの影響、溶媒の影響および界面活性剤の選択における実験が挙げられる。キャスト固体材料中で使用できる界面活性剤は膨大である。単独で、あるいは類似の種類または様々な種類の組合せで使用できる多数のアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤または双性イオン界面活性剤が存在する。
【0014】
ベステラガー(Vesterager)による英国特許出願番号GB2200365には、フルオロ界面活性剤の代替物として種々のシリコーン化合物を含有する洗浄剤組成物が記載されている。ベステラガーによる公報は、主として洗濯洗浄剤組成物向けであるが、工業用途に関する皿洗洗浄剤組成物を包含している。しかし、開示された皿洗洗浄剤組成物は、界面活性剤とは考えられないシリコーン化合物を含んでいる。1997年1月13日出願の米国特許出願第08/782,336号には、非イオンエトキシレート界面活性剤とシリコーン界面活性剤の界面活性剤ブレンドを含む器物洗浄組成物が記載されている。この特許出願には、器物洗浄洗浄剤組成物がガラス製品、カップ、平皿類、食器類等からのワックス性の脂肪汚れの改善された除去を達成することが報告されている。米国特許出願第08/782,336号の全体の開示を全体的に参照することによりここに取り込むことが理解されるべきである。
【0015】
アルキルポリグリコシド(APG)を配合した器物洗浄リンス補助組成物が開示されている。マン(Man)による米国特許第5,501,815号および欧州公報第0432836号を参照すること。一般に、リンス補助剤は、器物洗浄サイクルにおける主洗浄工程後のリンス工程中に用いられる。ウルファー(Ulfer)らによる米国特許第5,786,320号には、アルキルポリグリコシド、グルカミドおよびそれらの混合物から選択された糖界面活性剤と水性洗浄剤スラリーの粘度および硬化時間を制御する塩形態のビルダーとを含有する固体キャスト洗浄剤製品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第3,956,199号
【特許文献2】米国特許第3,963,635号
【特許文献3】米国特許第3,032,578号
【特許文献4】米国特許第3,351,557号
【特許文献5】米国特許第3,341,459号
【特許文献6】米国特許第3,202,714号
【特許文献7】米国特許第3,281,368号
【特許文献8】米国再発行特許第32,763号
【特許文献9】米国再発行特許第32,818号
【特許文献10】米国特許第4,595,520号
【特許文献11】米国特許第4,680,134号
【特許文献12】特許第4,753,441号
【特許文献13】米国特許第4,861,518号
【特許文献14】米国特許第5,316,688号
【特許文献15】米国特許第5,078,301号
【特許文献16】米国特許第5,198,198号
【特許文献17】米国特許第5,234,615号
【特許文献18】米国特許第4,823,441号
【特許文献19】米国特許第4,931,202号
【特許文献20】米国特許第5,316,688号
【特許文献21】欧州公報第0282214号
【特許文献22】英国特許出願番号GB2200365
【特許文献23】米国特許出願第08/782,336号
【特許文献24】米国特許出願第08/782,336号
【特許文献25】米国特許第5,501,815号
【特許文献26】欧州公報第0432836号
【特許文献27】米国特許第5,786,320号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
アルカリ洗浄剤組成物が本発明により提供される。本アルカリ洗浄剤組成物は、有効な汚れ除去量のアルカリ源と有効な汚れ除去量の界面活性剤ブレンドとを含む。この界面活性剤ブレンドは、アルキルポリグリコシド界面活性剤および疎水性シリコーン基とペンダント親水性基とを有するシリコーン界面活性剤を含む。界面活性剤ブレンドは、洗浄剤組成物が約500ppm〜約2000ppmの間の洗浄剤濃度および約35ダイン/cm未満の表面張力を有する水性使用溶液を提供する。本洗浄剤組成物は、好ましくは、機械器物洗浄洗浄剤組成物として提供される。
【0018】
物品から汚れを除去する方法が本発明により提供される。本発明により除去できる代表的な汚れには、澱粉質汚れ、ワックス性の脂肪汚れ、蛋白汚れおよびそれらの組合せが挙げられる。本方法は、汚れを含有する物品を水性洗浄剤組成物と接触させる工程を含む。水性洗浄剤組成物は使用溶液と呼ぶことができ、そして有効な汚れ除去量のアルカリ源と有効な汚れ除去量の界面活性剤ブレンドとを含む。界面活性剤ブレンドは、アルキルポリグリコシド界面活性剤およびシリコーン界面活性剤を含む。シリコーン界面活性剤は、疎水性シリコーン基とペンダント親水性基とを含む。界面活性剤ブレンドは、好ましくは、疎水性基と(EO)x基を有する非イオン界面活性剤を含み、式中、xは約1〜約100の数である。好ましくは使用組成物と接触させる物品は、好ましくはガラス、プレート、カップ、飲食器具、配膳皿等を含む器物物品である。本方法は、機械器物洗浄によって器物から汚れを除去するために特に適する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の固体ブロック洗浄剤の現行(current)態様の図である。約3.0キログラムの質量を有する固体ブロックは、個々の混合成分または選択された混合成分を材料導入口を通して押出機に連続的に導入し、押出されたブロックを押出機出口ダイにおいて有用な断面をもって形成し、押出し後に有用な3.0kgブロックに分割する押出法において製造される。一旦硬化されると、材料は収縮ラップ内に(例えば)包装することができ、収縮ラップを使用前に除去するか、あるいは使用中に溶解することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の洗浄剤組成物は、アルカリ源と、澱粉質汚れ除去能力を提供する界面活性剤ブレンドとを含む。界面活性剤ブレンドは、好ましくは、アルキルポリグリコシド等の第1の界面活性剤および疎水性シリコーン基とペンダント親水性基とを有するシリコーン界面活性剤等の第2の界面活性剤とを含む。好ましくは、界面活性剤ブレンドは、ワックス性の脂肪汚れの除去を補助したり、および/または発泡を減少させたりする疎水性基とエチレンオキシド残分含有基とを含む第3の界面活性剤および澱粉質汚れの除去を補助するポリマー添加剤を含む。
【0021】
本発明の洗浄剤組成物は、固化剤、金属イオン封鎖剤、殺菌および消毒剤、追加の界面活性剤、およびあらゆる種類の他の配合および適用補助剤を含む追加の成分を含むことが可能である。洗浄剤組成物という用語は、アルカリ性pHと上述した様々な物理的形状における本発明の界面活性剤ブレンドとを有する、あらゆる浄化、汚れ状態調節、抗菌、汚れ準備等の化学薬品または他の液体、粉末、固体等の組成物を包含するように広く解釈されるべきである。
【0022】
本洗浄剤組成物は、器物洗浄、洗濯物、CIP、硬表面等の用途向けに用いることができる。本発明の洗浄剤組成物の好ましい態様は、工業または機械器物洗浄用途向けの器物洗浄組成物としてである。アルキルポリグリコシドがリンス補助組成物中で使用されてきたけれども、発泡を引き起こす傾向のために機械器物洗浄洗浄剤組成物中でアルキルポリグリコシドがうまく使用されてこなかったことが考えられる。
【0023】
第1の界面活性剤
【0024】
本発明において有用な第1の界面活性剤は、好ましくは、例えば、米、ヌードル、ポテト、スープ、小麦粉等を含む澱粉質食品から由来する洗浄剤組成物の澱粉質汚れのアルカリ条件下での除去能力を強化するために有効である界面活性剤である。
【0025】
好ましい第1の非イオン界面活性剤には、アルキルポリグリコシド界面活性剤が含まれる。糖部分がグルコースならばアルキルポリグルコシドとも呼ばれる本発明において使用できるアルキルポリグリコシド(APG)は、天然誘導非イオン界面活性剤である。
【0026】
本発明において使用できるアルキルポリグリコシドは、縮重合を通して炭水化物を脂肪族アルコールと酸性条件下で反応させる時に形成される糖または多糖の脂肪族エーテル誘導体である。APGは、一般に、コーンベース炭水化物と、動物、ココナッツおよびパームナッツ中の天然油からの脂肪アルコールとから誘導される。APGを誘導するこうした方法は技術上知られており、例えば、米国特許第5,003,057号(McCurry)およびグリコシドを製造する方法に関するその中の記載ならびに化学的特性は本明細書に引用して援用する。
【0027】
本発明において使用できるアルキルポリグリコシドは炭水化物から誘導された親水性基を含み、そして一個以上の無水グルコースから成る。グルコース単位の各々は、二つのエーテル酸素と三つのヒドロキシル基と末端ヒドロキシル基とを有することが可能であり、よってグリコシドに水溶性を付与する。アルキル炭素の存在は疎水活性につながる。炭水化物分子が脂肪アルコール分子と反応する時、アルキルポリグリコシド分子は、単一または多数の無水グルコース単位と合わせて形成され、それらは、それぞれモノグリコシドおよびポリグリコシドと呼ばれる。最終アルキルポリグリコシド製品は、一般に、グルコース単位(または重合度)の様々な濃度分布を有する。
【0028】
本発明において用いられるAPGは、好ましくは、ヘキソースまたはペントースの糖基または多糖基(すなわち、モノ−、ジ−、トリ−等の糖)、および炭素原子数6〜20の脂肪性脂肪族基を含む。本発明において使用できるアルキルポリグリコシドは、以下の一般式によって表される。
【0029】
【化1】

