説明

洗濯乾燥機

【課題】低消費電力で効率的に洗濯物を脱水させ、洗濯物の回転ドラムへの貼り付きを解消することが出来る洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】洗濯乾燥機は、洗濯槽2と、洗濯槽2の内部で回転する回転ドラム3と、洗濯槽2及び回転ドラム3の内部に乾燥風を循環させる乾燥風路と、乾燥風路に設けられ、乾燥風を起風させるファン70とを備え、回転ドラム3の内部の洗濯物を洗濯する洗濯工程、該洗濯物を脱水する複数回の脱水工程、及び該洗濯物を前記乾燥風と接触させて乾燥せしめる乾燥工程を順に行う。洗濯乾燥機は、複数回の脱水工程の内、最終回の脱水工程が開始されるまで、ファン70の動作を停止させ、該最終回の脱水工程において、ファン70の動作を開始させるように制御するファン制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯槽の内部で回転する回転ドラム内に乾燥風を循環させる循環風路を備える洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、斜めドラム式の洗濯乾燥機が広く普及している。この洗濯乾燥機は、有底円筒形の洗濯槽を、一側の開口が上向きとなるように水平面に対して軸心を傾けた姿勢で弾性支持し、この洗濯槽の内部に有底円筒形の回転ドラムを、一側の開口を洗濯槽の開口と同側に向けて同軸上での回転可能に配した構成となっている。洗濯物は、洗濯槽及び回転ドラムの開口を経て回転ドラムの内部に投入され、洗濯槽の底部に溜まる洗濯水に浸されて、回転ドラムの回転による持ち上げ及び落下を繰り返して洗濯される。
【0003】
洗濯を終えた洗濯物は、残留水分の多くを脱水され、回転ドラムの内部に導入される乾燥風と接触することにより乾燥せしめられる。乾燥風は、洗濯槽内に開口する導入口及び導出口を送風ダクトにより連絡してなり洗濯槽及び回転ドラムを中途に含めて構成された乾燥風路内を循環する。
【0004】
乾燥風路には、乾燥風を起風するファンが設けてあり、該ファンの上流側に冷却部が、同じく下流側にヒータが夫々配設してある。乾燥風は、回転ドラム内の洗濯物と接触し、該洗濯物の水分を奪った後、冷却部において冷却され、含有水分を凝縮除去された乾いた空気となり、ヒータを通過する際に加熱されて回転ドラム内に戻る。回転ドラム内の洗濯物は、このように循環する乾燥風との接触を繰り返して乾燥せしめられる。
【0005】
特許文献1には、洗濯物の乾きむら及び洗濯物のしわ付きを防止する洗濯乾燥機が開示されている。このような洗濯乾燥機では、回転槽内の洗濯物の洗濯工程、脱水工程及び乾燥工程を順次行い、脱水工程において、回転槽内に温風を送り込みながら該回転槽を高速回転させて洗濯物の脱水を行うとともに、回転槽の内周壁に張り付いた洗濯物を該回転槽内に均等にちりばめるようなほぐし工程を1回或いは複数回行い、この後に乾燥工程を開始する。これにより、回転槽内の洗濯物の全体が余すことなく温風にあたるようにすることができ、該洗濯物の乾きむら及び洗濯物のしわ付きを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−321316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の洗濯乾燥機は、最初の脱水工程の開始時点から、ヒータ及びファンを動作させている。脱水工程の初期において、洗濯物は多量の水分を含んでいるため、回転槽(回転ドラム)内に送り込まれた温風の熱量が水分に吸収され、洗濯物自体の温度上昇に寄与しない。そのため、洗濯物自体の温度上昇が遅くなり、効率が低下し、消費電力が増加する。また、水分が急激に抜けるため、洗濯物が柔らかくなり、回転ドラムの穴に入り込んで、回転ドラムへの張り付きが発生する虞がある。洗濯物の張り付きを解消するために、洗濯物を揺する工程が必要になる。その結果、脱水工程の所要の時間が長くなり、効率が低下する。
【0008】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、低消費電力で効率的に洗濯物を脱水させるとともに、洗濯物の回転ドラムへの張り付きを解消することが出来る洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る洗濯乾燥機は、洗濯槽と、該洗濯槽の内部で回転する回転ドラムと、前記洗濯槽及び回転ドラムの内部に乾燥風を循環させる乾燥風路と、該乾燥風路に設けられ、乾燥風を起風させるファンとを備え、前記回転ドラムの内部の洗濯物を洗濯する洗濯工程、該洗濯物を脱水する複数回の脱水工程、及び該洗濯物を前記乾燥風と接触させて乾燥せしめる乾燥工程を、順に行うようにしてある洗濯乾燥機において、前記複数回の脱水工程の内、最終回の脱水工程が開始されるまで、前記ファンの動作を停止させ、該最終回の脱水工程にて、前記ファンの動作を開始させるように制御するファン制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明では、洗濯乾燥機は、洗濯槽と、該洗濯槽の内部で回転する回転ドラムと、前記洗濯槽及び回転ドラムの内部に乾燥風を循環させる乾燥風路と、該乾燥風路に設けられ、乾燥風を起風させるファンと、ファン制御手段とを備える。洗濯乾燥機は、回転ドラムの内部の洗濯物を洗濯する洗濯工程、該洗濯物を脱水する複数回の脱水工程、及び該洗濯物を前記乾燥風と接触させて乾燥せしめる乾燥工程を順に行う。ファン制御手段は、複数回の脱水工程の内、最終回の脱水工程が開始されるまで、前記ファンの動作を停止させ、該最終回の脱水工程において、前記ファンの動作を開始させる。それで、洗濯乾燥機は、洗濯物から一定の水分が抜けた最終回の脱水工程において乾燥風を回転ドラム内に送り込むことにより、効率的に洗濯物を脱水することが出来る。また、初期の脱水工程では乾燥風を送り込まないので、消費電力が低減する。また、洗濯物の回転ドラムへの張り付きを解消することが出来る。
