説明

洗濯物香り添加剤

ポリエチレングリコール及び香料を有する洗濯物香り添加剤。洗濯物香り添加剤は、消費者の洗濯物に付与される香りの量を、消費者がコントロールすることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物を新鮮にするための製品に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯物への強い香料の香りを好む消費者は多い。このようないわゆる「香りの追求者たち」は、所望の新鮮さを洗濯物に提供するために、洗濯洗剤及び柔軟剤などのような洗濯製品を頻繁に過剰投与するであろう。洗濯物に新鮮さを提供するような芳香添加剤製品を消費者に提供することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような香り添加剤は、低コストで所望の香りレベルを達成するために、他の洗濯製品とは独立して、消費者によって適用可能であることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約2重量%〜約12重量%の遊離香料と、(c)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の約2重量%〜約12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、から本質的になる組成物であり得、組成物は約0.95mg〜約2gの質量を有して香錠剤の形状をなす。
【0005】
本発明の他の実施形態は、複数個の香錠剤を含む、1回用量形態のファブリック処理組成物であり得、それぞれの香錠剤が、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約2重量%〜約12重量%の遊離香料と、(c)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の約2重量%〜約12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、を含み、それぞれの香錠剤が約0.95mg〜約2gの質量を有し、複数個の香錠剤が約13g〜約27gの質量を有して1回用量形態をなす。
【0006】
本発明の他の実施形態は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の約9重量%〜約20重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、から本質的になる組成物であり得、組成物は遊離香料を本質的に含まず、並びに組成物は約0.95mg〜約2gの質量を有して香錠剤の形状をなす。
【0007】
本発明の他の実施形態は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約9重量%〜約20重量%の遊離香料と、から本質的になる組成物であって、組成物は香料キャリアを本質的に含まず、並びに組成物は約0.95mg〜約2gの質量を有して香錠剤の形状をなす。
【0008】
本発明の他の実施形態は、組成物の製造法であり得、製造法は、ガラス転移温度を有する粘性材料を提供することと、粘性材料にガラス転移温度よりも摂氏約20度高い温度未満の加工処理温度を供給することと、粘性材料を小開口に通過させて、移動するコンベヤ表面上に配置させて、その上で粘性材料をガラス転移温度以下に冷却して、複数個の香錠剤を形成することと、を含み、粘性材料は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約2重量%〜約12重量%の遊離香料と、(c)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の約2重量%〜約12重量%の香料マイクロカプセルと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】香錠剤形成装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の組成物は、ポリエチレングリコールと、遊離香料及び/又は香料マイクロカプセルと、必要に応じて染料と、を含んでもよい。1つの実施形態では、組成物は、洗剤界面活性剤及び/又はファブリック軟化活性剤を本質的に含まない。
【0011】
ポリエチレングリコール(PEG)
ポリエチレングリコール(PEG)は比較的低コストであり、多くの異なる形状及び寸法に形成することが可能であり、遊離香料拡散を最小にとどめ、水によく溶解する。PEGは種々の分子量で存在する。洗濯物を新鮮にする目的に適したPEGの分子量は、約3,000〜約13,000、約4,000〜約12,000、あるいは約5,000〜約11,000、あるいは約6,000〜約10,000、あるいは約6,000〜約10,000、あるいは約7,000〜約9,000、あるいはこれらの組み合わせである。PEGは、例えば、PLURIOL E 8000として、BASFから入手可能である。