【0030】
式中、Gは、炭素原子数5〜6の還元糖、例えば、ペントースまたはヘキトースから誘導された部分であり、Rは、炭素原子数6〜20の脂肪性脂肪族基であり、xは、ポリグリコシド中の単糖反復単位の数を表すポリグリコシドの重合度(D.P.)である。一般に、xは個々の分子に基づく整数であるが、APGの製造プロセスに統計的変動が存在するので、xは、本発明のリンス助剤用の原料として用いられるAPGに言及する時には平均に基づいて整数ではない場合がある。本発明において、xは、好ましくは約5未満、より好ましくは約0.5〜約5の間の値を有する。更に好ましくは、xは、約2.5未満であり、より好ましくは約1〜約2の間の範囲内である。
【0031】
Gの誘導もとである代表的な糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、タロース、グロース、アロース、アトロース、イドース、アラビノース、キシロース、リキソースおよびリボースである。グルコースの容易な入手可能性のため、グルコースはポリグリコシドの製造に際して好ましい。好ましいポリグルコシドの置換基である脂肪性脂肪族基は、不飽和脂肪基を使用できるけれども好ましくは飽和されている。
【0032】
一般に、市販ポリグリコシドは、C8〜C16のアルキル鎖および1.4〜1.6の平均重合度を有する。本発明において、特定のアルキルポリグルコシドは、次のやり方で例示されたように表現される。「C12〜16G1.4」は、炭素原子12〜16のアルキル鎖およびアルキルポリグルコシド分子中で1.4個の無水グルコース単位の平均重合度を有するポリグリコシドを表す。商業的には、50〜70重量%(質量%)活性種の範囲の濃縮水溶液としてアルキルポリグリコシドを提供することが可能である。
【0033】
表1は、本発明において使用できる市販(ヘンケル社(Henkel Corp.)製)アルキルポリグリコシドの例を示している。アルキル基中の炭素の数およびAPGの平均重合度も表1に示している。表に記載されたAPG中の糖の平均重合度は1.4から1.7まで異なり、脂肪族基の鎖長はC8〜10とC12〜16の間である。
【0034】
本発明において用いられるアルキルポリグリコシドは、ほ乳類の組織に関して低い経口毒性と経皮毒性および刺激を示すので、アルキルポリグリコシドは食品と接触する器物上で使用するための特に適する。これらのアルキルポリグリコシドは、嫌気性条件および好気性条件の両方において生分解性でもあり、そして植物に対して低毒性を示し、よって本発明のリンス助剤の環境適合性を改善する。炭水化物特性および優れた水溶性の特性のゆえに、アルキルポリグリコシドは、高度な苛性アルカリおよびビルダーの配合において適合性である。
【0035】
【表1】

【0036】
表1において、「種々の鎖長によるAPGの比」は、市販APGサンプルにおける二つの異なるアルキル鎖長のAPGの量の重量比(質量比)である。例えば、C8:C10(45:55)は、サンプル中の約45%が炭素原子数8のアルキル鎖長を有し、サンプル中のAPGの約55%が炭素原子数10のアルキル鎖長を有することを意味する。表1に記載されたAPGは中程度のシーティング特性を有し、ポリカーボネートおよびポリスルホン等の熱可塑性プラスチックと化学的に適合性である。
【0037】
出願人らは、これらのアルキルポリグリコシド界面活性剤が望ましい表面活性およびより低い発泡をもたらすことを見出した。本発明において使用できるアルキルポリグリコシド界面活性剤は、グルコポン(Glucopon;登録商標)商標で入手できる。好ましいアルキルポリグリコシド界面活性剤は、1.4の重合度および炭素原子数12〜16のアルキル基によって特徴付けられるグルコポン(登録商標)600である。
【0038】
アルキルポリグリコシド界面活性剤が好ましい非イオン界面活性剤である一方で、使用できる他の界面活性剤には、アルキルポリグリコシド界面活性剤の誘導体、糖環を含む界面活性剤およびアルキルポリグルコシミドが挙げられる。更に、アルキルポリグリコシド界面活性剤のブレンドをアルキルポリグリコシド界面活性剤とアルキルポリグリコシド界面活性剤の誘導体とのブレンドと同様に用いることが可能である。
【0039】
第1の非イオン界面活性剤は、固体または液体であることが可能であり、好ましくは、澱粉質汚れの除去の必要なレベルをもたらすのに充分な量で本発明の洗浄剤組成物中で用いられる。一般に、これは、約0.1重量%(質量%)〜約30重量%(質量%)、好ましくは約0.2重量%(質量%)〜約10重量%(質量%)、最も好ましくは約0.3重量%(質量%)〜約4重量%(質量%)の量に相当する。これらの重量%(質量%)が乾燥基準で示されていると理解されるべきである。すなわち、第1の非イオン界面活性剤の特定された量は、水を除く洗浄剤組成物中のすべての成分の全重量に基づいて示されている。更に、第1の非イオン界面活性剤の量は、洗浄剤中の追加の成分の配合に応じて、特定された範囲内で異なる。洗浄剤組成物が発泡を減少させる界面活性剤を含まない状況において、第1の非イオン界面活性剤の量は、好ましくは、約0.1重量%(質量%)〜約2重量%(質量%)の範囲内である。
【0040】
第2の界面活性剤
【0041】
本発明の洗浄剤組成物中で使用できる第2の界面活性剤は、好ましくは、シリコーン界面活性剤を含有しない水性使用溶液と比べて表面張力が低下した水性使用溶液を提供するシリコーン界面活性剤である。シリコーン界面活性剤は、好ましくは、一個以上のペンダント親水性ポリアルキレンオキシド基で変性されたポリシロキサン疎水性基を含む。こうしたシリコーン界面活性剤は、低い表面張力、高い湿り、消泡および優れた染み除去を有する洗浄剤使用組成物をもたらす。シリコーン界面活性剤は、約35ダイン/cm未満、好ましくは約35〜約15ダイン/cmの間、より好ましくは約30〜約15ダイン/cmの間に水溶液、すなわち、使用溶液の表面張力を低下させるために、第1の界面活性剤と合わせて洗浄剤組成物中で有利に用いることができる。シリコーン界面活性剤は、非イオン性またはイオン性(すなわち、両性)と考えることが可能である。
【0042】
本発明により使用できる好ましいシリコーン界面活性剤は、ポリエチレンオキシド等の親水性基(複数を含む)がヒドロシラン化(Hydrosilation)反応を通してグラフトされたポリジアルキルシロキサン、好ましくはポリジメチルシロキサンとして特徴付けることが可能である。そのプロセスは、親水性基が一連の加水分解安定Si−C結合を通してシロキサン主鎖に沿って結合されているアルキルペンダント(AP型)コポリマーを生じさせる。変性ポリジアルキルシロキサン界面活性剤は以下の一般式を有することが可能である。
【0043】
【化2】