【0011】
本発明に係る洗濯乾燥機は、前記乾燥風路に設けられ、通過した乾燥風を加熱する加熱手段と、前記最終回の脱水工程が開始されるまで、前記加熱手段の動作を停止させ、該最終回の脱水工程にて、前記加熱手段の動作を開始させるように制御する加熱制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明では、洗濯乾燥機は、乾燥風路に設けられ、通過した乾燥風を加熱する加熱手段と加熱制御手段とをさらに備える。加熱制御手段は、前記最終回の脱水工程が開始されるまで、前記加熱手段の動作を停止させ、該最終回の脱水工程において、前記加熱手段の動作を開始させる。それで、洗濯物から一定の水分が抜けた最終回の脱水工程において温風を回転ドラム内に送り込むことにより、より効率的に洗濯物を脱水することが出来る。また、初期の脱水工程では温風を送り込まないことにより、消費電力を低減させるとともに、洗濯物の回転ドラムへの張り付きを解消することが出来る。
【0013】
本発明に係る洗濯乾燥機は、前記回転ドラムを回転させるモータと、該モータの回転数が前記複数回の脱水工程の内、前記最終回の脱水工程にて最大となるように制御する回転数制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明では、回転ドラムを回転させるモータと、モータの回転数が複数回の脱水工程の内、最終回の脱水工程において最大となるように制御する回転数制御手段とを備える。遠心力による脱水が最も促進されるタイミングで、ファン又は加熱手段を駆動することにより、より効率的に洗濯物を脱水させることが出来る。
【0015】
本発明に係る洗濯乾燥機は、前記モータの回転時間が前記複数回の脱水工程の内、前記最終回の脱水工程にて最長となるように制御する回転時間制御手段を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明では、モータの回転時間が複数回の脱水工程の内、最終回の脱水工程にて最長となるように制御する回転時間制御手段を備える。遠心力による脱水が最も促進されるタイミングで、ファン又は加熱手段を駆動することにより、より効率的に洗濯物を脱水させることが出来る。
【0017】
本発明に係る洗濯乾燥機は、前記回転ドラムを回転させるモータと、該モータの回転時間が前記複数回の脱水工程の内、前記最終回の脱水工程にて最長となるように制御する回転時間制御手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明では、回転ドラムを回転させるモータと、モータの回転時間が複数回の脱水工程の内、最終回の脱水工程にて最長となるように制御する回転時間制御手段とを備える。遠心力による脱水が最も促進されるタイミングで、ファン又は加熱手段を駆動することにより、より効率的に洗濯物を脱水させることが出来る。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、複数回の脱水工程の内、最終回の脱水工程が開始されるまで、前記ファンの動作を停止させ、該最終回の脱水工程において、ファンの動作を開始させることにより、洗濯物から一定の水分が抜けた最終回の脱水工程において乾燥風を回転ドラム内に送り込んで、効率的に洗濯物を脱水させることが出来る。また、初期の脱水工程では乾燥風を送り込まないことにより、消費電力を低減させるとともに、洗濯物の回転ドラムへの張り付きを解消することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態に係る洗濯乾燥機の外観を略示する斜視図である。
【図2】実施の形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を略示する縦断面図である。
【図3】導出ダクト及び導入ダクトの形成態様を示す図である。
【図4】ドラムモータの支持部近傍の拡大断面図である。
【図5】実施の形態に係る洗濯乾燥機の制御系の構成を示すブロック図である。
【図6】ドラムモータ、ファン、及びヒータの駆動制御を示すタイミングチャートである。
【図7】脱水運転及び乾燥運転時の運転制御部の制御動作の手順を示すフローチャートである。
【図8】脱水運転及び乾燥運転時の運転制御部の制御動作の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、実施の形態に係る洗濯乾燥機の外観を略示する斜視図であり、図2は、実施の形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を略示する縦断面図である。
【0022】
