説明

洗浄装置および検出装置

【課題】簡易かつ安価な構成であるにも拘わらず、高圧の洗浄液を洗浄対象に噴射できるようにして洗浄能力を高めた洗浄装置またはこのような洗浄装置を搭載した検出装置を提供する。
【解決手段】タンク1内に気体を流入させ、その後に洗浄液をタンク1内に流入させて洗浄液の体積増加によりタンク1内で気体を圧縮することで、タンク1内に圧縮された気体の圧力で洗浄液を流路部4内へ流入させて、洗浄ノズル5から洗浄液を高圧で噴出させるような洗浄装置10とした。また、このような洗浄装置10を搭載して常に安定した検出を行うことができる検出装置100とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄対象を洗浄する洗浄装置、および、この洗浄装置を搭載する検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄を必要とする検出装置の従来技術例として、例えば、工場廃水や河川水などの被検液に浸漬され、この被検液の性状を検出する検出装置が挙げられる。被検液中の検出部は、時間経過につれて被検液中に含まれる汚濁物質(例えば、被検出対象が河川・湖沼・下水・排水の被検液ならば微生物など)が付着し、検出能力が劣化してくる。そこで、このような検出部を一定期間経過毎に洗浄して、検出能力を維持する保守作業が必要となってくる。このような検出部の洗浄では特にデータの欠測を回避する必要があるため、検出部を引き上げることなく被検液中に浸漬したまま洗浄を行う。
【0003】
このように被検液中の検出部を洗浄する従来技術として、例えば、特許文献1(実公昭61−16523号公報,発明の名称:水質測定電極の洗浄装置)が開示されている。
特許文献1に記載された従来技術は、ポンプからの加圧空気を用いてエアバブリング洗浄を行う装置に関するものである。
【0004】
【特許文献1】実公昭61−16523号公報(図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の洗浄装置では、大量で高圧のジェット洗浄水により洗浄を行うことで洗浄効果を高めているが、供給源におけるジェット洗浄水の圧力が高くても、供給源から現場までの距離が長くなると、配管抵抗の増大によって現場に大量のジェット洗浄水を供給できないために、洗浄ノズルから高圧を維持した状態で多量の洗浄水を吐出できず、これら現場では本来の洗浄力を発揮できなかった。そして配管抵抗を小さくするためには、供給源から現場までの配管を太くする方法があるが、配管径を太くすれば設備費と維持費が増加するため損失を少なくできる程に太くできないこともあった。
また、特許文献1に記載の従来技術では、空気を加圧するためのポンプを用いることとなるが、タイムユニットを用いてポンプ動作と洗浄とを同期させる必要があって設備が複雑になる、また、設備費と維持費が増加するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易かつ安価な構成であるにも拘わらず、高圧の洗浄液を洗浄対象に噴射できるようにして洗浄能力を高めた洗浄装置を提供することにある。
また、このような洗浄装置を搭載して常に安定した検出を行うことができる検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る洗浄装置は、洗浄対象に付着した汚濁物質を除去する洗浄装置であって、
上側に気体または洗浄液が流入するタンク流入口と、下側に気体または洗浄液を流出させるタンク流出口と、を有するタンクと、
前記タンク上方に設けられ、気体を前記タンクへ流入させる気体流入口と、圧送される洗浄液をタンクへ流入させる洗浄液流入口と、前記タンクへ気体または洗浄液を流入させる流出口とを備え、前記気体流入口か前記洗浄液流入口か何れか一方の入力に切替る流路切替部と、
前記タンク下方に設けられ、前記タンク流出口を開閉する流路開閉部と、
前記流路開閉部から流出した気体または洗浄液を通流させる流路部と、