【0012】
本発明の組成物は、組成物の約65重量%〜約99重量%のPEGを含んでもよい。あるいは、組成物は、組成物の約80重量%〜約91重量%、あるいは約85重量%〜約91重量%、約75重量%以上、あるいは約70重量%〜約98重量%、あるいは約80重量%〜約95重量%、あるいはこれらの組み合わせのPEGを含むことができる。
【0013】
遊離香料
本発明の組成物は、遊離香料及び/又は香料マイクロカプセルを含んでもよい。香料は、米国特許第7,186,680号の第10欄56行〜第25欄22行に概して記載されている。1つの実施形態では、組成物は遊離香料を含み、香料マイクロカプセルのような香料キャリアを本質的に含まない。更に別の実施形態では、組成物は香料キャリア材料(及びそれらに封じ込められた香料)を含む。香料キャリア材料の例は、米国特許第7,186,680号の第25欄23行〜第31欄7行に記載されている。香料キャリアの特別な例は、シクロデキストリンとゼオライトとを含んでもよい。
【0014】
1つの実施形態では、組成物は、遊離(未希釈)香料を含むが、それは香料キャリアを含まないか又は本質的に含まない。このような実施形態では、組成物は、組成物の約20重量%未満、あるいは約25重量%未満、あるいは約9重量%〜約20重量%、あるいは約10重量%〜約18重量%、あるいは約11重量%〜約13重量%、あるいはこれらの組み合わせの遊離香料を含んでもよい。
【0015】
1つの実施形態では、組成物は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約9重量%〜20重量%の遊離香料と、から本質的になり、組成物は香料キャリアを本質的に含まず、並びに組成物は、約0.95mg〜約2gの質量を有して香錠剤の形状をなす。別の実施形態では、組成物が(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約75重量%以上のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約25重量%未満の遊離香料と、から本質的になり、組成物は香料キャリアを本質的に含まず、並びに組成物は約0.95mg〜約2gの質量を有して香錠剤の形状をなす。
【0016】
別の実施形態では、組成物は遊離香料と香料マイクロカプセルとを含む。この実施形態では、組成物の約2重量%〜約12重量%、あるいは約1重量%〜約10重量%、あるいは約3重量%〜約8重量%、あるいは約4重量%〜約7重量%、あるいは約5重量%〜約7重量%、あるいはこれらの組み合わせの遊離香料を含むことができる。
【0017】
更に別の実施形態では、組成物は遊離(未希釈)香料及び香料マイクロカプセルを含むが、これは他の香料キャリアを含まないか又は本質的に含まない。
【0018】
香料マイクロカプセル
本発明の組成物は、香料マイクロカプセル(PMC)内にカプセル化された香料オイルを含むことができる。PMCは破砕可能なPMCであり得る。用語「PMC」と「香料マイクロカプセル」とは、互換的に用いられていて、複数個の香料マイクロカプセルを称する。好適な香料マイクロカプセル及び香料ナノカプセルとしては、米国特許出願公開第2003215417(A1)号、同第2003216488(A1)号、同第2003158344(A1)号、同第2003165692(A1)号、同第2004071742(A1)号、同第2004071746(A1)号、同第2004072719(A1)号、同第2004072720(A1)号、同第2003203829(A1)号、同第2003195133(A1)号、同第2004087477(A1)号、及び同第20040106536(A1)号、米国特許第6,645,479号、同第6,200,949号、同第4,882,220号、同第4,917,920号、同第4,514,461号、及び同第4,234,627号、米国再発行特許第32,713号、並びに欧州特許公開第EP 1393706(A1)号が挙げられる。
【0019】
本発明の目的のためには、「香料マイクロカプセル」又は「PMC」という用語は、香料マイクロカプセルと香料ナノカプセルとの両方を表す。PMCは破砕可能である(例えば、水分活性化PMCと比較して)。PMCは水分活性化であり得る。
【0020】
1つの実施形態では、PMCはメラミン/ホルムアルデヒドシェルを含む。カプセル化香料及び/又はPMCは、Appleton、Quest International、又はInternational Flavor & Fragrances、又は他の好適な調達源から入手可能である。1つの実施形態では、米国特許第7,125,835号、同第7,196,049号、及び同第7,119,057号に記載されているように、布地に付着するPMCの能力を増強させるために、PMCシェルは、ポリマーによって被覆されている。
【0021】