【0044】
式中、PEは、非イオン基、好ましくは−CH2−(CH2p−O−(EO)m(PO)n−Zを表し、EOはエチレンオキシドを表し、POはプロピレンオキシドを表し、xは約0〜約100の範囲の数であり、yは約1〜100の範囲の数であり、m、nおよびpは0〜約50の範囲の数であり、m+n1であり、Zは水素またはRを表し、各Rは独立してより低級の(C1〜6)直鎖または分岐アルキルを表す。好ましくは、pは0〜6の数であり、Rはメチルである。
【0045】
好ましいシリコーン界面活性剤は以下の式を有する。
【0046】
【化3】

【0047】
式中、xは、約0〜約100の範囲の数を表し、yは約1〜約100の範囲の数を表し、aおよびbは独立して約0〜約60の範囲の数を表し、a+b1であり、各Rは独立してHまたはより低級の直鎖または分岐(C1〜6)アルキルである。式IVを有する好ましいシリコーン界面活性剤は、約24〜約30のx+y、約4〜約7のy、約0.25であるa/bの比、HであるR、約800〜約950の間の分子量を有するPAを含み、そして約5,500〜約6,500の間の分子量を有する。この基準を満足させる好ましいシリコーン界面活性剤は商品名エイビル(登録商標)B8852で入手できる。x+yが約16〜約21であり、yが約4〜約7であり、分子量が約2,000〜約3,000の間である好ましいシリコーンベタイン界面活性剤が提供されている。一般にこの基準を満足させるシリコーン界面活性剤は商品名エイビル(エイビル;登録商標)B9950で入手できる。
【0048】
好ましいシリコーン界面活性剤は、シルウェット(SILWET;登録商標)商標またはエイビル(登録商標)B商標で販売されている。一つの好ましいシリコーン界面活性剤、シルウェット(登録商標)L77は以下の式を有する。
【0049】
【化4】

【0050】
式中、R1は、−CH2CH2CH2−O−(CH2CH2O)zCH3であり、ここでzは4〜16、好ましくは4〜12、最も好ましくは7〜9である。
【0051】
シリコーン界面活性剤の他の種類は、末端ブロック化(blocked)(AEBタイプ)である。好ましいAEBタイプシリコーン界面活性剤は以下の一般式を有する。
【0052】
【化5】