前記流路部を通流した気体または洗浄液を噴射する洗浄ノズルと、を備え、
前記洗浄液流入口が閉状態であって前記気体流入口が開状態のときに、前記流路開閉部を開状態にして前記タンク内および前記流路部内に気体を流入させる気体流入状態とし、
次に、前記洗浄液流入口が閉状態であって前記気体流入口が開状態のときに、前記流路開閉部が閉状態となるようにして前記流路部内に気体を封止するとともに、前記気体流入口および前記流路開閉部が閉状態のときに、前記洗浄液流入口が開状態となるようにして圧送される洗浄液を前記タンク内に流入させて、洗浄液の体積増加により前記タンク内で気体を圧縮する気体圧縮状態とし、
次に、前記気体流入口が閉状態であって前記洗浄液流入口が開状態のときに、前記流路開閉部が開状態となるようにして、洗浄液を前記気体圧縮状態の気体の圧力で前記流路部内へ圧送させることにより、前記流路部を介して前記流路部内の気体を混入させた洗浄液を前記洗浄ノズルから高圧で噴出させる高圧洗浄液噴射状態とすることにより、洗浄を開始することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る洗浄装置は、請求項1に記載の洗浄装置において、
前記高圧洗浄液噴射状態後から所定時間経過したときの洗浄液噴射状態では、洗浄液の体積減少により前記タンク内の気体の圧力が低下し、洗浄液の噴射圧力が低下して一定速度で前記洗浄ノズルから洗浄液を噴射させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る洗浄装置は、請求項1または請求項2に記載の洗浄装置において、
前記気体流入状態、前記気体圧縮状態、前記高圧洗浄液噴射状態および前記洗浄液噴射状態を繰り返すことにより、洗浄液の高圧噴射による洗浄を断続的に行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る検出装置は、被検液の性状により変化する物理量を信号として検出する電極部が備えられた検出部と、
前記信号が入力および処理される本体と、
前記検出部を洗浄する請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の洗浄装置と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上の本発明によれば、簡易かつ安価な構成であるにも拘わらず、高圧の洗浄液を洗浄対象に噴射して洗浄能力を高めた洗浄装置を提供することができる。
また、このような洗浄装置を搭載して常に安定した検出を可能にした検出装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明を実施するための最良の形態の洗浄装置および検出装置について、図を参照しつつ説明する。図1は本形態の洗浄装置およびこの洗浄装置を含む検出装置の構成図である。
検出装置100は、洗浄装置10、検出部20、本体(図示せず)を備えている。このような検出装置100は、水質の検査が必要な工場廃水、下水、河川などの被検液に検出部20を浸漬して使用するものである。また、この検出部20を洗浄するため、洗浄装置10の一部(洗浄ノズル5)も同様に被検液中に設置される。
【0013】
なお、検出部20は、その先端に被検液の性状により変化する物理量(例えば、電圧値・電流値・吸光度)などを信号として検出する電極部21を備え、この信号を図示しない本体へ入力および処理して、被検液の性状(酸化還元電位、pH、溶存酸素濃度、濁度など)の検出を行う。
【0014】
洗浄装置10は、検出部20の電極部21を洗浄する機能を有しており、大別してタンク1、流路切替部2、流路開閉部3、流路部4、洗浄ノズル5を備え、また図示しない駆動制御部により流路切替部2、流路開閉部3などを制御するようになっている。
タンク1は、洗浄液や気体が貯蔵されるとともに、その上側に洗浄液や気体が流入するタンク流入口1aと、その下側に洗浄液や気体が流出するタンク流出口1bを備えている。このタンク1は、少なくとも洗浄液や気体を貯蔵する機能を有していれば良く、形状・材質等は適宜採用することができる。