1つの実施形態では、組成物はPMCを含むが、(未希釈)香料を含まない又は本質的に含まない。このような実施形態では、組成物は、組成物の約20重量%未満、あるいは約25重量%未満、あるいは約9重量%〜約20重量%、あるいは約9重量%〜約15重量%、あるいは約10重量%〜約14重量%、あるいは約11重量%〜約13重量%、あるいはこれらの組み合わせのPMC(カプセル化香料を含む)を含んでもよい。このような実施形態では、PMCによってカプセル化された香料は、組成物の約0.6重量%〜約4重量%の香料を含んでもよい。
【0022】
1つの実施形態では、組成物は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の、約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の、約9重量%〜約20重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、から本質的になり、組成物は遊離香料を本質的に含まず、並びに組成物は約0.95mg〜約2gの質量を有して香錠剤の形状をなす。このような実施形態では、PMCによってカプセル化された香料は、組成物の約0.6重量%〜約4重量%の香料を含んでもよい。
【0023】
別の実施形態では、組成物はPMCと遊離香料とを含む。このような実施形態では、組成物は、組成物の約1重量%〜約10重量%、あるいは約2重量%〜約12重量%、あるいは約2重量%〜約8重量%、あるいは約3重量%〜約8重量%、あるいは約4重量%〜約7重量%、あるいは約5重量%〜約7重量%、あるいはこれらの組み合わせのPMC(カプセル化香料を含む)を含んでよい。この実施形態では、PMCによってカプセル化された香料は、組成物の約0.6重量%〜約4重量%の香料を含んでもよい。
【0024】
1つの実施形態では、組成物は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約2重量%〜約12重量%の遊離香料と、(c)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の約2重量%〜約12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、から本質的になり、組成物は約0.95mg〜約2gの質量を有して香錠剤の形状をなす。この実施形態では、PMCによってカプセル化された香料は、組成物の約0.6重量%〜約4重量%の香料を含んでよい。
【0025】
1つの実施形態では、組成物は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約2重量%〜約12重量%の遊離香料と、(c)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の約2重量%〜約12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、を含み、組成物は香錠剤の形状にされ、それぞれの香錠剤は約0.95mg〜約2gの質量を有する。このような配合は、組成物の使用者にバランスの取れた香り体験を提供すると考えられる。組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールのレベルを伴うことによって、組成物の約2重量%〜約12重量%の遊離香料が、使用者が組成物を含有するパッケージを開封する際に、並びに使用者が組成物を投与装置に注ぎ、洗濯機に組成物を移す際に、使用者に快適な香り体験を提供することができる。これが、使用者が香りを有意に検出可能なレベルで体験し得るが、香りによって圧倒されることがないレベルである。同様に、香錠剤が1回用量形態で洗濯に適用される場合に、組成物の約2重量%〜約12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルが、香錠剤の物理的及び/又は化学的安定性を提供して、洗濯中に破砕可能な香料マイクロカプセルの有効量を使用者の衣類に付着させ得る。更に、追加の成分が香錠剤の物理的及び/又は化学的安定性を妨害する可能性があるため、並びに界面活性剤、ファブリック柔軟剤、又は他の同様な成分のような他の成分が、洗剤又は乾燥機添加製品のような他のメカニズムによって供給され得ることを認識し、洗濯及び/又は乾燥中に使用者がこのような成分を過剰投与し得る可能性があるため、組成物が指定レベルで上記成分から本質的に構成されることは有利であり得る。
【0026】
更に別の実施形態では、組成物は香料マイクロカプセルを含むことができるが、他の香料キャリア及び/又は遊離(未希釈)香料を含まないか又は本質的に含まない。更になお別の実施形態では、組成物はホルムアルデヒド捕捉剤を含んでもよい。更になお別の実施形態では、本発明の組成物の香りは、ファブリックケア製品(例えば、洗濯洗剤、ファブリック柔軟剤)の香りと合わせられる。このように、APRIL FRESHの香りを好む消費者が、APRIL FRESHの香りを有する香錠剤を用いることが可能であり、これによって、彼らの洗濯物を洗浄する香り体験をAPRIL FRESHを用いて得られる彼らの香り体験と合わせることができる。本発明の香錠剤は、統合された香りを有する製品アレイ(洗濯洗剤及び/又はファブリック柔軟剤と共に)として販売されてもよい。