図2に示すように、洗濯乾燥機は、外装を構成する外筐1の内部に洗濯槽2及び回転ドラム3を備えている。洗濯槽2は、一側の端部に全面に亘って設けられた開口20を有する大径の有底円筒体であり、外筐1の底面に立設された複数本の支持脚21(1本のみ図示)により、開口20の側を上向きとし、水平面に対して軸心を傾けた傾斜姿勢を保って弾性支持されている。
【0023】
外筐1の前面(図2の左側面)には、洗濯槽2の開口20を臨む位置に、蓋体10により開閉自在に洗濯物の投入口11が開設してあり、この投入口11と洗濯槽2の開口20との間は、ベローズ12により液密に封止されている。図1に示すように、外筐1の前面には、蓋体10の近傍にドア開ボタン13が設けてある。蓋体10は、ドア開ボタン13の操作により開放される。
【0024】
回転ドラム3は、洗濯槽2よりもやや小径の有底円筒体であり、一側の開口30を洗濯槽2の開口20の内側に臨ませ、洗濯槽2の底部中央に固設されたドラムモータ4の出力軸40の端部に連結し、該ドラムモータ4の駆動により、洗濯槽2の内部で同軸上にて回転するようになしてある。
【0025】
回転ドラム3の周壁には、多数の小孔32が全面に亘って貫通形成されており、また周壁内面には、軸長方向に延びるバッフル33が、周方向に等配をなして複数突設されている。なお図2中には、図面の煩雑化を避けるべく、小孔32の一部と一つのバッフル33のみを図示してある。
【0026】
以上の如く構成された洗濯乾燥機の洗濯運転は、蓋体10を開放し、投入口11の内側に位置する開口20,30を経て回転ドラム3内に洗濯物を投入し、前記蓋体10を閉止した後、後述するように洗濯槽2の内部に給水し、ドラムモータ4を駆動して回転ドラム3を回転せしめて実施される。前述したように回転ドラム3は、多数の小孔32と複数のバッフル33とを備えており、回転ドラム3の内部の洗濯物は、小孔32を経て回転ドラム3内に導入される洗濯水中に浸され、バッフル33の作用による持ち上げ及び落下を繰り返し、落下時に回転ドラム3の内面に叩きつけられて洗濯される。
【0027】
図1に示すように、外筐1の前面上部には、各種の操作のための操作部及び各種の表示のための表示部を備える操作パネル15が設けてある。該操作パネル15は、外筐1の下部内側に設けた運転制御部8(図2、図5参照)に接続してある。前述した洗濯運転、及び後述する乾燥運転、更には、これらの間に実施される脱水運転は、操作パネル15の操作に応じた運転制御部8の動作により、一連の処理、又は個々に独立した処理として実行される。
【0028】
図1に示すように外筐1の後部上面には、水道等の給水源との接続が可能な接続口50が設けてある。図2に示すように接続口50は、外筐1の内側に設けた給水弁51に接続してある。給水弁51は、複数の給水出口を有する多連形の電磁弁である。
【0029】
給水弁51の給水出口は、給水管52を介して洗濯槽2の上部周面に開口する給水口に接続されている。給水弁51が第1給水出口に切換えられた場合、給水源からの給水は、主給水管52を経て洗濯槽2の内部に送り込まれる。主給水管52の中途には、公知のように洗剤ケースを配置し、給水と共に適量の洗剤が導入されるように構成することができる。
【0030】
給水弁51の第2給水出口は、小径の副給水管53を介して後述する導入ダクト61の中途に設けた給水ノズル54に接続してある。給水弁51が第2給水出口に切換えられた場合、給水源からの給水は、副給水管53を経て給水ノズル54に達し、導入ダクト61の内部に送り込まれる。
【0031】
給水弁51の第3給水出口は、冷却水管55を介して、洗濯槽2の前下部に連結してある。洗濯槽2には、下部周面に軸長方向に延びる凹溝22が形成されており、該凹溝22の上部を覆うように冷却板23が架設してある。冷却板23は、後部を下として傾斜しており、上表面に複数の凹部が並設してある。給水弁51が第3給水出口に切換えられた場合、給水源からの給水は、冷却水管55を通って冷却板23の前上部に送り込まれ、複数の凹部内に順次滞留しながら冷却板23の上表面に沿って後方に流れて、後述のように循環する乾燥風を冷却する冷却水として使用される。
【0032】
凹溝22の後端部には、排水管24が接続されている。該排水管24は、外筐1内側の前下部に固定支持された筒形のフィルタケース25に接続されている。フィルタケース25の内部には、繊維屑等の異物を捕捉するリントフィルタが収容されている。
【0033】
フィルタケース25の後部は、排水弁26を介して外筐1の底面に沿って敷設された排水ホース27に接続されている。フィルタケース25の前側上部には、エアトラップ28が設けてある。エアトラップ28は、フィルタケース25内部に連通する空洞である。エアトラップ28には、上方に延びる導圧管28aが接続されており、該導圧管28aの上端部には水位センサ29が取付けてある。
【0034】
排水弁26が閉である場合、洗濯槽2の内部に給水された洗濯水は、排水管24を経てフィルタケース25内に入り、該フィルタケース25内に充満した後、排水管24及び洗濯槽2の内部に溜まる。エアトラップ28の内部には、フィルタケース25に洗濯水が充満した後に空気が取り残される。エアトラップ28内の空気圧は、フィルタケース25を底として溜まる洗濯水の水位の上昇に応じて大となる。水位センサ29は、導圧管28aを介して伝播するエアトラップ28内の空気圧を検出する圧力センサである。水位センサ29の検出信号は、運転制御部8に与えられている。運転制御部8は、水位センサ29の検出信号に基づいて洗濯水の水位を認識する。