【0053】
式中、xは0〜100を表し、yは1〜100を表し、x+yは1〜200を表す。好ましいAEBタイプシリコーン界面活性剤は、エイビル(登録商標)EM97で入手できる。
【0054】
第2の界面活性剤は、約0.05重量%(質量%)〜約20重量%(質量%)の量で本発明の洗浄剤組成物中に提供することが可能である。第2の界面活性剤は、好ましくは約0.1重量%(質量%)〜約10重量%(質量%)の間、より好ましくは約0.3重量%(質量%)〜約1重量%(質量%)の間の量で提供される。
【0055】
第3の界面活性剤
【0056】
第3の界面活性剤は、本発明の洗浄剤組成物の任意の成分である。第3の界面活性剤が用いられる時、それは、消泡特性および/またはワックス性の脂肪汚れ除去特性をもつ洗浄剤組成物を提供することができる。使用できる好ましい第3の界面活性剤には、(本来親水性である基を形成する)エチレンオキシドと(本来疎水性である)脂肪族、アルキルまたはアルキル芳香族であることが可能である有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物が挙げられる。他の特定の疎水性化合物と縮合できる親水性ポリオキシエチレン部分の長さはサイズにおいて容易に調節することができ、あるいは(PO)プロピレンオキシド、他のアルキレンオキシドまたはベンジルキャップ等の他の置換基と組み合わせて、親水性要素と疎水性要素との間のバランスの望ましい度合を有する水溶性化合物を生じさせることが可能である。第3の界面活性剤は、好ましくは非イオン界面活性剤である。
【0057】
脂肪族アルコールとエチレンオキシドの縮合製品も有用な界面活性剤特性を示すことが可能である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は直鎖または分岐鎖のいずれかであることが可能であり、一般に、約3〜約22個の炭素原子を含む。好ましくは、アルコールモル当たり約3〜約18モルのエチレンオキシドが存在する。ポリエーテルは、メチル、プロピル、ベンジル等の基を含むアシル基により従来通り末端封止することが可能である。こうしたエトキシ化アルコールの例には、約6モルのエチレンと1モルのトリデカノールとの縮合製品、ミリスチルアルコール当たり約10モルのエチレンオキシドで縮合されたミリスチルアルコール、ココナッツアルコールが炭素原子数10〜14の範囲のアルキル鎖をもつ脂肪アルコールの混合物であると共に縮合物がアルコールモル当たり約6モルのエチレンオキシドを含むエチレンオキシドとココナッツ脂肪アルコールの縮合製品、約9モルのエチレンオキシドと上述したココナッツアルコールの縮合製品が挙げられる。このタイプの市販非イオン界面活性剤の例には、ユニオンカーバイド社(Union Carbide Corporation)によって販売されているテルギトール(Tergitol)15−S−9、バスフ社(BASF Corp.)によって販売されているプルラファック(PLURAFAC;登録商標)RA−40、シェルケミカル社(Shell Chemical Company)によって販売されているNeodol23−6.5およびプロクターアンドギャンブル社(Procter & Gamble Company)によって販売されているカイロ(Kyro)BOBが挙げられる。
【0058】
プロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合によって形成された疎水性塩基とエチレンオキシドの縮合製品を用いることができる。これらの化合物の疎水性部分は、約1,500〜1,800の分子量をもち、もちろん水不溶性を示す。この疎水性部分へのポリオキシエチレン部分の添加は、全体として分子の水溶性を高める傾向があり、製品の液体特性は、ポリオキシエチレン含有率が縮合製品の全重量の約50%である点まで保持される。このタイプの化合物の例には、バスフ社によって販売されている市販プルロニック(Pluronic)界面活性剤のいくつかが挙げられる。
【0059】
プロピレンオキシドとエチレンジアミンの反応から生じる製品とエチレンオキシドの縮合製品を用いることができる。これらの製品の疎水性塩基は、エチレンジアミンと過剰のプロピレンオキシドの反応製品から成り、約2,500〜約3,000の分子量を有する。この塩基は、縮合製品が約40〜約80重量%(質量%)のポリオキシエチレンを含有すると共に約5,000〜約11,000の分子量を有する程までエチレンオキシドと縮合される。このタイプの非イオン界面活性剤の例には、バスフ社によって販売されている市販テトロニック(Tetornic)化合物のいくつかが挙げられる。上述した界面活性剤の混合物も本発明において有用である。
【0060】
本明細書において用いられる好ましい非イオン界面活性剤は、入手可能性および浄化性能の両方の観点からエトキシ化非イオン界面活性剤である。アルコキシル化非イオン界面活性剤の特定の例には、C6〜24直鎖アルコール5〜15モルエトキシレートのベンジルエーテルであるプルラファック(PLURAFAC;登録商標)RA−40、直鎖アルコールエトキシレートであるトリトン(Triton)CF−21、アルキルアリールポリエーテルであるトリトン CF−54および変性ポリエトキシ付加体等が挙げられるが、それらに限定されない。出願人らは、第3の非イオン界面活性剤成分がワックス性の脂肪汚れを除去すると共に、アルキルポリグリコシド界面活性剤の使用に通常付随する発泡を減少させるために特に有用であることを見出した。
【0061】
特に好ましい第3の非イオン界面活性剤には、ヘンケル(Henkel KGaA)から商品名デヒポン(Dehypon;登録商標)LS−36で入手できるアルキル−(EO)3−(PO)6等のアルキル−エトキシレート−プロポキシレート界面活性剤が挙げられる。
【0062】
第3の非イオン界面活性剤は、固体または液体であることが可能であり、約0重量%(質量%)〜約6重量%(質量%)の量において洗浄剤組成物中で用いることができる。第3の非イオン界面活性剤は、好ましくは約0.1重量%(質量%)〜約6重量%(質量%)の間、より好ましくは約0.5重量%(質量%)〜約4重量%(質量%)の間、更に好ましくは約1重量%(質量%)〜約3重量%(質量%)の間の量で用いられる。
【0063】
ポリマー添加剤
【0064】
ポリマー添加剤は洗浄剤組成物の任意の成分であり、そして澱粉汚れの除去を補助するために提供することができる。ポリマー添加剤を場合によって高分子分散剤と呼ぶことができる。好ましいポリマー添加剤は、ポリカルボキシレートとして特徴付けることが可能である。好ましいポリカルボキシレートポリマーには、アクリル酸ホモポリマー、マレイン酸/オレフィンコポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、スルホン酸ホモポリマー、アクリルアミド−2−メチルプロパン/スルホン酸コポリマー、およびホスフィノカルボン酸コポリマーが挙げられる。ポリマー添加剤として使用できるポリマーは、ロームアンドハース社(Rohm & Haas)から商品名アキュゾル(ACUSOL;登録商標)で入手できる。好ましいポリマー添加剤は、アキュゾル(登録商標)445N、アキュゾル(登録商標)460ND、アキュゾル(登録商標)479N、アキュゾル(登録商標)410およびアキュゾル(登録商標)411として入手できる。使用できる別のポリマー添加剤は、商品名アキュマー(ACUMER;登録商標)および特にアキュマー(登録商標)2000ならびにアキュマー(登録商標)2100で入手できる。
【0065】
ポリマー添加剤は、本発明の洗浄剤組成物の任意の成分であり、約6重量%(質量%)以下の量で提供することが可能である。ポリマー添加剤は、好ましくは約0.1重量%(質量%)〜約5重量%(質量%)の間の量、より好ましくは約0.5重量%(質量%)〜約2重量%(質量%)の間の量で存在する。
【0066】
洗浄剤組成物
【0067】
界面活性剤は、乾燥基準で次の量において組み合わせることが可能である。界面活性剤の機能およびコストに基づいて範囲を決定することが理解されるべきである。すなわち、汚れ除去特性の必要なレベルを洗浄剤組成物に与えるために充分な特定の界面活性剤が存在するべきである。界面活性剤は高価なので、過大な量の特定の界面活性剤を含むことは洗浄剤組成物のコストを上げる傾向があるので一般に好ましくない。アルキルポリグリコシド界面活性剤は、好ましくは約0.2重量%(質量%)〜約10重量%(質量%)の間、より好ましくは約0.3重量%(質量%)〜約4重量%(質量%)の間の量で提供される。シリコーン界面活性剤は、好ましくは約0.1重量%(質量%)〜約10重量%(質量%)の間、より好ましくは約0.3重量%(質量%)〜約1重量%(質量%)の間の量で提供される。非イオンエチレンオキシド界面活性剤成分は、好ましくは6重量%(質量%)以下、より好ましくは約0.5重量%(質量%)〜約5重量%(質量%)の間の量で提供される。ポリマー添加剤は、好ましくは6重量%(質量%)以下、より好ましくは約0.1重量%(質量%)〜約5重量%(質量%)の間の量で提供される。アルキルポリグリコシド界面活性剤とシリコーン界面活性剤の合計量は、約0.2重量%(質量%)〜約20重量%(質量%)の間、より好ましくは約0.3重量%(質量%)〜約5重量%(質量%)の間である。
【0068】
一般に起きる特定のタイプの汚れについて必要な汚れ除去レベルをもたらすために種々の界面活性剤の量を調節できることは理解されるべきである。例えば、澱粉質汚れ除去、脂肪ワックス性の汚れ除去または蛋白汚れ除去の必要な度合を反映するために、界面活性剤を調節することができる。好ましい洗浄剤組成物は、約1.0重量部のアルキルポリグリコシド、約0.5部のシリコーン界面活性剤および約1.0重量部のポリマー添加剤を含有する。
【0069】
アルキルポリグリコシドおよびシリコーン界面活性剤は、好ましくは約1:1〜約20:1の間、より好ましくは約1.5:1〜約7:1の間の重量比(質量比)で提供される。アルキルポリグリコシド対シリコーン界面活性剤の特に好ましい比は約2:1である。
【0070】
洗浄剤組成物を器物洗浄のために用いる時、界面活性剤ブレンドは、好ましくは、必要な使用濃度を与えるために10ppm〜約500ppmの間の濃度で提供される。洗浄剤組成物は、一般に、約120°F(48.9℃)〜約170°F(76.7℃)の洗浄剤温度において工業器物洗浄機内で用いられる。器物洗浄用の使用組成物は、約500ppm〜約2,000ppmの間の洗浄剤組成物を含む。洗濯用途向けの使用溶液は、一般に、約500ppmより濃い。殆どの洗濯用途において、洗浄剤組成物は、約5,000ppm未満、好ましくは約500ppm〜約5,000ppmの濃度で提供される。
【0071】
アルカリ源
【0072】
アルカリ性pHをもたらすために、組成物はアルカリ源を含む。一般に、アルカリ源は、1重量%(質量%)水溶液中で少なくとも10.0に、好ましくは約10.5〜14の範囲に組成物のpHを上げる。こうしたpHは、化学薬品が使用状態に置かれた時に、汚れの除去および沈殿物分解のために充分であり、そして汚れの迅速な分散を更に促進する。アルカリ源の一般的性質は、実質的な水溶性をもつ化学組成物にのみ限定される。代表的なアルカリ源には、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属リン酸塩またはアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。
【0073】
アルカリ源には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を含むアルカリ金属水酸化物を挙げることが可能である。これらの水酸化物化学種の混合物も用いることが可能である。アルカリ金属ケイ酸塩も、本発明の洗浄剤用のアルカリ源として機能することが可能である。有用なアルカリ金属ケイ酸塩は、一般式(M2O:SiO2)に対応し、ここで、M2Oのモルごとに1モル未満のSiO2が存在する。好ましくは、SiO2のモルごとに約0.2〜約100モルのM2Oが存在し、ここでMはナトリウムまたはカリウムを含む。好ましいアルカリ源は、アルカリ金属オルトケイ酸塩、アルカリ金属メタケイ酸塩および他のよく知られている洗浄剤用ケイ酸塩材料である。
【0074】
アルカリ源は、アルカリ金属炭酸塩を含むことが可能である。本発明において使用できるアルカリ金属炭酸塩には、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたはカリウムあるいは三二ケイ酸ナトリウムまたはカリウムが挙げられる。好ましい炭酸塩には、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが挙げられる。これらのアルカリ源は、約5重量%(質量%)〜約70重量%(質量%)、好ましくは約15重量%(質量%)〜約65重量%(質量%)、最も好ましくは約30重量%(質量%)〜約55重量%(質量%)の濃度で本発明の洗浄剤中で用いることが可能である。
【0075】
その他の添加剤
【0076】
水の軟化または処理のため、沈殿物または他の塩の形成を妨げるため、本発明の組成物は、一般に、キレート化剤、ビルダーまたは金属イオン封鎖剤として知られている成分を含む。一般に、金属イオン封鎖剤は、水道水中に一般に見られる金属イオンを錯化または配位し、よって金属イオンが組成物内の洗浄剤成分の機能化を妨げないようにすることが可能な分子である。単一硬度イオン上に金属イオン封鎖剤によって形成されることが可能な共有結合の数は、二座(2)、三座(3)、四座(4)等として金属イオン封鎖剤を表示することにより表される。いかなる数の金属イオン封鎖剤も本発明により用いることが可能である。代表的な金属イオン封鎖剤には、特にアミノカルボン酸の塩、ホスホン酸塩、水溶性アクリルポリマーが挙げられる。
【0077】
適するアミノカルボン酸キレート化剤は、N−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N−ヒドロキシエチル−エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)およびジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)が挙げられる。これらのアミノカルボン酸を用いる時、それらは、一般に約1重量%(質量%)〜50重量%(質量%)、好ましくは約2重量%(質量%)〜45重量%(質量%)、最も好ましくは約3重量%(質量%)〜40重量%(質量%)の範囲の濃度で存在する。
【0078】
その他の適する金属イオン封鎖剤には、最終使用条件下で洗浄溶液を状態調節するために用いられる水溶性アクリルポリマーが挙げられる。こうしたポリマーには、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸コポリマー、加水分解されたポリアクリルアミド、加水分解されたメタクリルアミド、加水分解されたアクリルアミド−メタクリルアミドコポリマー、加水分解されたポリアクリロニトリル、加水分解されたポリメタクリロニトリル、加水分解されたアクリロニトリルメタクリロニトリルコポリマーまたはそれらの混合物が挙げられる。これらのポリマーの水溶液塩または水溶性部分塩、例えば、これらのポリマーのそれぞれのアルキル金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)塩またはアンモニウム塩も用いることができる。ポリマーの重量平均分子量は、約4000〜約12,000である。好ましいポリマーには、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の部分ナトリウム塩、または4000〜8000の範囲内の平均分子量を有するナトリウムポリアクリレートが挙げられる。これらのアクリルポリマーは、一般に約0.5重量%(質量%)〜20重量%(質量%)、好ましくは約1〜10、最も好ましくは約1〜5の範囲の濃度で有用である。
【0079】
アルカリ金属リン酸塩、縮合環式リン酸塩、ホスホン酸およびホスホン酸塩も金属イオン封鎖剤として有用である。有用なリン酸塩には、アルキル金属ピロリン酸塩、種々の粒子サイズにおいて入手できるトリポリリン酸ナトリウム(STPP)等のアルカリ金属ポリリン酸塩が挙げられる。こうした有用なホスホン酸には、カルボキシ、ヒドロキシおよびチオ等の、アルカリ条件下でアニオンを形成することが可能な基も含むことが可能であるモノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−ホスホン酸が挙げられる。これらの中には、一般式モチーフ(motif)R1N[CH2PO32]2またはR2C(PO322OHを有するホスホン酸がある。式中、R1は、[(より低級のC1〜6)アルキレン]−N−[CH2PO32]2または第3の−(CH2PO32)部分であることが可能であり、R2は、より低級の(C1〜C6)アルキルから成る群から選択される。ホスホン酸は、約2〜4個のカルボン酸部分および約1〜3個のホスホン酸基を有するもの等の低分子量ホスホノポリカルボン酸も含むことが可能である。こうした酸には、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸であるCH3C(OH)[PO(OH)2]2、アミノトリ(メチレンホスホン酸)であるN[CH2PO(OH)2]3、アミノトリ(メチレンホスホネート)ナトリウム塩である、
【0080】
【化6】