【0015】
流路切替部2は、タンク1の上方に設けられ、さらに気体流入口2a、洗浄液流入口2b、タンク流入口1aへ接続される流出口2cを備える。
気体流入口2aは、気体が流入する気体流入路を有し、この気体流入路の流入口が外界と連通している。
【0016】
洗浄液流入口2bは、洗浄液が流入する洗浄液流入路を有し、この洗浄液流入路の流入口が洗浄液を通流させている管路と連通している。
流路切替部2は、図示しない駆動制御部により流路切替制御を行う機能を有し、流路を切替えて流出口2cを介して気体流入口2aとタンク流入口1aとが連通する状態とした本発明の気体流入路として機能させたり、流出口2cを介して洗浄液流入口2bとタンク流入口1aとが連通する状態とした本発明の洗浄液流入路として機能させたりする。
【0017】
流路開閉部3は、タンク流出口1bの下方に設けられており、図示しない本体の駆動制御部が接続されることによって開閉可能に制御され、タンク流出口1bを開けたり閉じたりする。
【0018】
流路部4は、流路開閉部3と連通しており、流路開閉部3から流出した気体または洗浄液を通流させる。
洗浄ノズル5は、流路部4の先端に設けられるノズルである。例えば、開口径を小さくして、気体または洗浄液が洗浄対象となる電極部21へ高圧で噴射されるようにしている。
【0019】
続いて、洗浄装置10による洗浄方法について図を参照しつつ説明する。図2〜図7は洗浄装置10による洗浄を説明するための説明図である。なお、図2〜図7では、流路切替部2や流路開閉部3の各部が白い場合は開いた状態である開状態を示し、また、黒い場合は閉じた状態である閉状態を示す。
【0020】
図2は検出装置100による検出(測定)中である、つまり洗浄装置10が待機している状態[(1)待機(測定中)]を示している。
流路切替部2が制御され、洗浄液流入口2bが閉状態となり、流出口2cを介して気体流入口2aとタンク流入口1aが接続されている。つまり、洗浄液流入路が閉じられて気体流入路が開かれる。また、流路開閉部3が制御されて、流路開閉部3は閉状態となってタンク流出口1bが閉じられているが、流路開閉部3は開状態でも構わない。
【0021】
図3は検出装置100の検出を完了または中断して洗浄を開始する場合のものであり、まず洗浄準備として洗浄装置10へ気体を流入させる状態[(2)気体流入]を示している。
洗浄液流入口2bを閉状態として洗浄液流入路を閉じて、気体流入口2aを開状態として気体流入路を開き、気体を気体流入口2aからタンク1内に流入させている(この状態は、図2の(1)待機の状態と同じ)。それとともに、流路開閉部3を開状態にすることによってタンク流出口1bを開き、タンク1内から流路部4内へ気体を流入させる。
【0022】
図4は洗浄準備が進んで洗浄装置10が気体を圧縮させる状態[(3)気体圧縮]を示している。
まず、上記図3の(2)気体流入の状態において、流路開閉部3が制御され、これを閉状態にすることによってタンク流出口1bを閉じて、流路部4内に気体を封止する。
【0023】
続いて、流路切替部2が制御され、流出口2cを介して洗浄液流入口2bとタンク流入口1aが接続される。つまり、気体流入口2aを閉状態とすることによって気体流入路が閉じられ、洗浄液流入口2bが開状態となって洗浄液流入路が開かれる。このようにして、洗浄液流入口2bを開状態にして洗浄液流入路を開き、タンク1内に洗浄液を導入する。
【0024】
この場合、洗浄液は一定の圧力で継続的に圧送されて確実にタンク1内へ送り込まれる。この洗浄液とは、例えば水道管を圧送されて送水される通常の水道水による洗浄水や、図示しない圧送ポンプにより圧送される洗浄水や薬液なども含む。そして、タンク1内の洗浄液の体積増加につれてタンク1内の気体は圧縮されていき、タンク1内の気体に洗浄液の供給圧力が蓄えられる。
【0025】
図5は洗浄開始直後の洗浄装置10が高圧洗浄液を噴射する状態[(4)高圧洗浄液噴射]を示している。