【0035】
排水弁26は、洗濯運転の後に開放される。この開放により洗濯槽2内の洗濯水は、排水管24及びフィルタケース25を経て排水ホース27に排水される。この排水に際し、洗濯水中に含まれる繊維屑等の異物は、フィルタケース25内のリントフィルタに捕捉、除去され、排水ホース27を経て下水管に排出される虞がない。
【0036】
洗濯乾燥機は、乾燥風を循環させる乾燥風路を更に備えている。乾燥風路は、洗濯槽2の底面に沿って延び、該洗濯槽2と一体形成された導出ダクト60及び導入ダクト61を有している。図3は、導出ダクト60及び導入ダクト61の形成態様を示す図である。本図は、洗濯槽2の底面を前方から見た状態を略示しており、図の上下は、図2の上下に対応している。なお、洗濯槽2の外面には、強度確保のための多数のリブが設けてあるが、図3においては、これらのリブの図示を省略してある。
【0037】
図3に示すように、導出ダクト60は、洗濯槽2の底面最下部を含めて周方向に適宜の長さを有して延び、一側端部で斜め上方に立ち上がるように設けられている。図3には、洗濯槽2の下部周面に前述の如く形成された凹溝22、及び該凹溝22の上部に架設した冷却板23も図示してある。導出ダクト60の下部は、冷却板23の後位置で洗濯槽2内に開口する導出口62に連通している。導出ダクト60の上端部は、洗濯槽2の上部周面に上向きに突設された導出管63に連通している。
【0038】
導入ダクト61は、洗濯槽2の底面の中心に設けた円形部と、該円形部に連続し、斜め上方に立ち上がる直線部とを備える。直線部の上端部は、洗濯槽2の上部周面に上向きに突設された導入管64に連通している。また円形部の中心位置には、ドラムモータ4の出力軸40が突出しており、この突出部と同軸をなし、洗濯槽2の内部に向けて開口する円形断面の導入口65が開設されている。
【0039】
図4は、ドラムモータの支持部近傍の拡大断面図である。図中に一部を示すドラムモータ4の出力軸40は、軸受41により回転自在に支持され、洗濯槽2の内側に向けて突出しており、この突出端部は、連結ブラケット42を介して回転ドラム3の底面の中心位置に固定されている。連結ブラケット42と回転ドラム3との間には、薄肉の封止板66が挾持固定されている。封止板66の外周には、導入ダクト61の末端の導入口65の内側に対向する鍔部が周設され、該鍔部の外面には、導入口65に内嵌固定されたオイルシール67が当接している。
【0040】
回転ドラム3の底面には、連結ブラケット42の固定部よりも外側の周上に並ぶ複数の導入孔34が開設してあり、これらの導入孔34は、封止板66の対応位置に設けられた連通孔68を介して導入口65に連通している。
【0041】
図2に示すように、洗濯槽2の上部には、乾燥風を起風するファン70が配してある。該ファン70は、吸込側のフィルタ71と吐出側のヒータ72と共にユニット化され、外筐1の内部に固定支持されている。洗濯槽2の上部に突出する導出管63の端部は、ファン70の吸込側に連結され、同じく導入管64の端部は、ファン70の吐出側に連結されている。
【0042】
以上の如く構成された乾燥風路においては、ファン70が駆動された場合、吸込側に連結された導出ダクト60から乾燥風が吸い込まれて加圧され、導出管63、フィルタ71、ファン70、ヒータ72を経由して、吐出側に連結された導入ダクト61に送り出される。導入ダクト61内に送り出される乾燥風は、洗濯槽2の外周から中央に向けて流れて導入口65に達し、連通孔68及び導入孔34を通って回転ドラム3内に導入される。回転ドラム3内に導入された乾燥風は、周壁に形成された多数の小孔32を通って洗濯槽2内に流出し、前述の如く形成された導出口62を経て導出ダクト60内に導出され、ファン70に再度吸い込まれる。
【0043】
洗濯乾燥機の乾燥運転では、ファン70を駆動し、ヒータ72を動作させると共に、ドラムモータ4を駆動し、回転ドラム3を低速度で反復回転させ、更に、給水弁51を第3給水出口に切換え、冷却板23上に冷却水を流すことによりなされる。
【0044】
乾燥風路の内部には、ファン70を駆動することにより前述したように乾燥風の循環が生じる。この乾燥風は、ヒータ72を通過する際に加熱されて回転ドラム3内に導入される。回転ドラム3の内部の洗濯物は、該ドラムモータ4の回転による持ち上げ及び落下を繰り返している。回転ドラム3内に導入される乾燥風は、回転ドラム3内の洗濯物に当たり、該洗濯物の水分を奪って洗濯槽2内に流出し、該洗濯槽2の底面下部に開口する導出口62に向けて流れる。
【0045】
このように流れる乾燥風は、洗濯槽2の下部に設けられた冷却板23上の冷却水と接触して冷却され、含有水分を凝縮除去された乾き空気となって導出口62に達し、導出ダクト60内に送り出される。なお、凝縮除去された水分は、冷却板23上を冷却水と共に後向きに流れ、後端部に達して凹溝22内に流れ落ち、排水管24及びフィルタケース25を通って排水ホース27内に排水される。
【0046】
一方、乾き空気となった乾燥風は、導出ダクト60内を上昇し、導出管63を経てファン70に吸い込まれて加圧され、ヒータ72により再加熱されて高温、低湿の温風となって回転ドラム3の内部に導入される。回転ドラム3内の洗濯物は、以上のように冷却及び加熱を伴って循環する乾燥風(温風)と接触を繰り返すことで乾燥せしめられる。