【0081】
2−ヒドロキシエチルイミノビス(メチレンホスホン酸)であるHOCH2CH2N[CH2PO(OH)2]2、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)である(HO)2POCH2N[CH2CH2N[CH2PO(OH)2]2]2、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホネート)ナトリウム塩であるC9(28-x)3Nax153(X=7)、ヘキサメチレンジアミン(テトラメチレンホスホネート)カリウム塩であるC10(28-x)2x124(x=6)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(ペンタメチレンホスホン酸)である(HO2)POCH2N[(CH26N[CH2PO(OH)2]2]2およびリン酸H3PO3が挙げられる。好ましいリン酸塩は、任意にジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)と連結されたアミノトリメチレンホスホン酸またはその塩である。ホスホン酸または塩を本発明における金属イオン封鎖剤として用いる時、それらは、固形洗浄剤に対して約0.25〜25重量%(質量%)、好ましくは約1〜20重量%(質量%)、最も好ましくは約1〜18重量%(質量%)の範囲の濃度で存在する。
【0082】
本発明は、化学成分のブレンドから固形洗浄剤塊状物を作るために固化剤を含むことも可能である。一般に、必要な固化度および水溶性を付与するあらゆる薬剤または薬剤の組合せを本発明と合わせて用いることが可能である。固化剤は、固化特性を付与したり、および/または水性環境に入れられた時に本組成物の可溶性を制御したりするあらゆる有機または無機化合物から選択することが可能である。固化剤は、水溶性が相対的に高い固化剤を用いることによって制御された分配に用意しておくことが可能である。より低い水溶性またはより遅い溶解速度を必要とする系に関して、有機非イオン硬化剤またはアミド硬化剤が適切な場合がある。より高度の水溶性のために、無機固化剤またはウレア等のより可溶の有機薬剤が適切な場合がある。硬度と溶解度を変えるために本発明と合わせて使用できる組成物は、ステアリンモノエタノールアミド、ラウリンジエタノールアミドおよびステアリンジエタノールアミド等のアミドが挙げられる。非イオン界面活性剤は、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール等のカップリング剤と混合された時に様々な硬度および溶解度を付与することも見出された。本発明において有用な非イオン界面活性剤には、ノニルフェノールエトキシレート、直鎖アルキルアルコールエトキシレート、バスフ社から市販されているプルロニック界面活性剤等のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーが挙げられる。
【0083】
硬化剤として特に望ましい非イオン界面活性剤は、室温で固体であると共にカップリング剤との混合の結果として本質的に減少した水溶性を有するものである。
【0084】
固化剤として使用できるその他の界面活性剤には、利用温度で固体を与えるために高い融点を有するアニオン界面活性剤が挙げられる。最も有用であると判明したアニオン界面活性剤には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩塩界面活性剤、アルコール硫酸塩、アルコールエーテル硫酸塩およびアルファオレフィンスルホン酸塩が挙げられる。一般に、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩はコストおよび効率の理由で好ましい。
【0085】
両性界面活性剤および双性イオン界面活性剤も洗浄力、乳化、湿りおよび状態調節特性を付与する際に有用である。代表的な両性界面活性剤には、N−ココ(coco)−3−アミノプロピオン酸および酸塩、N−タロー(tallow)−3−イミノジプロピオン酸塩、ならびにn−ラウリル−3−イミノジプロピオン酸ジナトリウム塩、N−カルボキシメチル−N−ココアルキル−N−ジメチル水酸化アンモニウム、N−カルボキシメチル−N−ジメチル−N−(9−オクタデセニル)水酸化アンモニウム、(1−カルボキシヘプタデシル)水酸化トリメチルアンモニウム、(1−カルボキシウンデシル)水酸化トリメチルアンモニウム、N−ココアミドエチル−N−ヒドロキシエチルグリシンナトリウム塩、N−ヒドロキシエチル−N−ステアラミドグリシンナトリウム塩、N−ヒドロキシエチル−N−ラウラミド−b−アラニンナトリウム塩、N−ココアミド−N−ヒドロキシエチル−b−アラニンナトリウム塩、ならびに混合脂環式アミンおよび該アミンのエトキシ化および硫酸化ナトリウム塩、アルキル基がノニル、ウンデシルまたはヘプタデシルであることが可能である2−アルキル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリニウム水酸化ナトリウム塩または遊離酸が挙げられる。1,1−ビス(カルボキシメチル)−2−ウンデシル−2−イミダゾリニウム水酸化二ナトリウムおよびオレイン酸−エチレンジアミン縮合物、プロポキシ化および硫酸化ナトリウム塩も有用である。アミノキシド両性界面活性剤も有用である。このリストは決して排他的でも限定でもない。
【0086】
本発明の組成物と合わせて硬化剤として使用できるその他の組成物には、カルバミドとしても知られているウレアおよび酸またはアルカリ処理を通して水溶性にされた澱粉が挙げられる。本組成物に固化特性を付与し、アルカリ剤を保持するための圧縮錠剤に加工できる種々の無機物も有用である。こうした無機剤には、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、アルカリ金属リン酸塩、無水酢酸ナトリウムおよびその他の公知の水和性化合物が挙げられる。本発明者らは、アルカリ金属炭酸塩洗浄剤組成物用の新規の硬化または結合剤も見出した。本発明者らは、結合剤が有機ホスホン酸塩化合物、炭酸ナトリウムおよび水の両性錯体を含むと考えている。この結合性硬化剤は、同時係属米国特許出願第08/781,493号において開示されている。この特許出願はその全体において本明細書に引用して援用する。この炭酸塩−リン酸塩−水結合剤は、非イオン界面活性剤等の他の硬化剤と合わせて用いることができる。
【0087】
固化剤は、所定の用途向けの溶解度および必要な構造一体性(integrity)を促進する濃度で用いることができる。固化剤の濃度は、一般に約1重量%(質量%)〜90重量%(質量%)、好ましくは約1.5重量%(質量%)〜85重量%(質量%)、最も好ましくは約2重量%(質量%)〜80重量%(質量%)の範囲である。
【0088】
本発明の洗浄剤組成物は漂白源を含むことも可能である。洗浄剤組成物中で用いるために適する漂白剤には、食器類、平皿類、ポット、パン、織物、カウンタートップ、電気器具、フローリング等のような下地から下地を著しく損傷させないで染みを除去することが可能なよく知られている漂白剤のどれもが挙げられる。これらの化合物は、特定の用途において消毒および殺菌用の抗菌効能を提供することも可能である。漂白剤の非限定的なリストには、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素化リン酸塩、クロロイソシアネート、クロロアミン等、および過酸化水素、過硼酸塩、過炭酸塩等の過酸化化合物が挙げられる。
【0089】
好ましい漂白剤には、代表的な浄化プロセスにおいて通常起きる条件下でCl2、Br2、OCl-またはOBr-等の活性ハロゲン化学種を遊離させる漂白剤が挙げられる。最も好ましくは、漂白剤はCl2またはOCl-を遊離する。有用な塩素放出漂白剤の非限定的なリストには、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸リチウム、塩素化リン酸三ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、塩素化リン酸三ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸カリウム、ペンタイソシアヌレート、トリクロロメラミン、スルホジクロロアミド、1,3−ジクロロ5,5−ジメチルヒダントイン、N−クロロスクシンイミド、N.N’−ジクロロアゾジカルボンイミド、N,N’−クロロアセチルウレア、N,N’−ジクロロビウレット、トリクロロシアヌル酸、およびそれらの水和物が挙げられる。最も好ましい漂白剤は、それらのより高い活性およびより高い漂白効能のゆえに、ジクロロイソシアル酸のアルカリ金属塩および該塩の水和物である。一般に、(重量%(質量%)活性種における)漂白源または漂白剤が存在する時、その実際の濃度は、固形洗浄剤組成物の約0.5〜20重量%(質量%)、好ましくは約1〜10重量%(質量%)、最も好ましくは約2〜8重量%(質量%)を構成することが可能である。
【0090】