【0027】
染料
本組成物は、染料を含んでよい。染料は、洗濯洗剤又はファブリック柔軟剤で典型的に用いられるような染料を含んでよい。組成物は、組成物の約0.001重量%〜約0.1重量%、あるいは約0.01重量%〜約0.02重量%、あるいはこれらの組み合わせの染料を含んでよい。染料の例としては、Millikin Chemicalから入手可能なLIQUITINT BLUEが挙げられる。
【0028】
洗濯活性剤及び柔軟剤を含まないもの
本組成物は、洗濯活性剤及び/又はファブリック柔軟剤を含まなくてよい。コストを低減し、配合能力の問題を回避するために、本発明の1つの態様は、洗濯活性剤及び/又はファブリック柔軟剤を含まない又は本質的に含まない組成物を含んでよい。1つの実施形態では、組成物は、組成物の約3重量%未満、あるいは約2重量%未満、あるいは組成物の約1重量%未満、あるいは組成物の約0.1重量%未満の洗濯活性剤及び/又はファブリック柔軟剤(又はこれらの組み合わせ)を含むか、あるいはほとんど含まない。洗濯活性剤としては、洗剤界面活性剤、洗剤ビルダー、漂白剤、酵素、これらの混合物などが挙げられる。界面活性剤の非洗浄のレベルを利用して、組成物内に収容された香料を溶解することを補助できることが理解されよう。
【0029】
香錠剤
本発明の組成物は、米国特許第5,013,498号及び同第5,770,235号に開示された方法を含む当該技術分野で既知の方法によって、香錠剤に形成され得る。本発明の組成物は、バッチ又は連続モードのいずれかで調製されてもよい。バッチモードでは、温度制御を有する混合容器内に溶融PEGが充填される。次に、PMCが添加され、均質になるまでPEGと混合される。次に、香料が容器に添加されて、混合物全体が均質になるまで、成分が一定時間更に混合される。連続モードでは、静的混合機又は高剪断混合機のような直列式混合機内で、溶融PEGが香料及びPMCと混合されて、次に生成した均質の混合物が香錠剤形成のために用いられる。PMC及び香料は、いかなる順番でも又は同時にPEGに添加され得、染料は香錠剤形成の前の工程で添加され得る。
【0030】
香錠剤は、錠剤、ピル、球体など含む異なる形状に形成されてもよい。香錠剤は、球形、半球形、圧縮半球形、扁豆形、長円形からなる群から選択される形状を有し得る。扁豆形は、レンズマメの形状を称する。圧縮半球形は、曲面の曲率が同一の半径を有する半球形の曲率よりも平均して小さいような少なくとも部分的に平坦であるような半球形に相当する形状を称する。圧縮半球形香錠剤は、約0.01〜約0.4、あるいは約0.1〜約0.4、あるいは約0.2〜約0.3の直径に対する高さの比を有し得る。長円形は、最大寸法及び最大寸法に直交する最大第2寸法を有する形状を称し、最大第2寸法に対する最大寸法の比が約1.2よりも大きい。長円形は、約1.5よりも大きい最大第2寸法に対する最大寸法の比を有し得る。長円形は、約2よりも大きい最大第2寸法に対する最大寸法の比を有し得る。長円形粒子は、約2mm〜約6mmの最大寸法と、約2mm〜約4mmの最大第2寸法を有し得る。
【0031】
本明細書で開示されたいずれかの配合の別の実施形態では、それぞれの個々の香錠剤は、約0.95mg〜約2g、あるいは約10mg〜約1g、あるいは約10mg〜約500mg、あるいは約10mg〜約250mg、あるいは約0.95mg〜約125mg、あるいはこれらの組み合わせの質量を有し得る。複数個の香錠剤では、個々の香錠剤は、球形、半球形、圧縮半球形、扁豆形、長円形からなる群から選択される形状を有し得る。
【0032】
個々の香錠剤は、約0.003cm〜約0.15cmの体積を有し得る。複数個の香錠剤は、洗濯機又は洗浄用容器内の洗濯物に投入するための1回用量形態を合わせて含んでもよい。香錠剤の単一1回用量形態は、約13g〜約27g、あるいは約14g〜約20g、あるいは約15g〜約19g、あるいは約16g〜約18g、あるいはこれらの組み合わせを含んでもよい。1回用量形態を作り上げている複数個の香錠剤を形成する個々の香錠剤は、それぞれ約0.95mg〜約2gの質量を有し得る。複数個の香錠剤は、異なる寸法、形状、及び/又は質量の香錠剤から作り上げられ得る。1回用量形態での香錠剤は、約1センチメートル未満の最大寸法を有し得る。
【0033】
本組成物は、香錠剤形成工程によって製造されてよい。香錠剤形成装置100の概略が図1に示されている。このような工程による製造の段階は、粘性材料50として所望の配合物を提供することを含むことができる。粘性材料50は、本明細書に開示された任意の可能な配合物を含むか又はそれらから構成され得る。1つの実施形態では、粘性材料50は、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜約91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約2重量%〜約12重量%の遊離香料と、(c)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の約2重量%〜約12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、を含む。粘性材料50は、示差走査熱量計によって決定されたような凝固温度の開始温度より摂氏約20度高い温度未満の処理温度にて供給され得る。