【0047】
図5は、実施の形態に係る洗濯乾燥機の制御系の構成を示すブロック図である。洗濯乾燥機の運転制御部8は、CPU8a、ROM8b、RAM8c、入出力インターフェイス(I/O)8d、及びタイマ8eを共有バスで接続してなるコンピュータである。ROM8bは、後述する制御プログラム、脱水1工程から脱水4工程におけるドラムモータ4の最高回転数K1〜K4(K1<K2<K3<K4)、ドラムモータ4が回転すべき回転時間T1〜T4(T1≦T2≦T3≦T4)、及びアンバランス検知用の許容アンバランス量などを記憶している。
【0048】
入出力インターフェイス8dは、前述した操作パネル15に接続してある。操作パネル15には、電源スイッチ、運転開始を指令するスタートスイッチ、運転内容を選択するためのスイッチ等、使用者により操作される各種の操作スイッチが設けられており、操作パネル15の操作内容は、入出力インターフェイス8dを介してCPU8aに与えられている。また操作パネル15は、操作補助のための表示、運転状態の表示等の各種の表示を行わせるための表示部を備えている。該表示部の表示は、入出力インターフェイス8dを介してCPU8aから与えられる動作指令に応じてなされる。
【0049】
また、入出力インターフェイス8dは、脱水時のアンバランス状態を検知するアンバランス検知部46、ドラムモータ4の回転数を検出する回転数検出部45に接続してある。回転数検出部45としては、ヒールセンサ又はタコジェネレータを用いることが出来る。アンバランス検知部46としては、ドラムモータ4の回転数のばらつきによりアンバランス判定を行う方式を採用するときはホールセンサやタコジェネレータをアンバランスセンサとすることができる。又は、ドラムモータ4の電流値の変化量でアンバランス判定を行う方式を採用するときはカレントトランスなどをアンバランスセンサとすることができる。
【0050】
さらに、入出力インターフェイス8dは、前述したドラムモータ4、ファン70、ヒータ72、給水弁51、排水弁26、水位センサ29などに接続してある。CPU8aは、操作パネル15の操作内容に従ってROM8bに格納された制御プログラムをRAM8cに読み出して実行し、入出力インターフェイス8dを介して、ドラムモータ4、ファン70及びヒータ72に動作指令を与え、これら夫々を動作させることにより、洗濯運転、脱水運転、乾燥運転を実行する。
【0051】
本発明の洗濯乾燥機は、上述のように構成されるものであり、洗濯運転、脱水運転、乾燥運転が順に行われるようになっている。洗濯運転は通常の洗い、すすぎなどの工程を含んでおり、各工程の動作が公知の動作であることから詳細な説明は省略する。以下、図6〜図8を参照して、本発明の洗濯乾燥機の脱水運転及び乾燥運転の動作について説明する。
【0052】
図6はドラムモータ4、ファン70、及びヒータ72の駆動制御を示すタイミングチャートである。図6において、各工程におけるドラムモータ4の回転数と、ファン70及びヒータ72の駆動タイミングとが示されている。図7及び図8は、脱水運転及び乾燥運転時の運転制御部8の制御動作の手順を示すフローチャートである。
【0053】
洗濯運転が終了した後、図7に示すように、運転制御部8のCPU8aは、ドラムモータ4を回転させて、回転ドラム3の内部の洗濯物の分布を調整するバランス工程を実行させる(ステップS1)。バランス工程では、例えば図6に示すように低い回転数で正方向回転及び逆方向回転を短時間ごとに繰り返し行うようにドラムモータ4を駆動しながら、例えばタイマ8eにてバランス工程を計時し、所要の時間を経過した後、アンバランス検知部46にて回転ドラム3のアンバランス検知を行う。
【0054】
CPU8aは、アンバランス検知部46により検知されたアンバランス量が予めROM8bに記憶されている許容アンバランス量以下であるか否かを判定する(ステップS2)。例えば、アンバランス検知部46にて回転ドラム3の偏芯荷重の大きさを表す偏芯量を検知し、これをアンバランス量とし、該アンバランス量を予めROM8bに記憶されている許容アンバランス量と比較することにより判定する。
【0055】
CPU8aは、アンバランス量が許容アンバランス量以下ではないと判定した場合(ステップS2:NO)、処理をステップS1に戻し、検知されたアンバランス量が許容アンバランス量以下となるまでバランス工程を繰り返す。
【0056】
CPU8aは、アンバランス量が許容アンバランス量以下であると判定した場合(ステップS2:YES)、回転ドラム3を高速回転させても大きな振動は生じないと判定し、ドラムモータ4の回転数を段階的に上げて脱水1工程を行う(ステップS3)。脱水1工程では、例えば、図6に示すようにドラムモータ4の回転数を段階的に上げることにより、遠心力で回転ドラム3の内周面に洗濯物を押し付ける。洗濯物に含まれていた洗濯水は周壁に形成された多数の小孔32を経て遠心力で振り切られ、洗濯槽2の内面を伝って落下し、排水管24、排水ホース27などを通じて機外に排水される。また、脱水1工程では、回転数検出部45にてドラムモータ4の回転数を検出する。
【0057】
CPU8aは、回転数検出部45により検出されたドラムモータ4の回転数が予めROMに記憶されている最高回転数K1に到達したか否かを判定し(ステップS4)、最高回転数K1に到達していないと判定した場合(ステップS4:NO)、最高回転数K1に到達するまで斯かる判定を繰り返す。