本発明の組成物は、器物洗浄組成物において有用な消泡性界面活性剤を含むことも可能である。消泡剤は、蛋白泡の安定性を低下させるために適する疎水性−親水性バランスをもつ化学化合物である。疎水性は、分子の親油性部分によって付与することが可能である。例えば、芳香族アルキルまたはアルキル基、オキシプロピレン単位またはオキシプロピレン鎖、あるいはオキシエチレン以外の他のオキシアルキレン官能基は、この疎水性を付与する。親水性は、オキシエチレン単位、鎖、ブロックおよび/またはエステル基によって付与することが可能である。例えば、有機リン酸エステル、塩型基または塩形成基は、すべて消泡剤内で親水性を付与する。一般に、消泡剤は、疎水性基、ブロックまたは鎖および親水性エステル基、ブロック、単位または鎖を有する非イオン有機表面活性ポリマーである。しかし、アニオン、カチオンおよび両性消泡剤も知られている。リン酸エステル、例えば、式RO−(PO3M)n−Rのエステルも消泡剤として用いるために適する。式中、nは1〜約60の範囲の数、一般に環式ホスフェートについて10未満であり、Mはアルカリ金属であり、Rは有機基またはMであり、少なくとも一つのRは、オキシアルキレン鎖等の有機基である。適する消泡性界面活性剤には、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック化(blocked)非イオン界面活性剤、フルオロカーボンおよびアルキル化リン酸エステルが挙げられる。消泡剤が存在する時、消泡剤は、組成物の約0.1重量%(質量%)〜10重量%(質量%)、好ましくは約0.5重量%(質量%)〜6重量%(質量%)、最も好ましくは約1重量%(質量%)〜4重量%(質量%)の範囲の濃度で存在することが可能である。
【0091】
図面の詳細な説明
【0092】
図1は、本発明の包装された固体ブロック洗浄剤10の好ましい態様の図である。洗浄剤は、締め付けられた腰部をもつ独特の楕円断面を有する。この断面は、その特定の断面をもつこのブロックが、固体ブロック洗浄剤に対して対応して造形された締め付け腰部を持つ楕円断面箇所を備えたディスペンサー上のスプレーのみに適合できることを確実にする。本発明者らは、市場においてこの形状を持つ固体ブロック洗浄剤を全く知らない。固体ブロックの形状は、器物洗浄機内で用いるためのディスペンサーに、この材料に代わる不適切な代用品を容易に入れることができないことを確実にする。図1において、全体的な固体ブロック製品10は、(包装12の除去によって現れる)キャスト固体ブロック11をもって示されている。包装は、包装12に接着されたラベル13を含む。フィルムラップは、ラップに組み込まれた弱い引裂き線15、または破断線15aを用いて容易に取り去ることが可能である。
【0093】
本発明の前述した説明は、本発明の固体ブロック洗浄剤の配合に際して使用できる個々の成分の理解をもたらす。以下の実施例は、本発明の好ましい態様を説明している。
【0094】
洗浄剤の製造において、ドライブレンド粉末は、粉末状成分をブレンドして完成した配合物にすることにより製造することが可能である。液体原料は、乾燥成分上で前もって吸収させることが可能であるか、あるいは混合の前に封入することが可能である。公知の技術および装置を用いて凝集材料を製造することが可能である。本発明の固体洗浄剤の製造において、原料は、原料が塊全体を通して実質的に均一に分配されている実質的に均質なコンシステンシーを形成するために高剪断で合わせて混合される。その後、混合物は、型または他の容器にキャストする、混合物を押出す等により混合システムから排出される。好ましくは、混合物は、組成物用のディスペンサーとして任意にではあるが、好ましくは使用できる型または他の包装システムにキャストまたは押出される。混合システムから排出された時の混合物の温度は、先ず混合物を冷却せずに、混合物を包装システムに直接キャストするか、あるいは押出すことを可能にするために充分に低く維持される。好ましくは、排出の時点における混合物の温度は、およそ室温、約30〜50℃、好ましくは約35〜45℃である。その後、組成物は、低密度でスポンジ様の順応性コーク状コンシステンシーから高密度で溶融した固体コンクリート様ブロックに及ぶことが可能である固体形態に放置して硬化される。
【0095】
本発明による好ましい方法において、混合システムは、同時回転し噛み合うように設計された二つの隣接並行または反対回転スクリューを収容している二軸スクリュー押出機であり、それは多数の原料入口、バレルセクションおよび混合物を押出す排出口を備える。押出機は、例えば、原料を受取り移動させる一つ以上のフィードまたは搬送セクション、圧縮セクション、様々な温度、圧力および剪断をもつ混合セクションおよび洗浄剤固体を造形するダイセクション等を備えることが可能である。適する二軸スクリュー押出機は商業的に購入することが可能であり、そして例えば、米国ミネソタ州プリマスのブーラーミアグ(Buhler Miag)製のBuhler MiagモデルNo.62mmを含む。
【0096】
スクリュー配列、スクリューピッチ、スクリュー速度、バレルセクションの温度および圧力、剪断、混合物の押出速度、含水率、ダイの穴径および原料フィード速度等の押出条件は、原料の効果的な加工を達成して、原料が全体を通して均一に配分された実質的に均質な液体または半固体混合物を形成するためにバレルセクション中で必要に応じて変えることが可能である。押出内で混合物の加工を促進するために、混合物の粘度は、約1,000〜1,000,000cP、より好ましくは約5,000〜200,000cPに維持することが好ましい。
【0097】
押出機は、均質混合物への原料の高剪断加工を達成するために有効な高剪断スクリュー配列およびピッチ、フライト(前進または逆転)および速度等のスクリュー条件を含む。好ましくは、スクリューは、バレルセクション内のスクリューの作用によって高剪断で原料を混合すると共に押出機を通して混合物を搬送するように配置された搬送、混合、混練、圧縮および排出等のための一連のエレメントを含む。スクリューエレメントは、コンベア型スクリュー、パドル設計および計量スクリュー等であることが可能である。好ましいスクリュー速度は約20〜250rpm、好ましくは約40〜150rpmである。
【0098】
任意に、熱を加えるか除去して押出機内で必要な温度分布を得るために押出機に隣接して加熱および冷却装置を取り付けることが可能である。例えば、一セクションを通して、あるいは一つのセクションから他のセクションに、あるいは排出口を通して最終バレルセクションにおいて加工中に混合物の流動性を高めるために、原料入口セクションおよび最終出口セクション等の押出機のバレルセクションの一つ以上に外部熱源を適用することが可能である。好ましくは、排出口での加工を含む加工中の混合物の温度は、原料の溶融温度またはそれ未満、好ましくは約50〜200℃に維持される。
【0099】
押出機内での一つ以上の回転スクリューの作用は、原料を混合し、かなりの圧力で押出機のセクションを通して混合物を押し進める。圧力を一つ以上のバレルセクション内で約6,000psig(41370kPa)以下、好ましくは約5〜150psig(35〜1048kPa)の間に高めて、混合物を必要な粘度レベルに、あるいはダイにおいて維持して、押出機からの混合物の排出を促進することが可能である。
【0100】
押出機を通した混合物の流量は、用いられる機械のタイプに従って異なる。一般に、均質な混合物への原料の実質的に完全な混合をもたらすために有効であると共に、連続混合、および早期硬化のない混合物からの最終押出のために有効な流体コンシステンシーに混合物を維持するために有効な押出機内の混合の滞留時間を達成するように、流量は維持される。
【0101】
原料の加工が完了した時、混合物は、排出口、好ましくは製品外面輪郭に関して成形するダイを通して押出機から排出することが可能である。混合物の押出を促進するため、押出物の外観を変えるため、例えば、押出物を膨張させるため、必要に応じて押出物の組織をより滑らかに、あるいはより粗くする等のために、圧力を排出口で高めることもできる。
【0102】
キャスト組成物または押出組成物は、原料の冷却および/または化学反応に少なくともある程度起因して最終的に硬化する。固化プロセスは、例えば、キャスト組成物または押出組成物のサイズ、組成物の原料、組成物の温度およびその他の類似要素に応じて1分から約2〜3時間続きうる。好ましくは、キャスト組成物または押出組成物は、約1分〜約2時間、好ましくは約5分〜約1時間、好ましくは約1分〜約20分以内に固体状に「固化」するか、あるいは硬化し始める。
【0103】
上の明細書は、本発明の広い集合(meets)および境界を理解するための基礎を提供する。以下の例および試験データは、本発明の特定の態様の理解を与えると共に最良の態様を含んでいる。これらの例は、前述した説明において記載された本発明の範囲を限定しようとするものではない。本発明の着想内の変形は当業者に対して明らかである。
【0104】
例1
【0105】
表面張力の測定
【0106】
望ましい配合物の300mg/L溶液を作り、段階的に増やしながらDI水の50mlサンプルに添加した。表面張力の測定を各洗浄剤添加後に行った。試験(配合物)ごとの最終濃度を器物洗浄環境内の代表的な使用濃度の範囲内の1108mg/L(PPM)に設定した。
【0107】
クルス(Kruss)K12表面張力計で製造業者の説明手順を用いて表面張力の測定を実行した。表面張力をダイン/cmまたはmN/mで報告する。一般に、望ましい配合物の溶液を調製し、クルス K12中に添加した。逐次に追加して添加すると同時に、表面張力の情報を増加し続ける濃度で集めた。作成したデータから、特定の濃度での配合物の表面張力分布を与える表面張力対濃度のプロットを作成した。各配合の初期濃度および添加増分を一定に保持し、様々な配合物に関する表面張力分布を比較するための合理的なツールを与えた。
【0108】
試験した配合物
【0109】
基洗浄剤は灰分とトリポリリン酸ナトリウムを含有する。この系に添加された界面活性剤は、様々な表面張力結果と洗浄力を与える。一貫性をもたせるために、各配合物は、トリポリリン酸ナトリウム30%、Briquest301−50A(アミノトリメチレンホスホン酸の50%溶液)5.796%、50%水酸化ナトリウム4.561%、様々な百分率の界面活性剤(複数を含む)および残部としての灰分を含有していた。単純化のため、界面活性剤の百分率(%活性種)を報告する。
【0110】
【表2】