図4の(3)気体圧縮の状態において、気体が高圧になった後に、流路開閉部3が制御され、これを開状態とすることによってタンク流出口1bが開く。すなわち、気体流入口2aを閉状態にして気体流入路が閉じた状態とし、洗浄液流入口2bを開状態にして洗浄液流入路が開いた状態とし、タンク流出口1bを開いてタンク1内から流路部4へ洗浄液を圧送する。
【0026】
この場合、タンク1内の気体は高圧で圧縮されているため、洗浄液が蓄えられた圧力により勢い良く圧送される。このとき、流路開閉部3の下から被検液の液面までの流路部4の中には気体が封じられているため、流路開閉部3を開状態にしてタンク流出口1bが開くと、タンク1内の洗浄液に押されて、気泡としてあるいは洗浄液に気泡が混ざった状態で洗浄ノズル5から吐出されることとなり、洗浄の初期段階では洗浄液と気体が検出部20の電極部21に交互に当たり付着した汚れを効率良く落とす効果がある。電極部21では、気泡を含んだ高速な洗浄液流の勢いと、電極部21に付着した汚濁物質に被検液(液相)と気泡(気相)との境界部が無秩序に接触する際に、汚濁物質に振動が引き起こされることとの相乗作用によって、効率的に汚濁物質が剥離除去される。
【0027】
ここで、仮に洗浄液の圧力だけで押し出す場合を想定すると、流路切替部2の上流に接続される配管の損失を受けるが、本発明によればタンク1内の圧縮気体が膨張する力は、この配管の損失の影響を受けることはなく、洗浄液の加圧ポンプとして確実に機能するため、従来技術の水ジェット洗浄よりも勢いのある洗浄液を洗浄ノズル5から噴射することとなる。
【0028】
このように電極部21には、(1)被検液(液相)と気泡(気相)との境界部が洗浄対象と無秩序に接触して生じる引き剥がし力、(2)洗浄液の噴射力による引き剥がし力、がランダムに生じて洗浄対象から汚濁物質が除去されることとなり、洗浄能力を高めている。
【0029】
図6は洗浄開始から所定期間経過したときの洗浄装置10の状態[(5)洗浄液噴射]を示している。
流路切替部2は図5の(4)高圧洗浄液噴射の状態のままであり、流出口2cを介して洗浄液流入口2bとタンク流入口1aの接続が維持されて洗浄液流入路が開き、タンク1の中へ洗浄液が引き続き流入している状態とする。また、流路開閉部3も開状態を維持してタンク流出口1bは開いたままであり、引き続きタンク1から洗浄液を圧送している状態とする。
【0030】
この場合、タンク1内の圧縮された気体は洗浄液を押し出しているため、タンク1内の気圧は最初よりは低くなっており、洗浄液の勢いは小さくなって洗浄液の噴射圧力は低下してやがて一定速度となってくる。これは、洗浄液は気体に比べ配管抵抗の影響を大きく受けるためであり、供給圧力を維持したまま洗浄液を吐出させることができずに、洗浄液の圧力を低下させた状態で洗浄液が噴射され続ける。
なお、洗浄開始直後の(4)高圧洗浄液噴射の状態から、(5)洗浄液噴射状態の終了までの期間、最初の高圧から次第に圧力が低くなるまでの噴射力の変化に富んだ洗浄を行うことができる。
【0031】
図7は洗浄液の噴射を停止して洗浄装置10による洗浄を終了するときの状態[(6)洗浄終了]を示している。
図6の(5)の洗浄液噴射の状態において、流路切替部2が制御され、流出口2cを介して気体流入口2aとタンク流入口1aが接続されるようになる。つまり、洗浄液流入路が閉じた状態となって気体流入路が開いた状態となっている。また、流路開閉部3は開状態が維持されてタンク流出口1bが開いたままになっており、タンク1内から気体を流入させるとともに洗浄液を送り出す。これは図3に示す(2)気体流入と同じ状態である。なお、タンク1内の洗浄液は排出しなくても構わないので、図7の(6)洗浄終了の状態を省略して、図6の(5)洗浄液噴射の状態の後に、そのまま図2の(1)測定中の状態に入って測定するようにしてもよい。この後に、流路開閉部3が制御され、図2に示す(1)待機と同じ状態として洗浄を終了させる。
【0032】