【0058】
CPU8aは、回転数検出部45により検出されたドラムモータ4の回転数が最高回転数K1に到達したと判定した場合(ステップS4:YES)、最高回転数K1でドラムモータ4の回転を継続させる(ステップS5)。
【0059】
CPU8aは、脱水1工程においてドラムモータ4が回転した時間が予めROM8bに記憶されている回転時間T1に到達したか否かを判定する(ステップS6)。回転時間T1に到達していないと判定した場合(ステップS6:NO)、回転時間T1に到達するまで斯かる判定を繰り返す。
【0060】
CPU8aは、脱水1工程においてドラムモータ4が回転した時間が回転時間T1に到達したと判定した場合(ステップS6:YES)、脱水1工程を終了させ、図6に示すように、低い回転数で正方向回転及び逆方向回転を短時間ごとに繰り返し行うようにドラムモータ4を駆動して、回転ドラムの内部の洗濯物をほぐすほぐし工程を行う(ステップS7)。
【0061】
ほぐし工程では、例えば、タイマ8eにてほぐし工程を計時する。所要の時間を経過した後、CPU8aは、回転ドラム3の内部の洗濯物の分布を調整するバランス工程を実行させる(ステップS8)。バランス工程では、例えば図6に示すように低い回転数で正方向回転及び逆方向回転を短時間ごとに繰り返し行うようにドラムモータ4を駆動しながら、例えばタイマ8eにてバランス工程を計時し、所要の時間を経過した後、アンバランス検知部46にて回転ドラム3のアンバランス検知を行う。
【0062】
CPU8aは、アンバランス検知部46により検知されたアンバランス量が予めROM8bに記憶されている許容アンバランス量以下であるか否かを判定し(ステップS9)、許容アンバランス量以下ではないと判定した場合(ステップS9:NO)、処理をステップS8に戻し、検知されたアンバランス量が許容アンバランス量以下となるまでバランス工程を繰り返す。
【0063】
CPU8aは、アンバランス量が許容アンバランス量以下であると判定した場合(ステップS9:YES)、ドラムモータ4の回転数を段階的に上げて、最高回転数が脱水1工程より大きく設定される脱水2工程を行う(ステップS10)。脱水2工程では、図6に示すようにドラムモータ4の回転数を段階的に上げて、洗濯物に含まれていた洗濯水を遠心力で機外に排水させる。また、脱水2工程では、前述した脱水1工程と同様に、ドラムモータ4の回転数が回転数検出部45により検出される。
【0064】
CPU8aは、回転数検出部45により検出されたドラムモータ4の回転数が予めROMに記憶されている最高回転数K2に到達したか否かを判定し(ステップS11)、最高回転数K2に到達していないと判定した場合(ステップS11:NO)、最高回転数K2に到達するまで斯かる判定を繰り返す。
【0065】
CPU8aは、回転数検出部45により検出されたドラムモータ4の回転数が最高回転数K2に到達したと判定した場合(ステップS11:YES)、最高回転数K2でドラムモータ4の回転を継続させる(ステップS12)。
【0066】
CPU8aは、脱水2工程においてドラムモータ4が回転した時間が予めROM8bに記憶されている回転時間T2に到達したか否かを判定する(ステップS13)。回転時間T2に到達していないと判定した場合(ステップS13:NO)、回転時間T2に到達するまで斯かる判定を繰り返す。ここで、脱水2工程におけるドラムモータ4の回転時間T2は、脱水1工程におけるドラムモータ4の回転時間T1より長いことが好ましい。
【0067】
CPU8aは、脱水2工程においてドラムモータ4が回転した時間が回転時間T2に到達したと判定した場合(ステップS13:YES)、図6に示すように、低い回転数で正方向回転及び逆方向回転を短時間ごとに繰り返し行うようにドラムモータ4を駆動して、回転ドラムの内部の洗濯物をほぐすほぐし工程を行う(ステップS14)。
【0068】
ほぐし工程では、例えば、タイマ8eにてほぐし工程を計時する。所要の時間を経過した後、図8に示すように、CPU8aは、回転ドラム3の内部の洗濯物の分布を調整するバランス工程を実行させる(ステップS15)。バランス工程では、例えば図6に示すように低い回転数で正方向回転及び逆方向回転を短時間ごとに繰り返し行うようにドラムモータ4を駆動しながら例えばタイマ8eにてバランス工程を計時し、所要の時間を経過した後、アンバランス検知部46にて回転ドラム3のアンバランス検知を行う。
【0069】
CPU8aは、アンバランス検知部46により検知されたアンバランス量が予めROM8bに記憶されている許容アンバランス量以下であるか否かを判定し(ステップS16)、許容アンバランス量以下ではないと判定した場合(ステップS16:NO)、処理をステップS15に戻し、検知されたアンバランス量が許容アンバランス量以下となるまでバランス工程を繰り返す。
【0070】
CPU8aは、アンバランス量が許容アンバランス量以下であると判定した場合(ステップS16:YES)、ドラムモータ4の回転数を段階的に上げて、最高回転数が脱水2工程より大きく設定される脱水3工程を行う(ステップS17)。脱水3工程では、図6に示すようにドラムモータ4の回転数を段階的に上げて、洗濯物に含まれていた洗濯水を遠心力で機外に排水させる。また、脱水3工程では、前述した脱水2工程と同様に、ドラムモータ4の回転数が回転数検出部45により検出される。
【0071】