【0034】
1つの実施形態では、PMCはスラリーとしてポリエチレングリコール及び遊離香料に添加されて、粘性材料50を形成することができる。PMCは、粉末としてポリエチレングリコール及び遊離香料に添加されて、粘性材料50を形成することができる。粘性材料50を小開口10に通過させて、移動するコンベヤ表面20上に配置させて、そのコンベヤ表面上で粘性材料50をガラス転移温度以下に冷却して、複数個の香錠剤30を形成する。図1に示されるように、小開口10は、回転可能な香錠剤形成ロール5上にあり得る。粘性材料50は、粘性材料ディストリビュータ40によって、小開口10に分配され得る。香錠剤は、Sandvik Materials Technologyから入手可能なROTOFORMER上で形成され得る。
【0035】
パッケージ
1回用量形態又は複数の1回用量形態がパッケージ内に封入され得る。パッケージはボトル、バッグ、又は他の容器でもよい。1つの実施形態では、パッケージはボトルであって、香錠剤を消費者に見えるようにするための半透明の部分を備えるPETボトルが好ましい。1つの実施形態では、パッケージは単一1回用量形態(例えば、お試しサイズの分包)、又は複数の1回用量形態(例えば、1回用量形態約15個〜1回用量形態約30個)を含む。
【0036】
投与
上述のパッケージは、香錠剤をパッケージから洗濯機(又は手洗い用途では洗面器)に分配するための投与手段を備えてもよい。使用者は、推奨された単位用量を計測するために投与手段を用いてもよく、使用者自身の香り嗜好によって香錠剤を計測するために投与手段を単に用いてもよい。投与手段の例は、分配キャップ、ドームなどでもよく、これはパッケージに機能的に取り付けられている。投与手段は、例えば、パッケージ上に据え付けられたカップのように、パッケージから取り外し可能に脱着できて、パッケージに再度取り付けすることができる。投与手段はパッケージの台につながれていて(例えば、ヒンジ又はストリングによって)もよい(あるいは、つながれていなくてもよい)。投与手段は、推奨した単位投与用量を示すための1つ又はそれ以上の境界線(例えば、充填線)を有してもよい。パッケージは、使用者にパッケージの取り外し可能な開口を開くように、並びにパッケージ内に封入された香錠剤を投与手段へと分配する(例えば、注ぐ)よう指示する取扱説明を含んでもよい。これによって、使用者は投与手段内に封入された香錠剤を洗濯機又は洗面器に投与するよう指示され得る。本発明の香錠剤は、洗濯物に新鮮さを加えるために用いられてもよい。投与手段を備えるパッケージは、プラスチック製でもよい。
【0037】
1つの実施形態は、複数個の香錠剤を含む、1回用量形態のファブリック処理組成物であり得、それぞれの香錠剤が、(a)ポリエチレングリコールが約5,000〜約11,000の分子量を有するような、組成物の約80重量%〜91重量%のポリエチレングリコールと、(b)組成物の約2重量%〜約12重量%の遊離香料と、(c)香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含むような、組成物の約2重量%〜約12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、を含み、それぞれの香錠剤が約0.95mg〜約2gの質量を有し、複数個の香錠剤が約13g〜約27gの質量を有して1回用量形態をなす。
【0038】
1つの実施形態では、本発明の香錠剤は、洗濯機の「洗浄サイクル」中に使用されるものとして、洗濯機に投与され得る(しかし、「濯ぎサイクル」で使用されてもよい)。別の実施形態では、本発明の香錠剤は、洗濯物の洗浄及び/又は濯ぎ中に、洗面器に投与される。洗濯物の手濯ぎ用途では、香錠剤は、Wackerから入手可能であるような「消泡剤」を更に含んでもよい。消泡剤(石鹸泡抑制システム)は、米国特許公開第20030060389号の65〜77に記載されている。
【実施例】
【0039】
【表1】

PMCは、Appletonからの尿素−ホルムアルデヒドシェルを備えた破砕可能なPMCである。PMC(カプセル化香料を含む)の約50重量%の水が想定される。
カプセル化香料(PMC内の)は約32%が活性であると想定する。
【0040】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるものではない。むしろ、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0041】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用されるすべての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0042】