【0111】
配合物Bおよび1中で用いられたシリコーン界面活性剤はエイビル(Abil)B8852であり、配合物2中で用いられたシリコーン界面活性剤はエイビル B88163であり、配合物3中で用いられたシリコーン界面活性剤はワッカー(Wacker)S370であった。LF−428は、イーコラブ社(Ecolab,Inc.)から入手できるベンジル封止アルコールエトキシレートである。D−500は、イーコラブ社から入手できるエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドコポリマーである。APGは、ヘンケル(Henkel KGaA)から入手できるアルキルポリグリコシドである。デヒポン LS−36は、ヘンケル(Henkel KGaA)から入手できるアルキルアルコキシレートである。エイビル 8852は、ゴールドシュミット(Goldschmidt)から入手できる疎水変性ポリジメチルシロキサンである。アキュゾル 460Nは、ロームアンドハース社から入手できる変性ポリカルボキシレートである。配合物Bは、灰分ベースの洗浄剤組成物である。
【0112】
例2
【0113】
二つの澱粉除去アッセイを性能対配合変更の直接比較のために開発した。一般に、アルキルポリグリコシド界面活性剤および変性官能化シロキサン界面活性剤を伴った配合物は、より良好な性能水準をもたらした。1サイクルのドライオン澱粉除去アッセイおよび5サイクルの澱粉再沈着試験がこれらの試験内に含まれている。
【0114】
1サイクル試験
【0115】
材料
ジャスミンライス 150gを調理し、水150gでピューレにした。
磁器皿 12〜15個の皿
ホバート(Hobart)AM−14 60.5リットルのリザーバ、4.5リットルのリンス
洗浄剤 5%wt/wt溶液に溶解した約300g
【0116】
手順
【0117】
皿に汚れ1.5gをブラシ掛けすることによりジャスミンライス混合物で皿を充分に汚す。汚れを放置して少なくとも16時間にわたり乾燥させる。きれいなホバート AM−14に適切な体積の洗浄剤溶液を投入する。三つの汚れた皿を一つの完全なサイクルに通す。皿を放置して少なくとも1時間にわたり乾燥させる。皿をI2で染色し、皿を採点する。器物洗浄機をリンスし、浄化する。代表的には0、600、1000、1200および1500PPMにおけるリザーバ内の異なる洗浄剤濃度でこの手順を行う。1サイクル試験は、代表的には約1〜1/2時間の調製および実験時間を要する。
【0118】
5サイクル試験
ジャスミンライス 150gを調理し、水150gでピューレにした。
磁器皿 8個の皿
ホバート AM−14 60.5リットルのリザーバ、4.5リットルのリンス
洗浄剤 5%wt/wt溶液に溶解した約100g
【0119】
手順
【0120】
ブラシ掛けにより汚れ1.5gで5個の皿を汚す。100°F(37.8℃)で8分にわたり乾燥する。一方、ホバート AM−14に1200PPMの洗浄剤溶液(溶液1452g)およびライス汚れ121gを投入する。皿を8分にわたり乾燥した後、機械に適切な量の洗浄剤および汚れ(1200ppm洗浄剤について10.8gの洗浄剤、2000PPM食品汚れについて9.0gの汚れ)を再投入し、最終的に第2のサイクルに通す。同じ四つの皿を再び汚し、五個目の皿を汚さない。機械に再投入し、同じ四個の皿を汚し続ける合計で5つのサイクルに通す。皿を放置して少なくとも1時間にわたり乾燥させ、I2で染色し、採点する。5サイクル試験は、代表的には2時間の調製および実験時間を要する。
【0121】
1サイクル試験の結果
【0122】
【表3】