CPU8aは、回転数検出部45により検出されたドラムモータ4の回転数が予めROMに記憶されている最高回転数K3に到達したか否かを判定し(ステップS18)、最高回転数K3に到達していないと判定した場合(ステップS18:NO)、最高回転数K3に到達するまで斯かる判定を繰り返す。
【0072】
CPU8aは、回転数検出部45により検出されたドラムモータ4の回転数が最高回転数K3に到達したと判定した場合(ステップS18:YES)、最高回転数K3でドラムモータ4の回転を継続させる(ステップS19)。
【0073】
CPU8aは、脱水3工程においてドラムモータ4が回転した時間が回転時間T3に到達したか否かを判定する(ステップS20)。回転時間T3に到達していないと判定した場合(ステップS20:NO)、回転時間T3に到達するまで斯かる判定を繰り返す。ここで、脱水3工程におけるドラムモータ4の回転時間T3は、脱水2工程におけるドラムモータ4の回転時間T2より長いことが好ましい。
【0074】
CPU8aは、脱水3工程においてドラムモータ4が回転した時間が回転時間T3に到達したと判定した場合(ステップS20:YES)、脱水3工程を終了させ、図6に示すように、低い回転数で正方向回転及び逆方向回転を短時間ごとに繰り返し行うようにドラムモータ4を駆動して、回転ドラムの内部の洗濯物をほぐすほぐし工程を行う(ステップS21)。
【0075】
ほぐし工程では、例えば、タイマ8eにてほぐし工程を計時する。所要の時間を経過した後、CPU8aは、回転ドラム3の内部の洗濯物の分布を調整するバランス工程を実行させる(ステップS22)。バランス工程では、例えば図6に示すように低い回転数で正方向回転及び逆方向回転を短時間ごとに繰り返し行うようにドラムモータ4を駆動しながら、タイマ8eにてバランス工程を計時し、所要の時間を経過した後、アンバランス検知部46にて回転ドラム3のアンバランス検知を行う。
【0076】
CPU8aは、アンバランス検知部46により検知されたアンバランス量が予めROM8bに記憶されている許容アンバランス量以下であるか否かを判定し(ステップS23)、許容アンバランス量以下ではないと判定した場合(ステップS23:NO)、処理をステップS22に戻し、検知されたアンバランス量が許容アンバランス量以下となるまでバランス工程を繰り返す。
【0077】
CPU8aは、アンバランス量が許容アンバランス量以下であると判定した場合(ステップS23:YES)、ドラムモータ4の回転数を段階的に上げて、最高回転数が脱水3工程より大きく設定される脱水4工程を行う(ステップS24)。CPU8aは、脱水4工程が開始した時点に、ファン70とヒータ72とを駆動する(ステップS25)。脱水4工程では、図6に示すようにドラムモータ4の回転数を段階的に上げるとともに、脱水4工程が開始した時点にファン70とヒータ72との動作を開始させる。これにより、洗濯物に含まれていた洗濯水を遠心力で機外に排水させる。また、乾燥風が導出ダクト60から吸い込まれて加圧され、ヒータ70を通過する際に加熱され、温風になって吐出側に連結された導入ダクト61に送り出される。導入ダクト61内に送り出される温風は回転ドラム3内に導入され、回転ドラム3内部の洗濯物と接触する。また、脱水4工程では、前述した脱水3工程と同様に、ドラムモータ4の回転数が回転数検出部45により検出される。
【0078】
CPU8aは、回転数検出部45により検出されたドラムモータ4の回転数が予めROMに記憶されている最高回転数K4に到達したか否かを判定し(ステップS26)、最高回転数K4に到達していないと判定した場合(ステップS26:NO)、最高回転数K4に到達するまで斯かる判定を繰り返す。
【0079】
CPU8aは、回転数検出部45により検出されたドラムモータ4の回転数が最高回転数K4に到達したと判定した場合(ステップS26:YES)、該最高回転数K4でドラムモータ4の回転を継続させる(ステップS27)。
【0080】
CPU8aは、脱水4工程においてドラムモータ4が回転した時間が回転時間T4に到達したか否かを判定する(ステップS28)。回転時間T4に到達していないと判定した場合(ステップS28:NO)、回転時間T4に到達するまで斯かる判定を繰り返す。
【0081】
CPU8aは、脱水4工程においてドラムモータ4が回転した時間が予めROM8bに記憶されている回転時間T4に到達したと判定した場合(ステップS28:YES)、脱水4工程を終了させ、乾燥工程に移行させる(ステップS29)。ここで、脱水4工程におけるドラムモータ4の回転時間T4は、脱水3工程におけるドラムモータ4の回転時間T3より長いことが好ましい。
【0082】
乾燥工程では、CPU8aは、例えば、図6に示すように転ドラム3が正方向回転及び逆方向回転を短時間ごとに繰り返し行うようにドラムモータ4を駆動するとともに、ファン70及びヒータ72を駆動することにより、回転ドラム3内部の洗濯物を導入された乾燥風と充分に接触させる。所要の時間を経過した後、処理が終了する。
【0083】
本発明によれば、洗濯物から一定の水分が抜けた最終回の脱水工程において、ファン70及びヒータ72の動作を開始させることにより、加熱された乾燥風を回転ドラム内に送り込んで、効率的に洗濯物を脱水させることが出来る。また、初期の脱水工程では乾燥風を送り込まないことにより、消費電力を低減させることができる。また、水分が急激に抜けることを回避し、洗濯物の回転ドラムへの張り付きを解消することが出来る。