本発明の特定の実施形態が例示され、記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の香錠剤を含む、1回用量のファブリック処理組成物であって、それぞれの香錠剤が、
(a)前記組成物の80重量%〜91重量%のポリエチレングリコールと、前記ポリエチレングリコールが5,000〜11,000の分子量を有し、
(b)前記組成物の2重量%〜12重量%の遊離香料と、
(c)前記組成物の2重量%〜12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、を含み、前記破砕可能な香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含み、
前記香錠剤のそれぞれが0.95mg〜2gの質量を有し、
前記複数個の香錠剤が13g〜27gの質量を有して前記1回用量をなす、ファブリック処理組成物。
【請求項2】
前記破砕可能なマイクロカプセルが、メラミン/ホルムアルデヒドシェルを含み、前記破砕可能な香料マイクロカプセルが、前記組成物の0.6重量%〜4重量%の香料をカプセル化する、請求項1に記載のファブリック処理組成物の1回用量。
【請求項3】
前記複数個の香錠剤が、球形、半球形、圧縮半球形、扁豆形、及び長円形からなる群から選択される形状を有する個々の香錠剤を含む、請求項1又は2に記載のファブリック処理組成物の1回用量形態。
【請求項4】
前記香錠剤が1センチメートル未満の最大寸法を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のファブリック処理組成物の1回用量形態。
【請求項5】
前記組成物が、
(a)前記組成物の80重量%〜91重量%のポリエチレングリコールと、前記ポリエチレングリコールが5,000〜11,000の分子量を有し、
(b)前記組成物の2重量%〜12重量%の遊離香料と、
(c)前記組成物の2重量%〜12重量%の破砕可能な香料マイクロカプセルと、から本質的になり、前記破砕可能なマイクロカプセルがカプセル化香料を含む、請求項1に記載のファブリック処理組成物の1回用量形態。
【請求項6】
前記破砕可能な香料マイクロカプセルが、メラミン/ホルムアルデヒドシェルを含み、前記破砕可能な香料マイクロカプセルが、前記組成物の0.6重量%〜4重量%の香料をカプセル化する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記香錠剤が、球形、半球形、圧縮球形、扁豆形、及び長円形からなる群から選択される形状を有する、請求項5又は6に記載の組成物。
【請求項8】
前記香錠剤が1センチメートル未満の最大寸法を有する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物の製造法であって、
(a)前記組成物の80重量%〜91重量%のポリエチレングリコールと、前記ポリエチレングリコールが5,000〜11,000の分子量を有し、
(b)前記組成物の2重量%〜12重量%の遊離香料と、
(c)前記組成物の2重量%〜12重量%の香料マイクロカプセルと、を含み、前記香料マイクロカプセルがカプセル化香料を含んでなる粘性材料を用意し、
前記粘性材料を小開口に通過させて、移動するコンベヤ表面上に配置させて、前記粘性材料がその上で冷却されて複数個の香錠剤を形成することを含む、組成物の製造法。
【請求項10】
前記香料マイクロカプセルが破砕可能な香料マイクロカプセルであり、メラミン/ホルムアルデヒドシェルを含み、前記破砕可能な香料マイクロカプセルが、前記組成物の0.6重量%〜4重量%の香料をカプセル化している、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数個の香錠剤が、球形、半球形、圧縮球形、扁豆形、及び長円形からなる群から選択される形状を有する香錠剤を含む、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記香錠剤が1センチメートル未満の最大寸法を有する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記香錠剤が0.95mg〜2gの質量を有する、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−509508(P2013−509508A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537983(P2012−537983)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/055398
【国際公開番号】WO2011/056938
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】