なお、洗浄を繰り返し行うようにしても良い。これは、図7の(6)洗浄終了の状態と図3の(2)気体流入の状態とが同じであるため、(2)気体流入→(3)気体圧縮→(4)高圧洗浄液噴射→(5)洗浄液噴射→(2)気体流入と一巡させ、以下同様に繰り返して(2)〜(5)の処理を行って高速噴射の洗浄を断続的に行うことにより、確実に洗浄する。
【0033】
なお、このような断続的な洗浄では、図4の(3)気体圧縮の状態において洗浄液の流入時間に長短をつけることで気体の圧縮力も変化するため、高い洗浄力と低い洗浄力というように変化をつけることができ、引き剥がし力に強弱を加えて汚濁物質を剥離除去することができる。
【0034】
以上、洗浄装置10およびこの洗浄装置を搭載した検出装置100について説明した。このような洗浄装置10のうち、気体流入口2aは気体として空気を導入することを念頭において説明したが、空気に代えて、気体流入口2aに図示しないチューブ・配管の一端を接続し、図示しないボンベをチューブ・配管の他端に接続し、このボンベから被検液の性状に影響を与えないガスを供給しても、本発明の実施は可能である。このガスは適宜選択される。しかしながら、構成の簡易性を考慮すれば、ボンベ等が不要になる空気を導入することが好ましい。
【0035】
また、洗浄装置10は検出装置100が内蔵するものとして説明したが、洗浄装置10を別途用いる形態としても良い。この場合、水質計等に対して定期的に洗浄を行う場合、水質計の電極部付近に洗浄ノズル5が位置するように洗浄装置10を設置し、上記のような(1)〜(6)の各工程を行うことで洗浄が行われる。このように洗浄装置10を単体で使用しても良い。
【0036】
また、上記の流路切替部2と流路開閉部3は、図示しないシーケンサなどの駆動制御部により自動的に制御されるものとして説明したが、例えば、作業員による手動操作で流路切替部2や流路開閉部3を上記のような順序で操作して洗浄を行うようにしても良い。この場合、洗浄時間等は厳密には一致しないが、それでも充分な洗浄効果を得ることができる。流路切替部2としては三方弁が好適であるが、流路を切替えられる手段であればこれに限定されるものではなく、2種類以上の気体または洗浄液を流入させたい場合は、四方弁以上の切替弁または切替手段を採用することができる。流路開閉部3としては二方弁が好適であるが、流路を開閉できる手段であればこれに限定されるものではない。
【0037】
また、流路切替部2を用いて、流出口2cを介して気体流入口2aとタンク流入口1aとが接続されたときに本発明の気体流入路を形成し、流出口2cを介して洗浄液流入口2bとタンク流入口1aとが接続されたときに本発明の洗浄液流入路を形成するものとして説明した。しかしながら、この流路切替部2に代えて、第2の流路開閉部と第3の流路開閉部とを配置し、この第2,第3の流路開閉部の流路開閉部を制御するようにして、第2の流路開閉部を気体流入口として、また、第3の流路開閉部を洗浄液流入口としても本発明の実施は可能である。
【0038】
また、本形態では流路切替部2をタンク1の上方に、また、流路開閉部3をタンク1の下方に取り付けるものとして説明した。しかしながら、流路切替部2は洗浄液をタンク1内へ注入する際に、タンク1内の液面よりも高い位置にあれば良く、流路切替部2をタンク1の上方の側面に設けるようにしても良い。同様に流路開閉部3は洗浄液をタンク1内へ注入する際に、タンク1内の液面よりも低ければ良く、流路開閉部3をタンク1の下方の側面に設けるようにしても良い。このような構成も適宜選択される。
【0039】
このような洗浄装置は、簡易かつ安価な構成であるにも拘わらず、高圧の洗浄液を洗浄対象に噴射できるようにして洗浄能力を高めている。
また、このような洗浄装置を搭載した検出装置も、被検液に浸漬した状態で検出部を清浄に保つことができ、常に安定した検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明を実施するための最良の形態の洗浄装置およびこの洗浄装置を含む検出装置の構成図である。
【図2】洗浄装置による洗浄を説明するための説明図である。