【0084】
以上の実施の形態においては、脱水工程を4回行い、4回目の脱水工程の開始時点にファン70及びヒータ72を駆動する場合について説明したが、脱水工程の回数は4回に限らず、必要に応じて任意に設定し、最終回の脱水工程の開始時点からファン70及びヒータ72を駆動するようにしても良い。また、ファン70及びヒータ72を駆動する時点は最終回の脱水工程の開始時点に限らず、最終回の脱水工程における任意時点であっても良い。
【0085】
また、各回の脱水工程の回転ドラム3の最高回転数及び各回の脱水工程の運転時間について、1回目から4回目まで順次に高くなる場合について説明したが、これに限らず、必要に応じて任意に設定するようにしても良い。また、最高回転数及び回転時間をRAM8cに一時記憶し、脱水工程が終了する都度、最高回転数及び回転時間を更新して、次の脱水工程を実行するようにしても良い。
【0086】
また、回転時間T1〜T4の代わりに、各脱水工程において最高回転数で回転が継続すべき継続時間t1〜t4を予めROM8bに記憶し、ステップS6、ステップS13,ステップS20、及びステップS28夫々で、最高回転数で回転が継続した時間が予めROM8bに記憶されている継続時間t1〜t4に到達したか否かを判定するようにしても良い。この場合、継続時間t1〜t4は順に増大することが好ましい。
【0087】
また、以上の実施の形態においては、最終回の脱水工程でファン70及びヒータ72を駆動する洗濯乾燥機について説明したが、ヒータ72が停止し、ファン70のみが駆動しても良い。
【0088】
また、以上の実施の形態においては、洗濯槽2及び回転ドラム3が、斜め横姿勢に支持された洗濯乾燥機、所謂、斜めドラム式の洗濯乾燥機について説明したが、本発明は、洗濯槽2及び回転ドラム3が横姿勢又は縦姿勢に支持された洗濯乾燥機にも適用可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0089】
また、以上の実施形態においては、回転ドラム3から流出した多湿の乾燥風を除湿する冷却板23と、乾き空気となった乾燥風を加熱するヒータ72とを備えた洗濯乾燥機について説明したが、乾燥風の除湿及び加熱を行う構成は、これらに限定されない。例えば、本発明は、乾燥風の除湿及び加熱を行うヒートポンプ装置を備える洗濯乾燥機にも適用可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0090】
以上の実施の形態は例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
2 洗濯槽
3 回転ドラム
4 ドラムモータ(モータ)
8 運転制御部(ファン制御手段、加熱制御手段、回転数制御手段、回転時間制御手段)
70 ファン
72 ヒータ(加熱手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽と、該洗濯槽の内部で回転する回転ドラムと、前記洗濯槽及び回転ドラムの内部に乾燥風を循環させる乾燥風路と、該乾燥風路に設けられ、乾燥風を起風させるファンとを備え、前記回転ドラムの内部の洗濯物を洗濯する洗濯工程、該洗濯物を脱水する複数回の脱水工程、及び該洗濯物を前記乾燥風と接触させて乾燥せしめる乾燥工程を、順に行うようにしてある洗濯乾燥機において、
前記複数回の脱水工程の内、最終回の脱水工程が開始されるまで、前記ファンの動作を停止させ、該最終回の脱水工程にて、前記ファンの動作を開始させるように制御するファン制御手段を備えることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
前記乾燥風路に設けられ、通過した乾燥風を加熱する加熱手段と、
前記最終回の脱水工程が開始されるまで、前記加熱手段の動作を停止させ、該最終回の脱水工程にて、前記加熱手段の動作を開始させるように制御する加熱制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記回転ドラムを回転させるモータと、
該モータの回転数が前記複数回の脱水工程の内、前記最終回の脱水工程にて最大となるように制御する回転数制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記モータの回転時間が前記複数回の脱水工程の内、前記最終回の脱水工程にて最長となるように制御する回転時間制御手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記回転ドラムを回転させるモータと、
該モータの回転時間が前記複数回の脱水工程の内、前記最終回の脱水工程にて最長となるように制御する回転時間制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗濯乾燥機。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−81711(P2013−81711A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225204(P2011−225204)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】