【0123】
5サイクル試験の結果
【0124】
【表4】

【0125】
配合物Aは、イーコラブ社から商品名ソリッドパウダー(Solid Powder;登録商標)で入手できる苛性アルカリベースの界面活性剤組成物である。配合物Bは、灰分ベースの洗浄剤組成物である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)有効な汚れ除去量のアルカリ源と、
(b)(i)アルキルポリグリコシド界面活性剤および、
(ii)疎水性シリコーン基とペンダント親水性基とを含むシリコーン界面活性剤を含む有効な汚れ除去量の界面活性剤ブレンドとを含み、
約35ダイン/cm未満の表面張力を示す約500ppm〜2,000ppmの間の洗浄剤濃度を有する使用溶液を提供するアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤ブレンドは、疎水基と−(EO)x基(式中、xは約1〜約100の数である。)とを含む非イオン界面活性剤を更に含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項3】
前記非イオン界面活性剤は、アルキル−エチレンオキシド−プロピレンオキシド界面活性剤を含む請求項2に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項4】
前記非イオンシリコーン界面活性剤は、以下の式を有する界面活性剤を含む請求項2に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【化1】

(式中、PEは、−CH2−(CH2p−O−(EO)m(PO)n−Zを表し、xは約0〜約100の範囲の数であり、yは約1〜100の範囲の数であり、pは0〜6であり、mおよびnは約0〜約50の範囲の数であり、m+n1であり、Zは水素またはRを表し、各Rは独立してより低級の(C1〜6)アルキルを表す。)
【請求項5】
前記シリコーン界面活性剤は以下の式を有する請求項2に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【化2】

(式中、xは約1〜約100の範囲の数を表し、yは約1〜約100の範囲の数を表し、aおよびbは独立して約0〜約60の範囲の数を表し、a+b1であり、Rは水素またはより低級の(C1〜6)アルキルである。)
【請求項6】
前記シリコーン界面活性剤は、以下の式を有する請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【化3】

(式中、PEは、−CH2−(CH2p−O−(EO)m(PO)n−Zを表し、xは約0〜約100の範囲の数であり、pは0〜6であり、mおよびnは約0〜約50の範囲の数であり、m+n1である。)
【請求項7】
前記組成物はポリマー添加剤を含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項8】
前記ポリマー添加剤はポリカルボキシレートポリマーを含む請求項7に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項9】
前記アルキルポリグリコシド界面活性剤は、約1〜約4の間の重合度を有し、前記アルキル基は約12〜約16個の間の炭素原子を含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項10】
前記アルカリ源はアルカリ金属水酸化物を含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項11】
前記アルカリ源はアルカリ金属炭酸酸を含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項12】
硬度金属イオン封鎖剤を更に含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項13】
前記硬度金属イオン封鎖剤はアミノトリアルキレンホスホン酸ナトリウム塩を含む請求項12に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項14】
前記硬度金属イオン封鎖剤は、2−ホスホノ−ブタン−1,2,4−トリカルボン酸ナトリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホン酸)またはそれらの混合物を更に含む請求項13に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項15】
トリポリリン酸ナトリウムおよびアミノトリメチレンホスホン酸ナトリウム塩、2−ホスホノ−ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホン酸)またはそれらの混合物の少なくとも一種を含む金属イオン封鎖剤を更に含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項16】
前記非イオン界面活性剤は封止直鎖アルコールエトキシレートを含む請求項2に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項17】
前記非イオン界面活性剤は、ベンジル封止C8〜12直鎖アルコール6〜16モルエトキシレートを含む請求項16に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項18】
前記洗浄剤は少なくとも100gの質量を有する固体ブロックを含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項19】
前記洗浄剤は軟質ラップ内に包装される請求項18に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項20】
前記洗浄剤は粉末の形をとっている請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項21】
前記組成物はペレットの形をとっている請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項22】
前記アルカリ洗浄剤組成物は、(a)約5〜65重量%(質量%)のNa2CO3と(b)トリポリリン酸ナトリウム、有機ホスホン酸塩金属イオン封鎖剤およびそれらの混合物から成る群から選択された約1〜約25重量%(質量%)の硬度金属イオン封鎖剤とを含む請求項1に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項23】
前記ホスホン酸塩金属イオン封鎖剤はアミノトリメチレンホスホン酸ナトリウム塩を含む請求項22に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項24】
前記金属イオン封鎖剤は、トリポリリン酸ナトリウムおよびアミノトリメチレンホスホン酸ナトリウム塩、2−ホスホノ−ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホン酸)またはそれらの混合物を更に含む請求項23に記載のアルカリ洗浄剤組成物。
【請求項25】
(a)(i)有効な汚れ除去量のアルカリ源と、(ii)アルキルポリグリコシド界面活性剤および疎水性シリコーン基とペンダント親水性基とを含むシリコーン界面活性剤を含む有効な汚れ除去量の界面活性剤ブレンドとを含む水性洗浄剤組成物と澱粉質汚れを含む物品表面を接触させることを含む物品から汚れを除去する方法。
【請求項26】
前記水性洗浄剤組成物と物品を接触させることを含む前記接触工程が約120°F(48.9℃)〜約170°F(76.7℃)の間の温度で提供される請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項27】
前記水性洗浄剤組成物は、疎水基と−(EO)x基(式中、xは約1〜約100の数である。)とを含む非イオン界面活性剤を含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項28】
前記水性洗浄剤組成物はポリマー添加剤を含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項29】
前記ポリマー添加剤はポリカルボキシレートポリマーを含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項30】
前記洗浄剤組成物は、約500ppm〜約2,000ppmの間の濃度で提供される請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項31】
前記洗浄剤組成物は、約500ppm〜約5,000ppmの間の濃度で提供される請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項32】
前記物品は食器類を含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項33】
前記物品は洗濯物を含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項34】
前記水性洗浄剤組成物は、アルキル−エチレンオキシド−プロピレンオキシド界面活性剤を含む非イオン界面活性剤を含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【請求項35】
前記シリコーン界面活性剤は、以下の式を有する界面活性剤を含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【化4】

(式中、PEは、−CH2−(CH2p−O−(EO)m(PO)n−Zを表し、xは約0〜約100の範囲の数であり、yは約1〜100の範囲の数であり、pは0〜6であり、mおよびnは約0〜約50の範囲の数であり、m+n1であり、Zは水素またはRを表し、各Rは独立してより低級の(C1〜6)アルキルを表す。)
【請求項36】
前記シリコーン界面活性剤は以下の式を有する請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【化5】

(式中、xは約1〜約100の範囲の数を表し、yは約1〜約100の範囲の数を表し、aおよびbは独立して約0〜約60の範囲の数を表し、a+b1であり、Rは水素またはより低級の(C1〜6)アルキルである。)
【請求項37】
前記シリコーン界面活性剤は、以下の式を有する界面活性剤を含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。
【化6】

(式中、PEは、−CH2−(CH2p−O−(EO)m(PO)n−Zを表し、xは約0〜約100の範囲の数であり、pは0〜6であり、mおよびnは約0〜約50の範囲の数であり、m+n1である。)
【請求項38】
前記接触工程が前記水性洗浄剤組成物を機械器物洗浄装置に導入することを含む請求項25に記載の物品から汚れを除去する方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−38113(P2011−38113A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−237376(P2010−237376)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【分割の表示】特願2000−616316(P2000−616316)の分割
【原出願日】平成12年5月5日(2000.5.5)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】