【図3】洗浄装置による洗浄を説明するための説明図である。
【図4】洗浄装置による洗浄を説明するための説明図である。
【図5】洗浄装置による洗浄を説明するための説明図である。
【図6】洗浄装置による洗浄を説明するための説明図である。
【図7】洗浄装置による洗浄を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0041】
100:検出装置
10:洗浄装置
1:タンク
1a:タンク流入口
1b:タンク流出口
2:流路切替部
2a:気体流入口
2b:洗浄液流入口
2c:流出口
3:流路開閉部
4:流路部
5:洗浄ノズル
20:検出部
21:電極部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄対象に付着した汚濁物質を除去する洗浄装置であって、
上側に気体または洗浄液が流入するタンク流入口と、下側に気体または洗浄液を流出させるタンク流出口と、を有するタンクと、
前記タンク上方に設けられ、気体を前記タンクへ流入させる気体流入口と、圧送される洗浄液をタンクへ流入させる洗浄液流入口と、前記タンクへ気体または洗浄液を流入させる流出口とを備え、前記気体流入口か前記洗浄液流入口か何れか一方の入力に切替る流路切替部と、
前記タンク下方に設けられ、前記タンク流出口を開閉する流路開閉部と、
前記流路開閉部から流出した気体または洗浄液を通流させる流路部と、
前記流路部を通流した気体または洗浄液を噴射する洗浄ノズルと、を備え、
前記洗浄液流入口が閉状態であって前記気体流入口が開状態のときに、前記流路開閉部を開状態にして前記タンク内および前記流路部内に気体を流入させる気体流入状態とし、
次に、前記洗浄液流入口が閉状態であって前記気体流入口が開状態のときに、前記流路開閉部が閉状態となるようにして前記流路部内に気体を封止するとともに、前記気体流入口および前記流路開閉部が閉状態のときに、前記洗浄液流入口が開状態となるようにして圧送される洗浄液を前記タンク内に流入させて、洗浄液の体積増加により前記タンク内で気体を圧縮する気体圧縮状態とし、
次に、前記気体流入口が閉状態であって前記洗浄液流入口が開状態のときに、前記流路開閉部が開状態となるようにして、洗浄液を前記気体圧縮状態の気体の圧力で前記流路部内へ圧送させることにより、前記流路部を介して前記流路部内の気体を混入させた洗浄液を前記洗浄ノズルから高圧で噴出させる高圧洗浄液噴射状態とすることにより、洗浄を開始することを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記高圧洗浄液噴射状態後から所定時間経過したときの洗浄液噴射状態では、洗浄液の体積減少により前記タンク内の気体の圧力が低下し、洗浄液の噴射圧力が低下して一定速度で前記洗浄ノズルから洗浄液を噴射させることを特徴とする洗浄装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の洗浄装置において、
前記気体流入状態、前記気体圧縮状態、前記高圧洗浄液噴射状態および前記洗浄液噴射状態を繰り返すことにより、洗浄液の高圧噴射による洗浄を断続的に行うことを特徴とする洗浄装置。
【請求項4】
被検液の性状により変化する物理量を信号として検出する電極部が備えられた検出部と、
前記信号が入力および処理される本体と、
前記検出部を洗浄する請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の洗浄装置と、
を備えることを特徴とする検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−202086(P2009−202086A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46160(P2008−46160)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】